JP2015000487A - 積層体 - Google Patents

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JP2015000487A JP2013124803A JP2013124803A JP2015000487A JP 2015000487 A JP2015000487 A JP 2015000487A JP 2013124803 A JP2013124803 A JP 2013124803A JP 2013124803 A JP2013124803 A JP 2013124803A JP 2015000487 A JP2015000487 A JP 2015000487A
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賀津人 山川
Kazuto Yamakawa
賀津人 山川
裕昭 篠田
Hiroaki Shinoda
裕昭 篠田
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Abstract

【課題】ポリアミド樹脂層とゴム層との間の接着性に優れる積層体を提供する。
【解決手段】ポリアミド樹脂層と、上記ポリアミド樹脂層に隣接するゴム層とを備え、上記ゴム層が、塩素化ポリエチレンを含むゴム成分と、有機過酸化物と、アリル基を3個以上有するアリル化合物とを含有するゴム組成物を用いて形成され、上記塩素化ポリエチレンの含有量が、上記ゴム成分に対して、40質量%以上であり、上記有機過酸化物の含有量が、上記塩素化ポリエチレンの含有量に対して、0.5〜8質量%であり、上記アリル化合物の含有量が、上記塩素化ポリエチレンの含有量に対して、0.5〜6.0質量%である、積層体。
【選択図】なし

Description

本発明は、積層体に関する。
タイヤ、コンベヤベルト、防舷材など、さまざまな分野で樹脂層とゴム層との積層体が用いられている。このような積層体においては一般に層間の接着性に優れることが求められる。
例えば、特許文献1には、ポリアミド系樹脂のフィルムとゴム組成物の層との積層体が開示されている(請求項1)。
特開2013−6387号公報
本発明者は、特許文献1を参考に、ポリアミド樹脂層と、上記ポリアミド樹脂層に隣接するゴム層とを備える積層体を製造したところ、上記ポリアミド樹脂層と上記ゴム層との間の接着性が昨今求められるレベルを必ずしも満たすものではないことが明らかとなった。
そこで、本発明は、ポリアミド樹脂層とゴム層との間の接着性に優れる積層体を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、ポリアミド樹脂層に特定のゴム組成物で形成されたゴム層を隣接させることで、上記ポリアミド樹脂層と上記ゴム層との間の接着性が向上することを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明者らは、以下の構成により上記課題が解決できることを見出した。
(1) ポリアミド樹脂層と、上記ポリアミド樹脂層に隣接するゴム層とを備え、
上記ゴム層が、塩素化ポリエチレンを含むゴム成分と、有機過酸化物と、アリル基を3個以上有するアリル化合物とを含有するゴム組成物を用いて形成され、
上記塩素化ポリエチレンの含有量が、上記ゴム成分に対して、40質量%以上であり、
上記有機過酸化物の含有量が、上記塩素化ポリエチレンの含有量に対して、0.5〜8質量%であり、
上記アリル化合物の含有量が、上記塩素化ポリエチレンの含有量に対して、0.5〜6.0質量%である、積層体。
(2) 上記ポリアミド樹脂層と上記ゴム層との間に接着剤層を備えない、上記(1)に記載の積層体。
(3) 上記ポリアミド樹脂層と上記ゴム層とが直接接着している、上記(1)または(2)に記載の積層体。
(4) 上記ポリアミド樹脂層に含有されるポリアミド樹脂が、ポリアミド6、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド4−6、ポリアミド6−6、ポリアミド6−66、ポリアミド6−10、ポリアミド6−12、および、ポリアミドMXD6からなる群より選択される少なくとも1種のポリマーである、上記(1)〜(3)のいずれか1項に記載の積層体。
(5) 上記ゴム組成物が硫黄を含まない、上記(1)〜(4)のいずれか1項に記載の積層体。
以下に示すように、本発明によれば、ポリアミド樹脂層とゴム層との間の接着性に優れる積層体を提供することができる。
図1は本発明の積層体の一態様を模式的に表す断面図である。 図2は本発明の積層体の別の態様を模式的に表す断面図である。
以下、本発明の積層体、および、その製造方法について詳述する。
本発明の積層体は、ポリアミド樹脂層とゴム層とを備え、上記ゴム層は、塩素化ポリエチレンを含むゴム成分と、有機過酸化物と、アリル基を3個以上有するアリル化合物とを含有するゴム組成物を用いて形成される。ここで、上記塩素化ポリエチレンの含有量は、上記ゴム成分に対して、40質量%以上であり、上記有機過酸化物の含有量は、上記塩素化ポリエチレンの含有量に対して、0.5〜8質量%であり、上記アリル化合物の含有量は、上記塩素化ポリエチレンの含有量に対して、0.5〜6.0質量%である。
なお、上記ポリアミド樹脂層とゴム層とは直接接着しているのが好ましい。例えば、2つの層の間に接着剤層を備えないのが好ましい。
本発明の積層体の一態様について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の積層体の一態様を模式的に表す断面図である。
図1において、積層体100は、ポリアミド樹脂層12と、ポリアミド樹脂層12に隣接するゴム層10とを備える。
また、図2は、本発明の積層体の別の態様を模式的に表す断面図である。
図2において、積層体200は、ポリアミド樹脂層12と、ポリアミド樹脂層12に隣接するゴム層10aおよびゴム層10bとを備える。
上述のとおり、本発明の積層体は、ポリアミド樹脂層と、ポリアミド樹脂層に隣接する特定のゴム層とを備える。
本発明の積層体は、このような構成をとるため、ポリアミド樹脂層とゴム層との間の接着性に優れると考えられる。その理由は明らかではないがおよそ以下のとおりと推測される。
上記ポリアミド樹脂層中のポリアミド樹脂には電子供与性のアミド結合が存在する。また、上記ゴム層中の塩素化ポリエチレンには電子吸引性の塩素原子が存在する。さらに、上記ゴム層中の塩素化ポリエチレンの主鎖には塩素原子以外に立体障害となり得る基が存在しない。そのため、ポリアミド樹脂層とゴム層との界面において、ポリアミド樹脂層中のアミド結合とゴム層中の塩素原子との間で強い相互作用が生じ、結果として、2つの層の間の優れた接着性が担保される。
このことは、後述する比較例が示すように、塩素化ポリエチレンを含有しないゴム組成物を用いた場合には、接着性が不十分となることからも推測される。なお、後述する比較例6が示すように、たとえ塩素原子を有するゴムを用いても、ゴムが塩素原子以外に立体障害となり得る基を有する場合には、接着性が不十分となる。
〔ポリアミド樹脂層〕
ポリアミド樹脂層は、ポリアミド樹脂を含有する層である。
<ポリアミド樹脂>
ポリアミド樹脂層に含有されるポリアミド樹脂は、アミド結合を複数有する樹脂であれば特に制限されない。なかでも、接着性がより優れる理由から、ポリアミド6、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド4−6、ポリアミド6−6、ポリアミド6−66、ポリアミド6−10、ポリアミド6−12、および、ポリアミドMXD6からなる群より選択される少なくとも1種のポリマーであるのが好ましい。
ポリアミド樹脂は、2種以上を組み合わせて使用することができる。
ポリアミド樹脂層は、積層体の耐劣化性能、柔軟性および耐振動性の観点から、さらにカルボキシル基含有変性ポリオレフィンを含有するのが好ましく、ポリアミド樹脂とカルボキシル基含有変性ポリオレフィンとをブレンドして得られる変性ポリアミドを含有するのがさらに好ましい。
カルボキシル基含有変性ポリオレフィンはカルボキシル基を有するポリオレフィンであれば特に制限されない。
カルボキシル基含有変性ポリオレフィンとしては、例えばエチレン、プロピレン、ブタジエンなどのオレフィンやジエンモノマーを単独重合または共重合したポリオレフィンに無水マレイン酸などの酸無水物をグラフト重合することにより官能基を約0.1〜10モル%導入した変性ポリオレフィンが好ましく用いられる。
ポリアミドとカルボキシル基含有変性ポリオレフィンとの量比[ポリアミド/(カルボキシル基含有変性ポリオレフィン)、質量比]は、積層体の柔軟性の観点から、90/10〜50/50が好ましく、85/15〜65/35がより好ましい。カルボキシル基含有変性ポリオレフィンの割合が50質量%以下の場合、接着性がより優れる。カルボキシル基含有変性ポリオレフィンの割合が10質量%以上の場合、積層体の柔軟性が優れる。
上記変性ポリアミドとしては、例えば、ポリアミド6と無水マレイン酸変性ポリオレフィンとをアロイ化したもの(ブレンド物)と考えられるデュポン社製のザイテルST801、ザイテルST811、ザイテルST811HSなどのザイテルSTシリーズなどが挙げられる。
ポリアミド樹脂層中のポリアミド樹脂または変性ポリアミドの含有量は特に制限されないが、50〜100質量%であることが好ましく、70〜100質量%であることがより好ましく、90〜100質量%であることがさらに好ましい。
ポリアミド樹脂層の厚みは特に制限されないが、0.01〜5mmであることが好ましい。
<ポリアミド樹脂層の形成方法>
ポリアミド樹脂層の形成方法は特に制限されないが、例えば、基板上にポリアミド樹脂層形成用組成物を塗布する方法、ポリアミド樹脂を押し出し成形によりシート状に成形する方法などが挙げられる。塗布や押し出し成形の方法や特に制限されず、従来公知の方法を用いることができる。
〔ゴム層〕
ゴム層は、上記ポリアミド樹脂層に隣接する層であり、塩素化ポリエチレンを含むゴム成分と、有機過酸化物と、アリル基を3個以上有するアリル化合物とを含有するゴム組成物を用いて形成される。ここで、上記塩素化ポリエチレンの含有量は、上記ゴム成分に対して、40質量%以上であり、上記有機過酸化物の含有量は、上記塩素化ポリエチレンの含有量に対して、0.5〜8質量%であり、上記アリル化合物の含有量は、上記塩素化ポリエチレンの含有量に対して、0.5〜6.0質量%である。
以下、ゴム組成物、および、ゴム層の形成方法について詳述する。
<ゴム組成物>
ゴム層の形成に用いられるゴム組成物は、上述のとおり、塩素化ポリエチレンを含むゴム成分と、有機過酸化物と、アリル基を3個以上有するアリル化合物とを含有する。ここで、上記塩素化ポリエチレンの含有量は、上記ゴム成分に対して、40質量%以上であり、上記有機過酸化物の含有量は、上記塩素化ポリエチレンの含有量に対して、0.5〜8質量%であり、上記アリル化合物の含有量は、上記塩素化ポリエチレンの含有量に対して、0.5〜6.0質量%である。
上記ゴム組成物中の上記ゴム成分の含有量は特に制限されないが、20〜80質量%であることが好ましく、40〜60質量%であることがより好ましい。
(塩素化ポリエチレン)
上記塩素化ポリエチレンは特に制限されない。
塩素化ポリエチレンの塩素含有量は特に制限されないが、積層体の耐油性および靭性の観点から、20〜50質量%であることが好ましく、25〜40質量%であることがより好ましい。ここで塩素含有量とは、塩素化ポリエチレンに対する、塩素化ポリエチレンに含有される塩素の含有量の割合である。
塩素化ポリエチレンの含有量は、上記ゴム成分に対して、40質量%以上であり、接着性がより優れる理由から、70質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましい。上限は特に制限されず、100質量%である。
(その他のゴム)
上記ゴム成分は、塩素化ポリエチレンの含有量が40質量%以上であれば、塩素化ポリエチレン以外のゴムを含んでもよい。
そのようなゴムとしては特に制限されないが、例えば、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、天然ゴム(NR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、ポリイソプレンゴム(IR)、ブチルゴム(IIR)、クロロブチルゴム(Cl−IIR)、ブロモブチルゴム(Br−IIR)、クロロプレンゴム、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、スチレン−イソプレン共重合体ゴム、スチレン−イソプレン−ブタジエン共重合体ゴム、イソプレン−ブタジエン共重合体ゴム、クロロスルホン化ポリエチレンなどが挙げられる。
(有機過酸化物)
ゴム組成物に含有される有機過酸化物は特に制限されず、例えば、ゴムの架橋に一般に用いられるものなどが挙げられる。より具体的には、例えば、ジクミルペルオキシド、ジターシャリブチルペルオキシド、1,3−ビス(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、4,4’−ジ(t−ブチルパーオキシ)吉草酸n−ブチル、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンなどが挙げられる。
有機過酸化物の好適な態様としては下記式(1)または(2)で表される化合物が挙げられる。
上記式(1)中、R11は、ヘテロ原子を有してもよい1価の炭化水素基を表す。ヘテロ原子としては、例えば、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、リン原子などが挙げられる。
上記炭化水素基としては、例えば、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、またはこれらを組み合わせた基などが挙げられる。
上記脂肪族炭化水素基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよい。上記脂肪族炭化水素基の具体例としては、直鎖状または分岐状のアルキル基(特に、炭素数1〜30)、直鎖状または分岐状のアルケニル基(特に、炭素数2〜30)、直鎖状または分岐状のアルキニル基(特に、炭素数2〜30)などが挙げられる。
上記芳香族炭化水素基としては、例えば、アリール基、ナフチル基などが挙げられる。上記アリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基などの炭素数6〜18のアリール基などが挙げられる。
複数あるR11は同一であっても異なってもよい。
上記式(2)中、R21の定義、具体例および好適な態様は、上述したR11と同じである。
上記式(2)中、L21は、ヘテロ原子を有してもよい2価の炭化水素基を表す。ヘテロ原子の具体例は上述したR11と同じである。
上記炭化水素基としては、例えば、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、またはこれらを組み合わせた基などが挙げられる。
上記脂肪族炭化水素基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよい。上記脂肪族炭化水素基の具体例としては、直鎖状または分岐状のアルキレン基(特に、炭素数1〜30)、直鎖状または分岐状のアルケニレン基(特に、炭素数2〜30)、直鎖状または分岐状のアルキニレン基(特に、炭素数2〜30)などが挙げられる。
上記芳香族炭化水素基としては、例えば、アリーレン基、ナフチレン基などが挙げられる。上記アリーレン基としては、例えば、フェニレン基、トリレン基、キシリレン基などの炭素数6〜18のアリーレン基などが挙げられる。
複数あるL21は同一であっても異なってもよい。
ゴム組成物中の有機過酸化物の含有量は、塩素化ポリエチレンの含有量に対して、0.5〜8質量%である。なかでも、0.7〜7質量%であることが好ましい。
(アリル化合物)
ゴム組成物に含有されるアリル化合物は、アリル基(CH2=CH−CH2−)を3個以上有するアリル化合物(以下、特定アリル化合物ともいう)であれば特に制限されない。特定アリル化合物はアリル基を3個以上有するため、優れた架橋助剤として働く。
そのようなアリル化合物としては、例えば、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)、トリアリルシアヌレート、トリアリルトリメリテート、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、ペンタエリスリトールテトラアリルエーテルなどが挙げられる。
上記アリル化合物は、窒素原子を有する化合物であることが好ましい。なかでも、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)であることが好ましい。
ゴム組成物中の特定アリル化合物の含有量は、上述のとおり、塩素化ポリエチレンの含有量に対して、0.5〜6.0質量%である。なかでも、1.5〜5.0質量%であることが好ましい。
(任意成分)
上記ゴム組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、補強剤、受酸剤、加工助剤(例えば、脂肪酸の金属塩)、特定アリル化合物以外の架橋助剤、可塑剤、有機過酸化物以外の加硫剤(例えば、チオ尿素系加硫剤、アミン系加硫剤)、加硫促進剤、軟化剤、老化防止剤などの他の成分を含有してもよい。
上記ゴム組成物は、ポリアミド樹脂層とゴム層との間の耐熱老化性がより優れる理由から、ゴム組成物中の硫黄の含有量が、上記有機過酸化物に対して、10質量%以下であることが好ましく、硫黄を含まないのがより好ましい。
補強剤としてはカーボンブラックおよびシリカが好ましい。両者を併用することもでき
る。また、他の補強剤を配合することもできる。
カーボンブラックは特に制限されず、SAF、ISAF、HAF、FEF、GPF、SRFなどの各種グレードを使用することができる。
上記カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA)は、積層体の強度と柔軟性のバランスの観点から、20〜150m2/gであることが好ましく、20〜120m2/gであることがより好ましい。
ここで、窒素吸着比表面積(N2SA)は、カーボンブラック表面への窒素吸着量をJIS K6217−2:2001「第2部:比表面積の求め方−窒素吸着法−単点法」にしたがって測定した値である。
カ−ボンブラックの含有量は特に制限されないが、ゴム成分100質量部に対して、30〜120質量部であることが好ましく、50〜90質量部であることがより好ましい。
受酸剤は特に制限されない。例えば、金属化合物、無機マイクロポーラス・クリスタル、ハイドロタルサイト、エポキシ樹脂が挙げられる。
金属化合物としては、例えば、周期表第II族(2族および12族)金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩、カルボン酸塩、ケイ酸塩、ホウ酸塩、亜リン酸塩;周期表第III族(3族および13族)金属の酸化物、水酸化物、カルボン酸塩、ケイ酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩;周期表第IV族(4族および14族)金属の酸化物、塩基性炭酸塩、塩基性カルボン酸塩、塩基性亜リン酸塩、塩基性亜硫酸塩、三塩基性硫酸塩等が挙げられる。
金属化合物の具体例としては、例えば、酸化マグネシウム(MgO、マグネシア)、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化バリウム、炭酸ナトリウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、生石灰、消石灰、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、酸化亜鉛、フタル酸カルシウム、亜リン酸カルシウム、亜鉛華、酸化錫、リサージ、鉛丹、鉛白、二塩基性フタル酸鉛、二塩基性炭酸鉛、ステアリン酸錫、塩基性亜リン酸鉛、塩基性亜リン酸錫、塩基性亜硫酸鉛、三塩基性硫酸鉛等が挙げられる。
特定アリル化合物以外の架橋助剤は特に制限されないが、ジアリルフタレート(DAP)、1,2−ポリブタジエン、N,N’−m−フェニレンジマレイミドであることが好ましく、DAPであることがより好ましい。
上記架橋助剤の含有量は特に制限されないが、ゴム成分100質量部に対して、1〜30質量部であることが好ましく、1〜20質量部であることがより好ましく、1〜10質量部であることがより好ましい。
上記ゴム組成物(P)は、接着性がより優れる理由から、上記架橋助剤(特にDAP)を含有することが好ましい。
可塑剤は特に制限されないが、例えば、トリメリット酸エステル系可塑剤、フタル酸エステル系可塑剤、アジピン酸エステル系可塑剤、燐酸エステル系可塑剤などが挙げられ、より具体的には、トリ−2−エチルヘキシルトリメリテート(C−8)、イソノニルトリメリテート(C−9N)、ジオクチルフタレート(DOP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジオクチルアジペート(DOA)、リン酸トリクレジル(TCP)などが挙げられる。
ゴム層の厚みは特に制限されないが、0.1〜5mmであることが好ましい。
<ゴム層の形成方法>
ゴム層の形成方法は特に制限されないが、例えば、(i)上述したポリアミド樹脂層上に上記ゴム組成物の未加硫物を塗布や押し出し成形することにより加硫前ゴム層を形成してから加硫する方法、(ii)基板上に上記ゴム組成物の未加硫物を塗布や押し出し成形することにより加硫前ゴム層を形成し、その上に上述したポリアミド樹脂層を形成してから加硫する方法、(iii)上記ゴム組成物の未加硫物を押し出し成形によりシート状に成形し、上述したポリアミド層と貼り合わせてから加硫する方法などが挙げられる。押し出し成形の方法は特に制限されず、従来公知の方法を用いることができる。
加硫の方法は特に制限されないが、例えば、140〜190℃の条件下において、30〜180分間、プレス加硫、蒸気加硫、オーブン加硫(熱気加硫)または温水加硫する方法などが挙げられる。
上述のとおり、本発明の積層体はポリアミド樹脂層とゴム層との間の接着性が優れるため、コンベヤベルト、防舷材、タイヤ(例えば、インナーライナー、ベルトカバー)、ゴムロール、ゴム支承、包装材料、ゴムマンドレル、緩衝材等のさまざまな用途に好適である。
以下、実施例により、本発明についてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<ゴム組成物の調製>
下記第1表に示す成分を下記第1表に示す割合(質量部)でB型バンバリーミキサーを用いて混合し、ゴム組成物(組成物1〜15、X1〜X12)を調製した。ここで、組成物1〜15は上述した本発明に用いられるゴム組成物に該当し、X1〜X12は上述した本発明に用いられるゴム組成物に該当しない。
なお、第1表中、有機過酸化物の質量部は有機過酸化物の正味の量(質量部)を示す。また、第1表中、アリル化合物の質量部はアリル化合物の正味の量(質量部)を表す。また、第1表中、「有機過酸化物の含有量」は、塩素化ポリエチレンの含有量に対する有機過酸化物の含有量(質量%)を表す。また、第1表中、「アリル化合物の含有量」は、塩素化ポリエチレンの含有量に対する特定アリル化合物の含有量(質量%)を表す。
<実施例1〜15、比較例1〜12>
上述のとおり調製した各ゴム組成物の未加硫物(組成物1〜15、X1〜X12)を厚さ2mmで押し出し、シート状に成形した(加硫前ゴム層)。加硫前ゴム層を2つ用意した。
また、下記ポリアミド樹脂を厚さ0.15mmで押し出し、シート状に成形した(ポリアミド樹脂層)。
次に、シート状に成形したポリアミド樹脂層の一方の主面上に、シート状に成形した加硫前ゴム層を気泡が入らないように貼り付けた。さらに、シート状に成形したポリアミド樹脂層のもう一方の主面状にもシート状に成形した加硫前ゴム層を気泡が入らないように貼り付けた。
これを第1表に示される加硫条件でプレス加硫を行い、積層体を製造した。得られた積層体は、ゴム層/ポリアミド樹脂層/ゴム層の3層構造を有する。なお、比較例10については、加硫不足によりゴム層が発泡し、シート状に成形することができなかった。
なお、使用したポリアミド樹脂は以下のとおりである。
・PA6:「UBEナイロン」1030B、宇部興産社製
・PA666:「UBEナイロン」5033B、宇部興産社製
・PA11:「Rilsan」BESN O TL、ARKEMA社製
・Zytel:ザイテルST811HS、デュポン社製
<引張剥離試験>
得られた積層体から長さ150mm、幅25mmの試験片を切り出した。得られた試験片について、島津製作所社製 オートグラフ試験機を用いて、ゴム層とポリアミド樹脂層との間の剥離試験(剥離速度:50mm/分、試験温度:室温)を行った。
結果、ポリアミド樹脂層とゴム層との界面で剥離せずにゴム層が破壊したものを、ポリアミド樹脂層とゴム層との間の接着性が優れるものとして「A」とし、ポリアミド樹脂層とゴム層との界面で剥離したものを、ポリアミド樹脂層とゴム層との間の接着性が不十分なものとして「B」とした。各実施例および比較例の結果を、使用したポリアミド樹脂毎に第1表に示す。なお、シート状に成形することができなかった比較例10については、引張剥離試験を実施しなかった。
<トルエン浸漬試験>
上述した引張剥離試験と同様の方法で試験片を得た。得られた試験片をトルエンに浸漬し(浸漬時間:72時間、試験温度:室温)、ポリアミド樹脂層とゴム層との間で剥離が生じるかを確認した。
結果、剥離が生じなかったものを、ポリアミド樹脂層とゴム層との間の接着性が優れるものとして「A」とし、剥離が生じたものを、ポリアミド樹脂層とゴム層との間の接着性が不十分なものとして「B」とした。各実施例および比較例の結果を、使用したポリアミド樹脂毎に第1表に示す。なお、シート状に成形することができなかった比較例10については、トルエン浸漬試験を実施しなかった。
上記第1表に示されている各成分の詳細は以下のとおりである。
・CPE1:Weipren 6235(塩素化ポリエチレン、塩素含有量:35質量%、Weifang YAXING Chemical Co.,LTD.社製)
・CPE2:Weipren 7130(塩素化ポリエチレン、塩素含有量:30質量%、Weifang YAXING Chemical Co.,LTD.社製)
・HNBR:水素化アクリロニトリルゴム(Zetpol2000、日本ゼオン社製)
・NBR:アクリロニトリルブタジエンゴム(NANCAR 3345、アクリロニトリル含有量:33質量%、南帝化学工業社製)
・EPDM:エチレン-プロピレン-ジエンゴム(エスプレン 505、住友化学社製)
・BIMS:臭素化イソブチレンパラメチルスチレン共重合体ゴム(Exxpro 3745、EXXONMOBIL CHEMICAL COMPANY社製)
・塩素化IIR:塩素化ブチルゴム(EXXON Chlorobutyl 1066、日本ブチル社製)
・NR:天然ゴム(SIR20)
・SBR:スチレンブタジエンゴム(Nipol1502、日本ゼオン社製)
・CR:クロロプレンゴム(DENKA CHLOROPRENE PM−40、電気化学工業社製)
・CB1:カーボンブラック(GPF)(シーストV、N2SA:27m2/g、東海カーボン社製)
・CB2:カーボンブラック(HAF)(ニテロン#200IN、N2SA:68m2/g、新日化カーボン社製)
・CB3:カーボンブラック(SRF)(旭#50、N2SA:23m2/g、旭カーボン社製)
・シリカ:シリカ(ニップシール AQ、東ソー・シリカ社製)
・酸化マグネシウム1:酸化マグネシウム(キョーワマグ150、比表面積150m2/g、協和化学工業社製)
・酸化マグネシウム2:酸化マグネシウム(キョーワマグ30、比表面積50m2/g、協和化学工業社製)
・酸化亜鉛:酸化亜鉛(酸化亜鉛3種、正同化学工業社製)
・ステアリン酸:ステアリン酸(ルナックYA、花王社製)
・有機過酸化物1:1,3−ビス(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン(パーカドックス14−40、過酸化物の正味の量:40質量%、化薬アクゾ社製)
・有機過酸化物2:ジクミルパーオキサイド(パークミル D−40、日油社製)
・アリル化合物:トリアリルイソシアヌレート(TAIC)(パーカリンク301−70DPD、化薬アクゾ社製)
・DAP:ジアリルフタレート(ダイソーダップモノマー、ダイソー社製)
・トリメリット酸エステル:アデカサイザー C−9N(ADEKA、社製)
・硫黄:油処理硫黄(細井化学工業社製)
・促進剤DM:サンセラーDM−PO(三新化学工業社製)
・促進剤TT:サンセラーTT−PO(三新化学工業社製)
・促進剤NS:サンセラーNS−G(三新化学工業社製)
・樹脂A:臭素化フェノールホルムアルデヒド樹脂(タッキロール250−I、田岡化学工業社製)
・ジエチレングリコール:ジエチレングリコール(DSTパウダー、日本ピグメント社製)(ジエチレングリコールとシリカの混合物(ジエチレングリコール/シリカ=60/40(質量比)))
・シランカップリング剤:Si69(EVONIK DEGUSSA GMBH社製)
・エポキシ樹脂:スミエポキシ ELA−115(住友化学社製)
・パラフィンオイル:パラフィンオイル(マシン油 22、昭和シェル石油社製)
・アロマ系オイル:アロマ系オイル(A/O MIX. 2010、三共油化工業社製)
第1表から分かるように、ポリアミド樹脂層に隣接するゴム層に、塩素化ポリエチレンを一定量以上含むゴム成分を含有するゴム組成物を使用する本願実施例は、いずれもポリアミド樹脂層とゴム層との間の接着性が優れていた。
一方、塩素化ポリエチレンを含有しないゴム組成物を使用する比較例1〜8、並びに、アリル化合物を含有しないゴム組成物を使用する比較例11および12は、いずれもポリアミド樹脂層とゴム層との間の接着性が不十分であった。また、塩素化ポリエチレンを含むゴム成分を含有するゴム組成物を使用するが、ゴム成分中の塩素化ポリエチレンの含有量が一定量に満たない比較例10は、加硫不足によりゴム層が発泡し、シート状に成形することができなかった。
10、10a、10b ゴム層
12 ポリアミド樹脂層
100、200 積層体

Claims (5)

  1. ポリアミド樹脂層と、前記ポリアミド樹脂層に隣接するゴム層とを備え、
    前記ゴム層が、塩素化ポリエチレンを含むゴム成分と、有機過酸化物と、アリル基を3個以上有するアリル化合物とを含有するゴム組成物を用いて形成され、
    前記塩素化ポリエチレンの含有量が、前記ゴム成分に対して、40質量%以上であり、
    前記有機過酸化物の含有量が、前記塩素化ポリエチレンの含有量に対して、0.5〜8質量%であり、
    前記アリル化合物の含有量が、前記塩素化ポリエチレンの含有量に対して、0.5〜6.0質量%である、積層体。
  2. 前記ポリアミド樹脂層と前記ゴム層との間に接着剤層を備えない、請求項1に記載の積層体。
  3. 前記ポリアミド樹脂層と前記ゴム層とが直接接着している、請求項1または2に記載の積層体。
  4. 前記ポリアミド樹脂層に含有されるポリアミド樹脂が、ポリアミド6、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド4−6、ポリアミド6−6、ポリアミド6−66、ポリアミド6−10、ポリアミド6−12、および、ポリアミドMXD6からなる群より選択される少なくとも1種のポリマーである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層体。
  5. 前記ゴム組成物が硫黄を含まない、請求項1〜4のいずれか1項に記載の積層体。
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