以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
・第1実施の形態
図1は、本実施の形態の無線データ通信システムとしての無線テレメータシステムにおける概略構成を示すブロック図である。
図1において、ホストコンピュータ1に接続されたセンタ側網制御装置2と、このセンタ側網制御装置2と電話回線3等の通信回線を介して接続された無線親機4と、この無線親機4と無線回線を介して無線通信を行う複数の無線子機5と、無線親機4および無線子機5に接続されたガスメータ,水道メータ,電気メータ等のメータ6とによって構成されている。尚、無線親機4と無線子機5とを総称して無線機器と言う場合もある。
図2に、上記無線親機4のブロック図を示す。無線親機4は、アンテナ7と、このアンテナ7に接続されて相手局と無線通信を行うための無線通信ユニット8と、この無線通信ユニット8を制御することにより上記無線通信を制御する制御部9と、メータ6と接続するためのメータインターフェース部10と、自己の無線局の識別符号(呼出名称)およびユーザID(identification)等を記憶する自局ID記憶部11と、相手局(通信相手)の識別符号(呼出名称)およびユーザID等を記憶する相手局ID記憶部12と、相手局登録時に使用する縁組スイッチ13と、各種動作状態を表示する上記報知部の一例である表示ランプ14とを有している。
上記無線親機4は、さらに電話回線と接続するための回線制御部16を有している。また、回線制御部16に換えて、PHS(Personal Handy-phone System)網やFOMA(NTTドコモの登録商標:Freedom Of Mobile multimedia Access)網やDOPA(NTTドコモの登録商標:Docomo Packet)網等の移動体電話網に接続する機器を有する場合もある。さらに、電源制御部15および機器をハードリセットするためのリセットスイッチ17を有している。
尚、上記制御部9は、無線通信ユニット8に加えて、他の各部をも制御して、後に詳述するように縁組待機処理やそれに続く縁組処理をも行う。
図3は、上記無線親機4と無線子機5とがこの発明に係る無線通信を利用して縁組を行なう際のシーケンス図を示し、図6は、無線親機4が縁組スイッチ13の押し方によって縁組動作に入っていく際のフローチャートである。
また、図4は、縁組時に上記無線子機5から送信される縁組要求電文の内容を示す。同様に、図5は、無線親機4から送信される縁組応答電文の内容を示す。何れの電文の場合でも、電文の先頭には電文の始まりを示すプリアンブル18,21が付く。これは、FSK(Frequency Shift Keying:周波数偏移変調)信号の各ビットにおけるマーク(低い周波数)を表す“1”とスペース(高い周波数)を表す“0”とを交互に並べたものである。プリアンブル18,21は、通常は10ビット以上で構成され、受信側の同期合わせの役目を有している。
次に、無線電文のヘッダである無線用ヘッダ19,22が続く。この無線用ヘッダ19,22は、ビット同期,フレーム同期および送信元の識別符号等で構成される。次に、電文の内容であるデータ20,23が続く。このデータ20,23は、縁組ID,送信先識別符号および縁組目的内容等の電文で構成される。これらの電文は、低速通信の場合には全電文が同じ変調速度で送信される。
図3において、上記無線親機4は、(a)で、縁組スイッチ13が押下げられることによって、縁組状態に遷移していく。(b),(c)で、縁組スイッチ13が押下げられている時間tによって、表示ランプ14の点滅・点灯・色等の表示形態の制御が、制御部9によって行われる。そして、(d)で、無線親機4が縁組待機状態に入り、その後は、無線子機5からの電波を受信できる態勢にしておく。
次に、上記無線子機5は、(e)でのボタン押下等の外部トリガにより、(f)で、図4に示すようなフォーマットの縁組要求電文を送信する。
次に、上記無線親機4は、この縁組要求電文を受信すると、制御部9によって電文内容を分析して登録の可否を判断する。そして、登録に値する無線子機5からの縁組要求電文であると判断した場合には、(g)で、相手局ID記憶部12に、受信した縁組要求電文を送信した無線子機5の識別符号およびユーザID等を記憶することにより、縁組登録を行う。そして、(h)で、当該無線子機5に対して、自局IDを付加した図5に示すようなフォーマットの縁組応答電文を送信する。
次に、上記無線子機5は、この縁組応答電文を受信すると、電文内容を分析して登録の可否を判断し、登録に値する内容の縁組応答電文であると判断した場合には、(i)で、子機側の相手局ID記憶部に、無線親機4の識別符号およびユーザID等を記憶することにより、縁組登録を行う。そして、縁組登録成功を子機側の表示ランプに表示する。尚、無線親機4から縁組応答電文が来ない場合や、受信した縁組応答電文が正規の電文では無い場合には、縁組NGを子機側の表示ランプに表示する。
また、上記無線親機4側においても同様に、(f)で受信した無線子機5からの縁組要求電文が正規外の電文である場合には、縁組NGを自身の表示ランプ14に表示する。
以下、図6にしたがって、図3の(a)〜(d)で無線親機4によって実行される縁組スイッチ13の押下げ時間tに応じた縁組待機動作について説明する。
本無線テレメータシステムにおいては、上記無線親機4および無線子機5は共に割当可能な複数の無線周波数チャンネルを有している。その場合に、市場に設置されている多種の無線装置と無線周波数が重ならないように無線周波数チャンネルが設定されている。また、無線通信ユニット8は、上記複数の無線周波数チャンネルを送受信できるように設計され、短い時間周期でチャンネル受信を切り替えることが可能になっている。但し、縁組に使用される上記縁組要求電文および縁組応答電文におけるプリアンブル18,21の長さは決められた長さである。そのために、短時間間隔で順次周波数をスキャンする場合には、スキャンする周波数チャンネル数に制限がある。
そこで、本実施の形態においては、上記割当可能な複数の無線周波数チャンネルを、複数の群に分けている。例えば、n個の周波数チャンネルがある場合には、2つの周波数群であるA群とB群とに分けたり、3つの周波数群であるA群とB群とC群とに分けたりする。一方、縁組スイッチ13の押下げ時間には、上記分けられた無線周波数チャンネル群の数と同数の時間帯を設定する。そして、この分けた周波数チャンネル群の夫々を、上記設定された縁組スイッチ13の押下げ時間帯の何れか一つに割り当てると共に、縁組スイッチ13の押下げ時間帯の夫々に、表示ランプ14の表示形態(1回点滅,連続点灯,連続点滅等)の何れか一つを割り当てる。そして、上記分けられた周波数チャンネル群と縁組スイッチ13の押下げ時間帯と表示ランプ14の表示形態との対応付けを、制御部9の記憶部9aに記憶しておく。こうすることによって、無線親機4の縁組待機モードを縁組スイッチ13の押下げ時間tによって設定することが可能になっているのである。
図6は、上記無線親機4の制御部9によって実行される縁組待機処理動作のフローチャートを示す。但し、このフローチャートでは、上記割当可能な複数の無線周波数チャンネルを2つの周波数群(A群,B群)に分ける一方、縁組スイッチ13の押し下げ時間帯Tを「0.5秒≦T<5秒」と「5秒≦T」とに設定している。以下、図6にしたがって、縁組待機動作について詳細に説明する。
先ず、ステップS1で、上記縁組スイッチ13が押し下げられる。ステップS2で、制御部9によって、縁組スイッチ13の押し下げが認識されて、上記計時部の一例としてのタイマーカウンター(図示せず)がスタートされる。こうして、縁組スイッチ13の押し下げ時間tの計時が開始される。ステップS3で、縁組スイッチ13からの信号に基づいて、縁組スイッチ13が押し上げられたか否かが判別される。その結果、押し上げられていればステップS4に進み、そうでなければステップS5に進む。ステップS4で、上記ステップS2において上記タイマーカウンターがスタートされてからの経過時間が0.5秒未満であるか否かが判別される。その結果、0.5秒未満であれば、0.5秒が経過する前に縁組スイッチ13が押し上げられたので、縁組スイッチ13の動作は無効であると判断されてスタンバイモードとなる。こうして、次に縁組スイッチ13が押し下げられるのを待つ。これに対し、0.5秒未満でなければ、ステップS5に進む。
ステップS5で、上記タイマーカウンターのカウント結果に基づいて、上記ステップS2において上記タイマーカウンターがスタートされてから、0.5秒以上が経過したか否かが判別される。その結果、0.5秒以上が経過していればステップS6に進み、そうでなければ上記ステップS3にリターンする。ステップS6で、表示ランプ14が1回点滅されて「A群」の周波数チャンネル群に対する縁組動作が可能なA動作状態であることが告示される。ステップS7で、縁組スイッチ13が押し上げられたか否かが判別される。その結果、押し上げられていればステップS8に進み、そうでなければステップS10に進む。ステップS8で、上記ステップS2において上記タイマーカウンターがスタートされてからの経過時間が5秒未満であるか以下かが判別される。その結果、5秒未満であればステップS9に進み、5秒未満でなければステップS10に進む。ステップS9で、「A群」に属する周波数チャンネルをスキャンする「キャリアセンスA群」での受信モードが設定される。そうした後、ステップS14に進む。
ステップS10で、上記ステップS2において上記タイマーカウンターがスタートされてから、5秒以上が経過したか否かが判別される。その結果、5秒以上が経過していればステップS11に進み、そうでなければ上記ステップS7にリターンする。ステップS11で、表示ランプ14が連続点灯されて「B群」の周波数チャンネル群に対する縁組動作が可能なB動作状態であることが告示される。ステップS12で、縁組スイッチ13が押し上げられたか否かが判別される。その結果、押し上げられていればステップS13に進み、そうでなければ縁組スイッチ13が押し上げられるのを待つ。
ステップS13で、「B群」に属する周波数チャンネルをスキャンする「キャリアセンスB群」での受信モードが設定される。ステップS14で、表示ランプ14の点滅が開始されて縁組待ち状態であることが告示される。そうした後、縁組待機動作が終了される。
ここで、上記縁組待機動作中における上記受信モードの設定は、設置工事者による無線親機4の縁組スイッチ13の操作によって行われる。
すなわち、工事者が、無線親機4の縁組スイッチ13を押下すると、図6に示す縁組待機動作のフローチャートにおける上記ステップS1〜ステップS6によって、縁組スイッチ13が押下されてから0.5秒以上が経過すると、「A群」の周波数チャンネル群での縁組動作が可能なA動作状態であることを工事者に告示するために、表示ランプ14が1回点滅される。
この上記表示ランプ14の1回点滅を工事者が確認し、且つ無線子機5の周波数チャンネルがA群に属している場合には、工事者が縁組スイッチ13を押し上げることにより、上記フローチャートの上記ステップS7〜ステップS9によって、「A群」の周波数チャンネルをスキャンする「キャリアセンスA群」での受信モードが設定される。したがって、無線子機5と周波数チャンネル群「A群」の周波数チャンネルでの縁組動作が可能になるのである。
ここで、上記無線子機5の周波数チャンネルがB群に属している場合には、工事者は縁組スイッチ13を押し下げ続けることになる。そうすると、上記フローチャートにおける上記ステップS10,S11によって、縁組スイッチ13が押し下げられてから5秒以上が経過すると、「B群」の周波数チャンネル群での縁組動作が可能なB動作状態であることを工事者に告示するために、表示ランプ14が連続点灯される。
この上記表示ランプ14の連続点灯を工事者が確認し、且つ無線子機5の周波数チャンネルがB群に属している場合には、工事者が縁組スイッチ13を押し上げることにより、上記フローチャートの上記ステップS12,S13によって、「B群」の周波数チャンネルをスキャンする「キャリアセンスB群」での受信モードが設定される。したがって、無線子機5と周波数チャンネル群「B群」の周波数チャンネルでの縁組動作が可能になるのである。
すなわち、例えば、上記無線子機5の無線周波数チャンネルXchが上記A群に属している場合には、工事者は、表示ランプ14の点滅・点灯状態を見ながら、無線親機4の縁組スイッチ13の押し下げ時間を0.5秒以上且つ5秒未満に制御すれば、「キャリアセンスA群」での受信モードによる縁組待機状態となる。
また、上記無線子機5の無線周波数チャンネルYchが上記B群に属している場合には、工事者は、表示ランプ14の点滅・点灯状態を見ながら、無線親機4の縁組スイッチ13の押し下げ時間を5秒以上に制御すれば、「キャリアセンスB群」での受信モードによる縁組待機状態となる。
そして、縁組待ち状態になれば表示ランプ14を連続して点滅させ、縁組待ち状態に入ったことを工事者に知らせるのである。そして、以後の縁組動作において、縁組が成功した場合には、表示ランプ14を一定時間点灯させて、縁組が成功したことを知らせる。また、縁組が失敗した場合には、表示ランプ14の点滅時間の周期を短くして、縁組の失敗を知らせるようにしている。
尚、上記縁組スイッチ13の押し下げ時間帯の閾値である「0.5秒」および「5秒」は、フレキシブルに変更可能になっている。例えば、「0.5秒」と「3秒」とに変更可能である。
以上のごとく、本実施の形態においては、無線データ通信システムとしての無線テレメータシステムを、センタ側網制御装置2と、このセンタ側網制御装置2と通信回線(電話回線3等)を介して接続された無線親機4と、この無線親機4と無線回線を介して無線通信を行う複数の無線子機5と、無線親機4および無線子機5に接続されたメータ6とによって構成している。
このような無線データ通信システムでは、上記無線親機4および無線子機5は、運用前に無線親機4と無線子機5との間で縁組を行い、お互いの識別符号を取り交わして記憶する必要がある。その際に、大きく分けて、事前に縁組専用端末等を用いて無線子機5の識別符号と無線親機4の識別符号とを取り交わす方法や、無線通信を利用して無線子機5と無線親機4との間で識別符号を取り交わす方法がある。
上記無線通信を利用して縁組を行う方法の場合には、前もって無線親機4を縁組待機状態にしておき、配下にする無線子機5からの縁組要求電文を受信できる状態にしておく。そして、無線親機4は、配下にする無線子機5から縁組要求電文が送信されてくるとそれを受信し、同じ識別区間を有する識別符号が付与された無線子機5からの上記識別符号を含んだ縁組要求電文を受信できた場合には、無線親機4はその無線子機5を縁組相手として登録し、当該無線子機5に対して縁組応答電文を送信して縁組を終了する。一方、無線子機5は、その縁組応答電文を正常に受信できれば縁組登録を終了する。
その場合に、通信に使用可能な無線周波数チャンネルは複数ある。そして、無線子機5には縁組無線チャンネル設定用のスイッチが設けてあり、そのスイッチで設定されたある一つの縁組無線チャンネルで無線親機4に縁組要求電文を送信してくる。そのために、無線親機4は、事前にその無線周波数チャンネルを受信できるように準備する必要である。
本実施の形態においては、その際に、無線親機4が縁組スイッチ13と表示ランプ14とを各1個ずつしか有していない、つまり幅広く設定されて且つ無線子機5に割当可能な複数の無線周波数チャンネルに対応できない場合であっても、無線親機4を縁組待機状態にすることを可能にするために、無線親機4の縁組スイッチ13の押下時間帯を複数の時間帯に設定する一方、無線子機5に割当可能な複数の無線周波数チャンネルを縁組スイッチ13の押下時間帯と同数の群に分割する。そして、夫々の押下時間帯に、複数の無線周波数チャンネル群の何れか一つと表示ランプ14の表示形態(1回点滅,連続点灯,連続点滅等)の何れか一つとを割り当てて、制御部9の記憶部9aに記憶しておくのである。
そうすることによって、設置作業業者は、上記表示ランプ14の表示形態が、現在縁組を行うべき無線子機5の縁組無線チャンネルが属する無線周波数チャンネル群に対応付けられた表示形態になるように、表示ランプ14を見ながら縁組スイッチ13を押し下げ続けることにより、簡単に且つ確実に一回で無線親機4における待機時の無線周波数チャンネル群(上記待ち受け周波数チャンネル群)を設定することができるのである。
したがって、上記無線親機4側が、縁組スイッチ13と表示ランプ14とを各1個ずつしか設けられておらず、無線子機5との縁組用に予め設けられた総ての無線周波数チャンネルに対応できない場合であっても、無線親機4における待機時の無線周波数チャンネル群を、縁組を行うべき無線子機5に応じて最適に設定することができるのである。
尚、本実施の形態において、上記表示ランプ14を、単色の例えばLED(発光ダイオード:Light Emitting Diode)素子で構成している。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、多色LED素子で構成すれば、例えば、図6に示す縁組待機動作のフローチャートにおける上記ステップS6での「0.5秒経過時の1回点滅」を、赤色LED素子の点灯に換え、上記ステップS11での「5秒経過時の連続点灯」を、オレンジ色LED素子の点灯に換えることも可能になる。ここで、上記赤色およびオレンジ色は、他の異なる色であっても差し支えない。
また、図6に示す縁組待機動作のフローチャートでは、上記設定された複数の無線周波数チャンネルを2つの周波数群(A群,B群)に分けているが、3以上の周波数群に分ける場合には、縁組スイッチ13の押下時間の時間帯数を3つ以上とすればよい。その場合における表示ランプ14の表示形態は、点滅回数を1回,2回,3回…と増やすことが考えられる。あるいは、表示ランプ14を複数色のLED素子で構成する場合には、色数を増やせばよい。
ところで、上述したように、本実施の形態によれば、上記表示ランプ14を見ながら縁組スイッチ13を押し下げ続けることによって、確実に無線親機4における待機時の無線周波数チャンネル群を設定することができる。ところが、設置作業業者が、うっかり表示ランプ14を見落とす場合がある。そのような場合の対策として、以下のような方法がある。
図2において、上記回線制御部16には、電話回線3を介してセンタ側網制御装置2が接続されている。さらに、図示されてはいないが他の電話機やファクシミリも接続されている。そして、回線制御部16には、無線親機4がセンタ側網制御装置2と通信する場合に上記電話機および上記ファクシミリを電話回線3から切り離したり、再接続したりするためのラッチングリレー(図示せず)が設けられている。
このラッチングリレーは、セットとリセットとの動作を行なう二つのドライブコイルを有している。そして、制御部9が各ドライブコイルを起動すると動作音(カチッ)が発生され、この動作音は設置作業業者に聞こえる。そこで、制御部9の記憶部9aに、上述した表示ランプ14の表示形態に対応付けて、上記ドライブコイルの動作回数を記憶しておくのである。制御部9は、表示ランプ14を表示する場合には、記憶部9aから、表示形態と共に当該表示形態に対応した「ドライブコイルの動作回数」を読み出す。そして、読み出された表示形態で表示ランプ14を表示するのに加えて、回線制御部16を制御して、上記ラッチングリレーのセットドライブコイルとリセットドライブコイルとを上記読み出した動作回数だけ交互に動作させるのである。
こうすることによって、上記設置作業業者は、表示ランプ14の表示形態による視覚に加えて、ドライブコイルの動作音による聴覚によって、縁組スイッチ13の押下げ時間を認識できる。つまり、上記ラッチングリレーを上記報知部として用いるのである。したがって、設置作業業者が表示ランプ14の表示形態を見落としても、縁組スイッチ13の押下げ時間を正しく認識することができる。
尚、この発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で上記実施の形態に多くの修正や変更を加えても一向に差し支えない。
・第2実施の形態
ところで、上記第1実施の形態のように、無線親機と無線回線を介して無線通信を行う複数の無線子機に、ガスメータ,水道メータ,電気メータ等のメータが接続されて、ガス,水道,電気等の使用量を検針する無線テレメータシステムにおいては、上記無線親機は、定期的(例えば月1回等)に、各住戸に設置されている全ての上記無線子機から上記無線回線を介して検針結果のデータを取得する。そして、上記無線親機は、取得した上記データを、一括して、上記無線親機が上記通信回線で接続された上記ホストコンピュータ等のセンタ装置に送信する。その際に、上記無線親機は、一度に多数の上記無線子機と通信するので、電力消費が大きくなる。
一方、上記無線親機の電源としては、AC(交流)電源で構成された無線テレメータシステムの他に、特許文献「特開2009‐148064号公報」に開示されているように、太陽電池で得た電力を蓄電する大容量キャパシタおよび予備電池としてのリチウム電池で構成された自動検針端末が提案されている。
しかしながら、上記特許文献「特開2009‐148064号公報」に開示された自動検針端末においては、上記無線子機の台数が多くなると、上記無線親機の蓄電部としての大容量キャパシタの電力だけではまかなえなくなり、上記予備電池が消費されてしまうため必要な電力を供給できなくなる可能性があるという問題がある。
そこで、上記蓄電部の容量不足に備えようとすると、上記蓄電部や太陽光発電パネルの容量を大きくする必要があり、コストアップの問題や装置の大型化の問題が生ずる。
また、上記無線子機との通信に必要な電力は、上記無線子機の台数や、上記無線子機までの中継段数や、通信エラー率等の、設置状態によって変わる。そのため、上記蓄電部の容量に対して、上記無線子機を何台まで接続可能であるかが、分かり難いという問題がある。
そこで、本実施の形態においては、上記無線子機の台数が増えることによる上記無線親機の電源ダウンや、予備電池への切り替えを避けることができ、上記蓄電部の容量に対して上記無線子機を過不足なく接続できるような無線テレメータシステムを提供する。
以下、図7〜図12にしたがって、本実施の形態について詳細に説明する。
図7は、本実施の形態における無線テレメータシステムの構成を示す。
無線親機(以下、単に親機と言う)31は、ソーラパネル32からの電力によって動作する。親機31は、FOMAパケット通信によって、図示しない上記センタ装置と無線データ通信を行う。一方、無線子機(以下、単に子機と言う)33あるいは中継機36とは、特定小電力無線通信によって無線データ通信を行う。子機33には、各住戸のガスメータ37が接続されており、ガスメータ37の検針値を親機31に無線送信する。
上記中継機36は、上記親機31から検針対象の住戸が離れている場合や、障害物があって電波が回り難い場合に設置されて、親機31と子機34,35との間の電波を中継する。中継機36には、子機34および子機35が無線回線によって接続されており、中継機36を介して、親機31と無線通信を行う。
尚、ここでは、上記親機31の配下に、3台の子機と1台の中継機とが接続されているが、この発明はこれに制限されるものではなく、実際には多数(例えば256台)の子機や中継機が接続されている。このように、近隣の住戸のガスメータ37に接続された子機33は、特定小電力無線によって親機31と通信することによって、親機31を介して遠隔の上記センタ装置と通信するようにしている。こうして、親機31のFOMA通信部を全住戸毎に設置することによるコスト高を、抑制するようにしている。
図8は、上記親機31の内部構成を示す。FOMA通信部40は、上記センタ装置(図示せず)とデータ通信を行う。一方、特定小電力無線通信部41は、子機33あるいは中継機36とデータ通信を行う。制御部42は、FOMA通信部40と特定小電力無線通信部41との制御、および、プロトコル変換等を行う。
また、上記親機31の電源は、ソーラパネル32から供給されて電源制御部44に入力される。電源制御部44は、ソーラパネル32からの供給電圧を所定電圧に変換した後、FOMA通信部40,特定小電力無線通信部41および制御部42を含む通信部43に電源を供給すると共に、蓄電部45を充電する。
以下、上記親機31の電源ダウンや予備電池(図示せず)への切り替わりを発生させずに蓄電部45の容量に対して過不足なく配下の子機を追加する場合における、制御部42の動作について、図9〜図12に基づいて説明する。但し、図9は、検針時における蓄電部45の電圧測定処理動作のフローチャートである。図10は、追加可能な子機台数演算処理動作のフローチャートである。図11は、子機追加処理動作のフローチャートである。図12は、蓄電部45の電圧変化を示す図である。
図9は、上記親機31配下の子機33,34,35に接続されたガスメータ37,38,39を一括して検針する際に、親機31の制御部42によって蓄電部45の電圧値を測定する「検針時における蓄電部45の電圧測定処理動作(以下、単に、蓄電部電圧測定処理動作と言う)」を示す。ここで、上記一括検針は、例えば、ガス料金徴収のために1回/月に行われる。
図9において、検針日時になると、制御部42による蓄電部電圧測定処理動作がスタートする。
ステップS21で、上記電源制御部44からの信号に基づいて、ソーラパネル32は発電しているか否かがが判別される。その結果、発電している場合には、蓄電部45はソーラパネル32からの供給電力によって充電されており、子機検針の際に消費される電圧を正しく測定できないので、測定を行わずに蓄電部電圧測定処理動作が終了される。一方、夜間等であるために発電していない場合にはステップS22に進む。
ステップS22で、上記蓄電部45からの電圧信号に基づいて、検針開始前における蓄電部45の電圧V1が測定される。ステップS23で、配下の子機33,34,35のうちの何れか一つに接続されているガスメータの検針が行われる。ステップS24で、全ての子機に接続されたガスメータの検針が終了したか否かが判別される。その結果、全ての子機での検針が終了している場合にはステップS25に進み、終了していない場合には上記ステップS23にリターンして次の子機での検針が行われる。
ステップS25で、一括検針後における上記蓄電部45の電圧V2が測定される。ステップS26で、上記ステップS22において測定された検針開始前の蓄電部45の電圧V1と、上記ステップS25において測定された一括検針後の蓄電部45の電圧V2とが、制御部42に設けられた記憶部(図示せず)に記憶される。そうした後、蓄電部電圧測定処理動作が終了される。
図10は、上記親機31の制御部42によって、上記蓄電部電圧測定の結果に基づいて行われる、追加可能な子機台数を演算する追加子機台数演算処理動作を示す。図9に示す蓄電部電圧測定処理動作が終了すると、制御部42による追加子機台数演算処理動作がスタートする。
ステップS31で、上記制御部42の上記記憶部に記憶されている検針開始前の蓄電部45の電圧V1と、一括検針後の蓄電部45の電圧V2とが、読み出される。
ステップS32で、先ず、一括検針後の蓄電部45の電圧V2に基づいて、「電圧V2」から「親機31が蓄電部45の容量だけで動作可能な最低電圧VL」が差し引かれて、一括検針後における蓄電部45の残容量(残電圧)Vrが演算される。ここで、上記最低電圧VLは、予め求められて例えば上記記憶部等に記憶されている。ステップS33で、「検針開始前の蓄電部45の電圧V1」から「一括検針後の蓄電部45の電圧V2」が差し引かれて、上記一括検針による蓄電部45の電圧降下Vdが演算される。
ステップS34で、一括検針時における子機台数Cnに基づいて、「一括検針時の電圧降下Vd」を「一括検針時の子機台数Cn」で除すことによって、上記子機1台当たりの電圧降下Vpが演算される。尚、本実施の形態においては、子機1台当たりの電圧降下Vpを演算で求めているが、事前に計測した値を固定値として用いても差し支えない。
ステップS35で、上記演算された子機1台当たりの電圧降下Vpと、上記ステップS32において演算された一括検針後における蓄電部45の残容量(残電圧)Vrとに基づいて、「蓄電部45の残容量(残電圧)Vr」を「子機1台当たりの電圧降下(検針に必要な平均電圧降下)Vp」で除すことによって、追加接続可能な子機の台数Caddが演算される。
ステップS36で、上記ステップS35において演算された上記追加接続可能な子機の台数Caddが、制御部42に設けられた上記記憶部に記憶される。そうした後、追加子機台数演算処理動作が終了される。
尚、本実施の形態においては、上記蓄電部電圧測定処理動作が終了すると、直ちに追加子機台数演算処理動作を実行するようにしている。しかしながら、必要に応じて時間をおいてから実行するするようにしても一向に構わない。
図11は、上記親機31の制御部42によって、上記追加子機台数演算の結果に基づいて行われる子機追加処理動作を示す。図10に示す追加子機台数演算処理動作が終了すると、制御部42による子機追加処理動作がスタートする。
ステップS41で、上記制御部42の上記記憶部に記憶されている追加接続可能な子機の台数Caddが、読み出される。
ステップS42で、上記読み出された追加接続可能な子機の台数Caddの値が「1」以上であるか否かが判別される。その結果、1以上であればステップS43に進み、1未満であればステップS45に進む。ステップS43で、親機31に対して配下の子機が1台追加される。ステップS44で、追加接続可能な子機の台数Caddの値がデクリメントされる。そうした後、子機追加処理動作が終了される。
ここで、上記子機の追加は、例えば次のようにして行われる。追加対象の子機が近隣の住戸のガスメータに接続されている場合には、親機31の制御部42によって特定小電力無線通信部41が制御されて、追加対象の子機との特定小電力無線回線を介した縁組動作を行うことによって行われる。あるいは、追加対象の子機が、離れた住戸のガスメータや障害物によって電波が回り難い住戸のガスメータに接続されている場合には、親機31の制御部42によって中継機36が制御されて、中継機36と追加対象の子機との無線回線を介した縁組動作を行うことによって行われる。
ステップS45で、上記追加接続可能な子機の台数Caddの値が1未満であるので、蓄電部45の容量だけで全ての子機を一括検針できない可能性がある。そのため、子機の追加は不可能であると判定される。ステップS46で、追加予定の子機にエラー表示させたり、上記センタ装置に通報したりして、エラー処理が行われる。そうした後、子機追加処理動作が終了される。
尚、本実施の形態においては、上記子機を1台だけ追加するようにしている。しかしながら、上記台数Caddの値に応じて追加可能な最大数の子機を追加したり、外部からの入力台数と上記台数Caddの値との比較結果に応じて設定した台数の子機を追加したりするようにしても一向に構わない。
図12は、上記蓄電部45の電圧の経時変化を示している。図12において、期間A,C,Fは、昼間等のソーラパネル32が発電している期間であり、蓄電部45はソーラパネル32から充電されている。したがって、期間Aでの電圧降下は殆どない。期間B,Dは、夜間等のソーラパネル32が発電していない期間であり、親機31の待機電流によって、蓄電部45の電圧は少し低下する。しかしながら、期間C,Fにおいて、蓄電部45は最大電圧VHまで充電される。
期間Eは、上記ソーラパネル32が発電していない夜間の期間Dにおいて、子機の一括検針が行われた期間である。一括検針が行われている間に、蓄電部45の電圧がV1からV2まで低下している。尚、VLは、蓄電部45の電力のみで親機31が動作できる最低電圧である。期間EでV2まで低下した蓄電部45の電圧は、昼間等の期間FでVHまで充電される。
以上のごとく、本実施の形態においては、親機31はソーラパネル32によって充電された蓄電部45からの電力によって動作し、近隣の住戸のガスメータ37に接続された子機33とは、特定小電力無線によって通信する。また、離れている住戸や障害物で電波が回り難い住戸のガスメータ38,39に接続された子機34,35は、無線回線によって中継機36と通信する。そして、中継機36は、親機31と特定小電力無線によって通信する。こうして、親機31は、例えば1回/月等の定期的に、ガスメータ37,38,39を一括検針する。
その際に、上記親機31は、制御部42によって、上記一括検針前の蓄電部45の電圧V1と一括検針後の蓄電部45の電圧V2とが測定されて、上記記憶部に記憶される。そして、子機を増設する場合は、制御部42によって、上記「電圧V2」と「親機31が蓄電部45の容量だけで動作可能な最低電圧VL」とに基づいて「一括検針後における蓄電部45の残容量(残電圧)Vr」が求められ、さらに、「検針開始前の蓄電部45の電圧V1」と「一括検針後の蓄電部45の電圧V2」とに基づいて「一括検針による蓄電部45の電圧降下Vd」が求められ、さらに、「一括検針時の電圧降下Vd」と「一括検針時の子機台数Cn」とに基づいて「子機1台当たりの電圧降下Vp」が求められ、さらに「蓄電部45の残容量(残電圧)Vr」と「子機1台当たりの電圧降下(検針に必要な平均電圧降下)Vp」に基づいて「追加接続可能な子機の台数Cadd」が求められて上記記憶部に記憶される。
そして、上記親機31の制御部42によって、上記追加接続可能な子機の台数Caddの値が「1」以上であれば、親機31に対して配下の子機が1台追加される。これに対し、台数Caddの値が「1」未満であれば、子機の追加は不可能であると判定されて上記エラー処理が行われる。
以上のことより、上記子機を追加した場合であっても、一括検針後の蓄電部45には、「親機31が蓄電部45の容量だけで動作可能な最低電圧VL」以上の電圧が蓄電されている。したがって、親機31は蓄電部45の蓄電量だけで動作が可能となり、親機31が電源ダウンしたり、予備電源に切り替わったりすることを、防止できる。また、蓄電部45の容量に対して過不足なく配下の子機を追加することができ、通信コストが掛かる1台の親機31を有効利用することができる。
また、上記蓄電部45の電圧を測定するだけなので、例えばマイコンのA/D変換ポートを利用するだけで測定回路を構成することができ、電力測定用の特別な回路を追加する必要がない。
尚、本実施の形態は、上記の構成に限定されるものではなく、多くの修正や変更を加えても一向に差し支えない。
・第3実施の形態
ところで、上記第1実施の形態および上記第2実施の形態のように、無線親機と無線回線を介して無線通信を行う複数の無線子機に、ガスメータ,水道メータ,電気メータ等のメータが接続されて、ガス,水道,電気等の使用量を自動検針する無線テレメータシステムにおいては、通常、1台の無線親機に対して、より多くのメータを検針可能にするため、複数台の無線子機を無線回線等によって接続する。さらに、離れた場所のメータも検針可能にするため、無線親機と無線子機との間に無線中継機を配置し、その無線中継機の配下に複数台の無線子機を無線回線等によって接続する。そして、1台の無線子機に1台あるいは2台のメータを接続することによって、全体で、より広域に、より多くのメータを検針可能とする構成を取っている。
その一方、上記無線中継機を用いた場合には、「無線親機‐無線中継機‐無線子機」のごとく無線親機から無線子機までの無線通信区間が倍になり、通信時間が長くなる。さらに、外来電波等の無線特有のノイズの影響を受ける区間が増え、通信の不安定さを増すことになる。
また、設置時においても、上記無線子機とそれと無線通信する無線中継機との縁組、および、無線中継機と無線親機との縁組が、必要になる。さらに、管理上においても、無線中継機の配下の無線子機が、何れの無線子機であるかを正確に記録しておかないと、その後のメンテナンスが困難を極めることになる。
そこで、安定な検針のために、できるだけ無線親機の配下の無線子機を増やし、無線中継機の配下の無線子機を少なくなるような設置が求められている。
上記無線親機の配下の無線子機(メータ)を多くするために、無線中継機を設置した無線テレメータシステムにおいて、無線親機の設置位置変更等によって、これまで上記無線中継機を介して検針が行われていたメータに接続された無線子機を、無線親機の配下に変更する等のケースが発生する場合も多い。
そのような場合、設置作業者は、設置当初の記録に基づいて、該当する無線中継機の配下の無線子機の設置場所を個別に探し出し、手作業で、新たに配下元となる無線親機との縁組を行うことになる。そして、新たに無線親機と無線子機とを縁組する場合には、該当する無線子機の台数分だけ個別に手作業で縁組を行う必要があり、面倒で時間が掛かる。そのため、作業ミスから新たな問題が発生する恐れもあり、検針時間の短縮と検針の安定改善との可能性をあきらめて、上記無線中継機の配下にあった無線子機をそのまま上記無線中継機の配下に置いたままになる場合が多い。
これまでに、設置時の作業改善のために、特許文献「特開2008‐288967号公報」に開示されているように、縁組する無線子機の情報を予め無線中継機に記憶させておき、設置現場において、当該無線中継機が自動的に自身の固有の番号を縁組対象の無線子機に通信で伝えることによって、縁組対象の無線子機において個別に縁組ボタンを押す等の作業を省略可能にする無線テレメータシステムが提案されている。
しかしながら、特許文献「特開2008‐288967号公報」に開示された無線テレメータシステムにおいては、無線中継機の配下にあった無線子機の無線親機の配下への変更に関する提案は、全くなされてはいない。
そこで、本実施の形態においては、無線親機の設置位置変更等に伴う上記無線親機と無線子機との再縁組における手作業の手間を省き、上記再縁組時における作業時間の短縮と作業ミスの削減とを図ることが可能な無線テレメータシステムを提供する。
図13に、本実施の形態における再縁組前の無線中継機を有する無線テレメータシステムの構成を示す。
図13において、本無線テレメータシステムは、ガスメータ,水道メータ,電気メータ等のメータからの検針データを集約・蓄積するセンタ側網制御装置(センタサーバ)51と、有線電話回線や無線電話回線等の公衆電話回線52を介してセンタ側網制御装置51と双方向通信可能な無線親機53と、無線親機53の配下にある直接通信可能な複数の無線子機54,55とを有している。
さらに、上記無線親機53から離れた距離に位置するメータを検針するために、無線親機53と無線子機との中間の位置に配置された無線中継機56と、その無線中継機56の配下にある3台の無線子機57,58,59とを有している。
そして、上記無線子機54,55にはメータ60,61が有線で接続されている。また、無線子機57,58,59にはメータ62,63,64が有線で接続されている。
ここで、上記無線親機53の識別符号を(X)、無線中継機56の識別符号を(T)、無線子機57,58,59の識別符号を(A),(B),(C)、無線子機54,55の識別符号を(D),(E)とする。
図14は、図13に示す無線テレメータシステムに対して、本実施の形態の方法によって、無線中継機56の配下であった無線子機57,58,59を、無線親機53と直接通信できるように再縁組を行った後の無線テレメータシステムを示す。尚、図13に示す無線テレメータシステムの部材に対応する部材には、図13と同じ番号を付している。但し、無線中継機56は、その機能を失っている。
図15に、上記無線親機53のブロック図を示す。
上記無線親機53は、CPU(中央演算処理装置)65と、CPU65の動作プログラムが記憶されたROM(Read Only Memory)66と、データの一時保管を行うRAM(Random Access Memory)67と、公衆電話回線52と接続する有線のアナログ回線や無線のFOM近距離網等の公衆電話回線I/F(インターフェース)68と、近距離無線部69と、アンテナ70と、タイムアウトなどの時間を監視するためのタイマー71と、電源となる電池72と、自身の識別符号(X)や縁組する無線中継機および無線子機の識別符号(T),(A)〜(E)等を記憶する不揮発性メモリー73とを含んでいる。
ここで、上記タイマー71は、時計IC(Integrated Circuit)で構成しても良いし、CPU65がソフト的にカウントすることで構成しても良い。
図16に、上記無線中継機56のブロック図を示す。
上記無線中継機56は、公衆電話回線I/Fに換えてスイッチ等の操作部74を有している。また、不揮発性メモリー75には、自身の識別符号(T)と無線親機53の識別符号(X)と配下の無線子機57,58,59の識別符号(A)〜(C)とが記憶されている。尚、無線親機53の場合と比較して配下の無線子機の台数は少ないので、通常不揮発性メモリー75の容量は無線親機53の場合よりも小さくてよい。
また、CPU76,ROM77,RAM78,近距離無線部79,アンテナ80,タイマー81および電池82は、無線親機53におけるCPU65,ROM66,RAM67,近距離無線部69,アンテナ70,タイマー71および電池72と同様の機能を有している。
図17に、上記無線子機57のブロック図を示す。
不揮発性メモリー83,83’には、自身の識別符号(A)と、上位機である無線中継機56の識別符号(T)または無線親機53の識別符号(X)とが記憶されている。但し、不揮発性メモリー83は再縁組前の不揮発性メモリーであり、上位機は無線中継機56である。これに対し、不揮発性メモリー83’は再縁組後の不揮発性メモリーであり、上位機は無線親機53である。
また、CPU84,ROM85,RAM86,近距離無線部87,アンテナ88,タイマー89および電池90は、無線親機53におけるCPU65,ROM66,RAM67,近距離無線部69,アンテナ70,タイマー71および電池72と同様の機能を有している。
尚、上記他の無線子機54,55,58,59の場合も、図17と同様の構成を有している。
上記無線親機53と無線中継機56と無線子機57との間の通信は、要求コマンドとそれに対する応答コマンドとで行われる。そして、何れのコマンドも、無線信号の同期をとるビット同期およびフレーム同期とコマンドの送信元に固有な番号である識別符号とで成る無線用ヘッダと、送信先の識別符号と、送信先に要求する動作内容とから、構成されている。
図18に、上記コマンドの例として、上記無線中継機56から無線親機53に対する縁組準備要求コマンドのフォーマットを示す。この縁組準備要求コマンドは、無線信号の同期をとるビット同期およびフレーム同期とコマンドの送信元である無線中継機56の識別符号(T)とでなる無線用ヘッダと、送信先である無線親機53の識別符号(X)と、送信先に要求する動作内容を表記した縁組準備要求コマンドとから、構成されている。
上記コマンドは、コマンドの送信元となる無線端末の上記ROMに記憶されている。
以下、図13に示す再縁組前の無線テレメータシステムの構成から、図14に示す再縁組後の無線テレメータシステムの構成へ移行する手順を示す。尚、図28に、その際における再縁組のシーケンス図を示す。また、図29に、再縁組に失敗した場合における図28に続くシーケンス図を示す。
本実施の形態においては、先ず、上記無線中継機56を操作することによって、無線テレメータシステムに含まれる全ての無線端末、すなわち、無線親機53と、無線子機54,55と、無線中継機56配下の無線子機57,58,59とに対して、所定の期間での検針の保留を通知する。その場合、再縁組に要する時間は、無線中継機56配下の再縁組対象の無線子機57,58,59の台数から、ある程度予測可能とすることができる。検針保留期間中、無線親機53は、センタ側網制御装置51からの要求に対してビジーを返信して受け付けず、無線子機54,55は、メータ60,61からの警報に対して何の処理も行わない。
その場合でも、上記センタ側網制御装置51は、しばらく時間をおいてから、再度、当該無線親機53に対して要求を通信する一方、無線子機54,55へのメータ60,61からの警報は、メータ60,61側がリトライするので、検針に関して処理が実行されずに放置されてしまう恐れはない。
上述のように、上記再縁組処理時に検針を保留することによって、再縁組の途中に、当該再縁組とは関係のない無線子機54,55がメータ60,61からの警報に係る処理のために、無線通信を開始したり、リトライしたりして、当該再縁組に係る無線通信を止める等によって、当該再縁組に予定外の時間を要するのを防止することができるのである。
但し、上記「検針保留」の状態にするために時間を要するのも本質的でなく、コマンドによる通知は、無線親機53の直下にある無線端末にブロードキャストで実行するようにしている。
上記「検針保留」の開始は、設置作業者等によって上記無線中継機56の操作部74が操作されることにより行われる。操作部74が操作された無線中継機56は、図24にフォーマットを示す「保留要求コマンド」を上位にある無線親機53に送信する。そうすると、この保留要求コマンドを受けた無線親機53は、自身の配下の無線端末である無線子機54,55と無線中継機56とに、図25にフォーマットを示す「保留コマンド」をブロードキャストのコマンドの形態で送信する。
こうして、上記無線親機53と直接通信する対象の無線端末、すなわち、無線親機53と縁組されている無線端末は「検針保留」の状態に入り、図24および図25の「保留時間」に設定されたパラメータ「TIME」の期間だけ上記状態を継続する。
その場合、当該無線中継機56以外の他の無線中継機配下の無線子機は、「検針保留」の状態に入らない。しかしながら、仮にメータから警報があった場合に、当該メータに接続されている無線子機から無線中継機に通信があると、当該無線中継機が上記無線子機に「保留コマンド(図25)」を送信して「検針保留」の指示を出すことで、無駄な無線通信を省略することができる。この場合における図25に示す「保留コマンド」の保留時間のパラメータTIMEは、最初に無線親機53から配下の無線子機54,55に保留コマンドを発信した時刻T1から、上記無線子機からメータの警報を受け取った時刻T2までの時間差(T2−T1)をパラメータTIMEの値T0から引いた値「T0−(T2−T1)」に設定される。
こうすることにより、無線テレメータシステム全体で、特別なコマンドを用いることなく、タイムアウトの形態で「検針保留」の状態が解除されるまでの時間を、ある範囲に設定することが可能になるのである。
上記無線中継機56は、上記無線親機53から図25に示す「保留コマンド」を受信すると、他の無線端末が保留状態に入ることが分かるので、無線親機53を縁組モードの待機状態に移行させるため、図18に示す「縁組準備要求コマンド」を無線親機53に送信する。そうすると、無線親機53は、この縁組準備要求コマンドに対する応答として、図19にフォーマットを示す「縁組準備応答コマンド」を無線中継機56に返信した後に、縁組モードに入る。こうして、縁組可能であって、無線電文を受信可能な待機モードになる。
上記無線中継機56は、無線親機53からの上記「縁組準備応答コマンド」を受信すると、配下にある3台の無線子機57,58,59に対して1台ずつ順番に、縁組要求電文を発信することを指示するために、図20にフォーマットを示す「縁組要求指示コマンド」を送信する。その場合における「縁組要求先の識別符号」は無線親機53の識別符号(X)となる。尚、上記「縁組要求指示コマンド」の送信は、以下のように行われる。
先ず、最初に、上記無線子機57に対して上記「縁組要求指示コマンド」を送信する。無線子機57は、その通知を受けると、無線子機57自身の識別符号(A)を含んだ図21にフォーマットを示す「縁組要求コマンド」を送信する。その場合の送信先は、図20に示す「縁組要求指示コマンド」の縁組要求先の識別符号(X)で指定された無線親機53となる。
縁組可能(上記縁組モード)であって待機状態(上記待機モード)にある上位機の無線親機53は、上記「縁組要求コマンド」を受信すると、そのコマンドの「送信元の識別符号」の内容(識別符号(A))をRAM67に一旦記憶し、無線子機57に対して、図22にフォーマットを示す「縁組応答コマンド」を送信する。その場合、「送信元の識別符号」には無線親機53の識別符号(X)が設定され、「送信先の識別符号」には無線子機57の識別符号(A)が設定される。
上記「縁組応答コマンド(図22)」を受信した無線子機57は、そのコマンド中の「送信元の識別符号」に設定されている無線親機53の識別符号(X)を、縁組相手の情報として不揮発性メモリー83(図17参照)に記憶する。そして、無線親機53に対して、縁組完了の応答として、図23にフォーマットを示す「縁組完了コマンド」を返信する。その際に、上記「縁組完了コマンド」における「送信元の識別符号」には、無線子機57自身の識別符号(A)が設定される。
上記「縁組完了コマンド(図23)」を受け取った無線親機53は、RAM67(図15参照)に一旦記憶した相手の識別符号(A)を、不揮発性メモリー73に記憶し直す。
上記無線中継機56は、上述のような無線子機57と無線親機53との縁組に関する通信をモニターしている。そして、無線子機57と無線親機53との間の縁組に関する通信が完了したことを確認した後に、無線中継機56は、次の無線子機58に対して、上述した無線子機57の場合と同様に、上記「縁組要求指示コマンド(図20)」を通信する。その場合、上記「縁組要求指示コマンド」における「送信先の識別符号」には識別符号(B)が設定される。
以下、上述した無線子機57の場合の手順と同じ手順で、無線子機58と無線親機53とによる縁組動作が行われ、さらに無線子機59と無線親機53とによる縁組動作が行われる。
その場合、上述のような無線子機57,58,59と無線親機53との縁組に関する通信は、無線中継機56によってモニターされている。そして、無線中継機56は、縁組に失敗したことが確認された場合には、何れの無線子機が縁組を失敗したのかを、不揮発性メモリー75(図16参照)に記憶する。
ここで、無線のノイズ等による通信失敗等があり、縁組完了までに無線親機53の縁組可能な待機状態を維持する時間Tdを超える場合もある。
そこで、上記無線中継機56は、無線親機53へ上記「縁組準備要求コマンド(図18を参照)」を送信してからの時間Tkを計測しておく。そして、各無線子機57,58,59の何れかに上記「縁組要求指示コマンド(図20参照)」を送信する前に、この計測している時間Tkと上記待機状態の保持時間Tdとを比較して、一つの無線子機が縁組を行うのに必要な時間tcだけの余裕がない場合、つまり「Td−Tk<tc」である場合に、無線中継機56は、無線親機53に対して再度上記「縁組準備要求コマンド(図18)」を送信し、無線親機53における縁組可能な待機状態を継続させるのである。
その場合、上記無線親機53が、縁組可能な待機状態にありながら他の無線端末からの縁組要求以外のコマンドを受信可能にする必要があり、制御が複雑になる。それを避けるために、無線親機53は、縁組可能な待機状態にある場合には上記「縁組要求コマンド」のみを受け付け可能にすることが望ましい。
また、上述のように、上記「Td−Tk<tc」である場合に無線親機53の縁組可能な待機状態を継続させることによって、無線中継機56は、Tk>Tdとなるまで無線子機への上記「縁組要求指示コマンド(図20)」の送信を停止することになる。そして、Tk>Tdとなって、無線親機53が縁組可能な待機状態(上記待機モード)を解除して通常の動作モードになった後に、無線中継機56は、無線親機53に対して、上記「縁組準備要求コマンド(図18)」からの一連の無線親機を縁組可能な待機状態とする手順を行う方法も可能である。
全ての上記無線子機57,58,59に対して上記「縁組要求指示コマンド(図20)」を送り、縁組動作が終了した結果、無線子機58が縁組に失敗したとする。その場合、上述したように、無線中継機56の不揮発性メモリー75(図16参照)には、無線子機58が縁組に失敗したことを表す情報が記憶されている。
その場合には、一通り、上記無線中継機56配下の無線子機57,58,59における無線親機53との再縁組動作が完了し、無線親機53が縁組モードを終了するまでの期間を待つ。
その後に、上記無線中継機56は、縁組に失敗した上記無線子機58に対して上記「縁組要求指示コマンド(図20)」を送信する。但し、その場合における「縁組要求先の識別符号」は、無線中継機56の識別符号(T)である。
そうすると、上記無線子機58は、無線中継機56に対して、上記「縁組要求コマンド(図21)」を送信する。但し、その場合における「送信元の識別符号」は無線子機58の識別符号(B)であり、「送信先の識別符号」は無線中継機56の識別符号(T)である。
そうすると、上記無線中継機56は、受信した上記「縁組要求コマンド」における「送信元の識別符号」に設定された無線子機58の識別符号(B)を、RAM78(図16参照)に記憶する。その後、無線子機58に、上記「縁組応答コマンド(図22)」を送信する。但し、その場合における「送信元の識別符号」は無線中継機56自身の識別符号(T)であり、「送信先の識別符号」は無線子機58の識別符号(B)である。
そうすると、上記「縁組応答コマンド(図22)」を受信した無線子機58は、無線中継機56の識別符号(T)を不揮発性メモリーに記憶し、無線中継機56に対して上記「縁組完了コマンド(図8)」を返信する。
こうして、上記無線親機53との縁組に失敗した無線子機58は、無線中継機56と再度縁組を行うのである。
以後、上記無線中継機56は、無線親機53に対して上記「縁組準備要求コマンド(図18)」を送信して、無線親機53を縁組モードに設定すると共に、縁組可能な待機状態に設定する。それと共に、上記「縁組準備要求コマンド」を送信してからの時間Tkの計測も開始する。
そして、上記無線中継機56は、無線親機53に対して無線中継機56の識別符号(T)と配下の無線子機58の識別符号(B)とを縁組情報として送信し、上記無線子機の場合と同様に、無線中継機56と無線親機53との縁組を行う。
その結果、各縁組構成は上記無線親機53が有しており、センタ側網制御装置51からは、無線親機53の情報を得ることで最終的な組み合わせを知ることができるのである。
最後に、上記無線中継機56は、上記「検針保留」の通知の場合と同様に、図26にフォーマットを示す「保留解除要求コマンド」を上位にある無線親機53に送信する。そうすると、この保留解除要求コマンドを受けた無線親機53は、自身の配下の無線端末である無線子機54,55,57,59と無線中継機56に向かって、図27にフォーマットを示す「保留解除コマンド」をブロードキャストのコマンドの形態で送信する。
こうして、上記無線親機53と直接通信する対象の無線端末、すなわち、無線親機53と縁組されている無線端末に対する上記「検針保留の通知」の解除の通信が行われるのである。
図28に、上述した無線親機53と無線子機57,58,59との再縁組を行なう際のシーケンス図を示す。また、図29に、上述した再縁組に失敗が生じた場合における図28に続くシーケンス図を示す。
尚、上述の説明では、再縁組に失敗が生じた場合における処理を行った後に、無線中継機56と無線親機53との縁組および上記「保留解除」の処理を行っている。しかしながら、再縁組に失敗が生じなかった場合には、そのまま無線中継機56と無線親機53との縁組および上記「保留解除」の処理に移行することは言うまでもない。
また、上記「検針保留の通知」の解除の通信は必ずしも実行する必要はなく、所定の期間を経過すると、自動的に検針可能な状態に復帰するようにしても構わない。
以上のごとく、本実施の形態においては、無線親機53のROM66には、ブロードキャスト形式の保留コマンド,縁組準備応答コマンド,縁組応答コマンドおよびブロードキャスト形式の保留解除コマンドを格納している。また、無線中継機56のROM77には、保留要求コマンド,縁組準備要求コマンド,縁組要求指示コマンド,縁組応答コマンド,縁組要求コマンド,縁組完了コマンドおよび保留解除要求コマンドを格納している。また、無線中継機56の配下の無線子機57〜59のROMには、縁組要求コマンドおよび縁組完了コマンドを格納している。
そして、上記無線親機53と無線子機57〜59との再縁組を行なう場合には、無線中継機56の操作部74が設置作業者によって操作されると、無線親機53に対して保留要求コマンドが送信され、それに対して無線親機53から配下の無線中継機56および無線子機54,55に保留コマンドがブロードキャストのコマンドの形態で送信される。こうして、再縁組処理時に所定時間TIMEだけ検針を保留することによって、再縁組の途中に、当該再縁組とは関係のない無線子機からの無線通信に起因して当該再縁組に係る無線通信が止まることを防止できる。
引き続き、上記無線中継機56から無線親機53に上記縁組準備要求コマンドを送信した後、無線親機53から無線中継機56に上記縁組準備応答コマンドを返信することによって、無線親機53を縁組可能な待機モードにさせる。そして、無線中継機56から配下の無線子機57,58,59に対して1台ずつ順番に縁組要求指示コマンドを送信して、無線子機57,58,59と無線親機53との縁組を行わせる。
こうして、各無線子機57,58,59と無線親機53との縁組が全て終了すると、配下の無線子機の識別符号が記憶されていない無線中継機56は、無線親機53との間で上記縁組準備要求コマンドと上記縁組準備応答コマンドとの交換を行って無線親機53との縁組を行う。最後に、上記「検針保留」の場合と同様に、無線中継機56から無線親機53に上記保留解除要求コマンドが送信され、それに対して無線親機53から配下の無線中継機56および無線子機54,55,57,59に保留解除コマンドがブロードキャストのコマンドの形態で送信されて、上記「検針保留」が解除される。こうして、無線中継機56を介して無線親機53と無線通信を行っていた無線子機55,57,59は、無線親機53と直接無線通信を行うことが可能になる。
したがって、運用稼働している上記無線親機53,無線中継機56,無線子機54,55,57〜59を含む無線テレメータシステムシステムにおいて、無線親機53の位置移動等に伴って無線中継56の機能が不要となった場合には、設置作業者によって無線中継機56の操作部74を操作するだけで、元々無線中継機56の配下にあった無線子機57〜59が無線親機53と直接通信可能になるように再度縁組を行うことができる。
その結果、設置作業者は、再縁組に際して、上記無線中継機56の配下にある無線子機57〜59の位置を探し出し、一つずつ縁組ボタンを押す等の手作業を省略することができ、再縁組時の作業時間を短縮することができる。さらに、上記手作業によるミスの発生を防止でき、作業ミスから発生する新たな問題をも防止することができる。
尚、上記「検針保留の解除」は必ずしも必要ではない。「検針保留の解除」は行わず、所定期間の「検針保留」が過ぎて検針可能な状態に復帰するのを待つようにしても差し支えない。
また、上記再縁組に失敗した無線子機がある場合には、上記再縁組に失敗した無線子機は、無線中継機56との間で上記縁組要求指示コマンドと上記縁組要求コマンドと上記縁組応答コマンドとの交換を行って、無線中継機56と再度縁組を行うようにしている。したがって、上記再縁組を行った際に無線親機53と無線通信ができない無線子機が生じてしまうことを防止できるのである。
上記各実施の形態においては、無線テレメータシステムを例に挙げて説明している。しかしながら、この発明は、上記無線テレメータシステムに限らず、無線により異常事態を通報するセキュリティシステム等の、上記センタ側網制御装置と通信回線を介して接続された無線親機と、この無線親機と無線回線を介して通信を行う複数の無線子機との間で、無線によってデータを通信する無線データ通信システムであれば良いのである。
・本願発明のまとめ
以上のごとく、この発明の無線親機は、
センタ側網制御装置2に通信回線3を介して接続されると共に、複数の無線子機5との間で無線通信が可能になっており、
外部から操作されて上記無線子機5との縁組待機を指示する縁組スイッチ13と、
上記縁組待機の状態を報知する報知部14と、
上記縁組スイッチ13の操作時間を計測する計時部と、
上記縁組スイッチ13が操作されて縁組待機が指示されると、上記計時部によって計測された上記縁組スイッチ13の操作時間に基づいて、上記無線子機5から送信されてくる縁組要求電文の待ち受け周波数チャンネル群を設定し、上記設定された待ち受け周波数チャンネル群に応じた報知形態で上記報知部14を報知させる制御部9と
を備えたことを特徴としている。
上記構成によれば、上記無線子機5における縁組要求電文の周波数チャンネルを知っている設置作業者が、当該縁組要求電文の周波数チャンネルが属する上記待ち受け周波数チャンネル群に応じた報知形態で上記報知部14が報知するまで、上記縁組スイッチ13を操作し続けることにより、上記待ち受け周波数チャンネル群が、自動的に、上記無線子機5からの縁組要求電文の周波数チャンネルに応じた周波数チャンネル群に設定される。
したがって、上記DIPスイッチ等の操作によって上記縁組要求電文の周波数チャンネルを予め取り決めることなく、一回の操作で簡単に、上記縁組要求電文の一つの周波数チャンネルに応じた上記待ち受け周波数チャンネル群を設定することができる。
さらに、上記無線子機5からの縁組要求電文を受信する際に、上記無線親機4がスキャンニングすべき無線周波数チャンネルの数が無線回路の性能上のスキャンニング数を上回っているために、上記無線親機4が上記縁組要求電文の無線周波数を補足できず、縁組みできないと言う事態を無くすことができる。
さらに、予め縁組要求電文の周波数チャンネルを互いに設定するための上記DIPスイッチ等が不要であり、1つのタクトスイッチでなる上記縁組スイッチ13と1つの上記報知部14とを備えるだけで縁組待機時の上記待ち受け周波数チャンネル群を設定可能である。したがって、小型化とコストダウンとが可能である。
また、この発明の無線子機は、
上記この発明の無線親機4と無線通信が可能であり、
上記無線親機4によって設定された上記待ち受け周波数チャンネル群に属する周波数チャンネルの縁組要求電文を、上記無線親機4に無線送信して縁組要求を行う
ことを特徴としている。
上記構成によれば、本無線子機が、上記無線親機4に縁組要求電文を無線送信して縁組要求を行う場合には、上記無線親機4では、常に、上記待ち受け周波数チャンネル群が、上記縁組要求電文の周波数チャンネルが属するように設定されている。したがって、速やかに且つ確実に、上記縁組要求電文が上記無線親機4によって受信される。
また、この発明の無線データ通信システムは、
センタ側網制御装置2と、
上記センタ側網制御装置2に通信回線3を介して接続された無線親機4と、
上記無線親機4との間で無線通信を行う複数の無線子機5と
を備え、
上記無線親機4は、
外部から操作されて上記無線親機4と上記無線子機5との縁組待機を指示する縁組スイッチ13と、
上記縁組待機の状態を報知する報知部14と、
上記縁組スイッチ13の操作時間を計測する計時部と、
上記縁組スイッチ13が操作されて縁組待機が指示されると、上記計時部によって計測された上記縁組スイッチ13の操作時間に基づいて、上記無線子機5から送信されてくる縁組要求電文の待ち受け周波数チャンネル群を設定し、上記設定された待ち受け周波数チャンネル群に応じた報知形態で上記報知部14を報知させる制御部9と
を含んでいる
ことを特徴としている。
上記構成によれば、設置作業者が、上記報知部14が予め決められた特定の報知形態で報知するまで、上記縁組スイッチ13を操作し続けることによって、上記無線親機4の上記待ち受け周波数チャンネル群が、自動的に、上記縁組要求電文の周波数チャンネルに応じた周波数チャンネル群に設定される。こうして、上記縁組要求電文の周波数チャンネルを予め取り決めることなく、一回の操作で簡単に上記待ち受け周波数チャンネル群を最適に設定することができる。
さらに、上記無線親機4が上記縁組要求電文の無線周波数を補足できず、縁組みできないと言う事態を無くすことができる。また、上記DIPスイッチ等が不要であり、1つのタクトスイッチでなる上記縁組スイッチ13と上記報知部14とを備えるだけでよく、上記無線親機4や上記無線子機5の小型化とコストダウンとが可能である。
また、一実施の形態の無線データ通信システムでは、
上記複数の無線子機5に対して割当可能な複数の無線周波数チャンネルを予め設定された所定数の無線周波数チャンネル群に分割する一方、上記縁組スイッチ13の操作時間帯を上記所定数と同数だけ設定し、上記所定数と同数だけ設定された上記縁組スイッチ13の操作時間帯の夫々に、上記所定数に分割された無線周波数チャンネル群の何れか一つを対応付けて記憶している記憶部9a
を備え、
上記制御部9は、上記計測された縁組スイッチ13の操作時間に基づいて、上記記憶部9aを参照して、上記計測された操作時間が属する上記記憶された上記操作時間帯に対応付けられている上記無線周波数チャンネル群を読み出し、この読み出された無線周波数チャンネル群を、上記無線子機から送信されてくる縁組要求電文の待ち受け周波数チャンネル群として設定するようになっている。
この実施の形態によれば、上記制御部9は、上記所定数だけ設定された上記縁組スイッチ13の操作時間帯の夫々に、上記所定数に分割された無線周波数チャンネル群の何れか一つを対応付けて記憶している記憶部9aを参照して、上記無線子機からの縁組要求電文の待ち受け周波数チャンネル群を設定する。
したがって、より簡単に且つ確実に、上記縁組要求電文の一つの周波数チャンネルに応じた上記待ち受け周波数チャンネル群を設定することが可能になる。
また、一実施の形態の無線データ通信システムでは、
上記記憶部9aには、上記所定数だけ設定された上記縁組スイッチ13の操作時間帯の夫々に、上記所定数に分割された無線周波数チャンネル群の何れか一つに加えて、上記報知部14の複数の報知形態の何れか一つが対応付けて記憶されており、
上記制御部9は、上記記憶部9aを参照して、上記計測された操作時間が属する上記操作時間帯に対応付けられている上記無線周波数チャンネル群を読み出す際に、当該操作時間帯に対応付けられている上記報知部14の報知形態をも読み出して、上記報知部14を上記読み出された報知形態で報知させることによって、上記待ち受け周波数チャンネル群が上記読み出された無線周波数チャンネル群に設定されたことを告知する。
この実施の形態によれば、上記制御部9は、上記記憶部9aを参照して、上記無線子機からの縁組要求電文の待ち受け周波数チャンネル群に加えて、対応付けられている上記報知部14の複数の表示形態をも設定する。
したがって、設置作業者は、上記報知部14の報知形態による告知を参照することによって、より簡単に且つ確実に、一つの上記縁組要求電文の周波数チャンネルに応じた上記待ち受け周波数チャンネル群を設定することが可能になる。
また、一実施の形態の無線データ通信システムでは、
上記設定された縁組スイッチ13の操作時間帯は、0.5秒以上且つ3秒未満の時間帯と、3秒以上の時間帯とである。
この実施の形態によれば、上記縁組スイッチ13の操作時間帯を2つに設定する場合の上記操作時間帯を最適に設定することができる。
また、一実施の形態の無線データ通信システムでは、
上記設定された縁組スイッチ13の操作時間帯は、0.5秒以上且つ5秒未満の時間帯と、5秒以上の時間帯とである。
この実施の形態によれば、上記縁組スイッチ13の操作時間帯を2つに設定する場合には、上記操作時間帯を長めに設定することによって、操作ミスを防止することができる。
また、一実施の形態の無線データ通信システムでは、
上記報知部の報知形態は、表示用ランプ14の表示形態であり、
上記表示用ランプ14は、複数色の発光ダイオードで構成されており、
上記表示用ランプ14の表示形態は、上記発光ダイオードの発光色である。
この実施の形態によれば、上記表示用ランプ14の表示形態を、上記発光ダイオードの発光色とするので、忙しい設置作業者であっても上記表示用ランプ14の表示形態を見誤ることがなく、上記表示用ランプ14の表示形態の誤認識による縁組ミスや、この縁組ミスによる縁組時間の長時間化を防止することができる。
また、一実施の形態の無線データ通信システムでは、
上記センタ側網制御装置2,電話機およびファクシミリを、上記通信回線3を介して接続するための回線制御部16と、
上記回線制御部16に設けられと共に、上記電話機および上記ファクシミリを上記通信回線3に対して切り離し接続するためのラッチングリレーと
を備え、
上記報知部の報知形態は、表示用ランプ14の表示形態であり、
上記ラッチングリレーは、セットとリセットとの動作を行なうドライブコイルを有しており、
上記記憶部9aには、上記表示用ランプ14の複数の表示形態の夫々に、上記ドライブコイルの動作回数が対応付けて記憶されており、
上記制御部9は、上記記憶部9aを参照して、上記表示用ランプ14の表示形態を読み出す際に、当該表示形態に対応付けられている上記ドライブコイルの動作回数をも読み出し、上記回線制御部16を制御して、上記ラッチングリレーの上記ドライブコイルを上記読み出された動作回数だけ動作させる。
この実施の形態によれば、上記表示用ランプ14の表示形態によって、上記待ち受け周波数チャンネル群が上記読み出された無線周波数チャンネル群に設定されたことを告知する際に、上記回線制御部16を制御して、上記ラッチングリレーのドライブコイルを当該表示形態に対応付けられている動作回数だけ動作させるようにしている。
したがって、上記設置作業業者は、上記表示ランプ14の表示形態による視覚に加え、上記ドライブコイルの動作音による聴覚によって、縁組スイッチ13の操作時間を認識することができる。すなわち、上記設置作業業者が上記表示ランプ14の表示形態を見落としたとしても、縁組スイッチ13の操作時間を正しく認識することができるのである。