JP2015015913A - 呈味が改善された液体調味料 - Google Patents

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Abstract

【課題】食塩濃度を高めることなく、塩味、呈味性を向上させた液体調味料を提供すること。【解決手段】液体調味料にグルタミン酸を1.5〜15.0%(w/v)、アンモニウムイオンを0.6〜4.0%(w/v)含有させ、pHを3.2〜6.0に調整する。【選択図】なし

Description

本発明は、食塩濃度を高めることなく、塩味、呈味性を向上させた液体調味料に関する。
食塩は飲食品への味の賦与、保存性向上、物性改善などの重要な役割を果たしており、また同時に人体にも必要不可欠な成分である。しかし、食塩の過多な摂取は腎臓病、心臓病あるいは高血圧症に悪影響を及ぼすと言われており、近年の消費者の健康志向の高まりから、食塩摂取量の低下が求められている。そのため、液体調味料は低塩化が進んでいるが、低塩化された調味料には味の物足りなさという問題があり、なかなか普及していない。
一般に、飲食品の低塩化に食塩の代わりとして使用されている塩味代替物質(それ自身が塩味を呈する物質)には塩化カリウム、塩化アンモニウムなどが知られている(例えば、特許文献1参照)。これらは、塩味のほかに苦味と特有の不快な呈味(以下、異味という)を有しているため使い方が難しい。通常、それら異味をカバーするため、異味抑制物質との組み合わせにより使用されている。塩化カリウムでは生じる異味を抑制する技術として、例えば旨味物質(例えば、特許文献2参照)、ポリ−γ−グルタミン酸(例えば、特許文献3参照)、酸性アミノ酸(例えば、特許文献4参照)、有機酸(例えば、特許文献1参照)、グルコン酸塩と乳清ミネラル(例えば、特許文献5参照)を添加する方法等が提案されている。しかし、塩化カリウムは塩化ナトリウムに比べて塩味強度が弱いため、塩化ナトリウムと同等の塩味を再現する程度まで塩化カリウムと異味抑制剤を添加すると、味質が変わってしまう問題がある。一方で、塩化アンモニウムは塩化カリウムよりも塩味が強い点が優れているが、塩化カリウムの呈味とは異質で複雑な異味があり、高濃度で添加することが難しく、利用が進んでいない。そのため、このような塩化アンモニウム特有の異味を抑制する技術開発が強く求められている。
上記の塩味代替物質のほかに、飲食品の低塩化のため塩味増強物質(それ自身は塩味を呈しないが、食塩の塩味を強調する効果を有する物質)が使用されている。塩味増強物質としては例えば、アルギニン等の塩基性アミノ酸(例えば、特許文献6参照)、蛋白質・核酸の加水分解物(例えば、特許文献7,8参照)、ペプチド(例えば、特許文献9参照)、カプサイシン(例えば、特許文献10参照)、ソルビトールやトレハロース等の甘味料(例えば、特許文献11,12参照)が知られている。しかしながら塩味増強物質を単独で使用する場合は、十分な塩味補強効果が得られにくい。そこで、塩味代替物質との併用も試みられているが、上述のとおり塩味代替物質の異味抑制剤も使用する必要があり、味の調和がとりにくく、味質も大きく変わってしまうという問題がある。
特開2006−141223号公報 特開平11−187841号公報 特開2009−136266号公報 特開2006−149205号公報 特開2008−289426号公報 特開2002−345430号公報 国際公開第01/039613号パンフレット 特開2009−148216号公報 特表2009−512425号公報 特開2001−245627号公報 特開2008−99624号公報 特開平10−66540号公報
本発明が解決しようとする課題は、食塩濃度を高めることなく、塩味、呈味性を向上させた液体調味料を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、グルタミン酸とアンモニウムイオンを一定の範囲で含有させた液体調味料について、pHが一定範囲にある場合に、食塩濃度を高めることなく、特有の異味を抑えて塩味、呈味性を高めた液体調味料が得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、
1)グルタミン酸を1.5%(w/v)以上、アンモニウムイオンを0.6〜4.0%(w/v)含有し、pHが3.2〜6.0である液体調味料、
2)液体調味料が醤油である上記1)に記載の液体調味料、
を、提供するものである。
本発明によれば、食塩濃度を高めることなく、塩味、呈味性を向上させた液体調味料を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の液体調味料のベースとなる調味料としては、醤油様調味料が挙げられる。醤油様調味料とは、高タンパク質含有原料を加水分解し、液体部分を採取して調味を目的として使用されるものである。例えば、大豆や小麦などの植物性原料を加熱処理し、これに麹菌を繁殖させた後、食塩水中にて発酵、熟成させた醸造醤油、植物性原料を酸や酵素で分解して造られる化学醤油やHydrolyzed Vegetable Protein(HVP)、魚介類を発酵させた魚醤、蓄肉類を発酵させた肉醤、魚介類や蓄肉類を酵素や酸で分解させたHydrolyzed Animal Protein(HAP)等が挙げられる。これらの中でも、醸造醤油が好ましく、例えば醤油品質表示基準(農水省告示第1665号、改正告示第1704号)に記載される醤油が特に好ましい。醸造醤油には、原料の大豆と小麦との比率、原料処理の方法、塩分濃度等の製法の違いによって種々のものがあり、例えば、こいくち、うすくち、たまり、しろ、さいしこみ等が挙げられる。本発明においては、醤油様調味料は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
本発明の液体調味料は、醤油様調味料をベースにした液体調味料であってもよく、例えばドレッシング、めんつゆ・なべつゆ・だしつゆ等のつゆ類、焼き肉・焼き鳥・納豆等用のたれ類等が挙げられる。
本発明の食塩濃度としては、通常の醤油様調味料よりも低塩化されている濃度であればすべて含まれるが、例えば13%(w/v)以下であり、好ましくは0.5〜12%(w/v)である。
食塩濃度の定量方法は特に限定されないが、例えば原子吸光分析法、モール法等が挙げられる。
本発明の液体調味料中のグルタミン酸濃度は、1.5〜15.0%(w/v)、好ましくは2.0〜12.0%(w/v)であり、さらには2.5〜10.0%(w/v)である。この際、グルタミン酸の溶解度はpHにより影響を受ける点を考慮する必要がある。例えばグルタミン酸や各種グルタミン酸塩の添加による方法や醸造法の改良等(例えばグルタミンからの生成や微生物による発酵生産等)を単独で又は2種以上を組み合わせて実現することができる。グルタミン酸および各種グルタミン酸塩を液体調味料に添加する場合は、如何なる製造工程で行われてもよいし、完成品に添加されてもよい。グルタミン酸濃度の定量方法は特に限定されないが、例えば高速液体クロマトグラフィーで測定する方法等が挙げられる。
本発明の液体調味料中のアンモニウムイオン濃度は、0.6〜4.0%(w/v)、好ましくは0.9〜3.0%(w/v)であり、さらには1.2〜2.0%(w/v)である。例えば各種アンモニウム塩の添加による方法や醸造法の改良等(例えば、グルタミンの分解による生成や微生物による発酵生産等)を単独で又は2種以上を組み合わせて実現することができる。アンモニウム塩を液体調味料に添加する場合は、如何なる製造工程で行われてもよいし、完成品に添加されてもよい。添加される各種アンモニウム塩としては、食品として用いることができるものであれば特に限定されないが、例えば、塩化アンモニウム、グルタミン酸アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸二水素アンモニウムなどのアンモニウム塩等が用いられ、特に塩化アンモニウム、グルタミン酸アンモニウムが好ましく用いられる。アンモニウムイオン濃度の定量方法は特に限定されないが、例えば高速液体クロマトグラフィーで分離し、ニンヒドリン法で検出する方法等が挙げられる。
本発明の液体調味料中のpHは3.2〜6.0であるが、好ましくは3.6〜5.8であり、さらに4.0〜5.6である。pHの調整が必要な場合、食品で使用可能な酸味料やpH調整剤等であれば特に限定されないが、pHを下げるには、例えば塩酸、乳酸、リン酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸などを用いることができ、またpHを上げるには、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、重曹などを用いることができる。pHの測定は特に限定されないが、例えばガラス電極法などが用いられる。
本発明品である液体調味料は、ピログルタミン酸を適当量組み合わせるとさらに風味が良好となり好ましい。
本発明品である液体調味料は、そのまま調味料として、又は乾燥、濃縮することによりペースト状の調味料とすることができる。さらに、一般的な製剤化法により、粉末状、細粒状、顆粒状又は板状等の形態に成形することができる。また、加水することにより、スープ等として飲用することができる。
以下、実施例に即して本発明を具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの記載によって何ら限定されるものではない。なお、本実施例における官能評価は十分に訓練された専門パネルを用いて実施している。
〔本発明の液体調味料の製造〕
[本出願人の特許文献(特開2006−087328号公報)を参照]
蒸煮変性した脱脂大豆と炒熬割砕した小麦とを略等量混合し、これに種麹を接種し、42時間通風製麹して醤油麹を得、これを高濃度食塩水に仕込み、25〜30℃で、適宜攪拌しながら150日間常法通りの諸味管理を行い、発酵熟成させた後、圧搾濾過して食塩約18%(w/v)、全窒素量約1.7%(w/v)の生醤油を得た。
この生醤油を80℃で3時間火入れした後、清澄濾過した。電気透析装置にて脱塩処理し、食塩0.5%(w/v)、全窒素量約1.6%(w/v)、アンモニウムイオン0.03%(w/v)、グルタミン酸濃度1.1%(w/v)、pH5.0の脱塩醤油(以下、食塩濃度0.5%ベース醤油)を得た。ここへ食塩濃度を3.5%(w/v)、7.5%(w/v)、11.5%(w/v)添加し、それぞれ食塩濃度4%ベース醤油、食塩濃度8%ベース醤油、食塩濃度12%ベース醤油を得た。
〔醤油中成分の測定法〕
食塩濃度は、ナトリウム濃度を原子吸光光度計AA6300(島津製作所社製)により測定し、これを食塩濃度に換算することにより求めた。全窒素量は、ケルダール法により求めた。アンモニウムイオン濃度、グルタミン酸濃度は液体クロマトグラフィー法により測定し、pHはpHメーターHM−25R(東亜ディーケーケー社製)を用いて測定した。
〔異なるグルタミン酸濃度におけるアンモニウムイオンの効果〕
食塩濃度8%ベース醤油に塩化アンモニウムをアンモニウムイオン換算で0.9%(w/v)添加、攪拌し、pHを乳酸、水酸化カリウムで5.0に調整したものを対照品1とした。対照品1に、グルタミン酸塩酸塩をそれぞれグルタミン酸換算で0.2%(w/v)、0.4%(w/v)、0.9%(w/v)、1.9%(w/v)、3.9%(w/v)、4.9%(w/v)、6.9%(w/v)、8.9%(w/v)、10.9%(w/v)、13.9%(w/v)、18.9%(w/v)添加後、pHを乳酸、水酸化カリウムで5.0に調整し、グルタミン酸添加調味料(試験品1〜12)を得た。
試験品1〜12について、対照品1と比較したときの塩味強度、異味抑制効果、嗜好性について、専門のパネリスト5名による官能評価を実施した。
官能評価は、対照品1と比較したときの塩味の強さ、異味抑制効果、嗜好性の各強度の強さ順に、明らかに強い場合は5、やや強い場合は4、若干強い場合は3、変化が無い場合は2、弱い場合は1として評価を行った。各項目3以上、合計9以上のサンプルについて、顕著に良好な配合であると判断した。
各サンプルの官能評価の結果を表1に示す。
Figure 2015015913
塩味についてはグルタミン酸濃度が1.3%(w/v)では対照品との差が見られないと評価され、グルタミン酸濃度が1.5%(w/v)になると塩味は対照品と比べて若干強くなり、グルタミン酸濃度が3.0%(w/v)になると塩味は対照品と比べてやや強いと評価され、グルタミン酸濃度が5.0%(w/v)になると塩味は明らかに強いと評価された。それ以上のグルタミン酸濃度となると、グルタミン酸濃度が8.0%(w/v)になると塩味は対照品と比べてやや強いと評価され、グルタミン酸濃度が15.0%(w/v)になると塩味は対照品と比べてやや強いと評価され、グルタミン酸濃度が20.0%(w/v)になると塩味は対照品との差が見られないと評価された。
異味抑制効果についてはグルタミン酸濃度が1.3%(w/v)になると対照品との差が見られないと評価され、グルタミン酸濃度が1.5%(w/v)になると異味抑制効果は対照品と比較して若干強く感じられると評価され、グルタミン酸濃度が3.0%(w/v)になると異味抑制効果は対照品と比較してやや強いと評価され、グルタミン酸濃度が5.0%(w/v)では異味抑制効果は対照品と比較して明らかに強いと評価された。それ以上の濃度となると、グルタミン酸濃度が10.0%(w/v)になると異味抑制効果が対照品と比較してやや強いと評価され、グルタミン酸濃度が12.0%(w/v)以上になると異味抑制効果が対照品と比較して若干強いと評価された。
嗜好性についてはグルタミン酸濃度が1.3%(w/v)では対照品と比較して若干強いと評価され、グルタミン酸濃度が2.0%(w/v)になると嗜好性は対照品と比べてやや強いと評価され、グルタミン酸濃度が4.0%(w/v)になると嗜好性は対照品と比べて明らかに強いと評価された。それ以上のグルタミン酸濃度となると、グルタミン酸濃度が10.0%(w/v)になると嗜好性は対照品と比べてやや強いと評価され、グルタミン酸濃度が15.0%(w/v)になると嗜好性は対照品と比べてやや強いと評価され、グルタミン酸濃度が20.0%(w/v)になると嗜好性は対照品と比較して弱いと評価された。
試験品1〜12の評価によって、グルタミン酸濃度が1.5〜15.0%(w/v)になると、異味の抑制された塩味、嗜好性の高い調味料となることが示された。
〔異なるアンモニウムイオン濃度における効果〕
食塩濃度8%ベース醤油にグルタミン酸塩酸塩をそれぞれグルタミン酸換算で1.9%(w/v)添加、攪拌して、グルタミン酸添加ベース調味料とし、そこへ塩化アンモニウムをアンモニウムイオン換算でそれぞれ0.6%(w/v)、0.9%(w/v)、1.2%(w/v)、1.5%(w/v)、2.0%(w/v)、3.0%(w/v)、4.0%(w/v)、5.0%(w/v)添加後、pHを乳酸、水酸化カリウムで5.0に調整し、試験品4、13〜19を得た。
試験品4、試験品13〜19のグルタミン酸塩酸塩を添加しなかったサンプルをそれぞれの試験品に対する対照品とし、対照品と比較したときの異味抑制効果について、専門のパネリスト5名による官能評価を実施した。
官能評価の評価方法は実施例2と同様に行った。
各サンプルの官能評価の結果を表2に示す。
Figure 2015015913
異味抑制効果についてはアンモニウムイオン濃度が0.6〜4.0%(w/v)までは若干強いかそれ以上と評価され、アンモニウムイオン濃度が0.9〜3.0%(w/v)ではやや強いかそれ以上、アンモニウムイオン濃度が1.2〜2.0%(w/v)では明らかに強いと評価された。なお、アンモニウムイオン濃度が0.6%(w/v)未満では異味が小さく試験を実施しなかった。試験品4、試験品13〜19の評価によって、アンモニウムイオン濃度が0.6〜4.0%(w/v)になると、異味の抑制された塩味、嗜好性の高い調味料となることが示された。
〔異なるpHにおける効果〕
食塩濃度8%ベース醤油にグルタミン酸塩酸塩をそれぞれグルタミン酸換算で1.9%(w/v)、塩化アンモニウムをアンモニウムイオン換算で0.9%(w/v)添加、攪拌し、pHを乳酸、水酸化カリウムで3.2〜7.0に調整し、pH調整調味料(試験品20〜31)を得た。
同じpHの食塩濃度8%ベース醤油と比較したときの塩味強度、異味抑制効果、嗜好性について、専門のパネリスト5名による官能評価を実施した。
官能評価の評価方法は実施例2と同様に行った。
各サンプルの官能評価の結果を表3に示す。
Figure 2015015913
塩味はpHが6.4以上では弱いと評価されたが、pHが3.2〜6.0となると若干強いかそれ以上と評価され、pHが4.0〜5.8となるとやや強いかそれ以上と評価され、pHが4.5〜5.4となると明らかに強いと評価された。異味の抑制効果については、pHが6.4以上では弱いと評価されたが、pHが3.2〜6.0となると若干強いかそれ以上と評価され、pHが3.6〜5.6ではやや強いと評価され、pHが4.5〜5.4では明らかに強いと評価された。嗜好性はpHが6.4以上では弱いと評価されたが、pHが3.2〜6.0となると若干強いかそれ以上と評価され、pHが3.6〜5.8ではやや強いと評価され、pHが4.0〜5.6では明らかに強いと評価された。試験品20〜31の評価によって、pHが3.2〜6.0の範囲では、塩味、呈味が向上した調味料となることが示された。
〔異なる食塩濃度における効果〕
食塩濃度0.5%ベース醤油、食塩濃度4%ベース醤油、食塩濃度8%ベース醤油、それぞれグルタミン酸塩酸塩をグルタミン酸換算で終濃度3.0%、塩化アンモニウムをアンモニウムイオン換算で1.5%(w/v)添加し、pHを乳酸、水酸化カリウムで5.0に調整したサンプル(試験品15、31〜33)を作製した。専門のパネリスト5名により、塩味強度、異味の抑制度、嗜好性について官能評価を実施し、表4の結果が得られた。
Figure 2015015913
同じ食塩濃度のベースしょうゆと比較し、試験品15、32〜34は塩味、異味の抑制効果、嗜好性とも強いと評価された。低塩にした調味料に対して、食塩濃度に関わり無く塩味、呈味を向上させた調味料を得られることが明らかとなった。
〔調味液中のpHと溶解可能なグルタミン酸濃度の関係〕
食塩濃度16%ベース醤油に塩化アンモニウムをアンモニウムイオン換算で4.0%(w/v)添加、攪拌し、溶解度評価用のベース液とした。そこへグルタミン酸としてグルタミン酸塩酸塩をグルタミン酸換算で3.0〜25.0%(w/v)添加、十分混合した。その後、グルタミン酸の溶解性とpHの関係を確認するため、乳酸、水酸化カリウムで3.2〜6.0に調整し、十分混合した後、目視によりグルタミン酸の沈殿の有無がないか調べた。
pHとグルタミン酸濃度の異なる各サンプルのグルタミン酸の溶解の有無について評価した結果を表5に示す。塩味、呈味に優れた条件であっても、条件によってはグルタミン酸が溶解しない範囲があることを確認した。
Figure 2015015913
〔調理した食品における効果〕
フライパンに4mlのキャノーラ油(日清オイリオグループ社製)をしき、豚ロース肉200gを炒めた。食塩濃度8%のベース醤油および試験品15をそれぞれ10mlずつからめて焼き、パネリスト5名にそれぞれ食させた。ベース醤油よりも試験品15のほうが塩味の強さ、異味の抑制効果に優れ、嗜好性に優れているとの評価であった。また、調理担当者からは、加熱によって異臭が生じることはなく、調味料としての適性を満足しているという評価があった。したがって、調理した食品においても本発明品の優れた効果を確認することができた。
本発明の低塩化した醤油様調味料は、食塩濃度を高めることなく、十分な塩味を賦与し、かつ一般の調味料のように違和感がなく、バランスのある呈味に仕上がっており、喫食時に高い満足度を与えるものである。したがって、低塩志向飲食品の調理、製造に広く利用されるものである。

Claims (2)

  1. グルタミン酸を1.5〜15.0%(w/v)、アンモニウムイオンを0.6〜4.0%(w/v)含有し、pHが3.2〜6.0である液体調味料。
  2. 液体調味料が醤油である請求項1に記載の液体調味料。
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