JP2015017917A - 生体物質自動定量装置及び生体物質定量方法 - Google Patents

生体物質自動定量装置及び生体物質定量方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、測定対象となる生体物質を含む試料の性状によらずに、供給する試薬を一元化できる生体物質自動定量装置を提供する。
【解決手段】本発明の生体物質自動定量装置1は、試料反応部A及び測定部Fのそれぞれに所定の試薬を分注する分注機構Dと、前記試薬の濃度よりも高い濃度の高濃度試薬32,33と、この高濃度試薬32,33を希釈する希釈液31とが配置される試薬類配置部Cと、を備え、分注機構Dは、試薬類配置部Cの高濃度試薬32,33と希釈液31とを所定の割合で混合して所定の試薬を調製し、試料反応部A及び測定部Fのそれぞれに所定の試薬を所定の量で分注することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、生体物質自動定量装置及び生体物質定量方法に関する。
例えば、食品製造工場、医薬品製造工場、医療設備等の施設内での環境や、これら施設内で扱われる製品、その原材料等における微生物の存在の有無の検証、あるいは微生物の定量は、品質・衛生管理のうえで重要な検査項目の一つとなる。
従来、微生物測定法としては、寒天培地を用いたコロニーカウント法や液体培地を用いた濁度計測法等が知られている。しかしながら、これらの方法は、採取した試料(検体)に含まれる微生物の培養が必要なために、微生物の定量に一日から数日要する問題がある。
これに対して近年、発光試薬や蛍光試薬を用いて微生物の細胞の構成物を特異的に標識し、その発光強度を計測して微生物を定量(計数)する微生物測定方法が提案されている。その一つが微生物の生体物質であるATP(アデノシン−3−リン酸)を定量するATP法である(例えば、特許文献1参照)。
ATP法は、生きた細胞が必ず含有する生体物質であるATPを微生物量(微生物数)の指標とする方法であり、発光反応を利用する。
このATP法では、試料中の微生物から抽出されたATPにルシフェリン・ルシフェラーゼを反応させた際の発光強度に基づいてATP量が測定され、次いでこのATP量に基づいて微生物量が求められる。このようなATP法によれば、数分から数十分程度で試料中の微生物量を定量することができる。
ところが、採取した試料には、微生物の細胞外に存在するATPや死菌由来のATP(以下、これらのATPをまとめて「遊離ATP」ということがある)も含まれる。この遊離ATPは、生菌由来の正確なATP量の測定を阻害する。
したがって、ATP法では、試料にATP分解酵素(ATP消去試薬)を添加して遊離ATPを分解した後にATP抽出試薬を添加し、微生物の細胞から測定されるべきATPを抽出する。そして、ATP法では、抽出したATPにATP発光試薬を反応させて微生物の定量を行う。ちなみに、試料に添加されたATP分解酵素は、その後に試料に添加されるATP抽出試薬により失活するため、微生物の細胞から抽出されたATPがこのATP分解酵素により分解されることは避けられる。
特許第3070780号公報
ところで、使用されるATP分解酵素、ATP抽出試薬、及びATP発光試薬の濃度のバランスは、ATPの測定感度に大きく影響する。具体的には、採取した試料の性状に応じて試料中の遊離ATPが多いであろうと思われる場合には、試料中に遊離ATPが残存するのを防止するために通常よりも高い濃度のATP分解酵素が試料に添加される。
しかしながら、このような場合には、遊離ATPの消去後も試料中にATP分解酵素が比較的高濃度で残存することがある。また、ATP分解酵素が比較的高濃度で試料中に残存すると、ATP抽出試薬により微生物からATPが抽出される際に、ATP分解酵素が完全に失活しない場合がある。そして、試料中に残存したATP分解酵素は、微生物から抽出されたATPをも分解することとなって、正確な生菌由来のATP量を測定できない場合がある。
また、測定対象となる微生物が、ATP抽出試薬に対して高耐性を有する種類に属するものである場合には、通常よりも高い濃度のATP抽出試薬が試料に添加される。
しかしながら、試料に添加するATP抽出試薬の濃度が高いと、ATP発光試薬が変性して発光量が低下するおそれがある。
一方、ATP法では、前記した施設内で扱われる製品、その原材料等が試料(固体試料又は液体試料)として供されることも多い。そして、これらの試料としては、品質・衛生管理上、無菌状態又は準無菌状態が要求される低いATPレベルのものから、微生物以外の他の有機物(動植物)由来のATPをも含む高いATPレベルのものまでが想定される。また、これら試料においては、測定対象となる微生物の種類も多く、ATP抽出試薬に対する耐性が微生物の種類ごとに一律ではないことからATP抽出難易度にも幅がある。
したがって、性状や測定対象となる微生物の種類が様々な試料についても微生物の定量を高精度かつ高感度で行うためには、各試料の性状等に応じて各試薬の濃度を最適化する必要がある。つまり、あらゆる性状のいずれの試料にも対応できるように、互いに濃度の異なる複数の試薬を、各試薬の種類ごとに予め準備しておく必要がある。
また昨今、ATP法を採用したATP定量装置においては、操作者の熟練度を問わずにそのさらなる高精度化、高感度化を達成し得るものが望まれており、そのため当該装置の全自動化の要請も高い。
しかしながら、このようなATP自動定量装置においては、当該装置に供される試料について想定される前記のATPレベルの高低幅、及び測定対象となる微生物の種類の多さを考慮すると、予め準備しなければならない試薬の数が膨大なものとなって、各試料の性状等に応じた各試薬の濃度の最適化は極めて困難となる。よって、測定対象となるATPを含む試料の性状によらずに、供給する試薬を一元化できるものが望まれている。
そこで本発明の課題は、測定対象となる生体物質を含む試料の性状によらずに、供給する試薬を一元化できる生体物質自動定量装置及び生体物質定量方法を提供することにある。
前記課題を解決する本発明の生体物質自動定量装置は、微生物を含む試料から当該微生物を回収し、回収した当該微生物に含まれる生体物質を抽出する試料反応部と、前記微生物から抽出した前記生体物質の量を測定する測定部と、前記試料反応部及び前記測定部のそれぞれに所定の試薬を分注する分注機構と、前記試薬の高濃度試薬とこの高濃度試薬を希釈する希釈液とが配置される試薬類配置部と、前記分注機構の駆動制御を行うと共に、この分注機構による前記試料反応部及び前記測定部に分注する前記所定の試薬の量及び前記所定の試薬の濃度を設定する制御部と、を備え、前記分注機構は、前記制御部の指令に応じて前記試薬類配置部の前記高濃度試薬と前記希釈液とを所定の割合で混合して前記所定の試薬を調製し、前記試料反応部及び前記測定部のそれぞれに前記所定の試薬を所定の量で分注することを特徴とする。
また、前記課題を解決する本発明の生体物質定量方法は、微生物を含む試料から当該微生物を回収し、回収した当該微生物に含まれる生体物質を抽出する生体物質抽出工程と、前記微生物から抽出した前記生体物質の量を測定する測定工程と、を有し、前記生体物質抽出工程で使用される所定の試薬、及び前記測定工程で使用される所定の試薬のそれぞれは、前記生体物質抽出工程及び前記測定工程のそれぞれが行われる際に、前記所定の試薬の濃度よりも高い濃度の高濃度試薬と、これらの高濃度試薬を希釈する希釈液と、を所定の割合で混合してその都度用時調製され、前記所定の試薬の濃度のそれぞれは、前記試料に含まれる前記微生物の細胞外の前記生体物質の濃度に応じて設定されることを特徴とする。
本発明によれば、測定対象となる生体物質を含む試料の性状によらずに、供給する試薬を一元化できる生体物質自動定量装置及び生体物質定量方法を提供することができる。
本発明の実施形態に係る生体物質自動定量装置の構成説明図である。 図1に示す生体物質自動定量装置の制御部が、試料の遊離ATPの濃度に基づいてATP消去試薬の必要濃度を演算するために参照する関数を表すグラフである。 図1に示す生体物質自動定量装置の制御部が、測定対象の微生物に対応するATPの抽出反応条件を設定する際に参照するテーブルを部分的に表した図表である。 図1に示す生体物質自動定量装置の制御部が、ATPの検出限界値を演算する際に参照する関数を表すグラフであり、X軸はATP消去試薬の必要濃度を表し、Y軸はATP抽出試薬の濃度を表し、Z軸はATPの検出限界値を表す。 本発明の実施形態に係る生体物質自動定量装置の動作を説明するためのフローチャートである。 本発明の実施形態に係る生体物質自動定量装置の動作を説明するためのフローチャートである。 本発明の実施形態に係る生体物質自動定量装置の動作を説明するためのフローチャートである。
次に、本発明の実施形態について適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
本実施形態の生体物質自動定量装置及び生体物質定量方法は、試料に含まれる微生物の生体物質(ATP:アデノシン−3−リン酸)の定量に使用する所定の試薬を、その使用時に用時調製することを主な特徴とする。つまり、前記の所定の試薬は、高濃度試薬と希釈液とを所定の割合で混合してその都度調製される。なお、「高濃度試薬」の用語の「高濃度」とは、前記所定の試薬の濃度よりも単に高いことを意味する。
また、本実施形態での高濃度試薬及び希釈液は、後記するように、液体であるものを想定している。
以下では、本発明の実施形態に係る生体物質自動定量装置の全体構成について説明した後に、この生体物質自動定量装置の動作について説明しながら生体物質定量方法について説明する。
<生体物質自動定量装置>
本実施形態に係る生体物質自動定量装置は、試料中の微生物に含まれる生体物質としてのATPを自動的に定量するように構成されている。図1は、本発明の実施形態に係る生体物質自動定量装置の構成説明図である。
図1に示すように、生体物質自動定量装置1(以下、単に「定量装置1」と称することがある)は、微生物を含む試料(液体試料)から当該微生物を回収して当該微生物に含まれるATPを抽出する試料反応部Aと、ATPを測定する測定部Fと、試料反応部A及び測定部Fのそれぞれに後記する所定の試薬を分注する分注機構Dと、この分注機構Dの駆動制御を行うと共に、この分注機構Dによる試料反応部A及び前記測定部Fに対する前記所定の試薬の供給量及び前記所定の試薬の濃度を設定する制御部Hと、を備えている。
定量装置1は、さらに試料反応部Aの後記する反応容器18の内容物をろ過するろ過機構Bと、後記する所定の試薬を調製するための試薬原液(高濃度試薬)及び希釈液等が配置される試薬類配置部Cと、試料反応部Aの温度を所定の温度に調節する温度調節機構Eと、測定対象となる微生物の種類に応じたATPの抽出反応条件を入力する入力パネルGと、を備えている。
以下に、試料反応部A、ろ過機構B、試薬類配置部C、分注機構D、温度調節機構E、測定部F、入力パネルG、及び制御部Hの順番で説明する。
(試料反応部)
試料反応部Aは、ロート状に形成された反応容器18と、その底部に配置されたメンブレンフィルタ22と、を備えて構成されている。
この試料反応部Aは、後記するろ過機構Bの吸引ポンプ9で吸引されることにより、メンブレンフィルタ22上に微生物を回収し、後記する分注機構DにてATP抽出試薬が分注されて、微生物からATPを抽出する。
なお、本実施形態でのメンブレンフィルタ22は、図示しない親水性メンブレンフィルタと、図示しない疎水性メンブレンフィルタとの二枚重ねになっており、二枚重ねの上側に親水性メンブレンフィルタが配置され、二枚重ねの下側に疎水性メンブレンフィルタが配置されている。
このように構成されたメンブレンフィルタ22は、後記する吸引ポンプ9を介して吸引しない限りは、反応容器18に投入された試料Sをメンブレンフィルタ22上に保持するようになっている。また、吸引ポンプ9で吸引すると、メンブレンフィルタ22は、試料Sのうち微生物(図示省略)をメンブレンフィルタ22上に残して、その液状成分を、メンブレンフィルタ22を介して吸引ポンプ9側に排出できるようになっている。
ちなみに、反応容器18は、定量装置1の計測ステージ20の所定位置に設けられたヒータブロック3a(温度調節機構)に対して着脱自在に取り付けられる。
(ろ過機構)
ろ過機構Bは、前記の吸引ポンプ9と、図示しない吸引ヘッドを介して試料反応部Aの反応容器18に接続される吸引配管7と、この吸引配管7の延在途中に設けられる電磁弁8と、を備えている。
このようなろ過機構Bは、吸引ポンプ9が起動することで、前記したように、試料反応部A内の液状成分を、メンブレンフィルタ22、吸引配管7及び吸引ポンプ9を介して定量装置1の図示しない廃液貯留槽内に排出する。
ちなみに、吸引ポンプ9の駆動及び停止は、後記する制御部Hによって制御されることとなる。
(試薬類配置部)
図1に示すように、試薬類配置部Cは、ATP法の実施に必要な複数の試薬を纏めて配置するものであり、計測ステージ20上の予め定められた位置に配置される。
この試薬類配置部Cには、複数の試薬容器11,12,13,14が着脱自在に支持されている。具体的には、希釈液31が貯留された試薬容器11と、ATP消去試薬の原液32が貯留された試薬容器12と、ATP抽出試薬の原液33が貯留された試薬容器13と、ATP発光試薬34が貯留された試薬容器14と、が試薬類配置部Cに支持されている。なお、原液32,33は、特許請求の範囲にいう「高濃度試薬」に相当する。
これらの試薬容器11,12,13,14は、次に説明する分注機構Dのノズル2aが、後記する制御部Hの指令に応じて希釈液31及び原液32,33、並びにATP発光試薬34の所定量を分取可能なように位置決めされている。そして、試薬容器11,12,13,14の計測ステージ20上の位置(座標)は、後記する制御部Hに記憶されている。
希釈液31としては、ATPフリーの液体であれば特に制限はないが、中でもバッファ液が望ましい。
ATP消去試薬としては、ATP分解酵素を使用することができ、例えば、アデノシンリン酸デアミナーゼ溶液、アデノシンリン酸デアミナーゼとその他の酵素(例えば、アピラーゼ、アルカリホスファターゼ、酸性ホスファターゼ、ヘキソキナーゼ、アデノシントリホスファターゼ)との混合溶液等が挙げられる。ATP消去試薬の原液32は、濃度が既知であれば当該濃度を自由に設定することができる。
ATP抽出試薬としては、例えば、界面活性剤、エタノールとアンモニアの混合液、メタノール、エタノール、トリクロロ酢酸、過塩素酸、トリス緩衝液等を好適に使用することができる。中でも界面活性剤が望ましく、この界面活性剤としては、例えば、ドデシル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、モノラウロイルリン酸ナトリウム、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ミリスチルジメチルベンジルアンモニウム等が挙げられる。ATP抽出試薬の原液33は、濃度が既知であれば当該濃度を自由に設定することができる。
ATP発光試薬としては、例えば、ルシフェラーゼ・ルシフェリン試薬が挙げられる。
ATP発光試薬は、市販品(例えば、ルシフェールHS(キッコーマンバイオケミファ社製)、BENX0010(バイオエネックス社製)等)を使用することができる。
(分注機構)
分注機構Dは、ノズル2aと、このノズル2aに所定量の液体を吸引させ、又は排出させる分注ポンプ2bと、定量装置1内でノズル2aを三次元的に移動させるアクチュエータ2cと、を備えている。
この分注機構Dのアクチュエータ2cは、後に詳しく説明するように、制御部Hからの指令に応じてノズル2aを、反応容器18と試薬容器11,12,13との間、反応容器18と測定部Fとの間、試薬容器14と測定部Fとの間で、三次元的に移動させる。
そして、アクチュエータ2cが前記のようにノズル2aを移動させる際に、分注機構Dの分注ポンプ2bは、制御部Hからの指令に応じてノズル2aを介し、試料Sの一部を反応容器18から測定部Fに分注するとともに、所定量のATP発光試薬34を試薬容器14から測定部Fに分注する。また、分注機構Dの分注ポンプ2bは、制御部Hからの指令に応じて、所定量の希釈液31及びATP消去試薬の原液32を、試薬容器11,12のそれぞれから反応容器18へとノズル2aを介して分注する。
また、分注機構Dの分注ポンプ2bは、制御部Hからの指令に応じて、所定量の希釈液31及びATP抽出試薬の原液33を、試薬容器11,13のそれぞれから反応容器18へとノズル2aを介して分注する。また、分注機構Dの分注ポンプ2bは、制御部Hからの指令に応じて、所定量のATP含有液を反応容器18から測定部Fへとノズル2aを介して分注するとともに、所定量のATP発光試薬34を試薬容器14から測定部Fへとノズル2aを介して分注する。
(温度調節機構)
図1に示すように、温度調節機構Eは、ヒータブロック3aと、このヒータブロック3a内に埋設される図示しないヒータ及び温度センサとを備えている。ヒータブロック3aは、略直方体で形成され、その中央部には反応容器18の下部が挿嵌される中央孔を有している。このヒータブロック3aは、良熱伝導材料からなるものが望ましい。
この温度調節機構Eは、図示しないヒータに通電するように所定のインバータ等に後記する制御部Hが指令を出力することでヒータブロック3aが昇温する。そして、制御部Hは、前記温度センサから出力される温度検出信号に基づいて前記ヒータをオンオフする。これにより反応容器18内の試料Sは、後記する温度に調節されることとなる。
(測定部)
図1に示すように、測定部Fは、後記する、あたり試験の発光反応を行わせる第1測定チューブ16と、この第1測定チューブ16を着脱自在に支持するホルダ5と、試料Sに含まれる微生物から抽出したATPの発光反応を行わせる第2測定チューブ17と、第2測定チューブ17を着脱自在に支持するホルダ6と、第1測定チューブ16及び第2測定チューブ17の両方にアクセス可能な光電子倍増管4と、を備えている。
第1測定チューブ16には、前記したように、反応容器18から分注された試料Sの一部と、試薬容器14から分注されたATP発光試薬34が分注される。これにより遊離ATPは、その濃度に応じた発光量で発光する。
第2測定チューブ17には、前記したように、反応容器18内で微生物から抽出されたATPを含むATP含有液と、試薬容器14のATP発光試薬34とが分注される。これによりATP含有液の抽出ATPは、その濃度に応じた発光量で発光する。
光電子倍増管4は、第1測定チューブ16での発光反応時の発光強度、及び第2測定チューブ17での発光反応時の発光強度をそれぞれ検出し、その検出信号を制御部Hに出力する。
(入力パネル)
入力パネルGは、前記したとおり、ATPの抽出反応条件を入力するものであり、図示しないが、測定対象となる微生物の種類が選択可能なタッチパネル式の液晶画面で構成されている。具体的には、グラム陽性菌(例えば、コリネバクテリウム、ミクロコッカス、黄色ブドウ球菌、表皮ブドウ球菌、セレウス菌、枯草菌等)、グラム陰性菌(例えば、シトロバクター、大腸菌、緑膿菌、セラチア菌等)、真菌(例えば、コウジカビ、アオカビ、アズキイロカビ、カンジタ菌等)等の各種微生物の名称が個別に表示された液晶画面で構成されている。この液晶画面の選択すべき微生物の名称の表示部分を操作者が触れることで、定量装置1で測定対象となる当該微生物におけるATPの抽出反応条件、つまりATP抽出試薬の濃度、抽出温度(反応温度)、抽出時間(反応時間)が設定されるようになっている。
(制御部)
制御部Hは、中央演算処理部(図示省略)、記憶部(図示省略)等を備えて構成され、所定のプログラムによって本実施形態に係る定量装置1の動作を総合的に制御するものである。
また、本実施形態での制御部Hは、後に詳しく説明するように、あたり試験で求めた試料Sの遊離ATPの濃度に基づいて「ATP消去試薬の必要濃度」を設定する。
制御部Hは、試料Sの遊離ATPの濃度に基づいて「ATP消去試薬の必要濃度」を設定する際に、図2に示す関数を参照する。図2は、制御部Hが、試料Sの遊離ATP量に基づいてATP消去試薬の必要濃度を演算するために参照する関数を表すグラフである。
そして、制御部Hは、試料Sの「遊離ATP量[amol]」に対応する「ATP消去試薬の必要濃度[%]」を図2の関数より求めてこれを反応容器18に分注するATP消去試薬の必要濃度[%]に設定する。なお、前記濃度の単位[%]は質量%であり、以下に記載の単位[%]についても特に区別して規定する以外は質量%を意味する。
図2に示す関数は、予めシミュレーション試験を行って「遊離ATP量」とこれを完全に消去する「ATP消去試薬の必要濃度」との関係を求めて得られたものである。なお、本実施形態では、反応容器18に対するATP消去試薬の分注量を予め定めた一定量とすることを前提に、「ATP消去試薬の必要濃度」を設定しているが、これに代えて「ATP消去試薬の必要量(絶対量)」を求めて設定することもできる。
また、制御部Hは、後に詳しく説明するように、操作者が選択した測定対象となる微生物の種類に応じてATPの抽出反応条件、つまり反応容器18に分注するATP抽出試薬の濃度、反応温度、及び反応時間を設定する。
操作者が、前記入力パネルG(図1参照)を介して測定対象となる微生物の名称を選択すると、制御部Hは、この選択に応じて図3に示す図表を参照する。図3は、制御部Hが、測定対象の微生物に対応するATPの抽出反応条件を設定する際に参照するテーブルを部分的に表した図表である。
具体的には、操作者が測定対象として、例えば「大腸菌」を入力パネルGにて選択した場合には、制御部Hは、測定対象の微生物が「グラム陰性菌」に属するものであることを認識する。そして制御部Hは、図3に示す図表を参照して、「グラム陰性菌」に対応する抽出反応条件である、ATP抽出試薬の濃度(b[%])、抽出時の反応温度(x[℃])、及び抽出に要する反応時間(β[min])をそれぞれ設定する。ちなみに、各微生物に対するATPの抽出反応条件は、予め行われたシミュレーション試験によって最も好適な抽出反応条件として選定されたものであり、制御部Hは、これらの抽出反応条件のデータを格納している。
また、制御部Hは、「ATP消去試薬の必要濃度」及び「ATP抽出試薬の濃度」に基づいて、「ATPの検出限界値」を演算する。
図4は、制御部Hが、ATPの検出限界値を演算する際に参照する関数を表すグラフであり、X軸はATP消去試薬の必要濃度を表し、Y軸はATP抽出試薬の濃度を表し、Z軸はATPの検出限界値を表す。
図4のZ軸で表される「ATPの検出限界値」は、定量装置1の検出し得るATPの最低濃度(又は最小質量)であり、この「ATPの検出限界値」は、「ATP消去試薬の必要濃度」の大きさ及び「ATP抽出試薬の濃度」の大きさに応じて変動する。具体的には、図4に示すように、X軸で表される「ATP消去試薬の必要濃度」、及びY軸で表される「ATP抽出試薬の濃度」がそれぞれ大きくなるほど(高濃度になるほど)、「ATPの検出限界値」は大きくなる。つまり、定量装置1の検出し得るATPの最低濃度(又は最小質量)は高くなっていく。
制御部Hは、「ATP消去試薬の必要濃度」(図2参照)、及び「ATP抽出試薬の濃度」(図3参照)に基づいて、図4を参照して「ATPの検出限界値」を演算することができる。なお、図4に示す「ATP消去試薬の必要濃度」及び「ATP抽出試薬の濃度」、並びに「ATPの検出限界値」の関係は、予めシミュレーション試験を行って求めたものである。
この制御部Hの実行する手順については、次に説明する定量装置1の動作説明とともに説明する。
<定量装置の動作>
次に、定量装置1の動作について説明しながら、この定量装置1が行う生体物質定量方法について説明する。
図1に示した定量装置1では、測定対象となる試料Sを有する反応容器18が計測ステージ20に配置される。次いで操作者が図示しない起動スイッチをオンにすることで制御部Hが次の手順を実行する。図5から図7は、定量装置1の動作を説明するためのフローチャートである。
図5に示すように、制御部Hは、まず定量装置1の既定の初期設定を行う(ステップS101)。その後、制御部Hは、図示しないスタートボタンが操作者によりオンにされるまで待機する。
一方、操作者が入力パネルG(図1参照)を介して測定対象となる微生物を入力すると、制御部Hは測定対象となる微生物の種類を特定し(ステップS102)、当該種類を記憶する。そして、後記する生体物質抽出工程で微生物からATPを抽出する際の、前記した抽出反応条件を設定する。
次に、制御部Hは、操作者によってスタートボタンがオンになったと判断すると(ステップS103)、生体物質抽出工程の実施を開始する。まず制御部Hは、試料S(図1参照)の一部を測定部F(図1参照)の第1測定チューブ16(図1参照)に分注するように分注機構D(図1参照)に指令する(ステップS104)。これに応じて、分注機構Dのアクチュエータ2c(図1参照)は、初期位置のノズル2a(図1参照)を反応容器18(図1参照)に移動させ、分注ポンプ2bは、ノズル2aを介して反応容器18から試料Sの一部を分取する。ちなみに、この分取量は、予め定められており制御部Hに記憶されている。
そして、アクチュエータ2cは、ノズル2aを反応容器18から第1測定チューブ16に移動させ、分注ポンプ2bは、ノズル2aを介して第1測定チューブ16に試料Sを分注する。
次に、制御部Hは、ATP発光試薬34(図1参照)を測定部Fの第1測定チューブ16に分注するように分注機構Dに指令する(ステップS105)。これに応じて、アクチュエータ2cは、ノズル2aを試薬類配置部C(図1参照)の試薬容器14(図1参照)に移動させ、分注ポンプ2bは、ノズル2aを介して試薬容器14からATP発光試薬34を分取する。ちなみに、この分取量は、予め定められており制御部Hに記憶されている。
その後、アクチュエータ2cは、ノズル2aを試薬容器14から第1測定チューブ16に移動させ、分注ポンプ2bは、ノズル2aを介して第1測定チューブ16にATP発光試薬34を分注する。
これにより、第1測定チューブ16では、試料Sに含まれる遊離ATPとATP発光試薬34とが反応することにより、試料Sは遊離ATPの濃度に応じた発光量で発光する。
そして、光電子倍増管4(図1参照)は、第1測定チューブ16の発光強度を検出して発光強度信号を制御部Hに出力する。つまり、測定部Fは、制御部Hに向けて発光強度信号を出力する。
制御部Hは、測定部Fから出力された発光強度信号を入力するとともに(ステップS106)、入力した発光強度信号に基づいて試料Sの遊離ATP量を演算する(ステップS107)。
ちなみに、制御部Hは、入力した発光強度検出信号をデジタル処理し、単一光子計数法に基づいて発光強度を測定する。そして、制御部Hは、予め記憶しているATP量と、発光強度との関係を示す検量線に基づいて、測定した前記の発光強度に対応するATP量を求めることで、試料S中の遊離ATP量を演算する。
次に、制御部Hは、ステップS107で演算した遊離ATP量に基づいて、「ATP消去試薬の必要濃度」を演算する(ステップS108)。
本実施形態での「ATP消去試薬の必要濃度」は、反応容器18内の試料Sに含まれる遊離ATPを完全に消去するために必要なATP消去試薬の最低濃度であり、予めのシミュレーション試験で求めたものである。ちなみに、ATP消去試薬によるATP消去時間は、設計上の微生物定量時間(全体時間)に応じて適宜に設定することができる。
続くステップS109では、制御部Hは、演算した「ATP消去試薬の必要濃度」となるように、(1)希釈液31の供給量(分注量)、及び(2)ATP消去試薬の原液32の供給量(分注量)の設定を行う。これら(1)及び(2)のそれぞれでの供給量(分注量)の設定は、(1)希釈液31の供給量(分注量)を、予め設定した一定量とし、(2)ATP消去試薬の原液32の供給量(分注量)を増減してATP消去試薬を調製してもよいし、(2)ATP消去試薬の原液32の供給量(分注量)を、予め設定した一定量とし、(1)希釈液31の供給量(分注量)を増減してATP消去試薬を調製してもよい。
その一方で、制御部Hは、ろ過機構Bに指令して、反応容器18の内容物をろ過する(ステップS110)。これにより微生物は、メンブレンフィルタ22上に、ろ取される。
次に制御部Hは、図6に示すように、分注機構Dに対して、反応容器18に前記(1)の供給量(分注量)で希釈液31を分注するように指令する(ステップS111)。これに応じて、アクチュエータ2cは、ノズル2aを試薬類配置部C(図1参照)の試薬容器11(図1参照)に移動させ、分注ポンプ2bは、ノズル2aを介して試薬容器11から希釈液31を分取する。その後、アクチュエータ2cは、ノズル2aを試薬容器11から反応容器18に移動させ、分注ポンプ2bは、ノズル2aを介して反応容器18に希釈液31を分注する。
また、制御部Hは、反応容器18に前記(2)の供給量(分注量)でATP消去試薬の原液32を分注するように指令する(ステップS112)。これに応じて、アクチュエータ2cは、ノズル2aを試薬類配置部C(図1参照)の試薬容器12(図1参照)に移動させ、分注ポンプ2bは、ノズル2aを介して試薬容器12からATP消去試薬の原液32を分取する。その後、アクチュエータ2cは、ノズル2aを試薬容器12から反応容器18に移動させ、分注ポンプ2bは、ノズル2aを介して反応容器18にATP消去試薬の原液32を分注する。これにより反応容器18内には、前記の必要濃度のATP消去試薬が調製されるとともに、微生物は、このATP消去試薬と接触する。試料Sに含まれる遊離ATPはATP消去試薬で消去される。
次に制御部Hは、ステップS102で特定した微生物の種類に応じたATP抽出試薬の濃度となるように、(3)希釈液31の供給量(分注量)、及び(4)ATP抽出試薬の原液33の供給量(分注量)の設定を行う(ステップS113)。これら(3)及び(4)のそれぞれでの供給量(分注量)の設定は、(3)希釈液31の供給量(分注量)を、予め設定した一定量とし、(4)ATP抽出試薬の原液33の供給量(分注量)を増減してATP抽出試薬を調製してもよいし、(4)ATP抽出試薬の原液33の供給量(分注量)を、予め設定した一定量とし、(3)希釈液31の供給量(分注量)を増減してATP抽出試薬を調製してもよい。
また、制御部Hは、ステップS102で特定した微生物の種類に応じた「ATP抽出試薬の濃度」、及びステップS109で演算した「ATP消去試薬の必要濃度」、並びに図4に示す関数に基づいて、「ATPの検出限界値」を演算し、これを格納する。
その一方で、制御部Hは、ステップS102で特定した微生物の種類に応じた反応温度となるように反応容器18を昇温する(ステップS114)。つまり制御部Hは、前記したように、温度調節機構E(図1参照)のヒータブロック3aの温度を昇温させることで反応容器18を昇温させる。
次に制御部Hは、分注機構Dに対して、反応容器18に前記(3)の供給量(分注量)で希釈液31を分注するように指令する(ステップS115)。これに応じて、アクチュエータ2cは、ノズル2aを試薬類配置部C(図1参照)の試薬容器11(図1参照)に移動させ、分注ポンプ2bは、ノズル2aを介して試薬容器11から希釈液31を分取する。その後、アクチュエータ2cは、ノズル2aを試薬容器11から反応容器18に移動させ、分注ポンプ2bは、ノズル2aを介して反応容器18に希釈液31を分注する。
また、制御部Hは、反応容器18に前記(4)の供給量(分注量)でATP抽出試薬の原液33を分注するように指令する(ステップS116)。これに応じて、アクチュエータ2cは、ノズル2aを試薬類配置部C(図1参照)の試薬容器13(図1参照)に移動させ、分注ポンプ2bは、ノズル2aを介して試薬容器13からATP抽出試薬の原液33を分取する。その後、アクチュエータ2cは、ノズル2aを試薬容器13から反応容器18に移動させ、分注ポンプ2bは、ノズル2aを介して反応容器18にATP抽出試薬の原液33を分注する。これにより反応容器18内には、前記の必要濃度のATP抽出試薬が調製されるとともに、微生物は、このATP抽出試薬と接触する。
そして、制御部Hは、ステップS102で特定した微生物の種類に応じた反応時間が経過するまで待機する(ステップS117)。これにより試料Sに含まれる微生物からATPが効率よく抽出され、反応容器18内にはATP含有液が生成する。
これにより生体物質抽出工程が終了し、制御部は、次の測定工程の実施を開始する。
制御部Hは、反応容器18のATP含有液を測定部Fの第2測定チューブ17(図1参照)に分注するように分注機構Dに指令する(ステップS118)。これに応じて、分注機構Dのアクチュエータ2cは、ノズル2aを反応容器18に移動させ、分注ポンプ2bは、ノズル2aを介して反応容器18からATP含有液の一部を分取する。ちなみに、この分取量は、予め定められており制御部Hに記憶されている。
そして、アクチュエータ2cは、ノズル2aを反応容器18から第2測定チューブ17に移動させ、分注ポンプ2bは、ノズル2aを介して第2測定チューブ17にATP含有液を分注する。
次に、制御部Hは、図7に示すように、ATP発光試薬34を測定部Fの第2測定チューブ17に分注するように分注機構Dに指令する(ステップS119)。これに応じて、アクチュエータ2cは、ノズル2aを試薬類配置部Cの試薬容器14に移動させ、分注ポンプ2bは、ノズル2aを介して試薬容器14からATP発光試薬34を分取する。ちなみに、この分取量は、予め定められており制御部Hに記憶されている。
その後、アクチュエータ2cは、ノズル2aを試薬容器14から第2測定チューブ17に移動させ、分注ポンプ2bは、ノズル2aを介して第2測定チューブ17にATP発光試薬34を分注する。
これにより、第2測定チューブ17では、ATP含有液に含まれるATP量とATP発光試薬34とが反応することにより、ATP含有液はATP量に応じた発光量で発光する。そして、光電子倍増管4は、第2測定チューブ17の発光強度を検出して発光強度信号を制御部Hに出力する。つまり、測定部Fは、制御部Hに向けて発光強度信号を出力する。
制御部Hは、測定部Fから出力された発光強度信号を入力する(ステップS120)。そして、制御部Hは、入力した発光強度信号に基づいてATP含有液のATP量を演算する。この際、制御部Hは、演算したこのATP量と、格納している前記「ATPの検出限界値」とを比較してATP量が「ATPの検出限界値」以上である場合には、定量装置1は、このATP量を出力する。また、ATP量が「ATPの検出限界値」未満である場合には、定量装置1はその旨を出力する。
また、制御部Hは、「ATPの検出限界値」以上であるとして出力されたATP量に基づいて微生物の定量を行って(ステップS121)、測定工程を終了し、本実施形態に係る微生物定量方法の一連の工程が完結する。
なお、試料S中の微生物の数は、演算したATP量に基づいて試料Sに含まれる微生物等量のATP換算値にて求められる。
以上のような本実施形態によれば、次のような作用効果を奏することができる。
従来、多様な性状の試料に対応するATPの自動定量装置を構築するためには、試料に含まれる遊離ATPのレベルの高低幅、及び測定対象となる微生物の種類の多さを考慮すると、予め準備しなければならない試薬の数が膨大なものとなる。よって、従来の自動定量装置においては各試薬の濃度の最適化が極めて困難であり、試料の性状によって測定精度や測定感度が不十分となる問題もあった。
これに対して、本実施形態によれば、使用する試薬を高濃度試薬と希釈液とを所定の割合で混合してその都度調製するので、供給する試薬を一元化することができる。
よって、本実施形態によれば、管理コストを削減することができるとともに、試薬を安定供給することができる。
また、本実施形態によれば、試料の性状に対応するように試薬の濃度を自由に設定することができるので、測定精度及び測定感度を一段と向上させることができる。
また、本実施形態によれば、測定対象の微生物の種類に応じてATPの抽出反応条件を自由に設定することができるので、測定精度及び測定感度を一段と向上させることができる。
また、本実施形態によれば、あたり試験で予め測定した遊離ATP量に基づいてATP消去試薬の濃度を設定するので、測定精度及び測定感度を一段と向上させることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、種々の形態で実施することができる。
前記実施形態では、生体物質としてATPを想定しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、微生物から抽出したDNA、RNA、NAD等の生体物質に適用することもできる。
また、前記実施形態では、生体物質に生体物質発光試薬を反応させた際の発光強度を測定することを想定しているが、本発明は生体物質に励起光を照射して生じさせた蛍光に基づいて生体物質の定量を行うこともできる。
また、生体物質としてグラム陰性菌の細胞膜に含まれるエンドトキシンを定量する場合には、発光試薬としては、リムルスを使用することができる。
また、本発明の生体物質定量方法は、試料を予め濃縮してから定量装置1に供することもできる。
1 生体物質自動定量装置
11 試薬容器
12 試薬容器
13 試薬容器
14 試薬容器
16 第1測定チューブ
17 第2測定チューブ
18 反応容器
31 希釈液
32 ATP消去試薬の原液(高濃度試薬)
33 ATP抽出試薬の原液(高濃度試薬)
34 ATP発光試薬
A 試料反応部
B ろ過機構
C 試薬類配置部
D 分注機構
E 温度調節機構
F 測定部
G 入力パネル
H 制御部
S 試料

Claims (6)

  1. 微生物を含む試料から当該微生物を回収し、回収した当該微生物に含まれる生体物質を抽出する試料反応部と、
    前記微生物から抽出した前記生体物質の量を測定する測定部と、
    前記試料反応部及び前記測定部のそれぞれに所定の試薬を分注する分注機構と、
    前記試薬の濃度よりも高い濃度の高濃度試薬と、この高濃度試薬を希釈する希釈液とが配置される試薬類配置部と、
    前記分注機構の駆動制御を行うと共に、この分注機構による前記試料反応部及び前記測定部に分注する前記所定の試薬の量及び前記所定の試薬の濃度を設定する制御部と、
    を備え、
    前記分注機構は、前記制御部の指令に応じて前記試薬類配置部の前記高濃度試薬と前記希釈液とを所定の割合で混合して前記所定の試薬を調製し、前記試料反応部及び前記測定部のそれぞれに前記所定の試薬を所定の量で分注することを特徴とする生体物質自動定量装置。
  2. 請求項1に記載の生体物質自動定量装置において、
    前記生体物質は、アデノシン−3−リン酸であり、
    前記試料反応部に分注される前記所定の試薬は、アデノシン−3−リン酸消去試薬及びアデノシン−3−リン酸抽出試薬であり、前記測定部に分注される前記所定の試薬は、アデノシン−3−リン酸発光試薬であって、
    前記試料反応部に分注される前記アデノシン−3−リン酸消去試薬の濃度は、前記試料に含まれる前記微生物の細胞外の前記アデノシン−3−リン酸の濃度に応じて前記制御部が設定することを特徴とする生体物質自動定量装置。
  3. 請求項2に記載の生体物質自動定量装置において、
    前記試料反応部に分注される前記アデノシン−3−リン酸抽出試薬の濃度は、測定対象となる微生物の耐抽出性の程度に応じて予め定められていることを特徴とする生体物質自動定量装置。
  4. 請求項3に記載の生体物質自動定量装置において、
    前記分注機構は、前記試料反応部の前記試料の一部を前記測定部に分注し、
    当該測定部は、当該試料に含まれる前記微生物の細胞外の前記アデノシン−3−リン酸の濃度を測定すると共に、当該濃度を規定する濃度信号を前記制御部に出力し、
    当該制御部は、前記濃度信号に基づいて前記試料反応部に分注される前記アデノシン−3−リン酸消去試薬の濃度を設定することを特徴とする生体物質自動定量装置。
  5. 微生物を含む試料から当該微生物を回収し、回収した当該微生物に含まれる生体物質を抽出する生体物質抽出工程と、
    前記微生物から抽出した前記生体物質の量を測定する測定工程と、
    を有し、
    前記生体物質抽出工程で使用される所定の試薬、及び前記測定工程で使用される所定の試薬のそれぞれは、前記生体物質抽出工程及び前記測定工程のそれぞれが行われる際に、前記所定の試薬の濃度よりも高い濃度の高濃度試薬と、これらの高濃度試薬を希釈する希釈液と、を所定の割合で混合してその都度用時調製され、前記所定の試薬の濃度のそれぞれは、前記試料に含まれる前記微生物の細胞外の前記生体物質の濃度に応じて設定されることを特徴とする生体物質定量方法。
  6. 請求項5に記載の生体物質定量方法において、
    前記生体物質は、アデノシン−3−リン酸であり、
    前記生体物質抽出工程で使用される前記所定の試薬は、アデノシン−3−リン酸消去試薬及びアデノシン−3−リン酸抽出試薬であり、
    前記測定工程で使用される前記所定の試薬は、アデノシン−3−リン酸発光試薬であって、
    前記生体物質抽出工程で使用される前記アデノシン−3−リン酸消去試薬の濃度は、前記試料に含まれる前記微生物の細胞外のアデノシン−3−リン酸の濃度に応じて設定されることを特徴とする生体物質定量方法。
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