JP2015004781A - パターン構造体及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 陽極酸化法において、マイクロパターン形状の制限なく、該マイクロパターン上にナノオーダーの凹凸パターンを形成すること。【解決手段】 本発明のパターン構造体の製造方法は、壁面パターン51〜54を有するマイクロパターン8からなり、壁面パターン51〜54により二以上の領域に分離された表面17を有する絶縁体1に、マイクロパターン8に沿って、金属膜6を成膜する工程を備える。該製造方法は、さらに二以上の領域上で、壁面パターン51〜54を跨ぐとともに、金属膜6に導通する導通層4を成層する工程と、金属膜6を電解液に浸漬し、導通層4を通じて金属膜6に電圧を印加する工程を備える。【選択図】図4

Description

本発明はナノオーダーの凹凸パターンを有するパターン構造体、及びその製造方法、並びにその応用に関する。
特許文献1は光学素子の表面反射光量を抑制する方法を開示している。かかる方法は、光学素子の表面に反射防止構造を設けるものである。反射防止構造を設ける手法は、後述する<屈折率の異なる光学膜により光学素子の表面反射光量を抑制する方法>にくらべてコスト面で有利である。
反射防止構造を設ける手法は、例えば、ナノオーダーの凹凸パターンを基板表面に形成するものである。かかる凹凸パターンの周期は可視光の波長(λ=380nm〜780nm)以下である(特許文献1)。
陽極酸化法は、より簡便に、マイクロオーダーの凹凸形状上に対して、大面積のナノオーダーの凹凸パターンを有するパターン構造体を形成する手法の一つである。陽極酸化法は、アスペクト比を任意に制御できる(特許文献2)。
陽極酸化法は後述する<EB描画の半導体プロセスによりナノオーダーの凹凸パターンを形成する手法>に比べて技術的難易度の問題が少ない。陽極酸化法の一つは、アルミニウムを陽極酸化することで陽極酸化アルミナホールアレイを得る方法である。
特許文献3は、反射防止膜又は反射防止表面を形成する方法を開示している。かかる方法は陽極酸化アルミナホールアレイを表面に有する鋳型を用いる方法を含んでいる。
特開2005−316393号広報 特開2005−156695号広報 特表2003−531962号広報
発明者らは、陽極酸化法において特定のマイクロオーダーの凹凸形状上では陽極酸化が進行しないこと、及び所望のナノオーダーの凹凸パターンを形成できないことを見出した。本発明は陽極酸化法において、マイクロパターン形状の制限なく、該マイクロパターン上にナノオーダーの凹凸パターンを形成することを目的とする。
本発明の一態様にかかるパターン構造体は、マイクロパターンからなる表面を有する絶縁体と、前記マイクロパターンに沿って、前記表面の上方に形成された酸化金属層と、を備える。
前記マイクロパターンは、前記表面を二以上の領域に分離する壁面パターンを有する。前記二以上の領域中、複数の領域上では、前記酸化金属層は、前記絶縁体と接していない側にナノパターン構造を有する。
前記ナノパターン構造は、前記表面の上に形成された金属膜を陽極酸化して、前記酸化金属層を生ずる際に形成されることが好ましい。前記ナノパターン構造は、ピッチが50nm〜500nmであり、孔径が10nm〜450nmであり、深さが50nm〜250nmである細孔を有することが好ましい。
前記壁面パターンは環状であり、前記表面を外側及び内側の領域に分離することが好ましい。前記マイクロパターンの断面はのこぎり刃形状を有するともに、前記マイクロパターンはフレネルレンズ形状からなることが好ましい。前記壁面パターンは前記表面と実質的に平行な面に対して80度以上の斜度を成していることが好ましい。
本発明の一態様にかかる鋳型は上記パターン構造体からなる。本発明の一態様にかかる
金属金型は該鋳型で作製してなる。本発明の一態様にかかる樹脂成形体は該金属金型で成形してなる。
本発明の一態様にかかるパターン構造体の製造方法は、壁面パターンを有するマイクロパターンからなり、前記壁面パターンにより二以上の領域に分離された表面を有する絶縁体に、前記マイクロパターンに沿って、金属膜を成膜する工程を備える。
該製造方法は、さらに前記二以上の領域上で、前記壁面パターンを跨ぐとともに、前記金属膜に導通する導通層を成層する工程と、前記金属膜を電解液に浸漬し、前記導通層を通じて前記金属膜に電圧を印加する工程を備える。
前記電圧の印加により、前記金属膜を陽極酸化して、前記絶縁体と接していない側にナノパターン構造を有する酸化金属層を生ずることが好ましい。前記導通層は、前記二以上の領域中の、複数の領域上の、前記金属膜に導通することが好ましい。前記壁面パターンは環状であり、かつ前記表面を外側及び内側の領域に分離し、前記複数の領域は、前記外側及び内側の領域を含むことが好ましい。
前記導通層を、前記複数の領域上の、前記壁面パターン及び前記壁面パターンと隣り合う他のパターンに挟まれた先端部上の前記金属膜に、成層することが好ましい。前記電圧を印加する前に、前記導通層を絶縁層でシールドする工程をさらに備えることが好ましい。
本発明により陽極酸化法において、マイクロパターン形状の制限なく、該マイクロパターン上にナノオーダーの凹凸パターンを形成することができる。
実施形態にかかるパターン構造体の断面図である。 実施形態にかかるパターン構造体の平面図である。 実施形態にかかるパターン構造体の製造の流れ図である。 実施形態の製造方法にかかるパターン構造体の断面図である。 実施例1にかかるパターン構造体の平面図である。 実施例2にかかるパターン構造体の平面図である。 実施例3にかかるパターン構造体の平面図である。 実施例4にかかるパターン構造体の平面図である。 比較例1にかかるパターン構造体の平面図である。 実施例1にかかるアルミナホールアレイの電子顕微鏡断面写真である。 実施例1にかかるアルミナホールアレイの電子顕微鏡断面写真である。
[パターン構造体]
<概要>
図1に示すように、パターン構造体10は、絶縁体1と、酸化金属層16と、を備える。絶縁体1の表面17はマイクロパターン8からなる。酸化金属層16は、マイクロパターン8に沿って、表面17の上方に形成されている。表面17は絶縁体1の酸化金属層16の方向に位置する表面である。
<マイクロパターン>
マイクロパターン8は、表面17を二以上の領域65〜69に分離する壁面パターン51〜54を有する。本実施形態において壁面パターンは4個であるが、その数は限定されない。
領域65はマイクロパターン8の外縁パターン49を含む。領域69は壁面パターン51〜54を間に挟んで、外縁パターン49と反対側に位置するパターン60を有する。パターン60は外縁パターン49と反対側に位置する外縁パターンでもよい。パターン60は後述する図2に示すように複数の壁面パターンの中心にあるパターンでもよい。
壁面パターン51〜54は表面17と実質的に平行な面に対して80度以上の斜度を成していることが好ましく、このためパターン構造体10は、フレネルレンズの鋳型として好適である。
マイクロパターン8の断面は壁面パターン51〜54及び緩斜面パターン56〜59が交互に存在する、のこぎり刃形状を有することが好ましい。かかる斜度を有する壁面パターン51〜54は、壁面パターンを通過する光の量を減らす。このためかかるフレネルレンズは、より欠損の少ない、明るい像を結ぶことが出来る。
図1中、壁面パターン51は外縁パターン49と接している。壁面パターン51〜54及び緩斜面パターン56〜59の並ぶ順序は逆でもよい。このため、緩斜面パターン56が外縁パターン49と接してもよい。この場合、緩斜面パターン56は、外縁パターン49と接する側の反対側で壁面パターン51と接してもよい。
壁面パターン51〜54は外縁パターン49側に向いているが、外縁パターン49と反対側に向いてもよい。緩斜面パターン56〜59は外縁パターン49側と反対側に向いているが、外縁パターン49側に向いてもよい。
また、かかる斜度を有する壁面パターン51〜54は、明確な凹凸を有するマイクロパターン8を形成することを有利にする。このため、図に示していないが、領域65〜69は、壁面パターンが両側面をなす台形の断面を有していてもよい。
かかる斜度を有する壁面パターン51〜54は、パターン構造体10がマイクロパターン8の拡がる面と平行な方向に大きくなることを防止する。このためパターン構造体10は小型化する。上記各効果をさらに高めるため、上記斜度は、好ましくは85度以上、さらに好ましくは88度以上、特に好ましくは89度以上であることが好ましい。
なお上記斜度は90度以下であることが好ましい。かかる場合、絶縁体1をスタンパ等で効率的に生産することができる。また、上記は表面17を二以上の領域に分離しない壁面パターンがあることを妨げない。かかる壁面パターンは例えば領域65〜69のいずれか一つに包含されている。
壁面パターン51〜54は表面17上において環状であってもよく、曲線、折れ線、直線状であってもよく、多角形形状であってもよく、曲線上であってもよく。図2に示すようにマイクロパターン8は、入れ子状に配置された複数の壁面パターン50を有することが好ましい。
複数の壁面パターン50はそれぞれ上記壁面パターン51〜54の特徴を有する。外縁パターン49は複数の壁面パターン50を囲む。パターン60は、複数の壁面パターン50の中心に位置する。
複数の壁面パターン50を代表する壁面パターン55は表面17を外側41及び内側42の領域に分離している。破線で表された他の壁面パターンも表面17を外側41及び内側42の領域に分離している。複数の壁面パターン50は実質的な同心円を成すことが好ましい。各壁面パターン間の間隔は特に限定されない。
マイクロパターンは複数の壁面パターン50と複数の緩斜面パターンからなるフレネルレンズ形状であることが好ましい。かかるマイクロパターンの各緩斜面パターンは中心側から外周側に向かって高くなる傾斜を有してもよく、外周側から中心側に向かって高くなる傾斜を有してもよい。
<ナノパターン構造>
領域65〜69中、複数の領域上では、酸化金属層16は、絶縁体1と接していない側にナノパターン構造18を有する。本実施形態において領域は5個であるが、その数は限定されない。
ナノパターン構造18は、例えばパターン構造体10を鋳型として作られたマイクロパターンを有する構造体又は成形体に、反射防止構造の鋳型を付与することができる。かかる反射防止構造はフレネルレンズを初めとする光学素子において表面反射光量を抑制する効果を有する。
パターン構造体10を鋳型として作られた金属金型をさらに鋳型として構造体又は成形体を作成することが出来る。かかる構造体又は成形体は上述の反射防止構造を有する。かかる反射防止構造は例えば構造体又は成形体をフレネルレンズにした場合、その集光効率の向上をもたらす。
またナノパターン構造18は、別異の効果として、これを有する構造体又は成形体の表面においてロータス効果をもたらす。上記各効果はパターン構造体10がナノパターン構造18を有するため、優れた反射防止構造又は表面特性を有する各種機能性材料を提供する。かかる機能性材料は、例えば後述する金属金型、又はその成形品に好適である。
ナノパターン構造18は表面17上に形成された金属膜6を陽極酸化して、酸化金属層16を生ずる際に形成される。ナノパターン構造18は、後述する図10に示すような形状の細孔を有することが好ましい。細孔があることでナノパターン構造18の上記各効果は、さらに高まる。
細孔間のピッチは50nm〜500nmであることが好ましい。細孔の孔径(細孔径)は10nm〜450nmであることが好ましい。細孔の深さは50nm〜250nmであることが好ましい。細孔がかかる範囲にあることでナノパターン構造18の上記各効果は、さらに高まる。
[製造方法]
<概要>
本実施形態のパターン構造体の製造方法は、図3に示すように成膜工程S11と、成層工程S12と、シールド工程S13と、印加工程S14とを有する。
上記各工程は、特定の形状のマイクロパターンを有するアルミニウム膜を初めとする金属膜にアルミナホールアレイ又はナノパターン構造を形成することを可能とする。かかる特定の形状は、通常の方法ではナノパターンを付与しがたい形状であり、例えばのこぎり刃形状を含むが、これに限定されない。
上記各工程は、上記マイクロパターン上に、反射能を有したナノオーダーレベルのパターン構造体、反射防止構造体、ナノ構造を有するマイクロパターン体、又はモスアイ構造を形成するために必要である。
<マイクロパターン>
図4に示すように、本実施形態では表面17にマイクロパターン8を有する絶縁体1の表面に金属膜6を成膜する。ここで絶縁体1の材料は有機材料又は無機材料であってもよく、特に限定されない。
かかる有機材料は、樹脂であってもよい。樹脂は例えば(メタ)アクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、熱可塑性エラストマーであってもよい。本実施形態では、絶縁体1を基板という場合がある。
図4に示すようにマイクロパターン8は、傾きが大きい面と傾きが小さい面とが存在する形状を有する。かかる面は平行にならんでいてもよく、同心円状に配置していてもよい。上述の通り、本実施形態で、傾きとは、傾きにかかる面が、絶縁体1の拡がる面に平行な面と成す角度(斜度)をいう。
傾きが大きい面は、傾きが小さい面よりかかる角度が大きい。傾きが大きいとは例えば、かかる角度が45度以上、60度以上、75度以上、80度以上、85度以上、87度以上、88度以上、89度以上、又は実質的に90度であることをいう。
傾きが小さい面は、傾きが大きい面よりかかる角度が小さい。傾きが小さいとは例えば、かかる角度が45度以下、30度以下、15度以下、10度以下、5度以下、3度以下、2度以下、1度以下、又は実質的に0度であることをいう。
かかる角度は傾きにかかる面が曲面であれば、絶縁体1の表面上の任意の位置の接線の成す最大の角度であってもよい。また、かかる角度を平均的な斜度として捉えてもよい。
本実施形態ではマイクロパターン8は、傾きが大きい面である壁面パターン51,52,53,54と傾きが小さい面である緩斜面パターン56,57,58,59とが交互に存在する形状を有する。
壁面パターン51〜54と緩斜面パターン56〜59との間には先端部61〜64がそれぞれ位置する。本実施形態において先端部は4個であるが、その数は特に限定されない。図4に示すように本実施形態では絶縁体1が、のこぎり刃の断面形状を有する微細構造を有し、かかる微細構造がマイクロパターン8を規定している。
<成膜工程>
成膜工程S11は、図1又は図4に示すように、マイクロパターン8を有する絶縁体1の表面にアルミニウムを初めとする金属の金属膜6をマイクロパターン8に沿って成膜する工程である。
以下、マイクロパターン8を有する絶縁体1を、単にマイクロパターンという場合がある。また、以下、本実施形態において、上記金属を主としてアルミニウムとし、金属膜6を主としてアルミニウム膜として説明するが、本発明をこれに限定するものではない。マイクロパターン8は壁面パターン51〜54を有する。壁面パターン51〜54は表面17を二以上の領域である領域65〜69に分離する(図1)。
成膜工程S11は、別の観点から言えば、金属膜6にマイクロパターン8の形状を与える工程である。マイクロパターン8は例えば、図1又は図4に示すようにのこぎり刃様の断面形状を有していてもよい。成膜は真空成膜法で行ってもよい。真空成膜法は蒸着又はスパッタであってもよい。
<アルミニウム膜>
アルミニウム膜は例えば99.9%以上の純度のアルミワイヤーを用いて、抵抗加熱による真空蒸着法で作製する。成膜方法としては、真空蒸着法では抵抗加熱方式の他に、電子ビーム(EB)方式、またスパッタ法を用いてもよい。
成膜厚みは酸化アルミナ(AAO)層を得るために10nm以上が好ましい。真空蒸着法を実施する際には、自公転式のステージ上に基板を設置して蒸着を行うことが好ましい。これにより、蒸着膜の着きまわりを向上させることができる。
<膜の疎密と面の傾きとの関係>
成膜の際、傾きが小さい面では、蒸着膜からなる金属膜6が比較的密に形成する。一方、傾きが大きい面では金属膜6が比較的疎に形成するか、実質的に形成されない(図1及び図4)。これは傾きが大きい面が、蒸着時に、蒸着される粒子の飛行方向に対して、陰となる傾向が高いことに起因する。
傾きが小さい面では金属膜6が比較的密に形成しているので、印加工程の通電状態がよい。一方で、傾きが大きい面では金属膜6が実質的に形成されないため、印加工程の通電状態が悪い。このため、陽極酸化時、電流は、傾きの大きい面に形成された金属膜6を通る経路に流れにくくなる。このため金属膜6への通電又は導通は不良となり、最も悪い場合には通電は不可となる。
<成層工程>
成層工程S12は、導通層4を設ける工程である。導通層4は金属膜6上で陽極酸化反応が起こるだけの導通を生じるものが好ましい。上述の二以上の領域上で、壁面パターン51〜54を跨ぐ導通層4を成層することが好ましい。さらに二以上の領域上で、金属膜6に導通する導通層4を成層することが好ましい。
上述の通り、壁面パターンにより隣接する領域と導通が不良となっている場合がある。本実施形態の成層工程S12は、金属膜6の外周に導通層を設けずとも、各領域上の金属膜6に電圧を印加するための導通を図ることが出来る。
二以上の領域中、複数の領域上の、金属膜6に導通する導通層4を成層することが好ましい。かかる複数の領域は例えば、図1に示すような表面17を外側41及び内側42に分離した複数の領域である。
図1において、不図示の導通層4は環状の壁面パターン55を外側41から内側42に向かって、又は内側42から外側に向かって跨ぐことが好ましい。跨ぐ際に壁面パターン55及びこれに隣接する緩斜面パターンに挟まれた先端部上の金属膜6に接してもよく、接しなくともよい。
あるいは後述する図5において配線部5内の導通層4は、先端部21〜24に隣接する壁面パターンを跨いでいる。導通層4は先端部21〜24上の金属膜6に接してもよく、接しなくともよい。
別の観点から言えば、成層工程S12にて、導通層4は、陽極酸化の前の準備として、電気的に離散している可能性のある領域65〜69上の金属膜6を連結する。かかる金属膜6は壁面パターン51〜54の上に成膜されたものを含む。かかる工程は、のこぎり刃形状を有したマイクロパターン上で行われる。
成層工程S12では、導通層4を、複数の領域上の、先端部61〜64の上にある金属膜6に接するように、成層することが好ましい。先端部61〜64はマイクロパターン8上の部位である。先端部61〜64はそれぞれ壁面パターン51〜54及び各壁面パターンと隣り合う他のパターンに挟まれている。他のパターンとは例えば緩斜面パターン56〜59である。
好ましくは成層工程S12では、導通層4を金属膜6に付着させる。導通層4は金属膜6ののこぎり刃形状の断面におけるのこぎり刃の先端部61,62,63,64に付着する。導通層4は導電テープでもよい。
導通層4を形成することにより、導電性を有する各金属膜6の面を電気的に結合させることができる。この際の抵抗値は10Ω以下、好ましくは1.0Ω以下である。用いる導電体としては、導電テープの他に、金属ワイヤ、導電ペーストを用いてもよく、それぞれの層幅は3mm以下、さらには1mm以下が好ましい。
好ましくは、成層工程S12では、アルミニウム膜同士を導通層4で電気的に結合する。これにより、印加工程S14において、基板上のアルミニウム膜の全面又は陽極酸化させるべき面が陽極酸化する。基板上のアルミニウム膜は酸化金属層たるAAO層を形成する。
<シールド工程>
図4に示すように、シールド工程S13は、電圧を印加する前において、先の通り形成した導通層4を絶縁層7でシールドする工程である。かかる工程は、導通層4が印加工程S14で電解液に接触することを防止する。具体的には、導通層4は、陽極酸化処理での電気印加時に、電解液と導電体が接触しないようにする。
絶縁層7の材料は特に制限されない。絶縁層7は絶縁ペースト、又は絶縁テープでもよい。絶縁層7は導通層4の導電体を、導通層4の金属膜6と接していない部位において保護する。絶縁層7の絶縁体の幅は10mm以下、さらには5mm以下が好ましい。
シールド工程及び絶縁層7は、上記導電体と電解液と界面で生じる恐れのある電気化学的反応を防ぐことができる。このため、導通層4はアルミニウム等からなる金属膜6から電子を受けることが出来る。
図4に示すように、配線部5は金属膜6に接する。配線部5は導通層4及びこれを被覆する絶縁層7からなる。図5に示すように配線部5は例えば、先端部21〜24上の金属膜6に導通接続する。配線部5は例えば、四角形状の金属膜6の外縁の一辺から中心に向かって延びる。
配線部5は、四角形状の金属膜6の頂点から対角線に沿って中心に向かって延びてもよい。配線部5は、同心円状に並んだ先端部の最外周の先端部21の位置から最内周の先端部24の位置に向かって延びてもよい。
先端部21〜24は、前述の先端部61〜64と同等である。先端部21〜24は、図1のように多数ある壁面パターンのそれぞれに対応して存在する先端部の代表例である。図5では便宜的に先端部21を最外周の先端部とし、先端部24を最内周の先端部とする。後述する図5〜9において同様である。
配線部25は金属膜6の外周に導通接続する。配線部5は配線部25にも導通接続する。配線部5及び配線部25は1枚の導電テープからなっていてもよい。配線部5又は配線部25はエリア2に導通接続する。エリア2は金属膜6の表面上でナノパターン構造を形成させたいエリアである。
<印加工程>
印加工程S14は金属膜6を電解液に浸漬し、導通層4を通じて金属膜6に電圧を印加する工程である。電圧の印加により、金属膜6を陽極酸化する。このため、図1に示すように電圧は絶縁体1と接していない側にナノパターン構造18を有する酸化金属層16を生ずる。また図5に示すように、金属膜6の外周の内側及び先端部21の内側にあるエリア2に酸化金属層16が生ずる。
別の観点から言えば、印加工程S14は、陽極酸化により金属膜6に、さらにナノパターン構造を形成する工程である。印加工程では導通層4が不図示の電圧印加装置とつながることが好ましい。また、金属膜6の外縁部が電圧印加装置とつながってもよい。
<陽極酸化法>
アルミニウムを初めとする金属を陽極酸化することで陽極酸化アルミナホールアレイを得ることができる。陽極酸化法は、ナノオーダーの円柱状の細孔、又は微細な凹部を有する多孔質構造体を製造できる。
陽極酸化法は、アルミニウムを初めとする金属基材を電解液に浸漬し、これを陽極として電圧を印加する方法である。かかる金属基材の金属材料としては、アルミニウムの他に、シリコン、チタン、又は鉄が好適である。浸漬は、酸性電解液または塩基性電解液中で行う。
電圧印加中、アルミニウム膜の表面で酸化と溶解が同時に進行させることが好ましい。電圧印加により、アルミニウム膜の表目に、細孔を有する酸化膜を形成することが好ましい。かかる細孔は、酸化膜に対して垂直に配向していることが好ましい。電圧、電解液の種類、又は温度を所定の条件下におくことで、ナノオーダーの凹凸パターンに自己組織的な規則性を与えることが好ましい。
所定の条件下で陽極酸化を行い、陽極酸化アルミナ層に周期性を有する配列を与えることが好ましい。かかる配列としては、膜面に垂直な方向から見たときに、実質的に正六角形のセルが二次元的に高密度で充填されているものが好ましく、最も高密度で充填されているものが特に好ましい。
所定の条件下で陽極酸化を行い、配列中に、局所的な皮膜の溶解及び成長を経て、セルを生ずることが好ましい。特にバリア層と呼ばれる細孔底部で、皮膜の溶解と成長とが同時に進行することが好ましい。
所定の条件下で陽極酸化を行うことで、セルの大きさすなわちピッチを、バリア層の大きさのほぼ2倍に相当するものとすることができる。ピッチの大きさは陽極酸化時の電圧にほぼ比例するため、陽極酸化時の電圧を制御して、所望のピッチの大きさを得ることが好ましい。
電解液の種類、濃度、温度等を所定の条件下におくことで、所望の細孔の直径を得ることが好ましい。さらに特定の条件下におくことで、細孔が、高い規則性、又は周期性を有する配列を形成するよう、制御することが好ましい。また特定の条件下におくことで、細孔が、ある程度規則性の乱れた配列、あるいは不規則な配列、又は周期性を有さない配列を形成するよう、制御してもよい。
<AAO層の形成>
陽極酸化によりアルミニウム膜の表面にAAO層を形成することが好ましい。この際形成するAAO層の最適な形状や高さに関しては、該鋳型を使用して製造した表面にナノパターンを有する成形体の用途による。
この際、対向電極(陰極)として白金(Pt)電極等を配置することが好ましい。電解液として硫酸水溶液、シュウ酸水溶液、リン酸水溶液、またはその混合溶液からなる酸溶液が好ましい。酸溶液の濃度は0.01Mから0.5M、好ましくは、0.02Mから0.3Mが好ましい。電解液の液温は5から17℃が好ましい。印加電圧は10から80Vが好ましい。
[成層工程及び導通層の効果]
本項では成層工程及び導通層の導通の効果を比較形態1〜3を用いてさらに詳細に説明する。
<比較形態1>
本比較形態では、のこぎり刃形状を有した絶縁体のマイクロパターン上に真空成膜法でアルミニウム膜を成膜する。真空成膜法は蒸着又はスパッタである。次に電極として所望の一点、又はマイクロパターン外周部に通電層を設ける。
発明者らは、比較形態1のマイクロパターン上のアルミニウム膜で陽極酸化しても、反応が進行しないことを見出した。上記アルミニウム膜は、マイクロパターンののこぎり刃状の形状により、少なくとも片斜面が成膜時に、陰となる。その部分のアルミニウム膜は実質的に形成されないため高い電気的抵抗値を示す。このため、上記電圧印加時、陽極酸化反応が起こるだけの導通が得にくい。成層工程及び導通層はかかる問題の発生を防止する。かかる問題は後述する<膜の疎密と面の傾きとの関係>においてさらに詳しく説明する。
<比較形態2>
本比較形態は、のこぎり刃形状を有した導電体のマイクロパターン上にアルミニウム膜を形成する手法である。この技術形態では陽極酸化時に導電体のマイクロパターンすなわち下地金属が電解液と接触する。このため、その部分で水の電気分解が起こり、酸素が発生する。その結果、アルミニウム膜が上記マイクロパターンから剥離する。成層工程及び導通層はかかる問題の発生を防止する。
<比較形態3>
陽極酸化処理時に導通を得るための比較形態の一つは、アルミニウムのバルク体をのこぎり形状に加工する手法である。アルミニウムは柔らかい金属のため、加工時にバリが発生し易い。成層工程及び導通層はかかる問題の発生を防止する。
[細孔の調整]
印加工程S14の後、所望の孔径を得るために、パターン構造体10を酸性溶液に浸漬してもよい。酸性溶液は、化学的溶解により、細孔径を拡大させ、細孔に所望の孔径を生じる。上述の通り陽極酸化アルミナの孔径は10nm〜450nmであることが好ましい。
酸性溶液は濃度が1から10wt%のリン酸水溶液が好ましい。浸漬時間は所望の孔径を形成できるよう適宜決めることができる。所望の孔径を形成するため、浸漬時間は通常5分から1時間程度であることが好ましい。
[応用]
<鋳型・鋳型で作製した成形体又は金属金型>
パターン構造体10を鋳型とすることが出来る。得られたナノパターンを有する鋳型表面にニッケルを成膜した後、ニッケルメッキして成形体、金属金型、金属鋳型又はニッケルスタンパを得る。
ニッケル成膜方法としては、真空蒸着法では抵抗加熱方式の他に、電子ビーム(EB)方式、またはスパッタ法を用いてもよい。その後、鋳型たるパターン構造体の絶縁体1、金属膜6、酸化金属層16(AAO層)を除去してナノパターン構造を有する金属金型を得る。かかるナノパターン構造が、金属鋳型として、その成形品に優れた反射防止構造又は表面特性を与えることは上述の通りである。
<上記金属金型で成形した樹脂>
本発明の方法で製造された鋳型を用いて、のこぎり刃形状のマイクロパターン形状の上にナノパターン構造を有する成形体又は樹脂成形体を製造することができる。かかるナノパターン構造を有する成形品が優れた反射防止構造又は表面特性を有することは上述の通りである。
樹脂成形体の成形方法としては、射出成形、プレス成形、光硬化、熱硬化などが上げられる。射出成形、プレス成形に用いられる樹脂としては、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。
光や熱を用いた硬化性樹脂とは、分子中にラジカル重合性結合またはカチオン重合性結合を有するモノマー、オリゴマー、反応性ポリマーを適宜混合したものである。
ラジカル重合性結合を有するモノマーとしては、特に限定されることなく使用することができるが、例えば、メチル(メタ) アクリレート、エチル(メタ) アクリレート、プロピル(メタ) アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
カチオン重合性結合を有するモノマーとしては、エポキシ基、オキセタニル基、ビニルオキシ基を有するモノマーなどが挙げられ、これらの中でも特にエポキシ基を有するモノマーが好ましい。
成形体はフレネルレンズとしてもよく、反射防止構造を有するフレネルレンズ上にさらに反射防止材を塗布することができる。
[関連技術の補足説明]
本実施形態の技術の優位性を理解するための関連技術の補足説明をする。
<屈折率の異なる光学膜により光学素子の表面反射光量を抑制する方法>
光学素子の表面反射光量を抑制する方法が知られている。かかる方法の一つは、光学素子の表面に屈折率の異なる光学膜を数十〜百nmの厚みで積層する方法である。かかる方法は光学素子に所望の反射特性を与えることが出来る。
かかる光学膜を成膜する方法の例は、真空成膜法又は湿式成膜法である。真空成膜法の例は蒸着、又はスパッタリングである。湿式成膜法の例はディップコート又はスピンコートである。
いずれの成膜手段も、光学素子基板を加工した上で成膜することを必要とする。このため、上記光学素子の製造は困難である。また各成膜手段は製造コストを低減するに際して制約を有する。
<EB描画の半導体プロセスによりナノオーダーの凹凸パターンを形成する手法>
EB描画の半導体プロセスは、ナノオーダーの凹凸パターンを形成する手法の一つである。この手法は精密に設計された微細構造を形成できる利点がある。
しかし、かかる手法は、マイクロオーダーの凹凸形状の上に、大面積のナノオーダーの凹凸パターンを形成するのに不向きである。なぜなら、かかるパターンをかかる手法で形成することは技術的な難易度が高いからである。また、それは、簡便かつ安価な製造プロセスとするのが非常に難しいものだからである。
[実施例1]
以下の実施例では実施形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、重複する説明を省略する。基板として、射出形成した厚さが3.0mmで、表面にマイクロオーダーののこぎり形状を有するアクリル製の基板を用意した。
(アルミニウムの成膜)
基板表面上に、厚さが約3.0×10nmのアルミニウム膜を抵抗加熱方式の真空蒸着装置で形成した。真空蒸着装置はシンクロン製のBMC−850−Sg060016であった。
蒸着条件は、到達真空度:8×10−4Pa、蒸着速度:10Å/s、アルミニウムワイヤーの純度:99.999重量%とした。1バッチあたり30nm厚さとして、10バッチにわたり真空蒸着を行った。基板上に約3.0×10nmの厚みのアルミニウム膜(金属膜6)を成膜した。
(導通層形成)
陽極酸化時の導電処理として、得られたアルミニウム膜上に導電テープ(幅1mm)を用いて、図5に示すように導電テープを外周から中心に向かって這わせた後、その上から絶縁テープで覆い、これを配線部5とした。配線部5は先端部21,22,23,24に隣接する壁面パターンをこの順に跨ぐ。配線部5は先端部21と先端部24との間にある全ての壁面パターンを跨ぐ。基板外周にも同様に配線部25を設けた。配線部5及び配線部25はナノパターンを付与したいエリア2に導通する。
(ナノ構造体形成)
導電処理した基板の陽極酸化を行った。条件は電解液:シュウ酸水溶液、濃度:0.63重量%、液温:17℃、印加電圧:80V、電圧印加時間:55秒とした。その後、所望の細孔径を得るために、5.0重量%リン酸に55分間浸漬した。ナノパターンを付与したいエリア2の全面に所望のパターンサイズのナノ構造体を形成させた。この際の液温は30℃とした。
電子顕微鏡観察によりナノパターン形状を観察した(図10)。細孔深さ:約180nm、細孔径:約103nm、細孔周期:約198nmであった。実施例1〜5及び比較例1,2におけるナノパターン構造の形成の良否を表1に表す。
(ニッケルスタンパ作製)
上記導通処理を用いて陽極酸化した際に得られたナノパターン構造を鋳型として反転させた。エリア2の全面にナノパターンを有する基板表面に導通層として蒸着にてニッケルを成膜した。
さらに、基板表面にニッケルメッキした後、鋳型を溶解除去してニッケルスタンパを得た。この際、鋳型のアクリルはクロロホルムで溶解した。さらにアルミニウム、アルミナは50wt%水酸化ナトリウム水溶液を用いて化学溶解にて除去した。実施例2〜5においても同様にニッケルスタンパ(ニッケル金型)を作製した。
(成形体)
上記ニッケル金型にアクリル樹脂を射出プレスした。表面全体にナノパターン構造(アルミナホールアレイ)を有する、のこぎり刃形状のアクリル射出成形体を得た。電子顕微鏡により断面観察したところ図11に示すように、のこぎり形状を有するマイクロパターン上にナノホールパターンを有するアクリル成形品が観察された。実施例3においても同様であった。
[実施例2]
実施例1と同様のアクリル基板に直接、厚さが約3.0×10nmのアルミニウム膜を形成した。陽極酸化時の導電処理として、得られたアルミニウム膜上にニッケルワイヤ(φ0.3mm)を用いて、図6に示すように導電テープを外周から中心に向かって這わせた。
その後、その上から絶縁テープで覆い、これを配線部5とした。配線部5は先端部21,22,23,24に隣接する壁面パターンをこの順に跨ぐ。配線部5は先端部21と先端部24との間にある全ての壁面パターンを跨ぐ。
配線部5はナノパターンを付与したいエリア2に導通接続し、他のエリア3に導通接続しない。エリア2は先端部21の内側の領域である。かかる導電処理をした基板の陽極酸化を行った。
陽極酸化条件は電解液:シュウ酸水溶液、濃度:3.8重量%、液温:17℃、印加電圧:40V、電圧印加時間:50秒であった。所望の細孔径を得るために、5.0重量%リン酸に25分間浸漬した。ナノパターンを付与したいエリア2全面に所望のパターンサイズのナノ構造体を得た。この際の液温は30℃とした。
[実施例3]
実施例1と同様のアクリル基板に直接、厚さが約3.0×10nmのアルミニウム膜を形成した。陽極酸化時の導電処理として、図7に示すようにアルミニウム膜上に導電テープ(幅1mm)を用いて、配線部5の導通層を形成した。導電テープを陽極酸化させたいエリア2に外周側から中心に向かって線状に這わせた。
その上から絶縁テープで覆い、これを配線部5とした。配線部5は先端部23に隣接する壁面パターンを跨ぐ。配線部5は先端部23と先端部24との間にある全ての壁面パターンを跨ぐ。
配線部5はナノパターンを付与したいエリア2に導通接続し、他のエリア3に導通接続しない。エリア2は先端部21の内側の領域である。かかる導電処理をした基板の陽極酸化を行った。実施例1と同様に導電処理した基板の陽極酸化を行い、ナノパターンを付与したいエリア2全面に所望のパターンサイズのナノパターン構造を得た。
[実施例4]
実施例1と同様のアクリル基板に直接、厚さが約3.0×10nmのアルミニウム層を形成した。陽極酸化時の導電処理として、得られたアルミニウム膜上に導電テープ(幅1mm)を用いた。図8に示すように導電テープを、陽極酸化させたいエリア2において、外周側から中心に向かって線状に這わせた。
その後、その上から絶縁テープで覆い、これを配線部5とした。配線部5は先端部222,23に隣接する壁面パターンを跨ぐ。配線部5は先端部21と先端部23との間にある全ての壁面パターンを跨ぐ。
エリア2は先端部21の内側かつ先端部23に隣接する緩斜面パターンの外側の領域である。実施例2と同様に、上記の通り導電処理した基板の陽極酸化を行った。ナノパターンを付与したいエリア2全面に所望のパターンサイズのナノパターン構造体を得た。
[実施例5]
実施例1と同様のアクリル基板に直接、厚さが約3.0×10nmのアルミニウム膜を形成した。この層はマグネトロンスパッタを用いて形成させた。スパッタ条件は、到達圧力:2.3×10−4Pa、雰囲気ガス:アルゴン、ターゲット投入電力:3.0kW、アルミニウムターゲット純度:99.99%、であった。
約3.0×10nmの成膜厚のアルミニウムを得た。その後、実施例1と同様に配線部25を形成させた。配線部25は先端部21の外側の領域(エリア2)に導通する。さらに、陽極酸化、リン酸浸漬を行った。ナノパターンを付与したいエリア2全面に所望のパターンサイズのナノ構造体を得た。
[比較例1]
実施例1で用いたのと同様の、アクリル基板にアルミニウムを成膜した基板を用いた。導通処理として、アルミニウム膜上に導電テープ(幅1mm)を用いて、図9に示すように基板外周に這わせた。
その後、その上から絶縁テープで覆い、配線部25のみを形成させた。得られた基板を用いて、実施例1と同様の条件で陽極酸化を行った。のこぎり刃形状上に陽極酸化反応は生じなかった。このため、ナノパターンは形成されなかった。
[比較例2]
基板として、厚さが0.3mmで表面にマイクロオーダーののこぎり形状を有するニッケル製の基板を用意した。実施例1と同様に基板上にアルミニウムを成膜した。さらに、比較例1と同様、図9に示すように配線部25を形成させた。
得られた基板を用いて下記の条件で陽極酸化を行った。電解液:シュウ酸水溶液、濃度:0.05M、液温:17℃、印加電圧:80V、電圧印加時間:10sec。その際、過電流が生じ大量の気体が発生しアルミニウム膜が剥離した。この結果、ナノパターンは得られなかった。
なお、本発明は上記実施の形態又は実施例に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
1 絶縁体 2 エリア
3 エリア 4 導通層
5 配線部 6 金属膜
7 絶縁層 8 マイクロパターン
10 パターン構造体 16 酸化金属層
17 表面 18 ナノパターン構造
21〜24 先端部 25 配線部
41 外側 42 内側
49 外縁パターン 50〜55 壁面パターン
56〜59 緩斜面パターン 60 パターン
61〜64 先端部 65〜69 領域

Claims (15)

  1. マイクロパターンからなる表面を有する絶縁体と、
    前記マイクロパターンに沿って、前記表面の上方に形成された酸化金属層と、を備え、
    前記マイクロパターンは、前記表面を二以上の領域に分離する壁面パターンを有し、
    前記二以上の領域中、複数の領域上では、前記酸化金属層は、前記絶縁体と接していない側にナノパターン構造を有する、
    パターン構造体。
  2. 前記ナノパターン構造は前記表面の上に形成された金属膜を陽極酸化して、前記酸化金属層を生ずる際に形成される、
    請求項1に記載のパターン構造体。
  3. 前記ナノパターン構造は、ピッチが50nm〜500nmであり、孔径が10nm〜450nmであり、深さが50nm〜250nmである細孔を有する、
    請求項1又は2に記載のパターン構造体。
  4. 前記壁面パターンは環状であり、前記表面を外側及び内側の領域に分離する、
    請求項1〜3のいずれかに記載のパターン構造体。
  5. 前記マイクロパターンの断面はのこぎり刃形状を有するともに、前記マイクロパターンはフレネルレンズ形状からなる、
    請求項1〜4のいずれかに記載のパターン構造体。
  6. 前記壁面パターンは前記表面と実質的に平行な面に対して80度以上の斜度を成している、
    請求項1〜5のいずれかに記載のパターン構造体。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のパターン構造体からなる鋳型。
  8. 請求項7に記載の鋳型で作製した金属金型
  9. 請求項8に記載の金属金型で成形した樹脂成形体。
  10. 壁面パターンを有するマイクロパターンからなり、前記壁面パターンにより二以上の領域に分離された表面を有する絶縁体に、前記マイクロパターンに沿って、金属膜を成膜する工程と、
    前記二以上の領域上で、前記壁面パターンを跨ぐとともに、前記金属膜に導通する導通層を成層する工程と、
    前記金属膜を電解液に浸漬し、前記導通層を通じて前記金属膜に電圧を印加する工程を備える、
    パターン構造体の製造方法。
  11. 前記電圧の印加により、前記金属膜を陽極酸化して、前記絶縁体と接していない側にナノパターン構造を有する酸化金属層を生ずる、
    請求項10に記載のパターン構造体の製造方法。
  12. 前記導通層は、前記二以上の領域中の、複数の領域上の、前記金属膜に導通する、
    請求項10又は11に記載のパターン構造体の製造方法。
  13. 前記壁面パターンは環状であり、かつ前記表面を外側及び内側の領域に分離し、
    前記複数の領域は、前記外側及び内側の領域を含む、
    請求項12に記載のパターン構造体の製造方法。
  14. 前記導通層を、前記複数の領域上の、前記壁面パターン及び前記壁面パターンと隣り合う他のパターンに挟まれた先端部上の前記金属膜に、成層する、
    請求項12又は13に記載のパターン構造体の製造方法。
  15. 前記電圧を印加する前に、前記導通層を絶縁層でシールドする工程をさらに備える、
    請求項10〜14のいずれかに記載のパターン構造体の製造方法。
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