JP2015017375A - 擁壁の構築工法および擁壁 - Google Patents

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Abstract

【課題】セル構造体どうしの連結強度を高め、且つ、セル構造体どうしの連結部位の耐荷重性能を向上する。
【解決手段】擁壁の構築工法は、複数のセル集合体2を水平方向に並べて配置する工程と、隣り合うセル集合体2の端部に位置するセル構造体1のうち互いに対応するセル構造体1どうしを相互に連結する工程と、各セル構造体1内に中詰材8を充填する工程を有する。セル構造体1どうしを相互に連結する工程では、相互に連結される一対のセル構造体1の一端部14どうしを相互にオーバーラップさせて、そのオーバーラップ部分15における第1連結部16および第2連結部17の各々において一対のセル構造体1どうしを連結する。第1連結部16と第2連結部17とが、一対のセル構造体1の並び方向(矢印B方向)において互いにオフセットされるように連結を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、擁壁の構築工法および擁壁に関する。
地盤の補強等を行うための工法として、ジオセル工法と呼ばれる工法がある。この工法では、ハニカム状に配置された複数のセル構造体からなるセル集合体が用いられる。セル構造体は、合成樹脂などの可撓性の材料からなる軽量の型枠である。各セル構造体の内部には、土砂、砕石等の中詰材が充填される。
ジオセル工法により擁壁を構築する場合には、各セル構造体内に中詰材が充填されたセル集合体を積層する(特許文献1参照)。
また、特許文献2には、セル構造体(同文献の型枠ブロック)どうしを、タッピングビス又はエアーステープラーを用いて連結する方法が記載されている。これら連結方法では、上下方向に一列に並ぶ複数の連結金具(タッピングビス、又は金属ステープル)により、セル構造体どうしを連結する。
特開2012−167508号公報 実用新案登録第3128107号公報
本発明者等は、特許文献2に記載の技術では、以下に説明する問題があると考えた。
上下方向に一列に並ぶ複数の連結金具によりセル構造体どうしを連結する場合、過度の荷重が一本の線状の領域に集中してしまうことから、セル構造体どうしの連結強度を十分に得ることができない可能性がある。
本発明の目的は、セル構造体どうしの連結強度を高め、且つ、セル構造体どうしの連結部位の耐荷重性能を向上することが可能な擁壁の構築工法を提供することにある。
また、本発明の目的は、セル構造体どうしの連結強度が高められているとともに、セル構造体どうしの連結部位の耐荷重性能が向上した構造の擁壁を提供することにある。
本発明は、複数のセル集合体を水平方向に連結することにより形成される段構造体を複数段に積層して擁壁を構築する工法において、
前記セル集合体の各々は、ハニカム状に配列され且つ互いに一体化された複数のセル構造体を有し、
前記セル構造体の各々は、可撓性の一対の帯状体により形成され、
前記一対の帯状体は、それらの長手方向における両端部の各々に配置された接合部において互いに接合されることにより一体化されて、前記セル構造体を形成し、
当該工法は、
前記一対の帯状体の間に形成される空間が上下方向にそれぞれ開口した姿勢となるように、複数の前記セル集合体を水平方向に並べて配置する工程と、
水平方向において隣り合う前記セル集合体の端部に位置する前記セル構造体のうち、互いに対応するセル構造体どうしを相互に連結する工程と、
各セル構造体内に中詰材を充填する工程と、
を備え、
前記セル構造体どうしを相互に連結する工程では、相互に連結される一対のセル構造体の一端部どうしを相互にオーバーラップさせて、そのオーバーラップ部分における第1連結部および第2連結部の各々において前記一対のセル構造体どうしを連結し、
前記第1連結部と前記第2連結部とは、前記一対のセル構造体の並び方向において互いにオフセットされている擁壁の構築工法を提供する。
この擁壁の構築工法によれば、相互に連結される一対のセル構造体の並び方向において互いにオフセットされた第1連結部と第2連結部との各々において、隣接するセル構造体どうしを連結するので、セル構造体どうしの連結部位の連結強度を向上することができる。そして、セル構造体どうしの連結部位に対して加わる中詰材等の荷重を第1連結部と第2連結部とに分散できるので、隣接するセル構造体どうしの連結部位の耐荷重性能を向上することができる。
また、本発明は、複数のセル集合体を水平方向に連結することにより形成された段構造体が複数段に積層されてなる擁壁であって、
前記セル集合体の各々は、ハニカム状に配列され且つ互いに一体化された複数のセル構造体を有し、
前記セル構造体の各々は、可撓性の一対の帯状体により形成され、
前記一対の帯状体は、それらの長手方向における両端部の各々に配置された接合部において互いに接合されることにより一体化されて、前記セル構造体を形成し、
前記一対の帯状体の間に形成される空間が上下方向にそれぞれ開口した姿勢となるように、複数の前記セル集合体が水平方向に並べて配置され、
水平方向において隣り合う前記セル集合体の端部に位置する前記セル構造体のうち、互いに対応するセル構造体どうしが相互に連結され、
各セル構造体内に中詰材が充填され、
相互に連結された一対のセル構造体の一端部どうしが相互にオーバーラップし、そのオーバーラップ部分における第1連結部および第2連結部の各々において前記一対のセル構造体どうしが連結され、
前記第1連結部と前記第2連結部とが前記一対のセル構造体の並び方向において互いにオフセットされている擁壁を提供する。
本発明によれば、セル構造体どうしの連結強度を高め、且つ、セル構造体どうしの連結部位の耐荷重性能を向上することができる。
セル構造体どうしの連結構造を示す斜視図である。 相互に一体形成された複数のセル構造体を有するセル集合体の斜視図である。 各セル構造体の開口面積が広がるようにセル集合体を変形させた状態を示す斜視図である。 第1の実施形態に係る擁壁の模式的な側断面図である。 第1の実施形態に係る擁壁の模式的な平面図である。 図6(a)は第1の実施形態に係る擁壁の模式的な正面図、図6(b)は隣り合う段構造体の各々におけるセル集合体どうしの継ぎ目の平面的な位置を示す模式図である。 隣り合うセル集合体の対応するセル構造体どうしを連結する前の状態を示す斜視図である。 セル構造体どうしの連結部分の断面図である。 セル構造体どうしの連結部分の平面図である。 セル構造体どうしの連結構造の変形例1を示す図であり、このうち(a)は連結構造の斜視図、(b)は連結に用いられる連結具の分解図、(c)は連結構造の断面図である。 セル構造体どうしの連結構造の変形例2を示す斜視図である。 図12(a)は実施例で説明する試験に用いた試料を示す図、図12(b)は実施例の試験状況を示す正面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。
〔第1の実施形態〕
図1はセル構造体1どうしの連結構造を示す斜視図である。図2は相互に一体形成された複数のセル構造体1を有するセル集合体2の斜視図である。図3は各セル構造体1の開口面積が広がるようにセル集合体2を変形させた状態を示す斜視図である。図4は第1の実施形態に係る擁壁50の模式的な側断面図である。図5は第1の実施形態に係る擁壁50の模式的な平面図である。図6(a)は第1の実施形態に係る擁壁50の模式的な正面図、図6(b)は隣り合う段構造体51の各々におけるセル集合体2どうしの継ぎ目6の平面的な位置を示す模式図である。図7は隣り合うセル集合体2の対応するセル構造体1どうしを連結する前の状態を示す斜視図である。図8はセル構造体1どうしの連結部分(第1連結部16)の断面図である。なお、第2連結部17の断面は、図8と同様であるため図示を省略している。図9はセル構造体1どうしの連結部分の平面図である。
本実施形態に係る擁壁の構築工法は、複数のセル集合体2(図2、図3)を水平方向に連結することにより形成される段構造体51(図4)を複数段に積層して擁壁50を構築する工法である。セル集合体2の各々は、ハニカム状に配列され且つ互いに一体化された複数のセル構造体1を有する。セル構造体1の各々は、可撓性の一対の帯状体11、12により形成されている。一対の帯状体11、12は、それらの長手方向における両端部の各々に配置された接合部13において互いに接合されることにより一体化されて、セル構造体1を形成している。
この工法は、以下の工程を備える。
1)一対の帯状体11、12の間に形成される空間が上下方向にそれぞれ開口した姿勢となるように、複数のセル集合体2を水平方向に並べて配置する工程
2)水平方向において隣り合うセル集合体2の端部に位置するセル構造体1のうち、互いに対応するセル構造体1どうしを相互に連結する工程
3)各セル構造体1内に中詰材8を充填する工程
ここで、セル構造体1どうしを相互に連結する工程では、相互に連結される一対のセル構造体1の一端部14どうしを相互にオーバーラップさせて、そのオーバーラップ部分15における第1連結部16および第2連結部17の各々において一対のセル構造体1どうしを連結する。そして、第1連結部16と第2連結部17とは、一対のセル構造体1の並び方向(矢印B方向)において互いにオフセットされている(互いに位置がずれている)。以下、詳細に説明する。
この施工方法では、例えば、図2および図3に示すようなセル集合体2を用いる。セル集合体2は、ハニカム状に配列され且つ互いに一体形成された複数のセル構造体1を有する。
セル集合体2は、可撓性の材料により構成された3枚以上の長尺なストリップ材7を有している。これらストリップ材7は、互いに並列に配置されている。これらストリップ材7の並び方向(配列方向)は矢印A方向、これらストリップ材7の長手方向は矢印B方向である。互いに隣り合う一対のストリップ材7は、それらの長手方向(矢印B方向)において一定間隔で配置された接合部13の各々において相互に接合されている。これら接合部13のうち、一の接合部13から、矢印B方向において当該一の接合部13の隣に位置する他の接合部13までの範囲の一対のストリップ材7により個々のセル構造体1が構成されている。複数のストリップ材7のうち、互いに隣り合う第1のストリップ材7と第2のストリップ材7とは、それらの長手方向(矢印B方向)において一定間隔で配置された接合部13(第1接合部)の各々において相互に接合されている。また、第2のストリップ材7と、第2のストリップ材7に対して第1のストリップ材7とは反対側に隣接する第3のストリップ材7とは、それらの長手方向(矢印B方向)において一定間隔で配置された接合部13(第2接合部)の各々において相互に接合されている。第2接合部の並び方向(矢印B方向)における各第2接合部の位置は、隣り合う第1接合部の中間の位置に設定されている。同様に、第1接合部の並び方向(矢印B方向)における各第1接合部の位置は、隣り合う第2接合部の中間の位置に設定されている。
ストリップ材7は、高密度ポリエチレンなどの樹脂材料により構成されている。隣り合うストリップ材7どうしは、接合部13において、例えば熱圧着により相互に溶着されている。
1つのセル集合体2が有するセル構造体1の数(セル数)は任意である。なお、図2に示すセル集合体2と、図3に示すセル集合体2とでは、互いにセル数が異なる。
上記のように、個々のセル構造体1は、一対の帯状体11、12により構成されている。つまり、帯状体11、12は、一対のストリップ材7の長手方向における一部分ずつからなる。帯状体11は、帯状体11により互いに仕切られる複数のセル構造体1に共用の構造である。同様に、帯状体12は、帯状体12により互いに仕切られる複数のセル構造体1に共用の構造である。
帯状体11、12には、例えば、排水用の複数の孔9が形成されている。ただし、帯状体11、12に排水用の孔9が形成されていなくても良い。
また、セル集合体2の端部(矢印B方向における端部)に位置するセル構造体1の一端部14には、該セル構造体1を他のセル構造体1と相互に連結するための通し孔22が形成されている。一端部14には、例えば一対の通し孔22が互いに上下方向に離間して形成されており、後述する結束バンド21をループさせることができるようになっている。
各セル構造体1の帯状体11、12の両端部の間の中間部が互いに離間するようにセル集合体2を変形させることにより、各セル構造体1の開口面積が広がるようにセル集合体2を展張することができる(図3)。ここで、図3に示すように、セル集合体2を展張した状態において、接合部13が平面視において千鳥状の配置となるように、各接合部13の位置が設定されている。このため、セル集合体2を展張した状態において、複数のセル構造体1がハニカム状に配列される。なお、図3では、一部のセル構造体1内に中詰材8が充填され、残りのセル構造体1内には中詰材8が充填されていない状態を示している。
図4、図5および図6(a)に示すように、擁壁50は、例えば、傾斜面3に沿って配置されて、該傾斜面3を保護(補強)する。傾斜面3としては、切土、盛土、既設盛土、自然斜面、造成地面(切土のり面、盛土のり面、既設盛土のり面、道路のり面、工業団地等の造成地面上の傾斜面、河川堤防、海岸堤防、ため池堤体面、鉄道のり面)、崩壊跡地、急傾斜地等が挙げられる。
擁壁50は、段構造体51を複数段に積層することにより構築されている。各段の段構造体51は、複数のセル集合体2を水平方向に連結することにより形成されている。なお、各段構造体51について、水平方向にて隣り合うセル集合体2どうしを連結することにより、これらセル集合体2どうしの継ぎ目6の位置にもセル構造体1が形成される(図5、図7参照)。セル集合体2どうしの継ぎ目6の位置にもセル構造体1が形成されることにより、各段構造体51は、上からの荷重に対して偏り無く、面として力を受けることになる。その結果、各段構造体51の不等沈下が抑制される。
例えば、擁壁50が傾斜面3に沿った形状となるように、各段の段構造体51の位置は、上段の段構造体51ほど、擁壁50の奥行き方向(地山側)にシフトしている。つまり、擁壁50は、例えば、全体として地山側へ後傾した形状(図4参照)となっている。ただし、各段の段構造体51を鉛直方向に積み重ねることによって擁壁50が構築されていても良い。
各セル構造体1内には、中詰材8が充填されている。中詰材8は、現地発生土などの土砂、砕石、コンクリート又はモルタルなどである。
ここで、下段の段構造体51ほど、その内部に充填された中詰材8の粒径が大きくなるように、各段の段構造体51のセル構造体1内に充填する中詰材8の種類を選択しても良い。これにより、擁壁50の下部ほど排水性を良好にすることができる。
具体的には、擁壁50の下部を構成する段構造体51の各々の内部には、砕石8aを充填し、擁壁50の上部を構成する段構造体51の各々の内部には現地発生土8bを充填することが挙げられる。
擁壁50内には、必要に応じて、補強のための棒状連結材(鋼線、鋼撚り線、鉄筋等の鋼棒、FRP(Fiber Reinforced Plastics)ロッドなど)62が挿入されていても良い。棒状連結材62は、各セル構造体1のセル形状の保持、および、隣り合う段の段構造体51どうしの一体性の向上に寄与する。
また、必要に応じて、隣り合う段の段構造体51どうしの境界面には、シート材(図示略)を配置しても良い。このシート材は、透水性のものであることが好ましい。透水性のシート材としては、不織布等からなるもの、又は、網目構造のものが挙げられる。具体的には、例えば、相対的に粒径が大きい中詰材8が充填された段構造体51の上に、相対的に粒径が小さい中詰材8が充填された段構造体51が積層されている場合に、これら段構造体51どうしの境界面にシート材を配置することができる。これにより、粒径が小さい中詰材8が、粒径が大きい中詰材8が充填された層に入り込むことを抑制することができる。その結果、粒径が大きい中詰材8が充填された層の目詰まりを抑制し、当該層の排水性を維持することができる。また、必要に応じて、筒状排水材、立体排水材、板状排水材、或いは、板状排水材を積層してなる排水材を、隣り合う段の段構造体51どうしの境界に配置したり、段構造体51の内部に配置したりしても良い。
図4に示すように、擁壁50は、土のう63を有していても良い。土のう63は、例えば、擁壁50の最上段の段構造体51の上に設けられ、アンカーピン64によって段構造体51に固定されている。土のう63の設置後、その背面側の段構造体51上および上側平坦面5上に充填材5aを充填して擁壁50の天端部を形成する。土のう63を設けることにより、擁壁50の天端を流れた雨水等の水が天端における法面側端部から法面部を伝って流下する際に擁壁50上部の段構造体51の中詰材8が流出してしまうことを抑制することができる。また、積雪が擁壁50の天端における法面側端部から滑り落ちる際の段構造体51のめくれを抑制できる。土のう63としては、緑化のための植生土のう、または、透水性を有する袋に中詰材として砕石を詰めることにより構成されたもの、などが挙げられる。
擁壁50の安定化のために、例えば、擁壁50の下部は、地盤に形成された溝61内に埋設されている。すなわち擁壁50は根入れされている。具体的には、例えば、擁壁50の最下段の段構造体51が溝61に埋設されている。溝61の側壁によって、最下段の段構造体51の側面が支えられている。
以下、図4乃至図8を参照して、本実施形態に係る擁壁の構築工法を工程順に説明する。
ここでは、擁壁50を傾斜面3(図4)に沿って構築する例を説明する。傾斜面3は、下側平坦面4と上側平坦面5との間に形成されているものとする。
先ず、下側平坦面4における傾斜面3に隣接する箇所に、平坦な溝61を形成する。次に、溝61内に最下段の段構造体51を形成する。その後、順次、各段の段構造体51を積層する。最上段の段構造体51の上面が概ね上側平坦面5と面一となるまで、必要数の段構造体51を積み重ねる。これにより、擁壁50を構築することができる。
ここで、各段の段構造体51は、水平に配置する。つまり、段構造体51を構成する複数のセル集合体2を水平方向に並べて配置する。ただし、ここで言う水平方向は、必ずしも厳密に水平面に沿った方向に限定されない。ここで言う水平方向は、概ね水平な方向(横方向)であれば良く、段構造体51により擁壁50を安定的に形成できる程度に傾斜した方向であっても良い。
また、上段の段構造体51ほど、地山側へシフトさせることによって、擁壁50を傾斜面3に沿って構築する。
ここで、各段の段構造体51を形成する手順を詳細に説明する。
先ず、該当する段の段構造体51を構成する複数のセル集合体2を水平方向に並べて敷設する。このとき、各セル集合体2の各セル構造体1の一対の帯状体11、12の間に形成される空間が、上下方向にそれぞれ開口した姿勢となるように、複数のセル集合体2を配置する(図7参照)。
次に、水平方向において隣り合うセル集合体2の端部(矢印B方向における端部)に位置するセル構造体1のうち、互いに対応するセル構造体1どうしを相互に連結する。すなわち、セル集合体2に含まれるセル構造体1のうち、矢印B方向における端部に位置する複数のセル構造体1の各々と、隣のセル集合体2の対応するセル構造体1と、を個別に相互に連結する。つまり、図7に示すセル構造体1aの矢印B方向における一端部14と、このセル構造体1aと対応するセル構造体1bの矢印B方向における一端部14と、を相互に連結する。
このためには、先ず、相互に連結される一対のセル構造体1a、1bの一端部14どうしを相互にオーバーラップさせる。そして、そのオーバーラップ部分15(図1参照)における第1連結部16および第2連結部17の各々において一対のセル構造体1a、1bどうしを相互に連結する。ここで、第1連結部16と第2連結部17とが、矢印B方向において互いにオフセットされるように、第1連結部16および第2連結部17の各々において一対のセル構造体1a、1bを連結する。第1連結部16および第2連結部17の双方において、一対のセル構造体1a、1bを連結することにより、それらの連結強度を向上することができる。
一対のセル構造体1a、1bどうしを第1連結部16および第2連結部17の各々において相互に連結する手法は、特に限定しない。ただし、金属の含有比率が50重量%未満の連結具を用いて連結することが好ましい。これにより、連結具の腐食(錆び)を抑制することができる。特に、金属材料以外の材料からなる連結具を用いて連結することにより、連結具の腐食(錆び)をより確実に抑制することができる。この連結具における樹脂の含有比率は50重量%以上であることが好ましい。具体的には、例えば、この連結具は、樹脂からなるものとすることができる。或いは、この連結具は、樹脂と金属との複合材からなるもの(例えば、合成繊維と金属細線との撚り線など)とすることもできる。
連結具としては、図1および図8に示すように結束バンド21を用いることが好ましい例である。すなわち、図1および図8に示すように、一対のセル構造体1a、1bの各々の一端部14に形成された通し孔22を通して結束バンド21により一端部14どうしを連結することができる。結束バンド21を用いて一対のセル構造体1a、1bを連結することにより、セル構造体1a、1bの変形に追従して結束バンド21が変形することができる。このため、仮にセル構造体1a、1bが変形した場合でも、セル構造体1a、1bどうしの連結を維持することができる。また、結束バンド21の伸び変形が可能であるため、仮にセル構造体1a、1bが大きく変形し、結束バンド21が伸び変形した場合でも、セル構造体1a、1bどうしの連結を維持することができる。なお、結束バンド21は、樹脂により構成されていても良いし、樹脂と金属との複合材により構成されていても良い。
ここで、図1及び図9に示すように、第1連結部16と第2連結部17とのうちの少なくとも何れか一方が、一対のセル構造体1a、1bの各々の一端部14の接合部13に対して、矢印B方向においてオフセットされるように、一対のセル構造体1a、1bの一端部14どうしを連結する。
好ましくは、図1及び図9に示すように、一対のセル構造体1a、1bの各々の一端部14の接合部13が、矢印B方向において第1連結部16と第2連結部17との間に位置するように、一対のセル構造体1a、1bの一端部14どうしを連結する。すなわち、第1連結部16と第2連結部17との双方を、一対のセル構造体1a、1bの各々の一端部14の接合部13に対して、矢印B方向においてオフセットさせる。
このため、セル構造体1aを構成する帯状体11、12どうしが二股に分かれる分岐部18と、この分岐部18に対して概ね錯角の関係となる屈曲部19とが、矢印B方向において第1連結部16と第2連結部17との間に位置する。
同様に、セル構造体1bを構成する帯状体11、12どうしが二股に分かれる分岐部18と、この分岐部18に対して概ね錯角の関係となる屈曲部19とが、矢印B方向において第1連結部16と第2連結部17との間に位置する。
そして、一対のセル構造体1a、1bの連結部位を平面視したときに、一対のセル構造体1a、1bの帯状体11、12がX字状に交差した状態となる。
矢印B方向において隣り合うセル集合体2のセル構造体1どうしをすべて連結し終えたら、各セル構造体1内に、土砂や砕石等の中詰材8を充填して締め固めを行う(図3における左側の8つのセル構造体1を参照)。
ここで、擁壁50の幅(図5における左右方向の寸法)は、傾斜面3の幅に応じた任意の寸法に調節する。擁壁50の幅に応じて、擁壁50の幅方向において並べて配置するセル集合体2の数を調節する。擁壁50の幅方向にならぶセル集合体2をすべて連結し、各セル集合体2のセル構造体1内に中詰材8を充填することにより、一段の段構造体51が形成される。
ここで、図6(特に図6(b))に示すように、一の段構造体51(51a)におけるセル集合体2どうしの継ぎ目6(6a)の位置と、一の段構造体51(51a)に隣接する段の段構造体51(51b)におけるセル集合体2どうしの継ぎ目6(6b)の位置と、が平面視において互いにずれるように、複数の段構造体51を積層することが好ましい。
図6に示すように各段の継ぎ目6をずらして配置することにより、各段の段構造体51の平坦性、ひいては擁壁50の平坦性を良好にすることができる。ただし、各段の継ぎ目6は、互いに揃っていても良い(平面視において互いに一致していても良い)。
なお、擁壁50の内部に棒状連結材(鋼線、鋼撚り線、鉄筋等の鋼棒、FRPロッドなど)62を挿入する場合、例えば、各段の段構造体51毎に、棒状連結材62を挿入する。すなわち、各段の段構造体51を構築する工程では、セル集合体2を敷設及び展張する工程と、隣り合うセル集合体2どうしを連結する工程と、棒状連結材62を挿入する工程と、中詰材8を充填する工程と、をこの順に行う。また、隣り合う段の段構造体51の棒状連結材62どうしは、相互に連結することが好ましく、このようにすることによって、隣り合う段の段構造体51どうしを連結することができる。
このように、本実施形態に係る擁壁の構築工法は、隣り合う段構造体51を貫通する補強材(棒状連結材62)を設ける工程を更に有していても良い。また、この補強材(棒状連結材62)の長手方向が鉛直方向に延在するように補強材を設けることができる。
以上のような擁壁の構築工法により得られる擁壁50は、以下のような構造となる。
すなわち、擁壁50は、複数のセル集合体2を水平方向に連結することにより形成される段構造体51が複数段に積層されてなる。セル集合体2の各々は、ハニカム状に配列され且つ互いに一体化された複数のセル構造体1を有する。セル構造体1の各々は、可撓性の一対の帯状体11、12により形成されている。一対の帯状体11、12は、それらの長手方向における両端部の各々に形成された接合部13において互いに接合されることにより一体化されてセル構造体1を形成している。一対の帯状体11、12の間に形成される空間が上下方向にそれぞれ開口した姿勢となるように、複数のセル集合体2が水平方向に並べて配置されている。水平方向において隣り合うセル集合体2の端部に位置するセル構造体1のうち、互いに対応するセル構造体1どうしが相互に連結されている。また、各セル構造体1内に中詰材8が充填されている。相互に連結された一対のセル構造体1の一端部どうしが相互にオーバーラップし、そのオーバーラップ部分15における第1連結部16および第2連結部17の各々において一対のセル構造体1どうしが連結されている。第1連結部16と第2連結部17とは、一対のセル構造体1の並び方向(矢印B方向)において互いにオフセットされている。
以上のような第1の実施形態に係る擁壁の構築工法によれば、相互に連結される一対のセル構造体1a、1bの並び方向(矢印B方向)において互いにオフセットされた第1連結部16と第2連結部17の各々において、一対のセル構造体1a、1bを連結するので、セル構造体1a、1bどうしの連結部位の連結強度を向上することができる。そして、セル構造体1a、1bどうしの連結部位に加わる中詰材8等の荷重を第1連結部16と第2連結部17とに分散できるので、隣接するセル構造体1a、1bどうしの連結部位の耐荷重性能を向上することができる。
擁壁50を構成する各段の段構造体51には、最上段の段構造体51を除き、他の段構造体51が積層されており、下方の段構造体51ほど、上に積み重なった段構造体51の数が多くなる。このため、下方の段構造体51ほど、より大きな荷重が加わる。各段の段構造体51には、重力によって鉛直方向の力が加わるが、この鉛直方向の力に対して地盤からの反力が作用し、その際に鉛直方向の力の一部が水平方向に変わり、その水平方向の力は開放系である傾斜面の正面側(地山側とは反対側)に向かいやすい。このため、段構造体51には、鉛直方向の力だけでなく、水平方向の力も作用すると考えられる。
段構造体51に加わる力の水平方向成分は、連結されたセル集合体2に対して、その屈曲部19(図9)、すなわち接合部13の近辺に最も強く作用する場合が想定される。したがって、第1連結部16および第2連結部17は、荷重が最も強く作用する部位から、矢印B方向にオフセットされていると考えられる。このため、第1連結部16および第2連結部17に過度の荷重が作用してしまうことを抑制できるので、セル構造体1a、1bどうしの連結部位の破断が抑制される。つまり、各段構造体51の耐荷重性能が向上するため、より高い(上下寸法の大きい)擁壁50を容易に構築することが可能となる。
また、第1連結部16と第2連結部17とのうちの少なくとも何れか一方が、一対のセル構造体1a、1bの各々の一端部14の接合部13に対して、矢印B方向においてオフセットされるように、一対のセル構造体1a、1bの一端部14どうしを連結する。これにより、第1連結部16と第2連結部17とのうちの少なくとも何れか一方に過度の荷重が加わってしまうことを抑制できるので、第1連結部16と第2連結部17とのうちの少なくとも何れか一方においてセル構造体1a、1bどうしの連結が外れてしまうことを抑制できる。このため、第1連結部16と第2連結部17とのうち、接合部13に対して矢印B方向にオフセットしている方については、ある程度の強度で連結がなされていれば良く、さほど強固に連結されている必要がない。このため、第1連結部16と第2連結部17とのうち、接合部13に対して矢印B方向にオフセットしている方については、結束バンド21を用いる代わりに、紐状体(図示略)を用いて一対のセル構造体1a、1bどうしを結びつけて連結することも可能である。紐状体としては、例えば、合成繊維の撚り線、または合成繊維と金属細線との撚り線などが挙げられる。
より具体的には、一対のセル構造体1a、1bの各々の一端部14の接合部13を、矢印B方向において第1連結部16と第2連結部17との間に配置して、一対のセル構造体1a、1bの一端部14どうしを連結する。これにより、第1連結部16および第2連結部17を接合部13近辺に対して矢印B方向においてオフセットすることができる。これにより、第1連結部16および第2連結部17に過度の荷重が加わってしまうことを抑制できるので、第1連結部16ならびに第2連結部17においてセル構造体1a、1bどうしの連結が外れてしまうことを抑制できる。このため、第1連結部16と第2連結部17の各々においては、ある程度の強度で連結がなされていれば良く、さほど強固に連結されている必要がない。このため、第1連結部16と第2連結部17の各々において、結束バンド21を用いる代わりに、上記の紐状体を用いて一対のセル構造体1a、1bどうしを結びつけて連結することも可能である。
また、一対のセル構造体1a、1bどうしを連結する連結具として、金属の含有比率が50重量%未満の連結具を用いるので、連結具の腐食(錆び)を抑制することができる。具体的には、例えば、樹脂の含有比率が50重量%以上の連結具を用いることが好適である。特に、金属材料以外の材料からなる(例えば樹脂からなる)連結具を用いて連結することにより、連結具の腐食(錆び)をより確実に抑制することができる。
また、その連結具として結束バンド21を用いることにより、容易且つ十分な強度で一対のセル構造体1a、1bを第1連結部16および第2連結部17にて相互に連結することができる。また、結束バンド21による連結作業は、人力で容易に行うことができるため、例えばエアコンプレッサーなどの設備やその稼働用の電力が不要である。
また、本実施形態に係る擁壁50によれば、相互に連結された一対のセル構造体1a、1bの並び方向(矢印B方向)において互いにオフセットされた第1連結部16と第2連結部17の各々において、一対のセル構造体1a、1bが連結されているので、セル構造体1a、1bどうしの連結部位の連結強度が向上されている。そして、セル構造体1a、1bどうしの連結部位に加わる中詰材8等の荷重を第1連結部16と第2連結部17とに分散できるので、隣接するセル構造体1a、1bどうしの連結部位の耐荷重性能も向上されている。
<セル構造体どうしの連結構造の変形例1>
図10はセル構造体1a、1bどうしの連結構造の変形例1を示す図である。このうち(a)は連結構造の斜視図、(b)は連結に用いられる連結具30の分解図、(c)は連結構造の断面図である。
図10(b)に示すように、連結具30は、第1部分31と第2部分32とにより構成される。第1部分31はピン状の差込部33と、差込部33の一端に設けられた頭部34と、を有する。第2部分32は、ベース部35と、ベース部35より一方に向けて突出している複数の固定フック36と、を有する。ベース部35には、差込部33を差し込むための差込孔37が形成されている。第1部分31および第2部分32はそれぞれ弾性材料により構成されている。なお、第1部分31および第2部分32は、それぞれ樹脂により構成されていても良いし、複数種類の材料からなる複合材により構成されていても良い。後者の具体例としては、第2部分32について、そのベース部35を樹脂材料により構成し、固定フック36を金属材料又はFRPにより構成することが挙げられる。差込部33をベース部35の差込孔37に差し込むことにより、差込部33に対して複数の固定フック36が係合して、差込部33が第2部分32から抜けなくなる(第1部分31が第2部分32に対してロック状態となる)ようになっている。
先ず、一対のセル構造体1a、1bの各々の一端部14に形成された通し孔22に第2部分32の複数の固定フック36を差し込む。次に、第1部分31の差込部33をベース部35の差込孔37に差し込み、差込部33に対して各固定フック36を係合させる。これにより、各固定フック36の先端部が互いに離間する方向に各固定フック36が弾性変形した状態となり、固定フック36が通し孔22から脱落しないようになる(図10(c))。
これにより、第1連結部16においては、固定フック36とベース部35との間にセル構造体1bの一端部14の帯状体11、12と、セル構造体1aの一端部の帯状体12とを挟み込んで、セル構造体1a、1bどうしを連結することができる。
同様に、第2連結部17においては、固定フック36とベース部35との間にセル構造体1aの一端部14の帯状体11、12と、セル構造体1bの一端部の帯状体11とを挟み込んで、セル構造体1a、1bどうしを連結することができる。
なお、図10(a)に示すように、第1連結部16と第2連結部17の各々において、上下方向の複数箇所にて連結具30によりセル構造体1a、1bどうしを連結することが好ましい。
この変形例1によっても、上記の実施形態と同様に、セル構造体1どうしの連結強度を高め、且つ、セル構造体1どうしの連結部位の耐荷重性能を向上することができる。
<セル構造体どうしの連結構造の変形例2>
図11はセル構造体1a、1bどうしの連結構造の変形例2を示す斜視図である。変形例2では、エアーステープラーを用いて一対のセル構造体1a、1bどうしを連結する。エアーステープラーとは、コンプレッサーを用いたエア駆動式のステープラーであり、門型の連結金具であるステープル40を高圧空気によって連結部位に打ち込むものである。図11に示すように、第1連結部16と第2連結部17の各々において、上下方向の複数箇所にてステープル40によりセル構造体1a、1bどうしを連結することが好ましい。
なお、変形例2の場合、セル集合体2の端部に位置するセル構造体1には、通し孔22が形成されていない。
この変形例2によっても、上記の実施形態と同様に、セル構造体1どうしの連結強度を高め、且つ、セル構造体1どうしの連結部位の耐荷重性能を向上することができる。
(実施例1)
相互に連結されたセル構造体1a、1bの引っ張り強さ試験を行った。図12(a)は本実施例で説明する試験に用いた試料を示す図、図12(b)は本実施例の試験状況を示す正面図である。
<試験方法>
JIS L 1908に準拠し、低速伸長形引張試験機を使用した。
引張試験機の一対のチャックどうしの距離(チャック間距離)は20cmとした。
引張速度は、1分間につきチャック間距離の40%の距離を引っ張るように設定した。すなわち、引張速度は8cm/minとした。
図12(a)に示すように、試料として、一対のセル構造体1a、1b同士を接続したものを用いた。セル構造体1aとしては、帯状体11、12の幅が10cm、帯状体11、12の厚さが1.5mm、帯状体11、12の材質が高密度ポリエチレンのものを用いた。また、セル構造体1a、1b同士の接続には、結束バンド21を2本用いた。すなわち一方の結束バンド21を第1連結部16の連結に用い、他方の結束バンド21を第2連結部の接続に用いた。図1に示すように、一対のセル構造体1a、1bの各々の一端部14の接合部13を、第1連結部16と第2連結部17との間に位置させた。結束バンド21としては、ヘラマンタイトン株式会社製のINSULOK(登録商標)AB200−W(黒色)を用いた。
温度は22℃、湿度(RH)は50%であった。
試料を6つ作製した。各試料について、引張試験機の一方のチャックによりセル構造体1aを把持し、他方のチャックによりセル構造体1bを把持して、セル構造体1aとセル構造体1bとを相互に反対方向に引っ張る試験を行った(図12(b)参照)。
(比較例)
実施例では第1連結部16および第2連結部17の2箇所でセル構造体1a、1bどうしを連結した試料を用いたのに対し、比較例では、セル構造体1a、1bどうしを1箇所で連結した試料を用いて、実施例と同じ引っ張り強さ試験を行った。
<試験結果>
実施例では、各試料の最大引っ張り強さ(試料が破断する直前の荷重)は、3700N/10cm、2920N/10cm、3760N/10cm、2280N/10cm、3640N/10cm、3690N/10cmとなった。したがって、最大引っ張り強さの平均は、3330N/10cmとなった。また、実施例では、第1連結部16でも第2連結部17でもない箇所で試料が破断した。
一方、比較例では、セル構造体1a、1bどうしの連結部が破断した。
その結果、実施例では、セル構造体1a、1bどうしの連結強度ならびに連結部位の耐荷重性能が比較例よりも高いことが分かった。
以下、参考形態の例を付記する。
(1)
複数のセル集合体を水平方向に連結することにより形成される段構造体を複数段に積層して擁壁を構築する工法において、
傾斜面を有する地山を補強材により補強する工程と、
前記傾斜面に沿って前記擁壁を構築する工程と、
を備える擁壁の構築工法。
(2)
傾斜面を有する地山と、
前記傾斜面に沿って形成された擁壁と、
を備え、
前記地山は、補強材により補強され、
前記擁壁は、複数のセル集合体を水平方向に連結することにより形成される段構造体を複数段に積層することにより構成されている擁壁の構築構造。
1、1a、1b セル構造体
2 セル集合体
3 傾斜面
4 下側平坦面
5 上側平坦面
5a 充填材
6、6a、6b 継ぎ目
7 ストリップ材
8 中詰材
8a 砕石
8b 現地発生土
9 孔
11、12 帯状体
13 接合部
14 セル構造体の一端部
15 オーバーラップ部分
16 第1連結部
17 第2連結部
18 分岐部
19 屈曲部
21 結束バンド
22 通し孔
30 連結具
31 第1部分
32 第2部分
33 差込部
34 頭部
35 ベース部
36 固定フック
37 差込孔
40 ステープル
50 擁壁
51 段構造体
61 溝
62 棒状連結材
63 土のう
64 アンカーピン
110 補強材
111 本体部
112 芯材
113 荷重受部
114 充填部
120 U字溝
130 アンカーバー

Claims (12)

  1. 複数のセル集合体を水平方向に連結することにより形成される段構造体を複数段に積層して擁壁を構築する工法において、
    前記セル集合体の各々は、ハニカム状に配列され且つ互いに一体化された複数のセル構造体を有し、
    前記セル構造体の各々は、可撓性の一対の帯状体により形成され、
    前記一対の帯状体は、それらの長手方向における両端部の各々に配置された接合部において互いに接合されることにより一体化されて、前記セル構造体を形成し、
    当該工法は、
    前記一対の帯状体の間に形成される空間が上下方向にそれぞれ開口した姿勢となるように、複数の前記セル集合体を水平方向に並べて配置する工程と、
    水平方向において隣り合う前記セル集合体の端部に位置する前記セル構造体のうち、互いに対応するセル構造体どうしを相互に連結する工程と、
    各セル構造体内に中詰材を充填する工程と、
    を備え、
    前記セル構造体どうしを相互に連結する工程では、相互に連結される一対のセル構造体の一端部どうしを相互にオーバーラップさせて、そのオーバーラップ部分における第1連結部および第2連結部の各々において前記一対のセル構造体どうしを連結し、
    前記第1連結部と前記第2連結部とは、前記一対のセル構造体の並び方向において互いにオフセットされている擁壁の構築工法。
  2. 前記セル構造体どうしを相互に連結する工程では、前記第1連結部と前記第2連結部とのうちの少なくとも何れか一方が、前記一対のセル構造体の各々の前記一端部の前記接合部に対して、前記並び方向においてオフセットされるように、前記一対のセル構造体の一端部どうしを連結する請求項1に記載の擁壁の構築工法。
  3. 前記セル構造体どうしを相互に連結する工程では、前記一対のセル構造体の各々の前記一端部の前記接合部が、前記並び方向において前記第1連結部と前記第2連結部との間に配置されるように、前記一対のセル構造体の一端部どうしを連結する請求項2に記載の擁壁の構築工法。
  4. 前記第1連結部と前記第2連結部とにおいて前記一対のセル構造体どうしを連結する連結具として、金属の含有比率が50重量%未満の連結具を用いる請求項1乃至3の何れか一項に記載の擁壁の構築工法。
  5. 前記連結具における樹脂の含有比率が50重量%以上である請求項4に記載の擁壁の構築工法。
  6. 前記第1連結部と前記第2連結部とにおいて前記一対のセル構造体どうしを連結する連結具は結束バンドであり、
    前記セル構造体どうしを相互に連結する工程では、前記一対のセル構造体の各々の前記一端部に形成された通し孔を通して前記結束バンドにより前記一対のセル構造体の一端部どうしを連結する請求項1乃至5の何れか一項に記載の擁壁の構築工法。
  7. 一の前記段構造体における前記セル集合体どうしの継ぎ目の位置と、
    前記一の段構造体に隣接する段の前記段構造体における前記セル集合体どうしの継ぎ目の位置と、
    が平面視において互いにずれるように、複数の前記段構造体を積層する請求項1乃至6の何れか一項に記載の擁壁の構築工法。
  8. 隣り合う前記段構造体を貫通する棒状の補強材を設ける工程を更に有する請求項1乃至7の何れか一項に記載の擁壁の構築工法。
  9. 前記補強材の長手方向が鉛直方向に延在するように前記補強材を設ける請求項8に記載の擁壁の構築工法。
  10. 前記擁壁を傾斜面に沿って構築する請求項1乃至9の何れか一項に記載の擁壁の構築工法。
  11. 前記セル集合体は、互いに並列に配置された3枚以上のストリップ材を有し、このうち互いに隣り合う一対のストリップ材は、それらの長手方向において一定間隔で配置された接合部の各々において相互に接合され、このうち一の接合部から、前記一対のストリップ材の長手方向において当該一の接合部の隣に位置する他の接合部までの範囲の前記一対のストリップ材により個々の前記セル構造体が構成され、
    前記ストリップ材のうち、互いに隣り合う第1のストリップ材と第2のストリップ材とは、それらの長手方向において一定間隔で配置された第1接合部の各々において相互に接合され、
    前記第2のストリップ材と、前記第2のストリップ材に対して前記第1のストリップ材とは反対側に隣接する第3の前記ストリップ材とは、それらの長手方向において一定間隔で配置された第2接合部の各々において相互に接合され、
    前記第2接合部の並び方向における各第2接合部の位置は、隣り合う前記第1接合部の中間の位置に設定されている請求項1乃至10の何れか一項に記載の擁壁の構築工法。
  12. 複数のセル集合体を水平方向に連結することにより形成された段構造体が複数段に積層されてなる擁壁であって、
    前記セル集合体の各々は、ハニカム状に配列され且つ互いに一体化された複数のセル構造体を有し、
    前記セル構造体の各々は、可撓性の一対の帯状体により形成され、
    前記一対の帯状体は、それらの長手方向における両端部の各々に配置された接合部において互いに接合されることにより一体化されて、前記セル構造体を形成し、
    前記一対の帯状体の間に形成される空間が上下方向にそれぞれ開口した姿勢となるように、複数の前記セル集合体が水平方向に並べて配置され、
    水平方向において隣り合う前記セル集合体の端部に位置する前記セル構造体のうち、互いに対応するセル構造体どうしが相互に連結され、
    各セル構造体内に中詰材が充填され、
    相互に連結された一対のセル構造体の一端部どうしが相互にオーバーラップし、そのオーバーラップ部分における第1連結部および第2連結部の各々において前記一対のセル構造体どうしが連結され、
    前記第1連結部と前記第2連結部とは、前記一対のセル構造体の並び方向において互いにオフセットされている擁壁。
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