JP2015004624A - 温度計測装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】温度計測装置10は、温度計測データを処理する温度計測装置本体70と、石膏材にて形成され温度計測装置本体70を収納する石膏容器50、断熱材にて形成され石膏容器50を収納する断熱容器40、および断熱容器40を収納する保護容器30を有する耐熱容器20とを備え、保護容器30は一面が開口した第一の容器31および第二の容器32と銅材にて構成されたシール部材33とを備え、第一の容器31の開口部と第二の容器の開口部32とをシール部材33を介装した状態で突き合わせ、前記突き合わせ部を締結部材90にて締結することで、内部に密閉空間を構成し、保護容器30には、保護容器30の内部と外部との連通状態を切り替え可能な調整弁80が設けられている。
【選択図】図2
Description
このような構成の耐熱容器によれば、外側容器である程度の高温下でも内側容器の温度上昇を抑えることができるとともに、内側容器が温度上昇しても、当該内側容器は石膏材よりなるため、内部に含む結晶水の熱分解エネルギーによって温度上昇を抑えて、内部に収納された温度計測装置を保護することが可能となっている。
前記外耐熱ケースは、二分割された前側本体部と後側本体部とを合わせて密着させることにより、密閉された内部空間を形成するように構成されている。また、前側本体部と後側本体部との合わせ面の間には、シール部材が配設されており、高温の炉内温度下における外耐熱ケースの内部空間の密閉性をより高める構成となっている。
このような構成の耐熱容器によれば、炉内雰囲気からの熱が内部に伝導されることが断熱層により抑えられるとともに、炉内雰囲気からの熱が潜熱として蓄熱素材32内に取り込まれることとなって、断熱効果をより向上することが可能となっている。また、外耐熱ケースは、内部空間の密閉性をより高めるように構成されているので、温度計測装置を高温の油槽に浸漬して焼き入れ時の温度計測を行う際の、外耐熱ケースへの油の侵入を防ぐ耐油性にも優れた構成となっている。
また、耐熱容器における外側容器は、容器本体と蓋体とを係合して容器本体の開口部を蓋体にて閉塞することにより構成されており、外側容器には、外側容器の内部と外部とを連通する貫通溝が形成されているため、内側容器の石膏材から生じた水蒸気は、前記容器本体と蓋体との係合部や前記貫通溝を通じて、自由に外側容器内から外側容器外部へ排出される。
従って、例えば耐熱容器を600℃の高温環境下に置いた場合、内側容器の石膏材は乾式加熱されて130℃で一定の温度を保持する。これにより、温度計測装置本体を収納する内側容器内の空間の温度が130℃程度、あるいはそれ以上の温度になると考えられる。
また、特許文献1に開示される耐熱容器は、油槽に浸漬した場合、前記係合部や貫通溝を通じて容器内部に油が浸入することとなるため、十分な耐油性を備えていない。
一方、特許文献2に開示される耐熱容器の外耐熱ケースは、内部空間の密閉性がより高められた構成となっているため、蓄熱素材から蒸発した水分は外耐熱ケースの外部に逃げることができずに、外耐熱ケースの内部圧力が上昇することとなる。さらに、水蒸気が充満した外耐熱ケースの内部圧力の上昇により、外耐熱ケースの内部温度が温度計測装置本体の動作停止温度まで上昇するおそれがある。
このように、特許文献2に開示される耐熱容器においても、炉内温度の計測中に温度計測装置の動作が停止してしまう可能性がある。
図1に示す本実施形態の温度計測装置10は、連続浸炭炉における油焼入れ処理室の油槽110内に浸漬されたワークWの温度を計測している。
温度計測装置10は、耐熱容器20内に温度計測装置本体70を収納して構成されており、耐熱容器20からは温度計測装置本体70に接続されるプローブ71・71・・・が延出している。つまり、温度計測装置10は、耐熱容器20、温度計測装置本体70、および接触端子部52・52・・・が形成されたプローブ71・71・・・を備えている。
石膏容器50は石膏材により形成されており、金属容器60の外形形状と同様の形状の内部空間を有しており、当該内部空間に金属容器60を収納している。石膏容器50に収納された金属容器60の外周面は、石膏容器50の内部空間の内周面に密接している。
保護容器30はSUS等の金属部材にて形成されており、断熱容器40の外形形状と同様の形状の内部空間を有しており、当該内部空間に断熱容器40を収納している。保護容器30に収納された断熱容器40の外周面は、保護容器30の内部空間の内周面に密接している。
金属容器60の引き出し孔61、石膏容器50の引き出し孔51、および断熱容器40の引き出し孔41は、互いに連通するように位置を合わせて形成されている。
なお、継手89の引き出し孔と、前記引き出し孔に挿入されるプローブ71・71・・・との間の隙間は、シール材にてシールされている。
第一の容器31および第二の容器32は、例えばそれぞれ軸方向の一側の面が開口した有底の円筒状部材にて構成されており、前記開口面の周縁部には外側へ突出するフランジ部31a・32aが形成されている。
第一の容器31と第二の容器32とは、それぞれの開口面を互いに突き合わせてフランジ部31aとフランジ部32aとを当接させ、フランジ部31a・32aをボルト等の締結部材90により締結することで一体的に接続されており、第一の容器31と第二の容器32とを一体的に接続することで、保護容器30の内部空間が形成されている。
これにより、シール部材33がフランジ部31aおよびフランジ部32aの合わせ面に圧接され、第一の容器31と第二の容器32との接続部がシールされることとなり、保護容器30の内部空間が密閉空間となる。
この場合、フランジ部31a・32aとシール部材33との間に完全な拡散接合が生じると保護容器30の組立および分解に膨大な時間を要することとなって、保護容器30に対する温度計測装置本体70の収納や取り出しが困難となる。
特に、本実施形態の場合は、シール部材33として酸化しやすい銅材を用いているので、フランジ部31a・32aとシール部材33との間に不完全な拡散接合を生じさせやすく、フランジ部31aとフランジ部32aとの接合を、気密・液密的かつ分離容易な接合とすることが容易になっている。
図3、図4に示すように、調整弁80は、ベース81と、コマ82と、ヘッド83とを備えている。
本体部81aは例えば円柱状に形成されており、本体部81aには円筒状のコマ摺動穴81cおよびヘッド装着用穴81dが形成されている。コマ摺動穴81cおよびヘッド装着用穴81dは本体部81aの軸方向に沿って配置されており、ヘッド装着用穴81dはコマ摺動穴81cよりも端部側に位置している。また、ヘッド装着用穴81dはコマ摺動穴81cよりも大径に形成されている。コマ摺動穴81cの装着部81b側端部には、テーパー部81eが形成されている。テーパー部81eは、装着部81b側へいくに従って縮径するテーパー形状に形成されている。ヘッド装着用穴81dの内周面には雌ネジが形成されている。
調整弁80が保護容器30に取り付けられた状態では、コマ摺動穴81cの内部空間と、保護容器30の内部空間とが連通孔81fにより連通されることとなる。
コマ82は、テーパー部82bを装着部81b側へ向けた姿勢で、ベース81のコマ摺動穴81cに嵌装されている。コマ82はコマ摺動穴81c内において、軸方向へ摺動自在に構成されている。
コマ82のテーパー部82bは、コマ82が装着部81b側へ移動した際に、ベース81におけるコマ摺動穴81cのテーパー部81eに当接する。
ヘッド83がベース81に螺装された状態では、ベース81のヘッド装着用穴81dおよびコマ摺動穴81cの内部空間と外部とが連通孔83bによって連通されることとなる。また、本体部83aのヘッド装着用穴81dにおける螺装位置は、コマ82がコマ摺動穴81cおよびヘッド装着用穴81d内で軸方向に摺動可能な空間が確保できる位置となっている。即ち、ヘッド83をヘッド装着用穴81dに螺装した状態で、コマ摺動穴81cに嵌装したコマ82が、コマ摺動穴81cおよびヘッド装着用穴81d内において軸方向に摺動可能となっている。
この状態においては、コマ82のテーパー部82bとコマ摺動穴81cのテーパー部81eとが離間しており、コマ82の溝82cとコマ摺動穴81c内の空間とが連通して、調整弁80が開いた状態となる。また、コマ82とヘッド83とが当接した状態においても、コマ82の溝82dとヘッド83の連通孔83bとは連通している。
従って、保護容器30に装着された調整弁80のコマ82がヘッド83側へ移動した状態では、保護容器30の内部空間と外部とが、調整弁80を通じて連通されることとなる。具体的には、保護容器30の内部空間は、連通孔81f、コマ摺動穴81c、溝82c、溝82d、および連通孔83bを通じて外部と連通する。
この状態においては、コマ82のテーパー部82bとコマ摺動穴81cのテーパー部81eとが当接することにより、連通孔81fおよびコマ摺動穴81cと溝82cとが分断され、保護容器30の内部空間と外部とが、調整弁80により分断されることとなる。即ち、調整弁80が閉じた状態となる。
また、調整弁80のコマ82は、例えば保護容器30の内部空間の圧力が外部よりも高いと当該圧力によりヘッド83側へ移動し、外部の圧力が保護容器30の内部空間よりも高いと当該圧力により装着部81b側へ移動するように構成される。例えば、油槽110内に浸漬された保護容器30においては、保護容器30内の圧力が大気圧程度であれば、油Lの圧力が外部からかかることにより、調整弁80のコマ82が装着部81b側へ移動して調整弁80が閉じることとなる。
なお、調整弁80のコマ82は、保護容器30の内部空間の圧力と外部の圧力との圧力差が所定値以上となったときに移動を開始するように構成することもできる。
石膏容器50の外周部を覆う断熱容器40の構成部材である断熱材は、細かい空洞が多数存在するポーラス状に構成されており、石膏容器50にて発生した水蒸気は断熱容器40内に充満し、さらに断熱容器40を通過して、断熱容器40の外周部にまで到達する。しかし、断熱容器40の外周部を覆う保護容器30は密閉されているため、石膏容器50から発生した水蒸気が保護容器30内で飽和状態となる。即ち、図5に示すように、石膏容器50の周囲が飽和状態の水蒸気で覆われた状態となる。
このように、石膏材の湿式加熱においては、石膏材から水が分離する際の吸熱(−4,100cal/mol)と、水が蒸発する際の潜熱(−9,270cal/mol)とでエネルギーが消費される(次表参照)。その結果、石膏材の湿式加熱では、石膏材からの水蒸気の分離にのみエネルギーが消費される乾式加熱とは異なり、より多くの熱エネルギーを消費することが可能なるため、耐熱容器20の耐熱性を向上することができる。
また、保護容器30内の水蒸気が調整弁80・80・・・から外部へ排出される際には、断熱容器40の断熱材を通過するが、水蒸気が断熱材を通過する時に断熱材に蓄積された熱を奪うため、断熱材の熱を外部に排出して保護容器30内を冷却することができ、耐熱容器20の断熱性能を向上することができる。
なお、浸炭炉等の温度を温度計測装置10により計測する際には、保護容器30内の圧力が大気圧よりも所定圧だけ高い圧力になると調整弁80・80・・・が開弁するように設定することで、保護容器30内の圧力を陽圧に保持することが可能となる。
但し、この場合は、保護容器30の分解に膨大な時間を要することとなって、保護容器30からの温度計測装置本体70の取り出しが困難となるため、フランジ部31aとフランジ部32aとを、シール部材33を介装した状態で不完全な拡散接合により接合する方が好ましい。
但し、この場合は、保護容器30の組立および分解に膨大な時間を要することとなって、保護容器30に対する温度計測装置本体70の収納や取り出しが困難となるため、フランジ部31aとフランジ部32aとを、シール部材33を介装した状態で不完全な拡散接合により接合する方が好ましい。
但し、この場合は、保護容器30を高温環境下に長時間曝した際に、メタルガスケットの耐力が低下するおそれがあるため、フランジ部31aとフランジ部32aとを、シール部材33を介装した状態で不完全な拡散接合により接合する方が好ましい。
20 耐熱容器
30 保護容器
31 第一の容器
32 第二の容器
33 シール部材
40 断熱容器
50 石膏容器
60 金属容器
70 温度計測装置本体
80 調整弁
Claims (1)
- 温度計測データを処理する温度計測装置本体と、
石膏材にて形成され前記温度計測装置本体を収納する石膏容器、断熱材にて形成され前記石膏容器を収納する断熱容器、および前記断熱容器を収納する保護容器を有する耐熱容器とを備え、
前記保護容器は、一面が開口した第一の容器および第二の容器と、銅材にて構成されたシール部材とを備え、前記第一の容器の開口部と第二の容器の開口部とを、前記シール部材を間に介装した状態で突き合わせて、前記突き合わせ部を締結部材にて締結することで、内部に密閉空間を構成し、
前記保護容器には、前記保護容器の内部と外部との連通状態を切り替え可能な調整弁が設けられている、
ことを特徴とする温度計測装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2013131067A JP2015004624A (ja) | 2013-06-21 | 2013-06-21 | 温度計測装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2013131067A JP2015004624A (ja) | 2013-06-21 | 2013-06-21 | 温度計測装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2015004624A true JP2015004624A (ja) | 2015-01-08 |
Family
ID=52300641
Family Applications (1)
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JP2013131067A Pending JP2015004624A (ja) | 2013-06-21 | 2013-06-21 | 温度計測装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2015004624A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2018181162A1 (ja) * | 2017-03-31 | 2018-10-04 | 本田技研工業株式会社 | 電気導体の接合方法及びその装置 |
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JP2009075076A (ja) * | 2007-08-28 | 2009-04-09 | Yamari Sangyo Kk | 温度計測器の耐熱保護ボックス及びこれを用いた温度計測装置、並びに温度計測方法 |
JP2012112845A (ja) * | 2010-11-25 | 2012-06-14 | Toyota Motor Corp | 温度測定装置 |
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2013
- 2013-06-21 JP JP2013131067A patent/JP2015004624A/ja active Pending
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