JP2015018100A - El表示装置およびel表示装置の駆動方法 - Google Patents

El表示装置およびel表示装置の駆動方法 Download PDF

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博文 中川
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Abstract

【課題】パネルが大型化、高精細化されてもソースドライバICの発熱問題が発生せず、良好に画素に映像信号を書き込め、良好な画像表示を実現する。【解決手段】ソース信号線18と、ゲート信号線17aとゲート信号線17bを具備し、画素16は、駆動用トランジスタ11aと、スイッチ用トランジスタ11bと、スイッチ用トランジスタ11dとを有し、スイッチ用トランジスタ11bのゲート端子は、ゲート信号線17aに接続されており、第1の期間に、スイッチ用トランジスタ11bがオンし、スイッチ用トランジスタ11dがオンすることにより、第1の電圧がソース信号線18に供給され、第2の期間に、スイッチ用トランジスタ11bがオフし、ゲート信号線17bにスイッチ用トランジスタ11dがオンすることにより、映像信号が駆動用トランジスタ11aのゲート端子に印加される。【選択図】図3

Description

本開示は、有機エレクトロルミネッセンス(Organic Electro−Luminescence。以下、EL、またはOLEDと呼ぶことがある。)素子などを有する表示パネルの駆動方法、モニター画像、テレビ画像などを表示する映像表示方法および表示装置に関するものである。
特許文献1は、有機EL素子をマトリックス状に備えたアクティブマトリックス(Active−Matrix、以下、AMと略する場合がある)型有機EL表示装置のソースドライバICの駆動能力を補助するため、ソース信号線にプリチャージ用のトランジスタを配置する構成を開示する。これにより、回路構成や配線のレイアウトを複雑化させることなく、駆動TFTのしきい値電圧補償を実施すること、ならびに、クロストークによる駆動用トランジスタのゲート電位の変動を効果的に防止することができる。
また、特許文献2は、隣接したソース信号線間をスイッチで短絡することにより、チャージ(電荷)シェアを行い、ソースドライバIC(回路)14の駆動を補助する構成を開示する。これにより、電荷のチャージシェアリング駆動時に発生するEMI(Electro Magnetic Interference)を低減することができる。
したがって、ソースドライバIC(回路)に必要な駆動能力を高くすることができる。
特開2008−39893号公報 特開2010−164666号公報
本開示は、パネルが大型化、高精細化されてもソースドライバICの発熱問題が発生せず、良好に画素に映像信号を書き込め、良好な画像表示を実現できるEL表示装置及びEL表示装置の駆動方法を提供することを目的とする。
本開示の一態様に係るEL表示装置は、画素がマトリックス状に配置された表示画面を有するアクティブマトリックス型EL表示装置であって、ソースドライバ回路が出力する映像信号を伝達するソース信号線と、前記画素を選択する選択電圧、または前記画素を非選択にする非選択電圧を伝達する第1のゲート信号線と第2のゲート信号線を具備し、前記画素は、画素電極と、前記画素電極とカソード電極間に形成されたEL素子と、前記EL素子に電流を供給する駆動用トランジスタと、前記駆動用トランジスタのゲート端子に第1の電圧を印加する第1のスイッチ用トランジスタと、前記映像信号を前記駆動用トランジスタのゲート端子に印加する第2のスイッチ用トランジスタとを有し、前記第1のスイッチ用トランジスタのゲート端子は、前記第1のゲート信号線に接続されており、前記第2のスイッチ用トランジスタのゲート端子は、前記第2のゲート信号線に接続されており、第1の期間に、前記第1のゲート信号線に選択電圧が印加されて前記第1のスイッチ用トランジスタがオンし、前記第2のゲート信号線に選択電圧が印加されて前記第2のスイッチ用トランジスタがオンすることにより、前記第1の電圧が前記ソース信号線に供給され、第2の期間に、前記第1のゲート信号線に非選択電圧が印加されて前記第1のスイッチ用トランジスタがオフし、前記第2のゲート信号線に選択電圧が印加されて前記第2のスイッチ用トランジスタがオンすることにより、前記映像信号が前記駆動用トランジスタのゲート端子に印加される。
本開示によれば、パネルが大型化、高精細化されてもソースドライバICの発熱問題が発生せず、良好に画素に映像信号を書き込め、良好な画像表示を実現する。
本開示の実施の形態1に係るEL表示装置の表示画面説明図である。 本開示の実施の形態1に係るEL表示装置の画素構成の説明図である。 本開示の実施の形態1に係るEL表示装置の画素の動作の説明図である。 本開示の実施の形態1に係るEL表示装置の画素の動作の説明図である。 本開示の実施の形態1に係るEL表示装置の画素の動作の説明図である。 本開示の実施の形態1に係るEL表示装置の画素の動作の説明図である。 本開示の実施の形態1に係るEL表示装置の画素の動作の説明図である。 本開示の実施の形態1に係るEL表示装置のタイミングチャートである。 本開示の実施の形態1に係るEL表示装置のタイミングチャートである。 本開示の実施の形態1に係るEL表示装置のタイミングチャートである。 本開示の実施の形態1に係るEL表示装置のソース信号線の充電状態を示す図である。 本開示の実施の形態1の変形例に係るEL表示装置の駆動方法の説明図である。 本開示の実施の形態2に係るEL表示装置の駆動方法の説明図である。 本開示の実施の形態2に係るEL表示装置のタイミングチャートである。 本開示の実施の形態3に係るEL表示装置の構成図である。 本開示の実施の形態3に係るEL表示装置の画素の動作の説明図である。 本開示の実施の形態3に係るEL表示装置の画素の動作の説明図である。 本開示の実施の形態3に係るEL表示装置の画素の動作の説明図である。 本開示の実施の形態3に係るEL表示装置の画素の動作の説明図である。 本開示のEL表示装置を採用したディスプレイである。 本発明のEL表示装置を採用したデジタルカメラである。 本開示のEL表示装置を採用したノート型パーソナルコンピュータである。
以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、発明者らは、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するものであって、これらによって請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
(本開示の基礎となった知見)
以下、本開示の詳細を説明する前に、本開示の基礎となった知見について説明する。
有機EL素子をマトリックス状に備えたアクティブマトリックス(Active−Matrix、以下、AMと略する場合がある)型有機EL表示装置がスマートフォンなどの表示パネルに採用され、商品化されている。EL素子は、アノード電極およびカソード電極間にEL層が形成されている。EL素子は、アノード、カソード電極(端子)に供給された電流あるいは電圧により発光する。
有機EL表示パネル(OLED)を、大型化することにより、動画表示性能、色再現性がよく、高画質のモニターテレビ、映像表示テレビを構成することができる。
表示パネルが大型になるにつれ、ソース信号線18の負荷容量、配線抵抗が大きくなる。そのため、ソースドライバIC(回路)14に必要な駆動能力を高くする必要がある。
例えば、特許文献1では、ソースドライバICの駆動能力を補助するため、ソース信号線にプリチャージ用のトランジスタを配置する構成が開示されている(特許文献1参照)。
また、隣接したソース信号線間をスイッチで短絡することにより、チャージ(電荷)シェアを行い、ソースドライバIC(回路)14の駆動を補助する構成が開示されている(特許文献2参照)。
有機EL表示パネル(OLED)を、大型化することにより、動画表示性能、色再現性がよく、高画質のモニターテレビ、映像表示テレビを構成することができる。
しかし、EL表示パネルが大型化、高精細化されると、パネルの信号線の負荷容量が大きくなる。また、1画素行を選択する期間(画素行への映像書き込み時間)が短くなる。そのため、ソースドライバICの駆動負荷が大きくなり、ソースドライバICが発熱し、ソースドライバICが焼損したり、ドライバICが発熱したりすることにより、表示領域のEL素子が劣化するという課題があった。
以下、パネルが大型化、高精細化されてもソースドライバICの発熱問題が発生せず、良好に画素に映像信号を書き込め、良好な画像表示を実現できるEL表示装置及びEL表示装置の駆動方法について説明する。
(実施の形態1)
以下、図1〜図11を用いて、実施の形態1に係るEL表示装置について説明する。
[1−1.EL表示装置の構成]
本開示において、各図面は理解を容易にするために、また、作図を容易にするために、省略、拡大あるいは縮小した箇所がある。
本開示の実施の形態に図示あるいは明細書で説明した事項あるいは内容は、他の実施の形態においても適用される。また、本開示の実施の形態で説明あるいは図示したEL表示パネルの構成などは、本開示のEL表示装置に採用できる。たとえば、図22のノート型パーソナルコンピュータのEL表示装置201として、本開示の実施の形態で図示した、あるいは説明したEL表示装置(EL表示パネル)を採用できる。また、情報機器を構成することができることは言うまでもない。
同一番号または、記号等を付した箇所は、同一もしくは類似の形態もしくは材料あるいは機能もしくは動作、あるいは関連する事項、作用などを有する。なお、異なる場合もある。
各図面等で説明した内容は特に断りがなくとも、他の実施の形態等と組み合わせることができる。たとえば、図1の本開示のEL表示パネルにタッチパネルなどを付加し、図20、図21、図22に図示する情報表示装置などを構成することができる。
本開示のEL表示装置とは、情報機器などのシステム機器を含む概念である。EL表示パネルの概念は、広義には情報機器などのシステム機器を含む。
図1は、本開示のEL表示装置の構成図であり、図2はEL表示装置の画素構成の説明図である。
図1において、表示画面(表示領域)20には、画素16がマトリックス状に配置されている。各画素には4本のゲート信号線17(17a、17b、17c、17d)が接続されている。
なお、ゲート信号線17aはゲート信号線GSと表現することがあり、ゲート信号線17bはゲート信号線GEと表現することがある。また、ゲート信号線17cはゲート信号線GRと表現することがあり、ゲート信号線17dはゲート信号線GIと表現することがある。
ゲート信号線17a及び17bは、それぞれゲートドライバIC(回路)12a及び12bの両方に接続されている(両側駆動)。1つのゲート信号線17a及び17bには、各ゲート信号線17a及び17bの両側に接続されたゲートドライバIC(回路)12a及び12bにより同一の電圧が印加される。なお、ゲート信号線17a及び17bは、それぞれ本実施の形態に係る第1のゲート信号線及び第2のゲート信号線に相当する。
ゲート信号線17c及び17dは、ゲートドライバIC(回路)12aのみに接続されている(片側駆動)。1つのゲート信号線17c及び17dには、各ゲート信号線17c及び17dの片側に接続されたゲートドライバIC(回路)12aにより電圧が印加される。
スイッチ用トランジスタ11b及び11dのゲートは、それぞれゲート信号線17a及び17bに接続されている。スイッチ用トランジスタ11b及び11dは、高速動作が必要であるため、両側駆動を実施することより高速にゲート信号線17a及び17bに電圧(オン電圧、オフ電圧)を印加し、電位変化を行うことができる。したがって、見かけ上、ゲート信号線17a及び17bの時定数を短くできる。スイッチ用トランジスタ11bのゲート端子が接続されたゲート信号線17a、スイッチ用トランジスタ11dのゲート端子が接続されたゲート信号線17bを、ゲートドライバIC(回路)12a及び12bで両側駆動する。なお、スイッチ用トランジスタ11b及び11dは、それぞれ本実施の形態に係る第1のスイッチ用トランジスタ及び第2のスイッチ用トランジスタに相当する。
スイッチ用トランジスタ11e及び11cは、あまり高速動作を必要としない。したがって、片側駆動で十分である。スイッチ用トランジスタ11eのゲート端子が接続されたゲート信号線17c、スイッチ用トランジスタ11cのゲート端子が接続されたゲート信号線17dは、ゲートドライバIC(回路)12aで駆動する。
ソースドライバIC(回路)14は、映像信号を発生し、ソースドライバIC(回路)14の内部に形成された出力回路21から、映像信号をソース信号線18に印加する。ソース信号線18に印加された映像信号は、各画素16のスイッチ用トランジスタ11bにより、画素16に書き込まれる。
なお、本開示では、駆動用トランジスタ11aおよびスイッチ用トランジスタ11b、11c、11d、11eは、薄膜トランジスタとして説明するが、これに限定するものではない。薄膜ダイオード(TFD)、リングダイオードなどでも構成することができる。
トランジスタ11(駆動用トランジスタ11a、スイッチ用トランジスタ11b、11c、11d、11e)は、薄膜素子に限定するものではなく、シリコンウエハに形成したトランジスタでもよい。たとえば、シリコンウエハでトランジスタを構成し、剥がしてガラス基板に転写したものが例示される。また、シリコンウエハでトランジスタチップ(ドライバ回路など)を形成し、ガラス基板のボンディング実装した表示パネルが例示される。
トランジスタ11(駆動用トランジスタ11a、スイッチ用トランジスタ11b、11c、11d、11e)は、もちろん、FET、MOS−FET、MOSトランジスタ、バイポーラトランジスタ、MISでもよい。これらも基本的に薄膜トランジスタである。その他、バリスタ、サイリスタ、リングダイオード、ホトダオード、ホトトランジスタ、PLZT素子などでもよいことは言うまでもない。
本開示のトランジスタ11(駆動用トランジスタ11a、スイッチ用トランジスタ11b、11c、11d、11e)は、Nチャンネル、Pチャンネルのトランジスタとも、LDD(Lightly Doped Drain)構造を採用することが好ましい。
トランジスタ11(駆動用トランジスタ11a、スイッチ用トランジスタ11b、11c、11d、11e)は、高温ポリシリコン(HTPS:High−temperature polycrystalline silicon)、低温ポリシリコン(LTPS:Low−temperature poly silicon)、連続粒界シリコン(CGS:Continuous grain silicon)、透明アモルファス酸化物半導体(TAOS:Transparent Amorphous Oxide Semiconductors、IZO)、アモルファスシリコン(AS:amorphous silicon)、赤外線RTA(RTA:rapid thermal annealing)で形成したもののうち、いずれでもよい。
図2では、画素16を構成するすべてのトランジスタ11(駆動用トランジスタ11a、スイッチ用トランジスタ11b、11c、11d、11e)はNチャンネルで構成している。しかし、本開示は、画素のトランジスタ(駆動用トランジスタ11a、スイッチ用トランジスタ11b、11c、11d、11e)をNチャンネルで構成することのみに限定するものではない。Pチャンネルのトランジスタのみで構成してもよい。また、NチャンネルとPチャンネルの両方を用いて画素回路を構成あるいは形成してもよい。また、駆動用トランジスタ11aをPチャンネルトランジスタとNチャンネルトランジスタの両方を用いて構成あるいは形成してもよい。
トランジスタ11(駆動用トランジスタ11a、スイッチ用トランジスタ11b、11c、11d、11e)はトップゲート構造にすることが好ましい。トップゲート構造にすることにより寄生容量が低減する。また、トップゲートのゲート電極パターンが、遮光層となり、EL素子15から出射された光を遮光層で遮断し、トランジスタの誤動作、オフリーク電流を低減できるからである。また、LDD構造を採用することが好ましい。
また、各スイッチ用トランジスタ11(スイッチ用トランジスタ11b、11c、11d、11e)は、複数のトランジスタで形成してもよい。各スイッチ用トランジスタ11b、11c、11d、11eをダブルゲート、トリプルゲートなどのマルチゲート構成にする。マルチゲート構成にすることにより、オフリークが低減し、良好なコントラスト表示、オフセットキャンセル動作を実現できる。
ゲート信号線17a及び17bまたはソース信号線18、もしくはゲート信号線17a及び17bとソース信号線18の両方の配線材料として、銅配線または銅合金配線を採用できるプロセスを実施することが好ましい。信号線の配線抵抗を低減でき、より大型のEL表示パネルを実現できるからである。
ゲートドライバIC(回路)12a及び12bが駆動(制御)するゲート信号線17a及び17bは、低インピーダンス化することが好ましい。したがって、前記ゲート信号線17a及び17bの構成あるいは構造に関しても同様である。
トランジスタ11(駆動用トランジスタ11a、スイッチ用トランジスタ11b、11c、11d、11e)は、低温ポリシリコン(LTPS:Low−temperature poly silicon)を採用することが好ましい。低温ポリシリコンにおいて、トランジスタ(駆動用トランジスタ11a、スイッチ用トランジスタ11b、11c、11d、11e)はトップゲート構造であり、寄生容量が小さく、NチャンネルおよびPチャンネルトランジスタを作製でき、また、プロセスに銅配線または銅合金配線プロセスを用いることができる。なお、銅配線は、Ti−Cu−Tiの3層構造を採用することが好ましい。
配線は、透明アモルファス酸化物半導体(TAOS:Transparent Amorphous Oxide Semiconductors)の場合には、モリブデン(Mo)−Cu−Moの3層構造を採用することが好ましい。
本開示の一態様に係るEL表示装置は、マトリックス状にEL素子を有する表示画面20と、表示画面20の画素行ごとに配置されたゲート信号線17a及び17bと、表示画面20の画素列ごとに配置されたソース信号線18と、前記ゲート信号線17a及び17bを駆動するゲートドライバIC(回路)12a及び12bと、前記ソース信号線18を駆動するソースドライバIC(回路)14とを具備する。
ソースドライバIC(回路)14の内部には、スイッチSWn(nは1以上の整数)が形成または配置されている。スイッチSWnには、一例としてアナログスイッチが例示される。スイッチSWnは、ソースドライバIC(回路)14の各出力端子に対応して配置または形成されている。スイッチSWnをオープンにすることにより、ソース信号線18とソースドライバIC(回路)14の出力回路21とは、電気的に切り離される。
なお、スイッチSWnは、隣接したソース信号線18間にも形成または配置されている。このスイッチSWnをオンさせることにより、隣接したソース信号線18が短絡され、隣接したソース信号線18の電位が平均化される。ソースドライバIC(回路)14は、平均化された電位のソース信号線18に映像信号を印加するため、ソース信号線18に映像信号を書き込み易くなる。
なお、本開示において、ソースドライバIC(回路)14は、各端子あるいはブロックごとに映像信号の出力タイミングを設定できるマルチディレイ機能を有する。
図2の画素16において、Nチャンネルの駆動用トランジスタ11aのドレイン端子に、スイッチ用トランジスタ11dのソース端子が接続され、スイッチ用トランジスタ11dのドレイン端子にEL素子15のアノード端子が接続されている。アノード端子には、アノード電圧Vddが印加あるいは供給されている。
なお、トランジスタ11(駆動用トランジスタ11a、スイッチ用トランジスタ11b、11c、11d、11e)のチャンネル間は双方向であるため、ソース端子とドレイン端子の名称は、説明を容易にするためであり、ソース端子とドレイン端子は入れ替えてもよい。ソース端子とドレイン端子の名称は、便宜上あるいは説明を容易にするためであり、他のソース端子とドレイン端子は第1の端子、第2の端子などとしてもよい。トランジスタ11は、Nチャンネルトランジスタとして説明するが、Pチャンネルトランジスタに置き換えることも可能である。
EL素子15のカソード端子には、カソード電圧Vssが印加されている。駆動用トランジスタ11aのソース端子とEL素子のアノード電圧端子とが電気的に接続されている。スイッチ用トランジスタ11cのソース端子は、駆動用トランジスタ11aのソース端子と電気的に接続されている。また、スイッチ用トランジスタ11cのドレイン端子には、イニシャル電圧Viniが印加あるいは供給されている。
なお、電気的に接続とは、電圧の経路、電流の経路が形成されている状態あるいは形成される状態である。たとえば、第1のトランジスタと第2のトランジスタ間に、第3のトランジスタが配置されていても、第1のトランジスタと第2のトランジスタは電気的に接続されている。また、本明細書において、接続を電気的に接続の意味として使用する場合がある。
スイッチ用トランジスタ11bのソース端子は駆動用トランジスタ11aのゲート端子と接続されており、スイッチ用トランジスタ11bのドレイン端子は、ソース信号線18と接続されている。スイッチ用トランジスタ11eのソース端子は駆動用トランジスタ11aのゲート端子と接続されており、スイッチ用トランジスタ11eのドレイン端子には、リファレンス電圧Vrefが印加あるいは供給されている。
コンデンサ19aは、駆動用トランジスタ11aのゲート端子と駆動用トランジスタ11aのソース端子間に接続されている。
なお、図2などの実施の形態において、アノード電圧Vdd>リファレンス電圧Vref>カソード電圧Vss>イニシャル電圧Vini、なる関係にすることが好ましい。
具体的には、一例として、アノード電圧Vdd=8〜18(V)、リファレンス電圧Vref=1.5〜3(V)、カソード電圧Vss=0.5〜2.5(V)、イニシャル電圧Vini=0〜−3(V)である。
映像信号の最低電圧(最小階調での電圧)は、0.5〜1.0(V)であり、映像信号の最高電圧(最大階調での電圧)は、4〜7(V)である。
したがって、リファレンス電圧Vref=1.5〜3(V)は、映像信号の最低電圧V0(最小階調の電圧)以上、映像信号の最高電圧VM(最大階調の電圧)以下の電圧である。リファレンス電圧Vref=1.5〜3(V)は、映像信号の中間電圧である。なお、中間電圧とは、狭義には、中央部の電圧近傍であるが、広義には最低電圧より大きく、最高電圧より小さい電圧の範囲である。
なお、映像信号の最小階調の電圧V0と最大階調の電圧VMは、駆動用トランジスタ11aのチャンネル極性により電位が異なる。また、画素回路構成により電位が異なる。一例として、図18の画素構成の場合は、駆動用トランジスタがPチャンネルであり、映像信号の最小階調の電圧値V0>最大階調の電圧値VMなる関係がある。図2の画素構成の場合は、駆動用トランジスタがNチャンネルであり、映像信号の最小階調の電圧値V0<最大階調の電圧値VMなる関係がある。リファレンス電圧Vrefは、映像信号の最小階調の電圧値V0と、最大階調の電圧値VMの範囲の電圧値である。特に、リファレンス電圧Vrefは、|((VM−V0)/4)|<Vref<|3(VM−V0)/4|の関係を満足させることが好ましい。
スイッチ用トランジスタ11dは、駆動用トランジスタ11aのソース端子とEL素子15のアノード端子間に配置または形成してもよい。
スイッチ用トランジスタ11dのゲート端子は、ゲート信号線17b(ゲート信号線GE)に接続されている。スイッチ用トランジスタ11eのゲート端子は、ゲート信号線17c(ゲート信号線GR)に接続されている。
スイッチ用トランジスタ11bのゲート端子は、ゲート信号線17a(ゲート信号線GS)に接続されている。スイッチ用トランジスタ11cのゲート端子は、ゲート信号線17d(ゲート信号線GI)に接続されている。
ゲート信号線17a及び17bにオン電圧を印加することにより、各ゲート信号線17a及び17bに接続されたスイッチ用トランジスタ11d及び11bがオン状態となる。ゲート信号線17a及び17bにオフ電圧を印加することにより、各ゲート信号線17a及び17bに接続されたスイッチ用トランジスタ11d及び11bがオフ状態となる。
ゲート信号線17b(GE)にオン電圧が印加されると、スイッチ用トランジスタ11dがオンし、駆動用トランジスタ11aからの発光電流がEL素子15に供給される。EL素子15は、発光電流の大きさに基づき、発光する。発光電流の大きさは、ソース信号線18に印加された映像信号を、スイッチ用トランジスタ11bで画素16に印加することにより決定する。
駆動用トランジスタ11aのゲート端子には、コンデンサ19aの1端子が接続され、コンデンサ19aの他の端子は、駆動用トランジスタ11aのソース端子と接続されている。スイッチ用トランジスタ11bのドレイン端子は、ソース信号線18と接続されている。ソースドライバIC(回路)14は、ソース信号線18に映像信号を印加する。
ゲート信号線17a及び17bは、表示画面20の左右に配置されたゲートドライバIC(回路)12a及び12bに接続されている。また、ゲート信号線17c及び17dは、表示画面20の左に配置されたゲートドライバIC(回路)12aに接続されている。
ゲートドライバIC(回路)12bは、画素の選択電圧(オン電圧Von)をゲート信号線17bに印加する。ゲート信号線17bのオン電圧が印加されると、スイッチ用トランジスタ11bがオンして、ソース信号線18に印加された映像信号が、画素16に印加される。
EL表示パネルには、EL素子15を有する画素16がマトリックス状に形成された表示画面20が形成されている。
図1に図示するように、ゲート信号線17a及び17bの両端には、ゲートドライバIC(回路)12a及び12bが接続されている。ゲート信号線17c及び17dの片側には、ゲートドライバIC(回路)12aが接続されている。ゲートドライバIC(回路)12a及び12bは、COF(Chip On Film)(図示せず)に実装されている。
各画素16には、ソース信号線18が接続されている。ソース信号線18の一端には、ソースドライバIC(回路)14が接続されている。ソースドライバIC(回路)14は、COF(Chip On Film)(図示せず)に実装されている。
ソースドライバIC(回路)14は、映像信号を出力し、映像信号は、ソース信号線18に供給あるいは印加される。
COFに実装されたドライバICの表面に放熱板を配置または形成し、ドライバIC(12、14)からの放熱を行っている。また、COFの裏面に放熱シート、放熱板を配置または形成し、ドライバICが発生する熱を放熱している。
本開示のEL表示装置では、画素16の位置に対応して、赤(R)、緑(G)、青(B)で構成されるカラーフィルター33(33R、33G、33B)が形成されている。なお、カラーフィルターは、RGBに限定されものではない、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)色の画素を形成してもよい。
画素16は、RGBの3画素、RGBWの4画素で正方形の形状となるように作製されている。したがって、R、G、B、Wの各画素16は縦長の画素形状となる。したがって、レーザー照射スポットを縦長にしてアニールすることにより、1画素内ではトランジスタ11の特性バラツキが発生しないようにすることができる。
なお、R、G、B、Wの画素開口率あるいは画素電極面積は、異ならせてもよい。開口率または画素電極面積を異ならせることにより、各RGBのEL素子15に流れる電流密度を異ならせることができる。電流密度を異ならせることにより、R、G、B画素のEL素子15の劣化速度を同一にすることができる。劣化速度を同一にすれば、EL表示装置のホワイトバランスずれが発生しない。
必要に応じて、白(W)の画素を形成する。画素は、R、G、B、Wから構成される。R、G、B、Wに構成することにより、高輝度化が可能となる。また、R、G、B、Gとする構成も例示される。
本開示は、RGBの3原色に加えて、W(白)の画素16を有している。画素16においてWを形成または配置することにより、色ピーク輝度を良好に実現できる。また、高輝度表示を実現できる。白(W)の画素にはカラーフィルターは形成または配置されていない。白(W)の画素には、カラーフィルターを形成しないため、カラーフィルターによる減光がなく、高輝度表示を実現できる。
EL表示装置のカラー化は、マスク蒸着により行うが、本開示はこれに限定するものではない。たとえば、青色発光のEL層を形成し、発光する青色光を、R、G、Bの色変換層(CCM:カラーチェンジミディアムズ)でR、G、B光に変換してもよい。
ソース信号線18、ゲート信号線17a、17b、17c、17d上にアノード端子(電極)40あるいはカソード端子(電極)を配置または形成することにより、ソース信号線18、ゲート信号線17a、17b、17c、17dからの電界が、アノード端子(電極)40あるいはカソード端子(電極)で遮蔽される。遮蔽により画像表示へのノイズを低減させることができる。
ソース信号線18、ゲート信号線17a、17b、17c、17dに絶縁膜あるいはアクリル材料で構成される絶縁膜(平坦化膜)34を形成して絶縁し、絶縁膜34上に画素電極40を形成する。
このようにゲート信号線17a、17b、17c、17d等上の少なくとも一部に画素電極40を重ねる構成をハイアパーチャ(HA)構造と呼ぶ。不要な干渉光などが低減し、良好な発光状態を実現できる。
画素16の画素電極は、ITO、IGZO(インジウム(Indium)、ガリウム(Gallium)、亜鉛(Zinc)、酸素(Oxygen))、IZO、透明アモルファス酸化物半導体(TAOS)などで構成される透明電極を用いることができる。
なお、EL表示装置の光出射面には、円偏光板(円偏光フィルム)(図示せず)を配置している。偏光板と位相フィルムを一体したものは円偏光板(円偏光フィルム)と呼ばれる。
映像信号Vsigを画素16に印加するスイッチ用トランジスタ11bを駆動するゲート信号線17a、スイッチ用トランジスタ11dを制御するゲート信号線17bは、ゲートドライバIC(回路)12aとゲートドライバIC(回路)12bとが接続されている。一例として、ゲートドライバIC(回路)12aは、表示画面20の左側に配置され、ゲートドライバIC(回路)12bは、表示画面20の右側に配置される。
ゲート信号線17aに、2つのゲートドライバIC(回路)12a及び12bが配置されているのは、以下の理由による。
ゲート信号線17aは、スイッチ用トランジスタ11bに接続されている。スイッチ用トランジスタ11bは、映像信号を画素16に書き込むトランジスタであり、スイッチ用トランジスタ11bを高速のオンオフ(高スルーレート動作)をさせる必要がある。ゲート信号線17aは、2つのゲートドライバIC(回路)12a及び12bで駆動することにより、高スルーレートの動作を実現できる。
ゲート信号線17bは、スイッチ用トランジスタ11dに接続されている。スイッチ用トランジスタ11dは、駆動用トランジスタ11aのオフセットキャンセル動作を実施するトランジスタであり、スイッチ用トランジスタ11dを高速にオンオフ動作(高スルーレート動作)をさせる必要がある。ゲート信号線17a、17bは、2つのゲートドライバIC(回路)12a及び12bで駆動することにより、高スルーレート動作を実現できる。
ゲート信号線17a及び17bを、2つのゲートドライバIC(回路)12a及び12bで駆動することにより、表示画面20の左右、中央での輝度傾斜などがなくなり、良好な画像表示を実現できる。また、ゲート信号線17a及び17bの負荷容量が大きくても、良好にドライブすることができる。
ゲート信号線17c及び17dは、1つのゲートドライバIC(回路)12aが接続されている。ゲート信号線17cには、スイッチ用トランジスタ11eが接続されている。スイッチ用トランジスタ11eは、リファレンス電圧Vrefを駆動用トランジスタ11aに印加する機能を有する。リファレンス電圧Vrefを印加するオンオフする動作は、低スルーレートで十分である。ゲート信号線17dには、スイッチ用トランジスタ11cが接続されている。スイッチ用トランジスタ11cは、イニシャル電圧Viniを駆動用トランジスタ11aのソース端子に印加する機能を有する。イニシャル電圧Viniを印加するオンオフする動作は、低スルーレートで十分である。
したがって、ゲート信号線17c及び17dは、1つのゲートドライバIC(回路)12aで駆動しても、実用上、十分な性能を得ることができる。
[1−2.EL表示装置の動作]
図3〜図7は、本実施の形態に係るEL表示装置の画素の動作の説明図である。
(非発光期間)
スイッチ用トランジスタ11dがオン状態のとき、EL素子15にアノード電圧Vddから供給され、EL素子15が発光状態にある(発光期間)。アノード電圧Vddから駆動用トランジスタ11aを通してEL素子15に駆動電流(ドレイン−ソース間電流)Idが供給されるため、EL素子15が駆動電流Idに応じた輝度で発光する。スイッチ用トランジスタ11dがオフ状態のとき、EL素子15に供給する電流が遮断されて、EL素子15は非発光状態となる。
図3に図示するように、スイッチ用トランジスタ11dがオフ状態にすることにより、EL素子15に流れる電流が遮断され、EL素子15の発光が停止する(非発光)。
画素動作のタイミングチャートを図8に示す。図8のタイミングチャートでは、各トランジスタ11(駆動用トランジスタ11a、スイッチ用トランジスタ11b、11c、11d、11e)のオンオフ状態(ON、OFF)で図示している。電位レベルがONの時、トランジスタ11(駆動用トランジスタ11a、スイッチ用トランジスタ11b、11c、11d、11e)が動作(オン)となる。電位レベルがOFFの時、トランジスタ11(駆動用トランジスタ11a、スイッチ用トランジスタ11b、11c、11d、11e)が非動作(オフ)となる。
図8のタイミングチャートで、図3の動作あるいはタイミングは、時間b〜cが対応する。図4の動作あるいはタイミングは、時間c〜dが対応する。図5の動作あるいはタイミングは、時間d〜eが対応する。同様に、図6の動作あるいはタイミングは、時間e〜fが対応する。図7の動作あるいはタイミングは、時間f〜が対応する。なお、図8は、画素の動作を容易に理解するため、模式的に図示したものである。
画素16がオフセットキャンセル動作などを行っているときは、基本的には、ソースドライバIC(回路)14内のスイッチSWnは、オフ状態とする。ソースドライバIC(回路)14が映像信号をソース信号線18に出力する際は、スイッチSWnがオンする。
(ソース信号線18の充電期間)
図3は、ソース信号線18の充電期間の画素動作状態を示す。図3において、スイッチ用トランジスタ11eがオンし、スイッチ用トランジスタ11bがオンしている。スイッチ用トランジスタ11e及び11bがオンすることにより、リファレンス電圧Vrefから、ソース信号線18に電流経路が発生する。電流は、Vref端子(電極)→スイッチ用トランジスタ11e→スイッチ用トランジスタ11b→ソース信号線18に流れる。ソース信号線18には、寄生容量Ckなどがあり、電流はCkなどを充電し、ソース信号線18の電位は、リファレンス電圧Vrefあるいはその近傍の電位となる。
リファレンス電圧Vrefは、ソース信号線18が出力する映像信号の基準となる電圧である。したがって、映像信号の中間帯あるいはその近傍の電圧値である。つまり、一例として、映像信号の最低階調電圧以上、最高階調電圧以下の電圧である。
リファレンス電圧Vrefは、一例として1.5〜3(V)である。映像信号の最低電圧V0(最小階調での電圧)以上、映像信号の最高電圧VM(最大階調での電圧)以下の電圧である。リファレンス電圧Vref=1.5〜3(V)は、映像信号の中間電圧である。特に、リファレンス電圧Vrefは、|((VM−V0)/4)|<Vref<|3(VM−V0)/4|の関係を満足させることが好ましい。
図3において、スイッチ用トランジスタ11eと、スイッチ用トランジスタ11cがオンさせる。スイッチ用トランジスタ11cがオンすることにより、駆動用トランジスタ11aのソース端子にイニシャル電圧Viniが印加され、スイッチ用トランジスタ11eがオンすることにより、駆動用トランジスタ11aのゲート端子にリファレンス電圧Vrefが印加される。リファレンス電圧Vrefとイニシャル電圧Viniが印加されることにより、コンデンサCsの電位が所定の電位に保持される。
(オフセットキャンセル補正の準備期間)
図4は、オフセットキャンセル補正の準備期間の画素動作状態を示す。オフセットキャンセル補正の準備期間では、スイッチ用トランジスタ11eがオンし、リファレンス電圧Vrefが駆動用トランジスタ11aのゲート端子に印加される。スイッチ用トランジスタ11cがオンし、イニシャル電圧ViniがEL素子15のアノード端子に印加される。駆動用トランジスタ11aのゲート電位Vgがリファレンス電圧Vrefになる。また、駆動用トランジスタ11aのソース電位Vsは、リファレンス電圧Vrefよりも十分に低いイニシャル電圧Viniになる。なお、駆動用トランジスタ11aのゲート端子に印加されるリファレンス電圧Vrefは、本実施の形態における第1の電圧に相当する。
イニシャル電圧Viniについては、駆動用トランジスタ11aのゲート−ソース間電圧Vgsが、当該駆動用トランジスタ11aのオフセットキャンセル電圧Vthよりも大きくなるように設定しておくこととする。以上のように、駆動用トランジスタ11aのゲート電位Vgをリファレンス電圧Vref、ソース電位Vsを低電位Viniにそれぞれ初期化することで、オフセットキャンセル補正動作の準備が完了する。
(オフセットキャンセル補正期間)
次に、時刻dで、図5に示すように、ゲート信号線17b(GE)に選択電圧(オン電圧)が印加され、スイッチ用トランジスタ11dがオンすると、駆動用トランジスタ11aのドレイン端子にアノード電圧Vddが印加される。すると、駆動用トランジスタ11aのソース電位Vsが上昇を開始する。
やがて、駆動用トランジスタ11aのゲート−ソース間電圧Vgsが当該駆動用トランジスタ11aのオフセットキャンセル電圧Vthになり、当該オフセットキャンセル電圧Vthに相当する電圧がコンデンサ19aに書き込まれる。
便宜上、オフセットキャンセル電圧Vthに相当する電圧をコンデンサ19aに書き込む期間をオフセットキャンセル補正期間と呼んでいる。
オフセットキャンセル補正期間において、電流が専らコンデンサ19a側に流れ、EL素子15側には流れないようにするために、EL素子15がカットオフ状態となるようにカソード電極のカソード電圧Vssを設定しておく。したがって、Vss>Viniとしておく。たとえば、Vss=+2(V)であれば、Vini=−2(V)が例示される。
図6に図示するように、時刻eでスイッチ用トランジスタ11d、11e、11cをオフ状態にする。このとき、駆動用トランジスタ11aのゲートがフローティング状態になるが、ゲート−ソース間電圧Vgsが駆動用トランジスタ11aのオフセットキャンセル電圧Vthに等しいため、当該駆動用トランジスタ11aはカットオフ状態にある。したがって、ドレイン−ソース間電流Idは流れない。
(書き込み期間)
次に、図6に示すように、スイッチSWをオンさせ、ソース信号線18にソースドライバIC(回路)14から映像信号電圧Vsigが印加される。ゲート信号線17aに選択電圧が印加されることにより、スイッチ用トランジスタ11bが導通状態になって映像信号電圧Vsigが、画素16の駆動用トランジスタ11aのゲート端子に印加される。このとき、EL素子15はカットオフ状態(ハイインピーダンス状態)にあるために、コンデンサ(Celと呼ぶ)とみなすことができる。
駆動用トランジスタ11aのゲート端子に印加された映像信号電圧Vsigは、コンデンサCsとEL容量Celで分圧されて、駆動用トランジスタ11aのゲート−ソース端子間に印加される。コンデンサCsに比較してEL容量Celは、小さいため、映像信号電圧Vsigの多くが、駆動用トランジスタ11aのゲート−ソース端子間に印加される。
本実施の形態に置いて、EL素子15をEL容量Celとして利用するとしたが、これに限定するものではない。EL素子15に並列に、別途コンデンサを形成してもよいことは言うまでもない。
(発光期間)
次に、時刻t1で、図7に示すように、スイッチ用トランジスタ11dがオンすることにより、駆動用トランジスタ11aのドレイン端子にアノード電圧Vddが印加される。アノード電圧Vddの印加により、電流Idが流れ始める。電流Idに比例して、EL素子15が発光する。
以上のようにして、表示パネルの各画素16に対してオフセットキャンセル補正が実施され、各画素16が点灯、非点灯制御される。
図3などに図示して説明したように、リファレンス電圧Vrefをソース信号線18に印加することにより、ソース信号線18を予備充電することができる。ソースドライバIC(回路)14がソース信号線18に映像信号を書き込む際は、リファレンス電圧Vrefから差分した映像信号を書き込めばよい。リファレンス電圧Vrefが映像信号のいずれかの電位レベルであれば、ソースドライバIC(回路)14からソース信号線18に書き込む振幅電圧は小さくてすむ。
したがって、ソースドライバIC(回路)14が過熱することを抑制できる。また、ソースドライバIC(回路)14が発熱することにより、EL素子15などが劣化することもない。
図3では、ソース信号線18をリファレンス電圧Vrefで充電しているが、同時に図4に図示する「オフセットキャンセル補正の準備期間」を行っていることになる。したがって、「ソース信号線18の充電期間」は同時に、「オフセットキャンセル補正の準備期間」でもある。図3において、リファレンス電圧Vrefをソース信号線18に印加するとしたが、リファレンス電圧Vrefは、他の電圧であってもよい。たとえば、図3の「ソース信号線18の充電期間」に、トランジスタ11eのドレイン端子に、リファレンス電圧Vref以外の電圧を印加する構成が例示される。
リファレンス電圧Vrefは、映像信号の最低階調電圧をV0とし、最高階調電圧をVMとした時、((VM−V0)/4)<Vref<3(VM−V0)/4
の条件を満足するようにすることが好ましい。なお、リファレンス電圧Vrefは所定の電圧であり、ソース信号線18を充電(プリチャージ)する電圧と、オフセットキャンセル動作を実施する電圧とを変化させてもよいことは言うまでもない。
図8は、本開示の駆動方法のタイミングチャートである。b〜c期間は、スイッチ用トランジスタ(TFT)11c、スイッチ用トランジスタ(TFT)11e、スイッチ用トランジスタ(TFT)11bがオン状態であり、スイッチ用トランジスタ(TFT)11dがオフ状態となっている。
駆動用トランジスタ11aのゲート端子にリファレンス電圧Vrefが印加されるとともに、ソース信号線18にリファレンス電圧Vrefが供給される。駆動用トランジスタ11aのソース端子にイニシャル電圧Viniが印加され、駆動用トランジスタ11aのオフセットキャンセル動作が準備される。
c〜d期間は、スイッチ用トランジスタ(TFT)11c、スイッチ用トランジスタ(TFT)11eがオン状態であり、スイッチ用トランジスタ(TFT)11b、スイッチ用トランジスタ(TFT)11bがオフ状態となっている。駆動用トランジスタ11aのゲート端子にリファレンス電圧Vrefが印加されるとともに、駆動用トランジスタ11aのソース端子にイニシャル電圧Viniが印加され、駆動用トランジスタ11aのオフセットキャンセル動作が準備される。
d〜e期間は、スイッチ用トランジスタ(TFT)11e、スイッチ用トランジスタ(TFT)11dがオン状態であり、スイッチ用トランジスタ(TFT)11c、スイッチ用トランジスタ(TFT)11bがオフ状態となっている。
駆動用トランジスタ11aのゲート端子にリファレンス電圧Vrefが印加されるとともに、駆動用トランジスタ11aのドレイン端子にVdd電圧が印加され、駆動用トランジスタ11aがオフセットキャンセルされる。オフセットキャンセル電圧は、コンデンサCsに保持される。
e〜f期間は、スイッチ用トランジスタ(TFT)11bがオン状態であり、スイッチ用トランジスタ(TFT)11c、スイッチ用トランジスタ(TFT)11e、スイッチ用トランジスタ(TFT)11dがオフ状態となっている。
駆動用トランジスタ11aのゲート端子に映像信号Vsig電圧が印加されるとともに、駆動用トランジスタ11aのドレイン端子はフローティングとなっている。以上の動作で、画素に映像信号が印加される。
f〜i期間は、スイッチ用トランジスタ(TFT)11dがオン状態であり、スイッチ用トランジスタ(TFT)11c、スイッチ用トランジスタ(TFT)11e、スイッチ用トランジスタ(TFT)11bがオフ状態となっている。駆動用トランジスタ11aはゲート端子に印加された電圧に基づいて、駆動用トランジスタ11aは、EL素子15に発光電流を供給する。EL素子15は供給される発光電流に対応して発光する。
なお、スイッチ用トランジスタ11dをオンオフさせることにより、表示画面20に複数の黒帯表示を実施することができる。また、オンまたはオフする時間を変化させることにより、表示画面20の輝度(明るさ)を調整あるいは設定することができる。また、duty駆動を実現できる。
図11は、ソース信号線18の充電状態を模式的に図示したものである。縦軸は、ソース信号線電位(V)である。なお、AVDDはソースドライバIC(回路)14の映像信号回路の電源電圧である。図11の(a)は、リファレンス電圧Vrefによるソース信号線18の充電がない場合である。図11の(a)に示すように、時間a2から、ソースドライバIC(回路)14からソース信号線18に映像信号が印加されている。1H期間(a2〜a3)が経過しても、ソース信号線18の電位は、h電位であり、目標のm電位には到達しない。
図11の(b)は、リファレンス電圧Vrefによるソース信号線18の充電(プリチャージ)がある場合である。図11の(b)に示すように、リファレンス電圧Vrefによる予備充電は、時間a1から開始される。リファレンス電圧Vrefの印加により時間a2には電位kまでソース信号線18の電位は上昇する。時間a2から、ソースドライバIC(回路)14からソース信号線18に映像信号が印加される。
ソース信号線18への充電は、電位kからの充電で良い。少ない電位変化で目標電位のmまで到達する。したがって、1H期間(a2〜a3)が経過後、十分に、目標のm電位には到達する。
図9は、本開示のEL表示装置の駆動方法のタイミングチャートである。図9は、図8のタイミングチャートに追加して、SS信号、CS信号、OE信号が追加されている。
SS信号、CS信号は、ゲートドライバIC(回路)12a及び12b内に配置されたソフトレジスタの制御信号である。OE信号は、アウトプットイネーブル信号である。SS信号を入力するSS端子(図示せず)、CS信号を入力するCS端子(図示せず)、OE信号を入力するOE端子(図示せず)が、ゲートドライバIC(回路)12a及び12bに配置されている。SS端子、CS端子に印加するロジック信号により、シフトレジスタ(図示せず)を制御し、ゲート信号線17a、17b、17c、17dに印加するオン電圧、オフ電圧を制御する。各ゲート信号線17a、17b、17c、17dに接続されたスイッチ用トランジスタ11b、11c、11d、11eは、オン電圧またはオフ電圧によりオン/オフ状態が設定される。
SS信号、CS信号は、1H(1画素行選択期間)を単位として変化する信号である。SS信号、CS信号は、一例として、各スイッチ用トランジスタ11b、11c、11d、11eを選択するゲートドライバIC(回路)12a及び12b内のシフトレジスタと同一あるいは類似の構成により発生する信号である。SS信号、CS信号は、シフトレジスタ内のデータ位置に対応して、選択(H電位)、非選択(L電位)の画素行位置が、選択あるいは設定される。
画素行位置が選択される場合は、対応するゲート信号線にオン電圧が出力される。非選択の場合は、対応するゲート信号線にオフ電圧が出力される。
OE信号は、1H期間内において、選択あるいは非選択期間を指定する信号であるOE信号がオンする期間は、1Hより短い期間である。OE信号は、全画素行に同時に作用する。したがって、表示画面のすべての画素行にOE期間のH、Lレベルが反映される。
1H時間は、A期間とB期間に分離される。スイッチ用トランジスタ(TFT)11bのオンまたはオフ期間は、A期間またはB期間が対応する。CS信号およびOE信号がHレベルの時、スイッチ用トランジスタ11bのA期間がオン電圧期間となる。SS信号がHレベルで、OE信号がLレベルの時、スイッチ用トランジスタ11bのB期間がオン電圧期間となる。したがって、CS信号、SS信号、OE信号により、スイッチ用トランジスタ11bがA期間をオンとするか、B期間をオンとするかを指定する。
図9において、t2〜t3期間のA期間が、図3の期間に対応する。スイッチ用トランジスタ(TFT)11c、スイッチ用トランジスタ(TFT)11e、スイッチ用トランジスタ(TFT)11bがオン状態であり、スイッチ用トランジスタ(TFT)11dがオフ状態となっている。駆動用トランジスタ11aのゲート端子にリファレンス電圧Vrefが印加されるとともに、ソース信号線18にリファレンス電圧Vrefが供給される。駆動用トランジスタ11aのソース端子にイニシャル電圧Viniが印加され、駆動用トランジスタ11aのオフセットキャンセル動作が準備される。なお、t2〜t3期間のA期間は、本実施の形態に係る第1の期間に相当する。
図9において、t2〜t3期間のB期間とt3〜t5が、図4の期間に対応する。スイッチ用トランジスタ(TFT)11c、スイッチ用トランジスタ(TFT)11eがオン状態であり、スイッチ用トランジスタ(TFT)11b、スイッチ用トランジスタ(TFT)11bがオフ状態となっている。駆動用トランジスタ11aのゲート端子にリファレンス電圧Vrefが印加されるとともに、駆動用トランジスタ11aのソース端子にイニシャル電圧Viniが印加され、駆動用トランジスタ11aのオフセットキャンセル動作が準備される。オフセットキャンセル動作の準備期間を1H以上(図9では、2H+B)設定することにより、良好なオフセットキャンセル動作を実施できるようになる。
図9において、t5〜t7期間が、図5の期間に対応する。スイッチ用トランジスタ(TFT)11e、スイッチ用トランジスタ(TFT)11dがオン状態であり、スイッチ用トランジスタ(TFT)11c、スイッチ用トランジスタ(TFT)11bがオフ状態となっている。
駆動用トランジスタ11aのゲート端子にリファレンス電圧Vrefが印加されるとともに、駆動用トランジスタ11aのドレイン端子にVdd電圧が印加され、駆動用トランジスタ11aがオフセットキャンセルされる。オフセットキャンセル電圧は、コンデンサCsに保持される。オフセットキャンセル動作期間を1H以上(図9では、2H)設定することにより、良好なオフセットキャンセル動作を実施できる。
図9において、t7〜t8期間と、t8〜t9のA期間は、すべてのスイッチ用トランジスタをオフ状態に設定している。映像信号を書き込み期間前に、オフ期間(t7〜t8期間)を設けることにより、良好な映像信号書き込みを実現できる。
図9において、t8〜t9期間のB期間が、図6の期間に対応する。スイッチ用トランジスタ(TFT)11bがオン状態であり、スイッチ用トランジスタ(TFT)11c、スイッチ用トランジスタ(TFT)11e、スイッチ用トランジスタ(TFT)11dがオフ状態となっている。駆動用トランジスタ11aのゲート端子に映像信号Vsig電圧が印加されるとともに、駆動用トランジスタ11aのドレイン端子はフローティングとなっている。以上の動作で、画素16に映像信号が印加される。なお、t8〜t9期間のB期間は、本実施の形態に係る第2の期間に相当する。
図9のタイミングチャートで説明した本開示のEL表示装置の駆動方法では、A期間およびB期間の設定のために、SS信号、CS信号、OE信号を制御する方式であった。本開示は、図9の方式だけではなく、他の方式でもよい。たとえば、図10は、CS信号とOE信号でA期間とB期間とを設定するものである。
図10において、CS信号をHレベルで、OE信号がHレベルの時、OEのHレベル期間に対応するA期間に、スイッチ用トランジスタ(TFT)11bがオンとなる。CS信号をHレベルで、OE信号がLレベルの時、OEのLレベル期間に対応するB期間に、スイッチ用トランジスタ(TFT)11bがオンとなる。
以上のように、CS信号、OE信号の組み合わせで、スイッチ用トランジスタ(TFT)11bをオンオフ制御することができる。
[1−3.効果等]
以上のように、本開示の一態様に係るEL表示装置は、画素16に形成されたトランジスタを介して、ソース信号線18に所定の電圧を印加し、ソース信号線18を充電するものである。また、所定の電圧は、画素のトランジスタ11(駆動用トランジスタ11a、スイッチ用トランジスタ11b、11c、11d、11e1)などを補正あるいは機能調整などを行う際にも使用する。ソース信号線18を所定の電圧を印加して補助充電を行った後、ソースドライバIC(回路)14から各ソース信号線18に階調電圧を印加する。
また、本開示のEL表示装置は、画素16に印加する映像信号を出力するソースドライバIC(回路)14と、映像信号を伝達するソース信号線18と、ゲートドライバIC(回路)17a及び17bと、画素16を選択する選択電圧、または画素16を非選択にする非選択電圧にする電圧を伝達する第1のゲート信号線17aと第2のゲート信号線17bを具備する。
また、マトリックス上に配置された各画素16は、画素電極と、画素電極とカソード電極間に形成されたEL素子15と、EL素子15に電流を供給する駆動用トランジスタ11aと、駆動用トランジスタ11aのゲート端子に、所定の電圧を印加する第1のスイッチ用トランジスタ11dと、映像信号を駆動用トランジスタ11aのゲート端子に印加する第2のスイッチ用トランジスタ11bとを有する。
また、第1のスイッチ用トランジスタ11dのゲート端子は、第1のゲート信号線17aに接続されており、第2のスイッチ用トランジスタ11bの第1のゲート信号線17aに選択電圧が印加されて第1のスイッチ用トランジスタ11dがオンし、第2のゲート信号線17bに選択電圧が印加されて第2のスイッチ用トランジスタ11bがオンすることにより、所定の電圧がソース信号線18に供給される。
また、EL表示装置は、第2の期間に、第1のゲート信号線17aに非選択電圧が印加されて、第1のスイッチ用トランジスタ11dがオフし、第2のゲート信号線17bに選択電圧が印加されて、第2のスイッチ用トランジスタ11bがオンすることにより、映像信号が駆動用トランジスタ11aのゲート端子に印加されることを特徴とするものである。
この構成によれば、第1のスイッチ用トランジスタ11dと第2のスイッチ用トランジスタ11bをオンさせることにより、所定の電圧は、第1のスイッチ用トランジスタ11dおよび第2のスイッチ用トランジスタ11bのチャンネルを介して、ソース信号線18に第1の電圧が印加される。所定の電圧が映像信号の中間電位の場合、ソース信号線18は、映像信号の中間電位に充電される。そして、ソースドライバIC(回路)14から、ソース信号線18に映像信号が印加される。ソースドライバIC(回路)14は、ソース信号線18が保持されている中間電位と映像信号との差分の電圧を書き込む。したがって、ソースドライバIC(回路)14は、小さな駆動振幅で、映像信号をソース信号線に印加することができ、画素16に映像信号を印加できる。
これにより、本実施の形態に係るEL表示装置において、大型パネルでソース信号線の負荷(配線抵抗、負荷容量など)が大きくても、また、高精細パネルで1画素行の選択期間(書き込み時間)が短くとも、各画素16に良好に映像信号を書き込むことできる。また、ソース信号線18に印加する電圧振幅が小さいため、ソースドライバIC(回路)14の使用電力を小さくでき、ソースドライバIC(回路)14が過熱することがない。また、ソースドライバIC(回路)14などの発熱により、表示領域などのEL素子15などが劣化することもない。
(実施の形態1の変形例)
以下、図12を用いて、実施の形態1の変形例を説明する。
上記した実施の形態1では、リファレンス電圧Vrefをソース信号線18に印加する際は、ソースドライバIC(回路)14内のスイッチSWnをオフ状態(スイッチSWはハイインピーダンスあるいはオープン)にするとした。しかし、本開示はこれに限定するものではない。
たとえば、図12に図示するように、ソース信号線18にリファレンス電圧Vrefを印加し、ソース信号線を予備充電(プリチャージまたはディスチャージ)するとともに、ソースドライバIC(回路)14の出力回路21から映像信号などを出力してもよい。これにより、ソース信号線18はソースドライバIC(回路)14および画素16の両方から電流あるいは電荷が流れ込み充電される。したがって、EL表示装置において、高速にソース信号線18を中間電位に充電することができる。
なお、スイッチSWは、ソースドライバIC(回路)14から出力する映像信号の大きさ(電位、電圧、振幅値)に対応してオンオフ制御を行ってもよい。たとえば、リファレンス電圧Vrefに映像信号が近い場合は、オンさせる。また、先に1H期間にソース信号線18に充電されている電圧に対応して、スイッチSWをオンオフ制御してもよい。先の1H期間の映像信号レベルと次の映像信号レベルが近い場合は、SWをオフさせる。所定電圧以上、電位が離れている場合は、SWをオンさせる。同様に、スイッチ用トランジスタ11bをオンオフ制御してもよい。
(実施の形態2)
以下、図13および図14を用いて、実施の形態2を説明する。
図13は、本開示のEL表示装置の画素構成である。図2の画素構成との差異は、スイッチ用トランジスタ11fを追加した点、スイッチ用トランジスタ11fをオンオフ制御するゲート信号線17fを追加した点である。
図3の実施の形態では、ゲート信号線17c、17aにオン電圧を印加し、スイッチ用トランジスタ11e、11bをオンさせて、リファレンス電圧Vrefをソース信号線18に印加した。図13の構成では、ゲート信号線17fにオン電圧を印加し、スイッチ用トランジスタ11fをオンさせて、リファレンス電圧Vrefをスイッチ用トランジスタ11fを介してソース信号線18を充電する。この時、ゲート信号線17aにはオフ電圧が印加され、スイッチ用トランジスタ11bはオフ状態である。
なお、同時に、スイッチ用トランジスタ11e、11bをオンさせて、2つのトランジスタ(11f、11b)を介して、ソース信号線18を充電してもよい。
他の構成、動作、図3〜図8などと同様あるいは類似であるので説明を省略する。
図14は、図13の画素構成のタイミングチャートである。図14において、CSは図10と同様に制御信号である。GF(17f)は、ゲート信号線17fである。電位が高い(H)レベルが、オン電圧であり、低い(L)レベルがオフレベルである。
したがって、GF(17f)の電位が高い時に、スイッチ用トランジスタ11fがオンする。したがって、時間t2〜t3のA期間には、スイッチ用トランジスタ11bとスイッチ用トランジスタ11fがオンし、リファレンス電圧Vrefが2つのスイッチ用トランジスタ(11b、11f)を介して、ソース信号線18を充電する。
時間t2〜t3のB期間には、スイッチ用トランジスタ11fがオンし、リファレンス電圧Vrefがスイッチ用トランジスタ11fを介して、ソース信号線18を充電する。
他の構成、動作、図3〜図8などと同様あるいは類似であるので説明を省略する。
以上のように、本実施の形態に係るEL表示装置によると、ソース信号線18は、第1の電圧により中間電位に保持されている。ソースドライバIC(回路)14は、中間電位と映像信号の差分の電圧を書き込む。したがって、ソースドライバIC(回路)14は、小さな駆動振幅で、映像信号をソース信号線18に印加することができ、画素16に映像信号を印加できる。
また、上記方式などにより、大型パネルでソース信号線の負荷(配線抵抗、負荷容量など)が大きくても、また、高精細パネルで1画素行の選択期間(書き込み時間)が短くとも、各画素16に良好に映像信号を書き込むことできる。また、ソース信号線18に印加する電圧振幅が小さいため、ソースドライバIC(回路)14の使用電力を小さくでき、ソースドライバIC(回路)14が過熱することがない。また、ソースドライバIC(回路)14などの発熱により、表示領域などのEL素子15などが劣化することもない。
(実施の形態3)
以下、図15〜図17を用いて、実施の形態3を説明する。
以上の実施の形態は、表示画面20内に形成または配置された画素16のスイッチ用トランジスタ11bなどを介して、ソース信号線18を充電する構成あるいは方法であった。図15は、表示画面20外に、ソース信号線18を充電する画素16s(画素16s1及び16s2)を形成または配置した構成である。なお、画素16s(画素16s1及び16s2)は、本実施の形態に係る第1の画素に相当する。
図15に示すように、表示画面20の上辺にはプリチャージ画素行151aが配置または形成されている。また、表示画面20の下辺にはプリチャージ画素行151bが配置または形成されている。プリチャージ画素行151の画素16s(画素16s1及び16s2)の画素構成と、表示画面20の画素16とは同一の構成として説明する。
画素16s(画素16s1及び16s2)のそれぞれのスイッチ用トランジスタ11eは、それぞれゲート信号線17csに印加されたオンオフ電圧により、オンオフ制御される。画素16s(画素16s1及び16s2)のスイッチ用トランジスタ11bはゲート信号線17asに印加されたオンオフ電圧により、オンオフ制御される。
垂直走査期間の最初(表示画面20の第1番目画素行の選択前)の期間で、プリチャージ画素行151aが選択され、各ソース信号線18には、画素16s(画素16s1及び16s2)のそれぞれのスイッチ用トランジスタ11e、11bを介して、リファレンス電圧Vrefが印加され、所定の電圧にプリチャージされる。したがって、ソース信号線18の電位は、リファレンス電圧Vrefまたは近傍の電圧に充電されるため、表示画面20での映像信号の書き込みが容易になる。なお、スイッチ用トランジスタ11eは、本実施の形態に係る第3のスイッチ用トランジスタに相当する。
表示画面20内では、図17に図示するように、ソースドライバIC(回路)14の出力回路21から出力した映像信号を、画素16(画素16a1及び16a2)のスイッチ用トランジスタ11bを介して駆動用トランジスタ11aに印加する。
なお、表示画面20内においても、図3〜図8、図13などで説明した動作(駆動方式)を実施することにより、ソース信号線18を充電でき、良好な映像信号書き込みを実現できる。他の構成、動作は、以前に説明した内容と同様あるいは類似であるので説明を省略する。
また、画素16s(画素16s1及び16s2)と表示画面20内に形成された画素16(画素16a1、16a2、16b1及び16b2)とは、構成を異ならせてもよい。たとえば、画素16s(画素16s1及び16s2)と表示画面20とにおいて、リセット電圧Vrefを印加するスイッチ用トランジスタ11eのサイズを異ならせる構成が例示され、複数のトランジスタで構成される画素回路を異ならせる構成が例示される。
なお、図16の実施の形態において、表示画面20外の画素16s(画素16s1及び16s2)のスイッチ用トランジスタ11bを用いて、ソース信号線18を充電するとしたが、本開示はこれに限定するものではない。たとえば、1垂直走査期間ごとに、画素16s1を用いて、ソース信号線18を充電し、表示画面20内においても、画素16a(画素16a1及び16a2)、画素16b(画素16b1及び16b2)、・・・・・、を用いて、ソース信号線18を充電など行ってもよいことは言うまでもない。
図18は、本開示のEL表示装置の他の実施の形態における画素構成の説明図である。ゲート信号線17a(Ga)は、スイッチ用トランジスタ11eのゲート端子に接続され、スイッチ用トランジスタ11eをオンオフ制御する。
ゲート信号線17b(Gb)は、スイッチ用トランジスタ11bのゲート端子に接続され、スイッチ用トランジスタ11bをオンオフ制御する。ゲート信号線17c(Gc)は、スイッチ用トランジスタ11cのゲート端子に接続され、スイッチ用トランジスタ11cをオンオフ制御する。ゲート信号線17a(Gd)は、スイッチ用トランジスタ11dのゲート端子に接続され、スイッチ用トランジスタ11dをオンオフ制御する。
図18の画素構成では、ゲート信号線17a及び17bにゲートドライバIC(回路)12a及び12bが接続され、両側駆動が実施される。ゲート信号線17c及び17dには、ゲートドライバIC(回路)12aのみが接続され、片側駆動が実施される。
図18において、Pチャンネルの駆動用トランジスタ11aのドレイン端子に、スイッチ用トランジスタ11dのソース端子が接続され、スイッチ用トランジスタ11dのドレイン端子にEL素子15のアノード端子が接続されている。EL素子15のカソード端子には、カソード電圧Vssが印加されている。駆動用トランジスタ11aのソース端子には、アノード電圧Vddが印加されている。
ゲート信号線11dにオン電圧が印加されると、スイッチ用トランジスタ11dがオンし、駆動用トランジスタ11aからの発光電流がEL素子15に供給される。EL素子15は、発光電流の大きさに基づき発光する。
駆動用トランジスタ11aのゲート端子とドレイン端子間には、スイッチ用トランジスタ11bのソース端子とドレイン端子が接続され、ゲート信号線17bにオン電圧が印加されることにより、駆動用トランジスタ11aのゲート端子とドレイン端子間を短絡(接続)する。
駆動用トランジスタ11aのゲート端子には、コンデンサ19bの1端子が接続され、コンデンサの他の端子は、スイッチ用トランジスタ11cのドレイン端子と接続されている。スイッチ用トランジスタ11cのソース端子は、ソース信号線18と接続されている。
ゲート信号線17bのオン電圧が印加されると、スイッチ用トランジスタ11cがオンして、ソース信号線18に印加された映像信号(電圧、電流)Vsが、画素16に印加される。なお、本開示において映像信号は、映像信号電圧としているが、映像信号電流であってもよい。
コンデンサ19aの一端子は、スイッチ用トランジスタ11bのドレイン端子と接続され、他方の端子は、アノード電極と接続され、アノード電圧Vddが印加される。
なお、コンデンサ19aの他方の端子は、アノード電極と接続され、アノード電圧Vddが印加されているとしたが、これに限定するものではない。たとえば、他の任意の直流電圧と接続してもよい。
スイッチ用トランジスタ11dのソース端子は、アノード電極と接続され、アノード電圧Vddが印加されているとしたが、これに限定するものではない。たとえば、他の任意の直流電圧と接続してもよい。つまり、コンデンサ19aの他の端子と、駆動用トランジスタ11aのソース端子は、異なる電位の端子と接続してもよい。
一例として、駆動用トランジスタ11aのソース端子は、アノード電圧Vddが印加された電極または配線と接続し、スイッチ用トランジスタ11eの一方の端子を、直流電圧Vb=5(V)の電圧が印加された電極または配線と接続する構成が例示される。
スイッチ用トランジスタ11eのドレイン端子は、スイッチ用トランジスタ11bのドレイン端子と接続され、スイッチ用トランジスタ11eのソース端子は、リセット電圧Vaが印加された電極あるいは信号線と接続されている。ゲート信号線17aにオン電圧が印加されることにより、スイッチ用トランジスタ11eがオンし、リセット電圧Vaがコンデンサ19aに印加される。
スイッチ用トランジスタ11c、スイッチ用トランジスタ11eはPチャンネルにし、LDD構造を採用する。また、このスイッチ用トランジスタ11c及び11eは、少なくともダブルゲート(ディアルゲート)以上にする。このましくは、トリプルゲート以上にする。つまり、複数のトランジスタのゲートが直列に接続した構造を採用する。
LDD構造、マルチゲート(ディアルゲート、トリプルゲート、あるいはそれ以上のゲート数)を採用することにより、スイッチ用トランジスタ11c及び11eのオフ特性を良好にできる。スイッチ用トランジスタ11c、スイッチ用トランジスタ11eのオフ特性を良好にしないと、コンデンサ19aの電荷を良好に保持ができなくなる。
スイッチ用トランジスタ11c及び11e以外のトランジスタもPチャンネルを採用し、LDD構造を採用することが好ましい。また、必要に応じて、トランジスタはマルチゲート構造とする。トランジスタのマルチゲート(ディアルゲート以上)を用いることにより、また、LDD構造と組み合わせることにより、オフリークを抑制でき、良好なコントラスト、オフセットキャンセル動作を実現できる。また、良好な高輝度表示、画像表示を実現できる。たとえば、図18において、スイッチ用トランジスタ11e及び11cはディアルゲート構成としている。
図18の画素構成においても、スイッチ用トランジスタ11e及び11bをオンさせることにより、Va電圧をソース信号線18に印加することができる。図19に図示するように、スイッチSWをオンさせて、映像信号をスイッチ用トランジスタ11bを介して画素16に印加する。他の構成、動作、図3〜図8などと同様あるいは類似であるので説明を省略する。
したがって、本実施の形態に係るEL表示装置によると、大型パネルでソース信号線の負荷(配線抵抗、負荷容量など)が大きくても、また、高精細パネルで1画素行の選択期間(書き込み時間)が短くとも、各画素16に良好に映像信号を書き込むことできる。また、ソース信号線18に印加する電圧振幅が小さいため、ソースドライバIC(回路)14の使用電力を小さくでき、ソースドライバIC(回路)14が過熱することがない。したがって、ソースドライバIC(回路)14などの発熱によるEL素子15などの劣化を抑制することができる。
(他の実施の形態)
上記実施の形態の各々の図で述べた内容(一部でもよい)を様々な電子機器に適用することができる。具体的には、電子機器の表示画面に適用することができる。
そのような電子機器として、ビデオカメラ、デジタルカメラ、ゴーグル型ディスプレイ、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、オーディオコンポ等)、コンピュータ、ゲーム機器、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話、携帯型ゲーム機又は電子書籍等)、記録媒体を備えた画像再生装置(具体的にはDigital Versatile Disc(DVD)等の記録媒体を再生し、その画像を表示しうるディスプレイを備えた装置)などが挙げられる。
図20はディスプレイであり、筐体202、保持台203、本願発明のEL表示装置(EL表示パネル)201を含む。図20に示すディスプレイは、様々な情報(静止画、動画、テキスト画像など)を表示部に表示する機能を有する。なお、図20に示すディスプレイが有する機能はこれに限定されず、様々な機能を有することができる。
図21はカメラであり、シャッター211、ビューファインダ212、カーソル213を含む。図21に示すカメラは、静止画を撮影する機能を有する。動画を撮影する機能を有する。なお、図21示すカメラが有する機能はこれに限定されず、様々な機能を有することができる。
図22はコンピュータであり、キーボード221、タッチパッド222を含む。図22に示すコンピュータは、様々な情報(静止画、動画、テキスト画像など)を表示部に表示する機能を有する。なお、図22に示すコンピュータが有する機能はこれに限定されず、様々な機能を有することができる。
以上の実施の形態は、本開示の他の実施の形態にも適用できることは言うまでもない。また、他の実施の形態と組み合わせることができることも言うまでもない。
本実施の形態の表示部に上記実施の形態で説明したEL表示装置(EL表示パネル)もしくは駆動方式を用いて構成とすることで、上述の図20〜図22の情報機器などを高画質化することができ、また、低コスト化を実現できる。また、検査、調整を容易に実施することができる。
本実施の形態は他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することが可能である。
本開示の実施の形態に図示あるいは明細書で説明した事項あるいは内容は、他の実施の形態においても適用される。また、本開示の実施の形態で説明あるいは図示したEL表示パネルの構成などは、本開示のEL表示装置に採用できる。
たとえば、図22のノート型パーソナルコンピュータのEL表示装置201として、本開示の実施の形態で図示した、あるいは説明したEL表示装置(EL表示パネル)を採用できる。また、情報機器を構成することができることは言うまでもない。
また、同一番号または、記号等を付した箇所は、同一もしくは類似の形態もしくは材料あるいは機能もしくは動作、あるいは関連する事項、作用などを有する。なお、異なる場合もある。
また、各図面等で説明した内容は特に断りがなくとも、他の実施の形態等と組み合わせることができる。たとえば、図1の本開示のEL表示パネルにタッチパネルなどを付加し、図20、図21、図22に図示する情報表示装置などを構成することができる。
また、駆動用トランジスタ11aおよびスイッチ用トランジスタ11b、11c、11d、11eは、薄膜トランジスタとして説明するが、これに限定するものではない。薄膜ダイオード(TFD)、リングダイオードなどでも構成することができる。
トランジスタ11(駆動用トランジスタ11a、スイッチ用トランジスタ11b、11c、11d、11e)は、薄膜素子に限定するものではなく、シリコンウエハに形成したトランジスタでもよい。たとえば、シリコンウエハでトランジスタを構成し、剥がしてガラス基板に転写したものが例示される。また、シリコンウエハでトランジスタチップ(ドライバ回路など)を形成し、ガラス基板のボンディング実装した表示パネルが例示される。
トランジスタ11(駆動用トランジスタ11a、スイッチ用トランジスタ11b、11c、11d、11e)は、もちろん、FET、MOS−FET、MOSトランジスタ、バイポーラトランジスタ、MISでもよい。これらも基本的に薄膜トランジスタである。その他、バリスタ、サイリスタ、リングダイオード、ホトダオード、ホトトランジスタ、PLZT素子などでもよいことは言うまでもない。
本開示のトランジスタ11(駆動用トランジスタ11a、スイッチ用トランジスタ11b、11c、11d、11e)は、Nチャンネル、Pチャンネルのトランジスタとも、LDD(Lightly Doped Drain)構造を採用することが好ましい。
トランジスタ11(駆動用トランジスタ11a、スイッチ用トランジスタ11b、11c、11d、11e)は、高温ポリシリコン(HTPS:High−temperature polycrystalline silicon)、低温ポリシリコン(LTPS:Low−temperature poly silicon)、連続粒界シリコン(CGS:Continuous grain silicon)、透明アモルファス酸化物半導体(TAOS:Transparent Amorphous Oxide Semiconductors、IZO)、アモルファスシリコン(AS:amorphous silicon)、赤外線RTA(RTA:rapid thermal annealing)で形成したもののうち、いずれでもよい。
本開示は、画素16のトランジスタ11(駆動用トランジスタ11a、スイッチ用トランジスタ11b、11c、11d、11e)をNチャンネルで構成することのみに限定するものではない。Pチャンネルのトランジスタのみで構成してもよい。また、NチャンネルとPチャンネルの両方を用いて画素回路を構成あるいは形成してもよい。また、駆動用トランジスタ11aをPチャンネルトランジスタとNチャンネルトランジスタの両方を用いて構成あるいは形成してもよい。
トランジスタ11(駆動用トランジスタ11a、スイッチ用トランジスタ11b、11c、11d、11e)は、トップゲート構造にすることが好ましい。トップゲート構造にすることにより寄生容量が低減する。また、トップゲートのゲート電極パターンが、遮光層となり、EL素子15から出射された光を遮光層で遮断し、トランジスタの誤動作、オフリーク電流を低減できるからである。また、LDD構造を採用することが好ましい。
また、各スイッチ用トランジスタ11(スイッチ用トランジスタ11b、11c、11d、11e)は、複数のトランジスタで形成してもよい。各スイッチ用トランジスタ11(スイッチ用トランジスタ11b、11c、11d、11e)をダブルゲート、トリプルゲートなどのマルチゲート構成にする。マルチゲート構成にすることにより、オフリークが低減し、良好なコントラスト表示、オフセットキャンセル動作を実現できる。
ゲート信号線17a及び17bまたはソース信号線18、もしくはゲート信号線17a及び17bとソース信号線18の両方の配線材料として、銅配線または銅合金配線を採用できるプロセスを実施することが好ましい。信号線の配線抵抗を低減でき、より大型のEL表示パネルを実現できるからである。
ゲートドライバIC(回路)12a及び12bが駆動(制御)するゲート信号線17a及び17bは、低インピーダンス化することが好ましい。したがって、ゲート信号線17a及び17bの構成あるいは構造に関しても同様である。
トランジスタ11(駆動用トランジスタ11a、スイッチ用トランジスタ11b、11c、11d、11e)は、低温ポリシリコン(LTPS:Low−temperature poly silicon)を採用することが好ましい。低温ポリシリコンは、トランジスタはトップゲート構造であり寄生容量が小さく、NチャンネルおよびPチャンネルトランジスタを作製でき、また、プロセスに銅配線または銅合金配線プロセスを用いることができる。なお、銅配線は、Ti−Cu−Tiの3層構造を採用することが好ましい。
配線は、透明アモルファス酸化物半導体(TAOS:Transparent Amorphous Oxide Semiconductors)の場合には、モリブデン(Mo)−Cu−Moの3層構造を採用することが好ましい。
以上のように、本開示における技術の例示として、実施の形態を説明した。そのために、添付図面および詳細な説明を提供した。
したがって、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
また、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
本開示は、EL表示装置(EL表示パネル)およびその駆動方法に利用できる。具体的には、ビデオカメラ、デジタルカメラ、ゴーグル型ディスプレイ、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、オーディオコンポ等)、コンピュータ、ゲーム機器、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話、携帯型ゲーム機又は電子書籍等)、記録媒体を備えた画像再生装置(具体的にはDigital Versatile Disc(DVD)等の記録媒体を再生し、その画像を表示しうるディスプレイを備えた装置)などに利用することができる。
11a 駆動用トランジスタ(TFT)
11b スイッチ用トランジスタ(第1のスイッチ用トランジスタ)
11d スイッチ用トランジスタ(第2のスイッチ用トランジスタ)
12a、12b ゲートドライバIC(回路)
14 ソースドライバIC(回路)
15 EL素子
16 画素
17a ゲート信号線(第1のゲート信号線)
17b ゲート信号線(第2のゲート信号線)
18 ソース信号線
19a、19b コンデンサ
20 表示画面
21 出力回路
201 EL表示パネル(EL表示装置)
202 筐体
203 保持台
211 シャッター
212 ビューファインダ
213 カーソル
221 キーボード
222 タッチパッド

Claims (9)

  1. 画素がマトリックス状に配置された表示画面を有するアクティブマトリックス型EL表示装置であって、
    ソースドライバ回路が出力する映像信号を伝達するソース信号線と、
    前記画素を選択する選択電圧、または前記画素を非選択にする非選択電圧を伝達する第1のゲート信号線と第2のゲート信号線を具備し、
    前記画素は、
    画素電極と、
    前記画素電極とカソード電極間に形成されたEL素子と、
    前記EL素子に電流を供給する駆動用トランジスタと、
    前記駆動用トランジスタのゲート端子に第1の電圧を印加する第1のスイッチ用トランジスタと、
    前記映像信号を前記駆動用トランジスタのゲート端子に印加する第2のスイッチ用トランジスタとを有し、
    前記第1のスイッチ用トランジスタのゲート端子は、前記第1のゲート信号線に接続されており、
    前記第2のスイッチ用トランジスタのゲート端子は、前記第2のゲート信号線に接続されており、
    第1の期間に、前記第1のゲート信号線に選択電圧が印加されて前記第1のスイッチ用トランジスタがオンし、前記第2のゲート信号線に選択電圧が印加されて前記第2のスイッチ用トランジスタがオンすることにより、前記第1の電圧が前記ソース信号線に供給され、
    第2の期間に、前記第1のゲート信号線に非選択電圧が印加されて前記第1のスイッチ用トランジスタがオフし、前記第2のゲート信号線に選択電圧が印加されて前記第2のスイッチ用トランジスタがオンすることにより、前記映像信号が前記駆動用トランジスタのゲート端子に印加される
    EL表示装置。
  2. 前記駆動用トランジスタのゲート端子と他の端子間にコンデンサが接続され、前記駆動用トランジスタは、Nチャンネルトランジスタである
    請求項1記載のEL表示装置。
  3. 前記第1の電圧は、前記映像信号の最小階調の電圧値と、前記映像信号の最大階調の電圧値との範囲内の電圧値である
    請求項1記載のEL表示装置。
  4. 前記第1の期間に前記第1の電圧が前記ソース信号線に印加され、前記第1の期間後の前記第2の期間に、前記ソースドライバ回路が出力する前記映像信号が前記ソース信号線に印加される
    請求項1記載のEL表示装置。
  5. 前記映像信号の最大階調の電圧をVM、前記映像信号の最小階調の電圧をV0とした時、
    前記第1の電圧は、|((VM−V0)/4)|<Vref<|3(VM−V0)/4|なる関係があることを満足する
    請求項1記載のEL表示装置。
  6. 前記表示画面以外の領域に、第1の画素が配置され、
    前記第1の画素に前記第1の電圧を、前記ソース信号線に印加する第3のスイッチ用トランジスタが形成されている
    請求項1記載のEL表示装置。
  7. 画素がマトリックス状に配置された表示画面を有するアクティブマトリックス型EL表示装置の駆動方法であって、
    前記画素には、第1のスイッチ用トランジスタと、第2のスイッチ用トランジスタと、駆動用トランジスタとが配置され、
    前記第1のスイッチ用トランジスタの第1の端子に、前記第1の電圧が印加され、
    前記第2のスイッチ用トランジスタの第1の端子に、前記ソース信号線が接続され、
    前記第1のスイッチ用トランジスタの第2の端子と、前記第2のスイッチ用トランジスタの第2の端子とが電気的に接続され、
    第1の期間に、前記第1のスイッチ用トランジスタと前記第2のスイッチ用トランジスタがオンすることにより、前記第1の電圧が前記ソース信号線に供給され、
    第2の期間に、前記第1のスイッチ用トランジスタがオフし、前記第2のスイッチ用トランジスタがオンすることにより、映像信号が前記駆動用トランジスタに印加される
    EL表示装置の駆動方法。
  8. 前記第1の電圧は、前記映像信号の最小階調の電圧値と、前記映像信号の最大階調の電圧値との範囲内の電圧値である
    請求項7記載のEL表示装置の駆動方法。
  9. 前記映像信号の最大階調の電圧をVM、前記映像信号の最小階調の電圧をV0とした時、前記第1の電圧は、|((VM−V0)/4)|<Vref<|3(VM−V0)/4|なる関係があることを満足する
    請求項7記載のEL表示装置の駆動方法。
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