JP2015007036A - 複素環化合物、これを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子用材料、並びにこれを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子及び電子機器 - Google Patents

複素環化合物、これを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子用材料、並びにこれを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子及び電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】有機エレクトロルミネッセンス素子材料として有用な新規材料を提供する。【解決手段】ベンゼン環上に3つの5員環が縮合し、さらに、該5員環上に飽和または不飽和の環が縮合してなる複素環化合物、これを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子用材料、並びにこれを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子及び電子機器。【選択図】なし

Description

本発明は複素環化合物、これを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子用材料、並びにこれを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子及び電子機器に関する。
一般に有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子は陽極、陰極、及び陽極と陰極に挟まれた1層以上の有機薄膜層から構成されている。両電極間に電圧が印加されると、陰極側から電子、陽極側から正孔が発光領域に注入され、注入された電子と正孔は発光領域において再結合して励起状態を生成し、励起状態が基底状態に戻る際に光を放出する。
また、有機EL素子は、発光層に種々の発光材料を用いることにより、多様な発光色を得ることが可能であることから、ディスプレイなどへの実用化研究が盛んである。特に赤色、緑色、青色の三原色の発光材料の研究が最も活発であり、特性向上を目指して鋭意研究がなされている。
このような有機EL素子用の材料として、特許文献1〜4には、ベンゼン環上に2つ又は3つのインデン構造やインドール構造が縮合してなる化合物が開示されている。特許文献1〜2では、ベンゼン環上に縮合するインドール骨格の向きが逆のものを有し、一方、特許文献3〜4は、ベンゼン環上に縮合するインデン又はインドール骨格の向きが同じものを有する。
しかしながら、有機EL素子の分野においては、さらなる素子性能の向上を目指すため、新たな材料系の開発が求められている。
国際公開2009/136595号 韓国公開公報2011−0011579 特開2006−135146 国際公開第2012/141273号
本発明は、前記の課題を解決するためになされたもので、有機EL素子材料として有用な新規材料を提供することを目的とする。
上記特許文献3には、ベンゼン環に縮合するインドールにおける窒素原子の置換基として、アルキル基を有する化合物が具体的に開示されている。
本発明者らが鋭意検討した結果、ベンゼン環に縮合するインドールにおける窒素原子の置換基として、アリール基又はヘテロアリール基を有する本発明の複素環化合物は、上記アルキル基を有するものと比較してより嵩高い置換基を有することにより、アモルファス性を発現しやすく、結晶化しにくいため、分子間の電荷の移動がしやすく、長寿命化が期待できることを見出した。さらに、窒素原子上の置換基を、アリール基又はヘテロアリール基とすることによって、窒素原子上の孤立電子対とアリール基やヘテロアリール基との共鳴安定化効果をより発現し、陽極から移動してきた正孔が窒素原子上で制御され、結果として、正孔移動に伴う複素環化合物の構造上の安定性が向上し、長寿命化が期待できることを見出した。
また、上記特許文献3又は4には、ベンゼンに縮合するインドール骨格を3つ有する化合物が具体的に開示されている。
本発明者らが鋭意検討した結果、ベンゼンに縮合するインドール骨格を1つ又は2つとすることにより、インドール骨格が3つの化合物と比較して三重項エネルギーが高くなるため、燐光ホスト材料としての有用性が期待できることを見出した。
すなわち、本発明の一態様によれば、以下[1]〜[4]が提供される。
[1] 下記一般式(1)で表される複素環化合物。
Figure 2015007036

[一般式(1)において、A1〜A3は、それぞれ独立に、飽和または不飽和の環を表し、A1〜A3は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい。
1〜X3は、それぞれ独立に、下記一般式(2)〜(5)のいずれかで表される連結基であり、X1〜X3のうち1つまたは2つは一般式(2)で表され、残りは一般式(3)〜(5)のいずれかで表される。]
Figure 2015007036
[一般式(2)において、Y1は置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50のヘテロアリール基であり、
一般式(3)において、Y2及びY3は、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を表す。Y2およびY3は、互いに結合して環構造を形成してもよい。]
1〜Y3は、A1〜A3が有する置換基と結合して環構造を形成してもよい。
[2] 前記複素環化合物を含む有機エレクトロルミネッセンス素子用材料。
[3] 陰極と陽極間に少なくとも発光層を含む一層又は複数層からなる有機薄膜層が挟持されている有機エレクトロルミネッセンス素子において、該有機薄膜層の少なくとも1層が、前記複素環化合物を含有する有機エレクトロルミネッセンス素子。
[4] 前記有機エレクトロルミネッセンス素子を備える電子機器。
本発明は、有機EL素子材料として有用な新規材料及びこれを用いてなる有機EL素子を提供する。
本発明の実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、「有機EL素子」と略記することがある。)の一例の概略構成を示す図である。
本明細書において、「置換もしくは無置換の炭素数XX〜YYのZ基」という表現における「炭素数XX〜YY」は、Z基が無置換である場合の炭素数を表すものであり、Z基が置換されている場合の置換基の炭素数は含めない。ここで、「YY」は「XX」よりも大きく、「XX」と「YY」はそれぞれ1以上の整数を意味する。
本明細書において、「置換もしくは無置換の原子数XX〜YYのZZ基」という表現における「原子数XX〜YY」は、ZZ基が無置換である場合の原子数を表すものであり、置換されている場合の置換基の原子数は含めない。ここで、「YY」は「XX」よりも大きく、「XX」と「YY」はそれぞれ1以上の整数を意味する。
本明細書において、「置換もしくは無置換のZZ基」という場合における「無置換ZZ基」とは、ZZ基の水素原子が置換基で置換されていないことを意味する。
また、本明細書において、「水素原子」とは、中性子数が異なる同位体、すなわち、軽水素(protium)、重水素(deuterium)及び三重水素(tritium)を包含する。
本発明において、置換もしくは無置換のカルバゾリル基は、下記のカルバゾリル基、
Figure 2015007036
及び上記した任意の置換基を有する置換カルバゾリル基に加えて、例えば、下記の置換カルバゾリル基も含む。
Figure 2015007036
本発明において、置換もしくは無置換のジベンゾフラニル基及び置換もしくは無置換のジベンゾチオフェニル基は、下記のジベンゾフラニル基及びジベンゾチオフェニル基、
Figure 2015007036
及び上記した任意の置換基を有する置換ジベンゾフラニル基及び置換ジベンゾチオフェニル基に加えて、例えば、下記の置換ジベンゾフラニル基及び置換ジベンゾチオフェニル基も含む。
Figure 2015007036
(式中、Xは酸素原子又は硫黄原子を表し、Yは酸素原子、硫黄原子、NH、NRa(Raはアルキル基又はアリール基)、CH2、又は、CRb 2(Rbはアルキル基又はアリール基)を表す。)
本明細書において、「環形成炭素数」とは、原子が環状に結合した構造の化合物(例えば、単環化合物、縮合環化合物、架橋化合物、炭素環化合物、複素環化合物)の当該環自体を構成する原子のうちの炭素原子の数を表す。当該環が置換基によって置換される場合、置換基に含まれる炭素は環形成炭素には含まない。以下で記される「環形成炭素数」については、特筆しない限り同様とする。例えば、ベンゼン環は環形成炭素数が6であり、ナフタレン環は環形成炭素数が10であり、ピリジニル基は環形成炭素数5であり、フラニル基は環形成炭素数4である。また、ベンゼン環やナフタレン環に置換基として例えばアルキル基が置換している場合、当該アルキル基の炭素数は、環形成炭素数の数に含めない。また、フルオレン環に置換基として例えばフルオレン環が結合している場合(スピロフルオレン環を含む)、置換基としてのフルオレン環の炭素数は環形成炭素数に含めない。
本明細書において、「環形成原子数」とは、原子が環状に結合した構造(例えば単環、縮合環、環集合)の化合物(例えば単環化合物、縮合環化合物、架橋化合物、炭素環化合物、複素環化合物)の当該環自体を構成する原子の数を表す。環を構成しない原子(例えば環を構成する原子の結合手を終端する水素原子)や、当該環が置換基によって置換される場合の置換基に含まれる原子は環形成原子数には含まない。以下で記される「環形成原子数」については、特筆しない限り同様とする。例えば、ピリジン環は環形成原子数は6であり、キナゾリン環は環形成原子数が10であり、フラン環の環形成原子数は5である。ピリジン環やキナゾリン環の環形成炭素原子にそれぞれ結合している水素原子や置換基を構成する原子は、環形成原子数の数に含めない。また、フルオレン環に置換基として例えばフルオレン環が結合している場合(スピロフルオレン環を含む)、置換基としてのフルオレン環の原子数は環形成原子数の数に含めない。
更に、「置換もしくは無置換」というときの任意の置換基は、炭素数1〜50(好ましくは1〜18、より好ましくは1〜8)のアルキル基;環形成炭素数3〜50(好ましくは3〜10、より好ましくは3〜8、さらに好ましくは5又は6)のシクロアルキル基;環形成炭素数6〜50(好ましくは6〜25、より好ましくは6〜18)のアリール基;環形成炭素数6〜50(好ましくは6〜25、より好ましくは6〜18)のアリール基を有する炭素数7〜51(好ましくは7〜30、より好ましくは7〜20)のアラルキル基;アミノ基;炭素数1〜50(好ましくは1〜18、より好ましくは1〜8)のアルキル基及び環形成炭素数6〜50(好ましくは6〜25、より好ましくは6〜18)のアリール基から選ばれる置換基を有するモノ置換又はジ置換アミノ基;炭素数1〜50(好ましくは1〜18、より好ましくは1〜8)のアルキル基を有するアルコキシ基;環形成炭素数6〜50(好ましくは6〜25、より好ましくは6〜18)のアリール基を有するアリールオキシ基;炭素数1〜50(好ましくは1〜18、より好ましくは1〜8)のアルキル基及び環形成炭素数6〜50(好ましくは6〜25、より好ましくは6〜18)のアリール基から選ばれる置換基を有するモノ置換、ジ置換又はトリ置換シリル基;環形成原子数5〜50(好ましくは5〜24、より好ましくは5〜13)のヘテロアリール基;炭素数1〜50(好ましくは1〜18、より好ましくは1〜8)のハロアルキル基;ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子);シアノ基;ニトロ基;炭素数1〜50(好ましくは1〜18、より好ましくは1〜8)のアルキル基及び環形成炭素数6〜50(好ましくは6〜25、より好ましくは6〜18)のアリール基から選ばれる置換基を有するスルフォニル基;炭素数1〜50(好ましくは1〜18、より好ましくは1〜8)のアルキル基及び環形成炭素数6〜50(好ましくは6〜25、より好ましくは6〜18)のアリール基から選ばれる置換基を有するジ置換ホスフォリル基;、アルキルスルホニルオキシ基;アリールスルホニルオキシ基;アルキルカルボニルオキシ基;アリールカルボニルオキシ基;ホウ素含有基;亜鉛含有基;スズ含有基;ケイ素含有基;マグネシウム含有基;リチウム含有基;ヒドロキシ基;アルキル置換又はアリール置換カルボニル基;カルボキシル基;ビニル基;(メタ)アクリロイル基;エポキシ基;並びにオキセタニル基からなる群より選ばれるものが好ましい。
これらの置換基は、さらに上述の任意の置換基により置換されていてもよい。
[複素環化合物]
本発明の複素環化合物は、下記一般式(1)で表される。
Figure 2015007036
[一般式(1)において、A1〜A3は、それぞれ独立に、飽和または不飽和の環を表し、A1〜A3は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい。
1〜X3は、それぞれ独立に、下記一般式(2)〜(5)のいずれかで表される連結基であり、X1〜X3のうち1つまたは2つは一般式(2)で表され、残りは一般式(3)〜(5)のいずれかで表される。]
Figure 2015007036

[一般式(2)において、Y1は置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50のヘテロアリール基であり、
一般式(3)において、Y2及びY3は、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を表す。Y2およびY3は、互いに結合して環構造を形成してもよい。
1〜Y3は、A1〜A3が有する置換基と結合して環構造を形成してもよい。]
また、前記A1〜A3が、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の、5員環、6員環または7員環であることが好ましく、A1〜A3のすべてが、置換もしくは無置換の、6員環であることがより好ましい。
また、上記複素環化合物としては、下記一般式(6)で表されるものが好ましい。
Figure 2015007036
[一般式(6)において、X1〜X3は前記と同義である。
1〜Z12は、それぞれ独立に、C(R)又は窒素原子を表す。
Rは、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を表す。
1〜Z12のうち複数が置換基を有する場合、該複数の置換基は互いに結合して環構造を形成してもよい。]
前記一般式(6)におけるZ1〜Z12が、それぞれ独立に、C(R)であることが好ましい。
上記一般式(1)において、A1〜A3が有する置換基、一般式(3)におけるY2、Y3としての置換基、一般式(6)におけるRとしての置換基としては、それぞれ独立に、下記(A)群から選択されるものが好ましく、下記(B)群から選択されるものがより好ましく、下記(C)群から選択されるものがさらに好ましく、下記(D)群から選択されるものが特に好ましい。
上記(A)群とは、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜50のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、置換もしくは無置換の炭素数7〜51のアラルキル基、アミノ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基及び置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基から選ばれる置換基を有するモノ置換又はジ置換アミノ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルコキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基及び置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基から選ばれる置換基を有するモノ置換、ジ置換又はトリ置換シリル基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50のヘテロアリール基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のハロアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基及び置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基から選ばれる置換基を有するスルフォニル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基及び置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基から選ばれる置換基を有するジ置換ホスフォリル基、アルキルスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基、アルキルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、ホウ素含有基、亜鉛含有基、スズ含有基、ケイ素含有基、マグネシウム含有基、リチウム含有基、ヒドロキシ基、アルキル置換又はアリール置換カルボニル基、カルボキシル基、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、エポキシ基、並びにオキセタニル基からなる群である。
上記(B)群とは、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜50のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、置換もしくは無置換の炭素数7〜51のアラルキル基、アミノ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基及び置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基から選ばれる置換基を有するモノ置換又はジ置換アミノ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルコキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基及び置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基から選ばれる置換基を有するモノ置換、ジ置換又はトリ置換シリル基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50のヘテロアリール基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のハロアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基及び置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基から選ばれる置換基を有するスルフォニル基、並びに置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基及び置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基から選ばれる置換基を有するジ置換ホスフォリル基からなる群である。
上記(C)群とは、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜50のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、置換もしくは無置換の炭素数7〜51のアラルキル基、アミノ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基及び置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基から選ばれる置換基を有するモノ置換又はジ置換アミノ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルコキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基及び置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基から選ばれる置換基を有するモノ置換、ジ置換又はトリ置換シリル基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50のヘテロアリール基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のハロアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、並びにニトロ基からなる群である。
上記(D)群とは、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜50のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基及び置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基から選ばれる置換基を有するモノ置換又はジ置換アミノ基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50のヘテロアリール基、ハロゲン原子、シアノ基、並びにニトロ基からなる群である。
前記炭素数1〜50(好ましくは炭素数1〜18、より好ましくは炭素数1〜8)のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基(異性体を含む)、ヘキシル基(異性体を含む)、ヘプチル基(異性体を含む)、オクチル基(異性体を含む)、ノニル基(異性体を含む)、デシル基(異性体を含む)、ウンデシル基(異性体を含む)、及びドデシル基(異性体を含む)、トリデシル基、テトラデシル基、オクタデシル基、テトラコサニル基、テトラコンタニル基等が挙げられ、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基(異性体を含む)、ヘキシル基(異性体を含む)、ヘプチル基(異性体を含む)、オクチル基(異性体を含む)、ノニル基(異性体を含む)、デシル基(異性体を含む)、ウンデシル基(異性体を含む)、ドデシル基(異性体を含む)、トリデシル基、テトラデシル基、及びオクタデシル基が好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基(異性体を含む)、ヘキシル基(異性体を含む)、ヘプチル基(異性体を含む)、及びオクチル基(異性体を含む)がより好ましい。
前記環形成炭素数3〜50(好ましくは3〜10、より好ましくは3〜8、さらに好ましくは5又は6)のシクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、アダマンチル基などが挙げられ、シクロペンチル基、シクロヘキシル基が好ましい。
前記環形成炭素数6〜50(好ましくは環形成炭素数6〜25、より好ましくは環形成炭素数6〜18)のアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、ナフチルフェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、アセナフチレニル基、アントリル基、ベンゾアントリル基、アセアントリル基、フェナントリル基、ベンゾフェナントリル基、フェナレニル基、フルオレニル基、9,9’−スピロビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、ピセニル基、ペンタフェニル基、ペンタセニル基、ピレニル基、クリセニル基、ベンゾクリセニル基、s−インダセニル基、as−インダセニル基、フルオランテニル基、ベンゾフルオランテニル基、テトラセニル基、トリフェニレニル基、ベンゾトリフェニレニル基、ペリレニル基、コロニル基、ジベンゾアントリル基等が挙げられる。
また、前記環形成炭素数6〜50(好ましくは環形成炭素数6〜25、より好ましくは環形成炭素数6〜18)のアリーレン基としては、上記アリール基より水素原子を除いてなるものが挙げられ、フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、フェナントリル基、フルオレニル基、フルオランテニル基、トリフェニレル基が好ましい。
環形成原子数5〜50(好ましくは5〜24、より好ましくは環形成原子数5〜13)のヘテロアリール基は少なくとも1個、好ましくは1〜5個(より好ましくは1〜3個、さらに好ましくは1〜2個)のヘテロ原子、例えば、窒素原子、硫黄原子、酸素原子、リン原子を含む。該へテロアリール基としては、例えば、ピロリル基、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、トリアジニル基、イミダゾリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、ピラゾリル基、イソオキサゾリル基、イソチアゾリル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンゾフラニル基、イソベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、イソベンゾチオフェニル基、インドリジニル基、キノリジニル基、キノリル基、イソキノリル基、シンノリル基、フタラジニル基、キナゾリニル基、キノキサリニル基、ベンズイミダゾリル基、ベンズオキサゾリル基、ベンズチアゾリル基、インダゾリル基、ベンズイソキサゾリル基、ベンズイソチアゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、カルバゾリル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、フェノチアジニル基、フェノキサジニル基、アザトリフェニレニル基、ジアザトリフェニレニル基、キサンテニル基、アザカルバゾリル基、アザジベンゾフラニル基、アザジベンゾチオフェニル基、ベンゾフラノベンゾチオフェニル基、ベンゾチエノベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラノナフチル基、ジベンゾチエノナフチル基、及びジナフトチエノチオフェニル基などが挙げられ、ピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、トリアジニル基、インドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、キノリル基、イソキノリル基、キナゾリニル基、キノキサリニル基、ベンズイミダゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、カルバゾリル基、フェナントリジニル基、フェナントロリニル基、ジアザトリフェニレニル基が好ましい。
また、上記環形成原子数5〜50のヘテロアリール基の具体例としては、下記式で表されるいずれかの化合物より水素原子を1つ除いてなる1価の基も好ましい。
Figure 2015007036
[式中、Aは、それぞれ独立に、CR100、又は窒素原子を表し、R100は、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を表し、
Yは、それぞれ独立に、単結合、C(R101)(R102)、酸素原子、硫黄原子又はN(R103)を表し、
101、R102及びR103は、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を表わし、mは、それぞれ独立に、0または1を表し、Y0は単結合を表す。]
上記式中における置換基としては、上述のものと同様のものが挙げられる。
前記環形成炭素数6〜50(好ましくは6〜25、より好ましくは6〜18)のアリール基を有する総炭素数7〜51のアラルキル基としては、上記アリール基を有するアラルキル基が挙げられる。
前記炭素数1〜50(好ましくは1〜18、より好ましくは1〜8)のアルキル基及び環形成炭素数6〜50のアリール基(好ましくは6〜25、より好ましくは6〜18)から選ばれる置換基を有するモノ置換又はジ置換アミノ基としては、上記アルキル基及び上記アリール基から選ばれる置換基を有するモノ置換又はジ置換アミノ基が挙げられる。
前記炭素数1〜50(好ましくは1〜18、より好ましくは1〜8)のアルキル基を有するアルコキシ基としては、上記アルキル基を有するアルコキシ基が挙げられる。
前記環形成炭素数6〜50(好ましくは6〜25、より好ましくは6〜18)のアリール基を有するアリールオキシ基としては、上記アリール基を有するアリールオキシ基が挙げられる。
炭素数1〜50(好ましくは1〜18、より好ましくは1〜8)のアルキル基及び環形成炭素数6〜50(好ましくは6〜25、より好ましくは6〜18)のアリール基から選ばれる置換基を有するモノ置換、ジ置換又はトリ置換シリル基としては、上記アルキル基及び上記アリール基から選ばれる置換基を有するモノ置換、ジ置換又はトリ置換シリル基が挙げられる。
前記炭素数1〜50(好ましくは1〜18、より好ましくは1〜8)のハロアルキル基としては、上記アルキル基の水素原子の1以上が、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)により置換されたものが挙げられる。
前記炭素数1〜50(好ましくは1〜18、より好ましくは1〜8)のアルキル基及び前記環形成炭素数6〜50(好ましくは6〜25、より好ましくは6〜18)のアリール基から選ばれる置換基を有するスルフォニル基としては、上記アルキル基又は上記アリール基から選ばれる置換基を有するスルフォニル基が挙げられる。
前記炭素数1〜50(好ましくは1〜18、より好ましくは1〜8)のアルキル基及び前記環形成炭素数6〜50(好ましくは6〜25、より好ましくは6〜18)のアリール基から選ばれる置換基を有するジ置換ホスフォリル基としては、上記アルキル基及び上記アリール基から選ばれる置換基を有するジ置換ホスフォリル基が挙げられる。
上記ジ置換ホスフォリル基としては、下記式(P)で表されるものが好ましい
Figure 2015007036
[一般式(P)において、
Arp1及びArp2は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基を表す。]
上記一般式(P)におけるArp1及びArp2である環形成炭素数6〜50のアリール基としては、上記一般式(1)における環形成炭素数6〜50のアリール基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
前記一般式(1)におけるA1〜A3で表される飽和の環としては、環形成炭素数5〜50(好ましくは3〜6、より好ましくは5又は6)の脂肪族炭化水素環が好ましい。
また、前記一般式(1)におけるA1〜A3で表される不飽和の環としては、環形成炭素数6〜50(好ましくは6〜24、より好ましくは6〜18)の芳香族炭化水素環、又は環形成原子数5〜50(好ましくは5〜24、より好ましくは5〜13)の芳香族複素環が好ましい。
前記一般式(1)において、Y1〜Y3が、A1〜A3が有する置換基と結合して形成する環構造や、Y1〜Y3が互いに結合して形成する環構造や、Z1〜Z12のうち複数が置換基を有し、これらの複数の置換基が互いに結合して形成する環構造としても、上述のA1〜A3で表される飽和又は不飽和の環として挙げられたものが好ましく用いられる。
上記環形成炭素数5〜50の脂肪族炭化水素環の具体例としては、シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロオクタン環、アダマンタン環などが挙げられ、シクロペンタン環及びシクロヘキサン環が好ましい。
上記環形成炭素数6〜50の芳香族炭化水素環の具体例としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、ベンゾアントラセン環、フェナントレン環、ベンゾフェナントレン環、フルオレン環、ベンゾフルオレン環、ジベンゾフルオレン環、ピセン環、テトラセン環、ペンタセン環、ピレン環、クリセン環、ベンゾクリセン環、s−インダセン環、as−インダセン環、フルオランテン環、ベンゾフルオランテン環、トリフェニレン環、ベンゾトリフェニレン環、ペリレン環、コロネン環、ジベンゾアントラセン環等が挙げられ、好ましくはベンゼン環、ナフタレン環、フェナントレン環、ベンゾフェナントレン環、フルオレン環、ベンゾフルオレン環、フルオランテン環、ベンゾフルオランテン環、トリフェニレン環である。
上記環形成原子数5〜50の芳香族複素環の具体例としては、ピロール環、ピラゾール環、イソインドール環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、イソベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、イソキノリン環、シンノリン環、キノキサリン環、フェナントリジン環、フェナントロリン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、トリアジン環、イミダゾピリジン環、インドール環、インダゾール環、ベンズイミダゾール環、キノリン環、キナゾリン環、アクリジン環、ピロリジン環、ジオキサン環、ピペリジン環、モルフォリン環、ピペラジン環、カルバゾール環、フラン環、チオフェン環、オキサゾール環、オキサジアゾール環、ベンゾオキサゾール環、チアゾール環、チアジアゾール環、ベンゾチアゾール環、トリアゾール環、イミダゾール環、ピラン環、ジベンゾフラン環、ベンゾ[c]ジベンゾフラン環、プリン環、アクリジン環等が挙げられ、好ましくはベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、ジベンゾチオフェン環、イソキノリン環、キノキサリン環、フェナントリジン環、フェナントロリン環、ピリジン環、ピリミジン環、トリアジン環、インドール環、キノリン環、キナゾリン環、カルバゾール環、ベンゾイミダゾール環、ジベンゾフラン環、より好ましくはジベンゾチオフェン環、ピリジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キナゾリン環、カルバゾール環、ベンゾイミダゾール環、ジベンゾフラン環である。
本発明の含窒素化合物は、Y1が置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50のヘテロアリール基であり、具体的には上記環形成炭素数6〜50のアリール基、及び上記環形成原子数5〜50のヘテロアリール基と同じものが挙げられる。
1としては、下記一般式(8)で表されるものも好ましい。
Figure 2015007036
[一般式(8)において、
Ar6は、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50のヘテロアリール基である。
14は、単結合、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜60の2価の芳香族炭化水素基(アリーレン基)、又は置換もしくは無置換の環形成原子数3〜60の2価の複素環基(ヘテロアリーレン基)を示す。]
上記一般式(8)におけるAr6である環形成炭素数6〜50のアリール基としては、上記一般式(1)における環形成炭素数6〜50のアリール基として挙げたものと同様のものが挙げられる。また、上記一般式(8)におけるAr6である環形成原子数5〜50のヘテロアリール基としては、上記一般式(1)における環形成原子数5〜50のヘテロアリール基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
上記一般式(8)におけるL14の具体例としては、上述の一般式(7)におけるL11と同様のものが挙げられる。
一般式(8)におけるAr6としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、フェナントリル基、ベンゾフェナントリル基、フルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、クリセニル基、ベンゾクリセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、トリアジニル基、インドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、キノリル基、イソキノリル基、キナゾリニル基、キノキサリニル基、ベンズイミダゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、カルバゾリル基、フェナントリジニル基、フェナントロリニル基、ジアザトリフェニレニル基がより好ましく、フェニル基、ビフェニリル基、フルオレニル基、トリフェニレニル基、ピリジル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、キナゾリニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、カルバゾリル基がさらに好ましい。
一般式(8)におけるL14としては、単結合、フェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基、タ−フェニレン基、フェナントリレン基、フルオレニレン基が特に好ましい。
一般式(1)及び一般式(6)において、下記(i)〜(v)のいずれかが好ましく、下記(iii)〜(v)のいずれかがより好ましく、下記(iv)又は(v)がさらに好ましく、下記(v)が特に好ましい。
(i)X1〜X3のうち1つが前記一般式(2)で表され、且つ、2つが一般式(3)〜(5)のいずれかで表される
(ii)X1〜X3のうち2つが前記一般式(2)で表され、且つ、1つが一般式(3)〜(5)のいずれかで表される
(iii)X1〜X3のうち少なくとも1つが前記一般式(2)で表され、且つ、少なくとも1つが一般式(3)又は(4)で表される
(iv)X1〜X3のうち少なくとも1つが前記一般式(2)で表され、且つ、X1〜X3のうち少なくとも1つが前記一般式(4)で表される
(v)X1〜X3のうち少なくとも1つが前記一般式(2)で表され、且つ、X1〜X3のうち少なくとも1つが前記一般式(3)で表される
上記(iv)の場合、Y1は上記一般式(8)で表されることが好ましい。この場合、Y1が2つ存在する場合は、2つのY1は同一でも異なっていてもよい。さらに(iv)の場合、Y1が上記一般式(8)で表わされ、且つ、上記一般式(8)におけるAr6(Y1が2つ存在する場合は、1つまたは2つのAr6、好ましくは1つのAr6)が縮合アリール基又は縮合ヘテロアリール基であることが好ましく、Ar6がフルオランテニル基、トリフェニレニル基、キナゾリニル基、ナフチレン基、フェナントロリニル基、クリセニル基、ベンゾクリセニル基が赤燐光発光素子における素子特性が向上するため特に好ましい。
上記(v)の場合、Y1は上記一般式(8)で表されることが好ましい。この場合、Y1が2つ存在する場合は、2つのY1は同一でも異なっていてもよい。
[有機エレクトロルミネッセンス素子用材料]
本発明の有機EL素子用材料は、上記複素環化合物を含む。本発明の有機EL素子用材料における複素環化合物の含有量は、特に制限されず、例えば、1質量%以上であればよく、10質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることがさらに好ましく、90質量%以上であることが特に好ましい。
本発明の有機EL素子用材料は、有機EL素子における材料として有用であり、例えば、蛍光発光ユニットの発光層におけるホスト材料及びドーパント材料や、燐光発光ユニットの発光層におけるホスト材料として用いることができる。また、蛍光発光ユニット及び燐光発光ユニットのいずれにおいても、有機EL素子の陽極と発光層との間に設けられる陽極側有機薄膜層や、有機EL素子の陰極と発光層との間に設けられる陰極側有機薄膜層の材料、すなわち、正孔輸送層、正孔注入層、電子輸送層、電子注入層、正孔阻止層、電子阻止層等の材料としても有用である。
ここで、「発光ユニット」とは、一層以上の有機層を含み、そのうちの一層が発光層であり、注入された正孔と電子が再結合することにより発光することができる最小単位をいう。
以下に上記式(1)や(6)で表される複素環化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2015007036
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上記複素環化合物は、例えば、以下のような合成経路を用いることにより得ることができる。
Figure 2015007036
上記合成方法では、中間体a1をフェノール存在下、銅触媒を用いたクロスカップリングに付しエーテル結合を形成した中間体a2を合成する。次いで、中間体a2に対してピバル酸存在下パラジウムを用いた閉環反応を行うことによって化合物aを合成することができる。
また、後述の実施例に記載の合成方法を、目的化合物に合わせて適宜変更することにより、本願範囲内の上記複素環化合物を合成することができる。
(有機EL素子)
次に、本発明の有機EL素子について説明する。
本発明の有機EL素子は、陰極と陽極の間に発光層を含有する有機薄膜層を有し、この有機薄膜層のうちの少なくとも1層が前述した有機EL素子用材料を含むことを特徴とする。
前述の有機EL素子用材料が含まれる有機薄膜層の例としては、陽極と発光層との間に設けられる陽極側有機薄膜層(正孔輸送層、正孔注入層等)、発光層、陰極と発光層との間に設けられる陰極側有機薄膜層(電子輸送層、電子注入層等)、スペース層、障壁層等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。前述の有機EL素子用材料は、上記いずれの層に含まれていてもよく、例えば、蛍光発光ユニットの発光層におけるホスト材料やドーパント材料、燐光発光ユニットの発光層におけるホスト材料、発光ユニットの正孔輸送層、電子輸送層等として用いることができる。
本発明の有機EL素子は、蛍光又は燐光発光型の単色発光素子であっても、蛍光/燐光ハイブリッド型の白色発光素子であってもよいし、単独の発光ユニットを有するシンプル型であっても、複数の発光ユニットを有するタンデム型であってもよく、中でも、燐光発光型であることが好ましい。ここで、「発光ユニット」とは、一層以上の有機層を含み、そのうちの一層が発光層であり、注入された正孔と電子が再結合することにより発光することができる最小単位をいう。
従って、シンプル型有機EL素子の代表的な素子構成としては、以下の素子構成を挙げることができる。
(1)陽極/発光ユニット/陰極
また、上記発光ユニットは、燐光発光層や蛍光発光層を複数有する積層型であってもよく、その場合、各発光層の間に、燐光発光層で生成された励起子が蛍光発光層に拡散することを防ぐ目的で、スペース層を有していてもよい。発光ユニットの代表的な層構成を以下に示す。
(a)正孔輸送層/発光層(/電子輸送層)
(b)正孔輸送層/第一燐光発光層/第二燐光発光層(/電子輸送層)
(c)正孔輸送層/燐光発光層/スペース層/蛍光発光層(/電子輸送層)
(d)正孔輸送層/第一燐光発光層/第二燐光発光層/スペース層/蛍光発光層(/電子輸送層)
(e)正孔輸送層/第一燐光発光層/スペース層/第二燐光発光層/スペース層/蛍光発光層(/電子輸送層)
(f)正孔輸送層/燐光発光層/スペース層/第一蛍光発光層/第二蛍光発光層(/電子輸送層)
(g)正孔輸送層/電子障壁層/発光層(/電子輸送層)
(h)正孔輸送層/発光層/正孔障壁層(/電子輸送層)
(i)正孔輸送層/蛍光発光層/トリプレット障壁層(/電子輸送層)
上記各燐光又は蛍光発光層は、それぞれ互いに異なる発光色を示すものとすることができる。具体的には、上記積層発光層(d)において、正孔輸送層/第一燐光発光層(赤色発光)/第二燐光発光層(緑色発光)/スペース層/蛍光発光層(青色発光)/電子輸送層といった層構成等が挙げられる。
なお、各発光層と正孔輸送層あるいはスペース層との間には、適宜、電子障壁層を設けてもよい。また、各発光層と電子輸送層との間には、適宜、正孔障壁層を設けてもよい。電子障壁層や正孔障壁層を設けることで、電子又は正孔を発光層内に閉じ込めて、発光層における電荷の再結合確率を高め、発光効率を向上させることができる。
タンデム型有機EL素子の代表的な素子構成としては、以下の素子構成を挙げることができる。
(2)陽極/第一発光ユニット/中間層/第二発光ユニット/陰極
ここで、上記第一発光ユニット及び第二発光ユニットとしては、例えば、それぞれ独立に上述の発光ユニットと同様のものを選択することができる。
上記中間層は、一般的に、中間電極、中間導電層、電荷発生層、電子引抜層、接続層、中間絶縁層とも呼ばれ、第一発光ユニットに電子を、第二発光ユニットに正孔を供給する、公知の材料構成を用いることができる。
図1に、本発明の有機EL素子の一例の概略構成を示す。有機EL素子1は、基板2、陽極3、陰極4、及び該陽極3と陰極4との間に配置された有機薄膜層10(発光ユニット10)とを有する。発光ユニット10は、燐光ホスト材料と燐光ドーパント(燐光発光材料)を含む少なくとも1つの燐光発光層を含む発光層5を有する。発光層5と陽極3との間に正孔注入・輸送層等の陽極側有機薄膜層6、発光層5と陰極4との間に電子注入・輸送層等の陰極側有機薄膜層7を形成してもよい。また、発光層5の陽極3側に電子障壁層を、発光層5の陰極4側に正孔障壁層を、それぞれ設けてもよい。これにより、電子や正孔を発光層5に閉じ込めて、発光層5における励起子の生成確率を高めることができる。
なお、本明細書において、蛍光ドーパント(蛍光発光材料)と組み合わされたホストを蛍光ホストと称し、燐光ドーパントと組み合わされたホストを燐光ホストと称する。蛍光ホストと燐光ホストは分子構造のみにより区分されるものではない。すなわち、燐光ホストとは、燐光ドーパントを含有する燐光発光層を構成する材料を意味し、蛍光発光層を構成する材料として利用できないことを意味しているわけではない。蛍光ホストについても同様である。
(基板)
本発明の有機EL素子は、透光性基板上に作製する。透光性基板は有機EL素子を支持する基板であり、400nm〜700nmの可視領域の光の透過率が50%以上で平滑な基板が好ましい。具体的には、ガラス板、ポリマー板等が挙げられる。ガラス板としては、特にソーダ石灰ガラス、バリウム・ストロンチウム含有ガラス、鉛ガラス、アルミノケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラス、石英等を原料として用いてなるものを挙げられる。またポリマー板としては、ポリカーボネート、アクリル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルファイド、ポリサルフォン等を原料として用いてなるものを挙げることができる。
(陽極)
有機EL素子の陽極は、正孔を正孔輸送層又は発光層に注入する役割を担うものであり、4.5eV以上の仕事関数を有するものを用いることが効果的である。陽極材料の具体例としては、酸化インジウム錫合金(ITO)、酸化錫(NESA)、酸化インジウム亜鉛酸化物、金、銀、白金、銅等が挙げられる。陽極はこれらの電極物質を蒸着法やスパッタリング法等の方法で薄膜を形成させることにより作製することができる。発光層からの発光を陽極から取り出す場合、陽極の可視領域の光の透過率を10%より大きくすることが好ましい。また、陽極のシート抵抗は、数百Ω/□以下が好ましい。陽極の膜厚は、材料にもよるが、通常10nm〜1μm、好ましくは10nm〜200nmの範囲で選択される。
(陰極)
陰極は電子注入層、電子輸送層又は発光層に電子を注入する役割を担うものであり、仕事関数の小さい材料により形成するのが好ましい。陰極材料は特に限定されないが、具体的にはインジウム、アルミニウム、マグネシウム、マグネシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、アルミニウム−リチウム合金、アルミニウム−スカンジウム−リチウム合金、マグネシウム−銀合金等が使用できる。陰極も、陽極と同様に、蒸着法やスパッタリング法等の方法で薄膜を形成させることにより作製することができる。また、必要に応じて、陰極側から発光を取り出してもよい。
(発光層)
発光機能を有する有機層であって、ドーピングシステムを採用する場合、ホスト材料とドーパント材料を含んでいる。このとき、ホスト材料は、主に電子と正孔の再結合を促し、励起子を発光層内に閉じ込める機能を有し、ドーパント材料は、再結合で得られた励起子を効率的に発光させる機能を有する。
燐光素子の場合、ホスト材料は主にドーパントで生成された励起子を発光層内に閉じ込める機能を有する。
ここで、上記発光層は、例えば、電子輸送性のホストと正孔輸送性のホストを組み合わせるなどして、発光層内のキャリアバランスを調整するダブルホスト(ホスト・コホストともいう)を採用してもよい。
また、量子収率の高いドーパント材料を二種類以上入れることによって、それぞれのドーパントが発光するダブルドーパントを採用してもよい。具体的には、ホスト、赤色ドーパント及び緑色ドーパントを共蒸着することによって、発光層を共通化して黄色発光を実現する態様が挙げられる。
上記発光層は、複数の発光層を積層した積層体とすることで、発光層界面に電子と正孔を蓄積させて、再結合領域を発光層界面に集中させて、量子効率を向上させることができる。
発光層への正孔の注入し易さと電子の注入し易さは異なっていてもよく、また、発光層中での正孔と電子の移動度で表される正孔輸送能と電子輸送能が異なっていてもよい。
発光層は、例えば蒸着法、スピンコート法、LB法等の公知の方法により形成することができる。また、樹脂等の結着剤と材料化合物とを溶剤に溶かした溶液をスピンコート法等により薄膜化することによっても、発光層を形成することができる。
発光層は、分子堆積膜であることが好ましい。分子堆積膜とは、気相状態の材料化合物から沈着され形成された薄膜や、溶液状態又は液相状態の材料化合物から固体化され形成された膜のことであり、通常この分子堆積膜は、LB法により形成された薄膜(分子累積膜)とは凝集構造、高次構造の相違や、それに起因する機能的な相違により区分することができる。
発光層を形成する燐光ドーパント(燐光発光材料)は三重項励起状態から発光することのできる化合物であり、三重項励起状態から発光する限り特に限定されないが、Ir,Pt,Os,Au,Cu,Re及びRuから選択される少なくとも一つの金属と配位子とを含む有機金属錯体であることが好ましい。前記配位子は、オルトメタル結合を有することが好ましい。燐光量子収率が高く、発光素子の外部量子効率をより向上させることができるという点で、Ir,Os及びPtから選ばれる金属原子を含有する金属錯体が好ましく、イリジウム錯体、オスミウム錯体、白金錯体等の金属錯体、特にオルトメタル化錯体がより好ましく、イリジウム錯体及び白金錯体がさらに好ましく、オルトメタル化イリジウム錯体が特に好ましい。
燐光ドーパントの発光層における含有量は特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、0.1〜70質量%が好ましく、1〜30質量%がより好ましい。燐光ドーパントの含有量が0.1質量%以上であると十分な発光が得られ、70質量%以下であると濃度消光を避けることができる。
燐光ドーパントとして好ましい有機金属錯体の具体例を、以下に示す。
Figure 2015007036
Figure 2015007036
Figure 2015007036
Figure 2015007036
燐光ホストは、燐光ドーパントの三重項エネルギーを効率的に発光層内に閉じ込めることにより、燐光ドーパントを効率的に発光させる機能を有する化合物である。本発明の有機EL素子用材料は燐光ホストとして有用であるが、本発明の有機EL素子用材料以外の化合物も、燐光ホストとして、上記目的に応じて適宜選択することができる。
本発明の有機EL素子用材料とそれ以外の化合物を同一の発光層内の燐光ホスト材料として併用してもよいし、複数の発光層がある場合には、そのうちの一つの発光層の燐光ホスト材料として本発明の有機EL素子用材料を用い、別の一つの発光層の燐光ホスト材料として本発明の有機EL素子用材料以外の化合物を用いてもよい。また、本発明の有機EL素子用材料は発光層以外の有機層にも使用しうるものであり、その場合には発光層の燐光ホストとして、本発明の有機EL素子用材料以外の化合物を用いてもよい。
本発明の有機EL素子用材料以外の化合物で、燐光ホストとして好適な化合物の具体例としては、カルバゾール誘導体、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、芳香族第三アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリデン系化合物、ポルフィリン系化合物、アントラキノジメタン誘導体、アントロン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド誘導体、フルオレニリデンメタン誘導体、ジスチリルピラジン誘導体、ナフタレンペリレン等の複素環テトラカルボン酸無水物、フタロシアニン誘導体、8−キノリノール誘導体の金属錯体やメタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾールやベンゾチアゾールを配位子とする金属錯体に代表される各種金属錯体ポリシラン系化合物、ポリ(N−ビニルカルバゾール)誘導体、アニリン系共重合体、チオフェンオリゴマー、ポリチオフェン等の導電性高分子オリゴマー、ポリチオフェン誘導体、ポリフェニレン誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体等の高分子化合物等が挙げられる。燐光ホストは単独で使用しても良いし、2種以上を併用しても良い。具体例としては、以下のような化合物が挙げられる。
Figure 2015007036
本発明の有機EL素子は、蛍光発光材料を含有する発光層、つまり蛍光発光層を有していてもよい。蛍光発光層としては、公知の蛍光発光材料を使用できる。該蛍光発光材料としては、アントラセン誘導体、フルオランテン誘導体、スチリルアミン誘導体及びアリールアミン誘導体から選択される少なくとも1種が好ましく、アントラセン誘導体、アリールアミン誘導体がより好ましい。特に、ホスト材料としてはアントラセン誘導体が好ましく、ドーパントとしてはアリールアミン誘導体が好ましい。具体的には、国際公開第2010/134350号や国際公開第2010/134352号に記載する好適な材料が選択される。本発明の有機EL素子用材料は、蛍光発光層の蛍光発光材料として用いてもよく、蛍光発光層のホスト材料として用いてもよい。
蛍光発光材料としての前記アントラセン誘導体の環形成炭素数は、好ましくは26〜100、より好ましくは26〜80、さらに好ましくは26〜60である。該アントラセン誘導体としては、より具体的には下記式(10)で表されるアントラセン誘導体が好ましい。
Figure 2015007036
(上記式(10)中、Ar31及びAr32は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基又は環形成原子数5〜50の複素環基である。
81〜R88は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の複素環基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数7〜50のアラルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリールチオ基、置換もしくは無置換の炭素数2〜50のアルコキシカルボニル基、置換もしくは無置換のシリル基、カルボキシル基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基又はヒドロキシル基である。)
上記環形成炭素数6〜50のアリール基としては、いずれも、環形成炭素数6〜40のアリール基が好ましく、環形成炭素数6〜30のアリール基がより好ましい。
上記環形成原子数5〜50の複素環基としては、いずれも、環形成原子数5〜40の複素環基が好ましく、環形成原子数5〜30の複素環基がより好ましい。
上記炭素数1〜50のアルキル基としては、炭素数1〜30のアルキル基が好ましく、炭素数1〜10のアルキル基がより好ましく、炭素数1〜5のアルキル基がさらに好ましい。
上記炭素数1〜50のアルコキシ基としては、炭素数1〜30のアルコキシ基が好ましく、炭素数1〜10のアルコキシ基がより好ましく、炭素数1〜5のアルコキシ基がさらに好ましい。
上記炭素数7〜50のアラルキル基としては、炭素数7〜30のアラルキル基が好ましく、炭素数7〜20のアラルキル基がより好ましい。
上記環形成炭素数6〜50のアリールオキシ基としては、環形成炭素数6〜40のアリールオキシ基が好ましく、環形成炭素数6〜30のアリールオキシ基がより好ましい。
上記環形成炭素数6〜50のアリールチオ基としては、環形成炭素数6〜40のアリールチオ基が好ましく、環形成炭素数6〜30のアリールチオ基がより好ましい。
上記炭素数2〜50のアルコキシカルボニル基としては、炭素数2〜30のアルコキシカルボニル基が好ましく、炭素数2〜10のアルコキシカルボニル基がより好ましく、炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基がさらに好ましい。
上記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。
特に、Ar31及びAr32は、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基であることが好ましい。
また、式(10)で表されるアントラセン誘導体としては、下記式(10−1)で表されるアントラセン誘導体が好ましい。
Figure 2015007036
(上記式(10−1)中、Ar33は、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基又は環形成原子数5〜50の複素環基である。R81〜R88は、前記定義の通りである。R89は、R81〜R88の定義と同じである。aは、1〜7の整数である。)
81〜R88は、好ましいものも前記同様である。また、R89の好ましいものも、R81〜R88と同様である。aは1〜3の整数が好ましく、1又は2がより好ましい。
Ar33が表す環形成炭素数6〜50のアリール基としては、環形成炭素数6〜40のアリール基が好ましく、環形成炭素数6〜30のアリール基がより好ましく、環形成炭素数6〜20のアリール基がさらに好ましく、環形成炭素数6〜12のアリール基が特に好ましい。
蛍光発光材料としての前記アリールアミン誘導体としては、アリールジアミン誘導体が好ましく、ピレン骨格を含有するアリールジアミン誘導体がより好ましく、ピレン骨格及びジベンゾフラン骨格を含有するアリールジアミン誘導体がさらに好ましい。
アリールジアミン誘導体としては、より具体的には、下記式(11)で表されるアリールジアミン誘導体が好ましい。
Figure 2015007036
(式(11)中、Ar34〜Ar37は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50のヘテロアリール基を表す。
21は、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリーレン基又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50のヘテロアリーレン基を表す。)
上記環形成炭素数6〜50のアリール基としては、環形成炭素数6〜30のアリール基が好ましく、環形成炭素数6〜20のアリール基がより好ましく、環形成炭素数6〜12のアリール基がさらに好ましく、フェニル基、ナフチル基が特に好ましい。
上記環形成原子数5〜50のヘテロアリール基としては、環形成原子数5〜40のヘテロアリール基が好ましく、環形成原子数5〜30のヘテロアリール基がより好ましく、環形成原子数5〜20のヘテロアリール基がさらに好ましい。ヘテロアリール基としては、カルバゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基などが挙げられ、ジベンゾフラニル基が好ましい。該ヘテロアリール基の好ましい置換基としては、環形成炭素数6〜30(好ましくは6〜20、より好ましくは6〜12)のアリール基が挙げられ、フェニル基、ナフチル基がより好ましい。
上記環形成炭素数6〜50のアリーレン基としては、環形成炭素数6〜40のアリーレン基が好ましく、環形成炭素数6〜30のアリーレン基がより好ましく、環形成炭素数6〜20のアリーレン基がさらに好ましく、ピレニル基が特に好ましい。
発光層は、ダブルホスト(ホスト・コホストともいう)としてもよい。具体的に、発光層において電子輸送性のホストと正孔輸送性のホストを組み合わせることで、発光層内のキャリアバランスを調整してもよい。
また、ダブルドーパントとしてもよい。発光層において、量子収率の高いドーパント材料を2種類以上入れることによって、それぞれのドーパントが発光する。例えば、ホストと赤色ドーパント、緑色のドーパントを共蒸着することによって、黄色の発光層を実現することがある。
また、発光層は、必要に応じて正孔輸送材、電子輸送材、ポリマーバインダーを含有してもよい。
さらに、発光層の膜厚は、好ましくは5〜50nm、より好ましくは7〜50nm、最も好ましくは10〜50nmである。5nm未満では発光層形成が困難となり、色度の調整が困難となる恐れがあり、50nmを超えると駆動電圧が上昇する恐れがある。
(電子供与性ドーパント)
本発明の有機EL素子は、陰極と発光ユニットとの界面領域に電子供与性ドーパントを有することも好ましい。このような構成によれば、有機EL素子における発光輝度の向上や長寿命化が図られる。ここで、電子供与性ドーパントとは、仕事関数3.8eV以下の金属を含有するものをいい、その具体例としては、アルカリ金属、アルカリ金属錯体、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属、アルカリ土類金属錯体、アルカリ土類金属化合物、希土類金属、希土類金属錯体、及び希土類金属化合物等から選ばれた少なくとも一種類が挙げられる。
アルカリ金属としては、Na(仕事関数:2.36eV)、K(仕事関数:2.28eV)、Rb(仕事関数:2.16eV)、Cs(仕事関数:1.95eV)等が挙げられ、仕事関数が2.9eV以下のものが特に好ましい。これらのうち好ましくはK、Rb、Cs、さらに好ましくはRb又はCsであり、最も好ましくはCsである。アルカリ土類金属としては、Ca(仕事関数:2.9eV)、Sr(仕事関数:2.0eV〜2.5eV)、Ba(仕事関数:2.52eV)等が挙げられ、仕事関数が2.9eV以下のものが特に好ましい。希土類金属としては、Sc、Y、Ce、Tb、Yb等が挙げられ、仕事関数が2.9eV以下のものが特に好ましい。
アルカリ金属化合物としては、Li2O、Cs2O、K2O等のアルカリ酸化物、LiF、NaF、CsF、KF等のアルカリハロゲン化物等が挙げられ、LiF、Li2O、NaFが好ましい。アルカリ土類金属化合物としては、BaO、SrO、CaO及びこれらを混合したBaxSr1-xO(0<x<1)、BaxCa1-xO(0<x<1)等が挙げられ、BaO、SrO、CaOが好ましい。希土類金属化合物としては、YbF3、ScF3、ScO3、Y23、Ce23、GdF3、TbF3等が挙げられ、YbF3、ScF3、TbF3が好ましい。
アルカリ金属錯体、アルカリ土類金属錯体、希土類金属錯体としては、それぞれ金属イオンとしてアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、希土類金属イオンの少なくとも一つ含有するものであれば特に限定はない。また、配位子にはキノリノール、ベンゾキノリノール、アクリジノール、フェナントリジノール、ヒドロキシフェニルオキサゾール、ヒドロキシフェニルチアゾール、ヒドロキシジアリールオキサジアゾール、ヒドロキシジアリールチアジアゾール、ヒドロキシフェニルピリジン、ヒドロキシフェニルベンゾイミダゾール、ヒドロキシベンゾトリアゾール、ヒドロキシフルボラン、ビピリジル、フェナントロリン、フタロシアニン、ポルフィリン、シクロペンタジエン、β−ジケトン類、アゾメチン類、及びそれらの誘導体などが好ましいが、これらに限定されるものではない。
電子供与性ドーパントの添加形態としては、界面領域に層状又は島状に形成すると好ましい。形成方法としては、抵抗加熱蒸着法により電子供与性ドーパントを蒸着しながら、界面領域を形成する有機化合物(発光材料や電子注入材料)を同時に蒸着させ、有機化合物に電子供与性ドーパントを分散する方法が好ましい。分散濃度はモル比で有機化合物:電子供与性ドーパント=100:1〜1:100、好ましくは5:1〜1:5である。
電子供与性ドーパントを層状に形成する場合は、界面の有機層である発光材料や電子注入材料を層状に形成した後に、還元ドーパントを単独で抵抗加熱蒸着法により蒸着し、好ましくは層の厚み0.1nm〜15nmで形成する。電子供与性ドーパントを島状に形成する場合は、界面の有機層である発光材料や電子注入材料を島状に形成した後に、電子供与性ドーパントを単独で抵抗加熱蒸着法により蒸着し、好ましくは島の厚み0.05nm〜1nmで形成する。
本発明の有機EL素子における、主成分と電子供与性ドーパントの割合は、モル比で主成分:電子供与性ドーパント=5:1〜1:5であると好ましく、2:1〜1:2であるとさらに好ましい。
(電子輸送層)
電子輸送層は、発光層と陰極との間に形成される有機層であって、電子を陰極から発光層へ輸送する機能を有する。電子輸送層が複数層で構成される場合、陰極に近い有機層を電子注入層と定義することがある。電子注入層は、陰極から電子を効率的に有機層ユニットに注入する機能を有する。本発明の有機EL素子用材料は、電子輸送層に含有される電子輸送材料として用いることもできる。
電子輸送層に用いる電子輸送性材料としては、分子内にヘテロ原子を1個以上含有する芳香族ヘテロ環化合物が好ましく用いられ、特に含窒素環誘導体が好ましい。また、含窒素環誘導体としては、含窒素6員環もしくは5員環骨格を有する芳香族環、又は含窒素6員環もしくは5員環骨格を有する縮合芳香族環化合物が好ましい。
この含窒素環誘導体としては、例えば、下記式(A)で表される含窒素環金属キレート錯体が好ましい。
Figure 2015007036
式(A)におけるR2〜R7は、それぞれ独立に、水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アミノ基、炭素数1〜40の炭化水素基、炭素数1〜40のアルコキシ基、炭素数数6〜50のアリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、または、環形成炭素数5〜50の芳香族複素環基であり、これらは置換されていてもよい。
ハロゲン原子としては、例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられる。
置換されていてもよいアミノ基の例としては、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アラルキルアミノ基が挙げられる。
アルキルアミノ基及びアラルキルアミノ基は−NQ12と表される。Q1及びQ2は、それぞれ独立に、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数1〜20のアラルキル基を表す。Q1及びQ2の一方は水素原子又は重水素原子であってもよい。
アリールアミノ基は−NAr1Ar2と表され、Ar1及びAr2は、それぞれ独立に、炭素数6〜50の非縮合芳香族炭化水素基または縮合芳香族炭化水素基を表す。Ar1及びAr2の一方は水素原子又は重水素原子であってもよい。
炭素数1〜40の炭化水素基はアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、及びアラルキル基を含む。
アルコキシカルボニル基は−COOY’と表され、Y’は炭素数1〜20のアルキル基を表す。
Mは、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)又はインジウム(In)であり、Inであると好ましい。
Lは、下記式(A’)又は(A”)で表される基である。
Figure 2015007036
式(A’)中、R8〜R12は、それぞれ独立に、水素原子、重水素原子、または置換もしくは無置換の炭素数1〜40の炭化水素基であり、互いに隣接する基が環状構造を形成していてもよい。また、前記式(A”)中、R13〜R27は、それぞれ独立に、水素原子、重水素原子又は置換もしくは無置換の炭素数1〜40の炭化水素基であり、互いに隣接する基が環状構造を形成していてもよい。
式(A’)及び式(A”)のR8〜R12及びR13〜R27が示す炭素数1〜40の炭化水素基は、前記式(A)中のR2〜R7が示す炭化水素基と同様である。また、R8〜R12及びR13〜R27の互いに隣接する基が環状構造を形成した場合の2価の基としては、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ジフェニルメタン−2,2’−ジイル基、ジフェニルエタン−3,3’−ジイル基、ジフェニルプロパン−4,4’−ジイル基等が挙げられる。
電子輸送層に用いられる電子伝達性化合物としては、8−ヒドロキシキノリン又はその誘導体の金属錯体、オキサジアゾール誘導体、含窒素複素環誘導体が好適である。上記8−ヒドロキシキノリン又はその誘導体の金属錯体の具体例としては、オキシン(一般に8−キノリノール又は8−ヒドロキシキノリン)のキレートを含む金属キレートオキシノイド化合物、例えばトリス(8−キノリノール)アルミニウムを用いることができる。そして、オキサジアゾール誘導体としては、下記のものを挙げることができる。
Figure 2015007036
前記式中、Ar17、Ar18、Ar19、Ar21、Ar22及びAr25は、それぞれ置換もしくは無置換の炭素数6〜50の芳香族炭化水素基又は縮合芳香族炭化水素基を示し、Ar17とAr18、Ar19とAr21、Ar22とAr25は、たがいに同一でも異なっていてもよい。芳香族炭化水素基又は縮合芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、アントラニル基、ペリレニル基、ピレニル基などが挙げられる。これらの置換基としては炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基又はシアノ基等が挙げられる。
Ar20、Ar23及びAr24は、それぞれ置換もしくは無置換の炭素数6〜50の2価の芳香族炭化水素基又は縮合芳香族炭化水素基を示し、Ar23とAr24は、たがいに同一でも異なっていてもよい。2価の芳香族炭化水素基又は縮合芳香族炭化水素基としては、フェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基、アントラニレン基、ペリレニレン基、ピレニレン基などが挙げられる。これらの置換基としては炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基又はシアノ基等が挙げられる。
これらの電子伝達性化合物は、薄膜形成性の良好なものが好ましく用いられる。そして、これら電子伝達性化合物の具体例としては、下記のものを挙げることができる。
Figure 2015007036
電子伝達性化合物としての含窒素複素環誘導体は、以下の式を有する有機化合物からなる含窒素複素環誘導体であって、金属錯体でない含窒素化合物が挙げられる。例えば、下記式(B)に示す骨格を含有する5員環もしくは6員環や、下記式(C)に示す構造のものが挙げられる。
Figure 2015007036
前記式(C)中、Xは炭素原子もしくは窒素原子を表す。Z1ならびにZ2は、それぞれ独立に含窒素ヘテロ環を形成可能な原子群を表す。
含窒素複素環誘導体は、さらに好ましくは、5員環もしくは6員環からなる含窒素芳香多環族を有する有機化合物である。さらには、このような複数窒素原子を有する含窒素芳香多環族の場合は、上記式(B)と(C)もしくは上記式(B)と下記式(D)を組み合わせた骨格を有する含窒素芳香多環有機化合物が好ましい。
Figure 2015007036
前記の含窒素芳香多環有機化合物の含窒素基は、例えば、以下の式で表される含窒素複素環基から選択される。
Figure 2015007036
前記各式中、Rは、炭素数6〜40の芳香族炭化水素基又は縮合芳香族炭化水素基、炭素数3〜40の芳香族複素環基又は縮合芳香族複素環基、炭素数1〜20のアルキル基、または炭素数1〜20のアルコキシ基であり、nは0〜5の整数であり、nが2以上の整数であるとき、複数のRは互いに同一又は異なっていてもよい。
さらに、好ましい具体的な化合物として、下記式(D1)で表される含窒素複素環誘導体が挙げられる。
HAr−L1−Ar1−Ar2 (D1)
前記式(D1)中、HArは、置換もしくは無置換の炭素数3〜40の含窒素複素環基であり、L1は単結合、置換もしくは無置換の炭素数6〜40の芳香族炭化水素基又は縮合芳香族炭化水素基又は置換もしくは無置換の炭素数3〜40の芳香族複素環基又は縮合芳香族複素環基であり、Ar1は置換もしくは無置換の炭素数6〜40の2価の芳香族炭化水素基であり、Ar2は置換もしくは無置換の炭素数6〜40の芳香族炭化水素基又は縮合芳香族炭化水素基又は置換もしくは無置換の炭素数3〜40の芳香族複素環基又は縮合芳香族複素環基である。
HArは、例えば、下記の群から選択される。
Figure 2015007036
1は、例えば、下記の群から選択される。
Figure 2015007036
Ar1は、例えば、下記式(D2)、式(D3)の基から選択される。
Figure 2015007036
前記式(D2)、式(D3)中、R1〜R14は、それぞれ独立して、水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜40のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の炭素数6〜40の芳香族炭化水素基又は縮合芳香族炭化水素基、または置換もしくは無置換の炭素数3〜40の芳香族複素環基又は縮合芳香族複素環基であり、Ar3は、置換もしくは無置換の炭素数6〜40の芳香族炭化水素基又は縮合芳香族炭化水素基または置換もしくは無置換の炭素数3〜40の芳香族複素環基又は縮合芳香族複素環基である。また、R1〜R8は、いずれも水素原子又は重水素原子である含窒素複素環誘導体であってもよい。
Ar2は、例えば、下記の群から選択される。
Figure 2015007036
電子伝達性化合物としての含窒素芳香多環有機化合物には、この他、下記の化合物も好適に用いられる。
Figure 2015007036
前記式(D4)中、R1〜R4は、それぞれ独立に、水素原子、重水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜20の脂肪族基、置換もしくは無置換の炭素数3〜20の脂肪族環基、置換もしくは無置換の炭素数6〜50の芳香族環基、置換もしくは無置換の炭素数3〜50の複素環基を表し、X1、X2は、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、またはジシアノメチレン基を表す。
また、電子伝達性化合物として、下記の化合物も好適に用いられる。
Figure 2015007036
前記式(D5)中、R1、R2、R3及びR4は互いに同一のまたは異なる基であって、下記式(D6)で表される芳香族炭化水素基又は縮合芳香族炭化水素基である。
Figure 2015007036
前記式(D6)中、R5、R6、R7、R8及びR9は互いに同一または異なる基であって、水素原子、重水素原子、飽和もしくは不飽和の炭素数1〜20のアルコキシル基、飽和もしくは不飽和の炭素数1〜20のアルキル基、アミノ基、または炭素数1〜20のアルキルアミノ基である。R5、R6、R7、R8及びR9の少なくとも1つは水素原子、重水素原子以外の基である。
さらに、電子伝達性化合物は、該含窒素複素環基または含窒素複素環誘導体を含む高分子化合物であってもよい。
本発明の有機EL素子の電子輸送層は、下記式(E)〜(G)で表される含窒素複素環誘導体を少なくとも1種含むことが特に好ましい。
Figure 2015007036
(式(E)〜式(G)中、Z1、Z2及びZ3は、それぞれ独立に、窒素原子又は炭素原子である。
1及びR2は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50のヘテロアリール基、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のハロアルキル基又は置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルコキシ基である。
nは、0〜5の整数であり、nが2以上の整数であるとき、複数のR1は互いに同一でも異なっていてもよい。また、隣接する2つのR1同士が互いに結合して、置換もしくは無置換の炭化水素環を形成していてもよい。
Ar1は、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50のヘテロアリール基である。
Ar2は、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のハロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルコキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50のヘテロアリール基である。
但し、Ar1、Ar2のいずれか一方は、置換もしくは無置換の環形成炭素数10〜50の縮合芳香族炭化水素環基又は置換もしくは無置換の環形成原子数9〜50の縮合芳香族複素環基である。
Ar3は、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリーレン基又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50のヘテロアリーレン基である。
1、L2及びL3は、それぞれ独立に、単結合、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリーレン基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数9〜50の2価の縮合芳香族複素環基である。)
環形成炭素数6〜50のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、ナフタセニル基、クリセニル基、ピレニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、トリル基、フルオランテニル基、フルオレニル基などが挙げられる。
環形成原子数5〜50のヘテロアリール基としては、ピローリル基、フリル基、チエニル基、シローリル基、ピリジル基、キノリル基、イソキノリル基、べンゾフリル基、イミダゾリル基、ピリミジル基、カルバゾリル基、セレノフェニル基、オキサジアゾリル基、トリアゾーリル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、キノキサリニル基、アクリジニル基、イミダゾ[1,2−a]ピリジニル基、イミダゾ[1,2−a]ピリミジニル基などが挙げられる。
炭素数1〜20のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、へキシル基などが挙げられる。
炭素数1〜20のハロアルキル基としては、前記アルキル基の1又は2以上の水素原子をフッ素、塩素、ヨウ素および臭素から選ばれる少なくとも1のハロゲン原子で置換して得られる基が挙げられる。
炭素数1〜20のアルコキシ基としては、前記アルキル基をアルキル部位としては有する基が挙げられる。
環形成炭素数6〜50のアリーレン基としては、前記アリール基から水素原子1個を除去して得られる基が挙げられる。
環形成原子数9〜50の2価の縮合芳香族複素環基としては、前記ヘテロアリール基として記載した縮合芳香族複素環基から水素原子1個を除去して得られる基が挙げられる。
電子輸送層の膜厚は、特に限定されないが、好ましくは1nm〜100nmである。
また、電子輸送層に隣接して設けることができる電子注入層の構成成分として、含窒素環誘導体の他に無機化合物として、絶縁体又は半導体を使用することが好ましい。電子注入層が絶縁体や半導体で構成されていれば、電流のリークを有効に防止して、電子注入性を向上させることができる。
このような絶縁体としては、アルカリ金属カルコゲニド、アルカリ土類金属カルコゲニド、アルカリ金属のハロゲン化物及びアルカリ土類金属のハロゲン化物からなる群から選択される少なくとも一つの金属化合物を使用するのが好ましい。電子注入層がこれらのアルカリ金属カルコゲニド等で構成されていれば、電子注入性をさらに向上させることができる点で好ましい。具体的に、好ましいアルカリ金属カルコゲニドとしては、例えば、Li2O、K2O、Na2S、Na2Se及びNa2Oが挙げられ、好ましいアルカリ土類金属カルコゲニドとしては、例えば、CaO、BaO、SrO、BeO、BaS及びCaSeが挙げられる。また、好ましいアルカリ金属のハロゲン化物としては、例えば、LiF、NaF、KF、LiCl、KCl及びNaCl等が挙げられる。また、好ましいアルカリ土類金属のハロゲン化物としては、例えば、CaF2、BaF2、SrF2、MgF2及びBeF2等のフッ化物や、フッ化物以外のハロゲン化物が挙げられる。
また、半導体としては、Ba、Ca、Sr、Yb、Al、Ga、In、Li、Na、Cd、Mg、Si、Ta、Sb及びZnの少なくとも一つの元素を含む酸化物、窒化物又は酸化窒化物等の一種単独又は二種以上の組み合わせが挙げられる。また、電子注入層を構成する無機化合物が、微結晶又は非晶質の絶縁性薄膜であることが好ましい。電子注入層がこれらの絶縁性薄膜で構成されていれば、より均質な薄膜が形成されるために、ダークスポット等の画素欠陥を減少させることができる。なお、このような無機化合物としては、アルカリ金属カルコゲニド、アルカリ土類金属カルコゲニド、アルカリ金属のハロゲン化物及びアルカリ土類金属のハロゲン化物等が挙げられる。
このような絶縁体又は半導体を使用する場合、その層の好ましい厚みは、0.1nm〜15nm程度である。また、本発明における電子注入層は、前述の電子供与性ドーパントを含有していても好ましい。
(正孔輸送層)
発光層と陽極との間に形成される有機層であって、正孔を陽極から発光層へ輸送する機能を有する。正孔輸送層が複数層で構成される場合、陽極に近い有機層を正孔注入層と定義することがある。正孔注入層は、陽極から正孔を効率的に有機層ユニットに注入する機能を有する。本発明の有機EL素子用材料は、正孔輸送層に含有される正孔輸送材料として用いることもできる。
正孔輸送層を形成する他の材料としては、芳香族アミン化合物、例えば、下記式(H)で表される芳香族アミン誘導体が好適に用いられる。
Figure 2015007036
前記式(H)において、Ar1〜Ar4は置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50の芳香族炭化水素基又は縮合芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の芳香族複素環基又は縮合芳香族複素環基、または、それら芳香族炭化水素基又は縮合芳香族炭化水素基と芳香族複素環基又は縮合芳香族複素環基が結合した基を表す。
また、前記式(H)において、Lは置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50の芳香族炭化水素基又は縮合芳香族炭化水素基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の芳香族複素環基又は縮合芳香族複素環基を表す。
式(H)の化合物の具体例を以下に記す。
Figure 2015007036
また、下記式(J)の芳香族アミンも正孔輸送層の形成に好適に用いられる。
Figure 2015007036
前記式(J)において、Ar1〜Ar3の定義は前記式(H)のAr1〜Ar4の定義と同様である。以下に式(J)の化合物の具体例を記すがこれらに限定されるものではない。
Figure 2015007036
本発明の有機EL素子の正孔輸送層は第1正孔輸送層(陽極側)と第2正孔輸送層(陰極側)の2層構造にしてもよい。
正孔輸送層の膜厚は特に限定されないが、10〜200nmであるのが好ましい。
本発明の有機EL素子では、正孔輸送層または第1正孔輸送層の陽極側にアクセプター材料を含有する層を接合してもよい。これにより駆動電圧の低下及び製造コストの低減が期待される。
前記アクセプター材料としては下記式(K)で表される化合物が好ましい。
Figure 2015007036
(上記式(K)中、R21〜R26は互いに同一でも異なっていてもよく、それぞれ独立にシアノ基、−CONH2、カルボキシル基、又は−COOR27(R27は炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数3〜20のシクロアルキル基を表す)を表す。ただし、R21及びR22、R23及びR24、並びにR25及びR26の1又は2以上の対が一緒になって−CO−O−CO−で示される基を形成してもよい。)
27としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
アクセプター材料を含有する層の膜厚は特に限定されないが、5〜20nmであるのが好ましい。
(n/pドーピング)
上述の正孔輸送層や電子輸送層においては、特許第3695714号明細書に記載されているように、ドナー性材料のドーピング(n)やアクセプター性材料のドーピング(p)により、キャリア注入能を調整することができる。
nドーピングの代表例としては、電子輸送材料にLiやCs等の金属をドーピングする方法が挙げられ、pドーピングの代表例としては、正孔輸送材料にF4TCNQ(2,3,5,6-Tetrafluoro-7,7,8,8-tetracyanoquinodimethane)等のアクセプター材料をドーピングする方法が挙げられる。
(スペース層)
上記スペース層とは、例えば、蛍光発光層と燐光発光層とを積層する場合に、燐光発光層で生成する励起子を蛍光発光層に拡散させない、あるいは、キャリアバランスを調整する目的で、蛍光発光層と燐光発光層との間に設けられる層である。また、スペース層は、複数の燐光発光層の間に設けることもできる。
スペース層は発光層間に設けられるため、電子輸送性と正孔輸送性を兼ね備える材料であることが好ましい。また、隣接する燐光発光層内の三重項エネルギーの拡散を防ぐため、三重項エネルギーが2.6eV以上であることが好ましい。スペース層に用いられる材料としては、上述の正孔輸送層に用いられるものと同様のものが挙げられる。スペース層用の材料として、本発明の有機EL素子用材料を用いることもできる。
(障壁層)
本発明の有機EL素子は、発光層に隣接する部分に、電子障壁層、正孔障壁層、トリプレット障壁層といった障壁層を有することが好ましい。ここで、電子障壁層とは、発光層から正孔輸送層へ電子が漏れることを防ぐ層であり、正孔障壁層とは、発光層から電子輸送層へ正孔が漏れることを防ぐ層である。正孔障壁層用の材料として、本発明の有機EL素子用材料を用いることもできる。
トリプレット障壁層は、発光層で生成する三重項励起子が、周辺の層へ拡散することを防止し、三重項励起子を発光層内に閉じ込めることによって三重項励起子の発光ドーパント以外の電子輸送層の分子上でのエネルギー失活を抑制する機能を有する。
トリプレット障壁層を設ける場合、燐光素子においては、発光層中の燐光発光性ドーパントの三重項エネルギーをET d、トリプレット障壁層として用いる化合物の三重項エネルギーをET TBとすると、ET d<ET TBのエネルギー大小関係であれば、エネルギー関係上、燐光発光性ドーパントの三重項励起子が閉じ込められ(他分子へ移動できなくなり)、該ドーパント上で発光する以外のエネルギー失活経路が断たれ、高効率に発光することができると推測される。ただし、ET d<ET TBの関係が成り立つ場合であってもこのエネルギー差ΔET=ET TB−ET dが小さい場合には、実際の素子駆動環境である室温程度の環境下では、周辺の熱エネルギーにより吸熱的にこのエネルギー差ΔETを乗り越えて三重項励起子が他分子へ移動することが可能であると考えられる。特に燐光発光の場合は蛍光発光に比べて励起子寿命が長いため、相対的に吸熱的励起子移動過程の影響が現れやすくなる。室温の熱エネルギーに対してこのエネルギー差ΔETは大きい程好ましく、0.1eV以上であるとさらに好ましく、0.2eV以上であると特に好ましい。一方、蛍光素子においては、国際公開WO2010/134350A1に記載するTTF素子構成のトリプレット障壁層用の材料として、本発明の有機EL素子用材料を用いることもできる。
また、トリプレット障壁層を構成する材料の電子移動度は、電界強度0.04〜0.5MV/cmの範囲において、10-6cm2/Vs以上であることが望ましい。有機材料の電子移動度の測定方法としては、Time of Flight法等幾つかの方法が知られているが、ここではインピーダンス分光法で決定される電子移動度をいう。
電子注入層は、電界強度0.04〜0.5MV/cmの範囲において、10-6cm2/Vs以上であることが望ましい。これにより陰極からの電子輸送層への電子注入が促進され、ひいては隣接する障壁層、発光層への電子注入も促進し、より低電圧での駆動を可能にするためである。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は、有機ELパネルモジュール等の表示部品、テレビ、携帯電話、若しくはパーソナルコンピュータ等の表示装置、及び、照明、若しくは車両用灯具の発光装置等の電子機器に使用できる。
以下、本発明を実施例により、具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
実施例1(化合物1の合成)
Figure 2015007036
(中間体2の合成)
アルゴン雰囲気下、既知物質である中間体1(15.3g)、2-クロロアニリン(12.8g)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(457mg)、トリ−t−ブチルホスフィン(202.3mg)、ナトリウム−t−ブトキシド(6.7g)およびトルエン(200mL)の混合物を40℃にて7時間攪拌した。得られた反応混合物を室温に冷却し、セライトにて濾過をし、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー及び再結晶にて精製し、中間体2(8.59g)を得た。収率49%であった。
(中間体3の合成)
アルゴン雰囲気下、中間体2(3.05g)、酢酸パラジウム(58mg)、炭酸カリウム(2.4g)、トリシクロヘキシルホスフィンテトラフルオロハイドロボレート(192mg)、N,N−ジメチルアセトアミド(75mL)をフラスコに仕込み、130℃で24時間加熱撹拌した。得られた反応混合物を室温まで冷却後、トルエンを用いて抽出し、不溶物をろ別した。ろ液を減圧留去し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、中間体3(1.09g)を得た。収率40%であった。
(中間体4の合成)
アルゴン雰囲気下、中間体3(2.10g)、ブロモベンゼン(771μL)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(122mg)、トリ−t−ブチルホスフィン(54mg)、ナトリウム−t−ブトキシド(899mg)およびトルエン(27mL)の混合物を7時間加熱還流撹拌した。得られた反応混合物を室温に冷却し、セライトにて濾過をし、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー及び再結晶にて精製し、中間体4(1.83g)を得た。収率70%であった。
(中間体5の合成)
エタノール100mLに、中間体4(2.9g)と水酸化カリウム(2.5g)を混合し室温で48時間撹拌した。得られた反応混合物を氷冷下塩酸で中和しトルエンで抽出した。トルエン層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下で溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、中間体5(1.89g)を得た。収率73%であった。
(中間体6の合成)
中間体5(3.98g)、水(80mL)をフラスコに入れ、攪拌しながら濃硫酸(1.22mL)を滴下し100℃にて3時間攪拌した。得られた反応混合物を放冷後、氷水浴中にて亜硝酸ナトリウム(1.73g)の水8mL溶液を滴下し1時間攪拌を行った。この反応溶液に、反応温度を5〜6℃に保ちながら、ヨウ化カリウム(11.37g)の水20mL溶液を滴下して加え1時間攪拌した後室温に戻した。得られた反応混合物をトルエンにて抽出し、トルエン層を亜硫酸水素ナトリウム水溶液および重曹水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下で溶媒を留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、中間体6(3.14g)を得た。収率は60%であった。
(中間体7の合成)
アルゴン雰囲気下、中間体6(3.14g)、2-メトキシカルボニルフェニルボロン酸(1.46g)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(158mg)、2M炭酸ナトリウム水溶液(10mL)およびトルエン(27mL)の混合物を100℃で20時間撹拌した。得られた反応混合物を室温まで冷却し、セライト濾過を行い、トルエンで抽出した。トルエン層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下で溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、中間体7(2.37g)を得た。収率72%であった。
(中間体8の合成)
アルゴン雰囲気下、THF(20mL)に中間体7(2.1g)を溶解させ1MメチルマグネシウムブロミドTHF溶液(10.9mL)を滴下し40℃で1h加熱撹拌した。得られた反応混合物を氷冷下塩化アンモニウム水溶液で中和しトルエンで抽出した。トルエン層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下で溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し中間体8(1.12g)を得た。収率55%であった。
(化合物1の合成)
中間体8(0.9g)を酢酸(1.5mL)に溶解させ濃硫酸(350μL)を滴下し3時間撹拌した。得られた反応混合物を室温まで冷却しジクロロメタンで希釈し水酸化ナトリウム水溶液を滴下した。有機層を水酸化ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下で溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィーおよび再結晶で精製し化合物1(414mg)を得た。収率は48%であった。得られた化合物はマススペクトルにて同定を行い、分子量449.18に対しm/e=449であった。
実施例2(化合物2の合成)
Figure 2015007036
実施例1において、中間体1の代わりに既知物質である中間体9を用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、化合物2を得た。得られた化合物はマススペクトルにて同定を行い、分子量465.16に対しm/e=465であった。
実施例3(化合物3の合成)
Figure 2015007036
Figure 2015007036
(中間体10の合成)
アルゴン雰囲気下、中間体6(8.6g)、2-ニトロフェニルボロン酸(3.44g)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(648mg)、2M炭酸ナトリウム水溶液(18mL)およびDME(75mL)の混合物を100℃で14時間撹拌した。得られた反応混合物を室温まで冷却し、セライト濾過を行い、トルエンで抽出した。トルエン層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下で溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、中間体10(5.69g)を得た。収率67%であった。
(中間体11の合成)
アルゴン雰囲気下、中間体10(3.32g)、トリフェニルホスフィン(4.79g)、o-ジクロロベンゼン(15mL)の混合物を20時間加熱還流撹拌した。反応混合物を室温まで冷却後、ヘキサンを加え析出した結晶をろ取した。得られた個体をトルエンで再結晶し、中間体11(1.23g)を得た。収率40%であった。
(化合物3の合成)
アルゴン雰囲気下、中間体11(2.09g)、既知の方法で合成した中間体32(1.46g)、トリスジベンジリデンアセトンジパラジウム(0)(90.7mg)、トリ-t-ブチルホスフィンテトラフルオロハイドロボレート(115mg)、ナトリウム−t−ブトキシド(713mg)、脱水トルエン(70ml)の混合物を8時間加熱還流撹拌した。得られた反応混合物を室温まで冷却し、セライト濾過を行い、トルエンで抽出した。トルエン層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下で溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィーおよび再結晶で精製し、化合物3(2.04g)を得た。収率63%であった。得られた化合物はマススペクトルにて同定を行い、分子量653.22に対してm/e=653であった。
なお、中間体6の代わりに中間体12を使用する以外は同様な手法で中間体13(中間体11において、−O−の代わりに−S−とした構造)を合成することもできる。
Figure 2015007036
実施例4(化合物4の合成)
Figure 2015007036
実施例3において、中間体32のかわりに既知の合成法により得られた中間体33を用いたほかは実施例3と同様の操作を行い、化合物4を得た。得られた化合物はマススペクトルにて同定を行い、分子量729.25に対してm/e=729であった。
実施例5(化合物5の合成)
Figure 2015007036
実施例3において、中間体32のかわりに既知の合成法により得られた中間体34を用いたほかは実施例3と同様の操作を行い、化合物5を得た。得られた化合物はマススペクトルにて同定を行い、分子量626.21に対してm/e=626であった。
実施例6(化合物6の合成)
Figure 2015007036
実施例3において、中間体32のかわりに既知の合成法により得られた中間体35を用いたほかは実施例3と同様の操作を行い、化合物6を得た。得られた化合物はマススペクトルにて同定を行い、分子量702.24に対してm/e=702であった。
実施例7(化合物7の合成)
Figure 2015007036
実施例3において、中間体32のかわりに3−ブロモフルオランテンを用いたほかは実施例3と同様の操作を行い、化合物7を得た。得られた化合物はマススペクトルにて同定を行い、分子量622.20に対してm/e=622であった。
実施例8(化合物8の合成)
Figure 2015007036
実施例3において、中間体32のかわりに3−(3−ブロモフェニル)フルオランテンを用いたほかは実施例3と同様の操作を行い、化合物8を得た。得られた化合物はマススペクトルにて同定を行い、分子量698.24に対してm/e=698であった。
実施例9(化合物9の合成)
Figure 2015007036
実施例3において、中間体32のかわりに2−ブロモトリフェニレンを用いたほかは実施例3と同様の操作を行い、化合物9を得た。得られた化合物はマススペクトルにて同定を行い、分子量648.22に対してm/e=648であった。
実施例10(化合物10の合成)
Figure 2015007036
Figure 2015007036
(中間体14の合成)
アルゴン雰囲気下1,3−ジメトキシベンゼン(19.3g)、無水ジエチルエーテル(500mL)をフラスコに仕込み、1.6Mノルマルブチルリチウムのヘキサン溶液(105mL)を加え、反応溶液を4時間加熱攪拌した。攪拌を続けながら室温まで放冷した後、−50℃まで冷却し、臭素(25g)を滴下した。反応溶液を室温まで昇温させながら2時間攪拌した。10%チオ硫酸ナトリウム水溶液(300mL)を加え1時間攪拌した。反応溶液をエーテルを用いて抽出し、水層を除去した後、有機層を飽和食塩水で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた後、濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィで精製した。得られた結晶をヘキサンで洗浄し、中間体14(17.9g)を得た。収率は52%であった。
(中間体15の合成)
中間体14(17.9g)、アセトニトリル(200mL)をフラスコに仕込み、氷冷した後、N−ブロモスクシンイミド(14.7g)を加えた。反応溶液を室温まで昇温しながら8時間攪拌した。N−ブロモスクシンイミド(2.39g)をさらに追加し、室温で7時間攪拌した。攪拌停止後、溶媒を減圧留去し、残渣をジクロロメタンに溶解させた後、チオ硫酸ナトリウム、飽和食塩水で順次洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた後、濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィで精製し、中間体15(23.2g)を得た。収率は95%であった。
(中間体16の合成)
アルゴン雰囲気下中間体15(23.2g)、2−フルオロフェニルボロン酸(32.9g)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)(5.43g)、トルエン(150mL)、1,2−ジメトキシエタン(150mL)、2M炭酸ナトリウム水溶液(150mL)をフラスコに仕込み、24時間加熱還流攪拌した。室温まで冷却後、水層を除去し、有機層を飽和食塩水で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた後、濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィで精製した。得られた結晶をヘキサンで再結晶し中間体16(11.6g)を得た。収率は45%であった。
(中間体17の合成)
中間体16(11.6g)、N,N−ジメチルホルムアミド(480mL)をフラスコに仕込み、N−ブロモスクシンイミド(6.31g)のN,N−ジメチルホルムアミド(20mL)溶液を加えた。反応溶液を40℃で5時間攪拌を続けた。N−ブロモスクシンイミド(2.20g)をさらに追加し、50℃で8時間攪拌を続けた。室温まで冷却後、水(300mL)を加えた後、トルエンで有機物を抽出した。トルエン溶液をチオ硫酸ナトリウム、飽和食塩水で順次洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた後、濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィで精製し中間体17(14.1g)を得た。収率は98%であった。
(中間体18の合成)
アルゴン雰囲気下、中間体17(14.1g)、無水ジクロロメタン(300mL)をフラスコに仕込み、攪拌しながら−78℃まで冷却し、1M三臭化ホウ素のジクロロメタン溶液(90mL)を加えた。反応溶液を室温まで昇温させながら3時間攪拌を続けた。反応溶液を氷冷し、水(150mL)を加えた。水層を除去した後、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた。有機層を濃縮した後、残渣をショートカラムで精製し中間体18(12.5g)を得た。収率は95%であった。
(中間体19の合成)
アルゴン雰囲気下、中間体18(12.5g)、炭酸カリウム(18.3g)、無水N−メチルピロリジノン(200mL)をフラスコに仕込み、200℃で5時間加熱攪拌した。室温まで冷却後、水(200mL)を加えた後、トルエンで希釈した。水層を除去し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた。有機層を濃縮した後、残渣をシリカゲルクロマトグラフィで精製し、中間体19(1.20g)を得た。収率は11%であった。
(中間体20の合成)
アルゴン雰囲気下、中間体19(5.9g)、2-ニトロフェニルボロン酸(3.2g)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(607mg)、2M炭酸ナトリウム水溶液(17mL)およびDMF(70mL)の混合物を100℃で14時間撹拌した。得られた反応混合物を室温まで冷却し、セライト濾過を行い、トルエンで抽出した。トルエン層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下で溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、中間体20(4.58g)を得た。収率69%であった。
(中間体21の合成)
アルゴン雰囲気下、中間体20(4.03g)、トリフェニルホスフィン(6.97g)、o-ジクロロベンゼン(42mL)の混合物を15時間加熱還流撹拌した。反応混合物を室温まで冷却後、ヘキサンを加え析出した結晶をろ取した。得られた個体をトルエンで再結晶し、中間体21(1.44g)を得た。収率39%であった。
(化合物10の合成)
実施例3において、中間体11のかわりに中間体21を、中間体32のかわりに既知の合成法により得られた中間体36を用いたほかは実施例3と同様の操作を行い、化合物10を得た。得られた化合物はマススペクトルにて同定を行い、分子量577.18に対してm/e=577であった。
実施例11(化合物11の合成)
Figure 2015007036
実施例10において、中間体36のかわりに既知の合成法により得られた中間体37を用いたほかは実施例3と同様の操作を行い、化合物11を得た。得られた化合物はマススペクトルにて同定を行い、分子量653.21に対してm/e=653であった。
実施例12(化合物12の合成)
Figure 2015007036
実施例10において、中間体36のかわりに3−ブロモベンゾニトリルを用いたほかは実施例3と同様の操作を行い、化合物12を得た。得られた化合物はマススペクトルにて同定を行い、分子量448.12に対してm/e=448であった。
実施例13(化合物13の合成)
Figure 2015007036
実施例10において、中間体36のかわりに2−ブロモ−9,9−ジメチルフルオレンを用いたほかは実施例3と同様の操作を行い、化合物13を得た。得られた化合物はマススペクトルにて同定を行い、分子量539.19に対してm/e=539であった。
実施例14(化合物14の合成)
Figure 2015007036
Figure 2015007036
(中間体22の合成)
ジクロロメタン中、1−アミノフルオレン(500mg)、無水酢酸(10mL)、N,N−ジメチルアミノー4−ピリジン(67mg)、ピリジン(10mL)の混合物を室温で14時間撹拌した。得られた反応混合物をトルエンで抽出し、トルエン層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下で溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、中間体22(557mg)を得た。収率90%であった。
(中間体23の合成)
アルゴン雰囲気下、酢酸(220mL)と中間体22(11.45g)の混合物に臭素(4.99mL)を滴下した。反応混合物を室温で30分撹拌し、氷冷下硫酸ナトリウム水溶液を加えた。得られた結晶を濾過、再結晶を行い精製し中間体23(13.95g)を得た。収率は90%であった。
(中間体24の合成)
エタノール500mLに、中間体23(13.95g)と水酸化カリウム(12.5g)を混合し室温で48時間撹拌した。得られた反応混合物を氷冷下塩酸で中和しトルエンで抽出した。トルエン層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下で溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、中間体24(8.4g)を得た。収率70%であった。
(中間体25の合成)
中間体24(2.0g)、水40mLをフラスコに入れ、攪拌しながら濃硫酸(0.7mL)を滴下し100℃にて3時間攪拌した。得られた反応混合物を放冷後、氷水浴中にて亜硝酸ナトリウム(0.8g)の水4mL溶液を滴下し1時間攪拌を行った。この反応溶液に、反応温度を5〜6℃に保ちながら、ヨウ化カリウム(5.9g)の水10mL溶液を滴下して加え1時間攪拌した後室温に戻した。得られた反応混合物をトルエンにて抽出し、トルエン層を亜硫酸水素ナトリウム水溶液および重曹水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下で溶媒を留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、中間体25(1.57g)を得た。収率は55%であった。
(中間体26の合成)
DMSO(15mL)中、中間体25(2.7g)およびナトリウムーt−ブトキシド(770mg)を溶解させヨウ化メチル(986mL)を−30℃で滴下した。反応温度を室温まで昇温させながら10時間撹拌した。得られた反応混合物を氷冷下塩酸で中和しトルエンで抽出した。トルエン層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下で溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、中間体26(2.33g)を得た。収率は81%であった。
(中間体27の合成)
アルゴン雰囲気下中間体26(6.5g)、2−ニトロフェニルボロン酸(2.85g)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)(188mg)、トルエン(5mL)、1,2−ジメトキシエタン(5mL)、2M炭酸ナトリウム水溶液(5mL)をフラスコに仕込み、16時間加熱還流攪拌した。室温まで冷却後、水層を除去し、有機層を飽和食塩水で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた後、濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィで精製した。得られた結晶をヘキサンで再結晶し中間体27(2.06g)を得た。収率は32%であった。
(中間体28の合成)
アルゴン雰囲気下、中間体27(9.8g)、2-クロロアニリン(6.34g)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(228mg)、トリ−t−ブチルホスフィン(100mg)、ナトリウム−t−ブトキシド(3.34g)およびトルエン(120mL)の混合物を40℃にて10時間攪拌した。得られた反応混合物を室温に冷却し、セライトにて濾過をし、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー及び再結晶にて精製し、中間体28(5.59g)を得た。収率51%であった。
(中間体29の合成)
アルゴン雰囲気下、中間体28(1.78g)、酢酸パラジウム(27.2mg)、炭酸カリウム(7.5g)、トリシクロヘキシルホスフィンテトラフルオロハイドロボレート(89mg)、N,N−ジメチルアセトアミド(20mL)をフラスコに仕込み、130℃で24時間加熱撹拌した。得られた反応混合物を室温まで冷却後、トルエンを用いて抽出し、不溶物をろ別した。ろ液を減圧留去し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、中間体29(637mg)を得た。収率39%であった。
(中間体30の合成)
アルゴン雰囲気下、中間体29(3.8g)、ブロモベンゼン(1.08mL)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(172mg)、トリ−t−ブチルホスフィン(76mg)、ナトリウム−t−ブトキシド(1.26g)およびトルエン(47mL)の混合物を7時間加熱還流撹拌した。得られた反応混合物を室温に冷却し、セライトにて濾過をし、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー及び再結晶にて精製し、中間体30(3.4g)を得た。収率76%であった。
(中間体31の合成)
アルゴン雰囲気下、中間体30(3.4g)、トリフェニルホスフィン(4.64g)、o-ジクロロベンゼン(14mL)の混合物を24時間加熱還流撹拌した。反応混合物を室温まで冷却後、ヘキサンを加え析出した結晶をろ取した。得られた個体をトルエンで再結晶し、中間体31(1.08g)を得た。収率34%であった。
(化合物14の合成)
実施例3において、中間体11のかわりに中間体31を、中間体32のかわりにブロモベンゼンを用いたほかは実施例3と同様の操作を行い、化合物14を得た。得られた化合物はマススペクトルにて同定を行い、分子量524.23に対してm/e=524であった。
実施例15(化合物15の合成)
Figure 2015007036
実施例14において、ブロモベンゼンのかわりに4−ブロモビフェニルを用いたほかは実施例3と同様の操作を行い、化合物15を得た。得られた化合物はマススペクトルにて同定を行い、分子量600.26に対してm/e=600であった。
実施例16(化合物16の合成)
Figure 2015007036
実施例14において、ブロモベンゼンのかわりに4−ブロモベンゾニトリルを用いたほかは実施例3と同様の操作を行い、化合物16を得た。得られた化合物はマススペクトルにて同定を行い、分子量549.22に対してm/e=549であった。
実施例17(化合物17の合成)
Figure 2015007036
実施例14において、ブロモベンゼンのかわりに既知の合成法により得られた中間体32を用いたほかは実施例3と同様の操作を行い、化合物17を得た。得られた化合物はマススペクトルにて同定を行い、分子量679.27に対してm/e=679であった。
実施例18(化合物18の合成)
Figure 2015007036
実施例14において、ブロモベンゼンのかわりに既知の合成法により得られた中間体33を用いたほかは実施例3と同様の操作を行い、化合物18を得た。得られた化合物はマススペクトルにて同定を行い、分子量755.30に対してm/e=755であった。
実施例19(化合物19の合成)
Figure 2015007036
実施例14において、ブロモベンゼンのかわりに既知の合成法により得られた中間体36を用いたほかは実施例3と同様の操作を行い、化合物19を得た。得られた化合物はマススペクトルにて同定を行い、分子量678.28に対してm/e=678であった。
実施例20(化合物20の合成)
Figure 2015007036
実施例14において、ブロモベンゼンのかわりに既知の合成法により得られた中間体34を用いたほかは実施例3と同様の操作を行い、化合物20を得た。得られた化合物はマススペクトルにて同定を行い、分子量652.26に対してm/e=652であった。
実施例21(化合物21の合成)
Figure 2015007036
実施例14において、ブロモベンゼンのかわりに既知の合成法により得られた中間体34を用いたほかは実施例3と同様の操作を行い、化合物21を得た。得られた化合物はマススペクトルにて同定を行い、分子量728.29に対してm/e=728であった。
実施例22(化合物22の合成)
Figure 2015007036
実施例14において、ブロモベンゼンのかわりに3−ブロモフルオランテンを用いたほかは実施例3と同様の操作を行い、化合物22を得た。得られた化合物はマススペクトルにて同定を行い、分子量648.26に対してm/e=648であった。
実施例23(化合物23の合成)
Figure 2015007036
実施例14において、ブロモベンゼンのかわりに3−(3−ブロモフェニル)フルオランテンを用いたほかは実施例3と同様の操作を行い、化合物23を得た。得られた化合物はマススペクトルにて同定を行い、分子量724.29に対してm/e=724であった。
実施例24(化合物24の合成)
Figure 2015007036
実施例14において、ブロモベンゼンのかわりに2−ブロモトリフェニレンを用いたほかは実施例3と同様の操作を行い、化合物24を得た。得られた化合物はマススペクトルにて同定を行い、分子量674.27に対してm/e=674であった。
実施例25(有機EL素子の製造)
有機EL素子の支持基板として用いる、25mm×75mm×厚さ1.1mmのITO透明電極付きガラス基板(ジオマテック株式会社製)を、イソプロピルアルコール中で超音波洗浄を5分間行なった後、UVオゾン洗浄を30分間行い、ITO透明電極層表面の異物(特に素子特性に影響を及ぼす有機物)を除去した。
洗浄後の77nmの透明電極ライン付きガラス基板を、真空蒸着装置の基板ホルダーに装着し、まず、透明電極ラインが形成されている側の面上に前記透明電極を覆うようにして、正孔注入材料として下記化合物HIを蒸着し、膜厚10nmの正孔注入層を成膜した。次いで、第1正孔輸送材料として下記化合物HT1を蒸着し、膜厚50nmの第1正孔輸送層を成膜した。第1正孔輸送層の成膜に続けて、第2正孔輸送材料として下記化合物HT2を蒸着し、膜厚15nmの第2正孔輸送層を成膜した。
さらに、この第2正孔輸送層上に、第1ホスト材料として前記実施例1で得た化合物1と、第2ホスト材料として下記化合物(Host2)と、燐光発光材料として下記化合物Ir(ppy)3とを共蒸着し、膜厚30nmの燐光発光層を成膜した。発光層内における化合物1:Host2:Ir(ppy)3の質量比は47.5%:47.5%:5%であった。この共蒸着膜は発光層として機能する。
そして、この発光層の成膜に続けて、下記化合物HBを膜厚5nmで成膜した。この化合物HB膜は正孔障壁層として機能する。さらにまた、下記化合物ETを膜厚30nmで成膜した。この化合物ET膜は電子輸送層として機能する。
次に、LiFを電子注入性電極(陰極)として成膜速度0.01nm/secで成膜し、膜厚を1nmとした。最後に、LiF膜上に金属Alを蒸着させ、金属陰極を膜厚80nmで形成し有機EL素子を作製した。
以下に、実施例および比較例で使用した化合物を示す。
Figure 2015007036
Figure 2015007036
上述のプロセスにて得られた有機EL素子について、下述する評価方法で、外部量子効率(%)及び寿命(時間)を測定した。
(有機EL素子の発光特性評価)
得られた有機EL素子の室温下、直流定電流駆動(電流密度10mA/cm2)での外部量子効率(%)を輝度計(ミノルタ社製、型名:分光輝度放射計CS−1000)を用いて測定した。結果を表1に示す。
(寿命の評価)
同様に、得られた有機EL素子を室温下、直流定電流駆動で発光させ、初期輝度を5000cd/m2として、輝度が80%まで減少する時間(LT80)を測定した。結果を表1に示す。
(実施例26〜47)
素子構成を以下に示すように、A、B、又はCとし、発光層のホスト材料又は第1ホスト材料として表1に記載した化合物を用いた以外は、実施例25と同様に、それぞれ有機EL素子を作製し、上記測定を行った。結果を表1に示す。
<素子構成>
A:ITO(130nm)/HI(10nm)/HT1(50nm)/HT2(15nm)/ホスト: Ir(tpiq)2(acac) (40nm,質量比95%:5%)/HB(5nm)/ET(30nm)/LiF(1nm)/Al(80nm)
B:ITO(77nm)/HI(10nm)/HT1(50nm)/HT2(15nm)/ホスト: Ir(ppy)3 (30nm,質量比95%:5%)/HB(5nm)/ET(30nm)/LiF(1nm)/Al(80nm)
C:ITO(77nm)/HI(10nm)/HT1(50nm)/HT2(15nm)/第1ホスト:第2ホスト(Host2): Ir(ppy)3 (40nm,質量比47.5%:47.5%:5%)/HB(5nm)/ET(30nm)/LiF(1nm)/Al(80nm)
(実施例48)
素子構成をAとし、発光層のホスト材料として下記化合物25を用いた以外は、実施例25と同様に、有機EL素子を作製し、上記測定を行った。結果を表1に示す。
Figure 2015007036
(比較例1)
素子構成をAとし、発光層のホスト材料として化合物1を用いる代わりに比較化合物1を用いて発光層を形成した以外は、実施例25と同様にして有機EL素子を作製し、有機EL素子の外部量子効率と、輝度が80%まで減少する寿命(LT80)を測定した。測定結果を表1に示す。
(比較例2)
実施例25において、発光層のホスト材料として化合物1を用いる代わりに比較化合物2を用いて発光層を形成した以外は、実施例25と同様にして有機EL素子を作製し、外部量子効率と、寿命を測定した。測定結果を表1に示す。
(比較例3)
素子構成をBとし、発光層のホスト材料として化合物1を用いる代わりに比較化合物2を用いて発光層を形成した以外は、実施例25と同様にして有機EL素子を作製し、外部量子効率と、寿命を測定した。測定結果を表1に示す。
Figure 2015007036
表1の結果からわかるように、同一素子構成では、実施例25〜48と比較例1、2及び3との対比より、本発明の複素環化合物を用いた有機EL素子は、発光寿命が長くなっている。
1 有機エレクトロルミネッセンス素子
2 基板
3 陽極
4 陰極
5 発光層
6 陽極側有機薄膜層
7 陰極側有機薄膜層
10 有機薄膜層(発光ユニット)

Claims (22)

  1. 下記一般式(1)で表される複素環化合物。
    Figure 2015007036
    [一般式(1)において、A1〜A3は、それぞれ独立に、飽和または不飽和の環を表し、A1〜A3は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい。
    1〜X3は、下記一般式(2)〜(5)のいずれかで表される連結基であり、X1〜X3のうち1つまたは2つは一般式(2)で表され、残りは一般式(3)〜(5)のいずれかで表される。]
    Figure 2015007036

    [一般式(2)において、Y1は置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50のヘテロアリール基であり、
    一般式(3)において、Y2及びY3は、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を表す。Y2およびY3は、互いに結合して環構造を形成してもよい。
    1〜Y3は、A1〜A3が有する置換基と結合して環構造を形成してもよい。]
  2. 前記A1〜A3が、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の、5員環、6員環または7員環を表わす請求項1に記載の複素環化合物。
  3. 下記一般式(6)で表される請求項1または2に記載の複素環化合物。
    Figure 2015007036

    [一般式(6)において、X1〜X3は前記と同義である。
    1〜Z12は、それぞれ独立に、C(R)又は窒素原子を表す。
    Rは、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を表す。
    1〜Z12のうち複数が置換基を有する場合、該複数の置換基は互いに結合して環構造を形成してもよい。]
  4. 前記一般式(1)、(3)における置換基が、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜50のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、置換もしくは無置換の炭素数7〜51のアラルキル基、アミノ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基及び置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基から選ばれる置換基を有するモノ置換又はジ置換アミノ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルコキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基及び置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基から選ばれる置換基を有するモノ置換、ジ置換又はトリ置換シリル基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50のヘテロアリール基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のハロアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基及び置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基から選ばれる置換基を有するスルフォニル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基及び置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基から選ばれる置換基を有するジ置換ホスフォリル基、アルキルスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基、アルキルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、ホウ素含有基、亜鉛含有基、スズ含有基、ケイ素含有基、マグネシウム含有基、リチウム含有基、ヒドロキシ基、アルキル置換又はアリール置換カルボニル基、カルボキシル基、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、エポキシ基、並びにオキセタニル基から選択される請求項1〜3のいずれかに記載の複素環化合物。
  5. 前記一般式(6)におけるRが、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜50のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、置換もしくは無置換の炭素数7〜51のアラルキル基、アミノ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基及び置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基から選ばれる置換基を有するモノ置換又はジ置換アミノ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルコキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基及び置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基から選ばれる置換基を有するモノ置換、ジ置換又はトリ置換シリル基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50のヘテロアリール基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のハロアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基及び置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基から選ばれる置換基を有するスルフォニル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基及び置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基から選ばれる置換基を有するジ置換ホスフォリル基、アルキルスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基、アルキルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、ホウ素含有基、亜鉛含有基、スズ含有基、ケイ素含有基、マグネシウム含有基、リチウム含有基、ヒドロキシ基、アルキル置換又はアリール置換カルボニル基、カルボキシル基、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、エポキシ基、並びにオキセタニル基から選択される請求項3に記載の複素環化合物。
  6. 前記一般式(6)におけるRが、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜50のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、置換もしくは無置換の炭素数7〜51のアラルキル基、アミノ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基及び置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基から選ばれる置換基を有するモノ置換又はジ置換アミノ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルコキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基及び置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基から選ばれる置換基を有するモノ置換、ジ置換又はトリ置換シリル基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50のヘテロアリール基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のハロアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基及び置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基から選ばれる置換基を有するスルフォニル基、並びに置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基及び置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基から選ばれる置換基を有するジ置換ホスフォリル基から選択される請求項3に記載の複素環化合物。
  7. 前記一般式(6)におけるRが、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜50のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、置換もしくは無置換の炭素数7〜51のアラルキル基、アミノ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基及び置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基から選ばれる置換基を有するモノ置換又はジ置換アミノ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルコキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基及び置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基から選ばれる置換基を有するモノ置換、ジ置換又はトリ置換シリル基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50のヘテロアリール基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のハロアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、並びにニトロ基から選択される請求項3に記載の複素環化合物。
  8. 前記一般式(3)におけるY2およびY3が、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜50のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、及び置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50のヘテロアリール基から選択される請求項1〜7のいずれかに記載の複素環化合物。
  9. 前記X1〜X3のうち少なくとも1つが前記一般式(3)で表される請求項1〜8のいずれかに記載の複素環化合物。
  10. 前記X1〜X3のうち1つが前記一般式(2)で表され、2つが一般式(3)〜(5)のいずれかで表される請求項1〜9のいずれかに記載の複素環化合物。
  11. 前記X1〜X3のうち2つが前記一般式(2)で表され、1つが一般式(3)〜(5)のいずれかで表される請求項1〜9のいずれかに記載の複素環化合物。
  12. 前記X1〜X3のうち少なくとも1つが前記一般式(4)で表される請求項1〜11のいずれかに記載の複素環化合物。
  13. 前記一般式(6)におけるZ1〜Z12が、それぞれ独立に、C(R)である請求項3〜12のいずれかに記載の複素環化合物。
  14. 請求項1〜13のいずれかに記載の複素環化合物を含む有機エレクトロルミネッセンス素子用材料。
  15. 陰極と陽極間に少なくとも発光層を含む一層又は複数層からなる有機薄膜層が挟持されている有機エレクトロルミネッセンス素子において、該有機薄膜層の少なくとも1層が、請求項1〜13のいずれかに記載の複素環化合物を含有する有機エレクトロルミネッセンス素子。
  16. 前記発光層が前記複素環化合物を含有する請求項15に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  17. 前記陽極と前記発光層との間に、さらに陽極側有機薄膜層を有し、該陽極側有機薄膜層が前記複素環化合物を含有する請求項15又は16に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  18. 前記陰極と前記発光層との間に、さらに陰極側有機薄膜層を有し、該陰極側有機薄膜層が前記複素環化合物を含有する請求項15〜17のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  19. 前記発光層が燐光発光材料を含有する請求項15〜18のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  20. 前記発光層が蛍光発光材料を含有する請求項15〜18のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  21. 前記燐光発光材料が、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、白金(Pt)から選択される金属原子のオルトメタル化錯体である請求項19に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  22. 請求項15〜21のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を備える電子機器。
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