JP2015020206A - アーク溶接制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】交流TIG溶接によって例えば板厚1mmのアルミニウム材の突合せ溶接を行う場合、溶け落ちの防止と気孔欠陥の抑制とを両立することは非常に困難である。
【解決手段】非消耗電極の極性がマイナスであるEN期間と、前記非消耗電極の極性がプラスであるEP期間とを繰り返して、交流出力を行う非消耗電極式のアーク溶接制御方法であって、前記EN期間において、前記EP期間から前記EN期間に転流した後の第1の時点の電流値からピーク電流値までの、単位時間当たりの電流の増加量である電流の増加傾きが、前記第1の時点からは時間の経過に伴って大きくなり、その後、前記ピーク電流値に向かって時間の経過に伴って小さくなるように溶接電流を制御し、また、EN期間のピーク電流値と、EP期間のピーク電流値とは、大きさが異なるように制御する。
【選択図】図2
【解決手段】非消耗電極の極性がマイナスであるEN期間と、前記非消耗電極の極性がプラスであるEP期間とを繰り返して、交流出力を行う非消耗電極式のアーク溶接制御方法であって、前記EN期間において、前記EP期間から前記EN期間に転流した後の第1の時点の電流値からピーク電流値までの、単位時間当たりの電流の増加量である電流の増加傾きが、前記第1の時点からは時間の経過に伴って大きくなり、その後、前記ピーク電流値に向かって時間の経過に伴って小さくなるように溶接電流を制御し、また、EN期間のピーク電流値と、EP期間のピーク電流値とは、大きさが異なるように制御する。
【選択図】図2
Description
本発明は、交流TIG溶接等の非消耗電極式のアーク溶接において、特に薄板のアルミニウムの施工を行う際に良好な作業性で溶接が可能であり、ブローホールなどの気孔欠陥を抑制することができるアーク溶接制御方法に関する。
交流TIG溶接でアルミニウムの薄板を溶接する際、矩形波や正弦波などの波形が用いられる(例えば、特許文献1や特許文献2参照)。図4に、正弦波の波形の例を示す。そして、用いる波形モードを選択し、溶接電流や非消耗電極の極性がプラスとなるElectrode Plus期間(以下EP期間とする)を調整し、さらには、適正な溶接速度で作業することにより、裏抜けなく、溶接欠陥を防止し、美麗なビード外観を得ることができる。このように、溶接条件や溶接作業等を工夫することで、アルミニウムの薄板溶接が行われている。
交流TIG溶接によりアルミニウムの薄板を溶接する場合、例えば板厚1mmのアルミニウム材の突合せ溶接を行う場合、現状では、非消耗電極がプラスのEP期間も非消耗電極がマイナスのEN期間も、どちらも同じ大きさのピーク電流が出力される。そのため、電流設定値を下げ、溶け落ちが発生しない条件にして溶接を行わなければならない。
また、特許文献1に示すような矩形波や特許文献2に示すような正弦波が一般的によく利用されるが、これらの場合、EP期間からEN期間もしくはEN期間からEP期間に転流した直後は、単位時間当たりの電流の増加量である電流の増加傾きが急峻である。従って、大きく、かつ、急峻にアーク力が増加し、溶融池を急峻に押し下げる。そのため、溶け落ちが発生し易く、特にアルミニウムの薄板を溶接することは難しい。
また、上述の通り、EP期間もEN期間も同じピーク電流が流れる。そのため、溶け落ちしないようにピーク電流を下げると、溶融池の揺動も少なくなり、ブローホールなどの気孔欠陥が発生しやすい状況にあった。
このように、溶け落ちの防止と気孔欠陥の抑制とを両立することは非常に困難である。
上記課題を解決するために、本発明のアーク溶接制御方法は、非消耗電極の極性がマイナスであるEN期間と、前記非消耗電極の極性がプラスであるEP期間とを繰り返して、交流出力を行う非消耗電極式のアーク溶接制御方法であって、前記EN期間において、前記EP期間から前記EN期間に転流した後の第1の時点の電流値からピーク電流値までの、単位時間当たりの電流の増加量である電流の増加傾きが、前記第1の時点からは時間の経過に伴って大きくなり、その後、前記ピーク電流値に向かって時間の経過に伴って小さくなるように溶接電流を制御するものである。
また、本発明のアーク溶接制御方法は、上記に加えて、第1の時点の電流値からピーク電流値までの、単位時間当たりの電流の増加量である電流の増加傾きが、前記第1の時点から前記第1の時点の後の第2の時点までは時間の経過に伴って大きくなり、前記第2の時点から前記ピーク電流値となる時点までは時間の経過に伴って小さくなるように溶接電流を制御するものである。
また、本発明のアーク溶接制御方法は、上記に加えて、第1の時点の電流値からピーク電流値までの、単位時間当たりの電流の増加量である電流の増加傾きが、前記第1の時点から前記第1の時点の後の第2の時点までは時間の経過に伴って大きくなり、前記第2の時点から前記第2の時点の後の第3の時点までは一定であり、前記第3の時点から前記ピーク電流値となる時点までは時間の経過に伴って小さくなるように溶接電流を制御するものである。
また、本発明のアーク溶接制御方法は、上記に加えて、EN期間において、ピーク電流値の時点からEN期間からEP期間に転流する時点までの溶接電流を、前記ピーク電流値の時点を中心として、前記EP期間から前記EN期間に転流した時点から前記ピーク電流値の時点までの溶接電流と対称となるように制御するものである。
また、本発明のアーク溶接制御方法は、上記に加えて、前記EP期間において、前記EN期間から前記EP期間に転流した後の第4の時点の電流値からピーク電流値までの、単位時間当たりの電流の増加量である電流の増加傾きが、前記第4の時点からは時間の経過に伴って大きくなり、その後、前記ピーク電流値に向かって時間の経過に伴って小さくなるように溶接電流を制御するものである。
また、本発明のアーク溶接制御方法は、上記に加えて、EP期間において、ピーク電流値の時点からEP期間からEN期間に転流する時点までの溶接電流を、前記ピーク電流値の時点を中心として、前記EN期間から前記EP期間に転流した時点から前記ピーク電流値の時点までの溶接電流と対称となるように制御するものである。
また、本発明のアーク溶接制御方法は、上記に加えて、EN期間のピーク電流値と、EP期間のピーク電流値とは、大きさが異なるものである。
また、本発明のアーク溶接制御方法は、上記に加えて、EN期間のピーク電流値は、EP期間のピーク電流値よりも大きいものである。
また、本発明のアーク溶接制御方法は、上記に加えて、EN期間からEP期間に転流する時点の前後の溶接電流値および/または前記EP期間から前記EN期間に転流する時点の前後の溶接電流値は、絶対値がゼロよりも大きいものである。
本発明によれば、非消耗電極の交流溶接において、例えばアルミニウムなどの薄板溶接を低速施工でき、かつ溶接部の溶け落ちや気孔欠陥を低減することができ、極めて美麗なビード外観を実現することができる。
本発明の実施の形態について、図1から図3を用いて説明する。
(実施の形態1)
本実施の形態について、図1と図2を用いて説明する。図1は、交流TIG溶接機の概略構成を示す図である。図2は、交流TIG溶接機の溶接電流波形の一例を示す図である。
本実施の形態について、図1と図2を用いて説明する。図1は、交流TIG溶接機の概略構成を示す図である。図2は、交流TIG溶接機の溶接電流波形の一例を示す図である。
なお、本実施の形態では、非消耗電極式の交流溶接機の一例として、TIG溶接機について説明する。
図1において、TIG溶接機は、3相交流入力端子1と、1次側整流部2と、平滑コンデンサ3と、1次トランジスタ部4と、溶接トランス5と、2次側整流部6と、リアクトル7と、非消耗電極であるタングステン電極8と、極性切替部10と、EP期間電流指令値記憶部11と、EN期間電流指令値記憶部12と、2次トランジスタ部13と、溶接電流設定部14と、電流検出器15と、インバータ駆動回路16と、極性切替スイッチ17と、設定部18を有している。なお、2次トランジスタ部13は、第1のトランジスタ13aと、第2のトランジスタ13bと、第3のトランジスタ13cと、第4のトランジスタ13dを有している。
3相交流入力端子1は、TIG溶接機の外部から交流電力を入力する。1次側整流部2は、3相交流入力端子1からの交流電力を整流する。平滑コンデンサ3は、1次側整流部2の出力を平滑する。1次トランジスタ部4は、インバータ制御により、平滑コンデンサ3の出力を交流に変換する。溶接トランス5は、1次トランジスタ部4の出力を、アーク溶接に適した電圧に降圧する。2次側整流部6とリアクトル7は、溶接トランス5の出力を整流する。2次トランジスタ部13は、極性切替部10からの信号に基づいて、整流された溶接トランス5の出力を交流に変換し、タングステン電極8と母材9との間に印加する。これにより、タングステン電極8と母材9との間にアークが発生し、溶接が行われる。極性切替部10は、設定部18の出力に基づいて、2次トランジスタ部13と、極性切替スイッチ17の制御を行う。すなわち、設定部18から入力した周波数やEP期間(EP時間)に基づいてEN期間を求め、EN期間にはEN期間に適した制御を行い、EP期間にはEP期間に適した制御を行う。設定部18は、作業者等が、設定電流や、周波数や、EP期間(クリーニング期間)等を設定するためのものである。EP期間電流指令値記憶部11は、EP期間における溶接電流指令値(波形パラメータ)を複数記憶しており、設定部18から入力した設定電流の情報に基づいて、適切な溶接電流指令値(波形パラメータ)を出力する。EN期間電流指令値記憶部12は、EN期間における溶接電流指令値(波形パラメータ)を複数記憶しており、設定部18から入力した設定電流の情報に基づいて、適切な溶接電流指令値(波形パラメータ)を出力する。なお、EP期間電流指令値記憶部11から出力される電流指令値と、EN期間電流指令値記憶部12から出力される電流指令値は、時々刻々変わるものである。極性切替スイッチ17は、極性切替部10からの信号に基づいて、溶接電流設定部14に対して、EP期間電流指令値記憶部11からの電流指令を伝えるのか、EN期間電流指令値記憶部12からの電流指令を伝えるのかを切り替える。溶接電流設定部14は、極性切替スイッチ17から、時々刻々変わる電流指令値を入力して設定値として設定する。電流検出器15は、TIG溶接機の出力電流を検出する。インバータ駆動回路16は、溶接電流設定部14の出力と電流検出器15の出力との比較結果に基づいて、1次トランジスタ部4を制御する。
以上のように構成されたTIG溶接機について、その動作を説明する。
交流TIG溶接では、図2に示すように、タングステン電極8の極性がマイナスであるEN期間と、タングステン電極8の極性がプラスであるEP期間との、2つの期間が存在する。本実施の形態では、この2つの期間に分けて出力電流の制御を行う。
EP期間では、極性切替部10は、2次トランジスタ部13の第1のトランジスタ13aと第4のトランジスタ13dをオン状態とし、第2のトランジスタ13bと第3のトランジスタ13cをオフ状態とする。一方、EN期間では、極性切替部10は、2次トランジスタ部13の第2のトランジスタ13bと第3のトランジスタ13cをオン状態とし、第1のトランジスタ13aと第4のトランジスタ13dをオフ状態とする。このようなEP期間とEN期間の制御を行うことにより、電流方向を交番し、交流出力を得る。
先ず、EN期間の制御について説明し、次に、EP期間の制御について説明する。
EN期間では、極性切替部10により、極性切替スイッチ17が、EN期間電流指令値記憶部12の側に切り替えられる。そして、EN期間電流指令値記憶部12に記憶されている電流指令値が時々刻々読み出され、溶接電流設定部14に設定されていく。ここで、EN期間電流指令値記憶部12には、予め電流波形形状を決定するデータが数値として記憶されており、設定部18で設定された設定電流やEP期間設定(クリーニング幅設定)等に基づいて決定されるEN期間やピーク電流に応じた溶接電流が出力される。
ここで、図2に示すように、EN期間電流指令値記憶部12には、単位時間当たりの電流の増加量である電流の増加傾きが、EN電流開始時からは緩やかに増加し、ある時点(例えば、EN期間の1/4の時点)からは緩やかに減少し、ピーク電流に到達するような電流指令が記憶されている。ここで、前記ある時点は、固定でなくても良い。
また、EN期間電流指令値記憶部12には、ピーク電流からの低下時は、単位時間当たりの電流の減少量である電流の減少傾きが緩やかに増加し、ある時点(例えば、EN期間の3/4の時点)からは緩やかに減少して最下点に到達するような電流指令が記憶されている。ここで、前記ある時点は、固定でなくてもよい。
また、EP期間からEN期間に転流した時点からピーク電流値の時点までの立ち上がり時と、ピーク電流値の時点からEN期間からEP期間に転流した時点までの立ち下がり時とで、ピーク電流の時点を境として、溶接電流が対称となるように制御するようにしてもよい。このように溶接電流の波形を対称にすることで、対称にしない場合と比べて溶接を安定化することができる。
次に、EP期間の制御について説明する。
EP期間では、極性切替部10により、極性切替スイッチ17が、EP期間電流指令値記憶部11の側に切り替えられる。そして、EP期間電流指令値記憶部11に記憶されている電流指令値が時々刻々読み出され、溶接電流設定部14に設定されていく。ここで、EP期間電流指令値記憶部11には、予め電流波形形状を決定するデータが数値として記憶されており、設定部18で設定された設定電流やEP期間設定(クリーニング幅設定)等に基づいて決定されるEP期間やピーク電流に応じた溶接電流が出力される。
ここで、図2に示すように、EP期間電流指令値記憶部11には、単位時間当たりの電流の増加量である電流の増加傾きが、EP電流開始時からは緩やかに増加し、ある時点(例えば、EP期間の1/4の時点)からは緩やかに減少し、ピーク電流に到達するような電流指令が記憶されている。ここで、前記ある時点は、固定でなくてもよい。
また、EP期間電流指令値記憶部11には、ピーク電流からの低下時は、単位時間当たりの電流の減少量である電流の減少傾きが緩やかに増加し、ある時点(例えば、EP期間の3/4の時点)からは緩やかに減少して最下点に到達するような電流指令が記憶されている。ここで、前記ある時点は、固定でなくてもよい。
また、EN期間からEP期間に転流した時点からピーク電流値の時点までの立ち上がり時と、ピーク電流値の時点からEP期間からEN期間に転流した時点までの立ち下がり時とで、ピーク電流の時点を境として、溶接電流が対称となるように制御するようにしてもよい。このように溶接電流の波形を対称にすることで、対称にしない場合と比べて溶接を安定化することができる。
次に、ブローホールなどの気孔欠陥を低減するためのEP期間とEN期間におけるピーク電流の制御について説明する。
溶接施工を実施した場合にブローホールなどの気孔欠陥が発生する場合がある。この場合の対策として、溶融池の揺動が効果的である。
従来のように、EN期間とEP期間とでピーク電流が同じ値の場合、溶融池は比較的安定し、揺動は少ない状態となる。そこで、本実施の形態では、図2に示すように、EN期間のピーク電流IP(EN)とEP期間のピーク電流IP(EP)とで、大きさに差を設けている。このようにすることで、溶融池が揺動し易くなり、ブローホールなどの気孔欠陥を低減することができる。
なお、TIG溶接の場合、EP期間では非消耗電極であるタングステン電極8の消耗が大きくなることと、EN期間の方が母材9への熱輸送が大きいことから、特に、EN期間のピーク電流をEP期間のピーク電流よりも大きくすることが有効である。
次に、転流時のアーク切れ抑制のための電流制御について説明する。
交流TIG溶接において、EN期間からEP期間へ転流する際、もしくは、EP期間からEN期間へ転流する際、転流前や転流後の電流値によっては、アーク切れが発生する場合がある。
従って、図2に示すように、転流前後の溶接電流値I(EN1)、I(EN2)、I(EP1)、I(EP2)を、絶対値がゼロよりも大きな値となるように制御する。これにより、転流時のアーク切れを抑制することが可能となる。
以上のように、本実施の形態によれば、交流TIG溶接において、転流後の単位時間当たりの電流の増加量である電流の増加傾きを低減することで、溶接部にアーク力が急峻に加わらないように制御する。これにより、溶接速度を下げて行うことが可能となり、特に、アルミニウムの薄板の溶接を行う場合に有効である。そして、このような低速溶接を可能とすることにより、作業者の作業の裕度を高めることができ、また、ロボット等自動機による溶接も可能となる。
また、本実施の形態によれば、EP期間とEN期間のピーク電流に差を設けることで溶融池の揺動を誘発させ、溶融池内部の気泡を放出し易くすることができる。これにより、気孔欠陥も低減することができる。
また、本実施の形態によれば、転流前後の溶接電流値を絶対値がゼロよりも大きな値を設定することで、アーク切れを回避することが可能となる。
このように、本実施の形態によれば、溶け落ちの防止と気孔欠陥の抑制とを両立することが可能となる。
(実施の形態2)
本実施の形態について、図3を用いて説明する。図3は、交流TIG溶接機の溶接電流波形の一例を示す図である。本実施の形態において、実施の形態1と同様の箇所については、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
本実施の形態について、図3を用いて説明する。図3は、交流TIG溶接機の溶接電流波形の一例を示す図である。本実施の形態において、実施の形態1と同様の箇所については、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
実施の形態1と異なるのは、EN電流開始時から電流増加量単位時間当たりの電流の増加量である電流の増加傾きが緩やかに増加し、その後のある期間では増加傾きが一定となり、その後は増加傾きが緩やかに減少してピーク電流に到達するようにした点である。すなわち、増加傾きが一定となる期間を設けた点である。また、EP電流開始時から電流増加量単位時間当たりの電流の増加量である電流の増加傾きが緩やかに増加し、その後のある期間では増加傾きが一定となり、その後は増加傾きが緩やかに減少してピーク電流に到達するようにした点である。すなわち、増加傾きが一定となる期間を設けた点である。
このようにすることで、波形の形状の自由度を高めることができる。
なお、このような波形は、EP期間電流指令値記憶部11とEN期間電流指令値記憶部12に記憶しておく。
また、EP期間からEN期間に転流した時点からピーク電流値の時点までの立ち上がり時と、ピーク電流値の時点からEN期間からEP期間に転流した時点までの立ち下がり時とで、ピーク電流の時点を境として、溶接電流が対称となるように制御するようにしてもよい。そして、EN期間からEP期間に転流した時点からピーク電流値の時点までの立ち上がり時と、ピーク電流値の時点からEP期間からEN期間に転流した時点までの立ち下がり時とで、ピーク電流の時点を境として、溶接電流が対称となるように制御するようにしてもよい。このように溶接電流の波形を対称にすることで、対称にしない場合と比べて溶接を安定化することができる。
また、実施の形態1と同様に、EN期間のピーク電流IP(EN)とEP期間のピーク電流IP(EP)とで、大きさに差を設けることで、溶融池が揺動し易くなり、ブローホールなどの気孔欠陥を低減することができる。
また、実施の形態1と同様に、転流前後の溶接電流値I(EN1)、I(EN2)、I(EP1)、I(EP2)を絶対値がゼロよりも大きな値となるように制御することで、転流時のアーク切れを抑制することが可能となる。
本発明によれば、溶接部の溶け落ちや気孔欠陥を低減することができ、例えば非消耗電極式の交流溶接機を用いてアルミニウムの薄板を溶接する際のアーク溶接制御方法として産業上有用である。
1 3相交流入力端子
2 1次側整流部
3 平滑コンデンサ
4 1次トランジスタ部
5 溶接トランス
6 2次側整流部
7 リアクトル
8 タングステン電極
9 母材
10 極性切替部
11 EP期間電流指令値記憶部
12 EN期間電流指令値記憶部
13 2次トランジスタ部
14 溶接電流設定部
15 電流検出器
16 インバータ駆動回路
17 極性切替スイッチ
18 設定部
2 1次側整流部
3 平滑コンデンサ
4 1次トランジスタ部
5 溶接トランス
6 2次側整流部
7 リアクトル
8 タングステン電極
9 母材
10 極性切替部
11 EP期間電流指令値記憶部
12 EN期間電流指令値記憶部
13 2次トランジスタ部
14 溶接電流設定部
15 電流検出器
16 インバータ駆動回路
17 極性切替スイッチ
18 設定部
Claims (9)
- 非消耗電極の極性がマイナスであるEN期間と、前記非消耗電極の極性がプラスであるEP期間とを繰り返して、交流出力を行う非消耗電極式のアーク溶接制御方法であって、
前記EN期間において、前記EP期間から前記EN期間に転流した後の第1の時点の電流値からピーク電流値までの、単位時間当たりの電流の増加量である電流の増加傾きが、前記第1の時点からは時間の経過に伴って大きくなり、その後、前記ピーク電流値に向かって時間の経過に伴って小さくなるように溶接電流を制御するアーク溶接制御方法。 - 第1の時点の電流値からピーク電流値までの、単位時間当たりの電流の増加量である電流の増加傾きが、前記第1の時点から前記第1の時点の後の第2の時点までは時間の経過に伴って大きくなり、前記第2の時点から前記ピーク電流値となる時点までは時間の経過に伴って小さくなるように溶接電流を制御する請求項1記載のアーク溶接制御方法。
- 第1の時点の電流値からピーク電流値までの、単位時間当たりの電流の増加量である電流の増加傾きが、前記第1の時点から前記第1の時点の後の第2の時点までは時間の経過に伴って大きくなり、前記第2の時点から前記第2の時点の後の第3の時点までは一定であり、前記第3の時点から前記ピーク電流値となる時点までは時間の経過に伴って小さくなるように溶接電流を制御する請求項1記載のアーク溶接制御方法。
- EN期間において、ピーク電流値の時点からEN期間からEP期間に転流する時点までの溶接電流を、前記ピーク電流値の時点を中心として、前記EP期間から前記EN期間に転流した時点から前記ピーク電流値の時点までの溶接電流と対称となるように制御する請求項1から3のいずれか1項に記載のアーク溶接制御方法。
- 前記EP期間において、前記EN期間から前記EP期間に転流した後の第4の時点の電流値からピーク電流値までの、単位時間当たりの電流の増加量である電流の増加傾きが、前記第4の時点からは時間の経過に伴って大きくなり、その後、前記ピーク電流値に向かって時間の経過に伴って小さくなるように溶接電流を制御する請求項1から4のいずれか1項に記載のアーク溶接制御方法。
- EP期間において、ピーク電流値の時点からEP期間からEN期間に転流する時点までの溶接電流を、前記ピーク電流値の時点を中心として、前記EN期間から前記EP期間に転流した時点から前記ピーク電流値の時点までの溶接電流と対称となるように制御する請求項5記載のアーク溶接制御方法。
- EN期間のピーク電流値と、EP期間のピーク電流値とは、大きさが異なる請求項1から6のいずれか1項に記載のアーク溶接制御方法。
- EN期間のピーク電流値は、EP期間のピーク電流値よりも大きい請求項7記載のアーク溶接制御方法。
- EN期間からEP期間に転流する時点の前後の溶接電流値および/または前記EP期間から前記EN期間に転流する時点の前後の溶接電流値は、絶対値がゼロよりも大きい請求項1から8のいずれか1項に記載のアーク溶接制御方法。
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