以下に、図面を参照して、本願に係る発明を実施するための最良の形態について説明する。
[第一実施形態]
まず、本発明の第一実施形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の第一実施形態である遊技機の概略斜視図、図2はその遊技機の扉を開いた状態の概略斜視図、図3はその遊技機の概略ブロック図である。ここでは、遊技機が回胴式遊技機である場合について説明する。
第一実施形態の回胴式遊技機は、図1及び図2に示すように、機枠1と、その機枠1の前面側に開閉可能に装着された扉2とを有する。図1にはその扉2が閉じられた状態の回胴式遊技機が示され、図2にはその扉2が開けられた状態の回胴式遊技機が示されている。かかる回胴式遊技機は、図1、図2及び図3に示すように、回胴回転装置11と、表示窓12と、メダル投入口13と、貯留メダル投入ボタン14と、貯留メダル枚数表示部15と、始動スイッチ16と、三つの停止ボタン17a,17b,17cと、三つのストップ可能ランプ18a,18b,18cと、貯留メダル清算ボタン19と、払出メダル枚数表示部21と、メダル払出口22と、メダル受け皿23と、メダル補給用穴24と、ホッパーバケット25と、メダル排出装置26と、払出制御基板27と、スピーカ28と、ランプ29と、電源部30と、扉開放検出センサ41と、設定キースイッチ操作検出センサ42と、投入メダル検出センサ43と、ホッパーモータ駆動検出センサ44と、電源ON検出センサ45と、扉開閉検出センサ51と、主制御基板脱着検出センサ52と、主制御基板60と、副制御基板70と、外部端子板80とを備える。
回胴回転装置11には、三つの回胴11a,11b,11cが含まれる。これら三つの回胴11a,11b,11cは、図1及び図2に示すように、扉2の中央部のやや上側に並べて配設されている。各回胴11a,11b,11cは、複数の図柄を一列に配した図柄列を有しており、回転可能に構成されている。また、回胴回転装置11には、各回胴11a,11b,11cを駆動するための、図示しない三つの回胴駆動手段が含まれている。これら回胴駆動手段の制御は、主制御基板60により行われる。
表示窓12は、回胴11a,11b,11cの前側に設けられた透明な窓部である。遊技者は、回胴11a,11b,11cの停止時に表示窓12から各回胴11a,11b,11cに付された図柄を目視することができる。この表示窓12の右側には、貯留メダル枚数表示部15と、払出メダル枚数表示部21とが設けられている。貯留メダル枚数表示部15は、貯留装置(ソフト的に貯留メダル枚数を管理するもの)に現在、貯留されているメダルの枚数を表示するものであり、払出メダル枚数表示部21は、各遊技においてその遊技の結果に応じて払い出されるメダルの払出枚数を表示するものである。これら貯留メダル枚数表示部15及び払出メダル枚数表示部21の制御は主制御基板60により行われる。
扉2の中央部には、図1に示すように、メダル投入口13と、貯留メダル投入ボタン14と、始動スイッチ16と、三つの停止ボタン17a,17b,17cと、貯留メダル清算ボタン19とが設けられている。メダル投入口13は、遊技者がメダル(遊技媒体)を投入するための投入口である。貯留メダル投入ボタン14は、メダル投入口13から実際にメダルを投入することに代えて、貯留装置に貯留されているメダルを使用して遊技を行う旨を指示するものである。
始動スイッチ16は、遊技を開始する旨を指示するために遊技者が操作するものである。メダル投入口13からメダルが投入されるか、又は、貯留装置にメダルが貯留されている状態で貯留メダル投入ボタン14が押圧されることにより、始動スイッチ16の操作が有効となる。主制御基板60は、始動スイッチ16の操作が有効であるときに、始動スイッチ16が操作された旨の信号を受けると、三つの回胴11a,11b,11cの回転動作を開始する。
停止ボタン17aは回胴11aの回転動作の停止を指示するためのものであり、停止ボタン17bは回胴11bの回転動作の停止を指示するためのものであり、そして、停止ボタン17cは回胴11cの回転動作の停止を指示するためのものである。各停止ボタン17a,17b,17cが押されると、当該停止ボタンが押された旨の信号が主制御基板60に送られる。そして、主制御基板60は、停止ボタンが押された旨の信号を受けると、当該停止ボタンに対応する回胴の回転動作を停止する。
また、表示窓12の下側であって各回胴11a,11b,11cに対応する位置にはそれぞれ、ストップ可能ランプ18a,18b,18cが設けられている。各ストップ可能ランプ18a,18b,18cは、当該回胴に対応する停止ボタンの操作が有効になったときに、当該停止ボタンの操作を遊技者に促すためのものである。これらストップ可能ランプ18a,18b,18cの制御は、主制御基板60により行われる。
扉2の下部には、メダル払出口22と、メダル受け皿23とが設けられている。メダル払出口22は、払い出されるメダルの放出口であり、メダル受け皿23は、メダル払出口22から払い出されるメダルを蓄積するための皿である。また、遊技者が貯留メダル清算ボタン19を押した場合には、そのときに貯留しているメダル枚数に対応する数のメダルがメダル払出口22から放出される。
また、扉2の裏面側には、図2に示すように、スピーカ28と、ランプ29とが設けられている。スピーカ28は、音により遊技に関わる演出を行う演出手段である。スピーカ28の制御は、主制御基板60からの指令に基づいて副制御基板70により行われる。一方、ランプ29は、遊技状態を表示するものである。かかるランプ29の制御は、主制御基板60により行われる。
機枠1内には、図2及び図3に示すように、メダル補給用穴24と、ホッパーバケット25と、メダル排出装置26と、払出制御基板27と、電源部30と、扉開放検出センサ41と、設定キースイッチ操作検出センサ42と、投入メダル検出センサ43と、ホッパーモータ駆動検出センサ44と、電源ON検出センサ45と、扉開閉検出センサ51と、主制御基板脱着検出センサ52と、主制御基板60と、副制御基板70と、外部端子板80とが設けられている。
メダル補給用穴24は、外部のメダル供給装置からメダルを遊技機内に供給するためのものである。このメダル補給用穴24を介して供給されたメダルは、ホッパーバケット25に貯留される。メダル排出装置26は、遊技の結果が入賞となったときに、ホッパーバケット25に貯留されているメダルのうち所定枚数のメダル(入賞メダル)をメダル払出口22からメダル受け皿23に排出する装置である。具体的に、メダル排出装置26は、所定の回転機構と、その回転機構を駆動するためのホッパーモータとを有している。ホッパーモータを駆動して回転機構を動作させると、メダルが一枚ずつメダル払出口22から排出される。このメダル排出装置26の動作は、主制御基板60からの指令に基づいて払出制御基板27によって制御される。すなわち、主制御基板60が所定枚数のメダルを払い出す旨の払出コマンドを払出制御基板27に送出すると、払出制御基板27はその払出コマンドに基づいて、要求された枚数のメダルを払い出すようにメダル排出装置26の動作を制御する。なお、本実施形態では、払出制御基板が主制御基板とは別個に設けられている場合について説明するが、払出制御基板が主制御基板と一体的に構成されており、払出制御基板の機能が主制御基板に組み込まれているものであってもよい。
電源部30は、外部電源から供給される交流の電圧を直流の各種電圧に変換して、各部に電力を供給するものである。電源部30の筐体前面には、図2に示すように、電源スイッチ31と、設定スイッチ32と、設定キースイッチ33とが設けられている。電源スイッチ31は、電源部30のオン状態、オフ状態を切り替えるものである。電源スイッチ31がオンされると、電源部30がオン状態になり、電源部30から各部に電力が供給されて、回胴式遊技機は動作を開始することになる。具体的に、電源部30から各部への電力供給は、主制御基板60を経由して行われる。
通常、回胴式遊技機では、出玉率を6段階のいずれかに設定することが可能である。設定スイッチ32は、出玉率の設定を行うことを指示するためのスイッチである。また、設定キースイッチ33は、設定スイッチ32を操作可能にするためのスイッチである。この設定キースイッチ33には鍵穴が設けられており、設定キーをその鍵穴に差し込んで設定キースイッチ33を所定方向に回すと、設定キースイッチ33をON状態にすることができる。出玉率の設定は電源投入時に行われる。具体的に、出玉率の設定を行う場合、遊技場の係員は、設定キーを設定キースイッチ33の鍵穴に差し込み、設定キースイッチ33を所定方向に回した後、電源スイッチ31をオンにする。すると、主制御基板60は、出玉率の設定処理を開始し、図示しない設定内容表示部に現在の出玉率の設定値を表示する。そして、遊技場の係員が設定スイッチ32を操作して出玉率の設定値を変更すると、主制御基板60はその変更後の設定値を認識し、設定内容表示部に表示させる。
機枠1内に設けられている各種のセンサ41,42,43,44,45は、遊技機での所定の出来事の発生を認識するのに必要な情報を検出するものである。これらのセンサ41,42,43,44,45からの検出信号は個別に主制御基板60に出力される。
具体的に、扉開放検出センサ41は、扉2が開放されたことを検出するものである。この扉開放検出センサ41からの検出信号により、主制御基板60は扉2が開放されたという出来事を認識することができる。この扉開放検出センサ41としては、機械的な動作で電気回路を開閉する機能をもつリミットスイッチ等が用いられる。設定キースイッチ操作検出センサ42は、設定キースイッチ33がON情報にされたことを検出するものである。この設定キースイッチ操作検出センサ42からの検出信号により、主制御基板60は設定キースイッチ33がON状態にされたという出来事、すなわち遊技機の設定(出玉率の設定)を変更又は確認するという作業が行われたという出来事を認識することができる。
投入メダル検出センサ43は、メダルがメダル投入口13から投入されたことを検出するものである。この投入メダル検出センサ43からの検出信号により、主制御基板60はメダルが投入されたという出来事を認識することができる。ところで、通常、回胴式遊技機には、投入メダル検出センサ43からの検出信号に基づいてメダル投入の際に不正が行われたかどうかを判断する機能が備わっている。このため、投入メダル検出センサ43からの検出信号に基づいて、主制御基板60は、メダル投入エラーが発生したこと、すなわちメダル投入の際に不正が行われたという出来事を認識することもできる。ホッパーモータ駆動検出センサ44は、ホッパーモータを駆動するための信号(ホッパーモータ駆動信号)が発せられたことを検出するものである。このホッパーモータ駆動検出センサ44からの検出信号により、主制御基板60は、メダルが払い出されたという出来事を認識することができる。特に、正規の入賞メダルの払出し処理が行われていないにもかかわらず、ホッパーモータ駆動検出センサ44からの検出信号を受けたときには、主制御基板60は、メダル払出エラーが発生したこと、すなわちメダル払出しの際に不正が行われたという出来事を認識することができる。電源ON検出センサ45は、電源スイッチ31がオンにされたことを検出するものである。この電源ON検出センサ45からの検出信号により、主制御基板60は、電源スイッチ31がオンにされたという出来事を認識することができる。
このように、投入メダル検出センサ43やホッパーモータ駆動検出センサ44からの検出信号は、遊技機で不正が行われたことを認識するためにも用いられる。また、上述したように、扉2が開放されたこと、設定キースイッチ33がON状態にされたこと、電源スイッチ31がオンにされたことは、出玉率の設定に関連した行為である。このため、例えばこれらの行為が何ら理由もなく行われると、不正が行われたと判断することができる。したがって、扉開放検出センサ41、設定キースイッチ操作検出センサ42、電源ON検出センサ45からの検出信号も、投入メダル検出センサ43、ホッパーモータ駆動検出センサ44からの検出信号と同様に、遊技機で不正が行われたことを認識するために用いることができる。
扉開閉検出センサ51は、扉2が開放されたこと及び閉じられたことを検出するものである。この扉開閉検出センサ51からの検出信号は主制御基板60を介して外部端子板80に出力される。ここで、この検出信号は、主制御基板60のCPUに送られるのではなく、単に主制御基板60を経由して外部端子板80に送出される。かかる扉開閉検出センサ51が扉開放検出センサ41と異なるのは、信号の出力先が主制御基板60ではなく外部端子板80である点、及び、扉開閉検出センサ51として自己発電型スイッチを用いている点である。一般に、自己発電型スイッチとは、外部電源からの電力の供給なしに、可動部の機械的な動作により電磁誘導又は圧電効果等を利用して発電を行い、電気信号を出力することができるものをいう。本実施形態では、自己発電型スイッチとして、電磁誘導を利用したものを用いることにしている。図4は第一実施形態で用いている自己発電型スイッチの概略斜視図、図5はその自己発電型スイッチから出力される電気信号の波形を説明するための図である。図4に示すように、自己発電型スイッチ500は、本体部501と、本体部501の上面に設けられた押しボタン(可動部)502とを有する。本体部501のサイズは、縦幅約20mm、横幅約16mm、高さ約12mmである。押しボタン502のストロークは約2.5mmである。押しボタン502に力を加えていない状態が自己発電型スイッチ500のオフ状態である。この押しボタン502に力を加えて押しボタン502を下方に押し込むと、自己発電型スイッチ500はオン状態となる。そして、自己発電型スイッチ500がオン状態にある場合に押しボタン502を押す力を解放すると、押しボタン502は自動で元の位置に復帰し、自己発電型スイッチ500はオフ状態になる。扉開閉検出センサ51としての自己発電型スイッチ500は、扉2の開閉により押しボタン502が機械的に動作するように設けられている。すなわち、扉2が閉じられている場合には、その扉2により押しボタン502が押し込まれ、自己発電型スイッチ500はオン状態となっており、一方、扉2を開けると、押しボタン502が元の位置に戻り、自己発電型スイッチ500はオフ状態になる。このように扉2の開閉に基づく押しボタン502の機械的な動作により自己発電型スイッチ500のオン・オフ状態が切り替わると、誘導起電力が発生し、これにより、自己発電型スイッチ500は発電を行う。ここで、自己発電型スイッチ500がオン状態からオフ状態に切り替わるときとオフ状態からオン状態に切り替わるときとで異なる極性の電気信号が出力される。具体的に、図5に示すように、自己発電型スイッチ500がオン状態からオフ状態に切り替わるときに正の極性の電気信号が出力され、自己発電型スイッチ500がオフ状態からオン状態に切り替わるときに負の極性の電気信号が出力される。また、この自己発電型スイッチ500から出力される電気信号(パルス信号)の波形は、幅約3msで大きさ約4Vである。
主制御基板脱着検出センサ52は、主制御基板60が取り外されたこと及び取り付けられたことを検出するものである。この主制御基板脱着検出センサ52からの検出信号は外部端子板80に出力される。主制御基板脱着検出センサ52としては、扉開閉検出センサ51と同様に、図4に示す自己発電型スイッチ500を用いている。主制御基板脱着検出センサ52としての自己発電型スイッチ500は、主制御基板60の脱着により押しボタン502が機械的に動作するように設けられている。すなわち、主制御基板60が機枠1内の所定箇所に取り付けられている場合には、主制御基板60により押しボタン502が押し込まれ、自己発電型スイッチ500はオン状態になっている。そして、主制御基板60が取り外されると、押しボタン502が元の位置に戻り、自己発電型スイッチ500はオフ状態になる。かかる主制御基板脱着検出センサ52は、オン・オフ状態が切り替わる際に発電を行い、図5に示すように、オン状態からオフ状態に切り替わるときとオフ状態からオン状態に切り替わるときとで異なる極性の電気信号を出力する。
回胴式遊技機では、三つの回胴11a,11b,11cの停止時に表示される図柄を、各種の役に対応する図柄の組合せに揃えるという遊技が行われる。具体的に、回胴式遊技機における遊技を行うには、遊技者は、まず、メダルをメダル投入口13へ直接投入するか、或いは、貯留装置に貯留されているメダルを、貯留メダル投入ボタン14を押圧して投入するかのいずれかの行為を行う。次に、遊技者は、始動スイッチ16を操作して回胴11a,11b,11cを回転させた後、停止ボタン17a,17b,17cを任意の順序で順次押圧して回胴11a,11b,11cを停止させる。回胴11a,11b,11cが停止したときに、表示窓12の上、中、下の水平な有効ライン及び斜めの有効ライン等、予め設定された有効ライン上に、複数種類の役のうちいずれかの役に対応する図柄の組合せが停止表示されれば、遊技の結果は当該役の入賞となる。遊技の結果が役の入賞であれば、当該役に対応する所定枚数のメダルが払い出される。ここで、払い出されるメダルは、貯留枚数が50枚になるまでは貯留装置に貯留され、貯留枚数が50枚を超える分はメダル排出装置26によってメダル払出口22からメダル受け皿23に払い出される。一方、遊技機の結果が役の入賞でなければ、メダルの払出しは行われない。
主制御基板60は、主に遊技内容やメダルの払出しの制御及び管理を行うものである。かかる主制御基板60は、図3に示すように、ROM61と、RAM62と、CPU63とを有する。ROM61には、遊技内容の制御等に関する各種のプログラムが格納されている。また、RAM62は、データを一時的に記憶する作業用のメモリである。CPU63は、ROM61に格納されたプログラムを実行することにより遊技内容の制御等を行う。具体的に、CPU63は、遊技状態の管理、回胴回転装置11の各回胴11a,11b,11cの駆動・停止処理、副制御基板70への指令信号の送信処理、外部端子板80への各種信号の出力処理等を行う。
まず、遊技状態の管理について説明する。CPU63は、遊技の結果等に基づいて遊技状態の移行を制御している。そして、CPU63は、現在の遊技状態の内容を、遊技状態に関するデータで管理している。この遊技状態に関するデータはRAM62に記憶される。遊技状態が移行すると、その移行した遊技状態に応じた内容の遊技が実行されることになる。本実施形態の回胴式遊技機では、遊技状態として、「通常の遊技状態」、「第一種特別役物作動中」、「第一種特別役物に係る役物連続作動装置作動中」、「第二種特別役物作動中」、「第二種特別役物に係る役物連続作動装置作動中」、「普通役物作動中」等の各種の遊技状態が設定されている。例えば、遊技において、表示窓12の有効ライン上に「7−7−7」の図柄が揃うと、CPU63は、遊技状態を第一種特別役物に係る役物連続作動装置作動中(大ボーナス)に移行させる。そして、遊技状態が第一種特別役物に係る役物連続作動装置作動中である場合には、遊技者が最も多量のメダルを獲得可能な大ボーナス遊技が行われる。この大ボーナス遊技は、メダルの累積払出枚数が予め定めた所定枚数(例えば、450枚)を超えたときに終了する。
また、CPU63は、回胴回転装置11の各回胴11a,11b,11cの駆動・停止処理を行う。各回胴11a,11b,11cの駆動処理とは、メダルが投入されることを条件に、始動スイッチ16が操作されたときに、三つの回胴11a,11b,11cの駆動動作を開始させる処理である。また、各回胴11a,11b,11cの停止処理とは、ある回胴が駆動している場合、当該回胴に対応する停止ボタンが押されたときに、当該回胴の駆動を停止させる処理である。
更に、CPU63は、副制御基板70への指令信号の送信処理を行う。CPU63から副制御基板70に送信する指令信号には多くの種類がある。例えば、遊技の演出に関する指令信号や、遊技者によって所定の操作が行われたときにその操作が行われた旨を示す指令信号、現在の遊技状態を示す指令信号等がある。CPU63は、これらの指令信号を副制御基板70に送信することにより、副制御基板70にさまざまな情報を伝えて、副制御基板70を制御している。
次に、CPU63が行う外部端子板80への各種信号の出力処理について説明する。回胴式遊技機は、図3に示すように、外部端子板80を介して外部管理装置200と接続されている。主制御基板60のCPU63は、外部端子板80に各種の信号を出力することにより外部管理装置200にそれらの信号を送信する。外部管理装置200は、例えば、遊技場内に設定された複数の遊技機からの信号を受けて各遊技機についての情報を管理するホールコンピュータである。CPU63が外部端子板80に出力する信号としては、遊技状態信号、メダル投入信号、メダル払出信号、遊技機信号がある。
CPU63は、遊技状態が各種の特定遊技状態に変化したときに、遊技状態がその変化した特定遊技状態であることを示す遊技状態信号を生成すると共に、その生成された各遊技状態信号を個別に外部端子板80に出力する。具体的に、CPU63は、遊技状態が第一種特別役物作動中になったときに、遊技状態信号1として第一種特別役物作動中信号を生成して出力し、遊技状態が第一種特別役物に係る役物連続作動装置作動中になったときに、遊技状態信号2として第一種特別役物に係る役物連続作動装置作動中信号を生成して出力する。また、CPU63は、遊技状態が第二種特別役物作動中になったときに、遊技状態信号3として第二種特別役物作動中信号を生成して出力し、遊技状態が第二種特別役物に係る役物連続作動装置作動中になったときに、遊技状態信号4として第二種特別役物に係る役物連続作動装置作動中信号を生成して出力する。また、CPU63は、遊技状態が普通役物作動中になったときに、遊技状態信号5として普通役物作動中信号を生成して出力する。
また、CPU63は、メダル投入信号及びメダル払出信号を生成し、その生成されたメダル投入信号及びメダル払出信号を個別に外部端子板80に出力する。具体的に、CPU63は、投入メダル検出センサ43からの検出信号を受けたときに、メダルが投入された旨のメダル投入信号を生成して出力する。そして、CPU63は、ホッパーモータ駆動検出センサ44からの検出信号を受けたときに、その検出信号に基づいて所定枚数のメダルが払い出された旨のメダル払出信号を生成して出力する。
更に、CPU63は、各センサ41,42,43,44,45からの検出信号に基づいて遊技機で所定の出来事が発生したと判断したときに、当該出来事が発生したことを示す遊技機信号を生成すると共に、その生成された各遊技機信号を個別に外部端子板80に出力する。具体的に、CPU63は、扉開放検出センサ41からの検出信号を受けたときに、扉2が開放されたと判断し、遊技機信号1として扉2が開放されたことを示す扉開放信号を生成して出力する。CPU63は、設定キースイッチ操作検出センサ42からの検出信号を受けたときに、設定キースイッチ33がON状態にされたと判断し、遊技機信号2として設定キースイッチ33がON状態にされたことを示す設定変更信号を生成して出力する。CPU63は、投入メダル検出センサ43からの検出信号に基づいてメダル投入エラーが発生したと判断したときに、遊技機信号3としてメダル投入エラーが発生したことを示す投入エラー信号を生成して出力する。また、CPU63は、正規の入賞メダルの払出し処理が行われていないにもかかわらず、ホッパーモータ駆動検出センサ44からの検出信号を受けたときに、メダル払出エラーが発生したと判断し、遊技機信号4としてメダル払出エラーが発生したことを示す払出エラー信号を生成して出力する。更に、CPU63は、電源ON検出センサ45からの検出信号を受けたときに、電源スイッチ31がオンにされたと判断し、遊技機信号5として電源スイッチ31がオンにされたことを示す電源ON信号を生成して出力する。このように、CPU63は、遊技状態信号1〜5、メダル投入信号、メダル払出信号、遊技機信号1〜5の合計12個の信号を個別に外部端子板80に出力している。
副制御基板70は、主に遊技の進行に伴う演出の制御を行う。この副制御基板70は、図示しないが、ROMと、RAMと、CPUと、スピーカ駆動回路とを有する。副制御基板70のROMには、遊技演出等に関する各種のプログラムが格納されている。また、副制御基板70のRAMは、データを一時的に記憶する作業用のメモリである。このRAMには、例えば、主制御基板60から送られた指令信号等が一時記憶される。副制御基板70のCPUは、主制御基板60から送られた指令信号に基づいて演出手段としてのスピーカ28に実行させる演出の内容を決定し、その決定した内容にしたがってスピーカ駆動回路を介してスピーカ28を制御する。
外部端子板80は、図2に示すように、機枠1内の上部に取り付けられている。この外部端子板80には、主制御基板60から各種の信号及び電力が送られる。外部端子板80は、主制御基板60から送られた信号を中継して、外部管理装置200に送出する。また、外部端子板80には、扉開閉検出センサ51からの電気信号(検出信号)及び主制御基板脱着検出センサ52からの電気信号(検出信号)が個別に送られ、外部端子板80はこれらの検出信号を中継して、外部管理装置200に送信する。
外部端子板80は、図3に示すように、主制御基板60と接続するための第一コネクタCN11と、扉開閉検出センサ51と接続するための第二コネクタCN12と、主制御基板脱着検出センサ52と接続するための第三コネクタCN13と、外部管理装置200と接続するための第四コネクタCN14,第五コネクタCN15及び第六コネクタCN16と、二つのリレー回路81,82とを備えている。
第一コネクタCN11は、主制御基板60のコネクタと伝送線を介して接続される。この第一コネクタCN11は、CPU63から出力された遊技状態信号1〜5、メダル投入信号、メダル払出信号、遊技機信号1〜5の各々を個別に入力するための端子、及び、電源部30から主制御基板60を経由して供給される電力を入力するための端子を有している。また、第二コネクタCN12は、2個の端子を有しており、扉開閉検出センサ51と接続される。この第二コネクタCN12は、扉開閉検出センサ51から出力された検出信号を入力するためのものである。第三コネクタCN13は、2個の端子を有しており、主制御基板脱着検出センサ52と接続される。この第三コネクタCN13は、主制御基板脱着検出センサ52から出力された検出信号を入力するためのものである。
図6は第一実施形態の回胴式遊技機における外部端子板80に設けられたリレー回路81,82の概略ブロック図である。二つのリレー回路81,82はそれぞれ、所定の自己発電型スイッチから出力された電気信号を受けたとき、この電気信号に基づいて接点の開閉状態を変更して保持すると共にその開閉状態を示す接点の開閉信号を出力するものである。
一方のリレー回路81は、扉開閉検出センサ51に対応して設けられており、扉開閉検出センサ51から出力された電気信号の極性に応じて接点の開閉状態を変更して保持する。このリレー回路81としては、図6に示すように、コイル及び接点を有する一巻ラッチングリレーを用いている。リレー回路81は、扉開閉検出センサ51から正負の極性のうち一方の極性の電気信号を受けたときに、動作して接点の開閉状態を変更して保持し、その後、扉開閉検出センサ51から他方の極性の電気信号を受けたときに、動作して接点の開閉状態を元の状態に戻して保持する。具体的に、扉開閉検出センサ51から正の極性の電気信号がリレー回路81に送られると、コイルに所定方向の電流が流れ、リレー回路81は、現在の接点の状態が開状態であれば接点の状態を閉状態に変更して保持する。その後、扉開閉検出センサ51から負の極性の電気信号がリレー回路81に送られると、コイルに逆方向の電流が流れ、リレー回路81は、接点の状態を開状態に変更して保持する。そして、扉開閉検出センサ51から電気信号が送られていないときには、リレー回路81は接点の状態をそのまま維持する。
もう一方のリレー回路82は、主制御基板脱着検出センサ52に対応して設けられており、主制御基板脱着検出センサ52から出力された電気信号の極性に応じて接点の開閉状態を変更して保持する。このリレー回路82としては、リレー回路81と同様に一巻ラッチングリレーを用いている。リレー回路82は、主制御基板脱着検出センサ52から正負の極性のうち一方の極性の電気信号を受けたときに、動作して接点の開閉状態を変更して保持し、その後、主制御基板脱着検出センサ52から他方の極性の電気信号を受けたときに、動作して接点の開閉状態を元の状態に戻して保持する。具体的に、主制御基板脱着検出センサ52から正の極性の電気信号がリレー回路82に送られると、コイルに所定方向の電流が流れ、リレー回路82は、現在の接点の状態が開状態であれば接点の状態を閉状態に変更して保持する。その後、主制御基板脱着検出センサ52から負の極性の電気信号がリレー回路82に送られると、コイルに逆方向の電流が流れ、リレー回路82は、接点の状態を開状態に変更して保持する。そして、主制御基板脱着検出センサ52から信号が送られていないときには、リレー回路82は接点の状態をそのまま維持する。
第四コネクタCN14は、外部管理装置200のコネクタと伝送線を介して接続される。この第四コネクタCN14は、遊技状態信号1〜5、メダル投入信号、メダル払出信号、遊技機信号1〜5の各々を個別に出力するための端子を有している。また、第五コネクタCN15は、2個の端子を有しており、外部管理装置200のコネクタと伝送線を介して接続される。この第五コネクタCN15は、リレー回路81における接点の開閉状態に応じた信号を出力するためのものである。第六コネクタCN16は、2個の端子を有しており、外部管理装置200のコネクタと伝送線を介して接続される。この第六コネクタCN16は、リレー回路82における接点の開閉状態に応じた信号を出力するためのものである。尚、外部管理装置200は第五コネクタCN15及び第六コネクタCN16の各々に常時、所定の信号を送り、コネクタCN15,CN16の状態を監視している。
次に、第一実施形態の回胴式遊技機において外部管理装置200に扉開閉検出センサ51からの信号及び主制御基板脱着検出センサ52からの信号を出力する動作について説明する。
まず、扉開閉検出センサ51からの信号の出力動作を説明する。扉2が開放されると、扉開閉検出センサ51は自ら発電を行い、正の極性の電気信号を外部端子板80の第二コネクタCN12に出力する。この第二コネクタCN12に出力された正の極性の電気信号はリレー回路81に送られ、リレー回路81が動作してその接点が閉状態となる。これにより、リレー回路81から外部管理装置200へは、接点の閉状態に応じた信号が出力される。その後、扉2が閉じられると、扉開閉検出センサ51は自ら発電を行い、負の極性の電気信号を外部端子板80の第二コネクタCN12に出力する。この第二コネクタCN12に出力された負の極性の電気信号はリレー回路81に送られ、リレー回路81が動作してその接点が閉状態から開状態になる。これにより、リレー回路81から外部管理装置200へは、接点の開状態に応じた信号が出力される。こうして、外部管理装置200は、リレー回路81から出力される信号に基づいて、扉2が開放されたことを認識すると、所定の処理を行う。例えば、外部管理装置200は、遊技店の営業時間外の期間等のように、回胴式遊技機に外部電源の電力が供給されていないときに、その回胴式遊技機の扉2が開放されたことを認識すると、その旨及びその日時の情報を記憶手段に記憶したり、店内に設置されている監視カメラを動作させて、当該回胴式遊技機の様子を録画したりする。また、このとき、外部管理装置200は、各種の警報を発するようにしてもよい。
次に、主制御基板脱着検出センサ52からの信号の出力動作を説明する。主制御基板60が取り外されると、主制御基板脱着検出センサ52は自ら発電を行い、正の極性の電気信号を外部端子板80の第三コネクタCN13に出力する。この第三コネクタCN13に出力された正の極性の電気信号はリレー回路82に送られ、リレー回路82が動作してその接点が閉状態となる。これにより、リレー回路82から外部管理装置200へは、接点の閉状態に応じた信号が出力される。その後、主制御基板60が元の箇所に取り付けられると、主制御基板脱着検出センサ52は自ら発電を行い、負の極性の電気信号を外部端子板80の第三コネクタCN13に出力する。この第三コネクタCN13に出力された負の極性の電気信号はリレー回路82に送られ、リレー回路82が動作してその接点が閉状態から開状態になる。これにより、リレー回路82から外部管理装置200へは、接点の開状態に応じた信号が出力される。こうして、外部管理装置200は、リレー回路82から出力される信号に基づいて、主制御基板60が取り外されたことを認識すると、外部管理装置200は、例えば上述した扉2が開放された場合に行われる処理と同様の処理を行う。
第一実施形態の回胴式遊技機では、扉開閉検出スイッチ(自己発電型スイッチ)が扉の開閉に応じて電気信号を出力し、その扉開放検出スイッチに対応して設けられたリレー回路がその出力された電気信号に基づいて接点の開閉状態を変更して保持すると共にその開閉状態を示す接点の開閉信号を外部管理装置に出力することにより、遊技機に外部電源からの電力が供給されていない電源遮断の期間中であっても、扉の開閉を検出することができる。また、主制御基板脱着検出センサ(自己発電型スイッチ)が主制御基板の脱着に応じて電気信号を出力し、その主制御基板脱着検出センサに対応して設けられたリレー回路がその出力された電気信号に基づいて接点の開閉状態を変更して保持すると共にその開閉状態を示す接点の開閉信号を外部管理装置に出力することにより、遊技機に外部電源からの電力が供給されていない電源遮断の期間中であっても、主制御基板の脱着を検出することができる。このため、何者かが遊技機に対して不正行為を行う目的で扉を開けたり、主制御基板を取り外したりしたとしても、扉を開けたことや主制御基板を取り外したことを検出することができるので、セキュリティの向上を図ることができる。特に、外部管理装置は、リレー回路から出力された接点の開閉信号に基づいて、扉を開けたことや主制御基板を取り外したことを検出したときには、例えば各種の警報を発することができる。
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態について図面を参照して説明する。図7は本発明の第二実施形態である遊技機の概略ブロック図である。第二実施形態でも、第一実施形態と同様に、遊技機が回胴式遊技機である場合について説明する。また、第二実施形態において扉を閉じた状態の遊技機の概略斜視図及び扉を開いた状態の遊技機の概略斜視図はそれぞれ、図1、図2と略同じであるので、第二実施形態の遊技機の説明にも図1及び図2を用いることにする。尚、第二実施形態において、第一実施形態のものと同一の機能を有するものには、同一の符号を付すことにより、その詳細な説明を省略する。
第二実施形態の回胴式遊技機は、図1、図2及び図7に示すように、回胴回転装置11と、表示窓12と、メダル投入口13と、貯留メダル投入ボタン14と、貯留メダル枚数表示部15と、始動スイッチ16と、三つの停止ボタン17a,17b,17cと、三つのストップ可能ランプ18a,18b,18cと、貯留メダル清算ボタン19と、払出メダル枚数表示部21と、メダル払出口22と、メダル受け皿23と、メダル補給用穴24と、ホッパーバケット25と、メダル排出装置26と、払出制御基板27と、スピーカ28と、ランプ29と、電源部30と、扉開放検出センサ41と、設定キースイッチ操作検出センサ42と、投入メダル検出センサ43と、ホッパーモータ駆動検出センサ44と、電源ON検出センサ45と、主制御基板脱着検出センサ52と、主制御基板60と、副制御基板700と、外部端子板800とを備える。尚、第二実施形態の回胴式遊技機の説明においては、図2において、副制御基板70を副制御基板700に、外部端子板80を外部端子板800に読み替えるものとする。
第二実施形態の回胴式遊技機が第一実施形態のものと異なる点は、自己発電型スイッチとして、扉開閉検出センサを設けておらず、主制御基板脱着検出センサ52だけを設けている点、その主制御基板脱着検出センサ52からの信号を外部端子板800ではなく、副制御基板700に設けた二つのリレー回路に出力している点、及び、副制御基板700が所定のタイミングで当該二つのリレー回路における接点の状態を調べる点である。その他の構成は上記第一実施形態のものと同様である。
主制御基板脱着検出センサ52は、主制御基板60が取り外されたこと及び取り付けられたことを検出するものである。第二実施形態では、この主制御基板脱着検出センサ52からの検出信号が副制御基板700に出力される。主制御基板脱着検出センサ52は、自己発電型スイッチで構成されており、その動作は第一実施形態で既に説明したとおりである。
外部端子板800は、主制御基板60から送られた信号を中継して、外部管理装置200に送出する。この外部端子板800は、図7に示すように、主制御基板60と接続するための第一コネクタCN21と、外部管理装置200と接続するための第二コネクタCN22とを備えている。第一コネクタCN21は、主制御基板60のコネクタと伝送線を介して接続される。この第一コネクタCN21は、CPU63から出力された遊技状態信号1〜5、メダル投入信号、メダル払出信号、遊技機信号1〜5の各々を個別に入力するための端子、及び、電源部30から主制御基板60を経由して供給される電力を入力するための端子を有している。第二コネクタCN22は、外部管理装置200のコネクタと伝送線を介して接続される。この第二コネクタCN22は、遊技状態信号1〜5、メダル投入信号、メダル払出信号、遊技機信号1〜5の各々を個別に出力するための端子を有している。
副制御基板700は、主に遊技の進行に伴う演出の制御を行うが、第二実施形態では、さらに主制御基板60に対する不正行為が行われた可能性があるかどうかを判断する処理を行う。この副制御基板700は、図7に示すように、ROM710と、RAM720と、CPU730と、スピーカ駆動回路740と、第一リレー回路750と、第二リレー回路760と、主制御基板脱着検出センサ52と接続するためのコネクタCN31とを有する。ROM710には、遊技演出等に関する各種のプログラムが格納されている。また、RAM720は、データを一時的に記憶する作業用のメモリである。このRAM720には、例えば、主制御基板60から送られた指令信号等が一時記憶される。
図8は第二実施形態の回胴式遊技機において副制御基板700に設けられた第一リレー回路750及び第二リレー回路760の概略ブロック図である。図7及び図8に示すように、第一リレー回路750と第二リレー回路760は、主制御基板脱着検出センサ52に対して並列に接続されている。第一リレー回路750は、一巻ラッチングリレー751と、ダイオード752とを備え、第二リレー回路760は、一巻ラッチングリレー761と、ダイオード762とを備える。ここで、一巻ラッチングリレー751,761は、コイル及び接点を有する。ダイオード752は主制御基板脱着検出センサ52からの信号が入力するコネクタCN31の一方の端子と一巻ラッチングリレー751との間に接続され、ダイオード762はコネクタCN31の上記一方の端子と一巻ラッチングリレー761との間に接続されているが、ダイオード752とダイオード762とでは相対的にアノードとカソードの向きが反対になっている。このため、一巻ラッチングリレー751と一巻ラッチングリレー761とには主制御基板脱着検出センサ52からの信号が同時に出力されることはない。ここで、一巻ラッチングリレー751と一巻ラッチングリレー761とはそれぞれ、初期状態では予め接点の状態が開状態になっている。
第一リレー回路750は、主制御基板脱着検出センサ52から正負の極性のうち一方の極性の電気信号が送られたときに動作して接点の開閉状態を変更して保持し、その後、主制御基板脱着検出センサ52から正負いずれの極性の電気信号が送られてきてもその状態をそのまま維持する。具体的に、一巻ラッチングリレー751における接点の状態が開状態である場合に、主制御基板60が取り外されて、主制御基板脱着検出センサ52から第一リレー回路750に正の極性の信号が送られると、その信号はダイオード752を介して一巻ラッチングリレー751のコイルに出力され、一巻ラッチングリレー751はスイッチの接点の状態を開状態から閉状態に変更して保持する。こうして一巻ラッチングリレー751における接点の状態が閉状態になると、その後、主制御基板60が取り付けられて、主制御基板脱着検出センサ52から第一リレー回路750に負の極性の信号が送られても、その信号はダイオード752の整流作用により一巻ラッチングリレー751のコイルに出力されず、このため、一巻ラッチングリレー751は接点の状態を閉状態のまま維持する。そして、一巻ラッチングリレー751における接点の状態が閉状態である場合に、再度、主制御基板60が取り外されて、主制御基板脱着検出センサ52から第一リレー回路750に正の極性の信号が送られても、一巻ラッチングリレー751における接点の状態は閉状態のまま維持される。
また、第二リレー回路760は、主制御基板脱着検出センサ52から正負の極性のうち他方の極性の電気信号が送られたときに動作して接点の開閉状態を変更して保持し、その後、主制御基板脱着検出センサ52から正負いずれの極性の電気信号が送られてきてもその状態をそのまま維持する。具体的に、一巻ラッチングリレー761における接点の状態が開状態である場合に、主制御基板60が取り外されて、主制御基板脱着検出センサ52から第二リレー回路760に正の極性の信号が送られると、その信号はダイオード762の整流作用により一巻ラッチングリレー761のコイルに出力されず、このため、一巻ラッチングリレー761は接点の状態を開状態のまま維持する。その後、取り外された主制御基板60が取り付けられて、主制御基板脱着検出センサ52から第二リレー回路760に負の極性の信号が送られると、その信号はダイオード762を介して一巻ラッチングリレー761のコイルに出力され、一巻ラッチングリレー761はスイッチの接点の状態を開状態から閉状態に変更して保持する。こうして一巻ラッチングリレー751における接点の状態が閉状態になると、その後、再び主制御基板60が取り外されて、主制御基板脱着検出センサ52から第一リレー回路750に正の極性の信号が送られても、また、その取り外された主制御基板60が再度、取り付けられて、主制御基板脱着検出センサ52から第一リレー回路750に負の極性の信号が送られても、一巻ラッチングリレー751における接点の状態は閉状態のまま維持される。
CPU730は、主制御基板60から送られた指令信号に基づいて演出手段としてのスピーカ28に実行させる演出の内容を決定し、その決定した内容にしたがってスピーカ駆動回路740を介してスピーカ28を制御する。また、第二実施形態では、CPU730は、所定のタイミングで、第一リレー回路750及び第二リレー回路760についてそれらの接点の状態を調べ、主制御基板60に対する不正行為の有無判断処理を行う。この主制御基板60に対する不正行為の有無判断処理は、電源スイッチ31がオンされて、外部電源から電力の供給が開始されたときに実行される。具体的に、CPU730は、第一リレー回路750における接点の状態及び第二リレー回路760における接点の状態に基づいて、主制御基板60に対する不正行為が行われたおそれがあるかどうかを判断する。そして、不正行為が行われたおそれがあると判断すると、CPU730は、その旨を示す情報をスピーカ28に出力する。これにより、例えば、スピーカ28からは所定の警報が発せられる。尚、上記の不正行為の有無判断処理の後には、第一リレー回路750における接点の状態及び第二リレー回路760における接点の状態がともに開状態になるようにプログラム及び回路が構成されている。
次に、第二実施形態の回胴式遊技機において副制御基板700のCPU730が行う不正行為の有無判断処理について具体的に説明する。
副制御基板700のCPU730は、電源スイッチ31がオンされて、外部電源から電力の供給が開始されると、所定の初期化処理を実行する。この処理化処理における一処理として主制御基板60に対する不正行為の有無判断処理が行わる。具体的に、CPU730は、第一リレー回路750及び第二リレー回路760についてそれらの接点の状態を調べる。第一リレー回路750における接点の状態と第二リレー回路760における接点の状態との取り得る組み合わせの種類は三通りある。すなわち、第一リレー回路750における接点の状態が開状態であり第二リレー回路760における接点の状態が開状態である場合、第一リレー回路750における接点の状態が閉状態であり第二リレー回路760における接点の状態が開状態である場合、第一リレー回路750における接点の状態が閉状態であり第二リレー回路760における接点の状態が閉状態である場合がある。第一リレー回路750における接点の状態と第二リレー回路760における接点の状態とがともに開状態であるということは、主制御基板60が取り外されておらず、主制御基板60に対する不正行為は行われていないということを意味する。また、第一リレー回路750における接点の状態が閉状態であり第二リレー回路760における接点の状態が開状態であるということは、主制御基板60が取り外されて、現在、当該回胴式遊技機には主制御基板60が所定の箇所に取り付けられていないということを意味する。更に、第一リレー回路750における接点の状態と第二リレー回路760における接点の状態とがともに閉状態であるということは、主制御基板60が取り外され、その後、主制御基板60が取り付けられたことを意味する。したがって、この場合、主制御基板60に対して不正行為が行われている可能性がある。CPU730は、第一リレー回路750における接点の状態及び第二リレー回路760における接点の状態を調べ、少なくとも一方のリレー回路が動作して接点の開閉状態が変更されていること、すなわち、少なくとも一方の接点の状態が閉状態であることを認識すると、主制御基板60に対する不正行為が行われている可能性があると判断する。そして、CPU730は、主制御基板60に対する不正行為が行われている可能性があることを示す情報をスピーカ28に出力する。かかる情報がスピーカ28から出力されると、遊技場の係員は、当該回胴式遊技機に対して主制御基板60が交換されていたり、改造されていたりしていないかを調べることになる。これにより、不正行為の存在が明らかになれば、当該回胴式遊技機は新たな回胴式遊技機と交換されることになる。
第二実施形態の回胴式遊技機では、主制御基板脱着検出センサ(自己発電型スイッチ)は、遊技機に外部電源からの電力が供給されていない電源遮断の期間中であっても、主制御基板が取り外されると、正の極性の電気信号を第一リレー回路及び第二リレー回路に出力し、主制御基板がその後に取り付けられると、負の極性の電気信号を第一リレー回路及び第二リレー回路に出力することができる。そして、第一リレー回路は、正の極性の電気信号が最初に送られたときに、接点の状態を開状態から閉状態に変更して保持し、第二リレー回路は、負の極性の電気信号が最初に送られたときに、接点の状態を開状態から閉状態に変更して保持する。すなわち、例えば、夜間、遊技機に外部電源からの電力が供給されていない場合に、扉が開閉され、主制御基板が脱着されると、その痕跡を二つのリレー回路における接点の状態として残しておくことができる。このため、遊技機に対して外部電源からの電力の供給が開始された際に、副主制御基板は、二つのリレー回路における接点の状態を調べ、夜間に、当該遊技機における主制御基板が取り外されたと判断したときに、例えば各種の警報を発することができるので、セキュリティの向上を図ることができる。
[その他の実施形態]
尚、本発明は上記の各実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内において種々の変形が可能である。
例えば、上記の第一実施形態において、払出制御基板の脱着により可動部が機械的に動作するように自己発電型スイッチを設け、当該自己発電型スイッチから出力された電気信号を受けたとき、この電気信号に基づいて接点の開閉状態を変更して保持すると共にその開閉状態を示す接点の開閉信号を出力するリレー回路を外部端子板に設けるようにしてもよい。これにより、夜間、遊技機に外部電源からの電力が供給されていない場合、扉が開閉され、払出制御基板が脱着されると、当該自己発電型スイッチが電気信号を出力し、リレー回路がその出力された電気信号に基づいて接点の開閉状態を変更して保持するので、リレー回路の接点の開閉信号に基づいて、払出制御基板の脱着を検出することがきる。このため、例えば、外部端子板に接続された外部管理装置は、この接点の開閉信号に基づいて払出制御基板の脱着を検出したときに、例えば各種の警報を発することができる。
また、上記の第二実施形態において、扉の開閉により可動部が機械的に動作するように自己発電型スイッチを設け、当該自己発電型スイッチに対して並列に接続された第一リレー回路及び第二リレー回路を副制御基板に設けるようにしてもよい。これにより、夜間、遊技機に外部電源からの電力が供給されていない場合に、扉が開閉されると、その痕跡を上記二つのリレー回路における接点の状態として残しておくことができる。更に、上記の第二実施形態において、払出制御基板の脱着により可動部が機械的に動作するように自己発電型スイッチを設け、当該自己発電型スイッチに対して並列に接続された第一リレー回路及び第二リレー回路を副制御基板に設けるようにしてもよい。これにより、夜間、遊技機に外部電源からの電力が供給されていない場合に、扉が開閉され、払出制御基板が脱着されると、その痕跡を上記二つのリレー回路における接点の状態として残しておくことができる。
更に、上記の第二実施形態では、副制御基板のCPUが、主制御基板に対する不正行為が行われたおそれがあると判断したときに、その旨を示す情報をスピーカに出力する場合について説明したが、回胴式遊技機が、画像を表示することにより遊技に係る演出を行う画像表示装置(演出手段)を備えている場合には、副制御基板のCPUは、主制御基板に対する不正行為が行われたおそれがあることを示す情報を、この画像表示装置に表示するようにしてもよい。
また、上記の各実施形態では、本発明を、回胴式遊技機に適用した場合について説明したが、例えば、パチンコ遊技機に適用してもよい。
ところで、上記の各実施形態では、本発明を、回胴式遊技機やパチンコ遊技機等の遊技機に適用した場合について説明したが、本発明は、遊技機における扉の開閉や各種の制御基板の脱着に限らず、一般に、被検出物についてその脱着、開閉を含む機械的変位を検出するための検出装置として用いることが可能である。すなわち、この場合、本発明は、被検出物についてその脱着、開閉を含む機械的変位を検出するための検出装置であって、外部電源からの電力の供給なしに、被検出物の機械的変位に基づく可動部の機械的な動作により発電して電気信号を出力する自己発電型スイッチと、自己発電型スイッチから出力された電気信号を受けたとき、この電気信号に基づいて接点の開閉状態を変更して保持すると共にその開閉状態を示す接点の開閉信号を出力するリレー回路と、を具備することを特徴とするものである。このように、自己発電型スイッチが被検出物の機械的変位に基づいて可動部が機械的に動作することにより発電して電気信号を出力し、リレー回路がその出力された電気信号に基づいて接点の開閉状態を変更して保持すると共にその開閉状態を示す接点の開閉信号を出力することにより、外部電源から電力を供給することなく、被検出物の機械的変位、例えば被検出物の脱着、開閉等を検出することができる。このため、例えば、何者かが不正な手段を用いて被検出物を取り外して差し換えたとしても、これを検出することができるので、セキュリティの向上を図ることができる。
また、上記本発明に係る検出装置において、自己発電型スイッチは、被検出物についての機械的変位のうち離脱的な変位に基づく可動部の動作により正負の極性のうち一方の極性の電気信号を出力し、被検出物についての機械的変位のうち復帰的な変位に基づく可動部の動作により正負の極性のうち他方の極性の電気信号を出力し、リレー回路は、自己発電型スイッチから前記一方の極性の電気信号を受けたときに、動作して接点の開閉状態を変更して保持し、その後、自己発電型スイッチから前記他方の極性の電気信号を受けたときに、動作して接点の開閉状態を元の状態に戻して保持するように構成してもよい。これにより、リレー回路が自己発電型スイッチから出力された電気信号の極性に応じて接点の開閉状態を変更して保持することができるので、リレー回路における接点の状態を監視すれば、例えば、被検出物が取り外されたこと、その後に被検出物が取り付けられたことを検出することができる。
更に、上記本発明に係る検出装置において、自己発電型スイッチは、被検出物についての機械的変位のうち離脱的な変位に基づく可動部の動作により正負の極性のうち一方の極性の電気信号を出力し、被検出物についての機械的変位のうち復帰的な変位に基づく可動部の動作により正負の極性のうち他方の極性の電気信号を出力し、リレー回路は二つ設けられており、二つのリレー回路のうち一方は、自己発電型スイッチから前記一方の極性の電気信号が送られたときに動作して接点の開閉状態を変更して保持し、その後、自己発電型スイッチから正負いずれの極性の電気信号が送られてきてもその状態をそのまま維持し、二つのリレー回路のうち他方は、自己発電型スイッチから前記他方の極性の電気信号が送られたときに動作して接点の開閉状態を変更して保持し、その後、自己発電型スイッチから正負いずれの極性の電気信号が送られてきてもその状態をそのまま維持するように構成してもよい。これにより、二つのリレー回路のうちの一方は、自己発電型スイッチから例えば正の極性の電気信号を最初に受けたときに接点の状態を例えば開状態から閉状態に変更して保持し、二つのリレー回路のうちの他方は、自己発電型スイッチから負の極性の電気信号を最初に受けたときに接点の状態を開状態から閉状態に変更して保持することができるので、被検出物が機械的に変位すると、その変位の痕跡を二つのリレー回路における接点の状態として残しておくことができる。このため、例えば脱着可能な被検出物については、二つのリレー回路における接点の状態に基づいて、被検出物が一度も脱着されていないか、被検出物が取り外されているか、それとも被検出物が取り外された後に装着されたのかを判断することができる。
また、上記の各実施形態では、自己発電型スイッチが電磁誘導を利用して発電するものである場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、自己発電型スイッチは、機械的変位に基づいて発電することができものであれば、例えば、圧電効果を利用して発電するものであってもよい。
更に、上記の各実施形態では、自己発電型スイッチはオン状態からオフ状態に切り替わるときに正の極性の電気信号を出力し、オフ状態からオン状態に切り替わるときに負の極性の電気信号を出力する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、自己発電型スイッチはオン状態からオフ状態に切り替わるときに負の極性の電気信号を出力し、オフ状態からオン状態に切り替わるときに正の極性の電気信号を出力するものであってもよい。