JP2015008801A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】移行抽選の契機を増やすことができ、遊技性の拡張が容易に図れるようになる遊技機の提供。【解決手段】役抽選で、リプレイ、ベル、スイカ、チェリーのいずれかに当選したことを契機に、対応する計数手段56A 〜56D に計数値の加算処理がなされ、それぞれの累積値が記憶される。そして、計数手段56A 〜56D のうちの一の累積値が第1基準値(例えば、「4」)に達する、あるいは、すべての計数手段56A 〜56D の累積値が第2基準値(例えば、「1」)に達すると、移行抽選であるAT抽選が行われる。これにより、AT抽選の契機となりうる役が増えるので、AT抽選の契機を増やすことができ、遊技性の拡張を容易に図ることができる。【選択図】 図5

Description

本発明は、外周面に複数種類の図柄が記された複数の回転リールを停止させた際に、役抽選で当選した役に対応した図柄の組み合わせが停止表示されると、当該役に応じた数量の遊技媒体を払い出すように形成されている遊技機に関するものである。
従来から、人々に娯楽を提供する遊技機として、パチンコ機やスロットマシン等が利用されている。
例えば、スロットマシンは、複数種類の図柄が記されるとともに、回転駆動される複数の回転リールと、これらの回転リールを回転させるためのスタートスイッチと、対応する回転リールを停止させるためのストップスイッチとを備えている。
また、スロットマシンの内部には、遊技における役の当否を役抽選で決定する役抽選手段と、回転リールの回転を停止させるリール回転制御手段とを有する遊技制御装置が設けられている。
このようなスロットマシンは、遊技者によってスタートスイッチが操作されると、回転リールが回転を開始するとともに、役抽選手段が役抽選を行うようになっている。回転リールが回転を開始した後、遊技者によってストップスイッチが操作されると、役抽選手段による役抽選の結果に基づいて、リール回転制御手段が回転リールの回転を停止させるようになっている。そして、すべての回転リールが回転を停止した際に、役に対応する図柄の組み合わせが入賞ラインに並んで停止表示されると、役に応じた数の遊技媒体、例えば、メダルが遊技者に払い出されるようになっている。
また、役抽選で、ビッグボーナス等の特別遊技役に当選し、特別遊技役に対応する図柄の組み合わせが入賞ラインに並んで停止表示されると、通常遊技状態よりも小役の当選確率が高い特別遊技状態へ移行するようなっている。
また、遊技機としては、遊技を盛り上げるための演出を行うために、様々な演出画像を表示することが可能な液晶表示装置等の表示装置と、この表示装置の動作を制御するための演出制御手段とを備えたものがある。
このような表示装置及び演出制御手段をスロットマシンに設ければ、役抽選手段の役抽選で、何らかの役に当選した際に、当選した役を遊技者に報知する演出用画像を、表示装置の画面に表示する報知演出を行うことができ、このような報知演出を行うことにより、遊技を盛り上げることができるので、遊技の興趣性が向上するようになる。
そして、報知演出を行うスロットマシンでは、所定の条件が成立すると、報知演出が行われない通常状態から、報知演出が頻繁に行われるアシストタイム状態(以下、「AT状態」という。)へ移行するものが一般的である(特許文献1等参照)。
ここで、通常状態からAT状態へ移行するには、役抽選で、予め定められた特定の役、例えば、チェリーに当選し、さらに、AT状態への移行を決定する移行抽選で当選することによって、AT状態へ移行するようになっている。
そして、AT状態では、一般的に、役抽選で小役等の役に当選すると、遊技者にストップスイッチの操作順を報知する報知演出が行われる。ここで、報知演出で報知した操作順通りに、ストップスイッチの操作を行うと、ストップスイッチの操作タイミングの適否によらず、当選した役に対応する図柄の組み合わせが停止表示されるようになる。このため、目押しができなくとも、メダルの払い出しが受けられ、メダルを増やすことができる。従って、AT状態は、報知演出が行われない通常状態よりも、遊技者にとって有利な有利状態となっている。
特開2013−70942号公報
従来の遊技機では、役抽選で特定の役に当選したか否かで、移行抽選を行うか否かの決定が一律に行われるので、通常状態から有利状態への移行についてのバリエーションを増やすことが困難となっている。このため、移行抽選の契機を増やすことで、遊技性をさらに拡張できるようにしたい、という要望がある。
そこで、各請求項にそれぞれ記載された各発明は、上記した背景技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、移行抽選の契機を増やすことができ、遊技性の拡張が容易に図れるようになる遊技機を提供することである。
各請求項にそれぞれ記載された各発明は、前述の目的を達成するためになされたものである。以下に、各発明の特徴点を、図面に示した発明の実施の形態を用いて説明する。
なお、符号は、発明の実施の形態において用いた符号を示し、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
(請求項1)
(特徴点)
請求項1記載の発明は、次の点を特徴とする。
すなわち、請求項1記載の発明は、
外周面に複数種類の図柄が記された複数の回転リール(3A)と、これらの回転リールを回転させるスタートスイッチ(16)と、前記回転リール(3A)に対応して複数設けられ、対応する回転リール(3A)を停止させるストップスイッチ(13)と、複数種類の役の当否を役抽選で決定する役抽選手段(32)と、この役抽選手段(32)による役抽選の結果、及び、前記ストップスイッチ(13)の操作タイミングに基づいて回転中の前記回転リール(3A)を停止させる停止制御手段(33)とを備え、前記役抽選手段(32)の役抽選で当選した役に対応した図柄の組み合わせが停止表示されると、当該役に応じた数量の遊技媒体を払い出すように形成され、且つ、通常状態と、この通常状態よりも遊技者に有利な有利状態とが設定されているとともに、所定の抽選に基づいて通常状態から有利状態へ移行するように形成されている遊技機(1)であって、前記役抽選手段(32)による役抽選で当選しうる役であって、通常状態から有利状態へ移行するか否かの判定を行う契機となりうる複数種類の判定契機役が設けられ、前記役抽選手段(32)の役抽選で当選した判定契機役に基づいて決定された計数値で、加算及び減算のいずれか一方の計数処理を行い、計数処理の結果である累積値を記憶する計数手段(51, 61)と、前記役抽選手段(32)の役抽選で判定契機役に当選すると、前記計数手段(51, 61)に計数処理させるか否かを決定する計数可否決定手段(52)と、前記計数可否決定手段(52)が前記計数手段(51, 61)に計数処理させる旨の決定をすると、役抽選で当選した判定契機役に基づいて決定される数値範囲の中から、前記計数手段(51, 61)が計数処理すべき計数値を決定する計数値決定手段(53)と、前記計数手段(51, 61)の累積値が基準値に達したか否かを判定する到達判定手段(54)と、前記到達判定手段(54)によって累積値が基準値に達したと判定されると、通常状態から有利状態へ移行するか否かを決定する移行抽選を行う移行抽選手段(42)とを備え、前記計数手段(51, 61)は、判定契機役とされた役に対応して複数設けられ、対応する一の役について前記計数値決定手段(53)の抽選の結果として決定された計数値を、その累積値に加算するものであり、前記到達判定手段(54)は、前記役に対応して複数設けられている前記計数手段(51, 61)のうち、少なくとも一の計数手段(51, 61)の累積値が第1基準値に達しているか否かを判定する個別判定手段(54A) と、複数設けられているすべての前記計数手段(51, 61)の累積値が第2基準値に達しているか否かを判定する全体判定手段(54B) とを有し、前記移行抽選手段(42)は、少なくとも一の前記計数手段(51, 61)の累積値が第1基準値に達しているとの判定、及び、すべての前記計数手段(51, 61)の累積値が第2基準値に達しているとの判定のいずれか一方がなされると、移行抽選を行うようになっていることを特徴とする。
このような請求項1記載の発明では、役抽選で、複数種類の判定契機役のうちの一つに当選したことを契機に、計数手段の計数処理が行われるようにし、さらに、複数の計数手段のうち、少なくとも一の計数手段の累積値が第1基準値に達すると、あるいは、すべての計数手段の累積値が第2基準値に達すると、移行抽選手段が移行抽選を行うようにすることで、移行抽選の契機となりうる役を、特定の役から複数種類の判定契機役にまで拡張し、これにより、移行抽選の契機を増やし、遊技性の拡張を容易に図れるようにする。
(請求項2)
(特徴点)
請求項2記載の発明は、前述した請求項1に記載の発明において、次の特徴点を備えているものである。
すなわち、請求項2記載の発明は、前記移行抽選手段(42)として、少なくとも一の前記計数手段(56,62,63)の累積値が第1基準値に達しているとの判定、及び、すべての前記計数手段(56,62,63)の累積値が第2基準値に達しているとの判定の両方が同時になされると、一方の判定を優先するものが採用されていることを特徴とする。
(請求項3)
(特徴点)
請求項3記載の発明は、前述した請求項1又は2に記載の発明において、次の特徴点を備えているものである。
すなわち、請求項3記載の発明は、判定契機役のカテゴリとして、前記計数値決定手段(53)の決定しうる数値範囲が互いに異なる第1カテゴリ及び第2カテゴリが設けられ、第2カテゴリの判定契機役の当選によって前記計数値決定手段(53)が決定しうる数値範囲と、第1カテゴリの判定契機役の当選によって前記計数値決定手段(53)が決定しうる数値範囲とが相違していることを特徴とするものである。
(請求項4)
(特徴点)
請求項4記載の発明は、前述した請求項1から請求項3までのいずれかに記載の発明において、次の特徴点を備えているものである。
すなわち、請求項4記載の発明は、前記移行抽選手段(42)によって移行抽選が行われると、移行抽選を行う契機となった判定契機役に基づいて、前記計数手段(51, 61)の累積値を初期化する初期化手段(55)が設けられていることを特徴とする。
(請求項5)
(特徴点)
請求項5記載の発明は、前述した請求項1から請求項4までのいずれかに記載の発明において、次の特徴点を備えているものである。
すなわち、請求項5記載の発明は、第1基準値及び第2基準値が、互いに異なる値に設定されていることを特徴とする。
(請求項6)
(特徴点)
請求項6記載の発明は、前述した請求項1から請求項5までのいずれかに記載の発明において、次の特徴点を備えているものである。
すなわち、請求項6記載の発明は、前記計数可否決定手段(52)が前記計数手段(51, 61)に計数処理をさせる旨の決定をするまで、所定の加算値を加算して、その累積値を記憶する天井計数手段(58)と、この天井計数手段(58)の累積値が第3基準値に到達したか否かを判定する天井到達判定手段(54C) とが設けられ、前記移行抽選手段(42)は、前記天井到達判定手段(54C) によって、前記天井計数手段(58)の累積値が第3基準値に到達した旨の判定がなされると、移行抽選を行うものであることを特徴とする。
(請求項1の効果)
請求項1に記載の発明は、以下に示すような効果を奏する。
すなわち、請求項1記載の発明によれば、移行抽選の契機となる複数種類の判定契機役を設け、且つ、役抽選で当選した判定契機役に基づいて決定された計数値で計数処理を行う複数の計数手段と、計数手段に計数処理させるか否かを決定する計数可否決定手段と、計数手段に計数処理させる計数値を決定する計数値決定手段とを設けたので、役抽選で判定契機役に当選し、且つ、計数可否決定手段が計数手段に計数処理させる旨の決定をすると、計数可否決定手段が計数値を決定し、この決定した計数値で計数手段が計数処理を行い、計数処理の結果である累積値を記憶して行き、遊技の進行に伴って判定契機役に当選して行くと、計数手段の累積値が次第に累積し、増大又は減少して行くようになる。
そして、複数の計数手段のうち、少なくとも一の計数手段の累積値が第1基準値に達すると、あるいは、すべての計数手段の累積値が第2基準値に達すると、到達判定手段によって累積値が基準値に達した旨の判定がなされ、この判定に基づいて、移行抽選手段が移行抽選を行うので、移行抽選の契機となりうる役が、従来の特定の役から複数種類の判定契機役にまで拡張され、これにより、移行抽選の契機が増え、遊技性の拡張を容易に図れるようになり、以上により、前記目的が達成される。
(請求項2の効果)
請求項2記載の発明によれば、上記した請求項1記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。
すなわち、請求項2記載の発明によれば、少なくとも一の計数手段の累積値が第1基準値に達しているとの判定、及び、すべての計数手段56の累積値が第2基準値に達しているとの判定の両方が同時になされても、移行抽選手段が一方の判定を優先するようにしたので、優先された方の判定に基づいて移行抽選手段が移行抽選を行うようになり、移行抽選の契機を増やしたことに起因する不具合の発生が未然に防止され、この点からも、遊技性の拡張を容易に図ることができる。
(請求項3の効果)
請求項3記載の発明によれば、上記した請求項1又は2に記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。
すなわち、請求項3記載の発明によれば、計数値決定手段の決定しうる数値範囲が互いに異なる第1カテゴリ及び第2カテゴリを設け、第2カテゴリの判定契機役の当選によって計数値決定手段が決定しうる数値範囲と、第1カテゴリの判定契機役の当選によって計数値決定手段が決定しうる数値範囲とを相違させたので、第1カテゴリの判定契機役の役抽選における当選確率が、第2カテゴリの判定契機役よりも低い場合、第1カテゴリの判定契機役の当選によって決定しうる計数値が、第2カテゴリの判定契機役の当選によって決定しうる計数値よりも大きな値となるように、双方の数値範囲を設定することができる。これにより、第1カテゴリの判定契機役については、より少ない役抽選の当選回数で、計数手段の累積値が第1基準値に達しうるので、役抽選で当選しにくい第1カテゴリの判定契機役でも、移行抽選の契機となりうるようになり、この点から、移行抽選の契機を増やすことができ、遊技性の拡張を容易に図ることができる。
(請求項4の効果)
請求項4記載の発明によれば、上記した請求項1から請求項3までのいずれかに記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。
すなわち、請求項4記載の発明によれば、移行抽選手段によって移行抽選が行われると、移行抽選手段が移行抽選を行う契機となった判定契機役に基づいて、初期化手段が計数手段の累積値を初期化するので、計数手段は、一旦、累積値が基準値に達しても、初期化により計数処理を再開できるようになる。これにより、計数手段の累積値は、何度も繰り返して基準値に達することができ、累積値が基準値に達する度に、移行抽選が行われるようになるので、移行抽選の契機を確実に増やすことができ、従って、遊技性の拡張を容易に図ることができる。
(請求項5の効果)
請求項5記載の発明によれば、上記した請求項1から請求項4までのいずれかに記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。
すなわち、請求項5記載の発明によれば、第1基準値及び第2基準値が、互いに異なる値に設定されているので、例えば、第2基準値を第1基準値よりも累積値が到達しやすい数値にすれば、複数種類の判定契機役のなかに、役抽選で当選する確率の低い判定契機役が含まれていても、すべての計数手段の累積値が第2基準値に到達する可能性が高くなり、これにより、単独の計数手段の累積結果だけでなく、すべての計数手段の累積結果も移行抽選の契機となりうるようになり、移行抽選を行わせるための判定手法が、一の計数手段の累積値についての判定することと、すべての計数手段の累積値についての判定することの2種類となり、従って、移行抽選の契機を確実に増やすことができ、遊技性の拡張を容易に図ることができる。
(請求項6の効果)
請求項6記載の発明によれば、上記した請求項1から請求項5までのいずれかに記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。
すなわち、請求項6記載の発明によれば、計数可否決定手段が計数手段に計数処理をさせる旨の決定をするまで、所定の加算値を加算して、その累積値を記憶する天井計数手段と、この天井計数手段の累積値が第3基準値に到達したか否かを判定する天井到達判定手段とを設けたので、天井計数手段の累積値が第3基準値に到達し、天井到達判定手段によって、その旨の判定がなされると、移行抽選が行われるようになり、この点からも、移行抽選の契機が増え、遊技性の拡張を容易に図ることができる。
本発明の第1実施形態に係るスロットマシンの全体を示す正面図である。 前記実施形態に係る回転リールの図柄配列を説明するための図である。 前記実施形態に係る制御装置の概略構成を示すブロック図である。 前記実施形態に係るAT抽選契機制御手段の概略構成を示すブロック図である。 前記実施形態に係る計数手段の概略構成を示すブロック図である。 前記実施形態に係る計数値決定手段が決定しうる計数値の範囲を説明するための図である。 前記実施形態に係る到達判定手段の概略構成を示すブロック図である。 前記実施形態に係る計数手段の加算処理を説明するための図である。 前記実施形態における遊技状態の移行を説明するための図である。 前記実施形態に係る遊技制御装置によるメイン制御処理を説明するためのフローチャートである。 前記実施形態に係る演出制御装置によるサブ制御処理を説明するためのフローチャートである。 図11の計数設定実行処理を説明するためのフローチャートである。 図11のAT抽選実行演出処理を説明するためのフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係る計数手段の概略構成を示すブロック図である。 前記実施形態に係る計数手段の加算処理を説明するための図である。 前記実施形態に係る変形例を説明するための図である。 本発明の第3実施形態に係る計数手段の加算処理を説明するための図である。 前記実施形態に係るAT抽選実行演出処理を説明するためのフローチャートである。
以下に、本発明を実施するための形態である実施形態について、図面を参照しながら説明する。
[第1実施形態]
(スロットマシン1の概略構成)
本発明の第1実施形態に係る遊技機であるスロットマシン1は、図1に示すように、長方形の正面形状を有する六面体の箱として形成された筐体2を備えている。この筐体2は、回動可能に設けられた前扉2Aで、前面の開口を開閉するようにしたものである。
筐体2の内部には、円筒状に形成された3個の回転リール3Aを有するリールユニット3、メダルを遊技者に払い出すためのホッパユニット4、及び、投入されたメダルの適否を判定するメダルセレクタ5等の装置が設けられている。
また、筐体2の内部には、図1には示されていないが、リールユニット3及びホッパユニット4等の動作を制御する制御装置6が設けられている。
ここで、3個の回転リール3Aは、それぞれの外周面に複数種類の図柄が記されているとともに、図1中、その回転軸を水平方向に寝かせた状態で、図1中における左右方向に沿って並べられている。
そして、前扉2Aのほぼ中央部には、図1の如く、回転リール3Aの図柄を筐体2の外部に露出させる図柄表示窓2Bが設けられている。
図柄表示窓2Bは、3個すべての回転リール3Aの回転が停止した際に、縦横3個ずつ配列された計9個の図柄が表示できるように形成されている。
具体的には、左側の回転リール3Aの回転が停止すると、図柄表示窓2Bの左側部分の上段、中段及び下段にそれぞれ1個ずつ、合計3個の図柄が表示されるようになっている。中央及び右側の回転リール3Aについても同様に、上段、中段及び下段にそれぞれ1個ずつ、合計3個の図柄が表示されるようになっている。これにより、3個すべての回転リール3Aの回転が停止すると、図柄表示窓2Bには、縦横各3個の計9個からなる図柄が表示可能となっている。
図柄表示窓2Bの上方には、動画を含む様々な演出用の画像を画面に表示する液晶表示装置等の表示装置2Cが設けられている。
表示装置2Cの図1中における上方には、役抽選で決定される複数の役のそれぞれを構成する図柄の組み合わせ、及び、当該役に入賞した際に払い出されるメダルの枚数等が記された上部パネル2Dが設けられている。
また、表示装置2Cの図1中における左右両側には、演出用の音声を出力する上部音声出力ユニット2Eが設けられている。
さらに、上部パネル2Dの図1中における上方には、演出時に連続点灯動作や点滅動作を行う上部演出用ランプ2Fが設けられている。
一方、図柄表示窓2Bの下方、換言すると、スロットマシン1の上下方向における中央部分には、遊技者が遊技を行うために必要な操作用装置が集中配置されている操作部10が備えられている。
具体的に説明すると、図1において、操作部10の右端近傍部分には、メダルが投入されるメダル投入口11が設けられ、このメダル投入口11の下方には、遊技の終了時等に内部貯留メダルの精算を行わせるための精算スイッチ12が設けられている。
また、図1における操作部10の中央部分には、3個の回転リール3Aに対応して、3個のストップスイッチ13が設けられている。これらのストップスイッチ13は、対応する回転リール3Aの回転を停止させるためのものである。
さらに、図1における操作部10の左端部分には、貯留メダルを1枚ずつ投入するためのベットスイッチ14と、このベットスイッチ14の右方に配置されるとともに、最大枚数の貯留メダルを投入するためのマックスベットスイッチ15と、これらのベットスイッチ14及びマックスベットスイッチ15の下方に配置されるとともに、回転リール3Aの回転を開始させるためのスタートスイッチ16とが設けられている。
図1における操作部10の下方には、スロットマシン1の機種名等が記された下部パネル2Gが設けられ、この下部パネル2Gの左右には、演出時に連続点灯動作や点滅動作を行う下部演出用ランプ2Hが設けられている。
また、図1における下部パネル2Gの下方には、入賞時に払い出されるメダルが排出される払出口2Jが設けられ、この払出口2Jの左右両側には、演出用の音声を出力する下部音声出力ユニット2Kが設けられている。
さらに、図1における払出口2Jの下方には、この払出口2Jから排出されたメダルを受けるための受け皿2Lが設けられている。
リールユニット3に設けられた各回転リール3Aの外周面には、図2に示すように、「0番」から「20番」までの番号が付された複数の図柄表記位置が設けられ、これらの図柄表記位置のそれぞれに図柄が記されている。
図柄表記位置に記される図柄は、「リプレイ」、「弾丸」、「黄セブン」「スイカ1」、「スイカ2」、「ベル」、「バー」、「チェリー」、「青セブン」及び「赤セブン」の10種類となっている。
(制御装置6)
制御装置6は、遊技に係る装置や演出に係る装置が、そのI/Oポートに接続され、各種のデジタル演算処理を行うCPUで、前述の遊技に係る装置や演出に係る装置の動作を制御するものである。
すなわち、制御装置6には、図3に示すように、遊技に係る装置、例えば、リールユニット3の動作を制御する遊技制御装置30、及び、演出に係る装置、例えば、表示装置2Cの動作を制御する演出制御装置40が設けられている。
また、制御装置6のI/Oポートの入力部には、前述したメダルセレクタ5、マックスベットスイッチ15、ベットスイッチ14、精算スイッチ12、スタートスイッチ16及びストップスイッチ13が接続されている。
一方、制御装置6のI/Oポートの出力部には、リールユニット3、ホッパユニット4、音声出力ユニット2E, 2K、表示装置2C及び演出用ランプ2F, 2Hが接続されている。
(遊技制御装置30)
遊技制御装置30は、各種のデジタル演算処理が行えるCPUを含んで構成されたものであり、CPUに加えて、記憶素子としてのROM及びRAM、並びに、外部との信号の入出力を行うI/Oポート等を備えている。なお、CPUとしては、一チップで構成されるものを採用することができるが、これに限定されず、二個以上のチップで構成されるものを採用してもよい。
この遊技制御装置30には、スロットマシン1の遊技動作を制御する遊技制御手段31と、複数種類の役の当否を決定する役抽選を行う役抽選手段32と、リールユニット3の動作を制御するリール回転制御手段33と、役抽選手段32の役抽選の結果等に応じて、遊技状態の移行を制御する遊技状態移行制御手段34と、ホッパユニット4の動作を制御する払出制御手段35とが設けられている。
遊技制御手段31は、スロットマシン1の遊技状態に応じた遊技動作となるように、リールユニット3等の装置の動作制御を行うものである。
ここで、スロットマシン1には、遊技制御手段31に係る遊技状態としては、小役の当選確率等が互いに相違にする通常遊技状態、特別遊技状態、及び、リプレイタイム(以下「RT」と略す。)状態が設けられている。
このうち、特別遊技状態は、当該特別遊技状態における役抽選で、小役等の当選確率が通常遊技状態よりも高くされ、これにより、遊技者に通常遊技状態よりも多くのメダルを払い出す可能性が高い遊技状態である。
特別遊技状態としては、例えば、事後にART状態が開始されるプレミアムビッグボーナス(以下「PBB」と略す。)遊技状態、レギュラービッグボーナス(以下「RBB」と略す。)遊技状態、レギュラーボーナス(以下「RB」と略す。)遊技状態、シングルボーナス(以下「SB」と略す。)遊技状態が設けられている。
RT状態は、役抽選で当選した後、対応する図柄の組み合わせが停止表示されると、メダルのベットを行うことなく、次の遊技を開始することができる再遊技役への当選確率が通常遊技状態と異なり、多くは、再遊技役への当選確率が通常遊技状態よりも高い遊技状態となっている。なお、スロットマシン1には、再遊技役への当選確率が互いに異なる複数種類のRT状態が設けられている。
そして、遊技制御手段31には、通常遊技における遊技動作を制御する通常遊技制御手段31A と、RBB遊技状態等の特別遊技状態における遊技動作を制御する特別遊技制御手段31B と、RT状態の遊技動作を制御するRT制御手段31C とが設けられている。
役抽選手段32は、役抽選を行うために、図3の如く、当否抽選用の乱数を発生させる乱数発生手段32A と、この乱数発生手段32A が発生した乱数を所定の条件で抽出する乱数抽出手段32B と、当否判定の際に当選領域について参照される抽選テーブルを記憶した抽選テーブル記憶手段32C と、この抽選テーブル記憶手段32C の抽選テーブルに基づいて当否判定を行う当否判定手段32D とを有するものとなっている。
リール回転制御手段33は、リールユニット3に設けられた回転リール3Aの回転動作を制御するものである。
さらに詳しく説明すると、リール回転制御手段33は、スタートスイッチ16の操作を契機に、すべての回転リール3Aについて回転動作を開始させる際の制御を行うものである。
また、リール回転制御手段33は、一のストップスイッチ13が操作されたことを契機に、役抽選手段32による役抽選の結果に基づいて、対応する回転リール3Aの回転を停止させる際の制御を行う停止制御手段でもある。
遊技状態移行制御手段34は、役抽選手段32の役抽選の抽選結果、及び、すべての回転リール3Aが停止した際に表示される図柄の組み合わせ(以下、「停止図柄」という。)に応じて、その時点における遊技状態から別の遊技状態へ移行させるか否かを判定するとともに、別の遊技状態へ移行させる場合には、前述の抽選結果及び停止図柄等に基づいて、移行先の遊技状態を決定するものである。
ここで、本実施形態のスロットマシン1では、通常遊技状態(RT0状態、または、RT4状態)よりも再遊技役の当選確率が高いRT状態として、RT1状態、RT2状態及びRT3状態が設けられている。このうち、RT3状態は、特定遊技状態としてのART状態となりうるRT状態となっている。
また、本実施形態のスロットマシン1には、RT2状態に滞在中に当選し、その対応する図柄の組み合わせが停止表示されたことを契機に、RT2状態からRT3状態へ移行させる移行役として、移行リプレイが設けられている。
そして、遊技状態移行制御手段34は、通常遊技状態に滞在中に、役抽選でSBに当選した際に、SBに対応する図柄の組み合わせを停止表示させなかったことを契機に、RT1状態へ移行させるものとなっている(図9参照)。
また、遊技状態移行制御手段34は、RT1状態に滞在中に、役抽選で昇格リプレイに当選し、且つ、その対応する図柄の組み合わせが停止表示されたことを契機に、RT2状態へ移行させるものとなっている(図9参照)。
さらに、遊技状態移行制御手段34は、RT2状態に所定遊技区間滞在し、且つ、役抽選で移行リプレイに当選し、その停止図柄が表示されたことを契機に、RT3状態へ移行させるものとなっている(図9参照)。
払出制御手段35は、3個の回転リール3Aが停止した際に、役抽選手段32の役抽選で当選した役に応じた図柄の組み合わせが停止表示されると、当否判定手段32D によって当否判定がなされ、その結果、当選と判定されると入賞なり、この判定結果に基づき、ホッパユニット4の払出動作を制御して、当該役に応じた枚数のメダルを遊技者に対して払い出させるものである。
(演出制御装置40)
演出制御装置40は、遊技制御装置30と同様に、各種のデジタル演算処理が行えるCPUを含んで構成されたものであり、CPUに加えて、記憶素子としてのROM及びRAM、並びに、外部との信号の入出力を行うI/Oポート等を備えている。なお、CPUとしては、一チップで構成されるもの、あるいは、二個以上のチップで構成されるもののいずれもが採用できる。
このような演出制御装置40は、役抽選の結果、及び、遊技の進行状況に応じて、表示装置2C、演出用ランプ2F, 2H及び音声出力ユニット2E, 2Kの動作を制御し、遊技を演出する演出動作を実行するものである。なお、演出制御装置40は、表示装置2Cの動作を制御する表示制御手段を兼ねたものでもある。
具体的には、演出制御装置40は、特定の画像を表示装置2Cに表示させたり、演出用ランプ2F, 2Hを点灯又は点滅させたり、音声出力ユニット2E, 2Kから所定の音を出力させたりすることで、遊技を盛り上げる演出を実行するものである。
ここで、スロットマシン1は、遊技の進行段階に応じて設定された複数種類の演出状態を有し、演出制御装置40によって、一の演出状態から他の演出状態への移行が行われるようになっている。
スロットマシン1における演出状態としては、遊技を盛り上げるための通常演出を行う通常演出状態と、役抽選で何らかの役に当選したことを遊技者に報知する報知演出を行うAT状態とが設けられている。ここで、通常演出状態は、演出状態における通常状態となっている。
そして、スロットマシン1における複数種類のRT状態の一つとして、演出状態としてのAT状態が同時に滞在する遊技状態、いわゆるART状態が設けられている。
このART状態は、滞在中、再遊技役への当選確率が通常演出状態よりも高く、且つ、役抽選で当選した役を遊技者に報知する報知演出が行われ、これにより、所定の間、通常演出状態よりも遊技者に有利な特定遊技状態となっている。ここで、ART状態は、演出状態における有利状態となっている。
演出制御装置40には、図3の如く、スロットマシン1の演出動作を制御する演出制御手段41と、通常演出状態からAT状態へ移行するか否かを決定するAT抽選手段42と、演出状態の移行等を制御する演出状態移行制御手段43と、ART状態を継続するか否かを決定する継続抽選手段44と、ART状態において獲得可能なメダル枚数の上乗せに関する設定及び演出を制御する上乗せ制御手段45と、AT抽選手段42によるAT抽選の実行契機を制御するAT抽選契機制御手段50とが設けられている。
演出制御手段41は、通常演出状態滞在中に演出動作を制御する通常演出制御手段41A と、AT状態滞在中に行われる報知演出動作を制御するAT演出制御手段41B とを有している。
通常演出制御手段41A は、表示装置2C、演出用ランプ2F, 2H及び音声出力ユニット2E, 2Kの動作を制御して、遊技を盛り上げるための演出動作を実行するものである。
AT演出制御手段41B は、表示装置2Cの動作を制御して、役抽選で当選した役を報知する報知演出を実行するものである。
具体的には、AT演出制御手段41B は、役抽選で小役に当選すると、3個のストップスイッチ13の6通りある操作順序のうち、当選した役に対応した図柄の組み合わせが停止表示される正解押し順を、表示装置2Cの画面に表示する報知演出や、当選した役に対応した図柄の組み合わせが停止表示されない押し順を、表示装置2Cの画面に表示する報知演出等を行う際に、各装置の動作を制御するものである。
AT抽選手段42は、役抽選で所定の役に当選したこと、あるいは、所定の図柄の組み合わせが停止表示されたことを契機とし、AT状態へ移行するか否かを決定するAT抽選を行うものである。
このAT抽選手段42には、AT抽選の当選確率が高い高確モードと、同当選確率の低い低確モードとが設けられている。AT抽選手段42は、スロットマシン1の起動後、まず、低確モードで最初のAT抽選を行い、このAT抽選を実行した後に、低確モードから高確モードへ移行するか否かを決定する高確モード移行抽選を行うようになっている。
そして、AT抽選手段42は、高確モード移行抽選で当選してから、所定の遊技回数が経過するまでの間に、AT抽選が行われる際には、当該AT抽選を高確モードで行うようになっている。
AT抽選手段42は、高確モード移行抽選で当選してから、所定の遊技回数が経過すると、低確モードに戻るようになっており、その次のAT抽選を低確モードで行うようになっている。
ここで、本実施形態のスロットマシン1は、AT抽選で当選した後、RT2状態まで移行し、このRT2状態滞在中に、役抽選で移行リプレイに当選し、対応する図柄の組み合わせが停止表示されたことを契機に、RT3状態へ移行する。そして、RT3状態へ移行すると、特定遊技状態としてのART状態に滞在するようになっている。
演出状態移行制御手段43は、予め役抽選での当選が移行契機となることが定められた役に当選したこと、所定の図柄の組み合わせが停止表示されたこと、あるいは、予め定められた役に当選し、且つ、対応する図柄の組み合わせが停止表示されなかったこと等を契機に演出状態を別の演出状態へ移行させるものである。
ここで、スロットマシン1の演出状態としては、前述した通常演出状態とAT状態とが設けられており、このうち、AT状態には、演出制御手段41の内部状態が異なる複数の状態が設けられている。
すなわち、AT状態に滞在している期間には、演出制御手段41の内部状態が異なる複数の状態として、上乗せ動作が実行され、且つ、報知演出が限定的に行われる上乗せ実施AT状態と、報知演出が全面的に行われるAT状態とが行われるようになっている。
このうち、上乗せ実施AT状態に滞在している期間には、上乗せに係る演出が行われない上乗せ演出潜伏状態と、上乗せに係る演出が行われる上乗せ演出実施状態とが行われるようになっている。
ここにおいて、スロットマシン1は、演出状態がAT状態に移行し、且つ、遊技状態がRT3状態に移行することにより、特定遊技状態としてのART状態の遊技が行えるようになっている。
そして、演出状態移行制御手段43は、通常演出状態におけるAT抽選で当選したことを契機として、通常演出状態から上乗せ実施AT状態へ移行させる、さらに細かく言うと、通常演出状態から上乗せ演出潜伏状態へ移行させるようになっている(図9参照)。
また、演出状態移行制御手段43は、上乗せ演出潜伏状態で行われた遊技の回数が所定回数に達したことを契機に、上乗せ演出潜伏状態から上乗せ演出実施状態へ移行させるようになっている(図9参照)。
さらに、演出状態移行制御手段43は、上乗せ実施AT状態における役抽選で移行リプレイに当選し対応する図柄の組み合わせが停止表示されたことを契機に、上乗せ実施AT状態からART状態へ移行させるようになっている(図9参照)。
継続抽選手段44は、内部で行われる継続抽選で当選すると、ART状態を継続させる旨の決定を行うものである。そして、継続抽選手段44で行われる継続抽選の当選確率である継続率は、当該継続抽選に先だって、予め設定されるようになっている。
上乗せ制御手段45は、ART状態へ移行する前段階の演出状態であって、ART状態の終了契機を規定する終了契機数に対する上乗せを行うための上乗せ処理が行われる上乗せ実施AT状態で、当該上乗せ処理に係る動作及び演出を制御するものとなっている。
さらに具体的に説明すると、ART状態は、当該ART状態で払い出されたメダルの枚数が所定の枚数に達すると終了するようになっている。要するに、メダルの払い出し枚数が、ART状態の終了の契機となっている。
ここにおいて、ART状態を終了させる契機となるメダルの払い出し枚数である終了契機数に対して、その数値に追加(上乗せ)される数量を上乗せ数という。
そして、上乗せ制御手段45は、上乗せ実施AT状態において、ART状態の終了契機数に対して、上乗せされる上乗せ数を決める上乗せ処理、及び、その演出処理を行うものとなっている。
すなわち、上乗せ制御手段45は、上乗せ実施AT状態における役抽選で所定の役に当選する毎に、上乗せを行うか否かを抽選で決定し、この抽選の結果、上乗せを行うことを決定すると、上乗せ数を抽選で決定するようになっている。そして、上乗せ制御手段45は、抽選で決定した上乗せ数を累積加算し、その累積値を記憶するものとなっている。
また、上乗せ演出実施状態においては、その内部状態として、上乗せを行うか否かを決定する抽選の当選確率が相違する複数種類のインターフェイス、具体的には、青インターフェイス、赤インターフェイス及び炎インターフェイスが設けられている。
この上乗せを行うか否かを決定する抽選における当選確率は、最初に滞在する青インターフェイスが最も低く、最後に滞在する炎インターフェイスが最も高く、赤インターフェイスは、その中間の値となっている。
そして、上乗せ演出実施状態に滞在中は、表示装置2Cの画面に表示される演出画像の背景が、その時点のインターフェイスに対応した色(青色、赤色、炎色)に着色されるようになっている。
ここで、上乗せ制御手段45は、上乗せを行うか否かを決定するのと同様に、役抽選で所定の役に当選する毎に、一のインターフェイスから次のインターフェイスへ移行するか否かを抽選で決定するようになっている。
AT抽選契機制御手段50は、役抽選手段32による役抽選の結果に基づいて計数すべき計数値を決定するとともに、決定した計数値を計数処理していくことで得られた累積値に基づいてAT抽選の実行契機を決定するものである。
すなわち、役抽選手段32による役抽選で当選しうる役としては、通常演出状態からART状態へ移行するか否かの判定を行う契機となりうる複数種類の判定契機役が設けられている。具体的には、判定契機役としては、「リプレイ」、「ベル」、「スイカ」、「チェリー」の4種類の役が設けられている。
そして、これらの判定契機役は、第1カテゴリ及び第2カテゴリの二つに分類されている。具体的には、第1カテゴリに属する判定契機役としては、「強リプレイ」、「強ベル」、「強スイカ」、「強チェリー」が設けられている。一方、第2カテゴリに属する判定契機役としては、「弱リプレイ」、「弱ベル」、「弱スイカ」、「弱チェリー」が設けられている。
ここで、AT抽選契機制御手段50には、図4に示すように、役抽選手段32の役抽選で当選した判定契機役に基づいて決定された計数値で計数処理を行う計数手段51と、この計数手段51に計数処理させるか否かを決定する計数可否決定手段52と、計数手段51が計数処理すべき計数値を決定する計数値決定手段53と、計数手段51の累積値が基準値に達したか否かを判定する到達判定手段54と、計数手段51の初期化を行う初期化手段55とが設けられている。
計数手段51は、計数値決定手段53によって決定された計数値で計数処理を行い、この計数処理の結果である累積値を記憶するものである。
この計数手段51には、図5に示すように、判定契機役である「リプレイ」、「ベル」、「スイカ」及び「チェリー」の各々に対応して複数設けられた計数手段56と、AT抽選で当選するまで加算処理を行い、その累積値を記憶する天井計数手段58とが設けられている。
計数手段56は、対応する判定契機役が役抽選で当選したことを契機に、計数値の加算が行えるものとなっている。
すなわち、計数手段56のうち、「リプレイ」に対応したリプレイ用計数手段56A は、役抽選における「リプレイ」の当選を契機に、「ベル」に対応したベル用計数手段56B は、役抽選における「ベル」の当選を契機に、「スイカ」に対応したスイカ用計数手段56C は、役抽選における「スイカ」の当選を契機に、「チェリー」に対応したチェリー用計数手段56D は、役抽選における「チェリー」の当選を契機に、それぞれ計数値の加算が行えるようになっている。このような計数手段56については、後でさらに詳しく説明する。
なお、本実施形態では、計数手段56の計数処理として、加算を採用したが、これに限らず、減算を採用することもできる。また、計数手段56としては、計数処理として単に加算を行うものに限らず、対応する判定契機役が役抽選で当選した際に、当該判定契機役に対応した図柄の組み合わせを遊技者が停止表示させることができなかった場合に、抽選で決定した数値、又は、予め設定しておいた数値を累積値から減算するものを採用してもよい。
天井計数手段58は、AT抽選手段42によるAT抽選で当選するまで、固定値を計数していくものである。具体的には、天井計数手段58は、AT抽選で当選するまで、AT抽選でハズレとなった回数を計数し、ハズレの連続回数を累積値として記憶するものである。なお、ハズレの回数に代えて、AT抽選で当選するまでの遊技回数を計数するようにしてもよい。
計数可否決定手段52は、役抽選手段32の役抽選で判定契機役、具体的には、「リプレイ」、「ベル」、「スイカ」及び「チェリー」のいずれかに当選すると、計数手段51に計数処理させるか否かを決定するものである。
計数可否決定手段52は、役抽選で判定契機役に当選すると、計数手段56に加算を行わせるか否かを抽選で決定するものである。この計数可否決定手段52が行う抽選は、乱数を利用した前述の役抽選手段32と同様のものなので、その説明を省略する。
計数値決定手段53は、計数可否決定手段52が計数手段51に計数処理させる旨の決定をすると、役抽選で当選した判定契機役に基づいて決定される数値範囲のなかから、計数手段51が計数処理すべき計数値を抽選で決定するものである。この計数値決定手段53が行う抽選は、乱数を利用した前述の役抽選手段32と同様のものなので、その説明を省略する。
計数値決定手段53は、図6で示すように、役抽選で第1カテゴリに属する判定契機役、具体的には「強リプレイ」、「強ベル」、「強スイカ」及び「強チェリー」に当選した場合、その抽選で決定しうる計数値の範囲が「3,4」とされ、「3」及び「4」のいずれから計数値を決定するようになっている。
一方、計数値決定手段53は、図6の如く、役抽選で第2カテゴリに属する判定契機役、具体的には「弱リプレイ」、「弱ベル」、「弱スイカ」及び「弱チェリー」に当選した場合、その抽選で決定しうる計数値の範囲が「1〜4」とされ、「1」、「2」、「3」及び「4」のなかから一の計数値を決定するようになっている。
到達判定手段54は、計数手段51の累積値が基準値に達したか否かを判定するものである。さらに詳しく説明すると、この到達判定手段54は、図7に示すように、個々の計数手段56の累積値について判定を行う個別判定手段54A と、すべての計数手段56の累積値について判定を行う全体判定手段54B と、天井計数手段58の累積値について判定を行う天井到達判定手段54C とを備えたものとなっている。
個別判定手段54A は、複数設けられている計数手段56、すなわち、リプレイ用計数手段56A 、ベル用計数手段56B 、スイカ用計数手段56C 、及び、チェリー用計数手段56D のうち、少なくとも一の記憶する累積値が第1基準値である「4」に達しているか否かを判定するものである。
全体判定手段54B は、リプレイ用計数手段56A 、ベル用計数手段56B 、スイカ用計数手段56C 、及び、チェリー用計数手段56D のすべての累積値が第2基準値である「1」に達しているか否かを判定するものである。
ここにおいて、個別判定手段54A の第1基準値、及び、全体判定手段54B の第2基準値は、互いに異なる値に設定されている。
天井到達判定手段54C は、天井計数手段58の累積値が第3基準値である上限値(例えば、100回)に達しているか否かを判定するものである。
この際、前述のAT抽選手段42は、到達判定手段54によって累積値が基準値に達したと判定されると、通常演出状態からAT状態へ移行するか否かを決定するAT抽選を行う移行抽選手段となっている。
さらに詳しく説明すると、AT抽選手段42は、次の(1)〜(3)の判定のうちのいずれか一つがなされると、AT抽選を行うようになっている。
(1)リプレイ用計数手段56A 、ベル用計数手段56B 、スイカ用計数手段56C 、及び、チェリー用計数手段56D のうち、少なくとも一の記憶する累積値が「4」に達しているとの判定。
(2)リプレイ用計数手段56A 、ベル用計数手段56B 、スイカ用計数手段56C 、及び、チェリー用計数手段56D のすべての累積値が「1」に達しているとの判定。
(3)天井計数手段58の累積値が上限値に達しているとの判定。
初期化手段55は、AT抽選手段42によってAT抽選が行われると、AT抽選手段42がAT抽選を行う契機となった判定契機役に基づいて、計数手段51の累積値を初期化するものである。
具体的に説明すると、初期化手段55は、計数手段56のうちの一つの累積値が「4」に達したことを契機に、AT抽選手段42によってAT抽選が行われると、AT抽選手段42がAT抽選を行う契機となった判定契機役に基づいて、当該判定契機役に相当する計数手段56の累積値から第1基準値と同じ値「4」を減算することで、計数手段56の個別初期化を行うようになっている。
また、初期化手段55は、計数手段56のすべての累積値が「1」に達したことを契機に、AT抽選手段42によってAT抽選が行われると、計数手段56のすべての累積値から第2基準値と同じ値「1」を減算することで、計数手段56の全体初期化を行うようになっている。
さらに、初期化手段55は、天井計数手段58の累積値が上限値に達したことを契機に、AT抽選手段42によってAT抽選が行われると、天井計数手段58の累積値を「0」にすることで、天井計数手段58の初期化を行うようになっている。
以下に、計数手段56についてさらに詳しく説明する。
計数手段56は、役抽選手段32による役抽選で対応する判定契機役が当選するとともに、計数可否決定手段52によって計数手段56に計数処理を行わせる旨の決定がなされると、計数値決定手段53によって決定された計数値が加算されるものである。
ここで、計数手段56のうち、加算がなされるものは、役抽選手段32による役抽選で当選した判定契機役に対応するもののみである。
具体的には、前述したように、計数手段56のうち、役抽選で「リプレイ」に当選するとリプレイ用計数手段56A に対して、役抽選で「ベル」に当選するとベル用計数手段56B に対して、役抽選で「スイカ」に当選すると、スイカ用計数手段56C に対して、役抽選で「チェリー」に当選すると、チェリー用計数手段56D に対して、それぞれ計数値の加算が行われるようになっている。
このような計数手段56の動作について図8を参照しながら説明する。
すなわち、納品状態若しくは設定変更処理後、電源スイッチが投入され、スロットマシン1が作動を開始した際に、換言すると、遊技回数が「0」の時点では、リプレイ用計数手段56A 、ベル用計数手段56B 、スイカ用計数手段56C 及びチェリー用計数手段56D のそれぞれの累積値は、図8に示すように、「0」となっている。
そして、遊技回数が「j」の時点において、役抽選手段32による役抽選の結果はハズレであったが、この時点におけるリプレイ用計数手段56A 、ベル用計数手段56B 、スイカ用計数手段56C 及びチェリー用計数手段56D のそれぞれの累積値が、「1」、「3」、「0」及び「3」となっているものとする。
そして、この次に遊技が実行される時点、すなわち、遊技回数が「j+1」の時点において、役抽選手段32による役抽選で弱スイカに当選し、且つ、計数可否決定手段52によって計数手段56に加算を行う旨の決定がなされ、さらに、計数値決定手段53によって加算すべき計数値として「2」が決定されると、スイカ用計数手段56C の累積値である「0」に「2」が加算され、その累積値が「2」となる。
すると、リプレイ用計数手段56A 、ベル用計数手段56B 、スイカ用計数手段56C 及びチェリー用計数手段56D のすべての累積値が第2基準値の「1」に達した旨の判定が全体判定手段54B によってなされ、AT抽選手段42によってAT抽選が行われる。
そして、AT抽選が行われると、初期化手段55によって、リプレイ用計数手段56A 、ベル用計数手段56B 、スイカ用計数手段56C 及びチェリー用計数手段56D のすべての累積値から「1」を減算する全体初期化が行われる。
続いて、遊技回数が「j+2」の時点において、役抽選手段32による役抽選の結果はハズレであったが、この時点では、図8の如く、リプレイ用計数手段56A 、ベル用計数手段56B 、スイカ用計数手段56C 及びチェリー用計数手段56D のそれぞれの累積値は、「0」、「2」、「1」及び「2」となる。
この後、遊技回数が「k」の時点において、役抽選手段32による役抽選の結果はハズレであったが、この時点におけるリプレイ用計数手段56A 、ベル用計数手段56B 、スイカ用計数手段56C 及びチェリー用計数手段56D のそれぞれの累積値が、「0」、「2」、「1」及び「2」となっているものとする。
そして、この次に遊技が実行される時点、すなわち、遊技回数が「k+1」の時点において、役抽選手段32による役抽選で強リプレイに当選し、且つ、計数可否決定手段52によって計数手段56に加算を行う旨の決定がなされ、さらに、計数値決定手段53によって加算すべき計数値として「4」が決定されると、リプレイ用計数手段56A の累積値である「0」に「4」が加算され、その累積値が「4」となる。
すると、リプレイ用計数手段56A 、ベル用計数手段56B 、スイカ用計数手段56C 及びチェリー用計数手段56D のすべての累積値が第2基準値の「1」に達した旨の判定が全体判定手段54B によってなされ、AT抽選手段42によってAT抽選が行われる。そして、この際、リプレイ用計数手段56A の累積値が第1基準値の「4」に達した旨の判定が個別判定手段54A によってなされ、AT抽選手段42によってAT抽選が行われる。
このようにして、AT抽選が2回行われると、初期化手段55によって、まず、リプレイ用計数手段56A 、ベル用計数手段56B 、スイカ用計数手段56C 及びチェリー用計数手段56D のすべての累積値から「1」を減算する全体初期化が行われる。
この全体初期化後の時点では、リプレイ用計数手段56A 、ベル用計数手段56B 、スイカ用計数手段56C 及びチェリー用計数手段56D のそれぞれの累積値が、「3」、「1」、「0」及び「1」となる。
この後、リプレイ用計数手段56A の累積値から「4」を減算する個別初期化が行われる。ここで、個別初期化の開始直前におけるリプレイ用計数手段56A の累積値は「3」であり、個別初期化において、「3」から「4」を減算すると、計算上は、「−1」となるが、累積値は、「0」以上の整数に限定されているため、実際には、「0」となる。
次いで、遊技回数が「j+2」の時点において、役抽選手段32による役抽選の結果はハズレであったが、この時点におけるリプレイ用計数手段56A 、ベル用計数手段56B 、スイカ用計数手段56C 及びチェリー用計数手段56D のそれぞれの累積値は、「0」、「1」、「0」及び「1」となる。
この後、リプレイ用計数手段56A 、ベル用計数手段56B 、スイカ用計数手段56C 及びチェリー用計数手段56D のすべての累積値が「1」に達する、あるいは、リプレイ用計数手段56A 、ベル用計数手段56B 、スイカ用計数手段56C 及びチェリー用計数手段56D のいずれかの累積値が「4」に達するまで、役抽選手段32による役抽選で判定契機役が当選し、且つ、計数可否決定手段52によって計数手段56に加算を行う旨の決定がなされる毎に、計数値決定手段53によって決定された計数値が、判定契機役に対応した計数手段56に加算される。
以上のようなスロットマシン1の内部では、所定の条件が満たされることにより、通常遊技状態から特定遊技状態であるART状態へ移行することが決定される。
このようなスロットマシン1には、ART状態へ移行することが決定された場合に、通常遊技状態に用いられる内部遊技モードからART状態に用いられる内部遊技モードまで移行させるための遊技となる内部遊技モードを、少なくとも一つ以上含んで構成された特定遊技準備区間が設けられている。
図9は、遊技制御装置30によって移行制御が行われる遊技状態の移行、及び、演出制御装置40よって移行制御が行われる演出状態の移行を説明するための図である。
以下に、図9を参照しながら、非上乗せ状態である通常演出状態からART状態までの遊技状態の移行について説明する。
図9において、スロットマシン1の内部遊技モードは、図9中、最下位置に配置された通常演出状態を起点として、図9中の下方から上方へ向けて、ART状態まで移行するようになっている。
通常演出状態からART状態までの間には、図9中の下方から上方へ向けて順に、上乗せ演出潜伏状態、上乗せ演出実施状態、上乗せチャンス状態、及び、ART準備状態が内部遊技モードとして設けられている。そして、通常演出状態からART状態まで移行する間に、これらの状態を順番に経由するようになっている。
通常演出状態においては、所定の条件が成立しなければ、AT抽選は行われない。
すなわち、通常演出状態において、役抽選手段32の役抽選で、リプレイ、ベル、スイカ及びチェリーのいずれかに当選し、且つ、計数可否決定手段52の抽選で当選すると、計数値決定手段53によって一の計数値が決定される。一の計数値が決定されると、この計数値を加算する処理が、計数手段56によって行われる。そして、一の計数手段56の累積値が第1基準値に達する、あるいは、すべての計数手段56の累積値が第2基準値に達すると、AT抽選が行われる。
そして、通常演出状態滞在中に行われたAT抽選で当選すると、演出状態は、通常演出状態から上乗せ演出潜伏状態へ移行する。この上乗せ演出潜伏状態は、上乗せ実施AT状態の最初の内部遊技モードである。
ここで、通常演出状態から上乗せ演出潜伏状態に移行しても、さらに、上乗せ演出潜伏状態よりも上方の内部遊技モードに移行しても、当該移行先の内部遊技モードに滞在しているときに、役抽選で転落契機となる転落リプレイに当選し、且つ、転落リプレイに対応する図柄の組み合わせが停止表示されると、図9の如く、通常演出状態に転落するようになっている。
さらに、通常演出状態、上乗せ演出潜伏状態、上乗せ演出実施状態、上乗せチャンス状態、及び、ART準備状態のいずれかの内部遊技モードにおいて、役抽選でPBB、RBB、RB等のボーナス役に当選し、対応する図柄の組み合わせが停止表示されると、ボーナス状態に移行するようになっている。そして、ボーナス状態滞在中に、所定の終了条件が満たされると、ボーナス状態から元の状態へ戻るようになっている。なお、ボーナス状態における内部遊技モードは、本発明との関係が薄いので、その説明を省略する。
また、上乗せ演出潜伏状態、上乗せ演出実施状態、上乗せチャンス状態、及び、ART準備状態のいずれにおいても、ART状態を終了させる契機となるメダル払い出し枚数に対して追加されるメダル枚数である上乗せ数を決める上乗せ処理が行われる。
このうち、上乗せ演出実施状態、上乗せチャンス状態、及び、ART準備状態では、上乗せ処理が行われると、この上乗せ処理に応じた演出処理が行われ、決定された上乗せ数に応じた画像が表示装置2Cの画面に表示される等の演出が実行される。
一方、スロットマシン1の遊技で滞在しうる遊技状態としては、再遊技役の当選確率が他の遊技状態よりも低い通常遊技状態(RT0又はRT4)と、再遊技役の当選確率が通常遊技状態よりも高いRT1状態と、再遊技役の当選確率がRT1状態よりも高いRT2状態と、再遊技役の当選確率がRT2状態と同じ程度となるRT3状態と、小役の当選確率が他の遊技状態よりも高いボーナス状態とが設けられている。
演出状態が通常演出状態からAT状態へ移行した後、通常遊技状態に滞在中に、役抽選でシングルボーナスに当選し、且つ、シングルボーナスに対応する図柄の組み合わせが停止表示されず、シングルボーナスのこぼし目が停止表示されると、遊技状態は、通常遊技状態からRT1状態へ移行する。
RT1状態に滞在中に、役抽選で昇格リプレイに当選し、且つ、昇格リプレイに対応する図柄の組み合わせが停止表示されると、遊技状態は、RT1状態からRT2状態へ移行する。
RT2状態に滞在中に、役抽選で移行リプレイに当選し、且つ、移行リプレイに対応する図柄の組み合わせが停止表示されると、遊技状態は、RT2状態からRT3状態へ移行する。
また、スロットマシン1の遊技で滞在しうる演出状態としては、ART状態の開始から終了するまでの所定の間に、遊技者が獲得することが可能なメダルの枚数である所定間数に対して上乗せを行う上乗せ処理、及び、役抽選で当選した役を報知する報知演出を実行することができない通常演出状態と、上乗せ処理及び報知演出の実行することができるAT状態とが設けられている。
以上において、非上乗せ状態は、遊技状態が通常遊技状態となっているとともに、演出状態が通常演出状態なっている内部遊技モードである。
この非上乗せ状態では、演出状態が通常演出状態であるので、上乗せ処理及び報知演出が実行されることがない。
非上乗せ状態滞在中に、AT抽選が行われて当選すると、演出状態は、非上乗せ状態から上乗せ演出潜伏状態へ移行する。この上乗せ演出潜伏状態は、上乗せ処理が実行されるAT状態である上乗せ実施AT状態となっている。
ただし、この上乗せ演出潜伏状態では、上乗せ処理が実行されるが、上乗せ処理に係る演出が潜伏状態となる。このため、例えば、上乗せ数を示唆する上乗せ期待アイコンを表示装置2Cの画面に表示する等の演出は実行されない。また、上乗せ演出潜伏状態では、報知演出も実行されることがない。
そして、上乗せ演出潜伏状態に滞在中に行われた遊技の回数が、予め定められた準備遊技回数に達すると、内部遊技モードは、上乗せ演出潜伏状態から上乗せ演出実施状態へ移行するようになっている。
上乗せ演出実施状態は、遊技状態が通常遊技状態となっているとともに、演出状態が上乗せ実施AT状態となっている内部遊技モードである。
上乗せ演出実施状態では、上乗せ処理に加えて、この上乗せ処理に係る演出が行われるので、インターフェイスに応じた色に着色された背景を表示装置2Cの画面に表示する演出、及び、上乗せ期待アイコンを表示装置2Cの画面に表示する等の演出が行われる。
また、上乗せ演出実施状態では、役抽選でシングルボーナスに当選すると、3個のストップスイッチ13の操作順を報知する報知演出が実行される。報知された操作順で3個のストップスイッチ13を操作すると、シングルボーナスに対応する図柄の組み合わせの停止表示が回避され、その代わりに、そのこぼし目が停止表示される。これにより、遊技状態は、通常遊技状態からRT1状態へ移行する。
上乗せチャンス状態は、遊技状態がRT1状態となっているとともに、演出状態が上乗せ実施AT状態なっている内部遊技モードである。
上乗せチャンス状態では、上乗せ処理及びこの上乗せ処理に係る演出が行われるので、インターフェイスに応じた色に着色された背景を表示装置2Cの画面に表示する演出、及び、上乗せ期待アイコンを表示装置2Cの画面に表示する等の演出が行われる。
ここで、上乗せチャンス状態は、遊技状態がRT1状態となっており、上乗せ演出実施状態よりも再遊技の当選確率が若干高く、上乗せ抽選で当選する確率も上乗せ演出実施状態より若干高くなっている。
また、上乗せチャンス状態では、役抽選で昇格リプレイに当選すると、3個のストップスイッチ13の操作順を報知する報知演出が実行される。報知された操作順で3個のストップスイッチ13を操作すると、昇格リプレイに対応する図柄の組み合わせが停止表示される。これにより、遊技状態は、RT1状態からRT2状態へ移行する。
ART準備状態は、遊技状態がRT2状態となっているとともに、演出状態が上乗せ実施AT状態なっている内部遊技モードである。
ART準備状態では、上乗せ処理及びこの上乗せ処理に係る演出が行われるので、インターフェイスに応じた色に着色された背景を表示装置2Cの画面に表示する演出、及び、上乗せ期待アイコンを表示装置2Cの画面に表示する演出等が行われる。
ここで、ART準備状態は、遊技状態がRT2状態となっており、RT1状態よりも再遊技の当選確率が高いので、上乗せ抽選で当選する確率もRT1状態より高くなっており、それだけ、効率よく、上乗せ数を増やすことができる。
また、ART準備状態では、ART準備状態の開始から、実行された遊技の回数が、予め決められた準備中遊技回数に達した後、換言すると、準備中遊技回数の消化後、役抽選で移行リプレイに当選すると、3個のストップスイッチ13の操作順を報知する報知演出が実行される。報知された操作順で3個のストップスイッチ13を操作すると、移行リプレイに対応する図柄の組み合わせが停止表示される。これにより、遊技状態は、RT2状態からRT3状態、すなわち、ART状態に移行する。
ART状態は、遊技状態がRT3状態となっているとともに、演出状態が上乗せ実施AT状態なっている内部遊技モードである。
ART状態では、その次に継続される可能性のあるART状態のために、上乗せ処理及びこの上乗せ処理に係る演出が行われる。なお、ART状態における上乗せ処理及び演出は、前述のART準備状態と同様のものを流用してもよいし、あるいは、専用に設定されたものを採用することもできる。
ここで、ART状態は、遊技状態がRT3状態となっており、再遊技の当選確率がRT2状態と同じ程度の当選確率となっている。
また、ART状態では、役抽選で再遊技役や小役等に当選すると、3個のストップスイッチ13の操作順を報知する報知演出が実行される。報知された操作順で3個のストップスイッチ13を操作すると、当選した役に対応する図柄の組み合わせが停止表示される。これにより、役抽選で再遊技役に当選すると、高い確率で再遊技が作動する一方、役抽選で小役に当選すると、高い確率でメダルの払い出しが行われようになる。これにより、遊技者は、遊技で獲得されるメダルの純増数を増やすことができる。
(第1実施形態におけるスロットマシン1の動作)
以下、図10〜図13を参照しながら、本実施形態に係るスロットマシン1の動作の概略を説明する。まず、スロットマシン1の遊技制御装置30における処理であるメイン制御処理について説明する。
スロットマシン1に電源が投入されると、遊技制御装置30は、図10に示すように、まず、ステップMS2000において、ベットスイッチ14の操作等によって、メダルがベットされたか否かが判定される。このステップMS2000でメダルがベットされたと判定された場合、次のステップMS2100へ進む。一方、ステップMS2000でメダルがベットされたと判定されなかった場合、メダルがベットされるまでステップMS2000を繰り返し行う待機処理が行われる。
ステップMS2100では、スタートスイッチ16が操作されたか否かが判定される。このステップMS2100でスタートスイッチ16が操作されたと判定された場合、次のステップMS2200へ進む。一方、ステップMS2100でスタートスイッチ16が操作されたと判定されなかった場合には、スタートスイッチ16が操作されるまでステップMS2100を繰り返し行う待機処理が行われる。
ステップMS2200では、役抽選手段32により、役抽選が行われる。なお、役抽選の結果を示す抽選結果データは、演出制御装置40に送信されるようになっている。役抽選が完了したら、次のステップMS2300へ進む。
ステップMS2300では、3個すべての回転リール3Aに回転動作を開始させる処理が行われる。このステップMS2300で、3個すべての回転リール3Aが回転を開始したら、次のステップMS2400へ進む。
ステップMS2400では、ストップスイッチ13が操作されたか否かが判定される。このステップMS2400で、ストップスイッチ13が操作されたと判定された場合、次のステップMS2500へ進む。一方、ステップMS2400で、ストップスイッチ13が操作されたと判定されなかった場合、ストップスイッチ13が操作されるまで、ステップMS2400を繰り返し行う待機処理が行われる。
ステップMS2500では、操作されたストップスイッチ13に対応する回転リール3Aの停止処理が行われ、当該回転リール3Aが停止したら、次のステップMS2600へ進む。
ステップMS2600では、すべての回転リール3Aの回転が停止したか否かが判定される。このステップMS2600で、すべての回転リール3Aの回転が停止したと判定された場合、次のステップMS2700へ進む一方、すべての回転リール3Aの回転が停止したと判定されなかった場合、ステップMS2400へ戻る。
ステップMS2700では、有効入賞ライン上に停止表示された図柄の組み合わせを判定する停止表示図柄判定処理が行われ、判定の結果を示すデータが演出制御装置40に送信されるようになっている。このステップMS2700で停止表示図柄判定処理が完了したら、次のステップMS2800へ進む。
ステップMS2800では、停止表示された図柄の組み合わせに応じた処理が行われる。
例えば、ベル役やスイカ役等の小役に対応した図柄の組み合わせが停止表示された場合、ステップMS2800では、当該役に応じた枚数のメダルの払い出しが行われる。
また、再遊技役に対応する図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示された場合、ステップMS2800では、再遊技を実行するための処理、具体的には前回の遊技でベットした枚数と同数のメダルを自動的にベットする処理が行われる。
ここで、移行役に対応する図柄の組み合わせが停止表示された場合、当該移行役に対応する遊技状態へ移行する処理が行われる。
例えば、RT1状態に滞在中に、昇格リプレイに対応する図柄の組み合わせが停止表示された場合、ステップMS2800では、遊技状態がRT2状態へ移行する処理が行われる。
また、RT2状態に滞在中に、移行リプレイに対応する図柄の組み合わせが停止表示された場合、ステップMS2800では、遊技状態がRT3状態へ移行する処理が行われる。
以上により、ステップMS2800の処理が終了すると、メイン制御処理は完了する。
続いて、演出制御装置40によるサブ制御処理について、図11を参照しながら説明する。
スロットマシン1の電源が投入されて、遊技制御装置30が起動すると、演出制御装置40も起動し、遊技制御装置30の遊技制御の進行に追従するように、演出制御装置40の演出制御が進行するようになっている。
演出制御装置40がサブ制御処理を開始すると、図11に示すように、まず、ステップSS1000において、演出状態が通常演出状態であるか否かが判定される。このステップSS1000で、演出状態が通常演出状態であると判定されると、ステップSS2000へ進む一方、演出状態が通常演出状態であると判定されなかった場合、ステップSS5000へ進む。
ステップSS2000では、計数可否決定手段52による計数処理の可否の決定処理、及び、計数値決定手段53による計数値の決定処理等を含む計数設定実行処理が行われる。この計数設定実行処理が完了したら、次のステップSS3000へ進む。計数設定実行処理については、後で詳しく説明する。
ステップSS3000では、AT状態へ移行するか否かを決定するAT抽選の実行処理を含むAT抽選実行演出処理が行われる。このAT抽選実行演出処理が完了したら、次のステップSS4000へ進む。AT抽選実行演出処理については、後で詳しく説明する。
ステップSS4000では、遊技の進行状況に応じた通常の演出、換言すると、通常演出状態に応じた演出処理が行われる。なお、ステップSS4000では、所定間数に対して上乗せを行う上乗せ処理や、遊技者に役抽選の結果を報知する報知演出処理は行われない。この通常演出状態に応じた演出処理が完了すると、当該サブ制御処理も完了する。
ステップSS5000では、上乗せ演出実施AT状態であるか否かが判定される。
このステップSS5000で、上乗せ演出実施AT状態であると判定された場合、次のステップSS5100へ進む。
ステップSS5100では、上乗せ演出実施AT状態に応じた演出処理が行われる。この上乗せ演出実施AT状態に応じた演出処理が完了すると、当該サブ制御処理も完了する。
一方、ステップSS5000で、上乗せ演出実施AT状態であると判定されなかった場合、ステップSS5200へ進む。ステップSS5200では、ART状態に応じた演出処理、すなわち、遊技者に役抽選の結果を報知する報知演出処理が行われる。このART状態に応じた演出処理が完了したら、サブ制御処理も完了する。
次に、サブ制御処理のステップSS2000における計数設定実行処理について、図12を参照しながら説明する。
計数設定実行処理が開始されると、図12に示すように、まず、ステップSS2100において、遊技制御装置30に設けられた役抽選手段32による役抽選で判定契機役に当選したか否かが判定される。
ステップSS2100で、判定契機役に当選したと判定された場合、次のステップSS2200へ進む。一方、ステップSS2100で、判定契機役に当選したと判定されなかった場合、計数設定実行処理は終了となる。
ステップSS2200では、計数可否決定手段52によって、計数手段56に加算を行わせるか否か判定される。ステップSS2200で、計数手段56に加算を行わせると判定された場合、次のステップSS2300へ進む。一方、ステップSS2200で、計数手段56に加算を行わせると判定されなかった場合、計数設定実行処理は終了となる。
ステップSS2300では、計数手段56に加算処理させる計数値を抽選で決定する計数手段計数値抽選処理が行われる。この計数手段計数値抽選処理で計数値が決定したら、次のステップSS2310へ進む。
ステップSS2310では、ステップSS2300で決定された計数値を累積値に加算する加算処理を計数手段56に行わせる計数手段計数値加算処理が行われ、この計数手段計数値加算処理が完了したら、次のステップSS2320へ進む。
ステップSS2320では、ステップSS2310で行われた加算処理の契機となった判定契機役を記憶する判定契機役記憶処理が行われ、この判定契機役記憶処理が完了したら、計数設定実行処理は終了する。
続いて、サブ制御処理のステップSS3000におけるAT抽選実行演出処理について、図13を参照しながら説明する。
AT抽選実行演出処理が開始されると、図13に示すように、まず、ステップSS3100において、遊技状態がRT0又はRT4であるか否かが判定される。
このステップSS3100で、遊技状態がRT0又はRT4であると判定されなかった場合、AT抽選実行演出処理が完了となる一方、ステップSS3100で、遊技状態がRT0又はRT4であると判定された場合、次のステップSS3110へ進む。
ステップSS3110では、その時点までに、PBBの当選、天井計数手段58の累積値が上限値に達しているとの判定、少なくとも一の計数手段56の累積値が第1基準値に達しているとの判定、及び、全体計数手段57のすべての累積値が第2基準値に達しているとの判定のうち、すくなくとも一つがなされ、ART状態に移行可能な状態となっているか否か判定される。
さらに詳しく説明すると、役抽選でPBBに当選すると、1回の当選につき、ART状態へ移行可能な回数であるARTストック(S)に「1」が加算される。
同様に、天井計数手段58の累積値が上限値に達しているとの判定、少なくとも一の計数手段56の累積値が第1基準値に達しているとの判定、及び、全体計数手段57のすべての累積値が第2基準値に達しているとの判定のいずれがなされても、1回の判定につき、ART状態へ移行可能な回数であるARTストック(S)に「1」が加算される。
以上を踏まえると、ステップSS3110では、ARTストック(S)の値が「1」以上となっているか否か、換言すると、ARTストック(S)の値が「0」より大きいか否かの判定がなされる。
このステップSS3110で、ARTストック(S)の値が「0」より大きいと判定された場合、AT抽選実行演出処理が終了となる一方、ステップSS3110で、ARTストック(S)の値が「0」より大きいと判定されなかった場合、次のステップSS3120へ進む。
ステップSS3120では、後述する高確モード遊技数(G)から「1」を減算する処理が行われ、この処理が完了したら、ステップSS3200へ進む。
ステップSS3200では、その時点で、すべての計数手段56の累積値が第2基準値に達しているか否かが判定される。
このステップSS3200で、すべての計数手段56の累積値が第2基準値に達していると判定されなかった場合、ステップSS3210をスキップしてステップSS3220へ進む。
一方、ステップSS3200で、すべての計数手段56の累積値が第2基準値に達していると判定された場合、次のステップSS3210へ進む。
ステップSS3210では、AT状態へ移行するか否かを決定するAT抽選を行うAT抽選(A)処理が行われ、AT抽選(A)処理が完了したら、次のステップSS3220へ進む。
ステップSS3220では、その時点で、複数の計数手段56うち、一の計数手段56の累積値が第1基準値に達しているか否かが判定される。
このステップSS3220で、一の計数手段56の累積値が第1基準値に達していると判定されなかった場合、ステップSS3230をスキップしてステップSS3300へ進む。
一方、ステップSS3220で、一の計数手段56の累積値が第1基準値に達していると判定された場合、次のステップSS3230へ進む。
ステップSS3230では、AT状態へ移行するか否かを決定するAT抽選を行うAT抽選(B)処理が行われ、AT抽選(B)処理が完了したら、次のステップSS3300へ進む。
なお、本実施形態では、AT抽選(A)処理及びAT抽選(B)処理として、同じ内容の処理を採用しているが、AT抽選(A)処理及びAT抽選(B)処理は、同じ内容の処理である必要は無く、例えば、互いに当選確率の異なる別々の抽選テーブルを用いる異なる抽選処理であってもよい。
ステップSS3300では、AT抽選(A)処理及びAT抽選(B)処理の両方で当選したか否かが判定される。
このステップSS3300で、両方で当選したと判定されなかった場合、ステップSS3340へ進む一方、両方で当選したと判定された場合、次のステップSS3310へ進む。
ステップSS3310では、すべての計数手段56の累積値から「1」を減算する全体初期化処理が行われる。この全体初期化処理が完了したら、次のステップSS3320へ進む。
ステップSS3320では、前述のステップSS3220で累積値が第1基準値に達した計数手段56について、その累積値から「4」を減算する個別初期化処理が行われる。この個別初期化処理が完了したら、次のステップSS3330へ進む。
ステップSS3330では、ARTストック(S)の値に「2」を加える、ストック加算処理が行われる。このストック加算処理が完了したら、ステップSS3400へ進む。
ステップSS3300からステップSS3340へ進んだ場合、ステップSS3340では、AT抽選(A)処理におけるAT抽選で当選したか否かが判定される。
このステップSS3340で、当選と判定されなかった場合、ステップSS3360へ進む一方、当選と判定された場合、次のステップSS3350へ進む。
ステップSS3350では、すべての計数手段56の累積値から「1」を減算する全体初期化処理が行われる。この全体初期化処理が完了したら、ステップSS3380へ進む。
ステップSS3340からステップSS3360へ進んだ場合、ステップSS3360では、AT抽選(B)処理におけるAT抽選で当選したか否かが判定される。
このステップSS3360で、当選と判定されなかった場合、AT抽選実行演出処理が完了となる一方、当選と判定された場合、次のステップSS3370へ進む。
ステップSS3370では、累積値が第1基準値に達した計数手段56について、その累積値から「4」を減算する個別初期化処理が行われる。この個別初期化処理が完了したら、次のステップSS3380へ進む。
ステップSS3380では、ARTストック(S)の値に「1」を加える、ストック加算処理が行われる。このストック加算処理が完了したら、ステップSS3400へ進む。
なお、図13には示していないが、演出状態が通常演出状態から上乗せ実施AT状態(図9参照)へ移行する毎に、ARTストック(S)の値から「1」が減算されるARTストック減算処理が行われる。
ステップSS3400では、高確モード遊技数(G)が「0」であるか否かが判定される。
すなわち、通常演出状態では、AT抽選の当選確率の高い高確モード遊技、及び、AT抽選の当選確率の低い低確モード遊技の二つのモード遊技のうち、いずれか一方のモード遊技が行われるようになっている。これらのモードのうち、低確モード遊技が初期設定の遊技とされ、低確モード遊技から遊技が開始され、ステップSS3430で抽選が行われるまで、低確モード遊技が行われるようになっている。
そして、ステップSS3430で高確モード遊技数(G)を決定する抽選が行われると、決定された高確モード遊技数(G)の値がセットされ、セットされた値に相当する回数だけ、高確モード遊技が行えるようになっている。
そして、ステップSS3400で、高確モード遊技数(G)が「0」であると判定された場合、次のステップSS3430へ進む一方、高確モード遊技数(G)が「0」であると判定されなかった場合、ステップSS3430をスキップしてステップSS3500へ進む。
ステップSS3430では、前述したように、高確モード遊技数(G)を抽選で決定する高確モード遊技数(G)抽選決定処理が行われ、この処理によって高確モード遊技数(G)が決定されたら、ステップSS3500へ進む。
ステップSS3500では、少なくとも一の計数手段56の累積値が第1基準値に達した、又は、すべての計数手段56の累積値が第2基準値に達した時点において、最後に役抽選で当選した判定契機役に基づく演出処理である判定契機役対応演出処理が行われる。
なお、複数種類の判定契機役のそれぞれには、各判定契機役に対応したキャラクターが設定されている。そして、判定契機役対応演出処理においては、表示装置2Cの画面に、最後に役抽選で当選した判定契機役に対応したキャラクターの動画が演出画像として表示されるようになっている。このような判定契機役対応演出処理が終了したら、AT抽選実行演出処理が完了となる。
(第1実施形態の効果)
前述のような本実施形態によれば、次のような効果が得られる。
すなわち、AT抽選の契機となる複数種類の判定契機役を設け、且つ、役抽選で当選した判定契機役に基づいて決定された計数値で計数処理を行う複数の計数手段56と、計数手段56に計数処理させるか否かを決定する計数可否決定手段52と、計数手段56に計数処理させる計数値を決定する計数値決定手段53とを設けたので、役抽選で判定契機役に当選し、且つ、計数可否決定手段52が計数手段に計数処理させる旨の決定をすると、計数値決定手段53が計数値を決定し、この決定した計数値で計数手段56が計数処理を行い、計数処理の結果である累積値を記憶して行き、これにより、遊技の進行に伴って判定契機役に当選して行くと、計数手段56の累積値が次第に累積し、増大して行くようになる。
そして、複数の計数手段56のうち、少なくとも一の計数手段56の累積値が第1基準値に達すると、あるいは、すべての計数手段56の累積値が第2基準値に達すると、到達判定手段54によって累積値が基準値に達した旨の判定がなされ、この判定に基づいて、AT抽選手段42がAT抽選を行うので、AT抽選の契機となりうる役が、従来の特定の役から複数種類の判定契機役にまで拡張され、これにより、AT抽選の契機が増え、遊技性の拡張を容易に図ることができる。
さらに、一の計数手段56の累積値が第1基準値に達しているとの判定、及び、すべての計数手段56の累積値が第2基準値に達しているとの判定の両方が同時になされると、AT抽選手段42は、すべての計数手段56の累積値が第2基準値に達しているとの判定を優先し、優先した方の判定に基づいてAT抽選手段42がAT抽選を行うようになり、これにより、AT抽選の契機を増やしたことに起因する不具合の発生を未然に防止することができ、この点からも、遊技性の拡張を容易に図ることができる。
また、計数値決定手段53の決定しうる数値範囲が互いに異なる第1カテゴリ及び第2カテゴリを設け、第2カテゴリの判定契機役の当選によって計数値決定手段53が決定しうる数値範囲を「1〜4」とし、第1カテゴリの判定契機役の当選によって計数値決定手段53が決定しうる数値範囲を「3,4」としたので、第1カテゴリの判定契機役の役抽選における当選確率が、第2カテゴリの判定契機役よりも低く設定されていても、第1カテゴリの判定契機役の当選によって決定される計数値が、第2カテゴリの判定契機役の当選によって決定される計数値よりも大きな値となる可能性が高くなる。これにより、単独の計数手段56の累積結果だけでなく、すべての計数手段56の累積結果も移行抽選の契機となりうるようになり、AT抽選を行わせるための判定手法が、一の計数手段56の累積値についての判定すること、及び、すべての計数手段56の累積値についての判定することの2種類となり、従って、AT抽選の契機を確実に増やすことができ、遊技性の拡張を容易に図ることができる。
さらに、AT抽選手段42によってAT抽選が行われると、AT抽選を行う契機となった判定契機役に基づいて、初期化手段55が計数手段56の累積値を初期化するので、計数手段56は、一旦、累積値が基準値に達しても、初期化により計数処理を再開できるようになる。これにより、計数手段56の累積値は、何度も繰り返して基準値に達することができ、累積値が基準値に達する度に、AT抽選が行われるようになるので、AT抽選の契機を確実に増やすことができ、遊技性の拡張を容易に図ることができる。
また、第1基準値「4」よりも第2基準値「1」を小さくししたので、第2基準値は、第1基準値よりも累積値が到達しやすい数値となり、複数種類の判定契機役のなかに、役抽選で当選する確率の低い判定契機役が含まれていても、すべての計数手段56の累積値が第2基準値に到達する可能性が高くなり、これにより、すべての計数手段56の累積結果について判定を行うこともAT抽選の契機となりうるようになる。このため、AT抽選を行わせるための判定手法が、一の計数手段56の累積値についての判定することと、すべての計数手段56の累積値についての判定することの2種類となり、AT抽選の契機を確実に増やすことができ、従って、遊技性の拡張を容易に図ることができる。
さらに、AT抽選で当選するまで、AT抽選でハズレとなった回数を加算して、その累積値を記憶する天井計数手段58と、この天井計数手段58の累積値が上限値に到達したか否かを判定する天井到達判定手段54C とを設けたので、天井計数手段58の累積値が上限値に到達すると、天井到達判定手段54C によって、その旨の判定がなされ、これにより、AT移行抽選が行われるようになり、この点からも、AT抽選の契機が増え、遊技性の拡張を容易に図ることができる。
[第2実施形態]
図14には、本発明の第2実施形態に係る計数手段61の概略構成が示されている。本第2実施形態は、判定契機役とされた役毎に別個に設けた計数手段56A 〜56D を、判定契機役とされた役毎に別個とし、且つ、第1カテゴリと第2カテゴリとで別個に設けた計数手段62, 63としたものである。
すなわち、第2実施形態に係る計数手段61には、図14に示すように、第1カテゴリの判定契機役に対応した複数の計数手段62と、第2カテゴリの判定契機役に対応した複数の計数手段63と、前記第1実施形態のものと同様の天井計数手段58とが設けられている。
このうち、計数手段62としては、第1カテゴリの判定契機役である「強リプレイ」、「強ベル」、「強スイカ」及び「強チェリー」のそれぞれに対応した強リプレイ用計数手段62A 、強ベル用計数手段62B 、強スイカ用計数手段62C 、及び、強チェリー用計数手段62D が設けられている。
また、計数手段63としては、第2カテゴリの判定契機役である「弱リプレイ」、「弱ベル」、「弱スイカ」及び「弱チェリー」のそれぞれに対応した弱リプレイ用計数手段63A 、弱ベル用計数手段63B 、弱スイカ用計数手段63C 、及び、弱チェリー用計数手段63D が設けられている。
続いて、計数手段62の動作について図15を参照しながら説明する。
すなわち、納品状態若しくは設定変更後、電源スイッチが投入され、スロットマシン1が作動を開始した際に、換言すると、遊技回数が「0」の時点では、計数手段62A 〜62D 及び計数手段63A 〜63Dのそれぞれの累積値は、図15に示すように、「0」となっている。ここで、第1基準値は、「4」とされ、第2基準値は、「1」となっている。
そして、遊技回数が「j」の時点において、役抽選手段32による役抽選の結果はハズレであったが、この時点における計数手段62A 〜62D 及び計数手段63A 〜63Dのそれぞれの累積値が、「1」、「3」、「0」、「3」、「2」、「1」、「1」、及び「2」となっているものとする。
そして、この次に遊技が実行された時点、すなわち、遊技回数が「j+1」の時点において、役抽選手段32による役抽選で強スイカに当選し、且つ、計数可否決定手段52によって計数手段62に加算を行う旨の決定がなされ、さらに、計数値決定手段53によって加算すべき計数値として「3」が決定されると、強スイカ用計数手段62C の累積値である「0」に「3」が加算され、その累積値が「3」となる。
すると、計数手段62A 〜62D 及び計数手段63A 〜63Dのすべての累積値が第2基準値の「1」に達した旨の判定が全体判定手段54B によってなされ、AT抽選手段42によってAT抽選が行われる。
そして、AT抽選が行われると、初期化手段55によって、計数手段62A 〜62D 及び計数手段63A 〜63D のすべての累積値から「1」を減算する全体初期化が行われる。
次いで、遊技回数が「j+2」の時点において、役抽選手段32による役抽選の結果はハズレであったが、この時点における計数手段62A 〜62D 及び計数手段63A 〜63D のそれぞれの累積値は、「0」、「2」、「2」、「2」、「1」、「0」、「0」、及び「1」となる。
この後、遊技回数が「k」の時点において、役抽選手段32による役抽選の結果はハズレであったが、この時点における計数手段62A 〜62D 及び計数手段63A 〜63D のそれぞれの累積値が、「1」、「0」、「1」、「2」、「1」、「2」、「2」、及び「1」となっているものとする。
そして、この次に遊技が実行される時点、すなわち、遊技回数が「k+1」の時点において、役抽選手段32による役抽選で強ベルに当選し、且つ、計数可否決定手段52によって計数手段56に加算を行う旨の決定がなされ、さらに、計数値決定手段53によって加算すべき計数値として「4」が決定されると、強ベル用計数手段62B の累積値である「0」に「4」が加算され、その累積値が「4」となる。
すると、計数手段62A 〜62D 及び計数手段63A 〜63D のすべての累積値が第2基準値の「1」に達した旨の判定が全体判定手段54B によってなされ、AT抽選手段42によってAT抽選が行われる。また、この際、強ベル用計数手段62B の累積値が第1基準値の「4」に達した旨の判定が個別判定手段54A によってなされ、AT抽選手段42によってAT抽選が行われる。
このようにして、AT抽選が2回行われると、初期化手段55によって、まず、計数手段62A 〜62D 及び計数手段63A 〜63D のすべての累積値から「1」を減算する全体初期化が行われる。
すると、計数手段62A 〜62D 及び計数手段63A 〜63D のそれぞれの累積値は、「0」、「3」、「0」、「1」、「0」、「1」、「1」、及び「0」となる。
次いで、強ベル用計数手段62B の累積値から「4」を減算する個別初期化が行われる。ここで、個別初期化の直前における強ベル用計数手段62B の累積値は「3」であり、「3」から「4」を減算すると、計算上は、「−1」となるが、累積値は、「0」以上の整数に限定されているため、実際には、「0」となる。
次いで、遊技回数が「j+2」の時点において、役抽選手段32による役抽選の結果はハズレであったが、この時点における計数手段62A 〜62D 及び計数手段63A 〜63D のそれぞれの累積値は、「0」、「0」、「0」、「1」、「0」、「1」、「1」及び「0」となる。
この後、計数手段62A 〜62D 及び計数手段63A 〜63D のすべての累積値が「1」に達する、あるいは、計数手段62A 〜62D 及び計数手段63A 〜63D のいずれかの累積値が「4」に達するまで、役抽選手段32による役抽選で判定契機役が当選し、且つ、計数可否決定手段52によって計数手段56に加算を行う旨の決定がなされる毎に、計数手段62, 63のうち判定契機役に対応したものに対して、計数値決定手段53によって決定された計数値が加算される。
(第2実施形態の効果)
前述のような本実施形態によれば、前記第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる他、次のような効果を付加することができる。
すなわち、計数手段として、判定契機役の種類だけでなく、判定契機役のカテゴリにも応じた計数手段62, 63を採用したので、判定契機役の種類を増やすことなく、計数手段62, 63の数を増やすことができる。そして、数が増えた計数手段62, 63のうち、一つでも、その累積値が第1基準値に達すると、AT抽選が行われるようになるので、AT抽選の契機をさらに一層増やすことができ、これにより、遊技の拡張を容易に図ることができるうえ、遊技の興趣性を向上することもできる。
(第2実施形態に係る変形例)
なお、前記第2実施形態では、計数手段62A 〜62D 及び計数手段63A 〜63D の計8個の計数手段62, 63が設けられていることから、これら8個の計数手段62, 63に記憶されている累積値を、すべて第2基準値に到達させることが困難となって、AT抽選の契機を増やせないことがある。
そこで、計数手段62, 63の内部状態として、実際に累積値が第2基準値に到達していなくとも、到達していると見倣すフリー状態を設定しておき、AT抽選で当選する毎に、これら8個の計数手段62, 63の中から、一つ又は数個を順番又は抽選で選び、選ばれた、ものの内部状態をフリー状態とし、累積値を第2基準値に到達させるべき計数手段62, 63の数を減らすことが好ましい。このようにすれば、フリー状態以外の計数手段62, 63の累積値がすべて第2基準値に達することで、AT抽選が行われるようになり、AT抽選の契機を増やすことができる。
具体例を挙げて説明すると、例えば、AT抽選で当選した際に、フリー状態にすべき計数手段62, 63を決める抽選を行う。そして、この抽選で、計数手段62A 〜62D 及び計数手段63A 〜63D のうち、計数手段62C 及び計数手段63D を選び、図16(A)に示すように、これら2個の計数手段62C 及び計数手段63D の内部状態をフリー状態「F」にする。すると、累積値を第2基準値に到達させるべき計数手段62, 63の数が8個から6個に減る。従って、6個の計数手段62, 63の累積値が第2基準値に到達すれば、AT抽選が行われるようになり、AT抽選の契機を増やすことができる。
あるいは、図16(B)に示すように、計9個の升が縦横3個ずつ井桁状に配列されたマトリックスを設定しておき、このマトリックスの中央領域については、累積値が常に第2基準値に到達していると見なされるフリー状態「F」に設定しておき、さらに、このフリー状態「F」の周囲に計数手段62A 〜62D 及び計数手段63A 〜63D の記憶領域を仮想的に配置する。
そして、いわゆるビンゴゲームの要領で、縦、横及び斜めに配列された3個の領域について、すべての累積値が第2基準値に到達すると、AT抽選が行われるようにすれば、累積値を第2基準値に到達させるべき計数手段62, 63の数が2個又は3個に減り、これにより、AT抽選の契機を増やすことができる。
しかも、このように累積値が配列されたマトリックスを表示装置2Cの画面に表示すれば、AT抽選の実行要件が成立していく状況を遊技者に視認させることができ、これにより、遊技の興趣性をさらに向上することができる。
[第3実施形態]
図17は、本発明の第3実施形態に係る計数手段51の加算処理を説明するための図である。本第3実施形態は、前記第1実施形態におけるAT抽選の実施後に初期化を行っていた初期化手段55を、AT抽選の実施前に初期化を行う初期化手段55としたものである。
すなわち、第3実施形態に係る到達判定手段54は、判定契機役として設けられた複数種類の役に対応して複数設けられている計数手段56のうち、少なくとも一の計数手段56の累積値が第1基準値に達するのと同時に、すべての計数手段56の累積値が第2基準値に達している場合、まず最初に、個別判定手段54A よりも先に、全体判定手段54B が判定を行い、しかも、個別判定手段54A が判定を行う前に、初期化手段55が計数手段56を初期化するようになっている。
このような第3実施形態に係るAT抽選手段42、計数手段51、到達判定手段54及び初期化手段55の動作について図17を参照しながら説明する。
すなわち、納品状態若しくは設定変更後、電源スイッチが投入され、スロットマシン1が作動を開始した際、換言すると、遊技回数が「0」の時点では、リプレイ用計数手段56A 、ベル用計数手段56B 、スイカ用計数手段56C 及びチェリー用計数手段56D のそれぞれの累積値は、図17に示すように、「0」となっている。
そして、遊技回数が「j」の時点において、役抽選手段32による役抽選の結果はハズレであったが、この時点におけるリプレイ用計数手段56A 、ベル用計数手段56B 、スイカ用計数手段56C 及びチェリー用計数手段56D のそれぞれの累積値が、「0」、「3」、「1」及び「2」となっているものとする。
そして、この次に遊技が実行される時点、すなわち、遊技回数が「j+1」の時点において、役抽選手段32による役抽選で弱スイカに当選し、且つ、計数可否決定手段52によって計数手段56に加算を行う旨の決定がなされ、さらに、計数値決定手段53によって加算すべき計数値として「4」が決定されると、スイカ用計数手段56C の累積値である「1」に「4」が加算され、その累積値が「5」となる。
すると、スイカ用計数手段56C の累積値が第1基準値の「4」に達した旨の判定が個別判定手段54A によってなされる。
個別判定手段54A の判定がなされると、初期化手段55によって計数手段56が個別初期化され、これにより、スイカ用計数手段56C の累積値は、「5」から「4」が減算され、「1」となる。この後、AT抽選手段42によってAT抽選が行われる。
次いで、遊技回数が「j+2」の時点において、役抽選手段32による役抽選の結果はハズレであったが、この時点におけるリプレイ用計数手段56A 、ベル用計数手段56B 、スイカ用計数手段56C 及びチェリー用計数手段56D のそれぞれの累積値は、「0」、「3」、「1」及び「2」となる。
この後、遊技回数が「k」の時点において、役抽選手段32による役抽選の結果はハズレであったが、この時点におけるリプレイ用計数手段56A 、ベル用計数手段56B 、スイカ用計数手段56C 及びチェリー用計数手段56D のそれぞれの累積値が、「0」、「3」、「1」及び「2」となっているものとする。
そして、この次に遊技が実行される時点、すなわち、遊技回数が「k+1」の時点において、役抽選手段32による役抽選で強リプレイに当選し、且つ、計数可否決定手段52によって計数手段56に加算を行う旨の決定がなされ、さらに、計数値決定手段53によって加算すべき計数値として「4」が決定されると、リプレイ用計数手段56A の累積値である「0」に「4」が加算され、その累積値が「4」となる。
すると、リプレイ用計数手段56A 、ベル用計数手段56B 、スイカ用計数手段56C 及びチェリー用計数手段56D のすべての累積値が第2基準値の「1」に達した旨の判定が全体判定手段54B によってなされる。
全体判定手段54B の判定がなされると、初期化手段55によって計数手段56が全体初期化される。これにより、すべての計数手段56の累積値から「1」が減算される。
次いで、遊技回数が「j+2」の時点において、役抽選手段32による役抽選の結果はハズレであったが、この時点におけるリプレイ用計数手段56A 、ベル用計数手段56B 、スイカ用計数手段56C 及びチェリー用計数手段56D の累積値は、「3」、「2」、「0」及び「1」となる。この後、AT抽選手段42によってAT抽選が行われる。
ここで、AT抽選に先立って行われた初期化手段55の初期化によって、リプレイ用計数手段56A の累積値が「3」となっているので、少なくとも一の計数手段56の累積値が第1基準値に達しているとの判定を、個別判定手段54A がすることはない。
このため、全体判定手段54B の判定結果に基づいたAT抽選は実行されるが、個別判定手段54A の判定結果に基づいたAT抽選は実行されない。
この後、リプレイ用計数手段56A 、ベル用計数手段56B 、スイカ用計数手段56C 及びチェリー用計数手段56D のすべての累積値が「1」に達する、あるいは、リプレイ用計数手段56A 、ベル用計数手段56B 、スイカ用計数手段56C 及びチェリー用計数手段56D のいずれかの累積値が「4」に達するまで、役抽選手段32による役抽選で判定契機役が当選し、且つ、計数可否決定手段52によって計数手段56に加算を行う旨の決定がなされる毎に、計数値決定手段53によって決定された計数値が、判定契機役に対応した計数手段56に加算される。
以上において、本第3実施形態は、サブ制御処理において、前記第1実施形態におけるAT抽選実行演出処理(図11参照)とは異なるAT抽選実行演出処理を行うものである。以下に、本第3実施形態に係るAT抽選実行演出処理について、図18を参照しながら説明する。
AT抽選実行演出処理が開始されると、図18に示すように、まず、ステップSS3100において、遊技状態がRT0又はRT4であるか否かが判定される。
このステップSS3100で、遊技状態がRT0又はRT4であると判定されなかった場合、AT抽選実行演出処理が完了となる一方、ステップSS3100で、遊技状態がRT0又はRT4であると判定された場合、次のステップSS3200へ進む。
ステップSS3200では、その時点までに、PBBの当選、天井計数手段58の累計値が上限値に達しているとの判定、少なくとも一の計数手段56の累計値が第1基準値に達しているとの判定、及び、すべての計数手段56の累計値が第2基準値に達しているとの判定のうち、すくなくとも一つがなされ、ART状態に移行可能な状態となっているか否か判定される。
さらに詳しく説明すると、役抽選でPBBに当選すると、1回の当選につき、ART状態へ移行可能な回数であるARTストック(S)に「1」が加算される。
同様に、天井計数手段58の累計値が上限値に達しているとの判定、少なくとも一の計数手段56の累計値が第1基準値に達しているとの判定、及び、すべての計数手段56の累計値が第2基準値に達しているとの判定のいずれがなされても、1回の判定につき、ART状態へ移行可能な回数であるARTストック(S)に「1」が加算される。
以上を踏まえると、ステップSS3200では、ARTストック(S)の値が「1」以上となっているか否か、換言すると、ARTストック(S)の値が「0」より大きいか否かの判定がなされる。
このステップSS3200で、ARTストック(S)の値が「0」より大きいと判定された場合、AT抽選実行演出処理が完了となる一方、ステップSS3200で、ARTストック(S)の値が「0」より大きいと判定されなかった場合、次のステップSS3210へ進む。
ステップSS3210では、高確モード遊技数(G)から「1」を減算する処理が行われ、この処理が完了したら、ステップSS3300へ進む。
ステップSS3300では、その時点で、すべての計数手段56の累計値が第2基準値に達しているか否かが判定される。
このステップSS3300で、すべての計数手段56の累計値が第2基準値に達していると判定されなかった場合、ステップSS3400へ進む。
一方、ステップSS3300で、すべての計数手段56の累計値が第2基準値に達していると判定された場合、次のステップSS3310へ進み、このステップSS3310で、すべての計数手段56に対して全体初期化処理が行われる。この全体初期化処理が完了したら、次のステップSS3500へ進む。
ステップSS3400では、その時点で、少なくとも一の計数手段56の累計値が第1基準値に達しているか否かが判定される。
このステップSS3400で、少なくとも一の計数手段56の累計値が第1基準値に達していると判定されなかった場合、AT抽選実行演出処理が完了となる。
一方、ステップSS3400で、少なくとも一の計数手段56の累計値が第1基準値に達していると判定された場合、次のステップSS3410へ進む。そして、ステップSS3410では、前述した一の計数手段56に対して個別初期化処理が行われる。この個別手段初期化処理が完了したら、ステップSS3500へ進む。
ここにおいて、ステップSS3300の判定処理がステップSS3400の判定処理よりも先に行われていることから、一の計数手段56の累積値が第1基準値に達しているとの判定、及び、すべての計数手段56の累積値が第2基準値に達しているとの判定の両方が同時になしうる場合、AT抽選手段42は、後者(すべての計数手段56の累積値が第2基準値に達しているとの判定)を優先するようになっている。
ステップSS3500では、AT状態へ移行するか否かを決定するAT抽選を行うAT抽選処理が行われ、AT抽選処理が完了したら、次のステップSS3600へ進む。
ステップSS3600では、AT抽選の結果が当選であるか否かが判定される。このステップSS3600で、AT抽選の結果が当選であると判定されなかった場合、次のステップSS3610へ進む一方、AT抽選の結果が当選であると判定された場合、ステップSS3700へ進む。
ステップSS3610では、少なくとも一の計数手段56の累計値が第1基準値に達しているか否かの判定、及び、すべての計数手段56の累計値が第2基準値に達しているか否かの判定がなされる。
このステップSS3610で、少なくとも一の計数手段56の累計値が第1基準値に達しているとの判定、及び、すべての計数手段56の累計値が第2基準値に達しているとの判定の両方がなされなかった場合、次のステップSS3620へ進む。
ステップSS3610で、少なくとも一の計数手段56の累計値が第1基準値に達しているとの判定、及び、すべての計数手段56の累計値が第2基準値に達しているとの判定の少なくとも一方がなされた場合、ステップSS3300へ戻る。
これにより、直前に行われたAT抽選の結果がハズレであっても、少なくとも一の計数手段56の累計値が第1基準値に達している状態、あるいは、全体計数手段57のすべての累計値が第2基準値に達している状態となっている場合には、再度、AT抽選がなされるようになっている。
ステップSS3620では、高確モード遊技数(G)が「0」であるか否かが判定される。
すなわち、通常演出状態では、AT抽選の当選確率の高い高確モード遊技、及び、AT抽選の当選確率の低い低確モード遊技の二つのモード遊技のうち、いずれか一方のモード遊技が行われるようになっている。これらのモードのうち、低確モード遊技が初期設定の遊技とされ、低確モード遊技から遊技が開始され、ステップSS3630で抽選が行われるまで、低確モード遊技が行われるようになっている。
そして、ステップSS3630で高確モード遊技数(G)を決定する抽選が行われると、決定された高確モード遊技数(G)の値がセットされ、セットされた値に相当する回数だけ、高確モード遊技が行えるようになっている。
そして、ステップSS3620で、高確モード遊技数(G)が「0」であると判定された場合、次のステップSS3630へ進む一方、高確モード遊技数(G)が「0」であると判定されなかった場合、ステップSS3630をスキップしてステップSS3800へ進む。
ステップSS3630では、前述したように、高確モード遊技数(G)を抽選で決定する高確モード遊技数(G)抽選決定処理が行われ、この処理によって高確モード遊技数(G)が決定されたら、ステップSS3800へ進む。
一方、前述したステップSS3600からステップSS3700へ進んだ場合、ステップSS3700では、高確モード遊技数(G)を「0」にリセットする初期化処理が行われ、この初期化処理が完了したら、次のステップSS3710へ進む。
ステップSS3710では、ARTストック(S)の値に「1」を加える、ストック加算処理が行われる。このストック加算処理が完了したら、ステップSS3800へ進む。
ステップSS3800では、最後に役抽選で当選した判定契機役に対応した演出処理である判定契機役対応演出処理が行われる。
なお、複数種類の判定契機役のそれぞれには、各判定契機役に対応したキャラクターが設定されている。そして、判定契機役対応演出処理においては、表示装置2Cの画面に、最後に役抽選で当選した判定契機役に対応したキャラクターの動画が演出画像として表示されるようになっている。このような判定契機役対応演出処理が終了したら、AT抽選実行演出処理が完了となる。
前述のような本第3実施形態によっても、前記第1及び第2実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
1 遊技機としてのスロットマシン
2C 表示装置
3A 回転リール
13 ストップスイッチ
16 スタートスイッチ
32 役抽選手段
33 停止制御手段としてのリール回転制御手段
42 移行抽選手段としてのAT抽選手段
51 計数手段(第1及び第3実施形態)
52 計数可否決定手段
53 計数値決定手段
54 到達判定手段
54A 個別判定手段
54B 全体判定手段
54C 天井到達判定手段
55 初期化手段
56 計数手段(第1及び第3実施形態)
58 天井計数手段
61 計数手段(第2実施形態)
62 計数手段(第2実施形態)
63 計数手段(第2実施形態)
(請求項1)
(特徴点)
請求項1記載の発明は、次の点を特徴とする。
すなわち、請求項1記載の発明は、
外周面に複数種類の図柄が記された複数の回転リール(3A)と、これらの回転リールを回転させるスタートスイッチ(16)と、前記回転リール(3A)に対応して複数設けられ、対応する回転リール(3A)を停止させるストップスイッチ(13)と、複数種類の役の当否を役抽選で決定する役抽選手段(32)と、この役抽選手段(32)による役抽選の結果、及び、前記ストップスイッチ(13)の操作タイミングに基づいて回転中の前記回転リール(3A)を停止させる停止制御手段(33)とを備え、前記役抽選手段(32)の役抽選で当選した役に対応した図柄の組み合わせが停止表示されると、当該役に応じた数量の遊技媒体を払い出すように形成され、且つ、通常状態と、この通常状態よりも遊技者に有利な有利状態とが設定されているとともに、所定の抽選に基づいて通常状態から有利状態へ移行するように形成されている遊技機(1)であって、前記役抽選手段(32)による役抽選で当選しうる役であって、通常状態から有利状態へ移行するか否かの判定を行う契機となりうる複数種類の判定契機役が設けられ、前記役抽選手段(32)の役抽選で当選した判定契機役に基づいて決定された計数値で、加算及び減算のいずれか一方の計数処理を行い、計数処理の結果である累積値を記憶する計数手段(51, 61)と、前記役抽選手段(32)の役抽選で判定契機役に当選すると、前記計数手段(51, 61)に計数処理させるか否かを決定する計数可否決定手段(52)と、前記計数可否決定手段(52)が前記計数手段(51, 61)に計数処理させる旨の決定をすると、役抽選で当選した判定契機役に基づいて決定される数値範囲の中から、前記計数手段(51, 61)が計数処理すべき計数値を決定する計数値決定手段(53)と、前記計数手段(51, 61)の累積値が基準値に達したか否かを判定する到達判定手段(54)と、前記到達判定手段(54)によって累積値が基準値に達したと判定されると、通常状態から有利状態へ移行するか否かを決定する移行抽選を行う移行抽選手段(42)とを備え、前記計数手段(51, 61)は、判定契機役とされた役に対応して複数設けられ、対応する一の役について前記計数値決定手段(53)の抽選の結果として決定された計数値を、その累積値に加算するものであり、前記到達判定手段(54)
は、前記役に対応して複数設けられている前記計数手段(51, 61)のうち、少なくとも一の計数手段(51, 61)の累積値が第1基準値に達しているか否かを判定する個別判定手段(54A) と、複数設けられているすべての前記計数手段(51, 61)の累積値が第2基準値に達しているか否かを判定する全体判定手段(54B) とを有し、前記移行抽選手段(42)は、少なくとも一の前記計数手段(51, 61)の累積値が第1基準値に達しているとの判定、及び、すべての前記計数手段(51, 61)の累積値が第2基準値に達しているとの判定のいずれか一方がなされると、移行抽選を行うようになっていることを特徴とする。
これに加え、前記複数設けられているすべての前記計数手段(例えば図14に示す計8個の計数手段62A〜62D及び計数手段63A〜63D)のうちから、予め定められた条件(例えば一つ又は数個を順番又は抽選で選ぶ。)にもとづいて特定の計数手段(例えば図16(A)に示す2個の計数手段62C及び計数手段63D)を選択し、残る前記係数手段(例えば図16(A)に示す残る6個の計数手段62A,62B,62D及び計数手段63A〜63C)の累積値が第2基準値に達しているか否かを前記全体判定手段(54B)により判定する、ようにしていることを特徴とする。
なお、「前記計数手段」として、例えば図14に示す計8個の計数手段(62A〜62D)及び計数手段(63A〜63D)を、「特定の計数手段」として例えば図16(A)に示す2個の計数手段(62C)及び計数手段(63D)を、「残る前記係数手段」として例えば図16(A)に示す残る6個の計数手段(62A,62B,62D)及び計数手段(63A〜63C)をそれぞれ例示したが、これらに限定されず、例えば図16(B)に示すように構成しても良い。
(請求項2)
(特徴点)
請求項2記載の発明は、前述した請求項1に記載の発明において、次の特徴点を備えているものである。
すなわち、請求項2記載の発明は、前記特定の計数手段(例えば図16(A)に示す2個の計数手段62C及び計数手段63D)を、一つ又は数個を順番又は抽選で選ぶ、ようにしていることを特徴とする。
なお、「特定の計数手段」として例えば図16(A)に示す2個の計数手段(62C)及び計数手段(63D)を例示したが、これらに限定されず、例えば図16(B)に示すように構成しても良い。
(請求項3)
(特徴点)
請求項3記載の発明は、前述した請求項1又は2に記載の発明において、次の特徴点を備えているものである。
すなわち、請求項3記載の発明は、前記移行抽選で当選した際に、前記特定の計数手段(例えば図16(A)に示す2個の計数手段62C及び計数手段63D)を決める抽選を行うことを特徴とする。
なお、「特定の計数手段」として例えば図16(A)に示す2個の計数手段(62C)及び計数手段(63D)を例示したが、これらに限定されず、例えば図16(B)に示すように構成しても良い。
(請求項4)
(特徴点)
請求項4記載の発明は、前述した請求項1から3までのいずれかに記載の発明において、次の特徴点を備えているものである。
すなわち、請求項4記載の発明は、前記計数手段(例えば図14に示す計8個の計数手段62A〜62D及び計数手段63A〜63D)を、井桁状に縦横複数個ずつ配列するように設定して計数領域(例えば図16(B)に示すマトリックス)を形成し、当該計数領域の中央領域に前記特定の計数手段(例えば図16(B)に示すフリー状態「F」)を、当該特定の計数手段の周囲に前記残る計数手段(例えば図16(B)に示す計8個の計数手段62A〜62D及び計数手段63A〜63D)をそれぞれ仮想的に配置し、前記第2基準値に到達している計数手段が、所定条件(例えば図16(B)に示す縦、横及び斜めに配列された3個の領域について累積値が第2基準値に到達していること)を満たした場合、移行抽選を行うようになることを特徴とする。
(請求項5)
(特徴点)
請求項5記載の発明は、前述した請求項4に記載の発明において、次の特徴点を備えているものである。
すなわち、請求項3記載の発明は、前記複数の計数手段が配列された前記計数領域(例えば図16(B)のマトリックス)を、表示装置(2C)の画面に表示するようにしたことを特徴とする。
(請求項
(特徴点)
請求項記載の発明は、前述した請求項1から5までのいずれかに記載の発明において、次の特徴点を備えているものである。
すなわち、請求項記載の発明は、前記移行抽選手段(42)として、少なくとも一の前記計数手段(56,62,63)の累積値が第1基準値に達しているとの判定、及び、すべての前記計数手段(56,62,63)の累積値が第2基準値に達しているとの判定の両方が同時になされると、一方の判定を優先するものが採用されていることを特徴とする。
(請求項
(特徴点)
請求項記載の発明は、前述した請求項1から6までのいずれかに記載の発明において、次の特徴点を備えているものである。
すなわち、請求項記載の発明は、判定契機役のカテゴリとして、前記計数値決定手段(53)の決定しうる数値範囲が互いに異なる第1カテゴリ及び第2カテゴリが設けられ、第2カテゴリの判定契機役の当選によって前記計数値決定手段(53)が決定しうる数値範囲と、第1カテゴリの判定契機役の当選によって前記計数値決定手段(53)が決定しうる数値範囲とが相違していることを特徴とするものである。
(請求項
(特徴点)
請求項記載の発明は、前述した請求項1から請求項までのいずれかに記載の発明において、次の特徴点を備えているものである。
すなわち、請求項記載の発明は、前記移行抽選手段(42)によって移行抽選が行われると、移行抽選を行う契機となった判定契機役に基づいて、前記計数手段(51, 61)の累積値を初期化する初期化手段(55)が設けられていることを特徴とする。
(請求項
(特徴点)
請求項記載の発明は、前述した請求項1から請求項までのいずれかに記載の発明において、次の特徴点を備えているものである。
すなわち、請求項5記載の発明は、第1基準値及び第2基準値が、互いに異なる値に設定されていることを特徴とする。
(請求項10
(特徴点)
請求項10記載の発明は、前述した請求項1から請求項までのいずれかに記載の発明において、次の特徴点を備えているものである。
すなわち、請求項10記載の発明は、前記計数可否決定手段(52)が前記計数手段(51, 61)に計数処理をさせる旨の決定をするまで、所定の加算値を加算して、その累積値を記憶する天井計数手段(58)と、この天井計数手段(58)の累積値が第3基準値に到達したか否かを判定する天井到達判定手段(54C) とが設けられ、前記移行抽選手段(42)は、前記天井到達判定手段(54C) によって、前記天井計数手段(58)の累積値が第3基準値に到達した旨の判定がなされると、移行抽選を行うものであることを特徴とする。
(請求項1の効果)
請求項1に記載の発明は、以下に示すような効果を奏する。
すなわち、請求項1記載の発明によれば、移行抽選の契機となる複数種類の判定契機役を設け、且つ、役抽選で当選した判定契機役に基づいて決定された計数値で計数処理を行う複数の計数手段と、計数手段に計数処理させるか否かを決定する計数可否決定手段と、計数手段に計数処理させる計数値を決定する計数値決定手段とを設けたので、役抽選で判定契機役に当選し、且つ、計数可否決定手段が計数手段に計数処理させる旨の決定をすると、計数可否決定手段が計数値を決定し、この決定した計数値で計数手段が計数処理を行い、計数処理の結果である累積値を記憶して行き、遊技の進行に伴って判定契機役に当選して行くと、計数手段の累積値が次第に累積し、増大又は減少して行くようになる。
そして、複数の計数手段のうち、少なくとも一の計数手段の累積値が第1基準値に達すると、あるいは、すべての計数手段の累積値が第2基準値に達すると、到達判定手段によって累積値が基準値に達した旨の判定がなされ、この判定に基づいて、移行抽選手段が移行抽選を行うので、移行抽選の契機となりうる役が、従来の特定の役から複数種類の判定契機役にまで拡張され、これにより、移行抽選の契機が増え、遊技性の拡張を容易に図れるようになり、以上により、前記目的が達成される。
(請求項2〜5の効果)
請求項2〜5に記載の各発明も、上記した請求項1記載の発明の効果と同様の効果を奏する。
(請求項の効果)
請求項記載の発明によれば、上記した請求項1から5までのいずれかに記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。
すなわち、請求項記載の発明によれば、少なくとも一の計数手段の累積値が第1基準値に達しているとの判定、及び、すべての計数手段56の累積値が第2基準値に達しているとの判定の両方が同時になされても、移行抽選手段が一方の判定を優先するようにしたので、優先された方の判定に基づいて移行抽選手段が移行抽選を行うようになり、移行抽選の契機を増やしたことに起因する不具合の発生が未然に防止され、この点からも、遊技性の拡張を容易に図ることができる。
(請求項の効果)
請求項記載の発明によれば、上記した請求項1から6までのいずれかに記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。
すなわち、請求項記載の発明によれば、計数値決定手段の決定しうる数値範囲が互いに異なる第1カテゴリ及び第2カテゴリを設け、第2カテゴリの判定契機役の当選によって計数値決定手段が決定しうる数値範囲と、第1カテゴリの判定契機役の当選によって計数値決定手段が決定しうる数値範囲とを相違させたので、第1カテゴリの判定契機役の役抽選における当選確率が、第2カテゴリの判定契機役よりも低い場合、第1カテゴリの判定契機役の当選によって決定しうる計数値が、第2カテゴリの判定契機役の当選によって決定しうる計数値よりも大きな値となるように、双方の数値範囲を設定することができる。これにより、第1カテゴリの判定契機役については、より少ない役抽選の当選回数で、計数手段の累積値が第1基準値に達しうるので、役抽選で当選しにくい第1カテゴリの判
定契機役でも、移行抽選の契機となりうるようになり、この点から、移行抽選の契機を増やすことができ、遊技性の拡張を容易に図ることができる。
(請求項の効果)
請求項記載の発明によれば、上記した請求項1から請求項までのいずれかに記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。
すなわち、請求項記載の発明によれば、移行抽選手段によって移行抽選が行われると、移行抽選手段が移行抽選を行う契機となった判定契機役に基づいて、初期化手段が計数手段の累積値を初期化するので、計数手段は、一旦、累積値が基準値に達しても、初期化により計数処理を再開できるようになる。これにより、計数手段の累積値は、何度も繰り返して基準値に達することができ、累積値が基準値に達する度に、移行抽選が行われるようになるので、移行抽選の契機を確実に増やすことができ、従って、遊技性の拡張を容易に図ることができる。
(請求項の効果)
請求項記載の発明によれば、上記した請求項1から請求項までのいずれかに記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。
すなわち、請求項記載の発明によれば、第1基準値及び第2基準値が、互いに異なる値に設定されているので、例えば、第2基準値を第1基準値よりも累積値が到達しやすい数値にすれば、複数種類の判定契機役のなかに、役抽選で当選する確率の低い判定契機役が含まれていても、すべての計数手段の累積値が第2基準値に到達する可能性が高くなり、これにより、単独の計数手段の累積結果だけでなく、すべての計数手段の累積結果も移行抽選の契機となりうるようになり、移行抽選を行わせるための判定手法が、一の計数手段の累積値についての判定することと、すべての計数手段の累積値についての判定することの2種類となり、従って、移行抽選の契機を確実に増やすことができ、遊技性の拡張を容易に図ることができる。
(請求項10の効果)
請求項10記載の発明によれば、上記した請求項1から請求項までのいずれかに記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。
すなわち、請求項10記載の発明によれば、計数可否決定手段が計数手段に計数処理をさせる旨の決定をするまで、所定の加算値を加算して、その累積値を記憶する天井計数手段と、この天井計数手段の累積値が第3基準値に到達したか否かを判定する天井到達判定手段とを設けたので、天井計数手段の累積値が第3基準値に到達し、天井到達判定手段によって、その旨の判定がなされると、移行抽選が行われるようになり、この点からも、移行抽選の契機が増え、遊技性の拡張を容易に図ることができる。

Claims (6)

  1. 外周面に複数種類の図柄が記された複数の回転リールと、これらの回転リールを回転させるスタートスイッチと、前記回転リールに対応して複数設けられ、対応する回転リールを停止させるストップスイッチと、複数種類の役の当否を役抽選で決定する役抽選手段と、この役抽選手段による役抽選の結果、及び、前記ストップスイッチの操作タイミングに基づいて回転中の前記回転リールを停止させる停止制御手段とを備え、前記役抽選手段の役抽選で当選した役に対応した図柄の組み合わせが停止表示されると、当該役に応じた数量の遊技媒体を払い出すように形成され、且つ、通常状態と、この通常状態よりも遊技者に有利な有利状態とが設定されているとともに、所定の抽選に基づいて通常状態から有利状態へ移行するように形成されている遊技機であって、
    前記役抽選手段による役抽選で当選しうる役であって、通常状態から有利状態へ移行するか否かの判定を行う契機となりうる複数種類の判定契機役が設けられ、
    前記役抽選手段の役抽選で当選した判定契機役に基づいて決定された計数値で、加算及び減算のいずれか一方の計数処理を行い、計数処理の結果である累積値を記憶する計数手段と、
    前記役抽選手段の役抽選で判定契機役に当選すると、前記計数手段に計数処理させるか否かを決定する計数可否決定手段と、
    前記計数可否決定手段が前記計数手段に計数処理させる旨の決定をすると、役抽選で当選した判定契機役に基づいて決定される数値範囲の中から、前記計数手段が計数処理すべき計数値を決定する計数値決定手段と、
    前記計数手段の累積値が基準値に達したか否かを判定する到達判定手段と、
    前記到達判定手段によって累積値が基準値に達したと判定されると、通常状態から有利状態へ移行するか否かを決定する移行抽選を行う移行抽選手段と、
    を備え、
    前記計数手段は、判定契機役とされた役に対応して複数設けられ、対応する一の役について前記計数値決定手段の抽選の結果として決定された計数値を、その累積値に加算するものであり、
    前記到達判定手段は、
    前記役に対応して複数設けられている前記計数手段のうち、少なくとも一の計数手段の累積値が第1基準値に達しているか否かを判定する個別判定手段と、
    複数設けられているすべての前記計数手段の累積値が第2基準値に達しているか否かを判定する全体判定手段と、
    を有し、
    前記移行抽選手段は、少なくとも一の前記計数手段の累積値が第1基準値に達しているとの判定、及び、すべての前記計数手段の累積値が第2基準値に達しているとの判定のいずれか一方がなされると、移行抽選を行うようになっていることを特徴とする遊技機。
  2. 前記移行抽選手段は、少なくとも一の前記計数手段の累積値が第1基準値に達しているとの判定、及び、すべての前記計数手段の累積値が第2基準値に達しているとの判定の両方が同時になされると、一方の判定を優先するものであることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
  3. 判定契機役のカテゴリとして、前記計数値決定手段の決定しうる数値範囲が互いに異なる第1カテゴリ及び第2カテゴリが設けられ、第2カテゴリの判定契機役の当選によって前記計数値決定手段が決定しうる数値範囲と、第1カテゴリの判定契機役の当選によって前記計数値決定手段が決定しうる数値範囲とが相違していることを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
  4. 前記移行抽選手段によって移行抽選が行われると、移行抽選を行う契機となった判定契機役に基づいて、前記計数手段の累積値を初期化する初期化手段が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかに記載の遊技機。
  5. 第1基準値及び第2基準値は、互いに異なる値に設定されていることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかに記載の遊技機。
  6. 前記計数可否決定手段が前記計数手段に計数処理をさせる旨の決定をするまで、所定の加算値を加算して、その累積値を記憶する天井計数手段と、
    この天井計数手段の累積値が第3基準値に到達したか否かを判定する天井到達判定手段と、
    が設けられ、
    前記移行抽選手段は、前記天井到達判定手段によって、前記天井計数手段の累積値が第3基準値に到達した旨の判定がなされると、移行抽選を行うものであることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれかに記載の遊技機。
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