JP2015000946A - ポリフェニレンサルファイド多孔質体とその製造方法 - Google Patents

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健太郎 田中
崇晃 三原
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崇晃 三原
堀口 智之
Tomoyuki Horiguchi
智之 堀口
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Abstract

【課題】高強度で構造均一性の高いポリフェニレンサルファイド多孔質体と、ポリフェニレンサルファイド多孔質体を簡便に製造できる製造方法を提供する。【解決手段】隣接する複数の略球状構造が三次元的に連結した連球状構造を有するとともに、該連球状構造の空隙部分が連続孔をなすポリフェニレンサルファイド多孔質体。ポリフェニレンサルファイドを島成分、熱可塑性樹脂(a)を海成分とする海島構造を有し、前記島成分を構成するポリフェニレンサルファイド粒子の数平均直径の相対標準偏差が0.2以下である樹脂成形体(b)を熱処理し、共連続構造を有する樹脂成形体(c)を得た後、樹脂成形体(c)から熱可塑性樹脂(a)を除去するポリフェニレンサルファイド多孔質体の製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、ポリフェニレンサルファイド多孔質体とその製造方法に関する。
多孔質体は分離膜、電池セパレータ、吸着体、触媒担体等、多くの用途に利用されている。分離膜としては、電子工業、化学工業、機械工業におけるプロセス用水製造、海水淡水化による飲料水の製造、医薬品、食品、化粧品製造における有用物質の分離・濃縮、人工腎臓や血漿分離膜などの医療分野、等において種々の多孔質体が活用されている。
最近では、膜分離プロセスは蒸留等と比較してエネルギー負荷が小さい分離プロセスとしても注目されており、高温・高圧下など過酷な使用環境に耐えうる、耐熱性、耐薬品性に優れた分離膜への要求がますます高まっている。また、電池セパレータとしては、ポリオレフィン、ポリビニルアルコール等の多孔質膜が一般に用いられているが、長寿命化や機械的強度向上が望まれている。
このような、耐熱性、耐薬品性、耐久性、高強度化等の要望に応えるため、ポリフェニレンサルファイドを用いた多孔質体に関わる研究開発が活発に行われている。例えば、延伸開孔によるポリフェニレンサルファイド多孔質体の製造方法が提案されている(例えば、特許文献1〜3)。しかし、この方法では精密に孔径を制御することが困難であり、孔径の均一性が低いという問題があった。また、多孔質体からなる成形体の形状が、繊維、フィルム等延伸工程に適応可能なものに制限される難点もあった。
また、溶液相分離によるポリフェニレンサルファイド多孔質体の製造方法も提案されている(例えば、特許文献4)。しかし、ポリフェニレンサルファイドの高い結晶性のため、使用可能な溶媒や、溶解条件が極めて限られており、事実、特許文献4においては、ポリフェニレンサルファイドの溶液調製方法が、加圧状態、200℃以上の高温といった過酷なものしか示されていない。また、溶液相分離法においても、規則的な周期構造を得ることが困難であるといった問題があった。
また、溶媒を使用せずに多孔質体を製造する方法として、ポリマーアロイのスピノーダル分解により共連続構造を形成し、その後一成分を除去する方法が示されている(例えば、特許文献5)。しかし、ポリフェニレンサルファイドを用いた具体的な多孔質膜の製造方法は記載されていない。この方法は、混合系がいったん均一に相溶した後に、急速に不安定領域の温度まで温度変化させることで、スピノーダル分解型の相分離を起こすものであるが、一般に、ポリフェニレンサルファイドと相溶状態をとり得る樹脂はほとんど存在しないのが現状である。
さらに、重合誘起相分離を用いたポリフェニレンサルファイド多孔質体の製造方法も提案されている(例えば、特許文献6)。この方法は、ポリフェニレンサルファイド前駆体と別の樹脂成分を相溶させ、ポリフェニレンサルファイドを重合することでスピノーダル分解を誘発し、その後、ポリフェニレンサルファイド以外の樹脂成分を除去するものである。この方法では、ポリフェニレンサルファイドは重合前の前駆体の状態で樹脂と混合されるために相溶状態が比較的容易に得られ、最終的に得られる多孔質体の孔径の均一性が高い利点があった。しかし、この方法では混合後に重合を行っているため、多孔質体に重合度の低いポリフェニレンサルファイドが残存し、分子量分布が大きいため、実用上耐えうる強度を有するポリフェニレンサルファイド多孔質体を得ることは困難であった。
特開昭58−67733号公報 特開昭60−202659号公報 特開昭59−59917号公報 特開昭60−248202号公報 特開2003−64214号公報 特開2010−254943号公報
本発明は、上記現状に鑑み、高強度で構造均一性の高いポリフェニレンサルファイド多孔質体と、ポリフェニレンサルファイド多孔質体を簡便に製造できる製造方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するための本発明は、隣接する複数の略球状構造が三次元的に連結した連球状構造を有するとともに、該連球状構造の空隙部分が連続孔をなすポリフェニレンサルファイド多孔質体である。
また、本発明の他の態様は、
(工程1)ポリフェニレンサルファイドを島成分、熱可塑性樹脂(a)を海成分とする海島構造を有し、前記島成分を構成するポリフェニレンサルファイド粒子の数平均直径の相対標準偏差が0.2以下である樹脂成形体(b)を、前記ポリフェニレンサルファイド及び熱可塑性樹脂(a)のうち融点が高い方の融点より0.1〜500℃高い温度であって、かつ前記ポリフェニレンサルファイドと熱可塑性樹脂(a)が相溶しない温度で熱処理を行い、共連続構造を有する樹脂成形体(c)を得る工程;
(工程2)得られた樹脂成形体(c)から熱可塑性樹脂(a)を除去する工程;
を有するポリフェニレンサルファイド多孔質体の製造方法である。
本発明によれば、分離膜や電池セパレータ用途に好適な、高強度で構造均一性の高いポリフェニレンサルファイド多孔質体を簡便に得ることができる。
本発明のポリフェニレンサルファイド多孔質体の一態様における断面のSEM観察画像(日立ハイテクノロジーズ社製走査型電子顕微鏡S5500を用いて拡大率3千倍にて観察)を示す図である。
<ポリフェニレンサルファイド多孔質体>
本発明のポリフェニレンサルファイド多孔質体は、ポリフェニレンサルファイド(以下、「PPS」と表記する場合がある。)を主成分とした多孔質体であって、特に分離膜や電池セパレータとして好適に用いられるものである。
〔ポリフェニレンサルファイド〕
本発明でいうPPSとは、ベンゼン環と硫黄(S)を主結合鎖とする高分子の総称である。PPSとして、繰り返し単位にp−フェニレンサルファイドを70モル%以上含む重合体を用いると、成形体の耐熱性及び耐薬品性に優れ、本発明の共連続構造を有する成形体として幅広い用途に展開できる観点から好ましく、90モル%以上含むと特に好ましい。
PPSは、公知の方法、例えば、特公昭45−3368号公報に記載される比較的分子量の小さな重合体を得る方法あるいは特公昭52−12240号公報や特開昭61−7332号公報に記載される比較的分子量の大きな重合体を得る方法等によって製造することができる。得られたPPSを、酸水溶液等による洗浄(酸洗浄)、有機溶媒あるいは熱水による処理、アルカリ土類金属塩を含む水による洗浄、酸無水物、アミン、イソシアネート、官能基含有ジスルフィド化合物等の官能基含有化合物による活性化等の種々の処理、空気中加熱による架橋/高分子量化、窒素等の不活性ガス雰囲気下あるいは減圧下での熱処理を施した上で使用すること、およびこれらの処理を複数回繰り返したり、異なる処理を組み合わせたりした上で使用することも可能である。
本発明における多孔質体は、分子量分布が1〜10であるPPSからなることが好ましい。10超過であると分離膜や電池セパレータとして好適に供される強度を得ることができない。1未満であると成形性が不十分になったり、延伸の際の破断が起こりやすくなったりする等の問題が生じる。PPSの分子量分布は好ましくは1.5〜8であり、より好ましくは1.5〜5である。分子量分布はWaters社製、ゲル浸透クロマトグラフ(GPC)装置を用い、溶媒は1−クロルナフタレンとして、「高分子論文集」44巻(1987)2月号139〜141頁に開示された方法に従って実施される。なお、PPSの分子量分布は、原料や中間体の状態ではなく、最終形態である多孔質体において測定されるものとする。
〔多孔質体〕
本発明におけるPPS多孔質体は、隣接する複数の略球状構造が三次元的に連結した連球状構造を有するものである。隣接する複数の略球状構造が三次元的に連結した連球状構造とは、多孔質体中においてPPS樹脂が多数の略球状構造を形成するとともに、該略球状構造同士が、互いの球面を部分的に侵食しつつ連結し、全体として三次元的な網目状構造を形成していることをいう。このような本発明のPPS多孔質体の一態様を図1に示す。
連球状構造を有していることは、多孔質体の断面をSEM観察したときに、PPS樹脂からなる固相と空隙部分の界面に、略球状構造の輪郭をなす略円弧状の曲線が連結して形成された湾曲V字状の屈曲部(以下、単に「屈曲部」ということがある。)が認められることによって判断できる。このような屈曲部は、例えば図1において矢印で示した部分に代表的に見られる構造を指す。具体的には、多孔質体の断面を5±0.5(nm/画素)となるよう調整された拡大率で、70万画素以上の解像度にて、50μm×50μmの範囲のSEM観察を行い、PPS樹脂からなる固相と空隙部分の界面に1ヶ所以上屈曲部があれば連球状構造を有していると見なす。連球状構造の特性をより強く発揮するためには、上記範囲に屈曲部が5ヶ所以上あることが好ましく、10ヶ所以上あることがさらに好ましい。以下、上記観察を行った際に見られる屈曲部の数を、単に「屈曲部の数」というものとする。
本発明において、連球状構造の空隙部分が連続孔をなしている、とは、多孔質体のうち、連球状構造を有する固相以外の体積部分を占める空隙部分が、三次元的に相互に連結した連続孔を形成していることをいい、連続孔の存在は透水性試験により確認することができる。透水性試験は一般的な方法で実施され、多孔質体内部以外の透過経路を接着剤等で封止した状態で多孔質体に水を流入させた際に、多孔質体を透過した水が流出すれば、連続的な空孔が存在していると判断できる。多孔質体の形状や構造により異なるため一概には言えないが、水の透過抵抗が大きい場合には、多孔質体の構造が破壊されない程度の圧力をかけて透水性試験を行う。
このように、隣接する複数の略球状構造が三次元的に連結した連球状構造を有するとともに、該連球状構造の空隙部分が連続孔をなしていることにより、本発明の多孔質体は、例えば分離膜として利用する際には、使用中に膜に付着する汚れ成分が屈曲部に囲まれた空間に優先的に堆積するため、実質的な孔径が変化しない。そのため、分画性能の低下を抑制したまま長期間使用できる利点がある。また、電池セパレータとして利用する際には、充放電に伴う電極の膨張、収縮によって屈曲部近傍のみが主体的に変形し、負荷を緩衝するため、構造破壊を抑制できるため、性能が安定するとともに耐久性も向上する利点がある。
本発明において、ポリフェニレンサルファイドオリゴマー(PPSオリゴマー)の残存率は、次に手順を示す抽出試験を行うことで調べられる。まず、PPS多孔質体10g及び抽出溶媒であるクロロホルム100cmをフラスコに入れ、それを60℃で6時間静置し、PPSオリゴマーの抽出処理を行い、処理前のポリマー重量をW、処理後のポリマー重量をWとすると、次式で求める。
PPSオリゴマー残存率(重量%)=(W−W)/W×100
なお、抽出試験前後のポリマー重量の測定前には、ポリマーを室温25℃、60RH%で24時間保存した後に測定する。
本発明におけるPPS多孔質体は、PPSオリゴマー残存率が2%以下であると、多孔質体を使用する際にPPSオリゴマーの溶出が抑制できるとともに、残存オリゴマーに起因する破断が起こりにくいため好ましい。PPSオリゴマー残存物が1.5%以下であると高温薬液への曝露や大荷重がかかる環境等厳しい条件下でも耐えうることからより好ましく、1%以下であることがさらに好ましい。
本発明におけるPPS多孔質体は、引張強度が55MPa以上であると幅広い用途に用いることが可能となるため好ましい。引張強度は65MPa以上であることがより好ましく、75MPa以上であることがさらに好ましい。引張強度は、多孔質膜から長さ50mm、幅10mmのサンプルを切り出し、25℃湿度65%の雰囲気下で引張速度300mm/分の条件で測定される。
多孔質体の構造周期の均一性が低く、粗大な部分があると、例えば衝撃を受けた際にそこを起点として破壊が進行するなど、実用上問題となることがあるため、構造周期は均一であることが好ましい。また、多孔質体が規則的な周期構造を有していると、耐衝撃性の観点のみならず、特に分離膜として利用する際に膜の分画性能が高くなるため好ましい。
多孔質体が規則的な周期構造を有することを確認するためには、SEM画像をフーリエ変換して得られたスペクトルが極大値を有することで確認することができる。また、前記スペクトルにおける極大値に対応するピークの拡がりが、構造均一性に対応する。本発明では、均一性の指標として、光散乱測定において、散乱光の波数に対して散乱強度をプロットしたスペクトルの散乱極大ピーク半値幅に着目した。ただし、ピークの半値幅はピーク極大波数の増加に伴い増大する傾向にあるので、ピークの半値幅(A)、ピーク極大波数(B)とから計算される(A)/(B)の値を構造均一性の指標とした。優れた機械特性などの物理特性を発現するためには、構造均一性が高い方が好ましく、前記(A)/(B)の値においては1.6以下であることが好ましく、1.3以下であることがより好ましく、1.0以下であることがさらに好ましい。また、ポリマーアロイの構造は均一である程良いので、(A)/(B)の下限値は特に限定されない。
本発明におけるピークの半値幅とはピークの頂点を点Aとし、点Aからグラフ縦軸に平行な直線を引き、該直線とスペクトルのベースラインとの交点を点Bとしたとき、点Aと点Bを結ぶ線分の中点(点C)におけるピークの幅である。なお、ここで言うピークの幅とは、ベースラインに平行で、かつ点Cを通る直線上の幅のことである。
前記したフーリエ変換スペクトルの極大値に対応する極大波数qから前記多孔質体の構造周期λ(=1/q)を導くことができる。これを用いて得られる多孔質体の構造周期は、0.2〜300μmであると分離膜や電池セパレータ等幅広い用途に汎用的に用いられることから、好ましい態様である。構造周期は0.2〜30μm以下であることがより好ましく、0.3〜5μmであることがさらに好ましい。
〔用途〕
本発明により得られたPPS多孔質体は、マトリックス成分を形成する樹脂の特性や孔径等により、電池セパレータ、分離膜、断熱材、軽量構造材、緩衝材、吸着材、吸音材、触媒担体、透過膜、血液透析膜等として、幅広い分野で使用される。特に耐熱性、耐薬品性、高強度といった特徴を有することや、オリゴマーの溶出の懸念が少ないことから、電池セパレータや分離膜として好適に用いられる。
〔添加剤〕
本発明のPPS多孔質体は、本発明の効果を損なわない範囲において、ポリアルキレンオキサイドオリゴマー系化合物、チオエーテル系化合物、エステル系化合物、有機リン化合物等の可塑剤、タルク、カオリン、有機リン化合物、ポリエーテルエーテルケトン等の結晶核剤、ポリオレフィン系化合物、シリコーン系化合物、長鎖脂肪族エステル系化合物、長鎖脂肪族アミド系化合物、無機粒子、フィラー等の離型剤、防食剤、着色防止剤、酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、紫外線防止剤、着色剤、難燃剤、発泡剤、艶消し剤、可塑剤、染料、顔料、結晶核剤等の通常の添加剤を含むことができる。
<ポリフェニレンサルファイド多孔質体の製造方法>
本発明のPPS多孔質体は、一例として、
(工程1)ポリフェニレンサルファイドを島成分、熱可塑性樹脂(a)を海成分とする海島構造を有し、前記島成分を構成するポリフェニレンサルファイド粒子の数平均直径の相対標準偏差が0.2以下である樹脂成形体(b)を、前記ポリフェニレンサルファイド及び熱可塑性樹脂(a)のうち融点が高い方の融点より0.1〜500℃高い温度であって、かつ前記ポリフェニレンサルファイドと熱可塑性樹脂(a)が相溶しない温度で熱処理を行い、共連続構造を有する樹脂成形体(c)を得る工程;
(工程2)得られた樹脂成形体(c)から熱可塑性樹脂(a)を除去する工程;
を有する製造方法により製造される。
〔ポリフェニレンサルファイド〕
本発明でいうPPSとは、ベンゼンと硫黄Sを主結合鎖とする高分子の総称であるが、本発明に適用する際には、繰り返し単位にp−フェニレンサルファイドを70モル%以上含む重合体を用いると成形体の耐熱性及び耐薬品性に優れ、本発明の共連続構造を有する成形体として幅広い用途に展開できる観点から好ましく、90モル%以上含むと特に好ましい。
PPSは、公知の方法、例えば、特公昭45−3368号公報に記載される比較的分子量の小さな重合体を得る方法あるいは特公昭52−12240号公報や特開昭61−7332号公報に記載される比較的分子量の大きな重合体を得る方法等によって製造することができる。得られたPPSを、酸水溶液等による洗浄(酸洗浄)、有機溶媒あるいは熱水による処理、アルカリ土類金属塩を含む水による洗浄、酸無水物、アミン、イソシアネート、官能基含有ジスルフィド化合物等の官能基含有化合物による活性化等の種々の処理、空気中加熱による架橋/高分子量化、窒素等の不活性ガス雰囲気下あるいは減圧下での熱処理を施した上で使用すること、およびこれらの処理を複数回繰り返したり、異なる処理を組み合わせたりした上で使用することも可能である。
なお、PPS多孔質体の製造工程においては、PPSまたは少なくともPPSを含む樹脂組成物の溶融成形工程を伴う場合が多く、その際の成形性、工程安定性に観点から、原料のPPSの粘度はメルトフローレート(以下、MFRという)が50〜180g/10分、特に50〜150g/10分のものが好ましい。ここで、PPSのMFRは、ASTM D1238−86に準拠して、316℃、オリフィス径2.095mm、オリフィス長さ8.00mm、荷重5kgの条件で測定した10分あたりの流出樹脂量(g)で表される。
〔海島構造〕
本発明のPPS多孔質体の製造方法においては、PPSを島成分、熱可塑性樹脂(a)を海成分とする海島構造を有する樹脂成形体(b)を用いる。樹脂成形体(b)における島成分、すなわちPPS粒子の粒子径のばらつきを表す指数としては標準偏差があるが、この値は平均粒子径が異なる場合単純に比較できない。そこで、粒子径のばらつきを比較する際には、標準偏差を粒子の平均粒子径で除した値、即ち相対標準偏差(変動係数)を用いる。
なお、該製造方法に用いる樹脂成形体(b)において、PPS粒子の平均粒子径は、透過型電子顕微鏡(TEM)により樹脂成形体の構造観察を行い、観察区画内において輪郭が完全に確認できるすべての粒子について縦方向と横方向の直径を測定したときの平均直径の平均値として求められる値である。その際、輪郭が完全に確認できる粒子が39個以下である場合は、観察範囲を広げて40個以上の粒子サイズの情報を用いて平均の粒子径を算出する。
該製造方法において、熱処理により樹脂成形体(b)中に分散しているPPS粒子を同時多発的に連結させて共連続構造を発現させるためには、PPSからなる島成分の平均粒子径の相対標準偏差が0.2以下であることが好ましい。均一性の高い共連続構造を得る観点から、当該相対標準偏差はより好ましくは0.17以下であり、さらに好ましくは0.15以下である。また、PPS粒子の平均粒子径は、熱処理による共連続構造の汎用性の観点から、0.2〜300μmであることが好ましく、0.2〜30μm以下であることがより好ましく、0.3〜5μmであることがさらに好ましい。
樹脂成形体(b)におけるとPPSの重量分率は、30/70〜70/30であると熱処理により均一性の高い共連続構造を得ることができるため好ましく、35/65〜65/35であることがより好ましく、40/60〜60/40であることがさらに好ましい。
〔熱可塑性樹脂(a)〕
一般に、2成分以上の樹脂からなるポリマーアロイには、ガラス転移温度以上、熱分解温度以下の実用的な全領域において相溶する相溶系、逆に全領域で相溶しない非相溶系、ある領域で相溶し、別の領域で非相溶となる部分相溶系がある。
該製造方法においては、PPSおよび熱可塑性樹脂(a)の融点以上の温度領域で熱処理を行うことで海島構造における島成分を連結させ共連続構造を発現させることを基本技術思想とする。そのため、PPSと熱可塑性樹脂(a)が熱処理の際に相溶しないことが好ましい。すなわち非相溶系または部分相溶系の組み合わせであることが好ましい。一般に、相溶しない組み合わせにおいては、熱処理しても海島構造を維持するか、あるいは、完全に二層状態に分離することが知られている。しかし、該製造方法においては、特定の海島構造において、後述する簡便な方法によって決定される条件で行われる熱処理により、共連続構造を形成させることが可能である。またPPS及び熱可塑性樹脂(a)の組み合わせが部分相溶系であるならば、相溶状態とならない温度領域において熱処理温度を選択することが好ましい。
ここで、本発明において「相溶しない」とは、PPSを主成分とする相が0.2μm以上の分散径を有する相構造を形成している状態となることを指す。ある特定の温度において相溶しないことを確認するには次に手順を示す相溶性試験を実施する。まず、PPS及び熱可塑性樹脂(a)を、高融点の熱可塑性樹脂の融点より30℃高い温度において、剪断速度500s−1、剪断付与を施す滞留時間30秒で、二軸混練機で混練した後、吐出後5秒以内に25℃の水中に落として樹脂成形体を固化させる。次いで、該樹脂成形体から小片を切り出し、カバーガラスに挟んで融点よりも高い測定したい温度にあらかじめ保持したステージ付光学顕微鏡に乗せて10分間保持して観察する。ここで0.2μm以上の相構造が観察されると、その温度においては相溶しない状態にあることが確認できる。
本発明の製造方法においてPPS及び熱可塑性樹脂(a)は、非相溶系または部分相溶系であること以外に特に制限は無く、熱可塑性樹脂(a)には種々のポリマーを用いることができる。一般に、樹脂成形体中の相分離構造の均一性の向上のためには、成分となる樹脂の相溶性が高いことが好ましいとされる。このための指標の一つが溶解度パラメータ(SP値)であり、本発明においても、この指標を参考にすることができる。SP値とは(蒸発エネルギー/モル容積)1/2で定義される物質の凝集力を反映するパラメータであり、SP値が近い樹脂同士では相溶性が良いポリマーアロイが得られる可能性が高い。
本発明の製造方法におけるポリマーアロイは、部分相溶系または非相溶系の組み合わせでなければならない一方で、PPSと熱可塑性樹脂(a)のSP値の差が大きすぎない方が最終的な共連続構造の均一性が高くなりやすいこと、熱処理における工程安定性が高くなることから、SP値の差の絶対値が0.1〜9(J/cm1/2であることが好ましく、1〜6(J/cm1/2であることがより好ましい。SP値は種々のポリマーで知られているが、例えば「プラスチック・データブック」旭化成アミダス株式会社/プラスチック編集部共編、189ページ等に記載されている。後述するように、SP値差の値を参考としつつ、上述した相溶しない組み合わせを確認する試験を実施することで、PPSと熱可塑性樹脂(a)の組み合わせが本発明に用い得るか否かを簡易的に評価することができる。
PPSと熱可塑性樹脂(a)の融点の差は、80℃以下であると加熱時に熱分解等による劣化が抑制されるため好ましく、65℃以下であるとより好ましく、50℃以下であるとさらに好ましい。
PPSは結晶性樹脂であり、熱可塑性樹脂(a)も同様に結晶性樹脂である場合には、PPS及び熱可塑性樹脂(a)の結晶化によって成形体の構造の固定が容易となるため好ましい。結晶性樹脂とは、示差走査熱量計(DSC)にて、結晶融解温度が観測される樹脂であれば特に限定されるものでないが、例えば、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアセタール、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、フッ素樹脂、液晶ポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル等が挙げられる。
上記結晶性樹脂の一つであるポリエチレンテレフタレート(以下、「PET」と表記する場合がある。)を、熱可塑性樹脂(a)として本発明の製造方法に適用する際には、共重合成分を持たないホモPETであっても共重合PETであってもよい。
本発明の効果を損なわない限りはいかなる成分がPETに共重合されていてもよく、共重合量に関しても特に限定されるものではないが、熱可塑性樹脂(a)が5−スルホイソフタル酸ジメチルナトリウム(以下、「SSIA」と表記する場合がある。)を0.01〜20モル%共重合したPET(以下、「SSIA共重合PET」と表記することがある。)であることが、共連続構造の周期が均一となりやすく好ましい態様である。SSIA共重合比率が0.01モル%以上であると均一性の高い共連続構造を得ることができ、20モル%以下であるとSSIA共重合PETは耐熱性を十分に有し、PPSの融点以上の温度でPPSと溶融混練する際に熱分解ガス発生による気泡の混入を抑制できる。すなわち、SSIA共重合比率が0.01〜20モル%であると、SSIA共重合PETの耐熱性と熱処理後に得られる共連続構造の高い均一性を両立させることができる。SSIA共重合比率は5〜15モル%であることが好ましく、8〜12.5モル%であるとよりさらに均一性の高い共連続構造が得られるため特に好ましい。
なお、熱可塑性樹脂(a)が共重合成分を有さないホモPETであるよりもSSIA共重合PETである方が得られる共連続構造の均一性が高くなった理由は明らかではないが、SSIAがPPSの構造の一部と特異的に親和性が高い可能性があると考えられる。
本発明に適用されるホモPETまたは共重合PETは公知の方法によって得ることができる。本発明のPETまたはSSIA共重合PETは、全繰り返し単位の75モル%以上がエチレンテレフタレート単位で構成されると、十分に耐熱性を有し、PPSとの溶融混練時の熱分解を抑える観点から好ましい。また、他の成分が含まれていても問題はなく、例えばテレフタル酸以外の酸成分として、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、β−ヒドロキシエトキシ安息香酸、p−オキシ安息香酸、アジピン酸、セバシン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸のような芳香族、脂肪族又は脂環族カルボン酸が共重合されていてもよく、また、エチレングリコール以外のグリコール成分として、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールSのような脂環族、脂肪族又は芳香族のジオール化合物が共重合されていてもよい。
〔樹脂成形体(b)〕
樹脂成型体(b)は、ポリフェニレンサルファイドを島成分、熱可塑性樹脂(a)を海成分とする海島構造を有するものである。樹脂成形体(b)には溶融再成形を伴う中間体は含まれない。すなわち、樹脂成形体(b)は、融点以上の熱処理を行っても実質的に成形体の形状を保持するものであり、樹脂が流動性を示す程度にまで熱処理して実質的に他の形状に成形するもの(例えば、溶融成形に供されるチップ等)は含まない。樹脂成形体(b)の形状は特に限定されるものではないが、例えば繊維、フィルム、シート、プレート、ディスク、ブロック、ボール、レンズ、ロッド、ストランド、チューブ、コード、チップ等が好ましい。
〔熱処理〕
本発明の製造方法において、樹脂成形体(b)の熱処理は、PPS及び熱可塑性樹脂(a)のうち融点が高い方の熱可塑性樹脂(以下、単に「高融点の熱可塑性樹脂」という)の融点より0.1〜500℃高い温度であって、かつPPSと熱可塑性樹脂(a)が相溶しない温度で行う。高融点の熱可塑性樹脂の融点より0.1℃以上高い温度とすることで、PPS及び熱可塑性樹脂(a)の双方が溶融し、共連続構造を形成させることができるため好ましい。共連続構造の形成速度を速めることができる点で、熱処理温度は高融点の熱可塑性樹脂の融点より0.5℃以上高いことがより好ましく、1℃以上高いことがさらに好ましい。また、高融点の熱可塑性樹脂の融点より500℃高い温度以下とすることで、PPS及び熱可塑性樹脂(a)の熱分解等による劣化を抑制することができるため好ましい。熱処理温度は、構造制御の容易さの点で、高融点の熱可塑性樹脂の融点より80℃高い温度以下であることがより好ましく、10℃高い温度以下であることがさらに好ましい。
なお、熱処理温度は加熱設備の設定値ではなく樹脂表面温度であり、これは実測により求めることができる。例えば支持体の加熱等、固体と接触させて成形体を加熱する場合は接触式温度計で表面温度を測定して熱処理温度を判断する。高温気体中または高温液体中に導入する場合等のように、熱媒体と接触させて成形体を加熱する場合は、所望する熱処理温度や使用する温度計によっても異なるが、例えば接触式温度計により熱媒体の温度を測定して熱処理温度を判断する。
熱処理時間は選択する熱可塑性樹脂により適宜選択することができるが、簡便な予備実験を行ってその目安を予め予想しておくことが好ましい。この時間によって、共連続構造が形成できるか、或いは、海島状態に留まるか、又は、完全に二層分離するかが決まる点で重要である。まず、熱処理の対象となる樹脂成形体(b)と同等の海島構造を有している樹脂成形体の小片を準備する。当該小片をカバーガラスに挟み、前記所定の熱処理温度にあらかじめ保持した加熱ステージ付光学顕微鏡に乗せて時間を計測しながら観察を行う。その際一定時間経過後に海島構造の島成分が連結し、共連続構造が観察されるようになる。視野内における最も小さい島成分が他の島成分と連結し始めるまでの時間をtとすると、この時間tを指針として本発明における熱処理時間tを決定することが好ましい。加熱方法や成形体のサイズ、熱処理設備の効率等により異なるが、熱処理時間tはt〜t×20とすることが好ましい。tをt以上とすることで十分に島が連結し成形体全体にわたり共連続構造が均一に形成される。tをt×20以下とすることで、PPSまたは熱可塑性樹脂(a)の熱劣化を抑制することができる。共連続構造の粗大化や連結した島構造の分断による粗大な海島化を抑制する観点からはtはt〜t×10とすることがより好ましく、t〜t×5とすることがさらに好ましく、t×1.1〜t×2とすることが特に好ましい。
本発明の熱処理における加熱方法に特に制限は無いが、樹脂成形体(b)に実質的に剪断が付与されない状態で過熱を行うことが好ましい。実質的に剪断が付与されない状態とは、熱処理前後及び熱処熱理中に成形体の寸法が5%以上変化しない状態をいう。実質的に剪断が付与されない状態で共連続構造が形成されると、配向性がほとんど見られない共連続構造が得られるため好ましい。
熱処理の際に、樹脂成形体(b)の少なくとも一部を支持体と接触させておくことは好ましい態様である。本発明でいう支持体は、熱処理工程において樹脂成形体(b)の全体形状を維持するための部材である。支持体は当該熱処理温度で形状を保持する材料からなることが好ましく、好適な材料の例としては、金属(スチール、銅、ニッケル、アルミニウム、銀、金等)、他の無機物質(シリカ、アルミナ、炭素、ガラス等)、高耐熱性樹脂(ポリイミド等)等が挙げられる。金属等の熱伝導率の高い物質からなる支持体を使用する場合には、成形体の温度を所望の温度に速やかに上昇させることができ、それに伴い熱処理の所要時間を短縮することができるので特に好ましい。なお支持体は、成形体との接触面に、シリコン樹脂、ワックス、フッ素樹脂、ポリイミド等の剥離剤からなる離型層を有していてもよい。支持体のサイズや形状に関しては特に制限は無いが、成形体との離型性の観点及び成形体表面の平滑性の観点から、成形体との接触面は凹凸が少ない方が好ましい。
支持体を使用する場合には、支持体を加熱することにより熱処理を行う方法が簡便でかつ工程安定性が良い点で好ましい。その他の方法として、支持体使用の有無にかかわらず、熱媒となる高温気体中または高温液体中に導入する方法やレーザーや赤外線を用いて輻射加熱する方法等が採用される。高温気体中または高温液体中に導入する場合は、成形体への加熱効率や雰囲気温度の均一化の観点から、ファンを用いて熱媒となる高温気体または高温液体の移動を促進することが好ましい。また、高温気体及び高温液体は熱処理温度において成形体を構成する樹脂成形体に対して不活性なものであることが好ましい。
熱処理を行う工程においては、上記した複数の加熱方法が同時併用されてもよく、段階的に実施されてもよい。同時併用される加熱方法においてそれぞれの熱処理温度が異なっていてもよいが、成形体全体で均一な共連続構造を形成させるため、同時併用される複数の加熱方法によるそれぞれの熱処理温度の差は50℃以下であることが好ましく、20℃以下がより好ましく、2℃以下がさらに好ましい。複数の加熱方法の同時併用例としては、フィルム形状の成形体の片面を加熱した支持体で保持した状態で、高温気体中に導入することがあげられる。
樹脂成形体(b)の形状が繊維である場合で、かつ熱処理の際に支持体を用いない場合には、PPSの融点より20℃高い温度において、100s−1における熱可塑性樹脂(a)の溶融粘度が、300Pa・s以上であることが、繊維の溶断を防ぐ観点から好ましい。さらに、熱処理工程安定性の観点から、400〜1000Pa・s以上であることがより好ましい。ここで、本発明における融点とは、示差走査熱量計(DSC)にて、50℃から10℃/分で昇温させた際に結晶融解ピークが観察される温度を意味する。
〔樹脂成型体(c)〕
上記の熱処理によって共連続構造が発現した樹脂成形体をそのまま冷却すると、共連続構造のまま構造固化し、共連続構造を有する樹脂成形体(c)を得ることが可能である。冷却方法には制限はなく、樹脂製品の製造工程に用いられる公知の方法にて冷却を行えばよい。冷却速度が大きい方が、共連続構造の粗大化が抑制できるため好ましく、例えば空冷よりも水冷とすることが好ましい。
本発明において、共連続構造とは以下のように判断される構造を意味する。まず、本発明における共連続構造は、ある周期を持った規則正しい相分離構造を持つことが重要であり、具体的には光散乱測定により得られた散乱スペクトルが極大値を有することで確認できる。これに加えて、透過型電子顕微鏡(TEM)による構造観察において、粒子状の分散構造とは明らかに異なり、2成分の樹脂が互いに相互進入し両相とも連続相となっているネットワーク構造が、主要な構造として観察される。光散乱測定及びTEM観察の両方の確認手法をもとに、共連続構造が形成されていることが判断できる。
〔樹脂成形体(c)から熱可塑性樹脂(a)を除去する工程〕
上記により得られた共連続構造を有する樹脂成形体(c)から、熱可塑性樹脂(a)を除去する方法には特に限定は無いが、熱可塑性樹脂(a)のみ溶解し、PPSは溶解しない溶媒により溶出除去する方法、または、熱可塑性樹脂(a)のみを酸性水溶液、アルカリ性水溶液により化学的に分解除去する方法が好ましく用いられる。
熱可塑性樹脂(a)がポリエステル成分である場合には、溶媒によるマトリックス成分の膨潤を抑止することができること、ポリエステル成分の抽出時間を大幅に小さくできること、溶媒がマトリックス成分に残存して使用中に放出されることがないこと等の利点があるため、酸性水溶液またはアルカリ性水溶液により化学的に分解除去する方法が好ましい。特にアルカリ性水溶液による分解除去では、加水分解の効率が高いため、より短時間での除去操作が可能になるため、より好ましい。
アルカリ性水溶液を構成するアルカリ性物質については特に限定されるものではないが、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ土類金属の水酸化物を用いることが好ましく、コスト、入手のし易さと加水分解速度のバランスから、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムを用いることが好ましく、水酸化ナトリウムが入手のしやすさとコストのバランスが優れており好ましい。
アルカリ性水溶液の濃度についても特に限定されないが、濃度が高いほど分解除去にかかる時間を低減できるため好ましく、濃度が低いほど製造装置に対する損傷や安全化対策に要する費用を削減できるため好ましい。これらの点から水溶液の濃度は、0.10〜10規定の範囲であると好ましい。
アルカリ性水溶液の温度は、ポリエステル成分の加水分解速度の観点から60〜130℃が好ましく、水溶液からの水の蒸発を抑え、濃度を一定に保って安定した処理を達成しつつ加水分解速度を保つ観点から、60〜90℃とすることがより好ましい。
アルカリ性水溶液により分解除去する場合には、溶液浴内の溶液を攪拌することがポリエステル成分の除去効率の観点から好ましい。
以下に実施例を挙げ、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(試験例1:相溶性の検討)
PPS及び熱可塑性樹脂(a)を、高融点の熱可塑性樹脂の融点より30℃高い温度において、剪断速度500s−1、剪断付与を施す滞留時間30秒で、二軸混練機(テクノベル製KZW15TWIN、15mmφ、L/D=30)で混練した後、吐出後3秒で25℃の水中に落として樹脂成形体を固化させた。次いで、該樹脂成形体から0.5〜2mgを切り出し、カバーガラスに挟んで融点よりも高い測定したい温度にあらかじめ保持した加熱ステージ付光学顕微鏡(リンカム社製加熱ステージTHMS600とオリンパス社製光学顕微鏡BX51を併用)に乗せて10分間保持して観察した。ここで、0.2μm以上の相構造が観察されると、非相溶状態であると判断し、0.2μm以上の相構造が観察されない場合には、相溶状態であると判断した。
(試験例2:熱処理時間の目安の検討)
海島構造の樹脂成形体(b)の小片(0.5〜2mg)を準備する。当該小片をカバーガラスに挟み、前記所定の熱処理温度にあらかじめ保持した加熱ステージ付光学顕微鏡(リンカム社製加熱ステージTHMS600とオリンパス社製光学顕微鏡BX51を併用)に乗せて時間を計測しながら観察を行った。加熱ステージ付光学顕微鏡カバーガラスを乗せてから、視野内における最も小さい島成分が他の島成分と連結し始めるまでの時間tを熱処理時間の目安として、熱処理時間tを決定した。
(測定例1:海島構造のPPSの平均粒子径及びその相対標準偏差の測定)
透過型電子顕微鏡(TEM)により樹脂成形体の構造観察を行い、PPS粒子について縦方向と横方向の直径を測定し、その平均値をPPSの粒子径とした。観察区画内において輪郭が完全に確認できるすべての粒子について粒子径を求め、それらの平均値を海島構造におけるPPSの平均粒子径とした。その際、輪郭が完全に確認できる粒子が39個以下である場合は、観察範囲を広げて40個以上の粒子径の情報を用いて平均粒子径を算出した。また、海島構造のPPS粒子径のばらつきの指標として、粒子径の標準偏差を平均粒子径で除した値、即ち相対標準偏差(変動係数)を算出した。
(測定例2:連球状構造の有無)
まず、多孔質体を液体窒素に浸漬した状態で割断し、SEM(日立ハイテクノロジーズ社製走査型電子顕微鏡S5500)により断面の観察を行った。5±0.5(nm/画素)となるよう調整された拡大率で、70万画素の解像度にて、50μm×50μmの範囲のSEM観察を行い、PPS樹脂からなる固相と空隙部分の界面の屈曲部の数を確認した。屈曲部の数が0であれば連球状の構造を形成していないと判断し、屈曲部の数が1以上であれば連球状の構造を形成していると判断した。連球状の構造を形成していると判断した場合には、50μm×50μmの観察範囲内に存在する屈曲部を数えた。
(測定例3:PPSオリゴマー残存率)
まず、PPS多孔質体10g及び抽出溶媒であるクロロホルム100cmを容量200フラスコに入れ、それを60℃で6時間静置し、PPSオリゴマーの抽出処理を行った後に、純粋で十分に水洗し、乾燥を行った。その際処理前後の重量を測定し、処理前のポリマー重量をW、処理後のポリマー重量をWとすると、次式によりPPSオリゴマー残存率を算出した。
PPSオリゴマー残存率(重量%)=(W−W)/W×100
なお、抽出試験前後のポリマー重量の測定前には、ポリマーを室温25℃、60RH%で24時間保存した後に測定した。
(測定例4:引張強度)
引張強度測定には、テンシロン引張試験機(エー・アンド・デイ社製RTG−1310)を用いた。多孔質膜から長さ50mm、幅10mmのサンプルを切り出し、25℃湿度65%の雰囲気下で引張速度300mm/分で引張強度を測定した。
(測定例5:構造周期)
測定例1に示した方法で得た多孔質体断面のSEM画像をフーリエ変換し、得られたスペクトルの極大値に対応する極大波数qから、前記多孔質体の構造周期λ(=1/q)を導いた。
(測定例6:半値幅/極大波数)
多孔質体の構造の均一性の指標として、測定例1に示した方法で得た多孔質体断面のSEM画像をフーリエ変換して得られたスペクトルの極大ピークの半値幅(A)、ピーク極大波数(B)から計算される(A)/(B)の値を用いた。半値幅(A)とは、SEM画像のフーリエ変換により得られたスペクトルの極大ピークの頂点を点Aとし、点Aからグラフ縦軸に平行な直線を引き、該直線とスペクトルのベースラインとの交点を点Bとしたとき、点Aと点Bを結ぶ線分の中点(点C)におけるピークの幅である。なお、ここで言うピークの幅とは、ベースラインに平行で、かつ点Cを通る直線上の幅のことを指す。
(実施例1)
定法に従って重合した、真空中で120℃、12時間乾燥後のPPS(融点280℃)と、同じく真空中で120℃、12時間乾燥後の、SSIAを10モル%共重合したSSIA共重合PETを、重量比50/50で混合したものに関して、285℃において相溶性試験を行ったところ、相溶しないことがわかった。続いて、PPSとSSIA共重合PETを50/50でドライブレンドしたものを、2軸混練機(テクノベル社製「KZW−15TWIN−30MG」、スクリュー直径15mm、L/D=30、スクリューにはニーディングディスクを含む)に供給し、温度310℃、スクリュー回転数200rpmの条件で溶融混練した。その後、600mm幅、リップ間隙0.6mmの口金でシート状に成形した後、20℃の温度に制御した金属ドラムでキャストしてポリマーアロイフィルム(I)を得た。そこから1片を切り出し、ウルトラミクロトームを用いて超薄切片化を行い、TEM観察を実施したところ、海島構造を形成していることを確認するとともに、島成分の平均粒子径及びその相対標準偏差を測定した。
次いで、ポリマーアロイフィルム(I)から1cm角のフィルムを切り出し、熱処理温度を285℃とした時の熱処理時間の目安を得るため、285℃に設定した加熱ステージ付光学顕微鏡を用いて観察を行ったところ、8秒後に視野内における最も小さい粒子が連結し始める挙動が観察された。それを踏まえ、熱処理時間を10秒と設定し、ポリマーアロイフィルム(I)を285℃の加熱ロールに10秒間接する条件で熱処理を実施した。次いで、80℃の8重量%水酸化ナトリウム水溶液に24時間浸漬し、SSIA共重合PETを分解除去し、その後水洗、乾燥を行い、フィルム形状のPPS多孔質体を得るとともに、該多孔質体が透水性試験にて連続孔を有することを確認した。
この多孔質体の構造周期、屈曲部の数、オリゴマー残存率、引張強度、構造周期の測定、評価を行うとともに、SEM画像のフーリエ変換により得られる半値幅/極大波数の値を求めた。
(実施例2〜実施例6)
熱処理温度、熱処理時間を表1に記載のように変更した以外は実施例1と同じ条件でフィルム形状のPPS多孔質体を得た。
(実施例7、実施例8)
PPSとSSIA共重合PETの混合比率、熱処理時間を表1に記載のように変更した以外は実施例1と同じ条件でフィルム形状のPPS多孔質体を得た。
(実施例9〜実施例11)
SSIA共重合PETのSSIA共重合比率、熱処理時間を表1に記載のように変更した以外は実施例1と同じ条件でフィルム形状のPPS多孔質体を得た。
(実施例12)
実施例1と同様のPPS及びSSIA共重合PETを乾燥後2軸混練押出機が接続された紡糸機に供給した。紡糸温度は310℃とし、紡糸パック中で溶融ポリマーを5μの細孔を有する金属フィルターで濾過した後、孔径0.30mm、孔深度/孔径の比が4の吐出孔を50ホール有する紡糸口金を通して紡出し、吐出量は巻取り糸条が220dtexとなるように製糸条件に合わせた。口金面下10cmの雰囲気温度が220℃に設定されたチムニーを通過させ(チムニー通過時間:1秒)、この糸条をただちに25℃の冷風で冷却し、次いで、600m/分の速度で回転する20℃の引取りロールで引取った。
その後、実施例1と同様の条件で繊維を解除しつつ熱処理を行い、再びロールで引取った。ロールの状態のまま80℃の8重量%水酸化ナトリウム水溶液に24時間浸漬し、SSIA共重合PETを分解除去し、その後水洗、乾燥を行い、繊維形状のPPS多孔質体を得た。
(実施例13)
加熱ロールに接触させるのではなく、スリットヒーターを用い、ヒーターと非接触として走行させながら熱処理を行ったこと、熱処理温度、熱処理時間を変更したこと以外は実施例12と同じ条件で繊維形状のPPS多孔質体を得た。
(実施例14)
SSIA共重合PETの除去方法をアルカリによる分解除去ではなく、ヘキサフルオロイソプロパノールによる溶出除去とした以外は実施例1と同じ条件でフィルム形状のPPS多孔質体を得た。
(実施例15)
SSIA共重合PETの代わりに共重合成分を有さないホモPETとした以外は実施例1と同じ条件でフィルム形状のPPS多孔質体を得た。
(比較例1)
特開2010−254943に示される方法を用いて、繰り返し単位数4〜12の環状PPSオリゴマーを主要成分とするPPS前駆体を得た。このPPS前駆体をPPSの代わりに用い、それ以外は実施例1と同様の手法でポリマーアロイフィルム(II)を得た。そこから1片を切り出し、ウルトラミクロトームを用いて超薄切片化を行い、TEM観察を実施したところ、相分離構造は何ら観察されず均一状態あることがわかった。次いで、熱処理温度を285℃とした時の熱処理時間の目安を得るため、285℃に設定した加熱ステージ付光学顕微鏡を用いて観察を行ったところ、14300秒後に視野内に共連続構造が観察され始めた。この共連続構造は、上記実施例1で示したような海島構造の粒子が連結して生じたものではなく、熱処理によりPPS前駆体が重合し高分子量化してスピノーダル分解が起こったと考えられる。
次に、熱処理時間を10秒と設定し、ポリマーアロイフィルム(II)を285℃の加熱ロールに10秒間接する条件で熱処理を実施した。次いで、80℃の8重量%水酸化ナトリウム水溶液に浸漬すると、フィルム形態の破壊が見られ、構造評価等実施することができなかった。
(比較例2)
熱処理時間を変更した以外は比較例1と同じ条件でポリマーアロイフィルムを得た。80℃の8重量%水酸化ナトリウム水溶液に浸漬したところ、比較例1とは異なりフィルム形態の破壊は見られず、フィルム形状のPPS多孔質体が得られたが、連球状構造は確認できなかった。
(比較例3)
実施例1と同様のPPSを用いて、実施例12と同様の条件でPPS単一成分にて紡糸を行った。次いで、2組の加熱ロール間で二段階の延伸を実施した。延伸倍率は加熱ロールの回転速度で制御を行った。まず、第一の延伸では70℃、延伸倍率2.6倍とし、第二の延伸では120℃、1.3倍とした。その後、1組のロール間に220℃に設定した電熱ヒーターを設置し熱固定を行い、延伸により開孔した繊維形状のPPS多孔質体を得たが、連球状構造は確認できなかった。
(比較例4)
SSIA共重合PETの代わりに共重合成分を有さないホモPETを用い、さらに熱処理時間を変更した以外は実施例1と同じ条件でフィルム形状のPPS多孔質体を得た。
上記した実施例、比較例に関し、熱処理前後の構造に関する評価結果や熱処理条件等を表1にまとめて示す。

Claims (8)

  1. 隣接する複数の略球状構造が三次元的に連結した連球状構造を有するとともに、該連球状構造の空隙部分が連続孔をなすポリフェニレンサルファイド多孔質体。
  2. ポリフェニレンサルファイドオリゴマーの残存量が、前記多孔質体の全重量の2%以下である、請求項1に記載のポリフェニレンサルファイド多孔質体。
  3. 引張強度が55MPa以上である、請求項1または請求項2に記載のポリフェニレンサルファイド多孔質体。
  4. 前記多孔質体の電子顕微鏡画像をフーリエ変換して得られたスペクトルが極大値を有するピークを有し、そのスペクトルにおける前記ピークの半値幅を(A)、前記ピークの極大波数を(B)とするとき、0<(A)/(B)≦1.6である、請求項1〜請求項3のいずれかに記載のポリフェニレンサルファイド多孔質体。
  5. 0.2〜300μmの構造周期を有する、請求項1〜請求項4のいずれかに記載のポリフェニレンサルファイド多孔質体。
  6. (工程1)ポリフェニレンサルファイドを島成分、熱可塑性樹脂(a)を海成分とする海島構造を有し、前記島成分を構成するポリフェニレンサルファイド粒子の数平均直径の相対標準偏差が0.2以下である樹脂成形体(b)を、前記ポリフェニレンサルファイド及び熱可塑性樹脂(a)のうち融点が高い方の融点より0.1〜500℃高い温度であって、かつ前記ポリフェニレンサルファイドと熱可塑性樹脂(a)が相溶しない温度で熱処理を行い、共連続構造を有する樹脂成形体(c)を得る工程;
    (工程2)得られた樹脂成形体(c)から熱可塑性樹脂(a)を除去する工程;
    を有するポリフェニレンサルファイド多孔質体の製造方法。
  7. 前記(工程2)において、熱可塑性樹脂(a)を分解除去する、請求項6に記載のポリフェニレンサルファイド多孔質体の製造方法。
  8. 前記熱可塑性樹脂(a)が、ポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンテレフタレート共重合体である、請求項6または請求項7に記載のポリフェニレンサルファイド多孔質体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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