本発明の課題を解決する技術思想(コンセプト)の代表的な一例は、以下に示される。但し、本願の請求内容はこの技術思想に限られず、本願の請求項に記載の内容であることは言うまでもない。すなわち、本発明は、インターフェースチップを用いるタイプの半導体装置において、それぞれコアチップに設けられた貫通電極を含み、インターフェースチップとコアチップとを電気的に接続する測定対象信号線及び基準信号線の間で信号の遅延量(時定数、AC特性)に大きな違いがないことの確認試験を行う半導体装置であり、インターフェースチップには、所定の周期を有するテストクロックを発生する第1の信号発生回路を有し、且つテストクロックをコアチップへ送出し、コアチップには、テストクロックに同期して所定の測定信号を発生する第2の信号発生回路を有し、且つ所定の測定信号を測定対象信号線及び基準信号線がそれぞれ接続されるコアチップの複数の端部にそれぞれ送出し、更に、インターフェースチップには、測定対象信号線及び基準信号線がそれぞれ接続されるインターフェースチップの複数の端部にそれぞれ出現した複数の測定信号の位相差を検出するコンパレータと、コンパレータの出力に基づき試験結果を出力する判定回路が設えられる。これにより、判定回路が出力する試験結果を参照することで、測定対象信号線及び基準信号線の間で遅延量(時定数)に大きな違いがないことの確認試験を行うことが可能になる。積層構造のインターフェースチップとコアチップ間をそれぞれ接続する複数の貫通電極を含む複数の信号線の時定数(AC特性)を検証することができる。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の好ましい実施形態による半導体装置10の構造を説明するための模式的な断面図である。
図1に示すように、本実施形態による半導体装置10は、互いに同一の機能、構造を持ち、夫々同一の製造マスクで製作された8枚のコアチップCC0〜CC7、コアチップとは異なる製造マスクで製作された1枚のインターフェースチップIF及び1枚のインターポーザIPが積層された構造を有している。コアチップCC0〜CC7及びインターフェースチップIFはシリコン基板を用いた半導体チップであり、いずれもシリコン基板を貫通する多数の貫通電極(Through Silicon Via)TSVによって上下に隣接するチップと電気的に接続されている。一方、インターポーザIPは樹脂からなる回路基板であり、その裏面IPbには複数の外部端子(半田ボール)SBが形成されている。
コアチップCC0〜CC7は、「外部端子を介して外部とのインターフェースを行ういわゆるフロントエンド部と複数の記憶セルとそれら記憶セルへアクセスするいわゆるバックエンド部の両者を含む周知で一般的なそれ自身が単体チップでも動作し、メモリコントローラと直接通信できる通常のメモリチップである1GbのDDR3(Double Data Rate 3)型SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)」に含まれる回路ブロックのうち、外部とのインターフェースを行ういわゆるフロントエンド部(フロントエンド機能)が削除された半導体チップである。言い換えれば、原則として、バックエンド部に属する回路ブロックのみが集積された半導体チップである。フロントエンド部に含まれる回路ブロックとしては、メモリセルアレイとデータ入出力端子との間で入出力データのパラレル/シリアル変換を行うパラレルシリアル変換回路(データラッチ回路)や、データの入出力タイミングを制御するDLL(Delay Locked Loop)回路などが挙げられる。詳細は後述する。インターフェースチップIFは、フロントエンド部のみが集積された半導体チップである。よって、インターフェースチップの動作周波数は、コアチップの動作周波数よりも高い。コアチップCC0〜CC7にはフロントエンド部に属するこれらの回路は含まれていないため、コアチップの製造過程において、そのコアチップがウェハ状態で実施されるテスト動作時を除きコアチップCC0〜CC7を単体で動作させることはできない。コアチップCC0〜CC7を動作させるためには、インターフェースチップIFが必要である。よって、コアチップは、一般的な単体チップの記憶集積度よりも集積度が高い。本実施形態による半導体装置10は、インターフェースチップは、外部と第1の動作周波数で通信するフロントエンド機能を有し、複数のコアチップは、インターフェースチップとのみ通信し、且つ第1の動作周波数よりも低い第2の動作周波数で通信するバックエンド機能を有する。よって、複数のコアチップのそれぞれは、複数の情報を記憶するメモリセルアレイを備え、複数のコアチップからインターフェースチップへパラレルに供給される一つのI/O(DQ)当たりの複数のリードデータは、インターフェースチップからコアチップへ与える一回のリードコマンドに関連する複数のビット数である。所謂、複数のビット数は、周知のプリフェッチデータ数に対応する。
インターフェースチップIFは、8枚のコアチップCC0〜CC7に対する共通のフロントエンド部(8枚のコアチップCC0〜CC7と通信する信号の処理回路、外部から/外部への信号の処理回路)として機能する。したがって、外部からのアクセスは全てインターフェースチップIFを介して行われ、データの入出力もインターフェースチップIFを介して行われる。本実施形態では、インターポーザIPとコアチップCC0〜CC7との間にインターフェースチップIFが配置されているが、インターフェースチップIFの位置については特に限定されず、コアチップCC0〜CC7よりも上部に配置しても構わないし、インターポーザIPの裏面IPbに配置しても構わない。インターフェースチップIFをコアチップCC0〜CC7の上部にフェースダウンで又はインターポーザIPの裏面IPbにフェースアップで配置する場合には、インターフェースチップIFにTSVを設ける必要はない。また、インターフェースチップIFは、2つのインターポーザIPに挟まれるように配置しても良い。
インターポーザIPは、半導体装置10の機械的強度を確保するとともに、電極ピッチを拡大するための再配線基板として機能する。つまり、インターポーザIPの上面IPaに形成された電極91をスルーホール電極92によって裏面IPbに引き出し、裏面IPbに設けられた再配線層93によって、外部端子SBのピッチを拡大している。図1には、2個の外部端子SBのみを図示しているが、実際には多数の外部端子が設けられている。外部端子SBのレイアウトは、規格により定められたDDR3型のSDRAMにおけるそれと同じである。したがって、外部のコントローラからは1個のDDR3型のSDRAMとして取り扱うことができる。
図1に示すように、最上部のコアチップCC0の上面はNCF(Non-Conductive Film)94及びリードフレーム95によって覆われており、コアチップCC0〜CC7及びインターフェースチップIFの各チップ間のギャップはアンダーフィル96で充填され、その周囲は封止樹脂97によって覆われている。これにより、各チップが物理的に保護される。
コアチップCC0〜CC7に設けられた貫通電極TSVの大部分は、積層方向から見た平面視で、すなわち図1に示す矢印Aから見た場合に、同じ位置に設けられた他層の貫通電極TSVと短絡されている。つまり、図2(a)に示すように、平面視で同じ位置に設けられた上下の貫通電極TSV1が短絡され、これら貫通電極TSV1によって1本の電流パス(内部信号線)が構成されている。各コアチップCC0〜CC7に設けられたこれらの貫通電極TSV1は、当該コアチップ内の内部回路4にそれぞれ接続されている。したがって、インターフェースチップIFから図2(a)に示す貫通電極TSV1に供給される入力信号(コマンド信号、アドレス信号など)は、コアチップCC0〜CC7の内部回路4に共通に入力される。また、コアチップCC0〜CC7から貫通電極TSV1に供給される出力信号(データなど)は、ワイヤードオアされてインターフェースチップIFに入力される。
これに対し、一部の貫通電極TSVについては、図2(b)に示すように、平面視で同じ位置に設けられた他層の貫通電極TSV2と直接接続されるのではなく、当該コアチップCC0〜CC7に設けられた内部回路5を介して接続されている。つまり、各コアチップCC0〜CC7に設けられたこれら内部回路5が貫通電極TSV2を介してカスケード接続されており、貫通電極TSV2によって構成される電流パス(内部信号線)は、途中に内部回路5を含むものとなっている。この種の貫通電極TSV2は、各コアチップCC0〜CC7に設けられた内部回路5に所定の情報を順次転送するために用いられる。このような情報としては、後述する層アドレス情報が挙げられる。
さらに他の一部の貫通電極TSV群については、図2(c)に示すように、平面視で異なる位置に設けられた他層の貫通電極TSVと短絡されている。この種の貫通電極TSV群3に対しては、平面視で所定の位置Pに設けられた貫通電極TSV3aに各コアチップCC0〜CC7の内部回路6が接続されている。貫通電極TSV3によって構成される各電流パス(内部信号線)は、それぞれいずれか1つのコアチップのみの内部回路6と接続されている。これにより、各コアチップに設けられた内部回路6に対して選択的に情報を入力することが可能となる。このような情報としては、後述する不良チップ情報が挙げられる。
このように、コアチップCC0〜CC7に設けられた貫通電極TSVは、図2(a)〜(c)に示す3タイプ(貫通電極TSV1〜貫通電極TSV3)が存在する。上述の通り、大部分の貫通電極TSVは図2(a)に示すタイプであり、アドレス信号、コマンド信号、クロック信号などは図2(a)に示すタイプの貫通電極TSV1を介して、インターフェースチップIFからコアチップCC0〜CC7に供給される。また、リードデータ及びライトデータについても、図2(a)に示すタイプの貫通電極TSV1を介してインターフェースチップIFに入出力される。これに対し、図2(b),(c)に示すタイプの貫通電極TSV2,貫通電極TSV3は、互いに同一の構造を有するコアチップCC0〜CC7に対して、個別の情報を与えるために用いられる。
図3は、図2(a)に示すタイプの貫通電極TSV1の構造を示す断面図である。
図3に示すように、貫通電極TSV1はシリコン基板80及びその表面の層間絶縁膜81を貫通して設けられている。貫通電極TSV1の周囲には絶縁リング82が設けられており、これによって、貫通電極TSV1とトランジスタ領域との絶縁が確保される。図3に示す例では絶縁リング82が二重に設けられており、これによってTSV1とシリコン基板80との間の静電容量が低減されている。
シリコン基板80の裏面側における貫通電極TSV1の端部83は、裏面バンプ84で覆われている。裏面バンプ84は、下層のコアチップに設けられた表面バンプ85と接する電極である。表面バンプ85は、各配線層L0〜L3に設けられたパッドP0〜P3及びパッド間を接続する複数のスルーホール電極TH1〜TH3を介して、貫通電極TSV1の端部86に接続されている。これにより、平面視で同じ位置に設けられた表面バンプ85と裏面バンプ84は、短絡された状態となる。尚、図示しない内部回路との接続は、配線層L0〜L3に設けられたパッドP0〜P3から引き出される内部配線(図示せず)を介して行われる。
図4は、半導体装置10の回路構成を示すブロック図である。
図4に示すように、インターポーザIPに設けられた外部端子には、クロック端子11a,11b、クロックイネーブル端子11c、コマンド端子12a〜12e、アドレス端子13、データ入出力端子14、データストローブ端子15a,15b、キャリブレーション端子16、及び電源端子17a,17bが含まれている。これら外部端子は、全てインターフェースチップIFに接続されており、電源端子17a,17bを除きコアチップCC0〜CC7には直接接続されない。
まず、これら外部端子とフロントエンド機能であるインターフェースチップIFとの接続関係、並びに、インターフェースチップIFの回路構成について説明する。
クロック端子11a,11bはそれぞれ外部クロック信号CK,/CKが供給される端子であり、クロックイネーブル端子11cはクロックイネーブル信号CKEが入力される端子である。供給された外部クロック信号CK,/CK及びクロックイネーブル信号CKEは、インターフェースチップIFに設けられたクロック発生回路21に供給される。本明細書において信号名の先頭に「/」が付されている信号は、対応する信号の反転信号又はローアクティブな信号であることを意味する。したがって、外部クロック信号CK,/CKは互いに相補の信号である。クロック発生回路21は内部クロック信号ICLKを生成する回路であり、生成された内部クロック信号ICLKは、インターフェースチップIF内の各種回路ブロックに供給される他、貫通電極TSVを介してコアチップCC0〜CC7にも共通に供給される。
また、インターフェースチップIFにはDLL回路22が含まれており、DLL回路22によって入出力用クロック信号LCLKが生成される。入出力用クロック信号LCLKは、インターフェースチップIFに含まれる入出力バッファ回路23に供給される。DLL機能は、半導体装置10が外部と通信するに当たり、外部との同期がマッチングされた信号LCLKでフロントエンドを制御するからである。故に、バックエンドであるコアチップCC0〜CC7には、DLL機能は不要である。
コマンド端子12a〜12eは、それぞれロウアドレスストローブ信号/RAS、カラムアドレスストローブ信号/CAS、ライトイネーブル信号/WE、チップセレクト信号/CS、及びオンダイターミネーション信号ODTが供給される端子である。これらのコマンド信号は、インターフェースチップIFに設けられたコマンド入力バッファ31に供給される。コマンド入力バッファ31に供給されたこれらコマンド信号は、コマンドデコーダ32に供給される。コマンドデコーダ32は、内部クロックICLKに同期して、コマンド信号の保持、デコード及びカウントなどを行うことによって、各種内部コマンドICMDを生成する回路である。生成された内部コマンドICMDは、インターフェースチップIF内の各種回路ブロックに供給される他、貫通電極TSVを介してコアチップCC0〜CC7にも共通に供給される。
アドレス端子13は、アドレス信号A0〜A15,BA0〜BA2が供給される端子であり、供給されたアドレス信号A0〜A15,BA0〜BA2は、インターフェースチップIFに設けられたアドレス入力バッファ41に供給される。アドレス入力バッファ41の出力は、貫通電極TSVを介してコアチップCC0〜CC7に共通に供給される。また、モードレジスタセットにエントリーしている場合には、アドレス信号A0〜A15はインターフェースチップIFに設けられたモードレジスタ42に供給される。また、アドレス信号BA0〜BA2(バンクアドレス)については、インターフェースチップIFに設けられた図示しないアドレスデコーダによってデコードされ、これにより得られるバンク選択信号Bがデータラッチ回路25に供給される。これは、ライトデータのバンク選択がインターフェースチップIF内で行われるためである。
データ入出力端子14は、リードデータ又はライトデータDQ0〜DQ15の入出力を行うための端子である。また、データストローブ端子15a,15bは、ストローブ信号DQS,/DQSの入出力を行うための端子である。これらデータ入出力端子14及びデータストローブ端子15a,15bは、インターフェースチップIFに設けられた入出力バッファ回路23に接続されている。入出力バッファ回路23には、入力バッファIB及び出力バッファOBが含まれており、DLL回路22より供給される入出力用クロック信号LCLKに同期して、リードデータ又はライトデータDQ0〜DQ15及びストローブ信号DQS,/DQSの入出力を行う。また、入出力バッファ回路23は、コマンドデコーダ32から内部オンダイターミネーション信号IODTが供給されると、出力バッファOBを終端抵抗として機能させる。さらに、入出力バッファ回路23には、キャリブレーション回路24からインピーダンスコードDRZQが供給されており、これによって出力バッファOBのインピーダンスが指定される。入出力バッファ回路23は、周知のFIFO回路を含む。
キャリブレーション回路24には、出力バッファOBと同じ回路構成を有するレプリカバッファRBが含まれており、コマンドデコーダ32よりキャリブレーション信号ZQが供給されると、キャリブレーション端子16に接続された外部抵抗(図示せず)の抵抗値を参照することによってキャリブレーション動作を行う。キャリブレーション動作とは、レプリカバッファRBのインピーダンスを外部抵抗の抵抗値と一致させる動作であり、得られたインピーダンスコードDRZQが入出力バッファ回路23に供給される。これにより、出力バッファOBのインピーダンスが所望の値に調整される。
入出力バッファ回路23は、データラッチ回路25に接続されている。データラッチ回路25は、周知なDDR機能を実現するレイテンシ制御によって動作するFIFO機能を実現するFIFO回路(不図示)とマルチプレクサMUX(不図示)とを含み、コアチップCC0〜CC7から供給されるパラレルなリードデータをシリアル変換するとともに、入出力バッファから供給されるシリアルなライトデータをパラレル変換する回路である。したがって、データラッチ回路25と入出力バッファ回路23との間はシリアル接続であり、データラッチ回路25とコアチップCC0〜CC7との間はパラレル接続である。本実施形態では、コアチップCC0〜CC7がDDR3型のSDRAMのバックエンド部であり、プリフェッチ数が8ビットである。また、データラッチ回路25とコアチップCC0〜CC7はバンクごとに接続されており、各コアチップCC0〜CC7に含まれるバンク数は8バンクである。したがって、データラッチ回路25とコアチップCC0〜CC7との接続は1DQ当たり64ビット(8ビット×8バンク)となる。
このように、データラッチ回路25とコアチップCC0〜CC7との間においては、基本的に、シリアル変換されていないパラレルデータが入出力される。つまり、通常のSDRAM(それは、フロントエンドとバックエンドが1つのチップで構成される)では、チップ外部との間でのデータの入出力がシリアルに行われる(つまり、データ入出力端子は1DQ当たり1個である)のに対し、コアチップCC0〜CC7では、インターフェースチップIFとの間でのデータの入出力がパラレルに行われる。この点は、通常のSDRAMとコアチップCC0〜CC7との重要な相違点である。但し、プリフェッチしたパラレルデータを全て異なる貫通電極TSVを用いて入出力することは必須でなく、コアチップCC0〜CC7側にて部分的なパラレル/シリアル変換を行うことによって、1DQ当たり必要な貫通電極TSVの数を削減しても構わない。例えば、1DQ当たり64ビットのデータを全て異なる貫通電極TSVを用いて入出力するのではなく、コアチップCC0〜CC7側にて2ビットのパラレル/シリアル変換を行うことによって、1DQ当たり必要な貫通電極TSVの数を半分(32個)に削減しても構わない。
更に、データラッチ回路25は、インターフェースチップ単位で試験ができる機能が付加されている。インターフェースチップには、バックエンド部が存在しない。このため、原則として単体で動作させることはできない。しかしながら、単体での動作が一切不可能であると、ウェハ状態でのインターフェースチップの動作試験を行うことができなくなってしまう。これは、インターフェースチップと複数のコアチップの組み立て工程を経た後でなければ、半導体装置10を試験することができないことを示し、半導体装置10を試験することによって、インターフェースチップを試験することを意味する。インターフェースチップに回復できない欠陥がある場合、半導体装置10全体の損失を招くことになる。この点を考慮して、本実施形態では、データラッチ回路25には、試験用に擬似的なバックエンド部の一部が設けられており、試験時に簡素な記憶機能が可能とされている。
電源端子17a,17bは、それぞれ電源電位VDD,VSSが供給される端子であり、インターフェースチップIFに設けられたパワーオン検出回路43に接続されるとともに、貫通電極TSVを介してコアチップCC0〜CC7にも接続されている。パワーオン検出回路43は、電源の投入を検出する回路であり、電源の投入を検出するとインターフェースチップIFに設けられた層アドレスコントロール回路45を活性化させる。
層アドレスコントロール回路45は、本実施形態による半導体装置10のI/O構成に応じて層アドレスを変更するための回路である。上述の通り、本実施形態による半導体装置10は16個のデータ入出力端子14を備えており、これにより最大でI/O数を16ビット(DQ0〜DQ15)に設定することができるが、I/O数がこれに固定されるわけではなく、8ビット(DQ0〜DQ7)又は4ビット(DQ0〜DQ3)に設定することも可能である。これらI/O数に応じてアドレス割り付けが変更され、層アドレスも変更される。層アドレスコントロール回路45は、I/O数に応じたアドレス割り付けの変更を制御する回路であり、貫通電極TSVを介して各コアチップCC0〜CC7に共通に接続されている。
また、インターフェースチップIFには層アドレス設定回路44も設けられている。層アドレス設定回路44は、貫通電極TSVを介してコアチップCC0〜CC7に接続されている。層アドレス設定回路44は、図2(b)に示すタイプの貫通電極TSV2を用いて、コアチップCC0〜CC7の層アドレス発生回路46にカスケード接続されており、テスト時においてコアチップCC0〜CC7に設定された層アドレスを読み出す役割を果たす。
さらに、インターフェースチップIFには不良チップ情報保持回路33が設けられている。不良チップ情報保持回路33は、正常に動作しない不良コアチップがアセンブリ後に発見された場合に、そのチップ番号を保持する回路である。不良チップ情報保持回路33は、貫通電極TSVを介してコアチップCC0〜CC7に接続されている。不良チップ情報保持回路33は、図2(c)に示すタイプの貫通電極TSV3を用いて、シフトされながらコアチップCC0〜CC7に接続されている。
また、インターフェースチップIFにはプロセスモニタ72、TSV救済回路73、信号発生回路100、及び判定回路102も設けられている。少なくとも、プロセスモニタ回路72は、各コアチップのデバイス特性を測定してコード化する回路である。このコードによって、各コアチップのタイミング調整をする。具体的には、インターフェースチップIFとコアチップに段数可変のインバータのチェーン回路を設けて、その遅延時間を等しくなるように段数調整を行い、その段数の違いをコード化する。TSV救済回路73、信号発生回路100、及び判定回路102の詳細については後述する。
以上が外部端子とインターフェースチップIFとの接続関係、並びに、インターフェースチップIFの回路構成の概要である。次に、コアチップCC0〜CC7の回路構成について説明する。
図4に示すように、バックエンド機能であるコアチップCC0〜CC7に含まれるメモリセルアレイ50は、いずれも8バンクに分割されている。尚、バンクとは、個別にコマンドを受け付け可能な単位である。言い換えれば、夫々のバンクは、互いに排他制御で独立に動作することができる。半導体装置10外部からは、独立に夫々のバンクをアクセスできる。例えば、バンク1のメモリセルアレイ50とバンク2のメモリセルアレイ50は、異なるコマンドにより夫々対応するワード線WL、ビット線BL等を、時間軸的に同一の期間に個別にアクセス制御できる非排他制御の関係である。例えば、バンク1をアクティブ(ワード線とビット線をアクティブ)に維持しつつ、更にバンク2をアクティブに制御することができる。リード但し、半導体装置の外部端子(例えば、複数の制御端子、複数のI/O端子)は、共有している。メモリセルアレイ50内においては、複数のワード線WLと複数のビット線BLが交差しており、その交点にはメモリセルMCが配置されている(図4においては、1本のワード線WL、1本のビット線BL及び1個のメモリセルMCのみを示している)。ワード線WLの選択はロウデコーダ51によって行われる。また、ビット線BLはセンス回路53内の対応するセンスアンプSAに接続されている。センスアンプSAの選択はカラムデコーダ52によって行われる。
ロウデコーダ51は、ロウ制御回路61より供給されるロウアドレスによって制御される。ロウ制御回路61には、貫通電極TSVを介してインターフェースチップIFより供給されるロウアドレスを受けるアドレスバッファ61aが含まれており、アドレスバッファ61aによってバッファリングされたロウアドレスがロウデコーダ51に供給される。貫通電極TSVを介して供給されるアドレス信号は、入力バッファB1を介して、ロウ制御回路61などに供給される。また、ロウ制御回路61にはリフレッシュカウンタ61bも含まれており、コントロールロジック回路63からリフレッシュ信号が発行された場合には、リフレッシュカウンタ61bが示すロウアドレスがロウデコーダ51に供給される。
カラムデコーダ52は、カラム制御回路62より供給されるカラムアドレスによって制御される。カラム制御回路62には、貫通電極TSVを介してインターフェースチップIFより供給されるカラムアドレスを受けるアドレスバッファ62aが含まれており、アドレスバッファ62aによってバッファリングされたカラムアドレスがカラムデコーダ52に供給される。また、カラム制御回路62にはバースト長をカウントするバーストカウンタ62bも含まれている。
カラムデコーダ52によって選択されたセンスアンプSAは、さらに、図示しないいくつかのアンプ(サブアンプやデータアンプなど)を介して、データコントロール回路54に接続される。これにより、リード動作時においては、一つのI/O(DQ)あたり8ビット(=プリフェッチ数)のリードデータがデータコントロール回路54から出力され、ライト動作時においては、8ビットのライトデータがデータコントロール回路54に入力される。データコントロール回路54とインターフェースチップIFとの間は貫通電極TSVを介してパラレルに接続される。
コントロールロジック回路63は、貫通電極TSVを介してインターフェースチップIFから供給される内部コマンドICMDを受け、これに基づいてロウ制御回路61及びカラム制御回路62の動作を制御する回路である。コントロールロジック回路63には、層アドレス比較回路(チップ情報比較回路)47が接続されている。層アドレス比較回路47は、当該コアチップがアクセス対象であるか否かを検出する回路であり、その検出は、貫通電極TSVを介してインターフェースチップIFより供給されるアドレス信号の一部SEL(チップ選択情報)と、層アドレス発生回路46に設定された層アドレスLID(チップ識別情報)とを比較することにより行われる。
層アドレス発生回路46には、初期化時において各コアチップCC0〜CC7に固有の層アドレスが設定される。層アドレスの設定方法は次の通りである。まず、半導体装置10が初期化されると、各コアチップCC0〜CC7の層アドレス発生回路46に初期値として最小値(0,0,0)が設定される。コアチップCC0〜CC7の層アドレス発生回路46は、図2(b)に示すタイプの貫通電極TSVを用いてカスケード接続されているとともに、内部にインクリメント回路を有している。そして、最上層のコアチップCC0の層アドレス発生回路46に設定された層アドレス(0,0,0)が貫通電極TSVを介して2番目のコアチップCC1の層アドレス発生回路46に送られ、インクリメントされることにより異なる層アドレス(0,0,1)が生成される。以下同様にして、生成された層アドレスを下層のコアチップに転送し、転送されたコアチップ内の層アドレス発生回路46は、これをインクリメントする。最下層のコアチップCC7の層アドレス発生回路46には、層アドレスとして最大値(1,1,1)が設定されることになる。これにより、各コアチップCC0〜CC7には固有の層アドレスが設定される。
層アドレス発生回路46には、貫通電極TSVを介してインターフェースチップIFの不良チップ情報保持回路33から不良チップ信号DEFが供給される。不良チップ信号DEFは、図2(c)に示すタイプの貫通電極TSV3を用いて各コアチップCC0〜CC7に供給されるため、各コアチップCC0〜CC7に個別の不良チップ信号DEFを供給することができる。不良チップ信号DEFは、当該コアチップが不良チップである場合に活性化される信号であり、これが活性化している場合、層アドレス発生回路46はインクリメントした層アドレスではなく、インクリメントされていない層アドレスを下層のコアチップに転送する。また、不良チップ信号DEFはコントロールロジック回路63にも供給されており、不良チップ信号DEFが活性化している場合にはコントロールロジック回路63の動作が完全に停止する。これにより、不良のあるコアチップは、インターフェースチップIFからアドレス信号やコマンド信号が入力されても、リード動作やライト動作を行うことはない。
また、コントロールロジック回路63の出力は、モードレジスタ64にも供給されている。これにより、コントロールロジック回路63の出力がモードレジスタセットを示している場合、アドレス信号によってモードレジスタ64の設定値が上書きされる。これにより、コアチップCC0〜CC7の動作モードが設定される。
さらに、コアチップCC0〜CC7には、内部電圧発生回路70が設けられている。内部電圧発生回路には電源電位VDD,VSSが供給されており、内部電圧発生回路70はこれを受けて各種内部電圧を生成する。内部電圧発生回路70により生成される内部電圧としては、各種周辺回路の動作電源として用いる内部電圧VPERI(≒VDD)、メモリセルアレイ50のアレイ電圧として用いる内部電圧VARY(<VDD)、ワード線WLの活性化電位である内部電圧VPP(>VDD)などが含まれる。また、コアチップCC0〜CC7には、パワーオン検出回路71も設けられており、電源の投入を検出すると各種内部回路のリセットを行う。
また、コアチップCC0〜CC7には、信号発生回路101も設けられている。信号発生回路101の詳細については後述する。
コアチップCC0〜CC7に含まれる上記の周辺回路は、貫通電極TSVを介してインターフェースチップIFから供給される内部クロック信号ICLKに同期して動作する。貫通電極TSVを介して供給される内部クロック信号ICLKは、入力バッファB2を介して各種周辺回路に供給される。
以上がコアチップCC0〜CC7の基本的な回路構成である。コアチップCC0〜CC7には外部とのインターフェースを行うフロントエンド部が設けられておらず、このため、原則として単体で動作させることはできない。しかしながら、単体での動作が一切不可能であると、ウェハ状態でのコアチップの動作試験を行うことができなくなってしまう。これは、インターフェースチップと複数のコアチップの組み立て工程を経た後でなければ、半導体装置10を試験することができないことを示し、半導体装置10を試験することによって、各コアチップをそれぞれ試験することを意味する。コアチップに回復できない欠陥がある場合、半導体装置10全体の損失を招くことになる。この点を考慮して、本実施形態では、コアチップCC0〜CC7にはいくつかのテストパッドTPとテスト用のコマンドデコーダ65のテスト用フロントエンド部で構成される試験用に擬似的なフロントエンド部の一部が設けられており、テストパッドTPからアドレス信号、テストデータやコマンド信号の入力が可能とされている。試験用のフロントエンド部は、あくまでウェハ試験において簡素な試験を実現する機能の回路であり、インターフェースチップ内のフロントエンド機能をすべて備えるわけではない、ことに注意が必要である。例えば、コアチップの動作周波数は、フロントエンドの動作周波数よりも低いことから、低周波で試験するテスト用のフロントエンド部の回路で簡素に実現することができる。
テストパッドTPの種類は、インターポーザIPに設けられた外部端子とほぼ同様である。具体的には、クロック信号が入力されるテストパッドTP1、アドレス信号が入力されるテストパッドTP2、コマンド信号が入力されるテストパッドTP3、テストデータの入出力を行うためのテストパッドTP4、データストローブ信号の入出力を行うためのテストパッドTP5、電源電位を供給するためのテストパッドTP6などが含まれている。
テスト時においては、デコードされていない通常の外部コマンドが入力されるため、コアチップCC0〜CC7にはテスト用のコマンドデコーダ65も設けられている。また、テスト時においては、シリアルなテストデータが入出力されることから、コアチップCC0〜CC7にはテスト用の入出力回路55も設けられている。
以上が本実施形態による半導体装置10の全体構成である。このように、本実施形態による半導体装置10は、1GBのコアチップが8枚積層された構成を有していることから、合計で8GBのメモリ容量となる。また、チップ選択信号/CSが入力される端子(チップ選択端子)は1つであることから、コントローラからはメモリ容量が8GBである単一のDRAMとして認識される。
以下、電流パス間で遅延量に大きな違いがないことの確認試験を行うための試験回路構成について説明する。以下の説明では、図2(a)に示すタイプの貫通電極TSV1によって構成される内部信号線を取り上げて説明するが、本発明は他のタイプの貫通電極によって構成される内部信号線にも適用可能である。外部端子SBに関するインターポーザIPの上面IPaに形成された電極91、スルーホール電極92と再配線層93は、インターフェースチップIFとコアチップを接続する貫通電極TSVと異なることに注意が必要である。即ち、外部端子SBからは、貫通電極TSVの試験は直接できない。半導体装置10が外部(それは、図9に開示されるシステムバス510と接続される)と通信する外部端子SB(外部端子)は、前記インターフェースチップIFが有する第1の回路(例えば、入出力バッファ回路23)の入力端子に接続され、前記第1の回路の出力端子が、前記インターフェースチップの端部に接続される前記測定対象信号線(TSV1;図4)に接続される。
図5は、本実施形態による半導体装置10の試験回路構成を示す回路図である。なお、同図にはコアチップを1つだけ示しているが、同様の回路はコアチップCC0〜CC7のすべてに設けられる。
図5に示すように、半導体装置10は、信号発生回路100,101及び判定回路102を備えている。
信号発生回路100(第1の信号発生回路)は、外部から入力される信号に応じて、試験トリガ及びテストクロックを発生する回路である。試験トリガは、確認試験の試験において活性化され、そうでない場合に非活性化されるテストモードエントリ信号である。テストクロックは、試験トリガが活性化されているときに生成される信号であり、試験トリガが活性化されている間に1つ以上のアクティブエッジを有する信号である。なお、アクティブエッジは、本実施形態では信号の立ち上がりを意味するが、立ち下がりを意味することとしてもよいし、立ち上がりと立ち下がりの両方を含むこととしてもよい。テストクロックは、より具体的には、第1の電位から第2の電位へ遷移するクロックでも良いし、ワンショットパルス等の単発のクロックであってもよいし、時系列に複数の単発クロックを有するものでもよいし、後述するオペアンプ117によって検出可能な所定周波数の信号サイクルであってもよい。図5には、3つのアクティブエッジを有する信号サイクルの例を示している。なお、ここではテストクロックをインターフェースチップIFで生成しているが、コアチップ側に局部発振回路を設け、そこからテストクロックを供給するようにしてもよい。
信号発生回路100で発生した試験トリガ及びテストクロックは、信号発生回路101(第2の信号発生回路)に入力される。信号発生回路101は、試験トリガが活性化されているとき、テストクロックに応じた所定の測定信号を生成し、測定対象の内部信号線130(以下、測定対象信号線130という。)と基準となる内部信号線131(以下、基準信号線131という。)それぞれのコアチップ内の端部に出力する。
判定回路102は、測定対象信号線130と基準信号線131それぞれのインターフェースチップ内の端部に出現した上記測定信号の位相差に基づいて試験結果を生成し、出力する。
以下、各回路の上記機能を実現するための具体的な回路構成について説明する。
信号発生回路100で発生した試験トリガ及びテストクロックは、それぞれ予め確保されている試験用の内部信号線132(第2の信号線),内部信号線133(第1の信号線)を通じて、コアチップ側に転送される。内部信号線133(第1の信号線)は、インターフェースチップIFの端部(第1の端部)と、コアチップの端部(第2の端部)とを電気的に接続する。内部信号線132(第2の信号線)は、インターフェースチップIFの端部(第3の端部)と、コアチップの端部(第4の端部)とを電気的に接続する。内部信号線132(第2の信号線),内部信号線133(第1の信号線)には、それぞれ貫通電極TSVが含まれている。なお、これら内部信号線132,133については、予備の内部信号線を確保しておき、必要に応じて切り替えられるようにしておくことが好ましい。
コアチップ内には、AND回路111(チップ選択受付手段)とNAND回路111が設けられる。AND回路111には、信号発生回路100が生成した試験トリガと、特定のコアチップを選択するためのチップ選択信号(チップ認識信号:Layer ID)とが入力される。AND回路111は、試験トリガとチップ選択信号の両方が活性化されている場合に、出力を活性化する。
NAND回路112には、信号発生回路100が生成したテストクロックと、AND回路111の出力とが入力される。NAND回路112は、AND回路111の出力が活性化されている間、テストクロックの反転信号を出力する。
信号発生回路101は、それぞれ電源電位とグランド電位の間に直列接続されたPチャンネル型MOSトランジスタ及びNチャンネル型MOSトランジスタからなるトランスファーゲート113,114を有している。トランスファーゲート113,114を構成する各トランジスタのゲートには、NAND回路113の出力が入力される。したがって、トランスファーゲート113,114は、試験トリガが活性化されている間に、テストクロックと同様の波形を有する交流信号を出力する。すなわち、テストクロックのアクティブエッジに応じたアクティブエッジを有する交流信号、言い換えれば、立ち上がりで立ち上がり、テストクロックの立ち下がりで立ち下がる交流信号を出力する。この交流信号が、上述した測定信号となる。
トランスファーゲート113,114から出力される測定信号はそれぞれ、測定対象信号線130と基準信号線131のコアチップ内の端部に入力される。入力された測定信号は、これら信号線130,131を通ってインターフェースチップIF側の端部に出力されることになるが、各信号線130,131はそれぞれ図5に示すように寄生抵抗と寄生容量を有するため、出力される測定信号には若干の遅延が生ずる。判定回路102は、この遅延の量の差に基づいて、試験結果を生成する。
遅延の量の差は、オペアンプ117(位相比較回路)によって位相差として検出される。オペアンプ117の一方の入力端子117aは、スイッチ115を介して、測定対象信号線130のインターフェースチップIF側端部に接続されている。また、他方の入力端子117bは、遅延素子116及びスイッチ115を介して、基準信号線131のインターフェースチップIF側端部に接続されている。
オペアンプ117は、入力端子117aに入力される測定信号(以下、試験信号Saと称する。)のアクティブエッジと、入力端子117bに入力される測定信号(以下、基準信号Sbと称する。)のアクティブエッジとに基づいて、これらの位相差を検出し、その結果を出力信号(以下、出力信号Soと称する。)として出力する。具体的には、試験信号Saのアクティブエッジが基準信号Sbのアクティブエッジに比べて遅延している場合に出力信号Soを活性化し、それ以外の場合に出力信号Soを非活性化する。
遅延素子116は、基準信号線131から出力される測定信号を意図的に遅延させる(オフセットさせる)ためのものである。すなわち、遅延素子116を用いないとすると、測定対象信号線130の遅延量と基準信号線131の遅延量に全く差がない場合のオペアンプ117の出力が不安定になる。そこで、遅延素子116を設けることで、遅延量に意図的に差を付けている。遅延素子116は、一例としては、図5に示すように、回路と直列に接続される抵抗素子と、回路とグランドの間に接続される容量素子とからなるRCフィルタによって構成されるが、他の信号遅延回路により構成してもよい。
スイッチ115は、測定対象信号線130や基準信号線131が複数ある場合に、1つの測定対象信号線130と1つの基準信号線131を選択するためのスイッチである。試験対象選択信号によって試験対象とされた測定対象信号線130と基準信号線131に接続されるスイッチ115のみが導通し、他のスイッチ115は開放される。なお、図示していないが、測定対象信号線130及び基準信号線131のコアチップIF側端部にも、同様のスイッチが設けられる。試験対象選択信号については、後ほど詳しく説明する。
オペアンプ117には、インバータ118を介して、測定対象信号線130のインターフェースチップIF側端部から出力される測定信号の反転信号も入力される。オペアンプ117は、この反転信号が活性化されている場合にのみ、出力動作を行う。
基準信号線131のインターフェースチップIF側端部には、インバータ118のレプリカ素子119が接続されている。レプリカ素子は、対象素子(この場合はインバータ118。)と同一の電気的特性を備える素子である。好ましくは、その素子構成が対象素子と同一であって、さらに不純物プロファイル、W/L比、ゲート絶縁膜の膜厚が等しく、かつ同一基板上あるいは同一不純物濃度の基板上に形成されている素子をいう。レプリカ素子119を用いるのは、測定対象信号線130と基準信号線131とで電気的特性を揃えるためである。
図6は、信号発生回路101から測定対象信号線130と基準信号線131それぞれに測定信号を入力した場合の、テストクロックのアクティブエッジ付近における信号Sa,Sb,Soの値の時間変化を示す図である。図6(a)は正常な場合(測定対象信号線130と基準信号線131とで遅延量に大きな違いがない場合)を示し、図6(b)は測定対象信号線130の遅延量が、基準信号線131の遅延量に比べて大きくなっている場合を示している。
基準信号Sbに対する試験信号Saの遅延量をτとすると、τは次の式(1)のように表される。ただし、R1,C1はそれぞれ、測定対象信号線130の寄生抵抗値及び寄生容量値であり、R2,C2はそれぞれ、基準信号線131の寄生抵抗値及び寄生容量値であり、Rs,Csはそれぞれ、遅延素子116を構成する抵抗素子の抵抗値及び容量素子の容量値である。また、Δは比例定数である。
τ=Δ{R1C1−(R2+Rs)(C2+Cs)} ・・・(1)
式(1)から理解されるように、正常状態(R1=R2,C1=C2)ではτ=−ΔRsCsであり、基準信号Sbが試験信号Saに対してΔRsCsだけ遅延する。したがって、図6(a)に示すように、オペアンプ117の出力信号Soはロー(低電圧状態)のまま変化しない。
一方、R1及びC1の少なくとも一方が大きくなり、R1C1>(R2+Rs)(C2+Cs)が満たされる状態になると、式(1)よりτ>0となる。つまり、試験信号Saが基準信号Sbに対して遅延するようになる。したがって、図6(a)に示すように、オペアンプ117の出力信号Soはローからハイ(高電圧状態)に変化する。
以上から、オペアンプ117の出力信号Soがハイとなることは、測定対象信号線130の遅延量が、基準信号線131の遅延量に比べて大きくなっていることを示していると言える。
判定回路102は、オペアンプ117の出力信号Soに基づいて、試験結果を生成する。具体的には、判定回路102は、オペアンプ117の検出結果(出力信号So)を保持する保持回路を複数有しており、スイッチ120を介してオペアンプ117の出力信号Soを受け取り、この保持回路に一旦格納する。
テストクロックが単発クロックである場合には、判定回路102は、格納した出力信号Soがハイである場合にフェイルを示す試験結果信号を出力し、ローである場合にパスを示す試験結果信号を出力する。一方、テストクロックがn回の信号サイクルである場合には、n回のうち出力信号Soがハイとなった回数が所定割合(又は所定回数)を超えた場合にフェイルを示す試験結果信号を出力し、そうでない場合にパスを示す試験結果信号を出力する。
なお、スイッチ120は、測定対象信号線130や基準信号線131が複数あって、かつグループ化されており、グループごとにオペアンプ117が設けられている場合に、1つのオペアンプ117を選択するためのスイッチである。試験対象選択信号によって試験対象とされた測定対象信号線130と基準信号線131の属するグループに対応するオペアンプ117に接続されるスイッチ120のみが導通し、他のスイッチ120は開放される。
判定回路102が出力する試験結果信号は、ラッチ回路121によってラッチされる。ラッチ回路121のクロック端子には、アンド回路122、インバータ123、及び遅延回路124を介してテストクロックの反転信号の遅延信号が入力される。具体的には、アンド回路122は、信号発生回路100からテストクロック及び試験トリガを入力されており、試験トリガが活性化されている場合に、テストクロックをインバータ123に出力する。インバータ123は、テストクロックを反転させ、遅延回路124に出力する。遅延回路124は、インバータ123から入力されたテストクロックの反転信号を所定時間にわたって遅延させ、ラッチ回路121のクロック端子に出力する。遅延回路124における遅延時間は、判定回路102からラッチ回路121に試験結果信号が入力されたタイミングで、ラッチ回路121のクロック端子が活性化するように決定される。したがって、ラッチ回路121は、判定回路102から試験結果信号が入力されると、その試験結果信号を図示しない後段の処理回路に出力する。
TSV救済回路73(図4)は、以上のようにしてラッチ回路121から出力される試験結果信号に基づいて、メモリセルの救済などと同様の処理により、遅延量が大きい内部信号線を予備の内部信号線に置き換える処理を行う。
以上説明したように、本実施の形態による半導体装置10によれば、インターフェースチップを用いるタイプの半導体装置10において、外部テスタによる処理ではなく半導体装置10の内部処理により、電流パス間で遅延量に大きな違いがないことの確認試験を行えるようになる。また、冗長処理も、外部テスタによる処理ではなく半導体装置10の内部処理により行えるようになる。
なお、ここまでの説明では基準信号線131が1つだけ設けられているものとして説明したが、基準信号線131に不具合が発生した場合に備えて予備の基準信号線131を確保しておき、必要に応じて切り替えられるようにしておくことが好ましい。
また、信号発生回路101をインターフェイスチップIFに設けることとしてもよい。この場合、測定信号が内部信号線132,133を介してコアチップに伝送され、測定対象信号線130及び基準信号線131のコアチップ内の端部に入力されることになる。
次に、試験対象選択信号について詳しく説明する。
図7は、測定対象信号線130が複数あって、かつ3つのグループG1〜G3にグループ化されており、グループごとに基準信号線131が1つ設けられる場合の、試験対象選択信号の使い方を示す模式図である。このようなグループの具体的な例としては、アドレス信号が供給される1群の貫通電極TSV1に対応するアドレス信号グループ、コマンド信号が供給される1群の貫通電極TSV1に対応する制御信号グループ、データ信号が供給される1群の貫通電極TSV1に対応するI/Oデータ信号グループなどが挙げられる。
図7に示すように、信号発生回路101と各測定対象信号線130との間には、セレクタ141(第3のセレクタ)とセレクタ142(第1のセレクタ)とが設けられる。セレクタ141は信号発生回路101に対応して1つであり、複数のセレクタ142はグループごとに設けられる。また、各測定対象信号線130と判定回路102の間には、セレクタ143(第2のセレクタ)とセレクタ144(第4のセレクタ)とが設けられる。複数のセレクタ143はグループごとに設けられ、セレクタ144は判定回路102に対応して1つ設けられる。
尚、複数の信号発生回路101がコアチップに設けられる場合、対応して複数のセレクタ141(第3のセレクタ)が設けられる。複数の判定回路102がインターフェースチップIFに設けられる場合、対応して複数のセレクタ144(第4のセレクタ)が設けられる。複数の信号発生回路101と複数の判定回路102のそれぞれの数は、任意である。つまり、複数のセレクタ141(第3のセレクタ)の数と複数のセレクタ144(第4のセレクタ)の数とを、それぞれ対応する複数の信号発生回路101と複数の判定回路102のそれぞれの数に対して設定すれば良い。
また、複数の信号発生回路101がコアチップの複数のグループ毎に設けられる場合、セレクタ141(第3のセレクタ)は不要である。また、複数の信号発生回路101がコアチップの複数の測定対象信号線130毎に設けられる場合、セレクタ142(第1のセレクタ)は不要である。この場合においても、基準信号線131は一つで良い。信号発生回路101(図5)において、複数の測定対象信号線130に対応する複数のトランスファーゲート113,114を有すればよい。セレクタ141(第3のセレクタ)を制御するグループ選択信号、セレクタ142(第1のセレクタ)を制御する貫通電極選択信号を、少なくとも信号発生回路101の複数のトランスファーゲート113,114を制御する代替案も容易である。これらの回路のコアチップへの占有面積と、試験精度との兼ね合いで選択することができる。
また、複数の判定回路102がインターフェースチップの複数のグループ毎に設けられる場合、セレクタ144(第4のセレクタ)は不要である。また、複数の判定回路102がインターフェースチップの複数の測定対象信号線130毎に設けられる場合、セレクタ143(第2のセレクタ)は不要である。前述のセレクタ141(第3のセレクタ)、セレクタ142(第1のセレクタ)と同様の考え方が適用できる。
試験対象選択信号は、図7に示すように、グループを選択するためのグループ選択信号と、測定対象信号線130を選択するための貫通電極選択信号とからなる。セレクタ141は、信号発生回路101が出力する測定信号を、グループ選択信号により選択されたグループに対応するセレクタ142と基準信号線131とに出力する。セレクタ142は、セレクタ141から入力される測定信号を、貫通電極選択信号により選択された測定対象信号線130に出力する。以上の処理により、試験対象である測定対象信号線130と、対応する基準信号線131とに測定信号が入力されることになる。
セレクタ143は、複数の測定対象信号線130の中からグループ選択信号に応じて1つの測定対象信号線130を選択し、選択した測定対象信号線130から出力される信号をセレクタ144に出力する。セレクタ144は、複数のグループの中からグループ選択信号に応じて1つのグループを選択し、選択したグループに対応するセレクタ143及び基準信号線131から出力される信号を判定回路102に出力する。以上の処理により、試験対象である測定対象信号線130と、対応する基準信号線131とのそれぞれから出力される測定信号が判定回路102に入力されることになる。
なお、セレクタ143,144による上記処理は、物理的には図5に示したスイッチ115を用いて行われる。つまり、スイッチ115は各測定対象信号線130及び各基準信号線131のインターフェースチップIF側端部に設けられており、セレクタ143,144は、これらのスイッチ115を制御することにより、上記処理を実現する。セレクタ141,142についても同様であり、各測定対象信号線130及び各基準信号線131のコアチップ側端部に設けられる図示しないスイッチの制御により、上記処理が実現される。
以上説明したように、図7に示した構成によれば、試験対象選択信号に応じて試験対象のグループと測定対象信号線130を選択することが可能になる。実際に試験を行う際には、選択するグループ及び測定対象信号線130を適宜変更しながら、すべてのグループ及び測定対象信号線130について試験を行う。以下、そのための具体的な処理について説明する。
図8は、TSV救済回路73によって実行される確認試験のフローチャートを示す図である。同図に示すように、TSV救済回路73は、まず試験対象とするコアチップを選択する(ステップS1)。具体的には、試験対象のコアチップを選択するためのチップ選択信号を活性化する(図5参照。)。
次に、TSV救済回路73は、試験対象とするグループを選択する(ステップS2)。具体的には、試験対象とするグループを選択するためのグループ選択信号を生成し、図7に示したセレクタ141及びセレクタ144に出力する。
次に、TSV救済回路73は、試験対象とする測定対象信号線130を選択する(ステップS3)。具体的には、試験対象とする測定対象信号線130を選択するための貫通電極選択信号を生成し、図7に示したセレクタ142及びセレクタ143に出力する。
ここまでの処理により、判定回路102には、試験対象である測定対象信号線130と、対応する基準信号線131とのそれぞれから出力される測定信号が入力されることになる。判定回路102からは、入力された測定信号に応じた試験結果信号が出力され、TSV救済回路73は、この試験結果信号に基づいて、遅延量が大きい内部信号線を予備の内部信号線に置き換える処理を行う。
1つの測定対象信号線130の試験が終了すると、TSV救済回路73は、グループ内の全測定対象信号線130について試験が終了したか否かを判定し(ステップS5)、終了していない場合には、ステップS3に戻って次の測定対象信号線130を選択する。グループ内の全測定対象信号線130について試験が終了した場合には、さらに全グループについて試験が終了したか否かを判定し(ステップS6)、終了していない場合には、ステップS2に戻って次のグループを選択する。全グループについて試験が終了した場合には、さらに全コアチップについて試験が終了したか否かを判定し(ステップS7)、終了していない場合には、ステップS1に戻って次のコアチップを選択する。全コアチップについて試験が終了した場合には、TSV救済回路73はその処理を終了する。
以上説明したように、図8に示した試験フローによれば、すべてのコアチップ、すべてのグループ、すべての測定対象信号線130について、外部テスタによる処理ではなく半導体装置10の内部処理により、電流パス間で遅延量に大きな違いがないことの確認試験を行えるようになる。
また、グループごとに基準信号線131を設けているので、グループ内で電流パスの遅延量を均一にすることが可能になる。なお、ここではグループごとに基準信号線131を設けたが、各グループに共通の基準信号線131を用いることとしてもよい。ただし、基準信号線131と測定対象信号線130の距離はできるだけ近接していることが好ましいので、グループごとに基準信号線131を設ける方が好ましい。
なお、図7では信号発生回路101を全体で1つとしたが、グループごとに信号発生回路101を設けることとしてもよい。この場合、グループ選択信号に応じて信号発生回路101の選択処理が行われる。
図9は、本実施形態による半導体装置10を用いたデータ処理システム500の構成を示すブロック図である。
図に示すデータ処理システム500は、データプロセッサ520と、本実施形態による半導体装置(DRAM)10が、システムバス510を介して相互に接続された構成を有している。データプロセッサ520としては、例えば、マイクロプロセッサ(MPU)、ディジタルシグナルプロセッサ(DSP)などを含まれるが、これらに限定されない。図10においては簡単のため、システムバス510を介してデータプロセッサ520とDRAM530とが接続されているが、システムバス510を介さずにローカルなバスによってこれらが接続されていても構わない。
また、図には、簡単のためシステムバス510が1組しか描かれていないが、必要に応じ、コネクタなどを介しシリアルないしパラレルに設けられていても構わない。また、図に示すメモリシステムデータ処理システムでは、ストレージデバイス540、I/Oデバイス550、ROM560がシステムバス510に接続されているが、これらは必ずしも必須の構成要素ではない。
ストレージデバイス540としては、ハードディスクドライブ、光学ディスクドライブ、フラッシュメモリなどが挙げられる。また、I/Oデバイス550としては、液晶ディスプレイなどのディスプレイデバイスや、キーボード、マウスなどの入力デバイスなどが挙げられる。
また、I/Oデバイス550は、入力デバイス及び出力デバイスのいずれか一方のみであっても構わない。
さらに、図に示す各構成要素は、簡単のため1つずつ描かれているが、これに限定されるものではなく、1又は2以上の構成要素が複数個設けられていても構わない。
本発明の実施形態において、コントローラは、インターフェースチップにリードコマンドに関連するコマンドを発行する。コントローラからコマンドを受けたインターフェースチップは、複数のコアチップにリードコマンドを発行する。複数のコアチップのいずれかは、リードコマンドを受けてインターフェースチップにリードコマンドに対応するメモリセルアレイの情報であるリードデータを出力する。複数のコアチップのいずれかからリードデータを受けたインターフェースチップは、コントローラにそのリードデータを出力する。尚、コントローラが発行する前記コマンドは、所謂、周知の半導体装置を制御する業界団体で規定されるコマンド(システムとしてのリードコマンド)である。インターフェースチップがコアチップに発行するリードコマンドは、半導体チップ内部の制御信号である。リードデータにおいても同様である。更に、コントローラは、半導体装置10を試験する試験コマンド(試験信号)を備えていても良い。試験コマンドがメモリコントローラから発行されると、インターフェースチップは前述のテスト信号TEST_IFを生成し、各コアチップはテスト信号TEST_IFを元にテスト信号TEST_COREを生成する。そして、半導体装置10から試験結果がコントローラへ出力される。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
また、本発明の請求の範囲の枠内において種々の開示要素の多様な組み合わせないし、選択が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。
例えば、上記実施形態では立上がり波形の計測について開示したが、本発明はこの適用に限られず、立下りの波形計測並びにそれらの組み合わせにも適用できる。更に、相補信号の計測の場合、TrueとBarのクロスエッジの計測にも適用できる。(基準信号線も2本必要)更に、TSVの構造は、問わない。
また、上記実施形態においては、夫々が同一機能の複数のコアチップとしてDDR3型のSDRAMを用いているが、本発明がこれに限定されるものではない。したがって、DDR3型以外のDRAMであっても構わないし、DRAM以外の半導体メモリ(SRAM(スタティックランダムアクセスメモリ)、PRAM(フェースチェンジランダムアクセスメモリ)、MRAM(マグネティックランダムアクセスメモリ)、フラッシュメモリなど)であっても構わない。更に、コアチップは半導体メモリ以外の機能である夫々が同一機能または異なる機能の複数の半導体チップであっても良い。また、全てのコアチップが積層されていることも必須でなく、一部又は全部のコアチップが平面的に配置されていても構わない。さらに、コアチップ数についても8個に限定されるものではない。
また、例えば、各コアチップは、夫々が同一機能の半導体メモリの複数のチップで開示をしたが、本願の基本的技術思想はこれに限られない機能の夫々が同一機能または異なる機能の複数のコアチップであっても良い。つまり、インターフェースチップ、コアチップはそれぞれ固有の機能のシリコンチップであっても良い。例えば、複数のコアチップは夫々が同一機能のDSPチップであり、前記複数のコアチップに共通なインターフェースチップ(ASIC)を備えていても良い。コアチップ同士は同一機能を有し、同一マスクによって製造されていることが好ましい。しかし、同一ウェハ内における面内分布、ウェハの相違、ロットの相違などに起因して、製造後の特性が異なる可能性がある。更に、例えば、各コアチップは、それぞれ記憶機能を備えるも夫々異なる(第1コアチップはDRAM、第2チップはSRAM、第3チップは不揮発性メモリ、第4チップはDSP)機能であり、それぞれ異なる製造マスクで製造され、前記複数のコアチップに共通なインターフェースチップ(ASIC)を備えていても良い。
また、本発明は、貫通電極TSVを使用した構造のCOC(チップオンチップ)であれば、CPU(Central Processing Unit)、MCU(Micro Control Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、ASSP(Application Specific Standard Circuit)等の半導体製品全般に、適用できる。また本発明を適用したデバイスは、SOC(システムオンチップ)、MCP(マルチチップパッケージ)やPOP(パッケージオンパッケージ)等の半導体装置にも適用できる。また、トランジスタは、電界効果トランジスタ(Field Effect Transistor; FET)であってもバイポーラ型トランジスタであっても良い。MOS(Metal Oxide Semiconductor)以外にもMIS(Metal-Insulator Semiconductor)、TFT(Thin Film Transistor)等の様々なFETに適用できる。トランジスタ等の様々なFETに適用できる。FET以外のトランジスタであっても良い。バイポーラ型トランジスタを一部含んでいても良い。また、Pチャンネル型のトランジスタまたはPMOSトランジスタは、第1導電型のトランジスタ、Nチャンネル型のトランジスタまたはNMOSトランジスタは、第2導電型のトランジスタの代表例である。更に、P型の半導体基板に限らず、N型の半導体基板であっても良いし、SOI(Silicon on Insulator)構造の半導体基板であっても、それ以外の半導体基板であっても良い。
更に、各種回路(第1及び第2の信号発生回路、判定回路、遅延素子、セレクタ等の回路形式)は、実施例が開示する回路形式に限られない。
更に、貫通電極TSVの構造は、問わない。