JP2015009681A - ステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】二次衝突時の離脱荷重の増大を抑制することができるステアリング装置を提供する。
【解決手段】固定ブラケット23の第1板30にコラム移動方向X1に平行に延びる長孔81,82が形成される。吊り下げ機構T1の吊り下げボルト251の長孔挿通部(大径部53)が、一方の長孔81の初期組み付け位置(二次衝突時のコラム移動方向X1とは反対方向X2の端部の位置に相当)に配置される。長孔の内周81aが、コラム移動方向X1に平行な一対の平坦面部83,84と、円弧面部85と、円弧面部85の一対の端部85a,85bを対応する平坦面部83,84に接続するテーパ面部86,87とを備える。各テーパ面部86,87がコラム移動方向X1に対してなすテーパ角度θ1,θ2が、摩擦角βと同等または同等以上とされている。
【選択図】図9

Description

本発明はステアリング装置に関する。
ステアリング装置では、車両が他の車両にぶつかる一次衝突に続いて、運転者がステアリングホイールにぶつかる二次衝突が発生する。その二次衝突時の衝撃を吸収するために、ステアリングコラムの一部を車体から離脱させてコラム軸方向に移動させる構造が種々提案されている。
例えば、特許文献1では、車体側ブラケットの基板部に設けられた長孔からなる透孔に挿通された吊り下げボルトが、基板部の上下面に沿う一対の滑り板部を有するスライド素板に挿通されている。吊り下げボルトに固設された抑え部分と、コラム側ブラケットの上板部との間で、車体側ブラケットの基板部を、両滑り板部を介して挟持する事により、車体側ブラケットに対してコラム側ブラケットを結合し支持している。二次衝突時には、スライド素板が、吊り下げボルトとコラム軸方向に同行移動する。
特開2012−148758号公報
しかしながら、二次衝突時に、ステアリングシャフトに対して斜め方向に荷重が入力される場合、吊り下げボルトが、長孔の内周に圧痕を生じさせるように食い込むおそれがある。その場合、長孔の内周から、吊り下げボルトの移動(離脱)に制動力が及ぼされて、離脱荷重が増大するおそれがある。
そこで、本発明の目的は、二次衝突時の離脱荷重の増大を抑制することができるステアリング装置を提供することである。
前記目的を達成するため、請求項1の発明は、車体側部材(13)に固定された第1板(30)を含む固定ブラケット(23)と、一端に操舵部材が連結されたステアリングシャフト(3)を回転可能に支持する可動ジャケット(16)と、二次衝突時に前記可動ジャケットとともにコラム移動方向(X1)に移動するように可動ジャケットを支持し、前記第1板に対向する第2板(32)を含む可動ブラケット(24)と、前記第1板に設けられてコラム移動方向に平行に延びる一対の長孔(81,82;81Q)とそれぞれ対応する前記第2板の一対の丸孔(91,92)を挿通して前記第1板および前記第2板を連結することで前記可動ブラケットを介して前記可動ジャケットを吊り下げる一対の吊り下げ軸(251,252)を含み、二次衝突時に、各吊り下げ軸の長孔挿通部(53;53P)が、対応する長孔に沿って初期組み付け位置からコラム移動方向に移動する一対の吊り下げ機構(T1,T2)と、を備え、何れか一方の長孔の内周(81a)は、コラム移動方向に平行に延び互いの間隔(W1)が対応する吊り下げ軸の長孔挿通部の外径(D1;D1P)よりも大きい一対の平坦面部(83,84)と、前記初期組み付け位置に配置された対応する吊り下げ軸の長孔挿通部の外周(53a)の一部を受ける凹状の円弧面部(85)と、前記円弧面部の一対の端部(85a,85b)からそれぞれ接線方向に延びて対応する平坦面部に接続される一対のテーパ面部(86,87)と、を含み、各テーパ面部がコラム移動方向に対してなすテーパ角度(θ1,θ2)が、摩擦角(β)と同等または同等以上とされているステアリング装置(1)を提供する。
なお、括弧内の英数字は、後述する実施形態における対応構成要素等を表すが、このことは、むろん、本発明がそれらの実施形態に限定されるべきことを意味するものではない。以下、この項において同じ。
また、請求項2のように、前記一方の長孔を挿通する吊り下げ軸の長孔挿通部を取り囲んで、前記一方の長孔の内周に対する接触圧力を分散させる面圧集中緩和部材(110,120)を備えていてもよい。
また、請求項3のように、前記面圧集中緩和部材は、前記長孔挿通部に回転可能に嵌合されて前記一方の長孔の内周に転がり接触する回転部材(110)を含んでいてもよい。 また、請求項4のように、前記面圧集中緩和部材は、前記長孔挿通部に嵌合されて前記一方の長孔の内周に滑り接触する摺動部材(120)を含んでいてもよい。
また、請求項5のように、前記摺動部材は、前記一方の長孔の前記円弧面部に嵌合する円弧面部(125)と、前記一方の長孔の前記一対の平坦面部にそれぞれ対向してコラム移動方向に平行に延びる一対の平坦面部(123,124)と、を含んでいてもよい。
また、請求項6の発明は、車体側部材に固定された第1板を含む固定ブラケットと、一端に操舵部材が連結されたステアリングシャフトを回転可能に支持する可動ジャケットと、二次衝突時に前記可動ジャケットとともにコラム移動方向に移動するように可動ジャケットを支持し、前記第1板に対向する第2板を含む可動ブラケットと、前記第1板に設けられてコラム移動方向に平行に延びる一対の長孔とそれぞれ対応する前記第2板の一対の丸孔を挿通して前記第1板および前記第2板を連結することで前記可動ブラケットを介して前記可動ジャケットを吊り下げる一対の吊り下げ軸を含み、二次衝突時に、各吊り下げ軸の長孔挿通部が、対応する長孔に沿って初期組み付け位置からコラム移動方向に移動する一対の吊り下げ機構と、少なくとも一方の長孔を挿通する吊り下げ軸の長孔挿通部を取り囲んで、対応する長孔の内周に対する接触圧力を分散させる面圧集中緩和部材と、を備えるステアリング装置を提供する。
また、請求項7のように、前記面圧集中緩和部材は、前記長孔挿通部に回転可能に嵌合されて前記対応する長孔の内周に転がり接触する回転部材を含んでいてもよい。
また、請求項8のように、前記面圧集中緩和部材は、前記長孔挿通部に嵌合されて前記対応する長孔の内周に滑り接触する摺動部材を含んでいてもよい。
請求項1の発明によれば、長孔のテーパ面部のテーパ角度が摩擦角と同等または同等以上とされているので、二次衝突時に、吊り下げ軸の長孔挿通部が、初期組み付け位置から第1方向に引っ掛かりなくスムーズに移動(離脱)することができる。したがって、離脱荷重の増大を抑制することができる。
また、請求項2の発明によれば、吊り下げ軸の長孔挿通部を取り囲む面圧集中緩和部材が、長孔の内周に対する面圧集中を緩和するので、二次衝突時に、長孔挿通部が長孔の内周に食い込んだりすることなく、スムーズに移動(離脱)する。
また、請求項3の発明によれば、二次衝突時に、長孔挿通部に回転可能に嵌合された回転部材が、長孔の内周を転動することにより、長孔の内周に対する面圧の集中を緩和して、長孔挿通部を初期組み付け位置からスムーズに離脱させることができる。
また、請求項4の発明によれば、二次衝突時に、長孔挿通部に嵌合された摺動部材が、長孔の内周を摺動することにより、長孔の内周に対する面圧の集中を緩和して、長孔挿通部を、初期組み付け位置からスムーズに離脱させることができる。
また、請求項5の発明によれば、摺動部材が長孔の一対の平坦面部にそれぞれ対向してコラム移動方向に平行に延びる一対の平坦面部を備えているので、面圧の集中を確実に緩和して、スムーズな離脱を確実に実現することができる。
また、請求項6の発明によれば、吊り下げ軸の長孔挿通部を取り囲む面圧集中緩和部材が、長孔の内周に対する面圧の集中を緩和するので、二次衝突時に、長孔挿通部が長孔の内周に食い込んだりすることなく、初期組み付け位置からスムーズに移動(離脱)することができる。
また、請求項7の発明によれば、二次衝突時に、長孔挿通部に回転可能に嵌合された回転部材が、長孔の内周に転動することにより、長孔の内周に対する面圧の集中を緩和して、長孔挿通部を初期組み付け位置からスムーズに離脱させることができる。
また、請求項8の発明によれば、二次衝突時に、長孔挿通部に嵌合された摺動部材が、長孔の内周を摺動することにより、長孔の内周に対する面圧の集中を緩和して、長孔挿通部を、初期組み付け位置からスムーズに離脱させることができる。
本発明の第1実施形態のステアリング装置の模式的側面図であり、ステアリング装置の概略構成を示している。 第1実施形態のステアリング装置の概略断面図であり、図1のII−II線に沿う断面を示している。 第1実施形態のステアリング装置の分解斜視図である。 第1実施形態において、固定ブラケットと、両吊り下げ機構と、連結・離脱機構との一部破断概略平面図である。 第1実施形態において、第1板と第2板との連結状態の断面図であり、樹脂ピンの軸線を含む前後方向の断面を示している。 第1実施形態において、二次衝突時の第1板と第2板との断面図であり、樹脂ピンの剪断によって第2板が第1板の所定位置からコラム移動方向へ離脱した状態を示している。 図2のVII −VII 線に沿う断面図であり、第1実施形態において、第1板、両吊り下げボルトおよび連結・離脱機構の断面を示している。 図2のVIII−VIII線に沿う断面図であり、第1実施形態において、第2板、両吊り下げボルトおよび連結・離脱機構の断面を示している。 図7の一部を拡大して示す第1板の両長孔と両吊り下げボルトの模式図である。第1板と両吊り下げボルトの断面のハッチングを省略してある。 本発明の第2実施形態の第1板の両長孔と両吊り下げボルトの模式図である。第1板と両吊り下げボルトの断面のハッチングを省略してある。 本発明の第3実施形態の第1板の両長孔と両吊り下げボルトの模式図である。第1板と両吊り下げボルトの断面のハッチングを省略してある。 本発明の第4実施形態の第1板の両長孔と両吊り下げボルトの模式的断面図である。
本発明の好ましい実施形態の添付図面を参照しつつ説明する。
図1は本発明の第1実施形態のステアリング装置の概略構成を示す模式図である。図1を参照して、ステアリング装置1は、ステアリングホイール等の操舵部材2に連結されたステアリングシャフト3と、ステアリングシャフト3に自在継手4を介して連結された中間軸5と、中間軸5に自在継手6を介して連結されたピニオン軸7と、ピニオン軸7の端部近傍に設けられたピニオン7aに噛み合うラック8aを有する転舵軸としてのラック軸8とを備えている。
ピニオン軸7およびラック軸8を含むラックアンドピニオン機構によって、操舵機構A1が構成されている。ラック軸8は、車体側部材9に固定されたハウジング10によって、車両の左右方向に沿う軸方向(紙面とは直交する方向)に移動可能に、支持されている。ラック軸8の各端部は、図示していないが、対応するタイロッドおよび対応するナックルアームを介して対応する転舵輪に連結されている。
ステアリングシャフト3は、例えばスプライン結合を用いて、同行回転可能に且つ軸方向に相対移動可能に連結されたアッパーシャフト11およびロアーシャフト12を有している。ステアリングシャフト3は、車体側部材13,14に固定されたステアリングコラム15によって、図示しない軸受を介して回転可能に支持されている。
ステアリングコラム15は、軸方向に相対移動可能に嵌め合わされた筒状のアッパージャケット16(可動ジャケット)と、筒状のロアージャケット17と、ロアージャケット17の軸方向下端に連結されたハウジング18とを備えている。ハウジング18内には、操舵補助用の電動モータ19の動力を減速してロアーシャフト12に伝達する減速機構20が収容されている。減速機構20は、電動モータ19の回転軸(図示せず)と同行回転可能に連結された駆動ギヤ21と、駆動ギヤ21に噛み合いロアーシャフト12と同行回転する被動ギヤ22とを有している。
ステアリングシャフト3とステアリングコラム15との他、後述する、固定ブラケット23と、チルトブラケット24と、吊り下げ機構T1,T2と、ロック機構29と、連結・離脱機構R1等とを含んでステアリング装置1が構成されている。
本実施の形態では、ステアリング装置1が電動パワーステアリング装置に適用された例に則して説明するが、本発明をマニュアルステアリング装置に適用するようにしてもよい。また、本実施の形態では、ステアリング装置1がチルト調節可能である場合に則して説明するが、本発明をチルト調整機能を持たないステアリング装置に適用するようにしてもよいし、チルト調整可能でテレスコピック調整可能なステアリング装置に適用してもよい。
概略断面図である図2に示すように、ステアリング装置1は、固定ブラケット23によって、可動ブラケットとしてのチルトブラケット24を介してアッパージャケット16を吊り下げる一対の吊り下げ機構T1,T2を備えている。すなわち、図1および図2に示すように、車体側部材13に固定された固定ブラケット23に、可動ブラケットとしてのチルトブラケット24が、両吊り下げ機構T1,T2の吊り下げ軸としての吊り下げボルト251,252を介して吊り下げられている。一方、ステアリングコラム15のアッパージャケット16には、コラムブラケット26が固定されている。
図1および図2に示すように、ステアリング装置1は、操作レバー27の操作に応じて、締付軸28によってチルトブラケット24を介して、チルト調整後のコラムブラケット26の位置(ひいてはアッパージャケット16および操舵部材2の位置)をロックしたりロックを解除したりするロック機構29を備えている。
図2、図3に示すように、チルトブラケット24は、一対の側板41を備えており、図2に示すように、コラムブラケット26は、チルトブラケット24の一対の側板41にそれぞれ対向する一対の側板71と、一対の側板71の下端間を連結する連結板72とを備えた溝形をなしている。
図2を参照して、締付軸28は、チルトブラケット24およびコラムブラケット26の側板41,71を貫通するボルトからなる。締付軸28に螺合するナット73を、操作レバー27の回転操作によって回転させることにより、締付軸28としてのボルトの頭部とナット73との間に、両側板41,71を締め付け、両側板41,71をロックする。これにより、チルト調整後の操舵部材2の位置をロックし、チルトロックを達成するようにしている。
また、ステアリング装置1は、固定ブラケット23の第1板30とチルトブラケット24の第2板32とを連結し、二次衝突時に、第2板32を第1板30の所定位置(図5に示される位置)から図6に示すようにコラム移動方向X1へ離脱させる連結・離脱機構R1とを備えている。
図2および一部破断概略平面図である図4に示すように、連結・離脱機構R1は、コラム移動方向X1とは直交する方向Y1に関して、一対の吊り下げ機構T1,T2の間(すなわち固定ブラケット23の第1板30の後述する一対の長孔81,82の間)に配置されている。具体的には、連結・離脱機構R1は、コラム移動方向X1とは直交する方向Y1に関して、一対の長孔81,82の間(すなわち一対の吊り下げボルト251,252の間)の中央位置に配置されている。
図1を参照して、固定ブラケット23は、二次衝突時のコラム移動方向X1(ステアリングシャフト3の軸方向に相当)に平行な第1板30を備えている。第1板30には、コラム移動方向X1に平行に延びる、吊り下げ機構T1,T2用の長孔81,82が形成されている。一方、チルトブラケット24(可動ブラケット)は、第1板30に対向する第2板32を備えている。第2板32には、各長孔81,82の一部と対向する、吊り下げ機構T1,T2用の丸孔91,92が形成されている。
各吊り下げボルト251,252は、第1板30の対応する長孔81,82および第2板32の対応する丸孔91,92を挿通して、ナット34に螺合するボルトにより構成されている。ナット34と共同して第1板30と第2板32とを連結した吊り下げボルト251,252が、チルトブラケット24(可動ブラケット)およびコラムブラケット26を介してアッパージャケット16(可動ジャケット)を吊り下げている。また、各吊り下げボルト251,252は、二次衝突時に、対応する長孔81,82に沿って、チルトブラケット24(可動ブラケット)、コラムブラケット26およびアッパージャケット16と共に、コラム移動方向X1に移動可能である。
車体側部材14に固定されたロアーブラケット35が、ピボット軸であるチルト中心軸36を支持している。チルト中心軸36は、ステアリングコラム15のハウジング18を介して、ロアージャケット17を、当該チルト中心軸36の回りに揺動可能に支持している。
図2および図3に示すように、各吊り下げ機構T1,T2は、対応する吊り下げボルト251,252と、例えば皿ばねからなる板ばね42と、ナット34等により構成されている。連結・離脱機構R1は、二次衝突時に剪断する樹脂ピン61と、樹脂ピン61の軸方向の一部に嵌合した円筒状のカラー62とで構成されている。カラー62は、樹脂ピン61を形成する樹脂よりも高硬度の材料(例えば、鉄、アルミニウム等の金属、高硬度の樹脂やセラミック等)で形成されている。
図3を参照して、固定ブラケット23は、第1板30の一対の側縁からそれぞれ下向きに延設された一対の側板37と、一対の側板37からそれぞれ外側方へ延設された一対の取付板38とを備えている。固定ブラケット23は、例えば板金により形成されている。各取付板38に設けられたねじ挿通孔39(図3および図4参照)を挿通した固定ボルト40(図4参照)によって、各取付板38が、車体側部材13に固定されている。これにより、固定ブラケット23が車体側部材13に固定されている。
図2〜図4を参照して、固定ブラケット23の第1板30において、一対の長孔81,82は、一対の吊り下げボルト251,252に対応して一対設けられている。一対の長孔81,82は、二次衝突時のコラム移動方向X1と平行に延び、また、コラム移動方向X1とは直交する方向Y1に離隔している。
図2、図3に示すように、チルトブラケット24(可動ブラケット)は、例えば板金により形成されている。チルトブラケット24は、第2板32と、第2板32の一対の側縁から下向きに延設された一対の側板41とを備えており、溝形をなしている。第2板32と各側板41との連結部は、図2、図3に示すように湾曲状に形成されていてもよい。
チルトブラケット24の第2板32において、一対の丸孔91,92は、一対の吊り下げボルト251,252に対応して設けられている。各吊り下げボルト251,252は、例えば皿ばねからなる環状の板ばね42と、第1介在板43の対応する挿通孔44と、第1板30の対応する長孔81,82と、第2板32の対応する丸孔91,92とを順次に挿通して、ナット34にねじ込まれている。これにより、吊り下げボルト251,252がチルトブラケット24を吊り下げている。
第1介在板43は、図3および図4に示すように、コラム移動方向X1とは直交する方向Y1に延びる長板からなり、図2に示すように、両板ばね42と第1板30の上面30aとの間に介在している。第1介在板43の少なくとも第1板30側の面が、例えばフッ素樹脂等の低摩擦材で構成されている。すなわち、第1介在板43全体が、低摩擦材で構成されていてもよいし、第1介在板43の第1板30側の面に、低摩擦材が被覆されていてもよい。
第1板30と第2板32との間には、二次衝突時に第2板32が第1板30に対して、コラム移動方向X1に移動するときの摺動抵抗を低減させる働きをする第2介在板45と第3介在板46とが介在している。
第2介在板45は、第2板32のコラム移動方向X1側の端部である第1端部321に係止された溝形のユニット45Uを構成している。すなわち、ユニット45Uは、第2板32の上面32aおよび第1板30の下面30bに沿う第2介在板45と、第2介在板45と対向し且つ第2板32の下面32bに沿う対向板47と、第2介在板45と対向板47とを連結し且つ第2板32のコラム移動方向X1側の端縁に当接する連結板48とを備えている。
第2介在板45の少なくとも第1板30側の面が、例えばフッ素樹脂等の低摩擦材で構成されている。すなわち、第2介在板45ないしユニット45Uが、低摩擦材で構成されていてもよいし、第2介在板45の第1板30側の面に、低摩擦材が被覆されていてもよい。
第3介在板46は、第1板30のコラム移動方向X1とは反対側の端部である第2端部302および第2板32のコラム移動方向X1とは反対側の端部である第2端部322に係止されたユニット46Uを構成している。すなわち、ユニット46Uは、第2板32の上面32aおよび第1板30の下面30bに沿う第3介在板46と、第3介在板46に対向し且つ第1板30の上面30aに沿う対向板49とを備えている。また、ユニット46Uは、第3介在板46と対向板49とを連結し且つ第1板30のラコム移動方向X1とは反対側の端縁に当接する連結板50と、第2板32の第2端部322に引っ掛け係止される例えば鉤形フック状の係止部51とを備えている。
第3介在板46の少なくとも第2板32側の面が、例えばフッ素樹脂等の低摩擦材で構成されている。すなわち、第3介在板46ないしユニット46Uが、低摩擦材で構成されていてもよいし、第3介在板46の第2板32側の面に、低摩擦材が被覆されていてもよい。
図2および図3に示すように、各吊り下げボルト251,252は、頭部52と、頭部52に連なり頭部52より小径である長孔挿通部としての大径部53と、大径部53に連なり大径部53より小径の小径部54と、大径部53と小径部54との間に形成された段部55と、小径部54に設けられたねじ部56とを備えている。頭部52には、例えば六角孔形状の工具係合部57が設けられている。
図2に示すように、大径部53(長孔挿通部)が、環状の板ばね42と、第1介在板43の挿通孔44と、第1板30の対応する長孔81,82とを挿通している。段部55は、第2板32の上面32aに当接し、上面32aによって受けられている。段部55とナット34との間で第2板32が挟持されて、吊り下げボルト251,252と第2板32とが固定されている。
頭部52と段部55との間隔H1(大径部53の軸長に相当)は、第1板30と第2板32との間に介在する第2介在板45の板厚(ないし第3介在板46の板厚)と、第1板30の板厚と、第1板30の上面30aに沿う第1介在板43の板厚と、最圧縮時の板ばね42の板厚との合計よりも大きくされている。これにより、板ばね42が、第1介在板43を介して第1板30を第2板32側へ弾性的に付勢している。
連結・離脱機構R1の樹脂ピン61は、例えば断面円形の頭部63と、頭部63よりも小径の円柱状部である軸部64とを備えている。円筒状のカラー62は、軸部64の外周に嵌合されている。カラー62の外径は、樹脂ピン61の頭部63の外径と等しくされている。カラー62の軸方向の第1端部621が、樹脂ピン61の頭部63に当接し、カラー62の軸方向の第2端部622が、第2板32の上面32aによって受けられている。これにより、樹脂ピン61およびカラー62が、第2板32の下方へ脱落することが防止されている。
一方、第1介在板43が、樹脂ピン61の頭部63の上方を覆うように配置されることで、樹脂ピン61の上方への脱落が防止されている。また、第1介在板43には、樹脂ピン61の頭部63に対向して、頭部63の外径よりも小さい覗き孔65が形成されている。連結・離脱機構R1の組立後に、第1介在板43の覗き孔65を通して樹脂ピン61の頭部63を視認することにより、樹脂ピン61の組み付け忘れ等の作業不良を容易に判断することができる。
樹脂ピン61の頭部63とカラー62の大部分とは、固定ブラケット23の第1板30の、連結・離脱機構R1用の第1孔66に挿通されている。カラー62の一部は、第1孔66から突出している。樹脂ピン61の軸部64のうち、カラー62から突出した一部641が、チルトブラケット24(可動ブラケット)の第2板32の、連結・離脱機構R1用の第2孔67に挿通されている。二次衝突時には、図5から図6に示すように、第1板30と第2板32との相対移動に伴って、樹脂ピン61の軸部64の一部641が残りの部分から分離するように剪断する。
図2のVII −VII 線に沿う断面である図7に示すように、第1板30の連結・離脱機構R1用の第1孔66は、コラム移動方向X1とは直交する方向Y1に関して、一対の吊り下げ機構T1,T2用の長孔81,82間の中央位置に配置されている。すなわち、樹脂ピン61は、コラム移動方向X1とは直交する方向Y1に関して、一対の吊り下げボルト251,252間の中央位置に配置されている。各吊り下げボルト251,252の長孔挿通部としての大径部53が、それぞれ対応する長孔81,82を挿通している。
また、第1板30の連結・離脱機構R1用の第1孔66は、コラム移動方向X1とは直交する方向Y1に長い横長孔に形成されている。これにより、コラム移動方向X1とは直交する方向Y1に関して、カラー62の外周と第1孔66の内周との間に隙間S1,S2が設けられている。
この隙間があるので、運搬時や組み付け時に、何らかの外力によって、第1板30と第2板32とが、コラム移動方向X1とは直交する方向Y1に、多少位置ずれを生じたとしても、樹脂ピン61が剪断することがない。
図2のVIII−VIII線に沿う断面である図8に示すように、チルトブラケット24の第2板32の、連結・離脱機構R1用の第2孔67は、コラム移動方向X1とは直交する方向Y1に関して、一対の吊り下げ機構T1,T2用の一対の丸孔91,92間の中央位置に配置されている。第2孔67は、樹脂ピン61の軸部64の外径と同じか又は若干大きい内径を持つ円孔により形成されている。各丸孔91,92には、対応する吊り下げボルト251,252の小径部54が挿通されている。
二次衝突時には、カラー62の第2端部622と第2板32との合わせ面のずれによって、樹脂ピン61の軸部64が剪断される。カラー62の第2端部622の内周縁で構成される剪断刃は、円弧状であり、第2板32の第2孔67の縁部で構成される剪断刃も、円弧状である。
次いで、図9は、第1板30の一対の長孔81,82と、一対の長孔81,82に対する初期組み付け位置に配置された吊り下げボルト251,252の長孔挿通部としての大径部53との関係を示している。図9において、第1板30および吊り下げボルト251,252の断面のハッチングは省略されている。
図9を参照して、一方の長孔81の内周81aは、コラム移動方向X1に平行に延びる一対の平坦面部83,84と、凹状の円弧面部85と、円弧面部85を一対の平坦面部83,84にそれぞれ接続する一対のテーパ面部86,87とを備えている。
一対の平坦面部83,84の間隔W1は、対応する吊り下げボルト251の長孔挿通部としての大径部53の外径D1よりも大きくされている(W1>D1)。円弧面部85は、初期組み付け位置(長孔81のコラム移動方向X1とは反対方向X2の端部の位置に相当)に配置された対応する吊り下げボルト251の長孔挿通部としての大径部53の外周53aの一部を受けている。円弧面部85の曲率半径E1は、吊り下げボルト251の長孔挿通部としての大径部53の外周53aの半径F1(F1=D1/2)と同等または同等以上とされている(E1≧F1)。
一対のテーパ面部86,87は、円弧面部85の一対の端部85a,85bからそれぞれコラム移動方向X1に対して傾斜する接線方向に延びて、対応する平坦面部83,84に接続されている。各テーパ面部86,87は、それぞれR状部を介して対応する平坦面部83,84と接続されていてもよい。一対のテーパ面部86,87は、コラム移動方向X1に対して互いに逆向きに等しい角度で傾斜している。すなわち各テーパ面部86,87がコラム移動方向X1に対してなす角度θ1,θ2は、互いに等しく(θ1=θ2)、且つ摩擦角βと同等または同等以上とされている(θ1≧β。θ2≧β)。
他方の長孔82の内周82aは、コラム移動方向X1に平行に延びる一対の平坦面部101,102と、凹状の円弧面部103とを備えている。一対の平坦面部101,102の間隔W2が、対応する吊り下げボルト252の長孔挿通部(大径部53)の外径D2よりも大きくされている(W2>D2)。円弧面部103は、初期組み付け位置(長孔82のコラム移動方向X1とは反対方向X2の端部の位置に相当)に配置された対応する吊り下げボルト252の長孔挿通部(大径部53)の外周53aの一部を受けている。各平坦面部101,102は、円弧面部103の対応する端部103a,103bからコラム移動方向X1に平行な接線方向に延びている。
本第1実施形態によれば、一対の長孔81,82の一方である長孔81の内周81aにおいて、テーパ面部86,87のコラム移動方向X1に対するテーパ角度θ1,θ2が、摩擦角βと同等または同等以上とされている(θ1≧β。θ2≧β)。したがって、二次衝突時に、吊り下げボルト251の長孔挿通部(大径部53)が、初期組み付け位置からコラム移動方向X1に引っ掛かりなくスムーズに移動(離脱)することができる。したがって、離脱荷重の増大を抑制することができる。
(第2実施形態)
次いで、図10は本発明の第2実施形態を示している。図10を参照して、第2実施形態では、一方の長孔81を挿通する吊り下げボルト251Pの大径部53P(長孔挿通部)に回転可能に嵌合されて長孔81の内周81aに転がり接触する回転部材110を備えている。
回転部材110は、吊り下げボルト251Pの大径部53P(長孔挿通部)を取り囲んで、長孔81の内周81aに対する面圧の集中を緩和する面圧集中緩和部材として機能する。回転部材110は、例えば図示のような、大径部53Pの外周53Paに回転可能に嵌合された環状部材であってもよい。その場合、環状部材は、内周および外周は、フッ素樹脂等の低摩擦部材で形成されていてもよい。また、図示していないが、回転部材として、玉軸受を用いてもよい。
長孔81の一対の平坦面部83,84の間隔W1は、対応する吊り下げボルト251の大径部53(長孔挿通部)に嵌合された回転部材110の外径D1Pよりも大きくされている(W1>D1P)。円弧面部85は、初期組み付け位置(長孔81のコラム移動方向X1とは反対方向X2の端部の位置に相当)に配置された対応する吊り下げボルト251の大径部53P(長孔挿通部)の外周53Paに嵌合された回転部材110の外周110aの一部を受けている。円弧面部85の曲率半径E1は、吊り下げボルト251の大径部53Pの外周53Paに嵌合された回転部材110の外周110aの半径F1P(F1P=D1P/2)と同等または同等以上とされている(E1≧F1P)。
図10の第2実施形態の構成要素において、図9の第1実施形態の構成要素と同じ構成要素には、図9の第1実施形態の構成要素の参照符号と同じ参照符号を付してある。
本第2実施形態によれば、二次衝突時に、吊り下げボルト251Pの長孔挿通部(大径部53P)を取り囲む面圧集中緩和部材としての回転部材110が、長孔81の内周81aを転動することにより、長孔81の内周81aに対して局部的に面圧が集中することを緩和するので、長孔挿通部(大径部53P)をスムーズに初期組み付け位置から移動(離脱)することができる。
ここで、長孔81の内周81aの一対の平坦面部83,84の間隔W1と、長孔82の内周82aの一対の平坦面部101,102の間隔W2を等しくする場合には、長孔81を挿通する長孔挿通部(大径部53P)の外径は、長孔82を挿通する長孔挿通部(大径部53)の外径D1よりも小さくなる。一方、長孔81を挿通する長孔挿通部(大径部53P)の外径と、長孔82を挿通する長孔挿通部(大径部53)の外径D1とを等しくする場合には、長孔81の一対の平坦面部83,84の間隔W1が、長孔82の一対の平坦面部101,102の間隔W2よりも大きくなる。
(第3実施形態)
図11は、本発明の第3実施形態を示している。図11の第3実施形態が、図10の第2実施形態と異なるのは、図10の第2実施形態では、一方の長孔81の内周81aにおいて、円弧面部85と一対の平坦面部83,84との間にテーパ面部86,87が介在している。これに対して、図11の第3実施形態では、一方の長孔81Qの内周81Qaにおいて、一対の平坦面部83Q,84Qが、円弧面部85Qの一対の端部85Qa,85Qbから直接、接線方向であるコラム移動方向X1に延びている。一対の平坦面部83Q,84Qの間隔W1Qは、回転部材110の外径D1Pよりも大きくされている(W1Q>D1P)。円弧面部85Qの曲率半径E1Qは、回転部材110の外周110aの半径F1Pと同等または同等以上とされている(E1Q≧F1P)。
図11の第3実施形態の構成要素において、図10の第2実施形態の構成要素と同じ構成要素には、図10の第2実施形態の構成要素の参照符号と同じ参照符号を付してある。本第3実施形態においても、図10の第2実施形態と同じ作用効果を奏することができる。本第3実施形態では、面圧集中緩和部材としての回転部材110を一方の長孔81のみに設けているが、回転部材110を他方の長孔82のみに設けてもよいし、回転部材110を双方の長孔81,82に設けてもよい。
(第4実施形態)
図12は本発明の第4実施形態を示している。図12の第4実施形態が、図11の第3実施形態と主に異なるのは、下記である。すなわち、図11の第3実施形態では、面圧集中緩和部材として、回転部材110を用いている。
これに対して、図12の第4実施形態では、一方の長孔81Qを挿通する吊り下げボルト251Rの大径部53R(長孔挿通部)に回転可能に嵌合されて長孔81Qの内周81Qaに滑り接触する摺動部材120を備えている。摺動部材120は、吊り下げボルト251Rの大径部53R(長孔挿通部)を取り囲んで、長孔81Qの内周81Qaに対する面圧の集中を緩和する面圧集中緩和部材として機能する。
摺動部材120の外周120aは、長孔81Qの一対の平坦面部83Q,84Qにそれぞれ対向してコラム移動方向X1に平行に延びる一対の平坦面部123,124と、一対の平坦面部123,124の端部間を接続し、長孔81Qの凹状の円弧面部85Qに嵌合する凸状の円弧面部125とを備えている。
摺動部材120の外周120aにおいて、少なくとも一対の平坦面部123,124は、フッ素樹脂等の低摩擦材により構成されている。摺動部材120の全体が低摩擦材により構成されていてもよいし、少なくとも一対の平坦面部123,124に低摩擦材が被覆されていてもよい。
長孔81Qの一対の平坦面部83Q,84Qの間隔W1Qは、摺動部材120の一対の平坦面部123,124の間隔WWよりも大きくされている(W1Q>WW)。
図12の第4実施形態の構成要素において、図11の第3実施形態の構成要素と同じ構成要素には、図11の第3実施形態の構成要素の参照符号と同じ参照符号を付してある。 本第4実施形態によれば、二次衝突時に、吊り下げボルト251Rの長孔挿通部(大径部53R)に嵌合された摺動部材120が、長孔81Qの内周81Qaを摺動することにより、長孔81Qの内周81Qaに対する面圧の集中を緩和して、長孔挿通部(大径部53R)を、初期組み付け位置からスムーズに離脱させることができる。
特に、摺動部材120が、長孔81Qの一対の平坦面部83Q,84Qにそれぞれ対向してコラム移動方向X1に平行に延びる一対の平坦面部123,124を備えているので、面圧の集中を確実に緩和して、スムーズな離脱を確実に実現することができる。
本第4実施形態では、面圧集中緩和部材としての摺動部材120を一方の長孔81のみに設けているが、摺動部材120を他方の長孔82のみに設けてもよいし、摺動部材120を双方の長孔81,82に設けてもよい。
本発明は各前記実施形態に限定されるものではなく、図示していないが、例えば、図9の第1実施形態や図2の第2実施形態では、一方の長孔81に一対のテーパ面部86,87を設けるが、これに代えて、他方の長孔82に一対のテーパ面部(図示せず)を設けてもよい。また、図12の第4実施形態の摺動部材120を、図9(第1実施形態)や図10(第2実施形態)のような一対のテーパ面部86,87を有する一方の長孔81や一対のテーパ面部(図示せず)を有する他方の長孔82と組み合わせてもよい。その他、本発明は請求項記載の範囲内で種々の変更を施すことができる。
1…ステアリング装置、2…操舵部材、3…ステアリングシャフト、13…車体側部材、15…ステアリングコラム、16…アッパージャケット(可動ジャケット)、23…固定ブラケット、24…チルトブラケット(可動ブラケット)、251,252…吊り下げボルト(吊り下げ軸)、26…コラムブラケット、30…第1板、32…第2板、53;53P;53Q…大径部(長孔挿通部)、61…樹脂ピン、81;81Q…長孔、81a;81Qa…(長孔の)内周、83;83Q…平坦面部、84;84Q…平坦面部、85;85Q…円弧面部、85a,85b;85Qa,85Qb…端部、86,87…テーパ面部、91,92…丸孔、100…ステアリング装置、110…回転部材(面圧集中緩和部材)、110a…外周、120…摺動部材(面圧集中緩和部材)、120a…外周、123…平坦面部、124…平坦面部、125…円弧面部、D1;D1P…(長孔挿通部の)外径、E1;E1Q…(円弧面部の)曲率半径、F1;F1P…(長孔挿通部の外周の)半径、R1…連結・離脱機構、T1,T2…吊り下げ機構、W1;W1Q…(一対の平坦面部の)間隔、θ1,θ2…テーパ角度、X1…コラム移動方向、X2…コラム移動方向とは反対方向、Y1…コラム移動方向とは直交する方向

Claims (8)

  1. 車体側部材に固定された第1板を含む固定ブラケットと、
    一端に操舵部材が連結されたステアリングシャフトを回転可能に支持する可動ジャケットと、
    二次衝突時に前記可動ジャケットとともにコラム移動方向に移動するように可動ジャケットを支持し、前記第1板に対向する第2板を含む可動ブラケットと、
    前記第1板に設けられてコラム移動方向に平行に延びる一対の長孔とそれぞれ対応する前記第2板の一対の丸孔を挿通して前記第1板および前記第2板を連結することで前記可動ブラケットを介して前記可動ジャケットを吊り下げる一対の吊り下げ軸を含み、二次衝突時に、各吊り下げ軸の長孔挿通部が、対応する長孔に沿って初期組み付け位置からコラム移動方向に移動する一対の吊り下げ機構と、を備え、
    何れか一方の長孔の内周は、コラム移動方向に平行に延び互いの間隔が対応する吊り下げ軸の長孔挿通部の外径よりも大きい一対の平坦面部と、前記初期組み付け位置に配置された対応する吊り下げ軸の長孔挿通部の外周の一部を受ける凹状の円弧面部と、前記円弧面部の一対の端部からそれぞれ接線方向に延びて対応する平坦面部に接続される一対のテーパ面部と、を含み、
    各テーパ面部がコラム移動方向に対してなすテーパ角度が、摩擦角と同等または同等以上とされているステアリング装置。
  2. 請求項1において、前記一方の長孔を挿通する吊り下げ軸の長孔挿通部を取り囲んで、前記一方の長孔の内周に対する面圧の集中を緩和する面圧集中緩和部材を備えるステアリング装置。
  3. 請求項2において、前記面圧集中緩和部材は、前記長孔挿通部に回転可能に嵌合されて前記一方の長孔の内周に転がり接触する回転部材を含むステアリング装置。
  4. 請求項2において、前記面圧集中緩和部材は、前記長孔挿通部に嵌合されて前記一方の長孔の内周に滑り接触する摺動部材を含むステアリング装置。
  5. 請求項4において、前記摺動部材は、前記一方の長孔の前記円弧面部に嵌合する円弧面部と、前記一方の長孔の前記一対の平坦面部にそれぞれ対向してコラム移動方向に平行に延びる一対の平坦面部と、を含むステアリング装置。
  6. 車体側部材に固定された第1板を含む固定ブラケットと、
    一端に操舵部材が連結されたステアリングシャフトを回転可能に支持する可動ジャケットと、
    二次衝突時に前記可動ジャケットとともにコラム移動方向に移動するように可動ジャケットを支持し、前記第1板に対向する第2板を含む可動ブラケットと、
    前記第1板に設けられてコラム移動方向に平行に延びる一対の長孔とそれぞれ対応する前記第2板の一対の丸孔を挿通して前記第1板および前記第2板を連結することで前記可動ブラケットを介して前記可動ジャケットを吊り下げる一対の吊り下げ軸を含み、二次衝突時に、各吊り下げ軸の長孔挿通部が、対応する長孔に沿って初期組み付け位置からコラム移動方向に移動する一対の吊り下げ機構と、
    少なくとも一方の長孔を挿通する吊り下げ軸の長孔挿通部を取り囲んで、対応する長孔の内周に対する面圧の集中を緩和する面圧集中緩和部材と、を備えるステアリング装置。
  7. 請求項6において、前記面圧集中緩和部材は、前記長孔挿通部に回転可能に嵌合されて前記対応する長孔の内周に転がり接触する回転部材を含むステアリング装置。
  8. 請求項6において、前記面圧集中緩和部材は、前記長孔挿通部に嵌合されて前記対応する長孔の内周に滑り接触する摺動部材を含むステアリング装置。
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