JP2015017699A - 無段変速機 - Google Patents

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Abstract

【課題】変速比や出力軸に伝達されるトルクを精度よく制御することができる無段変速機を提供する。【解決手段】無段変速機は、出力軸に回転可能に軸支された揺動リンク18の被検出部18eまでの距離xを検出する距離センサ23と、距離センサ23が検出した値に基づいて、揺動リンク18の位相θを算出し、その位相θに基づいて回転ディスクの回転半径を算出するECU24とを備える。【選択図】図5

Description

本発明は、てこクランク機構を用いた四節リンク機構型の無段変速機に関する。
従来、エンジン等の主駆動源(走行用駆動源)からの駆動力が伝達される入力軸と、入力軸の回転中心軸線と平行に配置された出力軸と、複数のてこクランク機構とを備える四節リンク機構型の無段変速機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の無段変速機において、てこクランク機構は、入力軸と一体的に回転可能な回転部が設けられ、その回転部の回転半径を調節自在な回転半径調節機構と、揺動端部が設けられ出力軸に揺動自在に軸支された揺動リンクと、一方の端部が回転半径調節機構の回転部に回転自在に接続し、他方の端部が揺動リンクの揺動端部に連結されたコネクティングロッドとを有している。
揺動リンクと出力軸との間には、揺動リンクが、出力軸を中心として、一方側に回転しようとするときに出力軸に対して揺動リンクを固定し、他方側に回転しようとするときに出力軸に対して揺動リンクを空転させる一方向回転阻止機構としてのワンウェイクラッチが設けられている。
回転半径調節機構は、入力軸に対して偏心した状態で入力軸と一体的に回転する円盤状のカム部と、このカム部に対して偏心した状態で回転自在であり、コネクティングロッドが回転自在に外嵌している回転部と、複数のピニオンを軸方向に備えるピニオンシャフトとで構成されている。ピニオンシャフトは、副駆動源(調節用駆動源)から伝達された駆動力によって回転する。
なお、回転半径調節機構は、特許文献1に示されるものの他、中心から偏心して穿設された貫通孔を有する円盤状の回転部と、回転部の貫通孔の内周面に取り付けられた内歯ギヤと、入力軸に固定され内歯ギヤに噛合する第1ピニオンと、副駆動源(調節用駆動源)からの駆動力が伝達されるキャリアと、それぞれがキャリアによって自転及び公転自在に軸支され、内歯ギヤに噛合する2個の第2ピニオンとで構成されたものもある。この場合、第1ピニオンと2つの第2ピニオンは、それらの中心軸線を頂点とする三角形が正三角形になるように配置されている。
カム部には、入力軸の回転中心軸線方向に貫通し、カム部の中心に対して偏心した位置に穿設された貫通孔が形成されている。また、カム部には、入力軸の回転中心軸線を挟んでカム部の中心と反対側となる領域に、カム部の外周面と貫通孔の内周面とを連通させる切欠孔が形成されている。そして、隣接するカム部同士は、ボルトで固定されてカム部連結体を構成している。
カム部連結体は、その軸方向一端に入力部が連結され、カム部連結体と入力部とで、カムシャフト(入力軸)が構成される。なお、カムシャフトは、特許文献1に示される構成のものの他、中空の棒状の入力部の外面に、カム部又はカム部連結体をスプライン結合等で取り付けて構成したものもある。
カム部連結体は、各カム部の貫通孔が連なることによって中空となっており、内部にピニオンシャフトが挿入される。そして、カム部連結体に挿入されたピニオンシャフトは、各カム部の切欠孔から露出する。
回転部は、カムシャフトを受け入れる受入孔が設けられている。その受入孔の内周面には内歯が形成されている。その内歯は、各カム部の切欠(貫通孔)から露出しているピニオンシャフトと噛合する。
カムシャフトとピニオンシャフトの回転速度が同一の場合には、カム部に対して偏心した状態で回転自在な回転部がカム部に対して相対回転しないので、回転部の中心(入力側支点)の回転運動の半径が維持される。一方、カムシャフトとピニオンシャフトの回転速度が異なる場合には、回転部がカム部に対して相対回転し、入力側支点の回転運動の半径が変更されて、変速比が変化する。
この無段変速機では、カムシャフトを回転させることによって、カム部とともに回転部を回転させると、回転部に外嵌しているコネクティングロッドの一方の端部が回転運動して、コネクティングロッドの他方の端部と連結されている揺動リンクが揺動する。そして、揺動リンクは、ワンウェイクラッチを介して出力軸に軸支されているので、一方側に回転するときのみ出力軸に回転駆動力(トルク)を伝達する。
また、カム部は、それぞれ位相が異なるように設定され、複数のカム部で入力軸の回転中心軸線の周方向を一回りするようになっている。そのため、各カム部に設けられた回転部に外嵌したコネクティングロッドによって、各揺動リンクが順にトルクを出力軸に伝達し、出力軸をスムーズに回転させることができるようになっている。
また、この無段変速機では、入力軸の累積回転回数とピニオンシャフトの累積回転回数を計数し、それらの差分を用いて回転半径調節機構の回転部の回転半径を推定し、その回転半径に基づいて変速比や出力軸に伝達されるトルクを制御している。
特開2012−251608号公報
従来の無段変速機において、変速比や出力軸に伝達されるトルクの制御は、入力軸側の構成部材である入力軸とピニオンシャフトの回転数から推定した回転部の回転半径に基づいて行われている。
しかし、揺動リンクと回転半径調節機構の回転部とに連結され、回転部の回転運動を揺動リンクの揺動運動に変換するコネクティングロッドにねじれやたわみが生じている場合、そのようにして推定された回転半径は、入出力軸間の回転数から求められる実際の変速比や出力軸に伝達されるトルクの制御に対する実効的な値とはならないおそれがあった。
その結果、従来の無段変速機では、実際の変速比や出力軸に伝達されるトルクを精度よく制御することができないおそれがあった。
本発明は以上の点に鑑みてなされたものであり、実際の変速比や出力軸に伝達されるトルクを精度よく制御することができる無段変速機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の無段変速機は、走行用駆動源の駆動力が伝達される入力軸と、入力軸の回転中心軸線と平行に配置された出力軸と、入力軸と一体的に回転可能な回転部が設けられ回転部の回転半径を調節自在な回転半径調節機構、揺動端部が設けられ出力軸に揺動自在に軸支された揺動リンク、及び、一方の端部が回転半径調節機構の回転部に回転自在に接続され、他方の端部が揺動端部に連結されたコネクティングロッドを有し、入力軸の回転運動を揺動リンクの揺動運動に変換するてこクランク機構と、揺動リンクが一方側に回転しようとするときに出力軸に対して揺動リンクを固定し、揺動リンクが他方側に回転しようとするときに出力軸に対して揺動リンクを空転させる一方向回転阻止機構と、入力軸及び出力軸を回転自在に支持し、てこクランク機構及び一方向回転阻止機構を収納する変速機ケースとを備え、揺動リンクは、コネクティングロッドと連結する揺動端部と、出力軸に軸支される環状部とを有し、回転部の回転半径を変化させることによって、変速比が変化する無段変速機であって、揺動リンクの位相を検出する位相検出部と、位相検出部が検出した値に基づいて回転部の回転半径を算出する制御部とを備えていることを特徴とする。
このように、本発明の無段変速機では、てこクランク機構から最終的にトルクが伝達される出力軸に軸支されている揺動リンクの位相に基づいて、回転部の回転半径を推定している。そのため、本発明の無段変速機では、回転部の回転運動を揺動リンクの揺動運動に変換するコネクティングロッドにねじれやたわみが生じている場合であっても、推定される回転半径の値が、変速比や出力軸に伝達されるトルクの制御に対する実効的な値になる。
したがって、本発明の無段変速機によれば、このようにして求められた回転部の回転半径を用いて制御を行うことによって、出力軸に伝達されるトルクや変速比を高い精度で制御することができる。
また、本発明の無段変速機においては、揺動リンクの外周面に被検出部材を備え、位相検出部は、変速機ケースに固定され、被検出部材までの距離を検出する距離センサと、距離センサが検出した値に基づいて揺動リンクの位相を算出する位相算出部とを有し、被検出部材の距離センサ側の面の形状は、距離センサ側の面から距離センサまでの距離が揺動リンクの位相に応じて変化する形状とすることができる。
このように、揺動リンクの外周面に被検出部材を備えれば、距離センサ(ギャップセンサ)を用いて揺動リンクの位相を算出することができるようになる。
また、本発明の無段変速機においては、位相検出部を被検出部材と距離センサとにより構成した場合、揺動リンクの環状部の外周面に環状部の径方向外方に延びるように設けられた複数の取付ピンを備え、被検出部材は、複数の取付ピンに摺動可能に取り付けられていることが好ましい。
出力軸にトルクが伝達されている状態では、コネクティングロッドや一方向回転阻止機構から加えられる荷重等によって、揺動リンクの環状部の径の大きさが変化してしまうことがある。
そのように揺動リンクの環状部の径に変化が生じると、揺動リンクの位相が変化していない状態であっても、揺動リンクの外周面に設けられた被検出部材と距離センサとの距離が変化してしまい、算出する揺動リンクの位相に誤差が生じ、回転部の回転半径の精度よく推定することができなくなるおそれがある。
そこで、被検出部材を環状部の径方向に伸びた複数の取付ピンに摺動可能に取り付ければ、揺動リンクの環状部の径に変化が生じても、被検出部材は環状部に取り付けられた取付ピンに対して摺動し、被検出部材の形状や位置は変化しない。その結果、揺動リンクの環状部の径に変化が生じても、揺動リンクの位相や回転部の回転半径を精度よく推定することができる。
また、本発明の無段変速機においては、被検出部材を取付ピンによって揺動リンクに取り付けている場合、被検出部材は、揺動端部が形成されている位置に対して環状部の中心を挟んで反対となる位置に取り付けられていることが好ましい。
揺動リンクは、揺動端部が形成されている位置の剛性が最も高いので、その位置の近傍では、環状部の径の変化が一定ではなくなる。そのため、そのような位置に取付ピンが取り付けられていると、環状部の径に変化が生じた場合に、取付ピンに対する被検出部材の摺動がスムーズに行われず、被検出部材の形状や位置がわずかに変化してしまうおそれがある。
そこで、環状部の径の変化が一定である領域(すなわち、揺動端部が形成されている位置に対して環状部の中心を挟んで反対となる位置)に取付ピンで被検出部材を取り付ければ、被検出部材の形状や位置に変化が生じにくくなるので、距離センサが被検出部材までの距離を精度よく検出し、揺動リンクの位相や回転部の回転半径を精度よく推定することができる。
また、本発明の無段変速機においては、位相検出部を被検出部材と距離センサとにより構成した場合、被検出部材の距離センサ側の面の形状は、距離センサ側の面から距離センサまでの距離の変化率が揺動リンクの位相の変化に対して一定となる形状であることが好ましい。
例えば、被検出部材の距離センサ側の面の形状を、環状部の中心から偏心した位置を中心とする円弧にした場合、被検出部材と距離センサとの間の距離は、揺動リンクの位相に対して曲線的に変化する。そのため、揺動リンクの位相には、その距離の変化率が小さい範囲が存在する。
しかし、上記のように、被検出部材の距離検出センサ側の面の形状を、その面から距離検出センサまでの距離の変化率が揺動リンクの位相の変化に対し一定となる形状にすれば、揺動リンクの位相の全範囲において、被検出部材と距離センサと間の距離の変化率が一定になり、揺動リンクの位相や回転部の回転半径を精度よく推定することができる。
また、本発明の無段変速機においては、位相検出部を被検出部材と距離センサとにより構成した場合、被検出部材は、揺動リンクの前記環状部の周方向に向かって延び、その中心角が揺動リンクの最大揺動範囲よりも大きいことが好ましい。
被検出部材をこのような構成すれば、揺動リンクの位相がどのような値であっても、被検出部材が距離センサに対向するので、距離センサが、常に被検出部材までの距離を検出し、回転部の回転半径を推定することができる。
本発明の第1実施形態に係る無段変速機の一部を示す断面図。 図1の無段変速機のてこクランク機構の構成を軸方向から示す説明図。 図1の無段変速機のてこクランク機構の入力側支点の回転半径の変化を示す説明図であり、3Aは回転半径が「最大」、3Bは回転半径が「中」、3Cは回転半径が「小」、3Dは回転半径が「0」の場合を示す。 図1の無段変速機のてこクランク機構の入力側支点の回転半径の変化に対する出力側支点の揺動範囲の変化を示す説明図であり、4Aは揺動範囲が「最大」、4Bは揺動範囲が「中」、4Cは揺動範囲が「小」、4Dは揺動範囲が「0」の場合を示す。 図1の無段変速機の揺動リンクと被検出部材の形状を軸方向から示す説明図。 図1の無段変速機の被検出部材の距離検出センサ側の面から距離検出センサまでの距離と揺動リンクの位相との関係を示すグラフ。 本発明の第2本実施形態に係る無段変速機の揺動リンク及び被検出部材の形状、並びに、揺動リンクの径の変化を示す模式図であり、7Aは揺動リンクの径の変化が生じる前の状態、7Bは揺動リンクの径の変化が生じた後の状態を示す。
以下、図面を参照して、本発明の無段変速機の実施形態を説明する。本実施形態の無段変速機は、四節リンク機構型の無段変速機であり、変速比h(h=入力軸の回転速度/出力軸の回転速度)を無限大(∞)にして出力軸の回転速度を「0」にできる変速機、いわゆるIVT(Infinity Variable Transmission)の一種である。また、本実施形態は、無段変速機を車両に搭載した場合の実施形態であるが、本発明の無段変速機は、船舶等、他の乗り物や無人機にも搭載し得るものである。
[第1実施形態]
図1〜図6を参照して、第1本実施形態の無段変速機について説明する。
まず、図1及び図2を参照して、本実施形態の無段変速機1の構成について説明する。
本実施形態の無段変速機1は、図1に示すように、入力部2と、入力部2の回転中心軸線P1と平行に配置された出力軸3と、入力部2の回転中心軸線P1上に設けられた6個の回転半径調節機構4とを備える。
入力部2は、主駆動源であるエンジンENG(走行用駆動源)からの駆動力が伝達されることで回転中心軸線P1を中心に回転する。なお、主駆動源としては、内燃機関の他、電動機等を用いてもよい。
出力軸3は、図示省略したデファレンシャルギヤを介して車両の駆動輪(図示省略)に回転駆動力を伝達させる。なお、デファレンシャルギヤの代わりにプロペラシャフトを設けてもよい。
回転半径調節機構4は、入力部2の回転中心軸線P1上に設けられたカムディスク5と、カムディスク5に回転自在に外嵌している回転ディスク6(回転部)とを有する。
カムディスク5は、円盤状であり、入力部2の回転中心軸線P1に対して偏心した状態で、入力部2と一体的に回転可能に、2個1組で設けられている。各1組のカムディスク5は、それぞれ位相が60°異なるように設定され、6組のカムディスク5で入力部2の回転中心軸線P1の周方向を一回りするように配置されている。
カムディスク5には、入力部2の回転中心軸線P1方向に貫通し、カムディスク5の中心P2に対して偏心した位置に穿設された貫通孔5aが形成されている。また、カムディスク5には、入力部2の回転中心軸線P1を挟んでカムディスク5の中心P2と反対側となる領域に、カムディスク5の外周面と貫通孔5aの内周面とを連通させる切欠孔5bが形成されている。
2個1組のカムディスク5同士はボルト(図示省略)で固定されている。また、2個1組のカムディスク5の一方は、隣接する回転半径調節機構4が有する他の2個1組のカムディスク5の他方と一体的に形成され、一体型カム部を構成している。また、カムディスク5のうち、最もエンジンENGに近い位置にあるカムディスク5は、入力部2と一体的に形成されている。このようにして、入力部2と複数のカムディスク5とで、入力軸(カムシャフト)が構成されることとなる。
なお、2個1組のカムディスク5同士は、ボルトではなく、他の手段で固定してもよい。また、一体型カム部は、一体成型で形成してもよく、2つのカムディスク5を溶接して一体化してもよい。また、最もエンジンENGに近い位置にあるカムディスク5と入力部2とを一体的に形成する方法としては、一体成型で形成してもよく、カムディスク5と入力部2とを溶接して一体化してもよい。
回転ディスク6は、図2に示すように、その中心P3から偏心した位置に受入孔6aが設けられた円盤状であり、入力部2の回転中心軸線P1に対して回転可能に設けられている。その受入孔6aには、各1組のカムディスク5が、回転自在に嵌め込まれている。また、回転ディスク6の受入孔6aには、図1に示すように、1組のカムディスク5の間となる位置に、内歯6bが設けられている。
また、回転ディスク6の受入孔6aは、入力部2の回転中心軸線P1からカムディスク5の中心P2(受入孔6aの中心)までの距離Rxとカムディスク5の中心P2から回転ディスク6の中心P3までの距離Ryとが同一となるように、カムディスク5に対して偏心している。
入力部2と複数のカムディスク5によって構成された入力軸は、カムディスク5の貫通孔5aが連なることによって構成される挿通孔50を備えている。これにより、入力軸は、エンジンENGとは反対側の一方端が開口し他方端が閉塞した中空軸形状となっている。
挿通孔50には、回転中心軸線P1と同心に、ピニオンシャフト7が入力軸と相対回転自在となるように配置されている。
ピニオンシャフト7は、回転ディスク6の内歯6bと対応する位置にピニオン7aを有している。また、ピニオンシャフト7は、入力部2の回転中心軸線P1方向において隣接するピニオン7aの間に位置させてピニオン軸受7bが設けられている。このピニオン軸受7bを介して、ピニオンシャフト7は、入力軸を支えている。
ピニオン7aは、ピニオンシャフト7のシャフト部と一体に形成されている。ピニオン7aは、カムディスク5の切欠孔5bを介して、回転ディスク6の内歯6bと噛合する。なお、ピニオン7aは、ピニオンシャフト7と別体に構成して、ピニオンシャフト7にスプライン結合で連結させてもよい。本実施形態においては、単にピニオン7aというときは、ピニオンシャフト7を含むものとして定義する。
また、ピニオンシャフト7は、遊星歯車機構などで構成される差動機構8が接続されている。
差動機構8は、図1に示すように、例えば、遊星歯車機構として構成され、サンギヤ9と、入力部2と複数のカムディスク5によって構成された入力軸に連結された第1リングギヤ10と、ピニオンシャフト7に連結された第2リングギヤ11と、サンギヤ9及び第1リングギヤ10と噛合する大径部12aと、第2リングギヤ11と噛合する小径部12bとからなる段付ピニオン12を自転及び公転自在に軸支するキャリア13とを有している。
サンギヤ9は、ピニオンシャフト7用の副駆動源であるアクチュエータ14(調節用駆動源)の回転軸14aに連結されており、そのアクチュエータ14から駆動力が伝達される。したがって、ピニオン7aにも、差動機構8を介して、アクチュエータ14の駆動力が伝達される。
ピニオンシャフト7の回転速度を入力部2の回転速度と同一にした場合、サンギヤ9と第1リングギヤ10とが同一速度で回転することとなる。その結果、サンギヤ9、第1リングギヤ10、第2リングギヤ11及びキャリア13の4個の要素が相対回転不能なロック状態となって、第2リングギヤ11と連結するピニオンシャフト7が入力部2と同一速度で回転する。
ピニオンシャフト7の回転速度を入力部2の回転速度よりも遅くした場合、サンギヤ9の回転数をNs、第1リングギヤ10の回転数をNR1、サンギヤ9と第1リングギヤ10のギヤ比(第1リングギヤ10の歯数/サンギヤ9の歯数)をjとすると、キャリア13の回転数が(j・NR1+Ns)/(j+1)となる。また、サンギヤ9と第2リングギヤ11のギヤ比((第2リングギヤ11の歯数/サンギヤ9の歯数)×(段付ピニオン12の大径部12aの歯数/小径部12bの歯数))をkとすると、第2リングギヤ11の回転数が{j(k+1)NR1+(k−j)Ns}/{k(j+1)}となる。
すなわち、入力部2の回転速度とピニオンシャフト7の回転速度とに差がある場合、ピニオンシャフト7のピニオン7aと噛合する回転ディスク6の内歯6bを介して伝達されたアクチュエータ14からの駆動力により、回転ディスク6は、カムディスク5の中心P2を中心にカムディスク5の周縁を回転する。
ところで、図2に示すように、回転ディスク6は、カムディスク5に対して、入力部2の回転中心軸線P1からカムディスク5の中心P2までの距離Rxと、カムディスク5の中心P2から回転ディスク6の中心P3までの距離Ryとが同一となるように偏心している。
そのため、回転ディスク6の中心P3を入力部2の回転中心軸線P1と同一線上に位置させて、入力部2の回転中心軸線P1と回転ディスク6の中心P3との距離(回転半径調節機構4の回転半径)、すなわち、偏心量R1を「0」にすることもできる。
回転ディスク6の周縁には、一方(入力部2側)の端部に大径の入力側環状部15aを有し、他方(出力軸3)の端部に入力側環状部15aの径よりも小径の出力側環状部15bを有するコネクティングロッド15が、回転自在に接続している。
コネクティングロッド15の入力側環状部15aは、軸方向に2個並べた2個1組のボールベアリングからなるコネクティングロッド軸受16を介して、回転ディスク6に回転自在に外嵌している。
出力軸3には、ワンウェイクラッチ17(一方向回転阻止機構)を介して、6個の揺動リンク18が、コネクティングロッド15に対応させて揺動自在に軸支されている。
ワンウェイクラッチ17は、揺動リンク18と出力軸3との間に設けられ、揺動リンク18が出力軸3の回転中心軸線P5を中心として出力軸3に対して一方側に相対回転しようとする場合には、出力軸3に対して揺動リンク18を固定し(固定状態)、他方側に相対回転しようとする場合には、出力軸3に対して揺動リンク18を空転させる(空転状態)。
揺動リンク18には、コネクティングロッド15の出力側環状部15bに連結される揺動端部18aが設けられている。揺動端部18aには、出力側環状部15bを軸方向から挟み込むように突出した一対の突片18bが設けられている。一対の突片18bには、出力側環状部15bの内径に対応する差込孔18cが穿設されている。
差込孔18c及び出力側環状部15bに、揺動軸としての連結ピン19が挿入されることによって、コネクティングロッド15と揺動リンク18とが、相対回転可能に連結される。
また、揺動リンク18には、環状部18dが設けられている。環状部18dは、ワンウェイクラッチ17を介して、出力軸3に揺動可能に外嵌している。
本実施形態の無段変速機1では、上記のような構成を有する回転半径調節機構4と、揺動リンク18と、コネクティングロッド15とによって、てこクランク機構20が構成されている。
てこクランク機構20及びワンウェイクラッチ17は、変速機ケース21に収納されている。この変速機ケース21の下方には、潤滑油が油溜を形成している。
そして、揺動リンク18は、その揺動端部18aが変速機ケース21の下方に溜まった潤滑油の油溜に油没するように配置されている。
そのため、てこクランク機構20の駆動時には、揺動端部18aを油溜で潤滑するとともに、揺動リンク18の揺動運動により、油溜の潤滑油を掻き揚げて、無段変速機1の他の部品を潤滑させることができるようになっている。
また、変速機ケース21は、エンジンENGに固定されている一端壁部21aと、一端壁部21aに対向して配置されている他端壁部21bと、てこクランク機構20及びワンウェイクラッチ17を間隔を存して覆い、一端壁部21aの外縁と他端壁部21bの外縁とを連結する周壁部21cとによって形成されている。
一端壁部21aと他端壁部21bには、入力軸を軸支するための開口部と、出力軸3を軸支するための開口部が形成されており、それらの開口部には、軸受22が嵌合されている。
なお、本実施形態においては、6個のてこクランク機構20を備えたものを説明した。しかし、本発明の無段変速機におけるてこクランク機構の数は、その数に限られず、例えば、5個以下のてこクランク機構を備えていてもよいし、7個以上のてこクランク機構を備えていてもよい。
また、本実施形態においては、入力部2と複数のカムディスク5によって入力軸を構成し、入力軸がカムディスク5の貫通孔5aが連なることによって構成される挿通孔50を備えるものを説明した。しかし、本発明の無段変速機における入力軸はこのように構成されたものに限られない。
例えば、入力部を一端が開口するように挿通孔を有する中空軸状に構成し、円盤状のカムディスクに入力部を挿通できるように貫通孔を本実施形態のものよりも大きく形成して、カムディスクを中空軸状に構成された入力部の外周面にスプライン結合させてもよい。
この場合、中空軸からなる入力部には、カムディスクの切欠孔に対応させて切欠孔が設けられる。そして、入力部内に挿入されるピニオンは、入力部の切欠孔及びカムディスクの切欠孔を介して、回転ディスクの内歯と噛合する。
また、本実施形態においては、一方向回転阻止機構としてワンウェイクラッチ17を用いたものを説明した。しかし、本発明の無段変速機における一方向回転阻止機構はワンウェイクラッチに限らず、例えば、揺動リンクから出力軸にトルクを伝達可能な揺動リンクの出力軸に対する回転方向を切換自在に構成されるツーウェイクラッチを用いてもよい。
次に、図1〜図4を参照して、本実施形態の無段変速機のてこクランク機構20について説明する。
本実施形態の無段変速機1は、図1に示すように、合計6個のてこクランク機構20(四節リンク機構)を備えている。てこクランク機構20は、図2に示すように、コネクティングロッド15と、揺動リンク18と、回転ディスク6を有しその回転半径を調節自在な回転半径調節機構4とで構成されている。このてこクランク機構20によって、入力軸の回転運動が、揺動リンク18の揺動運動に変換される。
このてこクランク機構20では、回転半径調節機構4の回転ディスク6の中心P3(入力側支点)の回転半径(偏心量R1)が、「0」でない場合、入力部2とピニオンシャフト7とを同一速度で回転させると、各コネクティングロッド15が、位相を変えながら、入力部2と出力軸3との間で、揺動端部18aを、出力軸3側に押したり、入力部2側に引いたりを交互に繰り返して、揺動リンク18を揺動させる。
そして、揺動リンク18と出力軸3との間にはワンウェイクラッチ17が設けられているので、コネクティングロッド15によって、揺動リンク18が出力軸3に対して一方側に、出力軸3の回転速度を超える速度で回転するときには、揺動リンク18が出力軸3に対して固定され、出力軸3にトルクを伝達する。一方、揺動リンク18が出力軸3に対して他方側に回転するときには、揺動リンク18が出力軸3に対して空回りし、出力軸3にトルクを伝達しない。
本実施形態の無段変速機1では、6個のてこクランク機構20の回転半径調節機構4が、それぞれ60度ずつ位相を変えて配置されているので、出力軸3は、6個のてこクランク機構20で順に回転させられる。
図3は、回転半径調節機構4の回転ディスク6の中心P3(入力側支点)の回転半径(偏心量R1)を変化させた状態のピニオンシャフト7と回転ディスク6との位置関係を示す図である。
図3Aは、偏心量R1を「最大」とした状態を示し、入力部2の回転中心軸線P1とカムディスク5の中心P2と回転ディスク6の中心P3とが一直線に並ぶように、ピニオンシャフト7と回転ディスク6とが位置する。この場合の変速比hは「最小」となる。
図3Bは、偏心量R1を図3Aよりも小さい「中」とした状態を示し、図3Cは、偏心量R1を図3Bよりも更に小さい「小」とした状態を示している。変速比hは、図3Bでは図3Aの変速比hよりも大きい「中」となり、図3Cでは図3Bの変速比hよりも大きい「大」となる。
図3Dは、偏心量R1を「0」とした状態を示し、入力部2の回転中心軸線P1と、回転ディスク6の中心P3とが同心に位置する。この場合の変速比hは「無限大(∞)」となる。
図4は、回転半径調節機構4の回転ディスク6の中心P3(入力側支点)の回転半径(偏心量R1)と、揺動リンク18の揺動運動の揺動範囲θ2との関係を示す図である。
図4Aは、偏心量R1が図3Aの「最大」である場合(変速比hが「最小」である場合)、図4Bは、偏心量R1が図3Bの「中」である場合(変速比hが「中」である場合)、図4Cは、偏心量R1が図3Cの「小」である場合(変速比hが「大」である場合)、図4Dは、偏心量R1が図3Dの「0」である場合(変速比hが「無限大(∞)」である場合)を示す。
ここで、R2は、揺動リンク18の長さである。より具体的には、R2は、出力軸3の回転中心軸線P5からコネクティングロッド15と揺動端部18aとの連結点、すなわち、連結ピン19の中心(出力側支点P4)までの距離である。また、θ1は、回転半径調節機構4の回転ディスク6の位相である。
この図4から明らかなように、偏心量R1が小さくなるにつれ、揺動リンク18の揺動範囲θ2が狭くなり、偏心量R1が「0」になった場合には、揺動リンク18は揺動しなくなる。
次に、図5及び図6を参照して、本実施形態の無段変速機1の揺動リンク18の構成及び位相の検出方法について詳細に説明する。
図5に示すように、揺動リンク18は、コネクティングロッド15と連結する揺動端部18aと、出力軸3に軸支される環状部18dと、環状部18dの外周面に設けられた被検出部18eとを有している。なお、図2においては、揺動リンク18の被検出部18eは図示省略している。
また、無段変速機1は、変速機ケース21に固定され、被検出部18eまでの距離xを検出する距離センサ23を備えている。なお、図5においては、変速機ケース21は図示省略している。
さらに、無段変速機1は、距離センサ23が検出した値に基づいて、予め求めておいた距離xと位相θとの関係の表すデータから、揺動リンク18の位相θを算出し、その算出した位相θに基づいて、回転ディスク6の回転半径(偏心量R1)を推定するECU24を備えている。
すなわち、距離センサ23とECU24とによって、位相検出部と制御部が構成されている。
揺動リンク18の被検出部18eの距離センサ23側の面の形状は、その面から距離センサ23までの距離xの変化率が揺動リンク18の位相θの変化に対し一定となる形状となっている。
具体的には、図6のグラフに示すように、揺動リンク18の位相θと距離センサ23から被検出部18eの距離センサ23側の面までの距離xとの関係が、直線となるような形状となっている。
また、図5に示すように、被検出部18eが、揺動リンク18の環状部18dの周方向に向かって延び、その中心角が揺動リンク18の最大揺動範囲θ2よりも大きく形成されている。
本実施形態の無段変速機1では、このように構成された制御部が、てこクランク機構20から最終的にトルクが伝達される出力軸3に軸支されている揺動リンク18の位相θに基づいて、回転ディスク6の回転半径(偏心量R1)を推定している。
そのため、本実施形態の無段変速機1では、揺動リンク18よりも入力軸側の構成部材(例えば、コネクティングロッド15)にねじれやたわみが生じている場合であっても、推定される回転半径(偏心量R1)の値が、変速比hや出力軸3に伝達されるトルクの制御に対する実効的な値になる。
また、本実施形態の無段変速機1では、被検出部18eの距離センサ23側の面の形状が、その面から距離センサ23までの距離xの変化率が揺動リンク18の位相θの変化に対し一定となる形状となっており、揺動リンク18の位相θの全範囲において、距離xの変化率が小さい範囲が存在しない。
そのため、本実施形態の無段変速機1では、被検出部18eの距離センサ23側の面の形状を単純な円弧にした場合のように、揺動リンク18の位相θが変化しているにも関わらず距離xがほぼ変化しないということがなく、揺動リンク18の位相θの全範囲において、精度よく距離xを検出することができる。
また、本実施形態の無段変速機1では、被検出部18eが、揺動リンク18の環状部18dの周方向に向かって延び、その中心角が揺動リンク18の最大揺動範囲θ2よりも大きく形成されている。
そのため、本実施形態の無段変速機1では、揺動リンク18の位相θがどのような値であっても、被検出部18eが距離センサ23に対向するので、距離センサ23が、常に距離xを検出し、回転ディスク6の回転半径(偏心量R1)を推定することができる。
したがって、本実施形態の無段変速機1によれば、揺動リンク18の位相θ検出し、回転ディスク6の回転半径(偏心量R1)を精度よく推定することができる。そして、そのようにして推定された回転ディスク6の回転半径(偏心量R1)に基づいて、フィードバック等の制御を行っているので、出力軸3に伝達されるトルクや変速比hを精度よく制御することができる。
[第2実施形態]
図7を参照して、本実施形態の無段変速機について説明する。ただし、本実施形態の無段変速機は、第1実施形態の無段変速機と揺動リンク及び被検出部材のみが異なるので、揺動リンク及び被検出部材についてのみ詳細に説明する。また、第1実施形態の無段変速機と同様の構成については同じ符号を付すとともに、それらについての説明は省略する。
図7に示すように、揺動リンク18は、コネクティングロッド15と連結する揺動端部18aと、出力軸3に軸支される環状部18dとを有している。
また、揺動リンク18の環状部18dの外周面には、2本の取付ピン25が設けられ、その取付ピン25には、被検出部材26が摺動可能に取り付けられている。
被検出部材26の外周面(距離センサにより測定が行われる面)の形状は、その面から距離センサまでの距離xの変化率が揺動リンク18の位相θの変化に対し一定となっている。また、被検出部18eが、揺動リンク18が最も揺動した際に距離センサ23が検出を行う位置を覆う円弧状の部材として形成されている。
第1実施形態の無段変速機1の揺動リンク18の外周面に形成された被検出部18eに代わり、このように設けられた被検出部材26を用いて、揺動リンク18の位相の算出を行っても、第1実施形態の無段変速機1と同様に、回転ディスク6の回転半径を精度よく推定し、出力軸3に伝達されるトルクや変速比hを精度よく制御することができる。
ところで、本実施形態の無段変速機においては、出力軸にトルクが伝達されている状態では、コネクティングロッドやワンウェイクラッチから加えられる荷重等によって、揺動リンク18の環状部18dの径の大きさが変化してしまうことがある。
具体的には、例えば、ワンウェイクラッチのインナー部材とアウター部材との間に配置されている転動体がインナー部材とアウター部材との間に噛み込まれ、アウター部材が拡径し、アウター部材の外側に配置されている揺動リンク18の環状部18dの形状が、図7Aに示すような通常の状態から、図7Bに示すように径方向に大きくなった状態に変化してしまうことがある。
揺動リンク18の環状部18dの径に変化が生じると、揺動リンク18の位相θが変化していない状態であっても、揺動リンク18の外周面に設けられた被検出部材26と距離センサとの距離が変化してしまい、算出する揺動リンク18の位相θに誤差が生じ、回転ディスクの回転半径(偏心量R1)の精度よく推定することができなくなるおそれがある。
そこで、本実施形態の無段変速機においては、取付ピン25を、揺動リンク18の外周面に環状部18dの径方向外方に延びるように設けるとともに、被検出部材26を、その取付ピン25に摺動可能に取り付けている。
そのため、本実施形態の無段変速機では、環状部18dの形状が図7Aに示すような状態から図7Bに示すような状態に変化したとしても、被検出部材26に対して取付ピン25が摺動するのみであり、被検出部材26の位置や形状は変化しない。
また、本実施形態の無段変速機における環状部18dの変化量は、その周方向において均一ではなく、揺動リンク18の最も剛性が高い揺動端部18a近傍では、変化量が小さい。
そのため、そのような領域に取付ピン25が取り付けられていると、環状部18dの径に変化が生じた場合に、取付ピン25に対する被検出部材26の摺動がスムーズに行われず、被検出部材26の形状や位置がわずかに変化してしまうおそれがある。
そこで、本実施形態の無段変速機においては、環状部18dの径の変化が一定である領域(すなわち、揺動端部18aが形成されている位置に対して環状部18dの中心を挟んで反対となる位置)に、取付ピン25で被検出部材26を取り付けている。
そのため、環状部18dの径に変化が生じた場合であっても、取付ピン25に対する被検出部材26の摺動がスムーズに行われ、被検出部材26の形状や位置に変化が生じにくいので、距離センサが被検出部材26までの距離xを精度よく検出し、揺動リンク18の位相θや回転ディスク6の回転半径(偏心量R1)を精度よく推定することができる。
以上、図示の実施形態について説明したが、本発明はこのような形態に限られるものではない。
例えば、上記実施形態においては、距離センサ23を用いて、被検出部18e又は被検出部材26までの距離を検出し、その値に基づいて、揺動リンク18の位相θを算出し、回転ディスク6の回転半径(偏心量R1)の推定を行っている。しかし、本発明の位相検出部及び制御部は、必ずしもそのような構成に限定されるものではなく、揺動リンクの位相を検出し、その位相に基づいて回転部の回転半径を算出できるものであればよい。
また、上記実施形態では、2本の取付ピン25は、揺動リンク18の環状部18dの外周面に固定されており、被検出部材26は、その2本の取付ピン25に摺動可能に取り付けられている。しかし、本発明の無段変速機はこのような構成に限られるものではなく、取付ピンを被検出部材に固定し、その取付ピンに対して、揺動リンクの環状部が摺動自在に取り付けられていてもよいし、取付ピンを3本以上もうけてもよい。
また、本発明の無段変速機の被検出部材26の形状は、図7等に示したような形状に限られるものではなく、揺動リンクの環状部の径に変化が生じた際に接触しないような形状であればよい。例えば、重量増加を抑えるための肉抜き等をしてもよい。
1…無段変速機、2…入力部、3…出力軸、4…回転半径調節機構、5…カムディスク、5a…貫通孔、5b…切欠孔、6…回転ディスク(回転部)、6a…受入孔、6b…内歯、7…ピニオンシャフト、7a…ピニオン、7b…ピニオン軸受、8…差動機構、14a…回転軸、9…サンギヤ、10…第1リングギヤ、11…第2リングギヤ、12…段付ピニオン、12a…大径部、12b…小径部、13…キャリア、14…アクチュエータ(調節用駆動源(副駆動源))、15…コネクティングロッド、15a…入力側環状部、15b…出力側環状部、16…コネクティングロッド軸受、17…ワンウェイクラッチ(一方向回転阻止機構)、18…揺動リンク、18a…揺動端部、18b…突片、18c…差込孔、18d…環状部、18e…被検出部(被検出部材)、19…連結ピン、20…てこクランク機構、21…変速機ケース、21a…一端壁部、21b…他端壁部、21c…周壁部、22…軸受、23…距離センサ、24…ECU、25…取付ピン、26…被検出部材、50…挿通孔、ENG…エンジン(走行用駆動源(主駆動源))、h…変速比、P1…入力軸の回転中心軸線、P2…カムディスク5の中心、P3…回転ディスク6の中心(入力側支点)、P4…連結ピン19の中心(出力側支点)、P5…出力軸3の回転中心軸線、Rx…P1とP2の距離、Ry…P2とP3の距離、R1…P1とP3の距離(偏心量,回転ディスク6の中心(入力側支点P3)の回転半径)、R2…P4とP5の距離(揺動リンク18の長さ)、θ1…回転ディスク6の位相、θ2…揺動リンク18の揺動範囲、θ…揺動リンクの位相、x…被検出部材22の外周面から距離センサ23までの距離。

Claims (6)

  1. 走行用駆動源の駆動力が伝達される入力軸と、
    前記入力軸の回転中心軸線と平行に配置された出力軸と、
    前記入力軸と一体的に回転可能な回転部が設けられ前記回転部の回転半径を調節自在な回転半径調節機構、揺動端部が設けられ前記出力軸に揺動自在に軸支された揺動リンク、及び、一方の端部が前記回転半径調節機構の前記回転部に回転自在に接続され、他方の端部が前記揺動端部に連結されたコネクティングロッドを有し、前記入力軸の回転運動を前記揺動リンクの揺動運動に変換するてこクランク機構と、
    前記揺動リンクが一方側に回転しようとするときに前記出力軸に対して前記揺動リンクを固定し、前記揺動リンクが他方側に回転しようとするときに前記出力軸に対して前記揺動リンクを空転させる一方向回転阻止機構と、
    前記入力軸及び前記出力軸を回転自在に支持し、前記てこクランク機構及び前記一方向回転阻止機構を収納する変速機ケースとを備え、
    前記揺動リンクは、前記出力軸に軸支される環状部を有し、
    前記回転部の前記回転半径を変化させることによって、変速比が変化する無段変速機であって、
    前記揺動リンクの位相を検出する位相検出部と、
    前記位相検出部が検出した値に基づいて前記回転部の回転半径を算出する制御部と
    を備えていることを特徴とする無段変速機。
  2. 請求項1に記載の無段変速機であって、
    前記揺動リンクの外周面に被検出部材を備え、
    前記位相検出部は、前記変速機ケースに固定され、前記被検出部材までの距離を検出する距離センサと、前記距離センサが検出した値に基づいて前記揺動リンクの位相を算出する位相算出部とを有し、
    前記被検出部材の前記距離センサ側の面の形状は、前記距離センサ側の面から前記距離センサまでの距離が前記揺動リンクの位相に応じて変化する形状であることを特徴とする無段変速機。
  3. 請求項2に記載の無段変速機であって、
    前記揺動リンクの前記環状部の外周面に前記環状部の径方向外方に延びるように設けられた複数の取付ピンを備え、
    前記被検出部材は、複数の前記取付ピンに摺動可能に取り付けられていることを特徴とする無段変速機。
  4. 請求項3に記載の無段変速機であって、
    前記被検出部材は、前記揺動端部が形成されている位置に対して前記環状部の中心を挟んで反対となる位置に取り付けられていることを特徴とする無段変速機。
  5. 請求項2〜請求項4のいずれか1項に記載の無段変速機であって、
    前記被検出部材の前記距離センサ側の面の形状は、前記距離センサ側の面から前記距離センサまでの距離の変化率が揺動リンクの位相の変化に対して一定となる形状であることを特徴とする無段変速機。
  6. 請求項2〜請求項5のいずれか1項に記載の無段変速機であって、
    前記被検出部材は、前記揺動リンクの前記環状部の周方向に向かって延び、その中心角が前記揺動リンクの最大揺動範囲よりも大きいことを特徴とする無段変速機。
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