JP2015003293A - 静電スプレー製膜方法および静電スプレー製膜装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】製膜状態の安定化を図る。【解決手段】被製膜物としての基板2とノズル4との間に電圧を印加しながらノズル4から噴霧液を噴霧させ、基板2に製膜を行う静電スプレー製膜方法が開示されている。かかる製膜方法では、製膜状態を安定化させるための一定の印加電圧を検査する工程と、事前に検査した前記一定の印加電圧で噴霧液を噴霧させる工程と、を備える。【選択図】図1
Description
本発明は静電スプレー製膜方法および静電スプレー製膜装置にかかり、特に製膜状態の安定化(膜厚の均一性や膜表面の平滑性など)を図ることができる技術に関する。
有機エレクトロルミネッセンス素子や有機薄膜太陽電池などの有機薄膜デバイスの製造方法としては、蒸着法や、ウェットプロセス(スピンコート法、キャスト法、インクジェット法、スプレー法、印刷法)などがある。近年では、真空プロセスを必要とせず、連続生産が簡便であるという理由で、ウェットプロセスによる製造方法が注目されている。
しかしながら、ウェットプロセスによる有機薄膜デバイスは、蒸着による有機薄膜デバイスに比べて、素子性能(特に寿命)に関して十分な性能が発揮されないことが一般的に知られている。具体的には、ウェットプロセスによる製造の場合では、有機薄膜の積層時に下地を溶かしてしまう、または上層の溶媒が下地に浸透してしまうためミキシング(層混合)が起きてしまう、といった問題があり、これらの現象が十分な性能を引き出せない要因の1つになっている。
このため、溶剤による影響が少なく、非真空中でも大面積化を図れる有機薄膜の製膜方法が待ち望まれている。これを解決するための手段として、特許文献1、2の技術(静電スプレー法(ESD法;Electro Spray Deposition))が提案されている。特許文献1、2の静電スプレー製膜方法では、被成膜物としての基板(ガラス基板、PETフィルムなど)とノズルとの間に電圧を印加するとともに、噴霧液を正または負に静電帯電させ、かかる噴霧液を、ノズルから基板に対して噴霧し、クーロン力で引きつけ製膜をおこなっている。
しかしながら、ウェットプロセスによる有機薄膜デバイスは、蒸着による有機薄膜デバイスに比べて、素子性能(特に寿命)に関して十分な性能が発揮されないことが一般的に知られている。具体的には、ウェットプロセスによる製造の場合では、有機薄膜の積層時に下地を溶かしてしまう、または上層の溶媒が下地に浸透してしまうためミキシング(層混合)が起きてしまう、といった問題があり、これらの現象が十分な性能を引き出せない要因の1つになっている。
このため、溶剤による影響が少なく、非真空中でも大面積化を図れる有機薄膜の製膜方法が待ち望まれている。これを解決するための手段として、特許文献1、2の技術(静電スプレー法(ESD法;Electro Spray Deposition))が提案されている。特許文献1、2の静電スプレー製膜方法では、被成膜物としての基板(ガラス基板、PETフィルムなど)とノズルとの間に電圧を印加するとともに、噴霧液を正または負に静電帯電させ、かかる噴霧液を、ノズルから基板に対して噴霧し、クーロン力で引きつけ製膜をおこなっている。
特許文献1、2の静電スプレー製膜方法では、噴霧液をコーン(円錐状の水柱(霧)を形成する現象)で噴霧するのが理想とされるが、これを実現しようとすると、噴霧液が液滴として間欠的に吐出されたり、線状(霧状に拡散せずに水柱が直線状となる現象)に吐出されたりして、未だ製膜状態の安定化を図るのが困難となっている。
このような不都合に対し発明者が検討したところ、下記のような要因があるのではないかと考察された。
すなわち、静電スプレー製膜方法では、図8に示すとおり、ノズルと基板との間に印加する電圧を上昇させると、ポイント1からポイント2を経てポイント3に至るまでは噴霧液が間欠的に吐出され、ポイント3からポイント4までの間で噴霧液がコーンで噴霧される。その後、印加電圧が低下しポイント4からポイント3に戻るときは噴霧液がコーンで噴霧されるが、ポイント3からポイント5までの間はヒステリシスの状態となり、噴霧液がコーンで噴霧されたり間欠的に吐出されたり変動して不安定となる。逆に、印加電圧が増大しポイント4からポイント6までの間は噴霧液が線状に吐出される。
つまり、従来の静電スプレー製膜方法では、ポイント3とポイント4との間の印加電圧で噴霧すべきであるのに、かかる範囲が明確に認識されずに、ポイント3とポイント5との間で噴霧されたり、ポイント4とポイント6との間で噴霧されたりしていると考察された。
したがって、本発明の主な目的は、上記考察に基づき、製膜状態の安定化を図ることができる静電スプレー製膜方法および静電スプレー製膜装置を提供することにある。
このような不都合に対し発明者が検討したところ、下記のような要因があるのではないかと考察された。
すなわち、静電スプレー製膜方法では、図8に示すとおり、ノズルと基板との間に印加する電圧を上昇させると、ポイント1からポイント2を経てポイント3に至るまでは噴霧液が間欠的に吐出され、ポイント3からポイント4までの間で噴霧液がコーンで噴霧される。その後、印加電圧が低下しポイント4からポイント3に戻るときは噴霧液がコーンで噴霧されるが、ポイント3からポイント5までの間はヒステリシスの状態となり、噴霧液がコーンで噴霧されたり間欠的に吐出されたり変動して不安定となる。逆に、印加電圧が増大しポイント4からポイント6までの間は噴霧液が線状に吐出される。
つまり、従来の静電スプレー製膜方法では、ポイント3とポイント4との間の印加電圧で噴霧すべきであるのに、かかる範囲が明確に認識されずに、ポイント3とポイント5との間で噴霧されたり、ポイント4とポイント6との間で噴霧されたりしていると考察された。
したがって、本発明の主な目的は、上記考察に基づき、製膜状態の安定化を図ることができる静電スプレー製膜方法および静電スプレー製膜装置を提供することにある。
上記課題を解決するため本発明の一態様によれば、
被製膜物としての基板とノズルとの間に電圧を印加しながら前記ノズルから噴霧液を噴霧させ、前記基板に製膜を行う静電スプレー製膜方法であって、
製膜状態を安定化させるための一定の印加電圧を検査する工程と、
事前に検査した前記一定の印加電圧で噴霧液を噴霧させる工程と、
を備えることを特徴とする静電スプレー製膜方法が提供される。
被製膜物としての基板とノズルとの間に電圧を印加しながら前記ノズルから噴霧液を噴霧させ、前記基板に製膜を行う静電スプレー製膜方法であって、
製膜状態を安定化させるための一定の印加電圧を検査する工程と、
事前に検査した前記一定の印加電圧で噴霧液を噴霧させる工程と、
を備えることを特徴とする静電スプレー製膜方法が提供される。
本発明の他の態様によれば、
噴霧液を噴霧するノズルと、
被製膜物としての基板と前記ノズルとの間に電圧を印加する電源と、
前記ノズルおよび前記電源を制御する制御装置と、
を備える静電スプレー製膜装置であって、
前記制御装置が、前記ノズルおよび前記電源を制御して、製膜状態を安定化させるための一定の印加電圧を検査し、事前に検査した前記一定の印加電圧で前記ノズルから噴霧液を噴霧させることを特徴とする静電スプレー製膜装置が提供される。
噴霧液を噴霧するノズルと、
被製膜物としての基板と前記ノズルとの間に電圧を印加する電源と、
前記ノズルおよび前記電源を制御する制御装置と、
を備える静電スプレー製膜装置であって、
前記制御装置が、前記ノズルおよび前記電源を制御して、製膜状態を安定化させるための一定の印加電圧を検査し、事前に検査した前記一定の印加電圧で前記ノズルから噴霧液を噴霧させることを特徴とする静電スプレー製膜装置が提供される。
本発明によれば、製膜状態の安定化を図ることができる。
以下、図面を参照しながら本発明の好ましい実施形態を説明する。
[第1の実施形態]
本実施形態にかかる静電スプレー製膜装置は、ノズル走査型で基板固定型の製膜装置である。
図1に示すとおり、静電スプレー製膜装置1には基板2が設置される。基板2は、その表面が導電性を有しており、被製膜物である。基板2としては、たとえば、ガラス基板や樹脂フィルムなどが使用される。
基板2の上方には、噴霧液を噴霧するためのノズル4が設置されている。ノズル4は走査型のノズルであり、被製膜物である基板2上で走査される。ノズル4にはポンプ6が接続されている。ポンプ6にはタンク8が接続されており、タンク8には噴霧液が貯留される。
導電性表面を有する基板2とノズル4との間には直流電源10が設置されている。基板2側には直流電源10の負極が接続され、基板2が導電性表面を有するようになっている。詳しくは、静電スプレー製膜装置1では、基板2を支持するための金属板が設置され、その金属板に直流電源10の負極が接続され、その結果、金属板に支持(固定)された基板2が導電性表面を有するようになっている。ノズル4側には直流電源10の正極が接続され、噴霧液を正に帯電しうるようになっている。なお、基板2側には直流電源10の正極が接続され、ノズル4側には直流電源10の負極が接続され、噴霧液を負に帯電しうるようしてもよい。
本実施形態にかかる静電スプレー製膜装置は、ノズル走査型で基板固定型の製膜装置である。
図1に示すとおり、静電スプレー製膜装置1には基板2が設置される。基板2は、その表面が導電性を有しており、被製膜物である。基板2としては、たとえば、ガラス基板や樹脂フィルムなどが使用される。
基板2の上方には、噴霧液を噴霧するためのノズル4が設置されている。ノズル4は走査型のノズルであり、被製膜物である基板2上で走査される。ノズル4にはポンプ6が接続されている。ポンプ6にはタンク8が接続されており、タンク8には噴霧液が貯留される。
導電性表面を有する基板2とノズル4との間には直流電源10が設置されている。基板2側には直流電源10の負極が接続され、基板2が導電性表面を有するようになっている。詳しくは、静電スプレー製膜装置1では、基板2を支持するための金属板が設置され、その金属板に直流電源10の負極が接続され、その結果、金属板に支持(固定)された基板2が導電性表面を有するようになっている。ノズル4側には直流電源10の正極が接続され、噴霧液を正に帯電しうるようになっている。なお、基板2側には直流電源10の正極が接続され、ノズル4側には直流電源10の負極が接続され、噴霧液を負に帯電しうるようしてもよい。
図2に示すとおり、静電スプレー製膜装置1は制御装置20を有している。
制御装置20にはノズル4、ポンプ6および直流電源10が接続されている。本実施形態では、制御装置20が、ノズル4の走査・噴霧(吐出)やポンプ6の作動、直流電源10による基板2とノズル4との間の印加電圧などを制御するようになっている。
さらに制御装置20には噴霧状態検査装置22が接続されている。噴霧状態検査装置22はノズル4からの噴霧液の噴霧状態(間欠的な吐出、コーンでの噴霧、線状の吐出のいずれかの状態)を検査する装置である。本実施形態では、制御装置20が、噴霧状態検査装置22の検査結果を受けて噴霧液の噴霧状態を把握しうるようになっている。
噴霧状態検査装置22としては、たとえば、レーザーシート光源とCCD(Charge Coupled Device)カメラとを組み合わせた態様や、レーザー光源と受光素子とを組み合わせた態様などがある。前者の態様によれば、噴霧液に対しレーザーシート光を照射してCCDカメラで撮像し、その像を2値化して噴霧形状を可視化しながら、噴霧状態を検査しうる。後者の態様によれば、噴霧液に対しレーザー光を照射してその透過光または反射光を受光素子で受光し、噴霧液のエッジを計測しながら、噴霧状態を検査しうる。これらの態様は噴霧状態検査装置22の一例であり、これらに限らず、噴霧液の噴霧状態を検査することが可能であれば他の態様が採用されてもよい。
制御装置20にはノズル4、ポンプ6および直流電源10が接続されている。本実施形態では、制御装置20が、ノズル4の走査・噴霧(吐出)やポンプ6の作動、直流電源10による基板2とノズル4との間の印加電圧などを制御するようになっている。
さらに制御装置20には噴霧状態検査装置22が接続されている。噴霧状態検査装置22はノズル4からの噴霧液の噴霧状態(間欠的な吐出、コーンでの噴霧、線状の吐出のいずれかの状態)を検査する装置である。本実施形態では、制御装置20が、噴霧状態検査装置22の検査結果を受けて噴霧液の噴霧状態を把握しうるようになっている。
噴霧状態検査装置22としては、たとえば、レーザーシート光源とCCD(Charge Coupled Device)カメラとを組み合わせた態様や、レーザー光源と受光素子とを組み合わせた態様などがある。前者の態様によれば、噴霧液に対しレーザーシート光を照射してCCDカメラで撮像し、その像を2値化して噴霧形状を可視化しながら、噴霧状態を検査しうる。後者の態様によれば、噴霧液に対しレーザー光を照射してその透過光または反射光を受光素子で受光し、噴霧液のエッジを計測しながら、噴霧状態を検査しうる。これらの態様は噴霧状態検査装置22の一例であり、これらに限らず、噴霧液の噴霧状態を検査することが可能であれば他の態様が採用されてもよい。
続いて、静電スプレー製膜装置1を用いた静電スプレー製膜方法について説明する。
静電スプレー製膜方法では、主に、(1)〜(2)の工程の処理を実行する。
(1)製膜状態を安定化させるための最適な印加電圧を事前に検査する
(2)事前に検査した最適の印加電圧で噴霧液を噴霧する
(1)製膜状態を安定化させるための最適な印加電圧を事前に検査する
(2)事前に検査した最適の印加電圧で噴霧液を噴霧する
(1)の工程では、まず、噴霧液の種類やノズル4の噴霧圧、基板2とノズル4との距離などの噴霧条件を設定する。その後、設定した噴霧条件下で、制御装置20によりノズル4、ポンプ6および直流電源10を制御して、基板2とノズル4との間の印加電圧を増減させながらノズル4から噴霧液を噴霧し、図8に示すポイント3とポイント4との間の印加電圧を探索し、製膜状態を安定化させるための最適な印加電圧を決定する。
「製膜状態を安定化させるための最適な印加電圧」かどうかの判定は、基本的には、間欠的な吐出、コーンでの噴霧、線状の吐出の各噴霧状態の切り替わりが徐々に起こることが多く、噴霧条件によってもその切り替わりが変動するため、噴霧状態検査装置22の検査結果から制御装置20により噴霧状態を把握しながら、所望の製膜状態が実現しうる電圧を基準とする。
たとえば、ある噴霧条件における最適な印加電圧の一例を下記に示す。
表1上欄中、「THF」はテトラヒドロフランを、「DMSO」はジメチルスルホキシドを、「TPD」は(N,N'-Bis(3-methylphenyl)-N,N'-bis(phenyl)-benzidine)を、それぞれ示す。
表1下欄中、「×」は噴霧されないまたは間欠的な吐出状態を、「○」はコーンでの噴霧状態を、「△」は線状の吐出状態を、「○△」はコーンでの噴霧状態か線状の吐出状態かの判断が困難な状態を、それぞれ示す。
「製膜状態を安定化させるための最適な印加電圧」かどうかの判定は、基本的には、間欠的な吐出、コーンでの噴霧、線状の吐出の各噴霧状態の切り替わりが徐々に起こることが多く、噴霧条件によってもその切り替わりが変動するため、噴霧状態検査装置22の検査結果から制御装置20により噴霧状態を把握しながら、所望の製膜状態が実現しうる電圧を基準とする。
たとえば、ある噴霧条件における最適な印加電圧の一例を下記に示す。
表1上欄中、「THF」はテトラヒドロフランを、「DMSO」はジメチルスルホキシドを、「TPD」は(N,N'-Bis(3-methylphenyl)-N,N'-bis(phenyl)-benzidine)を、それぞれ示す。
表1下欄中、「×」は噴霧されないまたは間欠的な吐出状態を、「○」はコーンでの噴霧状態を、「△」は線状の吐出状態を、「○△」はコーンでの噴霧状態か線状の吐出状態かの判断が困難な状態を、それぞれ示す。
上記例では、上欄の噴霧条件において、送液量が2μL/分のときは、最適な印加電圧は8kVであり、送液量が4μL/分および8μL/分のときは、最適な印加電圧は8〜10kVである。
(2)の工程では、図3左側に示すとおり、制御装置20によりノズル4を制御して、ノズル4を待機領域30に待機させる。これと同時に、制御装置20により直流電源10を制御して、探索・決定した最適な印加電圧を基板2とノズル4との間に印加する。ここでは、電圧を印加するのみで、ノズル4から噴霧液を噴霧させない。
なお、噴霧条件に応じた最適な印加電圧があらかじめ制御装置20に記憶され、(2)の工程において基板2とノズル4との間に印加されてもよい。
なお、噴霧条件に応じた最適な印加電圧があらかじめ制御装置20に記憶され、(2)の工程において基板2とノズル4との間に印加されてもよい。
その後、図3右側に示すとおり、制御装置20によりノズル4を制御して、ノズル4を製膜領域40に移動させるとともに、制御装置20により直流電源10を制御して、探索・決定した最適な印加電圧を基板2とノズル4との間に印加したまま、その状態で制御装置20によりノズル4およびポンプ6を制御して、ノズル4を走査しながら噴霧液をノズル4から噴霧させる。
その結果、正に帯電した噴霧液が液滴として飛翔し、その液滴がクーロン力に吸引され、その途中で噴霧液中の溶媒が蒸発して微粒化され、最終的に基板2に着弾する。このような動作が繰り返され、基板2上に噴霧液の成分による有機薄膜が製膜(堆積)される。
なお、噴霧液の噴霧中も、噴霧状態検査装置22を作動させその検査結果から制御装置20により噴霧状態を把握し、噴霧液の噴霧前に探索・決定した最適な印加電圧を調整してもよい。すなわち、噴霧状態検査装置22の検査結果を、噴霧中の印加電圧にフィードバックしてもよい。
なお、噴霧液の噴霧中も、噴霧状態検査装置22を作動させその検査結果から制御装置20により噴霧状態を把握し、噴霧液の噴霧前に探索・決定した最適な印加電圧を調整してもよい。すなわち、噴霧状態検査装置22の検査結果を、噴霧中の印加電圧にフィードバックしてもよい。
以上の本実施形態によれば、(1)の工程で最適な印加電圧を事前に検査し、(2)の工程では、事前に検査した最適な印加電圧を印加し、その最適な印加電圧を維持したまま噴霧液の供給の有無を切り替えている。そのため、(1)の工程で検査した最適な印加電圧が(2)の工程でそのまま印加され、簡単な構成で、製膜状態の安定化を図ることができる。
さらに、(2)の工程では、ノズル4を待機領域30に待機させている間に、基板2とノズル4との間に電圧を印加するため、ノズル4の目詰まりやノズル4の噴霧液への異物混入(コンタミネーション)も防止することができる。
さらに、(2)の工程では、ノズル4を待機領域30に待機させている間に、基板2とノズル4との間に電圧を印加するため、ノズル4の目詰まりやノズル4の噴霧液への異物混入(コンタミネーション)も防止することができる。
[変形例]
本実施形態では、ノズル4の数を増やしノズル4ごとに製膜してもよい。
たとえば、図4に示すとおり、2つのノズル4A、4Bを設置し、ノズル4Aには直流電源10Aを、ノズル4Bには直流電源10Bをそれぞれ接続する。図示しないが、ノズル4A、4Bにはそれぞれポンプおよびタンクも接続する。
有機薄膜を製膜するときは、制御装置20によりノズル4A、4Bおよび直流電源10A、10Bを制御して、上記(1)〜(2)の処理を、ノズル4A、4Bおよび直流電源10A、10Bごとに実行すればよい。
本変形例によれば、ノズル4A、4Bごとに製膜が可能であるため、ノズル4が単体で設置される場合に比較して、ストライプ状や格子状、千鳥状などの製膜パターンを瞬時に形成することができる。
本実施形態では、ノズル4の数を増やしノズル4ごとに製膜してもよい。
たとえば、図4に示すとおり、2つのノズル4A、4Bを設置し、ノズル4Aには直流電源10Aを、ノズル4Bには直流電源10Bをそれぞれ接続する。図示しないが、ノズル4A、4Bにはそれぞれポンプおよびタンクも接続する。
有機薄膜を製膜するときは、制御装置20によりノズル4A、4Bおよび直流電源10A、10Bを制御して、上記(1)〜(2)の処理を、ノズル4A、4Bおよび直流電源10A、10Bごとに実行すればよい。
本変形例によれば、ノズル4A、4Bごとに製膜が可能であるため、ノズル4が単体で設置される場合に比較して、ストライプ状や格子状、千鳥状などの製膜パターンを瞬時に形成することができる。
[第2の実施形態]
第2の実施形態は下記の点で第1の実施形態と異なっており、それ以外の構成や作用などは第1の実施形態と同様である。
本実施形態にかかる静電スプレー製膜装置は、ノズル固定型で基板搬送型の製膜装置である。
本実施形態では、被製膜物である基板2を搬送するための搬送機構50(図5参照)が設けられ、ノズル4が固定式ノズルとなっている。基板2としては好ましくは長尺な樹脂フィルムなどが使用される。搬送機構50は制御装置20に接続され、制御装置20が搬送機構50の動作を制御するようになっている。
第2の実施形態は下記の点で第1の実施形態と異なっており、それ以外の構成や作用などは第1の実施形態と同様である。
本実施形態にかかる静電スプレー製膜装置は、ノズル固定型で基板搬送型の製膜装置である。
本実施形態では、被製膜物である基板2を搬送するための搬送機構50(図5参照)が設けられ、ノズル4が固定式ノズルとなっている。基板2としては好ましくは長尺な樹脂フィルムなどが使用される。搬送機構50は制御装置20に接続され、制御装置20が搬送機構50の動作を制御するようになっている。
静電スプレー製膜方法における(2)の工程では、図6左側に示すとおり、制御装置20により搬送機構50を制御して、基板2を助走搬送させる。「助走搬送」とは、製膜前の予備的な搬送であって、搬送速度や基板2の搬送状態を安定させるための搬送である。これと同時に、制御装置20によりノズル4、ポンプ6および直流電源10を制御して、ノズル4から噴霧液を噴霧させながら、基板2とノズル4との間の印加電圧を増減させ最適な印加電圧に調整する。
その後、基板2とノズル4との間の印加電圧が最適な印加電圧に達したときに、図6右側に示すとおり、制御装置20によりノズル4、ポンプ6および直流電源10を制御して、その最適な印加電圧で噴霧液をノズル4から噴霧したまま、その状態で制御装置20により搬送機構50を制御して、基板2を正常搬送させる。「正常搬送」とは、製膜のための搬送であって、搬送速度や基板2の搬送状態が安定している搬送である。
なお、本実施形態でも、噴霧液の噴霧中において、噴霧状態検査装置22を作動させその検査結果から制御装置20により噴霧状態を把握し、噴霧液の噴霧前に探索・決定した最適な印加電圧を調整してもよい。
なお、本実施形態でも、噴霧液の噴霧中において、噴霧状態検査装置22を作動させその検査結果から制御装置20により噴霧状態を把握し、噴霧液の噴霧前に探索・決定した最適な印加電圧を調整してもよい。
以上の本実施形態によれば、(2)の工程では、助走期間60と製膜期間70とを設けて、助走期間60において事前に検査した最適な印加電圧に調整し、その最適な印加電圧で噴霧液を噴霧したまま、製膜期間70において基板2の搬送を助走搬送から正常搬送に切り替えている。かかる場合も、(1)の工程で検査した最適な印加電圧が(2)の工程でそのまま印加され、簡単な構成で、製膜状態の安定化を図ることができる。
さらに、(2)の工程では、助走期間60において、基板2とノズル4との間に電圧を印加するため、ノズル4の目詰まりやノズル4の噴霧液への異物混入(コンタミネーション)も防止することができるし、助走期間60と製膜期間70とで、最適な印加電圧に調整してから製膜し始めるため、製膜状態の安定化をより確実に図ることができる。
さらに、(2)の工程では、助走期間60において、基板2とノズル4との間に電圧を印加するため、ノズル4の目詰まりやノズル4の噴霧液への異物混入(コンタミネーション)も防止することができるし、助走期間60と製膜期間70とで、最適な印加電圧に調整してから製膜し始めるため、製膜状態の安定化をより確実に図ることができる。
[変形例]
本実施形態でも、ノズル4の数を増やしノズル4ごとに製膜してもよい。
たとえば、図7に示すとおり、2つのノズル4A、4Bを設置し、ノズル4Aには直流電源10Aを、ノズル4Bには直流電源10Bをそれぞれ接続し、制御装置20によりノズル4A、4Bおよび直流電源10A、10Bを制御して、上記(1)〜(2)の処理を、ノズル4A、4Bおよび直流電源10A、10Bごとに実行することができる。
本変形例によっても、ノズル4A、4Bごとに製膜が可能であるため、ノズル4が単体で設置される場合に比較して、ストライプ状や千鳥状などの製膜パターンを瞬時に形成することができる。
本実施形態でも、ノズル4の数を増やしノズル4ごとに製膜してもよい。
たとえば、図7に示すとおり、2つのノズル4A、4Bを設置し、ノズル4Aには直流電源10Aを、ノズル4Bには直流電源10Bをそれぞれ接続し、制御装置20によりノズル4A、4Bおよび直流電源10A、10Bを制御して、上記(1)〜(2)の処理を、ノズル4A、4Bおよび直流電源10A、10Bごとに実行することができる。
本変形例によっても、ノズル4A、4Bごとに製膜が可能であるため、ノズル4が単体で設置される場合に比較して、ストライプ状や千鳥状などの製膜パターンを瞬時に形成することができる。
1 静電スプレー製膜装置
2 基板
4(4A、4B) ノズル
6 ポンプ
8 タンク
10(10A、10B) 直流電源
20 制御装置
22 噴霧状態検査装置
30 待機領域
40 製膜領域
50 搬送機構
60 助走期間
70 製膜期間
2 基板
4(4A、4B) ノズル
6 ポンプ
8 タンク
10(10A、10B) 直流電源
20 制御装置
22 噴霧状態検査装置
30 待機領域
40 製膜領域
50 搬送機構
60 助走期間
70 製膜期間
Claims (6)
- 被製膜物としての基板とノズルとの間に電圧を印加しながら前記ノズルから噴霧液を噴霧させ、前記基板に製膜を行う静電スプレー製膜方法であって、
製膜状態を安定化させるための一定の印加電圧を検査する工程と、
事前に検査した前記一定の印加電圧で噴霧液を噴霧させる工程と、
を備えることを特徴とする静電スプレー製膜方法。 - 請求項1に記載の静電スプレー製膜方法において、
噴霧液を噴霧させる工程が、
噴霧液を噴霧せずに前記一定の印加電圧を印加する工程と、
前記一定の印加電圧を印加したまま噴霧液を噴霧する工程と、
を有することを特徴とする静電スプレー製膜方法。 - 請求項1に記載の静電スプレー製膜方法において、
噴霧液を噴霧させる工程が、
前記基板を助走搬送させるとともに、噴霧液を噴霧させながら印加電圧を増減させ前記一定の印加電圧に調整する工程と、
印加電圧が前記一定の印加電圧に達したときに、前記一定の印加電圧で噴霧液を噴霧させたまま、前記基板を正常搬送させる工程と、
を有することを特徴とする静電スプレー製膜方法。 - 噴霧液を噴霧するノズルと、
被製膜物としての基板と前記ノズルとの間に電圧を印加する電源と、
前記ノズルおよび前記電源を制御する制御装置と、
を備える静電スプレー製膜装置であって、
前記制御装置が、前記ノズルおよび前記電源を制御して、製膜状態を安定化させるための一定の印加電圧を検査し、事前に検査した前記一定の印加電圧で前記ノズルから噴霧液を噴霧させることを特徴とする静電スプレー製膜装置。 - 請求項4に記載の静電スプレー製膜装置において、
前記制御装置が、前記ノズルから噴霧液を噴霧させる際に、先に噴霧液を噴霧させずに前記一定の印加電圧を印加させ、その後に前記一定の印加電圧を印加させたまま噴霧液を噴霧させることを特徴とする静電スプレー製膜装置。 - 請求項4に記載の静電スプレー製膜装置において、
前記基板を搬送させるための搬送機構を備え、
前記制御装置が、前記ノズルから噴霧液を噴霧させる際に、前記ノズル、前記電源および前記搬送機構を制御して、先に前記基板を助走搬送させるとともに、噴霧液を噴霧させながら印加電圧を増減させ前記一定の印加電圧に調整し、その後印加電圧が前記一定の印加電圧に達したときに、前記一定の印加電圧で噴霧液を噴霧させたまま、前記基板を正常搬送させることを特徴とする静電スプレー製膜装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013129371A JP2015003293A (ja) | 2013-06-20 | 2013-06-20 | 静電スプレー製膜方法および静電スプレー製膜装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013129371A JP2015003293A (ja) | 2013-06-20 | 2013-06-20 | 静電スプレー製膜方法および静電スプレー製膜装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015003293A true JP2015003293A (ja) | 2015-01-08 |
Family
ID=52299643
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013129371A Pending JP2015003293A (ja) | 2013-06-20 | 2013-06-20 | 静電スプレー製膜方法および静電スプレー製膜装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2015003293A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2018194140A1 (ja) * | 2017-04-19 | 2018-10-25 | 花王株式会社 | 被膜の製造方法 |
US11161126B2 (en) | 2017-04-19 | 2021-11-02 | Kao Corporation | Method for producing film |
-
2013
- 2013-06-20 JP JP2013129371A patent/JP2015003293A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2018194140A1 (ja) * | 2017-04-19 | 2018-10-25 | 花王株式会社 | 被膜の製造方法 |
JPWO2018194140A1 (ja) * | 2017-04-19 | 2019-06-27 | 花王株式会社 | 被膜の製造方法及び静電スプレー装置 |
US11161126B2 (en) | 2017-04-19 | 2021-11-02 | Kao Corporation | Method for producing film |
US11351402B2 (en) | 2017-04-19 | 2022-06-07 | Kao Corporation | Method for producing coating film |
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