JP2015000908A - 両面粘着シートの製造方法 - Google Patents

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健一 山元
和哉 小川
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和哉 小川
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Yoshihiro Okada
吉弘 岡田
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憲持 中司
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Abstract

【課題】粘着剤層の表面平滑性に優れ、かつ再剥離性に優れる両面粘着シートの製造方法を提供する。【解決手段】シート状の多孔質基材の第一面に第一粘着剤層を形成し、該多孔質基材の第二面に第二粘着剤層を形成してなる両面粘着シートの製造方法が提供される。この方法は:粘着剤組成物を剥離性支持体上に付与する付与工程と;付与工程の後に、粘着剤組成物を多孔質基材に接触させる接触工程と;多孔質基材に接触した粘着剤組成物を乾燥することにより第一粘着剤層を形成する工程と;を含む。前記剥離性支持体は、前記粘着剤組成物が付与される面の算術平均表面粗さが1μm以下である。【選択図】図3

Description

本発明は、両面粘着シートの製造方法に関する。
省資源等の観点から、家電製品や自動車、OA機器等の各種製品に使用されている部品について、使用済みの製品を分解して該部品またはその構成素材を再利用(リサイクル)することが多くなってきている。両面接着型の粘着シート(両面粘着シート)を用いて他部品と接合されたリサイクル対象部品またはその構成素材を再利用する過程では、通常、リサイクル対象部品から両面粘着シートを引き剥がす(再剥離する)ことが求められる。この引き剥がしの際に、両面粘着シートの一部がリサイクル対象部品の表面に残留すると、かかる残渣をリサイクル対象部品から取り除く作業によってリサイクル工程の効率が著しく低下してしまう。上記残渣が発生する状況として、引き剥がしの途中で両面粘着シートが千切れる、両面粘着シートが多孔質基材の内部で厚さ方向に引き裂かれる態様の破壊(層間破壊)を起こす、リサイクル対象部品の表面に粘着剤(感圧接着剤ともいう。)の一部が残留(糊残り)する等の状況が挙げられる。かかる状況の改善(再剥離性の向上)に関する技術文献として、特許文献1〜4が挙げられる。
特開2006−143856号公報 特開2001−152111号公報 特開2000−265140号公報 特開2007−270034号公報
ところで、粘着剤層を形成する手段としては、直接法と転写法とが知られている。再剥離性を向上するためには、例えば特許文献1,2に開示されているように、コーター等の塗付手段を用いて粘着剤組成物を多孔質基材に直接塗付して乾燥することにより粘着剤層を形成する直接法を採用することが好ましい。直接法によると、粘着剤層が多孔質基材によく含浸するため、両面粘着シート全体の強度が向上し、層間破壊を抑制することができる。しかし直接法では、次に述べる転写法による粘着剤層のような表面平滑性を得ることは難しい。良好な平滑性が得られない場合、粘着力や保持力等の粘着特性を向上させることが難しくなる傾向がある。
一方、転写法とは、簡潔にいうと、粘着剤組成物を支持体(例えば剥離ライナー)の表面(剥離面)に塗付して乾燥することで該表面上に粘着剤層を形成し、この粘着剤層を基材に貼り合わせて粘着剤層を転写する方法のことをいう。転写法によると、支持体の表面を平滑にすることで優れた表面平滑性を得ることができるものの、粘着剤層は多孔質基材に含浸し難くなり、直接法で実現されるような再剥離性は望めない。なお、特許文献4には上記転写の前後で乾燥を行うことにより粘着剤層を形成する方法が開示されているが、透湿性剥離紙が用いられており、平滑な表面を有する粘着剤層を形成することについての示唆はない。
本発明は、上記従来の事情に鑑みてなされたものであり、粘着剤層の表面平滑性に優れ、かつ再剥離性に優れる両面粘着シートの製造方法を提供することを目的とする。
本発明によると、シート状の多孔質基材の第一面に第一粘着剤層を形成し、該多孔質基材の第二面に第二粘着剤層を形成してなる両面粘着シートの製造方法が提供される。この方法は:粘着剤組成物を剥離性支持体上に付与する付与工程と;前記付与工程の後に、前記粘着剤組成物を前記多孔質基材に接触させる接触工程と;前記多孔質基材に接触した粘着剤組成物を乾燥することにより前記第一粘着剤層を形成する工程と;を含む。前記剥離性支持体は、前記粘着剤組成物が付与される面の算術平均表面粗さが1μm以下である。
かかる方法によると、剥離性支持体上に付与(典型的には塗付)した粘着剤組成物を多孔質基材に接触させることで、粘着剤組成物は多孔質基材内によく浸み込む。ここで、粘着剤組成物とは乾燥完了前の状態にある粘着剤のことを指す。したがって、この明細書において、粘着剤組成物(例えば粘着剤組成物層)と粘着剤(典型的には粘着剤層)とは、乾燥完了前後の異なる状態にあるものとして区別され得る。そのような粘着剤組成物は、典型的には液状(ペースト状を包含する。)を呈しており、好ましくは未乾燥状態の粘着剤組成物である。そのため、上記の方法によって得られた両面粘着シートは粘着剤層と多孔質基材とが高レベルで一体化し、使用後、被着体から両面粘着シートを剥がしたときに、該両面粘着シートが被着体に残留し難いものとなり得る。したがって、本発明の製造方法によると、再剥離性に優れた両面粘着シートが提供される。また、第一粘着剤層の粘着面は、平滑な表面を有する剥離性支持体上で形成されるので、直接法によって形成された粘着剤層と比べて優れた表面平滑性が実現される。
ここに開示される製造方法の好ましい一態様では、前記両面粘着シートは、以下の特性:(A)前記第一粘着剤層の表面と前記第二粘着剤層の表面のそれぞれにアルミニウム板を一枚貼り合わせ、温度65℃、相対湿度(RH)80%の環境下で24時間保存し、次いで温度23℃、相対湿度50%の環境下で2時間保存した後に、100mm/秒の速度でT型剥離試験を行った場合において、該両面粘着シートの面積のうち50%以上が粘着剤層とアルミニウム板との界面で剥離する;を満たすように構成されている。上記特性(A)を満たす両面粘着シートは、より優れた再剥離性を実現し得る。
ここに開示される製造方法の好ましい一態様では、前記接触工程において、前記多孔質基材は上方から前記粘着剤組成物に接触する。これにより、多孔質基材の自重を利用して粘着剤組成物を多孔質基材によりよく含浸させることができる。また、前記粘着剤組成物の乾燥は100℃以下の温度で行われることが好ましい。
ここに開示される技術の好ましい一態様では、前記粘着剤組成物は、溶媒として有機溶媒を含む。有機溶媒を用いて形成された粘着剤層を備える溶剤型粘着シートは、一般に水分散型粘着シートよりも粘着力等の粘着特性に優れる傾向がある。強い粘着力と再剥離性とは相反する特性であり得ることを考慮すると、ここに開示される溶剤型両面粘着シートを強粘着性の粘着シートとして設計した場合、水分散型よりも再剥離性を実現し難いことが想定される。しかし、そのような設計を採用した場合であっても、ここに開示される製造方法によると、優れた再剥離性を実現することができる。したがって、ここに開示される方法は溶剤型両面粘着シートの製造に好ましく適用することができる。
ここに開示される技術の好ましい一態様では、前記接触工程において、前記粘着剤組成物は、固形分濃度(NV)が30〜50質量%である。また、前記接触工程において、前記粘着剤組成物は、23℃における粘度が1〜50Pa・sであることが好ましい。上記のようなNVまたは粘度を有する粘着剤組成物を用いることで、多孔質基材への含浸性、乾燥後の粘着剤層の表面平滑性、生産性等がより向上する。なかでも、上記NVと粘度とを両立するものは、さらに優れた性能を発揮することができる。
ここに開示される技術の好ましい一態様では、前記粘着剤組成物はアクリル系粘着剤組成物である。アクリル系ポリマーをベースポリマーとして含むアクリル系粘着剤組成物を用いて第一粘着剤層を形成することで、本発明の効果を好適に実現することができる。
ここに開示される技術の好ましい一態様では、前記多孔質基材として、坪量が10〜30g/mの不織布を用いる。また、前記多孔質基材として、厚さが10〜150μmの不織布を用いることが好ましい。上記の坪量または厚さを有する不織布を基材として用いることにより、基材自体の強度向上と粘着剤含浸による強度向上とがバランスよく実現され、より再剥離性に優れた両面粘着シートを製造することができる。なかでも、上記坪量と厚さとを両立するものは、さらに優れた性能を発揮することができる。
ここに開示される技術の好ましい一態様では、前記多孔質基材は、構成繊維の90質量%以上がマニラ麻繊維である。このような組成の多孔質基材は、基材自体の強度向上と粘着剤含浸による強度向上とをバランスよく実現する基材として好適な材料となり得る。
また本発明によると、両面粘着シートが提供される。この両面粘着シートは、シート状の多孔質基材と、該多孔質基材の第一面に設けられた第一粘着剤層と、該多孔質基材の第二面に設けられた第二粘着剤層と、を備える。また、前記第一粘着剤層の表面の算術平均表面粗さは1μm以下であることが好ましい。さらに、前記両面粘着シートは、上記特性(A)を満たすことが好ましい。このように構成することで、優れた表面平滑性を有する第一粘着剤層が得られ、かつ優れた再剥離性が実現される。
ここに開示される技術の好ましい一態様では、前記第一粘着剤層は、剥離性支持体上に付与した粘着剤組成物を前記多孔質基材に接触させた後、該粘着剤組成物を乾燥することによって得られたものである。この方法によって得られた第一粘着剤層を備える両面粘着シートは、再剥離性と表面平滑性とを高いレベルで両立することができる。
ここに開示される技術の好ましい一態様では、前記両面粘着シートは、さらに以下の特性:(B1)ステンレス鋼板に対する180°引き剥がし粘着力が前記第一粘着剤層、前記第二粘着剤層ともに10N/20mm以上である;(B2)ポリプロピレン(PP)板に対する180°引き剥がし粘着力が前記第一粘着剤層、前記第二粘着剤層ともに8N/20mm以上である;(B3)アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)板に対する180°引き剥がし粘着力が前記第一粘着剤層、前記第二粘着剤層ともに9N/20mm以上である;および(B4)ポリカーボネートとアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体とのポリマーブレンド(PC−ABS)板に対する180°引き剥がし粘着力が前記第一粘着剤層、前記第二粘着剤層ともに10N/20mm以上である;のうち少なくとも1つ(好ましくは2つ以上、より好ましくは3つ以上、さらに好ましくは(B1)〜(B4)のすべて)を満たす。ここに開示される両面粘着シートは、上記のように各種被着体に対して所定以上の粘着力を示し得る。にもかかわらず、被着体から剥がす際には優れた再剥離性を示す。要するに、接着性能と再剥離性とをより高度に両立することができる。
ここに開示される技術の好ましい一態様では、前記両面粘着シートは、さらに以下の特性:(C1)下記の方法で行われる定荷重剥離試験において、前記第一粘着剤層、前記第二粘着剤層ともに、被着体としてのステンレス鋼板に対する剥離距離が10mm以下である;(C2)下記の方法で行われる定荷重剥離試験において、被着体としてのPP板に対する剥離距離が10mm以下である;(C3)下記の方法で行われる定荷重剥離試験において、被着体としてのABS板に対する剥離距離が10mm以下である;(C4)下記の方法で行われる定荷重剥離試験において、被着体としてのPC−ABS板に対する剥離距離が10mm以下である;のうち少なくとも1つ(好ましくは2つ以上、より好ましくは3つ以上、さらに好ましくは(C1)〜(C4)のすべて)を満たす。
[定荷重剥離試験]
両面粘着シートの第二粘着剤層粘着面を、厚さ25μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムに貼り付けて裏打ちする。該裏打ちされた粘着シートを幅20mm、長さ100mmのサイズにカットして試験片を作製する。温度23℃、相対湿度50%の環境下にて、前記試験片の第一粘着剤層表面を被着体の表面に2kgのローラを1往復させて圧着する。これを同環境下に24時間放置する。その後、前記試験片が貼り付けられた面が下方になるようにして被着体を水平に保持する。前記試験片の一端に、剥離角度が90度となるように300gの荷重を掛けて、1時間後の剥離距離を測定する。
両面粘着シートの代表的な構成例を模式的に示す断面図である。 両面粘着シートの他の代表的な構成例を模式的に示す断面図である。 一実施形態に係る両面粘着シートの製造方法を模式的に示す説明図である。 層間破壊試験の方法を示す説明図である。 層間破壊試験の方法を示す説明図である。 層間破壊試験の方法を示す説明図である。 層間破壊試験の方法を示す説明図である。 定荷重剥離試験の方法を示す説明図である。
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
ここに開示される両面粘着シート(テープ状等の長尺状の形態であり得る。)は、例えば、図1または図2に示される断面構造を有するものであり得る。
図1に示す両面粘着シート1は、シート状の多孔質基材10の第一面10Aおよび第二面10Bに、第一粘着剤層21および第二粘着剤層22がそれぞれ設けられた構成を有する。粘着剤層21,22のうちの上方部分(この断面における外側の部分)212,222は、それぞれ、多孔質基材10の第一面10Aおよび第二面10Bを覆っている。一方、粘着剤層21,22のうちの下方部分(この断面における内側の部分)214,224は、それぞれ、多孔質基材10の内部に含浸している。粘着剤層21,22の表面(第一粘着面21Aおよび第二粘着面22A)は、剥離ライナー31,32によってそれぞれ保護されている。剥離ライナー31,32は、その少なくとも粘着剤層21,22に対向する面(前面)31A,32Aが剥離面(すなわち、粘着面21A,22Aから剥離可能な面)となっている。一方、剥離ライナー31,32の背面(31A,32Aとは反対側の表面)31B,32Bは、剥離面であってもよく、非剥離面であってもよい。
図2に示す両面粘着シート1は、剥離ライナー31の前面31Aおよび背面31Bがいずれも剥離面である点、および剥離ライナー32を有しない点を除いては、図1に示す両面粘着シート1と同様に構成されている。この種の両面粘着シート1は、該両面粘着シート1を巻回することにより、第二粘着剤層22の表面(第二粘着面22A)を剥離ライナー31の背面31Bに当接させて、第二粘着面22Aもまた剥離ライナー31によって保護された構成とすることができる。
ここに開示される技術における両面粘着シートを構成する基材は、粘着剤組成物が含浸し得る程度の多孔構造を有する基材(すなわち多孔質基材)である。また、多孔質基材に接触した粘着剤組成物を乾燥する際に、該粘着剤組成物中で気化した溶媒成分の通過を許容する程度の通気性を有するものでもあり得る。
上記のような性質を有する多孔質基材の典型例としては不織布が挙げられる。不織布としては、例えば、木材パルプ、綿、麻等の天然繊維から構成される不織布;ポリエステル繊維、レーヨン、ビニロン、アセテート繊維、ポリビニルアルコール(PVA)繊維、ポリアミド繊維、ポリオレフィン繊維、ポリウレタン繊維等の化学繊維(合成繊維)から構成される不織布;材質の異なる2種以上の繊維を併用して構成された不織布;等を使用することができる。また、不織布以外の多孔質基材としては、発泡ポリウレタン、発泡ポリクロロプレンゴム等の発泡体からなる発泡体シート類;各種布類;等が例示される。
上記多孔質基材は、粘着剤の含浸性や強度面から、構成繊維としてマニラ麻繊維を含むことが好ましい。構成繊維が実質的にマニラ麻繊維からなる多孔質基材であってもよく、マニラ麻繊維および他の1種または2種以上の繊維からなる多孔質基材であってもよい。マニラ麻繊維とともに使用される他の繊維の好適例として、例えば、マニラ麻繊維以外の麻繊維、木材繊維(木材パルプ等)、レーヨン、アセテート等のセルロース系繊維が挙げられる。上記他の繊維は、また、ポリエステル繊維、ポリビニルアルコール(PVA)繊維、ポリアミド繊維、ポリオレフィン繊維、ポリウレタン繊維等の繊維であってもよい。
上記多孔質基材の構成繊維に占めるマニラ麻繊維の割合は、30質量%以上(典型的には30〜100質量%)であることが適当であり、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上、特に好ましくは90質量%以上である。ここに開示される両面粘着シートは、構成繊維が実質的にセルロース系繊維(マニラ麻繊維、あるいはマニラ麻繊維および他のセルロース系繊維)のみからなる多孔質基材を備えた態様で好ましく実施され得る。なかでも、構成繊維が実質的にマニラ麻繊維のみからなる(典型的には構成繊維の99〜100質量%、例えば100質量%がマニラ麻繊維である)多孔質基材が好ましい。
ここに開示される技術における多孔質基材としては、坪量が凡そ30g/m以下(例えば25g/m以下、典型的には20g/m以下)のものを好ましく採用し得る。かかる坪量の多孔質基材は、軽量でかつ粘着性能に優れた両面粘着シートを構成するのに適している。両面粘着シートの外観品質や透明性、粘着剤の含浸性の観点からは、坪量が20g/m未満(例えば17g/m以下、典型的には15g/m以下)の多孔質基材が好ましい。上記坪量が低いことは、第一粘着剤層の形成における粘着剤組成物の乾燥性の点でも有利である。また、多孔質基材自体の強度を向上する観点からは、上記坪量は10g/m以上(例えば12g/m以上、典型的には13g/m以上)であることが好ましい。
ここに開示される技術において、上記多孔質基材の厚さは、通常、凡そ150μm以下であることが適当である。粘着剤を基材全体に充分に含浸させる観点からは、上記厚さは100μm以下(例えば70μm以下、典型的には60μm以下)であることが好ましい。また、両面粘着シートの作製時の取扱い性を考慮すると、上記厚さは10μm以上(例えば25μm以上、典型的には40μm以上)であることが好ましい。ここに開示される両面粘着シートの製造方法の利点として、製造時の取扱い性の観点から、直接法と比べて薄厚の基材を採用可能であることが挙げられる。例えば、上記製造方法では、厚さが10μm〜55μm(例えば10μm〜50μm、典型的には15〜50μm)の多孔質基材を用いることができる。このような薄厚の多孔質基材は、両面粘着シートの薄型化に適した材料である。また、粘着性能と再剥離性とのバランス(より好ましくは、さらに外観品質)に優れた両面粘着シートを実現しやすいので好ましい。
両面粘着シートを再剥離する際に途中で千切れる事象を防止する観点からは、該両面粘着シートの構成要素として、強度の高い多孔質基材を用いることが好ましい。例えば、引張強度が、流れ方向(MD引張強度、tMD;縦方向(TDに直交する方向)としても把握され得る。)および横方向(TD引張強度、tTD)のいずれについても0.45kgf/15mm以上(より好ましくは0.50kgf/15mm以上)であることが好ましい。引張強度の上限は特に制限されないが、コストや軽量化を考慮すると、通常は、tMDおよびtTDがいずれも凡そ1.0kgf/15mm以下(典型的には0.80kgf/15mm以下、例えば0.70kgf/15mm以下)の多孔質基材を好ましく採用し得る。ここに開示される両面粘着シートは、tMDおよびtTDがいずれも0.45〜0.80kgf/15mm(例えば0.50〜0.70kgf/15mm)である多孔質基材を備える態様で好ましく実施され得る。かかる両面粘着シートは、軽量でありながら、粘着性能と再剥離性とを高レベルでバランスよく実現するものとなり得る。
上記多孔質基材は、上記引張強度tTDのtMDに対する比(縦横比(tTD/tMD))が1から大きく外れないことが好ましい。例えば、tTD/tMDが0.8〜1.2(典型的には0.8〜1.1、例えば0.9〜1.1)の範囲にある多孔質基材を好ましく採用し得る。このように引張強度の方向依存性が小さい多孔質基材を備える両面粘着シートは、被着体から引き剥がすときに、その引き剥がし方向による再剥離性の違いが生じにくい。したがって、より安定して良好な再剥離性を発揮し、両面粘着シートの剥がし損ねをよりよく防止することができる。
多孔質基材の引張強度は次のようにして測定すればよい。すなわち、多孔質基材の流れ方向(MD)が長手方向と一致するようにして、該多孔質基材を幅15mmの帯状にカットしたものを試験片とする。その試験片を引張試験機にセットし(チャック間距離180mm)、JIS P8113に準じて、引張速度20mm/分の条件で、長手方向への引張り強さ(MD引張強度)tMD(kgf/15mm;ここで、1kgfは約9.8Nである。)を測定する。また、多孔質基材の幅方向(TD)が長手方向と一致するようにして該不織布を幅15mmの帯状にカットした試験片につき、同様にして幅方向の引張り強さ(TD引張強度)tTD(kgf/15mm)を測定する。さらに、tTD/tMDにより、引張強度の縦横比を算出する。後述する実施例においても同じ方法が適用される。
上記多孔質基材は、縦方向への引裂強度(MD引裂強度)sMDおよび横方向への引裂強度(TD引裂強度)sTDのいずれについても350mN以上であることが好ましく、400mN以上であることがより好ましい。引裂強度の上限は特に制限されないが、コストや軽量化を考慮すると、通常は、sMDおよびsTDがいずれも凡そ700mN以下(典型的には600mN以下、例えば500mN以下)のものを好ましく採用し得る。ここに開示される両面粘着シートは、sMDおよびsTDがいずれも350〜600mN(例え400〜500mN)である多孔質基材を備える態様で好ましく実施され得る。かかる両面粘着シートは、軽量でありながら、粘着性能と再剥離性とを高レベルでバランスよく実現するものとなり得る。
上記多孔質基材は、上記引裂強度sTDのsMDに対する比(縦横比(sTD/sMD))が1から大きく外れないことが好ましい。例えば、sTD/sMDが0.8〜1.2の範囲にある多孔質基材を好ましく採用し得る。このように引裂強度の方向依存性が小さい多孔質基材を備える両面粘着シートは、被着体から引き剥がすときに、その引き剥がし方向による再剥離性の違いが生じにくい。したがって、より安定して良好な再剥離性を発揮し、両面粘着シートの剥がし損ねをよりよく防止することができる。
多孔質基材の引裂強度は次のようにして測定すればよい。すなわち、エレメンドルフ型試験機を使用し、JIS P8116「紙及び板紙の引裂き強さ試験法」にしたがって、各多孔質基材の引裂強度を測定する。より詳しくは、各多孔質基材を63mm幅にカットして試験片を作製する。23℃65%RHの測定条件下において、上記試験片をエレメンドルフ引裂抵抗試験機(例えばテスター産業株式会社製の試験機)にセットし、ノッチありで、長手方向(MD)に対する引裂強度(MD引裂強度)および幅方向(TD)に対する引裂強度(TD引裂強度)をそれぞれ測定する。後述する実施例においても同じ方法が適用される。
上記多孔質基材の嵩密度(坪量を厚さで除して算出され得る。)は、通常、0.20〜0.50g/cm程度が適当であり、0.25〜0.40g/cm程度であることが好ましい。嵩密度が低すぎると、上述した好ましい引張強度および引裂強度の一方または両方が実現され難くなることがあり得る。一方、嵩密度が高すぎると、粘着剤の多孔質基材への含浸性が不足しやすくなり、その結果、再剥離性の低下、外観品質の低下等を招くことがあり得る。かかる観点から、嵩密度0.25〜0.35g/cm(例えば0.25〜0.30g/cm)程度の多孔質基材の使用が特に好ましい。
ここに開示される技術における多孔質基材としては、該多孔質基材を4枚重ねた測定サンプルについて測定された透気抵抗度(ガーレー)Rを、該測定サンプルにおける不織布の積層枚数(すなわち4)で割って求めた透気抵抗度R1/4が、0.02秒〜0.07秒(より好ましくは0.03秒〜0.07秒)であるものを好ましく採用し得る。ここで、上記透気抵抗度(ガーレー)Rは、JIS P8117:1998に規定するガーレー試験機法に準じて、一定量の空気が測定サンプル(ここでは、不織布を4枚重ねてなる測定サンプル)を通り抜けるのに要した時間を、典型的には市販のガーレー試験機(好ましくはB型)を用いて測定し、計算することによって求められる。
このように透気抵抗度の小さい多孔質基材は、該多孔質基材への粘着剤の含浸性が良好である。したがって、該多孔質基材の繊維間の空隙に粘着剤がよりよく充填された(すなわち、残存する空隙の少ない)両面粘着シートが得られやすい。かかる両面粘着シートは、多孔質基材内に残存する空隙の多い両面粘着シートに比べて、より再剥離性の良い(例えば、粘着力が高くても層間破壊や千切れが生じにくい)ものとなり得る。また、より外観品質(例えば透明性)の良いものとなり得る。さらに、上記の透気抵抗度R1/4を有する多孔質基材は通気性に優れるので、該多孔質基材に接触した状態で行われる粘着剤組成物(第一粘着剤層形成用組成物)の乾燥において、該粘着剤組成物中で気化した溶媒成分の通過を良好に許容するものであり得る。多孔質基材の透気抵抗度は、坪量や、例えば使用する原料繊維の性状(繊維種、繊維径、配向性等)や、叩解の有無およびその程度等によって調節することができる。
上記多孔質基材は、上述のような構成繊維の他に、デンプン(例えば、カチオン化デンプン)、ポリアクリルアミド、ビスコース、ポリビニルアルコール、尿素ホルムアルデヒド樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン等の樹脂成分を含有し得る。上記樹脂成分は、当該多孔質基材の紙力増強剤として機能するものであり得る。かかる樹脂成分を必要に応じて使用することにより、多孔質基材の強度(例えば、引張強度および引裂強度の一方または両方)を調整することができる。ここに開示される技術における多孔質基材は、その他、歩留まり向上剤、濾水剤、粘度調整剤、分散剤等の、不織布の製造に関する分野において一般的な添加剤を必要に応じて含有し得る。
ここに開示される技術における粘着剤層(第一粘着剤層および第二粘着剤層を包含し得る。)は、水系粘着剤組成物または溶剤型粘着剤組成物から形成された粘着剤層であり得る。水系粘着剤組成物とは、水を主成分とする溶媒(水系溶媒)中に粘着剤(粘着剤層形成成分)を含む形態の粘着剤組成物のことをいい、ここでいう水系粘着剤組成物の概念には、水分散型粘着剤組成物(粘着剤が水に分散した形態の組成物)、水溶性粘着剤組成物(粘着剤が水に溶解した形態の組成物)、等と称されるものが含まれ得る。また、溶剤型粘着剤組成物とは、有機溶媒中に粘着剤を含む形態の粘着剤組成物のことをいう。
また、ここに開示される技術において、粘着剤層に含まれる粘着剤の種類は特に限定されない。例えば、粘着成分として機能し得るアクリル系、ポリエステル系、ウレタン系、ポリエーテル系、ゴム系、シリコーン系、ポリアミド系、フッ素系等の各種ポリマー(粘着性ポリマー)から選択される1種または2種以上をベースポリマーとして含む粘着剤であり得る。好ましい一態様では、上記粘着剤層の主成分がアクリル系粘着剤である。ここに開示される技術は、実質的にアクリル系粘着剤からなる粘着剤層を備えた両面粘着シートの形態で好ましく実施され得る。上記粘着剤層は、典型的には、粘着性ポリマー(好ましくはアクリル系ポリマー)を含む粘着剤組成物から形成された粘着剤層である。
ここで「アクリル系粘着剤」とは、アクリル系ポリマーをベースポリマー(ポリマー成分のなかの主成分、すなわち50質量%よりも多くを占める成分)とする粘着剤を指す。「アクリル系ポリマー」とは、一分子中に少なくとも一つの(メタ)アクリロイル基を有するモノマー(以下、これを「アクリル系モノマー」ということがある。)を主構成単量体成分(モノマーの主成分、すなわちアクリル系ポリマーを構成するモノマーの総量のうち50質量%よりも多くを占める成分)とするポリマーを指す。また、本明細書中において「(メタ)アクリロイル基」とは、アクリロイル基およびメタクリロイル基を包括的に指す意味である。同様に、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレートおよびメタクリレートを包括的に指す意味である。
上記アクリル系ポリマーは、典型的には、アルキル(メタ)アクリレートを主構成単量体成分とするポリマーである。上記アルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、下記式(1)で表される化合物を好適に用いることができる。
CH=C(R)COOR (1)
ここで、上記式(1)中のRは水素原子またはメチル基である。Rは炭素原子数1〜20のアルキル基である。粘着性能に優れた粘着剤が得られやすいことから、Rが炭素原子数2〜14(以下、このような炭素原子数の範囲をC2−14と表わすことがある。)のアルキル基であるアルキル(メタ)アクリレートが好ましい。C2−14のアルキル基の具体例としては、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソアミル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、イソオクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、イソノニル基、n−デシル基、イソデシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、等が挙げられる。
好ましい一態様では、アクリル系ポリマーの合成に使用するモノマーの総量のうち、凡そ50質量%以上(典型的には50〜99.9質量%)、より好ましくは70質量%以上(典型的には70〜99.9質量%)、例えば凡そ85質量%以上(典型的には85〜99.9質量%)が、上記式(1)におけるRがC2−14のアルキル(メタ)アクリレート(より好ましくはC4−10のアルキル(メタ)アクリレート。特に好ましくは、ブチルアクリレートおよび2−エチルヘキシルアクリレートの一方または両方)から選択される1種または2種以上により占められる。このようなモノマー組成から得られたアクリル系ポリマーによると、良好な粘着特性を示す粘着剤が形成されやすいので好ましい。
ここに開示される技術におけるアクリル系ポリマーとしては、水酸基(−OH)を有するアクリル系モノマーが共重合されたものを好ましく用いることができる。水酸基を有するアクリル系モノマーの具体例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシへキシル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシへキシル(メタ)アクリレート、8−ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、10−ヒドロキシデシル(メタ)アクリレート、12−ヒドロキシラウリル(メタ)アクリレート、(4−ヒドロキシメチルシクロへキシル)メチルアクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド、等が挙げられる。かかる水酸基含有アクリル系モノマーは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
このような水酸基含有アクリル系モノマーが共重合されたアクリル系ポリマーによると、粘着力と凝集力とのバランスに優れ、再剥離性に優れた粘着剤が得られやすいので好ましい。特に好ましい水酸基含有アクリル系モノマーとして、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートが挙げられる。例えば、上記ヒドロキシアルキル基におけるアルキル基が炭素原子数2〜4の直鎖状であるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを好ましく使用し得る。
このような水酸基含有アクリル系モノマーは、アクリル系ポリマーの合成に使用するモノマーの総量のうち凡そ0.001〜10質量%の範囲で使用されることが好ましい。このことによって、上記粘着力と凝集力とをより高レベルでバランスさせた両面粘着シートが実現され得る。水酸基含有アクリル系モノマーの使用量を凡そ0.01〜5質量%(例えば0.05〜2質量%)とすることにより、さらに良好な結果が達成され得る。
ここに開示される技術におけるアクリル系ポリマーには、本発明の効果を著しく損なわない範囲で、上記以外のモノマー(その他モノマー)が共重合されていてもよい。かかるモノマーは、例えば、アクリル系ポリマーのTg調整、粘着性能(例えば剥離性)の調整等の目的で使用することができる。例えば、粘着剤の凝集力や耐熱性を向上させ得るモノマーとして、スルホン酸基含有モノマー、リン酸基含有モノマー、シアノ基含有モノマー、ビニルエステル類、芳香族ビニル化合物等が挙げられる。また、アクリル系ポリマーに架橋基点となり得る官能基を導入し、あるいは接着力の向上に寄与し得るモノマーとして、カルボキシル基含有モノマー、酸無水物基含有モノマー、アミド基含有モノマー、アミノ基含有モノマー、イミド基含有モノマー、エポキシ基含有モノマー、(メタ)アクリロイルモルホリン、ビニルエーテル類等が挙げられる。
スルホン酸基含有モノマーとしては、スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸、ビニルスルホン酸ナトリウム等が例示される。
リン酸基含有モノマーとしては、2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェートが例示される。
シアノ基含有モノマーとしては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が例示される。
ビニルエステル類としては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ラウリン酸ビニル等が例示される。
芳香族ビニル化合物としては、スチレン、クロロスチレン、クロロメチルスチレン、α−メチルスチレン、その他の置換スチレン等が例示される。
また、カルボキシル基含有モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イソクロトン酸等が例示される。
酸無水物基含有モノマーとしては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、上記カルボキシル基含有モノマーの酸無水物体等が挙げられる。
アミド基含有モノマーとしては、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N,N−ジエチルメタクリルアミド、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド等が例示される。
アミノ基含有モノマーとしては、アミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等が例示される。
イミド基含有モノマーとしては、シクロへキシルマレイミド、イソプロピルマレイミド、N−シクロへキシルマレイミド、イタコンイミド等が例示される。
エポキシ基含有モノマーとしては、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等が例示される。
ビニルエーテル類としては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル等が例示される。
このような「その他モノマー」は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよいが、全体としての含有量は、アクリル系ポリマーの合成に使用するモノマーの総量のうち凡そ40質量%以下(典型的には、0.001〜40質量%)とすることが好ましく、凡そ30質量%以下(典型的には0.01〜30質量%、例えば0.1〜10質量%)とすることがより好ましい。上記その他モノマーとしてカルボキシル基含有モノマーを用いる場合、その含有量は、上記モノマー総量のうち例えば0.1〜10質量%とすることができ、通常は0.5〜5質量%とすることが適当である。また、上記その他モノマーとしてビニルエステル類(例えば酢酸ビニル)を用いる場合、その含有量は、上記モノマー総量のうち例えば0.1〜20質量%とすることができ、通常は0.5〜10質量%とすることが適当である。
上記アクリル系ポリマーの共重合組成は、該ポリマーのガラス転移温度(Tg)が−15℃以下(典型的には−70℃〜−15℃)となるように設計されていることが適当であり、好ましくは−25℃以下(例えば−60℃〜−25℃)、より好ましくは−40℃以下(例えば−60℃〜−40℃)である。アクリル系ポリマーのTgが高すぎると、該アクリル系ポリマーをベースポリマーとして含む粘着剤の粘着力(例えば、低温環境下における粘着力、粗面に対する粘着力等)が低下しやすくなることがあり得る。アクリル系ポリマーのTgが低すぎると、上記粘着剤の曲面接着性が低下したり、再剥離性が低下(たとえば、糊残りが発生)しやすくなったりすることがあり得る。
アクリル系ポリマーのTgは、モノマー組成(すなわち、該ポリマーの合成に使用するモノマーの種類や使用量比)を適宜変えることにより調整することができる。ここで、アクリル系ポリマーのTgとは、該ポリマーを構成する各モノマーの単独重合体(ホモポリマー)のTgおよび該モノマーの質量分率(質量基準の共重合割合)に基づいてフォックス(Fox)の式から求められる値をいう。ホモポリマーのTgとしては、公知資料に記載の値を採用するものとする。
ここに開示される技術では、上記ホモポリマーのTgとして、具体的には以下の値を用いるものとする。
2−エチルヘキシルアクリレート −70℃
ブチルアクリレート −55℃
エチルアクリレート −22℃
メチルアクリレート 8℃
メチルメタクリレート 105℃
シクロヘキシルメタクリレート 66℃
酢酸ビニル 32℃
スチレン 100℃
アクリル酸 106℃
メタクリル酸 130℃
上記で例示した以外のホモポリマーのTgについては、「Polymer Handbook」(第3版、John Wiley & Sons,Inc、1989年)に記載の数値を用いるものとする。
「Polymer Handbook」(第3版、John Wiley & Sons,Inc、1989年)にも記載されていない場合には、以下の測定方法により得られる値を用いるものとする(特開2007−51271号公報参照)。
具体的には、温度計、攪拌機、窒素導入管および還流冷却管を備えた反応器に、モノマー100質量部、アゾビスイソブチロニトリル0.2質量部および重合溶媒として酢酸エチル200質量部を投入し、窒素ガスを流通させながら1時間攪拌する。このようにして重合系内の酸素を除去した後、63℃に昇温し10時間反応させる。次いで、室温まで冷却し、固形分濃度33質量%のホモポリマー溶液を得る。次いで、このホモポリマー溶液を剥離ライナー上に流延塗付し、乾燥して厚さ約2mmの試験サンプル(シート状のホモポリマー)を作製する。この試験サンプルを直径7.9mmの円盤状に打ち抜き、パラレルプレートで挟み込み、粘弾性試験機(レオメトリックス社製、商品名「ARES」)を用いて周波数1Hzのせん断歪みを与えながら、温度領域−70〜150℃、5℃/分の昇温速度でせん断モードにより粘弾性を測定し、tanδ(損失正接)のピークトップ温度をホモポリマーのTgとする。
ここに開示される技術における粘着剤は、そのせん断損失弾性率G”のピークトップ温度が−10℃以下(典型的には−10℃〜−40℃)となるように設計されていることが好ましい。例えば、上記ピークトップ温度が−15℃〜−35℃となるように設計された粘着剤が好ましい。本明細書において、せん断損失弾性率G”のピークトップ温度は、厚さ1mmのシート状の粘着剤を、直径7.9mmの円盤状に打ち抜き、パラレルプレートで挟み込み、上記粘弾性試験機(レオメトリックス社製、商品名「ARES」)を用いて周波数1Hzのせん断歪みを与えながら、温度領域−70〜150℃、5℃/分の昇温速度でせん断モードにより損失弾性率G”の温度依存性を測定し、そのピークトップに相当する温度(G”カーブが極大となる温度)を求めることにより把握することができる。なお、アクリル系ポリマーのせん断損失弾性率G”のピークトップ温度は、モノマー組成(すなわち、該ポリマーの合成に使用するモノマーの種類や使用量比)を適宜変えることにより調整することができる。
かかるモノマー組成を有するアクリル系ポリマーを得る方法は特に限定されず、溶液重合法、乳化重合法、塊状重合法、懸濁重合法等の、アクリル系ポリマーの合成手法として知られている各種の重合方法を適宜採用することができる。例えば、溶液重合法を好ましく用いることができる。溶液重合を行う際のモノマー供給方法としては、全モノマー原料を一度に供給する一括仕込み方式、連続供給(滴下)方式、分割供給(滴下)方式等を適宜採用することができる。重合温度は、使用するモノマーおよび溶媒の種類、重合開始剤の種類等に応じて適宜選択することができ、例えば20℃〜170℃(典型的には40℃〜140℃)程度とすることができる。
溶液重合に用いる溶媒は、公知または慣用の有機溶媒から適宜選択することができる。例えば、トルエン、キシレン等の芳香族化合物類(典型的には芳香族炭化水素類);酢酸エチル、ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族または脂環式炭化水素類;1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化アルカン類;イソプロピルアルコール、1−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール等の低級アルコール類(例えば、炭素原子数1〜4の一価アルコール類);tert−ブチルメチルエーテル等のエーテル類;メチルエチルケトン、アセチルアセトン等のケトン類;等から選択されるいずれか1種の溶媒、または2種以上の混合溶媒を用いることができる。全圧1気圧における沸点が20〜200℃(より好ましくは、25〜150℃)の範囲にある有機溶媒(混合溶媒であり得る。)の使用が好ましい。
重合に用いる開始剤は、重合方法の種類に応じて、公知または慣用の重合開始剤から適宜選択することができる。例えば、アゾ系重合開始剤を好ましく使用し得る。アゾ系重合開始剤の具体例としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二硫酸塩、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド、2,2’−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロライド、2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチルアミジン)、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]ハイドレート、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)等が挙げられる。
重合開始剤の他の例としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジクミルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、過酸化水素等の、過酸化物系開始剤;フェニル置換エタン等の、置換エタン系開始剤;芳香族カルボニル化合物;等が挙げられる。重合開始剤のさらに他の例として、過酸化物と還元剤との組み合わせによるレドックス系開始剤が挙げられる。かかるレドックス系開始剤の例としては、過酸化物とアスコルビン酸との組み合わせ(過酸化水素水とアスコルビン酸との組み合わせ等)、過酸化物と鉄(II)塩との組み合わせ(過酸化水素水と鉄(II)塩との組み合わせ等)、過硫酸塩と亜硫酸水素ナトリウムとの組み合わせ、等が挙げられる。
このような重合開始剤は、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。重合開始剤の使用量は、通常の使用量であればよく、例えば、全モノマー成分100質量部に対して0.005〜1質量部(典型的には0.01〜1質量部)程度の範囲から選択することができる。
かかる溶液重合によると、アクリル系ポリマーが有機溶媒に溶解した態様の重合反応液が得られる。ここに開示される技術におけるアクリル系ポリマーとしては、上記重合反応液または該反応液に適当な後処理を施したものを好ましく用いることができる。典型的には、後処理を施した後のアクリル系ポリマー含有溶液を適当な粘度(濃度)に調整して使用する。あるいは、溶液重合方法以外の重合方法(例えば、エマルション重合、光重合、バルク重合等)を利用してアクリル系ポリマーを合成し、該重合体を有機溶媒に溶解させて溶液状に調製したものを用いてもよい。
ここに開示される技術におけるアクリル系ポリマーは、その重量平均分子量(Mw)が小さすぎると、粘着剤の凝集力が不足して被着体表面への糊残りを生じやすくなり、あるいは曲面接着性が低下しやすくなる場合があり得る。一方、Mwが大きすぎると、被着体に対する粘着力が低下しやすくなることがあり得る。粘着性能と再剥離性とを高レベルでバランスさせるためには、Mwが10×10以上500×10以下の範囲にあるアクリル系ポリマーが好ましい。Mwが20×10以上100×10以下(例えば30×10以上70×10以下)のアクリル系ポリマーによると、より良好な結果が実現され得る。なお、本明細書においてMwとは、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により得られた標準ポリスチレン換算の値をいう。
ここに開示される技術における粘着剤組成物は、粘着付与樹脂を含む組成であり得る。粘着付与樹脂としては、特に制限されないが、例えば、ロジン系、テルペン系、炭化水素系、エポキシ系、ポリアミド系、エラストマー系、フェノール系、ケトン系等、の各種粘着付与樹脂を用いることができる。このような粘着付与樹脂は、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
ロジン系粘着付与樹脂の具体的としては、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン等の未変性ロジン(生ロジン);これらの未変性ロジンを水添化、不均化、重合等により変性した変性ロジン(水添ロジン、不均化ロジン、重合ロジン、その他の化学的に修飾されたロジン等);その他の各種ロジン誘導体;等が挙げられる。上記ロジン誘導体の例としては、未変性ロジンをアルコール類によりエステル化したもの(すなわち、ロジンのエステル化物)、変性ロジン(水添ロジン、不均化ロジン、重合ロジン等)をアルコール類によりエステル化したもの(すなわち、変性ロジンのエステル化物)等のロジンエステル類;未変性ロジンや変性ロジン(水添ロジン、不均化ロジン、重合ロジン等)を不飽和脂肪酸で変性した不飽和脂肪酸変性ロジン類;ロジンエステル類を不飽和脂肪酸で変性した不飽和脂肪酸変性ロジンエステル類;未変性ロジン、変性ロジン(水添ロジン、不均化ロジン、重合ロジン等)、不飽和脂肪酸変性ロジン類または不飽和脂肪酸変性ロジンエステル類におけるカルボキシル基を還元処理したロジンアルコール類;未変性ロジン、変性ロジン、各種ロジン誘導体等のロジン類(特に、ロジンエステル類)の金属塩;ロジン類(未変性ロジン、変性ロジン、各種ロジン誘導体等)にフェノールを酸触媒で付加させ熱重合することにより得られるロジンフェノール樹脂;等が挙げられる。
テルペン系粘着付与樹脂の例としては、α−ピネン重合体、β−ピネン重合体、ジペンテン重合体などのテルペン系樹脂;これらのテルペン系樹脂を変性(フェノール変性、芳香族変性、水素添加変性、炭化水素変性等)した変性テルペン系樹脂;等が挙げられる。上記変性テルペン樹脂の例としては、テルペン−フェノール系樹脂、スチレン変性テルペン系樹脂、芳香族変性テルペン系樹脂、水素添加テルペン系樹脂等が挙げられる。
炭化水素系粘着付与樹脂の例としては、脂肪族系炭化水素樹脂、芳香族系炭化水素樹脂、脂肪族系環状炭化水素樹脂、脂肪族・芳香族系石油樹脂(スチレン−オレフィン系共重合体等)、脂肪族・脂環族系石油樹脂、水素添加炭化水素樹脂、クマロン系樹脂、クマロンインデン系樹脂等の各種の炭化水素系の樹脂が挙げられる。脂肪族系炭化水素樹脂としては、炭素原子数4〜5程度のオレフィンおよびジエンから選択される1種または2種以上の脂肪族炭化水素の重合体等が例示される。上記オレフィンの例としては、1−ブテン、イソブチレン、1−ペンテン等が挙げられる。上記ジエンの例としては、ブタジエン、1,3−ペンタジエン、イソプレン等が挙げられる。芳香族系炭化水素樹脂の例としては、炭素原子数8〜10程度のビニル基含有芳香族系炭化水素(スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、インデン、メチルインデン等)の重合体等が挙げられる。脂肪族系環状炭化水素樹脂の例としては、いわゆる「C4石油留分」や「C5石油留分」を環化二量体化した後に重合させた脂環式炭化水素系樹脂;環状ジエン化合物(シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン、エチリデンノルボルネン、ジペンテン等)の重合体またはその水素添加物;芳香族系炭化水素樹脂または脂肪族・芳香族系石油樹脂の芳香環を水素添加した脂環式炭化水素系樹脂;等が挙げられる。
ここに開示される技術では、軟化点(軟化温度)が凡そ80℃以上(好ましくは凡そ100℃以上)である粘着付与樹脂を好ましく使用し得る。かかる粘着付与樹脂によると、より高性能な(例えば、接着性の高い)粘着シートが実現され得る。粘着付与樹脂の軟化点の上限は特に制限されず、例えば凡そ200℃以下(典型的には凡そ180℃以下)とすることができる。なお、ここでいう粘着付与樹脂の軟化点は、JIS K5902およびJIS K2207のいずれかに規定する軟化点試験方法(環球法)によって測定された値として定義される。
粘着付与樹脂の使用量は特に制限されず、目的とする粘着性能(接着力等)に応じて適宜設定することができる。例えば、固形分基準で、アクリル系ポリマー100質量部に対して、粘着付与樹脂を凡そ10〜100質量部(より好ましくは15〜80質量部、さらに好ましくは20〜60質量部)の割合で使用することが好ましい。
上記粘着剤組成物には、必要に応じて架橋剤が用いられていてもよい。架橋剤の種類は特に制限されず、公知または慣用の架橋剤(例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、アジリジン系架橋剤、メラミン系架橋剤、過酸化物系架橋剤、尿素系架橋剤、金属アルコキシド系架橋剤、金属キレート系架橋剤、金属塩系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、アミン系架橋剤等)から適宜選択して用いることができる。架橋剤は、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。架橋剤の使用量は特に制限されず、例えば、アクリル系ポリマー100質量部に対して凡そ10質量部以下(例えば凡そ0.005〜10質量部、好ましくは凡そ0.01〜5質量部)程度の範囲から選択することができる。
上記粘着剤組成物は、必要に応じて、レベリング剤、架橋助剤、可塑剤、軟化剤、充填剤、着色剤(顔料、染料等)、帯電防止剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤等の、粘着剤組成物の分野において一般的な各種の添加剤を含有するものであり得る。このような各種添加剤については、従来公知のものを常法により使用することができ、特に本発明を特徴づけるものではないので、詳細な説明は省略する。
粘着剤組成物のNVは、多孔質基材への含浸性や、乾燥後の粘着剤層の表面平滑性、生産性等を考慮して25〜60質量%(例えば30〜50質量%、典型的には30〜40質量%)とすることが好ましい。粘着剤組成物の固形分が低すぎると、気泡が多く発生して表面平滑性低下の原因となり、粘着性能を低下させ得る。上記気泡の発生は両面粘着シートの外観を悪化させるものともなり得る。また、上記粘着剤組成物の粘度は、上述のNVと基本的に同様の観点から、室温(23℃)で0.1〜100Pa・s(例えば1〜50Pa・s、典型的には5〜30Pa・s)とすることが好ましい。
次に、ここに開示される両面粘着シートの製造方法の好適な一形態について説明する。この製造方法は、多孔質基材の第一面に第一粘着剤層を形成する工程(第一粘着剤層形成工程)と、多孔質基材の第二面に第二粘着剤層を形成する工程(第二粘着剤層形成工程)と、を含む。
第一粘着剤層を形成する工程の好適例につき、図3を参照しつつ説明する。図3には、両面粘着シートの製造装置40の一部分が示されている。ここでは、剥離性支持体としての剥離ライナー31に支持された形態で、第一粘着剤層21が多孔質基材10にその一部が含浸した状態で形成される。図3に示すように、製造装置40は、塗付部50と貼り合わせ部60と乾燥部70とを備える。また、シート状の剥離ライナー31がロール状に捲回された剥離ライナーロール80と、シート状の多孔質基材10がロール状に巻回された基材ロール90とを備える。
上記第一粘着剤層形成工程では、まず剥離ライナーロール80から塗付部50に向かって剥離ライナー31が送り出される。剥離性支持体としては、両面粘着シートの分野において周知または慣用の剥離ライナーや工程紙を適宜選択して用いることができる。なお、工程紙とは、粘着シートの製造過程において粘着剤組成物または粘着剤層を一時的に保持し、最終製品である粘着シートには含まれない支持体のことをいう。剥離性支持体としては、例えば、支持体用基材の表面に必要に応じて剥離処理が施された構成のものを好適に用いることができる。この実施形態では、両面剥離性の剥離ライナー31が用いられている。
上記剥離性支持体を構成する支持体用基材(剥離処理対象)としては、各種の樹脂フィルム類、紙類、布類、ゴムシート類、発泡体シート類、金属箔、これらの複合体(例えば、紙の両面にオレフィン樹脂がラミネートされた積層構造のシート)等を適宜選択して用いることができる。上記剥離処理は、公知または慣用の剥離処理剤(例えば、シリコーン系、フッ素系、長鎖アルキル系等の剥離処理剤)を用いて常法により行うことができる。例えば、図2に示すような両面粘着シートにおいては、両面にポリエチレン(PE)樹脂がラミネートされた上質紙をシリコーン系剥離剤で処理してなる剥離ライナーを好ましく採用し得る。また、オレフィン系樹脂(例えば、PE、ポリプロピレン(PP)、エチレン−プロピレン共重合体、PE/PP混合物)、フッ素系ポリマー(例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン)等の低接着性の基材を、該基材の表面に剥離処理を施すことなく剥離性支持体として用いてもよい。あるいは、かかる低接着性の基材に剥離処理を施したものを用いてもよい。上記のような剥離性支持体は、典型的には非吸湿性である。剥離性支持体の厚さは、作業性等の観点から50μm〜200μm(より好ましくは60μm〜160μm)程度とすることが適当である。
剥離性支持体は、粘着剤層側表面(換言すれば、粘着剤組成物が付与される面)および/または背面の算術平均表面粗さが1μm以下である。上記算術平均表面粗さは0.05μm〜0.75μm(例えば凡そ0.05μm〜0.5μm、典型的には凡そ0.1μm〜0.3μm)であることが好ましい。かかる構成とすることで、粘着剤層表面(貼付面)の平滑性も高くなり、被着体表面から剥離する際の応力の偏りが少なくなり、局部的な応力により粘着剤の一部が切れて被着体側に残る等の事象を回避し得る。したがって、上記の算術平均表面粗さを有する剥離性支持体を用いて作製された両面粘着シートは、使用後、被着体表面に糊残り等の汚染を生じることなく、被着体からスムーズに剥離できるものとなり得る。なお、本明細書において算術平均表面粗さは、一般的な表面粗さ測定装置(例えば、Veeco社製の非接触3次元表面形状測定装置、型式「Wyko NT−3300」)を用いて測定することができる。
次いで、上述の粘着剤組成物を剥離性支持体上に付与(典型的には塗付)する(付与工程)。具体的には、図3に示すように、上述のようにして送り出された剥離ライナー31は、ガイドロール95を通過した後、塗付部50に導入される。塗付部50では、粘着剤組成物25をコーター51を用いて剥離ライナー31上に塗付する。これによって、粘着剤組成物25は、剥離ライナー31上に膜状に配置される。なお、塗付時において、粘着剤組成物25は、典型的には室温(23℃)で液状(ペースト状を包含する。)の流動性を有する状態であり得る。また、この実施形態ではコーター51としてコンマコーターが用いられている。
粘着剤組成物の剥離性支持体への付与は、コンマコーターによる付与に限定されない。例えば、グラビアロールコーター、リバースロールコーター、キスロールコーター、ディップロールコーター、バーコーター、ナイフコーター、スプレーコーター等の、公知または慣用のコーターを用いて行うことができる。
次いで、上記粘着剤組成物を多孔質基材に接触させる(接触工程)。上記粘着剤組成物は、乾燥完了前の状態にある粘着剤組成物であればよく、予備的な乾燥工程に供されたものであってもよい。上記粘着剤組成物は、典型的には室温(23℃)で液状(ペースト状を包含する。)の流動性を有する状態であり得る。例えば、上記多孔質基材に接触させる粘着剤組成物(換言すれば、上記接触工程における粘着剤組成物。例えば、乾燥完了前の粘着剤組成物)のNVは、80質量%以下(例えば25〜80質量%)であることが好ましく、60質量%以下(例えば25〜60質量%)であることがより好ましく、50質量%以下(例えば30〜50質量%)であることがさらに好ましい。また、上記接触工程における粘着剤組成物(例えば、乾燥完了前の粘着剤組成物)の粘度は、上述のNVと基本的に同様の観点から、室温(23℃)で0.1〜100Pa・s(例えば1〜50Pa・s、典型的には5〜30Pa・s)とすることが好ましい。
また、上記粘着剤組成物(典型的には、上記多孔質基材に接触させる直前の粘着剤組成物)は、多孔質基材への含浸性の観点から、未乾燥の状態で多孔質基材に接触させることが好ましい。ここで、未乾燥の状態とは、剥離性支持体への付与(付与工程)から多孔質基材への接触(接触工程)までの間に、乾燥器等の溶媒除去手段を用いて粘着剤組成物を乾燥させるような積極的な乾燥工程が存在しないことを意味する。上記のように未乾燥状態で接触工程を実施することは、粘着剤組成物の多孔質基材への含浸性の観点だけでなく、生産効率の観点からも有益である。なお、上記未乾燥の状態には、予備的な乾燥や自然乾燥等によって粘着剤組成物が不完全に乾燥されることは含まれ得る。とはいえ、一定時間以上の放置は乾燥を進行させ得ることや、生産効率等を考慮すると、上記付与工程と上記接触工程の間隔は短いことが好ましい。例えば、上記付与工程と上記接触工程の間隔は1時間以内であることが好ましく、より好ましくは30分以内、さらに好ましくは10分以内である。特に好適な一態様では、上記付与工程と上記接触工程とを連続して実施する。
上記接触工程は、具体的には図3に示すように、基材ロール90から送り出された多孔質基材10を、剥離ライナー31上に塗付された膜状の粘着剤組成物25に貼り合わせる。このとき、粘着剤組成物25を多孔質基材10に対して下方に配置することで、多孔質基材10の自重を利用して粘着剤組成物25を多孔質基材10によく含浸させることができる。したがって、この工程では、粘着剤組成物25と多孔質基材10とを圧着する圧着ロール等の圧着手段は不要である。
次いで、上記のようにして多孔質基材に接触した粘着剤組成物を乾燥させる(乾燥工程)。換言すると、剥離性支持体と該剥離性支持体上に設けられた膜状の粘着剤組成物とその上に積層された多孔質基材とからなる積層体を乾燥工程に供する。粘着剤組成物の乾燥は、架橋反応の促進、製造効率向上等の観点から加熱下で行うことが好ましい。例えば図3に示すように、上記接触工程において、多孔質基材10が粘着剤組成物25の上方に配置される場合、そのまま乾燥工程に進めることで、粘着剤組成物25中から気化した溶媒成分は、通気性を有する多孔質基材10を通って好適に除去され得る。
上記乾燥工程における乾燥温度は、例えば凡そ40℃以上(例えば50℃以上、典型的には60℃以上)とすることが好ましく、また、凡そ120℃以下(例えば100℃以下、典型的には80℃以下)とすることが好ましい。乾燥時間は、製造効率等の観点から、概ね30分以下(好ましくは20分以下、例えば10分以下)とすることが好ましい。この時間内で所望の乾燥が行われるよう乾燥温度が設定され得る。上記のような乾燥工程を経ることによって第一粘着剤層は形成される。
第二粘着剤層は、第一粘着剤層が形成された後に多孔質基材に形成される。具体的には、第二粘着剤層は、多孔質基材の第二面(第一粘着剤層が形成された第一面とは反対側の面)に形成される。第二粘着剤層の形成方法は特に限定されず、従来公知の種々の方法を適用し得る。例えば、第二粘着剤層用の粘着剤組成物としては、上述の粘着剤組成物(例えば水系粘着剤組成物や溶剤型粘着剤組成物)で説明した範囲内のものを好ましく採用し得ることは勿論のこと、無溶剤型粘着剤組成物(例えば、有機溶媒を含まず紫外線や電子線等のような活性エネルギー線の照射により硬化するタイプの粘着剤組成物、ホットメルト型粘着剤組成物等)その他種々の形態の粘着剤組成物を採用し得る。そのような粘着剤組成物を、従来公知の手段(例えば塗付、乾燥、硬化等の手段)を適用することにより第二粘着剤層を形成することができる。
第二粘着剤層は、例えば、多孔質基材の第二面に粘着剤組成物を直接付与して乾燥または硬化させることで粘着剤層を形成し、必要に応じて剥離ライナー(上記剥離性支持体であり得る。)を積層する方法(直接法)や、あらかじめ剥離ライナー上に形成した粘着剤層を、多孔質基材の表面に貼り合わせ、該多孔質基材に上記第二粘着剤層を転写する方法(転写法)等を採用することができる。転写法においては、上記剥離ライナーをそのまま第二粘着剤層の保護に利用してもよい。第一粘着剤層との組合せを考慮すると、さらに表面平滑性、製造面等の観点から、転写法を好ましく採用し得る。第二粘着剤層の形成における粘着剤組成物の付与手段(典型的にはコーターの種類等)や、乾燥方法(典型的には乾燥温度や時間)は、上記第一粘着剤層と同じ範囲を好ましく採用することができるので、ここでは重複する説明は省略する。
ここに開示される第一粘着剤層の表面(粘着面、すなわち被着体への貼付面)の算術平均表面粗さは、1μm以下であることが好ましく、凡そ0.05μm〜0.75μm(例えば凡そ0.05μm〜0.5μm、典型的には凡そ0.1μm〜0.3μm)の範囲にあることがより好ましい。粘着面の平滑性が高くなると、該粘着面と被着体表面との密着性が向上する。平滑性の高い粘着剤層は、被着体表面から剥離する際の応力の偏りが少ないので、局部的な応力により粘着剤の一部が切れて被着体側に残る等の事象をよりよく回避し得る。したがって、上記算術平均表面粗さを有する両面粘着シートは、被着体表面に糊残り等の汚染を生じることなく、被着体からスムーズに剥離できるものとなり得る。なお、第二粘着剤層が転写法によって形成される場合、第二粘着剤層の表面の算術平均表面粗さは、1μm以下であることが好ましく、凡そ0.05μm〜0.75μm(例えば凡そ0.05μm〜0.5μm、典型的には凡そ0.1μm〜0.3μm)の範囲にあることがより好ましい。
ここに開示される粘着剤層における基材被覆部分の厚さ(以下、基材被覆厚ともいう。)は、片面当たり20μm以上とすることが適当である。粘着性能を向上させる観点からは、上記厚さは25μm以上であることが好ましく、30μm以上であることがより好ましい。かかる構成の両面粘着シートは、より良好な粘着性能を示すものとなり得る。また、上記厚さは150μm以下とすることが適当であり、100μm以下(例えば75μm以下)とすることが好ましい。両面粘着シートの軽量化(好ましくは、さらなる薄型化)の観点からは、上記厚さを70μm以下(例えば55μm以下、典型的には45μm以下)とすることが好ましい。なお、本明細書において粘着剤層の基材被覆厚(片面当たりの厚さ)とは、多孔質基材表面から粘着剤層表面までの厚さをいい、図1に示す例において、粘着剤層21、22のうち多孔質基材10の表面10A、10Bを覆う部分の厚さをいい、多孔質基材10に含浸した部分(符号214,224で示す各粘着剤層の下方部分)の厚さは含めないものとする。基材被覆厚は、換言すれば、第一粘着剤層21についてはその上方部分212の厚さをいい、第二粘着剤層22についてはその上方部分222の厚さをいう。
上記のようにして製造された両面粘着シートは、特性:(A)第一粘着剤層の表面と第二粘着剤層の表面のそれぞれにアルミニウム板を一枚貼り合わせ、65℃80%RHの環境下で24時間保存し、次いで23℃50%RHの環境下で2時間保存した後に、100mm/秒の速度でT型剥離試験を行った場合において、該両面粘着シートの面積のうち50%以上(好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上、最も好ましくは100%)が粘着剤層とアルミニウム板との界面で剥離する;を満たし得る。上記特性(A)を満たす両面粘着シートは、再剥離性により優れる。特性(A)は、具体的には後述する実施例に記載の方法で測定することができる。
また、上記両面粘着シートは、少なくとも第一粘着剤層の粘着面(好ましくは第一粘着剤層の粘着面と第二粘着剤層の粘着面の両方)のステンレス鋼板に対する180°引き剥がし粘着力(対ステンレス粘着力)が、10N/20mm以上(例えば12N/20mm以上、典型的には14N/20mm以上、20N/20mm以下)であることが好ましい(特性(B1))。また、第一粘着剤層の粘着面と第二粘着剤層の粘着面との対ステンレス粘着力の差異は5N/20mm以内(例えば3N/20mm以内、典型的には1N/20mm以内)であることがより好ましい。上記の特性を満たす両面粘着シートは、ステンレス鋼板に対する接着性能と再剥離性とをより高度に両立するものとなり得る。なお、上記粘着力は、後述する実施例に記載の方法で測定すればよい。
上記両面粘着シートはまた、少なくとも第一粘着剤層の粘着面(好ましくは第一粘着剤層の粘着面と第二粘着剤層の粘着面の両方)のPP板に対する180°引き剥がし粘着力(対PP粘着力)が、8N/20mm以上(例えば9N/20mm以上、典型的には10N/20mm以上、16N/20mm以下)であることが好ましい(特性(B2))。また、第一粘着剤層の粘着面と第二粘着剤層の粘着面との対PP粘着力の差異は5N/20mm以内(例えば3N/20mm以内、典型的には1N/20mm以内)であることがより好ましい。上記の特性を満たす両面粘着シートは、PP板に対する接着性能と再剥離性とをより高度に両立するものとなり得る。なお、上記粘着力は、後述する実施例に記載の方法で測定すればよい。
上記両面粘着シートはまた、少なくとも第一粘着剤層の粘着面(好ましくは第一粘着剤層の粘着面と第二粘着剤層の粘着面の両方)のABS板に対する180°引き剥がし粘着力(対ABS粘着力)が、9N/20mm以上(例えば10N/20mm以上、典型的には12N/20mm以上、18N/20mm以下)であることが好ましい(特性(B3))。また、第一粘着剤層の粘着面と第二粘着剤層の粘着面との対ABS粘着力の差異は5N/20mm以内(例えば3N/20mm以内、典型的には1N/20mm以内)であることがより好ましい。上記の特性を満たす両面粘着シートは、ABS板に対する接着性能と再剥離性とをより高度に両立するものとなり得る。なお、上記粘着力は、後述する実施例に記載の方法で測定すればよい。
上記両面粘着シートはまた、少なくとも第一粘着剤層の粘着面(好ましくは第一粘着剤層の粘着面と第二粘着剤層の粘着面の両方)のPC−ABS板に対する180°引き剥がし粘着力(対PC−ABS粘着力)が、10N/20mm以上(例えば12N/20mm以上、典型的には14N/20mm以上、20N/20mm以下)であることが好ましい(特性(B4))。また、第一粘着剤層の粘着面と第二粘着剤層の粘着面との対PC−ABS粘着力の差異は5N/20mm以内(例えば3N/20mm以内、典型的には1N/20mm以内)であることがより好ましい。上記の特性を満たす両面粘着シートは、PC−ABS板に対する接着性能と再剥離性とをより高度に両立するものとなり得る。なお、上記粘着力は、後述する実施例に記載の方法で測定すればよい。
さらに、上記両面粘着シートは、上述の方法(より具体的には後述する実施例に記載の方法)で行われる定荷重剥離試験において、少なくとも第一粘着剤層の粘着面(好ましくは第一粘着剤層の粘着面と第二粘着剤層の粘着面の両方)について、被着体としてのステンレス鋼板に対する剥離距離が10mm以下(例えば5mm以下、典型的には3mm以下)であることが好ましい(特性(C1))。また、被着体としてPP板、ABS板またはPC−ABS板を用いた他は上記特性(C1)と同様にしてそれぞれ行われる定荷重剥離試験において、少なくとも第一粘着剤層の粘着面(好ましくは第一粘着剤層の粘着面と第二粘着剤層の粘着面の両方)について、被着体に対する剥離距離がそれぞれ10mm以下(例えば5mm以下、典型的には4mm以下)であることが好ましい(特性(C2)(C3)(C4))。上記の特性を満たす両面粘着シートは各種被着体に対して、長時間継続して荷重がかかり続ける状況において接着信頼性が高いことを示すものであり得る。また、上記特性(C1)〜(C4)はいずれも、他の粘着特性と比べて粘着剤層表面の平滑性の影響が出やすい傾向がある。したがって、第一粘着剤層の粘着面に関して、上記特性(C1)〜(C4)のうち少なくとも1つ(好ましくは2つ以上、より好ましくは3つ以上、さらに好ましくは(C1)〜(C4)のすべて)を満たすことは、第一粘着剤層の粘着面が優れた平滑性を有することを示す間接的な指標となり得る。
ここに開示される両面粘着シートの厚さは、凡そ250μm以下であることが好ましい。上記厚さは、図1を例として説明すれば、多孔質基材10とその両面に設けられた粘着剤層21、22の合計厚さ(第一粘着面21Aと第二粘着面22Aとの間の厚さ)Hを指す。すなわち、ここでいう両面粘着シートの厚さには、剥離性支持体の厚さは含めない。好ましい一態様に係る両面粘着シートは、上記厚さが200μm以下であり、より好ましくは150μm以下(例えば130μm以下)である。このように厚さの小さい両面粘着シートは、該両面粘着シートを用いた接合部の厚さ(換言すれば、該両面粘着シートを介して接合される部材表面間の距離)をより小さくすることができるので好ましい。ここに開示される両面粘着シートは、上記のように薄厚であっても優れた粘着性能(例えば、高い粘着力)を発揮することができる。
ここに開示される両面粘着シートは、該両面粘着シートの厚さHに対する多孔質基材の厚みhの比(h/H)が50%以下であることが好ましく、45%以下(例えば43%以下)であることがより好ましい。かかる厚さ比(h/H)を満たす両面粘着シートは、軽量化または薄型化された態様であっても、図1に示すように、多孔質基材10の表面10A、10Bがそれぞれ適切な厚さの粘着剤21、22(より詳しくは、それらの上方部分212、222)で覆われ得る。したがって、より良好な粘着特性(粘着力等)を発揮する両面粘着シートが実現され得る。粘着性能と再剥離性とをより高度に両立させるという観点からは、上記厚さ比(h/H)を25%以上とすることが適当であり、30%以上(例えば35%以上)とすることが好ましい。
ここに開示される両面粘着シートは、引張強度が流れ方向(MD引張強度、TMD)および横方向(TD引張強度、TTD)のいずれについても10.0N/10mm以上のものであり得る。TMDおよびTTDがいずれも13.0N/10mm以上である両面粘着シートが好ましく、より好ましくは13.5N/10mm以上、さらに好ましくは14.0N/10mm以上である。かかる引張強度を示す両面粘着シートは、より再剥離性に優れた(特に、剥離途中での千切れが生じにくい)ものとなり得る。両面粘着シートの引張強度の上限は特に制限されないが、コストや軽量化の容易性を考慮すると、通常は、TMDおよびTTD の少なくとも一方が20.0N/10mm以下の両面粘着シートが有利である。
上記両面粘着シートは、上記引張強度TTDのTMDに対する比(縦横比(TTD/TMD))が1から大きく外れないことが好ましい。例えば、TTD/TMDが0.8〜1.2(典型的には0.8〜1.1、例えば0.9〜1.1)の範囲にある両面粘着シートを好ましく採用し得る。このように引張強度の方向依存性が小さい両面粘着シートは、被着体から引き剥がすときに、その引き剥がし方向による再剥離性の違いが生じにくい。したがって、より安定して良好な再剥離性を発揮し、両面粘着シートの剥がし損ねをよりよく防止することができる。
両面粘着シートの引張強度は次のようにして測定すればよい。すなわち、両面粘着シートを、その多孔質基材の流れ方向(MD)が長手方向と一致するように、幅10mmの帯状にカットして試験片を作製する。その試験片を引張試験機にセットし(チャック間距離50mm)、JIS P8113に準じて、引張速度100mm/分の条件で、長手方向への引張り強さ(MD引張強度)TMD(N/10mm)を測定する。また、両面粘着シートを、多孔質基材の幅方向(TD)が長手方向と一致するようにして幅10mmの帯状にカットして試験片を作製し、同様にして幅方向への引張り強さ(TD引張強度)TTD(N/10mm)を測定する。さらに、TTD/TMDにより、引張強度の縦横比を算出する。後述する実施例においても同じ方法が適用される。
ここに開示される両面粘着シートは、再剥離性に優れることから、家電製品、自動車、OA機器その他の各種産業分野において、リサイクルが予定されている部品(該部品の形態でリサイクルする場合および該部品の構成素材をリサイクルする場合を含む)に貼り付けられる両面粘着シートとして好適である。また、ここに開示される両面粘着シートは、良好な粘着性能を兼ね備えたものとなり得るので、リサイクル用の部品に限定されず、種々の分野において好適に利用され得る。
以下、本発明に関するいくつかの実施例を説明するが、本発明をかかる実施例に示すものに限定することを意図したものではない。なお、以下の説明において「部」および「%」は、特に断りがない限り質量基準である。
<例1>
(粘着剤組成物の調製)
アクリル酸3部、酢酸ビニル4部、ブチルアクリレート93部、2−ヒドロキシエチルアクリレート0.1部および重合溶媒としてトルエン200部を、三つ口フラスコに投入した。窒素ガスを導入しながら2時間攪拌して重合系内の酸素を除去した後、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.15部を加え、70℃に昇温して6時間重合反応を行った。このようにしてポリマー溶液(アクリル系ポリマーのトルエン溶液)を得た。得られたポリマーの重量平均分子量は70×10であった。
前記ポリマー溶液に、その固形分100部に対して40部の粘着付与樹脂(荒川化学社製の重合ロジン、商品名「ペンセルD125」)と、1.4部のイソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン工業社製、商品名「コロネートL」)と、最終的な固形分が35%となる分量のトルエンとを加え、十分に攪拌して、液状のアクリル系粘着剤組成物を調製した。このアクリル系粘着剤組成物の23℃における粘度は10Pa・sであった。該組成物から得られる粘着剤のせん断損失弾性率G”のピークトップ温度は−25℃であった。
(多孔質基材)
多孔質基材として、構成繊維の100%がマニラ麻繊維であり、坪量14g/mで厚さ50μmの不織布Aを用意した。この不織布AのMD引張強度(tMD)は0.55kgf/15mmであり、TD引張強度(tTD)は0.51kgf/15mmであった。また、MD引裂強度(sMD)は400mNであり、TD引裂強度(sTD)は440mNであった。
(両面粘着シートの作製)
上質紙の片面に厚さ25μmのPE層がラミネートされ、その上にシリコーン系剥離剤による剥離処理が行われたシート状の剥離ライナーを用意した。図3に示すように、この剥離ライナー31をロール状にした剥離ライナーロール80を両面粘着シート製造装置40にセットし、剥離ライナー31を送り出し、コンマコーター51を用いて、上記で調製した粘着剤組成物25を剥離ライナー31に塗付した。そして連続して、基材ロール90から送り出された多孔質基材10を剥離ライナー31上の膜状の粘着剤組成物25に上方から貼り合わせた。多孔質基材10としては上記の不織布Aを用いた。その後、100℃で2分乾燥して厚さ約35μmの基材被覆厚を有する第一粘着剤層21を多孔質基材10の第一面に形成した。次いで、上記と同種の剥離ライナー上に粘着剤組成物を塗付した後、100℃で2分間乾燥することにより粘着剤層を形成した。この粘着剤層を多孔質基材10の第二面に転写することにより厚さ約35μmの基材被覆厚を有する第二粘着剤層を形成した(転写法)。第二粘着剤層の形成に用いた粘着剤組成物は、第一粘着剤層の形成に用いたものと同じである。このようにして例1に係る両面粘着シートを作製した。この両面粘着シートの両粘着面は、該両面粘着シートの作製に使用した剥離ライナーによってそのまま保護されている。
なお、上記剥離ライナーにおける上記粘着剤組成物が付与される面の算術平均表面粗さは0.25μmであった。
<例2>
例1と同種の剥離ライナーを用意し、その上に例1と同じ粘着剤組成物を塗付した後、乾燥することにより粘着剤層を形成した。乾燥は100℃で2分間行った。この粘着剤層を多孔質基材に転写することにより、厚さ約35μmの基材被覆厚を有する第一粘着剤層を多孔質基材の第一面に形成した(転写法)。多孔質基材としては上記の不織布Aを用いた。次いで、例1と同様の転写法により多孔質基材の第二面に厚さ約35μmの基材被覆厚を有する第二粘着剤層を形成した。第二粘着剤層の形成に用いた粘着剤組成物は、第一粘着剤層の形成に用いたものと同じである。このようにして例2に係る両面粘着シートを作製した。この両面粘着シートの両粘着面は、該両面粘着シートの作製に使用した剥離ライナーによってそのまま保護されている。
<例3>
多孔質基材として、坪量17g/mで厚さ45μmのマニラ麻からなる不織布Bを用い、第一粘着剤層および第二粘着剤層の基材被覆厚をそれぞれ約37.5μmとした他は例2と同様にして例3に係る両面粘着シートを作製した。
<例4>
第一粘着剤層および第二粘着剤層の基材被覆厚をそれぞれ15μmとした他は例2と同様にして例4に係る両面粘着シートを作製した。
各例に係る両面粘着シートにつき、下記の評価試験を行った。それら評価試験の結果を表1に示す。
[粘着剤層の含浸性]
粘着剤層の多孔質基材への含浸の程度が低いと、多孔質基材中の空隙(多孔質基材中の空間であって粘着剤層が存在しない領域)が増加し、この空隙の存在に起因して透明性が低下する傾向がある。この知見に基づき、各例に係る両面粘着シートの透明性を目視で評価した。具体的には、両面粘着シートの一方の粘着面を覆う剥離ライナーを剥がし、厚さ50μmのPETフィルムに貼り付けて裏打ちした。この裏打ちされた粘着シートを100mm角の正方形状にカットして試験片を作製した。該試験片の他方の粘着面を覆う剥離ライナーを剥がし、黒色の文字が印刷された白色のプラスチック板の表面に、2kgのローラを1往復させて圧着した。これを上記プラスチック板の真上から目視して、両面粘着シートの透け具合(透明性)を評価した。評価は、例2に係る両面粘着シートの透明性を基準として、各例に係る両面粘着シートと直接対比を行い、例2に係る両面粘着シートよりも透明性に優れる場合、○と評価した。例2に係る両面粘着シートの透明性と同等または劣る場合、×と判定した。
[層間破壊試験]
各例に係る両面粘着シートを15mm×15mmのサイズにカットし、第一粘着剤層および第二粘着剤層にそれぞれ厚さ50μm、幅20mm、長さ100mmのアルミニウム板(住軽アルミ箔社製のA1N30H−O)を23℃50%RHの環境下で貼り合わせて試験片を作製した。該試験片を65℃80%RHの環境下で24時間保存した後、次いで温度23℃50%RHの環境下で2時間保存した後に、上記アルミニウム板の両端を手で持って100m/秒程度の速度で手によりT型剥離を行った。T型剥離後、被着体表面を目視で観察し、下記の基準で再剥離性(界面破壊度)を判定した。
○:両面粘着シートの面積のうち50%以上が粘着剤層とアルミニウム板との界面で剥離した(再剥離性良)。
×:両面粘着シートの面積のうち、粘着剤層とアルミニウム板との界面で剥離した面積は50%未満であった(再剥離性不良)。
上記層間破壊試験につき、図面を参照しつつ、より詳しく説明する。すなわち、図4に示すように、両面粘着シート1を15mm×15mmのサイズにカットし、その第一粘着剤層の粘着面21Aおよび第二粘着剤層の粘着面22Aに、厚さ50μm、幅20mm、長さ100mmのアルミニウム板101,102をそれぞれ貼り合わせて試験片110を作製した。貼り合わせは23℃50%RHの環境下で行った。その試験片110を65℃80%RHの環境下で24時間保存した後、次いで23℃50%RHの環境下で2時間保存した。次いで、図5,6に示すように、アルミニウム板101,102の両端を掴んで100mm/秒程度(典型的には、100±10mm/秒)の剥離速度でT型剥離を行った。ここで、図5は両面粘着シート1が第二粘着剤層の粘着面22Aとアルミニウム板102との界面で剥離する様子を示し、図6は両面粘着シート1が層間破壊する様子を示している。このようにして2枚のアルミニウム板101,102を剥離した(引き剥がした)後、使用した両面粘着シート1の状態を目視により観察し、粘着剤層とアルミニウム板との界面で剥離している面積の割合(界面破壊度)を求めた。例えば図7に示すように、上記T型剥離後において、第二粘着剤層に貼り付けたアルミニウム板102に、第二粘着剤層との界面で剥離した部分115と両面粘着シート1が層間破壊した部分116とが存在する場合、界面で剥離した部分115が両面粘着シート1の貼付面積(15mm×15mm)に占める面積の割合を算出することにより、界面破壊度を求めた。
[粘着力の測定]
各例に係る両面粘着シートの一方の粘着面を覆う剥離ライナーを剥がし、厚さ25μmのPETフィルムに貼り付けて裏打ちした。この裏打ちされた両面粘着シートを幅20mm、長さ100mmのサイズにカットして試験片を作製した(試験片の長手方向が多孔質基材のMDと一致するようにした。)。該試験片の他方の粘着面を覆う剥離ライナーを剥がし、上記試験片を被着体の表面に23℃50%RHの環境下で2kgのローラを1往復させて圧着した。これを23℃で30分間放置した後、JIS Z0237に準じて、23℃50%RHの測定環境下、引張試験機を使用して引張速度300mm/分の条件で180°引き剥がし粘着力(N/20mm幅)を測定した。
ステンレス鋼(SUS304)板、PP板、ABS板(新神戸電機株式会社製)およびPC−ABS板の4種類の被着体について、上記手順に沿って粘着力を測定した。
また、上記粘着力の測定は第一粘着剤層の粘着面、第二粘着剤層の粘着面の両方について行った。表1には、第一粘着剤層の粘着面についての測定結果を示す。なお、各例における第二粘着剤層の粘着面についての粘着力は、対応する例の第一粘着剤層粘着面についての結果とそれぞれ同じであった。
[定荷重剥離試験]
図8に示すように、各例に係る両面粘着シート1の一方の粘着面120Aを、厚さ25μmのPETフィルム125に貼り付けて裏打ちした。この裏打ちされた粘着シート1を幅20mm、長さ100mmのサイズにカットして試験片130を作製した。23℃50%RHの環境下にて、試験片130の他方の粘着面120Bを被着体140の表面に2kgのローラを1往復させて圧着した。これを同環境下に24時間放置した後、試験片130が貼り付けられた面が下方になるようにして被着体140を水平に保持した。その試験片130の一端に、剥離角度が90度となるように300g(2.94N)の荷重145を掛けて、1時間後の剥離距離を測定した。
ステンレス鋼(SUS304)板、PP板、ABS板(新神戸電機株式会社製)およびPC−ABS板の4種類の被着体について、上記手順に沿って定荷重剥離試験を行った。
また、上記試験は第一粘着剤層の粘着面、第二粘着剤層の粘着面の両方について行った。表1には、第一粘着剤層の粘着面についての測定結果を示す。なお、各例における第二粘着剤層の粘着面についての測定結果は、対応する例の第一粘着剤層粘着面についての結果とそれぞれ同じであった。
Figure 2015000908
表1に示されるように、例1に係る両面粘着シートは、例2のものと比べて透明性に優れていたことから、粘着剤層が多孔質基材によく含浸したと考えられる。また、層間破壊試験において両面粘着シートの面積のうち50%以上が粘着剤層とアルミニウム板との界面で剥離した。一方、両面に転写法を採用した例2に係る両面粘着シートは、粘着性能は例1と同等であったものの、層間破壊試験の結果が例1より劣った。これらの結果から、例1の両面粘着シートでは、粘着剤組成物を多孔質基材に貼り合わせた後に乾燥するという方法を採用することにより、上記の含浸性を実現し、例2のものと比べて、使用後、被着体から引き剥がす際に優れた再剥離性を示すと考えられる。また、例1の両面粘着シートは、各種被着体に対して高い粘着力を示したことから、接着性能と再剥離性とを高度に両立すると考えられる。さらに、第一粘着剤層の粘着面は平滑な剥離ライナー上に塗付された後に形成されたことから、転写法によって形成された粘着剤層表面とそん色のない表面平滑性を実現することができる。このことは、定荷重剥離試験において良好な結果が得られたことからも理解され得る。一方、例3の結果から明らかなように、多孔質基材の坪量を大きくして多孔質基材自体の強度を高めるだけでは両面粘着シートの層間破壊を回避することはできなかった。また、粘着剤層の基材被覆厚を薄くした例4では、層間破壊の割合を下げることはできたものの、粘着力が大幅に低下し、また、定荷重剥離試験における剥がれ距離が大きくなる傾向があった。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
1 両面粘着シート
10 多孔質基材
10A 第一面
10B 第二面
21 粘着剤層(第一粘着剤層)
21A 粘着面(第一粘着面)
212 上方部分
214 下方部分
22 粘着剤層(第二粘着剤層)
22A 粘着面(第二粘着面)
222 上方部分
224 下方部分
25 粘着剤組成物
31,32 剥離ライナー

Claims (11)

  1. シート状の多孔質基材の第一面に第一粘着剤層を形成し、該多孔質基材の第二面に第二粘着剤層を形成してなる両面粘着シートの製造方法であって、
    粘着剤組成物を剥離性支持体上に付与する付与工程と、
    前記付与工程の後に、前記粘着剤組成物を前記多孔質基材に接触させる接触工程と、
    前記多孔質基材に接触した粘着剤組成物を乾燥することにより前記第一粘着剤層を形成する工程と、
    を含み、
    前記剥離性支持体は、前記粘着剤組成物が付与される面の算術平均表面粗さが1μm以下である、両面粘着シートの製造方法。
  2. 前記両面粘着シートは、以下の特性:
    (A)前記第一粘着剤層の表面と前記第二粘着剤層の表面のそれぞれにアルミニウム板を一枚貼り合わせ、温度65℃、相対湿度80%の環境下で24時間保存し、次いで温度23℃、相対湿度50%の環境下で2時間保存した後に、100mm/秒の速度でT型剥離試験を行った場合において、該両面粘着シートの面積のうち50%以上が粘着剤層とアルミニウム板との界面で剥離する;
    を満たすように構成されている、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記接触工程において、前記多孔質基材は上方から前記粘着剤組成物に接触する、請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 前記粘着剤組成物の乾燥は100℃以下の温度で行われる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法。
  5. 前記粘着剤組成物は、溶媒として有機溶媒を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造方法。
  6. 前記接触工程において、前記粘着剤組成物は、固形分濃度が30〜50質量%である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の製造方法。
  7. 前記接触工程において、前記粘着剤組成物は、23℃における粘度が1〜50Pa・sである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の製造方法。
  8. 前記粘着剤組成物はアクリル系粘着剤組成物である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の製造方法。
  9. 前記多孔質基材として、坪量が10〜30g/mの不織布を用いる、請求項1〜8のいずれか一項に記載の製造方法。
  10. 前記多孔質基材として、厚さが10〜150μmの不織布を用いる、請求項1〜9のいずれか一項に記載の製造方法。
  11. 前記多孔質基材は、構成繊維の90質量%以上がマニラ麻繊維である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の製造方法。
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