JP2015004624A - 温度計測装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高温の油槽に浸漬した際の耐油性を確保しつつ、温度計測時の耐熱容器内の過剰な温度上昇を抑えて、温度計測装置の動作停止を確実に防止できる温度計測装置を提供する。
【解決手段】温度計測装置10は、温度計測データを処理する温度計測装置本体70と、石膏材にて形成され温度計測装置本体70を収納する石膏容器50、断熱材にて形成され石膏容器50を収納する断熱容器40、および断熱容器40を収納する保護容器30を有する耐熱容器20とを備え、保護容器30は一面が開口した第一の容器31および第二の容器32と銅材にて構成されたシール部材33とを備え、第一の容器31の開口部と第二の容器の開口部32とをシール部材33を介装した状態で突き合わせ、前記突き合わせ部を締結部材90にて締結することで、内部に密閉空間を構成し、保護容器30には、保護容器30の内部と外部との連通状態を切り替え可能な調整弁80が設けられている。
【選択図】図2

Description

本発明は、浸炭処理や焼入れ処理等の熱処理を行う際の温度を計測する温度計測装置に関する。
従来、例えば、鉄鋼材料の浸炭処理や焼入れ処理、またはFPD(フラットパネルディスプレイ)製造におけるガラス基板の熱処理等が行われる高温の炉において、炉内温度を計測する温度計測装置は公知である。また、このような高温環境に曝される温度計測装置では、温度計測データを処理する温度計測装置本体(データロガー)を耐熱容器に収納して高温環境から保護する構成が公知である。
温度計測装置本体を収納する耐熱容器としては、例えば特許文献1に開示されるように、石膏材(蓄熱材)を用いて形成され温度計測装置本体を収納する内側容器と、断熱材を用いて形成され前記内側容器を収納する外側容器とを備えたものがある。
このような構成の耐熱容器によれば、外側容器である程度の高温下でも内側容器の温度上昇を抑えることができるとともに、内側容器が温度上昇しても、当該内側容器は石膏材よりなるため、内部に含む結晶水の熱分解エネルギーによって温度上昇を抑えて、内部に収納された温度計測装置を保護することが可能となっている。
また、温度計測装置本体を収納する耐熱容器として、温度計測装置本体を収納する内耐熱ケースと、内耐熱ケースを内装する蓄熱素材と、蓄熱素材を被包する断熱材と、断熱材を内装する外耐熱ケースとを備えたものが、特許文献2に開示されている。
前記外耐熱ケースは、二分割された前側本体部と後側本体部とを合わせて密着させることにより、密閉された内部空間を形成するように構成されている。また、前側本体部と後側本体部との合わせ面の間には、シール部材が配設されており、高温の炉内温度下における外耐熱ケースの内部空間の密閉性をより高める構成となっている。
このような構成の耐熱容器によれば、炉内雰囲気からの熱が内部に伝導されることが断熱層により抑えられるとともに、炉内雰囲気からの熱が潜熱として蓄熱素材32内に取り込まれることとなって、断熱効果をより向上することが可能となっている。また、外耐熱ケースは、内部空間の密閉性をより高めるように構成されているので、温度計測装置を高温の油槽に浸漬して焼き入れ時の温度計測を行う際の、外耐熱ケースへの油の侵入を防ぐ耐油性にも優れた構成となっている。
特開2009−075076号公報 特開2012−112845号公報
前述の特許文献1に開示される耐熱容器は、高温環境下に曝され続けると、内側容器を構成する石膏材の水和水が加熱分解されて水蒸気となる。
また、耐熱容器における外側容器は、容器本体と蓋体とを係合して容器本体の開口部を蓋体にて閉塞することにより構成されており、外側容器には、外側容器の内部と外部とを連通する貫通溝が形成されているため、内側容器の石膏材から生じた水蒸気は、前記容器本体と蓋体との係合部や前記貫通溝を通じて、自由に外側容器内から外側容器外部へ排出される。
ここで、一般的に石膏を乾式加熱すると、次の(1)式に示すように、約130℃でβ型半水石膏(β−CaSO4・1/2H2O)となる反応が起こる。この(1)式の反応は吸熱反応であり、当該反応中においては、石膏は130℃の温度で一定となる。
Figure 2015004624
特許文献1に開示される耐熱容器においては、内側容器の石膏材から分離した水蒸気が、前記係合部や貫通溝を通じて外部へ自由に通気可能となっているため、耐熱容器を高温環境下に曝した場合には、内側容器を構成する石膏材は、上述のような乾式加熱状態になる。
従って、例えば耐熱容器を600℃の高温環境下に置いた場合、内側容器の石膏材は乾式加熱されて130℃で一定の温度を保持する。これにより、温度計測装置本体を収納する内側容器内の空間の温度が130℃程度、あるいはそれ以上の温度になると考えられる。
一般的に、温度計測装置本体の内部に組み込まれるIC素子等の制御素子は、当該素子の温度が125℃〜140℃の範囲の温度になると動作を停止する。特許文献1に開示される耐熱容器では、内側容器内の温度が、温度計測装置本体の制御素子が安定的に動作できる温度(125℃未満の温度)を越えた130℃程度となるため、炉内温度の計測中に温度計測装置の動作が停止してしまうおそれがある。
また、特許文献1に開示される耐熱容器は、油槽に浸漬した場合、前記係合部や貫通溝を通じて容器内部に油が浸入することとなるため、十分な耐油性を備えていない。
特許文献2に開示される耐熱容器においては、高温環境下に曝され続けると、無機水和塩等で構成される蓄熱素材が熱を潜熱として取り込み、蓄熱素材が含有する水分が蒸発することとなる。
一方、特許文献2に開示される耐熱容器の外耐熱ケースは、内部空間の密閉性がより高められた構成となっているため、蓄熱素材から蒸発した水分は外耐熱ケースの外部に逃げることができずに、外耐熱ケースの内部圧力が上昇することとなる。さらに、水蒸気が充満した外耐熱ケースの内部圧力の上昇により、外耐熱ケースの内部温度が温度計測装置本体の動作停止温度まで上昇するおそれがある。
このように、特許文献2に開示される耐熱容器においても、炉内温度の計測中に温度計測装置の動作が停止してしまう可能性がある。
そこで、本発明においては、高温の油槽に浸漬した際の耐油性を確保しつつ、温度計測時における耐熱容器内の過剰な温度上昇を抑えて、温度計測中の温度計測装置の動作停止を確実に防止することができる温度計測装置を提供するものである。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1においては、温度計測装置は、温度計測データを処理する温度計測装置本体と、石膏材にて形成され前記温度計測装置本体を収納する石膏容器、断熱材にて形成され前記石膏容器を収納する断熱容器、および前記断熱容器を収納する保護容器を有する耐熱容器とを備え、前記保護容器は、一面が開口した第一の容器および第二の容器と、銅材にて構成されたシール部材とを備え、前記第一の容器の開口部と第二の容器の開口部とを、前記シール部材を間に介装した状態で突き合わせて、前記突き合わせ部を締結部材にて締結することで、内部に密閉空間を構成し、前記保護容器には、前記保護容器の内部と外部との連通状態を切り替え可能な調整弁が設けられている。
本発明の温度計測装置よれば、高温の油槽に浸漬した際の耐油性を確保しつつ、温度計測時における耐熱容器内の過剰な温度上昇を抑えて、温度計測中の温度計測装置の動作停止を確実に防止することができる。
油槽に浸漬された温度計測装置を示す模式図である。 温度計測装置の耐熱容器を示す側面断面図である。 開いた状態の調整弁を示す側面断面図である。 閉じた状態の調整弁を示す側面断面図である。 周囲が飽和状態の水蒸気で覆われた状態の石膏容器を示す斜視図である。 第一の容器のフランジ部と第二容器のフランジ部とをインサート金属を介装した状態で完全な拡散接合にて接合することにより、密閉した保護容器を示す側面断面図である。 第一の容器のフランジ部と第二容器のフランジ部とを溶接にて接合することにより、密閉した保護容器を示す側面断面図である。 第一の容器のフランジ部と第二容器のフランジ部とをメタルガスケットを介装した状態で締結部材により締結して接合することにより、密閉した保護容器を示す側面断面図である。
次に、本発明を実施するための形態を、添付の図面を用いて説明する。
図1に示す温度計測装置10は、本発明に係る温度計測装置の実施形態である。本実施形態の温度計測装置10は、ワークWが連続浸炭炉の各処理室を搬送される際の各処理室内の温度、または各処理室内のワークWの温度を計測する装置である。
連続浸炭炉は、浸炭処理を行うための連続する各処理室(例えば、浸炭炉や油焼入れ処理室)を備えている。連続浸炭炉の各処理室では、ワークWおよび温度計測装置10が搬送され、浸炭処理の各工程が実施される。
図1に示す本実施形態の温度計測装置10は、連続浸炭炉における油焼入れ処理室の油槽110内に浸漬されたワークWの温度を計測している。
油槽110は、ワークWの焼入れ処理が実施される油焼入れ処理室に設置されており、油槽110には、浸漬されたワークWを急冷して焼入れを行うための油Lが貯留されている。油Lは、図示せぬ攪拌機構によって攪拌されており、油槽110内において図1における矢印の方向に循環している。
ワークW及び温度計測装置10は、搬送トレイ120に搭載された状態で、油槽110内に貯溜された油Lに浸漬されている。
温度計測装置10は、耐熱容器20内に温度計測装置本体70を収納して構成されており、耐熱容器20からは温度計測装置本体70に接続されるプローブ71・71・・・が延出している。つまり、温度計測装置10は、耐熱容器20、温度計測装置本体70、および接触端子部52・52・・・が形成されたプローブ71・71・・・を備えている。
温度計測装置本体70は、所謂データロガーと称される履歴データ記録装置によって構成される。各プローブ71・71・・・は熱電対からなり、各プローブ71・71・・・の先端部には、連続浸炭炉の各処理室内の炉内温度を検出するための接触端子部72・72・・・がそれぞれ形成されている。各接触端子部72・72・・・は、ワークWに接触した状態で配置されている。
接触端子部72によって検出されたワークWの温度は、プローブ71を通じて温度計測装置本体70に入力され、温度計測装置本体70において履歴データ(計測データ)として処理され保存される。
図2に示すように、温度計測装置10の耐熱容器20は、温度計測装置本体70を収納する金属容器60、金属容器60を収納する石膏容器50、石膏容器50を収納する断熱容器40、および断熱容器40を収納する保護容器30を有している。
金属容器60は金属部材により形成されており、温度計測装置本体70を収納するのに十分な内部空間を有しており、当該内部空間に温度計測装置本体70を収納している。
石膏容器50は石膏材により形成されており、金属容器60の外形形状と同様の形状の内部空間を有しており、当該内部空間に金属容器60を収納している。石膏容器50に収納された金属容器60の外周面は、石膏容器50の内部空間の内周面に密接している。
断熱容器40は断熱材により形成されており、石膏容器50の外形形状と同様の形状の内部空間を有しており、当該内部空間に石膏容器50を収納している。断熱容器40に収納された石膏容器50の外周面は、断熱容器40の内部空間の内周面に密接している。断熱容器40を形成する断熱材としては、発泡系断熱素材や繊維系断熱素材等の既知の断熱素材を用いることができる。
保護容器30はSUS等の金属部材にて形成されており、断熱容器40の外形形状と同様の形状の内部空間を有しており、当該内部空間に断熱容器40を収納している。保護容器30に収納された断熱容器40の外周面は、保護容器30の内部空間の内周面に密接している。
金属容器60には、金属容器60の内部空間と外部とを連通する引き出し孔61が形成され、石膏容器50には、石膏容器50の内部空間と外部とを連通する引き出し孔51が形成され、断熱容器40には、断熱容器40の内部空間と外部とを連通する引き出し孔41が形成されている。
金属容器60の引き出し孔61、石膏容器50の引き出し孔51、および断熱容器40の引き出し孔41は、互いに連通するように位置を合わせて形成されている。
また、断熱容器40の外周面には、引き出し孔41と連通する連通溝42が形成されている。さらに、保護容器30には、保護容器30の内部空間と外部とを連通する引き出し孔が形成された継手89が取り付けられている。継手89の引き出し孔は断熱容器40の連通溝42と連通している。
温度計測装置本体70に接続されるプローブ71・71・・・は、金属容器60の内部空間から、引き出し孔61、引き出し孔51、引き出し孔41、連通溝42、および継手89の引き出し孔を通じて耐熱容器20の外部へ引き出されている。
なお、継手89の引き出し孔と、前記引き出し孔に挿入されるプローブ71・71・・・との間の隙間は、シール材にてシールされている。
保護容器30は、一面が開口した第一の容器31および第二の容器32と、銅材にて構成されたシール部材33とを備えている。
第一の容器31および第二の容器32は、例えばそれぞれ軸方向の一側の面が開口した有底の円筒状部材にて構成されており、前記開口面の周縁部には外側へ突出するフランジ部31a・32aが形成されている。
第一の容器31と第二の容器32とは、それぞれの開口面を互いに突き合わせてフランジ部31aとフランジ部32aとを当接させ、フランジ部31a・32aをボルト等の締結部材90により締結することで一体的に接続されており、第一の容器31と第二の容器32とを一体的に接続することで、保護容器30の内部空間が形成されている。
互いに当接される第一の容器31のフランジ部31aと第二の容器32のフランジ部32aとの間には、銅材にて構成されたシール部材33が介装されている。つまり、フランジ部31aとフランジ部32aとは、互いの合わせ面の間にシール部材33を介した状態で締結部材90により締結されている。
これにより、シール部材33がフランジ部31aおよびフランジ部32aの合わせ面に圧接され、第一の容器31と第二の容器32との接続部がシールされることとなり、保護容器30の内部空間が密閉空間となる。
通常、金属部材であるフランジ部31aとフランジ部32aとを、間に金属部材であるシール部材33を介装した状態で加圧して密着させ、さらに真空や不活性ガス中などの制御された雰囲気中で加熱すると、フランジ部31a・32aとシール部材33との間で拡散接合が生じ、フランジ部31aとフランジ部32aとは気密・液密的に接合される。
この場合、フランジ部31a・32aとシール部材33との間に完全な拡散接合が生じると保護容器30の組立および分解に膨大な時間を要することとなって、保護容器30に対する温度計測装置本体70の収納や取り出しが困難となる。
しかし、本実施形態においては、保護容器30は空気中にて高温雰囲気下に曝されるため、シール部材33の表面に酸化膜が形成されることとなって、フランジ部31a・32aとシール部材33との間には不完全な拡散接合が生じる。このように、フランジ部31a・32aとシール部材33との間に不完全な拡散接合が生じた場合、フランジ部31aとフランジ部32aとは気密・液密的に接合される一方で、両者の分離が容易となる。
特に、本実施形態の場合は、シール部材33として酸化しやすい銅材を用いているので、フランジ部31a・32aとシール部材33との間に不完全な拡散接合を生じさせやすく、フランジ部31aとフランジ部32aとの接合を、気密・液密的かつ分離容易な接合とすることが容易になっている。
また、保護容器30には、保護容器30の内部空間と外部との連通状態を切り替え可能な調整弁80・80・・・が複数設けられている。
図3、図4に示すように、調整弁80は、ベース81と、コマ82と、ヘッド83とを備えている。
ベース81は、本体部81aと装着部81bとを備えている。
本体部81aは例えば円柱状に形成されており、本体部81aには円筒状のコマ摺動穴81cおよびヘッド装着用穴81dが形成されている。コマ摺動穴81cおよびヘッド装着用穴81dは本体部81aの軸方向に沿って配置されており、ヘッド装着用穴81dはコマ摺動穴81cよりも端部側に位置している。また、ヘッド装着用穴81dはコマ摺動穴81cよりも大径に形成されている。コマ摺動穴81cの装着部81b側端部には、テーパー部81eが形成されている。テーパー部81eは、装着部81b側へいくに従って縮径するテーパー形状に形成されている。ヘッド装着用穴81dの内周面には雌ネジが形成されている。
装着部81bは、例えば本体部81aよりも小径の円柱状に形成されている。また、装着部81bには、装着部81bを軸方向に貫通する連通孔81fが形成されている。連通孔81fはコマ摺動穴81cと連通している。装着部81bの外周面には雄ネジが形成されており、装着部81bを保護容器30(具体的には第一の容器31または第二の容器32)に螺装することで、調整弁80が保護容器30に取り付けられる。
調整弁80が保護容器30に取り付けられた状態では、コマ摺動穴81cの内部空間と、保護容器30の内部空間とが連通孔81fにより連通されることとなる。
コマ82は円柱状部材により形成されており、本体部82aおよびテーパー部82bを有している。テーパー部82bは本体部82aに連続して形成されており、先端側へいくに従って縮径するテーパー形状に形成されている。本体部82aおよびテーパー部82bの外周面には、軸方向に沿って形成される溝82cが形成されている。溝82cは、テーパー部82bの軸方向途中部から本体部82aの反テーパー部82b側端まで連続して形成されている。また、本体部82aの反テーパー部82b側の端面には溝82dが形成されている。溝82cと溝82dとは連通している。
コマ82は、テーパー部82bを装着部81b側へ向けた姿勢で、ベース81のコマ摺動穴81cに嵌装されている。コマ82はコマ摺動穴81c内において、軸方向へ摺動自在に構成されている。
コマ82のテーパー部82bは、コマ82が装着部81b側へ移動した際に、ベース81におけるコマ摺動穴81cのテーパー部81eに当接する。
ヘッド83はボルト状部材により形成されており、その本体部83aの外周面には雄ネジが形成されている。ヘッド83には、軸方向に貫通する連通孔83bが形成されている。本体部83aはベース81のヘッド装着用穴81dに螺装されている。
ヘッド83がベース81に螺装された状態では、ベース81のヘッド装着用穴81dおよびコマ摺動穴81cの内部空間と外部とが連通孔83bによって連通されることとなる。また、本体部83aのヘッド装着用穴81dにおける螺装位置は、コマ82がコマ摺動穴81cおよびヘッド装着用穴81d内で軸方向に摺動可能な空間が確保できる位置となっている。即ち、ヘッド83をヘッド装着用穴81dに螺装した状態で、コマ摺動穴81cに嵌装したコマ82が、コマ摺動穴81cおよびヘッド装着用穴81d内において軸方向に摺動可能となっている。
このように構成される調整弁80においては、コマ82がコマ摺動穴81c内をヘッド83側へ移動した場合、コマ82のヘッド83側端面がヘッド83に当接する位置で停止する(図3に示す状態)。
この状態においては、コマ82のテーパー部82bとコマ摺動穴81cのテーパー部81eとが離間しており、コマ82の溝82cとコマ摺動穴81c内の空間とが連通して、調整弁80が開いた状態となる。また、コマ82とヘッド83とが当接した状態においても、コマ82の溝82dとヘッド83の連通孔83bとは連通している。
従って、保護容器30に装着された調整弁80のコマ82がヘッド83側へ移動した状態では、保護容器30の内部空間と外部とが、調整弁80を通じて連通されることとなる。具体的には、保護容器30の内部空間は、連通孔81f、コマ摺動穴81c、溝82c、溝82d、および連通孔83bを通じて外部と連通する。
また、調整弁80において、コマ82がコマ摺動穴81c内を装着部81b側へ移動した場合、コマ82のテーパー部82bとコマ摺動穴81cのテーパー部81eとが当接する位置で停止する(図4に示す状態)。
この状態においては、コマ82のテーパー部82bとコマ摺動穴81cのテーパー部81eとが当接することにより、連通孔81fおよびコマ摺動穴81cと溝82cとが分断され、保護容器30の内部空間と外部とが、調整弁80により分断されることとなる。即ち、調整弁80が閉じた状態となる。
このように、調整弁80は、保護容器の内部と外部との連通状態(連通または分断)を切り替え可能に構成されている。
また、調整弁80のコマ82は、例えば保護容器30の内部空間の圧力が外部よりも高いと当該圧力によりヘッド83側へ移動し、外部の圧力が保護容器30の内部空間よりも高いと当該圧力により装着部81b側へ移動するように構成される。例えば、油槽110内に浸漬された保護容器30においては、保護容器30内の圧力が大気圧程度であれば、油Lの圧力が外部からかかることにより、調整弁80のコマ82が装着部81b側へ移動して調整弁80が閉じることとなる。
なお、調整弁80のコマ82は、保護容器30の内部空間の圧力と外部の圧力との圧力差が所定値以上となったときに移動を開始するように構成することもできる。
以上のように構成された温度計測装置10により高温環境下にて温度計測を行う場合、例えば図1に示すような連続浸炭炉における油焼入れ処理室の油槽110内に浸漬されたワークWの温度を計測する場合において、耐熱容器20が温度計測装置本体70を熱から保護する様子について説明する。
高温の油Lに浸漬された耐熱容器20においては、油Lにより耐熱容器20が加熱され、耐熱容器20を構成する石膏容器50も加熱される。石膏容器50が加熱されると、石膏容器50を構成する石膏材の水和水が加熱分解され、さらに加熱により水蒸気となる。
石膏容器50の外周部を覆う断熱容器40の構成部材である断熱材は、細かい空洞が多数存在するポーラス状に構成されており、石膏容器50にて発生した水蒸気は断熱容器40内に充満し、さらに断熱容器40を通過して、断熱容器40の外周部にまで到達する。しかし、断熱容器40の外周部を覆う保護容器30は密閉されているため、石膏容器50から発生した水蒸気が保護容器30内で飽和状態となる。即ち、図5に示すように、石膏容器50の周囲が飽和状態の水蒸気で覆われた状態となる。
このように、周囲に飽和状態の水蒸気が存在する状態で石膏容器50が加熱されると、次の(2)式に示すように、約100℃で石膏材がα型半水石膏(α−CaSO4・1/2H2O)と水とに分離する反応が起こる。
Figure 2015004624
前記(2)式に示す反応は100℃付近で生じ、この反応が生じている間は石膏材の温度は一定に保持される。従って、石膏容器50を湿式加熱状態とすることで、温度計測装置本体70の収納空間となる石膏容器50内を100℃程度の温度に保持することが可能となる。その結果、温度計測装置本体70の温度を、温度計測装置本体70の制御素子が安定的に動作できる温度(125℃未満の温度である100℃程度の温度)に維持することが可能となり、温度の計測中に温度計測装置10の動作が停止してしまうことを防止できる。
また、石膏材を湿式加熱した際に分離した水は石膏材の結晶中に残留し、石膏材の加熱を継続すると、結晶中に残存する水が蒸発する。このように水が蒸発する際には、蒸発潜熱としてエネルギーが消費される。
このように、石膏材の湿式加熱においては、石膏材から水が分離する際の吸熱(−4,100cal/mol)と、水が蒸発する際の潜熱(−9,270cal/mol)とでエネルギーが消費される(次表参照)。その結果、石膏材の湿式加熱では、石膏材からの水蒸気の分離にのみエネルギーが消費される乾式加熱とは異なり、より多くの熱エネルギーを消費することが可能なるため、耐熱容器20の耐熱性を向上することができる。
Figure 2015004624
また、耐熱容器20においては、保護容器30が密閉状態に構成されるとともに、保護容器30に装着されている調整弁80・80・・・が油Lの圧力により閉じた状態となるため、保護容器30内の圧力は大気圧以上の陽圧に保持されることとなる。これにより、保護容器30内を石膏容器50からの水蒸気で飽和させて、石膏容器50の湿式加熱状態を確実に維持することができる。さらに、保護容器30は、油槽110内において密閉状態が保持されるため、保護容器30内に油Lが侵入することがなく、耐油性を備えている。
一方、保護容器30内の圧力が、油Lから保護容器30にかかる圧力よりも大きな陽圧になると、調整弁80・80・・・が開いて保護容器30内の圧力を外部へ逃がすこととなる。これにより、保護容器30内の圧力が過度に上昇することを防止して、圧力上昇による保護容器30内の温度上昇を抑制し、保護容器30内の温度を、温度計測装置本体70の制御素子が安定的に動作できる範囲内に維持することが可能となる。
また、保護容器30内の水蒸気が調整弁80・80・・・から外部へ排出される際には、断熱容器40の断熱材を通過するが、水蒸気が断熱材を通過する時に断熱材に蓄積された熱を奪うため、断熱材の熱を外部に排出して保護容器30内を冷却することができ、耐熱容器20の断熱性能を向上することができる。
なお、浸炭炉等の温度を温度計測装置10により計測する際には、保護容器30内の圧力が大気圧よりも所定圧だけ高い圧力になると調整弁80・80・・・が開弁するように設定することで、保護容器30内の圧力を陽圧に保持することが可能となる。
また、石膏容器50の内部空間には、金属容器60を介して温度計測装置本体70を収納することにより、石膏容器50から生じる水蒸気が温度計測装置本体70に接触することがなく、温度計測装置本体70の劣化や破損を防止することが可能となっている。
また、本実施形態における保護容器30においては、第一の容器31のフランジ部31aと第二の容器32のフランジ部32aとを、シール部材33を介して不完全な拡散接合により接合して、保護容器30を密閉しているが、保護容器30を密閉するためのフランジ部31aとフランジ部32aとの接合は、次のように行うこともできる。
即ち、図6に示すように、フランジ部31aとフランジ部32aとを、インサート金属を介装した状態で完全な拡散接合にて接合することによっても保護容器30を密閉することができる。
但し、この場合は、保護容器30の分解に膨大な時間を要することとなって、保護容器30からの温度計測装置本体70の取り出しが困難となるため、フランジ部31aとフランジ部32aとを、シール部材33を介装した状態で不完全な拡散接合により接合する方が好ましい。
また、図7に示すように、フランジ部31aとフランジ部32aとを、溶接にて接合することによっても保護容器30を密閉することができる。
但し、この場合は、保護容器30の組立および分解に膨大な時間を要することとなって、保護容器30に対する温度計測装置本体70の収納や取り出しが困難となるため、フランジ部31aとフランジ部32aとを、シール部材33を介装した状態で不完全な拡散接合により接合する方が好ましい。
さらに、図8に示すように、フランジ部31aとフランジ部32aとを、メタルガスケットを介装した状態で締結部材により締結して接合することによっても保護容器30を密閉することができる。
但し、この場合は、保護容器30を高温環境下に長時間曝した際に、メタルガスケットの耐力が低下するおそれがあるため、フランジ部31aとフランジ部32aとを、シール部材33を介装した状態で不完全な拡散接合により接合する方が好ましい。
10 温度計測装置
20 耐熱容器
30 保護容器
31 第一の容器
32 第二の容器
33 シール部材
40 断熱容器
50 石膏容器
60 金属容器
70 温度計測装置本体
80 調整弁

Claims (1)

  1. 温度計測データを処理する温度計測装置本体と、
    石膏材にて形成され前記温度計測装置本体を収納する石膏容器、断熱材にて形成され前記石膏容器を収納する断熱容器、および前記断熱容器を収納する保護容器を有する耐熱容器とを備え、
    前記保護容器は、一面が開口した第一の容器および第二の容器と、銅材にて構成されたシール部材とを備え、前記第一の容器の開口部と第二の容器の開口部とを、前記シール部材を間に介装した状態で突き合わせて、前記突き合わせ部を締結部材にて締結することで、内部に密閉空間を構成し、
    前記保護容器には、前記保護容器の内部と外部との連通状態を切り替え可能な調整弁が設けられている、
    ことを特徴とする温度計測装置。
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