JP2016181633A - ソルダーレジスト層の形成方法 - Google Patents

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中川 邦弘
Kunihiro Nakagawa
邦弘 中川
寛彦 後閑
Hirohiko Gokan
寛彦 後閑
豊田 裕二
Yuji Toyoda
裕二 豊田
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Abstract

【課題】絶縁性基板表面からソルダーレジスト層表面の高さが不均一な場合でも、導体配線を安定して露出させることができるソルダーレジスト層の形成方法を提供する。【解決手段】(A)回路基板1の表面にソルダーレジスト層3を形成する工程、(B)ソルダーレジスト層3を部分的に加熱する工程、(C)アルカリ水溶液によって、ソルダーレジスト層3を薄膜化する工程、をこの順に含むことを特徴とするソルダーレジスト層3の形成方法。【選択図】図4

Description

ソルダーレジスト層の形成方法に関する。
各種電気機器内部の回路基板におけるソルダーレジスト層は、半田付け不要な配線部に半田が付着しないようにするために、半田付けする部分以外の部分全面に被覆形成され、また、導体の酸化防止、電気絶縁及び外部環境からの保護という役割を果たしている。
回路基板上に半導体チップ等の電子部品を搭載した半導体パッケージにおいて、フリップチップ接続による搭載は、高速化、高密度化を実現する上で有効な手段である。フリップチップ接続では、回路基板の導体配線の一部をフリップチップ接続用の接続パッドとし、例えば、この接続パッド上に配設した半田バンプと半導体チップの電極端子とを接合する。
半田付け不要な配線部にソルダーレジスト層3を設け、接続パッド部分のみ開口する方法としては、図1のように、絶縁性基板1上に導体配線2が形成された回路基板上に感光性のソルダーレジスト層3を設け、開口する部分以外を活性光線で露光して硬化させ、現像により硬化していない部分を除去して接続パッドを露出させる方法が一般的であり、この方法により図2の形状が得られる。この方法は、フォトリソグラフィー法と呼ばれる。しかし、図2の形状では、ソルダーレジスト層3が厚く、それが障害になって電子部品を正しく搭載できないという不具合が生じる。また、近年の電子機器の小型化、多機能化に伴い、接続パッド間が50μm未満になると、図2の構造をこの方法で作製することは、露光の位置ずれの点から、非常に困難であった。
特許文献1に記載の方法では、絶縁性基板1上に導体配線2が形成された回路基板上に感光性のソルダーレジスト層3を設け、開口する部分以外を活性光線で露光して硬化させ、開口する部分の、露光されていないソルダーレジスト層3を薄膜化する。この方法によれば、接続パッド間が50μm未満でも、図3の構造を形成することが可能で、従来の方法における上記不具合や困難を解決できる。特許文献1に記載の方法に含まれる薄膜化は、均一にソルダーレジスト層3の厚みを減少させることが可能である。図1に記載されている均一な厚みのソルダーレジスト層3に対して、露光を行わずに、全面薄膜化を行った場合、図4のように、均一な厚みで薄膜化されたソルダーレジスト層3が得られる。
ソルダーレジスト層3の形成には、例えば、液状レジストであれば、スクリーン印刷法、ロールコート法、スプレー法、浸漬法、カーテンコート法、バーコート法、エアナイフ法、ホットメルト法、グラビアコート法、刷毛塗り法、オフセット印刷法が一般的に用いられる。また、ドライフィルム形状のレジストであれば、ラミネート法や真空ラミネート法が一般的に用いられる。図1のように、ソルダーレジスト層3を均一に平滑に形成するのが理想的であるが、これらの形成方法においては、例えば、図5のように、ソルダーレジスト層3の厚みが不均一になって、坂が形成される場合や、導体配線2の密度の差等の影響を受けて、図7のように、ソルダーレジスト層3表面が平滑にならず、凹凸が形成される場合がある。
例えば、液状レジストを用いてロールコート法によりソルダーレジスト層3を形成すると、図5のように、厚みが不均一になる場合がある。これを薄膜化すると、図6のように、接続パッドとなる導体配線2が露出する部分と露出しない部分ができるという課題が発生する。
また、図7のように、導体配線2に密度の差がある場合に、ドライフィルム形状のソルダーレジストを用いて真空ラミネート法によりソルダーレジスト層3を形成すると、導体配線2の密度が低い部分と高い部分とで、絶縁性基板1表面からソルダーレジスト層3表面の高さに差ができることがある。これを薄膜化すると、図8のように、接続パッドとなる導体配線2が露出する部分と露出しない部分ができ、部分的にはソルダーレジスト層3が無い部分ができる場合もあるという課題が発生する。
国際公開第2012/043201号パンフレット
本発明の課題は、絶縁性基板表面からソルダーレジスト層表面の高さが不均一な場合でも、導体配線を安定して露出させることができるソルダーレジスト層の形成方法を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、
(A)回路基板の表面にソルダーレジスト層を形成する工程、
(B)ソルダーレジスト層を部分的に加熱する工程、
(C)アルカリ水溶液によって、ソルダーレジスト層を薄膜化する工程、
をこの順に含むことを特徴とするソルダーレジスト層の形成方法、によって上記課題を解決できることを見出した。
本発明におけるソルダーレジスト層の形成方法により、加工前の絶縁性基板表面からソルダーレジスト層表面の高さが不均一な場合でも、導体配線を安定して露出させることができる。
ソルダーレジスト層の概略断面構造図である。 ソルダーレジスト層の概略断面構造図である。 ソルダーレジスト層の概略断面構造図である。 ソルダーレジスト層の概略断面構造図である。 ソルダーレジスト層の概略断面構造図である。 ソルダーレジスト層の概略断面構造図である。 ソルダーレジスト層の概略断面構造図である。 ソルダーレジスト層の概略断面構造図である。
以下、本発明のソルダーレジスト層の形成方法について詳細に説明する。
絶縁性基板1上に導体配線2が形成された回路基板を準備する。導体配線2の形成には、サブトラクティブ法、セミアディティブ法、アディティブ法等を用いればよい。この回路基板全面を覆うようにしてソルダーレジスト層3を形成する。図1のように、ソルダーレジスト層3が均一に平滑に形成されている構造が好ましいが、図5のように、ソルダーレジスト層3の厚みが不均一になって、坂が形成されて、導体配線2の一部が露出しない構造ができる場合もある。アルカリ水溶液によって、図5のようなソルダーレジスト層3を薄膜化すると、図6のように、導体配線2が露出する部分と露出しない部分ができるが、本発明によれば、図4のように、すべての導体配線2が露出する構造を形成できる。
本発明に係わるソルダーレジストとしては、アルカリ水溶液によってソルダーレジスト層表面を溶解又は膨潤させ、ソルダーレジスト層3を除去することができるものであればいかなるものでも使用できる。また、1液性、2液性、どちらの液状レジストであってもよく、ドライフィルム形状のレジストであってもよい。
ソルダーレジストは、例えば、アルカリ可溶性樹脂、多官能アクリルモノマー、光重合開始剤、エポキシ樹脂、無機フィラー等を含有する。アルカリ可溶性樹脂としては、光硬化性と熱硬化性の両方の特性を持つアルカリ可溶性樹脂が挙げられ、例えば、ノボラック型エポキシ樹脂にアクリル酸を付加させてエポキシアクリレート化した樹脂の2級の水酸基に酸無水物を付加させた樹脂が挙げられる。多官能アクリルモノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート等が挙げられる。光重合開始剤としては、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン等が挙げられる。エポキシ樹脂は、硬化剤として用いられる。アルカリ可溶性樹脂のカルボン酸と反応させることで架橋させ、耐熱性や耐薬品性の特性の向上を図っているが、カルボン酸とエポキシは常温でも反応が進むために、保存安定性が悪く、アルカリ現像型ソルダーレジストは一般的に使用前に混合する2液性の形態をとっている場合が多い。無機フィラーとしては、例えば、タルク、シリカ、硫酸バリウム、酸化チタン、酸化亜鉛等が挙げられる。
<工程(A)>
工程(A)では、絶縁性基板1上に導体配線2が形成された回路基板の表面にソルダーレジスト層3を形成する。ソルダーレジスト層3の形成には、例えば、液状レジストであれば、スクリーン印刷法、ロールコート法、スプレー法、浸漬法、カーテンコート法、バーコート法、エアナイフ法、ホットメルト法、グラビアコート法、刷毛塗り法、オフセット印刷法を用いることができる。また、ドライフィルム形状のレジストであれば、ラミネート法や真空ラミネート法が用いられる。
<工程(B)>
工程(B)では、絶縁性基板1上に導体配線2が形成された回路基板の表面に形成されたソルダーレジスト層3を部分的に加熱する。具体的には、ソルダーレジスト層3の理想的な高さよりも低い部分を加熱することにより、薄膜化する工程における薄膜化量を少なくすることで、理想に近いソルダーレジスト層3の三次元的な構造を得ることができる。部分的に加熱する手段としては、スポット的に温風を吹き付ける方法、滞留時間を変化させて2本の熱ロール間を通過させる方法、一部のみ2本の熱ロール間を通過させる方法、サーマルレーザーをパターン状に照射する方法、サーマルヘッドを走査させてパターン状に加熱する方法が容易であるが、その他の加熱方法でもよく、複数の加熱方法を組み合わせてもよい。ソルダーレジスト層3上に保護フィルム等が設けられている場合には、そのまま部分的に加熱してもよいし、剥がしてから部分的に加熱してもよい。
例えば、液状レジストを用いて、ロールコート法によってソルダーレジスト層3を形成する場合、コーティング開始前半部分は、ソルダーレジスト層3の厚みが薄く、後半部分になるほど、ソルダーレジスト層3の厚みが厚くなる場合がある。この場合、前半部分だけ熱ロール間を通過させることにより、前半部分の薄膜化量を少なくし、薄膜化後のソルダーレジスト層3の厚みを同じにする方法を用いることができる。一方、ドライフィルム形状のレジストを用いてラミネート法によってソルダーレジスト層3を形成する場合、導体配線2の密度が高い部分はソルダーレジスト層3の表面の高さが高くなり、導体配線2の密度の低い部分はソルダーレジスト層3の表面の高さが低くなる場合がある。この場合、サーマルレーザーで表面の高さが低い部分のみを照射する方法を用いることができる。
工程(B)の加熱は、本発明の課題の解決のために意図的に部分的に加熱する工程である。部分的に加熱された部分のソルダーレジストは、熱的に硬化し、薄膜化が抑制される。薄膜化する前のソルダーレジスト層3の厚みが不均一な場合でも、ソルダーレジスト層3が比較的薄い部分を部分的に加熱することで、薄膜化後のソルダーレジスト層3の厚みの均一性を改善することができる。逆に薄膜化する前のソルダーレジスト層3の厚みが均一な場合でも、局所的に薄膜化量の少ない部分を設けて、高さの異なる部分を作ることもできる。
本発明における部分的に加熱する工程は、工程(A)において、ソルダーレジスト層3を形成させる際に通常行われる乾燥、キュア及びベーク;ラミネートと呼ばれるような全面的に加熱する工程とは異なる。なお、本発明においては、工程(C)の前後で、上記のような全面的に加熱する工程があってもよい。
工程(A)において通常行われる全面的な加熱が不均一になった際には、薄膜化量も不均一になるという課題が発生する場合があるが、本発明における部分的に加熱する工程(B)を行うことによって、この不均一を改善することもできる。
加熱する量は、ソルダーレジストの種類や加熱する方法で異なるため一概に特定できないが、加熱されるソルダーレジスト層3の表面の温度が40〜160℃になる時間が10ミリ秒〜1時間であることが好ましい。
工程(B)と工程(C)の間の時間は、熱的硬化を進めるために、一定の時間をとるのが好ましい。ソルダーレジストの種類や加熱する方法で異なるため一概に特定できないが、室温で5分〜72時間、好ましくは10分〜48時間であることが好ましい。
上記の部分的に加熱する温度や時間、及び熱的硬化を進めるための時間等の条件は、理想的なソルダーレジスト層3の高さを持つ部分(正常部)と比較して低い部分(異常部)の薄膜化後のソルダーレジスト層3の高さを、同じ、あるいは許容範囲内において近い高さに仕上げること等を目的として、適宜所望の条件を決めればよい。
<工程(C)>
工程(C)では、アルカリ水溶液によって、ソルダーレジスト層3を薄膜化する。詳しくは、アルカリ水溶液によって、ソルダーレジスト層3表面を溶解又は膨潤させ、非露光部のソルダーレジスト層3表面を除去する。ドライフィルム形状のレジストの場合で、ソルダーレジスト層3上に支持層フィルムが設けられている場合には、剥がしてから薄膜化処理を実施する。本発明のソルダーレジスト層3の形成方法では、0.01〜500μmの範囲で薄膜化量を適宜調整することができる。
アルカリ水溶液による薄膜化処理において、前処理として水洗処理を実施してもよい。前処理水洗によって、ソルダーレジスト層3中のカルボキシル基等の親水基が再配向し、層表面の親水性が均一化される。さらに、ソルダーレジスト層3上に存在する汚染物や異物を取り除くことができる。前処理水洗に用いられる水としては、工業用水、水道水、イオン交換水、蒸留水等が挙げられる。前処理水洗の方法としては、浸漬処理、パドル処理、スプレー処理、ブラッシング、スクレーピング等があるが、ソルダーレジスト層3上の汚染物や異物の除去性を考慮するとスプレー処理が好ましい。スプレー条件(温度、スプレー圧、時間)は、適宜調整することが可能であるが、具体的には、温度は15〜30℃が好ましく、より好ましくは20〜25℃である。また、スプレー圧は0.02〜0.5MPaが好ましく、より好ましくは0.05〜0.3MPaである。
さらに、前処理水洗水に界面活性剤を含有させてもよい。界面活性剤の使用により、ソルダーレジスト層3表面をより迅速に安定して親水化させることができる。界面活性剤としては、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、脂肪酸塩等のアニオン系界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレン誘導体、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアルカノールアミド、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロック共重合体(いわゆる、プルロニック系界面活性剤)、脂肪酸ペンタエリスリトールエステル、アセチレングリコール等のノニオン系界面活性剤;アルキルアミン塩、第四級アンモニウム塩等のカチオン系界面活性剤;アルキルベタイン等の両性界面活性剤を用いることができる。前処理水洗処理は、ソルダーレジスト層3の品質を損なわないものであれば、どの種類の界面活性剤を用いても問題ないが、アニオン系、カチオン系及び両性界面活性剤は、ソルダーレジスト層3表面に特異的に吸着する場合や、種類によってはソルダーレジスト層3の表面を部分的に侵害する場合があるので、ノニオン系の界面活性剤を用いることが好ましい。ノニオン系界面活性剤のより好ましい具体的例としては、アセチレングリコールが挙げられ、日信化学工業(株)製のサーフィノール(登録商標)465、サーフィノール(登録商標)485、サーフィノール(登録商標)82等を用いることができる。
前処理水洗水に添加する界面活性剤量は、各種の界面活性剤の特性により変わるが、ソルダーレジスト層3表面の親水化に加え、前処理水洗中に発泡が少ないこと、さらに、界面活性剤によるソルダーレジスト層3上に付着した汚染物や異物の除去効率を考慮すると、0.001〜0.1質量%の範囲が好ましく、0.001〜0.05質量%の範囲がより好ましく、0.01〜0.05質量%の範囲がさらに好ましい。
本発明に係わるアルカリ水溶液は、アルカリ金属ケイ酸塩、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属リン酸塩、アルカリ金属炭酸塩、アンモニウムリン酸塩、アンモニウム炭酸塩等の無機アルカリ性化合物の水溶液;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、メチルアミン、ジメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、シクロヘキシルアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウムヒドロキサイド(コリン)等の有機アルカリ性化合物の水溶液が挙げられる。
アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等が挙げられる。上記無機アルカリ性化合物及び有機アルカリ性化合物は、単独で用いてもよいし、複数組み合わせて用いてもよい。無機アルカリ性化合物と有機アルカリ性化合物を組み合わせて用いてもよい。
また、ソルダーレジスト層3表面をより均一に薄膜化するために、アルカリ水溶液に、硫酸塩、亜硫酸塩を添加することもできる。硫酸塩又は亜硫酸塩としては、リチウム、ナトリウム又はカリウム等のアルカリ金属硫酸塩又は亜硫酸塩、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属硫酸塩又は亜硫酸塩が挙げられる。
アルカリ水溶液が無機アルカリ性化合物を含有してなる水溶液である場合、無機アルカリ性化合物が、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属リン酸塩、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属ケイ酸塩から選ばれる少なくともいずれか1種であることが好ましい。また、無機アルカリ性化合物の含有量は、3〜20質量%が好ましい。無機アルカリ性化合物の含有量が3質量%未満のアルカリ水溶液は、従来のフォトリソグラフィー方式による露光後の現像に使用される液であり、露光されていないソルダーレジスト層3を完全に除去する場合には有効であるが、ソルダーレジスト層3を完全に除去せずに、面内均一な厚みで薄膜化する処理では、厚みのムラが発生しやすくなる場合がある。また、20質量%を超えると、無機アルカリ性化合物の析出が起こりやすく、液の経時安定性、作業性に劣る場合がある。無機アルカリ性化合物の含有量は、5〜15質量%がより好ましく、7〜15質量%がさらに好ましい。また、界面活性剤、消泡剤、溶剤等を適宜添加することもできる。
ソルダーレジスト層3の薄膜化処理においては、ソルダーレジスト層3中に含まれるアルカリ水溶液に不溶な無機フィラーの存在が無視できない。無機フィラーのサイズはその種類にもよるが、ナノフィラーと呼ばれるサブミクロンオーダーのものから大きいものでは数十ミクロンのものまで、ある程度の粒度分布を持って、層中に30〜70質量%の含有量で存在している。薄膜化処理はアルカリ性化合物がソルダーレジスト層3中に浸透した後、溶解拡散することによって進行するが、不溶性の無機フィラーの存在により、アルカリ性化合物の浸透が抑制され、薄膜化速度が遅くなることがある。
このような無機フィラーによる浸透抑制に対し、アルカリ水溶液のpHは12.5以上とするのがよく、13.0以上とするのがさらに好ましい。アルカリ水溶液のpHが高いほど、アルカリ性化合物が浸透した際のソルダーレジスト層3の膨潤が大きくなり、無機フィラーによる浸透抑制の影響を受けにくくなる。
工程(C)において、薄膜化処理によって導体配線2を露出させる場合がある。露出した導体配線2は接続パッドと呼ばれることがある。接続パッド表面の絶縁性基板1表面からの高さは、導体配線2表面の絶縁性基板1表面からの高さと異なる場合がある。通常、導体配線2を有する回路基板にソルダーレジスト層3を形成させる場合、導体配線2とソルダーレジスト層3の密着性を考慮し、導体配線2と同じく接続パッド表面も各種研磨処理によって粗面化される。粗面化によるアンカー効果によって導体配線2とソルダーレジスト層3の密着性が向上し、長時間に渡って高い絶縁信頼性が維持される。従来、ソルダーレジスト層3を除去して接続パッド表面を露出する際、分散能力に優れた低濃度の炭酸ナトリウム水溶液を現像液として用いるのが一般的であり、接続パッド表面にはソルダーレジストの残渣残りはほとんど発生しない。しかし、低濃度の炭酸ナトリウム水溶液を用いて薄膜化処理を行うと、ソルダーレジスト層3表面を均一に処理することができず、面内ムラが発生する。
そこで、面内均一に薄膜化しつつ、粗面化された接続パッド表面にソルダーレジスト残渣を残さないアルカリ水溶液として、アルカリ金属ケイ酸塩を含むアルカリ水溶液が挙げられる。アルカリ金属ケイ酸塩は他の無機アルカリ性化合物に比べ、ソルダーレジスト層3の溶解拡散能力に優れており、接続パッド表面に残渣残りが発生しにくい。アルカリ金属ケイ酸塩の一般式を式(i)に示す。アルカリ金属ケイ酸塩は3種の成分が種々の比率で連続的に変化して成り立つ化学薬品の総称であり、モル比から算出される質量比(ナトリウム塩の場合の質量比=モル比×1.032、カリウム塩の場合の質量比=モル比×1.568)によって名称が変わる。例えば、ナトリウム塩の場合、質量比が0.5のものをオルソケイ酸ナトリウム、質量比が1.0のものをメタケイ酸ナトリウム、質量比が1.3〜4のものを一般的にケイ酸ナトリウムと呼ぶ。ナトリウム塩の場合、水溶液の安定性、作業性の点から、メタケイ酸ナトリウムが好適に用いられる。また、カリウム塩は、ナトリウム塩に比べ、水に対する溶解性が高いため、水溶液が容易に凝固、分離することはなく、各種のものが使用できる。
O・nSiO・xHO (i)
[M:ナトリウム又はカリウム、n:モル比(SiO/MO)]
アルカリ金属ケイ酸塩に次ぐソルダーレジスト層3の溶解拡散能力を有する無機アルカリ性化合物として、アルカリ金属リン酸塩を含むアルカリ水溶液が挙げられる。アルカリ金属リン酸塩としては、アルカリ金属が3原子配位したアルカリ性の強いリン酸三ナトリウム又はリン酸三カリウムが好適に用いられる。アルカリ金属リン酸塩の濃度は、5〜15質量%がより好ましく、7〜15質量%がさらに好ましい。
また、無機アルカリ性化合物として、炭酸カリウムを含む水溶液もソルダーレジスト層3をほどよく溶解拡散させる。炭酸塩はケイ酸塩やリン酸塩に比べると水和力が大きいが、アルカリ金属として、カリウムはナトリウムに比べ水溶液中におけるイオン化傾向が大きく、ソルダーレジスト層3の溶解拡散に有利に作用する。炭酸カリウムの濃度は、3〜10質量%がより好ましく、5〜10質量%がさらに好ましい。
アルカリ水溶液に含まれる有機アルカリ性化合物としては、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、トリメチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウムヒドロキサイド(コリン)から選ばれる少なくともいずれか1種を含み、該有機アルカリ性化合物の含有量が5〜25質量%のものが好適に使用できる。5質量%未満では、薄膜化処理で面内ムラが発生しやすくなる場合がある。また、25質量%を超えると、薄膜化速度が遅くなる場合がある。有機アルカリ性化合物の含有量は、7〜20質量%がより好ましく、10〜20質量%がさらに好ましい。また、界面活性剤、消泡剤、溶剤等を適宜添加することもできる。アルカリ金属塩を含有してなるアルカリ水溶液を用いた場合、使用するソルダーレジストの組成によっては、ソルダーレジスト層3中にアルカリ金属イオンが取り込まれ、絶縁信頼性が低下する場合があるが、有機アルカリ性化合物を含有してなるアルカリ水溶液を用いた場合、絶縁信頼性低下が抑制されるという効果が得られる。
アルカリ水溶液の温度は、15〜35℃が好ましく、さらに好ましくは20〜30℃である。温度が低すぎると、ソルダーレジスト層3へのアルカリ性化合物の浸透速度が遅くなる場合があり、所望の厚みを薄膜化するのに長時間を要する。一方、温度が高すぎると、ソルダーレジスト層3へのアルカリ性化合物の浸透と同時に溶解拡散が進行することにより、面内で膜厚ムラが発生しやすくなる場合があるため好ましくない。
アルカリ水溶液による薄膜化処理は、浸漬処理、パドル処理、スプレー処理、ブラッシング、スクレーピング等の方法を用いることができるが、浸漬処理が好ましい。浸漬処理以外の処理方法は、アルカリ水溶液中に気泡が発生しやすく、その発生した気泡が薄膜化処理中にソルダーレジスト層3表面に付着して、膜厚が不均一となる場合がある。スプレー処理等を使用する場合には、気泡が発生しないように、スプレー圧をできるだけ小さくすることが好ましい。
工程(A)と工程(B)の間、又は工程(B)と工程(C)の間に、薄膜化される領域以外の部分のソルダーレジスト層3に選択的に活性光線を照射し硬化させる工程を含むことにより、図3のような、ソルダーレジスト層3が段差を有する構造を形成することができる。露光方式としては、キセノンランプ、高圧水銀灯、低圧水銀灯、超高圧水銀灯、UV蛍光灯を光源とした反射画像露光方式、フォトマスクを用いた片面あるいは両面密着露光方式、プロキシミティ方式、プロジェクション方式やレーザー走査露光方式等が挙げられる。「薄膜化される領域」とは、例えば、導体配線2の一部である接続パッド上や接続パッド間を含む接続パッド周囲の領域である。「薄膜化される領域以外の領域」とは、例えば、接続パッド以外の導体配線2上や接続パッド以外の導体配線2間を含む導体配線周囲の領域である。
工程(C)の後には、水によって十分に回路基板を洗浄するのがよい。この水による回路基板洗浄により、除去すべきソルダーレジスト層3を完全に溶解除去させる。水洗処理の方法として、浸漬処理、パドル処理、スプレー処理等があり、ソルダーレジスト層3の溶解拡散速度と液供給の均一性の点から、スプレー処理が最も適している。また、水洗水の温度は、25〜45℃がより好ましく、27〜40℃がさらに好ましい。
以下、実施例によって本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
(実施例)
<工程(A)>
銅張積層板(面積170mm×200mm、銅箔厚18μm、基材厚み0.4mm)にサブトラクティブ法を用いて、導体配線幅50μm、導体配線幅間隔50μmの導体配線2を有する回路基板を作製した。導体配線2の一部は接続パッドとして使用する。次に、ロールコート法を用いて、液状ソルダーレジスト(太陽インキ製造(株)製、商品名:PSR−4000 AUS320)を上記回路基板上に塗布後、乾燥させ(乾燥温度70℃、乾燥時間30分)、ソルダーレジスト層3を得た。絶縁性基板1表面からソルダーレジスト3層表面までの高さ(初期膜厚)を測定したところ、コーティング開始前半部分の平均膜厚は25μm、後半部分の平均膜厚は30μmだった。膜厚は、各試料内で10カ所測定して、その平均値を算出して、「初期膜厚」とした。
<工程(B)>
ソルダーレジスト層3を形成した回路基板をロール式ラミネーター(大成ラミネーター(株)製、商品名:MAII−550)に投入し(ロール温度120℃、エアー圧力0.30MPa、ラミネート速度0.30m/min)、約半分通過した時点で加圧を停止して残る半分は加熱されないように取り出した。通過した部分を以後「部分加熱部」、残りを「非加熱部」と称する。
<工程(C)>
工程(B)まで終了した回路基板を室温で24時間放置し、液温20℃のソルダーレジスト薄膜化処理剤(三菱製紙(株)製、商品名:SRP−100)を入れたソルダーレジスト薄膜化処理装置(三菱製紙(株)製、商品名:SRFM−01)に、非加熱部で16μm薄膜化する条件で投入して薄膜化した後、ソルダーレジスト層3を硬化させるために、露光量500mJ/cmで全面露光し、続いて150℃で60分間熱硬化処理を実施して、試料1を得た。
試料1について、絶縁性基板1表面からソルダーレジスト3層表面までの高さ(処理後膜厚)を測定したところ、コーティング開始前半部分の平均膜厚は13μm、後半部分の平均膜厚は14μmだった(処理後膜厚差1μm)。
ソルダーレジスト層3の初期膜厚が薄い部分に対して、工程(B)において部分的に加熱することによって薄膜化量が少なくなり、薄膜化処理後のソルダーレジスト層3の高さを均一に近づけることができた。
(比較例)
<工程(A)>
実施例1と同じ方法で、液状ソルダーレジスト(太陽インキ製造(株)製、商品名:PSR−4000 AUS320)を回路基板上に塗布後、乾燥させ(乾燥温度70℃、乾燥時間30分)、ソルダーレジスト層3を得た。絶縁性基板1表面からソルダーレジスト3層表面までの高さ(初期膜厚)を測定したところ、コーティング開始前半部分の平均膜厚は25μm、後半部分の平均膜厚は30μmだった。膜厚は、各試料内で10カ所測定して、その平均値を算出して、「初期膜厚」とした。
<工程(C)>
工程(B)による部分加熱処理を行わずに、液温20℃のソルダーレジスト薄膜化処理剤(三菱製紙(株)製、商品名:SRP−100)を入れたソルダーレジスト薄膜化処理装置(三菱製紙(株)製、商品名:SRFM−01)に、12μm薄膜化する条件で投入して薄膜化した後、ソルダーレジスト層3を硬化させるために、露光量500mJ/cmで全面露光し、続いて150℃で60分間熱硬化処理を実施して、試料2を得た。
試料2について、絶縁性基板1表面からソルダーレジスト3層表面までの高さ(処理後膜厚)を測定したところ、コーティング開始前半部分の平均膜厚は13μm、後半部分の平均膜厚は18μmだった(処理後膜厚差5μm)。
部分加熱を行わない場合、全面でほぼ同じ薄膜化量で薄膜化されるため、コーティング前半部分と後半部分の初期膜厚差がそのまま処理後膜厚差となった。そのため、後半部分では、接続パッドとして使用する導体配線2上に、ソルダーレジスト層3が部分的に残っているものがあった。
本発明のソルダーレジスト層の形成方法は、例えば、半導体チップ接続用の接続パッドを有する配線基板において、半導体チップをフリップチップ実装により搭載するのに好適な配線基板を製造する用途に適用できる。
1 絶縁性基板
2 導体配線
3 ソルダーレジスト層

Claims (1)

  1. (A)回路基板の表面にソルダーレジスト層を形成する工程、(B)ソルダーレジスト層を部分的に加熱する工程、(C)アルカリ水溶液によって、ソルダーレジスト層を薄膜化する工程、をこの順に含むことを特徴とするソルダーレジスト層の形成方法。
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