JP2015005320A - 情報伝送システム及び情報伝送方法並びに光ディスク装置 - Google Patents

情報伝送システム及び情報伝送方法並びに光ディスク装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ジッタを積極的に用いてデータを伝送することができるシステム及び方法並びに光ディスク装置を提供する。
【解決手段】送信側メモリ10に記憶された第1データを信号送信器14で送信するとともに、送信側メモリ22に記憶された第2データのデータ値に応じて、データ長のズレ量を信号波形ズレ量発生器26で発生し、信号送信器14から送信する。受信側では第1データを復調するとともに、タイムインターバルアナライザ28でズレ量を検出して第2データを復調する。
【選択図】図1

Description

本発明は、情報伝送システム及び情報伝送方法並びに光ディスク装置に関し、特にジッタを利用して情報を伝送する技術に関する。
情報を隠蔽して光ディスク等のメディアに記録する場合、メディアの管理情報エリアを改竄して、通常の手順ではユーザデータを読ませないようにする、あるいはファイルを暗号化する等の方法が採用される。但し、これらの方法では、ユーザデータが存在していること自体は把握可能である。
下記の特許文献1には、光ディスク装置におけるストラテジやレーザパワーのパラメータ設定について記載されており、マーク・スペースを1組として、そのマーク幅の値とスペース幅の値を複数組サンプリングし、複数組のマーク幅の値とスペース幅の値をそれぞれ集計した集計データに基づいて符号間干渉を解析することで、ストラテジやレーザパワーの最適な設定値を自動算出することが記載されている。
特開2006−012333号公報
ところで、一般に、時間軸方向での信号波形の揺らぎをジッタといい、デジタル信号の場合、符号間干渉により同一の信号データパターンで常に一定量のずれ・ジッタが発生する。従来は、送信装置と受信装置との間のデータ伝送において、このような符号間干渉によるジッタが発生しないように設計が行われているが、このような符号間干渉を抑制するのではなく、むしろこれを積極的に活用して情報の隠蔽等に活用することができれば望ましい。
本発明の目的は、時間軸方向の信号波形揺らぎであるジッタを積極的に用いてデータを伝送するシステム及び方法並びに光ディスク装置を提供することにある。
本発明の情報伝送システムは、第1データを基準データ長で送信するとともに、前記第1データと異なる第2データを前記基準データ長にズレ量を付加した付加データ長で送信する送信手段と、前記送信手段から送信された信号を受信し、受信した信号から前記基準データ長を検出することで前記第1データを取得するとともに、前記付加データ長のズレ量を検出することで前記第2データを取得する受信手段とを備えることを特徴とする。
本発明では、基準データ長により第1データを伝送するとともに、基準データ長に付加されたズレ量で第2データを伝送する。従って、ズレ量を単なるジッタと認識する限りにおいては第2データを認識することができず、ズレ量に有意の情報が含まれていると認識する場合にはズレ量を用いて第2データを認識できる。
本発明の1つの実施形態では、前記送信手段は、前記第2データのデータ値とズレ量との対応関係を記憶する手段と、前記対応関係を用いて前記第2データに対応するズレ量を設定して前記付加データ長を生成する手段とを備え、前記受信手段は、前記第2データのデータ値とズレ量との対応関係を記憶する手段と、前記対応関係を用いて前記付加データから検出されたズレ量に対応する前記第2データを得る手段とを備えることを特徴とする。
本発明の他の実施形態では、前記対応関係は、前記第2データのデータ値と、特定データのデータ長のみに付加されたズレ量との対応関係であることを特徴とする。
本発明のさらに他の実施形態では、前記対応関係は、前記第2データのデータ値と、複数のデータからなるパターンのうち少なくともいずれかのデータのデータ長に付加されたズレ量との対応関係であることを特徴とする。
本発明のさらに他の実施形態では、前記ズレ量には、大きさの異なるズレ量と符号の異なるズレ量の少なくともいずれかが含まれることを特徴とする。
本発明のさらに他の実施形態では、前記送信手段は、特定期間は前記ズレ量を付加しないで前記第1データのみを送信し、前記特定期間以外の期間において前記ズレ量を付加して前記第1データ及び前記第2データを送信し、前記受信手段は、検出したズレ量から前記特定期間において取得したジッタ成分を差し引いて得られるズレ量を用いて前記第2データを取得することを特徴とする。
本発明のさらに他の実施形態では、前記受信手段は、所定サンプリング期間で集計したデータ長の平均値を用いて前記ズレ量を検出することを特徴とする。
また、本発明の光ディスク装置は、第1データを所定の記録ストラテジで基準データ長の記録パルスに変換して光ディスクに記録するとともに、前記第1データと異なる第2データを前記基準データ長にズレ量を付加した付加データ長の記録パルスに変換して前記光ディスクに記憶する記録手段と、前記光ディスクを再生して得られる再生信号から前記基準データ長を検出することで前記第1データを復調するとともに、前記付加データ長のズレ量を検出することで前記第2データを復調する再生手段とを備えることを特徴とする。
本発明の1つの実施形態では、前記記録手段は、前記第2データのデータ値と、特定データのデータ長のみに付加されたズレ量との対応関係を用いて前記第2データに対応するズレ量を設定して前記付加データ長の記録パルスに変換し、前記再生手段は、前記対応関係を用いて前記第2データを復調することを特徴とする。
本発明の他の実施形態では、前記記録手段は、前記第2データのデータ値と、複数のデータからなるパターンのうち少なくともいずれかのデータのデータ長に付加されたズレ量との対応関係を用いて前記第2データに対応するズレ量を設定して前記付加データ長の記録パルスに変換し、前記再生手段は、前記対応関係を用いて前記第2データを復調することを特徴とする。
本発明のさらに他の実施形態では、前記記録手段は、前記光ディスクの特定アドレスでは前記ズレ量を付加しないで前記第1データのみを記録し、前記特定アドレス以外のアドレスにおいて前記ズレ量を付加して前記第1データ及び前記第2データを記録し、前記再生手段は、検出したズレ量から前記特定アドレスにおいて取得したジッタ成分を差し引いて得られるズレ量を用いて前記第2データを復調することを特徴とする。
また、本発明の情報伝送方法は、第1データを基準データ長で送信するとともに、前記第1データと異なる第2データを前記基準データ長にズレ量を付加した付加データ長で送信し、送信された信号を受信し、受信した信号から前記基準データ長を検出することで前記第1データを取得するとともに、前記付加データ長のズレ量を検出することで前記第2データを取得することを特徴とする。
本発明によれば、符号間干渉あるいはジッタを積極的に用いてデータを伝送することができる。
情報伝送システムの基本構成図である。 ズレ量が付加された信号波形説明図である。 5Tマークにズレ量が付加された信号波形説明図である。 サンプリング期間のデータ長(信号長)の平均値を示す図である。 第2データのデータ値とズレ量との対応関係を示す図である。 第2データのデータ値とズレ量との対応関係を示す図である。 第2データのデータ値とズレ量との対応関係を示す図である。 第2データのデータ値とズレ量との対応関係を示す図である。 光ディスク装置の構成図である。
以下、図面に基づき本発明の実施形態について説明する。
まず、本実施形態の基本原理について説明する。従来は、上記のように送信装置と受信装置との間のデータ伝送において、符号間干渉によるジッタが発生しないように設計が行われているが、本実施形態では、ジッタを積極的に用い、これに情報を含ませて送信側から受信側に情報を伝送する。
図1に、本実施形態のシステム構成図を示す。
送信装置として、送信側メモリ10(送信側メモリ1)、エンコーダ12(エンコーダ1)、信号送信器14を備えるとともに、送信側メモリ22(送信側メモリ2)、エンコーダ24(エンコーダ2)、信号波形ズレ量発生器26を備える。
受信装置として、信号受信器16、デコーダ18(デコーダ1)、受信側メモリ20(受信側メモリ1)を備えるとともに、タイムインターバルアナライザ28、デコーダ30(デコーダ2)、受信側メモリ32(受信側メモリ2)を備える。
送信装置の送信側メモリ10、エンコーダ12、信号送信器14と、受信装置の信号受信器16、デコーダ18、受信側メモリ20で通常の伝送系を構成し、送信側メモリ22、エンコーダ24、信号波形ズレ量発生器26と、受信装置のタイムインターバルアナライザ28、デコーダ30、受信側メモリ32とで本実施形態の符号間干渉を用いた伝送系1を構成する。
通常の伝送系に関しては、送信側メモリ10は、伝送すべきデータを記憶する。エンコーダ12は、送信側メモリ10に記憶されたデータを読み出して所定の方式(送信装置の種類に応じた符号化方式)で誤り訂正符号を付加しつつエンコードして信号送信器14に出力する。信号送信器14は、有線あるいは無線によりエンコードされたデータを受信装置側に送信する。信号受信器16は、有線あるいは無線で送信されたデータを受信してデコーダ18に出力する。デコーダ18は、受信したデータを所定の方式(受信装置がサポートする受信データに対応した復号化方式)で訂正検出及びデコードして受信側メモリ20に出力する。受信側メモリ20は、デコードされたデータを記憶する。
他方、符号間干渉を用いた伝送系に関しては、送信側メモリ22は、符号間干渉で伝送すべきデータを記憶する。エンコーダ24は、送信側メモリ22からデータを読み出してエンコードし、信号波形ズレ量発生器26に出力する。信号波形ズレ量発生器26は、エンコードされたデータに応じて信号波形ズレ、すなわちジッタを生成して信号送信器14に出力する。具体的には、信号波形ズレ量発生器26は、予め特定の信号データパターンとズレ量との関係をテーブルとして記憶しておき、このテーブルに基づいて1データ毎にズレ量に変換して出力する。信号送信器14は、エンコーダ12からのデータに応じて伝送信号波形を生成するとともに、信号波形ズレ量発生器26で生成されたズレ量、すなわちジッタを含むように伝送信号波形を生成して受信装置側に伝送する。タイムインターバルアナライザ28は、信号受信器16で受信した信号波形のタイムインターバル、つまりデータ長を解析し、信号に含まれるジッタを検出してデコーダ30に出力する。デコーダ30は、検出されたジッタをデコードしてデータを復調し、受信側メモリ32に出力する。受信側メモリ32は、復調したデータを記憶する。
送信側メモリ22に記憶されるデータは送信側メモリ10に記憶されるデータとは別個のデータであり、伝送信号のジッタに埋め込まれて暗号化されたデータである。従って、仮に信号送信器14から伝送された信号を第三者が受信しても、受信した信号のジッタに着目しない限り、本来のデータとは異なる別のデータが含まれていることを認識できない。このことは、符号間干渉を用いた伝送系により、本来のデータとは別に、情報を隠蔽して送信側から受信側に伝送できることを意味する。
なお、本実施形態では、信号波形ズレ量発生器26により意図的にズレ量を発生させているが、これとは別に信号送信器14から伝送される信号には本来のズレ量も存在し得る。そこで、符号間干渉により生じるズレ量と、信号波形ズレ量発生器26により付加されたズレ量とを判別するために、最初のサンプリング期間では、基準値として各信号パターンにズレ量を印加せずに信号を伝送する。そして、次のサンプリング期間以降からは、特定の信号データパターンにズレ量を印加し、サンプリング期間毎に更新して全データを送信する。受信装置では、最初のサンプリング期間で得られた各データパターンのデータ長を基準値として、次のサンプリング期間以降で得られた各データパターンのデータ長と基準値との差分をとることで、意図的に印加されたズレ量を検出する。
また、本実施形態において、信号伝送中の各種要因によりデータ長にばらつきが生じ得るため、サンプリング期間中において各データパターンのデータ長の統計をとり、そのデータの平均を用いるのが好適である。
以下では、伝送すべき本来のデータを第1データ、本来のデータとは別個の、符号間干渉あるいはジッタを用いて伝送されるデータを第2データと称する。第2データは、密かに伝送されるデータであるから第2データあるいは秘匿データということもできる。
図2に、マーク(閾値レベルより上のレベルあるいは論理値「1」)とスペース(閾値レベルより下のレベルあるいは論理値「0」)で第1データを伝送するとともに、信号波形の時間軸方向のズレ、すなわちジッタで第2データを伝送する場合の信号波形を示す。
図2(a)は、データパターンとして、(1Tスペース+5Tマーク)のパターンであり、1Tスペース及び5Tマークのいずれにもズレ量を付加しない場合である。
図2(b)は、同じ(1Tスペース+5Tマーク)のパターンにおいて、5Tマークの長さをΔTだけ短くしてズレ量を付加した場合である。5Tマークの長さが5T−ΔTとΔTだけずれている。
図2(c)は、同じ(1Tスペース+5Tマーク)のパターンにおいて、5Tマークの長さをΔTだけ長くしてズレ量を付加した場合である。5Tマークの長さが5T+ΔTとΔTだけずれている。
ズレ量の大きさ及び符号を変えることで、第2データを変化させることができる。例えば、ズレ量がΔTの場合には第2データ「1」、ズレ量が−ΔTの場合には第2データ「2」等である。
図3に、(1Tスペース+5Tマーク)のパターンにおいて、5Tマークの長さをΔTだけ長くしてズレ量を付加した場合の信号波形の詳細を示す。図3(a)は、信号波形であり、図3(b)は、図3(a)の信号波形を閾値を用いて二値化した波形である。5Tマークのデータ長は、例えば5.1Tとして検出される。このような波形は、意図的にズレ量を付加しなくても符号間干渉により生じ得る波形である。そこで、上述したように、最初のサンプリング期間においてズレ量を付加せずに信号を伝送し、この符号間干渉によるズレ量を基準値として、付加されたズレ量=(検出されたズレ量−基準値)により付加されたズレ量のみを検出すればよい。
ズレ量の大きさに関しては任意であるが、ズレ量が±5/10T以上となるとデータ長を誤判別してしまうため、ズレ量の大きさは±5/10T未満とするのが望ましい。さらに、データ長のバラツキや通常の伝送系のデコーダ18でエラーが発生しないように、ズレ量の最小値及び最大値を設定するのが望ましい。例えば、ズレ量の最小値(絶対値)を2/10Tとし、ズレ量の最大値(絶対値)を5/10Tとする等である。付加すべきズレ量の最小値は、上記の基準値、つまり意図的にズレ量を付加しない場合のジッタ量よりも大きくする。
図4に、サンプリング期間で集計した特定データパターン(例えば、1Tスペース+5Tマークのパターン)のデータ長平均値を示す。図4(a)は、特定のデータパターンにズレ量を付加しない場合であり、データ長の平均値はある基準値となる。図4(b)は、特定のデータパターンにプラスのズレ量を付加した場合であり、データ長の平均値は図4(a)の基準値よりも長くなる。図4(c)は、特定のデータパターンにマイナスのズレ量を付加した場合であり、データ長の平均値は図4(a)の基準値よりも短くなる。
このように、データ長にバラツキが生じたとしても、サンプリング期間中に各データパターンのデータ長の平均を算出することで、付加されたズレ量を確実に検出できる。なお、サンプリング期間中に、特定の信号パターンの度数が十分にとれるようにサンプリング期間を設定することは言うまでもない。
次に、信号波形ズレ量発生器26においてズレ量を設定する際に用いられる、第2データとズレ量との関係について説明する。
図5に、1サンプリング期間中において、1データパターンのみのデータ長にズレ量を付加する場合の例を示す。4Tマーク、3Tマーク、2Tマークに着目し、これらのいずれかにズレ量を付加し、第2データと対応付ける。
例えば、第2データ「0」に対しては、4Tマーク、3Tマーク、2Tマークのいずれのデータ長も標準長(基準データ長)、つまりズレ量を付加しないものとする。
第2データ「1」に対しては、4Tマーク、3Tマークのデータ長は標準長(基準データ長)とするが、2Tマークについてはプラスのズレ量を付加してデータ長を標準長よりも長めに設定する。具体的には、
4Tマーク:基準データ長の4T
3Tマーク:基準データ長の3T
2Tマーク:基準データ長の2Tに対し、2T+ΔT
である。ΔTはプラスのズレ量を示す。
第2データ「2」に対しては、4Tマーク、2Tマークのデータ長は標準長とするが、3Tマークについてはプラスのズレ量を付加してデータ長を標準長よりも長めに設定する。具体的には、
4Tマーク:基準データ長の4T
3Tマーク:基準データ長の3Tに対し、3T+ΔT
2Tマーク:基準データ長の2T
である。
第2データ「3」に対しては、3Tマーク、2Tマークのデータ長は標準長とするが、4Tマークについてはプラスのズレ量を付加してデータ長を標準長よりも長めに設定する。具体的には、
4Tマーク:基準データ長の4Tに対し、4T+ΔT
3Tマーク:基準データ長の3T
2Tマーク:基準データ長の2T
である。
図6に、1サンプリング期間中において、3データパターンのデータ長にズレ量を付加する場合の例を示す。4Tマーク、3Tマーク、2Tマークに着目し、これらの少なくともいずれかにズレ量を付加し、第2データと対応付ける。
例えば、第2データ「3」に対しては、4Tマークのデータ長は標準長とするが、3Tマーク及び2Tマークのデータ長にプラスのズレ量を付加してデータ長を標準長よりも長めに設定する。
第2データ「5」に対しては、3Tマークのデータ長は標準長とするが、4Tマーク及び2Tマークのデータ長にプラスのズレ量を付加してデータ長を標準長よりも長めに設定する。
第2データ「7」に対しては、4Tマーク、3Tマーク、2Tマークのデータ長にプラスのズレ量を付加してデータ長を標準長よりも長めに設定する。
図7に、特定の信号データパターンのみに多値のズレ量を付加する場合の例を示す。例えば、2Tマークのみにズレ量を付加する場合である。
例えば、第2データ「0」に対しては、2Tマークに+2/10Tのズレ量を付加してデータ長を長めに設定する。
第2データ「1」に対しては、2Tマークに+1/10Tのズレ量を付加してデータ長を長めに設定する。
第2データ「2」に対しては、2Tマークに−1/10Tのズレ量を付加してデータ長を短めに設定する。
第2データ「3」に対しては、2Tマークに−2/10Tのズレ量を付加してデータ長を短めに設定する。
信号波形ズレ量発生器26は、図5〜図7に示すテーブルのいずれかを用いて第2データをズレ量に変換して信号送信器14に出力する。なお、図5及び図6においては、プラスのズレ量を付加してデータ長を長めに設定しているが、図7と同様に付加すべきズレ量の大きさ及び符号を変化させてもよい。
図8に、第2データとズレ量の対応関係をまとめて示す。1サンプリング期間中1データパターンのみを変更する場合と、1サンプリング期間中3データパターンを変更する場合のそれぞれについて示す。
1サンプリング期間中1データパターンのみを変更する場合、4Tマーク、3Tマーク、2Tマークのいずれかのデータ長に+1/10Tあるいは−1/10Tの多値のズレ量を付加する。また、1サンプリング期間中3データパターンを変更する場合、4Tマーク、3Tマーク、2Tマークの少なくともいずれかのデータ長に+1/10Tあるいは−1/10Tの多値のズレ量を付加する。図8において、付加すべきズレ量として、さらに+n/10Tあるいは−n/10T(但し、n=2,3,4、・・・)を用いることで、第2データの数を増やすことができる。
このように、本実施形態では、1個あるいは複数個のデータパターンの中から少なくともいずれかのデータパターンを選択し、選択したデータパターンのデータ長に意図的にプラスあるいはマイナスのズレ量を付加することで第2データを埋め込んで第1データとともに伝送するので、データが埋め込まれていることを知らない第三者が伝送された情報を不正に取得しても、第1データは認識できても第2データを認識することができず、第2データの安全性が確保される。また、第1データ(ユーザデータ)は通常通り伝送されるので、ジッタの量・分布による情報分だけ伝送される情報量が増えることになる。
次に、本実施形態の伝送技術を光ディスク装置に適用した例について説明する。
図9に、光ディスク装置の構成ブロック図を示す。DVD等の光ディスク50はスピンドルモータで回転駆動され、光ピックアップ52から照射される記録レーザ光でデータを書き込み、再生レーザ光でデータを読み取る。
記録系として、記録用メモリ54(記録用メモリ1)、エンコーダ56(エンコーダ1)、信号処理回路58に加え、記録用メモリ70(記録用メモリ2)、エンコーダ72(エンコーダ2)、信号波形ズレ量発生器74を備える。記録用メモリ70と、エンコーダ72と、信号波形ズレ量発生器74が符号間干渉を用いた伝送記録系2を構成する。図1の構成と対比すると、記録用メモリ70は送信側メモリ22に対応し、エンコーダ72はエンコーダ24に対応し、信号波形ズレ量発生器74は信号波形ズレ量発生器26に対応する。
再生系として、再生用メモリ60(再生用メモリ1)、デコーダ62(デコーダ1)、信号処理回路64に加え、再生用メモリ76(再生用メモリ2)、デコーダ78(デコーダ2)、タイムインターバルアナライザ80を備える。再生用メモリ76と、デコーダ78と、タイムインターバルアナライザ80が符号間干渉を用いた伝送再生系3を構成する。図1の構成と対比すると、タイムインターバルアナライザ80はタイムインターバルアナライザ28に対応し、デコーダ78はデコーダ30に対応し、再生用メモリ76は受信側メモリ32に対応する。
データ記録時には、記録用メモリ54に記憶された第1データ、つまり記録すべき本来のデータを読み出してエンコーダ56に出力し、エンコーダ56は誤り訂正符号を付加して所定の形式(光ディスクの種類に応じた変調形式)でエンコードして信号処理回路58に出力する。信号処理回路58は、所定の記録ストラテジに基づいて記録パルスを生成し、光ピックアップ52のレーザダイオード(LD)を駆動して光ディスク50にデータを記録する。光ディスク50がDVDの場合、データのデータ長として1T〜14Tが存在し、各Tのズレ量を調整する記録ストラテジのパラメータが存在する。記録ストラテジのパラメータは、nTスペース+mTマーク(n=3〜14/m=3〜14)やnTマーク+mTスペース(n=3〜14/m=3〜14)である。この処理と並行して、記録用メモリ70に記憶された第2データを読み出してエンコーダ72に出力する。エンコーダ72は、誤り訂正符号を付加して所定の形式でエンコードして信号波形ズレ量発生器74に出力する。信号波形ズレ量発生器74は、図5〜図8に示されるテーブルのいずれかを用いて第2データをズレ量に変換して信号処理回路58に出力する。信号処理回路58は、特定の記録データパターン、例えば2Tマークにズレ量を付加した記録パルスで光ディスク50にデータを記録する。
なお、符号間干渉によるズレ量と意図的に付加したズレ量を判別するために、特定のアドレス(予め決められたアドレスでもよいし、任意に設定されるアドレスでもよい)に基準値として各記録データパターンにズレ量を付加しない記録パルスでデータを記録する。そして、それ以外のアドレスでは、特定の記録データパターンにズレ量を付加し、特定のレングス(サンプリング期間)毎に更新して全データを記録する。
データ再生時には、光ディスク50から読み取ったRF信号を信号処理回路64で処理し、デコーダ62でデコードして第1データを復調し、再生用メモリ60に記憶する。この処理と並行して、タイムインターバルアナライザ80は、読み取ったRF信号のデータパターンからズレ量を検出する。タイムインターバルアナライザ80は、図5〜図8に示されるテーブルのいずれか(つまり、信号波形ズレ量発生器74で用いられるテーブルと同一のテーブル)を用いてズレ量を第2データに変換してデコーダ78に出力する。この際、タイムインターバルアナライザ80は、特定のアドレスに記録された各データパターンのデータ長の基準値を取得し、次にそれ以外のアドレスに記録されている各データパターンのデータ長を再生し、基準値との差分をとってズレ量を検出する。また、サンプリング期間中に、特定の信号データパターンの度数(個数)が十分にとれるように再生レングス(サンプリング期間)を設定する。デコーダ78は、誤り検出訂正して復号化し、得られた第2データを再生用メモリ76に記憶する。
本実施形態によれば、第1データ(ユーザデータ)、すなわちリードコマンドで再生できるデータには新規のデータを埋め込むことなく、ズレ量、つまりジッタにより別の第2データを埋め込んで光ディスク50に記録することができる。従って、第2データが埋め込まれていることを知らない第三者が光ディスク50を入手しても、当該第2データを認識することができない。
なお、光ディスク装置には、符号間干渉を測定できるタイムインターバルアナライザを備えているものがあるが、このタイムインターバルアナライザを図9のタイムインターバルアナライザ80として援用することが可能である。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されず種々の変形が可能である。
例えば、本実施形態において、図1の送信側メモリ22に記憶されるデータそのものを暗号化済のデータとし、この暗号化済のデータをエンコードして信号波形ズレ量に変換して受信側に送信してもよい。
また、光ディスク装置に適用する場合、データ記録時に、第1データに加えて第2データが記録されている何らかのフラグを、第1データに含めて光ディスク50に記録してもよい。データ再生時には、第1データに含まれるフラグを検出することで、第1データに加えて第2データを再生する。フラグが存在しない場合には、第1データのみを再生する。
また、デジタルデータ伝送方式としては、ベースバンド方式と帯域伝送方式があるが、本発明はいずれの方式にも適用し得る。
10 送信側メモリ、12 エンコーダ、14 信号送信器、16 信号受信器、18 デコーダ、20 受信側メモリ、22 送信側メモリ、24 エンコーダ、26 信号波形ズレ量発生器、28 タイムインターバルアナライザ、30 デコーダ、32 受信側メモリ。

Claims (12)

  1. 第1データを基準データ長で送信するとともに、前記第1データと異なる第2データを前記基準データ長にズレ量を付加した付加データ長で送信する送信手段と、
    前記送信手段から送信された信号を受信し、受信した信号から前記基準データ長を検出することで前記第1データを取得するとともに、前記付加データ長のズレ量を検出することで前記第2データを取得する受信手段と、
    を備えることを特徴とする情報伝送システム。
  2. 請求項1記載の情報伝送システムにおいて、
    前記送信手段は、
    前記第2データのデータ値とズレ量との対応関係を記憶する手段と、
    前記対応関係を用いて前記第2データに対応するズレ量を設定して前記付加データ長を生成する手段と、
    を備え、
    前記受信手段は、
    前記第2データのデータ値とズレ量との対応関係を記憶する手段と、
    前記対応関係を用いて前記付加データから検出されたズレ量に対応する前記第2データを得る手段と、
    を備えることを特徴とする情報伝送システム。
  3. 請求項2記載の情報伝送システムにおいて、
    前記対応関係は、前記第2データのデータ値と、特定データのデータ長のみに付加されたズレ量との対応関係である
    ことを特徴とする情報伝送システム。
  4. 請求項2記載の情報伝送システムにおいて、
    前記対応関係は、前記第2データのデータ値と、複数のデータからなるパターンのうち少なくともいずれかのデータのデータ長に付加されたズレ量との対応関係である
    ことを特徴とする情報伝送システム。
  5. 請求項3,4のいずれかに記載の情報伝送システムにおいて、
    前記ズレ量には、大きさの異なるズレ量と符号の異なるズレ量の少なくともいずれかが含まれる
    ことを特徴とする情報伝送システム。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の情報伝送システムにおいて、
    前記送信手段は、特定期間は前記ズレ量を付加しないで前記第1データのみを送信し、前記特定期間以外の期間において前記ズレ量を付加して前記第1データ及び前記第2データを送信し、
    前記受信手段は、検出したズレ量から前記特定期間において取得したジッタ成分を差し引いて得られるズレ量を用いて前記第2データを取得する
    ことを特徴とする情報伝送システム。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載の情報伝送システムにおいて、
    前記受信手段は、所定サンプリング期間で集計したデータ長の平均値を用いて前記ズレ量を検出する
    ことを特徴とする情報伝送システム。
  8. 第1データを所定の記録ストラテジで基準データ長の記録パルスに変換して光ディスクに記録するとともに、前記第1データと異なる第2データを前記基準データ長にズレ量を付加した付加データ長の記録パルスに変換して前記光ディスクに記憶する記録手段と、
    前記光ディスクを再生して得られる再生信号から前記基準データ長を検出することで前記第1データを復調するとともに、前記付加データ長のズレ量を検出することで前記第2データを復調する再生手段と、
    を備えることを特徴とする光ディスク装置。
  9. 請求項8記載の光ディスク装置において、
    前記記録手段は、前記第2データのデータ値と、特定データのデータ長のみに付加されたズレ量との対応関係を用いて前記第2データに対応するズレ量を設定して前記付加データ長の記録パルスに変換し、
    前記再生手段は、前記対応関係を用いて前記第2データを復調する
    ことを特徴とする光ディスク装置。
  10. 請求項8記載の光ディスク装置において、
    前記記録手段は、前記第2データのデータ値と、複数のデータからなるパターンのうち少なくともいずれかのデータのデータ長に付加されたズレ量との対応関係を用いて前記第2データに対応するズレ量を設定して前記付加データ長の記録パルスに変換し、
    前記再生手段は、前記対応関係を用いて前記第2データを復調する
    ことを特徴とする光ディスク装置。
  11. 請求項8〜10のいずれかに記載の光ディスク装置において、
    前記記録手段は、前記光ディスクの特定アドレスでは前記ズレ量を付加しないで前記第1データのみを記録し、前記特定アドレス以外のアドレスにおいて前記ズレ量を付加して前記第1データ及び前記第2データを記録し、
    前記再生手段は、検出したズレ量から前記特定アドレスにおいて取得したジッタ成分を差し引いて得られるズレ量を用いて前記第2データを復調する
    ことを特徴とする光ディスク装置。
  12. 第1データを基準データ長で送信するとともに、前記第1データと異なる第2データを前記基準データ長にズレ量を付加した付加データ長で送信し、
    送信された信号を受信し、受信した信号から前記基準データ長を検出することで前記第1データを取得するとともに、前記付加データ長のズレ量を検出することで前記第2データを取得する
    ことを特徴とする情報伝送方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108108298A (zh) * 2016-11-24 2018-06-01 北京国双科技有限公司 一种模拟数据的生成方法及装置

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