JP2015021035A - 再剥離用水分散型アクリル系粘着剤組成物、粘着シート及び光学部材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】上記再剥離用水分散型アクリル系粘着剤組成物は、アクリルエマルション系重合体、非水溶性架橋剤、アセチレンジオール系化合物及びエーテル基含有ポリシロキサンを含有し、
上記アクリルエマルション系重合体が、(メタ)アクリル酸アルキルエステル及びカルボキシル基含有不飽和単量体を必須の原料モノマーとして構成され、上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルの含有量が原料モノマー全量に対して70〜99.5重量%であり、上記カルボキシル基含有不飽和単量体の含有量が原料モノマー全量に対して0.5〜10.0重量%であり、
上記非水溶性架橋剤の含有量が上記アクリルエマルション系重合体100重量部に対してX重量部であり、上記エーテル基含有ポリシロキサンの含有量がアクリルエマルション系重合体100重量部に対してY重量部であり、下記式(1)で求められる値(A)が3以上であることを特徴とする。
値(A)=X+(Y×3) (1)
【選択図】なし
Description
また、本発明の他の目的は、貼付面の極性にかかわらず良好なピックアップ性を発揮でき、かつ、良好なカール調整性を発揮できる粘着シート、及び、該粘着シートが貼付されている光学部材を提供することにある。
上記アクリルエマルション系重合体が、(メタ)アクリル酸アルキルエステル及びカルボキシル基含有不飽和単量体を必須の原料モノマーとして構成され、上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルの含有量が原料モノマー全量に対して70〜99.5重量%であり、上記カルボキシル基含有不飽和単量体の含有量が原料モノマー全量に対して0.5〜10.0重量%であり、
上記非水溶性架橋剤の含有量が上記アクリルエマルション系重合体100重量部に対してX重量部であり、上記エーテル基含有ポリシロキサンの含有量がアクリルエマルション系重合体100重量部に対してY重量部であり、下記式(1)で求められる値(A)が3以上であることを特徴とする再剥離用水分散型アクリル系粘着剤組成物を提供する。
値(A)=X+(Y×3) (1)
また、本発明の粘着シートは、上記再剥離用水分散型アクリル系粘着剤組成物により形成された粘着剤層を有するので、貼付面の極性にかかわらず良好なピックアップ性を発揮でき、かつ、良好なカール調整性を発揮できる。
本発明の再剥離用水分散型アクリル系粘着剤組成物は、アクリルエマルション系重合体、非水溶性架橋剤、アセチレンジオール系化合物、エーテル基含有ポリシロキサンを少なくとも含有する。本明細書では、本発明の再剥離用水分散型アクリル系粘着剤組成物を、単に、「本発明のアクリル系粘着剤組成物」と称する場合がある。
本発明のアクリル系粘着剤組成物は、アクリルエマルション系重合体を少なくとも含有する。上記アクリルエマルション系重合体は、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。なお、本明細書において「(メタ)アクリル」とは、「アクリル及び/又はメタクリル」を意味する。
上記カルボキシル基含有不飽和単量体の含有量の上限は、5.0重量%以下が好ましく、より好ましくは4.0重量%以下である。また、その下限は、1.0重量%以上が好ましく、より好ましくは2.0重量%以上である。上記含有量が10重量%を超える場合には、カルボキシル基含有不飽和単量体(例えば、アクリル酸)は一般的に水溶性であるため、水中で重合して増粘(粘度増加)を引き起こす場合がある。さらには、粘着剤組成物から粘着剤層を形成した後、被着体表面の官能基との相互作用が増大して、経時で粘着力が増大、剥離が困難となり、ピックアップ性が低下する場合がある。一方、上記含有量が0.5重量%未満では、エマルション粒子の機械的安定性が低下する場合がある。また、密着性(投錨性)が低下し、糊残りの原因となる場合がある。
また、上記アクリルエマルション系重合体は、屈折率調整、リワーク性などの目的で、原料モノマーとして、(メタ)アクリル酸フェニル等の(メタ)アクリル酸アリールエステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;スチレン等のスチレン系モノマーからなる群より選択される少なくとも1つのその他のモノマーを、上記アクリルエマルション系重合体を構成する原料モノマーの全量(全原料モノマー)(100重量%)に対して、15重量%以下含有していてもよい。
さらに、上記アクリルエマルション系重合体は、エマルション粒子内架橋および凝集力向上の目的で、原料モノマーとして、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基含有モノマーやトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼンからなる群より選択される少なくとも1つの多官能モノマーを、上記アクリルエマルション系重合体を構成する原料モノマーの全量(全原料モノマー)(100重量%)に対して、5重量%未満含有していてもよい。
さらにまた、上記アクリルエマルション系重合体は、ヒドラジド系架橋剤を併用してヒドラジド架橋を形成し、特に低汚染性を向上させる目的で、原料モノマーとして、ダイアセトンアクリルアミド(DAAM)、アリルアセトアセテート、2−(アセトアセトキシ)エチル(メタ)アクリレート等のケト基含有不飽和単量体を、上記アクリルエマルション系重合体を構成する原料モノマーの全量(全原料モノマー)(100重量%)に対して、10重量%未満(好ましくは0.5〜5重量%)含有していてもよい。
(溶剤不溶分の測定方法)
アクリルエマルション系重合体:約0.1gを採取し、平均孔径0.2μmの多孔質テトラフルオロエチレンシート(商品名「NTF1122」、日東電工株式会社製)に包んだ後、凧糸で縛り、その際の重量を測定し、該重量を浸漬前重量とする。なお、該浸漬前重量は、アクリルエマルション系重合体(上記で採取したもの)と、テトラフルオロエチレンシートと、凧糸の総重量である。また、テトラフルオロエチレンシートと凧糸の合計重量も測定しておき、該重量を包袋重量とする。
次に、上記のアクリルエマルション系重合体をテトラフルオロエチレンシートで包み凧糸で縛ったもの(「サンプル」と称する)を、酢酸エチルで満たした50ml容器に入れ、23℃にて7日間静置する。その後、容器からサンプル(酢酸エチル処理後)を取り出して、アルミニウム製カップに移し、130℃で2時間、乾燥機中で乾燥して酢酸エチルを除去した後、重量を測定し、該重量を浸漬後重量とする。
そして、下記の式から溶剤不溶分を算出する。
溶剤不溶分(重量%)=(a−b)/(c−b)×100
(上記式において、aは浸漬後重量であり、bは包袋重量であり、cは浸漬前重量である。)
本発明のアクリル系粘着剤組成物は、非水溶性架橋剤を少なくとも含む。上記非水溶性架橋剤は、非水溶性であり、分子中(1分子中)にカルボキシル基と反応し得る官能基を2個以上有する化合物である。なお、上記非水溶性架橋剤は、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
加えて、本発明のアクリル系粘着剤組成物は、上記非水溶性架橋剤を含むので、粘着剤組成物から形成された粘着剤層のぬれ広がりを防ぐことができる。
(水に対する溶解度の測定方法)
同重量の水(25℃)と架橋剤を、攪拌機を用いて回転数300rpm、10分の条件で混合し、遠心分離により水相と油相に分ける。次いで、水相を採取し120℃で1時間乾燥して、乾燥減量から水相中の不揮発分(水100重量部に対する不揮発成分の重量部)を求める。
値(A)=X+(Y×3) (1)
本発明のアクリル系粘着剤組成物中の上記非水溶性架橋剤の含有量が、式(1)で求められる値(A)が3未満となるような量であると、トレードオフの関係であるピックアップ性とカール調整性との両方の特性を同時に得ることができないからである。
本発明のアクリル系粘着剤組成物は、アセチレンジオール系化合物を少なくとも含む。本発明のアクリル系粘着組成物は、アセチレンジオール系化合物を含むので、粘着剤組成物により形成された粘着剤層において上記非水溶性架橋剤由来の凹み欠点による外観不良の発生を抑制できる。これは、上記アセチレンジオール系化合物が上記非水溶性架橋剤のアクリル系粘着剤組成物中への分散性の向上や粘着剤層形成時のレベリング効果に作用するためと推測される。なお、上記アセチレンジオール系化合物は、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
上記式(I)中のR1、R2、R3およびR4は、直鎖状または分岐鎖状のいずれの構造であってもよい。
本発明のアクリル系粘着剤組成物は、エーテル基含有ポリシロキサンを少なくとも含む。エーテル基含有ポリシロキサンは、分子中(1分子中)にエーテル結合を有するポリシロキサンである。なお、上記エーテル基含有ポリシロキサンは、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
また、上記R10、R11及びR12としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基などの炭素数1〜8のアルキレン基が好ましく挙げられる。また、上記R10、R11及びR12は、水酸基等の置換基を含んでいてもよい。
さらに、上記R13が有機基である場合、上記R13は、1価の有機基(例えば、メチル基、プロピル基等のアルキル基又はアセチル基、プロピオニル基等のアシル基など)が好ましく挙げられ、水酸基等の置換基を含む1価の有機基であってもよい。
値(A)=X+(Y×3) (1)
本発明のアクリル系粘着剤組成物中の上記エーテル基含有ポリシロキサンの含有量が、式(1)で求められる値(A)が3未満となるような量であると、トレードオフの関係であるピックアップ性とカール調整性との両方の特性を同時に得ることができないからである。
本発明のアクリル系粘着剤組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、各種添加剤(上記非水溶性架橋剤、アセチレンジオール系化合物及びエーテル基含有ポリシロキサン以外の成分)を含有してもよい。各種添加剤としては、例えば、顔料、充填剤、分散剤、可塑剤、安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、老化防止剤、防腐剤などが挙げられる。なお、このような添加剤は、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
本発明の粘着シートは、上記の本発明のアクリル系粘着剤組成物から形成された粘着剤層を少なくとも有する粘着シートである。本発明の粘着シートは、基材の少なくとも一方の面側に粘着剤層を有する基材付き粘着シートであってもよく、粘着剤層のみから構成される基材レス粘着シートであってもよい。特に、本発明の粘着シートは、後述のように表面保護用に用いられることが好ましいことから、基材付き粘着シートであることが好ましく、より好ましくは基材の一方の面側に粘着剤層を有する基材付き片面粘着シートであることが好ましい。
なお、上記粘着剤層の溶剤不溶分は、前述のアクリルエマルション系重合体の溶剤不溶分の測定方法と同様の方法で測定することができる。具体的には、前述の「溶剤不溶分の測定方法」において、「アクリルエマルション系重合体」を「粘着剤層」に読み替えた方法で測定することができる。
本発明の光学部材は、上記の粘着シートが貼付されている構造を有する。つまり、本発明の光学部材は、光学部材と本発明の粘着シートとの積層構造を有する。
(アクリルエマルション重合体の調製)
容器に、水90重量部、及び、表1に示した配合量の原料モノマー、反応性界面活性剤(第一工業製薬株式会社製、商品名「アクアロンHS−1025、分子内にラジカル重合性官能基を有する反応性乳化剤)を配合した後、ホモミキサーにより攪拌混合し、モノマーエマルションを調製した。
次いで、冷却管、窒素導入管、温度計および攪拌機を備えた反応容器に、水50重量部、重合開始剤(過硫酸アンモニウム)0.01重量部、及び、上記で調製したモノマーエマルションのうち10重量%にあたる量を添加し、攪拌しながら、75℃で1時間乳化重合した。その後、さらに重合開始剤(過硫酸アンモニウム)0.07重量部を添加し、次いで、攪拌しながら、残りのモノマーエマルションの全て(90重量%にあたる量)を3時間かけて添加して、その後、75℃で3時間反応させた。次いで、これを30℃に冷却して、濃度10重量%のアンモニア水を加えてpH8に調整して、アクリルエマルション系重合体の水分散液(アクリルエマルション系重合体の濃度:41重量%)を調製した。
上記で得られたアクリルエマルション系重合体の水分散液(41重量%)244重量部(アクリルエマルション系重合体100重量部)に対して、表1に示した量の非水溶性架橋剤であるエポキシ系架橋剤(三菱ガス化学株式会社製、商品名「テトラッド−C」、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、エポキシ当量:110、官能基数:4)、表1に示した量のHLB値が4のアセチレンジオール系化合物(組成物)(エアープロダクツ社製、商品名「サーフィノール420」、有効成分100重量%)、表1に示した量のエーテル基含有ポリシロキサン(信越化学工業株式会社製、商品名「変性シリコーンオイル KF−353」)、表1で示した量のエチレンオキサイド/プロピレンオキサイド共重合型界面活性剤(株式会社ADEKA製、商品名「アデカプルロニック25R−1」)を、攪拌機を用いて、23℃、2000rpm、10分の攪拌条件で攪拌混合し、再剥離用水分散型アクリル系粘着剤組成物を調製した。
なお、表1において、「−」は、使用しなかったことを示す。
さらに、上記で得られた再剥離用水分散型アクリル系粘着剤組成物を、PETフィルム(東洋紡株式会社製、商品名「E7415」、厚み:38μm)のコロナ処理面上に、テスター産業株式会社製アプリケーターを用いて、乾燥後の厚みが20μmとなるように塗布し、その後、熱風循環式オーブンで120℃で2分間乾燥させ、さらにその後、23℃で5日間養生(エージング)して粘着シートを得た。
実施例及び比較例で得られた粘着シートについて、下記の測定方法又は評価方法により評価を行った。その結果は、表1に示した。
(初期粘着力)
粘着シートより、幅25mm、長さ100mmのシート状の測定用サンプルを得た。次に、該測定用サンプルを、貼り合わせ機(テスター産業株式会社製、小型貼り合せ機)を用いて、0.26MPa、0.3m/分の条件で、板状の被着体に貼り合わせた。そして、23℃、50%RHの環境下、30分間放置した。
放置後、引張試験機を用いて、23℃、50%RHの環境下、引張速度0.3m/分で、180°剥離試験を行い、粘着力(剥離力)(N/25mm)を測定した。そして、その粘着力を、「初期粘着力」とした。
上記被着体としては、偏光板(商品名「SEG1425DU」、日東電工株式会社製、表面が高極性、トリアセチルセルロース製偏光板)(単に「高極性表面偏光板」と称する場合がある)、及び、表面が低極性のトリアセチルセルロース製偏光板(表面にアンチグレアコーティング処理が施されている)(単に「低極性表面偏光板」と称する場合がある)を使用した。
得られた初期粘着力について、高極性表面偏光板に対する粘着力は表1の「初期粘着力 高極性表面偏光板」の欄に示し、低極性表面偏光板に対する粘着力は表1の「初期粘着力 低極性表面偏光板」の欄に示した。
粘着シートより、幅25mm、長さ100mmのシート状の測定用サンプルを得た。次に、該測定用サンプルを、貼り合わせ機(テスター産業株式会社製、小型貼り合せ機)を用いて、0.26MPa、0.3m/分の条件で、板状の被着体に貼り合わせた。そして、40℃の環境に3日間保存した後、23℃、50%RHの環境下、2時間放置した。
放置後、引張試験機を用いて、23℃、50%RHの環境下、引張速度0.3m/分で、180°剥離試験を行い、粘着力(剥離力)(N/25mm)を測定した。そして、その粘着力を、「40℃3日間保存後粘着力」とした。
上記被着体としては、上記高極性表面偏光板、及び、上記低極性表面偏光板を使用した。
得られた40℃3日間保存後粘着力について、高極性表面偏光板に対する粘着力は表1の「40℃3日間保存後粘着力 高極性表面偏光板」の欄に示し、低極性表面偏光板に対する粘着力は表1の「40℃3日間保存後粘着力 低極性表面偏光板」の欄に示した。
粘着シート幅25mm、長さ100mmを、貼り合わせ機(テスター産業株式会社製、小型貼り合せ機)を用いて、0.26MPa、0.3m/分の条件で、幅40mm、長さ40mmの板状の被着体に、圧着して貼り合わせた。そして、23℃、50%RHの環境下、30分間放置した。
放置後、粘着シート端部の角付近にマスキングテープ(商品名「No.720A」、日東電工株式会社)を手で貼り合わせ、直ちに上記マスキングテープを引っ張り上げた。
そして、マスキングテープを引っ張り上げることにより粘着シートが被着体から剥がれる場合を「良好」(○)と評価し、一方、マスキングテープを引っ張り上げても粘着シートが被着体から剥がれない場合を「不良」(×)と評価した。
上記被着体としては、上記高極性表面偏光板、及び、上記低極性表面偏光板を使用した。
評価したピックアップ性について、高極性表面偏光板に対するピックアップ性は表1の「ピックアップ性 高極性表面偏光板」の欄に示し、低極性表面偏光板に対するピックアップ性は表1の「ピックアップ性 低極性表面偏光板」の欄に示した。
金属板上に静置した上記高極性表面偏光板(幅140mm、長さ200mm、厚さ0.2mm)に、上記高極性表面偏光板よりやや大きめにカットした粘着シートを、貼り合わせ機(テスター産業株式会社製、小型貼り合せ機)を用いて、0.26MPa、0.3m/分の条件で、上記高極性表面偏光板の長さ方向と上記粘着シートの長さ方向が一致するように、貼り合わせた。なお、貼り合わせの際には、粘着シートを引っ張りながら貼り合わせた。貼り合わせ後、上記高極性表面偏光板からはみ出た粘着シートをカットした。そして、高極性表面偏光板表面が粘着シートにより保護された構造を有する評価用サンプルを得た。
次に、上記評価用サンプルを平坦面上に置き、4つの角のそれぞれについて、平坦面からの距離(高さ方向の距離)を測定した。そして、これらの値から平均値を求め、その平均値を「初期カール高さ」とした。
「初期カール高さ」を求めた後、上記評価用サンプルを、23℃、50%RHの環境下、20時間放置した。放置後、上記評価用サンプルを平坦面上に置き、4つの角のそれぞれについて、平坦面からの距離(高さ方向の距離)を測定した。そして、これらの値から平均値を求め、その平均値を「20時間後カール高さ」とした。
そして、「初期カール高さ」と「20時間後カール高さ」との差([(初期カール高さ)−(20時間後カール高さ)]、「カール高さの差」と称する場合がある)を求めた。上記カール高さの差が、8mm以上である場合を「良好」(○)と評価し、一方、8mm未満である場合を「不良」(○)と評価した。
評価したカール調整性について、「初期カール高さ」は表1の「カール調整性 初期カール高さ」の欄に示し、「20時間後カール高さ」は表1の「カール調整性 20時間後カール高さ」の欄に示し、「カール高さの差」は表1の「カール調整性 カール高さの差」の欄に示した。
なお、上記カール調整性が良好であると、粘着シートを貼付した光学部材においてカールを調整し、光学部材が用いられた製品を作製する工程における工程不良の発生を防止できる。一方、上記カール調整性が不良であると、粘着シートを貼付した光学部材においてカールを十分に調整できず、光学部材が用いられた製品を作製する工程における工程不良が発生する場合がある。
(原料モノマー)
2EHA : 2−エチルヘキシルアクリレート
MMA : メチルメタクリレート
AA : アクリル酸
(乳化剤)
HS−1025 : 第一工業製薬株式会社製、商品名「アクアロンHS−1025」(反応性界面活性剤、分子内にラジカル重合性官能基を有する反応性乳化剤)
(アセチレンジオール系化合物)
サーフィノール420 : エアープロダクツ社製、商品名「サーフィノール420」(HLB値4、有効成分100重量%)
(非水溶性架橋剤)
TETRAD−C : 三菱ガス化学株式会社製、商品名「TETRAD−C(テトラッド−C)」(1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、エポキシ当量:110、官能基数:4)
(エーテル基含有ポリシロキサン)
KF−353 : 信越化学工業株式会社製、商品名「変性シリコーンオイル KF−353」
(エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド共重合型界面活性剤)
25R−1 : 株式会社ADEKA製、商品名「アデカプルロニック25R−1」
Claims (6)
- アクリルエマルション系重合体、非水溶性架橋剤、アセチレンジオール系化合物及びエーテル基含有ポリシロキサンを含有し、
前記アクリルエマルション系重合体が、(メタ)アクリル酸アルキルエステル及びカルボキシル基含有不飽和単量体を必須の原料モノマーとして構成され、前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルの含有量が原料モノマー全量に対して70〜99.5重量%であり、前記カルボキシル基含有不飽和単量体の含有量が原料モノマー全量に対して0.5〜10.0重量%であり、
前記非水溶性架橋剤の含有量が前記アクリルエマルション系重合体100重量部に対してX重量部であり、前記エーテル基含有ポリシロキサンの含有量がアクリルエマルション系重合体100重量部に対してY重量部であり、下記式(1)で求められる値(A)が3以上であることを特徴とする再剥離用水分散型アクリル系粘着剤組成物。
値(A)=X+(Y×3) (1) - 前記アクリルエマルション系重合体が、分子中にラジカル重合性官能基を有する反応性乳化剤を用いて重合された重合体である請求項1記載の再剥離用水分散型アクリル系粘着剤組成物。
- 前記非水溶性架橋剤の含有量が、前記アクリルエマルション系重合体100重量部に対して2.15〜3.0重量部である請求項1又は2記載の再剥離用水分散型アクリル系粘着剤組成物。
- 前記エーテル基含有ポリシロキサンの含有量が、前記アクリルエマルション系重合体100重量部に対して0.16〜0.50重量部である請求項1〜3の何れか1項に記載の再剥離用水分散型アクリル系粘着剤組成物。
- 請求項1〜4の何れか1項に記載の再剥離用水分散型アクリル系粘着剤組成物から形成された粘着剤層を有することを特徴とする粘着シート。
- 請求項5記載の粘着シートが貼付されていることを特徴とする光学部材。
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