JP2015021902A - 動力伝達機の特性測定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】動力伝達機の動作を制限することなく、該動力伝達機の特性であるヒステリシス(剛性、バックラッシュ)を取得することができる特性測定方法を提供すること。【解決手段】入力側2に動力装置が設けられると共に出力側3に駆動体が設けられて動力装置が発する駆動力を駆動体に伝達する動力伝達機1の特性測定方法において、動力伝達機1に設けられた駆動体を、動力伝達機1の動作方向に外部からの力が作用しない状態に保持する。次に、駆動体が保持された状態で、動力装置を動作させて動力伝達機1を往復動作させ、この往復動作において、動力装置が発するトルク及び動力伝達機1の入力側2の動作位置を計測する。さらに、計測されたトルクの変化に対する動力伝達機1の入力側2の動作位置の変化から、動力伝達機1の剛性及びバックラッシュ量を取得する。【選択図】図1

Description

本発明は、動力伝達機等の特性を測定する特性測定方法に関し、例えば、減速機などの剛性やバックラッシュを測定する特性測定方法に関する。
例えば、多関節ロボットの関節部(アームとアームとの連結部)は、動力装置であるモータと、このモータの動力をアームに伝達する減速機とで構成されている。関節部のモータには、モータの回転位置を検出するエンコーダ等の位置検出器が設けられている。
このような関節部を有する多関節ロボットに対して、モータの回転位置を指示する位置指令信号が外部から与えられる。このとき、位置検出器が検出するモータの位置情報が、位置指令信号が示す指令位置と一致するようにモータの回転が制御される。このような制御によるモータの回転が減速機を介してアームに伝わり、アーム先端に設けられたツールなどが所望の位置へ移動する。
ところで、上述の減速機など、複数の歯車等が組み合わされた動力伝達機にはバックラッシュが存在し、このバックラッシュはアームの位置ずれの一因となる。そのため、動力伝達機のバックラッシュ量を予め把握しておき、そのバックラッシュ量を補償する補正信号を位置指令信号に加算して位置指令補正信号を生成し、その後、この位置指令補正信号を溶接ロボットに与えることで、アームの位置ずれを解消するという試みがなされている。
アームの位置ずれを解消する手段として、以下の特許文献1に開示された技術がある。 特許文献1は、周期的な運動を行う制御対象のバックラッシュを補償しつつ当該制御対象の位置制御を行う制御方法及び制御装置を開示している。
特許文献1に開示の制御方法は、制御対象の位置を指示する位置指令信号にバックラッシュを補償するバックラッシュ量信号をシフトしたうえで加算し、最終位置指令信号を生成する最終位置指令信号生成ステップと、前記最終位置指令信号生成ステップで生成した最終位置指令信号に基づいて前記制御対象の位置制御を行う位置制御ステップと、を備えることを特徴とする。
特開2013−54436号公報
特許文献1に開示の技術のように、制御対象の位置を指示する位置指令信号にバックラッシュを補償するバックラッシュ量信号を加算するには、予めバックラッシュ量を知らなくてはならない。従来から、このバックラッシュ量を測定するために、動力伝達機のヒステリシスを測定している。
減速機等の一般的な動力伝達機のヒステリシスを測定する方法では、まず動力伝達機の入力側又は出力側にモータ等の動力装置を取り付け、動力伝達機の動力装置が取り付けられていない他方側を冶具等で固定する。その上で、動力装置を用いて動力伝達機の一方側(入力側又は出力側)にトルクを増減させながら加え、その際に動力伝達機に加えたトルク及び動力伝達装置の動作位置を計測する。例えば動力伝達機が減速機である場合、この計測によって、動力装置が加えたトルク値と動力装置が接続された位置のねじれ角(動作位置)との関係であるヒステリシスを測定することができ、このヒステリシスを表すヒステリシス曲線に基づいてバックラッシュ量を取得することができる。
しかし、この測定方法を実施する前提として、例えば動力伝達機の出力側、すなわち動力装置が接続されていない他方側を固定する(つまり、他方側の動作を制限する)必要がある。そのため、これら動力伝達機が設けられたロボットごとに専用の固定冶具を用意しなくてはならない。また、専用の固定冶具を用意したとしても、ロボットの周囲に固定治具を取り付ける空間が確保できない場合があるなど、ロボットに組み込まれた動力伝達機のヒステリシスを確実に測定するには、克服しなくてはならない課題が存在する。
そこで本発明は、上述の課題に鑑みて、動力伝達機の動作を制限することなく、該動力伝達機の特性であるヒステリシス(剛性、バックラッシュ量)を測定することができる特性測定方法を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するため、本発明においては以下の技術的手段を講じた。
本発明に係る特性測定方法は、入力側に動力装置が設けられると共に出力側に駆動体が設けられて前記動力装置が発する駆動力を前記駆動体に伝達する動力伝達機の特性測定方法において、前記動力伝達機に設けられた駆動体を、前記動力伝達機の動作方向に外部からの力が作用しない状態に保持する保持ステップと、前記保持ステップによって前記駆動体が保持された状態で、前記動力装置を動作させて前記動力伝達機を往復動作させる動作ステップと、前記動作ステップによる往復動作において、前記動力装置が発するトルク及び前記動力伝達機の入力側の動作位置を計測する計測ステップと、前記計測ステップによって計測されたトルクの変化に対する前記動力伝達機の入力側の動作位置の変化から、前記動力伝達機の剛性及びバックラッシュ量を取得する取得ステップと、を備えることを特徴とする。
ここで、前記保持ステップは、前記動力伝達機の動作方向が重力方向に対して略垂直となるように、前記駆動体を保持するとよい。
本発明の特性測定方法によれば、動力伝達機の動作を制限することなく、該動力伝達機の特性であるヒステリシス(剛性、バックラッシュ)を測定することができる。
本発明の実施形態による動力伝達機の入力側と出力側の関係を表す動力伝達機モデルを模式的に示す図である。 本実施形態による動力伝達機モデルの詳細を模式的に示す図である。 図2に示す動力伝達機モデルに対応する駆動トルク−位置線図を示す図である。 本実施形態による動力伝達機の出力側が動くように入力側を往復動作させた場合の動力伝達機モデルの詳細を模式的に示す図である。 図4に示す動力伝達機モデルに対応する駆動トルク−位置線図を示す図である。 本実施形態による特性測定方法の2通りの実験結果を示す図であり、(a)は出力側が動き出さない範囲での「駆動トルク−位置線図」を示し、(b)は出力側が動くように入力側を往復動作させた場合の「駆動トルク−位置線図」を示す。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の構成をその具体例のみに限定するものではない。従って、本発明の技術的範囲は、本実施形態の開示内容のみに限定されるものではない。
以下に、本実施形態による特性測定方法について説明する。この特性測定方法を適用する対象は、例えば多関節ロボットの関節部に備えられた減速機など、複数の歯形が形成された部材が組み合わされた機構であって、モータ等の駆動装置(動力装置)及び駆動体が設けられて該動力装置が発する駆動力を駆動体に伝達(出力)する動力伝達機1である。
本実施形態による特性測定方法を動力伝達機1に適用することによって、動力伝達機1のヒステリシスを測定し、この測定したヒステリシスを基に動力伝達機1の剛性及びバックラッシュ量を測定(取得)する。
図1〜図3を参照しながら、本実施形態による特性測定方法の概略を説明する。図1は、動力伝達機1の入力側と出力側の関係を表す動力伝達機モデルを模式的に示す図である。図2は、動力伝達機モデルの詳細を模式的に示す図である。図3は、図2に示す動力伝達機モデルに対応する駆動トルク−位置線図を示す図である。
図1を参照して、特性測定方法が適用される動力伝達機1は、複数の歯形が形成された部材が組み合わされた機構であるが、図示しないモータ等の動力装置(動力源)が取り付けられて該動力装置の駆動力が入力される入力側2と、入力側2から入力された該駆動装置の駆動力を伝達して出力する出力側3とに分けて、動力伝達機モデルとしてモデル化することができる。尚、動力伝達機1の出力側3には、多関節ロボットのアームすなわち駆動体(図示せず)が連結されている。
図1に動力伝達機モデルとして示すように、特性測定方法が測定するヒステリシスは、この入力側2と出力側3との間に存在する特性によって生じるものであり、動力伝達機1の剛性を表すバネ定数(K)とバックラッシュ量(a−b)とを含んでいる。
ここでいうバックラッシュの定義は、本特性測定方法が適用される技術分野において周知の一般的な定義と同じであり、入力側2と出力側3との間に設けられたいわゆる隙間のことである。従って、バックラッシュ量とは、入力側2と出力側3との間に設けられた隙間の大きさのことであり、この隙間において入力側2は出力側3と接触することなく移動する。
次に、図2を参照して、動力装置によって入力側2に駆動トルクτが付加されたときの動力伝達機モデルの詳細を説明する。
図2(A)は、入力側2と出力側3が全く接触していないときに、駆動トルクτが、駆動装置によって紙面の左側から右側に向かって付加された状態を示している。このとき、入力側2が出力側3と接触することなく移動することで、動力伝達機1の動作位置としての入力側2の位置が変化する。駆動装置の駆動トルクτは、入力側2の摩擦力(入力側摩擦力)Fと等しい。
図2(B)は、図2(A)に示す状態の後、入力側2が出力側3に接触する直前の状態を示している。このとき、図2(A)に示す場合と同様に入力側2が出力側3と接触していない。駆動装置の駆動トルクτは、入力側2の摩擦力(入力側摩擦力)Fと等しい。
図2(C)は、図2(B)に示す状態の後、入力側2が出力側3に接触した状態を示している。入力側2が出力側3と接触しても、出力側3はクーロン摩擦力によって直ちには動き出さない。しかし、接触直後から出力側3が動き出す直前までも入力側2の位置(動力伝達機1の動作位置)は変化し続けるので、このクーロン摩擦力を、接触直後から出力側3が動き出す直前までの入力側2の移動距離xとバネ定数Kの積(K*x)で表現することができる。従って、駆動トルクτは、入力側2の摩擦力(入力側摩擦力)Fとクーロン摩擦力に相当する摩擦力K*xの合力(F+K*x)と等しい。
図2(D)は、図2(C)に示す状態を経た後、出力側3が動き出す直前で入力側2が移動を止め、入力側2の位置が変化しなくなった状態を示している。このとき、入力側2が移動を止めているので入力側摩擦力Fは発生せず、摩擦力K*xのみが駆動トルクτとなる。このときも、駆動トルクτの方向は、紙面の左側から右側に向かっている。
図2(E)は、図2(D)に示す状態を経て、入力側2が紙面の右側から左側に向かって移動を開始した直後の状態を示している。このとき、入力側2の移動に伴って、図2(C)までとは反対方向の入力側摩擦力−Fが生じる。これによって、駆動トルクτは、摩擦力K*xと入力側摩擦力−Fの合力(K*x−F)と等しくなる。このとき、摩擦力K*xの絶対値は入力側摩擦力−Fの絶対値よりも大きいので、駆動トルクτの方向はまだ紙面の左側から右側に向かったままである。
図2(F)は、図2(E)に示す状態から入力側2が若干移動し、摩擦力K*xの絶対値と入力側摩擦力−Fの絶対値が同じ大きさとなった状態を示している。このとき、摩擦力K*xの大きさと、摩擦力K*xと反対方向に働く入力側摩擦力−Fの大きさとが等しいので、摩擦力K*xと入力側摩擦力−Fの合力(K*x−F)はゼロ0となって、駆動トルクτはゼロ0となる。駆動トルクτがゼロ0となる図2(F)から後は、駆動トルクτの向きが逆になって紙面の右側から左側に向く。
図2(G)は、図2(F)に示す状態の後、入力側2が出力側3から離れた直後の状態を示している。入力側2が出力側3と接触していないので、摩擦力K*xは発生せず、駆動トルクτは、入力側摩擦力−Fと等しく左向きとなっている。
図2(H)は、入力側2と出力側3が全く接触せず、駆動トルクτが、駆動装置によって紙面の右側から左側に向かって付加された状態を示している。図2(A)に示す状態と比較して、入力側2と出力側3の位置関係は、図2(A)に示す位置関係と同様であり、駆動トルクτが付加される方向は逆である。このとき、入力側2が出力側3と接触することなく移動することで入力側2の位置が変化しているので、駆動装置の駆動トルクτは、入力側摩擦力−Fと等しく左向きとなっている。
図2(A)〜図2(H)は、出力側3が動き出さない範囲で入力側2を往復動作させたときの入力側2と出力側3の状態の変化を示したものである。図2(A)〜図2(G)に示した状態に図2(A)〜図2(G)を左右反転させた状態を連続させることによって、出力側3が動き出さない範囲で入力側2を一往復分だけ往復動作させたときの入力側2と出力側3の状態が示されることになる。
図2(A)〜図2(H)に示す入力側2の駆動トルクτと入力側2の位置の関係を、駆動トルク−位置線図として示すと図3のようになる。図3に示す駆動トルク−位置線図上に、図2(A)〜図2(H)に対応する点が示されている。
図3に示す駆動トルク−位置線図において、図2(A)に対応する点では、入力側2の位置が変化するものの、出力側3とは接触していないので駆動トルクτは一定である。
図2(B)に対応する点から図2(C)に対応する点まで、入力側2の位置が変化するにもかかわらず出力側3の位置は変わらず、クーロン摩擦力に相当する摩擦力K*xが増加する分だけ駆動トルクτは上昇し続ける。
図2(C)に対応する点から図2(D)に対応する点を経て図2(E)に対応する点まで、入力側2が移動を止めたことによって入力側摩擦力Fが発生しないので、入力側2の位置は変化せず、駆動トルクτは、摩擦力K*xのみとなり低下する。
その後、図2(E)に対応する点から図2(F)に対応する点まで、入力側2の移動に伴って入力側摩擦力−Fが生じた分だけ、右向きの駆動トルクτがさらに低下する。
図2(F)に対応する点で駆動トルクτがゼロとなる。図2(F)に対応する点から図2(G)に対応する点まで、駆動トルクτは、入力側2がさらに移動するのに伴って摩擦力K*xが解消する分だけ逆向き(左向き)に大きくなり、駆動トルクτの向きが逆転して左向きとなる。
図2(G)に対応する点から図2(H)に対応する点まで、入力側2の位置が変化するものの、出力側3とは接触していないので駆動トルクτは左向きに一定であり、図2(H)に対応する点以降入力側が再び出力側3と接触するまで、駆動トルクτは左向きに一定を保つ。
このような図3に示す線図において、図2(B)に対応する点から図2(C)に対応する点までの直線の傾きは、図2(C)で示した駆動トルクτ(τ=F+K*x=K*x+F)により、動力伝達機1のバネ定数Kに相当する。また、駆動トルクτが入力側摩擦力Fと釣り合って一定となる、図2(A)に対応する点を含む区間に対応する位置の変化は、動力伝達機1のバックラッシュ量に相当する。駆動トルクτが入力側摩擦力−Fと釣り合って一定となる、図2(H)に対応する点を含む区間に対応する位置の変化も同様に、動力伝達機1のバックラッシュ量に相当する。
なお、図2においては、入力側2(入力側2のギア)を紙面中央から右側へ動かした場合の説明を行ったが、その後続けて、入力側2を紙面中央から左側へ動かすこともできる。その場合のヒステリシス曲線は、図3に示す線図の縦軸より左側の線図となり、全体でほぼ点対称となる軌跡を描く。
図2及び図3に示す上述の考え方では、出力側3が動き出さない範囲で入力側2を往復動作させた。しかし、上述の考え方を基にして、出力側3が動くように入力側2を往復動作させた場合でも、図3に相当する駆動トルク−位置線図を作成し、動力伝達機1のバネ定数K及びバックラッシュ量を検出することができる。
以下に、図4及び図5を参照し、出力側3が動くように入力側2を往復動作させた場合において、動力伝達機1のバネ定数K及びバックラッシュ量を検出する方法を説明する。
図4は、出力側3が動くように入力側2を往復動作させた場合の動力伝達機モデルの詳細を模式的に示す図である。図5は、図4に示す動力伝達機モデルに対応する駆動トルク−位置線図を示す図である。
図4において、図4(A)〜図4(C)に示す状態は、それぞれ図2(A)〜図2(C)に示す状態に対応する。図4(C)に続く図4(C´)の状態に対応する状態は図2に示されていないが、図4(C´)に続く図4(D)及び図4(E)に示す状態は、それぞれ図2(D)及び図2(E)に示す状態に対応する。
従って、図4を参照しながら、図2において対応する状態が示されていない図4(C´)の状態について説明する。
図4(C)の状態から、駆動トルクτが出力側3の摩擦力(出力側摩擦力Fa)を超えると、続く図4(C´)の状態となり、摩擦力K*xが一定の値(K*x0)となることで駆動トルクτが一定となり、入力側2と共に出力側3の位置も変化する。従って、駆動トルクτは、入力側2の摩擦力(入力側摩擦力)Fと摩擦力K*x0の合力(F+K*x0)となり、結果、出力側摩擦力Faと等しいものとなる。このとき、駆動トルクτの方向は、紙面の左側から右側に向かっている。
図4(A)〜図4(E)に示す入力側2の駆動トルクτと入力側2の位置の関係を、駆動トルク−位置線図として示すと図5のようになる。図5に示す駆動トルク−位置線図上に、図4(A)〜図4(E)に対応する点が示されている。
図5に示す駆動トルク−位置線図は、図3の駆動トルク−位置線図のうち図2(C)に対応する点以降の下半分を、出力側3の位置の変化分だけ、位置を表す横軸方向に沿って平行移動して得られる線図である。図5の線図において、図4(C)に対応する点と図4(C´)に対応する点の間の区間が、入力側2が発揮する駆動トルクτが出力側摩擦力Faと釣り合って、出力側3の位置が変化している区間(出力側動作区間)である。
図5に示す線図において、出力側3が動くように入力側2を往復動作させた場合であっても、動力伝達機1の係数K(バネ定数K)に相当する直線の傾きは表され、動力伝達機1のバックラッシュ量に相当する区間も表されている。従って、出力側3が動くように入力側2を往復動作させた場合であっても、図5に示すような駆動トルク−位置線図を用いて動力伝達機1のバネ定数K及びバックラッシュ量を検出することができる。
なお、図4においては、入力側2(入力側2のギア)を紙面中央から右側へ動かした場合の説明を行ったが、その後続けて、入力側2を紙面中央から左側へ動かすこともできる。その場合のヒステリシス曲線は、ほぼ図5に示す線図の縦軸より左側の線図となる。
ただし、図2及び図3に示す方法であっても、図4及び図5に示す方法であっても、動力伝達機1の動作方向に重力が作用するのを防がなくては、駆動トルクτが重力の影響を受けてしまう。そこで、駆動トルクτが重力の影響を受けないように、動力伝達機1の入力側2及び/又は出力側3の動作方向(つまり、動力伝達機1の動作方向)が重力方向に対して垂直となるように、動力伝達機1が設けられた駆動体の姿勢を保持する。
ここで、駆動トルクτの測定において許容される精度の範囲内であれば、出力側3の動作方向において重力が作用しても構わないので、動力伝達機1の動作方向が、重力方向に対して厳密に垂直となっている必要はない。従って、本実施形態における垂直とは、厳密な垂直と、厳密な垂直から若干ずれて、許容される測定精度の範囲内において重力が作用する角度とを含む略垂直の状態を意味する。
次に、図6を参照しながら、出力側3が動き出さない範囲で入力側2を往復動作させた場合と出力側3が動くように入力側2を往復動作させた場合の、2通りの実験結果について説明する。
図6は、上述の2通りの実験結果を示す図であり、(a)は出力側3が動き出さない範囲で入力側2を往復動作させた場合の結果を表す駆動トルク−位置線図を示し、(b)は出力側3が動くように入力側2を往復動作させた場合の結果を表す駆動トルク−位置線図を示す。
図6(a)の線図において、動力伝達機1のバネ定数Kは、およそ位置−50から位置50の範囲における線図の傾きから検出される。またバックラッシュ量は、位置0前後において、計測点の間隔が他と比べて若干広く傾きが小さい区間に現れており検出可能である。
図6(b)の線図において、動力伝達機1のバネ定数Kは、およそ位置−100から位置−30の範囲における線図の傾きから検出される。またバックラッシュ量は、位置10前後において、計測点の間隔が他と比べて若干広く傾きが小さい区間に現れており検出可能である。
図6に示す実験結果の線図は、駆動トルク及び位置を検出する精度を高めたり、計測点の数を増やしたりすることで図3及び図5に示した線図により近い形状となり、検出されるバネ定数K及びバックラッシュ量の精度も高くなる。
上述の特性測定方法について、実施する順に説明する。
まず、本実施形態による特性測定方法は、動力伝達機1の一方側(例えば入力側2)に動力装置が設けられると共に、動力伝達機1の他方側(例えば出力側3)に駆動体が設けられた多関節ロボットなどの駆動部に適用される技術である。
まず、特性測定方法において、動力伝達機1に設けられた駆動体を、動力伝達機1の動作方向に外部からの力(重力及び/又は駆動体を固定する拘束力)が作用しない状態に保持する(保持ステップ)。従って、例えば動力伝達機1の他方側(出力側3)に設けられた駆動体を固定する必要はない。
この保持ステップでは、さらに、動力伝達機1の動作方向が重力方向に対して略垂直となるように、駆動体の姿勢を保持するとよい。
次に、保持ステップによって駆動体が保持された状態で、動力装置を動作させて動力伝達機1の一方側を往復動作させる(動作ステップ)。
この動作ステップによる往復動作において、動力装置が発するトルク(駆動力)、及び動力伝達機1の一方側の動作位置を計測する(計測ステップ)。これらトルク及び位置は、動力装置に設けられたトルクセンサやエンコーダを用いて計測される。
最後に、計測ステップによって得られたトルクの変化に対する動力伝達機1の一方側の動作位置の変化との関係(例えば、上述の駆動トルク−位置線図)から、動力伝達機1の剛性(例えば、バネ定数K)及びバックラッシュ量を取得する(取得ステップ)。
本実施形態による特性測定方法は、上述の保持ステップ、動作ステップ、計測ステップ及び取得ステップを順に実施することによって、駆動体又は動力伝達機1の出力側3(つまり、駆動体が設けられた他方側)を固定することなく、つまり、動力伝達機1の動作を制限することなく、動力伝達機1の特性であるヒステリシス(剛性、バックラッシュ)を測定することができる。従って、動力伝達機1が設けられたロボットごとに専用の固定冶具を用意しなくてもよいので、ロボットの周囲に固定治具を取り付ける空間が確保できない場合でも、動力伝達機1の特性であるヒステリシス(剛性、バックラッシュ)を測定することができる。
ところで、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。特に、今回開示された実施形態において、明示的に開示されていない事項、例えば、動作条件や測定条件、各種パラメータ、構成物の寸法、重量、体積などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な値を採用している。
1 動力伝達機
2 入力側
3 出力側

Claims (2)

  1. 入力側に動力装置が設けられると共に出力側に駆動体が設けられて前記動力装置が発する駆動力を前記駆動体に伝達する動力伝達機の特性測定方法において、
    前記動力伝達機に設けられた駆動体を、前記動力伝達機の動作方向に外部からの力が作用しない状態に保持する保持ステップと、
    前記保持ステップによって前記駆動体が保持された状態で、前記動力装置を動作させて前記動力伝達機を往復動作させる動作ステップと、
    前記動作ステップによる往復動作において、前記動力装置が発するトルク及び前記動力伝達機の入力側の動作位置を計測する計測ステップと、
    前記計測ステップによって計測されたトルクの変化に対する前記動力伝達機の入力側の動作位置の変化から、前記動力伝達機の剛性及びバックラッシュ量を取得する取得ステップと、を備えることを特徴とする特性測定方法。
  2. 前記保持ステップは、前記動力伝達機の動作方向が重力方向に対して略垂直となるように、前記駆動体を保持することを特徴とする請求項1に記載の特性測定方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017077602A (ja) * 2015-10-20 2017-04-27 川崎重工業株式会社 バックラッシ測定装置および方法
WO2021102690A1 (zh) * 2019-11-26 2021-06-03 深圳市大疆创新科技有限公司 可移动载体的控制方法及装置、存储介质和可移动载体

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