JP2015023184A - プリント配線板の製造方法 - Google Patents

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寛彦 後閑
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Yuji Toyoda
裕二 豊田
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Nobuyuki Kawai
宣行 川合
中川 邦弘
Kunihiro Nakagawa
邦弘 中川
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Abstract

【課題】接続部と絶縁基板およびハンダとの接着強度が高く、ソルダーレジスト層の強度が高いプリント配線板の製造方法を提供する。【解決手段】回路基板1上に第一ソルダーレジスト層(3−1)を形成し、薄膜化処理液によって、導体配線の厚さ以下になるまで、第一ソルダーレジスト層(3−)が薄膜化して、導体配線の一部を露出し、第一ソルダーレジスト層(3−1)が、全面露光された後、第二ソルダーレジスト層(3−2)が形成され、第二ソルダーレジスト層(3−2)に対して、現像される領域以外の部分が露光され、未露光部の第二ソルダーレジスト層が、現像除去される。更に、第三ソルダーレジスト層(3−3)が形成され、第三ソルダーレジスト層(3−3)に対して現像される領域以外の部分が露光された後、未露光部の第三ソルダーレジスト層(3−3)が、現像液によって除去されることを特徴とするプリント配線板の製造方法。【選択図】図1

Description

本発明はプリント配線板の製造方法に関し、より詳しくは、半導体素子をフリップチップ接続により搭載するのに好適なプリント配線板の製造方法に関する。
従来、絶縁基板上に接続部が形成された回路基板を有し、上記回路基板の表面に設けたソルダーレジスト層よりなる表面絶縁層を有するプリント配線板が知られている。
そして、上記プリント配線板の表面にバンプまたはボールパッド等の接続部を設け、該バンプまたはボールパッド等の接続部に配置した半田ボールを介して、電子部品、他のプリント配線板等を接続することが一般的に行われている。なお、このバンプまたはボールパッドには、上記表面絶縁層を部分的に除去し、接続部全体もしくは一部を露出させることにより作製されるSMD(Solder Mask Defined)構造と上記表面絶縁層を部分的に除去し、該表面絶縁層の下部に存在する導体回路を完全に露出させることにより作製されるNSMD(Non Solder Mask Defined)構造がある。
SMD構造において、接続部はその周辺近傍が表面絶縁層に被覆されているので、電子部品の電極端子とこれに対応する接続部との電気的な接続を確実に固定するために、接続部の露出面に形成する接合部に必要な半田量を確保する必要がある。ゆえに、接続パッドが大型化してしまうため、電子部品の小型化および高性能化に伴う接続部の高密度化の要求に対応することが難しくなってきている。一方、NSMD構造において、接続部はその周辺近傍の表面絶縁層が完全に除去され、接続部の側面が完全に露出することによって、SMD構造と比較して小さな接続部でも接続部と半田との接着強度を確保することができる。その反面、NSMD構造において、接続部はその周辺近傍の表面絶縁層が完全に除去され、接続部の側面が完全に露出することによって、接続部と絶縁基板との間の接着強度が低下するおそれがある。
このような接着強度の問題を解決するために、レーザ光照射によって回路基板表面に設けたソルダーレジスト層の一部に深さ0〜15μm程度の開口部を形成することにより、接続部側面の一部がソルダーレジスト層から露出した構造をもつプリント配線板とその製造方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1のプリント配線板を用いることによって、ソルダーレジスト層の下部に存在する接続部を完全に露出させたプリント配線板と比較して、接続部と絶縁基板との間の接着強度を向上させることが可能となる。
接続パッドに半導体素子を搭載する方法として、フリップチップ接続による方法がある。フリップチップ接続とは、プリント配線板上に設けた半導体素子接続用の接続パッドの一部を半導体素子の電極端子の配置に対応した並びに露出させ、この半導体素子接続用の接続パッドの露出部と前記半導体素子の電極端子とを対向させ、半田バンプや銅バンプを介して電気的に接続することをいう。
回路基板上に半導体素子をフリップチップ接続したプリント配線板では、半導体素子と回路基板との接続信頼性を確保するために、半導体素子と回路基板の空隙をアンダーフィル(封止樹脂)で充填して補強する。補強効果を確保するためには、半導体素子と回路基板の空隙に充分な量のアンダーフィルを注入しなければならない。しかしながら、特許文献1によって得られるプリント配線板を使用してフリップチップ接続を行った場合、補強効果を確保するために充分なアンダーフィルを注入した際に、アンダーフィルが半導体素子と回路基板の空隙から周囲へ溢れてしまい、電気的な作動に悪影響を及ぼす場合があった。
ソルダーレジスト層へのレーザ加工によって、アンダーフィルが周囲に溢れてしまうことを防止するためのダム形状を形成することが可能であるが、レーザを使用したソルダーレジスト層への開口部形成においては、ソルダーレジスト層の成分(スミア)が分解除去されないで開口部周囲や底部、接続部上に残留する現象が生じる。このようなスミアが残留すると、接続部と半田の接着強度不足となり、プリント配線板と電子部品間の接続信頼性に問題が発生する。こうした問題を回避するために、通常このスミアを除去する工程(デスミア工程)が必要となる。
このようなデスミア工程としては、薬液を用いた湿式法が用いられており、一般に濃アルカリ溶液でスミアを膨潤させた後、過マンガン酸塩溶液によりスミアが分解除去されている。
しかしながら、このような方法で確実にデスミアを実施しようとすると、ソルダーレジスト層におけるこれらの薬液が接触した面が粗面化されることで、ソルダーレジスト層の強度が低下してしまい、プリント配線板の信頼性が充分に確保できない場合があった。一方で、この粗面化現象を抑えようとすると、逆にスミアが確実に除去できないという問題があった。
ソルダーレジスト層に開口部とダム形状を形成する方法において、導体回路を有する回路基板上にソルダーレジスト層を形成した後、部分露光を行い、その後未露光部を現像処理することで、ソルダーレジスト層から接続部上部を部分的に露出させる開口部を形成し、次に2回目の部分露光を行い、その後2回目の部分露光の未露光部をデスミア処理によって薄膜化し、ダム形状を形成する方法が開示されている(例えば、特許文献2参照)。この方法によるソルダーレジスト層の開口部は、SMD構造であり、接続部はその周辺近傍が表面絶縁層に被覆されているため、電子部品の電極端子とこれに対応する接続部との電気的な接続を確実に固定することが難しく、接続部とハンダボールの電気的な接続が不十分となる場合があった。また、この方法によるダム形状の形成はデスミア処理によって行われているため、ソルダーレジスト層が粗面化されることでソルダーレジスト層の強度が低下してしまい、プリント配線板の信頼性が充分に確保できない場合があった。
ソルダーレジスト層に開口部とダム形状を形成する方法において、導体回路を有する回路基板上にソルダーレジスト層を形成した後、部分露光を行い、その後未露光部を現像処理することで、ソルダーレジスト層から接続部を完全に露出させる開口部を形成し、次に2回目のソルダーレジストを形成した後、1回目の部分露光領域よりも1回り大きな未露光部が発生する2回目の部分露光を行い、その後未露光部を現像することによってダム形状を形成する方法が開示されている(例えば、特許文献3参照)。この方法によるソルダーレジスト層の開口部は、NSMD構造であり、接続部はその周辺近傍の表面絶縁層が完全に除去され、接続部の側面が完全に露出することによって、接続部と絶縁基板との間の接着強度が低下するおそれがある。
ソルダーレジスト層に開口部とダム形状を形成する方法において、導体回路を有する回路基板上にソルダーレジスト層を形成した後、部分露光工程を行い、その後未露光部のソルダーレジスト層を薄膜化することでソルダーレジスト層に開口部とダム形状を形成する方法が開示されている(例えば、特許文献4参照)。この方法によるソルダーレジスト層の開口部は、SMD構造であり、接続部はその周辺近傍が表面絶縁層に被覆されているため、電子部品の電極端子とこれに対応する接続部との電気的な接続を確実に固定することが難しく、接続部とハンダボールの電気的な接続が不十分となる場合があった。
また、フリップチップ接続により半導体チップをプリント配線板に搭載する場合、半導体チップとプリント配線板の熱膨張係数の差によって、熱衝撃が加わった際、接続部に応力が集中し、接続部の変形、破壊が起こることがある。接続部へ応力が集中するのを防ぎ、接続信頼性を向上させるために、半導体チップとプリント配線板の間をアンダーフィルと呼ばれる樹脂組成物で封止する方法がある。
プリント配線板の表面側の半導体チップ接続用の接続パッドの周囲のソルダーレジスト層表面が平滑だと、アンダーフィルとの密着性が十分に得られず、結果として熱衝撃によって半導体チップとプリント配線板の接続部に応力が集中するのを防ぐことができず、接続信頼性が得られない問題が生じる場合があった。
特許3346263号公報 特開2012−238668号公報 特開平05−226505号公報 特開2011−77191号公報
接続部と絶縁基板および接続部とハンダとの接着強度が高く、アンダーフィル流出による電気的作動不良が無く、ソルダーレジスト層の強度が高く、スミアが確実に除去され、プリント配線板の表面の半導体チップ接続用の接続パッド周囲のソルダーレジスト層とアンダーフィルとの間に良好な密着性が得られる、プリント配線板の製造方法を提供することが、本発明の課題である。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、下記発明によって、解決できることを見出した。
絶縁基板上に導体配線が形成された回路基板を有し、回路基板の表面にソルダーレジスト層を有し、ソルダーレジスト層から導体配線の一部が露出しているプリント配線板の製造方法において、
(A1)回路基板上に第一ソルダーレジスト層が形成される工程、
(B1)薄膜化処理液によって、導体配線の厚さ以下になるまで、第一ソルダーレジスト層が薄膜化されて、導体配線の一部を露出される工程、
(C1)(B1)工程まで完了した第一ソルダーレジスト層が、酸素雰囲気下での非接触露光方式によって全面露光される工程、
(A2)(C1)工程まで完了した第一ソルダーレジスト層が形成された回路基板上に、第二ソルダーレジスト層が形成される工程、
(C2)第二ソルダーレジスト層に対して、後工程である工程(D1)において現像される領域以外の部分が露光される工程、
(D1)未露光部の第二ソルダーレジスト層が、現像液によって除去される工程、
(A3)(D1)工程まで完了した、第一ソルダーレジスト層および第二ソルダーレジスト層が形成された回路基板上に、第三ソルダーレジスト層が形成される工程、
(C3)第三ソルダーレジスト層に対して、後工程である工程(D2)において現像される領域以外の部分が露光される工程、
(D2)未露光部の第三ソルダーレジスト層が、現像液によって除去される工程、
をこの順で含むことを特徴とするプリント配線板の製造方法。
接続部と絶縁基板および接続部とハンダとの接着強度が高く、アンダーフィル流出による電気的作動不良が無く、ソルダーレジスト層の強度が高く、スミアが確実に除去され、プリント配線板の表面の半導体チップ接続用の接続パッド周囲のソルダーレジスト層とアンダーフィルとの間に良好な密着性が得られる、プリント配線板の製造方法を提供することができる。
本発明によって製造されたプリント配線板の断面構造を示す説明図である。 本発明によるプリント配線板の製造方法の一例を示す説明図である。 本発明によって製造できるプリント配線板の一例を示す概略断面図である。
図面を用いて、本発明によって製造されるプリント配線板を説明する。まず、図1を用いて、本発明によって製造されるプリント配線板の形状を説明する。本発明によって製造されるプリント配線板は、絶縁基板1上に接続部2が形成された回路基板を有し、回路基板表面にソルダーレジスト層3を有する。半導体素子搭載部とその周囲のソルダーレジスト層3が開口されてなることで、アンダーフィル流れ防止ダム11が形成されている。また、アンダーフィル流れ防止ダムの底部12のソルダーレジスト層3の一部を開口することで、接続部2がソルダーレジスト層3から部分的に露出している。なお、「半導体素子搭載部」とは、ソルダーレジスト層3が形成された回路基板表面に半導体素子が実装された際に、回路基板上で半導体素子が占める領域を指す。「半導体搭載部とその周囲」における「周囲」とは、半導体素子端部から0mm〜2mmの範囲を指す。また、「接続部2がソルダーレジスト層3から部分的に露出している」とは、接続部2の上部がソルダーレジスト層3から完全に露出している状態であり、尚且つ接続部2の側面部の一部がソルダーレジスト層3から露出している状態を指す。
ソルダーレジスト層3の開口部から部分的に露出している接続部2は、いわゆるバンプまたはボールパッド等として使用することができる。即ち、露出している導体回路接続部2には半田ボール等を配置し、この半田ボールを介して他の電子部品、他のプリント配線板等の実装部品を、接続部2に対する導通を確保しつつ、接続することができる。
なお、上記実装部品としては、フリップチップ、BGA(ボールグリッドアレイ)、チップスケールパッケージ、チップサイズパッケージ、あるいはTCP(テープキャリアパッケージ)、リードレスチップキャリア等の電子部品のパッドあるいはそれらを実装するプリント配線板が挙げられる。
本発明によって製造されたプリント配線板の作用効果について説明する。本発明によって製造されたプリント配線板においては、接続部2の上部に相当する半導体素子搭載部とその周囲のソルダーレジスト層3が開口されてなるアンダーフィル流れ防止ダム11を有し、アンダーフィル流れ防止ダムの底部12のソルダーレジスト層3の一部が開口されて、接続部2がソルダーレジスト層3から部分的に露出した状態である。
これにより、接続部2の側面はソルダーレジスト層3よりなる表面絶縁層が部分的に覆われた構造であり、尚且つ半導体素子と回路基板の空隙にアンダーフィルを充填した際に、アンダーフィルが半導体素子と回路基板の空隙から溢れてしまうことを防止するダム構造を有している。これらの形状から、接続部2と絶縁基板1との接着強度向上および接続部2と半田との接触面積増加の効果が得られる上、従来技術によって製造されたプリント配線板と比較してアンダーフィルが半導体素子と回路基板の空隙から周囲へ溢れてしまうことによる、電気的な作動に悪影響の発生を防止することができる。さらに、デスミアを行わないため、ソルダーレジスト層3表面の過度の粗面化によりソルダーレジストの強度が低下することを防ぐと同時に、接続部2周囲のソルダーレジスト層3表面を適度に粗面化することによって、アンダーフィルとの密着性が良く、信頼性の高いプリント配線板を製造することができる。
図2を用いて、本発明によるプリント配線板の製造方法の一例を説明する。この方法では、まず、回路基板の表面に形成した第一ソルダーレジスト層3−1の全面を薄膜化することで、接続部2を第一ソルダーレジスト層3−1から部分的に露出させる。次に、第一ソルダーレジスト層3−1の表面上に第二ソルダーレジスト層3−2を形成し、接続部2周囲の第二ソルダーレジスト層3−2を現像によって除去し、ソルダーレジスト層3から再び接続部2を露出させる。次に第二ソルダーレジスト層3−2表面上に第三ソルダーレジスト層3−3を形成し、半導体搭載部とその周囲の第三ソルダーレジスト層3−3を現像によって除去することで、アンダーフィル流れ防止ダム11を形成するとともに、再び接続部2をソルダーレジスト層3から露出させる。
まず、絶縁基板1上に接続部2と導体回路14が形成された回路基板を準備する(図2a)。接続部2は、サブトラクティブ法、セミアディティブ法、アディティブ法等を用いて形成することができる。次に、工程(A1)において、回路基板全面を覆うように、アルカリ現像型の第一ソルダーレジスト層3−1を形成する(図2(A1))。次いで、工程(B1)において、第一ソルダーレジスト層3−1の全面を薄膜化することで、第一ソルダーレジスト層3−1から接続部2を部分的に露出させる(図2(B1))。次いで、工程(C1)において、第一ソルダーレジスト層3−1の全面を、酸素雰囲気下での非接触露光方式によって露光する(図2(C1))。
次いで、工程(A2)において、工程(C1)までの工程が完了した第一ソルダーレジスト層3−1上の全体に、アルカリ現像型の第二ソルダーレジスト層3−2を形成する(図2(A2))。次いで、工程(C2)において、第二ソルダーレジスト層3−2のうち、接続部2を部分的にソルダーレジスト層3から露出させるための開口部を形成する領域以外の部分を活性光線7により露光する(図2(C2))。図2(C2)では、フォトマスク8を介して露光しているが、直接描画方式で露光してもかまわない。次いで、工程(D1)において、未露光部の第二ソルダーレジスト層を現像処理することによって、ソルダーレジスト層3から接続部2を部分的に露出させる(図2(D1))。
次いで、工程(A3)において、工程(D1)までの工程が完了した第一ソルダーレジスト層3−1および第二ソルダーレジスト層3−2上の全体に、アルカリ現像型の第三ソルダーレジスト層3−3を形成する(図2(A3))。次いで、工程(C3)において、アンダーフィル流れ防止ダムを形成する領域以外の部分を活性光線7により露光する(図2(C3))。図2(C3)では、フォトマスク8を介して露光しているが、直接描画方式で露光してもかまわない。続いて、工程(D2)において、未露光部の第三ソルダーレジスト層3−3を現像処理によって除去することで、図2(D2)に示すように、回路基板表面に第一ソルダーレジスト層3−1と第二ソルダーレジスト層3−2と第3ソルダーレジスト層3−3から構成されるソルダーレジスト層3が形成され、ソルダーレジスト層3にアンダーフィル流れ防止ダム11が形成され、アンダーフィル流れ防止ダムの底部12のソルダーレジスト層3に形成された開口部によって、接続部2がソルダーレジスト層3から部分的に露出したプリント配線板が形成できる。また、本発明によるプリント配線板の製造方法では、工程(C2)および工程(C3)の露光領域を任意の形状に変化させることが可能であり、露光領域の変更により、例えば図3に示す断面形状のプリント配線板を製造することが可能である。図3のaでは、接続部2の間にソルダーレジスト層3の凸部が形成されている。図3のbでは、接続部2はソルダーレジスト層3から露出し、導体回路14はソルダーレジスト層3によって被覆されている。
本発明の方法によって製造されたプリント配線板では、接続部2周囲のソルダーレジスト層底部13の表面粗さRaが0.30μm以上0.50μm以下であることが好ましい。表面粗さRaは算術平均表面粗さである。
本発明における絶縁基板1には、例えば、合成樹脂からなる基板、合成樹脂と無機フィラーとからなる複合樹脂基板、合成樹脂と無機布帛からなる複合樹脂基板等を用いることができる。絶縁基板は、その表面または内部に接続部、スルーホール等を設けることができる。また、絶縁基板1には、電子部品を搭載するためのバンプまたはボールパッド等を設けることができる。
本発明における回路基板とは、絶縁基板1上に銅等の金属からなる接続部2が形成された基板である。半導体素子等の電子部品を接続するためのバンプまたはボールパッド等が形成されていてもよい。回路基板を製造する方法は、例えばサブトラクティブ法、セミアディティブ法、アディティブ法等が挙げられる。サブトラクティブ法では、例えば、ガラス基材エポキシ樹脂に銅箔を張り合わせた銅張積層板にエッチングレジストを形成し、露光、現像、エッチング、レジスト剥離を実施して回路基板が製造される。
本発明に係わるソルダーレジストは、アルカリ現像型のものが使用できる。また、1液性、2液性、どちらの液状レジストであってもよく、ドライフィルム状レジストであってもよく、アルカリ水溶液によって現像できるものであればいかなるものでも使用できる。アルカリ現像型ソルダーレジストの組成は、例えば、アルカリ可溶性樹脂、多官能アクリルモノマー、光重合開始剤、エポキシ樹脂、無機フィラー等を含有してなる。
アルカリ可溶性樹脂としては、光硬化性と熱硬化性の両方の特性をもつアルカリ可溶性樹脂が挙げられ、例えば、ノボラック型エポキシ樹脂にアクリル酸を付加させてエポキシアクリレート化した樹脂の2級の水酸基に酸無水物を付加させた樹脂が挙げられる。多官能アクリルモノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート等が挙げられる。光重合開始剤としては、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン等が挙げられる。エポキシ樹脂は、硬化剤として用いられる。アルカリ可溶性樹脂のカルボン酸と反応させることで架橋させ、耐熱性や耐薬品性の特性の向上を図っているが、カルボン酸とエポキシは常温でも反応が進むために、保存安定性が悪く、アルカリ現像型ソルダーレジストは一般的に使用前に混合する2液性の形態をとっている場合が多い。無機フィラーとしては、例えば、硫酸バリウム、シリカ等が挙げられる。
回路基板の表面に、第一ソルダーレジスト層3−1、第二ソルダーレジスト層3−2および第三ソルダーレジスト層3−3を形成する方法は、いかなる方法でもよいが、例えば、スクリーン印刷法、ロールコート法、スプレー法、浸漬法、カーテンコート法、バーコート法、エアナイフ法、ホットメルト法、グラビアコート法、刷毛塗り法、オフセット印刷法が挙げられる。ドライフィルム形状のソルダーレジストの場合は、ラミネート法が挙げられる。
工程(C1)における、第一ソルダーレジスト層3−1に対する全面露光は、酸素雰囲気下での非接触露光方式で行う。非接触露光方式としては、フォトマスクとプリント配線板の間に隙間を設けて非接触で露光を行うプロキシミティ方式や、フォトマスクを用いない直接描画方式が挙げられる。第一ソルダーレジスト層3−1上に支持層フィルムがない状態で酸素雰囲気下での露光を行うため、第一ソルダーレジスト層3−1の表層付近(第一ソルダーレジスト層3−1表面からの深さが0〜0.5μm程度)の光重合が酸素の影響により阻害され、表層から離れた部位のみ硬化する。工程(D1)において、第一ソルダーレジスト層3−1の表層付近の未硬化部分が現像液により除去されることによって、第一ソルダーレジスト層3−1の表面が粗面化する。
工程(D1)まで完了した第一ソルダーレジスト層3−1および第二ソルダーレジスト層3−2上の全体に、工程(A3)において、アルカリ現像型の第三ソルダーレジスト層3−3を形成した後、工程(C3)において、アンダーフィル流れ防止ダムを形成する領域以外の部分を活性光線7により露光する。続いて、工程(D2)において、未露光部の第三ソルダーレジスト層3−3が現像液により除去されることによって、工程(D1)で粗面化された第一ソルダーレジスト層3−1の表面が再び露出する。
接続部2周囲の第一ソルダーレジスト層3−1の表面が粗面化することにより、アンダーフィルとの密着性が向上し、高い接続信頼性が得られる。アンダーフィルとの密着性を向上させるのに好ましい、第一ソルダーレジスト層3−1の表面粗さRaは、0.30μm以上0.50μm以下である。表面粗さRaが0.50μmを超えると、ソルダーレジストの強度が低くなり、絶縁信頼性が得られなくなる場合がある。
工程(C2)における、第二ソルダーレジスト層3−2に対する露光、および工程(C3)における、第三ソルダーレジスト層3−3に対する露光は、活性光線を照射することで行い、キセノンランプ、高圧水銀灯、低圧水銀灯、超高圧水銀灯、UV蛍光灯を光源とした反射画像露光、フォトマスクを用いた片面、両面密着露光や、プロキシミティ方式、プロジェクション方式やレーザ走査露光等を使用することができる。走査露光を行う場合には、UVレーザ、He−Neレーザ、He−Cdレーザ、アルゴンレーザ、クリプトンイオンレーザ、ルビーレーザ、YAGレーザ、窒素レーザ、色素レーザ、エキシマレーザ等のレーザ光源を発光波長に応じてSHG波長変換した走査露光、あるいは、液晶シャッター、マイクロミラーアレイシャッターを利用した走査露光によって露光することができる。
工程(B1)において、第一ソルダーレジスト層3−1を薄膜化することによって、接続部2を第一ソルダーレジスト層3−1から部分的に露出させる方法について説明する。第一ソルダーレジスト層3−1を薄膜化する工程とは、薄膜化処理液によって非露光部の第一ソルダーレジスト層3−1中の成分をミセル化させるミセル化処理(薄膜化処理)、次にミセル除去液によってミセルを除去するミセル除去処理を含む工程である。さらに、除去しきれなかったソルダーレジスト層表面や残存付着した薄膜化処理液およびミセル除去液を水洗によって洗い流す水洗処理、水洗水を除去する乾燥処理を含んでもよい。
薄膜化処理(ミセル化処理)とは、薄膜化処理液によって、ソルダーレジスト層の樹脂成分をミセル化し、このミセルを薄膜化処理液に対して不溶化する処理である。薄膜化処理液として使用されるアルカリ水溶液としては、例えば、リチウム、ナトリウムまたはカリウム等のアルカリ金属ケイ酸塩、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属リン酸塩、アルカリ金属炭酸塩、アンモニウムリン酸塩、アンモニウム炭酸塩等の無機アルカリ性化合物の水溶液;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、メチルアミン、ジメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、シクロヘキシルアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウムヒドロキサイド(コリン)等の有機アルカリ性化合物の水溶液が挙げられる。上記無機アルカリ性化合物および有機アルカリ性化合物は、混合物としても使用できる。
アルカリ性化合物の含有量は、0.1質量%以上50質量%以下で使用できる。また、第一ソルダーレジスト層3−1表面をより均一に薄膜化するために、薄膜化処理液に、硫酸塩、亜硫酸塩を添加することもできる。硫酸塩または亜硫酸塩としては、リチウム、ナトリウムまたはカリウム等のアルカリ金属硫酸塩または亜硫酸塩、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属硫酸塩または亜硫酸塩が挙げられる。
薄膜化処理液としては、これらの中でも特に、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属リン酸塩、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属ケイ酸塩から選ばれる無機アルカリ性化合物、および、TMAH、コリンから選ばれる有機アルカリ性化合物のうち少なくともいずれか1種を含み、該無機アルカリ性化合物および有機アルカリ性化合物の含有量が5〜25質量%である薄膜化処理液が、表面をより均一に薄膜化できるため、好適に使用できる。5質量%未満では、薄膜化する処理でムラが発生しやすくなる場合がある。また、25質量%を超えると、無機アルカリ性化合物の析出が起こりやすく、液の経時安定性、作業性に劣る場合がある。アルカリ性化合物の含有量は7〜17質量%がより好ましく、8〜13質量%がさらに好ましい。薄膜化処理液のpHは10以上とすることが好ましい。また、界面活性剤、消泡剤、溶剤等を適宜添加することもできる。
薄膜化処理は、浸漬処理、パドル処理、スプレー処理、ブラッシング、スクレーピング等の方法を用いることができるが、浸漬処理が好ましい。浸漬処理以外の処理方法は、薄膜化処理液中に気泡が発生しやすく、その発生した気泡が薄膜化処理中に第一ソルダーレジスト層3−1の表面に付着して、膜厚が不均一となる場合がある。
第一ソルダーレジスト層3−1と第二ソルダーレジスト層3−2と第三ソルダーレジスト層3−3形成後の厚みと第一ソルダーレジスト層3−1が薄膜化された量で、ソルダーレジスト層3に形成される開口部の深さが決定される。また、0.01〜500μmの範囲で、第一ソルダーレジスト層3−1の薄膜化量は自由に調整することができる。
薄膜化処理液に対して不溶化されたソルダーレジスト層の成分のミセルを除去するミセル除去処理において、ミセル除去液をスプレーすることによって、一挙にミセルを溶解除去する。
ミセル除去液としては、水道水、工業用水、純水等を用いることができる。また、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属リン酸塩、アルカリ金属ケイ酸塩から選ばれる無機アルカリ性化合物のうち少なくともいずれか1種を含むpH5〜10の水溶液をミセル除去液として用いることによって、薄膜化処理液で不溶化されたソルダーレジスト層の成分が再分散しやすくなる。ミセル除去液のpHが5未満の場合、ソルダーレジスト層の成分が凝集し、不溶性のスラッジとなって、薄膜化したソルダーレジスト層の表面に付着するおそれがある。一方、ミセル除去液のpHが10を超えた場合、ソルダーレジスト層が過度に溶解拡散し、面内で膜厚ムラが発生しやすくなることがある。また、ミセル除去液は、硫酸、リン酸、塩酸などを用いて、pHを調整することができる。
ミセル除去処理におけるスプレーの条件について説明する。スプレーの条件(温度、時間、スプレー圧)は、薄膜化処理されるソルダーレジスト層の溶解速度に合わせて適宜調整される。具体的には、処理温度は10〜50℃が好ましく、より好ましくは15〜35℃である。また、スプレー圧は0.01〜0.5MPaとするのが好ましく、より好ましくは0.1〜0.3MPaがより好ましい。ミセル除去液の供給流量は、ソルダーレジスト層1cm当たり0.030〜1.0L/minが好ましく、0.050〜1.0L/minがより好ましく、0.10〜1.0L/minがさらに好ましい。供給流量がこの範囲であると、薄膜化後のソルダーレジスト層表面に不溶解成分を残すことなく、面内略均一にミセルを除去することができる。ソルダーレジスト層1cm当たりの供給流量が0.030L/min未満では、不溶化したソルダーレジスト層の樹脂成分の溶解不良が起こる場合がある。一方、供給流量が1.0L/minを超えると、供給のために必要なポンプなどの部品が巨大になり、大掛かりな装置が必要となる場合がある。さらに、1.0L/minを超えた供給量では、ソルダーレジスト層の樹脂成分の溶解拡散に与える効果が変わらなくなることがある。
ミセル除去処理後、さらに、除去しきれなかったソルダーレジスト層やソルダーレジスト層の表面に残存付着した薄膜化処理液およびミセル除去液を水洗処理によって洗い流すことができる。水洗処理の方法としては、拡散速度と液供給の均一性の点からスプレー方式が好ましい。水洗水としては、水道水、工業用水、純水等を用いることができる。このうち純水を使用することが好ましい。純水は、一般的に工業用に用いられるものを使用することができる。
乾燥処理では、熱風乾燥、室温送風乾燥のいずれも用いることができるが、好ましくは高圧空気をエアガンからあるいはブロアから大量の空気を送気してエアナイフでソルダーレジスト層表面に残存している水を吹き飛ばす乾燥方法がよい。
現像方法としては、使用するソルダーレジスト層に見合った現像液を用い、回路基板の表面にスプレーを噴射して、ソルダーレジスト層の不要な部分を除去する。現像液には、希薄なアルカリ水溶液が使用され、一般的には、0.3〜3質量%の炭酸ナトリウム水溶液や炭酸カリウム水溶液が使用される。
以下、実施例によって本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
<工程(A1)>
銅張積層板(面積170mm×200mm、銅箔厚18μm、基材厚み0.4mm)の一部を30mm×30mmの半導体素子搭載部として想定した領域を設定し、その領域内にエッチングレジストを使用したサブトラクティブ法にて、直径150μmの円形の接続部2を有する回路基板を製造した。次に、ドライフィルム状ソルダーレジスト(太陽インキ製造株式会社製、商品名:PFR−800 AUS410)を真空熱圧着させた。これにより絶縁基板1表面にドライ膜厚が38μmの第一ソルダーレジスト層3−1を形成した。
<工程(B1)>
次に、キャリアフィルムを剥離した後、10質量%のメタケイ酸ナトリウム水溶液(液温度25℃)に26秒間浸漬することで、第一ソルダーレジスト層3−1の薄膜化処理を行った。その後、ミセル除去処理、水洗処理、乾燥処理を行い、第一ソルダーレジスト層3−1から接続部2を露出させた。薄膜化処理後の第一ソルダーレジスト層3−1表面から接続部2上部までの高さを測定したところ、高さは5μmであった。
<工程(C1)>
次に第一ソルダーレジスト層3−1の全面に対し、酸素雰囲気下で直接描画装置(商品名:LI−8500、大日本スクリーン製造社製)で露光を実施した。
<工程(A2)>
次に、工程(C1)が完了した第一ソルダーレジスト層3−1の上からソルダーレジストフィルム(太陽インキ製造株式会社製、商品名:PFR−800 AUS410)を真空熱圧着させた。これにより第一ソルダーレジスト層3−1表面にドライ膜厚が18μmの第二ソルダーレジスト層3−2が形成され、絶縁基板1表面から第二ソルダーレジスト層3−2の表面までのドライ膜厚は31μmとなった。
<工程(C2)>
次に、接続部2の端部から外側に200μm外側までの領域以外に活性光線が照射されるようなパターンを有するフォトマスク8を用いて、密着露光機にて、300mj/cmのエネルギーにて、第二ソルダーレジスト層3−2に露光を実施した。
<工程(D1)>
次に、キャリアフィルムを剥離した後、1質量%の炭酸ナトリウム水溶液(液温度30℃、スプレー圧0.15MPa)を用いて22秒間現像処理を行うことで、未露光部の第二ソルダーレジスト層3−2が除去され、第二ソルダーレジスト層3−2によって覆われていた、第一ソルダーレジスト層3−1から露出した状態の接続部2と接続部周囲の第一ソルダーレジスト層3−1が再び露出した。第二ソルダーレジスト層3−2表面から接続部周囲のソルダーレジスト層底部13までの深さは18μmであった。
<工程(A3)>
次に、工程(D1)が完了した第一ソルダーレジスト層3−1および第二ソルダーレジスト層3−2の上からソルダーレジストフィルム(太陽インキ製造株式会社製、商品名:PFR−800 AUS410)を真空熱圧着させた。これにより、第一ソルダーレジスト層3−1および第二ソルダーレジスト層3−2表面にドライ膜厚が18μmの第三ソルダーレジスト層3−3が形成され、絶縁基板1表面から第三ソルダーレジスト層3−3の表面までのドライ膜厚は49μmとなった。
<工程(C3)>
次に、半導体素子搭載部として想定した領域とその端部から外側に1mm外側までの領域以外に活性光線が照射されるようなパターンを有するフォトマスク8を用いて、密着露光機にて、300mj/cmのエネルギーにて、第三ソルダーレジスト層3−3に露光を実施した。
<工程(D2)>
1質量%の炭酸ナトリウム水溶液(液温度30℃、スプレー圧0.15MPa)を用いて36秒間現像処理を行うことで、未露光部の第三ソルダーレジスト層3−3が除去され、第三ソルダーレジスト層3−3によって覆われていた、第二ソルダーレジスト層の表面であったアンダーフィル流れ防止ダムの底部12が露出し、第一ソルダーレジスト層3−1から露出した状態の接続部2と接続部周囲の第一ソルダーレジスト層3−1(接続部周囲のソルダーレジスト層底部13)が再び露出した。第三ソルダーレジスト層3−3の表面であるソルダーレジスト層表面9からアンダーフィル流れ防止ダムの底部12までの深さは18μmであった。
また、超深度形状測定顕微鏡(株式会社キーエンス(KEYENCE)製、品番「VK−8500」)を用いて表面粗さを測定したところ、接続部2周囲のソルダーレジスト層底部13の表面粗さRaは0.42μmであった。さらに、ソルダーレジスト層表面9およびアンダーフィル流れ防止ダムの底部12と接続部周囲のソルダーレジスト層底部13を顕微鏡観察したところ、スミアの残留は確認できなかった。
超深度形状測定顕微鏡(株式会社キーエンス製、品番「VK−8500」)による算術平均表面粗さRaは、JIS B0601−1994 表面粗さ−定義に準じた計算式を用いている。なお、測定領域は900μm、基準長さは40μmとした。
(比較例1)
銅張積層板(面積170mm×200mm、銅箔厚18μm、基材厚み0.4mm)の一部を30mm×30mmの半導体素子搭載部として想定した領域を設定し、その領域内にエッチングレジストを使用したサブトラクティブ法にて、直径150μmの円形の接続部2を有する回路基板を製造した。次に、ドライフィルム状ソルダーレジスト(太陽インキ製造株式会社製、商品名:PFR−800 AUS410)を真空熱圧着させた。これにより絶縁基板1表面からソルダーレジスト層表面9までのドライ膜厚が41μmのソルダーレジスト層3を形成した。その後、密着露光機を使用し、1000mj/cmのエネルギーにてソルダーレジスト層3全面を露光し、さらに熱風乾燥機を使用して150℃にて30分の加熱を行った。
次に、半導体素子搭載部として想定した領域とその端部から外側に1mm外側までの領域にエキシマレーザ光(波長248nm、出力50W)を照射し、ソルダーレジスト層3にアンダーフィル流れ防止ダム11を形成した。
次に、接続部2の端部から外側に200μm外側までの領域にエキシマレーザ光(波長248nm、出力50W)を照射し、ソルダーレジスト層3から接続部2を露出させた。
レーザ光を照射したソルダーレジスト層表面9を顕微鏡観察したところ、アンダーフィル流れ防止ダム11の形成と接続部2を露出させる際のレーザ光照射によって、ソルダーレジスト層表面9とアンダーフィル流れ防止ダムの底部12と接続部2上部と接続部周囲のソルダーレジスト層底部13にスミアが発生していた。
次に、水酸化ナトリウムを主成分とした溶液(メルテックス(Meltex)株式会社製、商品名:エンプレート(登録商標)MLB−496A)および1−メトキシ−2−プロパノールを含む溶液(メルテックス株式会社製、商品名:エンプレート(登録商標)MLB−496B)と蒸留水の混合液に、スミアが発生したソルダーレジスト層3を60℃にて15分間浸漬し、スミアを膨潤させた。次いで、過マンガン酸ナトリウムを主成分とした溶液(メルテックス株式会社製、商品名:エンプレート(登録商標)MLB−497A)および水酸化ナトリウムを主成分とする溶液(メルテックス株式会社製、商品名:エンプレート(登録商標)MLB−497B)と蒸留水の混合液に80℃にて10分間浸漬して、膨潤したスミアを分解除去した。
ソルダーレジスト層表面9からアンダーフィル流れ防止ダムの底部12までの深さを測定したところ、深さは18μmであり、アンダーフィル流れ防止ダムの底部12から接続部2周囲のソルダーレジスト層底部13までの深さを測定したところ、深さは10μmであった。また、接続部2周囲のソルダーレジスト層底部13の表面粗さRaは0.90μmであった。さらに、アンダーフィル流れ防止ダムの底部12周辺のソルダーレジスト層表面9とアンダーフィル流れ防止ダム11と接続部2周囲のソルダーレジスト層底部13を顕微鏡観察したところ、ソルダーレジスト層3全面が粗面化されていた。
(比較例2)
銅張積層板(面積170mm×200mm、銅箔厚18μm、基材厚み0.4mm)の一部を30mm×30mmの半導体素子搭載部として想定した領域を設定し、その領域内にエッチングレジストを使用したサブトラクティブ法にて、直径150μmの円形の接続部2を有する回路基板を製造した。次に、ソルダーレジストフィルム(太陽インキ製造株式会社製、商品名:PFR−800 AUS410)を真空熱圧着させた。これにより絶縁基板1表面からソルダーレジスト層表面9までのドライ膜厚が41μmのソルダーレジスト層3を形成した。その後、密着露光機を使用し、1000mj/cmのエネルギーにてソルダーレジスト層3全面を露光し、さらに熱風乾燥機を使用して150℃にて30分の加熱を行った。
次に、ブラスト用レジストフィルム(三菱製紙株式会社製、商品名:MS7100)を熱圧着させた。次に、半導体素子搭載部として想定した領域とその端部から外側に1mm外側までの領域以外に活性光線が照射されるようなパターンを有するフォトマスク8を用いて、密着露光機にて、100mj/cmのエネルギーにて、ブラスト用レジスト層3に露光を実施し、その後、現像処理を行い、未露光のブラスト用レジスト層を除去した。
次に、ブラスト用レジストフィルムの上からサンドブラスト処理(研磨材:SiC #800、ブラスト圧0.15MPa)し、ソルダーレジスト層3にアンダーフィル流れ防止ダム11を形成した後、ブラスト用レジストフィルムを剥離した。
次に、ブラスト用レジストフィルム(三菱製紙株式会社製、商品名:MS7100)を真空熱圧着させた。次に、接続部2の端部から外側に200μm外側までの領域以外に活性光線が照射されるようなパターンを有するフォトマスク8を用いて、密着露光機にて、100mj/cmのエネルギーにて、ブラスト用レジスト層3に露光を実施し、その後、現像処理を行い、未露光のブラスト用レジスト層を除去した。
次に、ブラスト用レジストフィルムの上からサンドブラスト処理(研磨材:SiC #800、ブラスト圧0.15MPa)し、アンダーフィル流れ防止ダムの底部12のソルダーレジスト層3に開口部を形成し接続部2を露出させた後、ブラスト用レジストフィルムを剥離した。ソルダーレジスト層表面9からアンダーフィル流れ防止ダムの底部12までの深さを測定したところ、深さは18μmであり、アンダーフィル流れ防止ダムの底部12から接続部2周囲のソルダーレジスト層底部13までの深さを測定したところ、深さは10μmであった。また、接続部2周囲のソルダーレジスト層底部13の表面粗さRaは1.20μmであった。さらに、アンダーフィル流れ防止ダムの底部12と接続部周囲のソルダーレジスト層底部13のソルダーレジスト層3を顕微鏡観察したところ、全面が粗面化されていた。
(比較例3)
工程(C1)において、密着露光方式にて露光を行った以外は、実施例1と同じ方法で工程(A1)〜工程(D2)までを実施した。ソルダーレジスト層表面9からアンダーフィル流れ防止ダムの底部12までの深さを測定したところ、深さは18μmであり、アンダーフィル流れ防止ダム底部12から接続部2周囲のソルダーレジスト層底部13までの深さは10μmであった。
また、超深度形状測定顕微鏡(株式会社キーエンス(KEYENCE)製、品番「VK−8500」)を用いて表面粗さを測定したところ、接続部2周囲のソルダーレジスト層底部13の表面粗さRaは0.11μmであった。密着露光時のエア抜きを十分行うことにより、非酸素雰囲気下で露光を行ったため、アンダーフィル流れ防止ダムの底部12と接続部周囲のソルダーレジスト層底部13の表面は粗面化しなかった。さらに、ソルダーレジスト層表面9およびアンダーフィル流れ防止ダムの底部12と接続部周囲のソルダーレジスト層底部13を顕微鏡観察したところ、スミアの残留は確認できなかった。
実施例1および比較例1〜3によって製造されたプリント配線板は、半導体素子搭載部とその周囲のソルダーレジスト層3に形成されたアンダーフィル流れ防止ダム11と接続部2がソルダーレジスト層3から部分的に露出した状態であるため、このプリント配線板を使用してフリップチップ接続を行った場合、半導体素子と回路基板との接続信頼性を確保するために充分なアンダーフィルを注入した際に、アンダーフィルが半導体素子と回路基板の空隙から周囲へ溢れてしまい、電気的な作動に悪影響を及ぼしてしまうことを防ぐことができ、また、接続部2が高密度に配置されたプリント配線板においても、接続部2と絶縁基板1との接着強度および接続部2と半田との接着強度が大きくなり、高い接続信頼性が得られる。
さらに、実施例1によって作製製造されたプリント配線板は、接続部周囲のソルダーレジスト層底部13とアンダーフィル流れ防止ダムの底部12の表面粗さRaが0.30μm以上0.50μm以下であるため、レーザ加工、デスミア処理やサンドブラストによって、ソルダーレジスト層にアンダーフィル流れ防止ダムや接続部を露出させる開口部を形成した比較例1および比較例2のプリント配線板と比べて、ソルダーレジスト層3の強度が高く、高い接続信頼性が得られる。また、実施例1によって製造されたプリント配線板は、工程(C1)において、密着露光方式にて露光を行った比較例3のプリント配線板と比べて、ソルダーレジスト層3とアンダーフィルとの密着性が良好であるため、より高い接続信頼性を得ることができる。
本発明はプリント配線板の製造方法に関し、より詳しくは、半導体素子をフリップチップ接続により搭載するのに好適なプリント配線板に利用することができる。
1 絶縁基板
2 接続部
3 ソルダーレジスト層
3−1 第一ソルダーレジスト層
3−2 第二ソルダーレジスト層
3−3 第三ソルダーレジスト層
7 活性光線
8 フォトマスク
9 ソルダーレジスト層表面
11 アンダーフィル流れ防止ダム
12 アンダーフィル流れ防止ダムの底部
13 接続部周囲のソルダーレジスト層底部
14 導体回路

Claims (1)

  1. 絶縁基板上に導体配線が形成された回路基板を有し、回路基板の表面にソルダーレジスト層を有し、ソルダーレジスト層から導体配線の一部が露出しているプリント配線板の製造方法において、
    (A1)回路基板上に第一ソルダーレジスト層が形成される工程、
    (B1)薄膜化処理液によって、導体配線の厚さ以下になるまで、第一ソルダーレジスト層が薄膜化されて、導体配線の一部を露出される工程、
    (C1)(B1)工程まで完了した第一ソルダーレジスト層が、酸素雰囲気下での非接触露光方式によって全面露光される工程、
    (A2)(C1)工程まで完了した第一ソルダーレジスト層が形成された回路基板上に、第二ソルダーレジスト層が形成される工程、
    (C2)第二ソルダーレジスト層に対して、後工程である工程(D1)において現像される領域以外の部分が露光される工程、
    (D1)未露光部の第二ソルダーレジスト層が、現像液によって除去される工程、
    (A3)(D1)工程まで完了した、第一ソルダーレジスト層および第二ソルダーレジスト層が形成された回路基板上に、第三ソルダーレジスト層が形成される工程、
    (C3)第三ソルダーレジスト層に対して、後工程である工程(D2)において現像される領域以外の部分が露光される工程、
    (D2)未露光部の第三ソルダーレジスト層が、現像液によって除去される工程、
    をこの順で含むことを特徴とするプリント配線板の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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