JP2015001422A - 光学式エンコーダ - Google Patents

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Shu Takushima
秀 多久島
琢也 野口
Takuya Noguchi
琢也 野口
仲嶋 一
Hajime Nakajima
一 仲嶋
武史 武舎
Takeshi Musha
武史 武舎
滋紀 竹田
Shigeki Takeda
滋紀 竹田
鹿井 正博
Masahiro Shikai
正博 鹿井
隆史 平位
Takashi Hirai
隆史 平位
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Abstract

【課題】信頼性の高い光学式エンコーダを提供する。
【解決手段】光学式エンコーダ50は、周期的な光学パターン6,7が形成された光学式スケール4と、光学式スケールに向けて光を照射する光照射部1と、光照射部からの光を受光する複数の受光素子3を有し、その受光量に応じた検出信号を出力する光検出部2と、光検出部からの検出信号を基に、光学式スケールの変位量を演算する演算部5とを備える。光照射部から光検出部までの光路上には光学薄膜8が設けられる。光学薄膜へ入射する光の強度分布は、入射角θが大きいほど小さくなる特性を有する。光学薄膜で反射され、又は光学薄膜を透過する光の強度分布は、入射角θが大きいほど大きくなる特性を有する。
【選択図】図2

Description

この発明は、測定対象に設けられたスケール上のパターンを光学的に検出する光学式エンコーダに関する。
光学式エンコーダは、サーボシステムなどにおいて、モータなどの物体の回転運動、並進運動を光学的に検出して、位置、速度などを求めるために用いられる。光学式エンコーダのうち、物体の回転運動を検出するロータリエンコーダは、光照射部と、光照射部からの光をコリメートするレンズ等からなる光学部品と、回転角度を検出するためのパターンが形成された回転円板と、光照射部からの光を受光する複数の受光素子を有する光検出部と、光検出部が出力する検出信号を基に、回転角度を演算する演算部と、などから構成されている。
近年、サーボモータの小型化要求が高まっており、エンコーダに対しても薄型化が求められている。薄型化の手法として、レンズ等の光学部品を使用しない方法が一般に行われている。また、光照射部としては、LED(発光ダイオード)などの点光源を用いるのが一般的である。点光源の光量分布は、例えば図10に示すランバーシアン(Lambertian)特性を有する。当該光量分布I(φ)は、下記の式(1)に示すように、光軸に対する放射角をφとしてcosφに比例する。なお、rは点光源から観測面までの光軸上の距離である。
Figure 2015001422
レンズ等の光学部品を使用しない場合、光検出部に到達(入射)する光はコリメートされておらず、各受光素子の受光量が不均一となる。それゆえ、例えば受光素子が一次元アレイ状に配置されている場合、光検出部の中央に位置する受光素子に対して、端部に位置する受光素子の出力信号の強度(出力強度)が小さくなる。このとき、光検出部のゲインは、出力強度が最大となる光検出部の中央に位置する受光素子によって制限されるため、端部に位置する受光素子の出力信号においてS/N比が低下し、したがって検出部が出力する検出信号においてS/N比が低下するという問題があった。
これに対し、光検出部の端部に位置する受光素子のS/N比を向上させる手法として、例えば特許文献1の手法が存在する。特許文献1では、光学式エンコーダにおいて、光検出部の中央に位置する受光素子に入射する光量と、端部に位置する受光素子に入射する光量とが等しくなるように受光素子の実行面積が設定されている(図11を参照)。これにより、各受光素子の出力強度が均一化されるようにしている。
特開2009−168625号公報
特許文献1の光学式エンコーダをモータに取り付けて使用する場合、例えばモータ回転時に生じる振動により、光照射部101及び光検出部102と回転円板との間のギャップが変動する。このギャップ変動が生じて、例えば光照射部101及び光検出部102と回転円板との間の距離が狭くなったとする。これは、光照射部101から照射された光の光路で考えると、光照射部101と光検出部102との間の距離が近くなることに等しい(図12を参照)。この場合、光検出部102に入射する光の光量分布の形状が変化する。それゆえ、各受光素子の出力強度が不均一になり、検出信号においてS/N比が低下してしまう。
また、例えば光学式エンコーダの組立ての際には、公差によって光照射部101と光検出部102との間に相対的な位置ずれが生じている。光照射部1に対する光検出部2の位置が回転円板のラジアル方向又はスラスト方向にずれることは、光照射部101と光検出部102との間の距離が変化することに等しい(図13を参照)。同様に、光照射部101に対する光検出部102の位置が回転円板の周方向にずれることは、図13中の左右方向に位置ずれが生じることに等しい。その結果、光検出部102に入射する光量分布の形状が変化し、さらに光の照射位置がシフトする。それゆえ、各受光素子の出力強度が不均一になり、やはり検出信号においてS/N比が低下してしまう。
このように、ギャップ変動、組立て時の公差による位置ずれなどが生じて、検出部からの検出信号においてS/N比が低下した場合には、算出される回転角度の精度が低くなって、エンコーダとしての信頼性が低下してしまう。
この発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、信頼性の高い光学式エンコーダを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る光学式エンコーダは、周期的な光学パターンが形成された光学式スケールと、光学式スケールに向けて光を照射する光照射部と、光照射部からの光を受光する複数の受光素子を有し、当該複数の受光素子の受光量に応じた検出信号を出力する光検出部と、光検出部からの検出信号を基に、光学式スケールの変位量を演算する演算部とを備える。光照射部から光検出部までの光路上には光学薄膜が設けられる。光学薄膜へ入射する光の強度分布は、光学薄膜への入射角が大きいほど小さくなる特性を有する。光学薄膜から出射する光の強度分布は、光学薄膜への入射角が大きいほど大きくなる特性を有する。
本発明によれば、ギャップ変動、光検出部と光照射部との間に相対的な位置ずれが生じた場合にも各受光素子の出力強度が均一化されることになり、検出信号のS/N比が向上し、演算される光学式スケールの変位量の精度が向上する。これにより、信頼性の高い光学式エンコーダが実現される。
本発明の実施の形態1による光学式エンコーダを示す斜視図である。 本発明の実施の形態1による光学式エンコーダを示す側面図(a)及び上面図(b)である。 コーティング膜への光の入射角に対する、光源光量分布と、コーティング膜の反射率との関係を示すグラフである。 ギャップ変動が生じた場合の、図2(a)に対応する図である。 光検出部へ入射する光の、コーティング膜への入射角の範囲が、ギャップ変動前後でどのように変化するかを示すグラフである。 (a),(b)はそれぞれ、組立て時の公差による位置ずれが生じた場合の、図2(a),(b)に対応する側面図、上面図である。 光検出部の一例を示す部分拡大図である。 光検出部の出力特性値を説明するための図である。 本発明の実施形態の変形例による光学式エンコーダを示す側面図である。 点光源のランバーシアン特性を説明するための図である。 特許文献1による光学式エンコーダの作用を説明するための図である。 特許文献1による光学式エンコーダの、ギャップ変動が生じた場合の作用を説明するための図である。 特許文献1による光学式エンコーダの、組立て時の公差による位置ずれが生じた場合の作用を説明するための図である。
以下、本発明による光学式エンコーダの実施の形態として、いわゆる反射型のロータリエンコーダについて、図を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1による光学式エンコーダを示す斜視図であり、図2は、その側面図(a)、上面図(b)である。
光学式エンコーダ50は、光照射部1と、光検出部2と、回転円板4と、演算部5と、などで構成される。回転円板4(光学式スケール)上には、反射部6と非反射部7とからなる光学パターンが形成されている。光学式エンコーダ50は、光学パターンが形成された光学式スケールの変位量である回転角度と回転方向を検出する。
光照射部1は、LEDなどの点光源(図示せず)を有し、回転円板4に向けて光(発散光)を照射する。点光源が放射する光の放射角をφとする。放射角φは、光軸と照射される光線とのなす角で定義される。点光源から観測面に対して入射する光の光量分布(強度分布)I(φ)は、例えばI(φ)=cosφ/rで表されるランバーシアン分布であり、放射角φが大きいほど光強度が低下する。rは、点光源から観測面までの光軸上の距離である。ただし、光源としてはこれに限定されることはなく、放射角φの関数I(φ)の形で記述できる光源を用いる。
光検出部2は、一次元アレイ状に配置された複数の受光素子3を有する。受光素子3は、回転円板4により反射された光を光電変換する。これに限定されないが、放射角φ=0の光、つまり光軸上の光が反射されてアレイの中央の受光素子に入射するように、複数の受光素子3は配置される。受光素子3としては、フォトダイオード、CCD(電荷結合素子)、CMOS(相補型金属酸化膜半導体)素子などを用いることができる。光検出部2は演算部5に接続されており、光電変換された各受光素子3の出力は、光検出部2から検出信号として演算部5に出力される。なお、例えば回転円板4上に複数のトラックが形成された場合には、複数の受光素子3が二次元アレイ状に配置されてもよい。
回転円板4は、図2に示すように、回転角度の測定対象であるモータ軸9に連結されて回転可能に支持されている。回転円板4は、ガラスなどの透明材料からなる。回転円板4上の反射部6は、光照射部1からの光を光検出部2に向けて反射させるために設けられ、それゆえクロムなど反射率の大きい材料からなる。非反射部7は、光照射部1からの光を光検出部2に入射させないために設けられ、それゆえ酸化クロムなど反射率の小さい材料からなる。反射部6、非反射部7は、回転円板4上に材料を蒸着或いはめっきすることにより形成される。
反射部6と非反射部7の構成は一例である。反射部6は、光照射部1からの光を光検出部2に導くことができる構造であればよい。非反射部7は、光照射部1からの光を光検出部2に入射させない構造であればよく、光を透過させる構成でもよい。
回転円板4上に形成された反射部6と非反射部7からなる円板パターンとして、インクリメンタルパターンとアブソリュートパターンが存在する。インクリメンタルパターンでは、反射部6と非反射部7とが所定の周期で等間隔に設けられ、回転円板4が回転するごとに、位相が互いに90°ずれた周期信号が光検出部2から出力されるようになっている。一方、アブソリュートパターンでは、反射部6と非反射部7とが、例えば周期の異なる複数の正弦波信号が得られるように設けられる。
演算部5は、増幅器、A/D変換器、CPU(中央処理装置)、メモリなどで構成される。演算部5は、A/D変換器により光検出部2からの検出信号をデジタル信号に変換し、当該デジタル信号を基に、メモリに保存された所定のプログラムを実行して、測定対象であるモータ軸9の回転方向と回転角度を演算する。
インクリメンタルパターンの場合、演算部5は、上記の位相が互いに90°ずれた周期信号を基に、基準位置からの相対的な回転量を算出する。一方、アブソリュートパターンの場合、演算部5は、光検出部2から出力される正弦波信号と余弦波信号に対して逆正接演算を実行することにより電気角を求め、周期の長い正弦波信号から周期の短い正弦波信号へ内挿分割することにより、1回転内の絶対位置(絶対回転角度)を高精度に算出できる。
次に、回転円板4上に形成され、円板パターンを覆っているコーティング膜8について詳しく説明する。コーティング膜8は、単層膜又は多層膜からなる光学薄膜である。多層膜の構成として、図2(a)中の点線で囲まれた部分に拡大して示すように、例えば屈折率(n1,n2…ni)の異なる複数の誘電体膜が積層した構成が考えられる。或いは、屈折率の高い材料からなる誘電体膜と屈折率の低い材料からなる誘電体膜とが交互に積層した構成も考えられる。なお、図2(a)では、コーティング膜8中での光の屈折を省略して図示している。
コーティング膜8を構成する材料としては、光照射部1の照射する光の波長に対して透明な(吸収率が充分に低い)材料、例えば二酸化シリコン(SiO)、五酸化タンタル(Ta)などを用いることができる。コーティング膜8の膜厚は、反射部6と受光素子3との間の距離よりも充分に小さければよい。コーティング膜8は、回転円板4の表面を覆うように材料を蒸着させることにより設けられる。
図3は、コーティング膜への光の入射角に対する、光源光量分布と、コーティング膜の反射率との関係を示すグラフである。
コーティング膜8に含まれる誘電体膜の層の数、各誘電体膜の膜厚及び屈折率は、入射角をθとして、コーティング膜8の反射率R(θ)が下記の式(2)を満たすように設計される。もちろん、必要に応じて点光源の偏光特性がさらに考慮される。なお、式中の文字aは定数を表す。屈折率(n1,n2…ni)と反射率R(θ)との関係は、いわゆるフレネルの公式で記述される。
Figure 2015001422
入射角θは、コーティング膜8の膜面に対する法線と照射される光線との間の角度で定義される。また、φ(θ)は、点光源からの光の放射角φが、コーティング膜8への光の入射角θの関数として記述可能であることを示す。ここで、図1に戻り、θaは光軸上を進み、アレイの中央の光学素子3に入射する光の入射角を、θbはアレイの端の光学素子3に入射する光の入射角を表す。図1から判るように、θa<θbである。つまり、入射角θは、放射角φが大きいほど大きくなる。
つまり、コーティング膜8の反射率R(θ)は、点光源の光量分布I(φ(θ))に反比例する。このとき、光量分布I(φ(θ))は、放射角φが大きいほど光強度が低下し、それゆえ、入射角θが大きいほど、光強度が低下する。ただし、上記の式(2)は、コーティング膜8への全ての入射角範囲に対して満たされる必要はなく、少なくともギャップ変動、組立て時の公差などによって変動すると考えられる入射角範囲で満たされればよい。このように、式(2)が満たされる範囲を限定することにより、コーティング膜8の構成を簡単にすることができる。
なお、上記の式(2)におけるコーティング膜8への入射角θは、光照射部1と光検出部2、及び回転円板4の相対位置により決まる。例えば図2のように、光照射部1の座標を原点(0,0,0)とし、光照射部1と回転円板4に形成された反射部6との間の距離をz1、受光素子3と回転円板4に形成された反射部6との間の距離をz2とする。座標(x,y,z2−z1)に位置する受光素子3に入射する光のコーティング膜8への入射角θは、下記の式(3)で表される。
Figure 2015001422
次に、光学式エンコーダ50の動作について、コーティング膜8を用いて各受光素子3の出力強度が均一化される原理と併せて説明する。
例えばモータの回転量を検出する場合に、光学式エンコーダ50を作動させると、光照射部1から回転円板4に向けて、光量分布I(φ)で光(発散光)が照射される。照射された光は、回転円板4上に形成された反射部6(又はコーティング膜8)で反射され、非反射部7で吸収される。反射部6上にはコーティング膜8が設けられているので、反射部6での反射率は、コーティング膜8への光の入射角θに依存する。反射部6で反射されて受光素子3に到達、換言すると(入射角θで)入射する光の強度f(θ)は、下記の式(4)で表される。
Figure 2015001422
反射率R(θ)が上記の式(2)を満たすようにコーティング膜8が構成されているため、f(θ)は定数aとなる。つまり、回転円板4の反射部6(又はコーティング膜8)での反射角によらず一定強度の光が反射され、それゆえ、各受光素子3の出力強度は均一化される。
続いて、モータ回転時の振動などによりギャップ変動が生じた場合について説明する。
図4に示すように、例えばギャップ変動が生じ、光照射部1と回転円板4との間の距離がz1からz1−Δzになったとする。このとき、光検出部2と回転円板4の距離もz2からz2−Δzとなる。このとき、上記の式(3)において、回転円板4に到達する光の入射角θは、下記の式(5)のように変化する。
Figure 2015001422
図5は、光検出部へ入射する光の、コーティング膜への入射角の範囲が、ギャップ変動前後でどのように変化するかを示すグラフである。
光検出部2と回転円板4との間の距離がz2のとき、コーティング膜8への入射角がθ1min<θ<θ1maxの範囲の光が、反射されて光検出部2に光が入射するとする。ギャップ変動により当該距離z2が小さくなると、図5に示すように、入射角の範囲はθ2min<θ<θ2maxへとシフトする。つまり、入射角範囲が変化しても、点光源による光量分布I(φ(θ))の形状は変化しない。それゆえ、上記の式(4)により、受光素子3に到達する光の強度f(θ)は反射角によらず一定となるので、各受光素子3の出力強度が均一化される。
続いて、組立て時の公差により、光照射部1と光検出部2との間に相対的な位置ずれが生じた場合について説明する。
図6に示すように、光照射部1に対する光検出部2の位置ずれが、x,y,z方向にそれぞれδx,δy,δzだけ生じたとする。座標(x,y,z2−z1)に位置するように設計された受光素子3は、実際には座標(x−δx,y−δy,z2−δz−z1)に位置する。このとき、上記の式(3)において、回転円板4に到達する光の入射角θは、下記の式(6)のように変化する。
Figure 2015001422
組立て時の公差による位置ずれが生じた場合と、設計通りに組立てられ位置ずれが生じていない場合とを比較すると、ギャップ変動時と同様に、反射されて光検出部2に光が入射する、コーティング膜8への入射角の範囲はシフトするが、点光源の光量分布I(φ(θ))の形状は変化しない。それゆえ、上記の式(4)により、受光素子3に到達する光の強度f(θ)は角度によらず定数aとなるので、各受光素子3の出力強度が均一化される。
各受光素子3で光電変換されて出力される信号の強度は均一化される。信号は、光検出部2からの電圧信号(検出信号)として演算部5に出力される。演算部5では、増幅器により成形及び増幅された電圧信号がデジタル変換されて、演算用のプログラムにより、測定対象であるモータ軸9の回転角度が演算される。
以上で説明したように、コーティング膜8への入射角θに対する反射率R(θ)が、点光源の光量分布I(φ(θ))に対して式(3)を満たすようにコーティング膜8が構成されているので、ギャップ変動、組立て時の公差などによる位置ずれが生じた場合でも、各受光素子3の出力強度を均一化して、光検出部2から出力され演算部5に入力される検出信号のS/N比を向上させることができる。これにより、演算部5で算出される回転角度の精度が向上し、エンコーダとしての信頼性を向上させることができる。
実施の形態2.
本発明の実施の形態2による光学式エンコーダ50では、コーティング膜8への入射角θに対する反射率R(θ)の関数が実施の形態1と相違する。その他の基本的な構成については実施の形態1と同様であり、同一の符号を付して説明を省略する。
図7は、光検出部の一例を示す部分拡大図である。図7を用いて、本発明の実施の形態2による光学式エンコーダが解決しようとする課題を説明する。
図7に示した光検出部2では、半導体基板11上に受光素子3としてのフォトダイオード12が形成され、フォトダイオード12と光検出部2の受光面との間には、電圧の入出力に用いられるトランジスタ13、配線層などが形成されている。
近年、光検出部2の高分解能化のために、受光素子3の面内寸法を小さくする傾向にある。この場合、図7に示すように、光検出部2への入射角が大きくなると、トランジスタ13などで反射又は吸収されてフォトダイオード12に到達しない光が増加する。その結果、光検出部2に光が垂直入射したときの各受光素子3の出力強度と、入射角が大きいときの各受光素子3の出力強度との間に無視できない差が生じる場合がある。
つまり、図8に示すように、例えばランバーシアン特性を有する点光源からの光が光検出部2に入射した場合、光検出部2の端部に位置する受光素子では入射角が大きくなり、出力強度は、ランバーシアン特性による光量分布(図中のcosφ)の場合よりも低下してしまう。なお、図8におけるV(θ)は、実際の各受光素子3の出力分布を表す。
ここで、光検出部2への入射角θ(=コーティング膜8への入射角)に応じて変化する光検出部2の出力特性値をS(θ)と定義する。出力特性値S(θ)は、例えば図8に示すような光学系において、光量分布I(φ(θ))が既知の点光源を用い、出力分布V(θ)を予め取得しておくことにより、下記の式(7)を用いて算出される。
Figure 2015001422
本実施形態2では、コーティング膜8における各誘電体膜の膜厚、屈折率及び層の数は、コーティング膜8の反射率R(θ)が下記の式(8)を満たすように決定される。なお、式中の文字bは定数を表す。
Figure 2015001422
つまり、コーティング膜8の反射率R(θ)は、点光源の光量分布I(φ(θ))と光検出部2への入射角に対する出力特性値S(θ)との積に反比例する。
光照射部1から照射された光は、コーティング膜8が形成された回転円板4上の反射部6で反射され、光検出部2に入射する。受光素子3に到達する光の強度f(θ)は、下記の式(9)に示すように角度によらず定数bとなるので、各受光素子3の出力強度が均一化される。
Figure 2015001422
以上で説明したように、コーティング膜8への入射角θに対する反射率R(θ)が、点光源の光量分布I(φ(θ))に対して式(7)を満たすようにコーティング膜8が構成されているので、実施形態1で説明した効果を得ることができる。このとき、反射率R(θ)が、光検出部2への入射角に対する出力特性値S(θ)を考慮したものとなっていることにより、光検出部2への入射角によらず各受光素子3の出力強度が均一化されることになる。これにより、エンコーダとしての信頼性をさらに向上させることができる。
実施形態1,2では、ギャップ変動、組立て時の公差によって生じる光照射部1と光検出部2との間の相対的な位置ずれについて説明したが、温度変動などに起因する他の位置ずれが生じた場合であっても、各受光素子3の出力強度が均一化されることは言うまでもない。
図9は、本発明の実施形態の変形例による光学式エンコーダを示す側面図である。
実施形態1,2では、上記の式(2)又は(8)のように、コーティング膜8は、膜面への入射角θが大きくなる程に反射率R(θ)が大きくなる特性を有していた。一方、図9に示すように、入射角θが大きくなる程に透過率T(θ)が大きくなる特性を有するコーティング膜8が設けられてもよい。つまり、下記の式(10),(11)が満たされる。この変形例によっても、実施形態1,2で説明した効果と同様の効果が得られる。
Figure 2015001422
このとき、コーティング膜8は、光照射部1の光照射面に、例えばLEDの発光層に形成された電極を覆うように設けられてもよい。或いは、光検出部2の、トランジスタなどが形成された受光面に設けられてもよい。このように、コーティング膜8が光照射部1、光検出部2の表面を覆うことにより、これらの保護膜として機能させることができ、したがって耐環境性を向上させることができる。このとき、コーティング膜8の形成は、回転円板4上に設ける場合と同様に、蒸着などにより実施できる。
なお、本発明では、光の「反射」及び「透過」は、いずれも光の「出射」の一態様であるとする。
以下、その他の変形例について説明する。
実施形態1,2では、光学式スケールの回転量(角度)と回転方向を検出するロータリエンコーダについて説明したが、光学式スケールの直線変位量と変位方向を検出するリニアエンコーダについても本発明を適用できる。
また、実施形態1,2では、スケール(回転円板4など)に対して光照射部1と光検出部2とが同じ側に配置され、光検出部2がスケール上で反射された光を検出するように構成された反射型エンコーダについて説明した。本発明はこれに限られることなく、コーティング膜8への入射角に応じて透過率が変わるようにコーティング膜8が構成された場合には、透過型エンコーダでもよい。つまり、スケールに対して光照射部1と光検出部2とが反対側に配置され、光検出部2がスケールを透過した光を検出するように構成されたエンコーダでもよい。
また、実施形態1,2では、所定の部品上に材料を蒸着させてコーティング膜8を設けたが、これに限定されず、光照射部1から光検出部2までの光路上であれば、光学薄膜を含む別部材として設けられてもよい。
また、実施形態1,2では、各受光素子3の出力強度を均一化する方法について説明したが、必ずしも全受光素子の出力強度が完全に等しくなる必要はない。つまり、各受光素子の出力強度が少しでも均一化されるのであれば、コーティング膜8での反射率R(θ)又は透過率T(θ)が、上記の式(2),(8)又は式(10),(11)を完全には満たさなくてもよい。
1 光照射部、 2 光検出部、 3 受光素子、 4 回転円板、 5 演算部、 6 反射部、 7 非反射部、 8 コーティング膜、 9 モータ軸、 11 半導体基板、 12 フォトダイオード、 13 トランジスタ、 50 光学式エンコーダ。

Claims (7)

  1. 周期的な光学パターンが形成された光学式スケールと、
    前記光学式スケールに向けて光を照射する光照射部と、
    前記光照射部からの光を受光する複数の受光素子を有し、該複数の受光素子の受光量に応じた検出信号を出力する光検出部と、
    前記光検出部からの検出信号を基に、前記光学式スケールの変位量を演算する演算部とを備え、
    前記光照射部から光検出部までの光路上には光学薄膜が設けられ、
    前記光学薄膜へ入射する光の強度分布は、該光学薄膜への入射角が大きいほど小さくなる特性を有し、
    前記光学薄膜から出射する光の強度分布は、前記入射角が大きいほど大きくなる特性を有することを特徴とする光学式エンコーダ。
  2. 前記光学薄膜は、単層膜であり、又は、互いに屈折率が異なる複数の誘電体膜を含むことを特徴とする、請求項1に記載の光学式エンコーダ。
  3. 前記光学薄膜への光の入射角をθ、入射する光の強度分布をI(θ)、該光学薄膜から出射する光の強度分布をE(θ)、aを定数として、
    E(θ)=a/I(θ)
    が成立することを特徴とする、請求項1又は2に記載の光学式エンコーダ。
  4. 前記光学薄膜への光の入射角をθ、入射する光の強度分布をI(θ)、該光学薄膜から出射する光の強度分布をE(θ)、前記光検出部への光の入射角に応じて変化する該光検出部の出力特性値をS(θ)、bを定数として、
    E(θ)=b/(I(θ)・S(θ))
    が成立することを特徴とする、請求項1又は2に記載の光学式エンコーダ。
  5. 前記光学薄膜は、前記光学式スケールに形成された光学パターンの上に設けられたことを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載の光学式エンコーダ。
  6. 前記光学薄膜は、前記光照射部の光照射面又は前記光検出部の受光面に設けられたことを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載の光学式エンコーダ。
  7. 前記光学式スケールに対して前記光照射部と光検出部とが同じ側に配置され、
    前記複数の受光素子は、前記光学式スケール上で反射された光を受光することを特徴とする、請求項1から6のいずれか1項に記載の光学式エンコーダ。
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