JP2015015208A - 電池モジュール、電池モジュールを有する電源装置、及び電池モジュールの温度管理方法 - Google Patents

電池モジュール、電池モジュールを有する電源装置、及び電池モジュールの温度管理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】低温環境での始動性を向上可能であるとともに、高温環境での電池温度の上がり過ぎによる信頼性低下を抑制可能な電池モジュールを提供する。
【解決手段】電池モジュール2は、二次電池4と、蓄熱パック6と、発核手段11を具備する。蓄熱パック6は二次電池4と熱交換をする蓄熱材8を備える。蓄熱材8は過冷却をすることが可能である。蓄熱パック6を二次電池4に接するように配置する。発核手段11は過冷却状態の蓄熱材8を発核させる。この発核手段11を蓄熱パック6に取付ける。
【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、二次電池を有する電池モジュール、この電池モジュールを有する電源装置、及び電池モジュールが有する二次電池の温度を管理する電池モジュールの温度管理方法に関する。
相変化材料からなる蓄熱材は、潜熱蓄熱材と称されている。潜熱蓄熱材は、固体から液体に変化する際に潜熱を吸収し、この逆に、液体から固体に変化する際に潜熱を放出する。
この蓄熱材を二次電池に熱的に接続した状態に配置することで、二次電池の発熱を蓄熱材に吸収する技術が提案されている。この提案によれば、二次電池の温度が蓄熱材の温度より高い場合、蓄熱材に二次電池の熱が吸収される。この逆に、二次電池の温度が蓄熱材の温度より低い場合、蓄熱材の熱が二次電池に放出される。
二次電池の温度が保証温度の下限値より低い場合、この二次電池の性能は低下する。換言すれば、二次電池の低温始動性は良くないことが知られている。この課題は、既述の提案を採用することで対処できる。
つまり、二次電池の充放電時(動作時)に発生する熱が蓄熱材に吸収される。これにより、二次電池の動作が停止された場合、蓄熱材の熱で二次電池を保温することが可能となる。したがって、二次電池が保温された状態に保持されていれば、二次電池の動作が停止された状態から二次電池の充放電を開始させた場合、低温環境であっても、二次電池の性能低下が抑制される。
二次電池の使用態様は様々である。二次電池の充放電が長時間行われず、この二次電池が低温環境で放置されるケースがある。代表的には、冬季や寒冷地などにおいて、日中に二次電池の充放電が行なわれた後、翌朝まで二次電池が使用されないケースを挙げることができる。
このケースでは、二次電池の動作停止中に、蓄熱材から低温環境への放熱がある。このため、蓄熱材を熱源として二次電池を長時間にわたり保温することは困難である。
この課題への対策として、蓄熱材をその周囲の環境に対して断熱する手段を講じればよい。
しかし、こうした断熱手段が付設された二次電池は、夏季等の高温環境で充放電を繰り返すと、電池温度が過度に上がる可能性が高められる。二次電池の温度が保証温度の上限値より高くなると、二次電池を構成する材料が熱によって劣化される。これにより、断熱手段が付設された二次電池はその耐久性が低下し、二次電池の信頼性が低下する虞がある。
以上説明したように低温環境での二次電池の始動性を改善するために、二次電池を断熱する手段を講じることは、この二次電池が高温環境で動作されるに伴い、二次電池の信頼性の低下がもたらされる、という課題がある。
特開平9−259938号公報 特開2002−291670号公報 特開2006−329089号公報
実施形態は、低温環境での始動性を向上することが可能であるとともに、高温環境での信頼性の低下を抑制することが可能な電池モジュール、電池モジュールの電源装置、及び電池モジュールの温度管理方法を提供することにある。
前記課題を解決するために、実施形態の電池モジュールは、二次電池と、蓄熱パックと、発核手段を具備する。蓄熱パックは二次電池と熱交換をする蓄熱材を備える。蓄熱材は過冷却をすることが可能である。蓄熱パックを二次電池に接するように配置する。発核手段は過冷却状態の前記蓄熱材を発核させる。この発核手段を蓄熱パックに取付ける。
第1の実施の形態に係る電池モジュールを有する電源装置の構成を概念的に示す図である。 第1の実施の形態に係る電池モジュールが有する蓄熱パックを発核手段とともに示す断面図である。 第1の実施の形態に係る電池モジュールが有する蓄熱パックを他の発核手段とともに示す断面図である。 図1の電源装置の電池モジュールが有する二次電池の温度を管理する手順を示すフローチャートである。 第2の実施の形態に係る電源装置の電池モジュールが有する二次電池の温度を管理する手順を示すフローチャートである。 第3の実施の形態に係る電源装置の構成を概念的に示す横断平面図である。 第6中F7−F7線に沿って示す電池モジュールの断面図である。 第4の実施の形態に係る電源装置が有する電池モジュールを示す図7相当の断面図である。
(第1の実施の形態)
以下、第1の実施の形態を、図1〜図4を参照して詳細に説明する。
図1に示すように電源装置1は、電池モジュール2と、温度センサ21と、制御手段31とを備える。
電池モジュール2は、二次電池4と、蓄熱パック6と、発核手段11とを有する。この電池モジュール2は、電池を保護するための図示しないケーシングに収納される。
二次電池4は、単電池であり、例えばリチウムイオン電池等からなる。二次電池4は、比較的扁平な直方体形状をなしている。
蓄熱パック6は、図2又は図3に示すように容器部材7と、この容器部材7に封入された蓄熱材8を有する。
容器部材7は密閉された容器である。容器部材7は、例えば二次電池4よりも薄く、かつ、二次電池4よりも小形である。この容器部材7は、例えば合成樹脂や金属で作られているが、これに制約されず、ラミネートフィルムで形成することもできる。
容器部材7は、二次電池4の外郭を構成する材料よりも熱伝導性に優れる素材で形成することが好ましい。更に、この素材の厚みは、二次電池4の外郭を構成する材料の厚みより薄いことが好ましい。
蓄熱材8は容器部材7に収納されている。蓄熱材8には、過冷却を有する潜熱蓄熱材(PCM;Phase change material)が用いられている。この蓄熱材8は相変化蓄熱材と称される。
蓄熱材8は、その融点にて固体から液体へと融解する際に吸熱する。この逆に、蓄熱材8は、液体から固体に凝固する際に放熱する。更に、蓄熱材8は、融解されて液体となった状態で、その温度が融点以下になっても凝固せずに、液体の状態を維持する特性を有している。このような特性を過冷却特性という。
蓄熱材8として、例えば酢酸ナトリウム水和物や硫酸ナトリウム水和物等を挙げることができる。酢酸ナトリウム水和物や硫酸ナトリウム水和物は、融解して液体になった状態で氷点付近まで冷却されても、過冷却状態を安定して維持できる特性を有している。
蓄熱パック6は、二次電池4の厚み方向の両側面のうちの少なくとも一方に接するように配置されている。それにより、蓄熱パック6と二次電池4とは、熱的に接するような形態に組み合わされている。ここで、熱的に接するような形態とは、蓄熱材8と二次電池4との熱交換が可能となる形態を指している。
具体的に、第1実施形態では、容器部材7が二次電池4の厚み方向の側面に直に接触する形態に、蓄熱パック6が配置されている。換言すれば、蓄熱パック6が二次電池4の側面に積層された形態に、蓄熱パック6と二次電池4とが組み合わされている。更に、換言すれば、蓄熱パック6が二次電池4の側面に貼付けられた形態に、蓄熱パック6と二次電池4とが組み合わされている。
なお、二次電池4の側面と容器部材7との間に、伝熱部材を挟んだ形態で、蓄熱パック6を配置することも可能である。伝熱部材として例えば熱伝導性に優れる伝熱シートを用いることができる。この場合、薄く柔軟性を有する伝熱シートを使用することが好ましい。
発核手段11は各蓄熱パック6に夫々取付けられている。発核手段11は、蓄熱材8の過冷却状態を解除するために設けられている。この発核手段11は、過冷却状態にある蓄熱材8中に結晶核を生成し、それにより蓄熱材8が固化される。このように蓄熱材8を、その過冷却状態を解除して固化させることを「発核」と称する。これと共に、発核を開始させることを「発核手段11を操作する」と称する。
発核手段11の一態様を図2に示す。この発核手段11は、正極をなす電極12と、負極をなす電極13と、電極ホルダ14と、発核電源15を有する。
電極ホルダ14は、電気絶縁物からなり、容器部材7に液密に取付けられている。電極12,13は、電極ホルダ14を液密に貫通している。これら電極12,13は容器部材7内の蓄熱材8に接している。発核電源15は、電極12,13に電気的に接続されている。この発核電源15は電極12,13に電圧を印加する。この印加は、後述する制御手段31によって制御される。
図2に示した発核手段11が操作されると、電極12,13間に電圧が印加される。こうして印加された電圧のエネルギーにより、過冷却状態の蓄熱材8は発核される。
発核手段11の他の態様を図3に示す。この発核手段11は、ピン16と、押棒17と、ホルダ18と、アクチュエータ19を有する。
ピン16は蓄熱材8に接して容器部材7内に配置されている。このピン16は、金属製であり、外力に受けた場合に変形し、外力の消失に伴って変形する前の形状に復元することが可能である。ホルダ18は容器部材7に液密に取付けられている。押棒17はホルダ18をその厚み方向に移動可能でかつ液密に貫通している。押棒17の先端はピン16に接している。アクチュエータ19は電池パック6の外に配置される。このアクチュエータ19は、それに供給される電力で駆動される。
アクチュエータ19の駆動により押棒17が容器部材7内に突出するように移動される。アクチュエータ19への電力供給が停止されると、ピン16の復元力によって押棒17は元の位置に押し戻される。アクチュエータ19への電力供給とその停止は、後述する制御手段31によって適時制御される。
図3に示した発核手段11が操作されると、押棒17が押込まれるとともにピン16が撓む。こうしてピン16が撓むことにより、エネルギーが蓄熱材8に与えられる。その結果、過冷却状態の蓄熱材8が発核される。
温度センサ21は図1に示すように電池モジュール2に取付けられている。第1実施形態では、二次電池4が有する外郭の外面に接する形態で温度センサ21が配置されている。
なお、温度センサ21は、二次電池4の内部、例えば二次電池4の外郭の内面に接する形態に配置してもよい。或いは、二次電池4に熱的に接続された部分、つまり、容器部材7の外面に接する形態で温度センサ21を配置することも可能である。
図1に示す制御手段31は電池モジュール2の外部に配置される。制御手段31はマイクロコンピュータによって形成されている。この制御手段31が有するメモリ(図示しない)に、二次電池4を適正温度範囲(保証温度範囲)内で使用させるために必要な各種のデータが記憶されている。
なお、制御手段31は、電池モジュール2に専用のものであることに制約されず、他の制御システムに、制御手段31が接続ないしは組込まれていてもよい。他の制御システムとして、例えば、電池モジュール2を電源として動作される電気機器の制御システム、又は、この電気機器及びその他の家電製品全体を制御するネットワーク家電制御システム等を挙げることができる。
制御手段31は、図1に示すように温度推定部33と、判断部35と、発核制御部37を有している。
温度センサ21と制御手段31は電線L1により電気的に接続されている。これにより、温度センサ21が検出した温度Taは温度推定部33に供給される。温度推定部33は、入力された温度Taから二次電池4の温度Tcを推定できるように構成されている。ここで、他の温度との識別のために温度Tcを推定温度Tcと以下称する。
判断部35には第1閾値が予め定められている。第1閾値は下限温度Tminであり、この下限温度Tminは発核手段11を操作するか否かを判断する基準値である。下限温度Tminは蓄熱材8の融点を下回った温度例えば氷点に設定される。推定温度Tcは判断部35に供給される。判断部35は、保証温度範囲の下限値である下限温度Tminと推定温度Tcを比較する。
発核制御部37と発核手段11は電線L2により電気的に接続されている。発核制御部37に、判断部35の判断結果が供給される。発核制御部37は、これに入力された判断結果にしたがって、発核手段11を操作し、又は発核手段11の操作を保留する。
電池モジュール2の二次電池4は、その動作中(つまり、充電されるとき及び放電するとき)に発熱し、この熱は周囲に放出される。それにより、蓄熱パック6に波及した熱(排熱)で蓄熱材8の温度が上昇される。そのため、蓄熱材8が固体状態である場合、蓄熱材8の融点にて、この蓄熱材8が融解され液体に変化される。それに伴い、前記排熱が潜熱(これを融解潜熱と称する。)として蓄熱材8に蓄えられる。
この状態から二次電池4の動作が停止された状態に、二次電池4が放置されると、蓄熱材8の熱は周囲に放出される。そのため、冬季などの低温環境では、蓄熱材8の温度は氷点を下回る。それにも拘わらず、蓄熱材8は、その特性によって、液体の状態を維持する。つまり、蓄熱材8は過冷却された状態を維持する。
このため、制御手段31による制御で発核手段11が操作されて、既に過冷却された状態にある蓄熱材8が発核されると、蓄熱材8は固化する。その際、蓄熱材8は潜熱(これを凝固潜熱と称する。)を放出する。この潜熱は、二次電池4に伝わって、この二次電池4を加熱する。
次に、図4を参照して電源装置1を運転する手順を説明する。
まず、ステップS1により、電池モジュール2の二次電池4を動作させる指令が制御手段31に与えられる。
ここで、ステップS1の「動作指令」が実行されるタイミングは、電池モジュール2の二次電池4の充放電が、予め定められた電流値以上で繰返される期間で、充電が開始されるタイミング及び放電が開始されるタイミングである。
具体的に、第1実施形態の電源装置1が、電気自動車に搭載される車載用電源として適用される使用例(第1使用例)と、供給される電力を蓄電する家庭用の蓄電装置として適用される使用例(第2使用例)と、パーソナルコンピュータなどの電子機器の電源として適用される使用例(第3使用例)に分けて説明する。
第1使用例で「動作指令」があるときとは、電気自動車の始動スイッチがオンされてからオフされるまでの期間(放電期間)、及び電気自動車の停止中に充電される期間である。このため、始動スイッチがオンされたタイミングで「動作指令」が実行される。同様に、充電が開始されたタイミングで「動作指令」が実行される。
なお、この他に、「動作指令」を実行させるタイミングは、放電が開始されるとき、及び充電が開始されるときより前に設定することも可能である。例えば、運転者の乗車を検知するスイッチが車両に設置されている場合、このスイッチがオンしたタイミングで「動作指令」を実行させてもよい。
第2使用例の電源装置は、住宅の所定位置に据え付けられる蓄電池で、一般的に定置用蓄電池と称される。この蓄電池は、太陽電池や燃料電池の発生電力を蓄電する蓄電池として使用される。或いは、送電網を経由して供給される電力を深夜に蓄電する蓄電池として使用される。
この蓄電池で例えば太陽電池の発生電力を蓄電する場合、「動作指令」があるときとは、太陽電池が太陽光で照射される昼間の時間帯である。このため、太陽電池の発生電力が供給されて、充電が開始されたタイミングで「動作指令」が実行される。
第3使用例で「動作指令」があるときとは、電子機器の電源スイッチがオンされてからオフされるまでの期間(放電期間)、及び充電される期間である。このため、電源スイッチがオンされたタイミングで「動作指令」が実行される。同様に、充電が開始されたタイミングで「動作指令」が実行される。
ステップS1の実行後に制御手段31はステップS2を実行させる。ステップS2により、温度センサ21が検出した電池モジュール2の温度Taが温度推定部33に読み込まれる。この温度推定部33によって、二次電池4の温度(推定温度Tc)が、温度Taに基づいて推定される。
次のステップS3により、推定温度Tcが下限温度Tmin未満であるか否かが判断される。電池モジュール2が低温環境にあると、それに従い二次電池4の推定温度Tcも低い。推定温度Tcが下限温度Tmin未満である場合、ステップS3の判断はYESとなる。
ステップS3でYESの判断が下される状況では、蓄熱材8の温度は下限温度Tmin未満である。即ち、蓄熱材8の温度は、この蓄熱材8の融点を下回っている。そのため、既に、二次電池4の放熱を受けて液体となっている蓄熱材8は、過冷却された状態にある。
ステップS3の判断がYESである場合、ステップS4が実行されて、発核制御部37が発核手段11を操作する。これにより、蓄熱材8は発核され固化する。
したがって、蓄熱パック6に接触した二次電池4が、蓄熱材8から放出される凝固潜熱で加熱される。つまり、蓄熱材8から放出される潜熱が、容器部材7を経由して二次電池4に与えられて、二次電池4の温度が上昇される。それにより、二次電池4の低温始動性が向上される。
一方、電池モジュール2が高温環境にあると、それに従い二次電池4の推定温度Tcも高い。このため、推定温度Tcが下限温度Tmin以上に高い場合、ステップS3の判断はNOとなる。ステップS3でNOの判断が下される状況で、蓄熱材8の温度は下限温度Tmin以上である。即ち、蓄熱材8の温度は、蓄熱材8の融点より高く、この蓄熱材8は液体となっている。
ステップS3の判断がNOである場合、ステップS5が実行される。このとき、発核制御部37は、発核手段11の操作を保留する。このため、蓄熱材8の凝固潜熱は放出されない。よって、温度が高い二次電池4に対して不要な熱が、蓄熱材8から与えられない。
以上説明したように二次電池4の温度が下限温度Tmin未満であると推定された場合、過冷却された状態にある蓄熱材8が発核される。それにより、蓄熱材8から放出される凝固潜熱を利用して、二次電池4を加熱できる。一方、二次電池4の温度が下限温度Tmin以上であると推定された場合、発核手段11の操作が保留される。それにより、二次電池4は不要に加熱されず、二次電池4の温度が過度に上がらないように制御される。これに伴い、二次電池4の耐久性の低下等がもたらされることがないので、二次電池4の信頼性の低下を抑制できる。
即ち、第1実施形態の電源装置1は、過冷却できる特性を有した蓄熱材8を用いているとともに、この蓄熱材8を発核させる発核手段11の操作を、二次電池4の温度状況に応じて制御手段31で制御している。
これにより、過冷却状態の蓄熱材8が発核することによる二次電池4の加熱と、発核を保留することで蓄熱材8による二次電池4の加熱をしないことを、能動的に制御できる。これとともに、蓄熱材8に蓄えられた潜熱が、冬季等の低温環境で蓄熱材8の周囲に自然に放出されないようにする断熱を、蓄熱材8に対して施す必要がない。これに伴い、夏季等の高温環境で蓄熱材8の温度が過度に上がることを抑制できる。
したがって、第1実施形態の電源装置1が有する電池モジュール2によれば、低温環境での始動性を向上することが可能であるとともに、高温環境での電池温度の上がり過ぎによる信頼性の低下を抑制することが可能である。
更に、第1実施形態の電源装置1において、密封構造の蓄熱パック6は、二次電池4の側面に接触して配置されている。このため、二次電池4の充放電時にこの二次電池4から放出される熱を、蓄熱材8が直接的に吸収できる。同様に、蓄熱材8が発核した時に放出される潜熱で、二次電池4に直接的に加熱できる。このように蓄熱材8と二次電池4との熱交換が直接的に行われるので、熱交換性能がよい。
これとともに、第1実施形態の電源装置1は、蓄熱材8を液体の状態で循環させるポンプや管等の循環用部品を必要としない。そのため、電源装置1の構成が単純であるとともに、電源装置1を小形に構成できる。
なお、過冷却状態の蓄熱材8を循環させようとすると、その際に与えられるエネルギーで、蓄熱材8が結晶化してしまう。そこで、蓄熱材をカプセルに充填し、そのカプセルを液体状の溶液中に分散させれば、蓄熱材を循環させることは可能となる。しかし、このようにすると、蓄熱材に蓄えられる潜熱量が減ってしまう。よって、二次電池4の熱を吸収する上でも、二次電池4に蓄熱材の潜熱を放熱する上でも不利である。
(第2の実施の形態)
図5は第2の実施の形態を示している。第2実施形態は、電源装置1を運転する手順が第1実施形態とは異なり、これ以外は第1実施形態と同じである。このため、第1実施形態と同一ないしは同様の機能を奏する構成については、第1実施形態と同じ符号を付してその説明を省略する。これと共に、必要により図1等を参照して説明する。
以下、第2実施形態での運転の手順を説明する。
まず、ステップS11で、二次電池4を動作させる「動作指令」があるか否かが判断される。ここで、「動作指令」が出されるタイミングは、第1実施形態で説明した通りである。
二次電池4に対する動作指令がなされると、ステップS11の判断はYESとなり、次に、ステップS12が実行される。この後、ステップS13での判断が行なわれ、その判断結果がYESの場合、ステップS14が実行される。
ここで、ステップS12〜ステップS14は、夫々第1実施形態で説明したステップS2〜ステップS4に相当している。
このため、二次電池4を動作させる「動作指令」があることがステップS11で判断されると、温度センサ21が検出した電池モジュール2の温度Taから二次電池4の温度Tcが推定される(ステップS12)。次のステップS13で、予め定められた下限温度Tminを推定温度Tcが下回っていると判断された場合、過冷却された状態にある蓄熱材8が、ステップS14の実行によって発核される。
以上のようにステップS11〜ステップS14の系による温度管理によれば、電池モジュール2の二次電池4が動作中(充電中又は放電中)で、かつ、二次電池4の推定温度Tcが下限温度Tminを下回っている場合、蓄熱材8を発核させる。それにより、蓄熱材8から放出される凝固潜熱で二次電池4を加熱できる。
ステップS13の判断がNOの場合(つまり、推定温度Tcが下限温度Tminより高い場合)は、ステップ15の判断が行なわれる。
ステップS15は、予め設定した第2閾値(つまり、二次電池の保証温度範囲の上限値である上限温度Tmax)より推定温度Tcが高いか否かを判断する。ここで、上限温度Tmaxは蓄熱材8の融点より高い温度に設定される。
推定温度Tcが下限温度Tmin及び上限温度Tmaxより高いと、ステップS15の判断はYESとなる。この場合、次のステップS16が実行される。ステップS16は、発核を待機させる指令を生成し、その指令を制御手段31のメモリに記憶させる。この指令は、二次電池4の動作が停止した後に蓄熱材8を発核させる指令である。
これに従って、発核制御部37は発核手段11の操作を保留する(ステップS17)。このため、二次電池4に対して不要な熱が蓄熱材8から供給されることがない。
以上のようにステップS11〜ステップS13、ステップ15〜ステップ17の系による温度管理によれば、電池モジュール2の二次電池4が動作中(充電中又は放電中)で、かつ、二次電池4の推定温度Tcが下限温度Tmin及び上限温度Tmaxを夫々上回っている場合、発核を待機させる指令を保存した上で、蓄熱材8の発核を保留する。これにより、動作中の二次電池4は蓄熱材8の凝固潜熱で加熱されない。したがって、動作中の二次電池4の温度が過度に上昇されることがない。
一方、推定温度Tcが下限温度Tminより高く、かつ、上限温度Tmaxより低いと、ステップS15の判断はNOとなる。この場合、ステップS16を経由することなく、ステップS17が実行される。
したがって、ステップS11〜ステップS13、ステップ15、ステップ17の系による温度管理によれば、電池モジュール2の二次電池4が動作中(充電中又は放電中)で、かつ、二次電池4の推定温度Tcが下限温度Tminと上限温度Tmaxとの間の温度である場合、蓄熱材8の発核を保留する。これにより、動作中の二次電池4は蓄熱材8の凝固潜熱で加熱されない。したがって、二次電池4の温度が過度に上昇されることがない。
電池モジュール2の動作(正確には二次電池4の充電又は放電)が停止されると、ステップ11の判断はNOとなる。この次に、制御手段31は、そのメモリに、発核を待機させる指令が保存されているか否かを、ステップS20により判断する。
既に説明したステップS16の実行後に二次電池4の動作が停止されている場合、ステップS20の判断はYESとなる。これを受けて次のステップS21が実行される。ステップS21は、発核手段11を操作して、蓄熱材8が発核させる処理をする。これにより、蓄熱材8から放出される凝固潜熱で二次電池4が加熱される。
この段階で二次電池4は停止中であり発熱していないので、加熱されても温度上昇は抑えられる。なお、車載用の電源装置として実施する場合、電池モジュール2の停止中に、このモジュールに外部から低温の冷却風を吹き付けて、電池モジュールが保有する熱をより短時間で放出するようにしてもよい。
二次電池4がステップS11〜ステップS13、ステップ15〜ステップ17の系で温度管理された場合、電池モジュール2の二次電池4の温度は、上限温度Tmaxを超える。このため、更に、二次電池4が加熱されると、二次電池4の信頼性が低下させる虞が高められる。
ところで、二次電池4に接した蓄熱パック6の蓄熱材8は、二次電池4の熱を融解潜熱として多量に吸収する。この吸熱により蓄熱材8の温度が蓄熱材8の融点を超えると、蓄熱材8は融解するが、融点を超えた段階では融解が終わっている。よって、それ以上融解潜熱を吸収することは不可能である。一方、融解した蓄熱材8は、二次電池4の動作停止後の温度低下によって、過冷却状態となり、融解潜熱を蓄えたままの状態を維持する。このため、蓄えた潜熱を放出しない限り、二次電池4が次に動作された場合、この二次電池4の熱を蓄熱材8が吸収することはできない。
しかし、既述のように蓄熱材8に溜まっている潜熱は、ステップS11,ステップS20、ステップ21の系で温度管理されることにより、二次電池4の停止中に強制的に放出される。それにより、蓄熱材8を凝固させておくことができる。即ち、蓄熱材8は、融解潜熱を利用して吸熱することが可能となるようにリセットされる。
よって、この後、電池モジュール2の二次電池4が動作された場合、蓄熱材8は、再び、二次電池4が放出する熱を吸収できる。
ステップ16が実行されないで二次電池4の動作が停止された場合、ステップS20の判断はNOとなる。これを受けて、発核手段11の操作を保留するステップS22が実行される。このため、二次電池4に対して蓄熱材8から不要な熱が放出されることがない。
第2実施形態の電源装置1で以上説明した以外は、図5に示されない構成を含めて第1実施形態と同じである。したがって、この第2実施形態においても、低温環境での始動性を向上することが可能であるとともに、高温環境での電池温度の上がり過ぎによる信頼性の低下を抑制することが可能な電池モジュール2、このモジュールを有する電源装置1、及び電池モジュール42の温度管理方法を提供することが可能である。
(第3の実施の形態)
図6及び図7は第3の実施の形態を示している。第3実施形態は、電池モジュールの構成が第1実施形態とは異なり、これ以外は第1実施形態と同じである。このため、第1実施形態と同一ないしは同様の機能を奏する構成については、第1実施形態と同じ符号を付してその説明を省略する。
図6に示す電源装置1は、ケーシング41と、電池モジュール42と、温度センサ21と、制御手段31を備えている。制御手段31はケーシング41の外部に配置される。この制御手段31の構成は第1実施形態で説明した通りである。
電池モジュール42は、少なくとも一個例えば複数具体的には二個用意される。これら電池モジュール42はケーシング41内に並べて配置される。
電池モジュール42は、複数の電池パック43と、電池パック43と同数の蓄熱パック6と、蓄熱パック6と同数の発核手段11を備えている。
各電池パック43は、電池容器45と、複数の二次電池4を有する。
図7に示すように電池容器45は、容器本体46及び蓋47を有する。この電池容器45は略直方体形状をなしている。容器本体46及び蓋47は、合成樹脂、又はステンレス等の金属で形成される。
容器本体46は、長方形状の底壁部46a(図7参照)、側壁部46b、及び端壁部46c(図6参照)を有する。側壁部46bは底壁部46aの両側縁に一体に連続している。端壁部46cは底壁部46aの長手方向の両端縁に一体に連続している。これとともに、端壁部46cは、側壁部46bの長手方向の両端間にも一体に連続して、これら側壁部46bにわたって設けられている。
蓋47は、容器本体46の上端開口を閉じて容器本体46に取付けられている。
複数の二次電池4は、電池容器45に収納されている。図6に示すように各二次電池4は電池容器45の長手方向に並んで集合されている。換言すれば、各二次電池4はそれらの並び方向に積層されるような形態に集合されている。
各二次電池4は、容器本体46の底壁部46aに対して直角に起立する形態に配置されている。各二次電池4は容器本体46の壁部、好ましくは重力方向に位置された底壁部46aに、接着剤48(図7参照)により固定されている。
二次電池4の膨張及び収縮による体積変化を吸収するために、各二次電池4は底壁部46aのみに接するように固定されている。即ち、各二次電池4と側壁部46b及び蓋47との間に夫々隙間g1(図7参照)が設けられている。これとともに、各二次電池4のうちでそれらが並んだ方向の両端に位置された二次電池4と、端壁部46cとの間にも、隙間g2(図6参照)が設けられている。更に、電池容器45の長手方向に隣接する二次電池4間には、1mm〜2mm程度の隙間(図示しない)が存在している。
蓄熱パック6の構成及び発核手段11の構成は、第1実施形態で説明した蓄熱パック及び発核手段と同様である。
図7に示すように蓄熱パック6は、各二次電池4が固定された電池容器45の壁部、つまり、底壁部46aの外面に接触して配置されている。蓄熱パック6の大きさは底壁部46aと略同じである。この蓄熱パック6は、電池容器45の長手方向に延びて、底壁部46aの略全域を覆っている。
したがって、電池容器45内の各二次電池4と電池容器45外に配置された蓄熱パック6は、底壁部46aを挟んでいる。それにより、二次電池4と蓄熱パック6は、底壁部46aを介して熱的に接続される形態に配置されている。換言すれば、二次電池4と蓄熱パック6は、熱伝導による熱交換ができるように配置されている。
制御手段31で各発核手段11を操作する制御出力は、夫々の発核手段11に対して同時に与えられる。
温度センサ21は、いずれか一つの電池モジュール2、例えば図6において左側に位置された電池モジュール2に取付ければよい。具体的に、温度センサ21は、電池容器45の外面、例えば側壁部46bの下部外面に接する形態で配置されている(図7参照)。これに代えて、温度センサ21を、端壁部46c又は蓋47の外面に接する形態で配置しても良い。或いは、温度センサ21を、電池容器45の内面に接する形態に配置することも可能である。
第3実施形態において、電池モジュール42が有する複数の二次電池4は、その動作中(つまり、充電されるとき及び放電するとき)に発熱する。この熱は、接着剤48及び電池容器45の底壁部46aを経由して蓄熱パック6に伝わる。
この場合、接着剤48と底壁部46aは熱抵抗を増やす因子である。しかし、前記伝熱経路以外の伝熱経路は存在しない。このため、前記熱抵抗に拘わらず、二次電池4の熱を集中的に蓄熱パック6に波及させることができるとともに、蓄熱材8から放出される凝固潜熱を集中的に各二次電池4に波及させることができる。
蓄熱パック6に波及する二次電池4の熱(排熱)で、蓄熱パック6内の蓄熱材8の温度は上昇される。そのため、蓄熱材8が固体状態にあった場合、蓄熱材8の融点にて、この蓄熱材8が融解され液体に変化される。それに伴い、前記排熱が融解潜熱として蓄熱材8に蓄えられる。
この状態から各二次電池4がその動作を停止した状態に放置されると、蓄熱材8の熱は周囲に放出される。そのため、冬季などの低温環境では、各二次電池4及び蓄熱材8の温度が氷点近くまで低下することがある。それにも拘わらず、蓄熱材8はその特性によって、液体の状態を維持する。つまり、蓄熱材8は過冷却された状態に維持される。過冷却された蓄熱材8は融解潜熱を蓄えている。
この状態で、制御手段31による制御で発核手段11が操作されると、既に過冷却された状態にある蓄熱材8が発核される。それにより、蓄熱材8が固化し、その際に、蓄熱材8は凝固潜熱を放出する。この潜熱は、電池容器45の底壁部46a及び接着剤48を経由して各二次電池4に伝わり、これら二次電池4を加熱する。
第3実形態の電源装置1を制御手段31により運転する手順は、第1実施形態で図4を参照して既に説明した通りである。なお、第3実形態の電源装置1は、第2実施形態で図5を参照して既に説明した手順で運転することもできる。
第3実施形態の電源装置1で以上説明した以外は、図6及び図7に示されない構成を含めて第1実施形態と同じである。したがって、この第3実施形態においても、低温環境での始動性を向上することが可能であるとともに、高温環境での電池温度の上がり過ぎによる信頼性の低下を抑制することが可能な電池モジュール42、このモジュールを有する電源装置1、及び電池モジュール42の温度管理方法を提供することが可能である。
既述のように第3実施形態の電池モジュール42は集合された複数の二次電池4を有する。このため、電池モジュール42の電池出力を、第1実施形態の電池モジュールより増やすことができる。
更に、蓄熱パック6は複数の二次電池4から独立し離れている。このため、各二次電池4を並べて集合させる上で、蓄熱パック6の配置スペースに影響を受けることなく、各二次電池4を高密度に集合させることができる。それにより、電池モジュール42を小形化できる。これに対して、第1実施形態において、二次電池の数が第3実施形態の二次電池数と同じになるように電池モジュールを並べる場合、隣接する二次電池間に蓄熱パックを配置するスペースが必要となる。このため、電池モジュールは二次電池の並び方向に大形化する。
しかも、3実施形態の電池モジュール42で、その蓄熱パック6は、電池パック43の外部に配置されている。これとともに、電池パック43内の各二次電池4と蓄熱パック6とは、電池容器45を隔壁として仕切られている。これにより、蓄熱材8に対する各二次電池4の安全性を担保できる。
即ち、蓄熱パック6の容器部材7が損傷した場合、この容器部材7内の蓄熱材8は漏れ出す。しかし、漏れ出した蓄熱材8が二次電池4に到達することは、容器部材7によって妨げられる。それにより、二次電池4がショートする虞がない。それに伴い、前記ショートを原因として、漏れ出した蓄熱材8と二次電池4の内部の材料とが反応する虞もない。
(第4の実施の形態)
図8は第4の実施の形態を示している。第4実施形態は、電池モジュールの構成が第3実施形態とは異なり、これ以外は第3実施形態と同じである。このため、第3実施形態と同一ないしは同様の機能を奏する構成並びに作用の説明については、第3実施形態と同じ符号を付してその説明を省略する。なお、以下の説明において必要により図6も参照する。
第4実施形態で、電池モジュール42が備える複数の二次電池4の夫々の外面に、高熱伝導性を有する熱伝導シート5が接続されている。具体的に、熱伝導シート5は、図8に示すように容器本体46の側壁部46bに対して隙間g1により隔てられた二次電池4の側面と、これらの側面から二次電池4の底面とにわたって一体に連続している。二次電池4は、この底面に被着された熱伝導シート5を接着剤48に接させた形態で、この接着剤48により容器本体46の底壁部46aに固定されている。
電池モジュール42が有する複数の二次電池4が、その動作中(つまり、充電されるとき及び放電するとき)に発する熱は、接着剤48及び電池容器45の底壁部46aを経由して蓄熱パック6に伝わる。この場合、二次電池4の側面から放出される熱が、熱伝動シート5を経由して接着剤8に接した熱伝導シート5の中間部位に伝えられる。このため、二次電池4から電池容器45の底壁部46aへの放熱性が向上され、二次電池4の熱を集中的に蓄熱パック6に波及させることができるとともに、この逆に、蓄熱材8から凝固潜熱が放出される場合に、放出された凝固潜熱を集中的に各二次電池4に対してその底面のみならず側面からも波及させることができる。
以上の説明を除いて、図8に示されない第4実施形態の構成は第3実施形態と同じである。したがって、この第4実施形態においても、低温環境での始動性を向上することが可能であるとともに、高温環境での電池温度の上がり過ぎによる信頼性の低下を抑制することが可能な電池モジュール42、このモジュールを有する電源装置1(図6参照)、及び電池モジュール42の温度管理方法を提供することが可能である。
以上のように本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図していない。これら新規な実施形態は、その他様々な形態で実施されることが可能であるとともに、発明の要旨を逸脱しない限り、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形などは、発明の範囲に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…電源装置、2…電池モジュール、4…二次電池、6…蓄熱パック、7…容器部材、8…蓄熱材、11…発核手段、21…温度センサ、31…制御手段、33…温度推定部、35…判断部、37…発核制御部、42…電池モジュール、43…電池パック、45…電池容器、46a…底壁部、48…接着剤、Ta…温度センサの検出温度、Tc…二次電池の推定温度、Tmin…保証温度範囲の下限温度、Tmax…保証温度範囲の上限温度

Claims (7)

  1. 二次電池と、
    過冷却を有し、かつ、前記二次電池と熱交換をする蓄熱材を備え、前記二次電池に接するように配置された蓄熱パックと、
    前記蓄熱パックに取付けられ過冷却状態の前記蓄熱材を発核させる発核手段と、
    を具備する電池モジュール。
  2. 集合された複数の二次電池を有する電池パックと、
    過冷却を有し、かつ、前記二次電池と熱交換をする蓄熱材を備え、前記二次電池に接するように配置された蓄熱パックと、
    前記蓄熱パックに取付けられ過冷却状態の前記蓄熱材を発核させる発核手段と、
    を具備する電池モジュール。
  3. 前記電池パックは前記二次電池が収納された電池容器を備え、前記蓄熱パックは、前記二次電池が固定された前記電池容器の壁部の外面に接触して配置されている請求項2に記載の電池モジュール。
  4. 請求項1から3のうちのいずれか一項に記載の電池モジュールと、
    前記電池モジュールに取付けられた温度センサと、
    前記二次電池の動作が開始される際、前記温度センサが検出した温度から前記二次電池の温度を推定する温度推定部、推定された温度を予め定められた保証温度範囲の下限温度と比較する判断部、及び前記下限温度より前記推定された温度が低い場合、前記電池モジュールが備える発核手段を操作して前記蓄熱材を発核させ、前記下限温度より前記推定された温度が高い場合、前記発核手段の操作を保留させる発核制御部を有する制御手段と、
    を備える電源装置。
  5. 前記保証温度範囲の上限温度より前記推定された温度が高い場合、前記制御手段が、前記蓄熱材の発核を保留させ、前記二次電池の動作停止後に、前記保留された前記蓄熱材を発核させて前記二次電池をリセットする請求項4に記載の電源装置。
  6. 請求項1から3のうちのいずれか一項に記載の電池モジュールが備える二次電池の温度を管理する電池モジュールの温度管理方法であって、
    前記二次電池の動作が開始される際、
    前記二次電池の温度を検出する温度センサが検出した温度から前記二次電池の温度を推定する工程と、
    推定された温度を予め定められた保証温度範囲の下限温度と比較する工程と、
    前記下限温度より前記推定された温度が低い場合、前記電池モジュールが備える発核手段を操作して前記蓄熱材を発核させ、前記下限温度より前記推定された温度が高い場合、前記発核手段の操作を保留する工程と、
    を備える電池モジュールの温度管理方法。
  7. 前記保証温度範囲の上限温度より前記推定された温度が高い場合、前記蓄熱材の発核を保留させ、前記二次電池の動作停止後に、前記保留された前記蓄熱材を発核させて前記二次電池をリセットする請求項6に記載の電池モジュールの温度管理方法。
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