JP2015017574A - ロータリ圧縮機 - Google Patents

ロータリ圧縮機 Download PDF

Info

Publication number
JP2015017574A
JP2015017574A JP2013146116A JP2013146116A JP2015017574A JP 2015017574 A JP2015017574 A JP 2015017574A JP 2013146116 A JP2013146116 A JP 2013146116A JP 2013146116 A JP2013146116 A JP 2013146116A JP 2015017574 A JP2015017574 A JP 2015017574A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oil
rotary compressor
refrigerant
bearing member
cylinder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013146116A
Other languages
English (en)
Inventor
啓晶 中井
Hiroaki Nakai
啓晶 中井
裕文 吉田
Hirofumi Yoshida
裕文 吉田
信吾 大八木
Shingo Oyagi
信吾 大八木
優 塩谷
Masaru Shiotani
優 塩谷
竜一 大野
Ryuichi Ono
竜一 大野
健 苅野
Takeshi Karino
健 苅野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP2013146116A priority Critical patent/JP2015017574A/ja
Publication of JP2015017574A publication Critical patent/JP2015017574A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Applications Or Details Of Rotary Compressors (AREA)

Abstract

【課題】吸入冷媒の受熱を抑制する。
【解決手段】ロータリ圧縮機100は、密閉容器1、第2シリンダ15、第2ピストン28、下軸受部材7、第2ベーン33、第2吸入口20、第2吐出口41、及び第2区画部材10を有する。第2区画部材10は、第2吐出口41を通じて第2吐出室26bから吐出された冷媒の流路としての冷媒吐出空間52を形成するように、下軸受部材7に取り付けられている。下軸受部材7には、第2ベーン33が第2シリンダ15の中心軸に向かって最も突出したときの第2ベーン33の中心と第2シリンダ15の中心軸とを含む基準平面から見て第2吸入口20と同じ側に第1凹部7tが設けられている。オイル溜まり22に溜められたオイルの一部が第1凹部7tに浸入することによってオイル保持部53が形成されている。オイル保持部53と冷媒吐出空間52を区切る仕切り部7kには断熱層7m、7nが形成されている。
【選択図】図5

Description

本発明は、ロータリ圧縮機に関する。
ロータリ圧縮機は、空気調和装置、暖房装置、給湯機などの冷凍サイクルを搭載した電化製品に広く使用されている。ロータリ圧縮機の効率を改善するための取り組みの1つとして、圧縮室に吸入された冷媒(吸入冷媒)が周囲から熱を受け取ることによる効率の低下、いわゆる熱ロスを抑制する技術が提案されている。
特許文献1のロータリ圧縮機は、吸入冷媒の受熱を抑制する手段として、シリンダの吸入側部分に密閉空間を有している。この密閉空間は、密閉容器内の高温の冷媒からシリンダの内壁への熱の伝達を抑制する。
特開平2−140486号公報
しかし、特許文献1のようにシリンダに密閉空間を形成することは必ずしも容易ではない。そのため、吸入冷媒の受熱を効果的に抑制できる別の技術が望まれている。
すなわち、本発明は、オイル溜まりを有する密閉容器と、前記密閉容器の内部に配置されたシリンダと、前記シリンダの内部に配置されたピストンと、前記シリンダと前記ピストンとの間にシリンダ室を形成するように、前記シリンダに取り付けられた軸受部材と、前記シリンダ室を吸入室と吐出室とに仕切るベーンと、圧縮されるべき冷媒を前記吸入室に導く吸入口と、前記軸受部材に形成され、圧縮された冷媒を前記吐出室から吐出させる吐出口と、前記軸受部材に取り付けられ、前記軸受部材とともに、前記吐出口を通じて前記吐出室から吐出された冷媒が滞在できる冷媒吐出空間を形成している区画部材と、を備え、前記軸受部材には、前記ベーンが前記シリンダの中心軸に向かって最も突出したときの前記ベーンの中心と前記シリンダの前記中心軸とを含む基準平面から見て前記吸入口と同じ側に第1凹部が設けられており、前記オイル溜まりに溜められたオイルの一部が前記第1凹部に浸入することによってオイル保持部が形成されており、前記オイル保持部と前記冷媒吐出空間を仕切る仕切り部には断熱層が設けられている、ロータリ圧縮機を提供する。
上記のロータリ圧縮機によれば、オイル保持部は、基準平面から見て吸入口と同じ側に位置しており、高温となる冷媒吐出空間との間に設けた断熱層により、オイル保持部内のオイルは加熱されにくい状態で淀ませることができ、吸入冷媒の受熱を抑制することができる。
本発明の実施の形態1におけるロータリ圧縮機の縦断面図 本発明の実施の形態1におけるロータリ圧縮機のIIA−IIA線に沿った横断面図 本発明の実施の形態1におけるロータリ圧縮機のIIB−IIB線に沿った横断面図 本発明の実施の形態1におけるロータリ圧縮機の連通路の位置を示す拡大断面図 本発明の実施の形態1におけるロータリ圧縮機の下軸受部材の下面図 本発明の実施の形態1におけるロータリ圧縮機の断熱オイル連通路の位置を示す拡大断面図 本発明の実施の形態1におけるロータリ圧縮機の連通路の詳細な位置を説明する下面図
第1の発明は、オイル溜まりを有する密閉容器と、前記密閉容器の内部に配置されたシリンダと、前記シリンダの内部に配置されたピストンと、前記シリンダと前記ピストンとの間にシリンダ室を形成するように、前記シリンダに取り付けられた軸受部材と、前記シリンダ室を吸入室と吐出室とに仕切るベーンと、圧縮されるべき冷媒を前記吸入室に導く吸入口と、前記軸受部材に形成され、圧縮された冷媒を前記吐出室から吐出させる吐出口と、前記軸受部材に取り付けられ、前記軸受部材とともに、前記吐出口を通じて前記吐出室から吐出された冷媒が滞在できる冷媒吐出空間を形成している区画部材と、を備え、前記軸受部材には、前記ベーンが前記シリンダの中心軸に向かって最も突出したときの前記ベーンの中心線と前記シリンダの前記中心軸とを含む基準平面から見て前記吸入口と同じ側に第1凹部が設けられており、前記オイル溜まりに溜められたオイルの一部が前記第1凹部に浸入することによってオイル保持部が形成されており、前記オイル保持部と前記冷媒吐出空間とを仕切る仕切り部には断熱層が設けられている、ロータリ圧縮機を提供する。
第2の発明は、第1の発明において、前記第1凹部が前記区画部材、又は前記区画部材とは別の部材で閉じられることによって前記オイル保持部が形成されている、ロータリ圧縮機を提供する。このような構造によれば、軸受部材の肉厚の過度な増加を回避できるので、部品コストの増加を回避できるだけでなく、ロータリ圧縮機の軽量化にとって有利である。
第3の発明は、第2の発明において、前記軸受部材に設けられた第2凹部が前記区画部材で閉じられることによって前記冷媒吐出空間が形成されている、ロータリ圧縮機を提供する。前記区画部材は単一の板状部材で構成されている。前記第1凹部、及び前記第2凹部の両方が前記区画部材によって閉じられている。このような構造によれば、非常にシンプルであり、部品点数の増加も回避できる。
第4の発明は、第3の発明において、前記断熱層は、前記軸受部材に設けた第3凹部に前記オイル溜まりに溜められたオイルの一部が浸入することによって形成された断熱オイル層を備えるロータリ圧縮機を提供する。このような構造によれば、断熱材等の新たな部品コスト、部品点数の増加を回避できる。
第5の発明は、第4の発明において、前記断熱オイル層と前記オイル溜まりとを連通する断熱オイル連通路を備える、ロータリ圧縮機を提供する。このような構造によれば、断熱オイル連通路を通じて、オイル溜まりのオイルが断熱オイル層に浸入できる。
第6の発明は、第5の発明において、前記断熱オイル連通路が、前記断熱オイル層に対して複数備える、ロータリ圧縮機を提供する。このような構造によれば、断熱オイル層のオイルは複数の断熱オイル連通路から浸入および排出されて、オイル溜まりのオイルと循環しやすくなるため、断熱オイル層のオイルが高温になりにくく、オイル保持部への受熱
が抑制される。
第7の発明は、第4〜第6の発明のいずれか1つにおいて、前記断熱オイル層は、前記中心軸を原点として前記吐出口と前記吸入口がなす劣角の範囲内に構成した、ロータリ圧縮機を提供する。このような構造によれば、最も低温となっている吸入冷媒近傍への熱移動を断熱層により効果的に抑制することができる。
第8の発明は、第1〜第7の発明のいずれか1つにおいて、前記オイル溜まりと前記オイル保持部とを連通する連通路をさらに備える、ロータリ圧縮機を提供する。このような構造によれば、連通路を通じて、オイル溜まりのオイルがオイル保持部に浸入できる。
第9の発明では、第8の発明において、前記中心軸を含む平面であって、前記オイル保持部に接する2つの平面を接平面と定義し、前記接平面のなす角のうち、前記オイル保持部が位置している領域の角を略2等分し、かつ前記中心軸を含む平面を前記オイル保持部の2等分平面と定義し、前記2等分平面によって分けられた前記オイル保持部の2つの部分うち、前記ピストンの回転方向において相対的に前記吸入口の近くに位置している部分を前半部分、前記ピストンの回転方向において相対的に前記吸入口から遠くに位置している部分を後半部分と定義する。第9の発明は、前記前半部分には、前記後半部分のみを通じて、前記オイル溜まりのオイルが浸入するようになっている、ロータリ圧縮機を提供する。前記連通路は、前記オイル溜まりと前記後半部分とを連通している。このような位置に連通路が設けられていると、吸入冷媒の受熱をより効果的に抑制できる。
第10の発明は、第1〜第9の発明のいずれか1つにおいて、前記軸受部材に設けられた第2凹部が前記区画部材で閉じられることによって前記冷媒吐出空間が形成されている、ロータリ圧縮機を提供する。前記第1凹部における前記軸受部材の肉厚は、前記第2凹部における前記軸受部材の肉厚よりも厚い。このような構造によれば、吐出口の容積を十分に減らすことができる。つまり、吐出口に由来する死容積を減らせる。
第11の発明は、第1〜第10の発明のいずれか1つにおいて、前記中心軸に垂直な平面上に前記冷媒吐出空間、及び前記オイル保持部を投影することによって得られた投影図において、前記冷媒吐出空間に対応する領域が前記オイル保持部に対応する領域の面積よりも小さい面積を有している、ロータリ圧縮機を提供する。このような構造によれば、断熱層を大きく確保できるので、吸入冷媒の受熱が効果的に抑制される。
第12の発明は、第1〜第11の発明のいずれか1つにおいて、前記ピストンが取り付けられたシャフトをさらに備えている、ロータリ圧縮機を提供する。前記ロータリ圧縮機は、前記シャフトの回転軸が重力方向に平行であり、かつ前記オイル溜まりが前記密閉容器の底部に形成されている縦型のロータリ圧縮機である。縦型のロータリ圧縮機によれば、シャフトを駆動するモータによる旋回流がオイル保持部に影響を及ぼしにくい。
第13の発明は、第1〜第12の発明のいずれか1つにおいて、前記軸受部材が焼結材により構成されている、ロータリ圧縮機を提供する。このような構造によれば、複雑な凹凸形状が必要な場合においても、部品点数や加工コストの増加を回避できる。
第14の発明は、第1〜第13の発明のいずれか1つにおいて、作動流体として、高圧冷媒、例えば二酸化炭素である、ロータリ圧縮機を提供する。例えば二酸化炭素のような高圧冷媒を冷媒として用いることにより、従来は圧縮機の温度が上昇して吸入冷媒の受熱が増加するのに対し、本発明ではより断熱効果の高いオイル保持部で断熱することにより、吸入冷媒の受熱をより顕著に抑制し、高効率な圧縮機を提供可能となる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1に示すように、本実施の形態のロータリ圧縮機100は、密閉容器1、モータ2、圧縮機構102、及びシャフト4を備えている。圧縮機構102は、密閉容器1の下部に配置されている。モータ2は、密閉容器1の内部において、圧縮機構102の上に配置されている。シャフト4によって、圧縮機構102とモータ2とが連結されている。密閉容器1の上部には、モータ2に電力を供給するための端子21が設けられている。密閉容器1の底部には、潤滑用のオイルを保持するためのオイル溜まり22が形成されている。
モータ2は、ステータ(固定子)17、及びロータ(回転子)18で構成されている。ステータ17は、密閉容器1の内壁に固定されている。ロータ18は、シャフト4に固定されており、かつシャフト4とともに回転する。
密閉容器1の上部には、吐出管11が設けられている。吐出管11は、密閉容器1の上部を貫通しているとともに、密閉容器1の内部空間13に向かって開口している。吐出管11は、圧縮機構102で圧縮された冷媒を密閉容器1の外部に導く吐出流路としての役割を担う。ロータリ圧縮機100の動作時において、密閉容器1の内部空間13は、圧縮された冷媒で満たされる。
圧縮機構102は、冷媒を圧縮するようにモータ2によって動かされる。具体的に、圧縮機構102は、第1圧縮ブロック3、第2圧縮ブロック30、上軸受部材6、下軸受部材7、中板38、第1区画部材(第1マフラー部材、又は第1閉塞部材)9、及び第2区画部材(第2マフラー部材、又は第2閉塞部材)10を有する。冷媒は、第1圧縮ブロック3、又は第2圧縮ブロック30で圧縮される。第1圧縮ブロック3、及び第2圧縮ブロック30は、オイル溜まり22に溜められたオイルに浸漬されている。本実施の形態において、第1圧縮ブロック3は、第2圧縮ブロック30を構成する部品と共通の部品で構成されている。従って、第1圧縮ブロック3は、第2圧縮ブロック30の吸入容積に等しい吸入容積を有する。
図2に示すように、第1圧縮ブロック3は、第1シリンダ5、第1ピストン8、第1ベーン32、第1吸入口19、第1吐出口40、及び第1ばね36で構成されている。図3に示すように、第2圧縮ブロック30は、第2シリンダ15、第2ピストン28、第2ベーン33、第2吸入口20、第2吐出口41、及び第2ばね37で構成されている。第1シリンダ5、及び第2シリンダ15は、互いに上下方向に同心状に配置されている。
シャフト4は、第1偏心部4a、及び第2偏心部4bを有する。第1偏心部4a、及び4bは、それぞれ、半径方向の外向きに突出している。第1ピストン8、及び第2ピストン28は、それぞれ、第1シリンダ5、及び第2シリンダ15の内部に配置されている。第1シリンダ5の内部において、第1偏心部4aに第1ピストン8が取り付けられている。第2シリンダ15の内部において、第2偏心部4bに第2ピストン28が取り付けられている。第1シリンダ5、及び第2シリンダ15には、それぞれ、第1ベーン溝34、及び第2ベーン溝35が形成されている。シャフト4の回転方向において、第1ベーン溝34の位置は、第2ベーン溝35の位置に一致している。第1偏心部4aは、第2偏心部4bの突出方向と180度反対の方向に突出している。つまり、第1ピストン8と第2ピストン28との間の位相差が180度である。この構成は、振動、及び騒音を低減する効果を奏する。
上軸受部材6は、第1シリンダ5の内周面と第1ピストン8の外周面との間に第1シリ
ンダ室25を形成するように第1シリンダ5に取り付けられている。下軸受部材7は、第2シリンダ15の内周面と第2ピストン28の外周面との間に第2シリンダ室26を形成するように第2シリンダ15に取り付けられている。詳細には、上軸受部材6は第1シリンダ5の上部に取り付けられ、下軸受部材7は第2シリンダ15の下部に取り付けられている。第1シリンダ5と第2シリンダ15との間には中板38が配置されている。
第1吸入口19、及び第2吸入口20は、それぞれ、第1シリンダ5、及び第2シリンダ15に形成されている。第1吸入口19、及び第2吸入口20は、それぞれ、第1シリンダ室25、及び第2シリンダ室26に向かって開口している。第1吸入口19、及び第2吸入口20には、それぞれ、第1吸入管14、及び第2吸入管16が接続されている。
第1吐出口40、及び第2吐出口41は、それぞれ、上軸受部材6、及び下軸受部材7に形成されている。第1吐出口40、及び第2吐出口41は、それぞれ、第1シリンダ室25、及び第2シリンダ室26に向かって開口している。第1吐出口40を開閉するように、第1吐出口40に第1吐出弁43が設けられている。第2吐出口41を開閉するように、第2吐出口41に第2吐出弁44が設けられている。
第1ベーン溝34には、第1ベーン32(ブレード)がスライドできるように配置されている。第1ベーン32は、第1シリンダ室25を第1ピストン8の周方向に沿って仕切っている。つまり、第1シリンダ室25が第1吸入室25aと第1吐出室25bとに仕切られている。第2ベーン溝35には、第2ベーン33(ブレード)がスライドできるように配置されている。第2ベーン33は、第2シリンダ室26を第2ピストン28の周方向に沿って仕切っている。つまり、第2シリンダ室26が第2吸入室26aと第2吐出室26bとに仕切られている。第1吸入口19、及び第1吐出口40は、それぞれ、第1ベーン32の左右に位置している。第2吸入口20、及び第2吐出口41は、それぞれ、第2ベーン33の左右に位置している。第1吸入口19を通じて、圧縮されるべき冷媒が第1シリンダ室25(第1吸入室25a)に供給される。第2吸入口20を通じて、圧縮されるべき冷媒が第2シリンダ室26(第2吸入室26a)に供給される。第1シリンダ室25で圧縮された冷媒は、第1吐出弁43を押し開き、第1吐出口40を通じて第1吐出室25bから吐出される。第2シリンダ室26で圧縮された冷媒は、第2吐出弁44を押し開き、第2吐出口41を通じて第2吐出室26bから吐出される。
第1ピストン8と第1ベーン32とが単一の部品、すなわち、スイングピストンで構成されていてもよい。また、第2ピストン28と第2ベーン33とが単一の部品、すなわち、スイングピストンで構成されていてもよい。第1ベーン32、及び第2ベーン33は、それぞれ、第1ピストン8、及び第2ピストン28に結合していてもよい。ロータリ圧縮機の詳細な型式は特に限定されず、ローリングピストン型、スイングピストン型などの型式を広く採用できる。
第1ベーン32の背後、及び第2ベーン33の背後には、それぞれ、第1ばね36、及び第2ばね37が配置されている。第1ばね36、及び第2ばね37は、それぞれ、第1ベーン32、及び第2ベーン33をシャフト4の中心に向かって押している。第1ベーン溝34の後部、及び第2ベーン溝35の後部は、それぞれ、密閉容器1の内部空間13に連通している。従って、密閉容器1の内部空間13の圧力が第1ベーン32の背面、及び第2ベーン33の背面に加えられる。また、第1ベーン溝34、及び第2ベーン溝35には、オイル溜まり22に溜められたオイルが供給される。
図1に示すように、第1区画部材9は、第1吐出口40を通じて第1吐出室25bから吐出された冷媒が滞在できる冷媒吐出空間51を上軸受部材6から見て第1シリンダ室25の反対側に形成するように、上軸受部材6に取り付けられている。詳細には、第1区画
部材9は、冷媒吐出空間51を上軸受部材6の上方に形成するように、上軸受部材6の上部に取り付けられている。第1区画部材9は、上軸受部材6とともに冷媒吐出空間51を形成している。第1吐出弁43は、第1区画部材9によって覆われている。第1区画部材9には、冷媒吐出空間51から密閉容器1の内部空間13に冷媒を導くための吐出口9aが形成されている。第2区画部材10は、第2吐出口41を通じて第2吐出室26bから吐出された冷媒が滞在できる冷媒吐出空間52を下軸受部材7から見て第2シリンダ室26の反対側に形成するように、下軸受部材7に取り付けられている。詳細には、第2区画部材10は、冷媒吐出空間52を下軸受部材7の下方に形成するように、下軸受部材7の下部に取り付けられている。第2区画部材10は、下軸受部材7とともに冷媒吐出空間52を形成している。第2吐出弁44は、第2区画部材10によって覆われている。冷媒吐出空間51、及び52は、それぞれ、冷媒の流路としての役割を担う。シャフト4は、第1区画部材9の中央部、及び第2区画部材10の中央部を貫通しているとともに、上軸受部材6、及び下軸受部材7によって回転可能に支持されている。
冷媒吐出空間52は、貫通流路46によって冷媒吐出空間51に連通している。貫通流路46は、下軸受部材7、第2シリンダ15、中板38、第1シリンダ5、及び上軸受部材6をシャフト4の回転軸と平行な方向に貫通している。第2圧縮ブロック30で圧縮された冷媒は、第1圧縮ブロック3で圧縮された冷媒と第1区画部材9の内部空間、すなわち、冷媒吐出空間51において合流する。そのため、冷媒吐出空間52の容積が不足気味であったとしても、第1区画部材9の内部で冷媒吐出空間51による消音効果を得ることができる。また、貫通流路46の断面積(流路面積)は、第2吐出口41の断面積(流路面積)よりも大きい。これにより、圧力損失の増大を防ぐことができる。
図3に示すように、本明細書において、第1基準平面H、第2基準平面H、及び第3基準平面Hを以下のように定義する。第2ベーン33が第2シリンダ15の中心軸Oに向かって最も突出したときの第2ベーン33の中心と第2シリンダ15の中心軸Oとを含む平面を第1基準平面Hと定義する。第1基準平面Hは、第2ベーン溝35の中心を通っている。また、中心軸Oを含み、かつ第1基準平面Hに垂直な平面を第2基準平面Hと定義する。第2吸入口20の中心、及び中心軸Oを含む平面を第3基準平面Hと定義する。なお、第2シリンダ15の中心軸Oは、シャフト4の回転軸、及び第1シリンダ5の中心軸にほぼ一致している。
第2ベーン溝35は、第2シリンダ室26に面している開口を有する。第2シリンダ15の内周面の周方向において、第2ベーン溝35の開口の中心の位置を基準位置と定義したとき、第1基準平面Hは、この基準位置を通り、中心軸Oを含む平面でありうる。すなわち、「第2ベーン溝35の中心」は、第2ベーン溝35の開口の中心を意味する。第1基準平面Hは、第2シリンダ15の中心軸Oと、第2ベーン33が第2シリンダ15の中心軸Oに向かって最も突出したときの第2シリンダ15と第2ピストン28との接点(詳細には、接線)と、を含む平面でありうる。また、第2シリンダ15の中心軸Oは、詳細には、第2シリンダ15の円筒状の内周面の中心軸を意味する。
図1に示すように、圧縮機構102は、さらに、オイル保持部53を有する。オイル保持部53は、第1基準平面Hから見て第2吸入口20と同じ側に位置しており、下軸受部材7に設けられた第1凹部7tを含む。オイル保持部53は、下軸受部材7から見て第2シリンダ室26の反対側に形成されている。詳細には、オイル保持部53は、下軸受部材7の下面に接している。オイル保持部53は、後述する連通路7pを通じて、オイル溜まり22に溜められたオイルの一部が第1凹部7tに浸入することによって形成されている。オイル保持部53は、このオイル保持部53におけるオイルの流れがオイル溜まり22におけるオイルの流れよりも抑制されるように構成されている。オイル保持部53におけるオイルの流れは、オイル溜まり22におけるオイルの流れよりも緩やかである。
ロータリ圧縮機100において、オイル溜まり22の油面は、第1シリンダ5の下面よりも上に位置している。信頼性を確保するために、オイル溜まり22の油面は、運転時において、第1シリンダ5の上面よりも上、モータ2の下端よりも下にあることが望ましい。第2シリンダ15、下軸受部材7、及び第2区画部材10は、オイル溜まり22のオイルの中に浸漬されている。従って、オイル溜まり22のオイルはオイル保持部53(第1凹部7t)に浸入できる。
図5に示すように、本実施の形態では、オイル保持部53と冷媒吐出空間52を仕切る仕切り部7kに設けられた第3凹部7vに、オイル溜まり22のオイルが断熱オイル連通路7a、10bを通って浸入することにより断熱オイル層7m、7nが形成されている。図6に示すように、断熱オイル連通路7aは下軸受部材7に設けられて、断熱オイル層7m、7nとオイル溜まり22を連通させている。断熱オイル連通路10bは、第2区画部材10を貫通して設けられ、断熱オイル層7m、7nとオイル溜まり22を連通させている。図6のように、断熱オイル連通路7a、10bを複数設けることにより、一つの場合と比べて断熱オイル層7m、7n内のオイルとオイル溜まり22のオイル循環が促進され、断熱オイル層7m、7nのオイルが高温化するのを抑制できる。
圧縮されるべき冷媒は、低温低圧の状態にある。他方、圧縮された冷媒は、高温高圧の状態にある。そのため、ロータリ圧縮機100の運転中において、下軸受部材7には特定の温度分布が生じる。具体的には、下軸受部材7を吸入側部分と吐出側部分とに分けたとき、吸入側部分が比較的低温を帯び、吐出側部分が比較的高温を帯びる。吸入側部分は、下軸受部材7を第1基準平面Hで分けることによって得られた2つの部分のうち、第2吸入口20の真下の部分を含む部分である。吐出側部分は、2つの部分のうち、第2吐出口41が設けられている部分である。
本実施の形態では、第1基準平面Hから見て第2吸入口20と同じ側にオイル保持部53が形成されている。オイル保持部53と冷媒吐出空間52を仕切る仕切り部7kには断熱オイル層7m、7nが形成されており、オイル保持部53のオイルが加熱されることを抑制している。オイル保持部53は、下軸受部材7の下面に接している。オイル保持部53のオイルは、第2シリンダ室26に吸入された冷媒(吸入冷媒)が周囲から熱を受け取ることを抑制する。詳細には、以下の主要な理由により、オイル保持部53は吸入冷媒の受熱を抑制する。
オイルは液体であり、大きい粘度を有している。また、オイル保持部53を形成している第1凹部7tにオイル溜まり22からオイルが浸入することによって、第1凹部7tにおいてオイルを淀ませることができる。従って、オイル保持部53のオイルの流速は、オイル溜まり22のオイルの流速よりも遅い。一般に、物体の表面における熱伝達率は、流体の速度の平方根に比例するので、オイル保持部53のオイルの流速が遅いとき、下軸受部材7の下面における熱伝達率も小さい。その結果、熱は、オイル保持部53のオイルから下軸受部材7に穏やかに移動する。下軸受部材7がオイルから熱を受け取りにくいので、吸入冷媒が下軸受部材7から熱を受け取ることも抑制される。
一方、高温の吐出冷媒が内在する冷媒吐出空間52の温度は下軸受部材7の中でも最も温度が高く、その熱が仕切り部7kを介してオイル保持部53へ移動し、オイル保持部53のオイルを加熱する原因となる。ところが、本実施の形態ではその仕切り部7kに断熱オイル層7m、7nが形成され、冷媒吐出空間52からの受熱で加熱された断熱オイル層7m、7n内のオイルは、温度による比重差によってオイル溜まり22のオイルと断熱オイル連通路7a、10bを通って入れ替わり、その熱をオイル溜まり22へと排出できるため、オイル保持部53への熱移動によるオイル保持部53の温度上昇を抑制することが
できる。このような理由により、オイル保持部53は、吸入冷媒の受熱を抑制することができる。
なお、オイル保持部53と下軸受部材7の下面との間に別の部材が配置されていたとしても、そのような別の部材は下軸受部材7の一部とみなすことができる。また、仕切り部7kの断熱層は、断熱オイル層7m、7nのように流体でなく、熱伝導率の低い樹脂などの別部材を配置してもよい。
吸入冷媒の受熱を抑制する効果は、オイル保持部53だけでなく、冷媒吐出空間52の大部分が第1基準平面Hから見て第2吐出口41と同じ側に形成されていることにも起因している。すなわち、本実施の形態によれば、吐出冷媒の熱が吸入冷媒に伝わるときの熱の移動距離を十分に稼ぐことができる。詳細には、冷媒吐出空間52の吐出冷媒から第2吸入室26aの吸入冷媒に熱が伝わるためには、熱が下軸受部材7の内部の伝熱経路を通る必要があるが、本実施の形態ではその伝熱経路が比較的長い。フーリエの法則より、伝熱量は伝熱経路の距離に反比例する。つまり、本実施の形態によれば、吐出冷媒から吸入冷媒に熱が移動するときの熱抵抗を上げることができる。
また、オイル保持部53および断熱オイル層7m、7nによれば、オイル保持部53の容積に相当する量のオイルを密閉容器1の中に余分に蓄えることができる。そのため、オイル保持部53は、ロータリ圧縮機100の信頼性の向上に寄与する。
図1、及び図5に示すように、本実施の形態では、下軸受部材7に設けられた第1凹部7tが第2区画部材10で閉じられることによってオイル保持部53が形成されている。このような構造によれば、下軸受部材7の肉厚の増加を回避できるので、部品コストの増加を回避できるだけでなく、ロータリ圧縮機100の軽量化にとって有利である。ただし、第2区画部材10とは別の部材で第1凹部7tが閉じられることによってオイル保持部53が形成されていてもよい。
下軸受部材7には、さらに、連通路(連通孔)7pが設けられている。連通路7pは、オイル溜まり22とオイル保持部53とを連通するように横方向に延びている。連通路7pを通じて、オイル溜まり22のオイルがオイル保持部53に浸入できる。複数の連通路7pが設けられていると、オイル溜まり22のオイルがオイル保持部53に確実に浸入できる。連通路7pの大きさは、オイル溜まり22のオイルがオイル保持部53に浸入するために必要十分な大きさに調節されている。そのため、オイル保持部53におけるオイルの流れは、オイル溜まり22におけるオイルの流れよりも緩やかである。従って、オイル保持部53において、オイルは、比較的安定な温度成層を形成する。オイル保持部53とオイル溜まり22との間のオイルの移動をできるだけ抑制するために、連通路7pは、下軸受部材7に1つのみ設けられていてもよい。
本実施の形態では、連通路7pは、小さい貫通孔で構成されている。ただし、スリットなどの別の構造で連通路7pが構成されていてもよい。図4に示すように、シャフト4の回転軸と平行な方向において、連通路7pの上端は、下軸受部材7の下面7hに一致している、又は下軸受部材7の下面7hよりも上に位置している。このような構造によれば、オイル保持部53に空気(気体)が残ることを防止できる。
また、下軸受部材7に設けられた第2凹部7sが第2区画部材10で閉じられることによって冷媒吐出空間52が形成されている。つまり、下軸受部材7には、オイル保持部53として機能する第1凹部7t、冷媒吐出空間52として機能する第2凹部7s、及び断熱層として機能する第3凹部7vが形成されている。第2区画部材10は単一の板状部材で構成されている。第1凹部7t、及び第2凹部7sの両方が第2区画部材10によって
閉じられている。本実施の形態では、第2区画部材10の下面が平面である。第2区画部材10によって閉じられるように、第1凹部7tの開口端面と第2凹部7sの開口端面とが同一平面上に存在する。このような構造は非常にシンプルであり、部品点数の増加を回避できる。同様に、第3凹部7vについても、第2区画部材10で閉じることが可能であるが、図6で示したように、オイル循環のために断熱オイル連通路10bを設けてもよい。また、断熱オイル連通路10bは断熱オイル層7m、7nを投影した形状とし、オイル溜まり22に最大限開口してもよい。
図5に示すように、シャフト4の周囲において、一部の角度範囲にオイル保持部53が形成され、他の一部の角度範囲に冷媒吐出空間52が形成され、それらを仕切る仕切り部7kには断熱オイル層7m、7nが形成されている。
ただし、シャフト4の周方向に関して、オイル保持部53の一部と冷媒吐出空間の一部、断熱オイル層の一部とが重なっていてもよい。オイル保持部53は、下軸受部材7に設けられた仕切り部7kによって、冷媒吐出空間52から完全に隔離されている。冷媒吐出空間52の大部分は、第1基準平面Hから見て、第2吐出口41と同じ側に形成されている。他方、オイル保持部53は、第1基準平面Hから見て、第2吸入口20と同じ側に形成されている。このような位置関係によれば、冷媒吐出空間52に吐出された冷媒から第2シリンダ室26に吸入された冷媒への熱移動を抑制することができる。
図1に示すように、オイル保持部53を形成している部分(第1凹部7t)における下軸受部材7の肉厚は、冷媒吐出空間52を形成している部分(第2凹部7s)における下軸受部材7の肉厚よりも大きい。これにより、第2吐出口41の容積を十分に減らすことができる。つまり、第2吐出口41に由来する死容積を減らせることができる。冷媒吐出空間52を形成している部分(第2凹部7s)における下軸受部材7の最小の肉厚がD1、オイル保持部53を形成している部分(第1凹部7t)における下軸受部材7の最小の肉厚がD2であるとき、例えば、1.1≦(D2/D1)≦40(又は、1.5≦(D2/D1)≦40)の関係が満たされる。なお、「下軸受部材7の肉厚」は、シャフト4の回転軸に平行な方向における厚さを意味する。また、図1に示すように、下軸受部材7のうち、冷媒吐出空間52を形成している部分(第2凹部7s)には、第2吐出弁44を納めるための座ぐりが形成されていてもよい。
下軸受部材7における冷媒吐出空間52、及びオイル保持部53の占有比率は特に限定されない。例えば、中心軸Oに垂直な平面に冷媒吐出空間52、及びオイル保持部53を投影(正射影)することによって得られた投影図において、冷媒吐出空間52に対応する領域がオイル保持部53に対応する領域の面積よりも大きい面積を有していてもよい。このような構成は、冷媒の圧力損失の増加を抑制する観点で望ましい。
他方、中心軸Oに垂直な平面に冷媒吐出空間52、及びオイル保持部53を投影(正射影)することによって得られた投影図において、冷媒吐出空間52に対応する領域の面積がS、オイル保持部53に対応する領域の面積がSであるとき、冷媒吐出空間52に対応する領域の面積Sがオイル保持部53に対応する領域の面積Sよりも小さくてもよい。このような構成は、吸入冷媒の受熱を抑制する観点で望ましい。面積S、及び面積Sは、例えば、1.1≦(S/S)≦5の関係を満足する。また、冷媒吐出空間52の容積がV、オイル保持部53の容積がVであるとき、例えば、1.1≦(V/V)≦10の関係が満たされる。オイル保持部53の面積、及び/又は容積を十分に確保することにより、吸入冷媒の受熱を抑制する効果を十分に得ることができる。ただし、面積Sが面積Sに一致していてもよい。また、容積Vが容積Vに一致していてもよい。
冷媒吐出空間52、及びオイル保持部53の位置についてさらに詳しく説明する。
図3に示すように、ロータリ圧縮機100を第1基準平面H、及び第2基準平面Hで分けることによって得られた4つのセグメントのうち、第2吸入口20を含むセグメントを第1象限セグメントQと定義する。4つのセグメントのうち、第2吐出口41を含むセグメントを第2象限セグメントQと定義する。4つのセグメントのうち、第1象限セグメントQの向かい側、かつ第2象限セグメントQに隣接するセグメントを第3象限セグメントQと定義する。4つのセグメントのうち、第2象限セグメントQの向かい側、かつ第1象限セグメントQに隣接するセグメントを第4象限セグメントQと定義する。
図5は、下軸受部材7の下面図である。左右の反転を無視すれば、図5は、中心軸Oに垂直な平面に第1象限セグメントQ〜第4象限セグメントQ、冷媒吐出空間52、及びオイル保持部53を投影(正射影)することによって得られた投影図に対応している。本実施の形態では、この投影図において、第2象限セグメントQに対応する領域、及び第3象限セグメントQに対応する領域を合計した領域の範囲内に冷媒吐出空間52に対応する領域の全部が収まっている。また、第1象限セグメントQに対応する領域、第3象限セグメントQに対応する領域、及び第4象限セグメントQに対応する領域を合計した領域の範囲内にオイル保持部53に対応する領域の全部が収まっている。第2象限セグメントQ、及び第3象限セグメントQに対応する領域は、先に説明したように、比較的高温を帯びる吐出側部分に対応している。従って、第2象限セグメントQ、及び第3象限セグメントQに冷媒吐出空間52が形成されていることには、一定の合理性がある。なお、貫通流路46は、例えば、第3象限セグメントQで冷媒吐出空間52に向かって開口している。貫通流路46は、第2象限セグメントQで冷媒吐出空間52に向かって開口していてもよい。
次に、連通路7pの位置について詳細に説明する。図7に示すように、まず、中心軸Oを含む平面であって、オイル保持部53に接する2つの平面を接平面α、及びαと定義する。接平面α、及びαのなす角のうち、オイル保持部53が位置している領域の角を2等分し、かつ中心軸Oを含む平面をオイル保持部53の2等分平面βと定義する。2等分平面βによって分けられたオイル保持部53の2つの前半部分53a、及び後半部分53bうち、第2ピストン28の回転方向において相対的に第2吸入口20の近くに位置している部分を前半部分53a、第2ピストン28の回転方向において相対的に第2吸入口20から遠くに位置している部分を後半部分53bと定義する。連通路7pは、オイル溜まり22とオイル保持部53の後半部分53bとを連通している。オイル溜まり22のオイルは、オイル保持部53の前半部分53aに直接浸入できない。オイル保持部53の前半部分53aには、後半部分53bを通じて(望ましくは、後半部分53bのみを通じて)、オイル溜まり22のオイルが浸入する。このような位置に連通路7pが設けられていると、吸入冷媒の受熱をより効果的に抑制できる。
ロータリ圧縮機100の運転時において、第2ピストン28は、図7に示された中心軸Oの周囲を反時計回りに回転する。冷媒は、第1〜第4象限セグメントをQ、Q、Q、及びQの順番に移動しながら圧縮される。そのため、下軸受部材7の温度は、第1象限セグメントQにおいて最も低く、第2象限セグメントQにおいて最も高くなる傾向を持つ。本実施の形態のように、オイル保持部53の後半部分53bにのみ連通路7pが形成されていると、オイルは、主に、オイル溜まり22と後半部分53bとの間を移動する。つまり、前半部分53aのオイルを積極的に淀ませることができるので、前半部分53aのオイルの流速は、後半部分53bのオイルの流速よりも遅い。前半部分53aは、第2吸入口20の近くに位置しているので、前半部分53aのオイルの流速が遅ければ遅いほど、第2吸入口20から第2シリンダ室26に吸入された冷媒が熱を受け取るこ
とを効果的に抑制できる。
また、最も温度の低い第1象限セグメントQと最も温度が高くなる第2象限セグメントQとの間では、その温度差から、より大きな熱移動が発生しやすくなっている。具体的には、図7で示す中心軸Oを含み第2吐出口41を通る平面を第4基準平面Hと定義すると、第4基準平面Hと第3基準平面Hのなす劣角角度範囲R3-4において、
温度勾配が最も大きく熱移動が発生しやすい。このことから、本実施の形態では、この劣角角度範囲R3-4に断熱オイル層7nを構成し、第2吸入口20近傍への熱移動を抑制
可能な構成としている。
本実施の形態のロータリ圧縮機100は、縦型のロータリ圧縮機である。ロータリ圧縮機100の運転時において、シャフト4の回転軸が重力方向に平行であり、オイル溜まり22が密閉容器1の底部に形成されている。ロータリ圧縮機100の運転時において、オイル溜まり22のオイルの上層部分は相対的に高温であり、オイル溜まり22のオイルの下層部分は相対的に低温である。従って、縦型のロータリ圧縮機100において、下軸受部材7の下方にオイル保持部53を形成することが望ましい。
本発明は、給湯機、温水暖房装置、空気調和装置などの電気製品に利用できる冷凍サイクル装置の圧縮機に有用である。
1 密閉容器
2 モータ
3 第1圧縮ブロック
4 シャフト
4a 第1偏心部
4b 第2偏心部
5 第1シリンダ
6 上軸受部材
7 下軸受部材
7a、10b 断熱オイル連通路
7m、7n 断熱オイル層(断熱層)
7k 仕切り部
7p 連通路
7t 第1凹部
7s 第2凹部
7v 第3凹部
8 第1ピストン
9 第1区画部材
10 第2区画部材
11 吐出管
13 内部空間
14 第1吸入管
15 第2シリンダ
16 第2吸入管
17 ステータ
18 ロータ
19 第1吸入口
20 第2吸入口
21 端子
22 オイル溜まり
25 第1シリンダ室
25a 第1吸入室
25b 第1吐出室
26 第2シリンダ室
26a 第2吸入室
26b 第2吐出室
28 第2ピストン
30 第2圧縮ブロック
32 第1ベーン
33 第2ベーン
34 第1ベーン溝
35 第2ベーン溝
36 第1ばね
37 第2ばね
38 中板
40 第1吐出口
41 第2吐出口
43 第1吐出弁
44 第2吐出弁
46 貫通流路
51、52 冷媒吐出空間
53 オイル保持部
53a 前半部分
53b 後半部分
100 ロータリ圧縮機
102 圧縮機構
α、α 接平面
β 2等分平面
第1基準平面
第2基準平面
第3基準平面
第4基準平面
第1象限セグメント
第2象限セグメント
第3象限セグメント
第4象限セグメント
3-4 劣角角度範囲

Claims (14)

  1. オイル溜まりを有する密閉容器と、前記密閉容器の内部に配置されたシリンダと、前記シリンダの内部に配置されたピストンと、前記シリンダと前記ピストンとの間にシリンダ室を形成するように、前記シリンダに取り付けられた軸受部材と、前記シリンダ室を吸入室と吐出室とに仕切るベーンと、圧縮されるべき冷媒を前記吸入室に導く吸入口と、前記軸受部材に形成され、圧縮された冷媒を前記吐出室から吐出させる吐出口と、前記軸受部材に取り付けられ、前記軸受部材とともに、前記吐出口を通じて前記吐出室から吐出された冷媒が滞在できる冷媒吐出空間を形成している区画部材と、を備え、前記軸受部材には、前記ベーンが前記シリンダの中心軸に向かって最も突出したときの前記ベーンの中心線と前記シリンダの前記中心軸とを含む基準平面から見て前記吸入口と同じ側に第1凹部が設けられており、前記オイル溜まりに溜められたオイルの一部が前記第1凹部に浸入することによってオイル保持部が形成されており、前記オイル保持部と前記冷媒吐出空間とを仕切る仕切り部には断熱層が設けられていることを特徴とするロータリ圧縮機。
  2. 前記第1凹部が前記区画部材、又は前記区画部材とは別の部材で閉じられることによって前記オイル保持部が形成されている、請求項1に記載のロータリ圧縮機。
  3. 前記軸受部材に設けられた第2凹部が前記区画部材で閉じられることによって前記冷媒吐出空間が形成されており、前記区画部材が単一の板状部材で構成されており、前記第1凹部、及び前記第2凹部の両方が前記区画部材によって閉じられている、請求項2に記載のロータリ圧縮機。
  4. 前記断熱層は、前記軸受部材に設けた第3凹部に前記オイル溜まりに溜められたオイルの一部が浸入することによって形成された断熱オイル層である、請求項3に記載のロータリ圧縮機。
  5. 前記断熱オイル層と前記オイル溜まりとを連通する断熱オイル連通路を備えた、請求項4に記載のロータリ圧縮機。
  6. 前記断熱オイル連通路は、前記断熱オイル層に対して複数備えられた、請求項5に記載のロータリ圧縮機。
  7. 前記断熱オイル層は、前記中心軸を原点として前記吐出口と前記吸入口とがなす劣角の範囲内に構成した、請求項4〜6のいずれか1項に記載のロータリ圧縮機。
  8. 前記オイル溜まりと前記オイル保持部とを連通する連通路をさらに備えた、請求項1〜7のいずれか1項に記載のロータリ圧縮機。
  9. 前記中心軸を含む平面であって、前記オイル保持部に接する2つの平面を接平面と定義し、前記接平面のなす角のうち、前記オイル保持部が位置している領域の角を略2等分し、かつ前記中心軸を含む平面を前記オイル保持部の2等分平面と定義し、更に前記2等分平面によって分けられた前記オイル保持部の2つの部分うち、前記ピストンの回転方向において相対的に前記吸入口の近くに位置している部分を前半部分、前記ピストンの回転方向において相対的に前記吸入口から遠くに位置している部分を後半部分と定義したとき、前記連通路は、前記オイル溜まりと前記後半部分とを連通しており、前記前半部分には、前記後半部分のみを通じて、前記オイル溜まりのオイルが浸入する、請求項8に記載のロータリ圧縮機。
  10. 前記軸受部材に設けられた第2凹部が前記区画部材で閉じられることによって前記冷媒吐
    出空間が形成されており、前記第1凹部における前記軸受部材の肉厚が、前記第2凹部における前記軸受部材の肉厚より厚い、請求項1〜9のいずれか1項に記載のロータリ圧縮機。
  11. 前記中心軸に垂直な平面上に前記冷媒吐出空間、及び前記オイル保持部を投影することによって得られた投影図において、前記冷媒吐出空間に対応する領域の面積が前記オイル保持部に対応する領域の面積よりも小さい、請求項1〜10のいずれか1項に記載のロータリ圧縮機。
  12. 前記ピストンが取り付けられたシャフトをさらに備え、前記ロータリ圧縮機は、前記シャフトの回転軸が重力方向に平行であり、かつ前記オイル溜まりが前記密閉容器の底部に形成されている縦型のロータリ圧縮機である、請求項1〜11のいずれか1項に記載のロータリ圧縮機。
  13. 前記軸受部材が焼結材により構成されている請求項1〜12のいずれか1項に記載のロータリ圧縮機。
  14. 作動流体として、高圧冷媒、例えば二酸化炭素である請求項1〜13のいずれか1項に記載のロータリ圧縮機。
JP2013146116A 2013-07-12 2013-07-12 ロータリ圧縮機 Pending JP2015017574A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013146116A JP2015017574A (ja) 2013-07-12 2013-07-12 ロータリ圧縮機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013146116A JP2015017574A (ja) 2013-07-12 2013-07-12 ロータリ圧縮機

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2015017574A true JP2015017574A (ja) 2015-01-29

Family

ID=52438779

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013146116A Pending JP2015017574A (ja) 2013-07-12 2013-07-12 ロータリ圧縮機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2015017574A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105927536A (zh) * 2016-05-17 2016-09-07 安徽美芝精密制造有限公司 压缩机构及旋转式压缩机
CN106050672A (zh) * 2016-07-15 2016-10-26 珠海格力节能环保制冷技术研究中心有限公司 一种旋转压缩机及具有其的空调系统
WO2023178867A1 (zh) * 2022-03-24 2023-09-28 广东美的制冷设备有限公司 压缩机、空调系统及其控制方法、计算机存储介质

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105927536A (zh) * 2016-05-17 2016-09-07 安徽美芝精密制造有限公司 压缩机构及旋转式压缩机
CN106050672A (zh) * 2016-07-15 2016-10-26 珠海格力节能环保制冷技术研究中心有限公司 一种旋转压缩机及具有其的空调系统
WO2023178867A1 (zh) * 2022-03-24 2023-09-28 广东美的制冷设备有限公司 压缩机、空调系统及其控制方法、计算机存储介质

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6103385B2 (ja) ロータリ圧縮機
JP2014231801A (ja) ロータリ圧縮機
JP6206776B2 (ja) ロータリ圧縮機
JP6094821B2 (ja) ロータリ圧縮機
JP6011884B2 (ja) ロータリ圧縮機
JP6115872B2 (ja) ロータリ圧縮機
JP2015017574A (ja) ロータリ圧縮機
JP6210331B2 (ja) ロータリ圧縮機
KR20150132613A (ko) 싱글 스크류 공기압축기
JP2014009612A (ja) ロータリ圧縮機
JPS6213786A (ja) 密閉形圧縮機
JP2014152749A (ja) ロータリ圧縮機
JP2014238062A (ja) ロータリ圧縮機

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20141021