JP2015003959A - 光学粘着剤組成物および光学粘着製品 - Google Patents
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Abstract
【課題】耐曲面貼り性に優れ、粘着物性の経時変化の少ない粘着剤層を形成することができ、透明性に優れる粘着剤用樹脂を提供する。【解決手段】粘着剤用ポリマーと架橋剤を必須的に含む光学粘着剤組成物であって、該粘着剤用ポリマーは、炭素数2〜18のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルと、式(A):で表わされるモノマーとを必須成分としたモノマー組成物を重合して得られる光学粘着剤組成物。(式中、Rは1価の有機基を表す。該有機基は、炭化水素で構成され、エーテル基を有していてもよく、該炭化水素の水素原子は、ハロゲン原子で置換されていてもよい。)【選択図】なし
Description
本発明は、粘着剤組成物および粘着製品に関する。より詳しくは、耐曲面貼り性が経時変化で低下しにくく、透明性に優れた粘着剤層を形成することのできる光学粘着剤組成物、およびこのような光学粘着製品に関する。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主たる構成成分とするアクリル系ポリマーを主剤樹脂として使用したアクリル系粘着剤は、タック、粘着力、凝集力(保持力)等の基本物性に加え、耐熱性、耐候性、耐水性、耐油性等に優れていることから、粘着ラベル、シート、テープ等の粘着製品に幅広く使用されている。
アクリル系粘着剤において主剤樹脂として用いられるアクリル系ポリマーは、凝集力向上成分としてカルボキシル基含有モノマーを共重合することが一般的である。また、凝集力の向上手法として何らかの架橋を適度に行うことも一般的であり、特に多官能イソシアネート化合物を用いた架橋が汎用用途向けに多用されている(例えば、特許文献1)。さらに、カルボキシル基含有アクリル系ポリマーを主剤樹脂としたアクリル系粘着剤は透明性にも優れることから、光学用途へ適用することが提案されている(例えば、特許文献2)。
ところが、カルボキシル基が導入されている主剤樹脂を多官能イソシアネート化合物で架橋した粘着剤は、耐曲面貼り性が経時変化により低下しやすく、カルボキシル基を使用しないと凝集力を十分に出せず、凝集力を高めるために架橋剤量を増やすと粘着力が低下してしまうため、耐曲面貼り性が経時変化で低下しにくい粘着剤の設計は困難な課題であった。また、カルボキシル基に代表される酸基は一般に酸基の強度や濃度によっては金属系素材を腐食し易いため、カルボキシル基を含む粘着剤の金属系材料への適用は、信頼性の観点から敬遠される傾向にあった。
耐曲面貼り性が経時変化により低下しやいという課題に対しては、特定の粘着剤評価方法による物性を満たすように、凝集力向上成分としてカルボキシル基含有モノマーの代わりに窒素原子含有モノマーを使用する技術が提案されている(特許文献3)。この技術によれば、カルボキシル基含有モノマーを使用しなくても耐曲面貼り性が経時変化で低下しにくい粘着剤を得ることができるため、この技術を応用すれば金属系材料への適用も容易となる。例えば、凝集力向上成分としてカルボキシル基含有モノマーの代わりに窒素原子含有モノマーを使用した粘着剤を、ITOのような金属系透明電極層と粘着剤が直に接するような用途へ適用することが提案されている(例えば、特許文献4)。
しかし、上記の特許文献3および特許文献4に記載の粘着剤組成物で使用されている窒素原子含有モノマーは重合工程で黄色に着色しやすい傾向があり、粘着剤層に厚みを持たせる必要がある用途や僅かな黄変も嫌う高輝度・高精細ディスプレイ用途など、より高度な透明性が要求される場合には改善の余地があった。
本発明は、前記従来技術に鑑みてなされたものであり、優れた耐曲面貼り性を損なうことなく透明性にも秀でた粘着剤用ポリマー、該粘着剤用ポリマーを含む光学粘着剤組成物、および該光学粘着剤組成物を用いた光学粘着製品を提供することを目的とする。
本発明者は、カルボキシル基含有モノマーおよび窒素原子含有モノマーに代わるモノマーを検討したところ、式(A):
(式中、Rは1価の有機基を表す。該有機基は、炭化水素で構成され、エーテル基を有していてもよく、該炭化水素の水素原子は、ハロゲン原子で置換されていてもよい。)で表わされるモノマーを、特定の粘着剤評価方法による物性を満たすように使用することが有効であることを見出した。
すなわち、式(A)で表わされるモノマーは環化重合させることにより式(B):
(式中、Rは1価の有機基を表す。該有機基は、炭化水素で構成され、エーテル基を有していてもよく、該炭化水素の水素原子は、ハロゲン原子で置換されていてもよい。)で表わされる構造単位を有するポリマーを形成するが、そのような構造単位が密着性、透明性に優れることから、特定の粘着剤評価方法による物性を満たすように、炭素数2〜18のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルに由来する構造単位と式(B)で表わされる構造単位とを含むポリマーを主剤樹脂として使用すると、優れた耐曲面貼り性を損なうことなく透明性に秀でた粘着剤が得られることを見出し、本発明に到達したものである。
すなわち、本発明は、粘着剤用ポリマーと架橋剤を必須的に含む光学粘着剤組成物であって、上記粘着剤用ポリマーは、炭素数2〜18のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルと式(A)で表わされるモノマーを必須成分としたモノマー組成物を重合して得られるものであり、上記光学粘着剤組成物は、50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを基材とし、この基材の片面に乾燥後の粘着剤層の厚みが30μmとなるように光学粘着剤組成物を塗布および乾燥して粘着テープ試料を作製し、この試料を23℃、相対湿度65%の雰囲気下で7日間放置した後に、1.568N/cm2の負荷をかけて80℃で保持力を測定したときの落下時間と、23℃、相対湿度65%の雰囲気下で7日間放置し、さらに40℃で20日間放置した後の試料に対し、1.568N/cm2の負荷をかけて80℃で保持力を測定したときの落下時間とが、いずれも0.5〜5.5時間であることを特徴とする光学粘着剤組成物である。また本発明は、該光学粘着剤組成物からなる粘着剤層を備えた粘着製品でもある。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリロイル基」は「アクリロイル基」および/または「メタクリロイル基」を意味する。「(メタ)アクリル酸」は「アクリル酸」および/または「メタクリル酸」を意味する。また、「(メタ)アクリレート」は、「アクリレート」および/または「メタクリレート」を意味する。
本発明の光学粘着剤組成物は、耐曲面貼り性が経時変化で低下しにくく、透明性に優れたカルボキシル基含有量の少ない、あるいはカルボキシル基フリーの粘着剤層を形成できることから、高度の透明性が要求される用途や、金属系基材を用いる用途へ好適に適用できる。
本発明の光学粘着剤組成物は、前記したように、粘着剤用ポリマーと架橋剤を必須的に含む光学粘着剤組成物であって、上記粘着剤用ポリマーは、炭素数2〜18のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルと式(A):
(式中、Rは1価の有機基を表す。該有機基は、炭化水素で構成され、エーテル基を有していてもよく、該炭化水素の水素原子は、ハロゲン原子で置換されていてもよい。)で表わされるモノマーを必須成分としたモノマー組成物を重合して得られるものであり、上記光学粘着剤組成物は、50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを基材とし、この基材の片面に乾燥後の粘着剤層の厚みが30μmとなるように光学粘着剤組成物を塗布および乾燥して粘着テープ試料を作製し、この試料を23℃、相対湿度65%の雰囲気下で7日間放置した後に、1.568N/cm2の負荷をかけて80℃で保持力を測定したときの落下時間と、23℃、相対湿度65%の雰囲気下で7日間放置し、さらに40℃で20日間放置した後の試料に対し、1.568N/cm2の負荷をかけて80℃で保持力を測定したときの落下時間とが、いずれも0.5〜5.5時間であることを特徴とする光学粘着剤組成物である。
まず、本発明の光学粘着剤組成物が満たす、特定の粘着剤評価方法による物性について説明する。
本発明の光学粘着剤組成物は、耐曲面貼り性が経時変化で低下しにくいものであるが、耐曲面貼り性は、以下に示す特定の粘着剤評価方法による物性と良好な相関性を有する。
特定の粘着剤評価方法とは、前記したように、50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを基材とし、この基材の片面に乾燥後の粘着剤層の厚みが30μmとなるように粘着剤組成物を塗布および乾燥して粘着テープ試料を作製し、被着体としてSUS304ステンレス鋼板を用いて、この粘着テープ試料に80℃で1.568N/cm2の負荷をかけて落下するまでの時間を「80℃保持力」として測定する方法である。80℃保持力としては「初期80℃保持力」および「経時80℃保持力」を測定し、いずれも0.5〜5.5時間の範囲であると、耐曲面貼り性が経時変化で低下しにくい。ここで「初期80℃保持力」とは、粘着テープ試料を作製後、23℃、相対湿度65%の雰囲気下で7日間放置した後に測定した値である。「経時80℃保持力」とは、粘着テープ試料を作製後、23℃、相対湿度65%の雰囲気下で7日間放置し、さらに40℃で20日間放置した後に測定した値である。
上記の初期80℃保持力および経時80℃保持力のいずれもが0.5〜5.5時間の範囲であるように本発明における粘着剤用ポリマー、および/または粘着剤組成物を設計、調整することにより、耐曲面貼り性が経時変化で低下しにくい粘着剤組成物となる。
次に、本発明の光学粘着剤組成物に主剤樹脂として含まれる粘着剤用ポリマーについて説明する。
本発明における粘着剤用ポリマーは、炭素数2〜18のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルと、式(A):
(式中、Rは1価の有機基を表す。該有機基は、炭化水素で構成され、エーテル基を有していてもよく、該炭化水素の水素原子は、ハロゲン原子で置換されていてもよい。)で表わされるモノマーである、α−アリルオキシメチルアクリル酸エステル〔以下、単にAMAエステルともいう〕を必須成分としたモノマー組成物を重合して得られるものであるが、AMAエステルは、例えば、式:
(式中、Rは前記と同じ。X・は開始ラジカルまたは生長ラジカルを示す。)
で表わされるように、環化しながら重合して、両隣にメチレン基を配した5員環エーテル構造を繰り返し単位とする主鎖骨格を形成する。
で表わされるように、環化しながら重合して、両隣にメチレン基を配した5員環エーテル構造を繰り返し単位とする主鎖骨格を形成する。
また、AMAエステルは、例えば、式:
(式中、Rは前記と同じ。X・は開始ラジカルまたは生長ラジカルを示す。)
で表わされるように、一部が環化せずに重合して、前記の両隣にメチレン基を配した5員環エーテル構造を繰り返し単位とする主鎖骨格の中に、側鎖にアリルエーテル基を有する単位が一部含まれるような主鎖骨格を形成することも可能である。ラジカル重合機構に基づく重合の場合、側鎖にアリルエーテル基を有する単位が生じる割合は、AMAエステル100mol%のうち0〜20mol%の間であることが多いが、重合機構、重合条件や共重合する成分の種類・量によって変化するため、これに限定されるものではない。
で表わされるように、一部が環化せずに重合して、前記の両隣にメチレン基を配した5員環エーテル構造を繰り返し単位とする主鎖骨格の中に、側鎖にアリルエーテル基を有する単位が一部含まれるような主鎖骨格を形成することも可能である。ラジカル重合機構に基づく重合の場合、側鎖にアリルエーテル基を有する単位が生じる割合は、AMAエステル100mol%のうち0〜20mol%の間であることが多いが、重合機構、重合条件や共重合する成分の種類・量によって変化するため、これに限定されるものではない。
上記の両隣にメチレン基を配した5員環エーテル構造は、種々の基材に対する密着性に優れ、比較的高いガラス転移温度を有しながら柔軟で、可撓性、耐熱分解性が高く、透明性に優れるという特徴を有することから、透明性の高い凝集力向上成分として作用できる。また、上記の側鎖アリルエーテル基は条件次第で架橋性基としても作用することが可能であるため、側鎖アリルエーテル基を架橋させて粘着剤層を形成することもできる。
前記式(A)および式(B)において、Rは1価の有機基を表す。該有機基は、炭化水素で構成され、エーテル基を有していてもよく、該炭化水素の水素原子は、ハロゲン原子で置換されていてもよい。該有機基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、また環状構造を含んでいてもよい。炭化水素基としては、例えば、炭素数1以上の鎖状飽和炭化水素基、炭素数3以上の鎖状不飽和炭化水素基、炭素数3以上の脂環式炭化水素基、炭素数6以上の芳香族炭化水素基などが挙げられる。これらのなかでは、炭素数1〜30の鎖状飽和炭化水素基、炭素数3〜30の鎖状不飽和炭化水素基、炭素数4〜30の脂環式炭化水素基および炭素数6〜30の芳香族炭化水素基が好ましい。前記置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子、シアノ基、トリメチルシリル基などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
前記鎖状飽和炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−アミル基、sec−アミル基、tert−アミル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、sec−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、sec−オクチル基、tert−オクチル基、2−エチルヘキシル基、カプリル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ラウリル基、トリデシル基、ミリスチル基、ペンタデシル基、セチル基、ヘプタデシル基、ステアリル基、ノナデシル基、エイコシル基、セリル基、メリシル基などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
前記鎖状不飽和炭化水素基としては、例えば、クロチル基、1,1−ジメチル−2−プロペニル基、2−メチル−ブテニル基、3−メチル−2−ブテニル基、3−メチル−3−ブテニル基、2−メチル−3−ブテニル基、オレイル基、リノール基、リノレン基などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
前記脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、4−メチルシクロヘキシル基、4−tert−ブチルシクロヘキシル基、トリシクロデカニル基、イソボルニル基、アダマンチル基、ジシクロペンタニル基、ジシクロペンテニル基などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
前記芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、メチルフェニル基、ジメチルフェニル基、トリメチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、ベンジル基、ジフェニルメチル基、ジフェニルエチル基、トリフェニルメチル基、シンナミル基、ナフチル基、アントラニル基などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
エーテル結合を有する炭化水素基としては、例えば、メトキシエチル基、メトキシエトキシエチル基、メトキシエトシキエトキシエチル基、3−メトキシブチル基、エトキシエチル基、エトキシエトキシエチル基などの鎖状エーテル基;シクロペントキシエチル基、シクロヘキシルオキシエチル基、シクロペントキシエトキシエチル基、シクロヘキシルオキシエトキシエチル基、ジシクロペンテニルオキシエチル基などの脂環式炭化水素基と鎖状エーテル基を併せ持つ基;フェノキシエチル基、フェノキシエトキシエチル基などの芳香族炭化水素基と鎖状エーテル基を併せ持つ基;グリシジル基、β−メチルグリシジル基、β−エチルグリシジル基、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル基、2−オキセタンメチル基、3−メチル−3−オキセタンメチル基、3−エチル−3−オキセタンメチル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロフルフリル基、テトラヒドロピラニル基、ジオキサゾラニル基、ジオキサニル基などの環状エーテル基などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
上記モノマー組成物に含まれる、炭素数2〜18のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは1種または2種以上を用いることができる。これらの中では、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシルが、それらのホモポリマーのガラス転移温度(以下、単にTgともいう)が低く、前記80℃保持力を所定の範囲に設計しやすいため好ましいが、組み合わせるAMAエステルの種類と使用量に大きく依存する。
上記モノマー組成物に含まれる、AMAエステルの具体例としては、α−アリルオキシメチルアクリル酸メチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸エチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸n−プロピル、α−アリルオキシメチルアクリル酸イソプロピル、α−アリルオキシメチルアクリル酸n−ブチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸sec−ブチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸tert−ブチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸n−アミル、α−アリルオキシメチルアクリル酸sec−アミル、α−アリルオキシメチルアクリル酸tert−アミル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ネオペンチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸n−ヘキシル、α−アリルオキシメチルアクリル酸sec−ヘキシル、α−アリルオキシメチルアクリル酸n−ヘプチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸n−オクチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸sec−オクチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸tert−オクチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸2−エチルヘキシル、α−アリルオキシメチルアクリル酸カプリル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ノニル、α−アリルオキシメチルアクリル酸デシル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ウンデシル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ラウリル、α−アリルオキシメチルアクリル酸トリデシル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ミリスチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ペンタデシル、α−アリルオキシメチルアクリル酸セチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ヘプタデシル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ステアリル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ノナデシル、α−アリルオキシメチルアクリル酸エイコシル、α−アリルオキシメチルアクリル酸セリル、α−アリルオキシメチルアクリル酸メリシル、α−アリルオキシメチルアクリル酸クロチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸1,1−ジメチル−2−プロペニル、α−アリルオキシメチルアクリル酸2−メチルブテニル、α−アリルオキシメチルアクリル酸3−メチル−2−ブテニル、α−アリルオキシメチルアクリル酸3−メチル−3−ブテニル、α−アリルオキシメチルアクリル酸2−メチル−3−ブテニル、α−アリルオキシメチルアクリル酸オレイル、α−アリルオキシメチルアクリル酸リノール、α−アリルオキシメチルアクリル酸リノレン、α−アリルオキシメチルアクリル酸シクロペンチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸シクロペンチルメチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸シクロヘキシル、α−アリルオキシメチルアクリル酸シクロヘキシルメチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸4−メチルシクロヘキシル、α−アリルオキシメチルアクリル酸4−tert−ブチルシクロヘキシル、α−アリルオキシメチルアクリル酸トリシクロデカニル、α−アリルオキシメチルアクリル酸イソボルニル、α−アリルオキシメチルアクリル酸アダマンチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ジシクロペンタニル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ジシクロペンテニル、α−アリルオキシメチルアクリル酸フェニル、α−アリルオキシメチルアクリル酸メチルフェニル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ジメチルフェニル、α−アリルオキシメチルアクリル酸トリメチルフェニル、α−アリルオキシメチルアクリル酸4−tert−ブチルフェニル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ベンジル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ジフェニルメチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ジフェニルエチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸トリフェニルメチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸シンナミル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ナフチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸アントラニル、α−アリルオキシメチルアクリル酸メトキシエチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸メトキシエトキシエチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸メトキシエトシキエトキシエチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸3−メトキシブチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸エトキシエチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸エトキシエトキシエチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸シクロペントキシエチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸シクロヘキシルオキシエチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸シクロペントキシエトキシエチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸シクロヘキシルオキシエトキシエチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸フェノキシエチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸フェノキシエトキシエチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸グリシジル、α−アリルオキシメチルアクリル酸β−メチルグリシジル、α−アリルオキシメチルアクリル酸β−エチルグリシジル、α−アリルオキシメチルアクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシルメチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸2−オキセタンメチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸3−メチル−3−オキセタンメチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸3−エチル−3−オキセタンメチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸テトラヒドロフラニル、α−アリルオキシメチルアクリル酸テトラヒドロフルフリル、α−アリルオキシメチルアクリル酸テトラヒドロピラニル、ジオキサゾラニル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ジオキサニルなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらのAMAエステルは、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。また、組み合わせる炭素数2〜18のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルの種類と量に応じて好適なものを選択すればよいが、例えば、Tgの低い炭素数2〜18のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルと組み合わせる場合は比較的Tgの高いα−アリルオキシメチルアクリル酸メチルが好ましく、比較的Tgの高い炭素数2〜18のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルと組み合わせる場合はTgの低いα−アリルオキシメチルアクリル酸2−エチルヘキシルを好ましく使用できる。
上記モノマー組成物は、炭素数2〜18のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルとAMAエステル以外に、これらと共重合可能な他の重合性化合物を含んでいても良く、その種類、量は、本発明の光学粘着剤組成物に必要とされる諸性能、用途や使用目的に応じて、適宜選択、調整すればよい。
好ましい他の重合性化合物としては、官能基含有モノマーが挙げられる。官能基含有モノマーとは、架橋剤と反応し得る官能基を有するモノマーであって、架橋剤と反応し得る官能基を有するものであれば特に限定されず、ヒドロキシル基含有モノマー、エポキシ基含有モノマー、アミノ基含有モノマー、イソシアネート基含有モノマー、オキサゾリン基含有モノマー等が挙げられるが、重合工程での着色を防ぐ観点から、ヒドロキシル基含有モノマー、エポキシ基含有モノマーなどの窒素原子を含まないモノマーが好ましく、好ましい架橋剤である多官能イソシアネート化合物と組み合わせることができる観点から、ヒドロキシル基含有モノマーが最も好ましい。カルボキシル基含有モノマーや酸無水物基含有モノマーも架橋可能で窒素原子を含まないモノマーであるが、前記した80℃保持力を満たす範囲で使用することは可能である。
上記ヒドロキシル基含有モノマーの具体例としては、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸−4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチルのポリカプロラクトン変性物である「プラクセルF」シリーズ(ダイセル社製)等が挙げられる。中でも、アクリル酸−2−ヒドロキシエチルは安価で使用しやすい。また、アクリル酸−4−ヒドロキシブチルや「プラクセルF」を用いると、ヒドロキシル基が粘着剤用ポリマーの主鎖から離れたところ、すなわち長めの側鎖の先端に存在することとなるので、主鎖による立体障害が排除できる上に、ヒドロキシル基のモビリティが高まって、架橋剤との反応効率を向上させることができる。
上記官能基含有モノマー以外の他の重合性化合物としては、極性基含有モノマー、高Tgモノマーが挙げられ、これらは凝集力向上成分として好適である。これらは本発明の光学粘着剤組成物の耐曲面貼り性および透明性を損なわない範囲で、用途や使用目的に応じて、1種または2種以上を使用することができる。
極性基含有モノマーとしては、上記官能基含有モノマーとして例示したもの;N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、アクリロイルモルホリンなどの(メタ)アクリルアミド類;(メタ)アクリロニトリル、α−シアノアクリル酸メチルなどのシアノ基含有モノマー;N−フェニルマレイミドなどのN置換マレイミド;N−ビニリピロリドン、N−ビニルカプロラクタムなどのN−ビニル化合物などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
高Tgモノマーとしては、該モノマーのホモポリマーのTgが0℃以上、好ましくは20℃以上、さらに好ましくは40℃以上であるものが好ましい。上記官能基含有モノマーとして例示したもの、上記極性基含有モノマーとして例示したものは高Tgであるものが多いが、それら以外のものとしては、例えば、メタクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニルなどの(メタ)アクリル酸エステル;スチレン、ビニルトルエンなどの芳香族ビニル;酢酸ビニルなどのビニルエステル類などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
他の重合性化合物としては、上記以外にも、ブタジエンなどの1,3−共役ジエン;ビニルエーテル;α−オレフィン;ハロゲン化ビニルなどが挙げられる。
上記モノマー組成物中、炭素数2〜18のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルの含有量は、50〜99.7質量%であることが好ましく、65〜99.5質量%がより好ましく、80〜99%質量%であることがさらに好ましい。AMAエステルの含有量は、0.3〜50質量%、好ましくは0.5〜35質量%、更に好ましくは1〜20質量%である。また、官能基含有モノマーは必須成分ではないが、使用する場合は、上記モノマー組成物中0.03〜7質量%であることが好ましく、0.05〜6質量%がより好ましく、0.1〜5質量%がさらに好ましい。
本発明における粘着剤用ポリマーは、Tgが−20℃以下、好ましくは−30℃以下、より好ましくは−40℃以下、最も好ましくは−50℃以下である。Tgが−20℃よりも高いと、前記80℃保持力が所定の範囲となり難い傾向にある。樹脂のTgは、DSC(示差走査熱量測定装置)、DTA(示差熱分析装置)、TMA(熱機械測定装置)等の測定装置によって測定することができる。また、ポリマーの共重合組成と各共重合成分のホモポリマーのガラス転移温度から、下記FOX式を用いて計算により推定することもできる。
(1/Tg)=(W1/Tg1)+(W2/Tg2)+…+(Wn/Tgn)
式中、Tgはポリマーのガラス転移温度(K)を示し、W1、W2、…Wnは、各共重合成分(繰り返し構造単位)のポリマー中での質量分率を示し、W1+W2+…+Wn=1である。Tg1、Tg2、…Tgnは、対応する各共重合成分(繰り返し構造単位)のホモポリマーのガラス転移温度(K)を示す。この計算値を目安にして、上記モノマー組成物の組成を決定することが好ましい。すなわち、上記モノマー組成物中の各モノマーの質量分率が、ポリマー中の質量分率に等しいと仮定して計算したTgを目安にすることが好ましい。なお、各ホモポリマーのガラス転移温度(Tg1、Tg2、…Tgn)は、ホモポリマーを合成、単離して上記測定装置により測定してもよいが、簡便のために「POLYMER HANDBOOK」(第4版;John Wiley & Sons, Inc.発行)等の刊行物に記載されている数値を採用してもよい。
(1/Tg)=(W1/Tg1)+(W2/Tg2)+…+(Wn/Tgn)
式中、Tgはポリマーのガラス転移温度(K)を示し、W1、W2、…Wnは、各共重合成分(繰り返し構造単位)のポリマー中での質量分率を示し、W1+W2+…+Wn=1である。Tg1、Tg2、…Tgnは、対応する各共重合成分(繰り返し構造単位)のホモポリマーのガラス転移温度(K)を示す。この計算値を目安にして、上記モノマー組成物の組成を決定することが好ましい。すなわち、上記モノマー組成物中の各モノマーの質量分率が、ポリマー中の質量分率に等しいと仮定して計算したTgを目安にすることが好ましい。なお、各ホモポリマーのガラス転移温度(Tg1、Tg2、…Tgn)は、ホモポリマーを合成、単離して上記測定装置により測定してもよいが、簡便のために「POLYMER HANDBOOK」(第4版;John Wiley & Sons, Inc.発行)等の刊行物に記載されている数値を採用してもよい。
上記モノマー組成物の重合における重合機構としては、ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合、配位重合など、公知の重合機構を用いることができるが、ラジカル重合機構または配位重合機構に基づく重合方法が、環化率(式(A)で表されるモノマーから式(B)で表される構成単位が生成する割合)が高いことから好ましく、工業的に有利であることからラジカル重合機構が特に好ましい。
上記モノマー組成物の重合における分子量の制御方法としては、公知の方法を用いることができ、例えば、重合開始剤・重合触媒の量や種類、連鎖移動剤の種類や量の調整、架橋剤の種類や量の調整、重合温度、反応系におけるモノマー組成物の濃度などにより制御できる。
上記モノマー組成物を重合する際の重合温度としては、重合機構、使用するモノマーの種類や量、重合開始剤・重合触媒の種類や量、溶媒の種類や量等に応じて適宜設定すればよく特に限定されないが、ラジカル重合機構に基づく重合の場合は、重合速度の観点から、0℃以上が好ましく、室温以上であることがより好ましい。
ラジカル重合機構に基づく重合において、重合開始方法としては公知の方法を用いることができるが、熱や電磁波(赤外線、紫外線、X線等)、電子線などのエネルギー源から重合開始に必要なエネルギーをモノマー組成物に供給すればよく、さらに重合開始剤を併用すれば重合開始に必要なエネルギーを大きく下げることができ、かつ反応制御が容易となり好ましい。
ラジカル重合機構における重合開始剤としては、加熱により重合開始ラジカルを発生する熱ラジカル重合開始剤と、活性エネルギー線の照射により重合開始ラジカルを発生する光ラジカル重合開始剤とがあり、従来公知のものを1種または2種以上使用できる。また、必要に応じて従来公知の熱ラジカル重合促進剤、光増感剤、光ラジカル重合促進剤等を1種または2種以上添加することも好ましい。
熱ラジカル重合開始剤を使用して重合する場合、加熱温度としては使用する熱ラジカル重合開始剤の種類や量に応じて適宜設定すればよく、特に限定されないが、熱ラジカル開始剤からのラジカル発生効率と半減期の観点から、通常は20℃〜200℃、好ましくは30℃〜180℃、より好ましくは40〜150℃である。また、加熱は連続して行ってもよく、断続的に行ってもよい。
光ラジカル重合開始剤を使用して重合する場合、活性エネルギー線の種類としは安価に効率よくエネルギー線を発生できることから紫外線、可視光、赤外線が好ましく、光ラジカル開始剤からのラジカル発生効率の観点から、紫外線、可視光がより好ましく、紫外線が最も好ましい。活性エネルギー線の照射時間としては、使用する活性エネルギー線の種類、光ラジカル開始剤の種類や量、温度、使用するモノマーの種類、溶媒の種類や量に応じて適宜設定すればよいが、生産効率の観点から、通常は0.1秒〜30分であり、0.5秒〜20分が好ましく、1秒〜10分がより好ましい。また、照射は連続して行ってもよく、断続的に行ってもよい。
上記熱ラジカル重合開始剤としては、具体的には、例えば、メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルアセトアセテートパーオキサイド、アセチルアセテートパーオキサイド、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、p−メンタンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ヘキシルハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、イソブチリルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、スクシン酸パーオキサイド、m−トルオイルベンゾイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−3−メトキシブチルパーオキシジカーボネート、ジ−s−ブチルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、α,α’−ビス(ネオデカノイルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、クミルパーオキシネオデカノエート、1,1,3,3,−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシピバレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシマレート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシ−m−トルイルベンゾエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ビス(t−ブチルパーオキシ)イソフタレート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(m−トルイルパーオキシ)ヘキサン、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアリルモノカーボネート、t−ブチルトリメチルシリルパーオキサイド、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン等の有機化酸化物系開始剤;2−フェニルアゾ−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、1−[(1−シアノ−1−メチルエチル)アゾ]ホルムアミド、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス(2−メチル−N−フェニルプロピオンアミジン)ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[N−(4−クロロフェニル)−2−メチルプロピオンアミジン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[N−(4−ヒドロフェニル)−2−メチルプロピオンアミジン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(フェニルメチル)プロピオンアミジン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−プロペニル)プロピオンアミジン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[N−(2−ヒドロキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[2−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−1,3−ジアゼピン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[2−(3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[2−(5−ヒドロキシ−3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス{2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン}ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロパン)、ジメチル−2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)、2,2’−アゾビス[2−(ヒドロキシメチル)プロピオニトリル]等のアゾ系開始剤が挙げられる。
上記熱ラジカル重合開始剤とともに使用できる熱ラジカル重合促進剤としては、コバルト、銅、錫、亜鉛、マンガン、鉄、ジルコニウム、クロム、バナジウム、カルシウム、カリウム等の金属石鹸;1級、2級、3級のアミン化合物;4級アンモニウム塩;チオ尿素化合物;ケトン化合物等が挙げられ、具体的には、例えば、オクチル酸コバルト、ナフテン酸コバルト、オクチル酸銅、ナフテン酸銅、オクチル酸マンガン、ナフテン酸マンガン、ジメチルアニリン、トリエタノールアミン、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド、ジ(2−ヒドロキシエチル)p−トルイジン、エチレンチオ尿素、アセチルアセトン、アセト酢酸メチル等が挙げられる。
上記光ラジカル重合開始剤としては、具体的には、例えば、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシー2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−〔4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)ベンジル〕フェニル}−2−メチルプロパン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−(ジメチルアミノ)−2−〔(4−メチルフェニル)メチル〕−1−〔4−(4−モルホリニル)フェニル〕−1−ブタノン等のアルキルフェノン系化合物;ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、2−カルボキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテ等のベンゾイン系化合物;チオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物;2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−エトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−エトキシカルボキニルナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等のハロメチル化トリアジン系化合物;2−トリクロロメチル−5−(2’−ベンゾフリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−〔β−(2’−ベンゾフリル)ビニル〕−1,3,4−オキサジアゾール、4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−フリル−1,3,4−オキサジアゾール等のハロメチル化オキサジアゾール系化合物;2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール等のビイミダゾール系化合物;1,2−オクタンジオン,1−〔4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)〕、エタノン,1−〔9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−,1−(O−アセチルオキシム)等のオキシムエステル系化合物;ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム等のチタノセン系化合物;p−ジメチルアミノ安息香酸、p−ジエチルアミノ安息香酸等の安息香酸エステル系化合物;9−フェニルアクリジン等のアクリジン系化合物;等を挙げることができる。
上記光ラジカル重合開始剤とともに、光増感剤や光ラジカル重合促進剤を使用することにより、感度や硬化性を向上できる。このような光増感剤や光ラジカル重合促進剤としては、例えば、キサンテン色素、クマリン色素、3−ケトクマリン系化合物、ピロメテン色素などの色素系化合物;4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシルなどのジアルキルアミノベンゼン系化合物;2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾールなどのメルカプタン系水素供与体等が挙げられる。
上記ラジカル重合開始剤の添加量総量としては、目的、用途に応じて適宜設定すればよく、特に限定されないが、重合性、分解物の悪影響、経済性のバランスの点から、モノマー組成物全体に対して0.01〜30質量%、好ましくは0.05〜20質量%、さらに好ましくは0.1〜15質量%である。
上記熱ラジカル重合促進剤、光増感剤、光ラジカル重合促進剤の添加量総量としては、目的、用途に応じて適宜設定すればよく、特に限定されないが、重合性、分解物の悪影響、経済性のバランスの点から、モノマー組成物全体に対して0.001〜20質量%、好ましくは0.05〜10質量%、さらに好ましくは0.01〜10質量%である。
上記モノマー組成物をラジカル重合機構により重合する場合、必要に応じて、公知の連鎖移動剤を使用してもよく、ラジカル重合開始剤と併用するのがより好ましい。このような連鎖移動剤としては、具体的には、例えば、メルカプト酢酸、3−メルカプトプロピオン酸等のメルカプトカルボン酸類;メルカプト酢酸メチル、3−メルカプトプロピオン酸メチル、3−メルカプトプロピオン酸2−エチルヘキシル、3−メルカプトプロピオン酸n−オクチル、3−メルカプトプロピオン酸メトキシブチル、3−メルカプトプロピオン酸ステアリル、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)等のメルカプトカルボン酸エステル類;エチルメルカプタン、t−ブチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、1,2−ジメルカプトエタン等のアルキルメルカプタン類;2−メルカプトエタノール、4−メルカプト−1−ブタノール等のメルカプトアルコール類;ベンゼンチオール、m−トルエンチオール、p−トルエンチオール、2−ナフタレンチオール等の芳香族メルカプタン類;トリス〔(3−メルカプトプロピオニロキシ)−エチル〕イソシアヌレート等のメルカプトイソシアヌレート類;2−ヒドロキシエチルジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド等のジスルフィド類;ベンジルジエチルジチオカルバメート等のジチオカルバメート類;α−メチルスチレンダイマー等の単量体ダイマー類;四臭化炭素等のハロゲン化アルキル類などが挙げられる。これらの中では、入手性、架橋防止能、重合速度低下の度合いが小さいなどの点で、メルカプトカルボン酸類、メルカプトカルボン酸エステル類、アルキルメルカプタン類、メルカプトアルコール類、芳香族メルカプタン類;メルカプトイソシアヌレート類などのメルカプト基を有する化合物が好ましい。これらは単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
上記ラジカル重合機構における連鎖移動剤の使用量は、使用するモノマーの種類や量、重合温度、重合濃度等の重合条件、目標とする重合体の分子量等に応じて適宜設定すればよく、特に限定されないが、重量平均分子量が数千〜数万の重合体を得るには、モノマー組成物全体に対して、0.1〜20質量%が好ましく、0.5〜15質量%がより好ましい。
上記モノマー組成物の重合方法としては、溶液重合、乳化重合、バルク重合など、公知の重合方法を用いることができ、目的、用途に応じて適宜選択すればよい。ラジカル重合機構および配位重合機構、特にラジカル重合機構は汎用性が高く、溶液重合、乳化重合、バルク重合いずれの方法も容易に適用できる。
溶液重合する方法はモノマー組成物を均一に溶解できる何らかの溶媒中で重合する方法であり、特に有機溶媒中で重合する方法は、ポリマーの有機溶媒溶液を容易に得ることができることから、本発明の粘着剤組成物が有機溶媒溶液の形態である場合に好ましい。具体的には、例えば、上記モノマー組成物を有機溶媒中で重合して粘着剤用ポリマーの有機溶媒溶液を得た後、架橋剤、さらに必要に応じて、粘着付与剤、紫外線吸収剤などを添加して有機溶媒溶液型の粘着剤組成物とし、基材に塗工、乾燥する工程を経由して粘着製品を作製する場合が挙げられる。
乳化重合する方法はモノマー成分を溶媒中に分散させて重合する方法であり、溶媒(分散媒)として水を使用すればポリマーの水系分散体を容易に得ることができることから、本発明の粘着剤組成物が水系組成物である場合に好ましい。具体的には、例えば、上記モノマー組成物を水中で乳化重合して粘着剤用ポリマーの水系分散体を得た後、架橋剤、さらに必要に応じて粘着付与剤、紫外線吸収剤などを添加して水系粘着剤組成物とし、基材に塗工、乾燥する工程を経由して粘着製品を作製する場合が挙げられる。
バルク重合する方法は、何らかの非反応性溶媒あるいは分散媒(有機溶媒、水)を用いずにモノマー組成物を重合する方法であることから、本発明の粘着剤組成物が揮発性の溶媒あるいは分散媒を含まない形態である場合に好ましい。具体的には、例えば、上記モノマー組成物を部分重合した後、架橋剤、必要に応じて粘着付与剤、光または熱ラジカル重合開始剤、粘着付与剤などを添加して揮発性溶媒フリーの粘着剤組成物とし、基材に塗工、紫外線照射や加熱などにより重合する工程を経由して粘着製品を作製する場合が挙げられる。
上記重合方法はそれぞれ長所と短所があり、乳化重合する方法は粘着製品を得る工程での安全性が高くインライン塗工できる水系組成物を得られる点で好ましく、バルク重合する方法は乾燥工程が不要となる製品生産効率が高い粘着剤組成物を得られる点で好ましいが、いずれも適用できるモノマーの種類や架橋剤の種類が限定され易く、ポリマー構造や粘着剤物性を制御しにくい傾向がある。有機溶媒中で溶液重合する方法は、粘着製品を得る工程において有機溶媒の乾燥・回収工程が必要となるものの、重合の際に適用できるモノマーや架橋剤の種類が豊富で、またポリマー構造や粘着剤物性を制御しやすいことから、高性能の粘着剤用ポリマーおよび粘着剤組成物を得やすい点で好ましい。これらの重合方法は、用途、目的に応じて適宜選択すればよい。
上記モノマー組成物は、バルク重合法で重合してもよいが、溶液重合法あるいは乳化重合法により重合する場合、重合に使用する溶媒としては、重合反応に不活性なものであれば特に限定されるものではなく、重合機構、使用するモノマーの種類や量、重合開始剤・重合触媒の種類や量等の重合条件に応じて適宜設定すればよい。
このような溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、s−ブタノール等のモノアルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類;テトラヒドロフラン,ジオキサン等の環状エーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、3−メトキシブタノール等のグリコールモノエーテル類;エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル等のグリコールエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート等のグリコールモノエーテルのエステル類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等のアルキルエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;ヘキサン、シクロヘキサン、オクタン等の脂肪族炭化水素類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類、水等が挙げられるが、かかる例示に限定されるものではない。これらは単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
上記のようにモノマー組成物を重合することによりポリマーが得られるが、重合は、一段で行ってもよく多段で行ってもよい。均一組成のポリマーを得るには一段で行うことが好ましく、勾配組成のポリマーやブロック組成のポリマー、あるいは異なる組成のポリマー混合物を得るには多段で行うことが好ましい。多段で行う場合、各段のモノマー組成は異なっていてもよく、各段の少なくとも一つにおいて上記AMAエステルを含むモノマー組成物を用いればよい。また、各段の重合開始方法は同一でも異なってもいてもよく、例えば、1段目を加熱、2段目を活性エネルギー線の照射により重合してもよい。
本発明の粘着組成物は、上記モノマー組成物を重合して得られる粘着剤用ポリマーに加え、活性エネルギー線の照射、加熱、水分、酸素などの外的刺激により架橋する架橋剤を必須的に含む。このような架橋剤としては、多官能イソシアネート化合物、多官能エポキシ化合物、多官能アミノ化合物、多官能アジリジニル化合物、多価金属キレート化合物、シランカップリング剤、多価アルコール、多価チオール、多価(メタ)アクリロイル化合物などが挙げられ、架橋システムや条件に応じて適宜選択すればよい。これらの中では、窒素原子を含まない架橋システムとすることができる観点からは多官能エポキシ化合物、多価チオール、多価(メタ)アクリロイル化合物を好ましく適用できるが、温和な条件で架橋でき、粘着物性を向上しやすいウレタン架橋システムを適用でき、低着色性タイプも豊富に揃っている観点からは多官能イソシアネート化合物が好ましい。
イソシアネート基を2個以上有する多官能イソシアネート化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、水素化ジフェニルメタンジイソシアネート、水素化トリレンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等のジイソシアネート化合物;「スミジュールN」(住化バイエルウレタン社製)等のビュレットポリイソシアネート化合物;「デスモジュールIL」、「デスモジュールHL」(いずれもバイエルA.G.社製)、「コロネートEH」(日本ポリウレタン工業社製)等として知られるイソシアヌレート環を有するポリイソシアネート化合物;「スミジュールL」(住化バイエルウレタン社製)等のアダクトポリイソシアネート化合物;「コロネートL」および「コロネートL−55E」(いずれも日本ポリウレタン社製)等のアダクトポリイソシアネート化合物等を挙げることができる。これらは、単独で使用し得るほか、2種以上を併用することもできる。また、これらの化合物のイソシアネート基を活性水素を有するマスク剤と反応させて不活性化したいわゆるブロックイソシアネートも使用可能である。
エポキシ基を2個以上有する多官能エポキシ化合物としては、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ビスフェノールA型エポキシ樹脂等を挙げることができる。
チオール基を2個以上有する多官能チオール化合物としては、例えば、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)、トリス〔(3−メルカプトプロピオニロキシ)−エチル〕イソシアヌレートなどが挙げられる。
(メタ)アクリロイル基を2個以上有する多価(メタ)アクリロイル化合物としては、例えば、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレートなどが挙げられる。
架橋剤の使用量は、上記80℃保持力を満たす観点から、粘着剤用ポリマーに対し、0.01〜20質量%が好ましく、より好ましくは0.03〜15質量%、さらに好ましくは0.05〜10質量%である。
本発明の粘着組成物は、上記単量体成分を重合して得られる粘着剤用ポリマー、および架橋剤以外の成分を必要に応じて含んでいてもよく、このような成分としては、例えば、粘着付与剤、希釈溶媒、反応性希釈剤、重合開始剤、充填剤、顔料、染料、老化防止剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤等の従来公知の添加剤が挙げられる。これらの添加剤は、1種類または2種以上、使用可能である。これらの添加剤の添加量は、所望する物性が得られるように適宜設定すればよい。
粘着付与剤としては、例えば、(重合)ロジン系、(重合)ロジンエステル系、テルペン系、テルペンフェノール系、クマロン系、クマロンインデン系、スチレン樹脂系、キシレン樹脂系、フェノール樹脂系、石油樹脂系等が挙げられる。これらは1種または2種以上組み合わせて使用できる。
希釈溶媒としては、例えば、上記モノマー組成物を重合する際に使用できる有機溶媒または水が挙げられ、1種または2種以上組み合わせて使用できる。
反応性希釈剤としては、例えば、上記AMAエステルやAMAエステルと共重合可能な重合性化合物のうち、常温で液状のものが挙げられ、1種または2種以上組み合わせて使用できる。
重合開始剤としては、例えば、上記モノマー組成物を重合する際に使用できるラジカル重合開始剤が挙げられ、1種または2種以上組み合わせて使用できる。
本発明の粘着剤組成物を用いて粘着製品を得るには、用途や目的に応じて種々の方法を適用できる。以下には、本発明の粘着剤組成物が有機溶媒溶液の形態である場合に、該粘着剤組成物を用いて粘着製品を得る方法を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
本発明の粘着剤組成物は、例えば、粘着シート、粘着ラベル、粘着テープ、両面テープ等の各種粘着製品の製造に好適に用いることができる。このような粘着製品は、基材に粘着剤組成物を塗布、乾燥して粘着剤層を形成し、必要に応じて架橋反応させることにより製造される。本発明の粘着剤組成物から製造される粘着製品は光学用途に利用されるものであるが、光学用途以外の用途、例えば、電気絶縁、医療、塗装時のマスキング、製品の表面保護などにも利用してもよい。
基材としては用途に応じて適宜選択すればよいが、例えば、上質紙、クラフト紙、クレープ紙、グラシン紙等の従来公知の紙類;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリエチレンテレフテレート、ポリ塩化ビニル、セロファン等のプラスチック;織布、不織布等の繊維製品;アルミ箔、ガラスなどの無機基材等を利用できる。基材の形状は、例えば、フィルム状、シート状、テープ状、板状、発泡体等が挙げられるが、特に限定されるものではない。基材の片面に粘着剤組成物を公知の方法で塗布することによって、粘着シート、粘着テープ、粘着ラベル等を得ることができる。また、紙、合成紙、プラスチックフィルム等のシート状物に離型剤が塗布されている離型紙等に粘着剤組成物を塗布することにより、基材レス(単層構造)の粘着剤層が得られ、基材レスの両面テープとして使用することができる。また、上記基材の両面に同種または異種の粘着剤組成物を塗布して、両面テープとしてもよい。
粘着剤組成物を基材に塗布する方法は、特に限定されるものではなく、ロールコーティング法、スプレーコーティング法、ディッピング法等の公知の方法を採用することができる。この場合、粘着剤組成物を基材に直接塗布する方法、離型紙等に粘着剤組成物を塗布した後、この塗布物を基材上に転写する方法等いずれも採用可能である。
粘着剤組成物を塗布した後、乾燥させることにより基材上に粘着剤層が形成される。粘着剤組成物が架橋剤を含む場合は、乾燥工程で架橋反応を進行させることもできる。乾燥温度は、用いた有機溶媒の種類や粘着剤層の厚み、架橋反応の制御に応じて適宜選択すればよく、特に限定されるものではない。なお、用途によっては、粘着剤組成物を被着体に直接、塗布してもよい。
架橋剤を含む粘着剤組成物を用いて粘着剤層が形成された粘着製品は、養生することが好ましい。養生工程で架橋反応が促進されて、粘着特性の経時変化が抑制される傾向がある。特に、湿潤環境下での粘着特性の経時変化を抑制する観点から、加湿条件下で養生させて架橋反応を促進することが望ましい。
基材上に形成された粘着剤層の表面には、例えば、離型紙を貼着してもよい。粘着剤層表面を好適に保護・保存することができる。剥離紙は、粘着製品を使用する際に、粘着剤層表面から引き剥がされる。なお、シート状やテープ状等の基材の片面に粘着剤層が形成されている場合は、この基材の背面に公知の離型剤を塗布して離型剤層を形成しておけば、粘着剤層を内側にして、粘着シート(テープ)をロール状に巻くことにより、粘着剤層は、基材背面の離型剤層と当接することとなるので、粘着剤層表面が保護・保存される
次に本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りがない限り、「部」は「質量部」を意味し、「%」は「質量%」を意味する。
<粘着剤組成物の調製>
[実施例1]
温度計、撹拌機、窒素ガス導入管、還流冷却器および滴下ロートを備えた4つ口フラスコに、アクリル酸−2−エチルヘキシル(2EHA)95.7部、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル(HEA)0.3部およびα−アリルオキシメチルアクリル酸メチル(MeAMA)4.0部からなるモノマー組成物100部のうち40部と、酢酸エチルを40部加えて昇温し、84℃になったところでナイパーBMT−K40(日油社製)を0.04部添加して重合を開始した。重合開始後、10分経過して、モノマー組成物の残り60部と酢酸エチル40部とナイパーBMT−K40を0.06部混合した物を、90分間に亘って均一に滴下した。還流温度で重合を続けた。
<粘着剤組成物の調製>
[実施例1]
温度計、撹拌機、窒素ガス導入管、還流冷却器および滴下ロートを備えた4つ口フラスコに、アクリル酸−2−エチルヘキシル(2EHA)95.7部、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル(HEA)0.3部およびα−アリルオキシメチルアクリル酸メチル(MeAMA)4.0部からなるモノマー組成物100部のうち40部と、酢酸エチルを40部加えて昇温し、84℃になったところでナイパーBMT−K40(日油社製)を0.04部添加して重合を開始した。重合開始後、10分経過して、モノマー組成物の残り60部と酢酸エチル40部とナイパーBMT−K40を0.06部混合した物を、90分間に亘って均一に滴下した。還流温度で重合を続けた。
滴下が終了してから90分後に、パーブチルO(日油社製)を0.3部とトルエン50部を添加し、さらに還流温度で240分間熟成してから室温まで冷却し反応を終了させ、無色透明の粘着剤用ポリマー溶液を得た。
上記粘着剤用ポリマー溶液に、トルエン20部と粘着付与剤(「パインクリスタル KE−311」;荒川化学工業社製;超淡色ロジンエステル)20部との混合物を加えた。この粘着付与剤含有樹脂溶液100部に対し、架橋剤としてコロネートL−55E(日本ポリウレタン社製の多官能イソシアネート化合物:固形分55%)を1.0部(ウエット)加えてよくかき混ぜて粘着剤組成物を調製した。
[実施例2〜3、比較例1〜2]
モノマー組成物の組成を表1に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様にして粘着剤組成物を得た。
モノマー組成物の組成を表1に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様にして粘着剤組成物を得た。
なお、上記表中の略号が表す化合物は、次の通りである。
2EHA:アクリル酸2−エチルヘキシル、HEA:アクリル酸2−ヒドロキシエチル、MeAMA:α−アリルオキシメチルアクリル酸メチル、NVP:N−ビニルピロリドン、AA:アクリル酸
[実施例4]
モノマー組成物としてアクリル酸−2−エチルヘキシル(2EHA)95.5部、α−アリルオキシメチルアクリル酸メチル(MeAMA)4.0部、アクリル酸(AA)0.5からなるモノマー組成物100部を用い、架橋剤としてエポキシ系架橋剤(商品名「テトラッドC」、三菱ガス化学社製)を用いたこと以外は実施例1と同様にして粘着剤組成物を得た。
2EHA:アクリル酸2−エチルヘキシル、HEA:アクリル酸2−ヒドロキシエチル、MeAMA:α−アリルオキシメチルアクリル酸メチル、NVP:N−ビニルピロリドン、AA:アクリル酸
[実施例4]
モノマー組成物としてアクリル酸−2−エチルヘキシル(2EHA)95.5部、α−アリルオキシメチルアクリル酸メチル(MeAMA)4.0部、アクリル酸(AA)0.5からなるモノマー組成物100部を用い、架橋剤としてエポキシ系架橋剤(商品名「テトラッドC」、三菱ガス化学社製)を用いたこと以外は実施例1と同様にして粘着剤組成物を得た。
<粘着剤組成物の評価>
[実施例5]
実施例1で得た粘着剤組成物を用いて、以下のようにして各特性の評価を行った。結果を表2に示す。
(透明性)
基材としてポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東レ社製、厚さ50μm)を用い、粘着剤組成物を乾燥後の厚さが100μmとなるように塗布した後、100℃で3分間乾燥させた。室温まで冷却後、目視で着色の有無を観察したところ、無色透明であった。これを初期の透明性とした。さらに、加速試験として温度120℃、湿度100%、圧力2atmの環境下に24時間放置してから取り出して着色の有無を観察したところ、無色透明であった。これを経時の透明性とした。結果を表2に示す。
(粘着力)
基材としてポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東レ社製、厚さ50μm)を用い、粘着剤組成物を乾燥後の厚さが30μmとなるように塗布した後、100℃で3分間乾燥させた。その後、粘着剤層表面に離型紙(サンエー化研株式会社製、商品名K−80HS)を貼着して保護した後、温度23℃、相対湿度65%の雰囲気下で7日間養生し、粘着テープ試料を得た。得られた粘着テープ試料を用いて、被着体に対する粘着力を次のように測定した。なお、被着体としては、SUS304ステンレス鋼板(SUS板)とポリエチレン板(PE板)の2種類を用いた。
粘着テープ試料を、23℃、相対湿度65%の雰囲気下で、被着体に2kgのゴムローラで貼り付け、ゴムローラが粘着テープ試料上を合計で3往復するように圧着する。貼り付け面積は25mm×100mmである。圧着してから25分後に、23℃、相対湿度65%の雰囲気下、引張試験機を用い、被着体と粘着テープ試料のフィルム部分(粘着層が塗布されていない部分)とをそれぞれ保持し、速度300mm/分で試料を180゜方向に引っ張って、被着体から剥離させた時の強度[N/25mm]を測定し、この剥離強度[N/25mm]を粘着力とした。結果を表2に示す。
(80℃保持力)
粘着力の評価試験と同様にして粘着テープ試料を作製し、次のようにして80℃保持力を測定した。
粘着テープ試料を、23℃、相対湿度65%の雰囲気下で、被着体に2kgのゴムローラで貼り付け、ゴムローラが粘着テープ試料上を合計で3往復するように圧着する。貼り付け面積は25mm×100mmである。80℃に設定した保持力試験機の中に鉛直に吊り下げ、20分放置する。20分経過したら、試料に9.8Nの重りを掛ける。従って、負荷は、1.568N/cm2となる。そして、重りを掛けてから、試料がステンレス鋼板から落下するまでの時間[hr]を測定し、これを初期80℃保持力[hr]とした。
さらに、粘着力の評価試験と同様にして作製した粘着テープ試料を、作製後、40℃、乾燥状態で20日間放置してから上記と同様にして試料がステンレス鋼板から落下するまでの時間[hr]を測定し、これを経時80℃保持力[hr]とした。
初期80℃保持力、経時80℃保持力、経時と初期の比を表2に示す。なお、80℃保持力は一定の範囲(0.5〜5)であることが好ましく、「経時/初期」は1に近いほど好ましい。
(耐曲面貼り性)
粘着力の評価試験と同様にして粘着テープ試料を作製し、次のようにして耐曲面貼り性を評価した。
温度23℃、相対湿度65%の雰囲気下で、ポリプロピレン製の円柱(直径15mm)の円周に沿って、半周分の長さに相当する幅10mmの粘着テープ試料を貼り付け、3日後に粘着テープ試料の浮き状態を観察した。浮き状態は、図1に示した基準で判断し、これを初期耐曲面貼り性とした。さらに、粘着力の評価試験と同様にして作製した粘着テープ試料を、作製後、40℃、乾燥状態で20日間放置してから上記と同様にして耐曲面貼り性を評価し、これを経時耐曲面貼り性とした。結果を表2に示す。
[実施例5]
実施例1で得た粘着剤組成物を用いて、以下のようにして各特性の評価を行った。結果を表2に示す。
(透明性)
基材としてポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東レ社製、厚さ50μm)を用い、粘着剤組成物を乾燥後の厚さが100μmとなるように塗布した後、100℃で3分間乾燥させた。室温まで冷却後、目視で着色の有無を観察したところ、無色透明であった。これを初期の透明性とした。さらに、加速試験として温度120℃、湿度100%、圧力2atmの環境下に24時間放置してから取り出して着色の有無を観察したところ、無色透明であった。これを経時の透明性とした。結果を表2に示す。
(粘着力)
基材としてポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東レ社製、厚さ50μm)を用い、粘着剤組成物を乾燥後の厚さが30μmとなるように塗布した後、100℃で3分間乾燥させた。その後、粘着剤層表面に離型紙(サンエー化研株式会社製、商品名K−80HS)を貼着して保護した後、温度23℃、相対湿度65%の雰囲気下で7日間養生し、粘着テープ試料を得た。得られた粘着テープ試料を用いて、被着体に対する粘着力を次のように測定した。なお、被着体としては、SUS304ステンレス鋼板(SUS板)とポリエチレン板(PE板)の2種類を用いた。
粘着テープ試料を、23℃、相対湿度65%の雰囲気下で、被着体に2kgのゴムローラで貼り付け、ゴムローラが粘着テープ試料上を合計で3往復するように圧着する。貼り付け面積は25mm×100mmである。圧着してから25分後に、23℃、相対湿度65%の雰囲気下、引張試験機を用い、被着体と粘着テープ試料のフィルム部分(粘着層が塗布されていない部分)とをそれぞれ保持し、速度300mm/分で試料を180゜方向に引っ張って、被着体から剥離させた時の強度[N/25mm]を測定し、この剥離強度[N/25mm]を粘着力とした。結果を表2に示す。
(80℃保持力)
粘着力の評価試験と同様にして粘着テープ試料を作製し、次のようにして80℃保持力を測定した。
粘着テープ試料を、23℃、相対湿度65%の雰囲気下で、被着体に2kgのゴムローラで貼り付け、ゴムローラが粘着テープ試料上を合計で3往復するように圧着する。貼り付け面積は25mm×100mmである。80℃に設定した保持力試験機の中に鉛直に吊り下げ、20分放置する。20分経過したら、試料に9.8Nの重りを掛ける。従って、負荷は、1.568N/cm2となる。そして、重りを掛けてから、試料がステンレス鋼板から落下するまでの時間[hr]を測定し、これを初期80℃保持力[hr]とした。
さらに、粘着力の評価試験と同様にして作製した粘着テープ試料を、作製後、40℃、乾燥状態で20日間放置してから上記と同様にして試料がステンレス鋼板から落下するまでの時間[hr]を測定し、これを経時80℃保持力[hr]とした。
初期80℃保持力、経時80℃保持力、経時と初期の比を表2に示す。なお、80℃保持力は一定の範囲(0.5〜5)であることが好ましく、「経時/初期」は1に近いほど好ましい。
(耐曲面貼り性)
粘着力の評価試験と同様にして粘着テープ試料を作製し、次のようにして耐曲面貼り性を評価した。
温度23℃、相対湿度65%の雰囲気下で、ポリプロピレン製の円柱(直径15mm)の円周に沿って、半周分の長さに相当する幅10mmの粘着テープ試料を貼り付け、3日後に粘着テープ試料の浮き状態を観察した。浮き状態は、図1に示した基準で判断し、これを初期耐曲面貼り性とした。さらに、粘着力の評価試験と同様にして作製した粘着テープ試料を、作製後、40℃、乾燥状態で20日間放置してから上記と同様にして耐曲面貼り性を評価し、これを経時耐曲面貼り性とした。結果を表2に示す。
[実施例6〜7、比較例3〜4]
用いた粘着剤組成物を表2に示すように変更したこと以外は、実施例5と同様にして評価した。結果を表2に示す。
用いた粘着剤組成物を表2に示すように変更したこと以外は、実施例5と同様にして評価した。結果を表2に示す。
表2から、実施例5〜7は比較例3〜4と同等の粘着特性を示しながら、透明性が改善されていることが分かる。したがって、本発明の粘着剤組成物は、高度の透明性が求められる光学用途へ好適に適用できる。
Claims (2)
- 粘着剤用ポリマーと架橋剤を必須的に含む光学粘着剤組成物であって、該粘着剤用ポリマーは、炭素数2〜18のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルと、式(A):
- 請求項1に記載の粘着剤組成物からなる粘着剤層を備える粘着製品。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2013
- 2013-06-19 JP JP2013128928A patent/JP2015003959A/ja active Pending
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