JP2015016391A - アミン類のニトロソ化物を分解する方法、並びに被処理ガス中の二酸化炭素を回収する方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】燃焼排ガス中の二酸化炭素を吸収するために用いられたアミン類水溶液などのようなアミン類のニトロソ化物を含む被処理液を、塩酸や臭化水素酸などのハロゲン化水素酸の存在下、水の沸点以上で且つ該アミン類の沸点以下の温度にて、加熱することを含む方法によって、アミン類のニトロソ化物を分解してアミン類を再生する。
【選択図】図4
Description
アミン類のニトロソ化物の分解方法。
〔2〕被処理液はアミン類をさらに含む、〔1〕に記載のアミン類のニトロソ化物の分解方法。
〔3〕ハロゲン化水素の量が、アミノ基及びニトロソ基の合計量100モル部に対して、100モル部以上である、〔2〕に記載のアミン類のニトロソ化物の分解方法。
〔4〕被処理液が、燃焼排ガス中の二酸化炭素を吸収するために用いられたアミン類水溶液である、〔1〕〜〔3〕のいずれかひとつに記載のアミン類のニトロソ化物の分解方法。
〔6〕前記加熱を、大気圧以下の圧力にて行う、〔1〕〜〔5〕のいずれかひとつに記載のアミン類のニトロソ化物の分解方法において、アミン類のニトロソ化物を含むアミン類とハロゲン化水素酸との混合物の沸点が100℃以下になるように圧力を調節することを特徴とするアミン類のニトロソ化物の分解方法。
〔7〕アミン類がアルカノールアミン類である〔1〕〜〔6〕のいずれかひとつに記載のアミン類のニトロソ化物の分解方法。
〔8〕ハロゲン化水素酸の存在下での加熱の後、アルカリ成分の存在下で加熱することをさらに含む〔1〕〜〔7〕のいずれかひとつに記載のアミン類のニトロソ化物の分解方法。
〔9〕 アミン類のニトロソ化物を含む被処理液を、pH3未満にして、水の沸点以上で且つ該アミン類の沸点以下の温度にて、加熱することを含む、
アミン類のニトロソ化物の分解方法。
CO2リッチ吸収液を加熱して二酸化炭素を脱離させてCO2リーン吸収液に再生する工程(II)、
再生されたCO2リーン吸収液の一部を、ハロゲン化水素酸の存在下に、水の沸点以上で且つアミン類の沸点以下にて、加熱する工程(III)、および
工程(II)で再生されたCO2リーン吸収液の残部および/または工程(III)で加熱されたCO2リーン吸収液を前記二酸化炭素吸収工程(I)に供給する工程(IV)、
を有する被処理ガス中の二酸化炭素を回収する方法。
〔11〕工程(III)で加熱されたCO2リーン吸収液をアルカリ成分の存在下で加熱する工程(V)をさらに有する〔10〕に記載の被処理ガス中の二酸化炭素を回収する方法。
一級アミンとしては、モノメタノールアミン、モノエタノールアミンなどのモノアルカノールアミン;メチルアミン、エチルアミンなどのアルキルアミンなどが挙げられる。
二級アミンとしては、ジメチルアミン、ジエチルアミン、メチルエチルアミン、t-ブチルエチルアミン、ジブチルアミンなどのジアルキルアミン;ジメタノールアミン、ジエタノールアミンなどのジアルカノールアミン;N-メチル-N-(ヒドロキシエチル)アミン、N-エチル-N-(ヒドロキシエチル)アミン、N-エチル-N-(ヒドロキシブチル)アミン、N-イソプロピル-N-(ヒドロキシエチル)アミン、N-メチル-N-(ヒドロキシプロピル)アミンなどのN-アルキル-N-(ヒドロキシアルキル)アミン;ヘプタメチレンイミン、ピペラジン、ピペリジン、モルホリンなどの環状アミンなどが挙げられる。
三級アミンとしては、トリメチルアミン、トリエチルアミンなどのトリアルキルアミン、トリメタノールアミン、トリエタノールアミンなどのトリアルカノールアミン;キヌクリジン、ピリジンなどの環状アミンなどが挙げられる。
これらのうち、アルカノールアミン類が好ましく、N-ヒドロキシアルキルアミン、N-アルキル-N-ヒドロキシアルキルアミンがより好ましい。
また、被処理液のpHは、5未満であることが好ましく、3未満であることがより好ましく、2未満であることがさらに好ましい。
本発明において、工程(I)、工程(II)および工程(IV)は、通常、連続的に且つ同時に行われる。
工程(I):被処理ガス11はブロワ12にて吸収塔1の底部3に供給され、充填層2を上昇し、頂部から処理済みガス4として放出される。被処理ガス11はその圧力が常圧以上になっていてもよいし、常圧であってもよい。被処理ガス11の温度は100℃以下が好ましい。充填層2の上部にアミン類を含むCO2リーン吸収液がノズル6から降り注がれ、充填層2にて被処理ガスと接触し、被処理ガス中の二酸化炭素を吸収し、吸収塔底部10に溜まる。底部10に溜まった液は、二酸化炭素を豊富に含み、CO2リッチ吸収液と呼ばれる。
工程(V):工程(III)で加熱されたCO2リーン吸収液に熱安定性塩が残っている場合はスラッジとしてリクレーミング装置24から取り出すか、またはアルカリ成分(例えば、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩など)を添加し加熱して熱安定性塩をアミン類に再生する。再生されたアミン類は気化させて脱離塔に戻すことができる。
アミン化合物の量はイオンクロマトグラフ(DIONEX製 ICS−1500)で測定した。なお、アミン化合物の量は塩化アミンをアミン化合物に重量換算した量を含む。
図1に示す装置を用いて実施した。
ジエタノールアミン(C4H11NO2、DEA、分子量105g/mol、沸点268.8℃(昭和化学のMSDSによる))8.5質量部(80.95モル部)、水分1.499質量部、およびニトロソジエタノールアミン(C4H10N2O3、NDEA、分子量134g/mol)0.001質量部(0.007モル部)の混合液を用意した。
温度140℃に調整されたシリコーンオイル102を溜めたオイルバス101にフラスコ103を浸けて調製液を30分間加熱した。フラスコ103は連結管107を経由して冷却管105に接続されている。フラスコ103の上部及び連結管107はヒータ106で結露しないように加熱されている。フラスコ103で蒸発した気体は20℃の冷却水108が循環する冷却管105で凝縮させ該凝縮液109を回収瓶(図示せず)で回収した。
また、凝縮液109に含まれるアミン化合物の量およびフラスコ103に残った液に含まれるアミン化合物の量を測定しその合計を算出した。アミン化合物の合計量は調製液に含まれていたアミン化合物の量からの変化は無かった。すなわち、アミン化合物は分解しなかった。
塩酸の代わりに水8.62質量部を添加した以外は実施例1と同じ方法で実施した。アミン化合物およびニトロソ化合物の合計量は、いずれも、調製液に含まれていたアミン化合物の量およびニトロソ化合物の量から変化が無かった。ニトロソ化合物は全く分解しなかった。
図2に示す装置(オイルバス101による加熱の代わりにマントルヒータ206にて280℃で加熱)を用いた以外は実施例1と同じ方法で実施した。ニトロソ化合物の合計量は検出限界以下であった。また、アミン化合物の合計量は7割程度まで減少していた。すなわち、ニトロソ化合物は完全に分解したが、ニトロソ化合物の分解と同時にCO2吸収に有用なアミン化合物も分解した。
シリコーンオイル102の温度を110℃に変え、加熱時間を1時間に変えた以外は実施例1と同じ方法で実施した。ニトロソ化合物の合計量はほぼ検出限界以下であった。すなわち、ニトロソ化合物はほぼ完全に分解した。アミン化合物の合計量は調製液に含まれていたアミン化合物の量から変化が無かった。すなわち、アミン化合物は分解しなかった。
シリコーンオイル102の温度を90℃に変え、加熱時間を1時間に変えた以外は実施例1と同じ方法で実施した。アミン化合物およびニトロソ化合物の合計量は、いずれも、調製液に含まれていたアミン化合物の量およびニトロソ化合物の量から変化が無かった。ニトロソ化合物は全く分解しなかった。
塩酸の代わりに水8.62質量部を添加した以外は実施例2と同じ方法で実施した。アミン化合物およびニトロソ化合物の合計量は、いずれも、調製液に含まれていたアミン化合物の量およびニトロソ化合物の量から変化が無かった。ニトロソ化合物は全く分解しなかった。
塩酸の代わりに臭化水素酸(臭化水素濃度48質量%)14.2質量部(84.24モル部)を添加した以外は実施例2と同じ方法で実施した。ニトロソ化合物の合計量は検出限界以下であった。すなわち、ニトロソ化合物は完全に分解した。アミン化合物の合計量は調製液に含まれていたアミン化合物の量から変化が無かった。すなわち、アミン化合物は分解しなかった。
塩酸の代わりにヨウ化水素酸(用化水素濃度57質量%)19.1質量部(85.11モル部)を添加した以外は実施例2と同じ方法で実施した。ニトロソ化合物の合計量は検出限界以下であった。すなわち、ニトロソ化合物は完全に分解した。アミン化合物の合計量は調製液に含まれていたアミン化合物の量から変化が無かった。すなわち、アミン化合物は分解しなかった。
ジエタノールアミンの代わりにN-ジn-ブチルアミンを用い、ニトロソジエタノールアミンの代わりにN-ニトロソジn-ブチルアミン(沸点237℃)を用いた以外は実施例1と同じ方法で実施した。ニトロソ化合物の合計量は検出限界以下であった。すなわち、ニトロソ化合物は完全に分解した。アミン化合物の合計量は調製液に含まれていたアミン化合物の量から変化が無かった。すなわち、アミン化合物は分解しなかった。
ジエタノールアミンの代わりにN-エチルアミノエタノールを用い、ニトロソジエタノールアミンの代わりにN-エチル-N-(2-ヒドロキシエチル)ニトロソアミン(103℃の蒸気圧3mmHg)を用い、シリコーンオイル102の温度を103℃に変えた以外は実施例1と同じ方法で実施した。ニトロソ化合物の合計量は検出限界以下であった。すなわち、ニトロソ化合物は完全に分解した。アミン化合物の合計量は調製液に含まれていたアミン化合物の量から変化が無かった。すなわち、アミン化合物は分解しなかった。
ピペラジン(2価のアミン化合物、分子量86g/mol)1.0質量部(11.63モル部)、 水8.999質量部、および1-ニトロソピペラジン(分子量115g/mol、沸点265℃)0.001質量部(0.009モル部)の混合液を用意した。
実施例1で用いた混合液を前記混合液に変え、塩酸(塩化水素濃度36質量%)の量を2.53質量部(25.0モル部)に変えた以外は実施例1と同じ方法で実施した。ニトロソ化合物の合計量は検出限界以下であった。すなわち、ニトロソ化合物は完全に分解した。アミン化合物の合計量は調製液に含まれていたアミン化合物の量から変化が無かった。すなわち、アミン化合物は分解しなかった。
冷却器105に接続された回収瓶をアスピレータ(Yamato WP-15)に繋ぎ連続的に排気してフラスコ103内の圧力を絶対圧力50kPaに変え、冷却水の温度を4℃に変えた以外は比較例3と同じ方法で実施した。この際、水の沸点は約82℃であった。ニトロソ化合物の合計量はほぼ検出限界以下であった。すなわち、ニトロソ化合物はほぼ完全に分解した。アミン化合物の合計量は調製液に含まれていたアミン化合物の量から変化が無かった。すなわち、アミン化合物は分解しなかった。大気圧下でニトロソ化合物の分解が進行しない低温(比較例3参照)であっても、圧力を大気圧以下に下げることによってニトロソ化合物の分解が促進されることが確認された。
水9.999質量部、およびニトロソジエタノールアミン0.001質量部(0.007モル部)の混合液を用意した。
実施例1で用いた混合液を前記混合液に変え、塩酸(塩化水素濃度36質量%)の量を0.0112質量部(0.11モル部)に変えた以外は実施例1と同じ方法で実施した。ニトロソ化合物の合計量は検出限界以下であった。すなわち、ニトロソ化合物は完全に分解した。一方、調製液に含まれてなかったアミン化合物が検出された。ニトロソ化合物の分解によってアミン化合物を生成したことが確認できた。
図3に示すリクレーミング装置を用いて実施した。
実施例1で用意した調製液と同じ組成の液13を供給口311からリクレーミング容器308に入れ、伝熱管309に140℃の水蒸気301を供給することにより液13を加熱した。加熱中は排気口312からのガスを20℃に冷却して凝縮液を回収した。リクレーミング後にリクレーミング容器308内に残った液を抜出口310から抜き出した。
凝縮液に含まれるニトロソ化合物の量および抜出口310から抜き出した液に含まれるニトロソ化合物の量を測定しその合計を算出した。ニトロソ化合物の合計量は検出限界以下であった。すなわち、ニトロソ化合物は完全に分解した。
また、凝縮液に含まれるアミン化合物の量および抜出口310から抜き出した液に含まれるアミン化合物の量を測定しその合計を算出した。アミン化合物の合計量は調製液に含まれていたアミン化合物の量から変化が無かった。すなわち、アミン化合物は分解しなかった。リクレーミング装置によってニトロソ化合物の分解ができることを確認できた。
106 ヒータ、107 連結管、 108 冷却水、109 凝縮液、 206 マントルヒータ、
308 リクレーミング容器、 309 伝熱管、 301 水蒸気、 302 ドレイン、
310 液抜出口、 311 液供給口、 312 排気口
Claims (11)
- アミン類のニトロソ化物を含む被処理液を、ハロゲン化水素酸の存在下に、水の沸点以上で且つ該アミン類の沸点以下の温度にて、加熱することを含む、
アミン類のニトロソ化物の分解方法。 - 被処理液はアミン類をさらに含む、請求項1に記載のアミン類のニトロソ化物の分解方法。
- ハロゲン化水素の量が、アミノ基及びニトロソ基の合計量100モル部に対して、100モル部以上である、請求項2に記載のアミン類のニトロソ化物の分解方法
- 被処理液が、燃焼排ガス中の二酸化炭素を吸収するために用いられたアミン類水溶液である、請求項1〜3のいずれかひとつに記載のアミン類のニトロソ化物の分解方法。
- ハロゲン化水素酸が、塩酸、臭化水素酸、およびヨウ化水素酸からなる群より選ばれる少なくとも一つである、請求項1〜4のいずれかひとつに記載のアミン類のニトロソ化物の分解方法。
- 前記加熱を、大気圧以下の圧力下にて行う、請求項1〜5のいずれかひとつに記載のアミン類のニトロソ化物の分解方法において、アミン類のニトロソ化物を少なくとも含むアミン類とハロゲン化水素酸の混合物の沸点が100℃以下になるように圧力を調節することを特徴とするアミン類のニトロソ化物の分解方法。
- アミン類がアルカノールアミン類である請求項1〜6のいずれかひとつに記載のアミン類のニトロソ化物の分解方法。
- ハロゲン化水素酸の存在下での加熱の後、アルカリ成分の存在下で加熱することをさらに含む請求項1〜7のいずれかひとつに記載のアミン類のニトロソ化物の分解方法。
- アミン類のニトロソ化物を含む被処理液を、pH3未満にして、水の沸点以上で且つ該アミン類の沸点以下の温度にて、加熱することを含む、
アミン類のニトロソ化物の分解方法。 - 二酸化炭素を含む被処理ガスとアミン類を含むCO2リーン吸収液とを接触させて、二酸化炭素をCO2リーン吸収液に吸収させて、CO2リッチ吸収液を得る工程(I)、
CO2リッチ吸収液を加熱して二酸化炭素を脱離させてCO2リーン吸収液に再生する工程(II)、
再生されたCO2リーン吸収液の一部を、ハロゲン化水素酸の存在下に、水の沸点以上で且つアミン類の沸点以下の温度にて、加熱する工程(III)、および
工程(II)で再生されたCO2リーン吸収液の残部および/または工程(III)で加熱されたCO2リーン吸収液を前記二酸化炭素吸収工程(I)に供給する工程(IV)、
を有する被処理ガス中の二酸化炭素を回収する方法。 - 工程(III)で加熱されたCO2リーン吸収液をアルカリ成分の存在下で加熱する工程(V)をさらに有する請求項10に記載の被処理ガス中の二酸化炭素を回収する方法。
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