JP2015004747A - 光学フィルムの製造方法および光学フィルム - Google Patents

光学フィルムの製造方法および光学フィルム Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、電子線照射による黄変等の着色を生じさせることなく、表面に撥水撥油機能を備えることが可能な光学フィルムの製造方法および光学フィルムを提供することを主目的とする。
【解決手段】本発明は、電子線の照射により着色する紫外線吸収剤を含む透明基材を準備する準備工程と、上記透明基材の一方の表面上に、上記電子線の照射により着色しない電子線吸収層を形成する電子線吸収層形成工程と、上記電子線吸収層上に光学機能層を形成する光学機能層形成工程と、上記光学機能層上に撥水撥油層組成物を配置し、上記透明基材の上記電子線吸収層を有する表面から上記電子線を照射させることにより撥水撥油層を形成する撥水撥油層形成工程と、を有することを特徴とする、光学フィルムの製造方法を提供することにより、上記目的を達成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子線照射による黄変等の着色を生じさせることなく、表面に撥水撥油機能を備えることが可能な光学フィルムの製造方法および光学フィルムに関する。
近年、携帯電話、タブレット端末等の携帯情報端末機器、テレビ、パーソナルコンピュータ等のデジタル機器、セキュリティーシステム等の情報端末の普及に伴い、上記情報端末にディスプレイ、有機ELディスプレイ等のフラットパネルディスプレイ、タッチパネル等の表示装置が用いられている。
これらの表示装置には、光学特性の向上、耐擦傷性、密着性等の機械特性の向上を図るために光学フィルムが用いられている。光学フィルムとは、例えば、透明基材と上記透明基材の表面に形成された光学機能層とを少なくとも有するものであり、上記光学機能層により表示装置の画面上において生じる光の反射等を軽減することができる。
上述の情報端末は、屋内外を問わず様々な状況下で用いられており、また、利用者が当該情報端末の表示画面に指を触れて操作するものが多い。そのため、表示画面の表面に用いられる光学フィルムは指紋等の汚れ等が付着しやすく、視認性および表面外観の悪化や光学特性が損なわれやすいといった問題があった。また、表示画面に付着した汚れは乾拭きでは拭き取りにくく、水拭きでは情報端末等に不具合を生じる場合があった。そこで、光学フィルムの最外層として撥水撥油層を設け、画像表面の防汚性を向上させる試みがなされている。
撥水撥油層を成膜する方法として、撥水撥油性の材料を含む組成物(以下、「撥水撥油層組成物」と称する場合がある。)を光学フィルムの表面に塗布し、成膜された塗布膜を硬化させる方法がある(特許文献1)。しかし、光学機能層上に撥水撥油層を形成する場合、光学機能層の材料等によっては、光学機能層の表面に撥水撥油層と反応する官能基を有さないため、上記方法では撥水撥油層と上記光学機能層との層間において反応が生じず、密着性が十分に得られないという問題があった。
特開2000−284102号公報
上記問題に対し、撥水撥油層の密着性を高めるために、上記塗布膜に対し電子線を照射することにより層間密着性を向上させる方法が検討されている。この方法は、光学機能層上に撥水撥油層組成物を塗布して塗布膜を形成し、電子線を照射させることにより光学機能層の表面においてラジカルを発生させ、当該ラジカルにより当該光学機能層のポリマーと当該塗布膜に含まれる撥水撥油層組成物の樹脂モノマーとをグラフト重合させることにより撥水撥油層を成膜する方法である。
上述の方法によれば、光学機能層が表面に官能基を有さない場合であっても、光学機能層と撥水撥油層との層間において強制的に重合反応を生じさせることができるため、層間密着性を向上させることが可能となる。また、電子線の照射により生じるラジカル重合により、上記光学機能層および撥水撥油層組成物からなる塗布膜の硬化が促進されるため、強度の高い層形成が可能となる。
しかし、上述の方法は光学機能層上に撥水撥油層を高密着で成膜できる反面、電子線の照射により光学フィルムに黄変等の着色が生じ、光学フィルム全体としての透明性が損なわれるという問題がある。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、電子線照射による黄変等の着色を生じさせることなく、表面に撥水撥油機能を備えることが可能な光学フィルムの製造方法および光学フィルムを提供することを主目的とする。
本発明者は、上記目的を達成すべく、電子線の照射により光学フィルムに黄変等の着色が生じる原因を検討したところ、光学フィルムの着色が透明基材において生じていることを見出した。さらに、光学フィルムの着色が透明基材に含有される紫外線吸収剤に電子線が照射されることにより生じることを特定した。
そこで、本発明者は、透明基材に含有される紫外線吸収剤が黄変等の着色を生じることなく、電子線照射により撥水撥油層を成膜する方法を見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、電子線の照射により着色する紫外線吸収剤を含む透明基材を準備する準備工程と、上記透明基材の一方の表面上に、上記電子線の照射により着色しない電子線吸収層を形成する電子線吸収層形成工程と、上記電子線吸収層上に光学機能層を形成する光学機能層形成工程と、上記光学機能層上に撥水撥油層組成物を配置し、上記透明基材の上記電子線吸収層を有する表面から上記電子線を照射することにより撥水撥油層を形成する撥水撥油層形成工程と、を有することを特徴とする、光学フィルムの製造方法を提供する。
本発明によれば、電子線吸収層形成工程において、透明基材と光学機能層との間に電子線吸収層を形成することにより、電子線が透明基材まで浸透されず、上記透明基材に含有される紫外線吸収剤に電子線が照射されるのを阻止することができる。これにより、紫外線吸収剤が黄変等の着色を生じるのを防止することができる。また、光学機能層形成工程において、透明基材における着色の発生を考慮することなく、光学機能層の表面を活性させるのに十分な強度で電子線を照射させることができるため、撥水撥油層と光学機能層との層間における重合度を高め、密着性を向上させることができる。
これにより、黄変等の着色を生じることなく、表面に撥水撥油層を有する光学フィルムを製造することが可能となる。
上記発明においては、上記光学機能層が、表面に微細凹凸を有する層であることが好ましい。表面に微細凹凸があると、光学フィルムの撥水撥油機能がより強調されて発現するからである。
また、本発明は、電子線の照射により着色する紫外線吸収剤を含む透明基材と、上記透明基材の一方の表面上に形成され、上記電子線の照射により着色しない電子線吸収層と、上記電子線吸収層上に形成された光学機能層と、上記光学機能層上に形成された撥水撥油層と、を有する光学フィルムを提供する。
本発明によれば、光学機能層上に撥水撥油層を有することにより、表面に汚れが付着しても容易に除去することができ、高い防汚性を有すると共に、光透過性の高い光学フィルムとすることが可能となる。
本発明によれば、電子線の照射強度に応じて電子線吸収層の厚さを調整し、上記電子線吸収層により電子線の透明基材への浸透を防ぐことにより、透明基材において黄変等の着色が生じることなく、表面に撥水撥油層を形成することが可能になるという効果を奏する。
本発明の光学フィルムの製造方法の一例を示す工程図である。 本発明の光学フィルムの一例を示す概略断面図である。
以下、本発明の光学フィルムの製造方法および光学フィルムについて詳細に説明する。
A.光学フィルムの製造方法
まず、本発明の光学フィルムの製造方法について説明する。本発明の光学フィルムの製造方法は、電子線の照射により着色する紫外線吸収剤を含む透明基材を準備する準備工程と、上記透明基材の一方の表面上に、上記電子線の照射により着色しない電子線吸収層を形成する電子線吸収層形成工程と、上記電子線吸収層上に光学機能層を形成する光学機能層形成工程と、上記光学機能層上に撥水撥油層組成物を配置し、上記透明基材の上記電子線吸収層を有する表面から上記電子線を照射することにより撥水撥油層を形成する撥水撥油層形成工程と、を有することを特徴とする製造方法である。
本発明の光学フィルムの製造方法について、図を例示して説明する。図1は、本発明の光学フィルムの製造方法の一例を示す工程図である。
本発明の光学フィルムの製造方法は、図1で例示されるように、まず、準備工程として、電子線の照射により黄変等の着色を生じる紫外線吸収剤を含む透明基材1を準備する(図1(a))。次に、電子線吸収層形成工程として、上記透明基材1の一方の表面に、電子線の照射により着色しない樹脂材料等を含む電子線吸収層組成物を塗布し、塗布膜を光硬化させることにより電子線吸収層2を成膜する(図1(b))。続いて、光学機能層形成工程として、上記電子線吸収層2上に、透明樹脂等を含む光学機能層組成物を塗布し、塗布膜を光硬化させることにより、光学機能層3を成膜する(図1(c))。さらに、撥水撥油層形成工程として、上記光学機能層3上に撥水撥油層組成物4aを塗布法等を用いて配置し、上記透明基材1の電子線吸収層2を有する側から電子線Xを照射する(図1(d))。このとき、電子線吸収層2において照射された電子線Xの殆どが吸収されるため、透明基材1の変色の発生を抑えることができる。これにより、撥水撥油層4が光学機能層3上に固定されて、目的の光学フィルム10を得ることができる(図1(e))。
光学フィルムを有する情報端末においては、表示画面に指紋等の汚れ等が付着することから、光学フィルムの最外層として撥水撥油層を設けて表示画面の防汚性の向上を図っている。これにより、光学フィルムの表面に汚れが付着した場合であっても、容易に除去することが可能となる。光学機能層上に撥水撥油層を成膜する方法としては、撥水撥油層組成物を光学機能層の表面に塗布し、光硬化等により成膜する方法等があるが、光学機能層に使用される材料や層表面形状によっては、撥水撥油層が十分に密着して成膜されないという問題があった。
例えば、光学機能層の材料によっては、層表面に撥水撥油層と反応するための官能基を有さないため、単に撥水撥油層組成物を光学機能層の表面に塗布して硬化させる方法では、光学機能層の材料と撥水撥油層の材料とが層間において互いに反応を生じることがない。そのため、光学機能層と撥水撥油層との層間において高い密着性を有することは困難であった。
また、光学フィルムが表面に微小突起が集合してなる微細凹凸を有する場合、その表面構造のため汚れが付着し易く、また、当該汚れは微小突起間の溝奥まで入り込むため除去されにくく表面外観が悪化し易い。しかし、当該表面に対し塗布法等を用いて撥水撥油層を成膜させようとしても微小突起の全面に密着させることができず、防汚性を向上させることが困難であった。
光学機能層に対する撥水撥油層の密着性を高める方法としては、例えば、光学機能層上に撥水撥油層組成物の塗布膜を成膜した後、あるいは成膜する際に、光学機能層と塗布膜との間において電子線や紫外線の照射等による重合反応、熱による架橋反応、酸塩基反応等を起こして密着させる方法、撥水撥油層組成物として光学機能層の表面と相溶性を有する材料を用いる方法、光学機能層にコロナ放電、プラズマ放電、低エネルギー電子線照射等の表面処理を予め施す方法等がある。
中でも、撥水撥油層組成物の塗布膜に対し電子線を照射する方法が好適とされている。これは、光学機能層の表面に撥水撥油層組成物を塗布し、所望の加速電圧で電子線を照射させることにより、上記光学機能層の表面上にラジカル反応を発生させて活性化させ、当該ラジカルを開始点として撥水撥油層組成物中の樹脂モノマーが上記光学機能層のポリマーとグラフト重合反応を生じることにより、撥水撥油層が成膜されるものである。
上述の方法によれば、光学機能層の材料や層表面に官能基を有さない場合であっても、層表面において強制的にラジカル反応を起こさせることができる。このため、別途光学機能層に官能基を導入させる必要がなく、簡便に光学機能層と撥水撥油層との層間で重合反応を生じさせることで2つの層を密着させることが可能となる。また、電子線の照射により生じるラジカル重合により上記光学機能層および撥水撥油層組成物からなる塗布膜の硬化が促進されるため、強度の高い層形成が可能となる。
しかし、上記方法を用いる場合、電子線の照射により光学機能層上に撥水撥油層を高密着で成膜できる反面、光学フィルムに黄変等の着色が生じ、透明性が損なわれるといった新たな問題がある。
そこで本発明者は、電子線の照射により光学フィルムに黄変等の着色が生じる原因を検討したところ、光学フィルムの着色が光学フィルムを構成する透明基材において生じていることを見出した。また、当該透明基材に含有される紫外線吸収剤に電子線が照射されることにより、光学フィルムの着色が生じることを特定するに至った。
まず、電子線の照射により黄変が生じる原因について説明する。一般的に、樹脂に電子線が照射されると黄変が生じることが知られているが、その原因は分子内の共役したπ電子系(以下、共役系と略する場合がある。)の長さの変化によるものと解されている。すなわち、樹脂の分子内の単結合、二重結合、三重結合のいずれかに電子線が照射されると、電子線から発生する2次電子により当該結合の一部、或いは全てが切断され、分子内、或いは分子間で新たな結合が生成する。このとき、共役系の長さが伸びることにより、光の吸収波長帯が長波長側にシフトして着色が生じるとされる。
本発明者は、透明基材に含まれる紫外線吸収剤についても、上述の現象が生じることにより光学フィルムの黄変が生じることを見出した。例えば、透明基材中のベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤に電子線を照射すると黄変が生じるのに対し、トリアジン系の紫外線吸収剤では、電子線を照射しても黄変が生じないとの知見を得た。これは、ベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤に電子線を照射すると、N−N結合が切断されてジアゾ化が起こり、長いπ電子共役系が形成されるため黄変を生じるが、トリアジン系の紫外線吸収剤では電子線を照射してもジアゾ化等が起こらず、長いπ電子共役系を形成することができないため黄変が生じないものと想定される。
このことから、紫外線吸収剤はその分子構造によって、電子線の照射により発生された2次電子が分子内の結合の一部を切断する際に、共役系の連結を生じて共役鎖が伸びることで黄変等の着色が生じると推量される。
光学フィルムにおける透明基材は、高い耐候性を有するために紫外線吸収剤を含む必要がある。そのため、上記透明基材に含まれる紫外線吸収剤が、電子線の照射により共役系の連結を生じるものである場合においては、透明基材の着色を防ぐために照射される電子線が透明基材に浸透するのを阻害する必要がある。
そこで、本発明者は、透明基材まで電子線を浸透させずに撥水撥油層を密着して成膜させる方法についてさらに検討した。
透明基材まで電子線を浸透させない手法としては、電子線の加速電圧を下げる方法がある。この方法では、電子線は飛程が短くなり透明基材まで達しないため、当該透明基材に含まれる紫外線吸収剤に電子線が照射されず、黄変等の着色が生じないと想到される。しかし、この場合、電子線の加速電圧が低い、すなわち照射強度が小さいため、光学機能層の表面が十分に活性化されずグラフト重合反応の開始点となるラジカルの発生が減少するため、撥水撥油層を密着して成膜させることができない。
そこで、本発明者は、透明基材と光学機能層との間に電子線吸収層を設けることにより上記問題を解決するに至った。すなわち、電子線の飛程は加速電圧の値に大きく寄与することから、所望の加速電圧から想定される電子線の飛程を元に膜厚を設定した電子線吸収層を形成することにより、当該層内で電子線のエネルギーが減衰し、透明基材への浸透を阻害することができる。これにより、紫外線吸収剤に電子線は照射されないため、結合様式の変化による黄変等の着色を防止することを可能とした。
また、光学機能層に対して表面を活性化させるのに十分な強度で電子線を照射させるため、ラジカルの発生が促進され撥水撥油層と光学機能層との層間においてグラフト重合反応を生じる箇所が増える。これにより、撥水撥油層と光学機能層との密着性を向上させることを可能とした。
本発明は、準備工程、電子線吸収層形成工程、光学機能層形成工程および撥水撥液層形成工程を少なくとも有するものである。
以下、本発明について工程ごとに説明する。
1.準備工程
まず、本発明における準備工程について説明する。本発明における準備工程は、電子線の照射により着色する紫外線吸収剤を含む透明基材を準備する工程である。
透明基材の樹脂材料としては、一般的に光学フィルムに使用される樹脂材料を用いることができるが、中でも、本発明における透明基材を後述する厚さとした際に、ヘイズ値が低い樹脂であることが好ましい。また、上記樹脂材料は、電子線の照射により樹脂自身が黄変等の着色を生じるものであってもよく、生じないものであってもよい。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル系樹脂、環状ポリオレフィン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリカーボネート、アクリル系樹脂、トリアジン樹脂、セルロース系樹脂、トリアセチルセルロース(TAC)等のアセチルセルロース系樹脂、ポリエーテルサルホン、ポリウレタン系樹脂、ウレタンアクリレート、ポリスルホン、ポリエーテル、ポリエーテルケトン、アクロニトリル、メタクリロニトリル、シクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンコポリマー等を単独、または2種以上を組み合わせて用いることができる。中でも、本発明においてはTACを用いることが好ましい。透明性に優れかつ複屈折が小さいからである。
また、光学フィルムに使用される透明基材は、通常、紫外線吸収剤を含むものである。当該透明基材が紫外線吸収剤を含まない場合、電子線の照射により当該透明基材に用いられる樹脂が劣化し、得られる光学フィルムが十分な耐候性を有することができないからである。上記透明基材に含まれる紫外線吸収剤としては、本発明の効果をより発揮するという観点から、電子線の照射により黄変等の着色を生じるものである。このような紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系、フェノール系等が挙げられ、中でもベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が好ましい。
上記ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤とは、ベンゾトリアゾール骨格を有する紫外線吸収剤である。具体的には、2−(2´−ヒドロキシ−5´−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2´−ヒドロキシ−5´−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2´−ヒドロキシ−5´−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2´−ヒドロキシ−5´−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2´−ヒドロキシ−3´,5´−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2´−ヒドロキシ−3´,5´−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2´−ヒドロキシ−3´−t−ブチル−5´−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、もしくは2−(2’−ヒドロキシ−3´,5´−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール等が挙げられる。
上記透明基材は、可視光領域における透過率が80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。ここで、上記透明基材の透過率は、JIS K7361−1に基づき測定することができる。
上記透明基材の厚さとしては、本発明の光学フィルムの用途に応じて適宜設定することができ、特に限定されないが、10μm〜1000μmの範囲内が好ましく、中でも20μm〜500μmの範囲内が好ましく、特に60μm〜80μmの範囲内が好ましい。
また、上記透明基材は、ロール形状で供給されるもの、巻き取れるほどには曲がらないが負荷をかけることによって湾曲するもの、完全に曲がらないもののいずれであってもよい。
上記透明基材は、2軸延伸または1軸延伸されたものであってもよく、無延伸であってもよい。また、上記透明基材は、単一の層からなる構成に限られるものではなく、複数の層が積層された構成を有してもよい。複数の層が積層された構成を有する場合は、同一組成の層が積層されてもよく、また、異なった組成を有する複数の層が積層されてもよい。
また、本工程においては、上記透明基材と、続く「2.電子線吸収層形成工程」において形成される電子線吸収層との密着性を向上させるために、酸化処理等の物理的な表面処理を行っても良い。また、予め電子線の照射により着色等を生じないアンカー剤もしくはプライマー剤等を塗布し、プライマー層を形成してもよい。
2.電子線吸収層形成工程
次に、本発明における電子線吸収層形成工程について説明する。本発明における電子線吸収層形成工程は、上記透明基材の一方の表面上に、電子線の照射により着色しない電子線吸収層を形成する工程である。
具体的には、上述の準備工程で準備した透明基材の一方の表面に、電子線の照射により着色しない樹脂材料等を含む電子線吸収層組成物を塗布し、塗布膜を硬化させることにより、電子線吸収層を成膜する工程である。
(1)電子線吸収層
まず、本工程において形成される電子線吸収層について説明する。本工程において形成される電子線吸収層は、電子線のエネルギーを減衰させて吸収する層である。
上記電子線吸収層は、有機材料を主成分とする有機層であってもよく、無機材料を主成分とする無機層であってもよい。以下、それぞれの場合に分けて説明する。
(a)電子線吸収層が有機層である場合
上記電子線吸収層が有機層である場合、使用される樹脂材料としては、電子線の照射により黄変等の着色を生じない樹脂材料であればよい。電子線の照射により電子線吸収層においても黄変等の着色が生じることを防止でき、光学フィルム全体として所望の光透過性が保持されるからである。このような樹脂材料としては、熱硬化性樹脂であってもよく、熱可塑性樹脂であっても良く、光硬化性樹脂であってもよい。
電子線の照射により黄変等の着色を生じない樹脂材料とは、「電子線の影響を受けにくい分子構造」、「電子線の影響を受けても共役系の長さが伸びない分子構造」、および「電子線の照射により発色団等の生成が起こりにくい分子構造」の少なくとも一つの構造を有するものであればよい。
ここで、「電子線の影響を受けにくい分子構造」とは、結合エネルギーが高い分子構造、(4n+2π)系芳香環を有する分子構造等をいう。また、「電子線の影響を受けても共役系の長さが伸びない分子構造」とは、電子線による結合の崩壊、再結合を受けても、共役系の長さが、電子線照射前における共役鎖から基本的に伸びない分子構造をいう。
さらに、「電子線の照射により発色団等の生成が起こりにくい分子構造」とは、電子線の照射によりC=C結合、C=O結合、C=N結合、N=N結合、N=O結合等の発色団、またはCH基、NH基、NHCH基、COOH基、OH基等の助色団が生成しにくい構造等をいう。
このような構造を有する樹脂材料としては、例えば、トリアジン、トリアセチルセルロース(TAC)、ウレタンアクリレート、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエチレン、エポキシ樹脂、セルロース等が挙げられる。
上記電子線吸収層は、上述の樹脂材料の他に、添加剤を含んでいても良い。電子線の飛程は、電子線の加速電圧および電子線吸収層の密度に起因するものであり、添加剤を加えて電子線吸収層の密度を大きくすることにより、電子線の加速電圧を高くしても、当該層内で電子線のエネルギーが減衰しやすくなり、飛程を小さくすることができるからである。
上記添加剤としては、透明性を有し、電子線の照射により黄変等の着色を生じないものであれば有機系の添加剤であってもよく、無機系の添加剤であってもよい。
有機系の添加剤とは、電子線の照射により黄変等の着色を生じないも、すなわち、分子内において結合エネルギーが高い分子構造、(4n+2π)系芳香環を有する分子構造、電子線の照射によりC=C結合、C=O結合、C=N結合、N=N結合、N=O結合等の発色団、またはCH基、NH基、NHCH基、COOH基、OH基等の助色団を生成しにくい分子構造等を有する低分子化合物である。このような添加剤としては、低分子性で非重合型の自己崩壊性化合物であればよく、例えば、フッ素系スリップ剤(製品名:Krytox Dupon社製)等が挙げられる。
また、無機系の添加剤としては、無色透明であり、電子線の照射により黄変等の着色を生じないものであればよく、例えば、平均一次粒子径が数十nm程度、とりわけ50nm以下の無機ナノ粒子を用いることができる。無機ナノ粒子としては、金属や金属化合物からなるものが好適である。具体的には、金、銀、銅、白金、パラジウム、ニッケル、コバルト、鉄、マンガン、ケイ素、チタン、ジルコニウム、タングステン、モリブデン、クロム、亜鉛、アルミニウムおよびこれら2種以上からなる金属、酸化鉄、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化クロム、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化セリウム、酸化第二銅、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化アンチモン、二酸化チタン、酸化アルミニウムおよびその混合物等の金属酸化物、窒化アルミニウム、窒化ガリウム、窒化チタン、窒化ケイ素、窒化チタンおよびその混合物等の金属窒化物、硫化カドミウム、硫化亜鉛、硫化銅、硫化モリブデンおよびその混合物等の金属硫化物のほか、金属炭化物、金属ホウ化物、金属炭酸塩、ゼオライト、粘土、およびこれらの複合体等が挙げられる。
これらの無機ナノ粒子の形状は特に制限はなく、球状、楕円球状、直方体や長方体といった四方体状等の粉粒状;円柱状、円盤状、楕円盤状、鱗片状等の多角板状;針状などが好ましく挙げられる。
なお、電子線吸収層における添加剤の含有率としては、特に限定されないが、目的とする光学フィルムのヘイズ値および全光線透過率に影響がない程度の量であることが好ましい。
また、上記電子線吸収層は、上述の樹脂材料の他に紫外線吸収剤を含むものであっても良いが、「1.準備工程」の項で説明した電子線の照射により着色を生じる紫外線吸収剤は含まないものとする。
さらに、上記電子吸収層は、上述の樹脂材料の他に、光重合開始剤を含むものであっても良い。上記光重合開始剤としては、透明性を有し、電子線の照射により黄変等の着色を生じないもの、または、着色を生じる場合であっても所望の含有量を添加した際に、得られる光学フィルムへの着色が認識できないものであることが好ましい。
このような光重合開始剤としては、例えば、アルキルフェノン系、アシルホスフィンオキサイド系、α−アミノケトン系、ベンゾフェノン系、オキシムエステル系等が挙げられ、中でもアルキルフェノン系、アシルホスフィンオキサイド系が好ましい。また、これらの光重合開始剤は、1種類を単独で使用しても良く、2種類以上を併用しても良い。
アルキルフェノン系光重合開始剤としては、具体的には、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパノン−1、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジ−sec−ブトキシアセトフェノン、ジエトキシ−フェニルアセトフェノン等が挙げられる。これらは、単独で使用しても良く、2種以上を併用しても良い。
また、アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤としては、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド(ルシリンTPO)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド等が挙げられる。これらは、単独で使用しても良く、2種以上を併用しても良い。
なお、上記電子線吸収層における紫外線吸収剤および光重合開始剤の含有量としては、光学フィルムの光学特性を低下させない量であれば特に限定されるものではなく、上述した樹脂材料および添加剤の量に応じて設定することができる。
(b)電子線吸収層が無機層である場合
上記電子線吸収層が無機層である場合、小さい膜厚で高い密度を有することができるため、当該層内において電子線が浸透しにくくエネルギーが減衰しやすくなる。このため、電子線の加速電圧を高くしても飛程を小さくすることができる。
このとき、当該電子線吸収層の材料としては、無色透明で高密度に成膜可能な無機材料であればよく、例えば上述した無機ナノ粒子に用いられる金属または金属化合物を用いることができる。
(c)電子線吸収層
上記電子線吸収層の膜厚としては、後述する「4.撥水撥油層形成工程」において照射される電子線の照射強度と、電子線吸収層における電子線のエネルギー吸収能に応じて適宜設定されるものである。詳しくは、下記の数式(1)から所定の加速電圧における電子線の飛程を算出することにより、電子線吸収層の膜厚を設定することができる。
Figure 2015004747
(数式(1)において、Rは飛程(μm)、Vは電子線の加速電圧(kV)、σは電子線吸収層の密度(g/cm)である。)
例えば、電子線の加速電圧(V)が200kVの場合、密度(σ)が1.30g/cmの電子線吸収層(有機層)内における電子線の飛程は、上記数式(1)より約351μmとなる。このとき、実際の電子線吸収層においては、電子線照射源側の表面から約300μmの位置でほぼ電子線の吸収を完了している。これは、上記数式(1)が電子線照射源の照射窓から電子線吸収層の上記表面までの距離を考慮に入れた計算式でなく、算出される飛程は理論値となることから、実際の電子線吸収層内での飛程は数式(1)から算出される理論値よりも小さくなる。
このことから、電子線吸収層の膜厚は、上記数式(1)より算出される電子線の理論上の飛程を元に設定することにより、電子線吸収層内において十分に電子線を吸収することが可能である。また、電子線吸収層の膜厚の下限は、電子線照射源の照射窓から電子線吸収層までの距離や、電子線照射環境における真空度等に依存する。よって、上記数式(1)より算出される理論上の飛程から、これらの調整分を除いた値を適宜設定することが必要である。なお、電子線の加速電圧および電子線吸収層の密度が上述の条件である場合において、電子線吸収層の膜厚としては、10μm〜360μmの範囲内であることが好ましい。
また、上記電子線吸収層の密度は、電子線の加速電圧等に応じて適宜設計することができるが、密度が高いほうが好ましい。上述したように、電子線の飛程は電子線の加速電圧および電子線吸収層の密度に起因するものである。そのため、電子線の加速電圧が高い場合であっても、電子線吸収層の密度が高ければ、当該層内において電子線のエネルギーが減衰しやすくなり、飛程を小さくすることができるからである。同時に、電子線吸収層の膜厚を小さく設計することも可能となるからである。
電子線吸収層の密度としては、目的とする光学フィルムをロール状に巻くことができる柔軟性を有する大きさであれば、特に限定されるものではないが、上記密度が小さすぎると、電子線のエネルギーを十分に減衰させるために必要な電子線吸収層の膜厚が大きくなりすぎて、光学フィルム全体としてのヘイズが低下する場合がある。そのため、光学フィルムの光学特性を低下させずに電子線を十分に吸収できるように、電子線の電子吸収層の密度を適宜調整することが好ましい。
なお、電子線吸収層は、通常、上述した有機層または無機層のどちらか一方からなるものであるが、有機層および無機層を併用するものであってもよい。
(2)電子線吸収層形成工程
本工程においては、後述する撥水撥油層形成工程において照射される電子線の加速電圧を規定し、当該加速電圧の値および上述した数式(1)を基に、電子線の飛程および電子線吸収層の膜厚を算出し、当該膜厚となるように電子線吸収層を成膜することが好ましい。
電子線吸収層組成物が上述した有機材料を主成分とする場合は、硬化後の膜厚が算出された値となる様に、上述の材料を含む電子線吸収層組成物を透明基材上に塗布し硬化させることにより、電子線の加速電圧に応じた膜厚を有する電子線吸収層を成膜することができる。
上記電子線吸収層組成物は、塗布を容易にするために溶媒と混合させてもよい。このときの粘度としては、後述する塗布方法により透明基材の表面上に塗布膜を形成し得る粘度であれば良く、特に限定されない。
上記電子線吸収層組成物の塗布方法としては、ロールコート、グラビアコート、コンマコート、ダイコート、バーコート等の公知のコーティング方法を用いることができる。
上記電子線吸収層組成物の塗布膜の硬化方法としては、上述した樹脂材料の種類により適宜選択することができ、熱硬化でもよく光硬化でもよいが、中でも紫外線による光硬化が良い。紫外線の照射条件としては、一般的な紫外線による硬化条件を用いることができる。
また、電子線吸収層組成物が上述した無機材料を主成分とする場合は、スパッタリング法、CVD法、真空蒸着法、イオンプレーティング法等により、算出された膜厚となるように電子線吸収層を透明基材上に成膜することが好ましい。当該電子線吸収層を高密度で成膜することができるからである。
3.光学機能層形成工程
次に、本発明における光学機能層形成工程について説明する。本発明における光学機能層形成工程は、上記電子線吸収層上に光学機能層を形成する工程である。
具体的には、上記電子線吸収層上に、電子線の照射により着色しない樹脂材料等を含む光学機能層組成物を塗布し、塗布膜を硬化させることにより光学機能層を成膜する工程である。
(1)光学機能層
まず、本工程において形成される光学機能層について説明する。本工程において形成される光学機能層は、光の反射を防止する機能や、光の拡散の偏りを緩和させる機能等の光学的な機能を有する層であり、所望の機能に応じて、その表面が平滑なものであってもよく、表面に凹凸形状を有するものであってもよい。
この様な光学機能層としては、例えば、表面に微小突起が集合してなる微細凹凸を有する層(以下、「モスアイ構造層」と称する。)、減反射コート層(以下、「ARコート層」と称する。)、アンチグレア層、表面に微小突起を有するハードコート層(以下、「低反射ハードコート層」と称する。)等が挙げられる。
例えば、光学機能層がモスアイ構造層である場合、光学フィルムに入射した光に対する屈折率を連続的に変化させ、屈折率の不連続界面を消失させることによって光の反射を防止する機能を有することができる。また、光学機能層がARコート層である場合は、外光の反射自体を抑えて光の反射や映り込みを防止する機能を有することができ、一方、アンチグレア層である場合は表示面に形成される凹凸形状により外光を拡散反射させることで、反射像を不鮮明にする機能を有することができる。中でも、本工程において形成される光学機能層としては、モスアイ構造層であることが好ましい。表面に微細凹凸があると、撥水撥油機能がより強調されて発現するからである。また、光学機能層がモスアイ構造層であれば、光学フィルムのヘイズ値を上昇させることなく、表面に凹凸形状を付与することができるからである。
以下、光学機能層が「(a)モスアイ構造層」である場合と、「(b)その他の光学機能層」である場合とに分けて説明する。
(a)モスアイ構造層
本工程で形成される光学機能層がモスアイ構造層である場合、使用される樹脂材料は、上述した電子線吸収層と同様に、透明性を有し電子線の照射により黄変等の着色を生じない樹脂材料、すなわち分子構造内において共役系の長さが伸びない樹脂材料であればよい。電子線の照射によりモスアイ構造層においても黄変等の着色が生じることを防止でき、光学フィルム全体として所望の光透過性が保持されるからである。このような樹脂材料としては、熱硬化性樹脂であってもよく、熱可塑性樹脂であってもよく、光硬化性樹脂であってもよく、目的とする光学機能層の種類によって適宜選択することができる。中でも光硬化性樹脂であることが好ましい。
上記樹脂材料としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、(メタ)アクリレート樹脂、エポキシ樹脂、ポリオレフィン、スチロール樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリウレタン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリカーボネート、メラミン樹脂、尿素樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、セルロース樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコン樹脂、ポリアレート樹脂、ポリアセタール樹脂、スチレン−イソプレンゴム等が挙げられる。これらの樹脂は単独で用いても良く2種類以上を併用してもよい。中でも、(メタ)アクリレート樹脂が好ましい。
上記(メタ)アクリレート樹脂は、(メタ)アクリロイル基を1分子中に1個有する単官能(メタ)アクリレートであってもよく、(メタ)アクリロイル基を1分子中に2個以上有する多官能アクリレートであってもよく、単官能(メタ)アクリレートと多官能(メタ)アクリレートとを併用するものであってもよい。中でも、後述する物性を示すことができ、微小突起の柔軟性と弾性復元性とを両立させる点から、単官能(メタ)アクリレートと多官能(メタ)アクリレートとを併用することが好ましい。
単官能(メタ)アクリレートとしては、特に限定されないが、微小突起の柔軟性に優れる点から、炭素数10以上の長鎖アルキル基を有するものが好ましく、中でも炭素数12以上の長鎖アルキル基を有するものが好ましく、特にトリデシル(メタ)アクリレートおよびドデシル(メタ)アクリレートの少なくとも1種を含むことが好ましい。単官能(メタ)アクリル酸エステルは、1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、炭素数10以上の長鎖アルキル基を有する単官能(メタ)アクリレートを用いる場合、後述する炭素数10以上の長鎖アルキル基を有する化合物の特性を兼ね備える。
単官能(メタ)アクリレートの含有量としては、光学機能層組成物の全固形分に対して、5質量%〜40質量%の範囲内であることが好ましく、中でも10質量%〜30質量%の範囲内であることが好ましい。
また、多官能アクリレートとしては、特に限定されるものではないが、微小突起が柔軟性および復元性に優れる点から、アルキレンオキサイドを含む多官能(メタ)アクリレートが好ましく、中でもエチレンオキサイド変性多官能(メタ)アクリレートが好ましい。上記多官能(メタ)アクリレートの含有量は、光学機能層組成物の全固形分に対して、10質量%〜95質量%の範囲内であることが好ましく、中でも15質量%〜90質量%の範囲内であることが好ましい。
単官能(メタ)アクリレートと多官能(メタ)アクリレートとを併用する場合、(メタ)アクリレート樹脂の割合としては、多官能アクリレート100質量部に対して、5質量部〜30質量部の範囲内であることが好ましく、中でも10質量部〜15質量部の範囲内であることが好ましい。
また、上記モスアイ構造層の樹脂材料は、上述の「2.電子線吸収層形成工程」の項で説明した電子線吸収層の樹脂材料と同一であってもよい。モスアイ構造層と電子線吸収層とを単一の層として形成することが可能になるからである。
上記モスアイ構造層は、上述の樹脂材料の他に、微小突起が柔軟性に優れる点から、炭素数10以上の長鎖アルキル基を有する化合物を含有することが好ましく、炭素数12以上の長鎖アルキル基を有する化合物を含有することがより好ましい。
炭素数10以上の長鎖アルキル基を有する化合物の具体例としては、例えば、デカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカンを有する化合物等が挙げられる。また、本発明の効果を損なわない限り、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシ基、アミノ基、スルホ基の他、ビニル基、(メタ)アクリロイル基等のエチレン性不飽和二重結合を有する置換基等を有していても良い。なお、炭素数10以上の長鎖アルキル基を有する化合物が(メタ)アクリロイル基を有する場合、当該化合物は、上述した単官能(メタ)アクリレートにも該当し得る。
炭素数10以上の長鎖アルキル基を有する化合物を用いる場合、当該化合物の含有量としては、光学機能層組成物の全固形分に対して5質量%〜30質量%の範囲内であることが好ましく、10質量%〜20質量%の範囲内であることがより好ましい。
上記モスアイ構造層は、上述の樹脂材料の硬化反応を開始または促進させるために、光重合開始剤を含むものであっても良い。光重合開始剤としては、透明性を有し、電子線の照射により黄変等の着色を生じないものであればよく、上述した「2.電子線吸収層形成工程」の項で説明した光重合開始剤を用いることができる。モスアイ構造層における当該光重合開始剤の含有量としては、光学機能層組成物の全固形分に対して0.8質量%〜20質量%の範囲内であり、0.9質量%〜10質量%の範囲内であることが好ましい。
また、上記モスアイ構造層は、電子線の照射により黄変等の着色を生じないものであれば、他の材料を含むものであっても良い。このような材料としては、紫外線吸収剤、帯電防止剤、安定化剤、消泡剤、ハジキ防止剤、酸化防止剤、凝集防止剤、粘度調製剤、等が挙げられる。
モスアイ構造層の表面は、微小突起が集合してなる微細凹凸を有するものである。
上記微小突起の形状は、当該微小突起の深さ方向と直交する水平面で切断したと仮定したときの水平断面内における当該微小突起を形成する材料部分の断面積占有率が、当該微小突起の頂部から最深部方向に近づくに従い連続的に漸次増加する構造を有するものの中から適宜選択すればよい。このような微小突起の形状の具体例としては、半円状、半楕円状、三角形状、放物状、釣鐘状等の垂直断面形状を有するものが挙げられる。複数ある微小突起は同一の形状を有していても異なる形状を有していてもよい。微小突起が上記の形状を有することにより、微細凹凸等の深さ方向に屈折率が連続的に変化するため、反射防止性が付与される。
微小突起の周期としては、可視光領域の波長以下であれば特に限定されるものではなく、適宜決定することができる。例えば、80nm〜400nmの範囲内であることが好ましく、100nm〜300nmの範囲内であることがより好ましく、120nm〜250nmの範囲内であることがさらに好ましい。上記微小突起の周期が上記範囲よりも短いと、高精度で微小突起を形成することが困難になる場合がある。一方、微小突起の周期が上記範囲よりも長いと、目的の光学フィルムにおいて、短波長側の光に対する反射防止機能が不十分になってしまう場合がある。なお、微小突起の周期とは、隣接する微小突起の頂点間の距離をいい、微小突起の縦断面を電子顕微鏡により観察して10個分の周期を測定し、その測定値の平均値とする。
また、上記微小突起の高さについても、目的とする光学フィルムに所望の反射防止機能を付与できる範囲内で適宜調整することができ、特に限定されるものではないが、例えば200nm程度であることが好ましい。上記微小突起の高さが大きすぎると、個々の微小突起が損壊しやすくなる場合があり、一方、小さすぎると、長波長側の光に対する反射防止機能が不十分になる場合がある。なお、上記微小突起の高さとは、突起付け根位置から頂点までの高さをいい、上述した微小突起の周期の測定方法と同様の方法で決定した平均値とする。
また、微細突起のアスペクト比(微小突起の高さ/微小突起の周期)は0.8〜2.5の範囲内であることが好ましく、中でも0.8〜2.1の範囲内であることがより好ましい。
上記モスアイ構造層は、25℃における貯蔵弾性率(E)が300MPa以下であることが好ましい。貯蔵弾性率を300MPa以下とすることにより、目的とする光学フィルムの表面に付着した汚れを拭取る際の圧力によって微小突起が変形し、微小突起間の隙間に入り込んだ汚れを乾拭きで除去することが可能となる。中でも貯蔵弾性率(E)が、1MPa〜250MPaの範囲内であることが好ましく、1MPa〜100MPaの範囲内であることがより好ましい。
また、このとき、上記モスアイ構造層は、25℃における貯蔵弾性率(E)に対する損失弾性率(E´)の比(tanδ(=E´/E)、損失正接)が0.2以下であることが好ましい。損失正接を0.2以下とすることにより、目的とする光学フィルムの表面に付着した汚れを拭取る際に変形した微小突起が、弾性復元されて元の形状に戻りやすい。これにより、突起の塑性変形やスティッキングが抑制され、反射防止性能を低下することなく表面の汚れを除去することが可能になる。中でも、tanδが0.18以下であることが好ましい。
なお、上記貯蔵弾性率(E)および損失弾性率(E´)は、JIS K7244に準拠して、以下の方法により測定される。
まず、光学機能層組成物を、2000mJ/cmのエネルギーの紫外線を1分以上照射することにより十分に硬化させて、厚さ1mm、幅5mm、長さ30mmの表面に凹凸形状のない層とする。次いで、25℃下、当該層の長さ方向に10Hzで25gの周期的外力を加え、動的粘弾性を測定することにより、25℃における、E、E´が求められる。測定装置としては、例えば、UBM製 Rheogel E400を用いることができる。
上記モスアイ構造層の表面の弾性率としては、柔軟性に優れる点から、200MPa〜500MPaの範囲内であることが好ましく、中でも220MPa〜400MPaの範囲内であることが好ましい。
また、当該表面の最大押し込み深さとしては、変形し易く拭取り性に優れる点から、1.0μm〜2.0μmの範囲内であることが好ましく、中でも1.2μm〜1.8μmの範囲内であることが好ましい。
さらに、当該表面の弾性復元率としては、塑性変形が少なく拭き痕が生じにくい点から、80%以上であることが好ましく、85%〜98%の範囲内であることがより好ましい。
なお、上記モスアイ構造層の弾性率、最大押し込み深さ、および弾性復元率は、上記モスアイ構造層表面に下記特定の条件で圧子を押し込んで測定することができる。測定装置は、例えば、フィッシャーインストルメンツ社製PICODENTER HM−500を用いることができる。
<測定条件>
・荷重速度 1mN/10秒
・保持時間 10秒
・荷重除荷速度 1mN/10秒
・圧子 ビッカース
・測定温度 25℃
(b)その他の光学機能層
本工程で形成される光学機能層がモスアイ構造層以外である場合、使用される樹脂材料は、上述したモスアイ構造層の場合と同様に、透明性を有し電子線の照射により黄変等の着色を生じない樹脂材料であればよい。その理由については、上述の「(a)モスアイ構造層」の項で説明した内容と同様である。上記樹脂材料は、熱硬化性樹脂であってもよく、熱可塑性樹脂であってよく、光硬化性樹脂であってもよいが、中でも光硬化性樹脂が好ましい。
本工程で形成される光学機能層がアンチグレア層である場合、上記樹脂材料としては、表面を凹凸形状にすることができる材料であれば特に限定されるものではなく、従来から慣用されている重合性オリゴマーないしはプレポリマーの中から適宜選択して用いることができ、さらには、多官能の重合性オリゴマーないしはプレポリマーが挙げられる。重合性オリゴマーないしはプレポリマーとしては、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つオリゴマーやプレポリマー、例えば、エポキシ(メタ)アクリレート系、ウレタン(メタ)アクリレート系やポリエーテル系ウレタン(メタ)アクリレートやカプロラクトン系ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート系、ポリエーテル(メタ)アクリレート系のオリゴマーやプレポリマー等が挙げられる。これらの樹脂は単独で用いても良く2種類以上を併用してもよい。なお、ここでの(メタ)アクリレートとは、アクリレートまたはメタクリレートを指す。
また、本工程で形成される光学機能層が低反射ハードコート層である場合、上記樹脂材料としては、例えば、比較的低分子量のポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂、多価アルコール等の多官能化合物の(メタ)アクリレート等のオリゴマー又はプレポリマーおよび反応性希釈剤としてエチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、N−ビニルピロリドン等の単官能モノマー並びに多官能モノマー、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1、6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは単独で用いても良く2種類以上を併用してもよい。なお、ここでの(メタ)アクリレートとは、アクリレートまたはメタクリレートを指す。
また、本工程で形成される光学機能層がARコート層である場合、上記光学機能層を形成する樹脂材料としては、通常ARコート層に使用される材料を用いることができる。
本工程で形成される光学機能層の樹脂材料は、光学機能層の種類にかかわらず、上述の「2.電子線吸収層形成工程」の項で説明した電子線吸収層の樹脂材料と同一であっても良い。この場合、光学機能層と電子線吸収層とを単一の層として形成することが可能になる。また、光学機能層においても電子線を吸収することができるため、透明基材への電子線の浸透をさらに抑制することができる。
また、上記光学機能層は、上述の樹脂材料の他に光重合開始剤を含むものであっても良い。光重合開始剤の種類等については、上述した「(a)モスアイ構造層」の項で説明した内容と同様である。なお、当該光重合開始剤の含有量については、適宜設定することができる。
さらに、上記光学機能層は、電子線の照射により黄変等の着色を生じないものであれば、他の材料を含むものであっても良い。このような材料としては、上述した「(a)モスアイ構造層」の項で説明した内容と同様である。
(c)光学機能層
本工程において形成される光学機能層の膜厚としては、光の反射を防止する機能や、光の拡散の偏りを緩和させる機能等を十分に発揮できる大きさであることが好ましい。具体的には、光学機能層の膜厚が1μm〜40μmの範囲内であることが好ましく、中でも5μm〜40μmの範囲内であることが好ましく、特に5μm〜10μmの範囲内であることが好ましい。光学機能層の膜厚が上記範囲よりも小さいと、所望の膜厚に光学機能層を成膜することが難しくなり、目的とする光学フィルムにおいて外観不良を生じる場合がある。一方、上記範囲よりも大きいと、電子線照射により光学機能層が収縮し、目的とする光学フィルムがカールする場合がある。
なお、光学機能層が表面に微細凹凸等の凹凸形状を有する場合、当該膜厚は電子線吸収層との接触面から凸部までの長さをいう。
(2)光学機能層形成工程
本工程において、上述した光学機能層の材料を含む光学機能層組成物は、塗布を容易にするために適宜溶媒と混合させてもよい。このときの粘度としては、後述する塗布方法により電子線吸収層の表面上に塗布膜を成膜し得る粘度であれば良く、特に限定されない。
上記溶媒は、光学機能層組成物の各成分と反応せずに溶解ないし分散が可能なものから適宜選択して用いることができる。このような溶媒としては、例えば、ベンゼン、ヘキサン等の炭化水素系溶媒、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、プロピレングリコールモノエチルエーテル(PGME)等のエーテル系溶媒、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化アルキル系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒、およびジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒、シクロヘキサン等のアノン系溶媒、メタノール、エタノール、およびプロパノール等のアルコール系溶媒が挙げられるが、これらに限られるものではない。また、上記溶媒は単独で用いてもよく、2種類以上の溶媒の混合溶媒でもよい。
また、光学機能層組成物および溶媒の総質量に対する固形分の割合としては、20質量%〜70質量%の範囲内であることが好ましく、30質量%〜60質量%の範囲内であることがより好ましい。なお、本発明において固形分とは、溶媒と混合させた光学機能層組成物のすべての成分を表す。
上記光学機能層組成物の塗布方法としては、一般的な方法を用いることができる。塗布方法として、例えば、ロールコート、グラビアコート、コンマコート、ダイコート、バーコート等の公知のコーティング方法を用いることができる。
また、モスアイ構造層等のように、表面に凹凸形状を有する光学機能層を形成する場合は、上記光学機能層組成物を電子線吸収層上に塗布し、塗布膜に所望の凹凸形状を有する賦形版等を押し当てた状態で塗布膜を硬化させ、硬化後に賦形版等を剥離することにより、表面に所望の凹凸形状を有する光学機能層を形成することができる。硬化方法としては、熱硬化であってもよく光硬化であってもよい。また、上記賦形版の形状としては特に限定されるものではなく、例えばロール状、平板状等を使用することができる。このときの圧力およびその負荷方法については、適宜設定することができる、
本工程における光学機能層の硬化方法としては、光学機能層組成物に含まれる樹脂材料の種類により適宜選択することができ、熱硬化でもよく光硬化でもよいが、中でも紫外線による光硬化が良い。紫外線の照射条件としては、一般的な紫外線による硬化条件を用いることができる。
また、本工程は、上述した電子線吸収層形成工程と同時に行う一括工程とすることも可能である。すなわち、本工程において、電子線のエネルギーを十分に減衰させることが可能な膜厚を有する光学機能層を成膜してもよい。一括工程とすることにより、光学機能層が電子線吸収層の機能も併せて有することができ、工程数の削減が可能となる。また、光学機能層と電子線吸収層とを個々に積層させると、層間界面において光の反射が生じ光学フィルム全体の光透過性が低下する場合があるが、光学機能層の単一層とすることによりこのような現象の発生を防止できる。
一括工程により光学機能層を成膜する場合、光学機能層組成物は上述した材料の他に、透明性を有し電子線の照射により黄変等の着色を生じない添加剤を含むものであってもよい。添加剤を加えることで光学機能層の密度が大きくなり、電子線の加速電圧を高くしても当該層内で電子線のエネルギーを十分に減衰させることができるからである。
添加剤の種類については、上述した「2.電子線吸収層形成工程」の項で説明したものと同様である。このとき、光学機能層中の添加剤の含有率としては、上述の「2.電子線吸収層形成工程」の項で説明した電子線吸収層における含有率と同様であることが好ましい。
また、当該光学機能層の密度としては、上述した「2.電子線吸収層形成工程」の項で説明したものと同様とすることが好ましい。
一括工程により形成される光学機能層の膜厚としては、電子線を十分に吸収する機能を有するとともに、光の反射を防止する機能や、光の拡散の偏りを緩和させる機能等を十分に発揮できる大きさであることが好ましい。そのため、一括工程により光学機能層を形成する場合は、上述した「2.電子線吸収層形成工程」の項で説明した電子線吸収層の膜厚の設定方法と同様の方法に従い、加速電圧の強度に応じた電子線の飛程を元に膜厚を設定することが好ましい。
4.撥水撥油層形成工程
次に、本発明における撥水撥油層形成工程について説明する。本発明における撥水撥油層形成工程は、上記光学機能層上に撥水撥油層組成物を配置し、上記透明基材の上記電子線吸収層を有する表面から上記電子線を照射することにより撥水撥油層を形成する工程である。
(1)撥水撥油層
まず、本工程において形成される撥水撥油層について説明する。本工程において形成される撥水撥油層は、撥水性および撥油性の両方の機能を有するものである。
上記撥水撥油層を形成する材料としては、フッ素系ポリマー、シリコン系ポリマー等を用いることができ、中でもフッ素系ポリマーが好ましい。フッ素系ポリマーに含有されるトリフルオロメチル基(−CF)は、表面エネルギーが最も低く、非常に高い撥水性能を示すことができるからである。
フッ素系ポリマーとしては、例えば、下記一般式(1)で表わされるクロロトリフルオロエチレンの低重合化合物、下記一般式(2)で表わされるオキシラントリフルオロ(トリフルオロメチル)ホモポリマー等を用いることができる。
Figure 2015004747
(一般式(1)中、nは6又は7である。一般式(2)中、nは7〜60である。)
撥水撥油層に使用されるシリコン系ポリマーとしては、一般的に撥水撥油性を有する層として使用される材料を用いることができ、例えば、TEGO Glide 400(巴工業社)等が挙げられる。
本工程により形成される撥水撥油層の膜厚としては、撥水撥油機能を発揮できれば特に限定されないが、膜厚が小さいことが好ましく、中でも当該膜厚が100μm以下で撥水撥油機能を発揮できる大きさであることが好ましい。
(2)撥水撥油層形成工程
本工程において用いられる撥水撥油層組成物とは、上述した撥水撥油層の材料を含むものである。撥水撥油層組成物の配置方法としては、光学機能層上に撥水撥油層組成物を含む未硬化の膜を形成できる方法であれば特に限定されず、気相法であってもよく塗布法であってもよい。
気相法としては、例えば、プラズマCVD法、熱CVD法、レーザーCVD法等のCVD法、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等のPVD法等を用いることができる。
また、塗布法としては、例えば、グラビアコート、バーコート、ロールコート、リバースロールコート、コンマコート、ダイコート、スクリーンコート等の一般的な方法を用いることができる。中でも、グラビアコートを用いることが好ましい。このとき、上記撥水撥油層組成物は塗布を容易にするために適宜溶媒と混合させてもよい。粘度としては、各種塗布方法により光学機能層の表面上に撥水撥油層組成物を塗布し得る粘度であればよく、適宜調整することができる。
本工程においては、電子線は透明基材の電子線吸収層を有する表面から照射されるものである。これにより、照射された電子線は光学機能層上に多数のラジカルを発生させることができる。また、電子線は光学機能層および電子線吸収層内でその浸透が停止するため、透明基材に含有される紫外線吸収剤まで達することができず、着色が生じるのを防ぐことができる。他方、透明基材の電子線吸収層を有さない表面から電子線が照射される場合は、直接透明基材に照射されるため、紫外線吸収剤の分子構造の変化に伴う黄変等の着色を生じてしまう。
本工程において照射される電子線の加速電圧としては、光学機能層の表面を十分に活性化させることができる範囲であることが好ましい。電子線の加速電圧としては、50kV〜1000kVの範囲内であることが好ましく、中でも80kV〜200kVの範囲内であることが好ましい。
電子線の加速電圧が上記範囲よりも高いと、電子線の飛程が「2.電子線吸収層形成工程」において形成された電子線吸収層の膜厚を超えてしまい、透明基材に電子線が浸透する場合がある。また、透明基材への電子線の浸透を阻止するために電子線吸収層の膜厚を電子線の飛程よりも大きくする必要があるため、得られる光学フィルムのヘイズ値等が低下する場合がある。一方、上記範囲よりも低いと、光学機能層の表面が十分に活性されず、光学機能層と撥水撥油層との密着性が低いものとなる場合がある。
また、本工程において照射される電子線の照射線量は、所望の加速電圧に応じて下記の数式(2)により算出することができる。
Figure 2015004747
(ここで、数式(2)において、Dは電子線照射線量(kGy)、Vは加速電圧(kV)、Iは電流(mA)、νは機速(m/min)、kは機械固有値である。なお、kは実測値を元に算出される。)
本工程で使用される電子線の発生源としては、特に限定されるものではなく、例えば、カーテン型、コックロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型、ライン照射型などの各種電子線加速器を用いることができる。
本工程において、電子線を照射する際には、酸素濃度を100ppm以下とすることが好ましい。酸素存在下で電子線を照射するとオゾンが発生するため環境に悪影響を及ぼす場合があるからである。酸素濃度を100ppm以下とするには、真空下または窒素やアルゴン等の不活性ガス雰囲気下において電子線を照射すればよく、例えば、電子線照射装置内を窒素充填することにより、酸素濃度100ppm以下を達成することができる。
なお、本工程における電子線の照射によるラジカルの発生は、例えば、電子スピン共鳴装置(ESR)を用いて、電子線照射後の撥水撥油層および光学機能層の界面に存在するフリーラジカル種を同定することにより、その発生を確認することができる。
本工程は、通常、光学機能層上に撥水撥油層組成物を配置し、電子線を照射させることにより撥水撥油層を形成するものであるが、先に光学機能層上に電子線を照射し、ラジカルが失活する前に撥水撥油層組成物を光学機能層上に配置させてもよい。また、光学機能層上に電子線を照射し、ラジカルが失活する前に別途成膜した撥水撥油層を積層させてもよい。
6.光学フィルム
本発明により得られる光学フィルムについては、後述する「B.光学フィルム」の項で詳細に説明するため、ここでの説明は省略する。
B.光学フィルム
次に、本発明の光学フィルムについて説明する。本発明の光学フィルムは、電子線の照射により着色する紫外線吸収剤を含む透明基材と、上記透明基材の一方の表面上に形成され、電子線の照射により着色しない電子線吸収層と、上記電子線吸収層上に形成された光学機能層と、上記光学機能層上に形成された撥水撥油層と、を有するものである。
本発明の光学フィルムについて、図を例示して説明する。図2は本発明の光学フィルムの一例を示す概略断面図である。図2で例示されるように、本発明の光学フィルム10は、電子線の照射により着色する紫外線吸収剤を含む透明基材1と、上記透明基材1の一方の表面上に形成され、電子線の照射により着色しない電子線吸収層2と、上記電子線吸収層2上に形成された光学機能層3と、上記光学機能層3上に形成された撥水撥油層4と、を有するものである。なお、図2で例示される光学フィルム10は、光学機能層3がモスアイ構造層のものであるが、上記光学機能層3の種類は本態様に限定されるものではない。
1.光学フィルム
本発明の光学フィルムを構成する各層については、上述した「A.光学フィルムの製造方法」の項で説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
本発明の光学フィルムは、光を十分に透過できることが好ましい。上記光学フィルムの可視光線透過率としては80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。また、全光線透過率としては90%以上であることが好ましい。なお、上記可視光線透過率および全光線透過率は、JIS K7361−1に基づき測定されるものである。
本発明の光学フィルムは、CIE LAB表色系における色相(b値)が、電子線の照射前後で変化の小さいことが好ましい。b値とは黄色と青色の間の位置を示すものであり、b値が負の場合は青色寄りに色を帯びており、正の場合は黄色寄りに色を帯びていることを意味する。具体的には、電子線の照射前後のb値の差(Δb)が0.3未満であることが好ましく、中でも0.2未満であることが好ましい。Δb値が上記範囲よりも大きいと、電子線の照射により光学フィルムが黄色を帯びたものとなり、光透過率の低下や視認性の阻害を生じる場合がある。
なお、上記Δb値は、分光色彩計(日本電色工業(株)製 SD−5000)を用いて測定したときの値である。
本発明の光学フィルムが光学機能層としてモスアイ構造層を有する場合、当該光学フィルムの25℃における貯蔵弾性率(E)、および25℃における貯蔵弾性率(E)に対する損失弾性率(E´)の比(tanδ(=E´/E)損失正接)が、上述した「A.光学フィルムの製造方法 3.光学機能層形成工程」の項で説明した値を有することが好ましい。また、光学フィルムが光学機能層としてモスアイ構造層を有する場合の、当該光学フィルムの表面の弾性率、最大押し込み深さ、および弾性復元率についても同様である。
本発明の光学フィルムが上述の物性を有することにより、表面に付着した汚れを拭取る際に、変形した微小突起が弾性復元され、元の形状に戻りやすくなる。これにより、突起の塑性変形やスティッキングが抑制され、反射防止性能を低下することなく、表面の汚れを除去することが可能になるからである。
本発明の光学フィルムは、透明基材の一方の表面に、電子吸収層と光学機能層と撥水撥油層を有するものであってもよく、上記透明基材の両面に上述の各層を有するものであってもよい。
2.製造方法
本発明の光学フィルムの製造方法としては、上述した「A.光学フィルムの製造方法」を用いることが好ましい。
3.用途
本発明の光学フィルムは、表面の撥水撥油性に優れるものであり、且つ、黄変等の着色を生じることなく高い光透過性を示すものである。そのため、本発明の光学フィルムは、高い光学特性が要求され、且つ表面を指で直接触れる等により汚れやすく防汚性が求められる用途に使用することが好ましい。このような用途として、特に、タッチパネル部材等を備えた画像表示装等に使用することが好ましい。
また、その他の用途として、店舗のショーウィンドウや、美術館の展示物の展示窓;時計等、各種計測機器の表示窓表面;道路標識や、ポスター等の各種印刷物;自動車、航空機等の乗り物や、各種建築物の窓等の前面又は両面に配置して、視認性を向上することができる。また、眼鏡、カメラ、望遠鏡、顕微鏡等の各種光学機器や、各種照明機器の窓材として用いることもできる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例および比較例を示し、本発明をさらに詳細に説明する。
(準備工程)
透明基材として以下の3種を準備した。
・基材1:ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤含有トリアセチルセルロースフィルム(TACフィルム)(膜厚80μm パナック(株)社製)
・基材2:ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤含有TACフィルム(膜厚60μm パナック(株)社製)
・基材3:ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤非含有TACフィルム(膜厚60μm パナック(株)社製)
電子線照射源として、カーテン型電子線照射装置(岩崎電気(株)製)を準備した。照射条件を表1にまとめる。なお、上記電子線照射装置の照射窓から、評価対象物(積層体の場合は、電子線照射源に最も近い層)までの距離は44.5mmとし、各照射条件とも同一とする。
Figure 2015004747
(検証1:電子線照射による基材の着色要因)
[検証例1−1]
基材2に対して、条件Aで電子線を照射した。
[検証例1−2]
基材3に対して、条件Aで電子線を照射した。
[評価1]
検証例1−1および検証例1−2について電子線照射前後のb値の差(Δb値)を測定した。Δb値の測定には分光色彩計SD-5000(日本電色工業(株)製、測定条件:透過、視野角2°、光源C)を用いた。Δb値が0.3未満を○(着色していない)、Δb値が0.3以上(着色した)を×とした。結果を表2にまとめる。
Figure 2015004747
表2より、検証例1−1ではΔb値が3.74、検証例1−2ではΔb値が0.01であることから、透明基材中に含まれる紫外線吸収剤の種類によって、上記紫外線吸収剤に電子線が照射されることにより黄変が生じることが確認された。
(検証2:電子線の加速電圧による着色への影響)
[検証例2−1]
基材1に対し、条件D(加速電圧=80kV)で電子線を照射した。
[検証例2−2]
条件C(加速電圧=100kV)としたこと以外は、検証例2−1と同様にして電子線を照射した。
[検証例2−3]
条件B(加速電圧=200kV)としたこと以外は、検証例2−1と同様にして電子線を照射した。
[評価2]
検証例2−1〜検証例2−3について電子線照射前後のb値の差(Δb値)を測定した。測定方法および判定方法については、上述した評価1と同様である。結果を表3にまとめる。
Figure 2015004747
表3より、加速電圧が高いとΔb値が大きくなった。このことから、加速電圧の高さに応じて電子線の飛程が長くなり、透明基材内への電子線の照射深度が大きくなるため、電子線の照射を受ける紫外線吸収剤の割合が増加することが確認された。つまり、透明基材内への電子線の照射深度を浅くすることが、黄変対策に有効であることが示唆された。
(電子線の深度および電子線吸収層の膜厚の設定)
[実施例1〜実施例7、比較例1]
基材2(密度(σ)=1.30g/cm)を8枚重ねた積層体1(膜厚480μm)に対し、条件Eで電子線を照射し、電子線照射前後の各層のb値の差(Δb値)を測定した。なお、積層体1の各層について、電子線照射源側から見て1層目を比較例1、2層目から電子線照射源から最も離れて位置する層(8層目)までを実施例1〜実施例7とした。また、b値の測定方法および判定方法については、上述した評価1と同様とした。評価結果を表4にまとめる。
Figure 2015004747
表4より、積層体1の1層目(比較例1)においてはΔb値が大きく変化した。すなわち、条件Eで照射された電子線は、電子線照射源側の表面から深さ60μm内を浸透し、1層目内の紫外線吸収剤の黄変が生じたと推量される。また、2層目以降の層(実施例1〜実施例7)ではΔb値は0.3未満であることから、電子線が浸透していないと推量される。つまり、条件Eで電子線照射を行う場合、透明基材上に膜厚が60μm程度の電子線吸収層を形成することにより、透明基材への電子線の浸透を阻害することができ、黄変が生じない光学フィルムの形成が可能であることが示唆された。なお、条件Eにおいて数式(1)から算出される電子線の飛程の理論値は、約76μmであった。
[実施例8〜実施例18、比較例2〜比較例6]
基材2(密度(σ)=1.30g/cm)を16枚重ねた積層体2(膜厚960μm)に対し、条件Aで電子線を照射し、電子線照射前後の各層のb値の差(Δb値)を測定した。なお、積層体2の各層について、電子線照射源側から見て1層目から5層目までを比較例2〜比較例6とし、6層目から電子線照射源から最も離れて位置する層(16層目)までを実施例8〜実施例18とした。また、b値の測定方法および判定方法については、上述した評価1と同様とした。評価結果を表5にまとめる。
Figure 2015004747
表5より、積層体の1層目から5層目(比較例2〜比較例6)においてΔb値が大きく変化した。すなわち、条件Aで照射された電子線は、電子線照射源側の表面から深さ300μm内を浸透し、1層目から5層目内の紫外線吸収剤の黄変が生じたと推量される。また、6層目以降の層(実施例8〜実施例18)ではΔb値は0.3未満であることから、電子線が浸透していないと推量される。つまり、条件Aで電子線照射を行う場合、透明基材上に膜厚が300μm程度の電子線吸収層を形成することにより、透明基材への電子線の浸透を阻害することができ、黄変が生じない光学フィルムの形成が可能であることが示唆された。なお、条件Aにおいて数式(1)から算出される電子線の飛程の理論値は、約351μmであった。
上述の結果から、電子線の加速電圧の強度に応じた電子線の飛程を元に、透明基材上に設ける電子線吸収層の膜厚を設定することにより、透明基材への電子線の浸透を阻害し黄変を防止することできる。これにより黄変が生じない光学フィルムの形成が可能であることが確認された。
1 … 基材
2 … 電子線吸収層
3 … 光学機能層
4 … 撥水撥油層

Claims (3)

  1. 電子線の照射により着色する紫外線吸収剤を含む透明基材を準備する準備工程と、
    前記透明基材の一方の表面上に、前記電子線の照射により着色しない電子線吸収層を形成する電子線吸収層形成工程と、
    前記電子線吸収層上に光学機能層を形成する光学機能層形成工程と、
    前記光学機能層上に撥水撥油層組成物を配置し、前記透明基材の前記電子線吸収層を有する表面から前記電子線を照射することにより撥水撥油層を形成する撥水撥油層形成工程と、を有することを特徴とする、光学フィルムの製造方法。
  2. 前記光学機能層が、表面に微細凹凸を有する層であることを特徴とする請求項1に記載の光学フィルムの製造方法。
  3. 電子線の照射により着色する紫外線吸収剤を含む透明基材と、
    前記透明基材の一方の表面上に形成され、前記電子線の照射により着色しない電子線吸収層と、
    前記電子線吸収層上に形成された光学機能層と、
    前記光学機能層上に形成された撥水撥油層と、
    を有する光学フィルム。
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