JP2015017544A - 点火装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】点火用開閉素子3の開閉によって、点火プラグ5の放電を開始した後に放電維持を図るためのエネルギを供給すべく、昇圧回路1からの放電と停止とを重畳的に行うことによって、二次巻線41に流れる電流を増加する補助用電源2と、該補助用電源2が、補助用電源2からの放電と停止とを切り替える補助用開閉素子20と、補助用開閉素子20の開閉駆動を制御して、エネルギ投入をゆっくりと停止するソフトオフ回路22とを具備する。
【選択図】図1
Description
この内燃機関の燃焼状態を良好なものにするために、1回の燃焼行程内で点火プラグに放電を複数回生じさせる多重放電型の点火装置が提案されている。
本発明の点火装置7は、図略の内燃機関の気筒毎に設けられ、燃焼室内に導入された混合気に火花放電を発生させて点火を行うものである。
点火装置7は、昇圧回路1と、補助用電源2と、点火用開閉素子3と、点火コイル4と、点火プラグ5と、外部に設けた電子制御装置6(以下、ECU6と称する。)と、によって構成されている。
直流電源10(以下、電源10と称する。)は、車載バッテリや、交流電源をレギュレータ等によって直流変換した公知の直流安定化電源等が用いられ、例えば12V、24Vといった一定の直流電圧を供給する。
本実施形態において、昇圧回路1には、いわゆるフライバック型の昇圧回路が用いられた例を示しているが、これに限定するものではなく、いわゆるチョパ型の昇圧回路を用いることもできる。
開閉素子12には、サイリスタ、IGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)等のパワートランジスタが用いられている。
開閉素子12には、昇圧素子駆動用ドライバ(以下、ドライバ13と称する。)が接続されている。
ドライバ13には、機関の運転状況に応じてエンジン制御装置6(以下、ECU6と称する。)から点火信号IGtが発信される。
ドライバ13から開閉素子12のゲートGに駆動パルスが印加され、開閉素子12のオンオフが切り換えられる。
整流素子14には、ダイオードが用いられており、キャパシタ15からインダクタ11への電流の逆流を防止している。
ECU6から送信された点火信号IGtにしたがって、ドライバ12によって開閉素子12が開閉されると、電源10からインダクタ11に蓄えられた電気エネルギがキャパシタ15に重畳的に充電され、キャパシタ15の充放電電圧Vdcが電源電圧よりも高い電圧(例えば、50V〜数百V)に昇圧される。
点火コイル4の一次巻線40には、昇圧回路1で昇圧された一次電圧V1が印加され、一次巻線40に流れる電流を増減することによって二次巻線41に二次電圧V2として、コイル巻き回数の比N2/N1によって定まる高い電圧(例えば、−20〜―50kV)を発生する。
点火用素子3は、機関の運転状況に応じてECU6から発信された点火信号IGtにしたがって一次巻線40への電流の供給と遮断を切り換える。
点火用素子3のスイッチングにより、一次巻線40への導通が遮断されると、磁界が急激に変化し、電磁誘導によって、二次巻線41に極めて高い二次電圧V2が発生し、点火プラグ5に印加される。
補助用電源2は、昇圧回路1から点火コイル4の一次巻線40と点火用開閉素子3との接続点への放電と停止とを重畳的に行うことによって、二次巻線41に流れる二次電流I2を増加することができる。
補助用電源2からのエネルギ投入は一次巻線40の低圧側から実施される。
第2の整流素子23には、ダイオードが用いられ、キャパシタ15から一次巻線40へ投入する電流を整流する。
ドライバ21は、ECU6から発信された放電期間信号IGwにしたがって、補助用素子20を開閉駆動する駆動信号VGSを発生する。
本実施形態において、駆動信号VGSは、矩形パルス信号となっており、所定のデューティで、補助用素子20の開閉駆動を行う。
補助用素子20により、キャパシタ15からの放電と停止とを切り換えることによって、点火コイル4の一次巻線40に電流を流し二次巻線41に発生している電流・電圧が増強され、吹き消えを抑制できる。
このとき、点火コイル4の一次巻線40からエネルギを投入するため、二次巻線41側から投入する場合よりも低電圧で投入することができる。
本実施形態においては、ソフトオフ回路として、補助用素子20として設けられたnチャンネルMOSFETのゲートソース間に所定の容量(C22、例えば、0.1〜100μF)のキャパシタ22が設けられている。
本発明によらず、補助用素子20を速やかに開閉した場合には、点火プラグ6へのエネルギ供給は間欠的となるが、本実施形態では、キャパシタ22からの放電によってドライバ21から供給された駆動電圧VGSの立ち下がりが緩やかになり、補助電源2から点火コイル4へのエネルギ供給が連続的となり、二次電流の急激な変化を抑制し、二次電流の吹き消えを防止して、より安定した着火が実現可能となる。
本図(a)に示すように、ECU6から点火信号IGtが発信され、(c)に示すようにIGtの立ち上がりに同期して、開閉素子12のオンオフが開始され、同時に(f)に示すように、開閉素子3がオンとなる。
点火信号IGtの立ち下がりに同期して、開閉素子12の駆動は停止され、同時に開閉素子3が遮断されると、(i)に示すように、点火コイル4の二次側に高い二次電圧V2が発生し、点火プラグに印加されることで放電が開始し(j)に示すように、ある一定の期間二次電流I2が流れ続ける。
しかし、本発明においては、本図(b)に示す放電期間信号IGwの立ち上がりに同期して、本図(d)に示すように、所定のデューティでハイローが切り換わる駆動電圧VGSが補助用素子20のゲートソース間に入力される。
このため、本図(g)に示すように、補助用素子20の切り換えによってキャパシタ15からの放電と停止が繰り返され、これによって、点火コイル4の一次巻線40に流れる電流が変化し、本図(h)に示すように、二次巻線41から、点火プラグ5に放電エネルギが投入される。
このことにより、二次電流I2が、放電期間信号IGwの立ち下がりまで、放電吹き消え限界電流IREFを下回らないため、放電が維持され、エネルギ投入が可能となる。
比較例1は、ソフトオフ回路22を設けていない点以外は、実施例1として示した図1の構成と同様である。
しかし、図3A(i)、図3Bに示すように、放電エネルギ投入停止後の二次電流I2の上昇がなりゆき任せであり、放電維持エネルギ投入による二次電流I2の増加速度よりも、放電エネルギ投入停止による二次電流I2の減少速度の方が速い。
このため、燃焼室内に強い筒内気流が発生している場合や、極希薄燃焼などの着火性の低い条件下で、十分な放電維持が図れず、着火が不安定となるおそれがある。
本実施形態においては、上記実施形態と同様の構成を基本とし、ソフトオフ回路22aとして、図4Aに示すように、容量の異なる複数のキャパシタ221、222、223と、内燃機関の運転状況に応じて、使用するキャパシタ221、222、223のいずれかを選択する切り換え手段220とを設け、ドライバ21aが、補助用素子20の駆動のみならず、切り換え手段220の切り換えを行うようにした点が相違する。
さらに、本実施形態において、ソフトオフ用のキャパシタ221、222、223の切換時にそれぞれのキャパシタ221、222、223がオープンとならない様に、放電期間信号IGwがオンの時に切り替えたり、または、補助用素子20がオンとなっている時に切り換えたり、各キャパシタ221、222、223にON/OFF回路を構成して、順次オンさせたりするようにしても良い。
二次電流I2の変化が大きい程、補助用素子20のゲートソース間に介装するキャパシタの容量を大きくするのが望ましい。
上記実施形態においては、ソフトオフ回路22、22aとして、補助用素子20のゲートソース間に並列に容量成分を設けることでドライバ21から矩形パルスとして送信された駆動信号VGSが立ち下がっても、補助用素子20、20aをゆっくりとオフとすることで、急に二次電流I2の放電が終了されないようにした構成を示したが、本実施形態においては、ドライバ21bから出力される駆動信号VGSを制御することで、補助用素子20のソフトオフを実行するようにした点が相違する。
なお、本実施形態においても、上記実施形態と同様、補助用素子20を複数回に亘って開閉駆動するようにしても良い。ただし、この場合には、放電期間信号IGwは、前記実施形態と同様の期間とする。
実施例3では、放電起算信号IGwの立下りに同期して、本図(d)に実線で示すように、ドライバ21bの出力VGSがゆっくりと立ち下がるように制御されている。
この制御は、ドライバ21b内で(ソフトオフ用のキャパシタを設けて)アナログ回路的にコントロールするようにしても良いし、ドライバ21b内の演算回路でデジタルにコントロールするようにしても良い。
一方、比較例2では、本発明の要部であるソフトオフ回路を設けておらず、本図(d)に示すように、ドライバの出力が急峻に立ち下がるようになっており、本図(e)に示すように、補助用素子20も、これに合わせて、急峻に立ち下がるようになっている。
したがって、本実施形態においても、上記実施形態と同様、放電エネルギの無駄をなくし、長期に亘って放電を維持し、安定した着火を実現できる。
なお、本実施形態において、上記実施形態と同様に、ソフトオフ用キャパシタを併用しても良いし、ドライバ21bの出力をプログラムによってソフトオフする用にしても良いし、ドライバ21bに、ソフトオフ用キャパシタを内蔵させ、アナログ回路的にソフトオフを実現するようにしても良い。
1 昇圧回路
10 直流電源
11 エネルギ蓄積用インダクタ
12 昇圧用開閉素子(PTr12)
13 昇圧用開閉素子駆動ドライバ(DRV)
14 第1の整流素子
15 昇圧用キャパシタ(C)
2 補助用電源20 補助用開閉素子(MOS20)
21 補助用開閉素子駆動ドライバ
22 ソフトオフ回路(ソフトオフ用キャパシタ)
23 第2の整流素子
3 点火用開閉素子(PTr3)
4 点火コイル
40 一次巻線(L1)
41 二次巻線(L2)
42 コア
43 整流素子
5 点火プラグ
6 エンジン制御装置(ECU)
IGt 点火信号
IGw 放電期間信号
V1 一次電圧
V2 二次電圧
I2 二次電流
Claims (7)
- 少なくとも、直流電源(10)と、該直流電源(10)の電源電圧を昇圧する昇圧回路(1)と、該昇圧回路(1)に接続せしめた一次巻線(40)の電流の増減により二次巻線(41)に高い二次電圧(V2)を発生する点火コイル(4)と、前記一次巻線(40)への電流の供給と遮断を切り換える点火用開閉素子(3)と、前記二次巻線(41)に接続され、前記二次巻線(41)からの二次電圧(V2)の印加により、内燃機関の燃焼室内に火花放電を発生させる点火プラグ(5)と、を具備して、内燃機関の点火を行う点火装置であって、
前記点火用開閉素子(3)の開閉によって、前記点火プラグ(5)の放電を開始した後に、前記昇圧回路(1)から点火用開閉素子放電と停止とを重畳的に行うことによって、前記二次巻線(41)に流れる電流を増加する補助用電源(2)とを具備し、
前記補助電源(2)が、該補助用電源(2)からのエネルギ投入と停止を切り換える補助用開閉素子(20)を備え、該補助用開閉素子(20)はターンオン速度よりも、ターンオフ速度を緩やかにするソフトオフ回路(22、22a、21b)とを具備することを特徴とする点火装置(7、7a、7b) - 前記補助用電源(2)からのエネルギ投入の開始と停止とを指示する放電期間信号(IGw)にしたがって、前記補助用開閉素子(20)を、一又は複数回に亘って開閉駆動する補助用素子駆動ドライバ(21、21a、21b)を具備する請求項1の点火装置(7、7a、7b)
- 前記ソフトオフ回路(22、22a、22b)が、前記補助用開閉素子(20)のゲートソース間に接続した、1又は複数のソフトオフ用キャパシタ(22、221、222、223)を含む請求項1又は2に記載の点火装置(7、7a、7b)
- 前記ソフトオフ回路(22b)が、前記駆動ドライバ(21b)であって、前記補助用開閉素子(20)を駆動する駆動電圧(VGS)をゆっくりと立ち下げる請求項1ないし3のいずれかに記載の点火装置(7b)
- 前記補助用電源(2)からのエネルギ投入は前記一次巻線(40)の低圧側から実施することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の点火装置(7、7a、7b)
- 前記昇圧回路(1)が、前記直流電源(10)に接続したエネルギ蓄積用インダクタ(11)と、前記点火信号(IGt)にしたがって所定の期間だけ前記インダクタ(11)への電流の供給と遮断を所定の周期で切り換える開閉素子(12)と、前記インダクタ(11)に並列に接続したキャパシタ(15)と、前記インダクタ(11)から前記キャパシタ(15)への電流を整流する第1の整流素子(14)とからなる請求項1ないし5のいずれかに記載の点火装置(7、7a、7b)
- 前記補助用電源(2)が、前記キャパシタ(15)と前記一次巻線(40)との間に介装され、前記キャパシタ(15)からの放電と停止とを切り換える補助用開閉素子(20)と、前記キャパシタ(15)から前記一次巻線(40)への電流を整流する第2の整流素子(23)と、前記直流電源(10)と、前記インダクタ(11)と前記キャパシタ(15)とからなる請求項6に記載の点火装置(7、7a、7b)
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