JP2015005410A - 照明装置及びそれを用いた照明器具 - Google Patents

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Abstract

【課題】コストアップを抑えつつ、器具の周囲温度が高くなった場合でも発光素子をより長い時間点灯可能な照明装置及びそれを用いた照明器具を提供する。
【解決手段】照明装置10は、蓄電池3と、商用電源1が正常に供給されている状態では商用電源1により蓄電池3を充電する充電部2と、発光部5と、商用電源1の異常時に蓄電池3から電力供給を受けて発光部5に定電流を供給する定電流部4と、発光部5に印加される電圧V1を検出する電圧検出部7と、発光部5に流れる電流I1を検出する電流検出部8と、定電流部4の動作を制御する制御部6とを備える。制御部6は、電圧検出部7の検出結果と電流検出部8の検出結果に基づいて器具の周囲温度T2を推定する第1温度推定部61及び第2温度推定部62を有し、第1温度推定部61及び第2温度推定部62が推定した器具の周囲温度T2が上昇すると発光部5に流す電流I1を減少させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、照明装置及びそれを用いた照明器具に関するものである。
従来より、LEDの温度を制御することでLEDの光量を安定化させる制御方法が提供されている(例えば特許文献1参照)。特許文献1に記載された制御方法は、LEDの両端電圧を検出し、検出した両端電圧からLEDの温度を推定し、LEDの温度が所定の温度となるようにファンなどを用いてLEDを冷却するというものである。この制御方法によれば、LED点灯装置の周囲温度の変動に影響されることなく、LEDの温度を制御することができる。
また近年では、LEDを光源とする非常用の照明装置も提供されており、この照明装置の電源にはニッケル水素電池が一般的に用いられる。このニッケル水素電池は、放電時の温度が常温付近のときに電池容量が最大となり、放電時の温度が常温よりも低温又は高温になると電池容量が減少することが知られている。
特開2006−310617号公報
ところで、ニッケル水素電池の電池容量を知るためには器具の周囲温度を検出する必要があるが、上述の特許文献1に示した制御方法は、LEDの両端電圧からLEDの温度を推定するものであって、器具の周囲温度を検出できるものではなかった。そのため、器具の周囲温度を検出しようとすると温度センサなどが必要になり、その分コストアップになるという問題があった。
また、ニッケル水素電池は、放電時の温度が高いと放電容量が減少するため、例えば商用電源の停電時においてニッケル水素電池によりLEDを点灯させた場合、器具の周囲温度が高くなるに従ってLEDの点灯時間が短くなってしまうという問題があった。
本発明は上記問題点に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、コストアップを抑えつつ、器具の周囲温度が高くなった場合でも発光素子をより長い時間点灯可能な照明装置及びそれを用いた照明器具を提供することにある。
本発明の照明装置は、蓄電池と、商用電源が正常に供給されている状態では商用電源により蓄電池を充電する充電部と、発光素子と、商用電源の異常時に蓄電池から電力供給を受けて発光素子に定電流を供給する定電流部と、発光素子に印加される電圧を検出する電圧検出部と、発光素子に流れる電流を検出する電流検出部と、定電流部の動作を制御する制御部とを備え、制御部は、電圧検出部の検出結果と電流検出部の検出結果に基づいて器具の周囲温度を推定する温度推定部を有し、温度推定部が推定した周囲温度が上昇すると発光素子に流す電流を減少させることを特徴とする。
この照明装置において、発光素子はLEDからなり、温度推定部は、電圧検出部の検出結果と電流検出部の検出結果に基づいてLEDのジャンクション温度を求め、求めたジャンクション温度から周囲温度を推定するのが好ましい。
また、この照明装置において、制御部は、温度推定部が推定した周囲温度が所定温度を超えると発光素子に流す電流を減少させるのも好ましい。
また、この照明装置において、制御部は、発光素子に流す電流の下限値を設定するのも好ましい。
本発明の照明器具は、上記の照明装置を備えたことを特徴とする。
本発明の構成によれば、器具の周囲温度が上昇すると発光素子に流す電流を減少させることで蓄電池の放電量を減少させており、その結果、器具の周囲温度が高くなった場合でも発光素子をより長い時間点灯させることができるという効果がある。また、電圧検出部の検出結果と電流検出部の検出結果に基づいて器具の周囲温度を推定しているので、温度を検出するための部品を追加しなくてもよく、コストアップを抑えることができるという効果もある。
本実施形態の照明装置の一例を示す概略回路図である。 同上に用いられる発光部の電圧及び電流と発光部を構成するLEDのジャンクション温度との関係を示すグラフである。 同上に用いられる発光部の電圧及び電流と発光部を構成するLEDのジャンクション温度との関係を示すデータテーブルである。 (a)、(b)は同上の周囲温度と電流指令値との関係を示すグラフである。 同上を用いた照明器具の一例を示し、(a)は外観斜視図、(b)は断面図である。
以下に、照明装置及びそれを用いた照明器具の実施形態について図1〜図5を参照しながら説明する。本実施形態の照明装置は、例えば商用電源の停電時において蓄電池により点灯する非常用の照明装置である。
図1は本実施形態の照明装置10の一例を示す概略回路図である。この照明装置10は、充電部2と、蓄電池3と、定電流部4と、発光部5と、制御部6と、電圧検出部7と、電流検出部8とを備える。
充電部2は、商用電源1が正常に供給されている状態では商用電源1により蓄電池3を充電する。蓄電池3は、例えばニッケル水素電池からなり、商用電源1の停電時において発光部5に点灯電力を供給する非常用電源として機能する。充電部2と蓄電池3の間にはスイッチS1,S2が設けられており、これらのスイッチS1,S2は、商用電源1が正常に供給されている状態で閉極し、商用電源1の停電時に開極する。
定電流部4は、商用電源1の停電時において蓄電池3から電力供給を受け、制御部6より出力される電流指令値I2に基づいた定電流を発光部5に供給する。蓄電池3と定電流部4の間にはスイッチS3,S4が設けられており、これらのスイッチS3,S4は、商用電源1が正常に供給されている状態で開極し、商用電源1の停電時に閉極する。
つまり、商用電源1が正常に供給されている状態では、スイッチS1,S2が閉極し且つスイッチS3,S4が開極しており、充電部2により蓄電池3が充電される。また、商用電源1の停電時には、スイッチS1,S2が開極し且つスイッチS3,S4が閉極しており、蓄電池3に蓄積させた電力が定電流部4へと供給される。
発光部5は、直列に接続された複数のLED(発光ダイオード)51を有し、定電流部4より出力される定電流に応じた照度で点灯する。ここに本実施形態では、LED51により発光素子が構成されている。
電圧検出部7は発光部5に印加される電圧V1を検出し、電流検出部8は発光部5に流れる電流I1を検出し、これらの検出結果は制御部6へと出力される。
制御部6は、第1温度推定部61と、第2温度推定部62と、電流指令値生成部63とで構成される。
第1温度推定部61は、図1に示すように、発光部5に印加される電圧V1及び発光部5に流れる電流I1と、発光部5を構成するLED51のジャンクション温度T1との関係を示すデータテーブルを具備する。そして、第1温度推定部61は、電圧検出部7が検出した電圧V1と電流検出部8が検出した電流I1に基づいて、上記データテーブルからLED51のジャンクション温度T1を求め、求めたジャンクション温度T1を第2温度推定部62へ出力する。
第2温度推定部62は、第1温度推定部61より受け取ったジャンクション温度T1、電圧V1及び電流I1を後述の(1)式に代入することで器具の周囲温度T2を算出し、算出した器具の周囲温度T2を電流指令値生成部63へ出力する。ここに本実施形態では、第1温度推定部61と第2温度推定部62とで温度推定部が構成されている。
電流指令値生成部63は、器具の周囲温度T2と電流指令値I2との関係を示すグラフ(図1参照)に基づくデータテーブルを具備し、第2温度推定部62より受け取った器具の周囲温度T2に基づいて、上記データテーブルから電流指令値I2を求める。電流指令値生成部63は、求めた電流指令値I2を定電流部4へ出力し、定電流部4は、電流指令値生成部63より受け取った電流指令値I2と同じ大きさの電流I1を生成し、発光部5に供給する。
図2は、発光部5に印加される電流V1及び発光部5に流れる電流I1と、発光部5を構成するLED51のジャンクション温度T1との関係を示すグラフである。LED51は、電流I1が増加すると電圧V1が増加する特性を有し、さらにジャンクション温度T1が上昇すると電圧V1が低下する特性を有している。従って、発光部5の電圧V1及び電流I1が分かれば、LED51のジャンクション温度T1を知ることができる。
図2によれば、LED51のジャンクション温度T1が低い場合には、発光部5の電圧V1及び電流I1は直線bに沿って変化し、LED51のジャンクション温度T1が中程度の場合には、発光部5の電圧V1及び電流I1は直線cに沿って変化する。また、LED51のジャンクション温度T1が高い場合には、発光部5の電圧V1及び電流I1は直線dに沿って変化する。
ここで、LEDのジャンクション(接合部)と器具の周囲との間の熱抵抗は、LEDの放熱形態や器具の形状で決まる固有の値であり、上記熱抵抗をRjaとすると、器具の周囲温度T2は、
T2=T1−Rja×V1×I1 ・・・・・ (1)
で求められる。
図3は、発光部5に印加される電圧V1及び発光部5に流れる電流I1と、発光部5を構成するLED51のジャンクション温度T1との関係を示すデータテーブルである。このデータテーブル及び上記(1)式は、制御部6に設けられた記憶部(図示せず)に予め記憶されており、電圧検出部7が検出した電圧V1と電流検出部8が検出した電流I1とに基づいて器具の周囲温度T2を推定する。
図4(a)は器具の周囲温度T2と電流指令値I2との関係を示すグラフである。本実施形態では、器具の周囲温度T2が所定温度T21に達するまでは電流指令値I2を定格値I21とし、器具の周囲温度T2が所定温度T21に達すると電流指令値I2を下限値I22(I21>I22)まで減少させている。
次に、制御部6の動作について説明する。第1温度推定部61は、電圧検出部7が検出した電圧V1及び電流検出部8が検出した電流I1に基づいて、上記データテーブルからLED51のジャンクション温度T1を求め、求めたジャンクション温度T1を第2温度推定部62へ出力する。
第2温度推定部62は、第1温度推定部61より受け取ったジャンクション温度T1、電圧V1及び電流I1を上記(1)式に代入し、器具の周囲温度T2を求め、求めた器具の周囲温度T2を電流指令値生成部63へ出力する。
電流指令値生成部63は、器具の周囲温度T2に基づいて、上記データテーブルから電流指令値I2を求め、求めた電流指令値I2を定電流部4へ出力する。そして、定電流部4は、電流指令値生成部63より受け取った電流指令値I2と同じ大きさの定電流I1を生成し、発光部5に供給する。
ところで、器具の周囲温度T2が高温になると、蓄電池3の放電容量は常温時よりも減少するため、高温時において発光部5に流す電流I1を定格値I21とした場合には、発光部5の点灯時間が短くなってしまう。そこで、本実施形態では、非常点灯時において発光部5に流す電流I1を下限値I22まで減少させることで、器具の周囲温度T2が高温の場合でもより長い点灯時間を確保できるようになっている。
例えば、器具の周囲温度T2=70℃以上のときに、発光部5に流す電流I1を常温時の50%以上の照度が得られる電流値に設定することで、発光部5の照射範囲内において視認性が確保できるとともに、より長い点灯時間を確保することができる。また、器具の周囲温度T2が常温のときは、発光部5に流す電流I1が定格値I21に設定されるため、非常点灯時において十分な照度を得ることができる。
図5(a)は上述の照明装置10を用いた照明器具20の外観斜視図、図5(b)はその断面図である。
照明器具20は、上述した照明装置10と、下面が開口する円筒状に形成された器具本体9とを備え、器具本体9の開口端縁には側方に突出する鍔部9aが全周に亘って設けられている。器具本体9の内部には、図5(b)に示すように、充電部2→蓄電池3→定電流部4、制御部6、電圧検出部7、電流検出部8→発光部5の順番で上から並べて収納され、さらに発光部5は、各LED51が下側となる向きに配置されている。
この照明器具20は、天井材(図示せず)に設けた埋込孔を通して器具本体9が埋込配設された状態で天井材に取り付けられ、商用電源1の停電時には、各LED51から放射される光を下方へと照射する。
本実施形態によれば、器具の周囲温度T2が上昇すると発光部5に流す電流I1を減少させることで蓄電池3の放電量を減少させており、その結果、器具の周囲温度T2が高くなった場合でも発光部5をより長い時間点灯させることができる。また、電圧検出部7の検出結果(電圧V1)と電流検出部8の検出結果(電流I1)に基づいて器具の周囲温度T2を推定しているので、温度を検出するための部品(例えば温度センサ)を追加しなくてもよく、コストアップを抑えることができる。
また、本実施形態によれば、発光部5に印加される電圧V1と発光部5に流れる電流I1を検出するだけでよく、簡単な構成で器具の周囲温度T2を推定することができる。さらに、本実施形態によれば、器具の周囲温度T2が所定温度T21を超えるまでは発光部5に流す電流I1を減少させない。これにより、器具の周囲温度T2が所定温度T21を超えない範囲では、発光部5の照射範囲内において高い視認性を確保しつつ、発光部5を所定時間点灯させることができる。
また、本実施形態のように発光部5に流す電流の下限値I22を設定することで、この下限値I22によって得られる照度以上の照度を確保することができる。さらに、上述した照明装置10を用いることによって、コストアップを抑えつつ、器具の周囲温度T2が高くなった場合でも発光部5をより長い時間点灯可能な照明器具20を提供することができる。
なお、本実施形態では、図4(a)に示すように、器具の周囲温度T2が所定温度T21に達した時点で電流指令値I2を定格値I21から下限値I22に減少させている。これに対して、図4(b)に示すように、周囲温度T2が第1温度T22から第2温度T23まで上昇するときに、電流指令値I2を定格値I21から下限値T22まで徐々に減少させてもよい。この場合、電流I1を徐々に減少させることで、照度変化をユーザーに感じさせにくくすることができる。
また、本実施形態では、充電部2と蓄電池3の間にスイッチS1,S2を設け、蓄電池3と定電流部4の間にスイッチS3,S4を設けたが、これらのスイッチS1〜S4の代わりに半導体スイッチング素子を用いてもよく、本実施形態に限定されない。さらに、本実施形態では、図2及び図3中の電圧V1を発光部5に印加される電圧としたが、各LED51に印加される電圧としてもよく、本実施形態に限定されない。
照明装置10は、蓄電池3と、充電部2と、発光部5と、定電流部4と、電圧検出部7と、電流検出部8と、制御部6とを備える。充電部2は、商用電源1が正常に供給されている状態で商用電源1により蓄電池3を充電する。定電流部4は、商用電源1の異常時に蓄電池3から電力供給を受けて発光部5に定電流を供給する。電圧検出部7は、発光部5に印加される電圧V1を検出し、電流検出部8は、発光部5に流れる電流I1を検出する。制御部6は、定電流部4の動作を制御する。また、制御部6は、電圧検出部7の検出結果と電流検出部8の検出結果に基づいて器具の周囲温度T2を推定する温度推定部(第1温度推定部61及び第2温度推定部62)を有し、前記温度推定部が推定した周囲温度T2が上昇すると発光部5に流す電流を減少させることを特徴とする。
発光部5はLED51からなり、前記温度推定部は、電圧検出部7の検出結果と電流検出部8の検出結果に基づいてLED51のジャンクション温度T1を求め、求めたジャンクション温度T1から周囲温度T2を推定するのが好ましい。
制御部6は、前記温度推定部が推定した周囲温度T2が所定温度T21を超えると発光部5に流す電流I1を減少させるのが好ましい。
制御部6は、発光部5に流す電流I1の下限値I22を設定するのが好ましい。
照明器具20は、照明装置10を備えたことを特徴とする。
1 商用電源
2 充電部
3 蓄電池
4 定電流部
5 発光部
6 制御部
7 電圧検出部
8 電流検出部
10 照明装置
61 第1温度推定部(温度推定部)
62 第2温度推定部(温度推定部)
I1 電流
V1 電圧
T2 周囲温度

Claims (5)

  1. 蓄電池と、商用電源が正常に供給されている状態では前記商用電源により前記蓄電池を充電する充電部と、発光素子と、前記商用電源の異常時に前記蓄電池から電力供給を受けて前記発光素子に定電流を供給する定電流部と、前記発光素子に印加される電圧を検出する電圧検出部と、前記発光素子に流れる電流を検出する電流検出部と、前記定電流部の動作を制御する制御部とを備え、
    前記制御部は、前記電圧検出部の検出結果と前記電流検出部の検出結果に基づいて器具の周囲温度を推定する温度推定部を有し、前記温度推定部が推定した前記周囲温度が上昇すると前記発光素子に流す電流を減少させることを特徴とする照明装置。
  2. 前記発光素子はLEDからなり、
    前記温度推定部は、前記電圧検出部の検出結果と前記電流検出部の検出結果に基づいて前記LEDのジャンクション温度を求め、求めた前記ジャンクション温度から前記周囲温度を推定することを特徴とする請求項1記載の照明装置。
  3. 前記制御部は、前記温度推定部が推定した前記周囲温度が所定温度を超えると前記発光素子に流す電流を減少させることを特徴とする請求項1又は2記載の照明装置。
  4. 前記制御部は、前記発光素子に流す電流の下限値を設定することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の照明装置。
  5. 請求項1〜4の何れか1項に記載の照明装置を備えたことを特徴とする照明器具。
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