JP2015005584A - 照明装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】LEDを用いた光源において、光取り出し効率を向上し得るレンズを前記光源に形成した照明装置を提供する。
【解決手段】基板23と、基板23上に実装された半導体発光素子7と、半導体発光素子7が発光した光の少なくとも一部を吸収して長波長の光に変換する蛍光体と、半導体発光素子7の外側に設けられ、蛍光体を含有する封止樹脂で構成する蛍光体材料6と、蛍光体材料6の外側に設けられ、蛍光体材料6より蛍光体の濃度が低い樹脂、または蛍光体が無い樹脂で構成するレンズ5と、を有する照明装置50であって、蛍光体材料6は、蛍光体及び封止樹脂のほか、レンズ5を形成する樹脂よりも屈折率の低いフィラーを含んでいることを特徴とする照明装置50。
【選択図】図1
【解決手段】基板23と、基板23上に実装された半導体発光素子7と、半導体発光素子7が発光した光の少なくとも一部を吸収して長波長の光に変換する蛍光体と、半導体発光素子7の外側に設けられ、蛍光体を含有する封止樹脂で構成する蛍光体材料6と、蛍光体材料6の外側に設けられ、蛍光体材料6より蛍光体の濃度が低い樹脂、または蛍光体が無い樹脂で構成するレンズ5と、を有する照明装置50であって、蛍光体材料6は、蛍光体及び封止樹脂のほか、レンズ5を形成する樹脂よりも屈折率の低いフィラーを含んでいることを特徴とする照明装置50。
【選択図】図1
Description
本発明は、照明装置に関する。
近年、家電製品に対して、省エネルギ化の要望が高まっている。中でも、家庭用の照明装置においては、より省エネルギ化を図るべく、従来の蛍光灯や白熱灯等の光源に代えて、より消費電力の小さな光源であるLED(Light Emitting Diode、半導体発光素子)を用いた照明装置が開発されている。このような照明装置において、LEDは、通常、電極やLEDを収容するケース等とともに、LEDモジュールとして構成されている。そして、このLEDモジュールは、電流が流れる回路が形成された回路基板に実装され、備えられている。
このようなLEDモジュールとして、特許文献1に記載の技術が知られている。特許文献1には、胴体と、上記胴体に設けられた第1電極及び上記第1電極と離隔している第2電極と、上記第1電極及び第2電極のうちのいずれか1つの上に形成され、上記第1電極及び第2電極に電気的に連結される発光チップと、上記第1電極及び第2電極の間に突出された保護キャップと、を含む発光素子が記載されている。
LEDモジュールは、レンズを形成することにより、光学特性を改良することがある。特許文献2にLEDを用いた照明光源に関して開示されている。特許文献3にレンズに関して開示されている。
レンズを形成することで光取り出し効率を向上することが考えられる。特許文献1から特許文献3は光取り出し効率を向上するレンズ形状とその形成方法および構成部材の特性に関して具体的な記載がない。本発明では、LEDを用いた光源において、光取り出し効率を向上し得るレンズを前記光源に形成した照明装置を提供することを課題とする。
本発明によれば、LEDを用いた光源において、光取り出し効率を向上し得るレンズを前記光源に形成した照明装置を提供することが可能となる。
以下、本発明を実施するための形態(本実施形態)を、図面を適宜参照しながら説明する。はじめに、本実施形態のLEDモジュールを説明し、次いで、その製造方法及びそれを備える照明装置について説明する。
[1.第1実施形態のLEDモジュール]
〔構成〕
図1は、本実施形態のLEDモジュール10の斜視図である。LEDモジュール10は、樹脂製のリフレクタ2(ケース)の上面にレンズ5を備えてなる。リフレクタ2は、例えば、6Tナイロンや9Tナイロン、ポリシクロへキシレンジメチレンテレフタレート等の熱可塑性樹脂により形成されている。リフレクタ2内には半導体発光素子7(LED。図4参照、図1では図示しない)が設けられ、半導体発光素子7からの光等は、透明な樹脂製のレンズ5を通じて、外部に放出されるようになっている。この点の詳細は、図4を参照しながら後記する。
〔構成〕
図1は、本実施形態のLEDモジュール10の斜視図である。LEDモジュール10は、樹脂製のリフレクタ2(ケース)の上面にレンズ5を備えてなる。リフレクタ2は、例えば、6Tナイロンや9Tナイロン、ポリシクロへキシレンジメチレンテレフタレート等の熱可塑性樹脂により形成されている。リフレクタ2内には半導体発光素子7(LED。図4参照、図1では図示しない)が設けられ、半導体発光素子7からの光等は、透明な樹脂製のレンズ5を通じて、外部に放出されるようになっている。この点の詳細は、図4を参照しながら後記する。
LEDモジュール10は、リフレクタ2の側面から突出して(即ち外部に露出して)、正極リード部3a,3aと、負極リード部4a,4aと、正極サブリード部3b(図1では図示しない)と、負極サブリード部4bとを備えている。
これらの部材について、図2〜図4を参照しながら説明する。
図2は、本実施形態のLEDモジュール10の上面図である。また、図3は、本実施形態のLEDモジュール10の下面図である。図3に示すように、2つの正極リード部3aは、リフレクタ2の下面で外部に露出して形成されている板状(箔状)の正極3(第一電極)の長手方向に、正極3と一体に形成されている。同様に、2つの負極リード部4aは、同じくリフレクタ2の下面で外部に露出して形成されている板状(箔状)の負極4(第二電極)の長手方向に、負極4と一体に形成されている。
なお、図3では、正極3と、正極リード部3a,3aと、正極サブリード部3bとの部位が明確になるように、前記のようにこれらは一体に形成されているものの、便宜的に破線を付している。負極4等についても同様である。
ちなみに、正極3と負極4とは対向しており、これらの間は、リフレクタ2を形成する樹脂により絶縁されている。そして、詳細は図9を参照しながら後記するが、回路基板23に対して、正極3と正極回路24aとがはんだ付けにより、また、負極4と負極回路24bとがはんだ付けにより、電気的に接続されている。これにより、正極3及び負極4に接続された半導体発光素子7に電力が供給され、LEDモジュール10から光が放出されるようになっている。
また、LEDモジュール10においては、正極リード部3a,3aの形成方向と同一面内で垂直な方向(正極3の短手方向)に、リフレクタ2の側面から突出して(外部に露出して)、正極サブリード部3b(第一熱付与部)が形成されている。この正極サブリード部3bは、正極リード部3a,3aと同様に正極3に一体に形成され、リフレクタ2の下面(外部)に露出して形成されている。即ち、LEDモジュール10においては、正極3と正極サブリード部3bとは、一体に形成されていることにより、熱的にも接続されている。また、正極サブリード部3bは、正極3の長手方向中央近傍に接続されて設けられている。
さらに、負極リード部4a,4aの形成方向と同一面内で垂直な方向(負極4の短手方向)に、リフレクタ2の側面から突出して(外部に露出して)、負極サブリード部4b(第二熱付与部)が形成されている。この負極サブリード部4bは、正極リード部3a,3aと同様に、負極4に一体に形成され、リフレクタ2の下面(外部)に露出して形成されている。即ち、LEDモジュール10においては、負極4と負極サブリード部4bとは、一体に形成されていることにより、熱的にも接続されている。また、負極サブリード部4bは、負極4の長手方向中央近傍に接続されて設けられている。
図4は、図2のA−A線断面図である。リフレクタ2内は、前記のように半導体発光素子7が設けられているほか、蛍光体材料6により充填されている。また、レンズ5は、リフレクタ2の上端に形成されている凸部2aの上端面2a1まで拡がって、蛍光体材料6を覆うようにして形成されている。これにより、レンズ5の大きさを可能な限り大きくして、LEDモジュール10での光取り出し効率を向上させることができるようになっている。また、リフレクタ2の上端のうちの凸部2a以外の部分は平面になっていることから、図10を参照しながら後記するLEDモジュール10の製造時に当該平面を吸着することで、LEDモジュール10を把持して移送し易くなっている。
ここで、蛍光体材料6を形成する材料について説明する。蛍光体材料6は、蛍光体と、それを封止する封止樹脂とを含んでいる。蛍光体材料6に含まれる蛍光体としては、半導体発光素子7の種類によっても異なるため一概にはいえないが、例えば黄色蛍光体、赤色蛍光体、緑色蛍光体等が挙げられる。黄色蛍光体としては、例えば、Y3Al5O12:Ce、Tb3Al5O12:Ce、Lu3Al5O12:Ce、La3Si6N11:Ce等が挙げられる。また、赤色蛍光体としては、例えば、CaAlSiN3:Eu、(Sr,Ca)AlSiN3:Eu等が挙げられる。さらに、緑色蛍光体としては、CaSc2O4:Ce、Ca3Sc2Si3O12:Ce、(Ba,Sr)2SiO4:Eu、(Si,Al)6(O,N)8:Eu等が挙げられる。これらは1種が単独で含まれていてもよく、2種以上が任意の比率及び組み合わせで含まれていてもよい。また、さらに本実施形態では、蛍光体材料6は、蛍光体及び封止樹脂のほか、フィラーを含んでいる。フィラーは封止樹脂の粘性を向上させ、蛍光体が封止樹脂内で沈降せず、均一に分散することを目的として含有させている。
また、本実施形態のLEDモジュール10においては、正極3や負極4を銀の薄膜が覆っていて(銀メッキされていて)、この銀の膜は反射材の役割を果たす。しかしながら、経時的に銀は硫化銀に変化して、その結果、銀の表面が黒くなって光を吸収し、LEDモジュール10の効率を低下させる。それゆえ、銀の硫化を防止する必要がある。本LEDモジュール10においては、硫化防止により、長寿命化を図る観点から、耐硫化性の高い封止樹脂が用いられている。具体的には、このような樹脂としては、例えばオルガノポリシロキサンやオルガノハイドロジェンポリシロキサンを含むシリコーン樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられる。これらのような樹脂を用いることにより、銀の硫化を抑制することができ、LEDモジュール10の長寿命化を図ることができるようになっている。
蛍光体材料6に含まれる封止樹脂として、前記のように耐硫化性の高いものが用いられているが、このような樹脂の屈折率は、高くなる傾向にある。一方で、蛍光体材料6に接合して形成されているレンズ5は、屈折率が低い樹脂材料(PMMA等のアクリル樹脂やシリコーン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂)により形成されることが多い。そのため、もし、蛍光体材料6の屈折率が、レンズ5の屈折率よりも大きくなる場合、蛍光体材料6からの光の一部がレンズ5に入射せず、接合界面において全反射してしまう可能性がある。このような現象が発生した場合、光の取り出し効率が著しく低下することになる。
そこで、本実施形態において、蛍光体材料6は、前記の蛍光体及び封止樹脂のほか、レンズ5を形成する樹脂よりも屈折率の低いフィラーを含んでいる。このように、蛍光体材料6にレンズ5を形成する樹脂よりも屈折率の低いフィラーを含有させることにより、蛍光体材料6の屈折率を小さくし、レンズ5の屈折率に近づけることができる。これにより、半導体発光素子7からの励起光によって発光した発光体からの光が、蛍光体材料6とレンズ5との接合界面において全反射することを抑制することができる。即ち、LEDモジュール10において、半導体発光素子7からの光の取り出し効率を高めることができる。このようなフィラーとしては、例えばシリカや窒化アルミニウム、ジルコニア等が挙げられる。
蛍光体材料6に含まれるフィラーの大きさは特に制限されるものではないが、当該フィラーの粒径として、蛍光体から発せれる光または半導体発光素子7からの励起光のピーク波長よりも小さなフィラーが好ましく、より好ましくはLEDモジュール10からの発光光の全ての波長よりも小さなフィラーであり、よりさらに好ましくは100nm未満のフィラーである。フィラーの大きさをこの大きさとすることにより、より確実に蛍光体材料6の屈折率を小さくすることができ、レンズ5と蛍光体材料6との接合界面における全反射をより確実に抑制することができる。これにより、光の取り出し効率をより高めることができる。
また、レンズ5を塗布により形成する場合には、レンズ5にフィラーを含有させ、レンズ5の粘度を高める必要がある。レンズ5は大きければ大きいほど、光取出し効率が向上し、LEDモジュール10の効率が向上する。レンズ5の形状は、粘性と重力と表面張力の関係で決まる。形状を簡単に特徴づけるために、図4に示すように、レンズ5の幅WLと高さHLを導入する。レンズ高さHLを大きくするには、粘度の高い樹脂を塗布する必要がある。樹脂の粘度を高める方法として、フィラーを樹脂に含有させる方法がある。
我々の実験によれば、封止樹脂内において蛍光体が沈降しないために必要となるフィラーの重量濃度に比べて、レンズ5において、所定の高さHLのレンズを形成して所定の効果を得るために必要となるフィラーの重量濃度の方が大きいことが分かっている。しかしながら、ここでの課題は、レンズ5のフィラーの濃度が大きいと、フィラーによる散乱がレンズ5内で起きるため、レンズ5による光取出しの効果が低下することである。
そこで、レンズ5のフィラーの平均粒径を小さくして散乱断面積を低減することで散乱を抑制する。粒子の断面積で散乱断面積を規格化した散乱効率を、ミー散乱理論で求めた結果を図15に示す。このとき、フィラーの屈折率を1.45、レンズ5の屈折率を1.52とした。横軸は粒径で、縦軸は散乱効率で対数表示してある。図を見ると明らかなように、粒径が100〜200nmから急峻に散乱効率が低下していることが分かる。したがって、200nmよりもフィラーの粒径を小さくすると、散乱が著しく低下し、透明な樹脂になる。計算は、フィラーとレンズ5の屈折率を指定して行ったが、200nmよりも小さな粒径で散乱が急峻に低下する傾向は、樹脂およびフィラーの屈折率が1.3から3程度の範囲にある場合は、屈折率にほとんど依存しない。
この効果は、蛍光体材料6に適用しても良い。なぜならば、レンズ5は半導体発光素子7と、その付近の蛍光体から直接伝搬してくる光に対して、光を外に出射する効果を最も発揮する。それゆえ、レンズ5がある構成においては、蛍光体材料6内の散乱を低減することは重要である。そこで、レンズ5のみならず蛍光体材料6内のフィラーも粒径を200nm以下にすることで、散乱を減らし、レンズ5の効果を向上することが可能である。
したがって、蛍光体材料6内のフィラーの粒径を200nm以下にすることで、レンズ5の効果を向上し、さらに、接合界面での反射を低減するという効果を奏する。
図5は、本実施形態のLEDモジュール10を分解し、レンズ5、蛍光体材料6及び半導体発光素子7を取り外した際のLEDモジュール10の上面図である。また、図6は、図5のB−B線断面図であり、図7は、図5のC−C線断面図である。図5において、正極3及び負極4に含まれる破線は、それらの厚みが変化する界面を示す仮想線である。
図5及び図6に示すように、負極4の端部の一部には、負極4の厚みが約半分の厚さになっている(負極4中央近傍の厚さよりも薄くなっている)ハーフエッジ部4cが形成されている。ただし、このハーフエッジ部4cは、図5や図7に示すように、負極サブリード部4bや負極リード部4a,4aの部分には形成されておらず、負極サブリード部4bと、隣接する負極リード部4aとの間に複数形成されている。従って、負極サブリード部4bにはハーフエッジ部が設けられず厚さは一様になっているが、負極4の四隅(4箇所)には、厚さが薄くなるハーフエッジ部4cが形成されている。よって、LEDモジュール10においては、負極4におけるハーフエッジ部4cは、負極4の長手方向及び短手方向のいずれにおいても対称になるように形成されている。
また、正極3においても、負極4のハーフエッジ部4cと同様の、ハーフエッジ部3cが形成されている。正極3のハーフエッジ部3cについては、負極4のハーフエッジ部3cと同様であるため、説明を省略する。
これらのように、LEDモジュール10においては、正極3及び負極4のそれぞれにおいて、ハーフエッジ部3c,4cが形成されている。このように厚みが異なるハーフエッジ部3c,4cを正極3及び負極4のそれぞれに設けることで、リフレクタ2を形成する樹脂と、正極3及び負極4との接合面積を増加させることができるようになっている。なお、ハーフエッジ部3c,4cは、例えばプレス加工やエッチング等により形成することができるが、低コストの観点からは、プレス加工により形成することが好ましい。
図8は、本実施形態のLEDモジュール10を構成する正極3及び負極4に形成されているハーフエッジ構造を示す図である。図8中、破線はリフレクタ2により隠れた位置にある、正極3及び負極4の端部を示す仮想線である。即ち、図8や前記の図6に示すように、正極3及び負極4におけるハーフエッジ3c,4cの部分において、リフレクタ2は、正極3及び負極4のハーフエッジ3c,4cを挟みこむようにして、形成されている。そのため、正極3及び負極4をはんだ付け等により回路基板23(図9参照)に実装した場合、リフレクタ2が上方向(半導体発光素子7が設けられる側)に引き抜かれることが防止されるようになっている。
図9は、本実施形態のLEDモジュール10が実装された照明装置50を示す断面図である。なお、図9に示すLEDモジュール10の断面は、後記する図10(h)のK−K線断面と同じものである。
基板23上には、例えば銀メッキが施された銅からなるプリント回路24a,24bが形成されている。そして、このプリント回路24a,24bに対して、LEDモジュール10の正極3及び負極4がはんだ24により実装(接続固定)されている。はんだ24は、図9に示すように、LEDモジュール10の正極サブリード部3b及び負極サブリード部4bの外側にまで拡がり、LEDモジュール10が基板23に実装されるようになっている。
また、LEDモジュール10においては、前記のように、正極サブリード部3b、負極サブリード部4b、正極リード部3a,3a及び負極リード部4a,4aには、厚さが薄くなるハーフエッジ構造(例えば図8参照)が設けられていない。そのため、図9に示すように、はんだ24は、正極3及び負極4の全面に加えて、正極サブリード部3b及び負極サブリード部4bの全面や、図9では図示しないが正極リード部3a,3a及び負極リード部4a,4aの全面にまで拡がるようになっている。
さらには、はんだ24は、図示のように、正極サブリード部3b及び負極サブリード部4bの側面にまで、即ち、外部からはんだ24を視認可能な位置まで、拡がるようになっている。このようにすることで、はんだ24を介した、LEDモジュール10と基板23(より具体的には、基板23上のプリント回路24a,24b)との接合面積をより大きく確保することができるようになっている。
〔効果〕
以上の説明したLEDモジュール10によれば、図9に示す照明装置50とした場合に、照明装置50の歩留まりを向上させることができる。具体的には、LEDモジュール10には、はんだで接続固定される正極3と一体に形成される正極サブリード部3b、及び、はんだで接続固定される負極4と一体に形成される負極サブリード部4bが正極3及び負極4の短手方向に備えられている。そのため、伝熱距離を短くすることができ、正極サブリード部3bと負極サブリード部4bとのそれぞれについて同時に熱を与えることで、正極3及び負極4等に付着しているはんだを同時かつ速やかに溶融させることができる。
以上の説明したLEDモジュール10によれば、図9に示す照明装置50とした場合に、照明装置50の歩留まりを向上させることができる。具体的には、LEDモジュール10には、はんだで接続固定される正極3と一体に形成される正極サブリード部3b、及び、はんだで接続固定される負極4と一体に形成される負極サブリード部4bが正極3及び負極4の短手方向に備えられている。そのため、伝熱距離を短くすることができ、正極サブリード部3bと負極サブリード部4bとのそれぞれについて同時に熱を与えることで、正極3及び負極4等に付着しているはんだを同時かつ速やかに溶融させることができる。
特に、本実施形態のLEDモジュール10においては、正極サブリード部3c及び負極サブリード部4cは、それぞれ、正極3及び負極4の長手方向中央近傍に接続されている。そのため、正極サブリード部3c及び負極サブリード部4cに熱を付与させれば、正極3及び負極4のそれぞれにおいて、長手方向で左右に略均等に熱が伝わり、付着しているはんだが溶融し易くなる。従って、より効果的にはんだを溶融させて、よりいっそうLEDモジュール10を取り外し易くなる。そのため、従来のような不良のLEDモジュールを含む回路基板全体を廃棄する必要が無く、照明装置の歩留まりを向上させることができる。
また、図5〜図8を参照しながら説明したように、LEDモジュール10の正極3及び負極4には、厚みが薄くなるハーフエッジ部3c,4cが設けられている。特に、ハーフエッジ部3c,4cは、正極リード部3a,3aや負極リード部4a,4aのほか、正極サブリード部3bや負極サブリード部4bには設けられていない。そのため、例えば安価化の観点からプレス加工によってハーフエッジ部3c,4cを設ける場合、金属が延性を有するため正極3及び負極4の面積が変化したとしても、正極リード部3a,3a、負極リード部4a,4a、正極サブリード部3b、負極サブリード部4bの長さや形状に変化が生じにくい。
特に、本実施形態のLEDモジュール10においては、ハーフエッジ部3c,4cは、正極3及び負極4のそれぞれにおいて、長手方向及び短手方向のそれぞれで対称になるように設けられている。そのため、例えばプレス加工を行って正極3及び負極4の形状等に変化が生じたとしても、ハーフエッジ部3c,4cが対称に設けられているため、押圧による影響が打ち消されるようにすることができる。そのため、正極3及び負極4等の歪みやそりが生じにくく、リフレクタ2と正極3及び負極4との良好な接合性を図りつつ、回路基板にLEDモジュール10を固定した場合の接触不良が生じにくいという利点が得られる。
さらに、本実施形態のLEDモジュール10においては、蛍光体材料6に含まれる封止樹脂として、蛍光体の耐硫化性を高めるために耐硫化性の封止樹脂が用いられている。しかし、これにより、レンズ5の屈折率と比べて、蛍光体材料6の屈折率が大きくなることがある。そこで、蛍光体材料6に屈折率を小さくするフィラーを含有させることで、光の取り出し効率が低下することを抑制することができる。
また、リフレクタ2の上端に凸部2aを設け、凸部2a上にレンズ5が配置されるようにしている。これにより、レンズ5の大きさをできるだけ大きくして光の取り出し効率を大きくすることができるとともに、凸部2a以外の部分でリフレクタ2を、吸引手段等を用いて吸着することで、LEDモジュール10を容易に移送可能となる。
さらに、図9を参照しながら説明したように、本実施形態の照明装置50では、はんだ24による接合面積をより大きく確保することができるようになっている。これにより、プリント回路24a,24bとLEDモジュール10との電気的導通をより確実に図ることができる。また、はんだ24を介して、LEDモジュール10と基板23との接合面積を大きくしているため、LEDモジュール10の発光に伴って発生する熱を、はんだ24を介して、基板23に逃がし易くなる。そのため、特別な部材を設けなくても、LEDモジュール10の放熱性を向上させることができる。
さらには、正極サブリード部3b及び負極サブリード部4bの双方から熱を与えることで容易にはんだ24を溶融させて、基板23からLEDモジュール10を容易に取り外すことができる。しかも、図9を参照しながら説明したように、はんだ24は外部から視認可能な位置にまで拡がっている。そのため、正極サブリード部3b及び負極サブリード部4bに加えて、視認される位置のはんだ24にも同時に熱を付与することで、より容易にはんだ24を溶融させて、LEDモジュール24を取り外すことができる。また、はんだ24は前記のように正極3及び負極4、並びに、正極リード部3a,3a、負極リード部4a,4a、正極サブリード部3b及び負極サブリード部4bの全面に亘って接合しているため伝熱面積が大きく、この観点からも、よりいっそう、はんだ24を溶融させ易くなる。
[2.第1実施形態のLEDモジュールの製造方法]
次に、図10〜図13を参照しながら、LEDモジュール10の製造方法について説明する。
次に、図10〜図13を参照しながら、LEDモジュール10の製造方法について説明する。
図10は、本実施形態のLEDモジュール10の製造方法を示す図である。図10(a)〜(h)のそれぞれにおいて、上側の図は上面図、下側の図は、当該上面図における断面図である。即ち、例えば図10(a)の下側の図は、図10(a)の上側の図のD−D線断面図であり、他の図についても同様に、E−E線断面図〜K−K線断面図を示している。
LEDモジュール10は、主に、図10(a)〜(h)に示す工程を経て作製可能である。以下、適宜別の図面も参照しながら、順を追って作製の方法を説明する。
まず、銅に対して銀メッキが施された金属板11が準備される(図10(a))。そして、図10(a)において破線で囲まれる部分が除去されるようにエッチングが行われ、図11に示される金属板12が得られる。なお、図11中、二点差線で囲まれる部分が、LEDモジュール10に最終的に含まれる正極3及び負極4になる。そして、図10(a)の破線で囲まれる部分についてエッチングが行われたあとの様子を示したものが、図10(b)である。以下、図示の簡略化のために、図10(b)に示す部分について行われる処理を中心に説明する。
図10(b)に示す部分に対して、正極3及び負極4を囲うようにして、樹脂製のリフレクタ2が形成される。図10(c)が、リフレクタ2が形成されたときの様子である。また、図11に示した金属板12全体に対してリフレクタ2を形成したときの様子を示した図が、図12である。このとき、正極3及び負極4の間の空隙(図10(b)の下図参照)も、リフレクタ2を形成する樹脂により埋められる(図10(c)の下図参照)。
リフレクタ2の形成は、正極3及び負極4をまとめて電極群と呼称すると、隣接する一組の電極群間に樹脂が注入されることにより行われる。この点を、図13を参照しながら説明する。
図13に示すように、正極3及び負極4からなる電極群22A,22Bの間(中央付近)に、樹脂を注入するための図示しないゲート(樹脂の注入口)が配置される。ちなみに、図13には、ゲートが引き抜かれた後に残る凹み21が示されている。
樹脂をゲートから注入する際、樹脂の通流が円滑に行われるように、正極3及び負極4の間にある空隙中央近傍を通る長手方向の線(図13中の破線)上に、樹脂を注入するゲートが配置される。そして、このゲートから樹脂が注入され、所謂インジェクションモールドが行われる。このような位置にゲートを配置することで、電極群22A,22Bはゲートを中心として対称になっているため、電極群22A,22Bの双方に均等に樹脂を通流させることができる。そして、このように均等に樹脂を通流させることができるため、正極3と負極4との間のような狭い空隙であっても、樹脂が途中で固化することなく円滑に樹脂が通流する。これにより、正極3と負極4との間の空隙を埋められ、さらには、リフレクタ2を形成することができる。
また、矩形状のリフレクタ2の内壁において、その四隅はR形状になっている。特には、そのRの大きさは大きなものになっている。これにより、リフレクタ2を形成する型内の狭い空隙であっても、樹脂が通流し易くなり、精度よく、リフレクタ2が形成できる。特に、ゲートから最も遠い、紙面上でのリフレクタ22Aの左側面側、及び、リフレクタ22Bの右側面側にまで樹脂が回りこみ易くなり、リフレクタ2をより確実に精度よく形成することができる。
そして、樹脂を通流後、ゲートを引き抜くと、ゲートが配置されていた凹み21が、電極群22A,22B間に形成(残存)されることになる。なお、詳細は後記するが、LEDモジュール10は、リフレクタ2の周りで切断されて得られるため、この凹み21が製品としてのLEDモジュール10に関与することはない。
図10に戻って、作製の方法の説明を続ける。図10(c)のようにリフレクタ2が形成されたあと、リフレクタ2の内部であって、正極3の上面に、半導体発光素子7が配置固定される(図10(d))。そして、半導体発光素子7と正極3及び負極4とが、ワイヤ7a,7bにより、ワイヤボンディングされる(図10(e))。その後、リフレクタ2内に蛍光体材料6が充填されたあと(図10(f))、その上に、蛍光体材料6を覆うようにして、レンズ5が形成される(図10(g))。
そして、最後に、図11に示す金属板12から、リフレクタ2の周囲で金属板12から切断することでLEDモジュール10を打ち抜き、LEDモジュール10が得られる(図10(h))。これにより、他の電極群と接続されていた部分(即ち、吊りリード部)が外部に露出した状態のLEDモジュール10が得られる。この露出した吊りリード部であった部分が、図1等を参照しながら説明した正極リード部3a,3aや、負極リード部4a,4a、正極サブリード部3b、負極サブリード部4bになる。
図10に示すようにLEDモジュール10を作製することで、正極3や負極4に熱を与えるための部材(正極サブリード部3b、負極サブリード部4b等)が、正極3及び負極4のもととなる金属板11によって形成されることとなる。そのため、正極3や負極4に熱を与えるための部材を特別に設けることなく、LEDモジュール10の取り外しが容易になる。
[2.第2実施形態のLEDモジュール]
図14は、第2実施形態のLEDモジュール40のレンズ5近傍の構造を示す断面図である。前記のLEDモジュール10と同じものについては同じ符号を付すものとし、その詳細な説明は省略する。
図14は、第2実施形態のLEDモジュール40のレンズ5近傍の構造を示す断面図である。前記のLEDモジュール10と同じものについては同じ符号を付すものとし、その詳細な説明は省略する。
前記のLEDモジュール10においては、LEDモジュール10の移送のし易さ等を確保する観点から、リフレクタ2の上端にレンズ5が形成されない部分を確保していたが、別の観点から、敢えて、リフレクタ2の上端の全体にレンズ5が形成されるようにしてもよい。具体的には、図14に示すように、リフレクタ2の全面と蛍光体材料6の全面を覆うようにして、レンズ5が形成されるようにしてもよい。
このようにすることで、レンズ5を構成する樹脂の滴下量を多くすることができ、蛍光体材料6をより膜厚かつ広範にレンズ5によって覆うことができる。そのため、LEDモジュール10に含まれる銀の硫化を、レンズ5によってより確実に防止することができる。これによれば、LEDモジュール30の長寿命化を図ることができる。
さらに、レンズ5を形成する樹脂として、第1の実施形態で前述した耐硫化性のあるシリコーン樹脂などを用いてもよい。蛍光体の封止樹脂とレンズ5を耐硫化性のある樹脂とすることで、耐硫化性としての効果が著しく改善する。耐硫化性の定量化は、硫化試験前後での光束比により行う。我々の実験によれば、蛍光体の封止樹脂のみを耐硫化性のある樹脂にした場合、硫化試験前の光束に対する硫化試験後の光束は65.8%の比率であったのに対して、蛍光体の封止樹脂とレンズ5を形成する樹脂を耐硫化樹脂とした場合は、前記比率は89.7%であった。したがって、レンズ5を形成する樹脂も、第1の実施形態で前述した耐硫化性のあるシリコーン樹脂とすることで、より大きな耐硫化性を得られる。
耐硫化性に対して、蛍光体材料6の表面の一部でもレンズ5が覆っていれば良く、前記のLEDモジュール10のように、蛍光体材料6の表面全体を覆っていれば、さらに好ましく、LEDモジュール40のようにリフレクタ2の全面と蛍光体材料6の全面を覆うような構成が最も良い。
また、耐硫化性のある樹脂は、一般に屈折率が1.5以上であるが、種々の屈折率が存在する。前述した耐硫化性のある蛍光体の封止樹脂の屈折率は1.57で、レンズ5の屈折率は1.52である。それゆえ、接合界面において全反射する光線が存在する。全反射を低減するために、蛍光体材料6は、前記の蛍光体及び封止樹脂のほか、レンズ5を形成する樹脂よりも屈折率の低い(屈折率1.45)フィラーを含んでいる。当該フィラーは粒度分布のピークが200nm以下に存在するフィラーであって、約10nmに存在する。平均粒径も10nm程度である。
当該粒径は蛍光体から発せれる光または半導体発光素子7からの励起光のピーク波長よりも小さく、LEDモジュール10からの発光光の全ての波長(一般に青色発光の半導体発光素子7で蛍光体を励起する場合、最も小さい波長は400nmから450nmの間にある。)よりも小さなフィラーである。
また、屈折率の近い樹脂を使う方が接合界面での反射が低下する。例えば、封止樹脂の屈折率がレンズ5の屈折率よりも低い場合、封止樹脂からレンズ5に入射する光は、全反射はしないが、屈折率に差があると、フレネルの式に従って、一部の光が反射して封止樹脂に戻る。
したがって、封止樹脂として耐硫化性のある屈折率の高い樹脂を使用した場合、レンズ5も耐硫化性のある屈折率の高いものを使うことで、耐硫化性の向上のみならず、反射低減による効率向上の効果も奏する。
なお、本発明は、前記の各実施形態同士を組み合わせたり、周知技術等を適宜付加、削除、転換等して、実施することができる。
2 リフレクタ(ケース)
3 正極(第一電極、電極)
3a 正極リード部
3b 正極サブリード部(第一熱付与部)
3c ハーフエッジ部
4 負極(第二電極、電極)
4a 負極リード部
4b 負極サブリード部(第二熱付与部)
4c ハーフエッジ部
5 レンズ
6 蛍光体材料
7 半導体発光素子
10 LEDモジュール
23 基板(回路基板)
24 はんだ
24a,24b プリント回路
40 LEDモジュール
50 照明装置
3 正極(第一電極、電極)
3a 正極リード部
3b 正極サブリード部(第一熱付与部)
3c ハーフエッジ部
4 負極(第二電極、電極)
4a 負極リード部
4b 負極サブリード部(第二熱付与部)
4c ハーフエッジ部
5 レンズ
6 蛍光体材料
7 半導体発光素子
10 LEDモジュール
23 基板(回路基板)
24 はんだ
24a,24b プリント回路
40 LEDモジュール
50 照明装置
Claims (6)
- 基板と、
前記基板上に実装された半導体発光素子と、
前記半導体発光素子が発光した光の少なくとも一部を吸収して長波長の光に変換する蛍光体と、
前記半導体発光素子の外側に設けられ、前記蛍光体を含有する封止樹脂で構成する蛍光体材料と、
前記蛍光体材料の外側に設けられ、前記蛍光体材料より蛍光体の濃度が低い樹脂、または蛍光体が無い樹脂で構成するレンズと、を有する照明装置であって、
前記蛍光体材料は、前記の蛍光体及び封止樹脂のほか、前記レンズを形成する樹脂よりも屈折率の低いフィラーを含んでいることを特徴とする照明装置。
- 前記封止樹脂と前記レンズを形成する樹脂の少なくとも一方が、耐硫化性のある樹脂であることを特徴とする請求項1の照明装置。
- 前記封止樹脂と前記レンズを形成する樹脂の両方が、屈折率1.5以上の樹脂であることを特徴とする請求項1の照明装置。
- 前記封止樹脂の屈折率が前記レンズを形成する樹脂の屈折率よりも大きいことを特徴とする請求項1の照明装置。
- 前記蛍光体材料と前記レンズに前記フィラーが含有され、
前記蛍光体材料に含まれるフィラーの重量濃度よりも、前記レンズに含まれるフィラーの重量濃度の方が大きいことを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
- 前記レンズに含有されるフィラーの粒径が200nm未満であることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
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-
2013
- 2013-06-20 JP JP2013129121A patent/JP2015005584A/ja active Pending
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