JP2015009681A - ステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】固定ブラケット23の第1板30にコラム移動方向X1に平行に延びる長孔81,82が形成される。吊り下げ機構T1の吊り下げボルト251の長孔挿通部(大径部53)が、一方の長孔81の初期組み付け位置(二次衝突時のコラム移動方向X1とは反対方向X2の端部の位置に相当)に配置される。長孔の内周81aが、コラム移動方向X1に平行な一対の平坦面部83,84と、円弧面部85と、円弧面部85の一対の端部85a,85bを対応する平坦面部83,84に接続するテーパ面部86,87とを備える。各テーパ面部86,87がコラム移動方向X1に対してなすテーパ角度θ1,θ2が、摩擦角βと同等または同等以上とされている。
【選択図】図9
Description
例えば、特許文献1では、車体側ブラケットの基板部に設けられた長孔からなる透孔に挿通された吊り下げボルトが、基板部の上下面に沿う一対の滑り板部を有するスライド素板に挿通されている。吊り下げボルトに固設された抑え部分と、コラム側ブラケットの上板部との間で、車体側ブラケットの基板部を、両滑り板部を介して挟持する事により、車体側ブラケットに対してコラム側ブラケットを結合し支持している。二次衝突時には、スライド素板が、吊り下げボルトとコラム軸方向に同行移動する。
そこで、本発明の目的は、二次衝突時の離脱荷重の増大を抑制することができるステアリング装置を提供することである。
また、請求項2のように、前記一方の長孔を挿通する吊り下げ軸の長孔挿通部を取り囲んで、前記一方の長孔の内周に対する接触圧力を分散させる面圧集中緩和部材(110,120)を備えていてもよい。
また、請求項5のように、前記摺動部材は、前記一方の長孔の前記円弧面部に嵌合する円弧面部(125)と、前記一方の長孔の前記一対の平坦面部にそれぞれ対向してコラム移動方向に平行に延びる一対の平坦面部(123,124)と、を含んでいてもよい。
また、請求項8のように、前記面圧集中緩和部材は、前記長孔挿通部に嵌合されて前記対応する長孔の内周に滑り接触する摺動部材を含んでいてもよい。
また、請求項2の発明によれば、吊り下げ軸の長孔挿通部を取り囲む面圧集中緩和部材が、長孔の内周に対する面圧集中を緩和するので、二次衝突時に、長孔挿通部が長孔の内周に食い込んだりすることなく、スムーズに移動(離脱)する。
また、請求項4の発明によれば、二次衝突時に、長孔挿通部に嵌合された摺動部材が、長孔の内周を摺動することにより、長孔の内周に対する面圧の集中を緩和して、長孔挿通部を、初期組み付け位置からスムーズに離脱させることができる。
また、請求項6の発明によれば、吊り下げ軸の長孔挿通部を取り囲む面圧集中緩和部材が、長孔の内周に対する面圧の集中を緩和するので、二次衝突時に、長孔挿通部が長孔の内周に食い込んだりすることなく、初期組み付け位置からスムーズに移動(離脱)することができる。
また、請求項8の発明によれば、二次衝突時に、長孔挿通部に嵌合された摺動部材が、長孔の内周を摺動することにより、長孔の内周に対する面圧の集中を緩和して、長孔挿通部を、初期組み付け位置からスムーズに離脱させることができる。
図1は本発明の第1実施形態のステアリング装置の概略構成を示す模式図である。図1を参照して、ステアリング装置1は、ステアリングホイール等の操舵部材2に連結されたステアリングシャフト3と、ステアリングシャフト3に自在継手4を介して連結された中間軸5と、中間軸5に自在継手6を介して連結されたピニオン軸7と、ピニオン軸7の端部近傍に設けられたピニオン7aに噛み合うラック8aを有する転舵軸としてのラック軸8とを備えている。
ステアリングコラム15は、軸方向に相対移動可能に嵌め合わされた筒状のアッパージャケット16(可動ジャケット)と、筒状のロアージャケット17と、ロアージャケット17の軸方向下端に連結されたハウジング18とを備えている。ハウジング18内には、操舵補助用の電動モータ19の動力を減速してロアーシャフト12に伝達する減速機構20が収容されている。減速機構20は、電動モータ19の回転軸(図示せず)と同行回転可能に連結された駆動ギヤ21と、駆動ギヤ21に噛み合いロアーシャフト12と同行回転する被動ギヤ22とを有している。
本実施の形態では、ステアリング装置1が電動パワーステアリング装置に適用された例に則して説明するが、本発明をマニュアルステアリング装置に適用するようにしてもよい。また、本実施の形態では、ステアリング装置1がチルト調節可能である場合に則して説明するが、本発明をチルト調整機能を持たないステアリング装置に適用するようにしてもよいし、チルト調整可能でテレスコピック調整可能なステアリング装置に適用してもよい。
図2、図3に示すように、チルトブラケット24は、一対の側板41を備えており、図2に示すように、コラムブラケット26は、チルトブラケット24の一対の側板41にそれぞれ対向する一対の側板71と、一対の側板71の下端間を連結する連結板72とを備えた溝形をなしている。
図2および一部破断概略平面図である図4に示すように、連結・離脱機構R1は、コラム移動方向X1とは直交する方向Y1に関して、一対の吊り下げ機構T1,T2の間(すなわち固定ブラケット23の第1板30の後述する一対の長孔81,82の間)に配置されている。具体的には、連結・離脱機構R1は、コラム移動方向X1とは直交する方向Y1に関して、一対の長孔81,82の間(すなわち一対の吊り下げボルト251,252の間)の中央位置に配置されている。
図2および図3に示すように、各吊り下げ機構T1,T2は、対応する吊り下げボルト251,252と、例えば皿ばねからなる板ばね42と、ナット34等により構成されている。連結・離脱機構R1は、二次衝突時に剪断する樹脂ピン61と、樹脂ピン61の軸方向の一部に嵌合した円筒状のカラー62とで構成されている。カラー62は、樹脂ピン61を形成する樹脂よりも高硬度の材料(例えば、鉄、アルミニウム等の金属、高硬度の樹脂やセラミック等)で形成されている。
図2、図3に示すように、チルトブラケット24(可動ブラケット)は、例えば板金により形成されている。チルトブラケット24は、第2板32と、第2板32の一対の側縁から下向きに延設された一対の側板41とを備えており、溝形をなしている。第2板32と各側板41との連結部は、図2、図3に示すように湾曲状に形成されていてもよい。
第2介在板45は、第2板32のコラム移動方向X1側の端部である第1端部321に係止された溝形のユニット45Uを構成している。すなわち、ユニット45Uは、第2板32の上面32aおよび第1板30の下面30bに沿う第2介在板45と、第2介在板45と対向し且つ第2板32の下面32bに沿う対向板47と、第2介在板45と対向板47とを連結し且つ第2板32のコラム移動方向X1側の端縁に当接する連結板48とを備えている。
第3介在板46は、第1板30のコラム移動方向X1とは反対側の端部である第2端部302および第2板32のコラム移動方向X1とは反対側の端部である第2端部322に係止されたユニット46Uを構成している。すなわち、ユニット46Uは、第2板32の上面32aおよび第1板30の下面30bに沿う第3介在板46と、第3介在板46に対向し且つ第1板30の上面30aに沿う対向板49とを備えている。また、ユニット46Uは、第3介在板46と対向板49とを連結し且つ第1板30のラコム移動方向X1とは反対側の端縁に当接する連結板50と、第2板32の第2端部322に引っ掛け係止される例えば鉤形フック状の係止部51とを備えている。
図2および図3に示すように、各吊り下げボルト251,252は、頭部52と、頭部52に連なり頭部52より小径である長孔挿通部としての大径部53と、大径部53に連なり大径部53より小径の小径部54と、大径部53と小径部54との間に形成された段部55と、小径部54に設けられたねじ部56とを備えている。頭部52には、例えば六角孔形状の工具係合部57が設けられている。
この隙間があるので、運搬時や組み付け時に、何らかの外力によって、第1板30と第2板32とが、コラム移動方向X1とは直交する方向Y1に、多少位置ずれを生じたとしても、樹脂ピン61が剪断することがない。
次いで、図9は、第1板30の一対の長孔81,82と、一対の長孔81,82に対する初期組み付け位置に配置された吊り下げボルト251,252の長孔挿通部としての大径部53との関係を示している。図9において、第1板30および吊り下げボルト251,252の断面のハッチングは省略されている。
一対の平坦面部83,84の間隔W1は、対応する吊り下げボルト251の長孔挿通部としての大径部53の外径D1よりも大きくされている(W1>D1)。円弧面部85は、初期組み付け位置(長孔81のコラム移動方向X1とは反対方向X2の端部の位置に相当)に配置された対応する吊り下げボルト251の長孔挿通部としての大径部53の外周53aの一部を受けている。円弧面部85の曲率半径E1は、吊り下げボルト251の長孔挿通部としての大径部53の外周53aの半径F1(F1=D1/2)と同等または同等以上とされている(E1≧F1)。
次いで、図10は本発明の第2実施形態を示している。図10を参照して、第2実施形態では、一方の長孔81を挿通する吊り下げボルト251Pの大径部53P(長孔挿通部)に回転可能に嵌合されて長孔81の内周81aに転がり接触する回転部材110を備えている。
本第2実施形態によれば、二次衝突時に、吊り下げボルト251Pの長孔挿通部(大径部53P)を取り囲む面圧集中緩和部材としての回転部材110が、長孔81の内周81aを転動することにより、長孔81の内周81aに対して局部的に面圧が集中することを緩和するので、長孔挿通部(大径部53P)をスムーズに初期組み付け位置から移動(離脱)することができる。
図11は、本発明の第3実施形態を示している。図11の第3実施形態が、図10の第2実施形態と異なるのは、図10の第2実施形態では、一方の長孔81の内周81aにおいて、円弧面部85と一対の平坦面部83,84との間にテーパ面部86,87が介在している。これに対して、図11の第3実施形態では、一方の長孔81Qの内周81Qaにおいて、一対の平坦面部83Q,84Qが、円弧面部85Qの一対の端部85Qa,85Qbから直接、接線方向であるコラム移動方向X1に延びている。一対の平坦面部83Q,84Qの間隔W1Qは、回転部材110の外径D1Pよりも大きくされている(W1Q>D1P)。円弧面部85Qの曲率半径E1Qは、回転部材110の外周110aの半径F1Pと同等または同等以上とされている(E1Q≧F1P)。
図12は本発明の第4実施形態を示している。図12の第4実施形態が、図11の第3実施形態と主に異なるのは、下記である。すなわち、図11の第3実施形態では、面圧集中緩和部材として、回転部材110を用いている。
これに対して、図12の第4実施形態では、一方の長孔81Qを挿通する吊り下げボルト251Rの大径部53R(長孔挿通部)に回転可能に嵌合されて長孔81Qの内周81Qaに滑り接触する摺動部材120を備えている。摺動部材120は、吊り下げボルト251Rの大径部53R(長孔挿通部)を取り囲んで、長孔81Qの内周81Qaに対する面圧の集中を緩和する面圧集中緩和部材として機能する。
摺動部材120の外周120aにおいて、少なくとも一対の平坦面部123,124は、フッ素樹脂等の低摩擦材により構成されている。摺動部材120の全体が低摩擦材により構成されていてもよいし、少なくとも一対の平坦面部123,124に低摩擦材が被覆されていてもよい。
図12の第4実施形態の構成要素において、図11の第3実施形態の構成要素と同じ構成要素には、図11の第3実施形態の構成要素の参照符号と同じ参照符号を付してある。 本第4実施形態によれば、二次衝突時に、吊り下げボルト251Rの長孔挿通部(大径部53R)に嵌合された摺動部材120が、長孔81Qの内周81Qaを摺動することにより、長孔81Qの内周81Qaに対する面圧の集中を緩和して、長孔挿通部(大径部53R)を、初期組み付け位置からスムーズに離脱させることができる。
本第4実施形態では、面圧集中緩和部材としての摺動部材120を一方の長孔81のみに設けているが、摺動部材120を他方の長孔82のみに設けてもよいし、摺動部材120を双方の長孔81,82に設けてもよい。
Claims (8)
- 車体側部材に固定された第1板を含む固定ブラケットと、
一端に操舵部材が連結されたステアリングシャフトを回転可能に支持する可動ジャケットと、
二次衝突時に前記可動ジャケットとともにコラム移動方向に移動するように可動ジャケットを支持し、前記第1板に対向する第2板を含む可動ブラケットと、
前記第1板に設けられてコラム移動方向に平行に延びる一対の長孔とそれぞれ対応する前記第2板の一対の丸孔を挿通して前記第1板および前記第2板を連結することで前記可動ブラケットを介して前記可動ジャケットを吊り下げる一対の吊り下げ軸を含み、二次衝突時に、各吊り下げ軸の長孔挿通部が、対応する長孔に沿って初期組み付け位置からコラム移動方向に移動する一対の吊り下げ機構と、を備え、
何れか一方の長孔の内周は、コラム移動方向に平行に延び互いの間隔が対応する吊り下げ軸の長孔挿通部の外径よりも大きい一対の平坦面部と、前記初期組み付け位置に配置された対応する吊り下げ軸の長孔挿通部の外周の一部を受ける凹状の円弧面部と、前記円弧面部の一対の端部からそれぞれ接線方向に延びて対応する平坦面部に接続される一対のテーパ面部と、を含み、
各テーパ面部がコラム移動方向に対してなすテーパ角度が、摩擦角と同等または同等以上とされているステアリング装置。 - 請求項1において、前記一方の長孔を挿通する吊り下げ軸の長孔挿通部を取り囲んで、前記一方の長孔の内周に対する面圧の集中を緩和する面圧集中緩和部材を備えるステアリング装置。
- 請求項2において、前記面圧集中緩和部材は、前記長孔挿通部に回転可能に嵌合されて前記一方の長孔の内周に転がり接触する回転部材を含むステアリング装置。
- 請求項2において、前記面圧集中緩和部材は、前記長孔挿通部に嵌合されて前記一方の長孔の内周に滑り接触する摺動部材を含むステアリング装置。
- 請求項4において、前記摺動部材は、前記一方の長孔の前記円弧面部に嵌合する円弧面部と、前記一方の長孔の前記一対の平坦面部にそれぞれ対向してコラム移動方向に平行に延びる一対の平坦面部と、を含むステアリング装置。
- 車体側部材に固定された第1板を含む固定ブラケットと、
一端に操舵部材が連結されたステアリングシャフトを回転可能に支持する可動ジャケットと、
二次衝突時に前記可動ジャケットとともにコラム移動方向に移動するように可動ジャケットを支持し、前記第1板に対向する第2板を含む可動ブラケットと、
前記第1板に設けられてコラム移動方向に平行に延びる一対の長孔とそれぞれ対応する前記第2板の一対の丸孔を挿通して前記第1板および前記第2板を連結することで前記可動ブラケットを介して前記可動ジャケットを吊り下げる一対の吊り下げ軸を含み、二次衝突時に、各吊り下げ軸の長孔挿通部が、対応する長孔に沿って初期組み付け位置からコラム移動方向に移動する一対の吊り下げ機構と、
少なくとも一方の長孔を挿通する吊り下げ軸の長孔挿通部を取り囲んで、対応する長孔の内周に対する面圧の集中を緩和する面圧集中緩和部材と、を備えるステアリング装置。 - 請求項6において、前記面圧集中緩和部材は、前記長孔挿通部に回転可能に嵌合されて前記対応する長孔の内周に転がり接触する回転部材を含むステアリング装置。
- 請求項6において、前記面圧集中緩和部材は、前記長孔挿通部に嵌合されて前記対応する長孔の内周に滑り接触する摺動部材を含むステアリング装置。
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