JP2010276734A - 表示装置、表示装置の駆動方法および電子機器 - Google Patents

表示装置、表示装置の駆動方法および電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】駆動トランジスタのキンク現象に起因する有機EL素子の駆動電流のばらつきを抑え、表示画像の画質を改善する。
【解決手段】画素の駆動トランジスタに電流を供給する電源供給線の電位(駆動トランジスタのドレイン電位Vd)として、3値の電位Vccp1,Vccp2,Viniを設定可能とする。そして、駆動トランジスタのドレイン電位Vdを閾値補正期間と発光期間とで異ならせる、具体的には、閾値補正期間で中間電位Vccp2に設定し、発光期間で高電位Vccp1に設定する。特に、発光期間で高電位Vccp1として電源電圧VDD1を供給するときに、当該電源電圧VDD1を2つの電源ノードN1,N2から2つのPチャネルMOSトランジスタ523,524を通して供給するようにする。
【選択図】図17

Description

本発明は、表示装置、表示装置の駆動方法および電子機器に関し、特に、画素が行列状(マトリクス状)に2次元配置された平面型(フラットパネル型)の表示装置、当該表示装置の駆動方法および当該表示装置を有する電子機器に関する。
近年、画像表示を行う表示装置の分野では、画素(画素回路)が行列状に配置されてなる平面型の表示装置が急速に普及している。平面型の表示装置の一つとして、デバイスに流れる電流値に応じて発光輝度が変化するいわゆる電流駆動型の電気光学素子を画素の発光素子として用いた表示装置がある。電流駆動型の電気光学素子としては、有機薄膜に電界をかけると発光する現象を利用した有機EL(Electro Luminescence)素子が知られている。
画素の電気光学素子として有機EL素子を用いた有機EL表示装置は次のような特長を持っている。すなわち、有機EL素子は、10V以下の印加電圧で駆動できるために低消費電力である。有機EL素子は、自発光素子であるために、画素ごとに液晶にて光源からの光強度を制御することによって画像を表示する液晶表示装置に比べて、画像の視認性が高く、しかもバックライト等の照明部材を必要としないために軽量化および薄型化が容易である。さらに、有機EL素子の応答速度が数μsec程度と非常に高速であるために動画表示時の残像が発生しない。
有機EL表示装置では、液晶表示装置と同様に、その駆動方式として単純(パッシブ)マトリクス方式とアクティブマトリクス方式とを採ることができる。ただし、単純マトリクス方式の表示装置は、構造が簡単であるものの、電気光学素子の発光期間が走査線(即ち、画素数)の増加によって減少するために、大型でかつ高精細な表示装置の実現が難しいなどの問題がある。
そのため、近年、電気光学素子に流れる電流を、当該電気光学素子と同じ画素内に設けた能動素子、例えば絶縁ゲート型電界効果トランジスタによって制御するアクティブマトリクス方式の表示装置の開発が盛んに行われている。絶縁ゲート型電界効果トランジスタとしては、一般には、TFT(Thin Film Transistor;薄膜トランジスタ)が用いられる。アクティブマトリクス方式の表示装置は、電気光学素子が1フレームの期間に亘って発光を持続するために、大型でかつ高精細な表示装置の実現が容易である。
ところで、一般的に、有機EL素子のI−V特性(電流−電圧特性)は、時間が経過すると劣化(いわゆる、経時劣化)することが知られている。有機EL素子を電流駆動するトランジスタ(以下、「駆動トランジスタ」と記述する)として特にNチャネル型のTFTを用いた画素回路では、有機EL素子のI−V特性が経時劣化すると、駆動トランジスタのゲート−ソース間電圧Vgsが変化する。その結果、有機EL素子の発光輝度が変化する。これは、駆動トランジスタのソース電極側に有機EL素子が接続されることに起因する。
このことについてより具体的に説明する。駆動トランジスタのソース電位は、駆動トランジスタと有機EL素子の動作点で決まる。そして、有機EL素子のI−V特性が劣化すると、駆動トランジスタと有機EL素子の動作点が変動してしまうために、駆動トランジスタのゲート電極に同じ電圧を印加したとしても駆動トランジスタのソース電位が変化する。これにより、駆動トランジスタのソース−ゲート間電圧Vgsが変化するために、駆動トランジスタに流れる電流値が変化する。その結果、有機EL素子に流れる電流値も変化するために、有機EL素子の発光輝度が変化することになる。
また、特にポリシリコンTFTを用いた画素回路では、有機EL素子のI−V特性の経時劣化に加えて、駆動トランジスタのトランジスタ特性が経時的に変化したり、製造プロセスのばらつきによってトランジスタ特性が画素ごとに異なったりする。すなわち、画素個々に駆動トランジスタのトランジスタ特性にばらつきがある。トランジスタ特性としては、駆動トランジスタの閾値電圧Vthや、駆動トランジスタのチャネルを構成する半導体薄膜の移動度μ(以下、単に「駆動トランジスタの移動度μ」と記述する)等が挙げられる。
駆動トランジスタのトランジスタ特性が画素ごとに異なると、画素ごとに駆動トランジスタに流れる電流値にばらつきが生じるために、駆動トランジスタのゲート電極に画素間で同じ電圧を印加しても、有機EL素子の発光輝度に画素間でばらつきが生じる。その結果、画面のユニフォーミティ(一様性)が損なわれる。
そこで、有機EL素子のI−V特性の経時劣化や、駆動トランジスタのトランジスタ特性の経時変化等の影響を受けることなく、有機EL素子の発光輝度を一定に維持するために、各種の補正(補償)機能を画素回路に持たせている(例えば、特許文献1参照)。
補正機能としては、有機EL素子の特性変動に対する補償機能、駆動トランジスタの閾値電圧Vthの変動に対する補正機能、駆動トランジスタの移動度μの変動に対する補正機能などが挙げられる。以下、駆動トランジスタの閾値電圧Vthの変動に対する補正を「閾値補正」と呼び、駆動トランジスタの移動度μの変動に対する補正を「移動度補正」と呼ぶこととする。
このように、画素回路の各々に、各種の補正機能を持たせることで、有機EL素子のI−V特性の経時劣化や、駆動トランジスタのトランジスタ特性の経時変化の影響を受けることなく、有機EL素子の発光輝度を一定に保つことができる。その結果、有機EL表示装置の表示品質を向上できる。
特開2006−133542号公報
一般的に、トランジスタは、図37に示すように、ドレイン電圧(ドレイン−ソース間電圧)Vdsがある電圧に到達するまでドレイン電流(ドレイン−ソース間電流)Idsが急激に上昇し、ある電圧を超えるとドレイン電流Idsが飽和する特性を持っている。ただし、ドレイン電流Idsは飽和後もドレイン電圧Vdsが高くなるにつれて一定の傾きを持って直線的に上昇する。図37に示すドレイン電圧−ドレイン電流(Vds−Ids)の特性は理想的な特性である。
実際には、図38に示すように、飽和領域において直線性が崩れる現象、具体的にはドレイン電流Idsが急激に上昇する、いわゆるキンク現象が起こる。キンク現象は、チャネルキャリアの衝突電離によって発生したキャリアの一部が浮遊基板に流れ込み、基板電位の変化とそれに伴う閾値電圧の低下により電流が増大する現象である。このキンク現象は、Vds−Ids特性の線形性の低下をもたらし、出力波形にひずみが生じる原因となる。キンク現象には、製造ばらつきによって発生状態にばらつきが生じる。
先述した駆動トランジスタは、飽和領域で動作するように設計されている。ここで、駆動トランジスタのドレイン−ソース間電圧Vdsに注目とする、閾値補正処理後のドレイン−ソース間電圧Vdsは大きく、有機EL素子の発光中のドレイン−ソース間電圧Vdsは小さくなる。このとき、キンク現象の大きさがばらついてしまうと、ドレイン−ソース間電圧Vdsの変動がキンク現象の領域を跨ぐ場合にそのばらつきの影響を受けてしまう(その詳細については後述する)。その結果、画素間においてドレイン−ソース間電流Ids、ひいては有機EL素子の駆動電流がばらついてしまうため、画素間で輝度差が発生して画質の悪化を招く。
そこで、本発明は、駆動トランジスタのキンク現象に起因する電気光学素子の駆動電流のばらつきを抑え、表示画像の画質を改善できるようにした表示装置、当該表示装置の駆動方法および当該表示装置を用いた電子機器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、
電気光学素子と、
映像信号を書き込む書込みトランジスタと、
前記書込みトランジスタによって書き込まれた前記映像信号を保持する保持容量と、
前記保持容量に保持された前記映像信号に応じて前記電気光学素子を駆動する駆動トランジスタとを有し、
前記電気光学素子の発光駆動に先立って、前記駆動トランジスタのゲート電位の初期化電位を基準として当該初期化電位から前記駆動トランジスタの閾値電圧を減じた電位に向けてソース電位を変化させる閾値補正処理の機能を持つ画素が行列状に配置された表示装置の駆動に当たって、
前記駆動トランジスタに電流を供給する電源供給線の電源電位として、前記閾値補正処理を行う閾値補正期間と前記電気光学素子の発光期間とで異なる電位を設定し、
前記電気光学素子の発光期間では前記電源供給線に対して複数の電源ノードから複数のスイッチング素子を通して電源電位を供給する。
電源供給線の電源電位が閾値補正処理を行う閾値補正期間と電気光学素子の発光期間とで同じだと、閾値補正処理後と電気光学素子の発光中とで駆動トランジスタのドレイン−ソース間電圧Vdsに違いが生じる。そこで、電源供給線の電源電位を閾値補正期間と発光期間とで異ならせる。これにより、閾値補正処理後のドレイン−ソース間電圧Vdsと電気光学素子の発光中のドレイン−ソース間電圧Vdsとの違いを、電源供給線の電源電位が閾値補正期間と発光期間とで同じ場合に比べて小さくできる。その結果、駆動トランジスタにキンク現象が発生し、その発生状態に製造ばらつきによってばらつきが生じたとしても、画素間での駆動トランジスタのドレイン−ソース間電流Ids、ひいては電気光学素子の駆動電流のばらつきを小さく抑えることができる。
また、例えば領域ごとに輝度差が大きい画表示を行う場合に、例えば白領域のラインと黒の矩形を含む領域のラインとで、各ラインの電源供給線ごとに流れるトータル電流に差が生じる。すると、電源供給部において、電源ノードから電源供給線に対して電源電位を選択的に供給するスイッチング素子での電圧降下にライン間で差が生じるために、各ラインの電源供給線に電位差が生じる。この電位差により、駆動トランジスタのドレイン−ソース間電流がライン間で異なるために映像ラインごとに輝度差が生じる。
そこで、電気光学素子の発光期間では電源供給線に対して複数の電源ノードから複数のスイッチング素子を通して電源電位を供給するようにすることで、複数のスイッチング素子に流れる電流値が、1つのスイッチング素子を通して供給する場合よりも少なくなる。これにより、複数のスイッチング素子でのライン間の電圧降下の差が、1つの電源ノードから供給する場合に比べて減少する。その結果、映像ライン間で発生する輝度差を抑えることができるために、各ラインの電源供給線ごとに流れるトータル電流に差が生じる際の画質を改善できる。また、スイッチング素子に流れる電流値が小さくなることで、電源供給部の発熱(単位時間あたりの熱量)を低減できる。
一方、スイッチング素子での電圧降下による画質への影響がないとした場合は、複数のスイッチング素子に流れる電流値が少なくなることで、その分だけスイッチング素子のサイズを、1つの電源ノードから電源電位を供給する場合に比べて小さくできる。例えばスイッチング素子としてトランジスタを用いた場合は、トランジスタサイズを小さくできる。これにより、電源供給部のレイアウト面積の削減を図ることができる。
本発明によれば、電源供給線の電源電位として、閾値補正期間と電気光学素子の発光期間とで異なる電位を設定することで、駆動トランジスタのキンク現象に起因する電気光学素子の駆動電流のばらつきを抑えることができるため表示画像の画質を改善できる。
特に、電気光学素子の発光期間では電源供給線に対して複数の電源ノードから複数のスイッチング素子を通して電源電位を供給することで、各ラインの電源供給線ごとに流れるトータル電流に差が生じる際の画質改善および電源供給部の発熱低減が図れる。また、スイッチング素子での電圧降下による画質への影響がないとした場合は、スイッチング素子のサイズを小さくできるために、電源供給部のレイアウト面積を削減できる。
本発明が適用される有機EL表示装置の構成の概略を示すシステム構成図である。 本発明が適用される有機EL表示装置の画素(画素回路)の回路構成を示す回路図である。 画素の断面構造の一例を示す断面図である。 本発明が適用される有機EL表示装置の基本的な回路動作の説明に供するタイミング波形図である。 本発明が適用される有機EL表示装置の基本的な回路動作の動作説明図(その1)である。 本発明が適用される有機EL表示装置の基本的な回路動作の動作説明図(その2)である。 駆動トランジスタの閾値電圧Vthのばらつきに起因する課題の説明に供する特性図である。 駆動トランジスタの移動度μのばらつきに起因する課題の説明に供する特性図である。 閾値補正、移動度補正の有無による映像信号の信号電圧Vsigと駆動トランジスタのドレイン・ソース間電流Idsとの関係の説明に供する特性図である。 電源供給線の電位DSが閾値補正期間と発光期間とで同じ場合の動作説明に供するタイミング波形図である。 電源供給線の電位DSが閾値補正期間と発光期間とで同じ場合における理想的なトランジスタ特性のときの駆動トランジスタのVds−Ids特性図である。 電源供給線の電位DSが閾値補正期間と発光期間とで同じ場合におけるキンク現象が発生するトランジスタ特性のときの駆動トランジスタのVds−Ids特性図である。 第1実施形態の実施例1に係る電源電位DSの設定についてのタイミング関係を示すタイミング波形図である。 実施例1の場合における理想的なトランジスタ特性のときの駆動トランジスタのVds−Ids特性図である。 実施例1の場合におけるキンク現象が発生するトランジスタ特性のときの駆動トランジスタのVds−Ids特性図である。 実施例1に係る電源供給走査回路の構成の一例を示すブロック図である。 実施例1に係る波形整形論理回路の構成の一例を示す回路図である。 実施例1に係る波形整形論理回路の回路動作の説明に供するタイミング波形図である。 参考例に係る波形整形論理回路の構成の一例を示す回路図である。 参考例に係る波形整形論理回路の回路動作の説明に供するタイミング波形図である。 面の上下方向の中央部分に左寄りに黒の矩形を表示し、当該黒の矩形の周囲を白表示とする表示画面を示す図である。 Vccp1,Vccp2の設定についての説明図(その1)である。 Vccp1,Vccp2の設定についての説明図(その2)である。 第1実施形態の実施例2に係る電源電位DSの設定についてのタイミング関係を示すタイミング波形図である。 実施例2の場合におけるキンク現象が発生するトランジスタ特性のときの駆動トランジスタのVds−Ids特性図である。 実施例2に係る電源供給走査回路の構成の一例を示すブロック図である。 実施例2に係る電源供給走査回路を構成する波形整形論理回路の構成の一例を示す回路図である。 実施例2に係る電源供給走査回路の回路動作の説明に供するタイミング波形図である。 第2実施形態に係る有機EL表示装置の要部の構成を示す回路図である。 第2実施形態に係る有機EL表示装置における電源供給走査回路の要部のレイアウト図である。 他の構成の画素の回路構成を示す回路図である。 本発明が適用されるテレビジョンセットの外観を示す斜視図である。 本発明が適用されるデジタルカメラの外観を示す斜視図であり、(A)は表側から見た斜視図、(B)は裏側から見た斜視図である。 本発明が適用されるノート型パーソナルコンピュータの外観を示す斜視図である。 本発明が適用されるビデオカメラの外観を示す斜視図である。 本発明が適用される携帯電話機を示す外観図であり、(A)は開いた状態での正面図、(B)はその側面図、(C)は閉じた状態での正面図、(D)は左側面図、(E)は右側面図、(F)は上面図、(G)は下面図である。 トランジスタのドレイン電圧−ドレイン電流の特性図である。 キンク現象を伴うトランジスタのドレイン電圧−ドレイン電流の特性図である。
以下、発明を実施するための形態(以下、「実施形態」と記述する)について図面を用いて詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。

1.本発明が適用される有機EL表示装置
2.第1実施形態(画質改善および電源供給部の発熱低減の例)
3.第2実施形態(電源供給部のレイアウト面積削減の例)
4.変形例
5.適用例(電子機器)
<1.本発明が適用される有機EL表示装置>
[システム構成]
図1は、本発明が適用されるアクティブマトリクス型表示装置の構成の概略を示すシステム構成図である。ここでは、一例として、デバイスに流れる電流値に応じて発光輝度が変化する電流駆動型の電気光学素子、例えば有機EL素子を画素(画素回路)の発光素子として用いたアクティブマトリクス型有機EL表示装置の場合を例に挙げて説明するものとする。
図1に示すように、本適用例に係る有機EL表示装置10は、有機EL素子を含む複数の画素20と、当該画素20が行列状に2次元配置された画素アレイ部30と、当該画素アレイ部30の周辺に配置された駆動部とを有する構成となっている。駆動部は、書込み走査回路40、電源供給部としての電源供給走査回路50および信号出力回路60等からなり、画素アレイ部30の各画素20を駆動する。
ここで、有機EL表示装置10がカラー表示対応の場合は、1つの画素は複数の副画素(サブピクセル)から構成され、この副画素が画素20に相当することになる。より具体的には、カラー表示用の表示装置では、1つの画素は、赤色光(R)を発光する副画素、緑色光(G)を発光する副画素、青色光(B)を発光する副画素の3つの副画素から構成される。
ただし、1つの画素としては、RGBの3原色の副画素の組み合わせに限られるものではなく、3原色の副画素にさらに1色あるいは複数色の副画素を加えて1つの画素を構成することも可能である。より具体的には、例えば、輝度向上のために白色光(W)を発光する副画素を加えて1つの画素を構成したり、色再現範囲を拡大するために補色光を発光する少なくとも1つの副画素を加えて1つの画素を構成したりすることも可能である。
画素アレイ部30には、m行n列の画素20の配列に対して、行方向(画素行の画素の配列方向)に沿って走査線31−1〜31−mと電源供給線32−1〜32−mとが画素行ごとに配線されている。さらに、列方向(画素列の画素の配列方向)に沿って信号線33−1〜33−nが画素列ごとに配線されている。
走査線31−1〜31−mは、書込み走査回路40の対応する行の出力端にそれぞれ接続されている。電源供給線32−1〜32−mは、電源供給走査回路50の対応する行の出力端にそれぞれ接続されている。信号線33−1〜33−nは、信号出力回路60の対応する列の出力端にそれぞれ接続されている。
画素アレイ部30は、通常、ガラス基板などの透明絶縁基板上に形成されている。これにより、有機EL表示装置10は、平面型(フラット型)のパネル構造となっている。画素アレイ部30の各画素20の駆動回路は、アモルファスシリコンTFTまたは低温ポリシリコンTFTを用いて形成することができる。低温ポリシリコンTFTを用いる場合には、図1に示すように、書込み走査回路40、電源供給走査回路50および信号出力回路60についても、画素アレイ部30を形成する表示パネル(基板)70上に実装することができる。
書込み走査回路40は、クロックパルスckに同期してスタートパルスspを順にシフト(転送)するシフトレジスタ等によって構成されている。この書込み走査回路40は、画素アレイ部30の各画素20への映像信号の書込みに際して、走査線31−1〜31−mに対して書込み走査信号WS(WS1〜WSm)を順次供給することによって画素アレイ部30の各画素20を行単位で順番に走査(線順次走査)する。
電源供給走査回路50は、クロックパルスckに同期してスタートパルスspを順にシフトするシフトレジスタ等によって構成されている。この電源供給走査回路50は、書込み走査回路40による線順次走査に同期して、第1電源電位Vccpと当該第1電源電位Vccpよりも低い第2電源電位Viniで切り替わる電源電位DS(DS1〜DSm)を電源供給線32−1〜32−mに供給する。後述するように、電源電位DSのVccp/Viniの切替えにより、画素20の発光/非発光の制御が行なわれる。
信号出力回路60は、信号供給源(図示せず)から供給される輝度情報に応じた映像信号の信号電圧(以下、単に「信号電圧」と記述する場合もある)Vsigと基準電位Vofsとを選択的に出力する。ここで、基準電位Vofsは、映像信号の信号電圧Vsigの基準となる電位(例えば、映像信号の黒レベルに相当する電位)である。
信号出力回路60から出力される信号電圧Vsig/基準電位Vofsは、信号線33−1〜33−nを介して画素アレイ部30の各画素20に対して行単位で書き込まれる。すなわち、信号出力回路60は、信号電圧Vsigを行(ライン)単位で書き込む線順次書き込みの駆動形態を採っている。
(画素回路)
図2は、画素(画素回路)20の具体的な回路構成を示す回路図である。
図2に示すように、画素20は、デバイスに流れる電流値に応じて発光輝度が変化する電流駆動型の電気光学素子である有機EL素子21と、当該有機EL素子21を駆動する駆動回路とによって構成されている。有機EL素子21は、全ての画素20に対して共通に配線(いわゆる、ベタ配線)された共通電源供給線34にカソード電極が接続されている。
有機EL素子21を駆動する駆動回路は、駆動トランジスタ22、書込みトランジスタ23および保持容量24を有する構成となっている。ここでは、駆動トランジスタ22および書込みトランジスタ23としてNチャネル型のTFTを用いている。ただし、駆動トランジスタ22および書込みトランジスタ23の導電型の組み合わせは一例に過ぎず、これらの組み合わせに限られるものではない。
なお、駆動トランジスタ22および書込みトランジスタ23としてNチャネル型のTFTを用いると、アモルファスシリコン(a−Si)プロセスを用いることができる。a−Siプロセスを用いることで、TFTを作成する基板の低コスト化、ひいては本有機EL表示装置10の低コスト化を図ることが可能になる。また、駆動トランジスタ22および書込みトランジスタ23を同じ導電型の組み合わせにすると、両トランジスタ22,23を同じプロセスで作成することができるために低コスト化に寄与できる。
駆動トランジスタ22は、一方の電極(ソース/ドレイン電極)が有機EL素子21のアノード電極に接続され、他方の電極(ドレイン/ソース電極)が電源供給線32(32−1〜32−m)に接続されている。
書込みトランジスタ23は、一方の電極(ソース/ドレイン電極)が信号線33(33−1〜33−n)に接続され、他方の電極(ドレイン/ソース電極)が駆動トランジスタ22のゲート電極に接続されている。また、書込みトランジスタ23のゲート電極は、走査線31(31−1〜31−m)に接続されている。
駆動トランジスタ22および書込みトランジスタ23において、一方の電極とは、ソース/ドレイン領域に電気的に接続された金属配線を言い、他方の電極とは、ドレイン/ソース領域に電気的に接続された金属配線を言う。また、一方の電極と他方の電極との電位関係によって一方の電極がソース電極ともなればドレイン電極ともなり、他方の電極がドレイン電極ともなればソース電極ともなる。
保持容量24は、一方の電極が駆動トランジスタ22のゲート電極に接続され、他方の電極が駆動トランジスタ22の他方の電極および有機EL素子21のアノード電極に接続されている。
なお、有機EL素子21の駆動回路としては、駆動トランジスタ22および書込みトランジスタ23の2つのトランジスタと保持容量24の1つの容量素子とからなる回路構成のものに限られるものではない。例えば、一方の電極が有機EL素子21のアノード電極に、他方の電極が固定電位にそれぞれ接続されることで、有機EL素子21の容量不足分を補う補助容量を必要に応じて設けた回路構成を採ることも可能である。
上記構成の画素20において、書込みトランジスタ23は、書込み走査回路40から走査線31を通してゲート電極に印加されるHighアクティブの書込み走査信号WSに応答して導通状態となる。これにより、書込みトランジスタ23は、信号線33を通して信号出力回路60から供給される輝度情報に応じた映像信号の信号電圧Vsigまたは基準電位Vofsをサンプリングして画素20内に書き込む。この書き込まれた信号電圧Vsigまたは基準電位Vofsは、駆動トランジスタ22のゲート電極に印加されるとともに保持容量24に保持される。
駆動トランジスタ22は、電源供給線32(32−1〜32−m)の電位DSが第1電源電位Vccpにあるときには、一方の電極がドレイン電極、他方の電極がソース電極となって飽和領域で動作する。これにより、駆動トランジスタ22は、電源供給線32から電流の供給を受けて有機EL素子21を電流駆動にて発光駆動する。より具体的には、駆動トランジスタ22は、飽和領域で動作することにより、保持容量24に保持された信号電圧Vsigの電圧値に応じた電流値の駆動電流を有機EL素子21に供給し、当該有機EL素子21を電流駆動することによって発光させる。
駆動トランジスタ22はさらに、電源電位DSが第1電源電位Vccpから第2電源電位Viniに切り替わったときには、一方の電極がソース電極、他方の電極がドレイン電極となってスイッチングトランジスタとして動作する。これにより、駆動トランジスタ22は、有機EL素子21への駆動電流の供給を停止し、有機EL素子21を非発光状態にする。すなわち、駆動トランジスタ22は、有機EL素子21の発光/非発光を制御するトランジスタとしての機能をも併せ持っている。
この駆動トランジスタ22のスイッチング動作により、有機EL素子21が非発光状態となる期間(非発光期間)を設け、有機EL素子21の発光期間と非発光期間の割合(デューティ)を制御することができる。このデューティ制御により、1フレーム期間に亘って画素が発光することに伴う残像ボケを低減できるために、特に動画の画品位をより優れたものとすることができる。
電源供給走査回路50から電源供給線32を通して選択的に供給される第1,第2電源電位Vccp,Viniのうち、第1電源電位Vccpは有機EL素子21を発光駆動する駆動電流を駆動トランジスタ22に供給するための電源電位である。また、第2電源電位Viniは、有機EL素子21に対して逆バイアスを掛けるための電源電位である。この第2電源電位Viniは、基準電位Vofsよりも低い電位、例えば、駆動トランジスタ22の閾値電圧をVthとするときVofs−Vthよりも低い電位、好ましくはVofs−Vthよりも十分に低い電位に設定される。
(画素構造)
図3は、画素20の断面構造の一例を示す断面図である。図3に示すように、ガラス基板201上には、駆動トランジスタ22等を含む駆動回路が形成されている。そして、画素20は、ガラス基板201上に絶縁膜202、絶縁平坦化膜203およびウインド絶縁膜204がその順に形成され、当該ウインド絶縁膜204の凹部204Aに有機EL素子21が設けられた構成となっている。ここでは、駆動回路の各構成素子のうち、駆動トランジスタ22のみを図示し、他の構成素子については省略している。
有機EL素子21は、アノード電極205と、有機層(電子輸送層、発光層、ホール輸送層/ホール注入層)206と、カソード電極207とから構成されている。アノード電極205は、ウインド絶縁膜204の凹部204Aの底部に形成された金属等からなる。有機層206は、アノード電極205上に形成されている。カソード電極207は、有機層206上に全画素共通に形成された透明導電膜等からなる。
この有機EL素子21において、有機層206は、アノード電極205上にホール輸送層/ホール注入層2061、発光層2062、電子輸送層2063および電子注入層(図示せず)が順次堆積されることによって形成される。そして、図2の駆動トランジスタ22による電流駆動の下に、駆動トランジスタ22からアノード電極205を通して有機層206に電流が流れることで、当該有機層206内の発光層2062において電子と正孔が再結合する際に発光するようになっている。
駆動トランジスタ22は、ゲート電極221と、半導体層222の両側に設けられたソース/ドレイン領域223,224と、半導体層222のゲート電極221と対向する部分のチャネル形成領域225とから構成されている。ソース/ドレイン領域223は、コンタクトホールを介して有機EL素子21のアノード電極205と電気的に接続されている。
そして、図3に示すように、ガラス基板201上に、絶縁膜202、絶縁平坦化膜203およびウインド絶縁膜204を介して有機EL素子21が画素単位で形成された後は、パッシベーション膜208を介して封止基板209が接着剤210によって接合される。この封止基板209によって有機EL素子21が封止されることにより表示パネル70が形成される。
[回路動作]
続いて、上記構成の有機EL表示装置10の基本的な回路動作について、図4のタイミング波形図を基に図5および図6の動作説明図を用いて説明する。なお、図5および図6の動作説明図では、図面の簡略化のために、書込みトランジスタ23をスイッチのシンボルで図示している。また、有機EL素子21の等価容量25についても図示している。
図4のタイミング波形図には、走査線31の電位(書込み走査信号)WS、電源供給線32の電位(電源電位)DS、信号線33の電位(Vsig/Vofs)、駆動トランジスタ22のゲート電位Vgおよびソース電位Vsのそれぞれの変化を示している。
(前フレームの発光期間)
図4のタイミング波形図において、時刻t11以前は、前のフレーム(フィールド)における有機EL素子21の発光期間となる。この前フレームの発光期間では、電源供給線32の電位DSが第1電源電位(以下、「高電位」と記述する)Vccpにあり、また、書込みトランジスタ23が非導通状態にある。
このとき、駆動トランジスタ22は飽和領域で動作するように設計されている。これにより、図5(A)に示すように、駆動トランジスタ22のゲート−ソース間電圧Vgsに応じた駆動電流(ドレイン−ソース間電流)Idsが、電源供給線32から駆動トランジスタ22を通して有機EL素子21に供給される。よって、有機EL素子21が駆動電流Idsの電流値に応じた輝度で発光する。
(閾値補正準備期間)
時刻t11になると、線順次走査の新しいフレーム(現フレーム)に入る。そして、図5(B)に示すように、電源供給線32の電位DSが高電位Vccpから、信号線33の基準電位Vofsに対してVofs−Vthよりも十分に低い第2電源電位(以下、「低電位」と記述する)Viniに切り替わる。
ここで、有機EL素子21の閾値電圧をVthel、共通電源供給線34の電位(カソード電位)をVcathとする。このとき、低電位ViniをVini<Vthel+Vcathとすると、駆動トランジスタ22のソース電位Vsが低電位Viniにほぼ等しくなるために、有機EL素子21は逆バイアス状態となって消光する。
次に、時刻t12で走査線31の電位WSが低電位側から高電位側に遷移することで、図5(C)に示すように、書込みトランジスタ23が導通状態となる。このとき、信号出力回路60から信号線33に対して基準電位Vofsが供給されているために、駆動トランジスタ22のゲート電位Vgが基準電位Vofsになる。また、駆動トランジスタ22のソース電位Vsは、基準電位Vofsよりも十分に低い電位Viniにある。
このとき、駆動トランジスタ22のゲート−ソース間電圧VgsはVofs−Viniとなる。ここで、Vofs−Viniが駆動トランジスタ22の閾値電圧Vthよりも大きくないと、後述する閾値補正処理を行うことができないために、Vofs−Vini>Vthなる電位関係に設定する必要がある。
このように、駆動トランジスタ22のゲート電位Vgを基準電位Vofsに、ソース電位Vsを低電位Viniにそれぞれ固定して(確定させて)初期化する処理が、後述する閾値補正処理を行う前の準備(閾値補正準備)の処理である。したがって、基準電位Vofsおよび低電位Viniが、駆動トランジスタ22のゲート電位Vgおよびソース電位Vsの各初期化電位となる。
(閾値補正期間)
次に、時刻t13で、図5(D)に示すように、電源供給線32の電位DSが低電位Viniから高電位Vccpに切り替わると、駆動トランジスタ22のゲート電位Vgが保たれた状態で閾値補正処理が開始される。すなわち、ゲート電位Vgから駆動トランジスタ22の閾値電圧Vthを減じた電位に向けて駆動トランジスタ22のソース電位Vsが上昇を開始する。
ここでは、便宜上、駆動トランジスタ22のゲート電極の初期化電位Vofsを基準として、当該初期化電位Vofsから駆動トランジスタ22の閾値電圧Vthを減じた電位に向けてソース電位Vsを変化させる処理を閾値補正処理と呼んでいる。この閾値補正処理が進むと、やがて、駆動トランジスタ22のゲート−ソース間電圧Vgsが駆動トランジスタ22の閾値電圧Vthに収束する。この閾値電圧Vthに相当する電圧は保持容量24に保持される。
なお、閾値補正処理を行う期間(閾値補正期間)において、電流が専ら保持容量24側に流れ、有機EL素子21側には流れないようにするために、有機EL素子21がカットオフ状態となるように共通電源供給線34の電位Vcathを設定しておくこととする。
次に、時刻t14で走査線31の電位WSが低電位側に遷移することで、図6(A)に示すように、書込みトランジスタ23が非導通状態となる。このとき、駆動トランジスタ22のゲート電極が信号線33から電気的に切り離されることによってフローティング状態になる。しかし、ゲート−ソース間電圧Vgsが駆動トランジスタ22の閾値電圧Vthに等しいために、当該駆動トランジスタ22はカットオフ状態にある。したがって、駆動トランジスタ22にドレイン−ソース間電流Idsは流れない。
(信号書込み&移動度補正期間)
次に、時刻t15で、図6(B)に示すように、信号線33の電位が基準電位Vofsから映像信号の信号電圧Vsigに切り替わる。続いて、時刻t16で、走査線31の電位WSが高電位側に遷移することで、図6(C)に示すように、書込みトランジスタ23が導通状態になって映像信号の信号電圧Vsigをサンプリングして画素20内に書き込む。
この書込みトランジスタ23による信号電圧Vsigの書込みにより、駆動トランジスタ22のゲート電位Vgが信号電圧Vsigとなる。そして、映像信号の信号電圧Vsigによる駆動トランジスタ22の駆動の際に、当該駆動トランジスタ22の閾値電圧Vthが保持容量24に保持された閾値電圧Vthに相当する電圧と相殺される。この閾値キャンセルの原理の詳細については後述する。
このとき、有機EL素子21はカットオフ状態(ハイインピーダンス状態)にある。したがって、映像信号の信号電圧Vsigに応じて電源供給線32から駆動トランジスタ22に流れる電流(ドレイン−ソース間電流Ids)は有機EL素子21の等価容量25に流れ込み、当該等価容量25の充電が開始される。
有機EL素子21の等価容量25の充電により、駆動トランジスタ22のソース電位Vsが時間の経過と共に上昇していく。このとき既に、駆動トランジスタ22の閾値電圧Vthの画素ごとのばらつきがキャンセルされており、駆動トランジスタ22のドレイン−ソース間電流Idsは当該駆動トランジスタ22の移動度μに依存したものとなる。
ここで、映像信号の信号電圧Vsigに対する保持容量24の保持電圧Vgsの比率、即ち書込みゲインGが1(理想値)であると仮定する。すると、駆動トランジスタ22のソース電位VsがVofs−Vth+ΔVの電位まで上昇することで、駆動トランジスタ22のゲート‐ソース間電圧VgsはVsig−Vofs+Vth−ΔVとなる。
すなわち、駆動トランジスタ22のソース電位Vsの上昇分ΔVは、保持容量24に保持された電圧(Vsig−Vofs+Vth)から差し引かれるように、換言すれば、保持容量24の充電電荷を放電するように作用し、負帰還がかけられたことになる。したがって、ソース電位Vsの上昇分ΔVは負帰還の帰還量となる。
このように、駆動トランジスタ22に流れるドレイン−ソース間電流Idsに応じた帰還量ΔVでゲート‐ソース間電圧Vgsに負帰還をかけることで、駆動トランジスタ22のドレイン−ソース間電流Idsの移動度μに対する依存性を打ち消すことができる。この打ち消す処理が、駆動トランジスタ22の移動度μの画素ごとのばらつきを補正する移動度補正処理である。
より具体的には、駆動トランジスタ22のゲート電極に書き込まれる映像信号の信号振幅Vin(=Vsig−Vofs)が高いほどドレイン−ソース間電流Idsが大きくなるために、負帰還の帰還量ΔVの絶対値も大きくなる。したがって、発光輝度レベルに応じた移動度補正処理が行われる。
また、映像信号の信号振幅Vinを一定とした場合、駆動トランジスタ22の移動度μが大きいほど負帰還の帰還量ΔVの絶対値も大きくなるために、画素ごとの移動度μのばらつきを取り除くことができる。したがって、負帰還の帰還量ΔVは移動度補正の補正量とも言える。移動度補正の原理の詳細については後述する。
(発光期間)
次に、時刻t17で走査線31の電位WSが低電位側に遷移することで、図6(D)に示すように、書込みトランジスタ23が非導通状態となる。これにより、駆動トランジスタ22のゲート電極は、信号線33から電気的に切り離されるためにフローティング状態になる。
ここで、駆動トランジスタ22のゲート電極がフローティング状態にあるときは、駆動トランジスタ22のゲート−ソース間に保持容量24が接続されていることにより、駆動トランジスタ22のソース電位Vsの変動に連動してゲート電位Vgも変動する。このように、駆動トランジスタ22のゲート電位Vgがソース電位Vsの変動に連動して変動する動作が、保持容量24によるブートストラップ動作である。
駆動トランジスタ22のゲート電極がフローティング状態になり、それと同時に、駆動トランジスタ22のドレイン−ソース間電流Idsが有機EL素子21に流れ始めることにより、当該電流Idsに応じて有機EL素子21のアノード電位が上昇する。
そして、有機EL素子21のアノード電位がVthel+Vcathを越えると、有機EL素子21に駆動電流が流れ始めるため有機EL素子21が発光を開始する。また、有機EL素子21のアノード電位の上昇は、即ち駆動トランジスタ22のソース電位Vsの上昇に他ならない。駆動トランジスタ22のソース電位Vsが上昇すると、保持容量24のブートストラップ動作により、駆動トランジスタ22のゲート電位Vgも連動して上昇する。
このとき、ブートストラップゲインが1(理想値)であると仮定した場合、ゲート電位Vgの上昇量はソース電位Vsの上昇量に等しくなる。故に、発光期間中駆動トランジスタ22のゲート‐ソース間電圧VgsはVsig−Vofs+Vth−ΔVで一定に保持される。そして、時刻t18で信号線33の電位が映像信号の信号電圧Vsigから基準電位Vofsに切り替わる。
以上説明した一連の回路動作において、閾値補正準備、閾値補正、信号電圧Vsigの書込み(信号書込み)および移動度補正の各処理動作は、1水平走査期間(1H)において実行される。また、信号書込みおよび移動度補正の各処理動作は、時刻t6−t7の期間において並行して実行される。
なお、ここでは、閾値補正処理を1回だけ実行する駆動法を採る場合を例に挙げて説明したが、この駆動法は一例に過ぎず、この駆動法に限られるものではない。例えば、閾値補正処理を移動度補正および信号書込み処理と共に行う1H期間に加えて、当該1H期間に先行する複数の水平走査期間に亘って分割して複数回実行する、いわゆる分割閾値補正を行う駆動法を採ることも可能である。
この分割閾値補正の駆動法を採用することにより、高精細化に伴う多画素化によって1水平走査期間に割り当てられる時間が短くなったとしても、閾値補正期間として複数の水平走査期間に亘って十分な時間を確保することができるために、閾値補正処理を確実に行うことができる。
〔閾値キャンセルの原理〕
ここで、駆動トランジスタ22の閾値キャンセル(即ち、閾値補正)の原理について説明する。駆動トランジスタ22は、飽和領域で動作するように設計されているために定電流源として動作する。これにより、有機EL素子21には駆動トランジスタ22から、次式(1)で与えられる一定のドレイン−ソース間電流(駆動電流)Idsが供給される。
Ids=(1/2)・μ(W/L)Cox(Vgs−Vth)2 ……(1)
ここで、Wは駆動トランジスタ22のチャネル幅、Lはチャネル長、Coxは単位面積当たりのゲート容量である。
図7に、駆動トランジスタ22のドレイン−ソース間電流Ids対ゲート−ソース間電圧Vgsの特性を示す。
この特性図に示すように、駆動トランジスタ22の閾値電圧Vthの画素ごとのばらつきに対するキャンセル処理を行わないと、閾値電圧VthがVth1のとき、ゲート−ソース間電圧Vgsに対応するドレイン−ソース間電流IdsがIds1になる。
これに対して、閾値電圧VthがVth2(Vth2>Vth1)のとき、同じゲート−ソース間電圧Vgsに対応するドレイン−ソース間電流IdsがIds2(Ids2<Ids)になる。すなわち、駆動トランジスタ22の閾値電圧Vthが変動すると、ゲート−ソース間電圧Vgsが一定であってもドレイン−ソース間電流Idsが変動する。
一方、上記構成の画素(画素回路)20では、先述したように、発光時の駆動トランジスタ22のゲート−ソース間電圧VgsはVsig−Vofs+Vth−ΔVである。したがって、これを式(1)に代入すると、ドレイン−ソース間電流Idsは、次式(2)で表される。
Ids=(1/2)・μ(W/L)Cox(Vsig−Vofs−ΔV)2
……(2)
すなわち、駆動トランジスタ22の閾値電圧Vthの項がキャンセルされており、駆動トランジスタ22から有機EL素子21に供給されるドレイン−ソース間電流Idsは、駆動トランジスタ22の閾値電圧Vthに依存しない。その結果、駆動トランジスタ22の製造プロセスのばらつきや経時変化により、駆動トランジスタ22の閾値電圧Vthが画素ごとに変動したとしても、ドレイン−ソース間電流Idsが変動しないために、有機EL素子21の発光輝度を一定に保つことができる。
〔移動度補正の原理〕
次に、駆動トランジスタ22の移動度補正の原理について説明する。図8に、駆動トランジスタ22の移動度μが相対的に大きい画素Aと、駆動トランジスタ22の移動度μが相対的に小さい画素Bとを比較した状態で特性カーブを示す。駆動トランジスタ22をポリシリコン薄膜トランジスタなどで構成した場合、画素Aや画素Bのように、画素間で移動度μがばらつくことは避けられない。
画素Aと画素Bで移動度μにばらつきがある状態で、駆動トランジスタ22のゲート電極に例えば両画素A,Bに同レベルの信号振幅Vin(=Vsig−Vofs)を書き込んだ場合を考える。この場合、何ら移動度μの補正を行わないと、移動度μの大きい画素Aに流れるドレイン−ソース間電流Ids1′と移動度μの小さい画素Bに流れるドレイン−ソース間電流Ids2′との間には大きな差が生じてしまう。このように、移動度μの画素ごとのばらつきに起因してドレイン−ソース間電流Idsに画素間で大きな差が生じると、画面のユニフォーミティが損なわれる。
ここで、先述した式(1)のトランジスタ特性式から明らかなように、移動度μが大きいとドレイン−ソース間電流Idsが大きくなる。したがって、負帰還における帰還量ΔVは移動度μが大きくなるほど大きくなる。図8に示すように、移動度μの大きな画素Aの帰還量ΔV1は、移動度の小さな画素Bの帰還量ΔV2に比べて大きい。
そこで、移動度補正処理によって駆動トランジスタ22のドレイン−ソース間電流Idsに応じた帰還量ΔVでゲート−ソース間電圧Vgsに負帰還をかけることにより、移動度μが大きいほど負帰還が大きくかかることになる。その結果、移動度μの画素ごとのばらつきを抑制することができる。
具体的には、移動度μの大きな画素Aで帰還量ΔV1の補正をかけると、ドレイン−ソース間電流IdsはIds1′からIds1まで大きく下降する。一方、移動度μの小さな画素Bの帰還量ΔV2は小さいために、ドレイン−ソース間電流IdsはIds2′からIds2までの下降となり、それ程大きく下降しない。結果的に、画素Aのドレイン−ソース間電流Ids1と画素Bのドレイン−ソース間電流Ids2とはほぼ等しくなるために、移動度μの画素ごとのばらつきが補正される。
以上をまとめると、移動度μの異なる画素Aと画素Bがあった場合、移動度μの大きい画素Aの帰還量ΔV1は移動度μの小さい画素Bの帰還量ΔV2に比べて大きくなる。つまり、移動度μが大きい画素ほど帰還量ΔVが大きく、ドレイン−ソース間電流Idsの減少量が大きくなる。
したがって、駆動トランジスタ22のドレイン−ソース間電流Idsに応じた帰還量ΔVで、ゲート−ソース間電圧Vgsに負帰還をかけることで、移動度μの異なる画素のドレイン−ソース間電流Idsの電流値が均一化される。その結果、移動度μの画素ごとのばらつきを補正することができる。すなわち、駆動トランジスタ22に流れる電流(ドレイン−ソース間電流Ids)に応じた帰還量ΔVで、駆動トランジスタ22のゲート−ソース間電圧Vgsに負帰還をかける処理が移動度補正処理となる。
ここで、図2に示した画素(画素回路)20において、閾値補正、移動度補正の有無による映像信号の信号電圧Vsigと駆動トランジスタ22のドレイン・ソース間電流Idsとの関係について図9を用いて説明する。
図9において、(A)は閾値補正および移動度補正を共に行わない場合、(B)は移動度補正を行わず、閾値補正のみを行った場合、(C)は閾値補正および移動度補正を共に行った場合をそれぞれ示している。図9(A)に示すように、閾値補正および移動度補正を共に行わない場合には、閾値電圧Vthおよび移動度μの画素A,Bごとのばらつきに起因してドレイン−ソース間電流Idsに画素A,B間で大きな差が生じることになる。
これに対し、閾値補正のみを行った場合は、図9(B)に示すように、ドレイン−ソース間電流Idsのばらつきをある程度低減できるものの、移動度μの画素A,Bごとのばらつきに起因する画素A,B間でのドレイン−ソース間電流Idsの差は残る。そして、閾値補正および移動度補正を共に行うことで、図9(C)に示すように、閾値電圧Vthおよび移動度μの画素A,Bごとのばらつきに起因する画素A,B間でのドレイン−ソース間電流Idsの差をほぼ無くすことができる。したがって、どの階調においても有機EL素子21の輝度ばらつきは発生せず、良好な画質の表示画像を得ることができる。
また、図2に示した画素20は、閾値補正および移動度補正の各補正機能に加えて、先述した保持容量24によるブートストラップ動作の機能を備えていることで、次のような作用効果を得ることができる。
すなわち、有機EL素子21のI−V特性の経時変化に伴って駆動トランジスタ22のソース電位Vsが変化したとしても、保持容量24によるブートストラップ動作により、駆動トランジスタ22のゲート−ソース間電位Vgsを一定に維持することができる。したがって、有機EL素子21に流れる電流は変化せず一定となる。その結果、有機EL素子21の発光輝度も一定に保たれるために、有機EL素子21のI−V特性が経時変化したとしても、それに伴う輝度劣化のない画像表示を実現できる。
[キンク現象に起因する駆動電流のばらつきについて]
ここで、有機EL素子21に駆動電流を流すときに、飽和領域で動作するように設計されている駆動トランジスタ22のドレイン−ソース間電圧Vdsについて、図10のタイミング波形図を用いて考える。
図10には、図2に示す駆動トランジスタ22のドレイン電位Vd、ゲート電位Vg、ソース電位Vsについてその波形を示している。駆動トランジスタ22のドレイン電位Vdは電源供給線32の電源電位である。また、図10において、時刻t1〜t7は、図4の時刻t11〜t17に対応している。
先述した動作説明から明らかなように、閾値補正処理の終了後、書込みトランジスタ23によって映像信号の信号電圧Vsigが書き込まれると、駆動トランジスタ22のゲート電位Vgが上昇し、それに伴ってソース電位Vsも上昇する。その後も、移動度補正処理が行われることでソース電位Vsが上昇し、発光期間においても負帰還がかかることによってソース電位Vsがさらに上昇する。したがって、図10のタイミング波形図から明らかなように、閾値補正処理後のドレイン−ソース間電圧Vds(a)は大きく、有機EL素子21の発光中のドレイン−ソース間電圧Vds(b)は小さくなる。
ここで、駆動トランジスタ22の特性が、図11に示す理想的なトランジスタ特性であるとする。この場合、飽和領域においてドレイン電流Idsがドレイン−ソース間電圧Vdsに対して傾きが一定で変化するため、ドレイン−ソース間電圧Vdsが変動しても画素間のドレイン電流Idsの変動分ΔIdsの差分が小さい。したがって、ドレイン−ソース間電圧Vdsが変動しても、画素間で有機EL素子21の駆動電流のばらつきが起きにくい。
駆動トランジスタ22の飽和領域では、Vds>Vgs−Vthの電位関係にある。ここで、駆動トランジスタ22のチャネル変調係数をλとすると、駆動トランジスタ22のドレイン−ソース間電流Idsは、次式(3)で表される。
Ids=(1/2)・μ(W/L)Cox(Vgs−Vth)2
・(1+λVds) ……(3)
これに対して、駆動トランジスタ22の特性が図12に示すトランジスタ特性、即ちキンク現象が発生するトランジスタ特性の場合には次のようになる。
キンク現象の発生状態は、製造ばらつき等によってトランジスタごとにばらつく。ここに、キンク現象の発生状態とは、ドレイン電流Idsが急激に変化するときの変化量やキンク現象の立ち上がりのタイミング等をいう。このように、キンク現象の変化量やキンク現象の立ち上がりのタイミング等、キンク現象の発生状態がトランジスタごとにばらついてしまうと、ドレイン−ソース間電圧Vdsの変動がキンク現象の領域を跨ぐ場合にそのばらつきの影響を受けてしまう。
例えば、キンク現象の大きさ(変化量)がトランジスタごとにばらつくと、図12から明らかなように、画素間のドレイン電流Idsの変動分ΔIdsの差分が、Vds−Ids特性が傾き一定の場合に比べて大きくなる。これにより、前にも述べたように、閾値補正処理後(a)と発光中(b)とでドレイン−ソース間電圧Vdsが異なっていると、画素間での駆動トランジスタ22のドレイン−ソース間電流Ids、ひいては有機EL素子21の駆動電流がばらついてしまうため、画素間で輝度差が発生し、画質の悪化を招くことになる。
<2.第1実施形態>
上述したキンク現象に起因する有機EL素子21の駆動電流のばらつきを抑えて画質の改善を図ることを目的として為されたのが、本発明の第1実施形態に係る有機EL表示装置である。
先述した有機EL表示装置10の場合、電源供給走査回路50は、電源供給線32の電位DSを、第1電源電位(高電位)Vccpと第2電源電位(低電位)Viniとの2値に設定する構成となっている。そして、電源供給線32の電位DSが、閾値補正期間と発光期間とで同じ電位Vccp(図4参照)に設定されているが故に、駆動トランジスタ22のキンク現象に起因する有機EL素子21の駆動電流がばらつきの問題が発生する。
そこで、第1実施形態に係る有機EL表示装置では、電源供給線32の電位DSを閾値補正期間と発光期間とで異ならせる構成を採ることを特徴としている。かかる構成を採ることにより、閾値補正処理後のドレイン−ソース間電圧Vdsと有機EL素子21の発光中のドレイン−ソース間電圧Vdsとの違いを、電源供給線32の電位DSが閾値補正期間と発光期間とで同じ場合に比べて小さくできる。
電源供給線32の電位DSを閾値補正期間と発光期間とで異ならせるために、第1実施形態に係る有機EL表示装置では、電源供給部としての電源供給走査回路50を、電源供給線32の電源電位DSとして少なくとも3値に設定可能な構成としている。そして、電源供給走査回路50により、電源供給線32の電位DSとして少なくとも3値の電源電位のうちの1つを適宜設定することで、当該電位DSを閾値補正期間と発光期間とで異ならせるようにしている。
これにより、駆動トランジスタ22にキンク現象が発生し、その発生状態に製造ばらつきによってばらつきが生じたとしても、画素間での駆動トランジスタ22のドレイン−ソース間電流Idsのばらつきを小さく抑えることができる。その結果、有機EL素子21の駆動電流のばらつきを小さく抑えることができるために表示画像の画質を改善できる。以下に、電源供給線32の電源電位DSとして少なくとも3値に設定可能とするための第1実施形態の具体的な実施例について説明する。
[実施例1]
図1および図2に示すシステム構成の有機EL表示装置10において、実施例1に係る電源供給走査回路50Aは、電源供給線32の電位DSとして3値の電位を設定可能な構成となっている。具体的には、実施例1に係る電源供給走査回路50Aは、高電位Vccp(以下、Vccp1と記述する)と、低電位Viniと、それらの間の中間電位Vccp2との3値の電位を電源電位DSとして適宜設定できるようになっている。
実施例1に係る電源電位DSの設定についてのタイミング関係を図13に示す。電源供給走査回路50Aは、閾値補正準備期間(t11−t13)では低電位Viniを設定し、少なくとも閾値補正期間(t13−t14)では中間電位Vccp2を設定し、発光期間(t17以降)では高電位Vccp1を設定する。
すなわち、先述した基本的な回路動作の場合、電源供給線32の電位DSを閾値補正期間と発光期間とで同じ高電位Vccp1(Vccp)に設定するようにしていた。これに対して、本実施例1では、電源供給線32の電位DSを閾値補正期間と発光期間とで異ならせる、具体的には、閾値補正期間で中間電位Vccp2(<Vccp1)に設定し、発光期間で高電位Vccp1に設定するようにしている。
先述したように、電源供給線32の電位DSが閾値補正期間と発光期間とで同じだと、閾値補正処理後と有機EL素子21の発光中とで駆動トランジスタ22のドレイン−ソース間電圧Vdsに違いが生じる。そこで、本実施例1においては、電源供給線32の電位DSを閾値補正期間と発光期間とで異ならせる構成を採っている。
かかる構成を採ることにより、閾値補正処理後のドレイン−ソース間電圧Vds(a)と有機EL素子21の発光中のドレイン−ソース間電圧Vds(b)との違いを、電源供給線32の電位DSが閾値補正期間と発光期間とで同じ場合に比べて小さくできる。その結果、駆動トランジスタ22にキンク現象が発生し、その発生状態に製造ばらつきによってキンク現象にばらつきが生じたとしても、画素間での駆動トランジスタ22のドレイン−ソース間電流Idsのばらつきを小さく抑えることができる。
ここで、閾値補正期間で設定する中間電位Vccp2については、発光期間で設定する高電位Vccp1に対して次のように設定するのが好ましい。すなわち、閾値補正処理後の駆動トランジスタ22のドレイン−ソース間電圧Vds(a)と有機EL素子21の発光中の駆動トランジスタ22のドレイン−ソース間電圧Vds(b)とが等しくなるような電位に中間電位Vccp2を設定するのが好ましい。
図14には、駆動トランジスタ22の特性が、理想的なトランジスタ特性の場合のVds−Ids特性を示している。図15には、駆動トランジスタ22の特性が、キンク現象が発生するトランジスタ特性の場合のVds−Ids特性を示している。
このような電位関係にて高電位Vccp1に対して中間電位Vccp2を設定することで、キンク現象に起因する画素間での駆動トランジスタ22のドレイン−ソース間電流Idsのばらつきをより小さく抑えることができる(理想的にはばらつきを無くすことができる)。その結果、表示画像の画質を改善できる。
ここで、電源供給線32の電源電位DSとして、3値の電位Vccp1,Vccp2,Viniを設定可能な実施例1に係る電源供給走査回路50Aの具体的な構成について説明する。
図16は、3値の電位Vccp1,Vccp2,Viniを設定可能な実施例1に係る電源供給走査回路50Aの構成の一例を示すブロック図である。
電源供給走査回路50Aは、シフトレジスタ51と波形整形論理回路52とから構成されている。シフトレジスタ51は、書込み走査回路40(図1参照)による垂直走査に同期して、3つのタイミング信号T1,T2,T3を画素行ごとに出力する。波形整形論理回路52は、3つのタイミング信号T1,T2,T3に基づいて3値の電位Vccp1,Vccp2,Viniを適宜出力する。
(実施例1に係る波形整形論理回路の構成)
図17は、実施例1に係る波形整形論理回路52の構成の一例を示す回路図である。本実施例1に係る波形整形論理回路52は、2つのインバータ521,522と、スイッチング素子である2つのPchMOSトランジスタ523,524および1つのNchMOSトランジスタ525とから構成されている。
インバータ521は、入力端子in1を介して入力されるタイミング信号T1の論理を反転してPchMOSトランジスタ523のゲート電極に与える。PchMOSトランジスタ523は、電源ノードN1と出力ノードNoとの間に接続されている。電源ノードN1には、電源部(図示せず)から正側電源電圧VDD1が供給される。
インバータ522は、入力端子in2を介して入力されるタイミング信号T2の論理を反転してPchMOSトランジスタ524のゲート電極に与える。PchMOSトランジスタ523は、電源ノードN2と出力ノードNoとの間に接続されている。電源ノードN2には、電源部から2つの正側電源電圧VDD1,VDD2が電源電圧VDDxとして選択的に供給される。電源電圧VDD2は、正側電源電圧VDD1と負側電源電圧VSSとの間の電圧である。
NchMOSトランジスタ525は、出力ノードNoと電源ノードN3との間に接続されており、ゲート電極には入力端子in3を介してタイミング信号T3が供給される。電源ノードN3には、電源部から負側電源電圧VSSが供給される。出力ノードNoには、出力端子outが電気的に接続されている。
(実施例1に係る波形整形論理回路の回路動作)
次に、上記構成の実施例1に係る波形整形論理回路52の回路動作については、図18のタイミング波形図を用いて説明する。
図18は、タイミング信号T1,T2,T3および電源電圧VDDxのタイミング関係を示している。図18において、時刻t11,t13,t17は、図13の時刻t11,t13,t17にそれぞれ対応している。
図18に示すように、電源電圧VDDxは、時刻t13までおよび時刻t17以降の各期間で電源電圧VDD1をとり、時刻t13−t17の期間で電源電圧VDD2をとる。また、タイミング信号T1,T2,T3のパルス振幅幅は、VDD1−VSSである。
時刻t11−t13の期間では、タイミング信号T1,T2がLowレベル、タイミング信号T3がHighレベルになるために、PchMOSトランジスタ523,524が共に非導通状態になり、NchMOSトランジスタ525が導通状態になる。これにより、負側電源電圧VSSがNchMOSトランジスタ525および出力ノードNoを通して出力端子outから低電位Viniとして出力される。
時刻t13−t17の期間では、タイミング信号T1がLowレベルを持続し、タイミング信号T2がHighレベルに、タイミング信号T3がLowレベルにそれぞれ遷移するために、PchMOSトランジスタ524のみが導通状態になる。このとき、VDDx=VDD2であることから、当該電源電圧VDD2がPchMOSトランジスタ524および出力ノードNoを通して出力端子outから中間電位Vccp2として出力される。
時刻t17以降の発光期間では、タイミング信号T1がHighレベルに遷移し、タイミング信号T2がHighレベルを、タイミング信号T3がLowレベルをそれぞれ持続するために、PchMOSトランジスタ523,524が共に導通状態になる。これにより、電源電圧VDD1がPchMOSトランジスタ523および出力ノードNoを通して出力端子outから高電位Vccp1として出力される。
このとき、VDDx=VDD1であることから、当該電源電圧VDD1もPchMOSトランジスタ524および出力ノードNoを通して出力端子outから高電位Vccp1として出力される。すなわち、発光期間では、PchMOSトランジスタ523,524が共に導通状態になることで電源ノードN1と電源ノードN2とが電気的に接続されるために、2つの電源ノードN1,N2から電源電圧VDD1が高電位Vccp1として出力されることになる。
このように、本実施例1に係る波形整形論理回路52によれば、電源供給線32の電源電位DSとして3値の電位、即ち高電位Vccp1、中間電位Vccp2および低電位Viniを設定することができる。そして、本実施例1に係る波形整形論理回路52は、有機EL素子21の発光期間に電源ノードN1と電源ノードN2とを接続して当該2つの電源ノードN1,N2から電源電圧VDD1を高電位Vccp1として電源供給線32に供給する構成を採ることを特徴としている。この構成を採ることによる作用効果については後述する。
(参考例に係る波形整形論理回路)
ところで、3値の電位Vccp1,Vccp2,Viniを設定するに当たっては、電源電圧VDD1,VDD2,VSSを単純に切り替えて3値の電位Vccp1,Vccp2,Viniとして電源供給線32に供給する構成の波形整形論理回路が一般的に考えられる。この構成例に係る波形整形論理回路を参考例として以下に説明する。
図19は、参考例に係る波形整形論理回路52′の構成の一例を示す回路図である。図19において、図17と同等部分(対応する部分)には同一符号を付して示している。
本参考例に係る波形整形論理回路52′は、PchMOSトランジスタ523,524およびNchMOSトランジスタ525に加えて、2つのNAND回路526,527および2つのインバータ528,529を有する構成となっている。
NAND回路526は、入力端子in1を介して入力されるタイミング信号T1を一方の入力とし、入力端子in2を介して入力され、インバータ529で論理反転されるタイミング信号T2を他方の入力とする。NANAD回路527は、入力端子in1を介して入力され、インバータ528で論理反転されるタイミング信号T1を一方の入力とし、入力端子in2を介して入力され、インバータ529で論理反転されるタイミング信号T2を他方の入力とする。
PchMOSトランジスタ523は、NAND回路526の出力をゲート入力とし、当該出力がLowレベルのときに導通状態となって電源ノードN1の電源電位VDD1を高電位Vccp1として出力端子outから出力する。PchMOSトランジスタ524は、NAND回路527の出力をゲート入力とし、当該出力がLowレベルのときに導通状態となって電源ノードN2の電源電位VDD2を中間電位Vccp2として出力端子outから出力する。NchMOSトランジスタ525は、タイミング信号T2をゲート入力とし、当該タイミング信号T2がHighレベルのときに導通状態となって電源ノードN3の電源電位VSSを低電位Viniとして出力端子outから出力する。
図20に、タイミング信号T1,T2のタイミング関係を示す。図20において、時刻t11,t13,t17は、図13の時刻t11,t13,t17にそれぞれ対応している。
図20のタイミング波形図に示すように、閾値補正準備期間でタイミング信号T1がLowレベルに、タイミング信号T2がHighレベルになることにより、波形整形論理回路52′から低電位Viniが出力される。閾値補正期間から発光期間に入る前までの期間でタイミング信号T1,T2が共にLowレベルになることにより、波形整形論理回路52′から中間電位Vccp2が出力される。発光期間でタイミング信号T1がHighレベルに、タイミング信号T2がLowレベルになることにより、波形整形論理回路52′から高電位Vccp1が出力される。
(参考例に係る波形整形論理回路の不具合)
ここで、理解を容易にするために、図21に示すように、画面の上下方向の中央部分に左寄りに黒の矩形(いわゆる、黒ウインドウ)を表示し、当該黒の矩形の周囲を白表示とする場合について考える。
図21の画表示において、白領域のラインAと、黒の矩形を含む領域のラインBとで、各ラインA,Bの電源供給線32ごとに流れるトータル電流に差が生じる。何故ならば、画素に流れる電流は、白表示では大きく、黒表示ではほぼ0であるためである。ラインA,B間で有機EL素子21の発光に必要なトータル電流が違うと、電源電圧VDD1を高電位Vccp1として電源供給線32に供給するPchMOSトランジスタ523での電圧降下にラインA,B間で差が生じる。
このように、ラインA,B間でPchMOSトランジスタ523での電圧降下が異なると、ラインA,Bの各電源供給線32に電位差が生じてしまう。すると、ラインA,Bの各駆動トランジスタ22のドレイン電圧が異なることになるためにチャネル長変調効果が発生する。ここで、チャネル長変調効果とは、駆動トランジスタ22のVds−Ids特性において、あるドレイン−ソース間電圧Vds以上で飽和すべきところが飽和せずに、ドレイン−ソース間電圧Vdsに比例してドレイン−ソース間電流Idsが増大する現象である。
したがって、ラインA,Bの各電源供給線32に電位差が生じ、電源供給線32から与えられる電源電圧Vccp1が異なると、チャネル長変調効果によってドレイン−ソース間電流IdsがラインA,B間で異なるために映像ラインごとに輝度差が生じる。具体的には、図21の画表示において、同じ白レベルの信号を入力しても、黒の矩形の上下の白表示領域と黒の矩形の右横の白表示領域との境界で輝度差が生じる。
図21の画表示の例の場合には、電源供給線32に流れるトータル電流がラインA>ラインBとなり、PchMOSトランジスタ523での電圧降下がラインA>ラインBとなる。その結果、黒の矩形の上下の白表示領域の表示色が白ではなくグレーで表示されるために、黒の矩形の右横の白表示領域とで輝度差が生じることになる。
(実施例1に係る波形整形論理回路の作用効果)
これに対して、実施例1に係る波形整形論理回路52は、有機EL素子21の発光期間に電源ノードN1と電源ノードN2とを接続して当該2つの電源ノードN1,N2から電源電圧VDD1を高電位Vccp1として電源供給線32に供給する構成を採っている。かかる構成を採ることで、ラインA,Bの電源供給線32ごとに流れるトータル電流に差が生じた場合において、PchMOSトランジスタ523での電圧降下の差が、1つの電源ノードから電源電圧VDD1を供給する参考例の場合に比べて減少する。
仮に、PchMOSトランジスタ523とPchMOSトランジスタ524のトランジスタサイズが同じとした場合、発光中のあるラインの電源供給線32に流れるトータル電流値をIとすると、両トランジスタ523,524に流れる電流はI/2となる。したがって、トランジスタ523,524での電圧降下が1/2となり、ライン間での電圧降下差も同様に低下するために、映像ライン間で発生する輝度差を、1つの電源ノードから電源電圧VDD1を供給する参考例の場合に比べて抑えることができる。
その結果、参考例の場合、即ち電源電圧VDD1,VDD2,VSSを単純に切り替えて3値の電位Vccp1,Vccp2,Viniとして電源供給線32に供給する場合に比べて画質の改善を図ることできる。より具体的には、例えば図21に示すように、領域ごとに輝度差が大きい画表示を行う場合に、各ラインの電源供給線32ごとに流れるトータル電流に差が生じる際の画質改善を行うことできる。
また、各トランジスタ523,524に流れる電流値が小さくなることで、波形整形論理回路52の発熱(単位時間あたりの熱量)、ひいては当該波形整形論理回路52を含む電源供給走査回路50Aの発熱低減を図ることができる。ここで、単位時間あたりの熱量Qは、次式(4)で表わされる。
Q=IdsVds
=Ids{(Vgs−Vth)−√(Vgs−Vth)2
−2Ids(L/WCoxμ) ……(4)
ただし、Vds<Vgs−Vth
(Vccp1,Vccp2の設定)
先述したように、本実施例1においては、中間電位Vccp2を高電位Vccp1に対して、好ましくは、閾値補正処理後の駆動トランジスタ22のドレイン−ソース間電圧Vds(a)と有機EL素子21の発光中の駆動トランジスタのドレイン−ソース間電圧Vds(b)とが等しくなるように設定する。このとき、信号書込み+移動度補正期間での電源供給線32の電位DSを、閾値補正期間と同じ中間電位Vccp2に設定している。
しかし、移動度補正期間の電位DSを中間電位Vccp2とした場合、移動度補正期間中の駆動トランジスタ22のドレイン−ソース間電圧Vds(c)が、閾値補正処理後および発光中のドレイン−ソース間電圧Vds(a),(b)よりも小さくなる(図13参照)。これにより、図22に示すように、駆動トランジスタ22をキンク現象が発生する領域(以下、「キンク現象の領域」と記述する)で使用してしまう可能性がある。キンク現象の領域で使用すると、それ以外の領域で使用する場合よりも、画素間において駆動トランジスタ22のドレイン−ソース間電流Idsにばらつきが発生し易くなるために、画素間において輝度差が発生する。
このような理由から、中間電位Vccp2のみならず、高電位Vccp1についても、移動度補正期間において駆動トランジスタ22をキンク現象の領域で使用しないように各電位を設定することが望ましい。具体的には、出荷前において、移動度補正期間において駆動トランジスタ22をキンク現象の領域で使用している場合は、そのときの電位よりも電位Vccp1,Vccp2の各電位を上げるか、または下げる。
電位Vccp1,Vccp2の各電位を上げることで図23(A)に示すように、下げることで図23(B)に示すように、駆動トランジスタ22をキンク現象の領域で使用しないようにすることができる。その結果、キンク現象が存在するトランジスタ特性においても、画素間における駆動トランジスタ22のドレイン−ソース間電流Idsのばらつきを抑制することができるため、表示画像の画質を改善できる。
[実施例2]
図1および図2に示すシステム構成の有機EL表示装置10において、実施例2に係る電源供給走査回路50Bは、電源供給線32の電位DSとして、4値の電位を設定可能な構成となっている。具体的には、電源供給走査回路50は、高電位Vccp1と、低電位Viniと、それらの間の2つの中間電位Vccp2,Vccp3との4値の電位を電源電位DSとして適宜設定できるようになっている。ここで、中間電位Vccp2,Vccp3は、Vccp2<Vccp3の高低関係にある。
実施例1では、移動度補正期間(信号電圧Vsigの書込み期間を含む)での電源供給線32の電位DSを中間電位Vccp2に設定していた。すなわち、移動度補正期間における電源供給線32の電位DSを閾値補正期間と移動度補正期間とで同じ電位に設定していた。これに対して、実施例2では、移動度補正期間における電源供給線32の電位DSを閾値補正期間と移動度補正期間とで異なる中間電位Vccp2,Vccp3に設定することを特徴としている。
実施例2の場合の電源電位DSの設定についてのタイミング関係を図24に示す。電源供給走査回路50Bは、閾値補正準備期間(t11−t13)では低電位Viniを設定し、少なくとも閾値補正期間(t13−t14)では中間電位Vccp2を設定する。電源供給走査回路50Bはさらに、信号書込み+移動度補正期間(t16−t17)では中間電位Vccp3を設定し、発光期間(t17以降)では高電位Vccp1を設定する。
すなわち、実施例1では、移動度補正期間における電源供給線32の電位DSを閾値補正期間と移動度補正期間とで同じ中間電位Vccp2に設定するようにしていた。これに対して、本実施例2では、電源供給線32の電位DSを閾値補正期間と移動度期間とで異ならせる、具体的には、閾値補正期間で中間電位Vccp2に設定し、移動度期間で中間電位Vccp3に設定するようにしている。
電源供給線32の電位DSが閾値補正期間と発光期間とで異なっていたとしても、先述したように、移動度補正期間における電源供給線32の電位DSを閾値補正期間と移動度補正期間とで同じ中間電位Vccp2とした場合、駆動トランジスタ22をキンク現象の領域で使用してしまう可能性がある。その結果、画素間において駆動トランジスタ22のドレイン−ソース間電流Idsにばらつきが発生し易くなるために、画素間において輝度差が発生する。
これに対して、電源供給線32の電位DSを閾値補正期間と移動度期間とで異ならせることで、たとえ駆動トランジスタ22をキンク現象の領域で使用していても、画素間での駆動トランジスタ22のドレイン−ソース間電流Idsのばらつきを小さく抑えることができる。ここで、中間電位Vccp3については中間電位Vccp2に対して、閾値補正処理後のドレイン−ソース間電圧Vds(a)と、移動度補正中の駆動トランジスタ22のドレイン−ソース間電圧Vds(c)とが等しくなるような電位に設定するのが好ましい。
このような電位関係にて中間電位Vccp2に対して中間電位Vccp3を設定することで、図25に示すように、閾値補正処理後、移動度補正処理後および発光期間を全て同じドレイン−ソース間電圧Vdsとすることができる。これにより、たとえ駆動トランジスタ22をキンク現象の領域で使用していても、閾値補正および移動度補正の各処理の終わりと発光中でドレイン−ソース間電圧Vdsが変動しない。その結果、キンク現象に起因する画素間での駆動トランジスタ22のドレイン−ソース間電流Idsのばらつきをより小さく抑えることができる(理想的にはばらつきを無くすことができる)ため、表示画像の画質を改善できる。
ここで、電源供給線32の電源電位DSとして、4値の電位Vccp1,Vccp2,Vccp3,Viniを設定可能な電源供給走査回路50Bの具体的な構成について説明する。
図26は、4値の電位Vccp1,Vccp2,Vccp3,Viniを設定可能な電源供給走査回路50Bの構成の一例を示すブロック図である。
電源供給走査回路50Bは、シフトレジスタ53と波形整形論理回路54とから構成されている。シフトレジスタ53は、書込み走査回路40(図1参照)による垂直走査に同期して、4つのタイミング信号T1,T2,T3,T4を画素行ごとに出力する。波形整形論理回路54は、4つのタイミング信号T1,T2,T3,T4に基づいて4値の電位Vccp1,Vccp2,Vccp3,Viniを適宜出力する。
(実施例2に係る波形整形論理回路の構成)
図27は、実施例2に係る波形整形論理回路54の構成の一例を示す回路図である。本実施例2に係る波形整形論理回路54は、3つのインバータ541,542,543と、スイッチング素子である3つのPchMOSトランジスタ544,545,546および1つのNchMOSトランジスタ547とから構成されている。
インバータ541は、入力端子in1を介して入力されるタイミング信号T1の論理を反転してPchMOSトランジスタ544のゲート電極に与える。PchMOSトランジスタ544は、電源ノードN1と出力ノードNoとの間に接続されている。電源ノードN1には、電源部(図示せず)から正側電源電圧VDD1が供給される。
インバータ542は、入力端子in2を介して入力されるタイミング信号T2の論理を反転してPchMOSトランジスタ545のゲート電極に与える。PchMOSトランジスタ545は、電源ノードN2と出力ノードNoとの間に接続されている。電源ノードN2には、電源部から2つの正側電源電圧VDD1,VDD2が電源電圧VDDx_1として選択的に供給される。電源電圧VDD2は、正側電源電圧VDD1と負側電源電圧VSSとの間の電圧である。
インバータ543は、入力端子in3を介して入力されるタイミング信号T3の論理を反転してPchMOSトランジスタ546のゲート電極に与える。PchMOSトランジスタ546は、電源ノードN3と出力ノードNoとの間に接続されている。電源ノードN3には、電源部から2つの正側電源電圧VDD1,VDD3が電源電圧VDDx_2として選択的に供給される。電源電圧VDD3は、正側電源電圧VDD1と負側電源電圧VSSとの間の電圧であって、電源電圧VDD2よりも低い電圧である。
NchMOSトランジスタ547は、出力ノードNoと電源ノードN4との間に接続されており、ゲート電極には入力端子in4を介してタイミング信号T4が供給される。電源ノードN4には、電源部から負側電源電圧VSSが供給される。出力ノードNoには、出力端子outが電気的に接続されている。
(実施例2に係る波形整形論理回路の回路動作)
次に、上記構成の実施例2に係る波形整形論理回路54の回路動作については、図28のタイミング波形図を用いて説明する。
図28は、タイミング信号T1,T2,T3,T4および電源電圧VDDx_1,VDDx_2のタイミング関係を示している。図28において、時刻t11,t13,t17は、図13の時刻t11,t13,t17にそれぞれ対応している。
図28に示すように、電源電圧VDDx_1は、時刻t11までおよび時刻t17以降の各期間で電源電圧VDD1をとり、時刻t11−t17の期間で電源電圧VDD2をとる。電源電圧VDDx_2は、時刻t11までおよび時刻t17以降の各期間で電源電圧VDD1をとり、時刻t11−t17の期間で電源電圧VDD3(<VDD2)をとる。また、タイミング信号T1,T2,T3,T4のパルス振幅幅は、VDD1−VSSである。
時刻t11−t13の期間では、タイミング信号T1,T2,T3がLowレベル、タイミング信号T4がHighレベルになるために、PchMOSトランジスタ544〜546が共に非導通状態になり、NchMOSトランジスタ547が導通状態になる。これにより、負側電源電圧VSSがNchMOSトランジスタ547および出力ノードNoを通して出力端子outから低電位Viniとして出力される。
時刻t13−t16の期間では、タイミング信号T1,T2がLowレベルを持続し、タイミング信号T3がHighレベルに、タイミング信号T4がLowレベルにそれぞれ遷移するために、PchMOSトランジスタ546のみが導通状態になる。このとき、VDDx_2=VDD3であることから、当該電源電圧VDD3がPchMOSトランジスタ546および出力ノードNoを通して出力端子outから中間電位Vccp3として出力される。
時刻t16−t17の期間では、タイミング信号T1,T4がLowレベルを持続し、タイミング信号T2がHighレベルに、タイミング信号T3がLowレベルにそれぞれ遷移するために、PchMOSトランジスタ545のみが導通状態になる。このとき、VDDx_1=VDD2であることから、当該電源電圧VDD2がPchMOSトランジスタ545および出力ノードNoを通して出力端子outから中間電位Vccp2として出力される。
時刻t17以降の発光期間では、タイミング信号T1,T3がHighレベルに遷移し、タイミング信号T2がHighレベルを、タイミング信号T4がLowレベルをそれぞれ持続するために、PchMOSトランジスタ544〜546が共に導通状態になる。これにより、電源電圧VDD1がPchMOSトランジスタ544および出力ノードNoを通して出力端子outから高電位Vccp1として出力される。
このとき、VDDx_1=VDD1、VDDx_2=VDD1であることから、当該電源電圧VDD1もPchMOSトランジスタ545,546および出力ノードNoを通して出力端子outから高電位Vccp1として出力される。すなわち、発光期間では、PchMOSトランジスタ544〜546が共に導通状態になることで電源ノードN1,N2,N3が電気的に接続されるために、2つの電源ノードN1,N2,N3から電源電圧VDD1が高電位Vccp1として出力されることになる。
このように、本実施例2に係る波形整形論理回路54によれば、電源供給線32の電源電位DSとして4値の電位、即ち高電位Vccp1、中間電位Vccp2,Vccp3および低電位Viniを設定することができる。そして、本実施例2に係る波形整形論理回路54は、発光期間では電源ノードN1,N2,N3を接続して当該3つの電源ノードN1,N2,N3から電源電圧VDD1を高電位Vccp1として電源供給線32に供給する構成を採ることを特徴としている。
(実施例2に係る波形整形論理回路の作用効果)
かかる構成を採ることで、図21の画表示において、ラインA,Bの電源供給線32ごとに流れるトータル電流に差が生じた場合において、PchMOSトランジスタ544での電圧降下の差が、先述した参考例の場合に比べて減少する。
仮に、PchMOSトランジスタ544〜546のトランジスタサイズが同じとした場合、発光中のあるラインの電源供給線32に流れるトータル電流値をIとすると、トランジスタ544〜546に流れる電流はI/3となる。したがって、トランジスタ544〜546での電圧降下が1/3となり、ライン間での電圧降下差も同様に低下するために、映像ライン間で発生する輝度差を、先述した参考例の場合に比べて抑えることができる。その結果、実施例1の場合と同様に、例えば図21に示すような輝度差のある画表示の場合に、各ラインの電源供給線32ごとに流れるトータル電流に差が生じる際の画質改善および電源供給走査回路50Bの発熱低減を図ることができる。
電源供給線32の電位DSとして、実施例1では3値の電位を、実施例2では4値の電位をそれぞれ設定する場合の波形整形論理回路52,54について説明したが、5値以上の電位を設定する場合にも同様の考え方を適用することができる。
<3.第2実施形態>
第1実施形態では、駆動トランジスタ22にキンク現象に起因する有機EL素子21の駆動電流のばらつきを抑えて画質の改善を図るために、電源供給線32の電位DSを閾値補正期間と発光期間とで異ならせるようにしている。より具体的には、電源供給走査回路50を、電源供給線32の電源電位DSとして少なくとも3値に設定可能な構成としている。
そして、電源供給走査回路50により、電源供給線32の電位DSとして少なくとも3値の電源電位のうちの1つを適宜設定することで、当該電位DSを閾値補正期間と発光期間とで異ならせるようにしている。特に、実施例1,2に係る波形整形論理回路52,54を用いることで、例えば図21に示すような輝度差のある画表示の場合に、各ラインの電源供給線32ごとに流れるトータル電流に差が生じる際の画質改善および電源供給走査回路50の発熱低減を図ることができる。
これに対して、第2実施形態では、第1実施形態の実施例1,2に係る波形整形論理回路52,54におけるPchMOSトランジスタでの電圧降下が先述した参考例の場合と同程度でも、当該電圧降下による画質への影響がないことを前提している。そして、当該波形整形論理回路52,54を用いることで、電源供給走査回路50のレイアウト面積の削減を図ることを特徴としている。
図29は、第2実施形態に係る有機EL表示装置の要部の構成を示す回路図であり、画素アレイ部30と、波形整形論理回路52(54)を含む電源供給走査回路50とを示している。ここでは、図面の簡略化のために、4行(4ライン)分について示している。
先述した実施例1で説明したように、仮に、PchMOSトランジスタ523とPchMOSトランジスタ524のトランジスタサイズが同じとした場合、両トランジスタ523,524に流れる電流はI/2となる。
ここで、トランジスタの線形電流式は、
Ids=(W/L)Coxμ{(Vgs−Vth)Vds−(1/2)Vds2
・(1+λVds) ……(5)
なる式で表わされる。
したがって、電流Idsが1/2になれば、トランジスタ523,524のサイズ、具体的にはチャネル幅Wを、1つの電源ノードから電源電圧を供給する場合に比べて半分程度まで小さくすることができる。ただし、トランジスタサイズのW長を半分にすると、トランジスタ523,524での電圧降下値は、先述した参考例の場合とほぼ同じになる。
図30は、電源供給走査回路50の要部のレイアウト図である。図30において、図17と対応する部分には同一符号を付して示している。また、図中、黒丸(●)は、配線層間を電気的に接続するコンタクト部を表わしている。
図30には、図17に示す実施例1に係る波形整形論理回路52におけるPchMOSトランジスタ524とNchMOSトランジスタ525の2つのトランジスタのレイアウトを示している。これらトランジスタ524,525の移動度μが例えば等しいとした場合、PchMOSトランジスタ524に流れる電流値を1/2にできない場合には、両トランジスタ524,525のトランジスタサイズを等しく設定する必要がある。
これに対して、実施例1に係る波形整形論理回路52によれば、PchMOSトランジスタ524に流れる電流が1/2になるために、当該トランジスタ524のチャネル幅Wpを、NchMOSトランジスタ525のチャネル幅Wnの1/2にすることができる。図示を省略しているが、PchMOSトランジスタ524と対となるPchMOSトランジスタ523についても同様である。実施例2に係る波形整形論理回路54を用いた場合にも同様のことが言える。
上述したように、電源供給走査回路50において、各行に対応した回路部分のPchMOSトランジスタ523,524のトランジスタサイズを、1つの電源ノードから電源電圧VDD1を供給する場合に比べて小さくできる。これにより、電源供給走査回路50のレイアウト面積を削減できるために、表示パネル70の周縁部(いわゆる、額縁)の縮小化に寄与できる。また、レイアウトスペースに余裕ができるために、異物等による配線間のショートなどを防止することができる。
<4.変形例>
上記各実施形態では、有機EL素子21の駆動回路が、基本的に、駆動トランジスタ22および書込みトランジスタ23の2つのトランジスタからなる画素構成の場合を例に挙げて説明したが、本発明はこの画素構成への適用に限られるものではない。
一例として、図31に示すように、駆動トランジスタ22、書込みトランジスタ23に加えて、発光制御トランジスタ26および2つのスイッチングトランジスタ27,28を有する5つのトランジスタからなる5Trの回路構成を基本構成とする画素20′が知られている(例えば、特開2005−345722号公報参照)。ここでは、発光制御トランジスタ26としてPchトランジスタ、スイッチングトランジスタ27,28としてNchを用いているが、これらの導電型の組み合わせは任意である。
発光制御トランジスタ26は、駆動トランジスタ22に対して直列に接続され、駆動トランジスタ22への高電位Vccpの供給を選択的に行うことで、有機EL素子21の発光/非発光の制御を行なう。スイッチングトランジスタ27は、駆動トランジスタ22のゲート電極に基準電位Vofsを選択的に与えることで、そのゲート電位Vgを基準電位Vofsに初期化する。スイッチングトランジスタ28は、駆動トランジスタ22のソース電極に低電位iniを選択的に与えることで、そのソース電位Vsを低電位iniに初期化する。
ここでは、他の画素構成として、5Trの回路構成を例に挙げたが、例えば、信号線33を通して基準電位Vofsを供給し、当該基準電位Vofsを書込みトランジスタ23によって書き込むようにすることでスイッチングトランジスタ27を省略するなど、種々の画素構成のものが考えられる。
また、上記各実施形態では、画素20の電気光学素子として、有機EL素子を用いた有機EL表示装置に適用した場合を例に挙げて説明したが、本発明はこの適用例に限られるものではない。具体的には、本発明は、無機EL素子、LED素子、半導体レーザー素子など、デバイスに流れる電流値に応じて発光輝度が変化する電流駆動型の電気光学素子(発光素子)を用いた表示装置全般に対して適用可能である。
<5.適用例>
以上説明した本発明による表示装置は、電子機器に入力された映像信号、若しくは、電子機器内で生成した映像信号を、画像若しくは映像として表示するあらゆる分野の電子機器の表示装置に適用することが可能である。一例として、図32〜図36に示す様々な電子機器、例えば、デジタルカメラ、ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話等の携帯端末装置、ビデオカメラなどの表示装置に適用することが可能である。
このように、あらゆる分野の電子機器の表示装置として本発明による表示装置を用いることにより、各種の電子機器において高品位な画像表示を行うことができる。すなわち、先述した各実施形態の説明から明らかなように、本発明による表示装置は、キンク現象に起因する画素間での駆動トランジスタのドレイン−ソース間電流Idsのばらつきをより小さく抑えることができ、表示画像の画質を改善できるため、高品質な表示画像を得ることができる。
本発明による表示装置は、封止された構成のモジュール形状のものをも含む。例えば、画素アレイ部30に透明なガラス等の対向部が貼り付けられて形成された表示モジュールが該当する。この透明な対向部には、カラーフィルタ、保護膜等、更には、上記した遮光膜が設けられてもよい。なお、表示モジュールには、外部から画素アレイ部への信号等を入出力するための回路部やFPC(フレキシブルプリントサーキット)等が設けられていてもよい。
以下に、本発明が適用される電子機器の具体例について説明する。
図32は、本発明が適用されるテレビジョンセットの外観を示す斜視図である。本適用例に係るテレビジョンセットは、フロントパネル102やフィルターガラス103等から構成される映像表示画面部101を含み、その映像表示画面部101として本発明による表示装置を用いることにより作成される。
図33は、本発明が適用されるデジタルカメラの外観を示す斜視図であり、(A)は表側から見た斜視図、(B)は裏側から見た斜視図である。本適用例に係るデジタルカメラは、フラッシュ用の発光部111、表示部112、メニュースイッチ113、シャッターボタン114等を含み、その表示部112として本発明による表示装置を用いることにより作製される。
図34は、本発明が適用されるノート型パーソナルコンピュータの外観を示す斜視図である。本適用例に係るノート型パーソナルコンピュータは、本体121に、文字等を入力するとき操作されるキーボード122、画像を表示する表示部123等を含み、その表示部123として本発明による表示装置を用いることにより作製される。
図35は、本発明が適用されるビデオカメラの外観を示す斜視図である。本適用例に係るビデオカメラは、本体部131、前方を向いた側面に被写体撮影用のレンズ132、撮影時のスタート/ストップスイッチ133、表示部134等を含み、その表示部134として本発明による表示装置を用いることにより作製される。
図36は、本発明が適用される携帯端末装置、例えば携帯電話機を示す外観図であり、(A)は開いた状態での正面図、(B)はその側面図、(C)は閉じた状態での正面図、(D)は左側面図、(E)は右側面図、(F)は上面図、(G)は下面図である。本適用例に係る携帯電話機は、上側筐体141、下側筐体142、連結部(ここではヒンジ部)143、ディスプレイ144、サブディスプレイ145、ピクチャーライト146、カメラ147等を含んでいる。そして、ディスプレイ144やサブディスプレイ145として本発明による表示装置を用いることにより本適用例に係る携帯電話機が作製される。
10…有機EL表示装置、20,20´…画素、21…有機EL素子、22…駆動トランジスタ、23…書込みトランジスタ、24…保持容量、30…画素アレイ部、31(31−1〜31−m)…走査線、32(32−1〜32−m)…電源供給線、33(33−1〜33−n)…信号線、34…共通電源供給線、40…書込み走査回路、50,50A,50B…電源供給走査回路、51,53…シフトレジスタ、52,54…波形調整論理回路、60…信号出力回路、70…表示パネル

Claims (11)

  1. 電気光学素子と、
    映像信号を書き込む書込みトランジスタと、
    前記書込みトランジスタによって書き込まれた前記映像信号を保持する保持容量と、
    前記保持容量に保持された前記映像信号に応じて前記電気光学素子を駆動する駆動トランジスタとを有し、
    前記電気光学素子の発光駆動に先立って、前記駆動トランジスタのゲート電位の初期化電位を基準として当該初期化電位から前記駆動トランジスタの閾値電圧を減じた電位に向けてソース電位を変化させる閾値補正処理の機能を持つ画素が行列状に配置された画素アレイ部と、
    前記駆動トランジスタに電流を供給する電源供給線の電源電位として、前記閾値補正処理を行う閾値補正期間と前記電気光学素子の発光期間とで異なる電位を設定する電源供給部とを備え、
    前記電源供給部は、前記電気光学素子の発光期間では前記電源供給線に対して複数の電源ノードから複数のスイッチング素子を通して電源電位を供給する
    表示装置。
  2. 前記電源供給部は、前記閾値補正処理後の前記駆動トランジスタのドレイン−ソース間電圧と、前記電気光学素子の発光中の前記駆動トランジスタのドレイン−ソース間電圧とが等しくなるように、前記発光期間の電源電位に対して前記閾値補正期間の電源電位を設定する
    請求項1記載の表示装置。
  3. 前記画素は、前記書込みトランジスタによる前記映像信号の書込み処理と並行して、前記駆動トランジスタに流れる電流に応じた補正量で当該駆動トランジスタのゲート−ソース間の電位差に負帰還をかける移動度補正処理の機能を持つ
    請求項1記載の表示装置。
  4. 前記電源供給部は、前記駆動トランジスタに電流を供給する電源供給線の電源電位として、前記閾値補正処理を行う閾値補正期間と前記移動度補正処理を行う移動度補正期間とで同電位を設定する
    請求項3記載の表示装置。
  5. 前記電源供給部は、前記移動度補正処理の期間において前記駆動トランジスタをキンク現象が発生する領域で使用しないような電位に前記発光期間の電源電位および前記閾値補正期間の電源電位を設定する
    請求項4記載の表示装置。
  6. 前記電源供給部は、前記駆動トランジスタに電流を供給する電源供給線の電源電位として、前記閾値補正処理を行う閾値補正期間と前記移動度補正処理を行う移動度補正期間とで異なる電位を設定する
    請求項3記載の表示装置。
  7. 前記電源供給部は、前記閾値補正処理後の前記駆動トランジスタのドレイン−ソース間電圧と、前記移動度補正処理中の前記駆動トランジスタのドレイン−ソース間電圧と、前記電気光学素子の発光中の前記駆動トランジスタのドレイン−ソース間電圧とが等しくなるように、前記閾値補正期間および前記発光期間の各電源電位に対して前記移動度補正期間の電源電位を設定する
    請求項6記載の表示装置。
  8. 前記複数の電源ノードのうちの一つの電源ノードには前記電気光学素子の発光期間に前記電源供給線に与える第1の電源電位が供給され、他の電源ノードには前記第1の電源電位と少なくとも前記閾値補正期間に前記電源供給線に与える第2の電源電位とが選択的に供給され、
    前記電源供給部は、前記複数のスイッチング素子が前記電源供給線に対して電源電位を出力する出力ノードと前記複数の電源ノードとの間に接続されており、前記電気光学素子の発光期間では前記複数の電源ノードから前記複数のスイッチング素子を通して前記電源供給線に前記第1の電源電位を供給する
    請求項1記載の表示装置。
  9. 前記複数のスイッチング素子のサイズは、1つの電源ノードから1つのスイッチング素子を通して前記電源供給線に前記第1の電源電位を供給する場合に比べて小さい
    請求項8記載の表示装置。
  10. 電気光学素子と、
    映像信号を書き込む書込みトランジスタと、
    前記書込みトランジスタによって書き込まれた前記映像信号を保持する保持容量と、
    前記保持容量に保持された前記映像信号に応じて前記電気光学素子を駆動する駆動トランジスタとを有し、
    前記電気光学素子の発光駆動に先立って、前記駆動トランジスタのゲート電位の初期化電位を基準として当該初期化電位から前記駆動トランジスタの閾値電圧を減じた電位に向けてソース電位を変化させる閾値補正処理の機能を持つ画素が行列状に配置された表示装置の駆動に当たって、
    前記駆動トランジスタに電流を供給する電源供給線の電源電位として、前記閾値補正処理を行う閾値補正期間と前記電気光学素子の発光期間とで異なる電位を設定し、
    前記電気光学素子の発光期間では前記電源供給線に対して複数の電源ノードから複数のスイッチング素子を通して電源電位を供給する
    表示装置の駆動方法。
  11. 電気光学素子と、
    映像信号を書き込む書込みトランジスタと、
    前記書込みトランジスタによって書き込まれた前記映像信号を保持する保持容量と、
    前記保持容量に保持された前記映像信号に応じて前記電気光学素子を駆動する駆動トランジスタとを有し、
    前記電気光学素子の発光駆動に先立って、前記駆動トランジスタのゲート電位の初期化電位を基準として当該初期化電位から前記駆動トランジスタの閾値電圧を減じた電位に向けてソース電位を変化させる閾値補正処理の機能を持つ画素が行列状に配置された画素アレイ部と、
    前記駆動トランジスタに電流を供給する電源供給線の電源電位として、前記閾値補正処理を行う閾値補正期間と前記電気光学素子の発光期間とで異なる電位を設定する電源供給部とを備え、
    前記電源供給部は、前記電気光学素子の発光期間では前記電源供給線に対して複数の電源ノードから複数のスイッチング素子を通して電源電位を供給する
    表示装置を有する電子機器。
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