JP2015004078A - 成膜装置及び成膜方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】被処理体の表面又は被処理体上に蒸着された膜の表面を局所的に所望の温度に調節することができる成膜装置及び成膜方法を提供する。【解決手段】成膜装置10は、被処理体Pを収容する処理チャンバ12と、被処理体P上に膜56aを蒸着するための蒸着材料及びキャリアガスを含むガスを被処理体Pに噴き付けるノズル16bと、不活性ガスG1を膜56aに噴き付けるノズル18と、不活性ガスG1の温度を調節する温度調節器36とを備える。【選択図】図1
Description
本発明は、成膜装置及び成膜方法に関する。
蒸着材料とキャリアガスの混合ガスを基板上に噴き付けることによって、基板上に膜を蒸着する成膜方法が知られている(例えば特許文献1参照)。この成膜方法では、複数のノズルから順番に蒸着材料を基板に噴き付けることによって、基板上に複数の有機膜を連続的に蒸着することができる。これにより、有機EL素子を製造することができる。
しかしながら、膜が蒸着される被処理体の表面や、蒸着された膜の表面の温度を調節することは行われていない。ここで、被処理体や膜の温度を調節するために、例えば被処理体を保持するステージ内に埋め込まれたヒーターで加熱を行うと、被処理体全体が加熱されるので、被処理体の内部が熱の影響を受けてしまう。被処理体が熱に弱い有機膜を含む場合には、熱の影響が顕著となる。例えば、有機EL素子や太陽電池等に用いられる複数の有機膜を基板上に形成する場合、ステージ内のヒーターにより基板を加熱すると、既に基板上に形成された有機膜が変質又は分解するおそれがある。このため、熱に弱い膜(例えば有機膜)上に膜を形成する際に温度調節を行うことは困難である。
本発明は、上記事情に鑑みて為されたものであり、被処理体の表面又は被処理体上に蒸着された膜の表面を局所的に所望の温度に調節することができる成膜装置及び成膜方法を提供することを目的とする。
上述の課題を解決するため、本発明の一側面に係る成膜装置は、被処理体を収容する処理チャンバと、前記被処理体上に膜を蒸着するための蒸着材料及びキャリアガスを含むガスを前記被処理体に噴き付ける第1のノズルと、第1の不活性ガスを前記膜に噴き付ける第2のノズルと、前記第1の不活性ガスの温度を調節する温度調節器とを備える。
この成膜装置では、温度調節器によって温度調節された第1の不活性ガスが、被処理体上に蒸着された膜に第2のノズルから噴き付けられる。これにより、被処理体の温度変化を抑制しながら、膜の表面を局所的に所望の温度に調節することができる。
本発明の別の一側面に係る成膜装置は、被処理体を収容する処理チャンバと、前記被処理体上に膜を蒸着するための蒸着材料及びキャリアガスを含むガスを前記被処理体に噴き付ける第1のノズルと、前記ガスを前記被処理体に噴き付ける前に、第1の不活性ガスを前記被処理体に噴き付ける第2のノズルと、前記第1の不活性ガスの温度を調節する温度調節器とを備える。
この成膜装置では、温度調節器によって温度調節された第1の不活性ガスが被処理体に第2のノズルから噴き付けられる。これにより、被処理体の表面を局所的に所望の温度に調節することができる。その結果、良好な条件で被処理体上に膜を蒸着することができる。
前記第1の不活性ガスには実質的に蒸着材料が添加されていなくてもよい。この場合、被処理体又は膜の表面に意図しない膜が蒸着することを抑制できる。
なお、実質的に蒸着材料が添加されていない不活性ガスとは、蒸着材料が全く添加されていない不活性ガスだけでなく、膜が蒸着されない程度の微量の蒸着材料が添加された不活性ガスも含むものである。
前記温度調節器が、前記第1の不活性ガスを加熱するヒーターであってもよい。この場合、被処理体又は膜の表面を局所的に加熱することができる。
前記温度調節器が、前記第1の不活性ガスを冷却する冷却器であってもよい。この場合、被処理体又は膜の表面を局所的に冷却することができる。
前記温度調節器が、前記第1の不活性ガスを加熱するヒーターであり、上記成膜装置が、加熱された前記第1の不活性ガスを前記膜に噴き付けた後、第2の不活性ガスを前記膜に噴き付ける第3のノズルと、前記第2の不活性ガスを冷却する冷却器とを更に備えてもよい。
この場合、加熱された膜の表面を局所的に冷却することができる。第2の不活性ガスは、第1の不活性ガスと同じでもよいし、異なってもよい。
前記温度調節器が、前記第1の不活性ガスを加熱するヒーターであり、上記成膜装置が、加熱された前記第1の不活性ガスを前記被処理体に噴き付けた後、前記ガスを前記被処理体に噴き付ける前に、第2の不活性ガスを前記被処理体に噴き付ける第3のノズルと、前記第2の不活性ガスを冷却する冷却器とを更に備えてもよい。
この場合、加熱された被処理体の表面を局所的に冷却することができる。その結果、良好な条件で被処理体上に膜を蒸着することができる。
本発明の一側面に係る成膜方法は、蒸着材料及びキャリアガスを含むガスを被処理体上に噴き付けることによって、前記被処理体上に膜を蒸着する工程と、温度調節された第1の不活性ガスを前記膜に噴き付ける工程とを含む。
この成膜方法では、温度調節された第1の不活性ガスが、被処理体上に蒸着された膜に噴き付けられる。これにより、被処理体の温度変化を抑制しながら、膜の表面を局所的に所望の温度に調節することができる。
本発明の別の一側面に係る成膜方法は、温度調節された第1の不活性ガスを被処理体に噴き付ける工程と、前記第1の不活性ガスを被処理体に噴き付けた後、蒸着材料及びキャリアガスを含むガスを前記被処理体上に噴き付けることによって、前記被処理体上に膜を蒸着する工程とを含む。
この成膜方法では、温度調節された第1の不活性ガスが、被処理体に噴き付けられる。これにより、被処理体の表面を局所的に所望の温度に調節することができる。その結果、良好な条件で被処理体上に膜を蒸着することができる。
前記第1の不活性ガスには実質的に蒸着材料が添加されていなくてもよい。この場合、被処理体又は膜の表面に意図しない膜が蒸着することを抑制できる。
加熱された前記第1の不活性ガスを前記膜に噴き付けることによって、前記膜を加熱してもよい。この場合、膜の表面を局所的に加熱することができる。
上記成膜方法は、前記膜を加熱した後、冷却された第2の不活性ガスを前記膜に噴き付けることによって、前記膜を冷却する工程を更に含んでもよい。この場合、加熱された膜の表面を局所的に冷却することができる。
冷却された前記第1の不活性ガスを前記膜に噴き付けることによって、前記膜を冷却してもよい。この場合、膜の表面を局所的に冷却することができる。
加熱された前記第1の不活性ガスを前記被処理体に噴き付けることによって、前記被処理体を加熱してもよい。この場合、被処理体の表面を局所的に加熱することができる。
上記成膜方法は、前記被処理体を加熱した後、冷却された第2の不活性ガスを前記被処理体に噴き付けることによって、前記被処理体を冷却する工程を更に含み、前記被処理体を冷却した後、前記被処理体上に膜を蒸着してもよい。この場合、加熱された被処理体の表面を局所的に冷却することができる。その結果、良好な条件で被処理体上に膜を蒸着することができる。
冷却された前記第1の不活性ガスを前記被処理体に噴き付けることによって、前記被処理体を冷却してもよい。この場合、被処理体の表面を局所的に冷却することができる。
本発明によれば、被処理体の表面又は被処理体上に蒸着された膜の表面を局所的に所望の温度に調節することができる成膜装置及び成膜方法が提供される。
以下、添付図面を参照しながら本発明の第1〜第7実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において、同一又は同等の要素には同一符号を用い、重複する説明を省略する。
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係る成膜装置を模式的に示す図である。図1には、XYZ直交座標系が示されている。
図1は、第1実施形態に係る成膜装置を模式的に示す図である。図1には、XYZ直交座標系が示されている。
図1に示される成膜装置10は、被処理体Pを収容する処理チャンバ12を備える。被処理体Pの一方の面(成膜面)は例えば鉛直方向(Z方向)において下を向いている。すなわち、成膜装置10はフェースダウン型の成膜装置である。被処理体Pは、例えば、基板Sと、基板S上に形成された電極52と、電極52上に形成された膜56aとを備える。基板Sは、例えばガラス基板等の透明基板である。基板Sの形状は、例えば矩形である。電極52は、例えばITO等の透明電極である。処理チャンバ12には、配管12gを介して真空ポンプ15が接続されている。真空ポンプ15により、処理チャンバ12内を減圧することができる。
成膜装置10は、被処理体P上に膜56bを蒸着するための蒸着材料及びキャリアガスを含むガスを被処理体Pに噴き付けるノズル16b(第1のノズル)を備える。蒸着材料は、気化した1種類又は複数種類の有機材料であってもよい。キャリアガスとしては、例えばArガス、窒素ガス等の不活性ガスが挙げられる。成膜装置10は、ノズル16bと同様の構造を有するノズル16a及びノズル16cを備えてもよい。ノズル16aは、電極52上に膜56aを蒸着するための蒸着材料及びキャリアガスを電極52に噴き付ける。ノズル16cは、膜56b上に膜56c(図2参照)を蒸着するための蒸着材料及びキャリアガスを膜56bに噴き付ける。ノズル16a〜16cは、被処理体Pの移動方向(X方向)に沿ってこの順に配列される。膜56a〜膜56cは、例えば有機膜である。
ノズル16a〜16cには、処理チャンバ12外に配置された蒸着材料供給源20a〜20cがそれぞれ配管12a〜12cを介して接続されている。蒸着材料供給源20a〜20cでは、互いに異なる蒸着材料が気化する。蒸着材料供給源20a〜20cには、例えば固体の有機材料が収容されており、加熱により固体の有機材料が気化する。蒸着材料供給源20a〜20cには、それぞれ配管22a〜22cを介して不活性ガス供給源24が接続されている。不活性ガス供給源24から供給される不活性ガスは、蒸着材料供給源20a〜20cにおいて気化された蒸着材料とそれぞれ混合され、処理チャンバ12内に導入される。これにより、基板S及び電極52上に、複数種類の膜56a〜56cを連続的に蒸着させることができる。
ノズル16aと蒸着材料供給源20aとの間には、配管12aの途中に弁26aが配置されている。弁26aと蒸着材料供給源20aとの間には、配管12aを接続する接続部28aが配置されている。蒸着材料供給源20aと不活性ガス供給源24との間には、配管22aの途中に弁32aが配置されている。弁32aと蒸着材料供給源20aとの間には、配管22aを接続する接続部30aが配置されている。弁32aと不活性ガス供給源24との間には、マスフローコントローラー34aが配置されている。同様に、ノズル16bと不活性ガス供給源24との間には、弁26b、接続部28b、接続部30b、弁32b及びマスフローコントローラー34bがこの順に配列されている。同様に、ノズル16cと不活性ガス供給源24との間には、弁26c、接続部28c、接続部30c、弁32c及びマスフローコントローラー34cがこの順に配列されている。
成膜装置10は、不活性ガスG1(第1の不活性ガス)を膜56bに噴き付けるノズル18(第2のノズル)を備える。不活性ガスG1は、例えばArガス等の希ガスでもよいし、窒素ガスでもよい。不活性ガスG1は、上記キャリアガスと同じでもよいし、異なってもよい。不活性ガスG1には、蒸着材料が意図的に添加されなくてもよいし、膜が蒸着されない程度の微量の蒸着材料が微量に添加されてもよい。
成膜装置10は、不活性ガスG1の温度を調節する温度調節器36を備える。温度調節器36は、配管12eを介してノズル18に接続されている。温度調節器36には、配管22eを介して不活性ガス供給源24が接続されている。ノズル18と温度調節器36との間には、弁26e及び接続部28eがこの順に配列されている。温度調節器36と不活性ガス供給源24との間には、接続部30e、弁32e及びマスフローコントローラー34eがこの順に配列されている。不活性ガス供給源24から供給される不活性ガスは、温度調節器36において温度調節され、温度調節された不活性ガスG1として処理チャンバ12内に導入される。
ノズル16a〜16cの先端には、例えばY方向に延びる矩形の開口が形成されている。すなわち、成膜装置10は、いわゆるリニアソース型の成膜装置である。ノズル16a〜16cの開口から蒸着材料及びキャリアガスを含むガスが放出される。ノズル16a〜16cの開口上には、蒸着材料を遮断可能なシャッター17a〜17cがそれぞれ配置されてもよい。ノズル18の先端には、例えばY方向に延びる矩形の開口が形成されている。ノズル18の開口から温度調節された不活性ガスG1が放出される。ノズル18の開口上には、不活性ガスG1を遮断可能なシャッター17eが配置されてもよい。図1ではシャッター17eが開いているので、ノズル18の開口から噴き出す不活性ガスG1が膜56bの表面に到達する。シャッター17a〜cは閉じているので、ノズル16a〜16cの開口から噴き出すガスは膜56bに到達しない。シャッター17a〜17c及び17eは、処理チャンバ12に接続されており、例えばY方向に沿った回転軸を中心に回転する。これにより、シャッター17a〜17c及び17eを、必要に応じてノズル16a〜16c及び18の開口上に配置したり当該開口上から退避させたりすることができる。
成膜装置10は、被処理体Pを保持するステージ38をX方向に駆動する駆動装置40を備えてもよい。これにより、ノズル16a〜16c及び18に対して相対的に被処理体PがX方向に沿って移動する。矢印Aはステージ38の移動方向を示す。X方向において、ノズル18は、ノズル16bの後段かつノズル16cの前段に配置されている。したがって、被処理体Pは、X方向に移動することによって、ノズル16a、16b、18、16cの開口に順番に対向配置されることとなる。
ステージ38は、被処理体Pを保持する静電チャックを内蔵してもよい。ステージ38は、例えば支持部38aによってレール42に接続されている。レール42は処理チャンバ12に接続されている。この場合、駆動装置40によってステージ38及び支持部38aはレール42上をスライドするように移動する。被処理体Pは、処理チャンバ12に形成されたゲートバルブ44aを通って処理チャンバ12内に導入可能であり、処理チャンバ12に形成されたゲートバルブ44bを通って処理チャンバ12外に搬出可能である。
成膜装置10では、温度調節器36によって温度調節された不活性ガスG1が、被処理体P上に蒸着された膜56bにノズル18から噴き付けられる。これにより、被処理体Pの温度変化を抑制しながら、膜56bの表面を局所的に所望の温度に調節することができる。その結果、膜56bの結晶化速度や膜56cの成膜速度をコントロールすることができる。また、膜56bの表面においてライン状の領域を所望の温度に調節することができる。ライン状の領域は、例えば回路パターンとして利用可能である。不活性ガスG1に実質的に蒸着材料が添加されていない場合には、膜56bの表面に意図しない膜が蒸着することを抑制できる。
温度調節器36は、不活性ガスG1を加熱するヒーターであってもよい。この場合、膜56bの表面を局所的に加熱することができる。例えば、膜56bがアモルファス膜の場合、膜56bの表面をアニール処理することによって結晶化を促進することができる。加熱によって、結晶化の際に核となりうる物質や水分を除去することができるので、結晶粒界の少ない結晶からなる膜56bを形成することができる。このような膜56bは、高い移動度が求められるデバイス(例えば有機トランジスタ等)において有効である。また、膜56bの表面を所望の温度に加熱することにより、良好な条件で膜56b上に膜56cを蒸着することができる。さらに、膜56bにドーパントが含まれている場合、膜56bの表面を加熱することによって当該ドーパントの拡散を制御することができる。膜56b上に膜56cが蒸着される場合には、良好な条件で膜56b上に膜56cを蒸着することができる。不活性ガスG1の温度は、例えば300〜400Kに調節される。なお、被処理体P全体が加熱されるわけではないので、被処理体P中の基板S、電極52、膜56a等がダメージを受け難い。
温度調節器36は、不活性ガスG1を冷却する冷却器であってもよい。この場合、膜56bの表面を局所的に冷却することができる。膜56bの表面を所望の温度に冷却することにより、良好な条件で膜56b上に膜56cを蒸着することができる。
図2は、第1実施形態に係る成膜装置を用いて製造される電子デバイスの一例を模式的に示す図である。図2に示される電子デバイス50は、例えば有機EL素子である。電子デバイス50は、基板S上に形成された電極52(陽極)と電極54(陰極)とを備えている。電極52と電極54との間には、発光層56が設けられている。発光層56は、例えば有機膜等の膜56a〜56cを備えている。膜56a〜56cは、電極52から電極54に向かってこの順に設けられている。電極52と電極54との間には、配線を介して電源58が接続されている。電源58により電流が発光層56に注入されると、発光層56から放出された光60が電極52及び基板Sを通過して外部に放出される。
膜56a〜56cは、成膜装置10により形成可能である。この場合、これら3層を形成するための3種類の蒸着材料をノズル16a〜16cからそれぞれ供給する。成膜装置10を用いると膜56bの表面を局所的に所望の温度に調節することができるので、良好な特性を有する電子デバイス50を製造することができる。
電子デバイス50は、例えば半導体デバイス、太陽電池、光デバイス等であってもよい。
図3は、第1実施形態に係る成膜方法を示すフローチャートである。本実施形態に係る成膜方法は、上述の成膜装置10を用いて以下のように実施可能である。
(膜56aの成膜)
まず、必要に応じて、膜56aを蒸着するための蒸着材料及びキャリアガスを含むガスを基板S上の電極52に噴き付けることによって、電極52上に膜56aを蒸着する(工程S1)。この時、基板S及び電極52は、ノズル16aの開口に対向配置される。
まず、必要に応じて、膜56aを蒸着するための蒸着材料及びキャリアガスを含むガスを基板S上の電極52に噴き付けることによって、電極52上に膜56aを蒸着する(工程S1)。この時、基板S及び電極52は、ノズル16aの開口に対向配置される。
(膜56bの成膜)
次に、膜56bを蒸着するための蒸着材料及びキャリアガスを含むガスを被処理体P上に噴き付けることによって、被処理体P上に膜56bを蒸着する(工程S2)。この時、基板S、電極52及び膜56aは、ノズル16bの開口に対向配置される。
次に、膜56bを蒸着するための蒸着材料及びキャリアガスを含むガスを被処理体P上に噴き付けることによって、被処理体P上に膜56bを蒸着する(工程S2)。この時、基板S、電極52及び膜56aは、ノズル16bの開口に対向配置される。
(加熱された不活性ガスG1の噴き付け)
次に、加熱された不活性ガスG1を膜56bに噴き付ける(工程S3)。この時、被処理体Pは、ノズル18の開口に対向配置される(図1参照)。
次に、加熱された不活性ガスG1を膜56bに噴き付ける(工程S3)。この時、被処理体Pは、ノズル18の開口に対向配置される(図1参照)。
(膜56cの成膜)
次に、必要に応じて、膜56cを蒸着するための蒸着材料及びキャリアガスを含むガスを膜56bに噴き付けることによって、膜56b上に膜56cを蒸着する(工程S4)。この時、被処理体P及び膜56cは、ノズル16cの開口に対向配置される。
次に、必要に応じて、膜56cを蒸着するための蒸着材料及びキャリアガスを含むガスを膜56bに噴き付けることによって、膜56b上に膜56cを蒸着する(工程S4)。この時、被処理体P及び膜56cは、ノズル16cの開口に対向配置される。
本実施形態の成膜方法では、工程S2において、加熱された不活性ガスG1が、被処理体P上に蒸着された膜56bに噴き付けられる。これにより、被処理体Pの温度上昇を抑制しながら、膜56bの表面を局所的に所望の温度に加熱することができる。
なお、工程S3において、加熱された不活性ガスG1に代えて冷却された不活性ガスG1を膜56bに噴き付けることによって、膜56bを冷却してもよい。この場合、被処理体Pの温度降下を抑制しながら、膜56bの表面を局所的に所望の温度に冷却することができる。
<第2実施形態>
図4は、第2実施形態に係る成膜装置を模式的に示す図である。図4に示される成膜装置10Aは、ノズル18とノズル16cとの間隔D2がノズル18とノズル16bとの間隔D1よりも広くなっていること以外は成膜装置10と同一の構成を備えている。成膜装置10Aでは、少なくとも成膜装置10と同様の作用効果が得られる。成膜装置10に代えて成膜装置10Aを用いて、上記第1実施形態に係る成膜方法と同様に、第2実施形態に係る成膜方法を実施することもできる。成膜装置10Aでは、温度調節器36が不活性ガスG1を加熱するヒーターである場合、間隔D2を間隔D1よりも広くすることによって、加熱された膜56bを十分に冷却することができる。そのため、膜56bの表面を所望の温度まで冷却した後に、膜56b上に膜56cを蒸着することができる。例えば、間隔D2を適宜調整することによって、膜56bの結晶化速度をコントロールすることができる。
図4は、第2実施形態に係る成膜装置を模式的に示す図である。図4に示される成膜装置10Aは、ノズル18とノズル16cとの間隔D2がノズル18とノズル16bとの間隔D1よりも広くなっていること以外は成膜装置10と同一の構成を備えている。成膜装置10Aでは、少なくとも成膜装置10と同様の作用効果が得られる。成膜装置10に代えて成膜装置10Aを用いて、上記第1実施形態に係る成膜方法と同様に、第2実施形態に係る成膜方法を実施することもできる。成膜装置10Aでは、温度調節器36が不活性ガスG1を加熱するヒーターである場合、間隔D2を間隔D1よりも広くすることによって、加熱された膜56bを十分に冷却することができる。そのため、膜56bの表面を所望の温度まで冷却した後に、膜56b上に膜56cを蒸着することができる。例えば、間隔D2を適宜調整することによって、膜56bの結晶化速度をコントロールすることができる。
<第3実施形態>
図5は、第3実施形態に係る成膜装置を模式的に示す図である。図3に示される成膜装置10Bの温度調節器36は、不活性ガスG1を加熱するヒーターである。成膜装置10Bは、加熱された不活性ガスG1を膜56bに噴き付けた後、不活性ガスG2(第2の不活性ガス)を膜56bに噴き付けるノズル18a(第3のノズル)と、不活性ガスG2を冷却する冷却器36aとを備える。冷却器36aは、配管12fを介してノズル18aに接続されている。冷却器36aには、配管22fを介して不活性ガス供給源24が接続されている。ノズル18aと冷却器36aとの間には、弁26f及び接続部28fがこの順に配列されている。冷却器36aと不活性ガス供給源24との間には、接続部30f、弁32f及びマスフローコントローラー34fがこの順に配列されている。不活性ガス供給源24から供給される不活性ガスは、冷却器36aにおいて冷却され、不活性ガスG2として処理チャンバ12内に導入される。ノズル18aの開口上には、不活性ガスG2を遮断可能なシャッター17fが配置されてもよい。
図5は、第3実施形態に係る成膜装置を模式的に示す図である。図3に示される成膜装置10Bの温度調節器36は、不活性ガスG1を加熱するヒーターである。成膜装置10Bは、加熱された不活性ガスG1を膜56bに噴き付けた後、不活性ガスG2(第2の不活性ガス)を膜56bに噴き付けるノズル18a(第3のノズル)と、不活性ガスG2を冷却する冷却器36aとを備える。冷却器36aは、配管12fを介してノズル18aに接続されている。冷却器36aには、配管22fを介して不活性ガス供給源24が接続されている。ノズル18aと冷却器36aとの間には、弁26f及び接続部28fがこの順に配列されている。冷却器36aと不活性ガス供給源24との間には、接続部30f、弁32f及びマスフローコントローラー34fがこの順に配列されている。不活性ガス供給源24から供給される不活性ガスは、冷却器36aにおいて冷却され、不活性ガスG2として処理チャンバ12内に導入される。ノズル18aの開口上には、不活性ガスG2を遮断可能なシャッター17fが配置されてもよい。
成膜装置10Bは、上記構成以外は成膜装置10と同一の構成を備えている。成膜装置10Bでは、少なくとも成膜装置10と同様の作用効果が得られる。また、成膜装置10Bでは、ノズル18aから噴射される不活性ガスG2によって、加熱された膜56bの表面を局所的に冷却することができる。成膜装置10Bでは、成膜装置10Aと同様の作用効果が得られる。さらに、成膜装置10Bでは、不活性ガスG1によって膜56bの表面が加熱された後、不活性ガスG2によって膜56bの表面が急冷(クエンチ)されるので、リフローにより膜56bの表面を平坦化することができる。
図6は、第3実施形態に係る成膜方法を示すフローチャートである。本実施形態に係る成膜方法は、上述の成膜装置10Bを用いて実施可能である。本実施形態に係る成膜方法は、図3の工程S3と工程S4との間に、冷却された不活性ガスG2を膜56bに噴き付けることによって、膜56bを冷却する工程S3aを更に含む。このため、工程S3において加熱された膜56bの表面を、工程S3aにおいて局所的に冷却することができる。
<第4実施形態>
図7は、第4実施形態に係る成膜装置を模式的に示す図である。図7に示される成膜装置10Cは、ノズル16a、16b及び18の配列順序が異なっていること以外は成膜装置10と同一の構成を備えている。成膜装置10Cでは、X方向において、ノズル18がノズル16aの前段に配置されている。したがって、成膜装置10Cは、被処理体P1上に膜56aを蒸着するための蒸着材料及びキャリアガスを含むガスを被処理体P1に噴き付けるノズル16a(第1のノズル)と、ノズル16aからガスを被処理体P1に噴き付ける前に、不活性ガスG1を被処理体P1に噴き付けるノズル18(第2のノズル)とを備える。被処理体P1は、基板S及び電極52を備える。
図7は、第4実施形態に係る成膜装置を模式的に示す図である。図7に示される成膜装置10Cは、ノズル16a、16b及び18の配列順序が異なっていること以外は成膜装置10と同一の構成を備えている。成膜装置10Cでは、X方向において、ノズル18がノズル16aの前段に配置されている。したがって、成膜装置10Cは、被処理体P1上に膜56aを蒸着するための蒸着材料及びキャリアガスを含むガスを被処理体P1に噴き付けるノズル16a(第1のノズル)と、ノズル16aからガスを被処理体P1に噴き付ける前に、不活性ガスG1を被処理体P1に噴き付けるノズル18(第2のノズル)とを備える。被処理体P1は、基板S及び電極52を備える。
成膜装置10Cでは、温度調節器36によって温度調節された不活性ガスG1が被処理体P1にノズル18から噴き付けられる。これにより、被処理体P1の表面を局所的に所望の温度に調節することができる。その結果、良好な条件で被処理体P1上に膜56aを蒸着することができる。さらに、膜56aの結晶化速度をコントロールすることができる。不活性ガスG1に実質的に蒸着材料が添加されていない場合には、被処理体P1の表面に意図しない膜が蒸着することを抑制できる。
温度調節器36が不活性ガスG1を加熱するヒーターである場合、被処理体P1の表面を局所的に加熱することができる。例えば、被処理体P1の表面に異物が付着している場合、被処理体P1の表面を加熱することによって異物を気化させ、被処理体P1の表面をクリーニングすることができる。また、被処理体P1の表面を所望の温度に加熱することにより、良好な条件で被処理体P1上に膜56aを蒸着することができる。
温度調節器36が不活性ガスG1を冷却する冷却器である場合、被処理体P1の表面を局所的に冷却することができる。被処理体P1の表面を所望の温度に冷却することにより、良好な条件で被処理体P1上に膜56aを蒸着することができる。
図8は、第4実施形態に係る成膜方法を示すフローチャートである。本実施形態に係る成膜方法は、上述の成膜装置10Cを用いて実施可能である。本実施形態に係る成膜方法では、工程S3を工程S1の前に行う。この方法では、工程S3において、加熱された不活性ガスG1が、被処理体P1に噴き付けられる。これにより、被処理体P1の表面を局所的に所望の温度に加熱することができる。その結果、良好な条件で被処理体P1上に膜56aを蒸着することができる。
なお、工程S3において、加熱された不活性ガスG1に代えて冷却された不活性ガスG1を被処理体P1に噴き付けることによって、被処理体P1を冷却してもよい。この場合、被処理体P1の表面を局所的に所望の温度に冷却することができる。
<第5実施形態>
図9は、第5実施形態に係る成膜装置を模式的に示す図である。図9に示される成膜装置10Dは、ノズル18とノズル16aとの間隔D4がノズル16aとノズル16bとの間隔D3よりも広くなっていること以外は成膜装置10Cと同一の構成を備えている。成膜装置10Dでは、少なくとも成膜装置10Cと同様の作用効果が得られる。成膜装置10Cに代えて成膜装置10Dを用いて、上記第4実施形態に係る成膜方法と同様に、第5実施形態に係る成膜方法を実施することもできる。成膜装置10Dでは、温度調節器36が不活性ガスG1を加熱するヒーターである場合、間隔D4を間隔D3よりも広くすることによって、加熱された被処理体P1を十分に冷却することができる。そのため、被処理体P1の表面を所望の温度まで冷却した後に、被処理体P1上に膜56aを蒸着することができる。
図9は、第5実施形態に係る成膜装置を模式的に示す図である。図9に示される成膜装置10Dは、ノズル18とノズル16aとの間隔D4がノズル16aとノズル16bとの間隔D3よりも広くなっていること以外は成膜装置10Cと同一の構成を備えている。成膜装置10Dでは、少なくとも成膜装置10Cと同様の作用効果が得られる。成膜装置10Cに代えて成膜装置10Dを用いて、上記第4実施形態に係る成膜方法と同様に、第5実施形態に係る成膜方法を実施することもできる。成膜装置10Dでは、温度調節器36が不活性ガスG1を加熱するヒーターである場合、間隔D4を間隔D3よりも広くすることによって、加熱された被処理体P1を十分に冷却することができる。そのため、被処理体P1の表面を所望の温度まで冷却した後に、被処理体P1上に膜56aを蒸着することができる。
<第6実施形態>
図10は、第6実施形態に係る成膜装置を模式的に示す図である。図10に示される成膜装置10Eの温度調節器36は、不活性ガスG1を加熱するヒーターである。成膜装置10Eは、加熱された不活性ガスG1を被処理体P1に噴き付けた後、ノズル16aからガスを被処理体P1に噴き付ける前に、不活性ガスG2を膜56bに噴き付けるノズル18aと、不活性ガスG2を冷却する冷却器36aとを備える。
図10は、第6実施形態に係る成膜装置を模式的に示す図である。図10に示される成膜装置10Eの温度調節器36は、不活性ガスG1を加熱するヒーターである。成膜装置10Eは、加熱された不活性ガスG1を被処理体P1に噴き付けた後、ノズル16aからガスを被処理体P1に噴き付ける前に、不活性ガスG2を膜56bに噴き付けるノズル18aと、不活性ガスG2を冷却する冷却器36aとを備える。
成膜装置10Eは、上記構成以外は成膜装置10Cと同一の構成を備えている。成膜装置10Eでは、少なくとも成膜装置10Cと同様の作用効果が得られる。また、成膜装置10Eでは、所望の温度に加熱された被処理体P1の表面を局所的に冷却することができる。成膜装置10Eでは、成膜装置10Eの各構成によって、他の実施形態と同様の作用効果が得られる。
図11は、第6実施形態に係る成膜方法を示すフローチャートである。本実施形態に係る成膜方法は、上述の成膜装置10Eを用いて実施可能である。本実施形態に係る成膜方法は、図8の工程S3と工程S1との間において、冷却された不活性ガスG2を被処理体P1に噴き付けることによって、被処理体P1を冷却する工程S3aを更に含む。これにより、工程S3において加熱された被処理体P1の表面を、工程S3aにおいて局所的に冷却することができる。また、良好な条件で被処理体P1上に膜56aを蒸着することができる。
<第7実施形態>
図12は、第7実施形態に係る成膜装置を模式的に示す図である。図12に示される成膜装置10Fは、膜56c上に膜56d(図13参照)を蒸着するための蒸着材料及びキャリアガスを含むガスを膜56cに噴き付けるノズル16dを備える。他のノズル16a〜16cと同様に、ノズル16dには、処理チャンバ12外に配置された蒸着材料供給源20dが配管12dを介して接続されている。蒸着材料供給源20dには、配管22dを介して不活性ガス供給源24が接続されている。ノズル16dと不活性ガス供給源24との間には、弁26d、接続部28d、接続部30d、弁32d及びマスフローコントローラー34dがこの順に配列されている。
図12は、第7実施形態に係る成膜装置を模式的に示す図である。図12に示される成膜装置10Fは、膜56c上に膜56d(図13参照)を蒸着するための蒸着材料及びキャリアガスを含むガスを膜56cに噴き付けるノズル16dを備える。他のノズル16a〜16cと同様に、ノズル16dには、処理チャンバ12外に配置された蒸着材料供給源20dが配管12dを介して接続されている。蒸着材料供給源20dには、配管22dを介して不活性ガス供給源24が接続されている。ノズル16dと不活性ガス供給源24との間には、弁26d、接続部28d、接続部30d、弁32d及びマスフローコントローラー34dがこの順に配列されている。
成膜装置10Fは、上記構成以外は成膜装置10と同一の構成を備えている。成膜装置10Fでは、少なくとも成膜装置10と同様の作用効果が得られる。成膜装置10Fでは、成膜装置10Fの各構成によって、他の実施形態と同様の作用効果が得られる。
図13は、第7実施形態に係る成膜装置を用いて製造される電子デバイスの一例を模式的に示す図である。図13に示される太陽電池50Aは、基板S上に順に設けられた電極52a及び52b、膜56a〜56d、電極54を備える。
太陽電池50Aの一実施例の構成を以下に示す。
基板S:ガラス基板
電極52a:ITO膜(厚さ100nm)
電極52b:MoO3膜(厚さ13nm)
膜56a:ClAlPc膜(厚さ13nm)
膜56b:ClAlPc及びC70からなる共蒸着膜(厚さ13nm)
膜56c:C60膜(厚さ22nm)
膜56d:BCP膜(厚さ10nm)
電極54;Ag膜(厚さ100nm)
基板S:ガラス基板
電極52a:ITO膜(厚さ100nm)
電極52b:MoO3膜(厚さ13nm)
膜56a:ClAlPc膜(厚さ13nm)
膜56b:ClAlPc及びC70からなる共蒸着膜(厚さ13nm)
膜56c:C60膜(厚さ22nm)
膜56d:BCP膜(厚さ10nm)
電極54;Ag膜(厚さ100nm)
膜56a〜56dは、成膜装置10Fにより形成可能である。この場合、これら4層を形成するための4種類の蒸着材料をノズル16a〜16dからそれぞれ供給する。成膜装置10Fを用いると膜56bの表面を局所的に所望の温度に調節することができるので、良好な特性を有する太陽電池50Aを製造することができる。膜56bはホール及びキャリアを生成する層であるため、高い移動度が求められる。高い移動度を得るためには、ClAlPcが結晶、C70(フラーレン)がアモルファスであることが望ましい。膜56bの表面を局所的に特定の温度に調節することによって、高い移動度の膜56bを得ることができる。膜56dはホールブロック層として機能する有機膜である。なお、電極52b、膜56a〜56dのうち少なくとも1つに不活性ガスG1を噴き付けることによって、その表面を所望の温度に調節することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されない。例えば、上記各実施形態の構成を任意に組み合わせてもよい。
成膜装置10は、ノズル16a及び16cの少なくとも一方を備えなくてもよい。成膜装置10は、フェースアップ型の成膜装置であってもよい。すなわち、被処理体Pの一方の面(成膜面)が鉛直方向において上を向いてもよい。また、ノズル18をノズル16aとノズル16bとの間に配置してもよい。
10,10A、10B,10C,10D,10E,10F…成膜装置、12…処理チャンバ、16b…第1のノズル、18…第2のノズル、18a…第3のノズル、36…温度調節器、36a…冷却器、56a〜56d…膜、G1…第1の不活性ガス、G2…第2の不活性ガス、P,P1…被処理体。
Claims (16)
- 被処理体を収容する処理チャンバと、
前記被処理体上に膜を蒸着するための蒸着材料及びキャリアガスを含むガスを前記被処理体に噴き付ける第1のノズルと、
第1の不活性ガスを前記膜に噴き付ける第2のノズルと、
前記第1の不活性ガスの温度を調節する温度調節器と、
を備える、成膜装置。 - 被処理体を収容する処理チャンバと、
前記被処理体上に膜を蒸着するための蒸着材料及びキャリアガスを含むガスを前記被処理体に噴き付ける第1のノズルと、
前記ガスを前記被処理体に噴き付ける前に、第1の不活性ガスを前記被処理体に噴き付ける第2のノズルと、
前記第1の不活性ガスの温度を調節する温度調節器と、
を備える、成膜装置。 - 前記第1の不活性ガスには実質的に蒸着材料が添加されていない、請求項1又は2に記載の成膜装置。
- 前記温度調節器が、前記第1の不活性ガスを加熱するヒーターである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の成膜装置。
- 前記温度調節器が、前記第1の不活性ガスを冷却する冷却器である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の成膜装置。
- 前記温度調節器が、前記第1の不活性ガスを加熱するヒーターであり、
加熱された前記第1の不活性ガスを前記膜に噴き付けた後、第2の不活性ガスを前記膜に噴き付ける第3のノズルと、
前記第2の不活性ガスを冷却する冷却器と、
を更に備える、請求項1に記載の成膜装置。 - 前記温度調節器が、前記第1の不活性ガスを加熱するヒーターであり、
加熱された前記第1の不活性ガスを前記被処理体に噴き付けた後、前記ガスを前記被処理体に噴き付ける前に、第2の不活性ガスを前記被処理体に噴き付ける第3のノズルと、
前記第2の不活性ガスを冷却する冷却器と、
を更に備える、請求項2に記載の成膜装置。 - 蒸着材料及びキャリアガスを含むガスを被処理体上に噴き付けることによって、前記被処理体上に膜を蒸着する工程と、
温度調節された第1の不活性ガスを前記膜に噴き付ける工程と、
を含む、成膜方法。 - 温度調節された第1の不活性ガスを被処理体に噴き付ける工程と、
前記第1の不活性ガスを被処理体に噴き付けた後、蒸着材料及びキャリアガスを含むガスを前記被処理体上に噴き付けることによって、前記被処理体上に膜を蒸着する工程と、
を含む、成膜方法。 - 前記第1の不活性ガスには実質的に蒸着材料が添加されていない、請求項8又は9に記載の成膜方法。
- 加熱された前記第1の不活性ガスを前記膜に噴き付けることによって、前記膜を加熱する、請求項8に記載の成膜方法。
- 前記膜を加熱した後、冷却された第2の不活性ガスを前記膜に噴き付けることによって、前記膜を冷却する工程を更に含む、請求項11に記載の成膜方法。
- 冷却された前記第1の不活性ガスを前記膜に噴き付けることによって、前記膜を冷却する、請求項8に記載の成膜方法。
- 加熱された前記第1の不活性ガスを前記被処理体に噴き付けることによって、前記被処理体を加熱する、請求項9に記載の成膜方法。
- 前記被処理体を加熱した後、冷却された第2の不活性ガスを前記被処理体に噴き付けることによって、前記被処理体を冷却する工程を更に含み、
前記被処理体を冷却した後、前記被処理体上に膜を蒸着する、請求項14に記載の成膜方法。 - 冷却された前記第1の不活性ガスを前記被処理体に噴き付けることによって、前記被処理体を冷却する、請求項9に記載の成膜方法。
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