JP2015002765A - 吸収性物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】吸収性コアが装着者の身体にフィットし、液漏れが起こりにくい吸収性物品を提供すること。
【解決手段】吸収性物品1は、吸収性コア4及び一対の立体防漏構造8を備える。吸収性コア4の前方域A及び後方域Bには、側縁S1,S2から幅方向内方及び長手方向内方に向かって入り込んだ変形誘導部N1,N2が設けられている。立体防漏構造8の長手方向Yの前後端部域それぞれには、自由端部8bが本体10に固定されて自由端部固定部80が形成され、それによって立体防漏構造8の起立が阻害された起立阻害部81が形成されている。立体防漏構造8の長手方向中央8Pの起立可能幅D1は、1)起立阻害部81における基端部8aと自由端部固定部80との距離(起立阻害幅)D2に比して短いか、又は2)起立可能幅D1を縮める短縮処理によって、該距離D2に比して短くすることが可能になされている。
【選択図】図5

Description

本発明は、使い捨て吸収パッドや生理用ナプキンを始めとする各種吸収性物品に関する。
従来、吸収性物品において、吸収性コアにおける左右の側縁に変形誘導部を設ける技術が知られている。例えば、吸収性コアの前方部及び後方部の側縁に、それぞれ一対の変形誘導部を形成するとともに、該変形誘導部の幅方向内方に溝部を形成し、且つ吸収性コアの裏面側において、側縁に隣接した位置に伸縮部材を配置した吸収性物品が提案されている(特許文献1参照)。この吸収性物品によれば、吸収性コアが船形に変形し長手方向及び幅方向に液漏れが起こり難くなるとされている。また、特許文献1には、吸収性物品の肌対向面における長手方向に沿う両側部に、本体側を基端とし装着者の肌側に自由端をなすように起立する一対の立体防漏構造(レッグカフ8)を配することも記載されている。但し、このレッグカフ8は、通常の立体防漏構造と同様に、主として防漏性向上のために採用された部材であって、特許文献1には、レッグカフ8を吸収性コアの変形に関連付けることについては何等記載されていない。
また、特許文献2には、前記立体防漏構造の変形例として、肌当て上面シートの中央に平面視長楕円形状の弾性開口部を設け、該開口部を十分に浮き上がらせて該開口部に排泄物を確実に流入させるようにしたものが記載されている。この弾性開口部の開孔周縁部には弾性部材が伸縮可能に取り付けられており、該開口部を挟んで一方側の弾性部材と他方側の弾性部材とは、該開口部の長手方向の前後端部において交差している。
特開2008−93289号公報 特開平5−305109号公報
特許文献1に記載の吸収性物品では、変形誘導部及び伸縮部材を設けることに起因して、吸収体の前後端部における吸収面が装着者の身体から離れるような変形が生じるおそれがある。また、装着者の動きによる吸収性コアのよれや、起立した伸縮材のよる捩れに起因して、物品と装着者の身体との間に隙間が生じ、液が漏れ出てしまうおそれがある。
特許文献1に記載の吸収性物品における吸収性コアの変形は、該吸収性物品を装着することによってなされるものであるため、装着の状態によっては適正に変形しないおそれがある。従って、吸収性コアを装着者の身体にフィットさせ、液漏れを効果的に防止するためには、吸収性物品の装着によらずに、吸収性コアが適正に変形することが望ましい。特許文献1及び2には、そのような吸収性コアの変形機構については何等記載されていない。
従って本発明は、前述した従来技術が有する欠点を解消し得る吸収性物品に関する。
本発明は、長手方向に延びる一対の側縁と幅方向に延びる一対の端縁とで画成される縦長の吸収性コアを具備する本体と、該本体の長手方向に沿う両側部に配された一対の立体防漏構造とを備えた吸収性物品において、前記吸収性コアの長手方向の前方域及び後方域に、前記側縁から幅方向内方及び長手方向内方に向かって入り込んだ一対の変形誘導部がそれぞれ設けられており、前記立体防漏構造は、前記前方域から前記後方域に亘って長手方向に延びる基端部及び自由端部を有し、少なくとも該前方域と該後方域とに挟まれた前記吸収性コアの長手方向中央域において、該基端部を起点として該自由端部を装着者の肌側に向けて起立するようになされており、前記立体防漏構造の長手方向の前後端部域それぞれに、前記自由端部が前記本体に固定されて自由端部固定部が形成され、それによって該立体防漏構造の起立が阻害された起立阻害部が形成されており、前記自由端部固定部は、肌対向面における前記端縁と前記変形誘導部との間であって、且つ前記側縁と該変形誘導部の幅方向の内方端との間に位置し、前記立体防漏構造の長手方向中央の起立可能幅は、1)前記起立阻害部における前記基端部と前記自由端部固定部との起立阻害幅に比して短いか、又は2)該起立可能幅を縮める短縮処理によって、該起立阻害幅に比して短くすることが可能になされている吸収性物品を提供するものである。
本発明によれば、吸収性コアが装着者の身体にフィットし、液漏れが起こりにくい吸収性物品が提供される。特に本発明の吸収性物品によれば、吸収性コアに変形誘導部とそこに近接する立体防漏構造を設けることで、変形誘導部が長手方向に収縮し、該吸収性コアが、該吸収性コアの前後の変形誘導部間で立体に変形する。更に、立体防漏構造の長手方向中央の起立可能幅が、1)該立体防漏構造の起立が阻害された起立阻害部における基端部と自由端部固定部(該立体防漏構造の長手方向の前後端部域それぞれにおける自由端部を固定する位置)との距離、即ち起立阻害幅に比して短いか、又は2)該起立可能幅を縮める短縮処理によって、該距離(起立阻害幅)に比して短くすることが可能になされていること等により、吸収性コアの長手方向に延びる一対の側縁部における、該立体防漏構造の長手方向中央域に位置する部分が首尾よく起立する。それによって吸収性コアが装着者の身体にフィットしつつ、液漏れが起こりにくくなる。
図1は、本発明の吸収性物品の一実施形態としての失禁パッドの第1実施形態を示す斜視図である。 図2は、図1に示す失禁パッドの装着状態における股下部での幅方向断面図である。 図3は、図1に示す失禁パッドにおける吸収性コアの平面図である。 図4は、図3に示す吸収性コアにおける第1の変形誘導部を拡大して示す平面図である。 図5は、図1に示す失禁パッドを平面状に拡げた展開状態における表面シート側(肌対向面側)の平面図である。 図6は、図5のI−I線断面を模式的に示す断面図である。 図7は、図5のII−II線断面を模式的に示す断面図である。 図8は、本発明の要部の変形例の図6相当図であり、本発明に係る「立体防漏構造の起立可能幅」の説明図でもある。 図9(a)は、図1に示す失禁パッドにおける吸収性コアが立体変形した状態を示す斜視図であり、図9(b)は、図9(a)におけるb−b線断面図であり、図9(c)は、図9(a)におけるc−c線断面図である。 図10(a)は、従来の吸収性物品の吸収性コアに設けられていた切り欠きからなる変形誘導部の形状を示す平面図であり、図10(b)は、図4に示す変形誘導部における剛性の低い領域を示す平面図である。 図11は、本発明の吸収性物品の一実施形態としての失禁パッドの第2実施形態の図5相当図である。 図12(a)及び図12(b)は、それぞれ、本発明に係る立体防漏構造における貼り合わせ部の具体例を模式的に示す断面図(図6相当図)である。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。図1には、本発明の吸収性物品の第1実施形態としての失禁パッドの斜視図が示されている。図2は、図1に示す失禁パッドの装着状態における股下部での幅方向断面図である。尚、本明細書において、「上面」とは、失禁パッドの構成部材の表裏面のうち、装着時に装着者の肌側に対向する面(肌対向面)である。「下面」とは、装着時に装着者の肌側とは反対側を向く面(非肌対向面)である。
第1実施形態の失禁パッド1は、図1及び図2に示すとおり、液透過性の表面シート2、液不透過性又は液難透過性の裏面シート3及び両シート2,3間に介在配置された液保持性の吸収性コア4を有する実質的に縦長のものである。吸収性コア4は、その上面、下面及び側面が、液透過性のコアラップシート5によって被覆されている。更にパッド1は、表面シート2側において、吸収性コア4の長手方向に沿う両側部の位置に一対の立体防漏構造8を備えている。
更に説明すると、失禁パッド1は、表面シート2、裏面シート3及び両シート2,3間に介在配置された吸収性コア4を具備する本体10と、該本体10の肌対向面において該本体10の長手方向に沿う両側部に配された一対の立体防漏構造8とを備えている。表面シート2は本体10(失禁パッド1)の肌対向面を形成し、裏面シート3は本体10(失禁パッド1)の非肌対向面を形成している。
吸収性コア4は、図3に示すとおり長手方向Yに延びる一対の側縁S1,S2と、幅方向Xに延びる一対の端縁、即ち前端縁T1及び後端縁T2とで画成される縦長の矩形をしている。尤も、吸収性コア4は完全な矩形であることは必要とされず、例えば両側縁S1,S2は、吸収性コア4の幅方向内方に向かって凹状となる曲線又は折曲線であっても良い。あるいは、両側縁S1,S2は、吸収性コア4の幅方向外方に向かって凸状となる曲線又は折曲線であっても良い。以下の説明においては、失禁パッド1を装着者が装着したときに股下に対応する部分、又は、股下の前方に位置する排尿ポイント付近の領域を中央域Cと呼び、中央域Cから長手方向Yの前端縁T1及び後端縁T2に向けて延びる領域を前方域A及び後方域Bと呼ぶこととする。例えば、失禁パッド1が、吸収性コア4の長手方向の中央が装着者の股下に対向する形状を有する場合には、吸収性コア4を長手方向Yに三等分した中央の領域を中央域Cと定義する。また中央域Cに隣接する残り1/3ずつの領域を、それぞれ前方域A及び後方域Bとする。
吸収性コア4は、一般には高吸収性ポリマーの粒子及びパルプ等の親水性繊維材料などの吸収材料の混合積繊体から構成される。吸収性コア4を被覆するコアラップシート5としては、例えばティッシュペーパや親水性を有する不織布が用いられる。
吸収性コア4と同様に、表面シート2及び裏面シート3もそれぞれ矩形状である。表面シート2及び裏面シート3としては、それぞれ従来この種のパッドに用いられているものと同様のものを用いることができる。例えば、表面シート2としては親水性を有する不織布や、多数の開孔を形成した親水性を有するフィルム等を用いることができる。裏面シート3としては熱可塑性フィルムを用いることができる。このフィルムは透湿性を有していていもよい。また裏面シート3として、液難透過性の不織布、例えばスパンボンド−メルトブローン−スパンボンド(SMS)不織布を用いることもできる。
図3に示すとおり、吸収性コア4の前方域Aには、該前方域Aにおける両側縁S1,S2から幅方向Xの内方及び長手方向Yの内方に向かって入り込んだ一対の第1の変形誘導部N1,N1が設けられている。第1の変形誘導部N1,N1は、吸収性コア4の前端縁T1から所定距離をおいた位置に設けられている。更に吸収性コア4の後方域Bには、該後方域Bにおける両側縁S1,S2から幅方向Xの内方及び長手方向Yの内方に向かって入り込んだ一対の第2の変形誘導部N2,N2が設けられている。第2の変形誘導部N2,N2は、吸収性コア4の後端縁T2から所定距離をおいた位置に設けられている。一対の第1の変形誘導部N1,N1は、吸収性コア4の長手方向Yに関して同位置に設けられている。また一対の第1の変形誘導部N1,N1は同形の変形V字形をしており、吸収性コア4の構成材料の非連続領域を形成している。第1の変形誘導部N1には、吸収性コア4の構成材料は存在していないか、あるいは存在していたとしてもその量は僅かである。換言すれば、第1の変形誘導部N1は、吸収性コア4に形成された切り欠きからなる。これらのことはすべて、第2の変形誘導部N2についても同様にあてはまる。吸収性コア4の長手方向に関し、第1の変形誘導部N1と第2の変形誘導部N2との間の位置は、中央域Cが占めており、該位置は装着者の股間の位置にほぼ対応している。
図4には、先に述べた第1の変形誘導部N1の拡大図が示されている。尚、図示していないが、第2変形誘導部N2についても、第1の変形誘導部N1と同様の構成となっている。先に述べたとおり、第1の変形誘導部N1は吸収性コア4に形成された切り欠きからなる。この切り欠きは、端縁T1に近い側に位置する第1の切り欠き縁部C1と、端縁T1から遠い側に位置する第2の切り欠き縁部C2とを含む縁部によって画定されている。第1の切り欠き縁部C1は、側縁S2上に位置する一端部P1と、一端部P1よりも幅方向Xの内方に位置する他端部P1’とを結ぶ直線になっている。第2の切り欠き縁部C2は、側縁S2上に位置する一端部P2と、一端部P2よりも幅方向Xの内方に位置する他端部P2’とを結ぶ直線になっている。
第1の切り欠き縁部C1は、第2の切り欠き縁部C2よりもその長さが長くなっている。第1の切り欠き縁部C1及び第2の切り欠き縁部C2は、側縁S2から幅方向Xの内方に向かうに連れて漸次近接するように延びている。また、第1の切り欠き縁部C1と幅方向Xとのなす角度θ1は、第2の切り欠き縁部C2と幅方向Xとのなす角度θ2よりも大きくなっている。つまり第1の切り欠き縁部C1の方が第2の切り欠き縁部C2よりも、長手方向Y及び幅方向Xの中心方向へ向けての傾きの程度が大きくなっている。これらの結果、第1の変形誘導部N1は、側縁S1から幅方向Xの内方に向かうに連れて漸次幅が狭くなっており、概略して楔形をなしている。
第1の変形誘導部N1は、第1の切り欠き縁部C1及び第2の切り欠き縁部C2に加えて、第3の切り欠き縁部C3も有している。第3の切り欠き縁部C3は、端部P1’と端部P2’とを結ぶ直線となっている。第3の切り欠き縁部C3は、吸収性コア4の側縁S1,S2に対して傾斜している。ここで「第3の切り欠き縁部C3は、吸収性コア4の側縁S1,S2に対して傾斜している」とは、吸収性コア4の側縁S1,S2が該吸収性コア4(本体10)の長手方向Yに対して平行でない場合は、「第3の切り欠き縁部C3は、吸収性コア4の長手方向Yに対して傾斜している」ことを含む。このように第1の変形誘導部N1は、第1ないし第3の切り欠き縁部C1−C3によって画定されている。
前述した3つの切り欠き縁部C1−C3によって画定される第1の変形誘導部N1においては、幅方向Xの内方寄りの位置に、2箇所の内方端、即ち端部P2’上に位置する第1の内方端Q1と、端部P1’上に位置する第2の内方端Q2とを有する。第1の内方端Q1は、第2の内方端Q2に対して、幅方向Xの外方に位置していると共に、長手方向Yの内方に位置している。本明細書において内方端とは、第1及び第2の変形誘導部の内方寄りの奥まった領域において、該変形誘導部を画定する切り欠き縁部の延びる向きが変化する位置のことをいう。
図4に示すとおり、第1の切り欠き縁部の端部P1を通り、且つ幅方向Xに延びる直線をL1とし、第2の切り欠き縁部の端部P2を通り、且つ幅方向Xに延びる直線をL2としたとき、先に述べた第1の内方端Q1は、L1とL2で画定される領域Rの外に位置している。具体的には、第1の内方端Q1は、L2よりも長手方向Yの内方寄りに位置している。一方、第2の内方端Q2は、領域R内に位置している。
図2に戻ると、同図に示すとおり、表面シート2は吸収性コア4の上面を被覆している。更に表面シート2は、吸収性コア4の左右の側縁S1,S2から幅方向Xの外方へ延出している。一方、裏面シート3は吸収性コア4の下面を被覆している。裏面シート3も、吸収性コア4の左右の側縁S1,S2から幅方向Xの外方へ延出している。吸収性コア4の側縁S1,S2から幅方向Xの外方へ延出している表面シート2及び裏面シート3は、それらの対向面が接合されてサイドフラップ7を形成している。
一対の立体防漏構造8,8は、それぞれ、前方域Aから中央域Cを介して後方域Bに亘って長手方向Yに延びる基端部8a及び自由端部8bを有し、少なくとも中央域Cにおいて、基端部8aを起点として自由端部8bを装着者の肌側に向けて起立するようになされている。第1実施形態においては、立体防漏構造8は、本体10の長手方向Yの全長に亘って連続しており、その基端部8a及び自由端部8bも、長手方向Yの全長に亘って連続している。立体防漏構造8は、その長手方向Yの全長に亘って幅方向Xの長さ8W(図5参照)が一定である。また、一対の立体防漏構造8,8における一方の立体防漏構造8の自由端部8bと他方の立体防漏構造8の自由端部8bとは交差しておらず、本体10(表面シート2)の肌対向面における幅方向Xの中央部は、その長手方向Yの全長に亘って立体防漏構造8で被覆されていない。
立体防漏構造8は、図2及び図5に示すとおり、長手方向Yに延びる縦長の一枚の立体防漏構造形成用シート9を含んで構成されている。立体防漏構造形成用シート9は、長手方向Yに沿って延びる一方の側縁が、サイドフラップ7の側縁の位置と一致するように、パッド1の長手方向Yに沿う両側部に配置されている。立体防漏構造形成用シート9は、サイドフラップ7の側縁の位置から幅方向Xの内方に向けて、表面シート2と重なり合うように配置される。そして、立体防漏構造形成用シート9は、少なくとも中央域Cにおける、吸収性コア4上にある基端部8aの位置において、上方、即ち装着者の身体に向けて立ち上がっている。立体防漏構造形成用シート9は、自由端部8bの位置において幅方向Xの外方に折り返され、折り返された部分は基端部8aの位置まで戻り、更に幅方向Xの外方に向けて、立体防漏構造形成用シート9の下面側に入り込んでいる。このようにして、長手方向Yに延びる基端部8aと、同じく長手方向Yに延びる自由端部8bとの間で画成される立体防漏構造8が形成される。立体防漏構造8における自由端部8bの位置には、立体防漏構造形成用シート9が折り返されて二重になった部分の内部に、該自由端部8bの延びる方向と同方向に延びる弾性部材8cが、伸長状態で接合固定されている。立体防漏構造8がこのような構造を有していることで、該立体防漏構造8における基端部8aは、パッド1の肌対向面における吸収性コア4上(吸収性コア4の左右の側縁S1,S2よりも幅方向Xの内方)に位置している。基端部8aが吸収性コア4上に位置していると、パッド1の装着状態において、立体防漏構造8の自由端部8bが首尾よく起立するようになるので好ましい。
立体防漏構造8の基端部8aにおいては、図6及び図7に示すとおり、立体防漏構造8(立体防漏構造形成用シート9)と本体10(表面シート2)とが、接着剤、ヒートシール、超音波シール等の公知の接合手段11によって接合されている。基端部8a(接合手段11)は、図5に示す如き平面視において、本体10の長手方向Yに延びる線状をなしている。立体防漏構造8(立体防漏構造形成用シート9)は、基端部8aとサイドフラップ7の側縁との間の領域においては、該領域の全域あるいは該領域の一部において、接着剤、ヒートシール、超音波シール等の公知の接合手段(図示せず)によって本体10(表面シート2)と接合されている。尚、図6及び図7並びに後述する図8及び図12では、説明容易の観点から、立体防漏構造8(立体防漏構造形成用シート9、弾性部材8c等)の図示を簡略化している。
立体防漏構造8の長手方向中央8Pの基端部8aは、失禁パッド1の肌対向面(表面シート2側)における吸収性コア4上、即ち、吸収性コア4の左右の側縁S1,S2よりも幅方向Xの内方に位置している。第1実施形態においては、図5に示すとおり、長手方向中央8Pの基端部8aのみならず、基端部8aの全体が、吸収性コア4の左右の側縁S1,S2よりも幅方向Xの内方に位置している。
図5に示すとおり、立体防漏構造8の長手方向Yの前後端部域それぞれには、自由端部8bが本体10に固定されて自由端部固定部80が形成され、それによって立体防漏構造8(立体防漏構造形成用シート9)の起立が阻害された起立阻害部81(図5中、ハッチングで示す領域)が形成されている。立体防漏構造8の前端部域の起立阻害部81は前方域Aに存し、立体防漏構造8の後端部域の起立阻害部81は後方域Bに存している。自由端部固定部80は、図7に示すとおり、立体防漏構造8の自由端部8bが、本体5の構成部材の1つである表面シート2の上面(肌対向面)に接着剤、ヒートシール、超音波シール等の公知の接合手段12によって接合されて形成されている。自由端部固定部80を有する起立阻害部81においては、自由端部8bに配されている弾性部材8cの伸縮性が阻害されている。自由端部固定部80(接合手段12)は、図5に示す如き平面視において、本体10の長手方向Yに延びる線状をなしており、自由端部8bに沿っている。第1実施形態においては、立体防漏構造8(立体防漏構造形成用シート9)は、基端部8a(接合手段11)と自由端部固定部80(接合手段12)との間においては、本体10(表面シート2)と接合されていない。尚、図7は、図5のII−II線断面であり、前方部Aの一方の側の自由端部固定部80(起立阻害部81)を示しているが、前方部Aの他方の側及び後方部Bの左右両側それぞれにおける自由端部固定部80(起立阻害部81)も、基本的に図7に示すものと同様に構成されている。
第1実施形態においては、立体防漏構造8の起立阻害部81において、自由端部固定部80は、吸収性コア4の端縁T1,T2と変形誘導部N1,N2との間であって、且つ吸収性コア4の側縁S1,S2と変形誘導部N1,N2の幅方向Xの内方端Q1,Q2のうち、一層幅方向内方寄りに位置する第2の内方端Q2との間にある。即ち、自由端部固定部80は、肌対向面における吸収性コア4上の特定位置にある。この特定位置にあるべき自由端部固定部80は、少なくとも自由端部固定部80の長手方向内方端J(自由端部固定部80のうち、本体に固定されていない自由端部8bに最も近接する部分。立体防漏構造8の自由端部8bを固定する位置。)であれば良く、1つの起立阻害部81における自由端部固定部80の全体が該特定位置にあることを要しない。
このように、第1実施形態においては、自由端部固定部80(自由端部固定部80の長手方向内方端J)が肌対向面における吸収性コア4上の特定位置にあることにより、弾性部材8cの収縮に起因する変形誘導部N1,N2の縮みが一層起こりやすく、立体防漏構造8の基端部8aと自由端部8bと間に位置する立体防漏構造形成用シート9による歪みの緩和効果を得られやすい。斯かる効果をより確実に奏させるようにする観点から、自由端部固定部80の長手方向内方端Jと変形誘導部N1,N2との間隔F(図5参照)は10mm以上であることが好ましく、15mm以上であることが更に好ましく、20mm以上であることが一層好ましい。また間隔Fは50mm以下であることが好ましく、40mm以下であることが更に好ましく、30mm以下であることが一層好ましい。例えば間隔Fは、10mm以上50mm以下であることが好ましく、15mm以上40mm以下であることが更に好ましく、20mm以上30mm以下であることが一層好ましい。
本発明の主たる特徴の1つとして、立体防漏構造8の長手方向中央8Pの起立可能幅D1(図5、図6及び図8参照)が、1)起立阻害部81における基端部8a(接合手段11)と自由端部固定部80との距離D2(図5及び図7参照)に比して短いか、又は2)起立可能幅D1を縮める短縮処理によって、該距離D2に比して短くすることが可能になされている点が挙げられる。第1実施形態においては前記1)が採用されており、前記2)の短縮処理については後述する。
ここで、「立体防漏構造8の起立可能幅D1」は、立体防漏構造8における起立阻害部81以外の部位(起立が可能な部位)の起立可能幅であり、当該部位(例えば立体防漏構造8の長手方向中央8P)における基端部8a(接合手段11)の位置によって異なる。即ち、立体防漏構造8の長手方向中央8Pを例にとると、長手方向中央8Pにおいて基端部8aが失禁パッド1の肌対向面(表面シート2側)における吸収性コア4上に存している場合、該長手方向中央8Pの起立可能幅D1は、その基端部8aと自由端部8bとの距離である(図5及び図6参照)。一方、長手方向中央8Pにおいて図8に示すとおり、基端部8aが吸収性コア4上に存しておらずに、吸収性コア4の側縁S1よりも幅方向Xの外側(サイドフラップ7上)に存している場合、該長手方向中央8Pの起立可能幅D1は、立体防漏構造8(立体防漏構造形成用シート9)を起立させずに本体10(表面シート2)に沿わせた場合のその起立していない該長手方向中央8Pの自由端部8bと吸収性コア4の側縁S1との距離である。
また、距離D2は、自由端部固定部80の長手方向内方端Jにおける、基端部8a(接合手段11)と自由端部固定部80(該内方端J)との距離(起立阻害幅)を意味する。
尚、「起立阻害部81における基端部8a」の位置は、立体防漏構造8(立体防漏構造形成用シート9)の起立阻害部81以外の部分(例えば長手方向中央域)の基端部8aを、その長さ方向に沿って仮想的に起立阻害部81側に延長させた場合のその延長線に一致する。従って、例えば、起立阻害部81における吸収性コア4上の立体防漏構造8(立体防漏構造形成用シート9)と本体10(表面シート2)との間の全域に接着剤等の接合手段が配されている等の理由により、該起立阻害部81における基端部8aの位置を特定し難い場合は、該起立阻害部81よりも長手方向内方に位置する基端部8a(立体防漏構造8が起立する際の起点となる部分)を、その長さ方向に沿って仮想的に該起立阻害部81側に延長させた場合のその延長線を、該起立阻害部81における基端部8aの位置とすることができる。
第1実施形態においては、図5に示す如き展開状態の失禁パッド1の平面視において、立体防漏構造8の自由端部8bは、立体防漏構造8の全長に亘って長手方向Yと平行な1本の直線であるのに対し、基端部8aは、中央域Cに位置し自由端部8bから相対的に近い直線と、前方域A及び後方域Bに位置し自由端部8bから相対的に遠い直線との2種類の直線を含み、全体として長手方向Yと平行な1本の折曲線である。そして、立体防漏構造8における基端部8aと自由端部8bとの距離は、起立阻害部81を含む前方域A及び後方域Bにおいて最大、長手方向中央8Pを含む中央域Cの略全体において最小となっており、また、中央域Cにおける前方域A又は後方域B寄りの部分においては、長手方向Yの外方に向かうに従って漸次増加している。第1実施形態においては、基端部8a及び自由端部8bがこのように構成されていることにより前記1)が採用され、前述した大小関係(起立可能幅D1<起立阻害幅D2)が実現されている。
以上の構成を有する第1実施形態の失禁パッド1においては、自由端部8bの近傍の位置に配置された弾性部材8aが収縮する影響を吸収性コア4が受けて、第1及び第2の変形誘導部N1,N2の各々において縮みが起こり、これによりパッド1の装着状態においては、吸収性コア4が図9に示すとおり立体的に変形する。立体的に変形した吸収性コア4においては、後述する理由によって、その中央域Cに、皺等が生じにくくなっているので、側方からの液漏れが起こりにくくなっていると共に、該中央域Cが装着者の股下部にフィットしやすくなる。尚、図9においては、吸収性コア4が立体的に変形した状態を理解しやすくする目的で、該吸収性コア4の厚みは実際よりも薄く描かれている。
特に第1実施形態においては、立体防漏構造8の長手方向中央8Pの起立可能幅D1が、起立阻害部81における基端部8aと自由端部固定部(自由端部固定部80の内方端J)との距離(起立阻害幅)D2に比して短いため、失禁パッド1の装着によらずに、失禁パッド1の自然状態において吸収性コア4の立体的な変形が起こりやすく、このような長手方向中央8Pの起立可能幅と起立阻害部81の起立阻害幅との特定の大小関係が成立してない場合に比して、吸収性コアのフィット性及び液漏れ防止性がより一層向上している。即ち、立体防漏構造8の長手方向中央8Pを含む、中央域Cの自由端部8bに伸長状態で配されている弾性部材8cは、失禁パッド1の展開状態を解除して自然状態にしたときに、長手方向Yにおいて最短距離で収縮しようとするところ、中央域Cの立体防漏構造8(長手方向中央8P)の起立可能幅D1が、その前後に位置する起立阻害部81(自由端部固定部80の長手方向内方端J)での起立阻害幅D2よりも短いと、その差を補うべく、吸収性コア4の長手方向Yに延びる一対の側縁部における、立体防漏構造8の中央域Cに位置する部分が首尾よく起立し、その結果、吸収性コア4が図9に示すとおり立体的に変形する。
また、第1実施形態においては、図5に示す如き失禁パッド1の展開状態において、自由端部8bが第1及び第2の変形誘導部N1,N2上を跨いでいると共に、失禁パッド1の展開状態を解除して自然状態にしたときも、自由端部8bが第1及び第2の変形誘導部N1,N2上を跨いでいるため、自由端部8bの近傍の位置に配置された弾性部材8aの収縮に起因する、第1及び第2の変形誘導部N1,N2の縮みが起こりやすく、吸収性コア4の立体的な変形が一層起こりやすくなっている。また、第1実施形態においては、図4に示すとおり、変形誘導部N1,N2の幅方向Xの内方端Q1,Q2のうちの少なくとも内方端Q1が、前述した領域Rの外であって、且つL2よりも長手方向の内方に位置しているため、吸収性コア4の立体変形の際に前方域A及び後方域Bが変形しにくくなり、吸収性コア4の立体変形後であっても、該前方域A及び後方域Bは変形前の平坦な形状が維持されるようになる。これらの結果、本実施形態の失禁パッド1によれば液漏れが一層起こり難くなる。
前述したように、立体的に変形した吸収性コア4においては、その中央域Cに皺等が生じにくくなっている。その理由について以下に説明する。従来の吸収性物品では、携帯性等の観点から、該吸収性物品の幅方向に延びる折曲線に沿って該吸収性物品を折り畳むことが行われている。このような折り畳みを行う吸収性物品において、吸収性コアに吸収材料が存在しない切り込み等が設けられていると、その位置において折り曲げの可撓軸が形成されやすくなる。そのことに起因して、表面シート等に幅方向に延びる多数の折皺が生じ、この折皺に案内されて液が側方に流れて、液漏れが起こり易くなっていた。特に図10(a)に示す従来知られていた切り込みは、V字の先端を通る幅方向の部位Vの剛性が急激に低くなるので、該部位Vに可撓軸が形成されやすく、厚みのある吸収性物品に多くの皺が発生する要因となっていた。これに対して第1実施形態の変形誘導部N1,N2を採用すると、図10(b)に示すとおり、最小の曲げ剛性を有する部分が1箇所とはならず、長手方向Yに沿って所定幅を持った範囲Gで存在しているので、折り曲げの可撓軸が該範囲G内に幅をもって形成される。これらのことに起因して、皺の発生が抑制される。その結果、液が側方へ流れて液漏れが起こることを抑えることができる。
以上の有利な効果を一層高める観点から、立体防漏構造8の長手方向中央8Pの起立可能幅D1(図5、図6及び図8参照)は、好ましくは3mm以上、更に好ましくは5mm以上、そして、好ましくは15mm以下、更に好ましくは10mm以下、より具体的には、好ましくは3mm以上15mm以下、更に好ましくは5mm以上10mm以下である。また、起立阻害部81における基端部8aと自由端部固定部80(自由端部固定部80の長手方向内方端J)との距離(起立阻害幅)D2(図5及び図7参照)は、好ましくは6mm以上、更に好ましくは10mm以上、そして、好ましくは30mm以下、更に好ましくは20mm以下、より具体的には、好ましくは6mm以上30mm以下、更に好ましくは10mm以上20mm以下である。また、距離(起立阻害幅)D2と起立可能幅D1との差(D2−D1)は、好ましくは3mm以上、更に好ましくは5mm以上、そして、好ましくは15mm以下、更に好ましくは10mm以下、より具体的には、好ましくは3mm以上15mm以下、更に好ましくは5mm以上10mm以下である。
同様の観点から、立体防漏構造8における起立可能幅D1及び起立阻害幅D2は、それぞれ、各変形誘導部N1,N2における内方端Q1,Q2のうち、幅方向Xの最も内方に位置する第2の内方端Q2と側縁との距離W(図4参照)に対して、0.3倍以上であることが好ましく、0.4倍以上であることが更に好ましく、0.5倍以上であることが一層好ましい。また起立可能幅D1及び起立阻害幅D2は、それぞれ、距離Wに対して1.0倍以下であることが好ましく、0.9倍以下であることが更に好ましく、0.8倍以下であることが一層好ましい。例えば、起立可能幅D1及び起立阻害幅D2は、それぞれ、距離Wに対して0.3倍以上1.0倍以下であることが好ましく、0.4倍以上0.9倍以下であることが更に好ましく、0.5倍以上0.8倍以下であることが一層好ましい。
同様の観点から、各変形誘導部N1,N2における内方端Q1,Q2のうち、幅方向Xの最も内方に位置する第2の内方端Q2と、側縁S1,S2との距離W(図4参照)は、吸収性コア4の幅の10%以上であることが好ましく、15%以上であることが更に好ましい。また、距離Wは、吸収性コア4の幅の30%以下であることが好ましく、25%以下であることが更に好ましい。例えば、距離Wは、吸収性コア4の幅の10%以上30%以下であることが好ましく、15%以上25%以下であることが更に好ましい。第2の内方端Q2の位置をこのように設定することで、弾性部材8cの収縮の影響を受けやすくなって、吸収性コア4における中央域Cの側部、即ち長手方向変形誘導部6よりも幅方向Xの外方に位置する部位を首尾よく立ち上げることができる。
更に同様の観点から、立体防漏構造8における基端部8aは、吸収性コア4の側縁S1,S2からの距離D’(図5参照)が、前述の距離Wの0倍以上であることが好ましく、0.1倍以上であることが更に好ましく、0.2倍以上であることが一層好ましい。また距離D’は、距離Wに対して0.7倍以下であることが好ましく、0.6倍以下であることが更に好ましく、0.5倍以下であることが一層好ましい。例えば、距離D’は、距離Wに対して0倍以上0.7倍以下であることが好ましく、0.1倍以上0.6倍以下であることが更に好ましく、0.2倍以上0.5倍以下であることが一層好ましい。距離D’が距離Wの0倍以上であることは、基端部8aが吸収性コア4上にある(幅方向Xについて側縁S1,S2と同位置にあるか、又は側縁S1,S2よりも幅方向Xの内方にある)ことを意味する。尚、自由端部8bは、基端部8aの位置によらず、変形誘導部N1,N2よりも幅方向Xの内方に位置していない。
各変形誘導部N1,N2においては、端部P1と端部P2との長手方向Yについての距離K1(図4参照)は、5mm以上であることが好ましく、10mm以上であることが更に好ましい。また距離K1は、30mm以下であることが好ましく、20mm以下であることが更に好ましい。例えば距離K1は、5mm以上30mm以下であることが好ましく、10mm以上20mm以下であることが更に好ましい。
また各変形誘導部N1,N2においては、端部P1’と端部P2’との長手方向Yについての距離(端部P1’と端部P2’の間の直線距離ではない)K2(図4参照)は、前述した距離K1よりも短いことが好ましい。また、距離K2は、距離K1よりも短いことを条件として、0mm以上であることが好ましく、5mm以上であることが更に好ましい。また距離K2は、25mm以下であることが好ましく、15mm以下であることが更に好ましい。例えば距離K2は、0mm以上25mm以下であることが好ましく、5mm以上15mm以下であることが更に好ましい。
また、長手方向Yに沿う同じ側に位置する第1の変形誘導部N1と第2の変形誘導部N2との長手方向Yについての距離M(図3参照)は、各変形誘導部N1,N2における端部P1間の距離で表して、50mm以上であることが好ましく、60mm以上であることが更に好ましい。また距離Mは、150mm以下であることが好ましく、120mm以下であることが更に好ましく、100mm以下であることが一層好ましい。
吸収性コア4は、パッド1の具体的な用途に応じて坪量を適切に設定することができる。一般的にいって、吸収性コア4の坪量は、150g/m2以上であることが好ましく、300g/m2以上であることが更に好ましく、400g/m2以上であることが一層好ましい。また、吸収性コア4の坪量は、900g/m2以下であることが好ましく、700g/m2以下であることが更に好ましく、600g/m2以下であることが一層好ましい。例えば吸収性コア4の坪量は、150g/m2以上900g/m2以下であることが好ましく、300g/m2以上700g/m2以下であることが更に好ましく、400g/m2以上600g/m2以下であることが一層好ましい。吸収コア4は、高吸収ポリマーを含んでいることが好ましく、その比は(パルプ/ポリマー)1/3以上4/1以下が好ましい。
以下、本発明の他の実施形態について図面を参照して説明する。後述する他の実施形態については、前述した第1実施形態の失禁パッド1と異なる構成部分を主として説明し、同様の構成部分は同一の符号を付して説明を省略する。特に説明しない構成部分は、第1実施形態の失禁パッド1についての説明が適宜適用される。
図11には、本発明の第2実施形態の失禁パッド1Aが示されている。失禁パッド1Aにおいても、第1実施形態の失禁パッド1と同様に、立体防漏構造8の長手方向中央8Pの起立可能幅D1が、起立阻害部81における基端部8a(接合手段11)と自由端部固定部80との距離(起立阻害幅)D2に比して短くなっている。失禁パッド1Aにおいては、その展開状態の平面視において、立体防漏構造8の基端部8aは、立体防漏構造8の長手方向Yの全長に亘って長手方向Yと平行な1本の直線であるのに対し、自由端部8bは、前方域A及び後方域Bでは基端部8aと平行な直線であるが、中央域Cでは幅方向外方に向かって凸状となる曲線であり、その凸の頂部が立体防漏構造8の長手方向中央8Pに位置している。そのため、失禁パッド1Aにおいては、立体防漏構造8における基端部8aと自由端部8bとの距離(起立可能幅あるいは起立阻害幅)は、起立阻害部81を含む前方域A及び後方域Bにおいて最大、長手方向中央8Pにおいて最小となっており、また、中央域Cにおいては、長手方向中央8Pから長手方向Yの外方に向かうに従って漸次増加している。従って、失禁パッド1Bにおける立体防漏構造8の幅方向Xの長さ8Wは、長手方向Yの全長に亘って一定ではない。第2実施形態においては、基端部8a及び自由端部8bがこのように構成されていることにより前記1)が採用され、前述した大小関係(起立可能幅D1<起立阻害幅D2)が実現されている。
第2実施形態においては、立体防漏構造8を構成する立体防漏構造形成用シート9は、該シート9を起立させずに本体10の肌対向面(表面シート2)に沿わせた状態において、立体防漏構造8の長手方向中央8Pにおける基端部8aよりも幅方向内側に、相対的に幅方向外側に位置する部分と幅方向内側に位置する部分との貼り合わせ部を有しており、この貼り合わせ部の存在により、長手方向中央8Pの起立可能幅D1が縮められ、結果として前述した大小関係(起立可能幅D1<起立阻害幅D2)が実現されている。図12には、この貼り合わせ部の具体例が示されている。第2実施形態の失禁パッド1Aによっても、第1実施形態の失禁パッド1と同様の効果が奏される。
図12(a)に示す例においては、立体防漏構造形成用シート9は、立体防漏構造8の長手方向中央8Pにおける基端部8a(接合手段11)よりも幅方向Xの内側において幅方向外側に折り返されており、その折り返しによって相対向する立体防漏構造形成用シート9の外面どうしが、接着剤、ヒートシール、超音波シール等の公知の接合手段13によって貼り合わされて貼り合わせ部82が形成されている。図12(a)に示す例においては、立体防漏構造形成用シート9の折り返し端部が、立体防漏構造8の自由端部8bとなっている。
図12(b)に示す例においては、立体防漏構造形成用シート9は、立体防漏構造8の長手方向中央8Pにおける基端部8a(接合手段11)よりも幅方向Xの内側において幅方向内側に折り返されており、その折り返しによって相対向する立体防漏構造形成用シート9の内面どうしが、接着剤、ヒートシール、超音波シール等の公知の接合手段13によって貼り合わされて貼り合わせ部82が形成されている。
ところで、貼り合わせ部82は、失禁パッド1Aの使用前には形成されていないが、使用に際し形成可能になされていても良い。即ち、失禁パッド1Aの使用前は前述した大小関係(起立可能幅D1<起立阻害幅D2)は実現されておらず、起立可能幅D1=起立阻害幅D2あるいは起立可能幅D1>起立阻害幅D2となっているが、使用に際し使用者等が、立体防漏構造8の長手方向中央8Pにおける起立可能幅D1を縮める短縮処理を実施することによって、起立可能幅D1<起立阻害幅D2を実現可能になされていても良い。
このような起立可能幅の短縮処理が可能な実施形態として、「立体防漏構造8の長手方向中央8Pにおける基端部8aよりも幅方向Xの内側に接着手段が設けられており、該接着手段を本体10(表面シート2)又は立体防漏構造8(立体防漏構造形成用シート9)の他の部位に接着させることにより、前記短縮処理を実施可能になされている」ものが挙げられる。この接着手段としては、この種の吸収性物品において通常使用されている粘着材、メカニカルファスナー等を用いることができ、特に、接着及び剥離が自在な接着手段が好ましい。例えば、図12に示す例において、接合手段13に代えて粘着材、メカニカルファスナー等の接着手段を用いることができる。
本発明の吸収性物品は、先に述べたとおり例えば失禁パッドとして用いることができる。また、これ以外の吸収性物品、例えば使い捨ておむつの内側に配置されて用いられる補助パッド、ファスニングテープによる締結手段を備えた展開型の使い捨てパッド、及び生理用ナプキン等としても用いることができる。
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されない。例えば前記実施形態においては、図5に示す如き失禁パッド1の展開状態あるいは自然状態の何れにおいても、立体防漏構造8の自由端部8bは第1及び第2の変形誘導部N1,N2上を跨いでいたが、両状態において自由端部8bは第1及び第2の変形誘導部N1,N2上を跨いでいなくても良い。但し、前述したように、吸収性コア4の立体的な変形を起こしやすくする観点から、失禁パッド1の展開状態あるいは自然状態の何れにおいても、立体防漏構造8の自由端部8bは第1及び第2の変形誘導部N1,N2上を跨いでいることが好ましい。
また、前記実施形態においては、吸収性コア4に形成されている第1の変形誘導部N1の形状と、第2の変形誘導部N2の形状とは同じであるが、これに代えて、第1の変形誘導部N1の形状を第2の変形誘導部N2の形状と異ならせても良い。
また、図4及び図8(a)に示す変形誘導部N1においては、2箇所の内方端Q1,Q2のうち、一方の内方端である第1の内方端Q1が直線L1と直線L2とで画定される領域Rの外に位置しており、他方の内方端である第2の内方端Q2が領域R内に位置していたが、これに代えて、2つの内方端Q1,Q2を領域Rの外に位置させても良い。例えば2つの内方端Q1,Q2を、直線L2よりも長手方向Yの内方に位置させても良い。
また、前記の各実施形態においては、各変形誘導部N1,N2を画定する各切り欠き縁部C1−C3が何れも直線であったが、これに代えてこれらの切り欠き縁部C1−C3の少なくとも一つを曲線となしても良い。
以上の各実施形態は、本発明の効果を損なわない範囲において適宜組み合わせることができる。
前述した実施形態に関し、本発明は更に以下の吸収性物品を開示する。
<1>
長手方向に延びる一対の側縁と幅方向に延びる一対の端縁とで画成される縦長の吸収性コアを具備する本体と、該本体の長手方向に沿う両側部に配された一対の立体防漏構造とを備えた吸収性物品において、
前記吸収性コアの長手方向の前方域及び後方域に、前記側縁から幅方向内方及び長手方向内方に向かって入り込んだ一対の変形誘導部がそれぞれ設けられており、
前記立体防漏構造は、前記前方域から前記後方域に亘って長手方向に延びる基端部及び自由端部を有し、少なくとも該前方域と該後方域とに挟まれた前記吸収性コアの長手方向中央域において、該基端部を起点として該自由端部を装着者の肌側に向けて起立するようになされており、
前記立体防漏構造の長手方向の前後端部域それぞれに、前記自由端部が前記本体に固定されて自由端部固定部が形成され、それによって該立体防漏構造の起立が阻害された起立阻害部が形成されており、
前記自由端部固定部は、肌対向面における前記端縁と前記変形誘導部との間であって、且つ前記側縁と該変形誘導部の幅方向の内方端との間に位置し、
前記立体防漏構造の長手方向中央の起立可能幅は、1)前記起立阻害部における前記基端部と前記自由端部固定部との起立阻害幅に比して短いか、又は2)該起立可能幅を縮める短縮処理によって、該起立阻害幅に比して短くすることが可能になされている吸収性物品。
<2>
前記吸収性コアは縦長の矩形をしている前記<1>記載の吸収性物品。
<3>
前記吸収性コアの一対の前記側縁は、それぞれ、該吸収性コアの幅方向外方に向かって凸状となる曲線又は折曲線である前記<1>記載の吸収性物品。
<4>
前記立体防漏構造の前記基端部は、肌対向面における前記吸収性コア上に位置している前記<1>〜<3>の何れか一項に記載の吸収性物品。
<5>
前記立体防漏構造は、長手方向に延びる立体防漏構造形成用シートを含んで構成されており、該立体防漏構造形成用シートは、該立体防漏構造の長手方向中央における前記基端部よりも幅方向内側に、相対的に幅方向外側に位置する部分と幅方向内側に位置する部分との貼り合わせ部を有している前記<1>〜<4>の何れか一項に記載の吸収性物品。
<6>
前記立体防漏構造形成用シートは、前記立体防漏構造の長手方向中央における前記基端部よりも幅方向内側において幅方向外側に折り返されており、その折り返しによって相対向する該立体防漏構造形成用シートの外面どうしが貼り合わされて前記貼り合わせ部が形成されている前記<5>記載の吸収性物品。
<7>
前記吸収性物品を平面状に拡げた展開状態とした場合に、前記立体防漏構造の長手方向中央の前記自由端部が前記自由端部固定部よりも幅方向外側に位置する前記<1>〜<6>の何れか一項に記載の吸収性物品。
<7−2>
前記吸収性物品の各部を伸長させて該吸収性物品を平面状に拡げた展開状態とした場合に、前記自由端部固定部が肌対向面における前記吸収性コア上に位置し、且つ前記立体防漏構造の長手方向中央の前記自由端部が該自由端部固定部よりも幅方向外側に位置する前記<1>〜<6>の何れか一項に記載の吸収性物品。
<8>
一対の前記立体防漏構造における一方の立体防漏構造の前記自由端部と他方の立体防漏構造の前記自由端部とは交差していない前記<1>〜<7−2>の何れか一項に記載の吸収性物品。
<9>
前記本体の肌対向面における幅方向中央部は、その長手方向の全長に亘って前記立体防漏構造で被覆されていない前記<1>〜<8>の何れか一項に記載の吸収性物品。
<10>
前記変形誘導部が、前記吸収性コアに形成された切り欠きからなり、
前記切り欠きは、前記端縁に近い側に位置する第1の切り欠き縁部と、前記端縁から遠い側に位置する第2の切り欠き縁部とを含む縁部によって画定されており、
前記側縁上に位置する第1の切り欠き縁部の端部P1を通り、且つ幅方向に延びる直線をL1とし、前記側縁上に位置する第2の切り欠き縁部の端部P2を通り、且つ幅方向に延びる直線をL2としたとき、L1とL2で画定される領域外に、前記変形誘導部の幅方向の内方端が位置している前記<1>〜<9>の何れか一項に記載の吸収性物品。
<11>
第1及び第2の切り欠き縁部が何れも直線からなり、第1の切り欠き縁部の方が第2の切り欠き縁部よりも長くなっている前記<10>記載の吸収性物品。
<12>
前記変形誘導部が前記内方端を2箇所に有しており、第1の内方端がL1とL2で画定される領域外に位置していると共に、第2の内方端が該領域内に位置している前記<11>記載の吸収性物品。
<13>
前記自由端部固定部の長手方向内方端と前記変形誘導部との間隔は10mm以上であることが好ましく、15mm以上であることが更に好ましく、20mm以上であることが一層好ましい前記<1>〜<12>の何れか一項に記載の吸収性物品。
<14>
前記自由端部固定部の長手方向内方端と前記変形誘導部との間隔は50mm以下であることが好ましく、40mm以下であることが更に好ましく、30mm以下であることが一層好ましい前記<1>〜<13>の何れか一項に記載の吸収性物品。
<15>
前記吸収性物品の展開状態において、前記立体防漏構造の前記自由端部が前記変形誘導部(前記前方域及び前記後方域の前記変形誘導部)を跨いでいる前記<1>〜<14>の何れか一項に記載の吸収性物品。
<16>
前記吸収性物品の自然状態において、前記立体防漏構造の前記自由端部が前記変形誘導部(前記前方域及び前記後方域の前記変形誘導部)を跨いでいる前記<1>〜<15>の何れか一項に記載の吸収性物品。
<17>
前記立体防漏構造の長手方向中央の起立可能幅D1は、好ましくは3mm以上、更に好ましくは5mm以上である前記<1>〜<16>の何れか一項に記載の吸収性物品。
<18>
前記立体防漏構造の長手方向中央の起立可能幅D1は、好ましくは15mm以下、更に好ましくは10mm以下である前記<1>〜<17>の何れか一項に記載の吸収性物品。
<19>
前記起立阻害部における前記基端部と前記自由端部固定部(前記自由端部固定部の長手方向内方端)との距離(起立阻害幅D2)は、好ましくは6mm以上、更に好ましくは10mm以上である前記<1>〜<18>の何れか一項に記載の吸収性物品。
<20>
前記起立阻害部における前記基端部と前記自由端部固定部(前記自由端部固定部の長手方向内方端)との距離(起立阻害幅D2)は、好ましくは30mm以下、更に好ましくは20mm以下である前記<1>〜<19>の何れか一項に記載の吸収性物品。
<21>
前記起立阻害部における前記基端部と前記自由端部固定部(前記自由端部固定部の長手方向内方端)との距離(起立阻害幅D2)と、前記立体防漏構造の長手方向中央の起立可能幅D1との差(D2−D1)は、好ましくは3mm以上、更に好ましくは5mm以上である前記<1>〜<20>の何れか一項に記載の吸収性物品。
<22>
前記起立阻害部における前記基端部と前記自由端部固定部(前記自由端部固定部の長手方向内方端)との距離(起立阻害幅D2)と、前記立体防漏構造の長手方向中央の起立可能幅D1との差(D2−D1)は、好ましくは15mm以下、更に好ましくは10mm以下である前記<1>〜<21>の何れか一項に記載の吸収性物品。
<23>
前記立体防漏構造の長手方向中央の起立可能幅D1、及び前記起立阻害部における前記基端部と前記自由端部固定部(前記自由端部固定部の長手方向内方端)との距離(起立阻害幅D2)は、それぞれ、前記変形誘導部における複数の内方端のうち幅方向の最も内方に位置する内方端(第2の内方端)と前記吸収性コアの前記側縁との距離Wに対して、0.3倍以上であることが好ましく、0.4倍以上であることが更に好ましく、0.5倍以上であることが一層好ましい前記<1>〜<22>の何れか一項に記載の吸収性物品。
<24>
前記立体防漏構造の長手方向中央の起立可能幅D1、及び前記起立阻害部における前記基端部と前記自由端部固定部(前記自由端部固定部の長手方向内方端)との距離(起立阻害幅D2)は、それぞれ、前記変形誘導部における複数の内方端のうち幅方向の最も内方に位置する内方端(第2の内方端)と前記吸収性コアの前記側縁との距離Wに対して、1.0倍以下であることが好ましく、0.9倍以下であることが更に好ましく、0.8倍以下であることが一層好ましい前記<1>〜<23>の何れか一項に記載の吸収性物品。
<25>
前記変形誘導部における複数の内方端のうち幅方向の最も内方に位置する内方端(第2の内方端)と前記吸収性コアの前記側縁との距離Wは、該吸収性コアの幅の10%以上であることが好ましく、15%以上であることが更に好ましい前記<1>〜<24>の何れか一項に記載の吸収性物品。
<26>
前記変形誘導部における複数の内方端のうち幅方向の最も内方に位置する内方端(第2の内方端)と前記吸収性コアの前記側縁との距離Wは、該吸収性コアの幅の30%以下であることが好ましく、25%以下であることが更に好ましい前記<1>〜<25>の何れか一項に記載の吸収性物品。
<27>
前記立体防漏構造における前記基端部は、前記吸収性コアの前記側縁からの距離D’が、前記変形誘導部における複数の内方端のうち幅方向の最も内方に位置する内方端(第2の内方端)と前記吸収性コアの前記側縁との距離Wに対して、0倍以上であることが好ましく、0.1倍以上であることが更に好ましく、0.2倍以上であることが一層好ましい前記<1>〜<26>の何れか一項に記載の吸収性物品。
<28>
前記立体防漏構造における前記基端部は、前記吸収性コアの前記側縁からの距離D’が、前記変形誘導部における複数の内方端のうち幅方向の最も内方に位置する内方端(第2の内方端)と前記吸収性コアの前記側縁との距離Wに対して、0.7倍以下であることが好ましく、0.6倍以下であることが更に好ましく、0.5倍以下であることが一層好ましい前記<1>〜<27>の何れか一項に記載の吸収性物品。
<29>
前記立体防漏構造の長手方向中央における前記基端部よりも幅方向内側に接着手段が設けられており、該接着手段を前記本体又は該立体防漏構造の他の部位に接着させることにより、前記短縮処理を実施可能になされている前記<1>〜<28>の何れか一項に記載の吸収性物品。
<30>
前記接着手段は、粘着材又はメカニカルファスナーである前記<29>記載の吸収性物品。
1,1A 失禁パッド(吸収性物品)
2 表面シート
3 裏面シート
4 吸収性コア
5 コアラップシート
6 長手方向変形誘導部
7 サイドフラップ
8 立体防漏構造
8a 基端部
8b 自由端部
8c 弾性部材
80 自由端部固定部
81 起立阻害部
82 貼り合わせ部
9 立体防漏構造形成用シート
10 本体
A 前方域
B 後方域
C 中央域
C1 第1の切り欠き縁部
C2 第2の切り欠き縁部
C3 第3の切り欠き縁部
N1 第1の変形誘導部
N2 第2の変形誘導部
S1,S2 吸収性コアの側縁
T1 吸収性コアの前端縁
T2 吸収性コアの後端縁
Q,Q1,Q2 変形誘導部の内方端

Claims (10)

  1. 長手方向に延びる一対の側縁と幅方向に延びる一対の端縁とで画成される縦長の吸収性コアを具備する本体と、該本体の長手方向に沿う両側部に配された一対の立体防漏構造とを備えた吸収性物品において、
    前記吸収性コアの長手方向の前方域及び後方域に、前記側縁から幅方向内方及び長手方向内方に向かって入り込んだ一対の変形誘導部がそれぞれ設けられており、
    前記立体防漏構造は、前記前方域から前記後方域に亘って長手方向に延びる基端部及び自由端部を有し、少なくとも該前方域と該後方域とに挟まれた前記吸収性コアの長手方向中央域において、該基端部を起点として該自由端部を装着者の肌側に向けて起立するようになされており、
    前記立体防漏構造の長手方向の前後端部域それぞれに、前記自由端部が前記本体に固定されて自由端部固定部が形成され、それによって該立体防漏構造の起立が阻害された起立阻害部が形成されており、
    前記自由端部固定部は、肌対向面における前記端縁と前記変形誘導部との間であって、且つ前記側縁と該変形誘導部の幅方向の内方端との間に位置し、
    前記立体防漏構造の長手方向中央の起立可能幅は、1)前記起立阻害部における前記基端部と前記自由端部固定部との起立阻害幅に比して短いか、又は2)該起立可能幅を縮める短縮処理によって、該起立阻害幅に比して短くすることが可能になされている吸収性物品。
  2. 前記立体防漏構造の前記基端部は、肌対向面における前記吸収性コア上に位置している請求項1記載の吸収性物品。
  3. 前記立体防漏構造は、長手方向に延びる立体防漏構造形成用シートを含んで構成されており、該立体防漏構造形成用シートは、該立体防漏構造の長手方向中央における前記基端部よりも幅方向内側に、相対的に幅方向外側に位置する部分と幅方向内側に位置する部分との貼り合わせ部を有している請求項1又は2記載の吸収性物品。
  4. 前記立体防漏構造形成用シートは、前記立体防漏構造の長手方向中央における前記基端部よりも幅方向内側において幅方向外側に折り返されており、その折り返しによって相対向する該立体防漏構造形成用シートの外面どうしが貼り合わされて前記貼り合わせ部が形成されている請求項3記載の吸収性物品。
  5. 前記吸収性品を平面状に拡げた展開状態とした場合に、前記立体防漏構造の長手方向中央の前記自由端部が前記自由端部固定部よりも幅方向外側に位置する請求項1〜4の何れか一項に記載の吸収性物品。
  6. 一対の前記立体防漏構造における一方の立体防漏構造の前記自由端部と他方の立体防漏構造の前記自由端部とは交差していない請求項1〜5の何れか一項に記載の吸収性物品。
  7. 前記変形誘導部が、前記吸収性コアに形成された切り欠きからなり、
    前記切り欠きは、前記端縁に近い側に位置する第1の切り欠き縁部と、前記端縁から遠い側に位置する第2の切り欠き縁部とを含む縁部によって画定されており、
    前記側縁上に位置する第1の切り欠き縁部の端部P1を通り、且つ幅方向に延びる直線をL1とし、前記側縁上に位置する第2の切り欠き縁部の端部P2を通り、且つ幅方向に延びる直線をL2としたとき、L1とL2で画定される領域外に、前記変形誘導部の幅方向の内方端が位置している、請求項1〜6の何れか一項に記載の吸収性物品。
  8. 第1及び第2の切り欠き縁部が何れも直線からなり、第1の切り欠き縁部の方が第2の切り欠き縁部よりも長くなっている請求項7記載の吸収性物品。
  9. 前記変形誘導部が前記内方端を2箇所に有しており、第1の内方端がL1とL2で画定される領域外に位置していると共に、第2の内方端が該領域内に位置している請求項8記載の吸収性物品。
  10. 前記立体防漏構造の長手方向中央における前記基端部よりも幅方向内側に接着手段が設けられており、該接着手段を前記本体又は該立体防漏構造の他の部位に接着させることにより、前記短縮処理を実施可能になされている請求項1〜9の何れか一項に記載の吸収性物品。
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