JP2015012698A - スイッチング電源装置 - Google Patents

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【課題】電流検出信号に対し適切なマスク処理を施すことにより、動作範囲の狭小化を防止し、目標電圧に等しい高精度の電圧を安定して出力する。【解決手段】マスク処理回路7は、RSFF24が出力するPWM信号がHレベルに変化する時に、スイッチ回路25をオンし、電流検出回路3が出力する電流検出信号を、誤差信号よりも低く設定されたマスクレベルに固定する。その後、スイッチング素子11のターンオンに伴いスイッチング素子11に流れるサージ電流を含む電流が誤差信号に相当するレベルより低くなるのに要する時間を最小マスク時間とし、直前のPWM周期のオンレベル時間を最大マスク時間としたとき、最小マスク時間よりも長く且つ最大マスク時間よりも短く設定されたマスク時間が経過した時にスイッチ回路25をオフして、電流検出信号をマスクレベルから開放する。【選択図】図1

Description

本発明は、電流モード制御方式のスイッチング電源装置に関する。
従来から用いられている電圧モード制御方式のスイッチング電源装置は、基準電圧と出力電圧の差に応じてPWM信号のデューティ比を調整することにより、出力電圧を目標電圧に等しく制御している。この方式のスイッチング電源装置は、出力電圧の偏差に基づいてのみフィードバック制御を行うため、出力電圧変動に対する応答速度が遅いという問題があった。
そこで、近年では、出力電圧に加えてインダクタ電流をフィードバック制御に用いる電流モード制御方式のスイッチング電源装置が多く用いられている。この方式のスイッチング電源装置は、インダクタ電流を検出する電流検出回路と、出力電圧の偏差に応じた誤差信号を出力する誤差増幅回路と、クロック信号に同期してPWM信号をオンレベルにし、電流検出信号が誤差信号に達するとPWM信号をオフレベルにするPWM信号生成回路を備えている。
電流モード制御方式は、スイッチング周波数が高い場合でも安定動作が可能である反面、高速スイッチングによるサージ電流の増加が問題になる。例えばハイサイド側に配されたスイッチング素子がPWM信号に従って高速にオン/オフ動作すると、スイッチング素子のドレイン・ソース間の電圧変化dV/dtが大きくなり、スイッチング素子にサージ電流が流れる。電流検出回路がスイッチング素子と直列に設けられていると、電流検出信号にサージ電流成分が重畳する。
さらに、インダクタ電流の還流経路となるローサイド側にスイッチング素子を配置した同期整流方式の構成を採用すると、ローサイド側に配されたスイッチング素子のセルフターンオンがサージ電流を増加させる原因となる。すなわち、ローサイド側のスイッチング素子がオフの状態からハイサイド側のスイッチング素子がオンに切り替わる時、ローサイド側のスイッチング素子の帰還容量Crssを通して入力容量Cissが充電され、ローサイド側のスイッチング素子が一時的にオンする場合がある。この場合には、さらに大きなサージ電流が流れる。
電流モード制御方式のスイッチング電源装置は、電流検出信号と誤差信号との比較に基づいてPWM信号のオフタイミングを決定する。このため、ターンオンによって電流検出信号にサージが重畳すると、本来のオフタイミングよりも早いタイミングでPWM信号がオフレベルに戻り、目標とする出力電圧を得ることができなくなる。これに対し、特許文献1には、電流がターンオンする際に、ノイズマスク用のスイッチがオンして固定電位に接続することでサージ電流をマスクする構成が示されている。
特開2009−106123号公報
しかし、特許文献1に記載された構成は、ノイズマスク用スイッチのオンタイミングとマスク時間の最適化が行われていない。マスク処理の開始タイミングとマスク時間が最適化されていないと、例えば以下に示す問題が生じる。
第1に、ノイズマスク用スイッチのオンタイミングが遅れると、サージ電流を検出して誤検出が生じる虞がある。第2に、必要以上にマスク時間を確保すると、PWM信号が取り得る最小のオン幅が広がり、入力電圧が高い場合或いは負荷が小さい場合に出力電圧が目標電圧から持ち上がる現象が生じる。その結果、入力電圧や負荷に対する動作範囲の狭小化、出力電圧の精度低下などを招く。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、電流検出信号に対し適切なマスク処理を施すことにより、動作範囲の狭小化を防止し、目標電圧に等しい高精度の電圧を安定して出力できるスイッチング電源装置を提供することにある。
請求項1に記載したスイッチング電源装置は、主回路、電流検出回路、電圧検出回路、誤差増幅回路、マスク処理回路、PWM信号生成回路およびドライブ回路を備え、電流モード制御を実行する。主回路は、スイッチング素子とインダクタを有している。駆動信号がオンレベルになると、スイッチング素子がオンしてインダクタに流れる電流が増加する。駆動信号がオフレベルになると、スイッチング素子がオフしてインダクタに流れる電流が出力側に還流する。
電流検出回路は、スイッチング素子と直列に設けられ、スイッチング素子を通してインダクタに流れる電流に対応した電流検出信号を出力する。電圧検出回路は、主回路の出力電圧に対応した検出電圧を出力する。誤差増幅回路は、主回路の目標出力電圧に対応した基準電圧と検出電圧との差に応じた誤差信号を出力する。PWM信号生成回路は、クロック信号に同期してPWM信号をオンレベルにし、マスク処理回路でマスク処理された電流検出信号が誤差信号に達した時にPWM信号をオフレベルにする。ドライブ回路は、PWM信号を入力して駆動信号を出力する。
マスク処理回路は、PWM信号がオンレベルに変化する時に、電流検出信号を誤差信号よりも低く設定された所定のマスクレベルに固定する。PWM信号がオンレベルに変化してから、ドライブ回路がオンレベルの駆動信号を出力するまでには、ドライブ回路による遅延が存在する。従って、PWM信号に同期したタイミングでマスクレベルへの固定を開始すれば、駆動信号を受けてスイッチング素子がターンオンするときに流れるサージ電流に対するマスク処理の開始が遅れることを防止できる。
マスク処理回路は、ターンオンに伴いスイッチング素子に流れるサージ電流を含む電流が誤差信号に相当するレベルより低くなるのに要する時間を最小マスク時間とする。この時間は、スイッチング電源装置の入力電圧、出力電圧、スイッチング素子の寄生容量、ドライブ回路の駆動能力、負荷電流、主回路の構成、インダクタ値などにより定まる。さらに、マスク処理回路は、直前のPWM周期のオンレベル時間を最大マスク時間とする。
マスク処理回路は、最小マスク時間よりも長く且つ最大マスク時間よりも短く設定されたマスク時間が経過した時に、電流検出信号をマスクレベルから開放する。マスク時間が最小マスク時間よりも長く設定されることにより、電流検出信号に重畳するサージ電流成分によりターンオフのタイミングが早まることを防止できる。
マスク時間が直前のPWM周期のオンレベル時間よりも短く設定されることにより、マスク処理が、電流検出信号と誤差信号の大きさに基づくPWM信号のオフレベルへの移行動作を妨げる事象が生じにくくなる。その結果、スイッチング電源装置の入力電圧が高い場合、負荷が小さい場合などでも、出力電圧が目標電圧よりも持ち上がる現象が生じにくくなり、入力電圧、負荷などの動作範囲の狭小化を抑制することができる。本スイッチング電源装置によれば、目標電圧に等しい高精度の電圧を安定して出力できる。
請求項2記載の手段によれば、マスク処理回路は、最大マスク時間に所定の比率k(0<k<1)を乗じて得た時間であって且つ最小マスク時間よりも長い時間をマスク時間とする。これにより、直前のPWM周期のオンレベル時間に比例したマスク時間を設定できる。
請求項3記載の手段によれば、比率kを1/2に設定している。これにより、入力電圧の急上昇または負荷の急減が生じても、上述した出力電圧の持ち上がり現象が生じにくくなる。
請求項4記載の手段によれば、マスク処理回路は、充放電回路、しきい値電圧生成回路およびマスク制御回路を備えている。充放電回路は、PWM信号がオンレベルにある期間、定電流によりコンデンサに電荷を設定し、PWM信号がオフレベルに変化した後にコンデンサの電荷を初期化する。しきい値電圧生成回路は、PWM信号がオフレベルに変化した時のコンデンサの電圧を分圧してしきい値電圧を生成し、PWM信号が次にオフレベルに変化するまで当該しきい値電圧を保持する。マスク制御回路は、PWM信号がオンレベルに変化すると電流検出信号をマスクレベルに固定し、その後、コンデンサの電圧がしきい値電圧に達した時に電流検出信号をマスクレベルから開放する。
コンデンサの電圧は、PWM信号がオンレベルに変化した時点からの経過時間に相当する。PWM信号がオフレベルに変化した時のコンデンサの電圧は、PWM周期のオンレベル時間(最大マスク時間)に相当する。しきい値電圧は、PWM信号がオフレベルに変化した時のコンデンサの電圧を分圧した電圧なので、最大マスク時間よりも短い時間に相当する。本手段によれば、直前のPWM周期のオンレベル時間(最大マスク時間)よりも短いマスク時間を設定できる。
第1の実施形態を示すスイッチング電源装置の構成図 全体動作を説明する波形図 最小マスク時間の設定方法を示す波形図 負荷電流が急減したときの波形図 第2の実施形態を示すマスク処理回路の構成図 マスク信号の生成に係る波形図
各実施形態において実質的に同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
(第1の実施形態)
第1の実施形態について図1ないし図4を参照しながら説明する。図1に示すスイッチング電源装置1は、車載バッテリから電圧Vinを入力してピーク電流検出方式の電流モード制御を行い、図示しない車載機器に対し安定化した出力電圧Voutを出力する降圧型のレギュレータである。
このスイッチング電源装置1は、主回路2、電流検出回路3、電圧検出回路4、誤差増幅器5、PWM信号生成回路6、マスク処理回路7、ハイサイドドライブ回路8およびローサイドドライブ回路9を備えている。主回路2は、入力電圧Vinを供給する電源線10とグランドとの間に直列に接続されたスイッチング素子11、12、これらスイッチング素子11、12の共通接続ノードNaと出力端子13との間に接続されたインダクタ14、および出力端子13とグランドとの間に接続された平滑用のコンデンサ15から構成されている。
スイッチング素子11、12は、例えばFETから構成されており、図1ではスイッチの記号を用いて簡略的に示している。スイッチング素子11、12は、それぞれドライブ回路8、9からしきい値電圧Vthを超えるオンレベルを持つ駆動信号が与えられるとオンする。ドライブ回路8は、PWM信号がHレベル(オンレベルに相当)のときにオンレベルの駆動信号を出力し、PWM信号がLレベル(オフレベルに相当)のときにオフレベルの駆動信号を出力する。ドライブ回路9は、ドライブ回路8とは逆相の駆動信号を出力する。ドライブ回路8、9は、入出力間に遅延が存在する。
スイッチング素子11がオン、スイッチング素子12がオフすると、電源線10からスイッチング素子11を通してインダクタ14に流れる電流が増大する。スイッチング素子11がオフ、スイッチング素子12がオンすると、インダクタ14に流れていた電流がスイッチング素子12を介して出力側に還流する。スイッチング素子12に替えて、ノードNa側をカソードとするダイオードを用いてもよい。
電流検出回路3は、スイッチング素子11と直列に設けられたシャント抵抗16と、シャント抵抗16の電圧を増幅して電流検出信号を出力する増幅回路17とから構成されている。電流検出信号は、スイッチング素子11がオンしているときにインダクタ14に流れ込む電流に対応した信号である。
この電流検出方法に替えて、FETであるスイッチング素子11のドレイン・ソース間電圧を検出しても、インダクタ14に流れる電流を検出できる。さらに、スイッチング素子11と並列にセンス用の素子を配置し、そのセンス用の素子の両端電圧または電流を検出しても、インダクタ14に流れる電流を検出できる。
電圧検出回路4は、抵抗4a、4bからなる分圧回路により構成されており、出力電圧Voutに対応した検出電圧を出力する。基準電圧生成回路18は、出力電圧Voutの目標電圧に対応した基準電圧を出力する。誤差増幅器5は、基準電圧と検出電圧との差に応じた誤差信号を出力する誤差増幅回路であり、入出力端子間または出力端子とグランド間に接続したCR回路(図示せず)などにより位相補償を行っている。
PWM信号生成回路6は、クロック信号CLKに同期してPWM信号をHレベルにし、マスク処理が施された電流検出信号が誤差信号に達した時にPWM信号をLレベルにする電流モード制御を実行する。サブハーモニック発振を防止するため、加算器19は、電流検出回路3から出力された電流検出信号に、スロープ補償回路20で生成された鋸波などのスロープ補償信号を加算する。
クロック生成回路21は、デューティ比50%のクロック信号CLKを出力する。パルス生成回路22は、クロック信号CLKを受けて、一定周期ごとに幅狭のセット信号Psを出力する。コンパレータ23は、非反転入力端子に入力される電流検出信号と反転入力端子に入力される誤差信号とを比較してリセット信号Prを出力する。RSフリップフロップ(RSFF)24は、S端子、R端子からそれぞれセット信号Ps、リセット信号Prを入力し、Q端子から上記PWM信号を出力する。
マスク処理回路7は、加算器19の出力端子(コンパレータ23の非反転入力端子)とグランドとの間に設けられたスイッチ回路25と、このスイッチ回路25のオンオフ状態を制御するマスク信号を生成するマスク信号生成回路26から構成されている。スイッチ回路25は、FETなどのスイッチング素子から構成されており、マスク信号がHレベルのときにオンし、マスク信号がLレベルのときにオフする。
次に、本実施形態の作用、特に電流検出信号に対するマスク処理について図2から図4を参照しながら説明する。クロック信号CLKの立ち上がりに同期してセット信号Psが発生すると、時刻t1でRSFF24がセットされてPWM信号がHレベルに立ち上がる。ドライブ回路8は、PWM信号の立ち上がりからtdだけ遅れた時刻t2で、駆動信号をオフレベルからオンレベルに変化させる。図2には示していないが、電源短絡を防止するため、ドライブ回路8、9が出力する駆動信号にはデッドタイムが設けられている。
既述したように、スイッチング素子11がオンすると、スイッチング素子11のドレイン・ソース間の電圧変化dV/dtが大きくなり、スイッチング素子11にサージ電流が流れる。このサージ電流はシャント抵抗16にも流れるので、図2に示すように、電流検出回路3が出力する電流検出信号にサージ電流成分が重畳する。マスク処理回路7を備えない従来構成では、サージ電流により電流検出信号が誤差信号以上に大きくなるとリセット信号Prが発生し、PWM信号は本来のタイミング(時刻t4)よりも早くLレベルに移行する。
そこで、マスク信号生成回路26は、PWM信号がHレベルに変化する時刻t1にマスク信号をHレベルにし、スイッチ回路25をオンする。これにより、スロープ補償信号が加算された電流検出信号は、グランドレベル(マスクレベル)に固定される。グランドレベルは、誤差信号レベルよりも低い。ドライブ回路8には遅れ時間tdが存在し、スイッチング素子11にはターンオン時間が存在する。従って、スイッチング素子11がターンオンして電流検出信号にサージ電流成分が重畳する前に、電流検出信号を確実にマスク状態に移行できる。
マスク信号生成回路26は、マスク時間が経過した時刻t3にマスク信号をLレベルに戻し、スイッチ回路25をオフする。これにより、電流検出信号はグランドレベルから解放される。その後、時刻t4で電流検出信号が誤差信号に達すると、リセット信号Prが発生し、PWM信号が正規のタイミングでLレベルに移行する。ドライブ回路8の遅れにより、時刻t5で駆動信号がオフレベルに戻り、スイッチング素子11がオフする。
マスク信号がHレベルの期間(マスク時間)は、以下のように決定される。図3に示すように、PWM信号がLレベルに移行した後、スイッチング素子11に流れるサージ電流を含む電流が誤差信号に相当するレベルより低くなるのに要する時間を最小マスク時間Tminとする。最小マスク時間Tminは、入力電圧Vin、出力電圧Vout、スイッチング素子11、12の寄生容量、ドライブ回路8、9の駆動能力、負荷電流、主回路2の構成、インダクタ値などにより定まる。一方、直前のPWM周期のオンレベル時間Tonを最大マスク時間Tmaxとする。
マスク信号生成回路26は、最小マスク時間Tminよりも長く且つ最大マスク時間Tmaxよりも短くなるようにマスク時間を設定する。具体的には、マスク信号生成回路26は、マスク時間を、最大マスク時間Tmaxに所定の比率k(0<k<1)を乗じて得た時間であって、最小マスク時間Tminよりも長い時間に設定する。比率kは、例えば1/2に設定すればよい。マスク時間を最小マスク時間Tminよりも長く設定することにより、電流検出信号に重畳したサージ電流成分によりターンオフのタイミングが早まることを防止できる。
マスク時間を直前のPWM周期のオンレベル時間よりも短く設定することにより、マスク処理が、電流検出信号と誤差信号に基づくPWM信号のLレベルへの移行動作を妨げることがなくなる。図4は、負荷電流が急減した場合の出力電圧Vout、PWM信号、マスク信号およびマスク処理後の電流検出信号を示している。
この場合、出力電圧Voutが上昇して誤差信号が低下するので、PWM信号のオンレベル時間TonがT2からT3、T4、T5、…と急激に減少する。このとき、マスク時間も直前のPWM周期のオンレベル時間の減少に伴い短く設定されるので、マスク期間の終了時に電流検出信号が誤差信号を超えている事態が生じにくくなる。これにより、負荷が急減する場合に、マスク処理に起因して出力電圧Voutが目標電圧よりも持ち上がる現象を防止できる。入力電圧Vinが急上昇する場合でも、同様にして出力電圧Voutの持ち上がりを防止できる。
ここではマスク時間を定めるのに比率kを1/2に設定したが、単位時間あたりの負荷変動および入力電圧変動が大きい場合には、マスク時間が、誤差信号とインダクタ14に流れる実電流とに基づくオンレベル時間を超えてしまう可能性が生じる。そこで、単位時間あたりの負荷変動および入力電圧変動が大きい場合には、比率kを小さくしてマスク時間を相対的に短く設定し、単位時間あたりの負荷変動および入力電圧変動が小さい場合には、比率kを大きくしてマスク時間を相対的に長く設定すればよい。
以上説明したように、本実施形態のスイッチング電源装置1は、電流検出信号をマスク処理するマスク処理回路7を備えているので、スイッチング素子11のターンオン時に流れるサージ電流による誤動作を防止できる。マスク処理回路7は、PWM信号がHレベルに変化する時(つまりスイッチング素子11がターンオンする前)にマスク処理を開始するので、ターンオン直後に流れる急峻なサージ電流による誤動作を防止できる。
マスク処理回路7は、最小マスク時間Tminよりも長いマスク時間を設定するので、電流検出信号に重畳したサージ電流成分が誤差信号を超えてターンオフのタイミングを早めることがない。また、マスク処理回路7は、直前のPWM周期のオンレベル時間よりも短いマスク時間を設定するので、定電圧制御を行う上で必要となるオンレベル時間の最小幅がマスク時間で制限を受けることが生じにくくなる。このため、負荷および入力電圧Vinについての動作可能範囲の狭小化を防止できる。以上により、スイッチング電源装置1は、目標電圧に等しい高精度の電圧を安定して出力できる。
(第2の実施形態)
次に、マスク処理回路7の具体的構成を示す第2の実施形態について図5および図6を参照しながら説明する。マスク処理回路7のマスク信号生成回路26は、充放電回路27、しきい値電圧生成回路28およびマスク制御回路29から構成されている。
充放電回路27は、制御用の電源線(電圧VDD)とグランドとの間に直列に接続された定電流回路30、スイッチ回路31およびコンデンサ32と、コンデンサ32と並列に接続されたスイッチ回路33とから構成されている。PWM信号がHレベルになると(時刻t1、t6)、スイッチ回路31がオンしてコンデンサ32が充電される。このとき、コンデンサの電圧Vcは一定の傾きで上昇する。PWM信号がLレベルになると(時刻t4、t9)、スイッチ回路33がオンして放電によりコンデンサ32の電荷がゼロに初期化される。
しきい値電圧生成回路28は、ピークホールド回路34と分圧抵抗35a、35bから構成されている。ピークホールド回路34は、ピーク検出部とホールド部を備えている。ピーク検出部は、リセット信号Prが入力されると(時刻t4、t9)、それまでのピーク検出値をホールド部に保持した後ピーク検出値をゼロにリセットし、再びコンデンサ32の電圧Vcのピーク値を検出する。ホールド部は、次にリセット信号Prが入力されるまでの間、電圧Vcのピーク検出値(前回値)を保持する。この保持したピーク検出値は、分圧抵抗35a、35bにより分圧されてしきい値電圧Vtとなる。
マスク制御回路29は、PWM信号がHレベルに変化するとHレベルのマスク信号を出力し、その後電圧Vcがしきい値電圧Vtに達するとLレベルのマスク信号を出力する。上述したように、スイッチ回路25は、マスク信号がHレベルの期間オンして電流検出信号をグランドレベルに固定し、マスク信号がLレベルになるとオフして電流検出信号をグランドレベルから解放する。
ここで、コンデンサの電圧Vcは、PWM信号がHレベルに変化した時点からの経過時間に相当する。PWM信号がLレベルに変化した時のコンデンサの電圧Vcは、PWM周期のオンレベル時間Ton(最大マスク時間Tmax)に相当する。しきい値電圧Vtは、PWM信号がオフレベルに変化した時の電圧Vcを分圧した電圧なので、最大マスク時間Tmaxよりも短い時間に相当する。分圧抵抗35a、35bの抵抗値が等しければ、しきい値電圧Vtは、最大マスク時間Tmaxの1/2の時間に相当する。本実施形態によれば、アナログ回路によりマスク処理回路7を構成できる。
(その他の実施形態)
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形、拡張を行うことができる。
マスク処理回路7は、カウンタを用いてPWM周期のオンレベル時間Ton(最大マスク時間Tmax)を計測し、次のPWM周期において、その最大マスク時間Tmaxよりも短い時間(例えば1/2の時間)をマスク時間としてもよい。マスク時間は、カウンタを用いて計測すればよい。このように、マスク処理回路7は、アナログ回路のみならずデジタル回路によっても構成できる。
加算器19とスロープ補償回路20は、必要に応じて設ければよい。
スイッチング素子11、12は、バイポーラトランジスタ、IGBTなどの半導体素子であってもよい。
図面中、1はスイッチング電源装置、2は主回路、3は電流検出回路、4は電圧検出回路、5は誤差増幅器(誤差増幅回路)、6はPWM信号生成回路、7はマスク処理回路、8はドライブ回路、11はスイッチング素子、14はインダクタ、27充放電回路、28はしきい値電圧生成回路、29はマスク制御回路、32はコンデンサである。

Claims (4)

  1. スイッチング素子(11)とインダクタ(14)とを有し、駆動信号がオンレベルになると前記スイッチング素子がオンして前記インダクタに流れる電流を増加させ、前記駆動信号がオフレベルになると前記スイッチング素子がオフして前記インダクタに流れる電流を出力側に還流させる主回路(2)と、
    前記スイッチング素子と直列に設けられ、前記スイッチング素子を通して前記インダクタに流れる電流に対応した電流検出信号を出力する電流検出回路(3)と、
    前記主回路の出力電圧に対応した検出電圧を出力する電圧検出回路(4)と、
    前記主回路の目標出力電圧に対応した基準電圧と前記検出電圧との差に応じた誤差信号を出力する誤差増幅回路(5)と、
    前記電流検出信号をマスク処理するマスク処理回路(7)と、
    クロック信号に同期してPWM信号をオンレベルにし、前記マスク処理された電流検出信号が前記誤差信号に達した時に前記PWM信号をオフレベルにする電流モード制御を実行するPWM信号生成回路(6)と、
    前記PWM信号を入力して前記駆動信号を出力するドライブ回路(8)とを備え、
    前記マスク処理回路は、前記PWM信号がオンレベルに変化する時に前記電流検出信号を前記誤差信号よりも低く設定された所定のマスクレベルに固定し、その後、ターンオンに伴い前記スイッチング素子に流れるサージ電流を含む電流が前記誤差信号に相当するレベルより低くなるのに要する時間を最小マスク時間とし、直前のPWM周期のオンレベル時間を最大マスク時間としたとき、前記最小マスク時間よりも長く且つ前記最大マスク時間よりも短く設定されたマスク時間が経過した時に前記電流検出信号を前記マスクレベルから開放することを特徴とするスイッチング電源装置。
  2. 前記マスク処理回路は、前記最大マスク時間に所定の比率k(0<k<1)を乗じて得た時間であって且つ前記最小マスク時間よりも長い時間を前記マスク時間とすることを特徴とする請求項1記載のスイッチング電源装置。
  3. 前記比率kを1/2に設定したことを特徴とする請求項2記載のスイッチング電源装置。
  4. 前記マスク処理回路(7)は、
    前記PWM信号がオンレベルにある期間、定電流によりコンデンサ(32)に電荷を設定し、前記PWM信号がオフレベルに変化した後に前記コンデンサの電荷を初期化する充放電回路(27)と、
    前記PWM信号がオフレベルに変化した時の前記コンデンサの電圧を分圧してしきい値電圧を生成し、前記PWM信号が次にオフレベルに変化するまで当該しきい値電圧を保持するしきい値電圧生成回路(28)と、
    前記PWM信号がオンレベルに変化すると前記電流検出信号を前記マスクレベルに固定し、その後、前記コンデンサの電圧が前記しきい値電圧に達した時に前記電流検出信号を前記マスクレベルから開放するマスク制御回路(29)とを備えていることを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載のスイッチング電源装置。
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