JP2015023957A - 車椅子乗降用スロープ板 - Google Patents

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芳男 小野口
Yoshio Onoguchi
芳男 小野口
知之 高谷
Tomoyuki Takatani
知之 高谷
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Abstract

【課題】反転式のスロープ板に乗り移る際に段差を小さくできる車椅子乗降用スロープ板を提供する。
【解決手段】バスBの乗降口Pの床面Fの縁部11にヒンジ12を介してスロープ板10を、回動自在に設けた車椅子乗降用スロープ板において、スロープ板10の前部傾斜面17の下半分に、スロープ板10より厚さの薄い平板部20を設けたものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、バスに車椅子利用者が乗降するための車椅子乗降用スロープ板に関するものである。
バリアフリー化の推進に伴って路線バスは、床面が低床にされてきており、床面から路面にかけて車椅子乗降用スロープ板を掛け渡すことで、車椅子での乗降ができるようになっている。
車椅子乗降用スロープ板としては、上記のように掛け渡すものから、バスの乗降口の縁部にヒンジなどで回動自在に連結し、常時は床面に折り畳んだ状態とし、車椅子の乗降の際に、これを床面から反転させて路面に掛け渡すもの(特許文献1)、乗降口に、昇降ステップを昇降自在に設け、乗降の際に昇降ステップを路面まで降下させて乗降させるもの(特許文献2)など種々のものが提案されている。
図3は、バスの床面から反転して展開する車椅子乗降用スロープ板の構造を示したもので、バスВの乗降口Pの床面Fの縁部31に、スロープ板30をヒンジ32にて回動自在に設けたものである。乗降口Pの床面Fには、スロープ板30を折り畳んだときに格納する凹部33が形成される。
この車椅子乗降用スロープ板は、不使用時にはスロープ板30が凹部33に格納されるように折り畳まれて、スロープ板30の裏面が床面Fと略同じ高さとなり、使用時には、乗降口PのドアDを開けたときに運転手がスロープ板30を図示のように床面Fから反転させてスロープ板30の先端34を路面Rに着地させることで、車椅子での乗降ができるようになっている。
この車椅子乗降用スロープ板は、特許文献2のようにバスの乗降口の床を昇降するものに比べて、構造が簡単であり、不使用時のスロープ板を、そのままバスの床面として使用できるメリットがある。
欧州特許出願公開第1837233号(A1)明細書 特開平11−48867号公報
しかしながら、車椅子で路面Rからスロープ板30に乗り移る際にスロープ板30の先端34が段差となって簡単に乗り移れない問題がある。
図4は、路面Rからスロープ板30に車椅子の前輪FWが移動する際の詳細を示したものである。スロープ板30は、床面Fから反転させ、その先端34を路面Rに着地させたとき、路面Rに対する角度が7度前後の傾斜となる。このスロープ板30の板厚は、約15mmで、先端34には、例えば、テーパ角度30度で、前部傾斜面35が形成されており、先端34が着地したときの路面Rに対する前部傾斜面35の角度は約37度となりまた、前部傾斜面35からスロープ板30の面に移る境界線36の高さは、約20mm以上となる。
一方、車椅子の前輪FWの寸法は、6インチ(152.4mm)や5インチ(127mm)であり、前輪FWが、前部傾斜面35から境界線36を乗り越えてスロープ板30の上面に乗り上げるには、角度37度の傾斜を、おおよそ20mmの登って段差を乗り越える必要があり、しかも前輪FWは、首振り自在であるため、段差による抵抗が大きく、段差に斜めに当たったりすると、横を向いてしまい、車椅子利用者にとっては段差を容易に乗り越えられない問題となる。
ここで先端34の前部傾斜面35を30度より先細となる傾斜にすれば、段差を小さくできるが、先端34の板厚が薄くなるため充分な強度を確保できなくなる。
特許文献2では、乗降口の昇降ステップを直接降下させ、その昇降ステップにスライド自在にステップ延長板を設け、そのステップ延長板の乗降側の先端に車椅子用のスロープを設けており、構造は複雑となるものの乗降時の段差がない点で優位性があるが、構造が複雑である。
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、路面から反転式のスロープ板に乗り移る際に段差を小さくできる車椅子乗降用スロープ板を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明は、バスの乗降口の床面の縁部にヒンジを介してスロープ板を、回動自在に設けた車椅子乗降用スロープ板において、前記スロープ板の前部傾斜面の下半分に、スロープ板より厚さの薄い平板部を設けたことを特徴とする車椅子乗降用スロープ板である。
前記平板部は、スロープ板の板厚の半分の厚さに形成されるのが好ましい。
前記前部傾斜面と前記平板部の上面で窪み部が形成され、その前部傾斜面から前記平板部の先端上縁の長さが、車椅子の前輪が前部傾斜面とスロープ板の上面の境界線に当たったときに前記平板部の上面に前輪が乗り上げるように形成されるのが好ましい。
本発明は、車椅子で、スロープ板に乗り上げる際に、少ない抵抗で車椅子の前輪をスロープ板に乗せることができるという優れた効果を発揮する。
本発明の一実施の形態を示す全体斜視図である。 (a)は図1のA−A線拡大断面図を示し、車椅子の前輪でスロープ板に乗り上げるときの説明図、(b)は図2(a)の要部拡大図である。 従来例を示す斜視図である。 従来のスロープ板に車椅子の前輪が乗り上げるときの説明図である。
以下、本発明の好適な一実施の形態を添付図面に基づいて詳述する。
図1、図2(a)、図2(b)において、バスВの乗降口Pの床面Fの縁部11には、スロープ板10がヒンジ12にて回動自在に設けられる。乗降口Pの床面Fには、スロープ板10を折り畳んだときに格納する凹部13が形成される。
このスロープ板10は、不使用時はスロープ板10が凹部13に格納されるように折り畳まれて、スロープ板10の裏面が床面Fと略同じ高さとなり、使用時には、乗降口PのドアDを開けたときに運転手や乗務員等がスロープ板10を図示のように床面Fから反転させてスロープ板10の先端部14を路面Rに着地させることで、車椅子(図示せず)での乗降ができるようになっている。
スロープ板10は、アルミ押出材やスチール材などで形成された枠材15を方形に形成し、その方形の枠材15内に、ハニカム構造体やトラス構造で形成された床板16が設けられて形成される。スロープ板10の板厚は、例えば15mm(12〜20mmの範囲)に形成され、またヒンジ12から先端部14までの長さは、先端が路面Rに着地した際に、その路面Rに対するスロープ板10の角度が7度以下となるように形成される。
先端部14側の枠材15は、路面Rからスロープ板10に乗り移る際に、車椅子の前輪が乗り上げ易いように、テーパ角度が、例えば30度で先細になるように前部傾斜面17が形成され、その前部傾斜面17の下半分に、平板部20が前部傾斜面17から突出するように設けられる。平板部20は、スロープ板10の板厚の半分の厚さ(約7.5mm)に形成され、スロープ板10を展開したときのスロープ板10の下面と平板部20の下面が連続し、平板部20の上面は、前部傾斜面17の高さ方向の中央からスロープ板10の上面と平行に延びるように設けられる。
この平板部20の先端下縁の先端部14が路面Rに着地した際には、その平板部20の先端上縁21と、前部傾斜面17とスロープ板10の境界線22とを結ぶ線は、路面Rに対して約22度(20〜25度の範囲)にされ、平板部20の上面と前部傾斜面17には、前輪FWが乗り上げできる窪み部23が形成される。平板部20の上面の長さ、すなわち前部傾斜面17から先端上縁21までの長さは、図2(b)に示すように窪み部23に前輪FW2が乗り上げ、前輪FW2が境界線22に接触したときに、前輪FW2が平板部20の上面に接触できる長さに形成される。前部傾斜面17の長さは、スロープ板10の厚さが15mmで、前部傾斜面17の角度が30度とすると30mmであり、平板部20の上面の長さも30mmとするのが好ましい。
なお、スロープ板10の左右両端部の枠材15には、側部傾斜面18が形成される。
床面Fに形成される凹部13の外周部には、スロープ板10の前部傾斜面17及び平板部20と側部傾斜面18の傾斜に合わせて傾斜面19が形成され、これにより、凹部13の面に乗り移った車椅子が、傾斜面19を乗り上げて床面Fへの移動を容易にすることが可能となる。
次に本実施の形態の作用を説明する。
スロープ板10は、バスВの走行時は、折り畳まれて床面Fの凹部13に格納された状態にあり、スロープ板10の裏面側は床面Fと略同一面となっている。
バスВが停車し、乗降口PのドアDが開けられた後、運転手が、凹部13に格納されたスロープ板10を持ち上げて回動して反転し、その先端部14を路面Rに着地させる。
この状態で、車椅子利用者は、スロープ板10を通して乗車するが、スロープ板10の前部傾斜面17の下半部には平板部20が設けられ、路面Rから平板部20の先端上縁21までの高さは約7mmと低いため、図2(a)、図2(b)に示すように前輪FW1は平板部20に容易に乗り上げることができ、また乗り上げ後は、前輪FW2が、境界線22に当たると共に平板部20と前部傾斜面17で形成される窪み部23に軽く嵌った状態となる。その後、前輪FWは、前部傾斜面17を乗り越え、スロープ板10に乗り移り、後輪もスロープ板10も移動して、スープ板10からバスBの床面Fに移動することができる。
乗降が終了したならば、着地状態のスロープ板10を持ち上げ、これを折り畳んで凹部13に格納する。
また降車する際には、スロープ板10の前部傾斜面17に設けた平板部20から路面Rに移動しても段差となることがなく、段差による衝撃もないものとすることができる。
10 スロープ板
11 縁部
12 ヒンジ
13 凹部
17 前部傾斜面
20 平板部
B バス
F 床面
P 乗降口

Claims (3)

  1. バスの乗降口の床面の縁部にヒンジを介してスロープ板を、回動自在に設けた車椅子乗降用スロープ板において、前記スロープ板の前部傾斜面の下半分に、スロープ板より厚さの薄い平板部を設けたことを特徴とする車椅子乗降用スロープ板。
  2. 前記平板部は、スロープ板の板厚の半分の厚さに形成される請求項1記載の車椅子乗降用スロープ板。
  3. 前記前部傾斜面と前記平板部の上面で窪み部が形成され、その前部傾斜面から前記平板部の先端上縁の長さが、車椅子の前輪が前部傾斜面とスロープ板の上面の境界線に当たったときに前記平板部の上面に前輪が乗り上げるように形成される請求項1又は2記載の車椅子乗降用スロープ板。
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