JP2015017502A - ハイブリッド車両の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ハイブリッド車両に備えられた電気加熱式触媒の昇温機能の異常判定を、排気通路における電気加熱式触媒の下流側に配置された排気温度センサを用いてより精度よく行うことができる技術を提供する。
【解決手段】ハイブリッド車両の電気加熱式触媒の昇温機能の異常を自己診断するOBD手段は、モータによる内燃機関の定常モータリング中(S102)に電気加熱式触媒に一定電力で通電(S105)した際の排気温度センサの出力を取得し、該排気温度センサの出力に基づき得られた温度が所定範囲外である場合(S107)に、電気加熱式触媒の昇温機能を異常と判定する(S109)。
【選択図】図6

Description

本発明は、内燃機関と、それとは別の駆動源としてのモータジェネレータを有するハイブリッドシステムを備えるハイブリッド車両の制御装置に関する。
ハイブリッド車両においても、内燃機関から排出される排気中の有害成分を排気浄化触媒によって浄化することが行われている。この排気浄化触媒としては、代表的なものにNOxの還元処理と、HC,COの酸化処理を同時に行う三元触媒や、排気中の酸素濃度が高いときにNOxを吸蔵するとともに排気中の酸素濃度が低下し且つ還元剤が存在する状
態でNOxを放出還元する吸蔵還元型NOx触媒(以下、NSRともいう。)などがあり、さらには、内燃機関から排出される微粒子物質を捕捉するPMフィルタの機能と吸蔵還元型NOx触媒の機能を併せ持つDPNRも知られている。
そして、効果的なエミッション向上を図るために、ハイブリッド車両における内燃機関の排気通路に電気加熱式触媒が備えられる場合がある。この電気加熱式触媒は、酸化能を有する触媒が担持されている担体に電力が供給されることで加熱され、触媒の速やかな活性化が図られるものである。
また、近年では、車両に搭載されている排気浄化触媒が故障した場合、速やかにユーザーに警告を与えて修理等の実施を促すための車載式故障自己診断(OBD)システム(On-board Diagnosis System)の開発も盛んに行われている。そして、上記した電気加熱式
触媒を備えるハイブリッド車両においては、OBDにおいて、電気加熱式触媒の昇温機能の判定を行なう必要がある。
電気加熱式触媒のOBDに関する技術としては、外部充電装置が接続されている際に電気加熱式触媒の異常検出動作を実行する車両において、電気加熱式触媒に流した電流の積算値と電気加熱式触媒の温度センサの値との比較から異常判定を実施する技術が公知である(例えば、特許文献1を参照)。また、電気加熱式触媒に通電し、且つ吸気弁及び排気弁の開弁時間をオーバーラップさせたバブルオーバーラップ状態でモータリングを行なうようにモータリング手段を制御する技術がある(例えば、特許文献2を参照)。さらに、バッテリの充電量によって、電気加熱式触媒に対する通電制御の体系を変更する技術が公開されている(例えば、特許文献3を参照)。
この電気加熱式触媒の昇温機能の判定において最も確実な方法は、電気加熱触媒の温度を電気加熱触媒に設けられた温度センサによって直接測定することである。しかしながら、そのような方法をとった場合には、電気加熱触媒の通電時には高電圧が印加するため、電気加熱式触媒と温度センサとの間で短絡が生じるなどの不都合が生じる場合があった。また、ハイブリッドシステムの漏電検出を行なう上で、温度センサ設置部分の絶縁性を維持することが困難となる場合があった。さらに、振動などにより温度センサが電気加熱式触媒に接触し破損させてしまう危険性があった。加えて、電圧や電流の検出精度が低い場合には、温度抵抗特性による温度検出が困難となる場合があった。
電気加熱式触媒の昇温機能の検出を行なう上で、上記のような直接測定の他の手段として、電気加熱式触媒の下流側に設けられた排気温度センサを活用した間接的な検出手法の確立が望まれている。しかしながら、電気加熱式触媒と排気温度センサとは直接接触しているわけではないので、極微量な輻射熱による熱伝導に基づいて温度を推定するしかなく、高い検出精度を得ることが困難な場合があった。
特開2009−196510号公報 特開2009−185777号公報 特開2009−035226号公報 特開2009−274471号公報
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ハイブリッド車両に備えられた電気加熱式触媒の昇温機能の異常判定を、排気通路における電気加熱式触媒の下流側に配置された排気温度センサを用いてより精度よく行うことができる技術を提供することである。
上記目的を達成するための本発明は、電気加熱式触媒の昇温機能の異常を自己診断するOBD手段は、モータによる内燃機関の定常モータリング中に電気加熱式触媒に一定電力で通電した際の排気温度センサの出力を取得し、該排気温度センサの出力または、その出力に基づいて得られた温度が所定範囲外である場合に、電気加熱式触媒の昇温機能を異常と判定することを最大の特徴とする。
より詳しくは、内燃機関の排気通路に設けられ、排気を浄化する触媒を有するとともに電力の供給により該触媒を加熱可能な電気加熱式触媒と、
前記排気通路における前記電気加熱式触媒の下流側に設けられた排気温度センサと、
前記電気加熱式触媒の昇温機能の異常を自己診断するOBD手段と、
を備えたハイブリッド車両の制御装置であって、
前記OBD手段は、モータによる前記内燃機関の定常モータリング中に前記電気加熱式触媒に一定電力で通電した際の前記排気温度センサの出力を取得し、該排気温度センサの出力または該出力に基づき得られた温度が所定範囲外である場合に、前記電気加熱式触媒の昇温機能を異常と判定することを特徴とする。
ここで、ハイブリッド車両において、モータによって内燃機関の定常モータリングを行っている状況下では、一定流量の空気が排気通路を通過している。従って、この状態で電気加熱式触媒への通電を一定電力で行うことで、電気加熱式触媒における発熱量と放熱量をバランスさせ平衡状態とすることができ、電気加熱式触媒の床温を一定値に漸近させることができる。
この状態で排気温度センサによって排気通路を通過する空気の温度を測定することで、その際の電気加熱式触媒における発熱量をより精度良く測定することができる。そして、排気温度センサの出力または当該出力に基づき得られた温度が所定範囲内に入っているか否かを判定することで、より正確に、電気加熱式触媒の昇温機能の異常判定を行うことが可能となる。なお、本発明において、排気温度センサの出力をそのまま用いて自己診断する場合の所定範囲と、排気温度センサの出力に基づき得られた温度を用いて自己判断する場合の所定範囲は各々独立して定義される。この所定範囲は各々の場合について予め実験的あるいは理論的に決定される。また、この場合は、排気温度センサによる温度測定は、電気加熱式触媒への積算通電量の異なる複数の状態下において行われることが望ましい。これにより、電気加熱式触媒における発熱量をさらに精度良く測定することが可能になる。
また、本発明においては、前記内燃機関の吸気通路に設けられたスロットル弁をさらに備え、
前記OBD手段による前記電気加熱式触媒の昇温機能の異常の自己診断は、前記スロットル弁を全開とした状態で行うようにしてもよい。
ここで、ハイブリッド車両において内燃機関の定常モータリングを継続するためにはバッテリの電気エネルギを消費するため、定常モータリングに必要な消費電力は可及的に少なくすることが望ましい。そこで、本発明においては、OBD手段による電気加熱式触媒の昇温機能の異常の自己診断は、スロットル弁を全開とした状態で行うようにした。そうすれば、ポンプロスを可及的に低減することができる。その結果、内燃機関の定常モータリング状態におけるバッテリの消費電力を低減することができる。
また、本発明においては、前記内燃機関の吸気弁の閉弁時期を変更可能な可変動弁機構をさらに備え、
前記OBD手段による前記電気加熱式触媒の昇温機能の異常の自己診断は、前記可変動弁機構により吸気弁の閉弁時期を最遅角側に変更した状態で行うようにしてもよい。
この場合には、定常モータリングに必要な消費電力を少なくするために、可変動弁機構により吸気弁の閉弁時期を最遅角側まで遅角した状態で行うようにした。そうすれば、圧縮損失を可及的に低減することができ、内燃機関の定常モータリング状態におけるバッテリの消費電力を低減することができる。
また、本発明においては、OBD手段による前記電気加熱式触媒の昇温機能の異常の自己診断は、バッテリの充電量が所定値以上または、プラグイン充電中である場合に行うようにしてもよい。
本発明においては、モータによる内燃機関の定常モータリングと電気加熱式触媒への通電とを同時に実施するため、バッテリの充電量が少ない状態から開始した場合には、定常モータリングまたは電気加熱式触媒への通電が困難になったり、バッテリが劣化したりする虞がある。
それに対し、本発明によれば、バッテリの充電量が充分にあるかプラグイン充電中であることが、定常モータリングと電気加熱式触媒への通電との実施条件になるので、バッテリからの電力供給が困難になったりバッテリが劣化したりする不都合を抑制できる。
また、本発明においては、OBD手段による前記電気加熱式触媒の昇温機能の異常の自己診断は、前記内燃機関の冷却水温が所定温度範囲である場合に行うようにしてもよい。
すなわち、OBD手段が、内燃機関の定常モータリング中に電気加熱式触媒に一定電力で通電した際の、下流側に配置された排気温度センサの出力を取得する場合には、外部環境の変化により吸入空気の温度などが変動すると、当該変動が前記排気温度センサの出力に直接影響を及ぼす場合がある。
それに対し、本発明によれば、内燃機関の冷却水温が所定温度範囲である場合に、電気加熱式触媒の昇温機能の異常の自己診断を行うので、吸入空気の温度などにばらつきがあっても、排気通路を通過する空気の温度への影響を抑制でき、排気温度センサの出力に基づく温度検出の精度を向上させることができる。
なお、本発明における課題を解決するための手段は、可能な限り組み合わせて使用することができる。
本発明にあっては、ハイブリッド車両に備えられた電気加熱式触媒の昇温機能の異常判定を、排気通路における電気加熱式触媒の下流側に配置された排気温度センサを用いてより精度よく行うことができる。
本発明の実施例におけるハイブリッド車両の概略構成を示す図である。 本発明の実施例における、電気加熱式触媒及び内燃機関の暖機制御を示す基準フローチャートである。 本発明の実施例におけるEHCの概略構成を示す図である。 本発明の実施例におけるEHCの温度上昇機能の判定のための処理の時間的な関係を示した図である。 本発明の実施例において排気温度センサの出力から得られた温度の値と判定結果との関係を示す図である。 本発明の実施例1におけるEHC昇温機能判定ルーチンのフローチャートである。 本発明の実施例2におけるEHC昇温機能判定ルーチン2のフローチャートである。 本発明の実施例3におけるEHC昇温機能判定ルーチン3のフローチャートである。 本発明の実施例3における昇温機能判定要求ルーチンのフローチャートである。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための最良の形態を例示的に詳しく説明する。
〔実施例1〕
図1は、本発明の実施例に係る制御装置を有する内燃機関と、それとは別の駆動源としての二台のモータジェネレータ(以下、単に「モータ」という)を有するハイブリッドシステムを備えるハイブリッド車両10の概略構成を示す図である。ハイブリッド車両10は、主動力源として内燃機関1を有し、また、補助動力源としては、モータ11aおよびモータ11bを有している。
先ず、ハイブリッドシステムについて説明を行う。内燃機関1のクランクシャフトは出力軸13に連結され、出力軸13は動力分割機構12に連結されている。動力分割機構12は、動力伝達軸14を介してモータ11aと連結されるとともに、動力伝達軸15を介してモータ11bとも連結されている。ここで、動力分割機構12は、遊星歯車機構によって内燃機関および補助動力源の出力の伝達を切り替える。また、モータ11bに連結される動力伝達軸15には、減速機16が連結され、減速機16には、ドライブシャフト17を介して駆動輪18が連結されている。減速機16は、複数の歯車を組み合わせて構成され、動力伝達軸15の回転数を減速して、内燃機関1、モータ11a及びモータ11bからの出力をドライブシャフト17に伝達する。
ここで、モータ11a、11bは、図示されないインバータを含むPCU(Power Control Unit)21と電気的に接続され、当該PCU21は、更にバッテリ22と電気的に接続されている。PCU21は、バッテリ22から取り出した直流電力を交流電力に変換して、モータ11a、11bに供給するとともに、モータ11a、11bによって発電された交流電力を直流電力に変換してバッテリ22に供給するように構成されている。詳細には
、モータ11a、11bは、交流同期型の電動機で構成され、励磁電流が印加されるとトルクを発生するとともに、例えば内燃機関1から動力分割機構12を介して運動エネルギが入力されるなどして外部からトルクが加えられると、その運動エネルギを電気エネルギに変換することによって電力を発生させる。
そして、モータ11a、11bで発生した電力は、PCU21を介してバッテリ22へ供給される。また、モータ11bは、車両の減速時に発電機として作用し、駆動輪18からドライブシャフト17及び減速機16を介して動力伝達軸15に伝達された運動エネルギを電気エネルギに変換する、いわゆる回生発電を行うことができる。よって、モータ11bの回生発電によって発生した電力もPCU21を介してバッテリ22へ供給される。また、図1に示すハイブリッド車両10は、いわゆるプラグインハイブリッド車両であり、外部電源30からの電力供給が可能となるように充電プラグ23が設けられている。
また、図1に示すハイブリッド車両10の主動力源となる内燃機関1は、燃焼室内に燃料噴射を行う燃料噴射弁2と図示しない点火プラグを有する火花点火式内燃機関である。内燃機関1の排気通路3には、排気浄化を行うための電気加熱式触媒4(以下、EHC4ともいう。)が設けられている。EHC4は、通電によるジュール熱で発熱する材質からなる触媒担体に酸化機能を有する触媒が担持されることで形成されている。しかしながら、本実施例におけるEHC4は、例えば通電により発熱する発熱体よりも下流側に触媒を備えたタイプのものであってもよい。
上記構成のハイブリッドシステムを有するハイブリッド車両10には、内燃機関1や、モータ11a、11bとバッテリ22間の電力授受を制御するPCU21を制御するための電子制御ユニットであるECU20が設けられている。ECU20は、ハイブリッド車両10から要求されるトルクを内燃機関1とモータ11a、11bが発揮すべく、燃料噴射弁2からの燃料噴射量を制御し、またモータ11a、11bへの電力供給をPCU21を介して制御する。また、ECU20は、PCU21を介してバッテリ22における蓄電量の監視等を行う。
例えば、バッテリ22の蓄電量が低下しているとECU20が判断すると、内燃機関1の機関出力をモータ11aに伝達させることで発電を行い、モータ11aで発電された電気がPCU21を介してバッテリ22へ蓄電されるようにする。また、ECU20には、各部の温度を検出する不図示の温度センサや、ハイブリッド車両の速度を検出する速度センサ等とも電気的に接続されており、ECU20によりEHC4への通電量が適宜変更されることでEHC4の温度制御が行われる。
図2には参考のため、ハイブリッド車両10における、ECU20によるEHC4及び内燃機関1の暖機制御の基準フローの例を示す。このフローはECU20のメモリに格納されたプログラムを実行することによって実現され、少なくともハイブリッド車両10の電源がONされた際に実行される。
本ルーチンが実行されると、まずS1001において、EHC通電実施フラグがONされているか否かが判定される。ここで、EHC通電実施フラグがONされていないと判定された場合には、EHC4に通電が行われていないと判断されS1002に進む。一方、EHC4通電実施フラグがONされていると判定された場合には、既にEHC4に通電が行われていると判断されS1016に進む。
S1002においては、バッテリ22の充電量を示す変数であるSOCが、所定のEHC通電開始SOCより小さいか否かが判定される。このEHC通電開始SOCは、EHC4の通電を開始してもバッテリ22の充電状態に問題が生じないとされる充電量の閾値で
あって予め実験的にまたは理論的に求められたものである。ここでSOCがEHC通電開始SOCより小さいと判定された場合には、この時点でEHC4に通電することは不可能と判断され、そのまま本ルーチンを一旦終了する。一方、SOCがEHC通電開始SOC以上と判定された場合にはS1003に進む。
S1003においては、SOCがEHC通電開始SOCに到達していることを示すフラグであるEHC通電開始SOC到達フラグがONされる。S1003の処理が終了するとS1004に進む。
S1004においては、カーボン判定カウンタの値がクライテリアより小さいか、あるいは、凝縮水判定カウンタの値がクライテリアより小さいかが判定される。これらの条件はいずれもEHC4の絶縁状態が良好でありEHC4への通電を許可するために満たす必要のある条件である。ここで肯定判定された場合にはS1005に進む。一方、否定判定された場合にはEHC4の絶縁を回復させる必要があるのでS1006に進む。
S1005においてはEFI絶縁保証判定フラグがONされ、現時点でEHC4の絶縁が保証されたことを記録する。一方、S1006においては、EHC4の絶縁を回復するための絶縁回復制御を実行するトリガとなる絶縁回復制御要求フラグがONされる。この絶縁回復制御の詳細については割愛する。S1005の処理が終了するとS1007に進む。また、S1006の処理が終了すると本ルーチンを一旦終了する。
S1007においては、内燃機関1の冷却水温thwが、EHC4への通電が許可される冷却水温の下限thwlと冷却水温の上限thwhの間の温度となっているか否かが判定される。ここで、冷却水温thwがthwl以下である場合には、内燃機関1の排気温度も低く、EHC4に通電しても触媒温度を効率的に上昇させることが困難となる。また、冷却水温thwがthwh以上である場合には、EHC4に通電することで触媒の温度が過度に上昇しEHC4自体がダメージを受ける可能性がある。ここで肯定判定された場合にはS1008に進む。一方、否定判定された場合にはそのまま本ルーチンを一旦終了する。
S1008においては、内燃機関1の冷却水温thwなどの値から推定されたEHC4の推定床温がEHC目標床温より低いが否かが判定される。ここで、EHC4の推定床温がEHC目標床温より低いと判定された場合にはEHC4を昇温する必要があるのでS1009に進む。EHC4の推定床温がEHC目標床温以上であると判定された場合には、EHC4をこれ以上昇温する必要がないと判断されるので本ルーチンをそのまま一旦終了する。
S1009では、バッテリ22によるEHC4へ通電のトリガとなるEHC通電要求フラグがONされる。S1009の処理が終了するとS1010に進む。
S1010においては、EHC4の必要温度上昇代すなわち、例えばEHC目標床温とEHC推定床温の差分から、昇温に必要な通電エネルギEehctgtが演算される。S1010の処理が終了するとS1011に進む。S1011においては、EHC4を目標床温まで昇温するのに必要な通電電力Wehcが、昇温に必要な通電エネルギーEehctgtを通電時間Tehcで除する演算によって算出される。S1011の処理が終了するとS1012に進む。
S1012においては、HV通電許可判定処理が行われる。ここにおいては、ECU20のメモリに格納された他のプログラムであるHV通電許可判定ルーチンが実行される。HV通電許可判定ルーチンにおいて通電可能と判定された場合には、HV通電許可判定フ
ラグがONされる。S1012の処理が終了するとS1013に進む。S1013では、HV通電許可判定フラグがONされているかどうかが判定される。ここでHV通電許可判定フラグがONされていた場合にはバッテリ22からEHC4への通電が可能と判断されるのでS1014に進む。一方、HV通電許可判定フラグがONされていないと判定された場合には、HVの運転状態が現在、バッテリ22からEHC4への通電を許可できる状態でないと判断されるのでS1015に進む。
S1014においては、EHC通電実施フラグがONされ、EHC4への通電が実行される。S1015においては、内燃機関の触媒暖機を実行するトリガとなる内燃機関の触媒暖機要求フラグがONされる。S1014またはS1015の処理が終了すると本ルーチンを一旦終了する。
また、前述のようにS1001の処理においてEHC通電実施フラグがONされていると判定された場合にはS1016の処理が実行される。S1016においては、EHC4に供給したエネルギEehcが、前回の本ステップ実行時に得られたEehcに、前回の本ステップの実行から今回の実行までの間に供給されたエネルギΔEehcを加えることによって算出される。S1016の処理が終了するとS1017に進む。
S1017においては、EHC4に供給したエネルギEehcがS1010で算出した必要通電エネルギであるEehctgtより大きいかどうかが判定される。ここで、EehcがEehctgtより大きいと判定された場合には、EHC4の昇温が完了したと判断されるのでS1018に進む。一方、EehcがEehctgt以下であると判定された場合には、EHC4の昇温がまだ完了していないと判断されるのでそのまま本ルーチンを一旦終了する。
S1018においては、EHC4への通電が完了したのでEHC通電実施フラグがOFFされる。そして、S1019においてEHC−Eng暖機制御要求フラグがONされる。S1019の処理が終了すると本ルーチンが一旦終了される。
従来のハイブリッド車両では、上記のようなフローによってEHC4の昇温制御が行われている。
ところで、近年では、車両に搭載されている排気浄化触媒が故障した場合に、速やかにユーザーに警告を与えて修理等の実施を促すための車載式故障自己診断(OBD)システム(On-board Diagnosis System)の開発が盛んに行われている。このOBDシステムは
上記のECU20を含んで構成されるが、上記のようなEHC4を備えるハイブリッド車両においては、このOBDシステムによって、EHC4の昇温機能の異常の判定も行われている。
OBDシステムによってEHC4の昇温機能の異常の判定を行う場合に、最も確実な方法は、EHC4の温度を直接EHC4に備えられた温度センサによって測定することであるが、この方法には様々な問題点がある。その問題点としては、(1)EHC4への通電時に高電圧を印加するため、EHC4と温度センサとの間で短絡が生じる虞がある。(2)ハイブリッドシステムの漏電検出を行なう上で、温度センサの設置部分における絶縁性を維持することが困難である。(3)車両の振動などにより温度センサがEHC4に接触し、破損させてしまう場合がある。(4)電圧または電流の検出精度が低い場合には、温度抵抗特性による温度検出が困難となる場合がある。という4点が挙げられる。
EHC4の昇温機能の異常の判定を行なう上で、上記のようにEHC4に設けられた温度センサで直接測定する方法の他の方法として、排気通路におけるEHC4の下流に備え
られた温度センサを活用した間接的な方法が考えられる。この方法を採用した場合は、EHC4と排気温度センサとは直接接触しているわけではないので、輻射熱による熱伝導に基づいてEHC4の温度を推定することになる。しかしながら、この輻射熱は極微量であるので、EHC4の下流に備えられた排気温度センサによる測定方法で高い測定精度を得ることは困難であった。
そこで、本実施例では、OBD手段は、ハイブリッドシステムのモータ11aまたは11bによる内燃機関1の定常モータリング中にEHC4の通電を一定電力で行い、その期間中の排気温度センサの出力を取得し、排気温度センサの出力に基づき得られる温度が所定の温度範囲から外れた場合に、EHC4の昇温機能が異常と判定するようにした。
図3は、本実施例に係るEHC4の概略構成を示す図である。図3に示すEHC4は、触媒担体40、排気浄化触媒41、電極42、ケース43、及びマット44を備えている。触媒担体40は、円柱状に形成されており、その中心軸が排気流れ方向と同じ排気通路3の中心軸と同軸となるように設置されている。触媒担体40には排気浄化触媒41が担持されている。排気浄化触媒41としては、酸化触媒、吸蔵還元型NOx触媒、選択還元型NOx触媒及び三元触媒等を例示することができる。
触媒担体40は前述のように、通電されると自身が有する電気抵抗で発熱する材料によって形成されている。触媒担体40の材料としては、SiCを例示することができる。触媒担体40は、排気流れ方向に延び且つ排気流れ方向と垂直な断面がハニカム状をなす複数の通路を有しており、この通路に排気を流通させる。触媒担体40には、バッテリ22から電力が供給される電極42が接続されている。触媒担体40は、バッテリ22から電極42に電力が供給されることにより通電される。触媒担体40は通電されることにより発熱し、触媒担体40に担持された排気浄化触媒41を加熱して昇温させ、排気浄化触媒41の活性化を促進する。
触媒担体40はケース43に収容されている。ケース43は、金属製である。ケース43を構成する金属材料としては、ステンレス鋼材を例示することができる。ケース43は、触媒担体40が内部に配置される収容部43aと、収容部43aよりも排気流れ方向上流側及び下流側で収容部43aと排気通路3とを接続するテーパ部43b及び43cを有している。収容部43aの通路断面積は、排気通路3の通路断面積よりも大きくなっている。収容部43aの内部には、触媒担体40及びマット44が収容されている。テーパ部43b及び43cは、収容部43aから離れ排気通路3に近付くに従って通路断面積が縮小するテーパ形状となっている。
ケース43の収容部43aの内壁面と、触媒担体40の外周面と、の間には、絶縁部材としての円筒状のマット44が挟み込まれている。マット44がケース43内に配置されることにより、触媒担体40がケース43内でマット44によって支持される。マット44は、電気を絶縁する電気絶縁材で構成されている。マット44を構成する材料としては、アルミナを主成分とするセラミックファイバを例示することができる。マット44は、触媒担体40の外周面に巻きつけられている。電気絶縁材のマット44が触媒担体40とケース43との間に設けられているので、触媒担体40に通電したときにその電気がマット44で絶縁されケース43へ流れてしまうことが防止されている。
EHC4が備えられた排気通路3におけるEHC40の下流側には、排気通路3を通過する排気の温度を検出する排気温度センサ51が設けられている。排気温度センサ51により、EHC4から排出される排気の温度を測定することができる。
図4は、本実施例におけるEHC4の触媒昇温機能の判定のための処理の時間的な関係
を示した図である。本実施例では、まず、時刻t1においてモータ11aまたは11bによる内燃機関1の定常モータリングを開始する。そして、モータリングにより内燃機関1から排出され排気通路3を通過する空気の状態が安定した後、時刻t2においてEHC4に対する通電が開始される。
EHC4に対する通電が開始されると、EHC4の温度は最初は急峻に上昇する。その後、通電により供給されるエネルギと排気により持ち去られるエネルギのバランスによる平衡状態に近づくとEHC床温は徐々に安定する。そして、EHC4の床温が充分に安定した時間範囲である、時刻t3と時刻t4の間の時間に、排気温度センサ51の出力を取得し、その出力から得られる温度が、予め定められた所定の温度範囲に入っていればEHC4の触媒昇温機能を正常と判定し、その出力から得られる温度が、予め定められた所定の温度範囲から外れている場合にはEHC4の触媒昇温機能を異常と判定する。
図5は、本実施例において排気温度センサ51の出力から得られた温度の値と判定結果との関係を示す図である。本実施例においては、上記のように定常モータリングを行うことにより、排気通路50を通過する空気の量及び温度は略一定となっている。また、バッテリ22によるEHC4への電力供給も一定となっている。従って、図5に示すように、通電電力と排気温度センサ51の出力として得られる温度とは高い相関関係がある。そして、図5では通電電力を2KWとし、EHC4の床温が充分に安定した場合に、排気温度センサ51の出力に基づいて得られた温度が、TcmaxとTcminの間の温度範囲に入れば正常判定し、TcmaxとTcminの間の温度範囲から外れれば異常判定することにしている。なお、ここではTcmaxとTcminの間の温度範囲が所定範囲に相当する。
図6には、本実施例におけるEHC昇温機能判定ルーチンのフローチャートを示す。本ルーチンは、ECU20のメモリに格納されたプログラムであり、ハイブリッド車両の電源ONである期間中は所定期間毎に繰り返し実行される。
本ルーチンが実行されると、まず、ステップS101において、昇温機能判定要求フラグがONされているか否かが判定される。ここで、昇温機能判定要求フラグがONされている場合にはS102に進む。一方、昇温機能判定要求フラグがOFFされている場合には、そのまま本ルーチンを一旦終了する。
S102においては、モータリング開始要求フラグをONする。これにより、動力分割機構12によってモータ11aに連結された動力伝達軸14またはモータ11bに連結された動力伝達軸15と内燃機関1の出力軸13とが連結され、モータ11aまたは11bによって内燃機関1のクランクシャフトを一定速度で強制回転させるモータリングが開始される。そして、モータ11aまたは11bの回転数に応じた吸気が内燃機関の吸気通路から内燃機関1に導入され、排気通路にもモータ11aまたは11bの回転数に応じた一定量の空気が排出され始める。S102の処理が終了するとS103に進む。
S103においては、変数COUNTERによる時間カウントが開始される。あるいは、この時点で既にCOUNTERによる時間カウントが開始されている場合には、時間カウントが継続される。S103の処理が終了するとS104に進む。
S104においては、変数COUNTERの値が、予め定められた通電開始時期に相当する値より大きく、通電終了時期に相当する値より小さいか否かが判定される。ここで、変数COUNTERの値が、通電開始時期に相当する値より大きく通電終了時期に相当する値より小さいと判定された場合には、モータリングにより内燃機関1から排気通路3に排出される空気の状態が安定しており、EHC4への通電を開始すべき時期であると判断
されるのでS105に進む。一方、変数COUNTERの値が、予め定められた通電開始時期に相当する値以下または、通電終了時期に相当する値以上と判定された場合には、EHC4への通電を開始すべき時期ではないと判断されるので、本ルーチンをそのまま一旦終了する。
S105においては、EHC通電要求フラグがONされる。これによりバッテリ22からEHC4への通電が開始され、EHC4の床温の昇温が始まる。S105の処理が終了するとS106に進む。
S106においては、変数COUNTERの値が、予め定められた検出開始時期に相当する値より大きく、検出終了時期に相当する値より小さいかどうかが判定される。ここで、変数COUNTERの値が、検出開始時期に相当する値より大きく検出終了時期に相当する値より小さい場合には、EHC4の床温が充分に一定値に漸近し安定しており、EHC4の昇温機能の判定をすべき期間中であると判断できるのでS107に進む。一方、変数COUNTERの値が、検出開始時期に相当する値以下または、検出終了時期に相当する値以上である場合には、EHC4の昇温機能の判定をすべき期間がまだ到来していないまたは終了していると判断されるので、本ルーチンを一旦終了する。
S107においては、排気温度センサ51の出力に基づいて取得された温度が、Tcminより大きくTcmaxより小さいかどうかが判定される。ここで、排気温度センサ51の出力に基づいて取得された温度が、Tcminより大きくTcmaxより小さいと判定された場合には、EHC4の昇温機能は正常と判断されるので、S108に進む。一方、排気温度センサ51の出力値が、Temin以下またはTemax以上と判定された場合には、EHC4の昇温機能は異常と判定されるのでS109に進む。
S108においては、EHC4の昇温機能の正常判定フラグがONされる。また、S109においては、EHC4の昇温機能の異常判定フラグがONされる。S108またはS109の処理が終了するとS110に進む。S110においては、昇温機能判定要求フラグがOFFされる。S110の処理が終了すると本ルーチンを一旦終了する。
以上、説明したとおり、本実施例では、EHC4の昇温機能の判定要求があった場合には、まず、モータ11aまたは11bによる内燃機関1の強制モータリングを開始し、内燃機関1を一定回転数で回転させる。このことにより、内燃機関1に吸入され排出される空気の量を予め定められた一定値とする。また、EHC4への一定電力による通電を開始する。そして、通電によるEHC4の発熱と排気通路3を通過する空気による放熱がバランスし平衡状態となった時点で、排気温度センサ51の出力に基づく温度を取得し、その温度が予め実験的または理論的に定められた温度範囲から外れていれば異常判定する。
よって、本実施例によれば、排気温度センサ51の出力に基づいて温度測定する際の測定条件を一定に揃えることができ、例えば、内燃機関1からの排気の量及び温度などの、内燃機関1の運転状態の影響を除去することができる。これにより、排気温度センサ51の出力に基づく温度測定の測定精度を向上させることができ、結果として、EHC4の昇温機能の判定精度を向上させることができる。
なお、図5及び図6においては、排気温度センサ51の出力に基づく温度を一度だけ取得し、その温度がTcmaxとTcminの間の範囲に属するか否かを検出しEHC4の昇温機能の異常判定を行うこととしているが、判定処理は一回だけでなく複数回に亘って、EHC4への通電電力が異なる状態において行ってもよい。そうすれば、より精度の高い判定が可能となる。
なお、上記の実施例においては、吸気通路からモータリング中の内燃機関1に導入される吸気温度にあまり大きなばらつきがあると、当該ばらつきが判定結果に影響を及ぼす可能性がある。よって、本実施例においては、吸気温度すなわち外気温度を検出し、外気温度に応じて、排気温度センサ51の出力に基づく温度または、TcmaxとTcminの値を補正してもよい。これによれば、EHC4の昇温機能の判定精度をさらに確実に向上させることができる。
また、上記の実施例では、排気温度センサ51の出力に基づいて取得された温度が、Tcminより大きくTcmaxより小さい所定範囲に入っているかどうかによってEHC4の昇温機能の異常を判定したが、この判定には、排気温度センサ51の出力自体を用いても良いことは当然である。すなわち、上記の実施例では、排気温度センサ51の出力に所定の演算を加え、または、出力に応じた温度の値をマップから読み出すことで温度を取得しているが、この工程を省略することで、より簡単にEHC4の昇温機能の判定精度を向上させることができる。この場合には、排気温度センサ51の出力自体が入るべき出力範囲を別途定義すればよい。この場合は、排気温度センサ51の出力自体が入るべき出力範囲が所定範囲に相当する。
〔実施例2〕
次に、本発明の実施例2について説明する。本発明の実施例2では、EHCの昇温機能の判定要求があった場合には、先ず吸気通路のスロットル弁を全開し、内燃機関の吸気弁の可変動弁機構(以下、InVVTともいう。)を用いて吸気弁の閉弁時期を最遅角側まで遅角した上で、内燃機関の定常モータリング及びEHCへの通電を開始する例について説明する。なお、本実施例におけるハイブリッド車両、EHCなどのハード構成は特に記載しない限り実施例1で説明したものと同等であり、そのような構成については実施例1と同一の符号を用いるとともに説明は省略する。
図7には、本実施例におけるEHC昇温機能判定ルーチン2のフローチャートを示す。以下では、図6で示したEHC昇温機能判定ルーチンと本ルーチンの相違点についてのみ説明する。本ルーチンのS101において、昇温機能判定要求フラグがONしていると判定された場合には、S201に進み吸気通路におけるスロットル弁(不図示)が全開にされる。また、次にS202に進み、InVVT(不図示)によって吸気弁の閉弁時期が最遅角側まで遅角される。S202の処理が終了するとS102に進む。S102の処理以降は、図6に示した、EHC昇温機能判定ルーチンの処理と同等であるので、ここでは説明を省略する。
以上、説明したとおり、本実施例においては、EHC4の昇温機能の判定要求があった場合には、スロットル弁(不図示)を全開する。これにより、内燃機関1におけるポンプロスを低減することができる。また、吸気弁のInVVTを用いて吸気弁の閉弁時期を最遅角側まで遅角させるので、アトキンソンサイクルのデコンプ作用により内燃機関1における圧縮損失を低減することができる。
すなわち、本実施例では、S201及びS202の処理により、システムのエネルギ損失を可及的に低減した上で、モータ11aまたは11bによる内燃機関1の定常モータリングを開始することができるので、EHC4の昇温機能判定時における電力消費量を低減することが可能である。その結果、バッテリ22の電気エネルギの消費を抑制することが可能となる。
なお、本実施例においては、EHC4の昇温機能の判定要求があった場合には、スロットル弁(不図示)を全開する制御と、吸気弁のInVVTを用いて吸気弁の閉弁時期を最遅角側まで遅角させる制御の両方を行うこととした。しかしながら、EHC4の昇温機能
の判定要求があった場合に、上記2つの制御のうちいずれか一方を行ってもよいことは当然である。いずれか一方の制御を行ったとしても、システムのエネルギ損失を低減した上で、モータ11aまたは11bによる内燃機関1の定常モータリングを開始することができるので、EHC4の昇温機能判定時における電力消費量を低減することが可能である。
〔実施例3〕
次に、本発明の実施例3について説明する。本実施例においては、EHCの昇温機能判定は、バッテリの充電量が所定量以上あるかまたはプラグイン充電中であり、且つ、内燃機関の冷却水温が所定範囲内であることを条件に実施される例について説明する。なお、本実施例におけるハイブリッド車両、EHCなどのハード構成は特に記載しない限り実施例1で説明したものと同等であり、そのような構成については実施例1と同一の符号を用いるとともに説明は省略する。
図8には、本実施例におけるEHC昇温機能判定ルーチン3のフローチャートを示す。本ルーチンが実行され、S101において昇温機能判定要求フラグがONしていると判定された場合にはS301に進む。S301においては、バッテリ22の充電量SOCの値が閾値SOCminより大きいかどうかが判定される。ここで、閾値SOCminは、その時のSOCの値がSOCminより大きい場合には、バッテリ22にはEHC4の昇温機能の判定を実施するのに充分な電力が充電されていると考えられる閾値であり、予め実験的または理論的に定められたものである。
従って、S301においてSOCが閾値SOCminより大きいと判定された場合には、バッテリ22にはEHC4の昇温機能の判定を実施するのに充分な電力が充電されていると判断されるのでS303に進む。一方、SOCの値が閾値SOCmin以下である場合には、バッテリ22にはEHC4の昇温機能の判定を実施するのに充分な電力が充電されていないと判断されるのでS302に進む。
S302においては、ハイブリッド車両10がその時点でプラグイン充電中かどうかが判定される。ここでプラグイン充電中でないと判定された場合には、EHC4の昇温機能の判定を実施することが不可能と判定されるので、そのまま本ルーチンを一旦終了する。一方、プラグイン充電中であると判定された場合には、バッテリ22における充電量が少なくても、外部電源30からの供給電力によりEHC4の昇温機能の判定が可能と判断されるのでS303に進む。
S303においては、内燃機関1の冷却水温thwが、前回のS303実行時の冷却水温をthwoとしたときに、thwo−aとthwo+aの間の温度であるか否かが判定
される。ここでaの値は、今回得られた冷却水温thwが、thwo±aであれば、充分に内燃機関1の冷却水温が安定していると判断できる閾値であり、予め実験的あるいは理論的に求めておいてもよい。
S303において内燃機関1の冷却水温thwがthwo−aとthwo+aの間の温
度であると判定された場合には、内燃機関1の冷却水温が充分に安定していると判断できるので、S102に進む。一方、内燃機関1の冷却水温thwがthwo−a以下あるいは、thwo+a以上であると判定された場合には、内燃機関1の冷却水温が未だ安定し
ていないと判断されるので、そのまま本ルーチンを一旦終了する。
以上、説明したとおり、本実施例においては、EHC4の昇温機能判定は、バッテリ22の充電量が充分に多いか、あるいはプラグイン充電中であり、且つ、内燃機関1の冷却水温が充分に安定していることを条件に行われることとした。これによれば先ず、EHC4の昇温機能の判定中にバッテリ22の充電量が不足するような事態やバッテリ22が劣
化するような事態を回避できる。
また、内燃機関1の冷却水温が安定した状態でEHC4の昇温機能の判定を行うことを保証できるので、内燃機関1から排出された時の空気の温度を一定化することができ、吸気温度や内燃機関1から排出された空気の温度のばらつきがEHC4の昇温機能の判定に及ぼす影響を低下させることができ、EHC4の昇温機能の判定の精度を向上させることができる。
なお、図8の説明においては、具体的には、S101において昇温機能判定要求フラグがONしていると判定された場合に、バッテリ22の充電量が充分に多いか、あるいはプラグイン充電中であり、且つ、内燃機関1の冷却水温が充分に安定していることを条件にモータ11aまたは11bによるモータリングが行われることとした。しかしながら、本実施例に係る制御の態様は図8に示したものに限られない。
例えば、図9に示すように、先ずS401及びS402においてバッテリ22の充電量が充分に多いか、あるいはプラグイン充電中であると判定され、且つ、S403で内燃機関1の冷却水温が充分に安定していると判定された場合に、S404において昇温機能判定要求フラグをONさせる昇温機能判定要求ルーチンを別プログラムとして準備してもよい。この場合は、EHC昇温機能判定ルーチンとしては、図6に示したフローを実行すればよい。
なお、本実施例においては、内燃機関1の冷却水温度を検出し、得られた冷却水温度の前回からの変化量が所定値より小さいことをもって、内燃機関1の冷却水温度が安定していると判定したが、これは、前回のハイブリッドシステムの駆動からの経過時間など、別のパラメータに基づいて判断しても構わない。
また、内燃機関1の冷却水温度が安定していることを条件にEHC4の昇温機能の判定を行うという制御は、ハイブリッドシステムの駆動開始時の他、冷却水温度を目標値に制御している状態についても適用が可能である。
また、本実施例においては、EHC4の昇温機能判定は、バッテリ22の充電量が充分に多いか、あるいはプラグイン充電中であり、且つ、内燃機関1の冷却水温が充分に安定していることを条件に行われることとした。しかしながら、EHC4の昇温機能判定は、バッテリ22の充電量が充分に多いか、あるいはプラグイン充電中であることという条件のみが満たされた場合に行われてもよい。これによっても、EHC4の昇温機能の判定中にバッテリ22の充電量が不足するような事態やバッテリ22が劣化するような事態を回避することができる。
さらに、EHC4の昇温機能判定は、内燃機関1の冷却水温が充分に安定していることのみを条件に行われてもよい。これによっても、内燃機関1の冷却水温が安定した状態でEHC4の昇温機能の判定を行うことを保証できるので、内燃機関1から排出された時の空気の温度を一定化することができ、吸気温度や内燃機関1から排出された空気の温度のばらつきがEHC4の昇温機能の判定に及ぼす影響を低下させることができる。
加えて、上記の実施例では、ハイブリッド車両10が、いわゆるプラグインハイブリッド車両であり、外部電源30からの電力供給が可能となるように充電プラグ23が設けられている場合について説明したが、本発明は充電プラグ23が設けられていない通常のハイブリッド車両にも適用可能であることは当然である。
1・・・内燃機関
4・・・EHC
11a、11b・・・モータジェネレータ
20・・・ECU
22・・・バッテリ
40・・・触媒担体
41・・・排気浄化触媒
42・・・電極
43・・・ケース
50・・・排気通路
51・・・排気温度センサ

Claims (5)

  1. 内燃機関の排気通路に設けられ、排気を浄化する触媒を有するとともに電力の供給により該触媒を加熱可能な電気加熱式触媒と、
    前記排気通路における前記電気加熱式触媒の下流側に設けられた排気温度センサと、
    前記電気加熱式触媒の昇温機能の異常を自己診断するOBD手段と、
    を備えたハイブリッド車両の制御装置であって、
    前記OBD手段は、モータによる前記内燃機関の定常モータリング中に前記電気加熱式触媒に一定電力で通電した際の前記排気温度センサの出力を取得し、該排気温度センサの出力または該出力に基づき得られた温度が所定範囲外である場合に、前記電気加熱式触媒の昇温機能を異常と判定することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  2. 前記内燃機関の吸気通路に設けられたスロットル弁をさらに備え、
    前記OBD手段による前記電気加熱式触媒の昇温機能の異常の自己診断は、前記スロットル弁を全開とした状態で行うことを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車両の制御装置。
  3. 前記内燃機関の吸気弁の閉弁時期を変更可能な可変動弁機構をさらに備え、
    前記OBD手段による前記電気加熱式触媒の昇温機能の異常の自己診断は、前記可変動弁機構により吸気弁の閉弁時期を最遅角側に変更した状態で行うことを特徴とする請求項1または2に記載のハイブリッド車両の制御装置。
  4. 前記OBD手段による前記電気加熱式触媒の昇温機能の異常の自己診断は、バッテリの充電量が所定値以上または、プラグイン充電中である場合に行うことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のハイブリッド車両の制御装置。
  5. 前記OBD手段による前記電気加熱式触媒の昇温機能の異常の自己診断は、前記内燃機関の冷却水温が所定温度範囲である場合に行うことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のハイブリッド車両の制御装置。
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