JP2015005919A - 撮像装置および撮像方法および撮像装置用の結像光学系 - Google Patents

撮像装置および撮像方法および撮像装置用の結像光学系 Download PDF

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Abstract

【課題】大きい被写界深度を実現できる「F値が大きい結像光学系」を用いつつも、画像の良好な復元処理が可能な撮像装置の実現を課題とする。【解決手段】球面収差を付与して被写界深度を拡大した結像光学系202と、結像光学系から入射した光を受光する撮像素子205と、撮像素子から出力された画像に復元処理を施す画像処理部206と、を有し、結像光学系により撮像素子の受光面に形成される点像分布関数が3画素以上にまたがる構成の撮像装置であって、結像光学系202は球面収差:S(mm)を有し、撮像素子のナイキスト周波数を結像光学系の回折限界周波数で除した結果であるアンダサンプリング係数:Uが約0.3以上で、画像処理部206は、画像処理フィルタとして、m?nのタップ係数をもつ有限サイズのFIRフィルタを用いて復元処理を行うもので、N=min(m,n)で定義されるNが球面収差:Sに対し、条件:(A)N≧5.5?S+11 を満足することを特徴とする。【選択図】図1

Description

この発明は、撮像装置および撮像方法および撮像装置用の結像光学系に関する。
CCD(Charge Coupled Device)は撮像素子(以下「画像センサ」と言う。)として、広く知られている。
同様に、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)も画像センサとして広く知られている。
これらCCDやCMOS等の画像センサを用いる撮像装置において、撮像すべき被写体の像を形成する結像光学系を、画像処理を前提として設計することが知られている。
画像処理を前提として結像光学系を設計し、結像光学系で得られた画像を復元処理により復元する。
この手法によれば「通常の結像光学系では実現できない効果」の実現が可能となる。
例えば、球面収差を付与する波面変調素子(位相板)により結像光束を分散し、画像センサで得られる画像に対して「デジタル処理による復元処理」を施す。
このようにすると「被写界深度の深い画像撮影」が可能になる。
このような復元処理には、一般にデジタルのFIRフィルタが使用される。
デジタルのFIRフィルタは「m×nのタップ係数の配列による係数ブロック」で構成され、これを画像にコンボリューションすることによって復元処理が行われる。
FIRフィルタのサイズ(m、n)は、大きいほど復元の精度が高い。
しかし、フィルタサイズが大きいほど「計算コストも高くなる」ので、一般的な画像処理システムでは「サイズの小さいFIRフィルタ」が用いられている。
通常は、線像分布関数:LSF(line spread function)の「ピーク値の1/10になる範囲」をカバーできるサイズのFIRフィルタであれば十分に機能する。
被写界深度は「結像光学系に付与される球面収差量」が大きいほど深くなる。
このような結像光学系では、付与される球面収差の増大に連れて、そのF値(Fナンバ)が大きくなる。
F値が増大すると、LSFのピーク値の1/10以下となる裾野部分が拡大し、上記サイズのFIRフィルタでは「MTFの低周波成分の復元」が困難になる。
この発明は、大きい被写界深度を実現できる「F値が大きい結像光学系」を用いつつも、画像の良好な復元処理が可能な撮像装置の実現を課題とする。
この発明の撮像装置は、球面収差を付与して被写界深度を拡大した結像光学系と、前記結像光学系から入射した光を受光する撮像素子と、前記撮像素子から出力された画像に復元処理を施す画像処理部と、を有し、前記結像光学系により撮像素子の受光面に形成される点像分布関数が3画素以上に跨るように構成された撮像装置において、結像光学系は、球面収差:S(mm)を有し、撮像素子のナイキスト周波数を結像光学系の回折限界周波数で除した値であるアンダサンプリング係数:Uが約0.3以上であり、画像処理部は、画像処理フィルタとして、m×nのタップ係数をもつ有限サイズのFIRフィルタを用いて復元処理を行うものであり、N=min(m,n)で定義されるNが、前記球面収差:Sに対して、条件:
(A) N≧5.5×S+11
を満足することを特徴とする。
この発明によれば、大きい被写界深度を実現できる「F値が大きい結像光学系」を用いつつも、画像の良好な復元処理が可能な撮像装置を実現できる。
撮像装置の実施の1形態を説明するための図である。 実施例光学系1〜4に共通したレンズ構成を例示する図である。 実施例光学系1の縦収差図である。 実施例光学系1のLSF(Line Spread Function)を示す図である。 実施例1で復元処理を行ったときのMTFの1例を示す図である。 図5の復元処理に用いた画像処理フィルタの係数を示す図である。 実施例1で復元処理を行ったときのMTFの別例を示す図である。 図7の復元処理に用いた画像処理フィルタの係数を示す図である。 実施例1で復元処理を行ったときのMTFの他の例を示す図である。 図9の復元処理に用いた画像処理フィルタの係数を示す図である。 実施例光学系2の縦収差図である。 実施例2で復元処理を行ったときのMTFの1例を示す図である。 実施例2で復元処理を行ったときのMTFの別例を示す図である。 実施例2で復元処理を行ったときのMTFの他の例を示す図である。 実施例光学系3の縦収差図である。 実施例3で復元処理を行ったときのMTFの1例を示す図である。 実施例3で復元処理を行ったときのMTFの別例を示す図である。 実施例3で復元処理を行ったときのMTFの他の例を示す図である。 実施例光学系4の縦収差図である。 実施例4で復元処理を行ったときのMTFの1例を示す図である。 実施例4で復元処理を行ったときのMTFの別例を示す図である。 実施例4で復元処理を行ったときのMTFの他の例を示す図である。 条件(A)、(A1)を説明するための図である。
以下、実施の形態を説明する。
図1は、撮像装置の実施の1形態を説明するための図である。
図1の撮像装置は、結像光学系202と、撮像素子である画像センサ205と、画像処理部206を有し、被写体201の撮像を行うものである。
被写体201は、例えばバーコードや2次元コード、あるいは文字列等であることができる。この場合、撮像装置は「コードや文字列を読取るための読取装置」である。
被写体201はまた、製品検査の対象となる「製造された製品」であることができ、この場合の撮像装置は「検査用カメラ装置」として実施することができる。
コードや文字列を読取るための読取装置や、検査用カメラ装置では、被写体201と結像光学系202との距離(被写体距離)が変動し易い。
被写体位置が「結像光学系202による画像センサ205の受光面と共役な位置」に合致するときがピントの合った状態である。
結像光学系202の被写界深度が浅いと、画像センサ205が読取る画像の「ピントのボケ」が、被写界距離の変動により大きく変動しやすい。
このため、読取装置や検査用カメラとして用いられる撮像装置における結像光学系202は「被写界深度が大きい」ものであることが好ましい。
結像光学系202は「1枚以上のレンズで構成された結像機能を持つ光学系」であり、被写界深度を大きくするために、球面収差を意図的に付与されている。
結像光学系202は、絞り204の近傍に位相板203が配置されており、この位相板203が「被写界深度の拡大のための収差」を発生させるためのものである。
この位相板203により、画像センサ205の受光面に形成されるPSF(point spread function)が3画素以上に跨って広がるように結像光束を拡散させる。
なお、上述の「LSF」は、PSFを「その変数(ξ、η)の一方について積分」したものである。
結像光学系202により、被写体201の像を画像センサ205の受光面上に結像させる。
説明中の実施の形態においては、位相板203を用いて収差を制御しているが、収差の制御には、必ずしも位相板を用いる必要はない。
例えば、特許文献2には「位相板を用いずに被写界深度を拡大した撮像システム」が開示されており、この発明の撮像装置は、このような形態にも適用できる。
画像センサ205としては、CCD、CMOS等の画像センサなど「一般的な固体撮像素子」を使用できる。
画像センサ205からは画像データが出力され、出力された画像データは画像処理部206へと入力される。
この画像データにより表される画像に対して復元処理が行われる。
すなわち、画像処理部206で「位相板203で拡散されたPSFを復元する処理」が行われる。
画像処理部206としては、コンピュータや、FPGA(Field Programmable Gate Array)のような集積回路を用いることができる。
画像処理は、前者であれば「ソフトウェアによる処理」で、後者であれば「ハードウェア処理」で行うことができる。
以下、結像光学系202と、画像の復元の具体例を説明する。
以下には、結像光学系の具体的な例を4例挙げる。これらを実施例光学系1〜4と称する。実施例光学系1〜4は何れも「レンズの構成としては同一」である。
これら実施例光学系1〜4と、後述する実施例画像センサとを用いる撮像装置を実施例1〜4と称する。
図2は、実施例光学系1〜4に共通したレンズ構成を例示する図である。
図2において左方が物体側(即ち被写体側)であり、右方が像側(即ち撮像素子側)である。図において符号L1〜L3、L5〜L7はレンズ、符号Sは絞りを示す。
また、符号ISは「撮像素子の受光面」を示し、実施例光学系の像面である。
符号L4は「被写界深度を拡大させるための収差」を発生させる位相板を示す。
即ち、実施例光学系1〜4は何れも、位相板L4も含めて7枚構成であり、絞りSの面は、物体側から数えて第9面となっている。
位相板L4は、結像光学系に球面収差を意図的に付与するためのものである。
被写界深度を拡大する光学系では、このように「球面収差を付与する位相板を絞りの近傍に配置」する構成が一般的である。
レンズL1〜L3、L5〜L7、位相板L4、絞りSの配置は図2の如くである。
即ち、被写体側から撮像素子側へ向かって順次、第1レンズL1ないし第3レンズL3、位相板L4、絞りS、第4レンズL5ないし第6レンズL7が配置されている。
第1レンズL1、第2レンズL2、第5レンズL6および第6レンズL7は「正の屈折力」を有し、第3レンズL3と第4レンズL5は「負の屈折力」を有する。
位相板L4は「球面収差を増大」させて被写界深度を拡大させる。位相板L4の像側の面(第8面)が「非球面形状の位相変調面」になっている。
「実施例光学系1」
実施例光学系1のデータを表1に示す。
Figure 2015005919
表1において、「Type」は「面の形状」、「STANDARD」は面の形状が「通常の球面または平面」であることを意味する。
また「ASPHERE」は面の形状が「非球面形状」であることを意味する。
「Curvature」は面の曲率で、その逆数が曲率半径である。なお、曲率は、非球面にあっては「近軸曲率」である。
「Thickness」は面間隔を意味する。
「Glass」は硝材(商品名)を意味し、「Semi-Diameter」は各面の有効半径である。長さの次元を持つ量の単位は「mm」である。
上記表記において例えば「-1.75E-02」は「-1.75×10-2」を意味する。
表1から明らかなように、位相板L4の「絞りSの側の面のみ」が非球面である。
実施例光学系2の第8面(位相板L4の像側面)の非球面を特定するデータ(非球面データ)を表2に示す。
Figure 2015005919
表2で「Surf」は非球面が形成された面番号、「Normalized Radius」は正規化基準円半径である。
「非球面の形状」は次式で示す多項式(2)で表している。
Z=Σa(|h/r|) n=2〜10 (2)
この式で「a」はn次の非球面係数、「h」は中心からの距離、rは「正規化基準円半径」である。
図3に実施例光学系1の縦収差図を示す。
位相板の効果で球面収差が出ていることが分かる。中心部分から周辺部分にかけて、約1.2mmの球面収差が生じている。この影響でPSFは大きく広がることになる。
図3の縦収差図は、波長:656nm、588nm、286nmについて描かれており、右から左に向かって波長:656nm、588nm、286nmの順である。
図4に実施例光学系1のLSF(Line Spread Function 線像分布関数)を示す。
図4に示すLSFは「±80μm程度の広がり」を持っている。
この発明では、広がったPSFに対して画像処理部206で復元処理を行ない、補正する処理を行う。
画像の復元処理には、画像処理フィルタとして、一般的な「逆フィルタ」や「ウィーナフィルタ」による逆変換処理を用いることができる。
説明中の実施例では「ウィーナフィルタを利用した画像処理」を行う。
ウィーナフィルタは一般的な画像処理フィルタであり、例えば、非特許文献1などに詳しく記載されている。
ウィーナフィルタは、次の(3)式で表される。
R(ω)=H(ω)/[|H(ω)|+{W(ω)/S(ω)}] (3)
R(ω):画像処理フィルタ
H(ω):結像光学系のOTF
(ω):Hの複素共役量
S(ω):被写体のパワースペクトル
W(ω):センサ固有のノイズのパワースペクトル
ω:空間周波数 。
「理想のウィーナフィルタ」は無限大のサイズを必要とし、実装するハードウェアに非常に大きなデジタルフィルタを必要とする。
そのため、実際には、有限サイズで比較的小サイズの「デジタルのFIRフィルタ」を画像処理フィルタとして使用するのが一般的である。
原理的には、上記ウィーナフィルタを画像処理フィルタとして用いれば良いが、ウィーナフィルタは「空間周波数を変数とするフィルタ」であり、演算が複雑化しやすい。
それで、以下の実施例においては、画像処理フィルタとして「ウィーナフィルタをフーリエ変換したカーネルフィルタ」による画像処理を説明する。
カーネルフィルタは、実空間座標を変数とするものであり、演算が容易である。
具体的には、例えば「21×21のタップ係数を持ったカーネルフィルタ(FIRフィルタ)」で、撮像素子から得られた画像に対するコンボリューション処理を行なう。
前述の如く、通常のタップサイズは「LSFの強度がMAX値の1/10程度になる範囲」をセンサ上でカバーできる2次元的なサイズにすれば十分であるとされている。
この実施例および以下の実施例においては一貫して、撮像素子205として以下のスペックの画像センサ(「実施例画像センサ」と言う。)を使用することにする。
サイズ:1/1.8インチ
画素ピッチ:4.4μm
ナイキスト周波数:113cycle/mm
以下の説明において、画像処理フィルタである「有限サイズのFIRフィルタ」の例を説明する。
このFIRフィルタは、(3)式により定義されるウィーナフィルタを利用したカーネルフィルタである。
上記の如く、カーネルフィルタはウィーナフィルタをフーリエ変換して得られる。
実施例光学系1と実施例画像センサを用いて撮像した画像に対して、(3)式に基づいて設計された「27×27サイズのカーネルフィルタ」を用いて復元処理を行った。
このときのMTFを図5に示す。
図5の横軸は「mmあたりの空間周波数」、縦軸はMTFである。
図5において破線で示された曲線が「実施例光学系1のMTF」であり、実線で描かれた曲線が「画像処理で復元された画像のMTF」である。
画像処理による復元で「MTFが持ち上げられ」て、きわめて良好な復元がなされていることが分かる。
この復元処理に用いた「27×27のタップ係数をもつカーネルフィルタ」の係数の配列を図6に示す。
このカーネルフィルタは回転対称なので「実際に使用する画像処理フィルタの1/4の部分」のみを記している。
図6の「左端の列の最下に位置している係数」がフィルタの中心の係数である。
また、図7には「19×19サイズのカーネルフィルタ」を用いて、画像の復元処理を行ったときのMTFを、図5に倣って示す。
このときの「カーネルフィルタの係数の配列」を、図6に倣って図8に示す。復元処理は良好に行われている。
図9には「7×7サイズのカーネルフィルタ」を用いて、画像の復元処理を行ったときのMTFを、図5に倣って示す。
このときの「カーネルフィルタの係数の配列」を、図6に倣って図10に示す。
ここで、図4に示した「LSF」を見ると、中心のピークの強度(MAX値)を1としたときに、中心から略15μm離れたところで強度が0.1になる。
従って「LSFの強度がMAX値の1/10程度になる範囲」を画像センサ上でカバーできるためには「30μm四方をカバーできるフィルタサイズ」にすればよい。
実施例画像センサの画素ピッチは4.4μmであるから、7×7サイズの画像処理フィルタを使用すれば、一般的には良いことになる。
しかし、実際に、図10に示す「7×7サイズの画像処理フィルタ」を使用したときの画像処理後のMTFは、図9に実線で示す曲線の如くである。
図9から分かるように、「7×7サイズの画像処理フィルタ」を使用しても、低周波数のMTFが全く復元されていないことが分かる。
このように、実施例1では「LSFの強度がMAX値の1/10程度になる範囲」を画像センサ上でカバーできる小さなサイズの画像処理フィルタでは全く対応できない。
これは、意図的に球面収差を付与された結像光学系によるLSFの広がりが、通常の結像光学系とは全く異なる(通常の結像光学系の場合よりも大きい)ことに起因する。
特に「F値が大きい暗い結像光学系ではLSFの広がりが大きくなる場合が多い」のでこの点が顕著になる。
実施例光学系1のF値は約6である。
一方で「27×27サイズの画像処理フィルタ」を使用した場合には、図5に示すように「MTFを十分に復元」できている。
ナイキスト周波数の1/10の周波数(「1/10ナイキスト周波数」と言う。)でも、画像処理後のMTFが0.9以上ある。
フィルタサイズが19×19のときは「1/10ナイキスト周波数(ナイキスト周波数の1/10)でMTFが0.85程度」である。
一般に、1/10ナイキスト周波数でのMTFが0.8程度を下回ると、全体的にコントラストが低い画像になってしまう。
この点を鑑みると、実施例光学系1と前記実施例画像センサを用いて撮像した画像の復元を良好に行いうる画像処理フィルタのサイズ(m×n)は以下の如くになる。
即ち、mとnとのうちの小さい方(=min(m,n))が17以上であればよい。
mとnの小さい方が17よりも小さくなると、1/10ナイキスト周波数でのMTFが0.8を下回って「全体的にコントラストが低い復元画像」になってしまう。
「実施例光学系2」
実施例光学系2のデータを表1に倣って表3に示す。
Figure 2015005919
実施例光学系2の非球面データを表2に倣って表4に示す。
Figure 2015005919
図11は、実施例光学系2の縦収差図を図3に倣って描いた図である。
実施例光学系2と実施例画像センサを用いて撮像した画像に対し、(3)式に基づいて設計された「33×33サイズのカーネルフィルタ」で画像の復元処理を行った。
このときのMTFを、図5に倣って図12に示す。破線の曲線が「実施例光学系2のMTF」、実線の曲線が「画像処理で復元された画像のMTF」である。
同様に、実施例光学系2と実施例画像センサを使用して撮像した画像に対して「23×23サイズのカーネルフィルタ」を用いて、画像の復元処理を行った。
このときのMTFを、図5に倣って図13に示す。
また、実施例光学系2と実施例画像センサを使用して撮像した画像に対して「11×11サイズのカーネルフィルタ」を用いて、画像の復元処理を行った。
このときのMTFを、図5に倣って図14に示す。
「実施例光学系3」
実施例光学系3のデータを表1に倣って表5に示す。
Figure 2015005919
実施例光学系3の非球面データを表2に倣って表6に示す。
Figure 2015005919
図15に、実施例光学系3の縦収差図を図3に倣って示す。
実施例光学系3と実施例画像センサを使用して撮像した画像に対し、(3)式に基づいて設計された「41×41サイズのカーネルフィルタ」で画像の復元処理を行った。
このときのMTFを、図5に倣って図16に示す。
同様に、実施例光学系3と実施例画像センサを使用して撮像した画像に対して「29×29サイズのカーネルフィルタ」を用いて、画像の復元処理を行った。
このときのMTFを、図5に倣って図17に示す。
また、実施例光学系3と実施例画像センサを使用して撮像した画像に対して「9×9サイズのカーネルフィルタ」を用いて、画像の復元処理を行った。
このときのMTFを、図5に倣って図18に示す。
「実施例光学系4」
実施例光学系4のデータを表1に倣って表7に示す。
Figure 2015005919
実施例光学系4の非球面データを表2に倣って表8に示す。
Figure 2015005919
図19に、実施例光学系4の縦収差図を図3に倣って示す。
実施例光学系4と実施例画像センサを使用して撮像した画像に対し、(3)式に基づいて設計された「51×51サイズのカーネルフィルタ」で画像の復元処理を行った。
このときのMTFを、図5に倣って図20に示す。
同様に、実施例光学系4と実施例画像センサを使用して撮像した画像に対して「35×35サイズのカーネルフィルタ」を用いて、画像の復元処理を行った。
このときのMTFを、図5に倣って図21に示す。
また、実施例光学系4と実施例画像センサを使用して撮像した画像に対して「11×11サイズのカーネルフィルタ」を用いて、画像の復元処理を行った。
このときのMTFを、図5に倣って図22に示す。
上に示した「実施例光学系1〜4と実施例画像センサの組み合わせ」である実施例1〜4における「MTFと画像処理フィルタのサイズ」を見ると以下のようになる。
実施例1において「27×27サイズの画像処理フィルタ」では画像復元は極めて良好で、「19×19サイズの画像処理フィルタ」でも良好な画像復元が可能である。
実施例2において「33×33サイズの画像処理フィルタ」では画像復元は極めて良好で、「23×23サイズの画像処理フィルタ」でも良好な画像復元が可能である。
実施例3において「41×41サイズの画像処理フィルタ」では画像復元は極めて良好で、「29×29サイズの画像処理フィルタ」でも良好な画像復元が可能である。
実施例4において「51×51サイズの画像処理フィルタ」では画像復元は極めて良好で、「35×35サイズの画像処理フィルタ」でも良好な画像復元が可能である。
実施例1〜4に用いられる実施例光学系1〜4の「球面収差」は、各縦収差の図から以下の値であることが分かる。
即ち、実施例光学系1で略1.2mm、実施例光学系2で略1.6mm、実施例光学系3で略2.7mm、実施例光学系4で略4mmである。
F値は、実施例光学系1〜4においてそれぞれ略6、略8、略9、略11である。
実施例光学系1〜4の順で、球面収差が大きくなり、それに対応してF値が大きくなり、良好な画像復元に必要な画像処理フィルタのサイズも大きくなっている。
これら球面収差と、各実施例において「良好な画像復元が実現された画像処理フィルタのサイズ」との間には一定の関係があることが発明者により見出された。
図23は、実施例1〜4において、実施例光学系の波面収差を横軸に、「良好な画像復元を可能とする画像処理フィルタのサイズ」を縦軸にとってプロットしたものである。
即ち、実施例光学系1〜4の波面収差は、上記の如く略1.2mm、略1.6mm、略2.7mm、略4mmであって、これらが横軸(x軸)における値である。
実施例1〜4に用いられる画像処理フィルタにおいて「良好な画像復元を可能とするフィルタサイズ」は19、23、29、35でありこれらが縦軸(y軸)の値である。
図23から明らかなように、実施例光学系1〜4の波面収差(x)と「良好な画像復元を可能とする画像処理フィルタのサイズ(y)」との間には直線的な比例関係がある。
図23に示された「直線」の方程式は、次の(a0)式のようになる。
(a0) y≒5.5x+13 。
即ち、結像光学系の波面収差:xに応じて、(a0)式を満足する「y」をサイズとする画像処理フィルタを用いれば「良好な画像復元」を行うことができる。
そして、yの値が、
(a1) y≧5.5x+13
を満足する領域で、大きくなるほど画像復元はますます良好になる。
上に説明した実施例1〜4では、画像処理フィルタとして「正方行列」状のフィルタが用いられている。画像処理フィルタは正方行列状に限らない。
即ち、サイズ(m×n)において、m≠nであってもよい。
この場合には「mとnとのうちで小さい方」をNとして以下のように定義する。
N=min(m,n)
そして、このように定義されるNが、条件(A1)を満足するようにする。
(A1) N≧5.5x+13
条件(A1)を満足するNにより、画像処理フィルタのサイズを設定すれば良好な画像復元が可能である。
実施例1で説明したように、画像処理フィルタのサイズは「17×17」でも「実用上許容できるレベルの画像復元」が可能である。
この点を考慮すると「実用上許容できるレベルの画像復元」を可能とする画像処理フィルタのサイズ:Nは、以下の条件(A)を満足すればよいと考えられる。
(A) N≧5.5x+11 。
以下に、アンダサンプリング係数:Uに関する条件を説明する。
この発明の撮像装置は、アンダサンプリング係数:Uが約0.3以上であることが特徴の一端をなしている。
アンダサンプリング係数:Uは、撮像素子(画像センサ)のナイキスト周波数:Nc、結像光学系の回折限界周波数:νGにより「Nc/νG」で定義される。
回折限界周波数は「結像光学系のF値」により規定され、F値が大きいほど回折限界周波数は小さい値になる。
例えばF値が6(実施例光学系1)の場合には約303となる。
従って、アンダサンプリング係数:Uは、実施例1においては、113/303=0.37となる。
実施例光学系2〜4では、F値は上記の如く、略8、略9、略11と増大するので、アンダサンプリング係数:Uは、実施例2〜4の順に増大する。
従来、アンダサンプリング係数:Uが0.3以上の領域で、実用上許容できるレベルの画像復元を行った例は知られていない。
この発明の撮像装置は、アンダサンプリング係数:Uが0.3以上となる場合においても、良好に実施することができる。
上に説明した実施例1〜4の撮像装置は何れも、結像光学系202と、撮像素子205と、画像処理部206を有する。
結像光学系202は、球面収差を付与して被写界深度を拡大したものである。
撮像素子205は、結像光学系202から入射した光を受光する。
画像処理部206は、撮像素子205から出力された画像に復元処理を施す。
結像光学系202により撮像素子205の受光面に形成される点像分布関数が、3画素以上に跨るように構成されている。
結像光学系202は、球面収差:S(mm)を有する。
そして、撮像素子205のナイキスト周波数を結像光学系202の回折限界周波数で除した値であるアンダサンプリング係数:Uが約0.3以上である。
画像処理部205は、画像処理フィルタとして、m×nのタップ係数をもつ有限サイズのFIRフィルタを用いて復元処理を行うものである。
そして、N=min(m,n)で定義されるNが、前記球面収差:Sに対して条件:
(A) N≧5.5×S+11
を満足する。
また、実施例1〜4の撮像装置において、フィルタサイズ:Nが、条件(A1)を満足する画像処理フィルタにより「良好な画像復元」を実現している。
また、実施例1〜4に用いられる実施例光学系1〜4は、F値が6以上である。
実施例1〜4において、画像処理部206による画像復元は以下のように行われている。
即ち、結像光学系202で撮影された画像が、撮像素子205の1/10ナイキスト周波数における実質的なMTF特性が0.8以上となるように復元される。
また、実施例1〜4において用いられている画像処理フィルタは、有限サイズのFIRフィルタであってカーネルフィルタである。
実施例1〜4に用いられた実施例光学系1〜4は、被写体側から撮像素子側へ向かって順次、第1〜第3レンズ、位相板、絞り、第4〜第6レンズを配してなる。
第1レンズL1及び第2レンズL2、第5レンズL6および第6レンズL7は正レンズ、第3レンズL3及び第4レンズL5は負レンズである。
そして、位相板L4により球面収差を増大させる。
また、実施例光学系1〜4は何れも、F値が6以上である。
また、実施例1〜4の撮像装置により「球面収差を付与して被写界深度を拡大した結像光学系により形成される被写体の像を撮像素子により撮像し、撮像素子から出力された画像に対して画像処理部により復元処理を施す撮像方法」が実施される。
201 被写体
202 結像光学系
203 位相板
204 絞り
205 撮像素子(画像センサ)
206 画像処理部
特開2010−164973号公報 特開2010−213274号公報
田村秀行「コンピュータ画像処理」

Claims (8)

  1. 球面収差を付与して被写界深度を拡大した結像光学系と、
    前記結像光学系から入射した光を受光する撮像素子と、
    前記撮像素子から出力された画像に復元処理を施す画像処理部と、を有し、
    前記結像光学系により撮像素子の受光面に形成される点像分布関数が3画素以上に跨るように構成された撮像装置において、
    結像光学系は、球面収差:S(mm)を有し、
    撮像素子のナイキスト周波数を結像光学系の回折限界周波数で除した値であるアンダサンプリング係数:Uが約0.3以上であり、
    画像処理部は、画像処理フィルタとして、m×nのタップ係数をもつ有限サイズのFIRフィルタを用いて復元処理を行うものであり、
    N=min(m,n)
    で定義されるNが、前記球面収差:Sに対して、条件:
    (A) N≧5.5×S+11
    を満足することを特徴とする撮像装置。
  2. 請求項1記載の撮像装置において、
    Nと球面収差:Sが、条件:
    (A1) N≧5.5×S+13
    を満足することを特徴とする撮像装置。
  3. 請求項1または2記載の撮像装置において、
    結像光学系のF値が6以上であることを特徴とする撮像装置。
  4. 請求項3記載の撮像装置において、
    結像光学系で撮影された画像が、撮像素子の1/10ナイキスト周波数における実質的なMTF特性が0.8以上となるように、画像処理部により復元されることを特徴とする撮像装置。
  5. 請求項1〜4の任意の1に記載の撮像装置において、
    有限サイズのFIRフィルタがウィーナフィルタを利用したカーネルフィルタであることを特徴とする撮像装置。
  6. 請求項1〜5の任意の1に記載の撮像装置に用いられる結像光学系であって、
    被写体側から撮像素子側へ向かって順次、正の第1レンズ、正の第2レンズ、負の第3レンズ、位相板、絞り、負の第4レンズ、正の第5レンズ、正の第6レンズを配してなり、前記位相板により球面収差を増大させるものであることを特徴とする撮像装置用の結像光学系。
  7. 請求項6記載の撮像装置用の結像光学系において、
    F値が6以上であることを特徴とする撮像装置用の結像光学系。
  8. 球面収差を付与して被写界深度を拡大した結像光学系により形成される被写体の像を撮像素子により撮像し、前記撮像そしから出力された画像に対して画像処理部により復元処理を施す撮像方法であって、
    請求項1〜5の任意の1に記載の撮像装置を用いて実施することを特徴とする撮像方法。
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