JP2015004813A - リタデーション上昇剤 - Google Patents
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Abstract
Description
また、本発明の他の目的は、該リタデーション上昇剤を含有するセルロース系樹脂組成物を提供することにある。
さらに、本発明の他の目的は、該セルロース系樹脂組成物から得られる優れた光学特性を有するフィルムを提供することにある。
(式中、R1〜R5、R7は水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、置換基を有してもよい炭素原子数1〜10のアルキル基、置換基を有してもよい炭素原子数1〜10のアルコキシ基、置換基を有してもよい炭素原子数6〜20のアリールオキシ基、置換基を有してもよい炭素原子数7〜20のアリールアルキル基、置換基を有してもよい炭素原子数5〜12のシクロアルキル基、置換基を有してもよい炭素原子数2〜10のアルカノイルオキシ基、置換基を有してもよい炭素原子数2〜20のアルコキシアルキレンオキシ基、置換基を有してもよい炭素原子数2〜10のアルコキシカルボニル基、置換基を有してもよい炭素原子数3〜21のアルコキシカルボニルアルキレンオキシ基、置換基を有してもよい炭素原子数3〜21のアルキルカルボニルオキシアルキレンオキシ基、シアノ基、ニトロ基、1級又は2級のアミノ基、置換基を有してもよいアミド基を表し、R1〜R5で表される基のうち隣り合う2個の基が連結してそれぞれ結合する炭素原子とともに5員環または6員環を形成していてもよい。また、R6はn1価の芳香族基、若しくは芳香族基で置換されたn1価の脂肪族基を表す。)
(式中、R11〜R17は水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、置換基を有してもよい炭素原子数1〜10のアルキル基、置換基を有してもよい炭素原子数1〜10のアルコキシ基、置換基を有してもよい炭素原子数6〜20のアリールオキシ基、置換基を有してもよい炭素原子数7〜20のアリールアルキル基、置換基を有してもよい炭素原子数5〜12のシクロアルキル基、置換基を有してもよい炭素原子数2〜10のアルカノイルオキシ基、置換基を有してもよい炭素原子数2〜20のアルコキシアルキレンオキシ基、置換基を有してもよい炭素原子数2〜10のアルコキシカルボニル基、置換基を有してもよい炭素原子数3〜21のアルコキシカルボニルアルキレンオキシ基、置換基を有してもよい炭素原子数3〜21のアルキルカルボニルオキシアルキレンオキシ基、シアノ基、ニトロ基、1級又は2級のアミノ基、置換基を有してもよいアミド基を表し、R11〜R15で表される基のうち隣り合う2個の基が連結してそれぞれ結合する炭素原子とともに5員環または6員環を形成していてもよい。また、R18はn2価の脂肪族基またはn2価の芳香族基、若しくは芳香族基で置換されたn2価の脂肪族基を表す。)
Rthは下記式で定義される値である。
Rth={(nx+ny)/2−nz}×d
[式中,nxはフィルム面内の屈折率が最も大きい方向の屈折率、nyはnxに直角な方向でのフィルム面内の屈折率、nzはフィルムの厚み方向の屈折率、dはフィルムの厚み(nm)を表す。]
これらリタデーション値、Rthは、例えば、KOBRA−WR(王子計測機器(株)製)やRETS−100(大塚電子(株)製)などの自動複屈折率計を用いて測定することができる。
<セルロース系樹脂>
本発明に用いられるセルロース系樹脂としては、いずれの種類のものであってもよいが、セルロースの低級脂肪酸エステルであることが好ましい。セルロースの低級脂肪酸エステルにおける低級脂肪酸とは、炭素原子数が6以下の脂肪酸を意味する。セルロースの低級脂肪酸エステルとしては、例えば、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート等や、特開平10−45804号公報、特開平8−231761号公報、米国特許第2,319,052号明細書等に記載されているようなセルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート等の混合脂肪酸エステルを挙げることができる。
一般式(1)及び(2)において、R1〜R5、R7及びR11〜R17がとりうるハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられる。
5員環の例としては、シクロペンテン環、シクロペンタジエン環、イミダゾール環、チアゾール環、ピラゾール環、オキサゾール環、イソキサゾール環、チオフェン環、フラン環、ピロール環等が挙げられる。6員環の例としては、シクロヘキサン環、シクロヘキセン環、シクロヘキサジエン環、ベンゼン環、ピリジン環、ピペラジン環、ピペリジン環、モルフォリン環、ピラジン環、ピロン環、ピロリジン環等が挙げられる。5員環および6員環は置換基を有してもよい。
残留溶剤量=〔(加熱処理前のフィルム質量−加熱処理後のフィルム質量)/(加熱処理後のフィルム質量)〕×100(%)
尚、残留溶剤量を測定する際の加熱処理とは、フィルムを115℃で1時間加熱することをいう。また、セルロース系樹脂フィルムの乾燥工程においては、支持体より剥離したフィルムを更に乾燥し、残留溶剤量を3質量%以下にすることが好ましく、0.5質量%以下がより好ましい。フィルム乾燥工程では一般にロール懸垂方式か、テンター方式でフィルムを搬送しながら乾燥する方式を採ることができる。
≪実施例1〜9、比較例1〜4≫
セルローストリアセテート(酢化度61.5%、重合度260)を100質量部及び下記の表1〜表3記載の添加剤を同表記載の質量部で、ジクロロメタン400質量部とメチルアルコール100質量部とからなる混合溶剤に撹拌しながら均一に溶解させ、各種ドープ液を調製した。次いで、得られたドープ液をガラス板上に約80μmになるように流延し、室温で16時間乾燥させた後、50℃で1時間乾燥させ、さらに120℃で1時間乾燥させ、各種評価フィルムを得た。得られたフィルムの膜厚はいずれも約80μmであった。
得られたフィルムについて、下記式に従い自動複屈折率計RETS−100(大塚電子(株)製)を用いて、25℃、相対湿度60%環境下、波長590nmにおける厚み方向のリタデーション(Rth)を測定した。
Rth={(nx+ny)/2−nz}×d
[式中,nxはフィルム面内の屈折率が最も大きい方向の屈折率、nyはnxに直角な方向でのフィルム面内の屈折率、nzはフィルムの厚み方向の屈折率、dはフィルムの厚み(nm)を表す。]
熱量計測定装置(Rigaku社製)を用いて、下記表1〜4に示す化合物について、窒素200ml/min、20℃/min、140℃で60分ホールドした後の重量減少(%)が1.5%未満の場合は○、1.5%以上の場合は×と評価した。結果を下記表1〜4に示す。
Claims (7)
- 下記一般式(1)及び(2)で表される化合物の少なくとも一種からなることを特徴とするリタデーション上昇剤。
(式中、R1〜R5、R7は水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、置換基を有してもよい炭素原子数1〜10のアルキル基、置換基を有してもよい炭素原子数1〜10のアルコキシ基、置換基を有してもよい炭素原子数6〜20のアリールオキシ基、置換基を有してもよい炭素原子数7〜20のアリールアルキル基、置換基を有してもよい炭素原子数5〜12のシクロアルキル基、置換基を有してもよい炭素原子数2〜10のアルカノイルオキシ基、置換基を有してもよい炭素原子数2〜20のアルコキシアルキレンオキシ基、置換基を有してもよい炭素原子数2〜10のアルコキシカルボニル基、置換基を有してもよい炭素原子数3〜21のアルコキシカルボニルアルキレンオキシ基、置換基を有してもよい炭素原子数3〜21のアルキルカルボニルオキシアルキレンオキシ基、シアノ基、ニトロ基、1級又は2級のアミノ基、置換基を有してもよいアミド基を表し、R1〜R5で表される基のうち隣り合う2個の基が連結してそれぞれ結合する炭素原子とともに5員環または6員環を形成していてもよい。また、R6はn1価の芳香族基、若しくは芳香族基で置換されたn1価の脂肪族基を表す。)
(式中、R11〜R17は水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、置換基を有してもよい炭素原子数1〜10のアルキル基、置換基を有してもよい炭素原子数1〜10のアルコキシ基、置換基を有してもよい炭素原子数6〜20のアリールオキシ基、置換基を有してもよい炭素原子数7〜20のアリールアルキル基、置換基を有してもよい炭素原子数5〜12のシクロアルキル基、置換基を有してもよい炭素原子数2〜10のアルカノイルオキシ基、置換基を有してもよい炭素原子数2〜20のアルコキシアルキレンオキシ基、置換基を有してもよい炭素原子数2〜10のアルコキシカルボニル基、置換基を有してもよい炭素原子数3〜21のアルコキシカルボニルアルキレンオキシ基、置換基を有してもよい炭素原子数3〜21のアルキルカルボニルオキシアルキレンオキシ基、シアノ基、ニトロ基、1級又は2級のアミノ基、置換基を有してもよいアミド基を表し、R11〜R15で表される基のうち隣り合う2個の基が連結してそれぞれ結合する炭素原子とともに5員環または6員環を形成していてもよい。また、R18はn2価の脂肪族基またはn2価の芳香族基、若しくは芳香族基で置換されたn2価の脂肪族基を表す。) - 一般式(1)のR6で表される芳香族基で置換された脂肪族基における脂肪族基部分の炭素原子数が1〜4である請求項1記載のリタデーション上昇剤。
- 一般式(1)のR6で表される芳香族基が、炭素原子数6〜12の芳香族基である請求項1記載のリタデーション上昇剤。
- 一般式(2)のn2が1である請求項1記載のリタデーション上昇剤。
- セルロース系樹脂100質量部に対し、請求項1〜4のうちいずれか一項記載のリタデーション上昇剤を0.1〜30質量部配合してなることを特徴とするセルロース系樹脂組成物。
- セルロース系樹脂が、セルロースアシレートである請求項5記載のセルロース系樹脂組成物。
- 請求項5または6記載のセルロース系樹脂組成物を成形してなることを特徴とするフィルム。
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