JP2015004254A - 構造材及び当該構造材の製造方法 - Google Patents

構造材及び当該構造材の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】既存のH型材を加工して、使用する材料の重量を増やすことなく強度向上を図った構造材を得ることを目的とする。【解決手段】一対のフランジ材1、2と、フランジ材1、2の間隙に配置されてフランジ材1、2に一体に接合されたウェブ材とからなり、H字状の断面を有し、断面に直交する材軸線に沿って延出するように構成され、ウェブ材が、材軸線X−Xに沿って、並設方向に凹凸となる開口孔5を有する第1のウェブ部3と第2のウェブ部4とからなり、第1のウェブ部3と第2のウェブ部4が、材軸線を介して対称に配置されて、材軸線上に沿って対向する側縁が接合され、第1のウェブ部3及び第2のウェブ部4の開口孔5が、端部を閉じるように突合せられて、一体に連結される。【選択図】図1

Description

本発明は、特に建築構造物に用いられる構造材およびこの構造材の製造方法に関する。
カーポート等の建築構造物に用いられる構造材としては、一対のフランジとウェブ部とからなる鋼製のH型鋼が使用され、構造物としての強度と共に建築現場への搬送や組み立て時の施工性を配慮して軽量化、又、景観に調和する意匠性等が求められている(例えば、特許文献1、2参照)。
また、従来、アルミ製のカーポートが普及しているが、環境の変化に伴って、降雪が集中的に発生してカーポートへの積雪量が多くなったり、水分を含んだ重い雪が降るなどして、カーポートが屋根ごと、座屈する事故が発生し易くなってきている。
そこで、積雪地域におけるカーポートの場合、積雪に対応するためには、屋根を支持する支柱の数を4本から6本、さらに8本へと増やしたり、カーポートの材質をアルミ合金から鋼材に変えたりすることにより、強度向上を図っている。
特開2003−301519号公報 特開2000−080815号公報
しかしながら、従来のアルミカーポートのように、強度を向上させるために屋根を支持する支柱の数を増やせば、車の乗り降りの際に、車のドアが支柱にあたる場合があるなど、使用に際しての利便性を損なう虞がある。
一方、支柱の数を増やすことなく、支柱や屋根等の材質をアルミ合金から鋼材に変える際には、梁材にもアルミ合金よりも強度の強い鋼材が必要となり、さらには、寸法的にも大きい形状の梁が必要になる。寸法が大きくなると、使用する梁材料の重量が増加して材料コストが高価となり、結果的に構造物を設置する際の施工性を損なったり、デザイン性を損なったりする虞があった。
また、カーポートは、鋼材を多用すれば、鋼製の欠点として、スマートさが失われて威圧感が生じ、景観上その使用を敬遠されることが多い。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、使用する鋼材料の重量を増やすことなく、既存のH型鋼を加工して、構造材の強度及び耐久性の向上を図ることを目的としたものである。また、カーポートにおける梁として用いる際に、積雪に耐え得る強度を維持しつつ、軽量化と施工性の向上等を図り、ひいては、エコロジーの向上(省資源化、自然や景観との調和)を図ることを目的とする。
かかる目的を達成するためになされた請求項1に記載の発明は、所定の間隙を介し相対向して並設された一対のフランジ材と、前記一対のフランジ材の間隙に配置されて前記並設方向に延出して前記一対のフランジ材に一体に接合されたウェブ材とからなり、H字状の断面を有し、前記断面に直交する材軸線に沿って延出する構造材であって、前記ウェブ材が、前記材軸線に沿って、前記並設方向に凹凸となる開口孔を有する第1のウェブ部と第2のウェブ部とからなり、前記第1のウェブ部と第2のウェブ部とが、前記材軸線を介して対称に配置されて、前記材軸線上に沿って対向する側縁が接合され、前記第1のウェブ部及び第2のウェブ部の開口孔が、端部を閉じるように突合せられて一体に連結されていることを特徴とする。
次に、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の構造材において、前記構造材が鋼材であって、前記第1のウェブ部と第2のウェブ部が溶接によって接合され、前記端部を閉じられた開口孔は偶数の多角形状であることを特徴とする。
次に、請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の構造材において、前記第1のウェブ部及び第2のウェブ部の材軸線方向の両端には、該材軸線方向に開口する開口部が形成され、該開口部に係合する係合片が接合されていることを特徴とする。
次に、請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3の何れか一つに記載の構造材において、前記材軸線に沿って所定の間隔で、前記第1、第2のウェブ部と前記フランジ材との間に補強用リブが接合され、該補強用リブを介して前記第1、第2のウェブ部と前記フランジ材とが一体に接合されていることを特徴とする。
次に、請求項5に記載の発明は、構造材の製造方法であって、所定の間隙を介し相対向して並設された一対のフランジ材と、前記一対のフランジ材の間隙に配置されて前記並設方向に延出して前記一対のフランジ材を一体に接合するウェブ材とからなり、H字状の断面を有し、前記材軸線に沿って延出するH形材を一対用い、前記一対のH形材の夫々毎に、前記ウェブ材を、前記材軸線に沿って、前記並設方向に凹凸となる切断線を有するように、前記凹凸状の切断を連続して二つの部材に分離し、前記凹凸状の複数の開口孔を有して断面がT字状のT形部材を夫々一対形成し、次いで、前記材軸線を介して対称に配置した際に前記開口孔が対称となる一対のT形部材同士を、前記材軸線を介して対称に配置し、前記凹凸状の開口孔の端部を閉じるように突合せて前記材軸線上の切断面を接合し、該接合されて連結してなる連結ウェブ材に複数の開口孔を有する一対の構造材を形成することを特徴とする。
次に、請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の構造材の製造方法において、前記H形材が鋼材であって、前記凹凸状の切断の際に、レーザ切断機を用いることを特徴とする。
次に、請求項7に記載の発明は、請求項5または請求項6に記載の構造材の製造方法において、前記連結ウェブ材の材軸線方向の両端には該材軸線方向に開口する開口部が形成され、該開口部に係合する係合片を接合することを特徴とする。
次に、請求項8に記載の発明は、請求項5乃至請求項7の何れか一つに記載の構造材の製造方法において、前記材軸線に沿って所定の間隔で、前記連結ウェブ材と前記フランジ材との間に補強用リブを接合し、該補強用リブを介して前記連結ウェブ材と前記フランジ材とを一体に接合することを特徴とする。
本発明の構造材の構成によれば、H字状の断面を有する構造材において、ウェブ材が、材軸線に沿って、並設方向に凹凸となる開口孔を有する第1のウェブ部と第2のウェブ部とからなり、第1のウェブ部と第2のウェブ部とが、材軸線を介して対称に配置されて、材軸線上に沿って対向する側縁が接合され、この第1のウェブ部及び第2のウェブ部の開口孔が、端部を閉じるように突合せられて、一体に連結されていることにより、重量を増やすことなく、断面係数や曲げモーメント値の向上が得られる。
また、本発明の構造材の構成によれば、構造材が鋼材であって、第1のウェブ部と第2のウェブ部が溶接によって接合されていることにより強度の向上が得られ、かつ、開口孔の角部が偶数の多角形状であることにより、打抜金型を必要とせずに、切断機を用いて容易に開口孔を形成できる。また、構造材に荷重を受けた際に、開口孔が奇数の多角形状であるよりも開口孔周辺の応力分布が均一になって耐久性の向上が得られる。
また、本発明の構造材は、第1のウェブ部および第2のウェブ部の材軸線方向の両端には、材軸線方向に開口する開口部が形成されて、この開口部に係合する係合片が接合され、材軸線に沿って所定の間隔で、接合された第1、第2のウェブ部とフランジ材との間に補強用リブが接合され、この補強用リブを介して第1、第2のウェブ部とフランジ材とが一体に接合されていることにより、一層強度が強く耐久性の向上が得られる。
また、カーポートにおいて本発明の構造材を用いれば、積雪に耐え得る強度を維持しつつ、軽量化と施工性の向上等を図ることができ、延いては、エコロジーの向上(省資源化及び自然、景観との調和)を図ることができる。
また、本発明の構造材の製造方法によれば、H字状の断面を有し材軸線に沿って延出するH形材を一対用い、一対のH形材の夫々毎に、ウェブ材を、材軸線に沿って、並設方向に凹凸となる切断線を有するように、凹凸状の切断を連続して二つの部材に分離し、凹凸状の複数の開口孔を有して断面がT字状のT形部材を夫々一対形成し、次いで、材軸線を介して対称に配置した際に開口孔が対称となる一対のT形部材同士を、材軸線を介して対称に配置し、凹凸状の開口孔の端部を閉じるように突合せて材軸線上の切断面を接合し、この接合されて連結されてなる連結ウェブ材に複数の開口孔を有する一対の構造材を形成することにより、既存のH型材を加工して、このH形材よりも使用する重量を増やすことなく、断面係数や断面2次曲げモーメント値を上げた構造材を能率良く製造できる。
また、本発明の構造材の製造方法によれば、H形材が鋼材等の金属製の場合、凹凸状に切断する際にレーザ切断機を用いることにより、設計データを入力するだけで任意の形状の開口孔(例えば、多角形)を精度よく形成できる。また、H形材が鋼材である場合は、プレス加工に比べて、打抜金型の製作を必要としないので、短期間で開口孔を形成できる。
また、本発明の構造材の製造方法によれば、接合されたウェブ板の材軸線方向の両端に形成されて材軸線方向に開口する開口部に、開口部に係合する係合片を接合し、材軸線に沿って所定の間隔で、連結された連結ウェブ材とフランジ材との間に補強用リブを接合し、補強用リブを介して連結ウェブ材とフランジ材とを一体に接合することにより、一層強度が強く耐久性の良好な構造材を製造できる。
本発明の実施形態における構造材の構成を表した外観図である。 図1における符号II―II断面図である。 同実施形態の構造材における構造材の製造方法を表した説明図であって、H形材の切断し一対のT形材を形成する際の説明図である。 同実施形態の構造材における構造材の製造方法を表した説明図であって、一対のT形部材同士を接合する説明図である。 同実施形態の構造材を用いたカーポートの製造法を表した説明図であって、(a)図が構造材と支柱の接合図、(b)図が構造材と屋根材の接合図である。 同実施形態の構造材を用いたカーポートの完成図である。 図5の(a)図における矢視B図である。
次に、本発明の構造材及び構造材の製造方法の一実施形態を図面にもとづいて説明する。本実施形態の構造材(梁)は、材軸線に垂直な方向の荷重を支持する働きをするものであって、一例として、後述のカーポートの屋根材の支持に使用される。
図1は、本発明の構造材(梁)の実施形態を表した外観図であって、(a)図が正面図、(b)図が(a)図における矢印A方向から視た平面図である。また、図2は、図1における符号II−IIで切断した際の断面図である。
図1に表したように、構造材(梁)100は、鋼材からなり、所定の間隙を介し相対向して並設された一対のフランジ材1、2と、一対のフランジ材1、2の間隙に配置されてフランジ材1、2の並設方向に延出して一対のフランジ材に一体に接合された第1のウェブ部3、第2のウェブ部4とから構成されている。なお、図1は、構造材(梁)100を材軸線方向の途中で破断して示している。
構造材(梁)100は、図2に表したようにH字状の断面を有し、断面に直交する材軸線(図aにおけるX―X方向である)に沿って延出した構成を有している。
また、図1に表したように、第1のウェブ部3,第2のウェブ部4は、材軸線を介して対称に配置されて、凹凸状の開口孔5を閉じるように突合せられ、材軸線上に沿って対向する側縁が溶接によって接合されている。この接合により、構造材(梁)100には、第1のウェブ部3と第2のウェブ部4によって、正六角形状(偶数の多角形状である)の複数の開口孔5が形成されている。また、これにより、構造材(梁)100は、正六角形の開口孔5を材軸方向に並設したハニカム構造が形成されていることから、少ない材料で座屈強度を向上させることができる。
第1のウェブ部3と第2のウェブ部4の材軸線方向の両端には、後述の構造材の製造方法によって材軸線方向に開口する開口端6が形成され、係合片7が開口端6に係合して溶接されている。
また、構造材(梁)100には、材軸線に沿って所定の間隔で、第1のウェブ部3、第2のウェブ部4とフランジ材1、2との間に一対の補強用リブ8が溶接されている。そして、構造材(梁)100は、補強用リブ8を介して第1のウェブ部3、第2のウェブ部4、フランジ材1,2等が一体的に接合されている。
フランジ1の上面には、複数のブラケット9a〜9cが接合されている。ブラケット9a〜9cには、後述の屋根部の桁材を係合して固定するための間隙Wとボルト締め孔(図2中の符号f)が形成されている。そして、構造材(梁)100は、ブラケット9a〜9cを介して、後述の屋根部を支持するように構成されている。
ブラケット9a〜9cは、9a〜9cに向かって徐々に高くなるように形成されて、このブラケット9a〜9cを介して支持される屋根部に勾配を持たせるように構成されている。これにより、後述のカーポートにおいて、屋根部の水たまりを防止できる。
また、第1のウェブ部3、第2のウェブ部4の軸方向両端側には、図示されない支柱に固定するためのボルト締め孔10が形成され、かつ、フランジ材2にも、前記支柱に固定するためのボルト締め孔(図示せず)が形成されている。
次に、図3−1、図3−2を用いて本発明の構造材(梁)の製造方法の一実施形態を説明する。図3−1の(a)図は構造材(梁)の製造に用いる一対のH形材を表した図、図3−1の(b)図はH形材の切断し一対のT形材を形成する際の説明図である。図3−2の(c)図および(d)図は、一対のT形部材同士を接合する説明図である。なお、図3−1、図3−2では一対のH形材のうちの一方のみを図示し、一対のH形材の一方を符号30A、他方を符号30Bと付与して、以下に記述する。また、図1で表した構造材(梁)100の構成要素と同一となる構成要素には同一の符号を付与する。
図3−1に示されるように、H形材30A、30Bは、所定の間隙を介し相対向して並設された一対のフランジ材1、2と、一対のフランジ材1、2の間隙に配置されてフランジ材1、2の並設方向に延出しフランジ材1、2と一体に接合されたウェブ材31とから形成され、H字状の断面を有し、材軸線X−Xに沿って延出するように構成されている。
本実施形態におけるH形材30A、30Bの寸法は、図3−1(a)における、Bが99mm、Hが198mm、bが94.5mm、hが184mmである。また、H形材の軸線(材軸)方向の全長が、5315mmである。
まず、図3−1(b)に表したように、一対のH形材30A、30Bの夫々毎に、レーザ切断機を用い、ウェブ材31を、材軸線X−Xに沿って、フランジ材1、2の並設方向に凹凸となる切断線Qを有するように、連続して切断して二つの部材に分離し、断面がT字状となる一対のT形部材32、33を夫々形成する。分離されたT形部材32、33には、切断線Qに沿って凹凸となる開口部が形成される。また、T形部材32、33の夫々に、構造材(梁)100の構成で説明したボルト締め孔10を形成する。
次いで、図3−2(c)、(d)に表したように、一対のH形材において材軸線を介して対称に配置した際に、凹凸の開口部が対称となる一対のT形部材32、33同士を、材軸線を介して対称に配置し、凹凸状の開口部を閉じるように突合せて材軸線上の切断面を接合し、連結ウェブ材34を形成する。この接合により、連結ウェブ材34には複数の開口孔5が形成される。また、この接合により、連結ウェブ材34の両端には、材軸線方向に開口する開口端6a、6bが形成される。
詳しくは、図3−2(c)に表したように、H形材30Aから形成されたT形部材33とH形材30Bから形成されたT形部材33とを材軸線X−Xを介して対称に配置して接合し、一方、図3−2(d)に表したように、H形材30Aから形成されたT形部材32とH形材30Bから形成されたT形部材32とを材軸線X−Xを介して対称に配置して接合する。
次いで、連結ウェブ材34の材軸線方向の両端に形成されて材軸線方向に開口する開口端6a、6bに、係合片7a、7bを係合して溶接する。また、材軸線に沿って所定の間隔で、連結ウェブ材34とフランジ材1、2との間に補強用リブ8を配設し、この補強用リブ8を介して連結ウェブ材34とフランジ材1、2とを一体に接合する。この際、補強リブ8は、連結ウェブ材34を介して両側の夫々において接合される。
次いで、必要に応じて、後述の屋根部を支持するためブラケット(図1における9a〜9cである)をフランジ1の上部に接合する、
次いで、メッキ処理(例えば、溶融亜鉛メッキ処理)を行い、さらに、電着塗装、若しくは粉体塗装や溶剤塗装などの塗装を施して防錆処理を行い、一対の構造材(梁)100A、100Bを製造する。
前述によって製造された構造材(梁)100A、100Bは、図3−1(a)における、Bが99mm、Hが288mm、bが94.5mm、hが274mmとなり、HおよびhがH形材30A、30Bよりも90mm大きく形成される。これにより、100A、100Bは、原材料となったH形材のウェブ材31に較べて、連結ウェブ材34のフランジ方向に延出するサイズが開口端6a、6bの幅の分だけ大きくなって、強度の向上が得られる。
次に、下記の(式1)、(式2)を用いて、本発明の製造方法によって得られた構造材(梁)100A、100Bと原材料のH形材との強度を比較する。(式1)において、Iは荷重に対する構造材(梁)の変形のしにくさを表した断面2次モーメントである。
また、(式2)において、Zは構造材(梁)に生じる曲げ応力の大きさを計算する基準として、構造材(梁)の断面の形状から算出される係数である。断面係数Zの大きい構造材(梁)を用いることにより、構造材(梁)に荷重が加えられた際に、構造材(梁)に発現する曲げ応力を小さくすることができる。
また、(式1)、(式2)における符号B、H、h、bは、図3−1(a)の各部の寸法に対応する。
I=(BH−bh)/12…(式1)
Z=(BH−bh)/(6H)…(式2)
まず、原材料となったH形材30A、30Bでは、Bが99mm、Hが198mm、bが94.5mm、hが184mmであって、この数値を(式1)、(式2)に代入すると、
I=(99×198−94.5×184)/12=1498cm
Z=(99×198−94.5×184)/(6×198)=151cm
となり、I=1498cm、Z=151cmが算出される。
一方、本発明の実施形態の構造材(梁)では、Bが99mm、Hが288mm、bが94.5mm、hが274mmであって、この数値を(式1)、(式2)に代入すると、
I=(99×288−94.5×274)/12=3508cm
Z=(99×288−94.5×274)/(6×288)=244cm
となり、I=3508cm、Z=244cmが算出される。
(式1)、(式2)の算出結果より、本実施形態の構造材(梁)および構造材(梁)の製造方法によれば、既存のH型材30A、30Bを加工して、重量を増やすことなく、断面2次曲げモーメントIや断面係数Zを向上させた構造材(梁)を製造できることがわかる。
また、本実施例の構造材(梁)は、従来のH形材を用いるよりも軽量化が実現できた。詳しくは、従来は強度確保のために、B=248mm、H=124mm、b=243mm、h=108mm、材軸方向の全長5315mmのH形鋼を2本用い、その重量が266.8kgであった。一方、本発明の実施形態の構造材(梁)100の2本の重量が189.6kgとなり、77.2kgの重量軽減を達成することができた。
本実施形態に記載の構造材(梁)100(100A,100B)は、屋根材などの荷重を支持する構造物に使用することが好ましい。次に、図4〜図6を用いて、本実施形態の構造材(梁)100(100A,100B)が使用されたカーポートの構成を説明する。図4において、(a)図が構造材(梁)100と支柱51の接合図、(b)図が構造材(梁)51と屋根部52の接合図である。図5、図6は、カーポートの完成図でって、において、(a)図が正面図、(b)図が(a)図における矢視A図である。また、図6は、(a)図における矢視B図である。
図4(a)に表したように、本発明の実施形態の構造材(梁)100は、両端が支柱51に固定され、上方に(b)に表した屋根部52が固定される。
図5、図6に表したように、カーポート50には、間隔をおいて並設する4本の支柱51と、支柱51の上方に固定された構造材(梁)100と、構造材(梁)100を介して支柱51で支持された屋根部52とが備えられている。
支柱51は、下部が土中Gに埋設されて立設し、その上方に本実施形態の構造材(梁)100が固定されている。
構造材(梁)100は、材軸線X−X方向の両端側が支柱51にボルト締めによって固定されている。また、構造材(梁)100に設けられたブラケット9(図1中の9a、9b、9cに相当する)を介して上方に屋根部52が固定されている。
屋根部52は、上面が山形に連続して折り返されて形成され、その下面には、構造材(梁)100の材軸線に直交する複数の桁材53が備えられ、1.5〜2m程度の積雪量であっても耐えるように構成されている。
複数本の桁材53と構造材(梁)100のブラケット9の位置は、互いの位置が合うように対応付けて設けられ、桁材53がブラケット9の間隙(図1(a)中の符号w)に係合して固定されている。また、構造材(梁)100の材軸線X−X方向両端に備えられた桁材53は、構造材(梁)100に固定されると共に支柱51にも固定されている。
前述のカーポート50によれば、本実施形態の構造材(梁)100を用いているので、構造材(梁)の重量を増やすことなく強度及び耐久性を向上できた。また、構造材(梁)100が求められる強度に対して軽量化されているので、建築現場への搬送や組み立ての施工性が良好となった。また、エコロジーの向上(省資源化及び自然、景観との調和)につながり、ひいては環境にやさしいものとなった。
以上、本発明の一実施例について説明したが、本発明は前記実施例に限定されるものでなく、各種の態様をとることができる。例えば、本願の実施形態では、連結ウェブ材34を形成した後に補強リブ8を接合したが、必要に応じて、連結ウェブの形成と同時に補強リブ8を接合したり、連結ウェブ材34の形成前に一対のT型部材32、33に補強リブ8を接合し、その後に、一対のT形部材32、33のウェブ部同士を接合したりしても良い。
本発明に係る構造材および構造材の製造方法は、構造材の重量を増やすことなく断面2次曲げモーメントや断面係数の向上、さらには省資源化等のエコロジーの向上が求められる構造物に好適である。例えば、カーポートのほかに、物置や家屋、トンネル、橋等の構造材にも適用できる。
100、100A、100B…構造材(梁)
1,2、31…フランジ材
3…第1のウェブ部
4…第2のウェブ部
5…開口孔
6、6a、6b…開口端
7、7a、7b…係合片
8…補強用リブ
9、9a〜9c…ブラケット
30A,30B…H形材
32、33…T形部材
34…連結ウェブ材
Q…切断線

Claims (8)

  1. 所定の間隙を介し相対向して並設された一対のフランジ材と、前記一対のフランジ材の間隙に配置されて前記並設方向に延出して前記一対のフランジ材に一体に接合されたウェブ材とからなり、H字状の断面を有し、前記断面に直交する材軸線に沿って延出する構造材であって、
    前記ウェブ材が、前記材軸線に沿って、前記並設方向に凹凸となる開口孔を有する第1のウェブ部と第2のウェブ部とからなり、前記第1のウェブ部と第2のウェブ部とが、前記材軸線を介して対称に配置されて、前記材軸線上に沿って対向する側縁が接合され、前記第1のウェブ部及び第2のウェブ部の開口孔が、端部を閉じるように突合せられて一体に連結されている、
    ことを特徴とする構造材。
  2. 前記構造材が鋼材であって、前記第1のウェブ部と第2のウェブ部が溶接によって接合され、前記端部を閉じられた開口孔は偶数の多角形状である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の構造材。
  3. 前記第1のウェブ部及び第2のウェブ部の材軸線方向の両端には、該材軸線方向に開口する開口部が形成され、該開口部に係合する係合片が接合されている、
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の構造材。
  4. 前記材軸線に沿って所定の間隔で、前記第1、第2のウェブ部と前記フランジ材との間に補強用リブが接合され、該補強用リブを介して前記第1、第2のウェブ部と前記フランジ材とが一体に接合されている、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一つに記載の構造材。
  5. 構造材の製造方法であって、
    所定の間隙を介し相対向して並設された一対のフランジ材と、前記一対のフランジ材の間隙に配置されて前記並設方向に延出して前記一対のフランジ材を一体に接合するウェブ材とからなり、H字状の断面を有し、前記材軸線に沿って延出するH形材を一対用い、
    前記一対のH形材の夫々毎に、
    前記ウェブ材を、前記材軸線に沿って、前記並設方向に凹凸となる切断線を有するように、前記凹凸状の切断を連続して二つの部材に分離し、前記凹凸状の複数の開口孔を有して断面がT字状のT形部材を夫々一対形成し、
    次いで、前記材軸線を介して対称に配置した際に前記開口孔が対称となる一対のT形部材同士を、前記材軸線を介して対称に配置し、前記凹凸状の開口孔の端部を閉じるように突合せて前記材軸線上の切断面を接合し、該接合されて連結してなる連結ウェブ材に複数の開口孔を有する一対の構造材を形成する、
    ことを特徴とする構造材の製造方法。
  6. 前記H形材が鋼材であって、前記凹凸状の切断の際に、レーザ切断機を用いる、
    ことを特徴とする請求項5に記載の構造材の製造方法。
  7. 前記連結ウェブ材の材軸線方向の両端には該材軸線方向に開口する開口部が形成され、該開口部に係合する係合片を接合する、
    ことを特徴とする請求項5または請求項6に記載の構造材の製造方法。
  8. 前記材軸線に沿って所定の間隔で、前記第連結ウェブ材と前記フランジ材との間に補強用リブを接合し、該補強用リブを介して前記連結ウェブ材と前記フランジ材とを一体に接合する、
    ことを特徴とする請求項5乃至請求項7の何れか一つに記載の構造材の製造方法。
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