JP2015008206A - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】半導体装置の性能を向上させる。【解決手段】半導体基板SB上にソース・ドレイン用の半導体層EPをエピタキシャル成長により形成する。半導体層EPは、半導体基板SB上に形成された、Ge,C,Nを導入していないシリコン層からなる半導体層EP1と、半導体層EP1上に形成された、Ge,C,Nのうちの少なくとも1種を導入したシリコン層からなる半導体層EP2と、半導体層EP2上に形成された、Ge,C,Nを導入していないシリコン層からなる半導体層EP3とを有している。そして、半導体層EPのうち、半導体層EP3を金属と反応させることで、半導体層EPの表面に金属シリサイド層を形成する。【選択図】図17
Description
本発明は、半導体装置およびその製造方法に関し、例えば、MISFETを備えた半導体装置およびその製造方法に好適に利用できるものである。
半導体基板上にゲート絶縁膜を介してゲート電極を形成し、半導体基板にソース・ドレイン領域を形成することにより、MISFETが形成される。
特開2011−103342号公報(特許文献1)には、半導体基板のうち表面が露出している部分、すなわち素子分離領域とゲート電極の間の領域に対して、半導体基板と同一の材料からなる膜をエピタキシャル成長により選択的に成膜する技術が記載されている。
特開2005−236203号公報(特許文献2)には、シリサイド化反応抑制層を形成する技術が記載されている。
近年、MISFETなどの半導体素子の小型化(微細化)が進められている。これに伴い、MISFETにおいては、ソース・ドレイン領域の深さ(接合深さ)を浅くすることが求められている。しかしながら、ソース・ドレイン領域の深さを単に浅くしただけでは、ソース・ドレイン領域の厚さが薄くなってしまうため、種々の不具合が生じる虞がある。
そこで、半導体基板上にソース・ドレイン用のエピタキシャル層を選択的に成長させてMISFETを形成することで、ソース・ドレイン領域の接合深さを浅くしながら、ソース・ドレイン領域の厚みを稼ぐことができる。
半導体基板上にエピタキシャル層を選択的に成長させてMISFETを形成する半導体装置においても、できるだけ性能を向上させることが望まれる。
その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
一実施の形態によれば、半導体装置は、半導体基板上に形成されたソース・ドレイン用のエピタキシャル半導体層を含んでいる。前記エピタキシャル半導体層は、前記半導体基板上に形成され、Ge,C,Nを導入していないシリコン層からなる第1エピタキシャル半導体層と、前記第1エピタキシャル半導体層上に形成され、Ge,C,Nのうちの少なくとも1種を導入したシリコン層からなる第2エピタキシャル半導体層とを有し、前記第2エピタキシャル半導体層上に金属シリサイド層が形成されている。
また、一実施の形態によれば、半導体装置の製造方法は、半導体基板上に、ソース・ドレイン用の半導体層をエピタキシャル成長させる工程と、前記半導体層の表面に、金属と前記半導体層との反応層を形成する工程と、を有している。前記エピタキシャル成長させる工程で形成された前記半導体層は、前記半導体基板上に形成された第1エピタキシャル半導体層と、前記第1エピタキシャル半導体層上に形成された第2エピタキシャル半導体層と、前記第2エピタキシャル半導体層上に形成された第3エピタキシャル半導体層とを有している。前記第1エピタキシャル半導体層と前記第3エピタキシャル半導体層とは、それぞれ、Ge,C,Nを導入していないシリコン層からなり、前記第2エピタキシャル半導体層は、Ge,C,Nのうちの少なくとも1種を導入したシリコン層からなる。
一実施の形態によれば、半導体装置の性能を向上させることができる。
以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でもよい。さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
以下、実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、以下の実施の形態では、特に必要なとき以外は同一または同様な部分の説明を原則として繰り返さない。
また、実施の形態で用いる図面においては、断面図であっても図面を見易くするためにハッチングを省略する場合もある。また、平面図であっても図面を見易くするためにハッチングを付す場合もある。
(実施の形態)
<半導体装置の構造について>
本実施の形態の半導体装置を、図面を参照して説明する。図1は、本実施の形態の半導体装置の要部断面図である。
<半導体装置の構造について>
本実施の形態の半導体装置を、図面を参照して説明する。図1は、本実施の形態の半導体装置の要部断面図である。
図1に示されるように、本実施の形態の半導体装置は、MISFET(Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor)を備えた半導体装置である。
半導体装置を構成する半導体基板SBには、MISFETが複数形成されており、図1には、それらを代表して、2つのnチャネル型MISFET(Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor:MIS型電界効果トランジスタ)Qnが図示されている。なお、図1では、ソース・ドレイン領域(n+型半導体領域SDおよびn+型半導体領域SD上の半導体層EP)を共有してゲート長方向に2つのnチャネル型MISFETQn(のゲート電極GE)が隣り合っている場合について、図示してある。
図1に示されるように、例えば1〜10Ωcm程度の比抵抗を有するp型の単結晶シリコンなどからなる半導体基板SBは、絶縁体からなる素子分離領域STによって規定されて互いに電気的に分離された活性領域を有しており、この半導体基板SBの活性領域にp型ウエルPWが形成されている。p型ウエルPWの表面上には、nチャネル型MISFETQnのゲート絶縁膜として機能する絶縁膜GIを介して、nチャネル型MISFETQnのゲート電極GEが形成されている。
ゲート電極GEは、導電膜により形成されている。例えば、多結晶シリコン膜(ポリシリコン膜、ドープトポリシリコン膜)によりゲート電極GEを形成し、ゲート電極GEをシリコンゲート電極とすることができるが、その場合、その多結晶シリコン膜は、不純物が導入されて低抵抗とされていることが好ましい。また、ゲート電極GEは、メタルゲート電極とすることもでき、その場合、金属伝導を示す金属膜または金属化合物膜によりゲート電極GEを形成することができる。
p型ウエルPWには、nチャネル型MISFETQnのLDD(Lightly doped Drain)構造のソースおよびドレイン領域として、n−型半導体領域(エクステンション領域、ソース・ドレインエクステンション領域、LDD領域)EXとそれよりも高不純物濃度のn+型半導体領域(ソース・ドレイン領域)SDとが形成されている。n+型半導体領域SDは、n−型半導体領域EXよりも接合深さが深くかつ不純物濃度が高い。
n+型半導体領域SD上に、エピタキシャル層(エピタキシャル成長層)である半導体層EPが形成されている。半導体層EPは、エピタキシャル成長で形成されたエピタキシャル層であり、半導体材料により形成されている。このため、半導体層EPは、エピタキシャル半導体層である。半導体層EPは、単結晶からなる半導体基板SB上に成長したため、単結晶層である。隣り合うゲート電極GEの間の領域やゲート電極GEと素子分離領域STとの間の領域において、半導体基板SBの表面(上面)のうち、絶縁膜IL1で覆われていない部分上に、半導体層EPがエピタキシャル成長法により選択的に形成されている。
半導体層EPは、半導体基板SB上に形成された半導体層EP1と、半導体層EP1上に形成された半導体層EP2とにより構成されている。すなわち、半導体層EPは、半導体基板SB上に形成された半導体層EP1と、半導体層EP1上に形成された半導体層EP2との積層構造を有している。半導体層EPにおいて、半導体層EP1が下層側で半導体層EP2が上層側である。
半導体層EPの表面(上面)、すなわち半導体層EP2の表面(上面)には、金属シリサイド層MSが形成されている。
なお、詳細は後述するが、エピタキシャル成長により半導体層EPを形成した段階では、半導体層EPは、半導体基板SB上に形成された半導体層EP1と、半導体層EP1上に形成された半導体層EP2と、半導体層EP2上に形成された後述の半導体層EP3とを有している。しかしながら、後述のサリサイド工程(後述のステップS14に対応)で半導体層EP3が金属(後述の金属膜MEに対応)と反応することにより金属シリサイド層MSが形成されるため、半導体層EP3は、金属シリサイド層MSを形成するために消費されてしまい、製造された半導体装置においては、半導体層EP3は金属シリサイド層MSに変わっている。
半導体層EPは、ソース・ドレイン(ソースまたはドレイン)用の半導体層(エピタキシャル半導体層)である。半導体層EPは、その半導体層EPの下方のn+型半導体領域SDとともに、nチャネル型MISFETQnのソース・ドレイン用の半導体領域として機能する。このため、半導体層EPは、導電型(nチャネル型MISFETの場合はn型)の不純物が導入されて低抵抗化されていることが好ましい。すなわち、半導体層EPは、n−型半導体領域EXおよびn+型半導体領域SDと同じ導電型(ここではn型)の半導体層であり、かつ、n−型半導体領域EXよりも導電型不純物(ここではn型不純物)の濃度が高い。
半導体層EPは、Si(シリコン)をベースにした半導体層であり、上述のように、半導体層EP1と半導体層EP2とにより形成されている。このうち、半導体層EP2は、Ge(ゲルマニウム),C(炭素),N(窒素)のうちの少なくとも1種が導入さている。すなわち、半導体層EP2は、Ge(ゲルマニウム),C(炭素),N(窒素)のうちの少なくとも1種が導入されたシリコン層からなる。一方、半導体層EP1は、Ge(ゲルマニウム),C(炭素),N(窒素)は導入されていない。すなわち、半導体層EP1は、Ge(ゲルマニウム),C(炭素),N(窒素)が導入されていないシリコン層からなる。
ここで、半導体層EP1は、Ge(ゲルマニウム),C(炭素),N(窒素)が導入されていないが、これは、半導体層EP1中には、Ge(ゲルマニウム),C(炭素),N(窒素)のいずれも、意図的には導入していないことを意味している。従って、半導体層EP1中には、Ge(ゲルマニウム),C(炭素),N(窒素)は実質的に含有されていないが、半導体層EP1中に、意図せずに導入されてしまう程度のごく微量のGe(ゲルマニウム),C(炭素),N(窒素)が含まれる場合は、許容することができる。一方、半導体層EP2には、Ge(ゲルマニウム),C(炭素),N(窒素)の少なくとも1種を意図的に導入している。従って、半導体層EP2には、Ge(ゲルマニウム),C(炭素),N(窒素)の少なくとも1種が含有されている。
なお、半導体層EP(すなわち半導体層EP1および半導体層EP2)は、nチャネル型のMISFETのソース・ドレイン領域の一部として機能できるように、n型の不純物(例えばリン(P)またはヒ素(As)など)が導入またはドープされてn型の半導体層となっている。nチャネル型のMISFETではなくpチャネル型のMISFETの場合は、半導体層EP(すなわち半導体層EP1および半導体層EP2)は、pチャネル型のMISFETのソース・ドレイン領域の一部として機能できるように、p型の不純物(例えばホウ素(B))が導入またはドープされてp型の半導体層となっている。
ゲート電極GEの側壁上には、側壁絶縁膜として絶縁膜(側壁絶縁膜)IL1が形成されている。この絶縁膜IL1は、ゲート電極GEの側壁(側面)上から半導体基板SBの表面上にわたって連続的に形成されている。但し、絶縁膜IL1は、ゲート電極GEの上面上には形成されておらず、また、半導体基板SBの表面全体に形成されているのではなく、半導体基板SBの表面において、ゲート電極GEの側壁から所定の距離(後述の長さT12に相当する距離)以内の領域に形成されている。絶縁膜IL1は、半導体基板SB上からゲート電極GEの側壁上にかけて、ほぼ一様(均一)の厚みで延在している。つまり、絶縁膜IL1は、ゲート電極GEの側壁上から半導体基板SB上にかけて延在しており、ゲート電極GEの側壁上にゲート電極GEの側壁に沿って延在する部分と、半導体基板SBの主面上に半導体基板SBの主面に沿って所定の距離(後述の長さT12に相当する距離)だけ延在する部分とを有している。
ゲート電極GEの側壁上には、絶縁膜IL1を介して、絶縁膜からなるサイドウォールスペーサ(側壁絶縁膜)SW2が形成されている。
サイドウォールスペーサSW2は、ゲート電極GE(の側壁)には接しておらず、サイドウォールスペーサSW2とゲート電極GE(の側壁)との間には、絶縁膜IL1が介在している。また、サイドウォールスペーサSW2は、半導体基板SBの基板領域(Si基板領域)には接しておらず、サイドウォールスペーサSW2と半導体基板SBとの間には、絶縁膜IL1が介在している。半導体層EPの形成後にサイドウォールスペーサSW2が形成されており、好ましくは、半導体層EP上、または半導体層EP上の金属シリサイド層MS上に、サイドウォールスペーサSW2の一部が乗り上げている。
ゲート電極GEの側壁上に形成されている絶縁膜IL1およびサイドウォールスペーサSW2の合計の厚み(寸法)T11は、半導体基板SB上に延在する部分の絶縁膜IL1の長さ(寸法、距離)T12よりも小さい(すなわちT11<T12)。なお、厚みT11は、後述の図16に示され、長さL12は、後述の図10に示されている。ここで、ゲート電極GEの側壁上に形成されている絶縁膜IL1およびサイドウォールスペーサSW2の合計の厚み(寸法)T11は、ゲート長方向(そのサイドウォールスペーサSW2が側壁に形成されているゲート電極GEのゲート長方向に対応)に沿った方向の厚み(寸法)に対応している。また、半導体基板SB上に延在する部分の絶縁膜IL1の長さ(寸法、距離)T12は、ゲート長方向(その絶縁膜IL1が側壁に形成されているゲート電極GEのゲート長方向に対応)に沿った方向の長さ(寸法、距離)に対応している。このため、厚みT11の測定方向と長さT12の測定方向とは同じ(いずれもゲート長方向)である。
このため、半導体基板SB上に延在する部分の絶縁膜IL1において、ゲート電極GEに隣接する側はサイドウォールスペーサSW2で覆われているが、それとは反対側の端部付近は、サイドウォールスペーサSW2で覆われていない。つまり、絶縁膜IL1は、ゲート電極GEとサイドウォールスペーサSW2の間の領域と、半導体基板SB(n−型半導体領域EX)とサイドウォールスペーサSW2の間の領域の、両領域にわたって延在し、更に、サイドウォールスペーサSW2よりも外側の領域(サイドウォールスペーサSW2で覆われない領域)にまで延在している。
p型ウエルPWにおいて、n−型半導体領域EXは、半導体基板SB上に延在する部分の絶縁膜IL1の下に形成されている。n−型半導体領域EXは、ゲート電極GEに自己整合して形成されるが、製造工程中の熱処理によりn−型半導体領域EXの不純物が横方向(ゲート長方向)にも拡散した場合は、n−型半導体領域EXの一部がゲート電極GEにオーバーラップする。すなわち、n−型半導体領域EXの一部とゲート電極GEの一部とが、平面視で重なる。
p型ウエルPWにおいて、n+型半導体領域SDは、nチャネル型MISFETQnのチャネル領域からn−型半導体領域EXの分だけ離間した位置に、n−型半導体領域EXに接する(隣接する)ように形成されている。すなわち、n−型半導体領域EXは、n+型半導体領域SDとチャネル領域との間に形成されている。なお、nチャネル型MISFETQnのチャネル領域は、ゲート電極GEの直下の基板領域に形成される。すなわち、nチャネル型MISFETQnのチャネル領域は、ゲート電極GEの直下の絶縁膜GIに隣接する(半導体基板SBの厚み方向に隣接する)部分の半導体基板SBに形成される。
n−型半導体領域EXは、ほぼ全体が絶縁膜IL1で覆われており、絶縁膜IL1から露出されていない。一方、n+型半導体領域SDは、少なくとも一部が、絶縁膜IL1で覆われておらず(すなわち平面視で絶縁膜IL1に重なっておらず)、絶縁膜IL1から露出された露出面を有しており、その露出面上に半導体層EPがエピタキシャル成長されている。
半導体層EP1は、絶縁膜IL1で覆われていない部分の半導体基板SBの露出表面上(ここではn+型半導体領域SDの露出面上)に形成されているが、半導体層EP1のエピタキシャル成長時に横方向(nチャネル型MISFETQnのゲート長方向に平行な方向)にも成長したことにより、半導体層EP1は一部が絶縁膜IL1上に乗り上げている。すなわち、ゲート長方向(nチャネル型MISFETQnのゲート電極GEのゲート長方向)において、半導体層EP1の端部(ゲート電極GEに対向する側の端部)が絶縁膜IL1上に乗り上げている(位置している)。別の言い方をすると、半導体層EP1は、絶縁膜IL1で覆われずに露出されたn+型半導体領域SDの上面上に形成されるとともに、一部(半導体層EP1の一部)が絶縁膜IL1上に延在した状態となっている。つまり、絶縁膜IL1で覆われずに露出されたn+型半導体領域SDの上面は、全体が半導体層EP1に接しているが、この半導体層EP1は、一部が絶縁膜IL1上に位置して絶縁膜IL1に接している。
また、n+型半導体領域SDが素子分離領域STに隣接している場合は、半導体層EP1は、絶縁膜IL1で覆われずに露出されたn+型半導体領域SDの上面上に形成されるとともに、一部が絶縁膜IL1上に乗り上げ、他の一部が素子分離領域ST上に乗り上げた状態となっている。すなわち、ゲート長方向(nチャネル型MISFETQnのゲート電極GEのゲート長方向)において、半導体層EP1の一方の端部(ゲート電極GEに対向する側の端部)が絶縁膜IL1上に乗り上げ(位置し)、他方の端部が素子分離領域ST上に乗り上げた(位置した)状態となっている。
半導体層EPは、n+型半導体領域SDに隣接(半導体基板SBの厚み方向に隣接)し、n+型半導体領域SDはn−型半導体領域EXに隣接(ゲート電極GEのゲート長方向に隣接)し、n−型半導体領域EXはnチャネル型MISFETQnのチャネル領域に隣接(ゲート電極GEのゲート長方向に隣接、すなわちチャネル長方向に隣接)している。そして、n+型半導体領域SDとチャネル領域との間にn−型半導体領域EXが介在し、半導体層EPとn−型半導体領域EXとの間にn+型半導体領域SDが介在している。チャネル領域に隣接するn−型半導体領域EXは、n+型半導体領域SDおよび半導体層EPよりも低不純物濃度であるため、n−型半導体領域EXとそれに接するn+型半導体領域SDとそれに接する半導体層EPとは、nチャネル型MISFETQnのLDD(Lightly doped Drain)構造を有するソースまたはドレイン用の半導体領域として機能する。
更に、後述の絶縁膜IL5、コンタクトホールCT、プラグPG、絶縁膜IL6および配線M1が形成されているが、ここでは図示およびその説明は省略する。
<半導体装置の製造工程について>
本実施の形態の半導体装置の製造工程を、図面を参照して説明する。図2および図3は、本実施の形態の半導体装置の製造工程を示す工程フロー図である。図2の工程フローに続いて図3の工程フローが行われる。図4は、図3のステップS10(半導体層EP形成工程)の詳細を示す工程フロー図である。図5〜図22は、本実施の形態の半導体装置の製造工程中の要部断面図であり、上記図1に相当する断面が示されている。
本実施の形態の半導体装置の製造工程を、図面を参照して説明する。図2および図3は、本実施の形態の半導体装置の製造工程を示す工程フロー図である。図2の工程フローに続いて図3の工程フローが行われる。図4は、図3のステップS10(半導体層EP形成工程)の詳細を示す工程フロー図である。図5〜図22は、本実施の形態の半導体装置の製造工程中の要部断面図であり、上記図1に相当する断面が示されている。
図5に示されるように、まず、例えば1〜10Ωcm程度の比抵抗を有するp型の単結晶シリコンなどからなる半導体基板(半導体ウエハ)SBを用意(準備)する(図2のステップS1)。
次に、半導体基板SBの主面に、活性領域を規定(画定)する素子分離領域(素子間分離絶縁領域)STを形成する(図2のステップS2)。
素子分離領域STは、酸化シリコンなどの絶縁体からなり、例えばSTI(Shallow Trench Isolation)法により形成される。例えば、半導体基板SBの主面に素子分離溝(素子分離用の溝)ST1を、フォトリソグラフィ技術およびドライエッチング技術などを用いて形成してから、この素子分離溝ST1に、成膜技術およびCMP技術などを用いて絶縁膜(例えば酸化シリコン膜)を埋め込むことで、素子分離溝ST1に埋め込まれた絶縁膜からなる素子分離領域STを形成することができる。半導体基板SBにおいて、素子分離領域STによって規定された活性領域に、以下に説明するようにMISFETが形成される。
次に、図6に示されるように、nチャネル型MISFETを形成する予定の領域における半導体基板SBに、半導体基板SBの主面から所定の深さにわたってp型ウエル(p型半導体領域)PWを形成する(図2のステップS3)。p型ウエルPWは、半導体基板SBにp型不純物(例えばホウ素)をイオン注入することなどによって、形成することができる。
次に、例えばフッ酸(HF)水溶液を用いたウェットエッチングなどにより半導体基板SBの表面を清浄化(洗浄)した後、半導体基板SBの表面(主面)上にゲート絶縁膜用の絶縁膜GIを形成する(図2のステップS4)。絶縁膜GIは、例えば薄い酸化シリコン膜などからなり、例えば熱酸化法などによって形成することができる。また、絶縁膜GIを酸窒化シリコン膜とすることもでき、この場合、例えばRTO(Rapid Thermal Oxidation)およびRTN(Rapid Thermal Nitridation)により酸窒化シリコン膜を形成することができる。
次に、図7に示されるように、ゲート電極GEを形成する(図2のステップS5)。
ゲート電極GEは、例えば、次のようにして形成することができる。すなわち、半導体基板SBの主面全面上に(すなわち絶縁膜GI上に)、ゲート電極形成用の導電膜を形成してから、この導電膜をフォトリソグラフィ法およびドライエッチング法を用いてパターニングすることにより、図7に示されるように、ゲート電極GEを形成することができる。ゲート電極GEは、パターニングされた導電膜(ゲート電極形成用の導電膜)からなる。
ゲート電極形成用の導電膜としては、例えば多結晶シリコン膜を用いることができる。この場合、成膜時または成膜後に不純物を導入して低抵抗率の半導体膜(ドープトポリシリコン膜)とすることが好ましい。また、成膜時にはアモルファスシリコン膜であったものを、成膜後の熱処理により多結晶シリコン膜に変えることもできる。
また、ゲート電極形成用の導電膜として、金属伝導を示す金属膜または金属化合物膜を用いることもでき、その場合、ゲート電極GEは、メタルゲート電極となる。ゲート電極GEをメタルゲート電極とする場合は、絶縁膜GIは、窒化シリコンよりも誘電率が高い高誘電率絶縁膜(例えば酸化ハフニウム膜または酸化アルミニウム膜などの金属酸化物膜)とすれば、より好ましい。
また、図7では、ゲート電極GEを形成するためのエッチング工程(すなわちゲート電極形成用の導電膜をパターニングする工程)で、ゲート電極GEで覆われない部分の絶縁膜GIが除去された場合を示しており、ゲート電極GEの下に絶縁膜GIが残存している。他の形態として、ゲート電極GEを形成するためのエッチング工程で、ゲート電極GEで覆われた部分の絶縁膜GIだけでなく、ゲート電極GEで覆われない部分の絶縁膜GIを残存させることもでき、この場合は、エッチングに伴う基板ダメージを抑制または防止しやすくなる。また、ゲート電極形成用の導電膜をドライエッチングでパターニングした後、ゲート電極GEで覆われない部分の絶縁膜GIをウェットエッチングで除去することもできる。
ゲート電極GEの下に残存する絶縁膜GIが、MISFETのゲート絶縁膜となり、ゲート電極GEが、MISFETのゲート電極となる。ゲート電極GEは、半導体基板SB(p型ウエルPW)上にゲート絶縁膜としての絶縁膜GIを介して形成される。すなわち、ゲート電極GEは、半導体基板SB上に形成されたゲート絶縁膜(絶縁膜GI)上に形成される。
次に、図8に示されるように、半導体基板SBの主面(主面全面)上に、ゲート電極GEを覆うように、絶縁膜IL1を形成する(図2のステップS6)。それから、半導体基板SBの主面(主面全面)上に、すなわち絶縁膜IL1上に、絶縁膜IL2を形成する(図2のステップS7)。このステップS6,S7を行うことにより、図8に示されるように、絶縁膜IL1と絶縁膜IL1上の絶縁膜IL2との積層膜LMが、半導体基板SBの主面上に、ゲート電極GEを覆うように、形成された状態となる。
絶縁膜IL1と絶縁膜IL2とは、互いに異なる材料からなる。好ましくは、絶縁膜IL1は窒化シリコン膜からなり、絶縁膜IL2は酸化シリコン膜からなる。他の形態として、絶縁膜IL1を酸化シリコン膜とし、絶縁膜IL2を窒化シリコン膜とすることもできる。
絶縁膜IL1,IL2は、例えばCVD(Chemical Vapor Deposition)法またはALD(Atomic layer Deposition:原子層堆積)法などにより形成することができる。また、好ましくは、絶縁膜IL1の厚み(形成膜厚)T1よりも、絶縁膜IL2の厚み(形成膜厚)T2の方が、大きい(すなわちT2>T1)。絶縁膜IL1の厚み(形成膜厚)T1は、例えば10〜20nm程度とすることができ、絶縁膜IL2の厚み(形成膜厚)T2は、例えば20〜50nm程度とすることができる。
また、後で形成されるサイドウォールスペーサSW1の厚みT4は、積層膜LMの厚みT3に相当したものとなる(T4≒T3)。ここで、積層膜LMの厚みT3は、絶縁膜IL1の厚みT1と絶縁膜IL2の厚みT2の合計に対応している(すなわちT3=T1+T2)。また、サイドウォールスペーサSW1の厚みT4(厚みT4は後述の図9に図示してある)は、ゲート長方向(そのサイドウォールスペーサSW1が側壁に形成されているゲート電極GEのゲート長方向に対応)に沿った方向の厚み(寸法)に対応している。
次に、図9に示されるように、異方性エッチング技術により積層膜LM(絶縁膜IL1と絶縁膜IL2との積層膜LM)をエッチバック(エッチング、ドライエッチング、異方性エッチング)することにより、ゲート電極GEの両方の側壁上にサイドウォールスペーサ(サイドウォール、側壁絶縁膜)SW1を形成する(図3のステップS8)。
ステップS8のエッチバック工程では、積層膜LM(絶縁膜IL1と絶縁膜IL2との積層膜LM)の堆積膜厚の分だけ積層膜LMを異方性エッチング(エッチバック)することにより、ゲート電極GEの両方の側壁(側面)上に積層膜LMを残してサイドウォールスペーサSW1とし、他の領域の積層膜LMを除去する。これにより、図9に示されるように、ゲート電極GEの両方の側壁上に残存する積層膜LMにより、サイドウォールスペーサSW1が形成される。
サイドウォールスペーサSW1は、絶縁膜IL1と絶縁膜IL1上の絶縁膜IL2との積層膜LMにより形成されている。具体的には、サイドウォールスペーサSW1は、半導体基板SB上からゲート電極GEの側壁上にかけて連続的に延在する絶縁膜IL1と、絶縁膜IL1を介して半導体基板SBおよびゲート電極GEから離間する絶縁膜IL2とで形成されている。
サイドウォールスペーサSW1を構成する絶縁膜IL1は、半導体基板SB上からゲート電極GEの側壁上にかけてほぼ一様(均一)の厚みで延在している。サイドウォールスペーサSW1を構成する絶縁膜IL2は、半導体基板SBおよびゲート電極GEから絶縁膜IL1の分だけ離間している。すなわち、サイドウォールスペーサSW1を構成する絶縁膜IL2と半導体基板SBとの間と、サイドウォールスペーサSW1を構成する絶縁膜IL2とゲート電極GEとの間とに、サイドウォールスペーサSW1を構成する絶縁膜IL1が介在している。
なお、サイドウォールスペーサSW1は、絶縁膜IL1がゲート電極GEの側壁(側面)上から半導体基板SBの表面上にかけて形成された構造(後述のステップS9でサイドウォールスペーサSW1を構成していた絶縁膜IL2を除去した段階の絶縁膜IL1の構造)を得るために用いられる。
次に、図10に示されるように、サイドウォールスペーサSW1を構成する絶縁膜IL2を、エッチングにより除去する(図3のステップS9)。ステップS9のエッチングにより、サイドウォールスペーサSW1を構成していた絶縁膜IL2が除去され、サイドウォールスペーサSW1を構成していた絶縁膜IL1が露出される。
このステップS9では、絶縁膜IL2よりも絶縁膜IL1がエッチングされにくいような条件(エッチング条件)で、エッチングを行う。すなわち、ステップS9では、絶縁膜IL2のエッチング速度よりも絶縁膜IL1のエッチング速度が小さく(遅く)なるような条件(エッチング条件)で、エッチングを行う。換言すれば、ステップS9では、絶縁膜IL1のエッチング速度よりも絶縁膜IL2のエッチング速度が大きく(速く)なるような条件(エッチング条件)で、エッチングを行う。絶縁膜IL1と絶縁膜IL2とは異なる材料により形成されているため、絶縁膜IL1に対する絶縁膜IL2のエッチング選択比を確保することができる。
このため、ステップS9のエッチング工程では、サイドウォールスペーサSW1を構成していた絶縁膜IL2をエッチングして除去し、サイドウォールスペーサSW1を構成していた絶縁膜IL1をエッチングストッパ膜として機能させることができる。このため、ステップS9では、サイドウォールスペーサSW1を構成していた絶縁膜IL1は、除去されずに残存する。
なお、ステップS9のエッチングの条件によっては、サイドウォールスペーサSW1を構成していた絶縁膜IL2が除去されたことで露出した絶縁膜IL1の表層部(上層部)がエッチングによって除去される場合もあるが、この場合でも、絶縁膜IL1は完全には除去されず、絶縁膜IL1を層状に残存させるように、ステップS9のエッチング条件を設定する。つまり、ステップS9の前後で絶縁膜IL1の厚みは同じか、あるいは、ステップS9の前よりもステップS9の後の方が絶縁膜IL1の厚みは薄くなるが、ステップS9を行っても、絶縁膜IL1は層状に残存し、サイドウォールスペーサSW1を構成する絶縁膜IL1で覆われていた部分の基板領域(半導体基板SB)が露出されないようにする。すなわち、ステップS9の直前にサイドウォールスペーサSW1で覆われていた部分の基板領域(半導体基板SB)は、ステップS9後も絶縁膜IL1で覆われた状態が維持され、露出されない。
このため、ステップS9でサイドウォールスペーサSW1を構成していた絶縁膜IL2を除去しても、ゲート電極GEの側壁上から半導体基板SB(p型ウエルPW)上にかけて絶縁膜IL1が連続的に(層状に)延在した状態は維持される。つまり、ステップS9を行った後、ゲート電極GEの側壁上と、半導体基板SB(p型ウエルPW)上とにわたって、絶縁膜IL1が層状に残存している。
また、ステップS9では、半導体基板SBの基板領域(Si領域)が、できるだけエッチングされないようにすることが好ましい。このため、ステップS9では、絶縁膜IL2よりも半導体基板SBがエッチングされにくいような条件(エッチング条件)で、エッチングを行うことが好ましい。すなわち、ステップS9では、絶縁膜IL2のエッチング速度よりも半導体基板SBのエッチング速度が小さく(遅く)なるような条件(エッチング条件)で、エッチングを行うことが好ましい。換言すれば、ステップS9では、半導体基板SBのエッチング速度よりも絶縁膜IL2のエッチング速度が大きく(速く)なるような条件(エッチング条件)で、エッチングを行うことが好ましい。これにより、ステップS9において、サイドウォールスペーサSW1を構成していた絶縁膜IL2をエッチングにより選択的に除去するとともに、半導体基板SBがエッチングされるのを抑制または防止することができる。
ステップS9では、絶縁膜IL2を選択的にエッチングできるエッチング法を用いることが好ましく、ウェットエッチングが好ましい。酸化シリコンは、窒化シリコンやシリコンなどに対して高選択比のエッチングが可能であり、この場合、ウェットエッチングを好適に用いることができる。このため、絶縁膜IL2が酸化シリコンからなり、絶縁膜IL1が窒化シリコンからなる場合は、ウェットエッチングにより、絶縁膜IL2をエッチングして除去するとともに、絶縁膜IL1および半導体基板SBのエッチングを的確に抑制または防止することができる。このため、絶縁膜IL1と絶縁膜IL2とは異なる材料からなるが、絶縁膜IL1が窒化シリコン膜で、かつ絶縁膜IL2が酸化シリコン膜であれば、より好ましい。
つまり、半導体基板SBおよび絶縁膜IL1に対する絶縁膜IL2の高いエッチング選択比を確保できるように、絶縁膜IL1と絶縁膜IL2との各材料を選択することが好ましく、この観点で、絶縁膜IL1を窒化シリコン膜とし、かつ、絶縁膜IL2を酸化シリコン膜とすることは好適である。
また、絶縁膜IL1で覆われていない部分の半導体基板SBの上面(Si面)に自然酸化膜などが形成されていたとしても、ステップS9で絶縁膜IL2を除去する際に、一緒に除去され得る。
次に、図11に示されるように、エピタキシャル成長により、半導体基板SB上に、エピタキシャル層(エピタキシャル成長層、エピタキシャル半導体層)である半導体層EPを形成する(図3のステップS10)。
ステップS10では、エピタキシャル成長により半導体層EPを形成するため、半導体基板SBの露出面(Si面)上に、エピタキシャル層(半導体層EP)が選択的に成長する。絶縁膜上には、エピタキシャル層は成長しない。このため、ステップS10では、半導体基板SBの主面のうち、ゲート絶縁膜(絶縁膜GI)や絶縁膜IL1で覆われずに露出するSi面(Si露出面)上に、エピタキシャル層(半導体層EPとなるエピタキシャル層)が選択的に成長することになる。すなわち、ステップS10では、隣り合うゲート電極GEの間の領域やゲート電極GEと素子分離領域STとの間の領域において、半導体基板SBの表面(上面)のうち、絶縁膜IL1で覆われていない部分上に、半導体層EPが選択的にエピタキシャル成長する。
ステップS10の直前の段階で、隣り合うゲート電極GEの間の領域やゲート電極GEと素子分離領域STとの間の領域において、半導体基板SB(p型ウエルPW)の上面(Si面)は、一部(絶縁膜IL1の下に延在する部分)を除き絶縁膜IL1で覆われずに露出されている。このため、ステップS10では、その半導体基板SB(p型ウエルPW)の露出面上にエピタキシャル層(半導体層EP)が選択的に成長する。
ステップS10では、絶縁膜IL1で覆われずに露出された半導体基板SB(p型ウエルPW)の上面上にエピタキシャル層(半導体層EPとなるエピタキシャル層)が上方向に成長するが、成長の途中でこのエピタキシャル層の上面が絶縁膜IL1の上面よりも高くなると、エピタキシャル層は上方向だけでなく横方向にも成長するようになる。ここで、上方向とは、半導体基板SBの主面に略垂直な方向でかつ半導体基板SBの主面から遠ざかる方向に対応し、横方向とは、半導体基板SBの主面に略平行な方向である。このため、エピタキシャル層(半導体層EPとなるエピタキシャル層)は、絶縁膜IL1の上面に沿って、ゲート長方向に平行な方向にも成長することになる。従って、エピタキシャル層(半導体層EP)は、絶縁膜IL1で覆われずに露出された半導体基板SB(p型ウエルPW)の上面上に形成されるとともに、一部が絶縁膜IL1上に乗り上げて延在することになる。
このため、半導体基板SB(p型ウエルPW)の露出面上に成長したエピタキシャル層からなる半導体層EPは、一部が絶縁膜IL1に乗り上げた状態になる。すなわち、半導体層EPは、絶縁膜IL1で覆われずに露出された半導体基板SB(p型ウエルPW)の上面上に形成されるとともに、一部(半導体層EPの一部)が絶縁膜IL1上に延在した(乗り上げた)状態となっている。つまり、ゲート長方向(nチャネル型MISFETQnのゲート電極GEのゲート長方向)において、半導体層EPの端部(ゲート電極GEに対向する側の端部)が絶縁膜IL1上に乗り上げた(位置した)状態となっている。また、半導体層EPが成長する半導体基板SB(p型ウエルPW)の露出面が素子分離領域STに隣接している場合は、半導体層EPは、絶縁膜IL1で覆われずに露出された半導体基板SB(p型ウエルPW)の上面上に形成されるとともに、一部が絶縁膜IL1上に乗り上げ、他の一部が素子分離領域ST上に乗り上げた状態となっている。すなわち、この場合は、ゲート長方向(nチャネル型MISFETQnのゲート電極GEのゲート長方向)において、半導体層EP1の一方の端部(ゲート電極GEに対向する側の端部)が絶縁膜IL1上に乗り上げ(位置し)、他方の端部が素子分離領域ST上に乗り上げた(位置した)状態となっている。
つまり、サイドウォールスペーサSW1を構成していた絶縁膜IL2をステップS9で除去してから、ステップS10で半導体層EPをエピタキシャル成長させることで、サイドウォールスペーサSW1を構成する絶縁膜IL2が存在していた領域にまで、半導体層EPが拡がるように成長することができる。サイドウォールスペーサSW1を構成していた絶縁膜IL2を除去したことにより、半導体基板SB(p型ウエルPW)の露出面上に成長したエピタキシャル層(半導体層EP)は、半導体基板SB(p型ウエルPW)上に残っている絶縁膜IL1(サイドウォールスペーサSW1を構成していた絶縁膜IL1)上に横方向成長し、この絶縁膜IL1上に乗り上げた状態となるのである。従って、サイドウォールスペーサSW1を構成していた絶縁膜IL2をステップS9で除去すると、サイドウォールスペーサSW1を構成していた絶縁膜IL1は、ゲート電極GEの側壁上から半導体基板SB上にかけて延在するように残存し、ステップS10では、エピタキシャル成長した半導体層EPの一部が、半導体基板SB上に延在する部分の絶縁膜IL1上に乗り上げることになる。
本実施の形態では、サイドウォールスペーサSW1を構成していた絶縁膜IL2を除去していることで、半導体層EPは横方向(ゲート長方向)にも成長して絶縁膜IL1上に乗り上げることができ、半導体層EPの表面積を増大させることができる。このため、後述のステップS14(金属シリサイド層MS形成工程)において、金属シリサイド層MSの界面(金属シリサイド層MSと半導体層EPとの界面)の面積を増大させることができ、金属シリサイド層MSの界面に起因した寄生抵抗を低減することができる。
半導体層EPは、エピタキシャル成長した半導体層であり、Si(シリコン)をベースにした半導体材料からなるが、半導体層EP1と、半導体層EP1上の半導体層EP2と、半導体層EP2上の半導体層EP3との積層構造を有している。このため、図4からも分かるように、ステップS10(半導体層EPの形成工程)は、半導体層EP1を形成する工程(図4のステップS10a)と、半導体層EP2を形成する工程(図4のステップS10b)と、半導体層EP3を形成する工程(図4のステップS10c)とを含んでいる。
ステップS10の半導体層EPの形成工程では、まず、ステップS10aで半導体層EP1を形成してから、ステップS10bで半導体層EP1上に半導体層EP2を形成し、その後に、ステップS10cで半導体層EP2上に半導体層EP3を形成する。すなわち、ステップS10においては、まず、ステップS10aで半導体基板SB(p型ウエルPW)の露出面上にエピタキシャル層からなる半導体層EP1が形成(成長)され、ステップS10bで半導体層EP1上にエピタキシャル層からなる半導体層EP2が形成(成長)され、ステップS10cで半導体層EP2上にエピタキシャル層からなる半導体層EP3が形成(成長)される。
ステップS10aの後にステップS10bが行われ、そのステップS10bの後にステップS10cが行われる。但し、ステップS10a(半導体層EP1を形成する工程)とステップS10b(半導体層EP2を形成する工程)とステップS10c(半導体層EP3を形成する工程)とは、途中で半導体基板SBを大気中にさらすことなく、連続的に行うことが好ましい。これにより、半導体層EP1と半導体層EP2との間の界面や、半導体層EP2と半導体層EP3との間の界面に、不要な膜などが形成されるのを防止することができ、その不要な膜に起因した不具合(例えば抵抗増加など)が生じてしまうのを防止することができる。このため、ステップS10aとステップS10bとステップS10cとは、同じ成膜装置(エピタキシャル成膜装置)を用いて連続的に行えば、より好ましい。ステップS10aのおける半導体層EP1の成長と、ステップS10bにおける半導体層EP2の成長と、ステップS10cにおける半導体層EP3の成長とは、成膜用のガスの種類や流量を変えることなどにより、切り替えることができる。
半導体層EP1,EP2,EP3は、いずれも、エピタキシャル成長で形成されたエピタキシャル層(エピタキシャル成長層)であり、Si(シリコン)をベースにした半導体材料により形成されている。半導体層EP1は、単結晶からなる半導体基板SB(の露出面)上にエピタキシャル成長するため、単結晶層であり、半導体層EP2は、単結晶層である半導体層EP1上にエピタキシャル成長するため、単結晶層であり、半導体層EP3は、単結晶層である半導体層EP2上にエピタキシャル成長するため、単結晶層である。すなわち、半導体層EP1,EP2,EP3からなる半導体層EPは、単結晶からなる半導体基板SB(の露出面)上に成長するため、単結晶層である。
半導体層EP2は、Ge(ゲルマニウム),C(炭素),N(窒素)のうちの少なくとも1種を導入している。すなわち、半導体層EP2は、Ge(ゲルマニウム),C(炭素),N(窒素)のうちの少なくとも1種を導入したシリコン層からなる。一方、半導体層EP1と半導体層EP3とは、Ge(ゲルマニウム),C(炭素),N(窒素)を導入していない。すなわち、半導体層EP1と半導体層EP3とは、Ge(ゲルマニウム),C(炭素),N(窒素)を導入していないシリコン層からなる。
ここで、半導体層EP1,EP3は、Ge(ゲルマニウム),C(炭素),N(窒素)を導入していないが、これは、半導体層EP1,EP3中には、Ge(ゲルマニウム),C(炭素),N(窒素)のいずれも、意図的には導入していないことを意味している。従って、ステップS10a,10cで形成される半導体層EP1,EP3中には、Ge(ゲルマニウム),C(炭素),N(窒素)は実質的に含有されていないが、半導体層EP1,EP3中に、意図せずに導入されてしまう程度のごく微量のGe(ゲルマニウム),C(炭素),N(窒素)が含まれる場合は、許容することができる。一方、半導体層EP2には、Ge(ゲルマニウム),C(炭素),N(窒素)の少なくとも1種を意図的に導入している。従って、ステップS10bで形成された半導体層EP2には、Ge(ゲルマニウム),C(炭素),N(窒素)の少なくとも1種が含有されている。
半導体層EP1は、ノンドープ(アンドープ)のシリコン層(Si層)であることが好ましい。また、半導体層EP3は、ノンドープ(アンドープ)のシリコン層(Si層)であることが好ましい。
一方、半導体層EP2は、Ge(ゲルマニウム),C(炭素),N(窒素)の少なくとも1種を導入またはドープしたシリコン層であることが好ましい。半導体層EP2にGe(ゲルマニウム)を導入した場合は、半導体層EP2は、シリコンゲルマニウム層(SiGe層)となり、シリコンゲルマニウムは半導体である。また、半導体層EP2にC(炭素)を導入した場合は、半導体層EP2は、シリコンカーバイド層(炭化ケイ素層、SiC層)となり、シリコンカーバイドは半導体である。また、半導体層EP2にN(窒素)を導入した場合は、半導体層EP2は、窒素をドープ(添加)したシリコン層となるが、この場合、半導体層EP2は、絶縁体とはならずに、半導体性を維持するようにしている。すなわち、半導体層EP2へのN(窒素)の導入量は、半導体層EP2が絶縁体とはならずに半導体であることを維持できる程度の量に制限されている。従って、半導体層EP2は、Ge(ゲルマニウム),C(炭素),N(窒素)のいずれを導入した場合でも、半導体性を有しており、絶縁体ではなく、半導体である。
このため、ステップS10のエピタキシャル成長工程において、ステップS10bで半導体層EP2を成長させている間は、成膜用のガス(ソースガス、原料ガス)に、Ge(ゲルマニウム),C(炭素),N(窒素)のいずれかを導入するためのソースガスまたはドーピングガスを含有させる。一方、ステップS10aで半導体層EP1を成長させている間と、ステップS10cで半導体層EP3を成長させている間は、Ge(ゲルマニウム),C(炭素),N(窒素)を導入するためのソースガスまたはドーピングガスを、成膜用のガス(ソースガス)に含有させない。
つまり、ステップS10では、成膜用のチャンバ(半導体基板SBを配置したチャンバ)内に成膜用ガスを供給して、チャンバ内の半導体基板SB上に半導体層EPをエピタキシャル成長させるが、ステップS10a,S10b,S10cでは、シリコンソースガスをチャンバ内に供給する。そして、ステップS10bでは、このシリコンソースガスに加えて、エピタキシャル成長層にGe(ゲルマニウム),C(炭素),N(窒素)のいずれかを導入するためのソースガスまたはドーピングガスもチャンバ内に供給する。一方、ステップS10aとステップS10cでは、チャンバ内にシリコンソースガスは導入するが、エピタキシャル成長層にGe(ゲルマニウム),C(炭素),N(窒素)を導入するためのソースガスまたはドーピングガスは、チャンバ内に供給しない。
シリコンソースガスとしては、例えばシラン系のガスを好適に用いることができる。シリコンソースガスとして好適なシラン系のガスとしては、例えば、ジシランガス、シランガス、またはジクロロシランガスなどがある。
また、ステップS10bで形成する半導体層EP2にGe(ゲルマニウム)を導入する場合は、ステップS10bでは、成膜用のチャンバ内に、シリコンソースガス(例えばシラン系のガス)に加えて、エピタキシャル成長層にGe(ゲルマニウム)を導入するためのガス(Ge用のソースガスまたはドーピングガス)を供給する。このGe(ゲルマニウム)を導入するためのガスとしては、例えば、水素化ゲルマニウム(GeH4)または四塩化ゲルマニウム(GeCl4)などを用いることができる。
また、ステップS10bで形成する半導体層EP2にC(炭素)を導入する場合は、ステップS10bでは、成膜用のチャンバ内に、シリコンソースガス(例えばシラン系のガス)に加えて、エピタキシャル成長層にC(炭素)を導入するためのガス(C用のソースガスまたはドーピングガス)を供給する。このC(炭素)を導入するためのガスとしては、例えば、メタン(CH4)、エチレン(C2H4)、アセチレン(C2H2)、プロパン(C3H8)、プロペン(C3H6)、またはブチン(C4H6)などを用いることができる。
また、ステップS10bで形成する半導体層EP2にN(窒素)を導入する場合は、ステップS10bでは、成膜用のチャンバ内に、シリコンソースガス(例えばシラン系のガス)に加えて、エピタキシャル成長層にN(窒素)を導入するためのガス(N用のソースガスまたはドーピングガス)を供給する。このN(窒素)を導入するためのガスとしては、例えば、窒素(N2)またはアンモニア(NH3)などを用いることができる。
また、ステップS10において、エピタキシャル成長した半導体層EPが絶縁膜IL1上に乗り上げやすくするには、ステップS10を行う段階で、絶縁膜IL1の厚みを薄くしておくことが好ましく、この観点で、ステップS10の半導体層EP1形成工程を行う段階で、絶縁膜IL1の厚み(半導体基板SB上に延在する部分の厚み)は10nm以下であることが好ましい。また、半導体層EPの形成条件(例えば成長温度など)を調整することで、エピタキシャル成長した半導体層EPが絶縁膜IL1上に乗り上げやすくすることができる。
また、ステップS10を行う段階で、絶縁膜IL1がゲート電極GEの側壁上から半導体基板SB上にかけて層状に残存し、サイドウォールスペーサSW1を構成する絶縁膜IL1で覆われていた部分の半導体基板SB(Si面)が露出しないようにしておく必要がある。このため、ステップS10を行う段階で、絶縁膜IL1の厚み(半導体基板SB上に延在する部分の厚み)は2nm以上であることがより好ましく、これにより、絶縁膜IL1は、層状態を維持しやすくなる。
また、ステップS10において、ゲート電極GEの側壁(側面)は、側壁絶縁膜(ここでは絶縁膜IL1)で覆われており、露出していない。このため、ステップS10では、ゲート電極GEの側壁(側面)上には、エピタキシャル層は成長しない。
また、ステップS10で半導体層EPをエピタキシャル成長させる際に、ゲート電極GEの上面上にもエピタキシャル層を成長させることが可能であるが、本実施の形態では、ステップS10で半導体層EPをエピタキシャル成長させる際に、ゲート電極GEの上面上にエピタキシャル層が成長しないようにすることが好ましい。これは、例えば、次のような手法(第1の手法、第2の手法、第3の手法)により実現することができる。
まず、ゲート電極GE(の上面)上にエピタキシャル層が成長しないようにする第1の手法について説明する。図12は、ゲート電極GE(の上面)上にエピタキシャル層が成長しないようにする第1の手法の説明図であり、上記図7に相当する断面図が示されている。すなわち、図12は、上記図7と同じ断面領域の同じ工程段階(ステップS5でゲート電極GEを形成した段階)が示されている。
第1の手法では、ステップS5でゲート電極GEを形成した際に、図12に示されるように、ゲート電極GE(の上面)上にキャップ絶縁膜CPが形成されているようにする。すなわち、上記ステップS5で、図12に示されるように、ゲート電極GEとゲート電極GE上のキャップ絶縁膜CPとの積層構造体を、半導体基板SB(p型ウエルPW)上に絶縁膜GIを介して形成する。これは、例えば次のようにして実現することができる。
すなわち、上記ステップS4(絶縁膜GI形成工程)までの工程を行い、上記図6の構造を得てから、半導体基板SBの主面全面上に(すなわち絶縁膜GI上に)、ゲート電極形成用の導電膜(例えば多結晶シリコン膜のようなシリコン膜)を形成し、更に、この導電膜上に絶縁膜IL3を形成する。絶縁膜IL3は、後で形成する絶縁膜IL2とは異なる材料が好ましく、例えば窒化シリコン膜とすることができ、CVD法などを用いて形成することができる。絶縁膜IL3は、後でゲート電極GE上にエピタキシャル層が成長しないようにするために、形成される。
それから、ゲート電極形成用の導電膜とその導電膜上の絶縁膜IL3との積層膜を、フォトリソグラフィ法およびドライエッチング法を用いてパターニングすることにより、図12に示されるように、ゲート電極GEとゲート電極GE上のキャップ絶縁膜CPとの積層構造体を形成する。この際、絶縁膜IL3をハードマスクとして用いることもできる。ゲート電極GEは、パターニングされた導電膜(ゲート電極形成用の導電膜)からなり、キャップ絶縁膜CPは、パターニングされた絶縁膜IL3からなる。キャップ絶縁膜CPは、ゲート電極GEとほぼ同様の平面形状を有している。ゲート電極GEとゲート電極GE上のキャップ絶縁膜CPとの積層構造体は、半導体基板SB(p型ウエルPW)上にゲート絶縁膜としての絶縁膜GIを介して形成される。
第1の手法を適用した場合、上記図7〜図11において、ゲート電極GEを、図12に示されるゲート電極GEとゲート電極GE上のキャップ絶縁膜CPとの積層構造体に置き換えた構造となる。
第1の手法を適用した場合、ゲート電極GE上にキャップ絶縁膜CPが形成されている状態でステップS10(半導体層EP形成工程)を行うことになる。ステップS10において、絶縁膜上にはエピタキシャル層が成長しない。このため、ステップS10で半導体層EPをエピタキシャル成長させる際に、ゲート電極GE(の上面)上にキャップ絶縁膜CPが形成されている、すなわち、ゲート電極GEの上面がキャップ絶縁膜CPで覆われていることで、ゲート電極GE(の上面)上にエピタキシャル層(エピタキシャル半導体層)は成長しない。
次に、ゲート電極GE(の上面)上にエピタキシャル層が成長しないようにする第2の手法について説明する。図13は、ゲート電極GE(の上面)上にエピタキシャル層が成長しないようにする第2の手法の説明図であり、上記図7に相当する断面図が示されている。すなわち、図13は、上記図7と同じ断面領域の同じ工程段階(ステップS5でゲート電極GEを形成した段階)が示されている。
第2の手法では、ステップS5でゲート電極GEを形成した際に、図13に示されるように、ゲート電極GEを多結晶シリコン膜のようなシリコン膜PSで形成するとともに、ゲート電極GEの上層部分(表層部分)に、イオン注入により不純物が高濃度に注入された不純物注入層PS1が形成されているようにする。これは、例えば次のようにして実現することができる。
すなわち、上記ステップS4(絶縁膜GI形成工程)までの工程を行い、上記図6の構造を得てから、半導体基板SBの主面全面上に(すなわち絶縁膜GI上に)、ゲート電極形成用の導電膜として、多結晶シリコン膜のようなシリコン膜PSを形成する。このシリコン膜PSは、成膜時または成膜後に導電型の不純物を導入して低抵抗率の半導体膜(ドープトポリシリコン膜)とすることが好ましい。
それから、このシリコン膜PSの上層部分(表層部分)にイオン注入により不純物を高濃度に注入して、不純物注入層PS1を形成する。これにより、シリコン膜PSの上層部分(表層部分)が、不純物が高濃度に注入された不純物注入層PS1となる。不純物注入層PS1に注入する不純物は、好ましくは、ヒ素(As)、ホウ素(ボロン、B)、リン(P)、アンチモン(Sb)、窒素(N)、アルゴン(Ar)、酸素(O)などであり、これらのうちの一種以上をイオン注入する。不純物注入層PS1を形成するためのイオン注入の注入エネルギーは、例えば1〜10keV程度とすることができ、また、ドーズ量は、例えば5×1014/cm2程度とすることができる。また、シリコン膜PS成膜時のシリコン膜PSの厚みは例えば60〜150nm程度とすることができ、不純物注入層PS1の厚みは例えば10〜30nm程度とすることができる。不純物注入層PS1に不純物をイオン注入した分、不純物注入層PS1の不純物濃度は、不純物注入層PS1の下のシリコン膜PSの不純物濃度よりも、高くなっている。不純物注入層PS1は、後でゲート電極GE上にエピタキシャル層が成長しないようにするために、形成される。
それから、上層部に不純物注入層PS1が形成されているシリコン膜PSを、フォトリソグラフィ法およびドライエッチング法を用いてパターニングすることにより、図13に示されるように、ゲート電極GEを形成する。この場合、ゲート電極GEは、パターニングされたシリコン膜PS(上層部に不純物注入層PS1が形成されているシリコン膜PS)からなり、ゲート電極GEの上層部(表層部)は不純物注入層PS1で構成された状態となる。ゲート電極GEは、半導体基板SB(p型ウエルPW)上にゲート絶縁膜としての絶縁膜GIを介して形成される。
第2の手法を適用した場合、上記図7〜図11において、ゲート電極GEを、図13のゲート電極GE(すなわち上層部に不純物注入層PS1が形成されているシリコン膜PSからなるゲート電極GE)に置き換えた構造となる。
第2の手法を適用した場合、ゲート電極GEの上層部(表層部)が不純物注入層PS1となっている状態でステップS10(半導体層EP形成工程)を行うことになる。この不純物注入層PS1上には、ステップS10でエピタキシャル層(エピタキシャル半導体層)は成長しない。このため、ゲート電極GE(の上面)上に、エピタキシャル層(エピタキシャル半導体層)は成長しない。
すなわち、第2の手法を適用する場合、ゲート電極GEの上層部に不純物注入層PS1を予め形成しておき、この不純物注入層PS1に注入されている不純物の種類と濃度とを、不純物注入層PS1上へのエピタキシャル成長を阻害(抑制)できるような不純物の種類と濃度とに設定しておく。これにより、ステップS10で不純物注入層PS1上(すなわちゲート電極GE上)にエピタキシャル層(エピタキシャル半導体層)が形成されないようにすることができる。この観点で、不純物注入層PS1を形成するイオン注入における不純物の種類とドーズ量は、上記例示した条件を好適に用いることができる。
次に、ゲート電極GE(の上面)上にエピタキシャル層が成長しないようにする第3の手法について説明する。
第3の手法では、ステップS5でゲート電極GEを形成した際に、ゲート電極GEを、金属(金属材料)からなるメタルゲート電極とする。なお、ここで言う金属(金属材料)とは、金属伝導を示す導電体を言い、単体の金属(純金属)や合金だけでなく、金属伝導を示す金属化合物(窒化金属や炭化金属など)も含むものとする。
すなわち、上記ステップS4(絶縁膜GI形成工程)までの工程を行い、上記図6の構造を得てから、半導体基板SBの主面全面上に(すなわち絶縁膜GI上に)、ゲート電極形成用の導電膜として、金属膜(金属伝導を示す導電膜)を形成する。それから、この金属膜をフォトリソグラフィ法およびドライエッチング法を用いてパターニングすることにより、パターニングされた金属膜(金属伝導を示す導電膜)からなるゲート電極GEを形成することができる。この場合、ゲート電極GEは、メタルゲート電極となり、半導体基板SB(p型ウエルPW)上にゲート絶縁膜としての絶縁膜GIを介して形成される。また、ゲート電極GEをメタルゲート電極とする場合は、絶縁膜GIは、窒化シリコンよりも誘電率が高い高誘電率ゲート絶縁膜(例えば酸化ハフニウム膜または酸化アルミニウム膜などの金属酸化物膜)とすれば、より好ましい。
第3の手法を適用した場合、上記図7〜図11において、ゲート電極GEはメタルゲート電極となる。
第3の手法を適用した場合、ゲート電極GEは、半導体材料ではなく金属(金属材料)からなるため、ステップS10ではゲート電極GE(の上面)上にエピタキシャル層(エピタキシャル半導体層)は成長しない。
このように、第1の手法、第2の手法、または第3の手法を適用することにより、ステップS10で半導体層EPをエピタキシャル成長させる際に、ゲート電極GEの上面上にエピタキシャル層が成長しないようにすることができる。また、第1の手法、第2の手法、および第3の手法以外の手法により、ゲート電極GEの上面上にエピタキシャル層が成長しないようにしてもよい。
このようにして、ステップS10が行われて半導体層EPが形成される。
次に、図14に示すように、nチャネル型MISFETを形成する予定の領域における半導体基板SB(p型ウエルPW)のゲート電極GEの両側の領域に、リン(P)またはヒ素(As)などのn型の不純物(ドーパント)をイオン注入することにより、n−型半導体領域(エクステンション領域、ソース・ドレインエクステンション領域、LDD領域)EXを形成する(図3のステップS11)。
このn−型半導体領域EX形成用のイオン注入時には、nチャネル型MISFETを形成する予定の領域における半導体基板SB(p型ウエルPW)に、ゲート電極GEがマスク(イオン注入阻止マスク)として機能してイオン注入される。このため、p型ウエルPWにおけるゲート電極GEの直下の領域には、ゲート電極GEに遮蔽されることで不純物イオンの注入が防止される。また、このn−型半導体領域EX形成用のイオン注入時には、絶縁膜IL1のうち、ゲート電極GEの側壁上に延在する部分も、マスク(イオン注入阻止マスク)として機能することができる。このため、n−型半導体領域EXは、半導体基板SB(p型ウエルPW)において、絶縁膜IL1のうちのゲート電極GEの側壁上に延在する部分の側壁(側面)に対して自己整合的に形成される。
また、ステップS11のイオン注入(n−型半導体領域EX形成用のイオン注入)の後、導入された不純物の活性化および注入ダメージの除去などのため熱処理(アニール処理)を行うこともできる。また、導入された不純物は、この熱処理により、拡散される場合もある。
また、ステップS11のイオン注入(n−型半導体領域EX形成用のイオン注入)をステップS10(半導体層EP形成工程)よりも後に行った場合は、そのステップS11のイオン注入で半導体層EPにもn型の不純物(ドーパント)が注入され得る。
また、ステップS11のイオン注入(n−型半導体領域EX形成用のイオン注入)をステップS10(半導体層EP形成工程)よりも後に行った場合は、半導体層EPの厚みとイオン注入の注入エネルギーによっては、ステップS11のイオン注入において、半導体層EPの下方(直下)の半導体基板SB(p型ウエルPW)に、n型の不純物(ドーパント)が注入されない場合もあり得る。
次に、ゲート電極GEの側壁上に、サイドウォールスペーサSW2を形成する(図3のステップS12)。ステップS12において、サイドウォールスペーサSW2は、次のようにして形成することができる。
すなわち、まず、図15に示されるように、半導体基板SBの主面(主面全面)上に、ゲート電極GE、半導体層EPおよび絶縁膜IL1を覆うように、サイドウォールスペーサSW2形成用の絶縁膜IL4を形成する。サイドウォールスペーサSW2形成用の絶縁膜IL4は、例えば、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、あるいはそれらの積層膜からなり、CVD法などにより形成することができる。それから、異方性エッチング技術によりサイドウォールスペーサSW2形成用の絶縁膜IL4をエッチバック(エッチング、ドライエッチング、異方性エッチング)することにより、ゲート電極GEの両方の側壁(側面)上にサイドウォールスペーサSW2形成用の絶縁膜IL4を残し、他の領域における絶縁膜IL4を除去する。これにより、図16に示されるように、ゲート電極GEの両方の側壁上に残存する絶縁膜IL4により、サイドウォールスペーサSW2が形成される。つまり、サイドウォールスペーサSW2の形成法は、膜構成を除き、上記サイドウォールスペーサSW1の形成法と基本的には同じである。
ステップS12の直前の段階で、ゲート電極GEの側壁上には絶縁膜IL1が形成されていたため、ステップS12では、サイドウォールスペーサSW2は、ゲート電極GEの側壁上に絶縁膜IL1を介して形成される。すなわち、サイドウォールスペーサSW2とゲート電極GE(の側壁)との間には、絶縁膜IL1が介在している。また、サイドウォールスペーサSW2は、半導体基板SBの基板領域(Si基板領域)には接しておらず、サイドウォールスペーサSW2と半導体基板SBとの間には、絶縁膜IL1が介在している。また、半導体基板SBに形成されているn−型半導体領域EXの上方にサイドウォールスペーサSW2が形成されているが、サイドウォールスペーサSW2とn−型半導体領域EXとの間には、絶縁膜IL1が介在している。このため、絶縁膜IL1は、半導体基板SB(n−型半導体領域EX)とサイドウォールスペーサSW2の間の領域と、ゲート電極GEとサイドウォールスペーサSW2の間の領域の、両領域にわたって延在している。
ステップS12を行った後に、ゲート電極GEの側壁上に形成されているサイドウォールスペーサSW2の厚みT6は、上記サイドウォールスペーサSW1を構成する絶縁膜IL2(すなわち上記ステップS11で除去した絶縁膜IL2)の厚みT5よりも小さい(薄い)ことが好ましい(すなわちT6<T5)。
ここで、サイドウォールスペーサSW2の厚みT6は、ゲート長方向(そのサイドウォールスペーサSW2が側壁に形成されているゲート電極GEのゲート長方向に対応)に沿った方向の厚み(寸法)に対応し、図16に示されている。サイドウォールスペーサSW2の厚みT6は、サイドウォールスペーサSW2形成用の絶縁膜IL4の厚み(形成膜厚)にほぼ相当したものとなる。また、サイドウォールスペーサSW1を構成する絶縁膜IL2の厚みT5は、ゲート長方向(そのサイドウォールスペーサSW1が側壁に形成されているゲート電極GEのゲート長方向に対応)に沿った方向の厚み(寸法)に対応し、上記図9に示されている。このため、厚みT6の測定方向と厚みT5の測定方向とは同じである。サイドウォールスペーサSW1を構成する絶縁膜IL2の厚みT5は、上記ステップS7で形成した絶縁膜IL2の厚み(形成膜厚)にほぼ相当したものとなる。従って、サイドウォールスペーサSW2形成用の絶縁膜IL4の厚み(形成膜厚)は、上記ステップS7で形成した絶縁膜IL2の厚み(形成膜厚)よりも小さい(薄い)ことが好ましい。
また、ステップS12を行った段階で、ゲート電極GEの側壁上に形成されている絶縁膜IL1およびサイドウォールスペーサSW2の合計の厚みT11は、半導体基板SB上に延在する部分の絶縁膜IL1の長さT12よりも小さくなっていることが好ましい(すなわちT11<T12)。これは、サイドウォールスペーサSW2の厚みT6を、上記サイドウォールスペーサSW1を構成する絶縁膜IL2の厚みT5よりも小さく(T6<T5)していることで、実現できる。なお、厚みT11は、上記図16に示され、長さT12は、上記図10に示されている。このため、ステップS12を行った段階で、半導体基板SB上に延在する部分の絶縁膜IL1において、ゲート電極GEに隣接する側はサイドウォールスペーサSW2で覆われているが、それとは反対側は、サイドウォールスペーサSW2で覆われていない状態となる。つまり、絶縁膜IL1は、半導体基板SB(n−型半導体領域EX)とサイドウォールスペーサSW2の間の領域と、ゲート電極GEとサイドウォールスペーサSW2の間の領域の、両領域にわたって延在し、更に、サイドウォールスペーサSW2よりも外側の領域(サイドウォールスペーサSW2で覆われない領域)にまで延在した状態になっている。
このようにサイドウォールスペーサSW2の厚みT6を制御することで、後述のステップS14で金属シリサイド層MSを形成する際に、半導体層EPの表層部分への金属シリサイド層MSの形成がサイドウォールスペーサSW2により阻害されにくくなり、金属シリサイド層MSと半導体層EPとの界面の面積を的確に大きくすることができる。
なお、ステップS9でサイドウォールスペーサSW1を構成する絶縁膜IL1,IL2のうち、絶縁膜IL2を除去し、絶縁膜IL1は層状に残存させているため、半導体基板SB上に延在する部分の絶縁膜IL1の長さT12(図10参照)は、サイドウォールスペーサSW1の上記厚みT4(図9参照)とほぼ同じになる(すなわちT12=T4)。
また、サイドウォールスペーサSW2における側端部側(ゲート電極GEに隣接する側とは反対側)は、半導体層EP上に若干乗り上げていることが好ましい。すなわち、サイドウォールスペーサSW2の側端部(ゲート電極GEに隣接する側とは反対側の側面下部)が半導体層EP上に存在していることが好ましい。つまり、サイドウォールスペーサSW2は、一部が半導体層EP上に位置していることが好ましい。これにより、後でコンタクトホールCTを形成する際にコンタクトホールCTの目外れ(コンタクトホールCTの形成位置の設計からのずれ)が生じたとしても、コンタクトホールCTから半導体基板SB(特にn−型半導体領域EX)が露出するのを、より的確に防止できるようになる。
次に、nチャネル型MISFETを形成する予定の領域における半導体基板SB(p型ウエルPW)のゲート電極GEおよびサイドウォールスペーサSW2の両側の領域に、リン(P)またはヒ素(As)などのn型の不純物(ドーパント)をイオン注入することにより、図17に示されるように、n+型半導体領域(ソース・ドレイン領域)SDを形成する(図13のステップS13)。
このステップS13のイオン注入時には、nチャネル型MISFETを形成する予定の領域における半導体基板SB(p型ウエルPW)に、ゲート電極GEおよびサイドウォールスペーサSW2がマスク(イオン注入阻止マスク)として機能してイオン注入される。このため、p型ウエルPWにおけるゲート電極GEおよびサイドウォールスペーサSW2の直下の領域(ゲート電極GEとサイドウォールスペーサSW2との間に介在する部分の絶縁膜IL1の直下の領域も含む)には、ゲート電極GEおよびサイドウォールスペーサSW2とその間の絶縁膜IL1とで遮蔽されることで、不純物イオンの注入が防止される。このため、n+型半導体領域SDは、半導体基板SB(p型ウエルPW)において、サイドウォールスペーサSW2の側壁(側面)に対して自己整合的に形成される。
また、ステップS13のイオン注入(n+型半導体領域SD形成用のイオン注入)の後、導入された不純物の活性化および注入ダメージの除去などのため熱処理(アニール処理)を行うこともできる。また、導入された不純物は、この熱処理により、拡散される場合もある。
また、ステップS13のイオン注入(n+型半導体領域SD形成用のイオン注入)をステップS10(半導体層EP形成工程)よりも後に行った場合は、そのステップS13のイオン注入で半導体層EPにもn型の不純物(ドーパント)が注入される。すなわち、半導体層EPを構成する半導体層EP1,EP2,EP3にもn型の不純物(ドーパント)が注入される。これにより、半導体層EPは、低抵抗のn型の半導体層となり、従って、半導体層EP1,EP2,EP3は、それぞれ、低抵抗のn型の半導体層となる。これにより、半導体層EPは、nチャネル型MISFETQnのソース・ドレイン用の半導体領域として機能することができる。
また、ステップS13のイオン注入(n+型半導体領域SD形成用のイオン注入)をステップS10(半導体層EP形成工程)よりも後に行った場合は、半導体層EPの厚みに応じてステップS13のイオン注入の注入エネルギーを調整し、半導体層EPの下方(直下)の半導体基板SB(p型ウエルPW)にもn型の不純物(ドーパント)が注入されるようにすることが好ましい。これにより、半導体層EPの下方(直下)の半導体基板SB(p型ウエルPW)に、n+型半導体領域SDをより的確に形成することができる。
次に、サリサイド(Salicide:Self Aligned Silicide)技術により、金属シリサイド層MSを形成する(図3のステップS14)。金属シリサイド層MSは、半導体層EPの表面(上層部)に形成される。金属シリサイド層MSは、次(図18および図19の工程)のようにして形成することができる。
まず、半導体層EPの表面(従って半導体層EP3の表面)を露出させた状態で、図18に示されるように、半導体基板SBの主面(主面全面)上に、ゲート電極GE、サイドウォールスペーサSW2および半導体層EPを覆うように、金属膜MEを形成(堆積)する。金属膜MEは半導体層EP上にも形成されるため、金属膜MEは、半導体層EPの表面(すなわち半導体層EP3の表面)に接した状態になる。金属膜MEは、例えばコバルト(Co)膜、ニッケル(Ni)膜、またはニッケル白金合金膜などからなり、スパッタリング法などを用いて形成することができる。それから、熱処理(シリサイド化用の熱処理)によって、金属膜MEと半導体層EPとを反応させる。これにより、図19に示されるように、半導体層EPの表面(上層部)に、金属膜MEと半導体層EPとの反応層(金属と半導体の反応層)である金属シリサイド層MSが形成される。その後、未反応の(余剰の)金属膜MEは除去し、図19は、この段階が示されている。金属シリサイド層MSを形成したことで、半導体層EPの拡散抵抗やコンタクト抵抗などを低抵抗化することができる。また、他の形態として、金属膜MEの形成後に、1回目の熱処理を行って金属膜MEと半導体層EPとを反応させてから、未反応の(余剰の)金属膜MEを一旦除去し、その後、2回目の熱処理を行って、金属シリサイド層MSを形成することもできる。
本実施の形態では、ステップS10で形成した半導体層EPは、半導体層EP1と、半導体層EP1上の半導体層EP2と、半導体層EP2上の半導体層EP3との積層構造を有している。この半導体層EP1と半導体層EP2と半導体層EP3との積層構造は、金属膜MEを形成した段階でも維持されている。このため、半導体層EPをエピタキシャル成長した段階で、半導体層EPの最上層は半導体層EP3であり、かつ、金属膜MEを形成した段階で、半導体層EPの最上層は半導体層EP3である。従って、金属膜MEを形成した後に熱処理を行うと、半導体層EP3が金属膜MEと反応する。しかしながら、半導体層EP2は、金属膜MEと反応しにくい。これは、半導体層EP2は、金属との反応が生じにくいように(すなわちシリサイド化が生じにくいように)、Ge(ゲルマニウム),C(炭素),N(窒素)のうちの少なくとも1種を導入しているためである。
このため、本実施の形態では、金属膜MEを形成した後に熱処理を行うと、半導体層EPのうち、半導体層EP3が金属膜MEと選択的に反応する。これにより、半導体層EPの表面(上層部)に、金属シリサイド層MSが形成されるが、この金属シリサイド層MSは、金属膜MEと半導体層EP3との反応層(金属と半導体の反応層)であり、半導体層EP2は、金属膜ME(を構成する金属)とはほとんど反応せずに、すなわち、金属シリサイド層MSの生成にはほとんど寄与せずに、ほぼそのまま残存する。
すなわち、シリコン層上に金属膜が形成されている状態で熱処理を行うと、シリコン層と金属膜とが反応して金属シリサイド層が形成されるが、そのシリコン膜にGe(ゲルマニウム),C(炭素),N(窒素)のうちの少なくとも1種を導入しておくと、熱処理を行っても金属膜との反応が抑制または防止され、金属シリサイド層は形成され難くなる。このことを利用して、本実施の形態では、半導体層EPの最上層を構成する半導体層EP3にはGe(ゲルマニウム),C(炭素),N(窒素)を導入せずに、半導体層EP3の下の半導体層EP2に、Ge(ゲルマニウム),C(炭素),N(窒素)のうちの少なくとも1種を導入している。これにより、半導体層EPのうち、最上層の半導体層EP3は金属膜MEと反応して金属シリサイド層MSを生成するが、半導体層EP2は金属膜ME(を構成する金属)とほとんど反応しないようにすることができる。
また、上述のように、金属膜MEの形成後に1回目の熱処理を行ってから、未反応の(余剰の)金属膜MEを一旦除去し、その後、2回目の熱処理を行う場合もある。この場合、金属膜MEの形成後に1回目の熱処理を行うと、金属膜MEと半導体層EP3とが反応するが、半導体層EP2は金属膜ME(を構成する金属)とはほとんど反応せず、その後、未反応の(余剰の)金属膜MEを一旦除去してから2回目の熱処理を行っても、半導体層EP2は金属とはほとんど反応しない。このため、未反応の(余剰の)金属膜MEを一旦除去してから2回目の熱処理を行う場合も、2回目の熱処理を行わない場合も、どちらの場合も、半導体層EP3が金属シリサイド層MSの生成(形成)に寄与し、半導体層EP2は、金属シリサイド層MSの生成にはほとんど寄与しない。
従って、ステップS14で金属シリサイド層MSを形成する前の段階では、半導体層EPは、半導体層EP1と、半導体層EP1上の半導体層EP2と、半導体層EP2上の半導体層EP3との積層構造を有している。それに対して、ステップS14で金属シリサイド層MSを形成すると、半導体層EP3は金属シリサイド層MSに変わるため、半導体層EPは、半導体層EP1と、半導体層EP1上の半導体層EP2との積層構造を有したものとなり、半導体層EPの表面(上面)、すなわち、半導体層EP2の表面(上面)に、金属シリサイド層MSが形成された状態となる。
従って、ステップS14(金属シリサイド層MSの形成工程)の前後で、半導体層EPの積層構造が異なり、ステップS14の前は、半導体層EPは、半導体層EP1と半導体層EP2と半導体層EP3との3層の積層構造であるが、ステップS14の後は、半導体層EPは、半導体層EP1と半導体層EP2との2層の積層構造である。このため、ステップS14の前は、半導体層EPの最上層は半導体層EP3であり、半導体層EPの表面は半導体層EP3の表面であるが、ステップS14の後は、半導体層EPの最上層は半導体層EP2であり、半導体層EPの表面は半導体層EP2の表面である。
金属膜MEをニッケル(Ni)膜としかつ半導体層EP3がシリコン(Si)層の場合の金属シリサイド層MSの形成条件の一例をあげる。すなわち、半導体基板SBの主面全面上に金属膜MEとしてニッケル膜を形成した後、250〜400℃程度の温度で1回目の熱処理を行ってニッケル膜と半導体層EP3とを反応させてから、未反応の(余剰の)ニッケル膜を除去する。それから、400〜600℃程度の熱処理を行うことで、金属シリサイド層MSとしてニッケルシリサイド層を形成することができる。
金属シリサイド層MSは、金属(金属膜MEを構成していた金属)と半導体層EP3との反応層であり、従って、金属(金属膜MEを構成していた金属)と半導体層EP3を構成する元素との化合物層(金属化合物層)である。
半導体層EP3がシリコン(Si)層の場合は、金属シリサイド層MSは、金属膜MEを構成する金属元素のシリサイド(つまり金属シリサイド)により構成される。すなわち、半導体層EP3がシリコン層の場合は、金属シリサイド層MSは、金属膜MEを構成する金属元素と半導体層EP3を構成するSi(シリコン)とが反応して形成された金属化合物層である。半導体層EP3がシリコン層であることを前提にすると、金属膜MEがコバルト膜の場合は、金属シリサイド層MSはコバルトシリサイド層となり、金属膜MEがニッケル膜の場合は、金属シリサイド層MSはニッケルシリサイド層となり、金属膜MEがニッケル白金合金膜の場合は、金属シリサイド層MSはニッケル白金シリサイド層となる。
また、ステップS14において、半導体層EPの表面に金属シリサイド層MSを形成するだけでなく、ゲート電極GEの上面にも金属シリサイド層MSを形成することができる。これは、ゲート電極GEの少なくとも上部を多結晶シリコン膜のようなシリコン膜で形成しておき、このシリコン膜が露出した状態で上記金属膜MEを形成することで、ゲート電極を構成するシリコン膜が金属膜MEと接するようにする。それから、熱処理(シリサイド化用の熱処理)を行うと、ゲート電極GEを構成するシリコン膜と上記金属膜MEとが反応して、ゲート電極GEの表面(上層部)に、金属膜MEとゲート電極GEを構成するシリコン膜との反応層(金属と半導体の反応層)である金属シリサイド層MSが形成される。その後、未反応の(余剰の)金属膜MEは除去し、図19は、この段階が示されている。すなわち、金属膜MEが半導体層EP3と反応することで、半導体層EPの表面に金属シリサイド層MSが形成され、金属膜MEがゲート電極GEを構成するシリコン膜と反応することで、ゲート電極GEの表面に金属シリサイド層MSが形成される。半導体層EPの表面の金属シリサイド層MSと、ゲート電極GEの表面の金属シリサイド層MSとは、同じ工程で形成される。
なお、ステップS14において、ゲート電極GEの表面には、金属シリサイド層MSを形成しない場合もあり得る。例えば、上記第1の手法を採用して、ゲート電極GE上に上記キャップ絶縁膜CPを形成した場合には、このキャップ絶縁膜CPを残した状態で金属膜MEを形成すれば、ゲート電極GEは金属膜MEとは接しないため、ステップS14で、ゲート電極GEの表面には、金属シリサイド層MSは形成されない。一方、このキャップ絶縁膜CPを除去した状態(すなわちゲート電極GEの上面が露出した状態)で金属膜MEを形成すれば、ゲート電極GEは金属膜MEと接するため、ステップS14で、ゲート電極GEの表面に金属シリサイド層MSを形成することができる。また、上記第3の手法を採用してゲート電極GEをメタルゲート電極とし、ゲート電極GEの上面を金属または金属化合物により構成した場合には、ステップS14で、ゲート電極GEの表面には金属シリサイド層MSは形成されない。また、上記第2の手法を採用した場合には、ステップS14でゲート電極GEの表面に金属シリサイド層MSを形成することができる。但し、ゲート電極GEの表面に金属シリサイド層MSを形成するか、形成しないかにかかわらず、本実施の形態では、半導体層EPの表面には金属シリサイド層MSを形成する。
このようにして、半導体基板SBにnチャネル型MISFETQnが形成される。ゲート電極GEがnチャネル型MISFETQnのゲート電極として機能し、ゲート電極GEの下の絶縁膜GIがnチャネル型MISFETQnのゲート絶縁膜として機能し、さらにその下の基板領域にnチャネル型MISFETQnのチャネル領域が形成される。また、n−型半導体領域EXとそれに接するn+型半導体領域SDとそれに接する半導体層EPとが、nチャネル型MISFETQnのLDD構造を有するソースまたはドレイン用の半導体領域として機能する。nチャネル型MISFETQnに供給するソース電圧やドレイン電圧は、後述の配線M1から後述のプラグPGを介して、半導体層EP上に形成された金属シリサイド層MSに供給される。
次に、図20に示されるように、半導体基板の主面(主面全面)上に、ゲート電極GE、サイドウォールスペーサSW2、半導体層EPおよび金属シリサイド層MSを覆うように、層間絶縁膜として絶縁膜(層間絶縁膜)IL5を形成する(図3のステップS15)。
絶縁膜IL5は、例えば、酸化シリコン膜の単体膜、あるいは、窒化シリコン膜とそれよりも厚い酸化シリコン膜との積層膜とすることができる。絶縁膜IL5を、窒化シリコン膜とそれよりも厚い酸化シリコン膜との積層膜にする場合は、窒化シリコン膜が下層側で、酸化シリコン膜は窒化シリコン膜上に形成される。なお、絶縁膜IL5を構成する酸化シリコン膜は、酸化シリコンを主体とする絶縁膜であるが、炭素(C)、フッ素(F)、窒素(N)、ホウ素(B)およびリン(P)のうちの一種以上を含有させることもできる。
絶縁膜IL5の形成後、必要に応じて、絶縁膜IL5の上面をCMP(Chemical Mechanical Polishing:化学機械研磨)法で研磨するなどして絶縁膜IL5の上面の平坦性を高めることもできる。
次に、図21に示されるように、絶縁膜IL5上にフォトリソグラフィ法を用いて形成したフォトレジストパターン(図示せず)をエッチングマスクとして用いて、絶縁膜IL5をドライエッチングすることにより、絶縁膜IL5にコンタクトホール(貫通孔、孔)CTを形成する。コンタクトホールCTは、絶縁膜IL5を貫通するように形成される。
コンタクトホールCTは、例えば、半導体層EPの上部(すなわち半導体層EPの表面に形成された金属シリサイド層MSの上部)や、ゲート電極GEの上部などに形成される。半導体層EPの上部に形成されたコンタクトホールCTの底部では、半導体層EP上の金属シリサイド層MSが露出される。
次に、コンタクトホールCT内に、接続用の導電体部として、タングステン(W)などからなる導電性のプラグPGを形成する(埋め込む)。プラグPGは、次のようにして形成することができる。
プラグPGを形成するには、まず、コンタクトホールCTの内部(底部および側壁上)を含む絶縁膜IL5上に、スパッタリング法またはプラズマCVD法などによりバリア導体膜(例えばチタン膜、窒化チタン膜、あるいはそれらの積層膜)を形成する。それから、タングステン膜などからなる主導体膜を、CVD法などによってバリア導体膜上にコンタクトホールCTを埋めるように形成する。その後、コンタクトホールCTの外部(絶縁膜IL5上)の不要な主導体膜およびバリア導体膜をCMP法またはエッチバック法などによって除去する。これにより、絶縁膜IL5の上面が露出し、絶縁膜IL5のコンタクトホールCT内に埋め込まれて残存するバリア導体膜および主導体膜により、プラグPGが形成される。なお、図面の簡略化のために、図21では、プラグPGを構成するバリア導体膜と主導体膜とを一体化して示してある。
半導体層EPの上部に形成されたプラグPG(すなわち半導体層EPの上部に形成されたコンタクトホールCTに埋め込まれたプラグPG)は、その底部で半導体層EPの表面上の金属シリサイド層MSに接して電気的に接続される。すなわち、半導体層EPの表面の金属シリサイド層MS上に、その金属シリサイド層MSに接するように、プラグPGが形成される。このため、後述の配線M1からプラグPGを通じて、半導体層EPの表面の金属シリサイド層MSに(従って金属シリサイド層MSの下の半導体層EPやそれと電気的に接続されたn+型半導体領域SDやn−型半導体領域EXに)所望の電位(ソース電位またはドレイン電位)を供給することが可能となる。
次に、図22に示されるように、プラグPGが埋め込まれた絶縁膜IL5上に、配線形成用の絶縁膜IL6を形成する。絶縁膜IL6は、単体膜(単体絶縁膜)または積層膜(積層絶縁膜)とすることができる。
次に、シングルダマシン法により第1層目の配線を形成する。まず、フォトレジストパターン(図示せず)をマスクとしたドライエッチングによって絶縁膜IL6の所定の領域に配線溝(配線M1を埋め込むための溝)を形成した後、半導体基板SBの主面上(すなわち配線溝の底部および側壁上を含む絶縁膜IL6上)にバリア導体膜(バリアメタル膜)を形成する。バリア導体膜は、例えば窒化チタン膜、タンタル膜または窒化タンタル膜などを用いることができる。続いて、CVD法またはスパッタリング法などによりバリア導体膜上に銅のシード層を形成し、さらに電解めっき法などを用いてシード層上に銅めっき膜(主導体膜)を形成する。銅めっき膜により配線溝の内部を埋め込む。それから、配線溝以外の領域の銅めっき膜、シード層およびバリア導体膜をCMP法により除去して、配線溝内に、銅を主導電材料とする第1層目の配線M1を形成する。なお、図面の簡略化のために、図22では、配線M1を構成する銅めっき膜、シード層およびバリア導体膜を一体化して示してある。配線M1は、プラグPGに接続され、プラグPGを介して、半導体層EPなどと電気的に接続される。このため、配線M1からプラグPGおよび金属シリサイド層MS(半導体層EPの表面に形成されかつプラグPGに接する金属シリサイド層MS)を通じて半導体層EPに所定の電圧(ソース電圧またはドレイン電圧)が印加できるようになっている。
その後、デュアルダマシン法により2層目以降の配線を形成するが、ここでは図示およびその説明は省略する。また、配線M1および2層目以降の配線は、ダマシン配線に限定されず、配線用の導電体膜をパターニングして形成することもでき、例えばタングステン配線またはアルミニウム配線などとすることもできる。
また、本実施の形態では、MISFETとして、nチャネル型のMISFETを形成する場合について説明したが、導電型を逆にして、pチャネル型のMISFETを形成することもできる。また、同一の半導体基板SBにnチャネル型のMISFETとpチャネル型のMISFETとの両方を形成することもできる。
<検討>
次に、本発明者の検討について説明する。
次に、本発明者の検討について説明する。
近年、MISFETなどの半導体素子の小型化(微細化)が進められている。これに伴い、MISFETにおいては、短チャネル効果などを考慮して、ソース・ドレイン領域の深さ(接合深さ)を浅くすることが求められている。しかしながら、ソース・ドレイン領域の深さ(接合深さ)を単に浅くしただけでは、ソース・ドレイン領域の厚さが薄くなってしまう。ソース・ドレイン領域の厚さが薄くなると、抵抗増大を招く懸念があり、また、ソース・ドレイン領域上にサリサイド技術を用いて形成した金属シリサイド層がソース・ドレイン領域の接合面に近くなってしまうため、リーク電流が増大する懸念もある。このため、半導体基板上にソース・ドレイン用のエピタキシャル半導体層をエピタキシャル成長により形成する。これにより、ソース・ドレイン領域の深さ(接合深さ)を浅くしながら、エピタキシャル半導体層を含めたソース・ドレイン領域全体の厚さを厚くすることができる。この場合、ソース・ドレイン用のエピタキシャル半導体層の表面にサリサイド技術を用いて金属シリサイド層を形成することになる。
しかしながら、半導体基板上にソース・ドレイン用のエピタキシャル半導体層を形成し、このエピタキシャル半導体層の表面にサリサイド技術を用いて金属シリサイド層を形成すると、形成された金属シリサイド層の厚さが不均一になったり、あるいは、金属シリサイドの局所的な異常成長が発生してしまう虞がある。エピタキシャル半導体層の表面に形成された金属シリサイド層の厚さが不均一になったり、あるいは、金属シリサイドの局所的な異常成長が発生してしまうことは、MISFET毎の抵抗のばらつきを招く虞がある。これは、半導体装置の性能の低下につながってしまう。
また、エピタキシャル半導体層の表面に金属シリサイド層を形成するのに伴い、金属シリサイドがエピタキシャル半導体層中に向かって局所的に異常成長してしまうと、その異常成長部を起点としてリーク電流が発生しやすいため、リーク電流の増大を招く虞がある。これは、半導体装置の性能の低下につながってしまう。
このため、半導体装置の性能を向上させるためには、半導体基板上にソース・ドレイン用のエピタキシャル半導体層を形成し、このエピタキシャル半導体層の表面に金属シリサイド層を形成するとともに、金属シリサイド層の厚さが不均一とならず、また、金属シリサイドの異常成長ができるだけ発生しないようにすることが重要である。
<本実施の形態の主要な特徴と効果について>
本実施の形態の半導体装置は、半導体基板SB上にゲート絶縁膜(絶縁膜GI)を介して形成されたゲート電極GEと、半導体基板SB上に形成されたソース・ドレイン用の半導体層(エピタキシャル半導体層)EPと、を含むMISFETを有している。半導体層(エピタキシャル半導体層)EPは、半導体基板SB上に形成された半導体層(第1エピタキシャル半導体層)EP1と、半導体層(第1エピタキシャル半導体層)EP1上に形成された半導体層(第2エピタキシャル半導体層)EP2と、を有している。半導体層(第1エピタキシャル半導体層)EP1は、Ge(ゲルマニウム),C(炭素),N(窒素)を導入していないシリコン層からなり、半導体層(第2エピタキシャル半導体層)EP2は、Ge(ゲルマニウム),C(炭素),N(窒素)のうちの少なくとも1種を導入したシリコン層からなる。そして、半導体層(第2エピタキシャル半導体層)EP2上に金属シリサイド層MSが形成されている。
本実施の形態の半導体装置は、半導体基板SB上にゲート絶縁膜(絶縁膜GI)を介して形成されたゲート電極GEと、半導体基板SB上に形成されたソース・ドレイン用の半導体層(エピタキシャル半導体層)EPと、を含むMISFETを有している。半導体層(エピタキシャル半導体層)EPは、半導体基板SB上に形成された半導体層(第1エピタキシャル半導体層)EP1と、半導体層(第1エピタキシャル半導体層)EP1上に形成された半導体層(第2エピタキシャル半導体層)EP2と、を有している。半導体層(第1エピタキシャル半導体層)EP1は、Ge(ゲルマニウム),C(炭素),N(窒素)を導入していないシリコン層からなり、半導体層(第2エピタキシャル半導体層)EP2は、Ge(ゲルマニウム),C(炭素),N(窒素)のうちの少なくとも1種を導入したシリコン層からなる。そして、半導体層(第2エピタキシャル半導体層)EP2上に金属シリサイド層MSが形成されている。
また、本実施の形態の半導体装置の製造工程は、(a)半導体基板SBを準備する工程、(b)半導体基板SB上にゲート絶縁膜(絶縁膜GI)を介してゲート電極GEを形成する工程、(c)半導体基板SB上に、ソース・ドレイン用の半導体層EPをエピタキシャル成長させる工程、(d)半導体層EPの表面に、金属と半導体層EPとの反応層を形成する工程、を有している。金属と半導体層EPとの反応層は、金属シリサイド層MSに対応している。前記(c)工程で形成された半導体層EPは、半導体基板SB上に形成された半導体層(第1エピタキシャル半導体層)EP1と、半導体層(第1エピタキシャル半導体層)EP1上に形成された半導体層(第2エピタキシャル半導体層)EP2と、半導体層(第2エピタキシャル半導体層)EP2上に形成された半導体層(第3エピタキシャル半導体層)EP3と、を有している。半導体層(第1エピタキシャル半導体層)EP1と半導体層(第3エピタキシャル半導体層)EP3とは、それぞれ、Ge(ゲルマニウム),C(炭素),N(窒素)を導入していないシリコン層からなり、半導体層(第2エピタキシャル半導体層)EP2は、Ge(ゲルマニウム),C(炭素),N(窒素)のうちの少なくとも1種を導入したシリコン層からなる。
本実施の形態では、半導体基板SB上にソース・ドレイン用の半導体層EPを形成しているため、半導体基板SBに形成したソース・ドレイン用の半導体領域(ここではn+型半導体領域SD)の深さ(接合深さ)を浅くしても、ソース・ドレイン領域全体の厚さを確保することができる。このため、短チャネル効果を防止することができる。また、ソース・ドレイン領域のシート抵抗を低減することができる。従って、半導体装置の性能を向上させることができる。また、半導体素子の微細化(従って半導体装置の小型化)を図ることができる。
そして、本実施の形態では、半導体基板SB上にエピタキシャル成長で形成したソース・ドレイン用の半導体層EPについて、工夫している。
本実施の形態とは異なり、半導体層EPを半導体層EP1,EP2,EP3の積層構造とせずに、半導体層EP全体を、Ge(ゲルマニウム),C(炭素),N(窒素)を導入していないエピタキシャルシリコン層で形成した場合を仮定する。この場合、そのエピタキシャルシリコン層の表面に、金属シリサイド層MSに相当する金属シリサイド層を形成することになる。この場合、次のような課題が生じる虞がある。すなわち、エピタキシャルシリコン層の表面に形成された金属シリサイド層の厚さが不均一になったり、あるいは、金属シリサイドの局所的な異常成長が発生してしまう虞がある。これは、抵抗のばらつきや、あるいは、リーク電流の増大につながるため、半導体装置の性能を低下させてしまう。
そこで、本実施の形態では、半導体基板SB上にソース・ドレイン用の半導体層EPをエピタキシャル成長させるが、その半導体層EPは、半導体層EP1と半導体層EP1上の半導体層EP2と半導体層EP2上の半導体層EP3とを有している。半導体層EP1と半導体層EP3とは、それぞれ、Ge(ゲルマニウム),C(炭素),N(窒素)を導入していないシリコン層からなり、半導体層EP2は、Ge(ゲルマニウム),C(炭素),N(窒素)のうちの少なくとも1種を導入したシリコン層からなる。そして、半導体層EPの表面に、金属と半導体層EPとの反応層である金属シリサイド層MSを形成する。
シリコン層は、金属と反応しやすく、金属との反応層である金属シリサイド層を生成しやすい。しかしながら、シリコン層にGe(ゲルマニウム),C(炭素),N(窒素)のうちの少なくとも1種を導入しておくと、金属と反応しにくくなり、金属との反応層を生成しにくくなる。
このため、本実施の形態では、半導体層EPのうち、半導体層EP3には、Ge(ゲルマニウム),C(炭素),N(窒素)を導入せずに、半導体層EP3の下の半導体層EP2には、Ge(ゲルマニウム),C(炭素),N(窒素)のうちの少なくとも1種を導入している。これにより、半導体層EPの表面に、金属と半導体層EPとの反応層(ここでは金属シリサイド層MS)を形成したときに、半導体層EP3は金属と反応して反応層(ここでは金属シリサイド層MS)を生成するが、半導体層EP2は金属とは反応しにくく、金属と半導体層EPとの反応層(ここでは金属シリサイド層MS)の生成に半導体層EP2が寄与しないようにすることができる。すなわち、半導体層EPにおいて、半導体層EP3が金属との反応層(ここでは金属シリサイド層MS)を生成するとともに、半導体層EP2は、反応停止層(金属との反応を停止させる層)あるいは反応防止層(金属との反応を防止する層)として機能することができる。このため、本実施の形態では、半導体層EP2に、Ge(ゲルマニウム),C(炭素),N(窒素)のうちの少なくとも1種を導入したことで、半導体層EPのうち、半導体層EP3を選択的に金属と反応させて半導体層EP3と金属との反応層(ここでは金属シリサイド層MS)を形成することができる。
半導体層EPのうち、半導体層EP3を選択的に金属と反応させて反応層(ここでは金属シリサイド層MS)を形成することができるため、半導体層EPの表面において、半導体層EPと金属との反応の進行度が不均一になったり、あるいは、半導体層EPと金属との反応が局所的に異常に進行する箇所が発生したりするのを、防止することができる。すなわち、半導体層EP2が無い場合は、半導体層EPと金属との反応の進行度が不均一になったり、あるいは、半導体層EPと金属との反応が局所的に異常に進行する箇所が発生したりする懸念があるが、半導体層EP2が反応停止層として機能することで、半導体層EPと金属との反応の進行が半導体層EP2で停止するため、そのような懸念を防止することができる。このため、半導体層EPの表面に形成される反応層(金属シリサイド層MS)の厚さを均一にすることができる。また、半導体層EPの表面に形成される反応層(金属シリサイド層MS)が、局所的に異常成長してしまうのを防止することができる。従って、抵抗のばらつきを抑制することができる。また、リーク電流を抑制することができる。これにより、半導体装置の性能を向上させることができる。
また、半導体層EPの表面に形成された反応層(金属シリサイド層MS)の厚みは、半導体層EPを形成する際の半導体層EP3の形成厚みにより、制御することができる。このため、半導体層EPの表面に形成された反応層(金属シリサイド層MS)の厚みを均一にするとともに、その厚みを所望の厚みに的確に制御することができる。
このように、本実施の形態では、半導体層EPのうちの半導体層EP3には、Ge(ゲルマニウム),C(炭素),N(窒素)のいずれも導入せず、一方、半導体層EP2には、Ge(ゲルマニウム),C(炭素),N(窒素)のうちの少なくとも1種を導入したことで、半導体層EPの表面に形成される反応層(金属シリサイド層MS)の厚さを均一にし、またその反応層の異常成長を防止している。
更に、本実施の形態では、Ge(ゲルマニウム),C(炭素),N(窒素)のうちの少なくとも1種を導入した半導体層EP2の下に、Ge(ゲルマニウム),C(炭素),N(窒素)を導入していない半導体層EP1を設けている。これにより、Ge(ゲルマニウム),C(炭素),N(窒素)を導入していない半導体層EP1をソース・ドレイン用の半導体領域として用いることができる。
本実施の形態とは異なり、半導体層EP1を設けずに、半導体層EP1と半導体層EP2とを合わせた領域全体を、Ge(ゲルマニウム),C(炭素),N(窒素)のうちの少なくとも1種を導入したエピタキシャルシリコン層により構成することも考えられる。しかしながら、この場合、金属シリサイド層MSを形成すると、金属シリサイド層MSの下に存在するソース・ドレイン用のエピタキシャル層全体が、Ge(ゲルマニウム),C(炭素),N(窒素)のうちの少なくとも1種を導入したエピタキシャルシリコン層で構成されることになる。しかしながら、この場合、導入されたGe(ゲルマニウム),C(炭素),N(窒素)は、金属との反応を防止するために導入されたものであり、ソース・ドレイン領域としての機能を考量して導入したものではない。このため、ソース・ドレイン用のエピタキシャル層において、金属との反応を防止するためにGe(ゲルマニウム),C(炭素),N(窒素)が導入されると、それが、ソース・ドレイン領域としての機能に影響を与える虞がある。
そこで、本実施の形態では、Ge(ゲルマニウム),C(炭素),N(窒素)のうちの少なくとも1種を導入した半導体層EP2の下に、Ge(ゲルマニウム),C(炭素),N(窒素)を導入していない半導体層EP1を設けている。半導体層EP2には、金属との反応を防止するために導入する元素として相応しいGe(ゲルマニウム),C(炭素),N(窒素)のうちの少なくとも1種を導入することで、半導体層EPの表面に金属との反応層(金属シリサイド層MS)を形成する際に半導体層EP2を反応停止層として的確に機能させることができる。そして、半導体層EP2の下の半導体層EP1には、Ge(ゲルマニウム),C(炭素),N(窒素)のいずれも導入しないことで、Ge(ゲルマニウム),C(炭素),N(窒素)を導入していない半導体層EP1をソース・ドレイン用の半導体領域として用いることができる。このため、金属との反応を防止するために導入した元素(Ge,C,N)が、ソース・ドレイン領域としての機能に影響を与えるのを抑制または防止することができる。従って、半導体装置の性能を向上させることができる。
従って、半導体層EPが、半導体層EP1とその上の半導体層EP2とその上の半導体層EP3とを有し、半導体層EP2にはGe(ゲルマニウム),C(炭素),N(窒素)のうちの少なくとも1種を導入し、半導体層EP1と半導体層EP3とには、Ge(ゲルマニウム),C(炭素),N(窒素)を導入しないようにすることが、半導体装置の性能を向上させる上で、極めて重要である。このようにすることで、半導体層EPの表面に形成される反応層(金属シリサイド層MS)の厚さを均一にし、またその反応層の異常成長を防止できるとともに、反応層(金属シリサイド層MS)の下のエピタキシャル層(EP)が、ソース・ドレイン領域としての機能を的確に発揮できるようにすることができる。従って、半導体装置の性能を向上させることができる。
また、本実施の形態では、製造された半導体装置は、半導体基板SB上に形成されたソース・ドレイン用のエピタキシャル半導体層(半導体層EP)を有している。そのエピタキシャル半導体層(半導体層EP)は、半導体基板SB上に形成されかつGe(ゲルマニウム),C(炭素),N(窒素)を導入していない半導体層EP1と、半導体層EP1上に形成されかつGe(ゲルマニウム),C(炭素),N(窒素)のうちの少なくとも1種を導入した半導体層EP2とを有している。そして、半導体層EP2上に金属シリサイド層MSが形成されている。
金属シリサイド層MSの下に、Ge(ゲルマニウム),C(炭素),N(窒素)のうちの少なくとも1種を導入した半導体層EP2があることで、金属シリサイド層MSを形成した際に、半導体層EP2が反応停止層として機能し、金属シリサイド層MSの厚さを均一にし、また、金属シリサイド層MSが局所的に異常成長してしまうのを防止できたと言える。このため、半導体装置の性能を向上させることができる。また、半導体層EP1には、Ge(ゲルマニウム),C(炭素),N(窒素)が導入されていないことで、Ge(ゲルマニウム),C(炭素),N(窒素)を導入していない半導体層EP1をソース・ドレイン用の半導体領域として用いることができる。このため、金属との反応を防止するために導入した元素(Ge,C,N)が、ソース・ドレイン領域としての機能に影響を与えるのを抑制または防止することができる。従って、半導体装置の性能を向上させることができる。
本実施の形態の半導体装置は、半導体基板SB上に形成されたソース・ドレイン用のエピタキシャル半導体層(半導体層EP)が、Ge,C,Nを導入していない半導体層EP1と、その上の、Ge,C,Nのうちの少なくとも1種を導入した半導体層EP2とを有し、半導体層EP2上に金属シリサイド層MSが形成されている。これにより、金属シリサイド層MS形成に起因した不具合(金属シリサイド層MSの厚さの不均一さや金属シリサイド層MSの異常成長など)を防止して、半導体装置の性能を向上させることができる。
但し、半導体層EPをエピタキシャル成長させる際に、半導体層EPを、Ge(ゲルマニウム),C(炭素),N(窒素)を導入していない半導体層EP1と、Ge(ゲルマニウム),C(炭素),N(窒素)のうちの少なくとも1種を導入した半導体層EP2と、Ge(ゲルマニウム),C(炭素),N(窒素)を導入していない半導体層EP3との積層構造とすることが、特に重要である。このため、これを満たしていれば、たとえ製造された半導体装置において、金属シリサイド層MSの下に半導体層EP2が残存していない場合(すなわち半導体層EP1だけでなく半導体層EP2も金属膜MEと反応して金属シリサイド層MSになった場合)であっても、金属シリサイド層MS形成時に、半導体層EP2は、半導体層EPと金属との反応を抑制する層として機能することができる。このため、半導体層EPをエピタキシャル成長させる際に半導体層EP2を形成した場合は、半導体層EP2を形成しなかった場合に比べて、金属シリサイド層MS形成に起因した不具合(金属シリサイド層MSの厚さの不均一さや金属シリサイド層MSの異常成長など)を防止して、半導体装置の性能を向上させることができる。
このため、製造された半導体装置において、金属シリサイド層MSの下に、Ge(ゲルマニウム),C(炭素),N(窒素)のうちの少なくとも1種を導入した半導体層EP2が残存していることが、より好ましく、これにより、金属シリサイド層MSを形成した際に、半導体層EP2が反応停止層としてより的確に機能したことが確認できる。しかしながら、半導体層EPをエピタキシャル成長させる際に、Ge,C,Nのうちの少なくとも1種を導入した半導体層EP2も形成した場合は、製造された半導体装置において、金属シリサイド層MSの下に半導体層EP2が残存している方がより好ましいが、半導体層EP2が残存していない場合であっても、半導体層EP2を形成していたことによる効果を得られる。すなわち、金属シリサイド層MS形成に起因した不具合(金属シリサイド層MSの厚さの不均一さや金属シリサイド層MSの異常成長など)を防止して、半導体装置の性能を向上させることができる。
また、上記ステップS10bでGe(ゲルマニウム),C(炭素),N(窒素)のうちの少なくとも1種を導入した半導体層EP2をエピタキシャル成長させる。このときの導入する割合の好適な範囲は、次の通りである。
まず、上記ステップS10bで半導体層EP2をエピタキシャル成長させる際に、半導体層EP2中にGe(ゲルマニウム)を導入する場合について説明する。この場合、半導体層EP2は、シリコンゲルマニウム層(SiGe層)となる。この場合、ステップS10bで形成された半導体層EP2(シリコンゲルマニウム層)におけるGe(ゲルマニウム)の割合(比率、組成比)は、0.02原子%以上であることが好ましい。これにより、金属シリサイド層MSを形成する際に、半導体層EP2を反応停止層として、より的確に機能させることができるようになる。また、ステップS10bで形成された半導体層EP2(シリコンゲルマニウム層)におけるGe(ゲルマニウム)の割合(比率、組成比)は、35原子%以下であれば、より好ましい。これにより、Ge(ゲルマニウム)を過剰に導入したことによる歪の発生に伴う不具合を防止することができる。従って、ステップS10bで形成された半導体層EP2(シリコンゲルマニウム層)におけるGe(ゲルマニウム)の割合(比率)は、0.02原子%以上で35原子%以下が最も好適である。
次に、上記ステップS10bで半導体層EP2をエピタキシャル成長させる際に、半導体層EP2中にC(炭素)を導入する場合について説明する。この場合、半導体層EP2は、シリコンカーバイド層(SiC層)となる。この場合、ステップS10bで形成された半導体層EP2(シリコンカーバイド層)におけるC(炭素)の割合(比率、組成比)は、0.02原子%以上であることが好ましい。これにより、金属シリサイド層MSを形成する際に、半導体層EP2を反応停止層として、より的確に機能させることができるようになる。また、ステップS10bで形成された半導体層EP2(シリコンカーバイド層)におけるC(炭素)の割合(比率、組成比)は、10原子%以下であれば、より好ましい。これにより、C(炭素)を過剰に導入したことによる歪の発生に伴う不具合を防止することができる。従って、ステップS10bで形成された半導体層EP2(シリコンカーバイド層)におけるC(炭素)の割合(比率)は、0.02原子%以上で10原子%以下が最も好適である。
次に、上記ステップS10bで半導体層EP2をエピタキシャル成長させる際に、半導体層EP2中にN(窒素)を導入する場合について説明する。この場合、半導体層EP2は、窒素をドープ(添加)したシリコン層となるが、半導体層EP2は、絶縁体とはならずに、半導体性を維持している。この場合、ステップS10bで形成された半導体層EP2(窒素をドープしたシリコン層)におけるN(窒素)の割合(比率、組成比)は、0.02原子%以上であることが好ましい。これにより、金属シリサイド層MSを形成する際に、半導体層EP2を反応停止層として、より的確に機能させることができるようになる。また、ステップS10bで形成された半導体層EP2(窒素をドープしたシリコン層)におけるN(窒素)の割合(比率、組成比)は、10原子%以下であれば、より好ましい。これにより、N(窒素)を過剰に導入したことによる半導体層EP2の導電性の劣化を防止することができる。従って、ステップS10bで形成された半導体層EP2(窒素をドープしたシリコン層)におけるN(窒素)の割合(比率)は、0.02原子%以上で10原子%以下が最も好適である。
また、ステップS10a,S10b,S10cで半導体層EP1,EP2,EP3をエピタキシャル成長させる。このときの各形成厚みの好適な範囲は、次の通りである。
ステップS10bで半導体層EP2をエピタキシャル成長させるが、その際に形成する半導体層EP2の厚みは、3nm以上が好ましい。これにより、半導体層EP2を的確に形成することができるため、半導体層EP2から下地の半導体層EP1が露出するのを的確に防止することができる。このため、半導体層EP1と半導体層EP3との間に半導体層EP2が介在しない領域が発生するのを的確に防止することができる。従って、金属シリサイド層MSを形成する際に、半導体層EP2を反応停止層として機能させることで、半導体層EP1が金属と反応してしまうのを、より的確に防止することができる。このため、金属シリサイド層MS形成に起因した不具合(金属シリサイド層MSの厚さの不均一さや金属シリサイド層MSの異常成長など)をより的確に防止して、半導体装置の性能をより的確に向上させることができる。
また、ステップS10bで半導体層EP2をエピタキシャル成長させるが、その際に形成する半導体層EP2の厚みは、10nm以下とすれば、更に好ましい。これにより、ソース・ドレイン用の半導体層EPにおいて、半導体層EP2の厚みを抑えることができるため、金属との反応を防止するために導入した元素(Ge,C,N)が、ソース・ドレイン領域としての機能に影響を与えるのをより的確に抑制または防止することができる。従って、半導体装置の性能をより的確に向上させることができる。
従って、ステップS10bで形成する半導体層EP2の厚みは、3nm以上で10nm以下が最も好適である。
また、ステップS10cで半導体層EP3をエピタキシャル成長させるが、その際に形成する半導体層EP3の厚みは、後で形成すべき金属シリサイド層MSの厚みに相応しい厚みとする。形成すべき金属シリサイド層MSの厚みにもよるが、ステップS10cで形成する半導体層EP3の厚みは、例えば10〜30nm程度とすることができる。
また、ステップS10aで半導体層EP1をエピタキシャル成長させるが、その際に形成する半導体層EP1の厚みは、ソース・ドレイン領域の厚みがどの程度必要であるか、あるいは、ソース・ドレイン用のエピタキシャル層を半導体基板SB上にどの程度せり上げる必要があるか、などを考慮して設定することができる。素子設計により種々変更され得るが、ステップS10aで形成する半導体層EP1の厚みは、例えば30〜50nm程度とすることができる。
また、ソース・ドレイン用の半導体層EPにおいて、金属との反応を防止するために導入した元素(Ge,C,N)がソース・ドレイン領域としての機能に影響を与えるのをできるだけ防止するという観点からは、製造された半導体装置において、ソース・ドレイン用の半導体層EPは、半導体層EP1を主体としていることが好ましい。この観点で、ステップS10aで形成する半導体層EP1の厚みは、ステップS10bで形成する半導体層EP2の厚みよりも厚いことが、より好ましい。
また、金属シリサイド層MSを形成する際に半導体層EP2を反応停止層として機能させるために、半導体層EP2にGe(ゲルマニウム),C(炭素),N(窒素)のうちの少なくとも1種を導入している。半導体層EP2に導入するのは、Ge(ゲルマニウム),C(炭素),N(窒素)のうち、Ge(ゲルマニウム)またはC(炭素)が特に好ましい。すなわち、半導体層EP2にGe(ゲルマニウム)を導入するか、あるいは、半導体層EP2にC(炭素)を導入することが、特に好ましい。これにより、金属シリサイド層MSを形成する際に、半導体層EP2を反応停止層としてより的確に機能させることができ、本実施の形態で得られる効果を高めることができる。
また、本実施の形態では、半導体層EP2にGe(ゲルマニウム),C(炭素),N(窒素)のうちの少なくとも1種を導入しているが、これは、半導体層EP2をエピタキシャル成長した後にイオン注入で導入するのではなく、半導体層EP2のエピタキシャル成長の際に導入することが好ましい。そうすることにより、金属シリサイド層MSを形成する際の熱処理を行うまで、Ge,C,Nのうちの少なくとも1種が導入された半導体層EP2と、Ge,C,Nが導入されていない半導体層EP3との間の境界を維持しやすくなるため、金属シリサイド層MSの厚みを均一にし、金属シリサイド層MSが局所的に(スパイク状に)異常成長するのを防止する効果を、的確に得ることができる。
すなわち、本実施の形態では、ステップS10bで半導体層EP2を形成する段階で、半導体層EP2にGe(ゲルマニウム),C(炭素),N(窒素)のうちの少なくとも1種を導入しているため、その導入した元素(Ge,C,N)は、半導体層EP2を形成した段階で活性化されている。このため、追加のアニール処理(半導体層EP2に導入した元素の活性化のための熱処理)は必要ない。また、半導体層EP2のエピタキシャル成長時に半導体層EP2に導入された元素(Ge,C,N)は、半導体層EP2を形成した段階で活性化されており、その後の熱処理でもほとんど移動しないため、Ge,C,Nのうちの少なくとも1種が導入された半導体層EP2と、Ge,C,Nが導入されていない半導体層EP3との間の境界が維持されやすくなる。このため、金属シリサイド層MSを形成すると、金属シリサイド層MSの厚みが均一になり、また、金属シリサイド層MSが局所的に(スパイク状に)異常成長するのを的確に防止することができる。従って、金属シリサイド層MSの局所的な異常成長に起因したリークパスが形成されるのを防止することができる。また、半導体層EP2の位置や厚さは、ステップS10a,S10b,S10cでの半導体層EP1,EP2,EP3の各形成厚みにより、所望の位置や厚さに制御することができる。このため、金属シリサイド層MSとソース・ドレイン領域の接合面(ここではn+型半導体領域SDの下面)との間の距離を、所望の距離に的確に制御することができる。
本実施の形態とは異なり、半導体層EPをエピタキシャル成長で形成せずに、半導体基板のソース・ドレイン領域中に、イオン注入とアニール処理とで、半導体層EP2と同等の反応停止層を形成することは難しい。これは、イオン注入の場合は、そのイオン注入時に、注入した元素の深さ方向に濃度分布が発生し、その後の活性化のためのアニール処理を行うと、その濃度分布が更に拡がってしまうためである。
本実施の形態では、Ge,C,Nを導入しない半導体層EP1,EP3で、Ge,C,Nのうちの少なくとも1種を導入した半導体層EP2を挟んだ積層構造の半導体層EPを、エピタキシャル成長により形成する。これにより、金属シリサイド層MSを、チャネル領域から十分に離すことができ、また、金属シリサイド層MSとソース・ドレイン領域の接合面(ここではn+型半導体領域SDの下面)との間の距離を十分に確保することができる。また、金属シリサイド層MSの厚みを均一にでき、また、金属シリサイド層MSが局所的に(スパイク状に)異常成長するのを防止することができる。これにより、リーク電流を抑制することができる。従って、半導体装置の性能を向上させることができる。また、リーク電流に起因して製造歩留まりが低下するのを防止することができるため、半導体装置の製造歩留まりを向上することができ、また、半導体装置の製造コストを低減することができる。
また、製造された半導体装置においては、半導体層EPは、nチャネル型MISFETのソース・ドレイン用の半導体領域として機能するため、導電型の不純物を導入して低抵抗率化しておく必要がある。nチャネル型MISFETを形成する場合は、半導体層EPを、n型不純物を導入したn型の半導体層とする。半導体層EPのn型不純物の濃度は、n−型半導体領域EXのn型不純物の濃度よりも高い。半導体層EPにn型不純物を導入する手法としては、エピタキシャル成長後にイオン注入でn型不純物を導入する手法と、エピタキシャル成長の際にn型不純物を導入する手法とがあり得る。
本実施の形態では、ステップS10で半導体層EPをエピタキシャル成長により形成する際に、半導体層EPにn型不純物を導入しない場合について説明した。すなわち、ステップS10a,10cでは、半導体層EP1,EP3を、それぞれノンドープのシリコン膜として形成し、また、ステップS10bでは、半導体層EP2を、Ge(ゲルマニウム),C(炭素),N(窒素)のうちの少なくとも1種を導入したシリコン層として形成するが、n型不純物は導入していない場合について説明した。その代わりに、ステップS10で半導体層EPを形成した後に、イオン注入で半導体EPにn型不純物を導入する。具体的には、ステップS13のイオン注入(n+型半導体領域SD形成用のイオン注入)で、半導体層EPにもn型不純物を高濃度(n−型半導体領域EXよりも高濃度)に注入(導入)することができる。ステップS11のイオン注入でも半導体EPにn型不純物が導入され得るが、注入量の違いにより、主としてステップS13のイオン注入で、半導体EPにn型不純物が導入される。
他の形態として、ステップS10で半導体層EPをエピタキシャル成長する際に、半導体層EPにn型不純物を導入することもでき、その場合、成膜用ガス中にn型不純物用のドーピングガスを導入することにより、導電型の不純物(ここではn型不純物)を導入したエピタキシャル層(半導体層EP)を成長させることができる。この場合、ステップS10で半導体層EPをエピタキシャル成長した段階で、半導体層EPは、n型不純物が導入されたn型の半導体層となっている。
なお、ステップS10で半導体層EPをエピタキシャル成長する際に、半導体層EPにn型不純物を導入する場合は、半導体層EP1,EP2のエピタキシャル成長時に半導体層EP1,EP2にn型不純物を導入するが、半導体層EP3には、n型不純物を導入しても導入しなくてもよい。これは、半導体層EP3は、金属シリサイド層MSを形成するのに消費されてしまうため、半導体層EP1,EP2はソース・ドレイン用の半導体領域としては機能するが、半導体層EP3は、ソース・ドレイン用の半導体領域としては機能する必要がないためである。
また、後述の第2変形例のように、ステップS13のイオン注入(n+型半導体領域SD形成用のイオン注入)を、ステップS10で半導体層EPをエピタキシャル成長させる前に行う場合は、ステップS13のイオン注入で半導体層EPにはイオン注入されない。この場合は、ステップS10で半導体層EPをエピタキシャル成長する際に半導体層EPにn型不純物を導入しておけば、半導体層EPに対するイオン注入工程をわざわざ行わなくても済むため、半導体装置の製造工程数を抑制することができる。
なお、nチャネル型MISFETを形成する場合は、半導体層EPを、n型不純物を導入したn型の半導体層とするが、pチャネル型MISFETを形成する場合は、半導体層EPは、p型不純物を導入したp型の半導体層とし、n−型半導体領域EXおよびn+型半導体領域SDもそれぞれp型とし、p型ウエルPWはn型とする。
また、サリサイド技術で金属シリサイド層を形成する場合、金属シリサイド層を形成するための金属膜(上記金属膜MEに相当するもの)としてニッケル膜を用いると、形成されるニッケルシリサイド層に局所的な異常成長が生じやすいが、ニッケル白金合金膜を用いてニッケル白金シリサイド層を形成すると、金属シリサイド層の局所的な異常成長が生じにくくなるという利点を得られる。しかしながら、白金は高価であるため、金属シリサイド層の形成に白金を使用することは、半導体装置の製造コストの増加を招いてしまう。
それに対して、本実施の形態では、上述のように、半導体層EPを工夫することによって、金属シリサイド層MSの膜厚を均一化することができ、金属シリサイド層MSが局所的に異常成長するのを防止することができる。このため、上記金属膜MEとして、たとえニッケル白金合金膜を用いずに、白金を添加していないニッケル膜を用いた場合であっても、半導体層EPを上述のように工夫したことにより、金属シリサイド層MSの局所的な異常成長が生じるのを防止することができる。これにより、金属シリサイド層MSを形成するのに高価な白金を用いなくとも、金属シリサイド層MSの局所的な異常成長を防止することができるため、半導体装置の性能を向上させながら、半導体装置の製造コストの低減を図ることができる。従って、本実施の形態は、上記金属膜MEの種類によらず有効であるが、上記金属膜MEとしてニッケル膜(白金を添加していないニッケル膜)を用いた場合、すなわち、金属シリサイド層MSがニッケルシリサイド層(白金を含有していないニッケルシリサイド層)である場合に、特に効果が大きい。
次に、本実施の形態の変形例について説明する。
<第1変形例>
まず、第1変形例について、図23および図24を参照して説明する。
まず、第1変形例について、図23および図24を参照して説明する。
図23および図24は、本実施の形態の第1変形例の半導体装置の製造工程中の要部断面図である。図23および図24は、上記図11と同じ領域の断面図が示されているが、図23は、第1変形例において、ステップS10で半導体層EPを形成する直前の状態が示され、図24は、第1変形例において、ステップS10で半導体層EPを形成した直後の状態が示されている。
上記図5〜図22の製造工程では、ステップS11のイオン注入(n−型半導体領域EX形成用のイオン注入)は、ステップS10で半導体層EPを形成した後に行っている。それに対して、第1変形例では、図23および図24からも分かるように、ステップS11のイオン注入(n−型半導体領域EX形成用のイオン注入)は、ステップS10(半導体層EP形成工程)の前に行っている。
第1変形例のようにステップS10の前にステップS11のイオン注入を行う場合、ステップS11のイオン注入を行うタイミングとしては、次の場合があり得る。すなわち、ステップS5でゲート電極GEを形成した後で、かつ、ステップS6で絶縁膜IL1を形成する前に、ステップS11のイオン注入を行うことができる。あるいは、ステップS6で絶縁膜IL1を形成した後で、かつ、ステップS7で絶縁膜IL2を形成する前に、ステップS11のイオン注入を行うことができる。あるいは、ステップS9で絶縁膜IL2を除去した後で、かつ、ステップS10で半導体層EPを形成する前に、ステップS11のイオン注入を行うことができる。
但し、上記図11および図14のように、ステップS10で半導体層EPを形成した後に、ステップS11のイオン注入(n−型半導体領域EX形成用のイオン注入)を行った場合には、ステップS10で半導体層EPをエピタキシャル成長させやすいという利点を得られる。すなわち、ステップS10で半導体層EPを形成した後に、ステップS11のイオン注入を行った場合には、ステップS11のイオン注入によるダメージを受けていない状態の半導体基板SBの露出面上に半導体層EPをエピタキシャル成長させることができるため、ステップS10で半導体層EPをエピタキシャル成長させやすくなる。また、エピタキシャル層は、下地の半導体基板の不純物濃度が高いと、成長しにくくなり、成長速度が遅くなる傾向にあるが、この観点でも、ステップS10で半導体層EPを形成した後に、ステップS11のイオン注入を行った場合には、ステップS10で半導体層EPをエピタキシャル成長させやすくなる。
<第2変形例>
次に、第2変形例について、図25〜図28を参照して説明する。
次に、第2変形例について、図25〜図28を参照して説明する。
図25〜図28は、本実施の形態の第2変形例の半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
上記図5〜図22の製造工程では、ステップS10で半導体層EPを形成した後に、ステップS11のイオン注入(n−型半導体領域EX形成用のイオン注入)とステップS13のイオン注入(n+型半導体領域SD形成用のイオン注入)とを行っている。それに対して、第2変形例では、ステップS10(半導体層EP形成工程)の前に、ステップS11(n−型半導体領域EX形成用のイオン注入)とステップS13(n+型半導体領域SD形成用のイオン注入)を行う。以下、第2変形例の製造工程について具体的に説明する。
第2変形例の場合、上記ステップS5までの工程を行って上記図7の構造を得た後、ゲート電極GEをマスク(イオン注入阻止マスク)として上記ステップS11のイオン注入(n−型半導体領域EX形成用のイオン注入)を行うことにより、図25に示されるように、半導体基板SBのp型ウエルPWにn−型半導体領域EXを形成する。なお、このステップS11は、上記ステップS6(絶縁膜IL1形成工程)の後で、かつ、上記ステップS7(絶縁膜IL2形成工程)の前に行うこともできる。
それから、上記ステップS6(絶縁膜IL1形成工程)と上記ステップS7(絶縁膜IL2形成工程)と上記ステップS8(絶縁膜IL2,IL1のエッチバック工程)とを順に行うことにより、図26に示されるように、ゲート電極GEの側壁上にサイドウォールスペーサSW1を形成する。それから、ゲート電極GEおよびサイドウォールスペーサSW1をマスク(イオン注入阻止マスク)として上記ステップS13のイオン注入(n+型半導体領域SD形成用のイオン注入)を行うことにより、半導体基板SBのp型ウエルPWにn+型半導体領域SDを形成する。
それから、図27に示されるように、上記ステップS9を行って、サイドウォールスペーサSW1を構成する絶縁膜IL2を除去する。
それから、図28に示されるように、上記ステップS10を行って、ソース・ドレイン用の半導体層EP(すなわち半導体層EP1,EP2,EP3)をエピタキシャル成長により形成する。半導体層EPが半導体層EP1,EP2,EP3の積層構造を有しているのは、上述の通りである。その後、上記ステップS12(サイドウォールスペーサSW2形成工程)、上記ステップS14(金属シリサイド層MS形成工程)および上記ステップS15(絶縁膜IL5形成工程)を順に行うが、ここではその図示及び説明は省略する。
このように、第2変形例では、ステップS10(半導体層EP形成工程)の前に、ステップS11のイオン注入(n−型半導体領域EX形成用のイオン注入)とステップS13のイオン注入(n+型半導体領域SD形成用のイオン注入)とを行うことができる。
但し、上記図11および図14〜図17のように、ステップS10で半導体層EPを形成した後に、ステップS11のイオン注入(n−型半導体領域EX形成用のイオン注入)とステップS13のイオン注入(n+型半導体領域SD形成用のイオン注入)とを行った場合には、ステップS10で半導体層EPをエピタキシャル成長させやすいという利点を得られる。すなわち、ステップS10で半導体層EPを形成した後に、ステップS11,S13のイオン注入を行った場合には、ステップS11,S13のイオン注入によるダメージを受けていない状態の半導体基板SBの露出面上に半導体層EPをエピタキシャル成長させることができるため、ステップS10で半導体層EPをエピタキシャル成長させやすくなる。また、エピタキシャル層は、下地の半導体基板の不純物濃度が高いと、成長しにくくなり、成長速度が遅くなる傾向にあるが、この観点でも、ステップS10で半導体層EPを形成した後に、ステップS11,S13のイオン注入を行った場合には、ステップS10で半導体層EPをエピタキシャル成長させやすくなる。
<第3変形例>
次に、第3変形例について、図29〜図31を参照して説明する。
次に、第3変形例について、図29〜図31を参照して説明する。
図29〜図31は、本実施の形態の第3変形例の半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
上記図5〜図22の製造工程では、ステップS6,S7,S8でサイドウォールスペーサSW1を形成してから、上記ステップS9でサイドウォールスペーサSW1を構成する絶縁膜IL2を除去し、その後、ステップS10で半導体層EPを形成してから、ステップS12でサイドウォールスペーサSW2を形成している。それに対して、第3変形例では、一旦形成したサイドウォールスペーサを除去せずに、そのまま使用している。以下、第3変形例の製造工程について具体的に説明する。
第3変形例の場合、上記ステップS5までの工程を行って上記図7の構造を得た後、ゲート電極GEをマスク(イオン注入阻止マスク)として上記ステップS11のイオン注入(n−型半導体領域EX形成用のイオン注入)を行うことにより、図29に示されるように、半導体基板SBのp型ウエルPWにn−型半導体領域EXを形成する。
それから、図30に示されるように、ゲート電極GEの両方の側壁上にサイドウォールスペーサ(サイドウォール、側壁絶縁膜)SW3を形成する。サイドウォールスペーサSW3は、例えば、半導体基板SBの主面上に、ゲート電極GEを覆うように、サイドウォールスペーサSW3形成用の絶縁膜(単層の絶縁膜または複数の絶縁膜の積層膜)を形成してから、このサイドウォールスペーサSW3形成用の絶縁膜を異方性エッチング(エッチバック)することにより、形成することができる。
それから、ゲート電極GEおよびサイドウォールスペーサSW3をマスク(イオン注入阻止マスク)として上記ステップS13のイオン注入(n+型半導体領域SD形成用のイオン注入)を行うことにより、半導体基板SBのp型ウエルPWにn+型半導体領域SDを形成する。
それから、図31に示されるように、上記ステップS10を行って、ソース・ドレイン用の半導体層EP(すなわち半導体層EP1,EP2,EP3)をエピタキシャル成長により形成する。半導体層EPは、半導体基板SBの主面のうち、ゲート絶縁膜(絶縁膜GI)やサイドウォールスペーサSW3で覆われずに露出するSi面(Si露出面)上に、選択的にエピタキシャル成長する。半導体層EPが半導体層EP1,EP2,EP3の積層構造を有しているのは、上述の通りである。その後、上記ステップS14(金属シリサイド層MS形成工程)および上記ステップS15(絶縁膜IL5形成工程)を順に行うが、ここではその図示及び説明は省略する。
第3変形例においても、半導体層EPを上述のように半導体層EP1,EP2,EP3の積層構造としたことにより、金属シリサイド層MS形成に起因した不具合(金属シリサイド層MSの厚さの不均一さや金属シリサイド層MSの異常成長など)を防止して、半導体装置の性能を向上させることができるという効果を得ることができる。
但し、上記実施の形態(上記図5〜図22の製造工程)では、ステップS6,S7,S8で絶縁膜IL1とその上の絶縁膜IL2とを有する積層膜LMを用いてサイドウォールスペーサSW1を形成してから、上記ステップS9でサイドウォールスペーサSW1を構成する絶縁膜IL2を除去している。その後で、ステップS10で絶縁膜IL1から露出する半導体基板SB上に半導体層EPをエピタキシャル成長させている。このため、ゲート電極GEの側壁上から半導体基板SB上にかけて絶縁膜IL1が延在し、半導体層EPの一部が、半導体基板SB上に延在する部分の絶縁膜IL1上に位置している。換言すれば、半導体層EPは一部が絶縁膜IL1上(具体的には半導体基板SB上に延在する部分の絶縁膜IL1上)に乗り上げている。これにより、次のような効果を更に得ることができる。
すなわち、第3変形例の場合は、半導体層EPの平面寸法(平面積)が、半導体層EPが成長する基板露出面の平面寸法(平面積)とほぼ同じになるため、半導体層EPの平面寸法(平面積)が抑制されてしまう。
それに対して、上記実施の形態では、半導体層EPの一部が絶縁膜IL1上に位置している(すなわち半導体層EPの一部が絶縁膜IL1上に乗り上げている)ため、半導体層EPの平面寸法(平面積)を、半導体層EPが成長する基板露出面の平面寸法(平面積)よりも大きくすることができる。ここで、半導体層EPが成長する基板露出面とは、絶縁膜IL1から露出し、その上に半導体層EPが成長した基板面であり、半導体基板SBの主面において半導体層EPに接している部分に対応している。
このため、上記実施の形態では、半導体層EPの一部が絶縁膜IL1上に位置している(乗り上げている)分、半導体層EPの平面寸法(平面積)を、半導体層EPが成長する基板露出面の平面寸法(平面積)よりも大きくすることができ、半導体層EPの平面寸法(平面積)を増大させることができる。このため、MISFETの抵抗成分を低減して、半導体装置の性能を更に向上させることができる。
また、半導体層EPの一部が絶縁膜IL1上に位置している(乗り上げている)ことで半導体層EPの平面寸法(平面積)を大きくしたことにより、金属シリサイド層MSと半導体層EPとの界面の面積を大きくすることができる。半導体層EPとその上部に形成された金属シリサイド層MSとの界面での抵抗が、寄生抵抗の主たる発生源となるため、寄生抵抗の低減には、半導体層EPとその上部に形成された金属シリサイド層MSとの界面の面積の増大が有効である。上記実施の形態では、半導体層EP1の上部に金属シリサイド層MSが形成され、その金属シリサイド層MSと半導体層EPとの界面の面積を大きくすることができるため、金属シリサイド層MSと半導体層EPとの界面抵抗に起因した寄生抵抗を低減することができる。寄生抵抗を低減することにより、半導体装置の性能を更に向上させることができる。
また、半導体基板SB上に延在する部分の絶縁膜IL1が存在することにより、半導体層EPの表面に形成され金属シリサイド層MSとチャネル領域(ゲ―ト電極GEの下方のチャネル領域)との間の距離(電流経路に沿った距離)を長くすることができるため、リーク電流を抑制または防止することができる。従って、上記実施の形態では、半導体層EPの平面寸法(平面積)の増大と、金属シリサイド層MSからチャネル領域までの距離(電流経路に沿った距離)を長くすることとを、両立することができる。これにより、寄生抵抗を低減でき、かつ、リーク電流を抑制または防止することができる。従って、半導体装置の性能を更に向上させることができる。
このように、上記実施の形態では、半導体層EPの一部が絶縁膜IL1上に乗り上げていることで半導体層EPの平面寸法(平面積)を大きくすることができるとともに、半導体層EPをエピタキシャル成長する際に、半導体層EPを半導体層EP1,EP2,EP3の積層構造とすることで、金属シリサイド層MSの厚さを均一にし、また金属シリサイド層MSの異常成長を防止することができる。これにより、金属シリサイド層MSと半導体層EPとの界面の面積を大きくすることができることで、金属シリサイド層MSと半導体層EPとの界面抵抗に起因した寄生抵抗を低減することができるとともに、金属シリサイド層MSの膜厚を均一化し、異常成長も防止できるため、金属シリサイド層MSに起因した不具合を、より的確に防止することができる。このため、半導体装置の性能を、より向上させることができる。
<第4変形例>
次に、第4変形例について、図32〜図34を参照して説明する。
次に、第4変形例について、図32〜図34を参照して説明する。
図32〜図34は、本実施の形態の第4変形例の半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
上記図5〜図22の製造工程では、ステップS10で半導体層EPをエピタキシャル成長する際に、ゲート電極GE上には半導体層EPを形成しなかった。それに対して、第4変形例では、ステップS10で半導体層EPをエピタキシャル成長する際に、ゲート電極GE上にも半導体層EPを形成している。以下、第4変形例の製造工程について具体的に説明する。
第4変形例の場合、ゲート電極GEを多結晶シリコン膜のようなシリコン膜により形成し、そのゲート電極GEの上面が露出した状態で上記ステップS10を行うことにより、ステップS10で半導体基板SBの露出面上にソース・ドレイン用の半導体層EPをエピタキシャル成長する際に、図32に示されるように、ゲート電極GE(の上面)上にも半導体層EPをエピタキシャル成長させる。ここで、図32は、上記図11に対応するものであり、ステップS10で半導体層EPを形成した段階が示されている。
半導体基板SBの露出面上に形成されたソース・ドレイン用の半導体層EPと同様に、ゲート電極GE(の上面)上に形成された半導体層EPも、半導体層EP1と半導体層EP1上の半導体層EP2と半導体層EP2上の半導体層EP3とにより形成されている。ゲート電極GE上に形成された半導体層EPを構成する各半導体層EP1,EP2,EP3の組成については、半導体基板SBの露出面上に形成されたソース・ドレイン用の半導体層EPを構成する各半導体層EP1,EP2,EP3の組成と同様である。
但し、半導体基板SBの露出面上に形成されたソース・ドレイン用の半導体層EPは、下地が単結晶であることを反映して、単結晶層である。一方、ゲート電極GE(の上面)上に形成された半導体層EPは、多結晶(多結晶シリコン)からなるゲート電極GE上に成長することを反映して、多結晶となる場合もある。
それから、上記ステップS11,S12,S13を行った後に、上記ステップS14を行って金属シリサイド層MSを形成する。図33は、上記図19に対応するものであり、ステップS14を行う前の段階が示され、図34は、上記ステップS14を行って金属シリサイド層MSを形成した後の段階が示されている。
第4変形例の場合も、ステップS14の金属シリサイド層MSを形成する手法は、上記図18および図19を参照して説明した通りである。しかしながら、第4変形例の場合は、上記図18および図19の場合と違い、図33に示されるように、ゲート電極GE上に半導体層EPが形成されている状態で、ステップS14の金属シリサイド層MSの形成工程を行う。このため、第4変形例の場合は、図34に示されるように、ゲート電極GEの上面ではなく、ゲート電極GEの上面上に形成されている半導体層EPの表面に金属シリサイド層MSが形成される点が、上記図19の場合と相違している。半導体基板SBの露出面上に形成されたソース・ドレイン用の半導体層EPの表面に金属シリサイド層MSが形成される点は、第4変形例も上記実施の形態(図19)の場合と同様であるため、ここでは、その繰り返しの説明は省略する。
すなわち、第4変形例では、上記金属膜MEを形成すると、上記金属膜MEはゲート電極GE上の半導体層EPの表面(従って半導体層EP3の表面)に接した状態になる。このため、シリサイド化用の熱処理を行うと、ゲート電極GE上の半導体層EPのうちの半導体層EP3が金属膜MEと反応して、ゲート電極GEの上面上に形成されている半導体層EPの表面に金属シリサイド層MSが形成される。
上述のように、金属シリサイド層MSを形成する前の段階での半導体層EPは、半導体層EP1とその上の半導体層EP2とその上の半導体層EP3との積層構造を有している。これにより、上述したように、半導体層EPのうち、半導体層EP3を選択的に金属と反応させて金属シリサイド層MSを形成することができる。このため、半導体層EPの表面に形成される金属シリサイド層MSの厚さを均一にすることができ、また、半導体層EPの表面に形成される金属シリサイド層MSが、局所的に異常成長してしまうのを防止することができる。このことは、半導体基板SB上に形成されたソース・ドレイン用の半導体層EPと、ゲート電極GE上に形成された半導体層EPとで、共通である。このため、第4変形例の場合は、半導体基板SB上に形成されたソース・ドレイン用の半導体層EPと、ゲート電極GE上に形成された半導体層EPとの両方で、半導体層EPの表面に形成される金属シリサイド層MSの厚さを均一にすることができ、また、金属シリサイド層MSが局所的に異常成長してしまうのを防止することができる。このため、半導体装置の性能を向上させることができる。
但し、金属シリサイド層MSの膜厚が不均一になったり、金属シリサイド層MS局所的に異常成長した場合の悪影響は、ゲート電極GE上に形成された半導体層EPよりも、半導体基板SB上に形成されたソース・ドレイン用の半導体層EPの方が、深刻である。これは、金属シリサイド層MSに膜厚の不均一さや異常成長が発生した場合、ゲート電極GE上に形成された半導体層EPでは、抵抗のばらつきにはつながっても、リーク電流の増大にはつながらないのに対して、半導体基板SB上に形成されたソース・ドレイン用の半導体層EPでは、抵抗のばらつきだけではなく、リーク電流の増大につながってしまうためである。
また、ステップS10で半導体層EPをエピタキシャル成長させる際に、ゲート電極GE上には半導体層EPをエピタキシャル成長させない場合は、次のような効果も得ることができる。
ゲート電極GE上にエピタキシャル層が形成され、そのエピタキシャル層が上方向だけでなく横方向にも成長した場合には、ゲート電極GE上のエピタキシャル層の平面寸法(平面積)はゲート電極GEの平面寸法(平面積)よりも大きくなる虞がある。その場合、コンタクトホールCTの目外れが生じたときに、ソース・ドレイン用の半導体層EPに接続するためのプラグPGがゲート電極GE上のエピタキシャル層に近接したりあるいは接触したりする虞がある。プラグPGがゲート電極GE上のエピタキシャル層に近接すると、リーク電流の原因になり、また、プラグPGがゲート電極GE上のエピタキシャル層に接すると、短絡が発生する。これは、半導体装置の信頼性や歩留まりの低下につながる。
それに対して、ステップS10で半導体層EPをエピタキシャル成長させる際に、ゲート電極GE上には半導体層EPをエピタキシャル成長させない場合は、ゲート電極GE上に、ゲート電極GEの平面寸法(平面積)よりも大きなエピタキシャル層が形成されることはない。このため、たとえコンタクトホールCTの目外れが生じたとしても、ソース・ドレイン用の半導体層EPに接続するためのプラグPGがゲート電極GEに近接したり、あるいは接触したりする可能性を、低減することができる。従って、プラグPGがゲート電極GEに近接してリーク電流を生じたり、プラグPGがゲート電極GEに接して短絡するのを、抑制または防止することができる。このため、半導体装置の信頼性や歩留まりを、より向上させることができる。
以上、本発明者によってなされた発明をその実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
CT コンタクトホール
EP,EP1,EP2,EP3 半導体層
EX n−型半導体領域
GE ゲート電極
GI 絶縁膜
IL1,IL2,IL3,IL4,IL5,IL6 絶縁膜
LM 積層膜
M1 配線
ME 金属膜
MS 金属シリサイド層
PG プラグ
PS シリコン膜
PS1 不純物注入層
PW p型ウエル
Qn nチャネル型MISFET
SD n+型半導体領域
ST 素子分離領域
ST1 素子分離溝
SB 半導体基板
SW1,SW2,SW3 サイドウォールスペーサ
T1,T2,T3,T4,T5,T6,T11 厚み
T12 長さ
EP,EP1,EP2,EP3 半導体層
EX n−型半導体領域
GE ゲート電極
GI 絶縁膜
IL1,IL2,IL3,IL4,IL5,IL6 絶縁膜
LM 積層膜
M1 配線
ME 金属膜
MS 金属シリサイド層
PG プラグ
PS シリコン膜
PS1 不純物注入層
PW p型ウエル
Qn nチャネル型MISFET
SD n+型半導体領域
ST 素子分離領域
ST1 素子分離溝
SB 半導体基板
SW1,SW2,SW3 サイドウォールスペーサ
T1,T2,T3,T4,T5,T6,T11 厚み
T12 長さ
Claims (13)
- 半導体基板と、
前記半導体基板上にゲート絶縁膜を介して形成されたゲート電極と、
前記半導体基板上に形成された、ソース・ドレイン用のエピタキシャル半導体層と、
を含むMISFETを有し、
前記エピタキシャル半導体層は、
前記半導体基板上に形成され、Ge,C,Nを導入していないシリコン層からなる第1エピタキシャル半導体層と、
前記第1エピタキシャル半導体層上に形成され、Ge,C,Nのうちの少なくとも1種を導入したシリコン層からなる第2エピタキシャル半導体層と、
を有し、
前記第2エピタキシャル半導体層上に金属シリサイド層が形成されている、半導体装置。 - 請求項1記載の半導体装置において、
前記ゲート電極の側壁上に形成された側壁絶縁膜を有し、
前記側壁絶縁膜は、
前記ゲート電極の側壁上から前記半導体基板上にかけて延在する第1側壁絶縁膜と、
前記ゲート電極の前記側壁上に前記第1側壁絶縁膜を介して形成された第2側壁絶縁膜と、
を有し、
前記エピタキシャル半導体層の一部が、前記半導体基板上に延在する部分の前記第1側壁絶縁膜上に位置している、半導体装置。 - 請求項1記載の半導体装置において、
前記MISFETは、第1導電型のMISFETであり、
前記第1エピタキシャル半導体層および前記第2エピタキシャル半導体層には、前記第1導電型の不純物が導入されている、半導体装置。 - MISFETを有する半導体装置の製造方法であって、
(a)半導体基板を準備する工程、
(b)前記半導体基板上にゲート絶縁膜を介してゲート電極を形成する工程、
(c)前記半導体基板上に、ソース・ドレイン用の半導体層をエピタキシャル成長させる工程、
(d)前記(c)工程後、前記半導体層の表面に、金属と前記半導体層との反応層を形成する工程、
を有し、
前記(c)工程で形成された前記半導体層は、
前記半導体基板上に形成され、Ge,C,Nを導入していないシリコン層からなる第1エピタキシャル半導体層と、
前記第1エピタキシャル半導体層上に形成され、Ge,C,Nのうちの少なくとも1種を導入したシリコン層からなる第2エピタキシャル半導体層と、
前記第2エピタキシャル半導体層上に形成され、Ge,C,Nを導入していないシリコン層からなる第3エピタキシャル半導体層と、
を有する、半導体装置の製造方法。 - 請求項4記載の半導体装置の製造方法において、
前記(d)工程では、
前記金属と前記第3エピタキシャル半導体層とが反応することにより、前記反応層が形成される、半導体装置の製造方法。 - 請求項4記載の半導体装置の製造方法において、
前記反応層は、金属シリサイド層である、半導体装置の製造方法。 - 請求項4記載の半導体装置の製造方法において、
前記(c)工程で形成された前記半導体層において、前記第3エピタキシャル半導体層は、前記半導体層の最上層である、半導体装置の製造方法。 - 請求項4記載の半導体装置の製造方法において、
前記(d)工程は、
(d1)前記第3エピタキシャル半導体層上に金属膜を形成する工程、
(d2)熱処理により前記第3エピタキシャル半導体層と前記金属膜とを反応させて、前記反応層を形成する工程、
を含む、半導体装置の製造方法。 - 請求項4記載の半導体装置の製造方法において、
前記(c)工程は、
(c1)前記半導体基板上に前記第1エピタキシャル半導体層をエピタキシャル成長させる工程、
(c2)前記第1エピタキシャル半導体層上に、前記第2エピタキシャル半導体層をエピタキシャル成長させる工程、
(c3)前記第2エピタキシャル半導体層上に、前記第3エピタキシャル半導体層をエピタキシャル成長させる工程、
を含み、
前記(c1)工程と前記(c2)工程と前記(c3)工程とは、前記半導体基板を大気中にさらすことなく連続的に行われる、半導体装置の製造方法。 - 請求項4記載の半導体装置の製造方法において、
前記(b)工程後で、前記(c)工程前に、
(b1)前記半導体基板上に、前記ゲート電極を覆うように、第1絶縁膜および前記第1絶縁膜上の第2絶縁膜を有する積層膜を形成する工程、
(b2)前記(b1)工程後、前記積層膜をエッチバックして、前記ゲート電極の側壁上に前記積層膜からなる第1サイドウォールスペーサを形成する工程、
(b3)前記(b2)工程後、前記第1サイドウォールスペーサを構成する前記第2絶縁膜を除去する工程、
を有し、
前記(c)工程では、前記第1絶縁膜から露出する前記半導体基板上に前記半導体層をエピタキシャル成長させ、エピタキシャル成長した前記半導体層の一部が前記第1絶縁膜上に乗り上げる、半導体装置の製造方法。 - 請求項10記載の半導体装置の製造方法において、
前記(b3)工程では、前記第1サイドウォールスペーサを構成していた前記第1絶縁膜が、前記ゲート電極の側壁上から前記半導体基板上にかけて延在するように残存し、
前記(c)工程では、エピタキシャル成長した前記半導体層の前記一部が、前記半導体基板上に延在する部分の前記第1絶縁膜上に乗り上げる、半導体装置の製造方法。 - 請求項11記載の半導体装置の製造方法において、
前記(c)工程後で、前記(d)工程前に、
(c4)前記ゲート電極の前記側壁上に前記第1絶縁膜を介して第2サイドウォールスペーサを形成する工程、
を有する、半導体装置の製造方法。 - 請求項12記載の半導体装置において、
前記第2サイドウォールスペーサは、一部が前記半導体層上に位置する、半導体装置の製造方法。
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JP2013132637A JP2015008206A (ja) | 2013-06-25 | 2013-06-25 | 半導体装置およびその製造方法 |
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KR20180069679A (ko) * | 2016-12-15 | 2018-06-25 | 타이완 세미콘덕터 매뉴팩쳐링 컴퍼니 리미티드 | 격리 구조물에 접경하는 반도체 에피택시 |
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-
2013
- 2013-06-25 JP JP2013132637A patent/JP2015008206A/ja not_active Withdrawn
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