JP2015026012A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】現像剤容器の挿入と固定や固定解除と引き抜きを夫々ワンアクションで行うことができ、適切なクリック感を操作者に安定的に感知させることが可能な構成を備える画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置は、係合部(108)を有し且つ現像剤を収容すると共に装置本体に挿入自在な現像剤容器(100)と、係合部と係合自在な被係合部(106)を有し、装置本体にて現像剤容器の挿入方向(矢印A方向)と交差する方向に配置された揺動軸(80)を中心として揺動する揺動部材(104)とを有する。さらに画像形成装置は、現像剤容器の挿入時に現像剤容器と揺動部材との間で圧縮されて揺動部材を揺動させるように押圧することで被係合部を係合部に係合させて、現像剤容器を装置本体に固定する弾性部材(105)を有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、トナーボトル等の現像剤容器からのトナー等の現像剤を現像装置に補給する現像剤補給構造を備えた画像形成装置に関する。
一般に、感光体に形成された静電像をトナー(現像剤)で現像してトナー像とし、このトナー像を記録材に転写するように構成した画像形成装置が知られている。この画像形成装置は、画像形成に伴って消費されるトナーをトナーボトル(現像剤容器)から現像装置に補給する現像剤補給装置を有している。トナーボトルは、消費に伴ってトナーの内容量が無くなった時点で装置本体から引き抜かれ、トナーを充填した別のトナーボトルと交換される。
このように交換可能なトナーボトルを、挿入長手方向に固定する構成を備えた画像形成装置が知られている(特許文献1参照)。この画像形成装置は、回転することで内部に収容されている部材の直線移動を生起させる構造を備えた容器の支持構造を備えている。
この支持構造は、複数のトナーボトルの内の1つをその長手方向に直交する方向に挿入可能な収容空間を有し、この収容空間内に、トナーボトルを長手方向で挟持する挟持部を有している。この挟持部は、片部先端がトナーボトルの長手方向端部に干渉する形状を有し、トナーボトルの装着時にこの端部と干渉することで生起される形状復元力によってトナーボトルの端部を挟持する。
特開2005−242203号公報
しかし、特許文献1に記載の技術では、装着操作の容易性と装着時及び装着後のトナーボトル(現像剤容器)の安定した位置保持性を得ることは可能であるが、トナーボトルの挿入と固定や固定解除と引き抜きを夫々ワンアクションで行うことは難しい。そして、操作者に対する適切なクリック感を安定的に認識させることも難しかった。
本発明は、現像剤容器の挿入と固定や固定解除と引き抜きを夫々ワンアクションで行うことが可能で、適切なクリック感を操作者に安定的に認識させることが可能な構成の画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明は、画像形成装置において、係合部を有し且つ現像剤を収容すると共に装置本体に挿入自在な現像剤容器と、前記係合部と係合自在な被係合部を有し、前記装置本体にて前記現像剤容器の挿入方向と交差する方向に配置された揺動軸を中心として揺動する揺動部材と、前記現像剤容器の挿入時に前記現像剤容器と前記揺動部材との間で圧縮されて前記揺動部材を揺動させるように押圧することで前記被係合部を前記係合部に係合させて、前記現像剤容器を前記装置本体に固定する弾性部材と、を備えることを特徴とする。
本発明によると、現像剤容器が装置本体に挿入される際、弾性部材により現像剤容器が挿入方向と反対方向に押圧される力で挿入方向への操作力が次第に高くなり、被係合部が係合部に係合する時に操作力が急峻に低下することで装着時のクリック感が発生する。一方、現像剤容器が装置本体から引き抜かれる際、弾性部材の付勢力に抗して係合部から被係合部を外すときに、引き抜き力が急峻に低下して引抜き時のクリック感が発生する。このように、現像剤容器の挿入と固定や固定解除と引き抜きを夫々ワンアクションで行うことが可能になると共に、適切なクリック感を操作者に安定的に認識させることが可能になる。
本発明の実施形態における画像形成装置の概略構成を示す概略断面図。 (a),(b)は本実施形態におけるトナーボトル挿入時の状態を段階的に示す側面図。 (a),(b)は本実施形態におけるトナーボトル挿入時の状態を段階的に示す側面図。 (a)〜(c)は本実施形態におけるトナーボトル引抜き時の状態を段階的に示す側面図。 (a)は比較例におけるトナーボトルの装着状態を示す側面図、(b)は比較例におけるトナーボトル挿入時の状態を示す側面図。 (a),(b)は比較例におけるトナーボトル挿入時の別の状態をそれぞれ示す側面図。 (a)〜(c)は挿入時、引き抜き時の抵抗力によるクリック感について説明するグラフ図。
以下、本発明に係る実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図面を通して同一の符号は、同一又は対応する部分を示している。
本発明に係る画像形成装置は、トナー搬送手段を備える限りにおいて、実施形態の構成の一部または全部を、その代替的な構成で置き換えた別の実施形態でも実施可能である。従って、中間転写ベルト等の中間転写体に接する感光ドラム等の像担持体が4つに限らず、3つ以下又は5つ以上の画像形成装置でも実施することが可能である。また、本実施形態では、トナー搬送に係る主要部を中心に説明するが、本発明は、必要な機器、装備、筐体構造を加えて、各種印刷機、複写機、FAX、複合機等、種々の用途で実施できる。
[画像形成装置]
図1は、本実施形態における画像形成装置の概略構成を示す概略断面図である。図1に示すように、画像形成装置50は、その装置本体50a内に、中間転写ベルト8の下側の直線区間に沿って画像形成部Pa,Pb,Pc,Pdを配列したタンデム型中間転写方式のフルカラープリンタである。
最も上流側の画像形成部Paは、感光ドラム1aにイエロートナー像が形成されて、一次転写部T1aにて中間転写ベルト8に一次転写される。画像形成部Pbでは、感光ドラム1bにマゼンタトナー像が形成されて、一次転写部T1bにて、中間転写ベルト8のイエロートナー像に重ねて一次転写される。
同様に、画像形成部Pc及びPdでは、それぞれ感光ドラム1c,1dにシアントナー像、ブラックトナー像が形成されて、同様に一次転写部T1c,T1dにて、中間転写ベルト8に一次転写される。
中間転写ベルト8に、順次、一次転写された四色のトナー像は、二次転写部T2へ搬送されて、記録材Pに一括して二次転写される。二次転写部T2を通過して中間転写ベルト8に残留した転写残トナーは、ベルトクリーニング装置9によって除去される。
ベルトクリーニング装置9は、中間転写ベルト8にクリーニングブレード91を摺擦させ、二次転写部T2を通過した中間転写ベルト8の表面に付着した転写残トナーを除去する。クリーニングブレード91で除去された転写残トナーは、ベルトクリーニング装置9のトナー搬送スクリュー93によって本体奥側のトナー搬送部を通過して回収トナー容器へ搬送される。
四色のトナー像を転写された記録材Pは、定着装置56で加熱加圧を受けて表面にトナー像を定着された後に、排出ローラ32から排紙トレイ31へ排出される。定着装置56は、ヒータを設けた定着ローラ56aに加圧ローラ56bを圧接して加熱ニップを形成している。記録材Pは、この加熱ニップで挟持搬送される過程で加熱加圧を受けてトナー像が溶融され、フルカラー画像として表面に定着される。
装置本体50a内の下部には、記録材収納カセット71が収容配置されている。記録材Pは、この記録材収納カセット71から1枚ずつ送り出され、分離ローラ72によって1枚ずつ分離されてレジストローラ61に搬送される。このレジストローラ61は、中間転写ベルト8のトナー像にタイミングを合わせて、記録材Pを二次転写部T2へ給送する。
4つの画像形成部Pa,Pb,Pc,Pdは、付設された現像装置4a,4b,4c,4dで用いるトナーの色がイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックと異なる以外は、同一に構成されている。以下では、最も上流の画像形成部Paを中心に説明し、他の画像形成部Pb,Pc,Pdについては、説明中の符号末尾のaをb、c、dに読み替えて説明されるものとする。
画像形成部Paは、感光ドラム1aの周囲に、帯電装置2a、露光装置3(3a)、現像装置4a、一次転写ローラ5a、クリーニング装置6aを備えている。これら感光ドラム1a及び現像装置4a等を有する画像形成部Paは、そのメンテナンス用途のためにプロセスカートリッジ化されている。
感光ドラム1aは、帯電極性が負極性の感光層を表面に形成された金属円筒で構成され、不図示の駆動モータから駆動力を伝達され、所定のプロセススピードで矢印R1方向に回転する。
帯電装置2aでは、感光ドラム1aに帯電ローラを圧接して回転させ、帯電ローラに直流電圧と交流電圧とを重畳した電圧を印加して、感光ドラムの表面を一様に帯電する。
露光装置3(3a)は、イエローの分解色画像を展開した走査線画像データをON−OFF変調したレーザービームを多面体ミラーで走査して、帯電した感光ドラムの表面に画像の静電像を書き込む。露光装置3(3a)は、与えられる画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応した発光を行うレーザー発光手段、ポリゴンレンズ、反射ミラー等を有している。
現像装置4aは、負極性に帯電したトナーを感光ドラム1aの静電像の露光部分に付着させて静電像を反転現像する。現像装置4aは、トナーを担持した現像スリーブ7aを固定磁極を中心に感光ドラム1aに対してカウンタ方向に回転させ、不図示の電源から現像スリーブ7aに負極性の直流電圧に交流電圧を重畳した現像電圧を印加する。
一次転写ローラ5aは、中間転写ベルト8を介して感光ドラム1aに圧接して、感光ドラム1aと中間転写ベルト8との間に一次転写部T1aを形成する。中間転写ベルト8は、負極性に帯電したトナー像に重ね合わせて一次転写部T1aを通過する過程で、不図示の電源から一次転写ローラ5aに正極性の直流電圧が印加されることによって、トナー像を一次転写される。
クリーニング装置6aは、感光ドラム1aにクリーニングブレードを摺擦させ、一次転写部T1aを通過して感光ドラム1aの表面に残留した転写残トナーを除去して、次回のトナー像形成に備えさせる。
中間転写ベルト8は、テンションローラ83と、二次転写内ローラを兼ねた駆動ローラ82と、張架ローラ81とに掛け渡して張架され、駆動ローラ82により駆動されて矢印R2方向に回転する。中間転写ベルト8は、例えば、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム、ポリフッ化ビニリデン樹脂フィルム等のような誘電体樹脂によって構成されている。
二次転写部T2は、駆動ローラ82で内側面を張架された中間転写ベルト8に二次転写外ローラ51が当接することによって形成される。二次転写部T2は、不図示の電源から二次転写外ローラ51に正極性の直流電圧が印加されることで、接地電位に接続された駆動ローラ82との間にトナー像の転写電界が形成される。
[トナー補給部]
次に、本実施形態におけるトナー補給部53について説明する。すなわち、図1に示すように、装置本体50aは、中間転写ベルト8の上方にトナー補給部53を有している。トナー補給部53は、図1の左右方向に沿って配列された、装置本体50aに対して着脱可能な現像剤容器としてのトナーボトル100a,100b,100c,100dを有している。各トナーボトル100a〜100dには、トナー補給機構102a,102b,102c,102dがそれぞれ設けられている。
現像剤容器としてのトナーボトル100a〜100dは、係合部としての係合凸部108(図2参照)を有し且つ現像剤としてのトナーを収容すると共に装置本体50aに挿入自在に構成されている。係合凸部(係合部)108は、トナーボトル100の引き抜き時にロック爪(被係合部)106(図2参照)の係合が外れる方向に傾斜した傾斜面108a(図2参照)を挿入方向(図2の矢印A方向)の上流側(図2の左側)に有している。
被係合部としてのロック爪106は、係合部としての係合凸部108と係合した状態で傾斜面108aと線接触する(図2(a)参照)。この傾斜面108aは、ロック爪106と線接触する線を通る揺動軸80を中心とした仮想円筒面Fの接平面Hよりも挿入方向(図2矢印A方向)の下流側(図2の右側)に傾斜している。
トナー補給部53は、トナーボトル100a〜100dの各対応部にボトル装着部101a,101b,101c,101dを有している。トナー補給部53は、現像装置4a〜4dに蓄えられたトナーの量に応じて、トナーボトル100a〜100dからトナー補給機構102a,102b,102c,102dを経由して現像装置4a〜4dにトナーを補給する。
なお、トナーボトル100a〜100d、ボトル装着部101a〜101d、トナー補給機構102a〜102d等は、何れもトナーボトルに収容されるトナーの種類が異なるだけで、それ以外の構成は同一である。従って、以下の説明では、便宜上、符号末尾のa、b、c、dを適宜省略することとする。
図2(a),(b)に示すように、ボトル装着部101は、挿入又は引き抜かれるトナーボトル100を案内するボトルガイド103と、ボトルガイド103の奥側(図2の右側)上部に配置された揺動部材としてのロックアーム104とを有している。揺動部材としてのロックアーム104は、係合凸部(係合部)108と係合自在な被係合部としてのロック爪106を有している。このロックアーム104は、装置本体50aにてトナーボトル100の挿入方向(矢印Aの方向)と交差する方向(図2の手前−奥方向)に配置された揺動軸80を中心として揺動するように支持されている。
また、ボトル装着部101に挿入・引き抜き(挿抜)されるトナーボトル100は、ボトルガイド103の奥側に挿入されるボトルエンド109の上部に、台形状に突出してロックアーム104と係合可能な係合凸部108を有している。係合凸部108は、挿入方向(矢印A方向)の上流側と下流側に、上方に向かってそれぞれ所定の角度で傾斜する傾斜面108a,108bを有している。
ボトルガイド103は、ボトル装着部101の奥側(図2の右側)の下部がトナー補給機構102に接続されており、最も奥側に、トナーボトル100のボトルエンド109に対向するように突出形成されたボトルストッパ107を有している。矢印A方向に押し込まれてボトル装着部101に挿入されるトナーボトル100は、最も奥側でボトルストッパ107に当接して停止される。
ロックアーム(揺動部材)104は、揺動軸80から挿入方向に関するトナーボトル100側(現像剤容器側)に延設された状態で先端にロック爪(被係合部)106を有する第1のアーム部としてのアーム部104aを有している。さらにロックアーム104は、トナーボトル100の挿入方向のボトルエンド(下流端面)109と対向するように延設された状態でボトルばね(弾性部材)105を有する第2のアーム部としてのアーム部104bを有している。
即ち、ロックアーム104は、互いに直交するように延設されるアーム部104a,104bからなるL字状に形成され、アーム部104a,104bの交点部分が、装置本体50a側に支持された揺動軸80に支持されている。ロックアーム104は、揺動軸80を支点として矢印E方向に揺動自在に支持されている。
そしてロックアーム104は、トナーボトル100が挿入されない状態で、トナーボトル100を受け入れ可能な姿勢に姿勢保持部55によって保持される。即ち、ロックアーム104は、外力を受けない状態ではアーム部104aをボトルガイド103に平行に且つアーム部104bをボトルエンド109に平行に維持する図2(a)の初期位置に、装置本体50a側に固定された姿勢保持部55によって保持される。
ロックアーム104は、全体の重量バランスにより同図の反時計回り方向に回転モーメントが生じるが、アーム部104bの外面を姿勢保持部55で規制されることで初期位置に保持される。或いは、このような重量バランスに代えて、付勢力が比較的弱いトーションばね(不図示)でロックアーム104を同図の反時計回り方向に付勢して、姿勢保持部55にアーム部104bを当接させて規制するように構成することも可能である。
ロックアーム104は、アーム部104aの先端下部に、略直角三角形状に形成されたロック爪106を有している。ロック爪106は、挿入方向(矢印Aの方向)の下流側に、下方に向かって所定の角度で傾斜する傾斜面106aを有し、上流側に、アーム部104aの先端部分から鉛直方向に垂下する係止面106bを有している。
ロックアーム104は、アーム部104bの下端部におけるトナーボトル100を向いた側に、弾性部材としてのボトルばね105を有している。ボトルばね105は、トナーボトル100の挿入時にトナーボトル100とロックアーム104間で圧縮されてロックアーム104を揺動させるように押圧することでロック爪106を係合凸部108に係合させ、トナーボトル100を装置本体50aに固定する。
本実施形態では、ボトルばね105は、圧縮ばねで構成されており、挿入されるトナーボトル100のボトルエンド109が当接するとトナーボトル100の挿入量に比例して徐々に抵抗感が増していくようにそのばね力が設定されている。なお、ボトルばね105をロックアーム104側でなくトナーボトル100側に配置することも可能である。その場合にも略同様の効果を得ることが可能である。
次に、ボトル装着部101に対してトナーボトル100の挿入・引き抜きする際の動作について説明する。
[トナーボトル挿入時]
図2(a)に示すように、空状態のボトル装着部101にトナーボトル100を装着する場合、トナーボトル100は、ボトルガイド103に下面をガイドされて、装置本体50a前面より挿入される。この際、ロックアーム104を有するロック部分の手前ではトナーボトル100の挿入抵抗となるものはないので、操作者はトナーボトル100を抵抗感なくスムーズに挿入することができる。なお、トナーボトル100の挿入方向は、装置本体50a前面からに限らず、他の方向から挿入するように構成することも可能である。
そして、図2(b)に示すように、トナーボトル100が奥側まで挿入されると、最初にトナーボトル100上部の係合凸部108がその傾斜面108b側をロック爪106の傾斜面106aに摺接させながら進む。これにより、ロック爪106には、係合凸部108により持ち上げられる方向(矢印Bの方向)の力が作用する。
この際、ロックアーム104は回動自在に保持されているため、ロック爪106を持ち上げることによる抵抗は小さい。従って、トナーボトル100は、引き続き抵抗感なくスムーズに操作される。トナーボトル100の挿入によりロック爪106が持ち上げられるタイミングでは、トナーボトル100のボトルエンド109とボトルばね105とは接触していないため、抵抗感の低い状態が維持される。
図3(a)に示すように、さらにトナーボトル100が挿入されると、トナーボトル100のボトルエンド109がボトルばね105に当接する。この際、ロックアーム104のロック爪106は、傾斜面106aを傾斜面108b上端に摺接させながら更に持ち上げられる。
そして、図3(b)に示すように、ボトルエンド109がボトルストッパ107に当接する装着位置まで到達すると、ロック爪106は、係合凸部108を介してトナーボトル100を装着位置でロックする。即ち、ロック爪106は、ボトルエンド109に弾接するボトルばね105のバネ力の作用で、ロックアーム104が同図反時計回り方向に回動する。これにより、ロック爪106は、係止面106bを傾斜面108aに摺接させつつ矢印C方向に滑り落ちて傾斜面108aに係合し、係合凸部108をロックする。
このようにロック爪106が係合凸部108の傾斜面108aに係止面106bを押し当てた状態で係止するため、トナーボトル100はボトルエンド109をボトルストッパ107に当接させ、装着位置で引き込まれるように付勢された状態で位置決めされる。
本実施形態では、係合凸部108の傾斜面108aは、係合凸部108の上端から下端側に向かって下端ほどトナーボトル挿入側に傾くように傾斜している。傾斜面108aの傾斜角θ(図2(a)参照)は、鉛直線Vに対して例えば20度程度傾くように設定されている。言い換えると、傾斜面108aは、ロック爪106と線接触する線を通る揺動軸80を中心とした仮想円筒面Fの接平面Hよりも挿入方向(図2矢印A方向)の下流側(図2の右側)に傾斜している。傾斜面108bも、反対向きに同程度の角度に設定することが好ましい。これにより、ボトルばね105のばね力を利用した大きな力で、装着位置のトナーボトル100を更に引き込む方向に付勢した状態でロックすることが可能になる。
また、図3(a)に示す状態では、操作者が挿入方向(矢印Aの方向)に力を出し続けており、そこから図3(b)に示す状態において操作力が大幅に低下する。このため、操作者は、ロック爪106が傾斜面108aに接触を始めてからボトルエンド109がボトルストッパ107に接触してトナーボトル100の位置が決まるまで、急には操作力を弱めることができず強い力でトナーボトル100を操作し続ける。
そのため、ボトルエンド109のボトルストッパ107への突き当てで、より正確な位置決めがなされる。この際の挿入時における抵抗力は、図7(a)のグラフのようになる。なお、図7(a)〜(c)の各グラフでは、縦軸に操作抵抗を、横軸に挿入量をそれぞれ示している。
即ち、本実施形態では上記一連の操作過程において、図2(a)の状態(グラフの状態i)から図2(b)の状態(グラフの状態ii)では、トナーボトル100の挿入操作に対して抵抗力は低く安定している。そして、図3(a)の状態(グラフの状態iii)では徐々にトナーボトル100の挿入操作に対する抵抗力が高まり、図3(b)の状態(グラフの状態iv)で、急激にトナーボトル100の挿入操作に対する抵抗力が下がる。
このように、図2(a)の状態〜図3(a)の状態では低い抵抗力から滑らかな抵抗力への上昇推移であるのに対し、図3(a)の状態〜図3(b)の状態では、急激に抵抗力が低下する。これにより、トナーボトル100の位置決めのタイミングで位置決めが完了したことを、クリック感で確実に操作者に知らせることができる。
つまり、トナーボトル100が装置本体50aに挿入される際、ボトルばね105によりトナーボトル100が挿入方向(矢印A方向)と反対の方向に付勢される力によって挿入方向への押圧力が次第に高くなる。このため、ロック爪106が係合凸部108に係合するときに押圧力が急峻に低下して、装着クリック感を発生させることができる。
ボトルばね105は、ロックアーム104の回動に伴って一体的に移動できると共に、自由長位置から一定距離縮んだ時のボトルばね105の反力が、トナーボトル100の摺動抵抗力(図2(a)〜図2(b)の状態での抵抗力)より大きく設定されている。そのため、本実施形態では、図2(b)の状態において、操作者が挿入時にその操作を途中でやめた場合でも、トナーボトル100は、ボトルばね105が一定距離縮んだ状態となる位置まで押し返される。これにより、トナーボトル100の挿入の操作が完了していないことを、より確実に操作者に感知させることができる。
本実施形態では、トナーボトル100がボトルばね105に接触しない状態では、操作者がトナーボトル100の挿入操作を止めても、トナーボトル100が押し返されることはない。しかしその場合には、トナーボトル100の一端(操作側)が正規の位置決めの位置から大きく離れているため、操作者は、トナーボトル100の挿入の操作が完了していないことを容易に認識することができる。
[トナーボトル引き抜き時]
本実施形態では、図4(a)のように操作者がトナーボトル100を引き抜こうとすると、係合凸部108がロック爪106に係合してロック爪106が係合凸部108の傾斜面108aを押圧しているため、初期操作に対する抵抗力が発生する。この抵抗力は、トナーボトル100を位置決めしている力でもあり、本実施形態では、トナーボトル100が摺動する力よりも抵抗力が大きくなるように設定されている。
そのため、もしロック爪106が係合凸部108の傾斜面108aにある間であれば、操作者がトナーボトル100の引き抜き操作をやめた場合でも、トナーボトル100は抵抗力により再び位置決めされる位置へと引き込まれる(図7(b)の状態i)。
そして、図4(b)のように操作者がトナーボトル100を更に引き抜く操作を続けると、ロック爪106は、図4(c)のように係合凸部108の傾斜面108aから上方に外れる。このようにロック爪106が傾斜面108aから外れると、抵抗力はトナーボトル100の摺動抵抗のみになって大幅に低減するため、トナーボトル100はスムーズに引き抜かれる(図7(b)の状態iii)。
即ち、この一連の操作の過程において、本実施形態によれば、状態iから状態iiに移行する際に大幅に抵抗力が低減し、状態iiから状態iiiに至る過程では、抵抗力は低くなって安定している。つまり、トナーボトル100が装置本体50aから引き抜かれる際、ボトルばね105の付勢力に抗して係合凸部108からロック爪106を外すときに、引き抜き力が急峻に低下して引抜きクリック感を発生することができる。そのため、トナーボトル100を外す際には、位置決め位置(装着位置)から引き抜く際に適切なクリック感で、装着位置から外れたことを操作者に知らせることができる。その後は、スムーズな操作でトナーボトル100を引き抜く操作をすることができる。
[比較例との比較]
以上、本実施形態で説明したクリック感を中心に、図5(a),(b)及び図6(a),(b)に示す比較例を挙げて説明する。なお、本比較例では、ロックアーム104及びボトルばね105の支持構造以外は本実施形態と同様であり、本実施形態と同一の部材には同一符号を付すと共に、構成、機能が同じものについてはその説明を省略する。
すなわち、図5(a)に示すように、ロックアーム104及びボトルばね105の支持構造を変えて、ガタの少ない位置決めとクリック感を実現する構成が考えられる。この構成の本比較例では、ロックアーム104のアーム部104aの先端上部に揺動ばね110が取り付けられている。揺動ばね110は、アーム部104aの上昇時(図6(a)参照)には、装置本体50a側の対向部分に弾接してその反力を、ロック爪106を介して係合凸部108に作用させる。
そして、アーム部104bの下部は、ボトルガイド103の奥側端部に直交した状態で装置本体50a側に固定された保持部111によって保持されている。このアーム部104bは可撓性を有しており、係合凸部108によるロック爪106の押し上げでアーム部104aが矢印B方向(図6(a)参照)に上昇される際にこれを許容するように撓む構成となっている。また、ボトルばね105は、ボトルガイド103に対して位置が固定された保持部111のトナーボトル進入側に取り付けられている。
前述した実施形態では、ボトルばね105はアーム部104bのトナーボトル進入側に取り付けられていたため、ロックアーム104と一体的に移動できたのに対し、本比較例では、ボトルばね105はロックアーム104と共に移動することはない。
以上の比較例では、トナーボトル100を操作者が挿入した際に、図5(b)に示すように、係合凸部108がロック爪106に接触してロックアーム104を揺動ばね110に抗して回動させる。これにより、ロック爪106を持ち上げる段階で一度抵抗力が上がる(図7(c)の状態i)。
その後、図6(a)に示すように、ロック爪106が持ち上がった段階で、ロックアーム104を回動させる必要がなくなるため抵抗力が下がる。この際、係合凸部108とロック爪106との摺動抵抗はあるが、それはロック爪106を持ち上げる抵抗力に比べると十分に小さい。そのタイミングでクリック感が一度発生する(図7(c)の状態ii)。
その後、ボトルばね105がトナーボトル100に接触すると抵抗力が上がっていく。そして、図6(b)に示すように、ロック爪106の係止面106bが係合凸部108の傾斜面108aに係合する際(位置決め時)に、ロックアーム104によりトナーボトル100が挿入方向に引き込まれる。これにより、ロック爪106の係止面106bが係合凸部108の傾斜面108aを押圧することで、再びクリック感が発生する(図7(c)の状態iii)。
つまり、トナーボトル100の係合凸部108がロック爪106を押し上げるときに抵抗力が発生し(図6(a))、乗り上げ後に抵抗力が低下する(図6(b))。この後、矢印C方向に回動するロックアーム104によりロック爪106と係合凸部108を介してトナーボトル100が挿入方向に更に引き込まれる。そして、ロック爪106の係止面106bが係合凸部108の傾斜面108aを押圧することで、再びクリック感が発生してしまう。
このように比較例では、図7(c)における状態iiの段階で最初のクリック感が発生し、更に状態iiiの段階で次のクリック感が発生するため、トナーボトル100の位置決めのタイミング以外でもクリック感が発生する。
そのため、操作者が最初のクリック感を位置決め時のクリック感と勘違いする可能性があり、位置決め時のクリック感を正確に判別することが困難になる。また、ボトルばね105による抵抗力の他に、ロック爪106を持ち上げることによる抵抗力が加わるため、抵抗力が安定して推移しなくなり、操作感を損なってしまう。
比較例では、ボトルばね105を外して抵抗力を発生させる要因を減らすという選択肢もあるが、ボトルばね105が無い状態では、トナーボトル100の位置決め前に必要となる安定的な抵抗力が生じないため、位置決め時のクリック感が不十分になる。また、確実に固定されなかった場合には、別にトナーボトル検知機構等を設けている場合を除いて、固定されていないことを分かりやすく操作者に知らせることは難しい。
以上から理解できるように、本実施形態によれば、トナーボトル100の着脱において、位置決め部でクリック感を持たせ、その他の場所では滑らかな抵抗力の推移とすることで、操作者に確実な操作を促すと共に、より確実な位置決めを行うことができる。
本実施形態によると、ロック爪106を備えたロックアーム104にボトルばね105を組み合わせることで、極めて少ない部品で、トナーボトル100の挿入と固定、あるいは固定解除と引き抜きを、それぞれワンアクションで行うことができる。そして、このワンアクション時に、位置決め時のみに発生する適切なクリック感をより安定的に実現することができる。また、仮に確実に固定されなかった場合でも、トナーボトル検知機構等を別途設けることなく、固定されていないことをより的確に操作者に認識させることができる。
50…画像形成装置、50a…装置本体、55…姿勢保持部、80…揺動軸、100,100a〜100d…現像剤容器(トナーボトル)、104…揺動部材(ロックアーム)、104a…第1のアーム部(アーム部)、104b…第2のアーム部(アーム部)、105…弾性部材(ボトルばね)、106…被係合部(ロック爪)、108…係合部(係合凸部)、108a…傾斜面、A…現像剤容器の挿入方向

Claims (4)

  1. 係合部を有し且つ現像剤を収容すると共に装置本体に挿入自在な現像剤容器と、
    前記係合部と係合自在な被係合部を有し、前記装置本体にて前記現像剤容器の挿入方向と交差する方向に配置された揺動軸を中心として揺動する揺動部材と、
    前記現像剤容器の挿入時に前記現像剤容器と前記揺動部材との間で圧縮されて前記揺動部材を揺動させるように押圧することで前記被係合部を前記係合部に係合させて、前記現像剤容器を前記装置本体に固定する弾性部材と、を備える、
    ことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記係合部は、前記現像剤容器の引き抜き時に前記被係合部の係合が外れる方向に傾斜した傾斜面を前記挿入方向の上流側に有する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記揺動部材は、
    前記揺動軸から前記挿入方向に関する前記現像剤容器側に延設された状態で先端に前記被係合部を有する第1のアーム部と、
    前記現像剤容器の前記挿入方向の下流端面と対向するように延設された状態で前記弾性部材を有する第2のアーム部と、を備える、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 前記現像剤容器が挿入されない状態で、前記現像剤容器を受け入れ可能な姿勢に前記揺動部材を保持する姿勢保持部を有する、
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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