JP2015010505A - ベーン型電動圧縮機 - Google Patents

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高橋 知靖
Tomoyasu Takahashi
知靖 高橋
孝則 寺屋
Takanori Teraya
孝則 寺屋
大沢 仁
Hitoshi Osawa
仁 大沢
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Abstract

【課題】圧縮機構に格別な加工を施すことなく、また、部品点数を増加させることなく、簡易な構成によって、設置状態に拘わらずチャタリングノイズの発生を低減することが可能なベーン型電動圧縮機を提供する。
【解決手段】駆動軸11に固装されてシリンダ61b内に回転可能に収容されるロータ41と、ロータ41に形成された少なくとも1つのベーン溝46と、ベーン溝46に摺動自在に挿入されて先端がベーン溝46から出没してシリンダ61bのカム面42を摺動するベーン47と、ロータ41を回転駆動する電動モータと、電動モータを駆動制御する駆動制御部とを備えたベーン型電動圧縮機において、ベーン型電動圧縮機の停止時に、駆動制御部は、ベーン47の少なくとも一つが水平となる位置でロータ41が停止するよう電動モータを制御する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、ベーン型圧縮機に関し、特に起動時等において発生するベーンの振動に伴うノイズ(チャタリングノイズ)を低減するために有用な構造を備えたベーン型電動圧縮機に関する。
一般的に、ベーン型圧縮機は、両端が閉塞されると共にカム面が内周面に形成されたシリンダと、シリンダ内に回転可能に支持されたロータと、このロータの外周面から内部に向けて形成されたベーン溝と、このベーン溝に出没可能に収容されたベーンとを有し、ロータの回転による遠心力およびベーン溝の底部に設けられた背圧室からの背圧によってベーンをシリンダの内周面に接触支持させる構造となっている。
このような圧縮機においては、コンプレッサが停止して内部の圧力がバランスすると、前記遠心力と背圧が失われるため、上方に向いているベーンは、自重によりシリンダの内周面から離れ、ベーン溝の底部に向かって移動(落下)する。このため、この状態から圧縮機を起動させると、ベーンが遠心力で飛び出し、シリンダの内周面に衝突して衝突音を発生させる。しかも、ベーンがシリンダの内周面に当接して圧縮室を形成し、被圧縮流体を吸入、圧縮、吐出する一連の行程の開始が遅れるため、起動直後には十分な吐出圧が得られず、ベーンに対して十分な背圧力をかけることができなくなる。このため、ベーンがシリンダの内周面から離れ、再びシリンダの内周面に着地して衝突音(チャタリングノイズ)を発生させる状態が長く続きやすい。
そこで、従来においては、このようなチャタリングノイズを低減するため、下記する特許文献1に示されるように、ロータの両端面にそれぞれ対向して配設された2つのサイドブロックに、シリンダの内周面の輪郭形状に対応したカム面を形成し、ベーンとカム面との間に、カム面に沿って案内されるピン(従動部材)と、ピンとベーンとの間の間隔を弾性力に応じて保持する板バネ(弾性部材)とを設け、この板バネによりベーンを突出方向に押圧してベーンの先端部がシリンダの内周面から離れるのを防止するようにした圧縮機が提案されている。
特開2011−196241号公報
しかしながら、上述した従来の圧縮機においては、ピンがカム面を摺動することになるので、カム面は精度良く加工する必要があり、摺動不良が発生した場合は圧縮機の作動不良や部品の破損につながる可能性がある。しかも、サイドブロックにはカム面を形成(加工)し、また、ベーンにはピンを収容するための溝を形成(加工)する必要があるので、圧縮機構を構成する部材の加工工数が増加する不都合があり、また、ピンや板バネが必要となるので、部品点数も増加する不都合がある。
本発明は係る事情に鑑みてなされたものであり、圧縮機構に格別な加工を施すことなく、また、部品点数を増加させることなく、簡易な構成によって、ベーン型圧縮機の設置状態に拘わらずチャタリングノイズの発生を低減することが可能なベーン型電動圧縮機を提供することを主たる課題としている。
上記課題を達成するために、本発明に係るベーン型電動圧縮機は、ハウジングと、カム面が形成され、前記ハウジング内に配置されたシリンダと、前記シリンダの軸方向の両端を閉塞し、前記ハウジング内に配置された一対のサイドブロックと、前記一対のサイドブロックに回転自在に支持された駆動軸と、前記駆動軸に固装されて前記シリンダ内に回転可能に収容されるロータと、前記ロータに形成された少なくとも1つのベーン溝と、前記ベーン溝に摺動自在に挿入され、先端が前記ベーン溝から出没して前記カム面を摺動するベーンと、前記シリンダと前記一対のサイドブロックとにより閉塞された空間に、前記ロータと前記ベーンによって形成された圧縮室と、前記ハウジング内に収容され、前記駆動軸を介して前記ロータを回転駆動する電動モータと、前記電動モータを駆動制御する駆動制御部と、を備えたベーン型電動圧縮機において、前記ベーン型電動圧縮機の停止時に、前記駆動制御部は前記ベーンの少なくとも一つが水平となる位置で前記ロータが停止するよう前記電動モータを制御することを特徴としている。
したがって、ベーン型電動圧縮機の停止時には、駆動制御部によってベーンの少なくとも一つが水平となる位置でロータが停止するように電動モータが制御されるので、少なくとも1つのベーンは、停止時に自重によりシリンダの内周面から離れることを確実に防ぐことが可能となり、ベーンをベーン溝から突出させた状態(ベーンの先端をシリンダの内周面と接触させた状態)で維持することが可能となる。
これにより、圧縮機起動時に遠心力でベーンが飛び出してシリンダの内周面に衝突したり、被圧縮流体を吸入、圧縮、吐出する一連の行程の開始時期が遅れたりするのを防止してベーンのチャタリングを低減することが可能となる。
上述した構成は、特に、180度位相が異なる位置にベーンが設けられている圧縮機に採用することが好ましく、例えば、ベーンが2枚であるベーン型圧縮機に採用することで、一方のベーンが水平位置にあれば、他方のベーンも水平位置となるため、いずれのベーンも圧縮機の停止時に、ベーンが自重によってベーン溝の底部に移動することがなくなり、ベーンをベーン溝から突出させた状態(ベーンの先端をシリンダの内周面と接触させた状態)とすることが可能となる。
なお、ベーン型電動圧縮機が、内周面が真円に形成された前記シリンダ、及び、前記シリンダの軸方向の一端側を閉塞する第1のサイドブロックが一体に形成された第1のハウジング部材と、前記シリンダの軸方向の他端側を閉塞する第2のサイドブロックが形成された第2のハウジング部材とを有する場合には、前記一対のサイドブロックを前記第1のサイドブロックと前記第2のサイドブロックで構成し、前記ハウジングを、少なくとも前記第1のハウジング部材と前記第2のハウジング部材とを組み合わせて構成するようにするとよい。
また、前記電動モータとしては、前記駆動軸に固定された回転部材と、この回転部材の軸方向の一方の端面に第1のエアギャップを介して対向配置された第1のステータと、前記回転部材の軸方向の他方の端面に第2のエアギャップを介して対向配置された第2のステータと、を備える構成を採用してもよい。
以上述べたように、本発明によれば、ベーン型電動圧縮機の停止時に、ベーンの少なくとも一つが水平となる位置でロータが停止するよう電動モータを制御するようにしたので、圧縮機構に格別な加工を施す必要がなくなり、また、部品点数を増加させることもなく、簡易な構成で、ベーン型圧縮機の設置状態に拘わらず、チャタリングノイズの発生を低減することが可能となる。
すなわち、水平状態で停止したベーンは、自重によってベーン溝の底部に移動することがなくなり、ベーン溝から突出させた状態(ベーンの先端をシリンダの内周面と接触させた状態)を維持することが可能となるので、圧縮機起動時にベーンが遠心力でシリンダの内周面に衝突して衝突音が発生する不都合を低減させることができ、また、被圧縮流体を吸入、圧縮、吐出する一連の行程の開始時期が遅れることでベーンがチャタリングノイズを発生させる状態が長く続く不都合もなくなる。
図1は、本発明にかかるベーン型電動圧縮機の全体構成を示す断面図である。 図2は、図1で示すベーン型電動圧縮機のA−A線で切断した断面図であり、ベーンがオフセットした状態でロータに取り付けられた状態を示す図である。 図3(a)は、ベーンがオフセットを零にした状態で取り付けられている例を示す図であり、図3(b)は、ベーンが図2とは逆側にオフセットした状態でロータに取り付けられている例を示す図である。
以下、本発明のベーン型圧縮機について図面を参照しながら説明する。
図1において、ベーン型電動圧縮機1は、例えば、冷媒を作動流体とする冷凍サイクルに用いられるものであり、アルミ合金等の非磁性材で構成されたハウジング2内に、図中左方においてアキシャルギャップ型の電動モータ3を配設し、また、図中右側において前記電動モータ3により駆動される圧縮機構4を配設している。尚、図1において、図中左側を電動圧縮機の前方(フロント側)、図中右側を電動圧縮機の後方(リア側)としている。
ハウジング2は、この例では、フロント側ハウジング5とリア側ハウジング6とを有して構成され、これらフロント側ハウジング5とリア側ハウジング6は、図示しないボルトにより軸方向に締結されている。
フロント側ハウジング5は、中程に隔壁5aが形成された筒形状のもので、隔壁5aよりもフロント側にフロント端が開口されたインバータ収容筒状部5bが形成され、また、隔壁5aよりもリア側にリア端が開口されたモータ収容筒状部5cが形成されている。隔壁5aには、リア側端面の周縁に、後述する第1のステータ13のバックヨーク13aの軸方向位置を規定するスラスト面5dが形成され、また後述するセンサ用の磁石53を所定のクリアランスを介して受容する円形状の磁石収容凹部5eが形成されている。
リア側ハウジング6は、第1のハウジング部材61と第2のハウジング部材62との2つの部材を組み合わせて構成されているもので、第2のハウジング部材62は、中程に後述する第2のサイドブロックを構成する隔壁62aが形成された筒状形状のもので、隔壁62aよりもフロント側にフロント端が開口されたモータ収容筒状部62bが形成され、また、隔壁62aよりもリア側にリア端が開口された圧縮機構収容筒状部62cが形成されている。隔壁62aには、後述する第2のステータ14のバックヨーク14aの軸方向位置を規定するスラスト面62dが形成され、また、フロント側端面から軸方向前方へ突出すると共に駆動軸11を貫通支持するボス部62eと、このボス部62eの周囲をフロント側の端面から軸方向後方へ窪ませた環状の凹部62fとが形成されている。
前記アキシャルギャップ型の電動モータ3は、フロント側ハウジング5の隔壁5aとモータ収容筒状部5c、及び、リア側ハウジング6(第2のハウジング部材62)の隔壁62aとモータ収容筒状部62bによって囲まれた密閉空間としてのモータ収容空間10に収容され、また、前記圧縮機構4は、リア側ハウジング6(第2のハウジング部材62)の圧縮機構収容筒状部62cに収容されている。
また、フロント側ハウジング5の隔壁5aとインバータ収容筒状部5b、及び、インバータ収容筒状部5bの開口端を閉塞する蓋体29とによってインバータ収容空間19が画成され、このインバータ収容空間19には、電動モータ3を制御するインバータ回路部品や制御演算部を有する駆動制御部21を搭載した回路基盤22が収容されている。
この駆動制御部21によって、後述するロータ41の駆動や停止位置等が制御されるようになっている。
アキシャルギャップ型の電動モータ3は、駆動軸11に固定される円盤形状の回転部材12と、この回転部材12のフロント側にエアギャップを介して対向配置された第1のステータ13と、回転部材12のリア側にエアギャップを介して対向配置された第2のステータ14とを有している。
回転部材12は、周方向に扇状の永久磁石からなるロータ磁石15が複数配列されており、中央に駆動軸11を挿嵌させる通孔12aが形成されている。この回転部材12は、例えば、駆動軸11の外周面と回転部材12の通孔12aの内周面とに形成されたキー溝に図示しないキーを係合させて駆動軸11に固定されており、このキーを介して回転部材12の回転が駆動軸11に伝達されるようになっている。
第1のステータ13と第2のステータ14は、同様の構成を有しているもので、中央に孔を有する磁性体からなる円盤状のバックヨーク13a,14aと、このバックヨーク13a,14aから回転部材12側に向かって軸方向に立設し、周方向に等間隔に配設された複数のティース13b,14bと、この複数のティース13b,14bのそれぞれが差し込まれるように、予め巻回して形成された三相の励磁コイル13c,14cとを有して構成され、インバータ収容空間19に収容された駆動制御部21から各ハウジング5、6に設けられた図示しないコネクタを介して、励磁コイル13c,14cに駆動電流が供給されるようになっている。
そして、それぞれのステータ13,14は、バックヨーク13a,14aに形成させたねじ留め代を対応するハウジング5,6のスラスト面5d,6dにねじ留めすることで固定されている。
駆動軸11のリア側は、第2のステータ14を挿通すると共にリア側ハウジング6(第2のハウジング部材62)の隔壁6aに形成されたボス部6eを貫通して圧縮機構4まで延設されているもので、ボス部6eの貫通孔内に設けられたプレーンベアリング24を介して回転自在に軸支されている。また、駆動軸11のフロント側は、第1のステータ13を挿通し、フロント側ハウジング5の隔壁5aの近傍まで延設されている。
圧縮機構4は、ベーン型であり、前記第1のハウジング部材61は、ロータ41を収納すると共にカム面42が内周面に形成されたシリンダ61bと、このシリンダ61bの軸方向の一端側(リア側)を閉塞するように一体に形成された第1のサイドブロック61aとを有している。シリンダ61bの内周面(カム面42)は、図2に示されるように、断面が真円に形成され、軸方向の長さがロータ41の軸方向の長さにほぼ等しく形成されている。
前記第2のハウジング部材62は、シリンダ61bの軸方向の他端側(フロント側)の端面に当接してこの他端側を閉塞する前記隔壁(第2のサイドブロック)62aと、この隔壁(第2のサイドブロック)62aに一体に形成されて駆動軸11の軸方向後方に延設され、前記シリンダ61b及び第1のサイドブロック61aの外周面を包囲するように形成されたシェル62cとを有して構成されている。
そして、これら第1のハウジング部材61と第2のハウジング部材62とは、図示しないボルトをモータ収容空間側(フロント側)から隔壁62aを介して螺合させることで軸方向に固定され、第1のハウジング部材61の外周面と第2のハウジング部材62のシェル62cとの間は、Oリング等のシール部材44が介在されて気密よくシールされている。
前記駆動軸11の末端部は、第1のサイドブロック61aに形成された軸受孔45内に配されたプレーンベアリング25を介して回転自在に軸支されている。
前記ロータ41は、図2に示されるように、断面が真円状に形成され、その軸中心に設けられた挿通孔41aに前記駆動軸11が挿通され、互いの軸中心を一致させた状態で駆動軸11に固定されている。また、シリンダ61bの軸中心O‘とロータ41(駆動軸11)の軸中心Oとは、ロータ41の外周面とシリンダ61bの内周面(カム面42)とが周方向の一箇所で当接するようにずらして設けられている(シリンダ61bの内径とロータ41の外径との差の1/2だけずらして設けられている)。そして、シリンダ61bと第1のサイドブロック61a及び隔壁(第2のサイドブロック)62aとにより閉塞された空間には、シリンダ61bの内周面とロータ41の外周面との間に圧縮空間30が画成されている。
そして、フロント側ハウジング5の外周壁には、圧縮機構4で圧縮される冷媒を導入する吸入口27が形成され、また、リア側ハウジング6を構成する第2のハウジング部材62の圧縮機構収容筒状部62cの外周壁には、圧縮機構4で圧縮された冷媒を吐出する吐出口28が形成されている。前記モータ収容空間10は、吸入口27に連通し、圧縮機構4へ冷媒を導く低圧経路を構成しており、リア側ハウジング6の隔壁6aには、モータ収容空間10と圧縮機構4の吸入部位とを連通する図示しない連通路が形成されている。
前記ロータ41の外周面には、複数のベーン溝46が形成され、それぞれのベーン溝46には、ベーン47が摺動自在に挿入されている。ベーン溝46は、ロータ41の外周面のみならず第1のサイドブロック61a及び第2のサイドブロック62aと対峙する端面にも開口されており、底部には背圧室46aが形成されている。このベーン溝46は、周方向に等間隔に複数形成されているもので、この例では、180度位相が異なる2箇所に互いに平行となるように形成されており、ベーン47を含む平面と、ベーン47と平行をなし駆動軸11の軸心Oを含む平面とが所定の距離αだけ離れた状態(オフセットαの状態)で形成されている。
ベーン47は、駆動軸11の軸方向に沿った幅が前記ロータ41の軸方向巾に等しく形成され、ベーン溝46への挿入方向(摺動方向)の長さは、ベーン溝46の同方向の長さに略等しく形成されている。このベーン47は、ベーン溝46の背圧室46aに供給される背圧により、ベーン溝46から突出されて先端部がシリンダ61bの内周面(カム面42)に当接可能となっている。
したがって、前記圧縮空間30は、ベーン溝46に摺動自在に挿入されたベーン47によって複数の圧縮室31に仕切られ、それぞれの圧縮室31の容積は、ロータ41の回転によって変化するようになっている。
このようなベーン型電動圧縮機1においては、駆動軸11の先端に、ねじ等によって磁石体50がその軸心を駆動軸11の軸心に一致させて軸方向に締結されている。この磁石体50は、駆動軸11の軸心を中心として周方向に沿って設けられた位置検出用の多極の磁石53を具備している。この多極の磁石53は、周方向に交互に磁極N,Sが形成された部材であり、例えば、多極に磁化された磁気ディスクによって構成され、ロータ磁石15の極数と同数の極数を有しており、ロータ磁石15のN極とS極の位相に対し磁石体50の磁石53のN極とS極の位相が所定の位相関係となるように配置される。この例においては、ロータ磁石15のN極とS極の位相と磁石体50の磁石53のN極とS極の位相とを一致させている。また、磁石体50の各磁石53は、駆動軸11の回転に伴って該駆動軸11の軸心と直交する平面上に設けられ、隔壁5aに形成された磁石収容凹部5eに軸方向で所定のクリアランスを持たせた状態で収容されている。
これに対して、インバータ収容空間19には、隔壁5aに設けられた台座26に回路基盤22がネジ留め等によって固定されており、回路基盤22の隔壁5aと対峙する面は、駆動軸11の軸心と直交する平面に形成され、この回路基盤22の隔壁5aと対峙する部分に、隔壁5aとの間に所定のクリアランスを持たせてホールセンサ等の磁気センサ55が固定されている。磁気センサ55は、その磁気検出方向が駆動軸の軸方向に一致するように設けられており、隔壁5aを間に介在させて磁石体50の磁石33の回転軌跡上の所定位置と駆動軸11の軸方向で対向する位置に配置されている。この例では、磁気センサ55は、磁石53の回転軌跡と対向させてそれぞれ60度ずつ位相をずらして(隣合う磁気センサが機械角で60度の間隔を空けて)3つ設けられている。
また、隔壁5aには、磁石体50の磁石53の回転軌跡(一点鎖線で示す)と対向し、且つ、それぞれの磁気センサ55の磁気検出方向と対峙する部位に、磁石53の磁束を拡散させずに磁気センサ55の近傍まで導くための磁性体で形成されたピン56が取り付けられている。この例では、隔壁5aの回路基盤22と対峙する端面に、隔壁5aの厚みよりも小さい深さを有する凹部を形成し、この凹部にピン56を圧入、接着剤等の手段により収容固定するようにしている。
前記駆動制御部21は、磁気センサ55による回転部材12の回転角度の検出結果に基づき、励磁コイル13c,14cへの通電を制御すると共に、この例では、電動モータ3を停止させる場合に、磁気センサ55による回転部材12の回転角度の検出結果に基づき、ロータ41を2枚のベーン47が水平となる位置で停止するように電動モータ3を制御している。
したがって、圧縮機が駆動している状態から停止要請を受けると、ロータ41は停止しようとするが、駆動制御部21は、2枚のベーン47が水平となる状態でロータ41を停止させるので、圧縮機の設置状態に拘わらず、ベーン47は、自重によってベーン溝46の底部に移動することがなくなり、ベーン溝46から突出させた状態(ベーン47の先端をシリンダ61bの内周面(カム面42)と接触させた状態)で停止されることになる。
この状態から圧縮機が起動すると、ベーン47はすでにベーン溝46から突出してシリンダ61bの内周面(カム面42)に接触した状態にあるため、遠心力でベーン47が飛び出しシリンダ61bの内周面(カム面42)に衝突して音を発生させる不都合がなくなり、また、被圧縮流体を吸入・圧縮・吐出する行程の開始がロータの回転と同時に行われて起動直後においても吐出圧をただちに高くしてベーン47に対して十分な背圧力をかけることが可能となる。このため、ベーン47がシリンダ61bの内周面から離れ、再びシリンダ61bの内周面に着地して衝突音(チャタリングノイズ)を発生させる状態が長く続く不都合がなくなる。
以上の構成は、ベーンが1枚である場合でも、また、3枚以上である場合でも、少なくとも1枚のベーンが水平となる状態においてロータ41を停止させるように電動モータ3を制御することで、チャタリングの発生を低減する効果を期待できるが、本構成は、特に、180度位相が異なる位置にベーン47が配設されるベーン型圧縮機に適しており、上述のようにベーンが2枚の場合には、全てのベーンが圧縮機の停止時に略水平となるので、最も効果的である。
また、2枚ベーンの構成においても、図2で示すように、ベーン溝46(ベーン47)がオフセットして設けられた場合のみならず、図3(a)で示すように、ベーン47を含む平面と、ベーン47と平行をなし駆動軸11の軸心Oを含む平面とを一致させる(オフセットを0にする)場合や、図3(b)に示すように、図2とは逆側にオフセットしている場合においても、ベーン47が水平となる状態においてロータ41を停止させるようにしてもよい。
1 ベーン型電動圧縮機
2 ハウジング
3 電動モータ
5 フロント側ハウジング
6 リア側ハウジンツ
11 駆動軸
21 駆動制御部
31 圧縮室
41 ロータ
42 カム面
46 ベーン溝
47 ベーン
61 第1のハウジング部材
61b シリンダ
61a 第1のサイドブロック
62 第2のハウジング部材
62a 隔壁(第2のサイドブロック)

Claims (4)

  1. ハウジングと、カム面が形成され、前記ハウジング内に配置されたシリンダと、前記シリンダの軸方向の両端を閉塞し、前記ハウジング内に配置された一対のサイドブロックと、前記一対のサイドブロックに回転自在に支持された駆動軸と、前記駆動軸に固装されて前記シリンダ内に回転可能に収容されるロータと、前記ロータに形成された少なくとも1つのベーン溝と、前記ベーン溝に摺動自在に挿入され、先端が前記ベーン溝から出没して前記カム面を摺動するベーンと、前記シリンダと前記一対のサイドブロックとにより閉塞された空間に、前記ロータと前記ベーンによって形成された圧縮室と、前記ハウジング内に収容され、前記駆動軸を介して前記ロータを回転駆動する電動モータと、前記電動モータを駆動制御する駆動制御部と、を備えたベーン型電動圧縮機において、
    前記ベーン型電動圧縮機の停止時に、前記駆動制御部は前記ベーンの少なくとも一つが水平となる位置で前記ロータが停止するよう前記電動モータを制御することを特徴とするベーン型電動圧縮機。
  2. 前記ベーンは2枚であることを特徴とする請求項1記載のベーン型圧縮機。
  3. 前記ベーン型電動圧縮機は、内周面が真円に形成された前記シリンダ、及び、前記シリンダの軸方向の一端側を閉塞する第1のサイドブロックが一体に形成された第1のハウジング部材と、前記シリンダの軸方向の他端側を閉塞する第2のサイドブロックが形成された第2のハウジング部材とを備え、前記一対のサイドブロックは、前記第1のサイドブロックと前記第2のサイドブロックであり、
    少なくとも前記第1のハウジング部材と前記第2のハウジング部材を組み合わせて前記ハウジングが構成されることを特徴とする請求項1又は2記載のベーン型電動圧縮機。
  4. 前記電動モータは、前記駆動軸に固定された回転部材と、この回転部材の軸方向の一方の端面に第1のエアギャップを介して対向配置された第1のステータと、前記回転部材の軸方向の他方の端面に第2のエアギャップを介して対向配置された第2のステータと、を備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のベーン型電動圧縮機。
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WO2019019933A1 (zh) * 2017-07-27 2019-01-31 湖北国苗特种车辆制造有限公司 双缸循环抽吸式风机

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