JP2014534434A - 電離放射によりシンチレータに付与される照射線量の測定方法および関連する装置 - Google Patents

電離放射によりシンチレータに付与される照射線量の測定方法および関連する装置 Download PDF

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    • G01T1/2006Measuring radiation intensity with scintillation detectors using a combination of a scintillator and photodetector which measures the means radiation intensity

Abstract

電離放射によりシンチレータ(5)に付与される照射線量の測定方法は、所定の時間、シンチレータ(5)を照射するステップと、第1の光検出器(11)でシンチレータ(5)の励起の瞬間を検出するステップと、単フォトン計数モードで機能する第2の光検出器(14)でシンチレーションフォトンの受信の瞬間を検出するステップと、第1の光検出器(11)による励起の瞬間の検出と、同時事象において第2の光検出器(14)による受信の瞬間の検出とからなる各シーケンスを識別するステップと、同時事象の回数を計数するステップと、計数された同時事象の回数および所定の比例係数の関数として、照射時間に付与された照射線量を得るステップとを有する。

Description

本発明は、電離放射によりシンチレータ中に付与される照射線量の測定方法に関する。
数多くの分野(医学、製薬産業、農業食品産業、原子力産業、液体シンチレーション)において、電離放射に被曝した対象または生体が受ける照射線量を、正確に測定することができることが重要である。
材料中に付与される線量の測定のために最も広く用いられている方法は、電離チャンバを利用する。電離チャンバは、所定量の気体で充てんされる区画を備える。アノードおよびカソードが、区画の両端部にそれぞれ配置され、気体中に電界を形成するように、アノードとカソードとの間に電位差が印加される。電離チャンバ中に入射する電離放射は、気体の原子または分子を電離させ、電荷キャリアである電子と正孔の対を生成する。気体の存在下での電界の効果により、正のキャリア(イオン)がカソードの方へ移動する一方、負のキャリア(電子)がアノードの方へ移動する。質量が大きく可動性の低いイオンは一般に無視される。この結果、電離放射により気体中に形成される電荷キャリア対数に比例する電流が生成される。次いで、電離チャンバの気体と材料との間の密度の差を考慮して、付与線量を評価する補正が適用され、材料中の修正線量を得ることができる。
この方法は、必ずしも完全に満足な結果を与えるというわけではない。第一に、1ピコアンペアの強度では正確に電流を測定することが困難であるため、強力で平均的な線量の測定に制限される。このため、低線量の測定は可能であっても、依然として信頼性が低い。
このため、測定された電流が、電離チャンバの気体中に形成される電荷キャリア対の数に比例することになる。材料中に付与される線量を得るため、気体と材料との間の密度差を考慮した補正を、電離チャンバからの測定に適用することが必要である。この補正係数の適用は、幾何学的補正も時々伴うものの、測定の精度を低くしてしまう。
そして、最小の電離チャンバでも、側面の長さが約2cmもある。したがって、比較的かさばるため、狭い場所に使用することができない。
付与線量の測定のための第2の方法では、光電子増倍管に関連するシンチレータを用いる。電離放射の入射効果により、シンチレータは、励起されて光を発する。この光は、以下の2つの発生源から発生する。i)電離なしのシンチレータの直接の励起から生じ、いわゆる即時放射を引き起こす。ii)シンチレータの電離および電荷キャリア対の生成から生じ、従来の電離チャンバでの発光と同様のプロセスに従い、即時蛍光に対して遅延する、いわゆる再結合蛍光を引き起こす。シンチレータが発する全ての光は、光電子増倍管によって受信されて、電気信号に変換される。光電子増倍管の出口電圧が所定のトリガ閾値を超える度に、シンチレータで励起事象が発生することが、光電子増倍管の下流に配置された電子機器により観測される。電離放射による材料中に付与された線量と、光電子増倍管によりカウントされた現象の数との間の対応関係が、テーブルによって与えられる。
光電子増倍管に関連する電子機器によって測定される「励起事象」の数は、シンチレータ中に実際に生じる励起事象の数には対応していないという事実があるので、テーブルの使用が必要であり、その原因としては、特に光電子増倍管に内因性のノイズが挙げられ、また、十分なエネルギーの放射の刺激に続いてシンチレータ中に生成しうるチェレンコフ放射も、同様に原因である。したがって、テーブルは、材料中の付与線量と検出されるシンチレーションとの間で非線形カーブの関係にあり、とりわけ、この非線形性は、受信される光の強度に伴う検出器のノイズの増加と、チェレンコフ放射とに起因する。
検出されるシンチレーションから線量を決定するためには非線形対応カーブを用いる必要があるため、付与線量と信号との間の線形関係によって測定を行う光電子増倍管により検出される信号に基づく、材料中の付与線量の直接測定は、この方法では行うことが出来ない。
さらに、このテーブルは特定の検出器に関連する。特に、光電子増倍管のモデルが変わるとテーブルも変わり、同一モデルの2本の光電子増倍管でも同様にテーブルが変わる。たとえ同じスペックの新品を選んだとしても、光電子増倍管を交換すれば、テーブルも変更される。
本発明の目的は、線量が非常に低い場合であっても、電離放射によって材料中に付与される照射線量を測定する直接的かつ正確な方法を提供することにある。
このために、本発明は、
所定の時間、電離放射によりシンチレータを照射し、電離放射とシンチレータとの各相互作用により、シンチレータを励起し、シンチレーションフォトンを発生させるステップと、
第1の光検出器を用いて、電離放射によるシンチレータの励起の瞬間を検出するステップと、
その後、第1の光検出器とは別個の単フォトン計数モードで機能する第2の光検出器を用いて、シンチレータが発するシンチレーションフォトンの受信の瞬間を検出するステップと、
第1の光検出器による励起の瞬間の検出に続く、第2の光検出器による受信の瞬間の同時事象での検出からなる各シーケンスを識別するステップと、
所定の照射時間中に、検出された同時事象の回数を計数するステップと、
所定の照射時間中のシンチレータに付与された照射線量を、計数された同時事象の回数および所定の比例係数の関数として得るステップと、を含む上記の方法に関する。
特定の実施形態によれば、本方法は、単独でまたはどのような技術的に可能な組み合わせを考慮しても、以下の特徴を一つ以上備えうる。
計数した同時事象の回数を所定の比例係数に乗算することにより、所定の照射の時間の間にシンチレータ中に付与された照射線量が得られる。
第2の光検出器は、フォトンを受信するための物理的開口を有し、前記開口は、第1の光検出器のフォトンの受信のための物理的開口よりも面積が小さい。
第1の光検出器および第2の光検出器が、光電子増倍管、マイクロチャネルプレートを有する光電子増倍管およびダイオードセンサから選択される。
所定の比例係数は、検出される同時事象の回数から独立している。
測定方法は、
同時事象のそれぞれにおいて、第1の光検出器によって検出される励起の瞬間と、第2の光検出器によるシンチレーションフォトンの受信の瞬間との間の検出時間を計時するステップと、
検出時間の関数として同時事象の回数のカーブを作成するステップと、
カーブの少なくとも一部の積分および所定の比例係数に基づいて、付与線量を計算するステップと、を含む。
カーブの少なくとも一部の積分を所定の比例係数に乗算することによって、付与線量を計算する。
シンチレータは、有機シンチレータである。
本方法は、シンチレータから入来する光の少なくとも一部を、光ファイバにより第1の光検出器および第2の光検出器の方へ伝搬するステップを備える。
本方法は、生体への電離放射の印加のための区画中にシンチレータを配置するステップを備える。
また、本発明は、シンチレータによって吸収される線量を、シンチレータと電離放射源との間の間隔の関数として与えるカーブを決定する方法であって、上記に記載の付与線量の測定方法を実行することによって、電離放射源からの間隔を変えて、これらの間隔の各々において、付与線量を測定するステップを有する上記の方法に関する。
また、本発明は、線源が発する電離放射により、シンチレータに付与された照射線量を測定する装置であって、
電離放射の照射を受け、その電離放射との相互作用の毎にシンチレーションフォトンを発するように構成されたシンチレータと、
シンチレータの励起の瞬間を検出するように構成される第1の光検出器と、単フォトン計数モードで機能するように構成され、シンチレータが発するシンチレーションフォトンの受信の瞬間を検出するように構成される、第1の光検出器とは別個の第2の光検出器と、
第1の光検出器による励起の瞬間の検出からなる各シーケンスを識別した後、同時事象において第2の光検出器がシンチレーションフォトンを受信する瞬間を検出するように構成される識別手段と、
所定の照射時間の間に検出される同時事象の回数を計数するよう構成される計数手段と、
所定の照射時間の間、シンチレータに付与された照射線量を、同時事象の回数および所定の比例係数の関数として得るように構成される計算手段とを備える装置に関する。
本装置の特定の特徴によれば、シンチレータは、シンチレータが発するシンチレーションフォトンを第1の光検出器および第2の光検出器へ伝播する少なくとも一本の光ファイバと一体化されている。
本装置の特定の特徴によれば、
識別手段は、第1の光検出器によって検出される励起の瞬間と、各同時事象に際して第2の光検出器がシンチレーションフォトンを受信した瞬間との間の、検出時間を計時するようにさらに構成され、
計算手段は、検出時間の関数として同時事象の回数のカーブを作成し、カーブの少なくとも一部の積分および所定の比例係数に基づいて、付与線量を計算するようにさらに構成される。
また、本発明は、電離放射によるシンチレータ中の電離付与線量を測定する方法であって、
所定の時間、電離放射によりシンチレータを照射し、電離放射とシンチレータとの各相互作用により、シンチレータを励起し、シンチレーションフォトンを発生させるステップと、
第1の光検出器を用いて、電離放射によるシンチレータの励起の瞬間を検出するステップと、
その後、第1の光検出器とは別個の、単フォトン計数モードで機能する第2の光検出器を用いて、シンチレータが発するシンチレーションフォトンの受信の瞬間を検出するステップと、
第1の光検出器による励起の瞬間の検出に続く、同時事象の瞬間における第2の光検出器による受信の瞬間の検出からなる各シーケンスを識別するステップと、
同時事象のそれぞれにおいて、第1の光検出器によって検出される励起の瞬間と、第2の光検出器によるシンチレーションフォトンの受信の瞬間との間の検出時間を計時するステップと、
検出時間の関数として同時事象の回数のカーブを作成するステップと、
検出時間の関数として検出された同時事象の回数のカーブに対して、n×τに等しい検出時間(nは、1〜10の定数、好ましくは約1、τは、シンチレータの蛍光寿命である)と、最大検出時間との間の区間で、積分を計算して、電離同時事象の総数を得るステップと、
所定の第2の比例係数を電離同時事象の総数に乗算することにより、シンチレータ中の電離付与線量を決定するステップと、を含む方法に関する。
また、本発明は、電離放射によるシンチレータ中への励起付与線量を検出するための方法であって、
所定の時間、電離放射によりシンチレータを照射し、電離放射とシンチレータとの各相互作用により、シンチレータを励起し、シンチレーションフォトンを発生させるステップと、
第1の光検出器を用いて、電離放射によるシンチレータの励起の瞬間を検出するステップと、
その後、第1の光検出器とは別個の単フォトン計数モードで機能する第2の光検出器を用いて、シンチレータが発するシンチレーションフォトンの受信の瞬間を検出するステップと、
第1の光検出器による励起の瞬間の検出に続く、同時事象の瞬間における第2の光検出器による受信の瞬間の検出からなる各シーケンスを識別するステップと、
同時事象のそれぞれにおいて、第1の光検出器によって検出される励起の瞬間と、第2の光検出器によるシンチレーションフォトンの受信の瞬間との間の検出時間を計時するステップと、
検出時間の関数として同時事象の回数のカーブを作成するステップと、
検出時間の関数として検出された同時事象の回数のカーブに対して、最小検出時間と、n×τに等しい検出時間(nは、1〜10の定数、好ましくは約1、τは、シンチレータの蛍光寿命である)と、の間の区間で、積分を計算して、励起同時事象の総数を得るようにするステップと、
所定の第3の比例係数を励起同時事象の総数に乗算することにより、シンチレータ中の励起付与線量を決定するようにするステップと、を含む方法に関する。
本発明はまた、電離放射によるシンチレータ中への電離付与線量を測定するための装置であって、
電離放射線の照射を受け、その電離放射線との相互作用の毎にシンチレーションフォトンを発するように構成されたシンチレータと、
シンチレータの励起の瞬間を検出するように構成される第1の光検出器と、シンチレータが発するシンチレーションフォトンの受信の瞬間を検出するように構成される、第1の光検出器とは別個の単フォトン計数モードで機能するように構成される第2の光検出器と、
識別手段であって、
該識別手段は、第1の光検出器による励起の瞬間の検出に続く、同時事象において第2の光検出器がシンチレーションフォトンを受信する瞬間を検出することからなる各シーケンスを識別するように構成され、
同時事象のそれぞれにおいて、第1の光検出器によって検出される励起の瞬間と、第2の光検出器によるシンチレーションフォトンの受信の瞬間との間の検出時間を計時するように構成される識別手段と、
計算手段であって、
該計算手段は、検出時間の関数として同時事象の回数のカーブを作成し、
検出時間の関数として検出された同時事象の回数のカーブに対して、n×τに等しい検出時間(nは、1〜10の定数、好ましくは約1、τは、シンチレータの蛍光寿命である)と、最大検出時間との間の区間で、積分を計算して、電離同時事象の総数を得て、
所定の第3の比例係数を電離同時事象の総数に乗算することにより、シンチレータ中の電離付与線量を決定する計算手段と、を含む装置に関する。
また、本発明は、電離放射によるシンチレータ中への励起付与線量を測定するための装置であって、
電離放射線の照射を受け、その電離放射線との相互作用の毎にシンチレーションフォトンを発するように構成されたシンチレータと、
シンチレータの励起の瞬間を検出するように構成される第1の光検出器と、シンチレータが発するシンチレーションフォトンの受信の瞬間を検出するように構成される、第1の光検出器とは別個の単フォトン計数モードで機能するように構成される第2の光検出器と、
識別手段であって、
該識別手段は、第1の光検出器による励起の瞬間の検出に続く、同時事象において第2の光検出器がシンチレーションフォトンを受信する瞬間を検出することからなる各シーケンスを識別するように構成され、
同時事象のそれぞれにおいて、第1の光検出器によって検出される励起の瞬間と、第2の光検出器によるシンチレーションフォトンの受信の瞬間との間の検出時間を計時するように構成される識別手段と、
計算手段であって、
検出時間の関数として同時事象の回数のカーブを作成し、
検出時間の関数として検出された同時事象の回数のカーブに対して、最小検出時間と、n×τに等しい検出時間Δτ(nは、1〜10の定数、好ましくは約1、τは、シンチレータの蛍光寿命である)との間の区間で、積分を計算して、励起同時事象の総数を得て、
所定の第3の比例係数を励起同時事象の総数に乗算することにより、シンチレータ中の励起付与線量を決定する計算手段と、を有する装置に関する。
添付の図面を参照して例示目的のみに与えられる以下の詳細な説明により、本発明をより理解できると思われる。
図1は、第1の実施形態に係る線量測定装置の模式図を示す。 図2は、第1の実施形態に係る線量測定方法の模式図を示す。 図3は、電離放射源との距離の関数として、付与線量のカーブを表すグラフであり、本発明に係る測定方法によって得られるカーブと、従来法に従った電離チャンバを用いて得られるカーブのそれぞれを示している。 図4は、第2の実施形態による線量測定装置により、電離放射源から距離を変えて得られるカーブを示す。 図5は、第3の実施形態に係る線量測定装置の一部の模式図を示す。 図6は、本発明に係る線量測定装置で得たカーブを示すグラフである。 図7は、本発明に係る線量測定装置で得たカーブを示すグラフである。 図8は、本発明に係る線量測定装置で得たカーブを示すグラフである。 図9は、本発明に係る線量測定装置で得たカーブを示すグラフである。 図10は、測定装置によって検出される同時事象の回数を、検出時間の関数として表すグラフを示す。
図1は、第1の実施形態に係る、電離放射によるシンチレータ中への照射付与線量測定装置1を示す。この測定装置1は、
電離放射を発するように適合された線源2と、
所定の照射時間中に、線源2が発する電離放射により照射され、電離放射による相互作用の各々において、シンチレーションフォトンを発するように構成されるシンチレータ5と、
シンチレータ5が発するシンチレーションフォトンを検出するように構成される取得装置7と、
取得装置7によって検出されるシンチレーションフォトンから、シンチレータ5中の付与線量を決定する分析装置8とを備える。
電離放射は、微粒子タイプの放射か、あるいは電磁タイプ(フォトン)の放射であり、例えば、ガンマ放射線またはX線などである。微粒子放射の場合、粒子は、荷電粒子であり、特に、電子、陽子、α粒子もしくはイオンまたは非荷電粒子であり、特に、中性子、例えば核反応(n,p)によりシンチレータ中に荷電粒子を生成する中性子等である。シンチレータにおいて上に挙げた放射の第一の電離性相互作用から得られた二次電子は、同様に検出される。
上で定義されるように、線源2は電離放射を発生させるために適した任意の線源である。線源2は、例えば粒子加速器、人工または自然の放射性核種、核装置の部品、例えば原子炉、核廃棄物、一般用途または軍の用途を目的とする核分裂性物質、医学用X線発生装置、特に、イメージング装置または例えばシンクロトロン等の研究用X線発生装置等を挙げることができる。ここに示す実施形態では、線源2は、電離放射線の指向性ビームやコリメートビームを発するように構成される。変形例として、線源2は、4πステラジアンで電離放射を発するのに適している。
シンチレータは、有機シンチレータ、特にプラスチックシンチレータである。これは、例えばビクロン社より入手可能なBC−418のタイプのシンチレータである。変形例として、シンチレータは、透明なマトリクス中の、オキサゾールまたはオキサジアゾールの純粋品または希釈品ベースの有機シンチレータであり、微細サイズまたはナノメートルサイズのオキサゾールまたはオキサジアゾール発色団のグラフト化合成によって得られる有機シンチレータである。別の変形例によれば、シンチレータは、ヨウ化ナトリウム(NaI)、テルル化カドミウム(CdTe)、一酸化チタン(TiO)、セリウムがドープされたイットリウムアルミニウムガーネット(YaG)等の、無機シンチレーション材料で製造される。
シンチレータ5は、例えば膜の形態であり、表面積は1平方センチメートル、厚さ10マイクロメートルである。しかしながら、全てのサイズ、厚さおよび形状寸法は、本発明と互換性を持つものであり、すなわち、径が非常に小さいシンチレーション光ファイバから、非常に大きいサイズ(数メートルのプレート)の部品に至るまでの範囲、微粉から、固体または液体希釈溶液に至るまでの範囲である。一実施形態によれば、シンチレータは液体シンチレータである。
シンチレータ5は、取得装置7が知覚しうる範囲の波長の光を発するように選択される。シンチレータ5は、例えば紫外線の範囲の光を発する。変形例として、シンチレータ5は、任意の種類の発色団を備え、この発色団の発光波長と等しい波長の光を発する。この場合、取得装置7および特に光検出器は、発色団の発光波長に一致した感光を示す。
以下の説明では、入射する電離放射線とシンチレータ5との間の相互作用は、「励起事象」と呼ばれている。励起事象のそれぞれでは、シンチレータ5によりシンチレーションフォトンが発せられる。励起事象の時点でのシンチレーションフォトンが発することにより、短時間で光応答が生じる。特定のシンチレータでは、この光応答は、1マイクロ秒未満の時間の閃光に対応する。この閃光の間にシンチレータ5が発するフォトンの単位時間当たりの数は、シンチレーション減衰カーブを与える。このシンチレーション減衰カーブの形状は、特定のシンチレータに特異的ではなく、シンチレータ全てに共通である。
取得装置7は、第1の光検出器11、第1の光検出器11とは別個の第2の光検出器14、および同時事象を識別するための手段15を備える。
第1および第2の光検出器11、14は、例えば光電子増倍管である。変形例として、CCDタイプのマイクロチャネルプレートまたはダイオード検出器による光電子増倍管である。第2の光検出器14は、単フォトン計数モードで機能するどのような光検出器装置であってもよい。
第1の光検出器11は、励起事象に対応するシンチレータ5の励起の瞬間を検出するように構成される。このため、シンチレータ5によってシンチレーションフォトンのどのような発光、特に励起事象から得られた第1のシンチレーションフォトンの放出を検出するように構成される。シンチレータ5の励起の瞬間に、第1のシンチレーションフォトンの検出の瞬間が識別される。また、第1の光検出器11は、この第1のシンチレーションフォトンの検出の信号を発するように構成される。第1の光検出器11は、光学的に完全に開口した入口窓が用いられる。したがって、ダイヤフラムによる制限は受けない。このように、この光検出器11によって、シンチレータ5が発する第1のフォトン(短時間)を検出する確率は、高くなる。
第2の光検出器14は、シンチレータ5中に生成される各励起事象に対して、単一フォトンだけを検出するように構成される。したがって、単フォトン計数モードで作動する。シンチレーションフォトンに対する光学的な開度は、第1の光検出器11よりも低い。特に、シンチレーションフォトンに対して開口する入口の境界を決めるよう、第2の光検出器14の入口窓よりも上流側にダイヤフラムが配置され、その領域は、光検出器11によって検出される励起の各瞬間に対して、第2の光検出器が観測方向の単一シンチレーションフォトンだけを受信するように選択される。第2の光検出器14は、シンチレーションフォトンの検出信号を発するのに適している。
第2の光検出器14の入口開口の面積は、第1の光検出器11の入口開口の面積より小さく、特に、これよりも非常に小さい。特に、第2の光検出器14の入口開口の面積は、第1の光検出器11の入口開口の面積の5%未満である。
識別手段15は、第1のステップで、第1の光検出器11から入来し、シンチレータ5の中に励起事象から得られた第1のシンチレーションフォトンの検出を示す検出信号を連続的に受信し、次いで、第1のステップの次の第2のステップでは、第2の光検出器14から入来し、第2の光検出器14によってシンチレーションフォトンの受信を示す検出信号を受信するように構成される。また、識別手段15は第1の光検出器11から入来する検出信号の受信および第2の光検出器14から入来する検出信号の受信から成る各シーケンスを同時事象として識別するのに適している。
したがって、第1のフォトンが第1の光検出器11により検出されれば、識別手段15は、第1の光検出器11によるフォトンの可能な検出を考慮することなく、第2の光検出器14によってシンチレーションフォトンの検出を待機するよう構成される。
したがって、シンチレーションフォトンが第2の光検出器14によって検出されると、識別手段15は、第2の光検出器14によっておそらく検出されるであろうフォトンを考慮することなく、第1の光検出器11によってシンチレーションフォトンの検出を待機するように構成される。
識別手段15は、第1の光検出器11から入来する検出信号を受信した時にタイマー17を起動させ、次いで第2の光検出器14から入来する次の検出信号を受信した時タイマー17を停止させるように構成される。したがって、タイマー17を起動させる瞬間は、対象となる励起事象中のシンチレータ5の励起の瞬間にほぼ対応する。特に、起動の瞬間は、時間的不確実性が1ナノ秒以下で、シンチレータ5の励起の瞬間に対応する。タイマー17は、各同時事象に対して、シンチレータ5の励起の瞬間と第2の光検出器14によるシンチレーションフォトンの受信の瞬間との間に経過する検出時間Δτの時間に適合している。
識別手段15は、例えば、第1の光検出器11からの検出信号と第2の光検出器14からの検出信号を受信し、その振幅が、第1の光検出器11によって検出される励起の瞬間と第2の光検出器14によるシンチレーションフォトンの受信の瞬間との間で経過する時間に比例する出力パルスを供給する、時間−波高変換器を備えるよう構成される。従来では、第1のおよび第2の識別器は、第1および第2の光検出器11、14の出力部と、時間−波高変換器との間に、それぞれ挿入されている。第1のおよび第2の識別器は、可変の電圧閾値を設定して、ノイズとして解釈できる光検出器11、14が発する非常に低い振幅の信号を排除し、光検出器11、14が発した非標準信号の受信の後、時間−波高変換器の入力に標準電気信号を供給するように構成される。
分析装置8は、
所定の照射時間中に、識別手段15によって識別される同時事象の回数を計数するように構成される計数手段32と、
計数手段32によって計数される同時事象の回数および所定の比例係数に基づいて、シンチレータ5に付与された照射線量を得るように構成される計算手段35と、を備える。
計数手段32は、検出される同時事象の回数を示すカウンターの増加によって所定の照射時間中測定装置1によって検出される同時事象の回数を計数するように構成される。
特に、計数手段32は、第1の光検出器11によって観測されるシンチレータ5の励起と第2の光検出器14によって観測されるシンチレーションの放出との間で経過する時間のヒストグラムを作図するために構成される、ヒストグラム作図手段を備える。識別手段15によって識別される同時事象のそれぞれに対して、この同時事象でタイマー17により測定される検出時間に対応して、一単位ずつ、このヒストグラムのコラムを増加させるように構成される。所定の照射時間の終わりでは、ヒストグラムの各コラムの大きさは、全く同一の検出時間に対応する同時事象の回数に対応する。また、得られるヒストグラムは、シンチレータ5が発するシンチレーションの強度を、ナノ秒の時間分解能で、経時的に正確に測定していることに対応している。
第1の実施形態に係る測定装置1では、計数手段32は、所定の照射時間に検出される同時事象の総数を得るため、ヒストグラムの各コラムの含有量を合計するように構成される。
計数手段32は、例えば、時間−波高変換器の出力に接続した多重チャンネルアナライザーを備える。多重チャンネルアナライザーは、時間−波高変換器によって供給されるパルスの振幅と比例して、チャンネルのメモリー量を一単位ずつ増加させるように構成される
第1の実施形態では、計算手段35は、計数される同時事象の総数の乗算により、または、所定の比例係数による所定の照射時間に計数手段32により得られるヒストグラムへの積分により、シンチレータ5に付与された照射線量を計算するように構成される。
所定の比例係数は、例えば、分析装置8のメモリー中に記録される。これは、取得装置7、分析装置8およびシンチレータ5の特性、すなわち取得系統の特性のみに依存する。これは、線源2からのシンチレータ5の距離や、電離放射の特性(電離放射のタイプ、電離放射、流れその他のエネルギー)から独立している。
比例係数は、例えば、電離放射2の比較放射線源を用いて予め定められるので、距離dでの付与線量の値はわかっている。同一条件で検出される同時事象の総数は、次いで、本発明に係る線量測定装置を用いて決定される。既知の照射線量と決定される同時事象の総数との間の比は、所定の比例係数に対応する。
オプションとして、計算手段35は、計算された照射線量を所定の照射時間で除すことで、対応する線量率の値を計算するように構成される。
第1の実施形態では、シンチレータは、区画40内に配置される。例示される例では、区画40は、平行六面体形状(特に立方体の形状)を有する。
区画40は、光を通さず、すなわち、区画40の外部から入来する光が区画40に入ることを防止し、同様に、区画40内で生成される光が区画40から外に出ることを防止する。区画40は、電離放射のために入口窓42および電離放射のための出口窓を備える。吸排気窓42は、区画40の向かい合う面に形成される。入口および出口窓42は、電離放射を透過し、すなわち、その特性に大きな影響を及ぼすことなく電離放射が通過できるようになる。他方、光を通さない。このために、それらは、例えば、光を通さないが電離放射を透過させるアルミニウム等の材料の膜でコーティングされる。この材料は、たとえばタンタル等の延性を有する金属材料の範囲で選択する必要があり、この場合、容易にロールによる変形が可能で適切な微小窓厚さを得ることができる。同様に、それは測定を阻害しないよう、シンチレーション性を有していてはいけない。このために、特に、有機材料が回避される。
電離放射の線源2は、区画40の外側に、入口窓42に対向して配置される。したがって、線源2が発した電離放射、特に電離放射ビームは、入口窓42を通って区画40内に入射するように構成される。シンチレータ5に対する相互作用の後、電離放射は、出口窓を通って区画40から外に出ることができる。
第1の光検出器11および第2の光検出器14は、区画40の内側のシンチレータ5により発するシンチレーションフォトンを検出するように構成される。ここに例示する例では、第1の光検出器11および第2の光検出器14は、区画40の2つの隣接した面の領域内に配置される。
第1の実施形態に係るシンチレータ5中における付与線量を測定する方法を、図2を参照して説明する。この方法は、付与線量の測定のために装置1を実装する。ここでは、時間に相関する単一フォトン計数の技術を用いる。
ステップ100では、シンチレータ5は、線源2が発する電離放射によって所定の照射時間、照射される。
ステップ105では、第1の光検出器11は、第1のシンチレーションフォトンを検出し、このフォトンの検出信号を発する。第1の光検出器11が第1のシンチレーションフォトンを検出した瞬間は、電離放射とシンチレータとの相互作用から得られるシンチレータ5の励起の瞬間で識別される。識別手段15は、第1の光検出器11から入来する検出信号を受信する。そして、タイマー17を起動させる。タイマー17は、次いで、シンチレータ5の励起の瞬間t1から経過した時間を計数する。
次いで、ステップ110では、第2の光検出器14は、瞬間t2でシンチレーションフォトンを検出し、このシンチレーションフォトンの検出の信号を発する。識別手段15は、第2の光検出器14から入来する検出信号を受信する。第2の光検出器14から入来する検出信号の受信は、タイマー17の停止を引き起こす。したがって、タイマー17は、シンチレータ5の励起の瞬間t1と第2の光検出器14によるシンチレーションフォトンの検出の瞬間t2との間で経過した検出時間を測定した。
ステップ115では、識別手段15は、同時事象に際して、ステップ105で第1の光検出器11から入来する検出信号の受信と、ステップ110で第2の光検出器14から入来する検出信号の受信とからなるシーケンスを識別する。各同時事象は、タイマー17により測定される検出時間に関連する。
ステップ120では、計数手段32は、検出される同時事象の回数を示すカウンターを増やす。この目的達成のため、例えば、ステップ110において測定される検出時間に対応して、同時事象の回数を検出時間の関数として表すヒストグラムのコラムを一単位ずつ増加させる。
ステップ110の終わり、すなわち、識別手段が第2の光検出器14から入来するフォトンの検出の信号を受信すると直ぐに、次の同時事象を識別するよう、第1の光検出器11から入来する検出信号と第2の光検出器14から入来する検出信号とから成るシーケンスを受信する準備を再び整える。
したがって、電離放射によるシンチレータ5の所定の照射時間中に、測定装置1は、複数のn個の連続した同時事象を検出する。各同時事象により、計数手段32がカウンターを増やしていく。
ステップ125では、計数手段32は、シンチレータ5の所定の照射時間中に検出される同時事象の回数を計数する。所定の照射時間の終わりに、カウンターは、検出される同時事象の総数を示す。例えば、ヒストグラムの各コラムの大きさは、全く同じ測定された検出時間に関連する同時事象の回数に対応する。第1の実施形態に従えば、計数手段32は、例えば、全てのヒストグラムのコラムの同時事象数を加えて、所定の照射時間に検出される同時事象の総数を得るようにする。
ステップ130では、計算手段は、所定の照射時間におけるシンチレータ5への照射付与線量を、同時事象の総数および所定の比例係数の関数として得る。この目的達成のため、第1の実施形態によれば、計算手段35は、所定の照射時間に計数手段32が計数する同時事象の総数に、所定の比例係数を乗算する。このように、シンチレータ5での照射付与線量を得る。
オプションとして、ステップ135において、計算手段35は、ステップ130において計算される照射線量を所定の照射時間で除して、対応する線量率の値を計算する。
シンチレータ5における照射付与線量の測定方法は、例えば、物体における与えられた深さにシンチレータ5を配置することによって実行される。実施形態によれば、シンチレータは、ヒトまたは動物の体の外側に配置される。
変形例として、本方法は、物体の外面に対してシンチレータ5を配置することによって実行される。実施形態によれば、シンチレータは、ヒトまたは動物の体の外側に位置する。
また、本発明は、カーブCの測定方法に関し、シンチレータ5における付与線量を、シンチレータ5と電離放射の線源2との間の距離dの関数として与える。この方法は、線源2からの距離dを変えた時のシンチレータ5における付与線量の測定を備え、これは、図2を参照して上記した付与線量の測定方法を、各々の距離dで実行することにより行われる。
より正確には、シンチレータ5は、線源2から距離dで配置される。その後、付与線量の測定方法は、上記のように実行される。ステップ130の終わりに、距離dでの付与線量が得られる。
この方法は、線源2からの距離dを変えてシンチレータ5を配置し、その他全ての条件を同じにして反復され、そして、各距離dに対して、この距離dでのシンチレータ5における付与線量の値が得られる。次いで、カーブCは、付与線量のこれらの値に基づいて作図される。
この方法においては、線量測定方法の各実行の間で、線源2からの距離dのみ変更するだけである。特に、所定の電離照射時間および線源は、本方法の各実行で同一である。
実施形態によれば、距離dは、シンチレータ5と線源2の間で空気の厚さに対応する。
変形例によれば、距離dは、対象とする材料の深さに対応する。この場合、例えば、この対象とする材料の厚さdは、線源2とシンチレータ5との間に介在する。そして、線源2とシンチレータ5との間の材料の厚さdで、測定方法の各実行において決定される付与線量は、この材料または密度が等しい材料の深さdにおける付与線量に対応する。
対象とする材料としてPMMA(ポリメタクリル酸メチル)の使用は、人体の所与の深さでの付与線量をシミュレーションできるので、医学分野において特に有益である。実際、PMMAは、密度および化学組成物が人体のそれに近く、したがって、電離放射による照射下で同様の挙動をする。
図3は、本発明の測定方法によって得られるカーブCの一例を例示し、また、電離チャンバを用いた付与線量測定の従来法によって得られるカーブCを示すものである。カーブCおよびCの比較によれば、本発明に係る付与線量の測定方法は、エネルギーの付与が最も大きく付与線量の測定結果が不正確になるおそれが非常に高いブラッグピークPの深さにおいても、従来法より大きい感度を有する。
第2の実施形態に係るシンチレータ5における付与線量測定装置1’を、以下に説明する。第2の実施形態に係る装置1’と第1の実施形態に係る装置1との差のみを、以下に説明する。
測定装置1’の計数手段32’は、同時事象の回数を検出時間の関数として表すヒストグラムに基づいて平滑化することによってカーブCを作図する手段を備えている点で、測定装置1の計数手段32と異なっている。このカーブCは、検出時間の関数として検出される同時事象の回数を表す。これは、シンチレーション減衰カーブの形状を有している。図4は、線源2から異なる距離dで得られるカーブCの例を例示する。
測定装置1’の計数手段32’は、カーブCの積分を計算することにより、所定の照射時間に識別される同時事象の総数を得るように構成される。
測定装置1’の計算手段35’は、カーブCの積分および所定の比例係数に基づいて、シンチレータ5において付与される照射線量を得るように構成される。特に、計算手段35’は、カーブCの積分に所定の比例係数を乗算することで照射線量を計算するように構成される。
第2の実施形態に係るシンチレータ5の付与線量の測定方法は、第2の実施形態に係る測定装置1’を利用する。ステップ125において、計数手段32’は、ヒストグラムから、検出時間の関数として検出される同時事象の回数を表しているカーブCを作図する点のみが、第1の実施形態による方法と異なっている。次いで、計数手段32’は、カーブCの積分を計算することにより、識別される同時事象の総数を計数する。
ステップ130においては、計算手段35’は、ステップ125で計数手段32’が計算したカーブCの積分および所定の比例係数に基づいて、シンチレータ5における照射付与線量を計算する。特に、計算手段35’は、カーブCの積分に所定の比例係数を乗じて、照射線量を計算する。
図5は、第3の実施形態によればシンチレータ5における付与線量の測定を行うための、装置1”の一部を例示する。第1のおよび第2の実施形態と同一の要素には、同一の参照符号を付している。第1のおよび第2の実施形態と異なる点は、以下の通りである。
第3の実施形態では、シンチレータ5”は、シンチレーション光ファイバの形態である。このシンチレーション光ファイバは、マルチモードシンチレーション光ファイバの形態である。その径は、200μmより小さい。その長さは、500μm〜数センチメートルである。
シンチレータ5”が発するシンチレーションフォトンの少なくとも一部を、励起事象の間に取得装置7、特に第1および第2の光検出器11、14に移送するように構成される光ファイバ200の組立体の終端に、シンチレータ5”が配置される。
より詳しくは、組立体200は、非シンチレーション主光ファイバ205を備え、その一端にシンチレータ5”が配置される。シンチレータ5”の反対の端部では、主光ファイバ205は分割されて、2本の副光ファイバ210および215になる。副光ファイバ210は第1の光検出器11に、副光ファイバ215は第2の光検出器14に、それぞれ主光ファイバ205を接続する。
例示された実施形態では、副光ファイバ210および215および主光ファイバ205は、略同一径を有する。特に、これらは同一タイプの光ファイバである。これらは、例えばHCP1000タイプのファイバである。副光ファイバ210と215とは、適切なカップラー220により主光ファイバ205に接続される。
シンチレータ5”、すなわちシンチレーション光ファイバ、の径は、主光ファイバ205の径とほぼ等しい。
シンチレータ5”は、電離放射を透過するが光を通さない材料でできているシースによって囲まれる。したがって、シースは、電離放射がシンチレータ5”を通過することができるように構成される。他方、シンチレータ5”が発するシンチレーションフォトンは、シースを通過しない。さらに、シンチレータ5”の外側の環境から入来する光は、シース内に入ることができない。シースにより、第1の光検出器および第2の光検出器11、14の方へ移動するシンチレーションフォトンが、確実に、電離放射とシンチレータ5”の間の相互作用のみから生じるようになる。
一実施形態では、副光ファイバ210および215と主光ファイバ205では、径が大きく異なっている。特に、第2の光検出器14の方向に配置される副光ファイバ215の断面は、第1の光検出器11の方向に配置される副光ファイバ210の断面の95%未満である。この場合、第1の光検出器11および第2の光検出器14は、同一のフォトン用入口開口を有し、これらは、入口窓の光用開口全体に特に対応する。第1および第2の光検出器11、14は、ダイヤフラムによって制限されない。ダイヤフラムが省略できるため、この変形例は生産コストを下げる。
第3の実施形態に係る測定装置1”を用いる付与線量の測定方法は、第1および第2の実施形態に係る方法と同一である。
一変形例では、本発明に係る方法の実行の前に、シンチレータは、ヒトまたは動物本体に直接に導入される。この導入は、例えば装置1”を用いて、カテーテルによって光ファイバを導入することにより実行される。そして、シンチレータ5”の導入が達成された後、本発明に係る方法が、生物体における侵襲性のステップなしで実行される。
第1、第2および第3の実施形態に係る線量の測定方法は、特に有益である。
第一に、これらの実施形態の各々では、照射の対象である装置の部分であるシンチレータは非常にコンパクトであり、とりわけ、電離チャンバに比べて非常にコンパクトである。実際、シンチレータの検出可能部の容量は、例えば約0.1mm程度であり、一方、最も小さい電離チャンバでも、側部の実測値は少なくとも1mmである。したがって、本発明に係る装置は、窮屈な場所においても、付与線量の測定を可能にすることという長所があり、これは電離チャンバでは実現出来ない。この特性は、イメージングや放射線医療等の医学的な分野において特に興味深いものがある。
さらに、シンチレータは、対象となる物体内に置かれることができ、それは、特に対象となる物体において即時に直接に付与線量に追従することを可能にする。さらに、本発明に係る線量の測定の装置およびこれらに対応する方法によれば、シンチレータの容量がmmのオーダーの場合に対しても、シンチレータに付与される線量が非常に低い場合においても、測定感度が大きくなり、数nGray.minの範囲になる。この感度は、特に時間相関単一フォトン計数法、すなわち、2つの光検出器を用いた同時事象の検出の使用を可能にする。実際、この技術を用いれば、シンチレータと電離放射との間の相互作用から有効に得られた現象だけを検出することが可能になる。従って、検出される現象の総数は、シンチレーション材料における付与線量に正比例している。したがって、実験により決定する必要がありかつ因子の多様性に依存する補正率は、利用の必要がない。
この感度の増大は、同様に、光の測定、すなわち、放射下で発した光の測定は、放射(電離チャンバ)の影響下での発された電荷の測定に比べて、より本質的に敏感な方法であるという事実から生じる。実際、有機シンチレータにおいて可視フォトンを生成するためのエネルギー量は、約10eVと推定され、一方、測定装置により収集可能なイオン電子ペアを生成する場合は数百eVと推定される。
さらに、固体における電離は、気体における電離よりも非常に大きいので、電離チャンバを用いる方法に関して、検出感度が同様に増大される。
更に、光検出器は、非常に小さい光量を検出することができるが、他方、電離チャンバの場合、あまり小さい電流量を測定することは可能でない。
さらに、本発明に係る装置は、特にシンチレータの製造原価が低いため、経済の視点から同様に有益である。
単一光電子モードにおける第2の光検出器の操作(単一フォトンを計数すること)により、この第2の光検出器の照射が、確実に一定となり、したがって、ノイズ低減および飽和のない操作が可能となる。
原理上は、同時に測定を行うことにより、検出および測定装置に固有のノイズ等の相関を妨げる現象全てを排除することができるのみならず、測定の精度に影響を及ぼしうる、外部の干渉の存在と結びつく全ての現象(例えば、放射環境や、医学装置、加速装置、リアクタに関連する電磁ノイズ等)も、排除することができる。
本発明に係る装置は、線量の測定またはシンチレーションによる線量率の測定において、特に液体シンチレーションの場合に、同時発生によるシンチレーション減衰の測定によって、非相関現象を排除して電離放射を識別することが可能になる。
変形例によれば、線源2は、医療用以外のX線発生機であり、例えば、非破壊式工業用制御装置等である。
変形例によれば、線源2は、全ての立体角で電離放射を発するように構成される。
変形例によれば、シンチレータは、例えばパラテルフェニルまたはアントラセン等の有機シンチレータである。
別の変形例によれば、放射は、非電離放射であり、特に、UV放射である。
変形例によれば、第1および第2の光検出器11、14は、CMOSタイプのダイオードによる検出器である。
第3の実施形態の変形例によれば、シンチレータ5”は、100μm以上の径を有するマルチモードシンチレーション光ファイバである。その長さは、例えば500μm〜数メートルである。
図3および図4にそれぞれ表したカーブCおよびCが、アルファ線を発する線源2を用いて本発明に係る測定方法を実行することによって得られたことに、注目すべきである。この実験中に用いられるアルファ線は、150MeV/uに加速されるシンクロトロン加速装置によって発された。図3の横座標における距離dは、放射が通過するPMMAの厚さに対応する。
図3のカーブCは、電離チャンバで同一条件において実行される従来技術の測定から得られたものである。
図3のカーブCとCとを比較すれば、本発明に係る測定方法では、参照電離チャンバを用いる従来法に比べて、測定感度がより向上したアルファ線による照射付与線量を得ることが可能になることが、確認された。
さらに、図4のカーブCの各々は、従来のシンチレーション減衰カーブの形状を再現していることに注目すべきである。この崩壊カーブの形状の良好な再現は、アルファ線による付与線量の測定に対する本発明による検出の方法が、単一光電子増倍管を用いている方法と比較して、より高い効果を与えることを確認する。
発明者は、また、ガンマ放射線を発する線源2を用いて、本発明による方法を行った。この実験中に用いられるガンマ放射線は、特性光が1.17MeVおよび1.33MeV、放射能が1.85TBqのコバルト60の線源によって発されたものである。
シンチレータは、サンゴバン社より入手可能な直径1mm、長さ1cmのシンチレーション光ファイバBCF−12の一片である。
この実験により、図6および図7に示すシンチレーション減衰カーブCおよびCを得ることが可能になった。
カーブCは、図4のカーブCに類似している。図4の場合、カーブCは、減衰の最初の20ナノ秒において飽和なしの、シンチレーション減衰カーブの形状を再現し、それは、この再現を許さない単一光電子増倍管を用いている方法と比較して、ガンマ放射線による付与線量の測定に対して本発明に係る検出方法の方が、より効果的であることを確認するものであることが分かる。
図7のカーブCは、照射線源への距離dの関数として本発明に係る方法によって予め定められる照射線量を表す。図7のカーブCは、電離チャンバで得られる類似したカーブである。
本発明者らは、また、X線を発する線源2を用いて、本発明による方法を使用した。
シンチレータは、サンゴバン社より入手可能な直径1mm,長さ1cmのシンチレーション光ファイバBCF−12の一片である。
図8および図9にそれぞれ表したカーブCおよびC10が、この実験中に得られた。
カーブCは、図6に例示されるカーブCに類似している。シンチレーション減衰カーブの形状を再現することにより、単一光電子増倍管を用いる従来法と比較して、X線による付与線量の測定に対して本発明による検出の方法の効果が高いことを確認できることに注目すべきである。
さらに、この方法によって決定される照射線量を、電離チャンバによって測定される線量と比較した。この比較の結果が図9に示され、カーブC10およびCは、それぞれ、本発明に係る線量の測定方法によって測定される照射線量およびmGy.cmで電離チャンバにより供給される線量の関数としての電離チャンバの応答を表す。
カーブC10の勾配は、カーブC11のそれよりも大きく、それは、本発明に係る測定方法の効率および動特性が、電離チャンバを用いる方法と比較して、高いことを確認するものであり、これはすでに図8で注目されている。
さらに、図9で注目されるべきは、本発明に係る線量測定装置は、線量率における分解能が、標準電離チャンバのそれと比較して、70%のオーダーで高くなっている点である。実際、図9の直線C10の勾配とC11のそれとの間の差は、約70%である。
最後に、これらの実験により、本発明に係る線量測定装置の、シンチレータを通過する線量率の測定における時間分解能は、0.1秒未満と非常に良好であることが確認できた。
第1の実施形態に係る測定装置の変形例によれば、第2の光検出器14は、単フォトン計数モードでは作動しない。この場合、第1および第2の光検出器11、14は、例えば同一寸法の物理的開口を有する。特に、第1および第2の光検出器11、14は、ダイヤフラムによって制限されない。
この変形例に従った測定方法は、第1実施形態による方法と同様であるが、第2の光検出器14が単フォトン計数モードで作動しないという点のみが異なっている。
第3の実施形態に係る測定装置の変形例によれば、第2の光検出器14は、単フォトン計数モードで作動しない。第1のおよび第2の光検出器11、14は、例えば同一寸法の物理的開口を有し、副光ファイバ210および215は、略同一の径を有する。
この変形例に従った測定方法は、第3の実施形態による方法と同様であるが、第2の光検出器14が単フォトン計数モードで作動しないという点のみが異なっている。
先に述べたように、第2および第3の実施形態に係る照射線量の測定のための装置1’,1”の変形例によれば、計算手段35’,35”は、所定の照射時間でシンチレータ5’,5”が照射される場合に、電離放射によるシンチレータ5’,5”の電離付与線量を決定するようにさらに構成される。
この目的達成のため、計算手段35’,35”は、
検出時間の関数として検出された同時事象の回数を表すカーブに対して、n×τに等しい検出時間Δτと、最大検出時間との間の区間で、積分を計算して、電離同時事象の総数を得て、
所定の第2の比例係数を電離同時事象の総数に乗算することにより、シンチレータ5’,5”中の電離付与線量を決定するように構成される。
τは、シンチレータ5’,5”の蛍光寿命である。蛍光寿命τは、シンチレータ5’,5”の固有特性である。その値は、例えばシンチレータ5’,5”の製造者によって与えられる。
nは、n×τと最大検出時間との間の検出時間間隔で、シンチレータ5’,5”の電離の方法から得られた同時事象のみが合計されるように選択される定数である。
定数nは、特に1〜10である。約1とすることが望ましい。
検出時間n×τは、図10において縦線で示した。この縦線は、電離プロセスから得られる同時事象(図10の右側)から、励起のプロセスから得られた同時事象(図10の左側)を分離する。
最大検出時間は、少なくとも一つの同時事象が所定の照射時間に検出される検出時間の最大値に対応する。
第2の所定の比例係数は、上記の所定の比例係数とは異なる。
上記の所定の比例係数のように、第2の所定の比例係数は、例えば、分析装置8’のメモリー内に記録される。
特に、第2の比例係数は、取得装置7、分析装置8およびシンチレータ5’,5”の特性、すなわち取得系統の特性にのみ依存する。これは、線源2’,2”のからのシンチレータ5’,5”の距離から独立している。
第2の比例係数は、例えば、電離放射の線源2’,2”によりシンチレータ5’,5”を照射することによって予め定められ、
たとえば電離チャンバ等の参照線量計によって、シンチレータ5’,5”における照射付与線量を測定し、
本発明の第2または第3の実施形態の変形例に従った線量測定装置を用いて、同一条件において検出される電離同時事象の総数の測定を行うことにより得られる。
参照装置によって測定される照射線量と、決定される電離同時事象の総数との間の比は、第2の所定の比例係数に対応する。
この第2の比例係数は、第1の比例係数より小さい。
特に、上記の第1の、第2または第3の実施形態に係る方法により決定される照射線量は、電離線量に等しい。
この変形例によれば、計算手段35’,35”は随意、シンチレータ5’,5”が所定の照射時間照射される場合に、放射、特に電離放射によりシンチレータ5’,5”において励起付与線量を決定するように構成される。
この目的達成のため、計算手段35’は、
検出時間の関数として検出された同時事象の回数を代表するカーブに対して、最小検出時間と、n×τに等しい検出時間Δτと、最大検出時間との間で、積分を計算して、励起同時事象の総数を得るようにし、また、
励起同時事象の総数に所定の第3の比例係数を乗算することによって、シンチレータ5’,5”における励起付与線量を決定するように構成される。
最小検出時間は、少なくとも一つの同時事象が所定の照射時間に検出される検出時間の最小値に対応する。
τは、シンチレータ5’,5”の蛍光寿命である。
定数nは、曲線がn×τと最大検出時間との間の検出時間間隔に対して積分される際に、電離放射によるシンチレータ5’,5”の励起から得られた同時事象のみが合計されるものであることに注目すべきである。
第3の所定の比例係数は、上記の所定の比例係数とは異なる。上記の他の所定の比例係数のように、第3の所定の比例係数は、例えば、分析装置8’,8”のメモリー内に記録される。
特に、これは、取得装置7’,7”、分析装置8’,8”およびシンチレータ5’,5”の特性、すなわち取得系統の特性にのみ依存する。これは、シンチレータ5’,5”の距離から独立している。
特に、第3の所定の比例係数は、校正によって決定される。この校正は、例えば、参照線量計を用いてシンチレータ5’,5”における付与線量を測定し、電離のおよび励起の和がシンチレータにおける全体の照射付与線量に対応する事実を考慮することで、実行される。このように計算される全体の照射線量は、参照線量計で測定される線量より大きい。第3の所定の比例係数は、例えば、電離線量と、前もって決定した電離同時事象の回数との間の比に対応する。
第2または第3の実施形態の変形例によるシンチレータに付与される照射線量の測定方法は、シンチレータ5’,5”における電離付与線量を測定するステップを有している。
このステップは、
電離同時事象の総数を得るために、検出時間の関数として検出された同時事象の回数を表すカーブの積分を、n×τに等しい検出時間Δτと最大検出時間との間で計算するサブステップと、
電離同時事象のこの総数に所定の第2の比例係数を乗算することによってシンチレータ5’,5”における電離付与線量を決定するサブステップとを備える。
随意、この変形例に従った方法は、シンチレータ5’,5”における励起付与線量の測定のステップを有し、このステップは、
励起同時事象の総数を得るために、検出時間の関数として検出された同時事象の回数を表すカーブの積分を、最小検出時間とn×τに等しい検出時間Δτとの間で計算するサブステップと、
励起同時事象の総数に所定の第3の比例係数を乗算することにより、シンチレータ5’,5”における励起付与線量を測定するサブステップとを備える。
シンチレータ5’,5”における電離付与線量の測定のステップおよび/またはシンチレータ5’,5”における励起付与線量の測定のステップは、また、上記定義されたシンチレータ5’,5”に付与された照射線量の測定方法とは独立して、この方法の以下のステップだけを実行することによって実行することができ、そのステップは、
所定の時間、電離放射によりシンチレータ5’,5”を照射し、電離放射とシンチレータとの各相互作用により、シンチレータを励起し、シンチレーションフォトンを発生させるステップと、
同時事象を検出し、検出時間の関数として同時事象のカーブを得るステップと、からなり、
次いで、
電離線量の測定のステップおよび/または励起線量の測定のステップを、シンチレータ5’,5”における照射付与線量の測定なしで実行するステップと、を含む。
1、1’、1” 測定装置
2、2’、2” 線源
5、5’、5” シンチレータ
7 取得装置
8、8’、8” 分析装置
11 第1の光検出器
14 第2の光検出器
15 識別手段
17 タイマー
32、32’ 計数手段
35、35’、35” 計算手段
40 区画
200 光ファイバ
205 主光ファイバ
210 副光ファイバ
215 副光ファイバ

Claims (21)

  1. 放射、有利には電離放射により、シンチレータ(5)に付与された照射線量を測定する方法であって、
    所定の時間、前記シンチレータ(5)に電離放射を照射し(100)、前記電離放射と前記シンチレータ(5)との各相互作用により、前記シンチレータ(5)を励起し、シンチレーションフォトンを発生させるステップと、
    第1の光検出器(11)を用いて、前記電離放射による前記シンチレータ(5)の励起の瞬間を検出する(105)ステップと、その後、
    前記第1の光検出器(11)とは別個の第2の光検出器(14)を用いて、前記シンチレータ(5)が発するシンチレーションフォトンの受信の瞬間を検出する(110)ステップと、
    前記第1の光検出器(11)による励起の瞬間の検出に続く、同時事象の瞬間における前記第2の光検出器(14)による受信の瞬間の検出からなる各シーケンスを識別する(115)ステップと、
    所定の照射時間中に、検出された同時事象の回数を計数する(120、125)ステップと、
    所定の照射時間中の前記シンチレータ(5)に付与された照射線量を、計数された同時事象の回数および所定の比例係数に応じて得る(130)ステップと、を含む測定方法。
  2. 前記第2の光検出器(14)によるシンチレーションフォトンの受信の瞬間の検出のステップの間、前記第2の光検出器(14)が単フォトン計数モードで機能する、請求項1に記載の測定方法。
  3. 前記第2の光検出器(14)がフォトンを受信するための物理的開口を有し、前記開口は、前記第1の光検出器(11)のフォトンの受信のための物理的開口よりも面積が小さい、請求項2に記載の測定方法。
  4. 同時事象のそれぞれにおいて、前記第1の光検出器(11)によって検出される励起の瞬間と、前記第2の光検出器(14)によるシンチレーションフォトンの受信の瞬間との間の検出時間を計時するステップと、
    検出時間の関数として前記同時事象の回数のカーブを作成するステップと、
    前記カーブの少なくとも一部の積分および所定の比例係数に基づいて、線量を計算するステップと、
    を含む、請求項2または3に記載の測定方法。
  5. 前記所定の比例係数が検出される同時事象の回数から独立している、請求項1〜4のいずれか一項に記載の測定方法。
  6. 前記シンチレータ(5)から入射する光の少なくとも一部を、光ファイバ(200)により前記第1の光検出器(11)および前記第2の光検出器(14)の方へ伝搬するステップをさらに備える、請求項1〜5のいずれか一項に記載の測定方法。
  7. 生体への電離放射の印加のための区画中に前記シンチレータを配置するステップをさらに備える、請求項1〜6のいずれか一項に記載の測定方法。
  8. 前記第1の光検出器(11)および前記第2の光検出器(14)が、光電子増倍管、マイクロチャネルプレートを有する光電子増倍管およびダイオードセンサから選択される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の測定方法。
  9. 前記シンチレータ(5)が有機シンチレータである、請求項1〜8のいずれか一項に記載の測定方法。
  10. 前記第1の光検出器(11)を用いて検出される励起の瞬間が、前記シンチレータ(5)が発する第1のシンチレーションフォトンの前記第1の光検出器(11)による検出の瞬間に対応する、請求項1〜9のいずれか一項に記載の測定方法。
  11. 前記第2の光検出器(14)によって検出されるシンチレーションフォトンが、前記第1の光検出器(11)が検出する励起の瞬間に対応する励起事象の間に、前記シンチレータ(5)により発せられる、請求項1〜10のいずれか一項に記載の測定方法。
  12. 前記第2の光検出器(14)によるシンチレーションフォトンの受信の瞬間の検出ステップの間、前記第2の光検出器(14)が単フォトン計数モードでは作動しない、請求項1または5〜10のいずれか一項に記載の測定方法。
  13. シンチレータによって吸収される線量を、シンチレータ(5)と電離放射源(2)との間の間隔の関数として与えるカーブを決定する方法であって、
    請求項1〜12のいずれか一項に記載の付与線量の測定方法を、前記電離放射源(2)からの各間隔において実行することによって、これらの間隔を変えて、付与線量を測定するステップを有する測定方法。
  14. 線源が発する電離放射により、シンチレータ(5)に付与された照射線量を測定する装置であって、
    電離放射の照射を受け、その電離放射との相互作用の毎にシンチレーションフォトンを発するように構成されたシンチレータ(5)と、
    前記シンチレータの励起の瞬間を検出するように構成される第1の光検出器と、前記シンチレータ(5)が発するシンチレーションフォトンの受信の瞬間を検出するように構成される、前記第1の光検出器(11)とは別個の第2の光検出器(14)と、
    前記第1の光検出器(11)による励起の瞬間の検出に続く、同時事象における前記第2の光検出器(14)による受信の瞬間の検出からなる各シーケンスを識別するように構成される識別手段(15)と、
    所定の照射時間の間に検出される同時事象の回数を計数するよう構成される計数手段(32)と、
    所定の照射時間の間、前記シンチレータ(5)に付与された照射線量を、同時事象の回数および所定の比例係数の関数として得るように構成される計算手段(35)と、
    を有する測定装置。
  15. 前記第2の光検出器(14)が、単フォトン計数モードで作動するように構成される、請求項14に記載の測定装置。
  16. 前記シンチレータ(5)が、前記シンチレータ(5)が発するシンチレーションフォトンを前記第1の光検出器(11)および前記第2の光検出器(14)へ伝播するように構成された少なくとも一本の光ファイバ(200)と一体化されている、請求項14または15に記載の測定装置。
  17. 前記識別手段(15)が、前記第1の光検出器(11)によって検出される励起の瞬間と、各同時事象に際して前記第2の光検出器(14)がシンチレーションフォトンを受信した瞬間との間の、検出時間を計時するようにさらに構成され、
    前記計算手段(35)は、検出時間の関数として同時事象の回数のカーブを作成するようにさらに構成される、請求項14〜16のいずれか一項に記載の測定装置。
  18. 検出時間の関数としての、検出された同時事象の回数のカーブに対して、n×τに等しい検出時間(nは、1〜10の定数、τは、前記シンチレータ(5’;5”)の蛍光寿命である)と、最大検出時間との間の区間で、積分を計算して、電離同時事象の総数を得るように構成され、
    所定の第2の比例係数を電離同時事象の総数に乗算することにより、前記シンチレータ(5’;5”)中の電離付与線量を決定するように、
    前記計算手段(35’;35”)がさらに構成されることを特徴とする、請求項17に記載の測定装置。
  19. 検出時間の関数としての、検出された同時事象の回数のカーブに対して、最小検出時間とn×τに等しい検出時間Δτとの間の区間で、積分を計算して、励起同時事象の総数を得るように、かつ
    所定の第3の比例係数を、励起同時事象の総数に乗算することにより、前記シンチレータ(5’;5”)中の励起付与線量を決定するように、
    前記計算手段(35’;35”)がさらに構成されることを特徴とする、請求項17または18に記載の測定装置。
  20. 請求項1〜11のいずれか一項に記載の測定方法に、請求項4に記載の測定方法を組み合わせた測定方法であって、
    前記シンチレータ(5’;5”)中の電離付与線量の測定のステップをさらに含み、この測定のステップは、
    検出時間の関数としての、検出された同時事象の回数のカーブに対して、n×τに等しい検出時間(nは、1〜10の定数、τは、前記シンチレータ(5’;5”)の蛍光寿命である)と、最大検出時間との間の区間で、積分を計算して、電離同時事象の総数を得るサブステップと、
    所定の第2の比例係数を電離同時事象の総数に乗算することにより、前記シンチレータ(5’;5”)中の電離付与線量を決定するサブステップと、
    を含む、測定方法。
  21. 請求項1〜11のいずれか一項に記載の測定方法に、請求項4に記載の測定方法を組み合わせた測定方法または請求項20に記載の測定方法であって、前記シンチレータ(5’;5”)中の電離付与線量の測定のステップをさらに含み、この測定のステップは、
    検出時間の関数としての、検出された同時事象の回数のカーブに対して、最小検出時間とn×τに等しい検出時間Δτとの間の区間で、積分を計算して、励起同時事象の総数を得るサブステップと、
    所定の第3の比例係数を、励起同時事象の総数に乗算することにより、前記シンチレータ(5’;5”)中の励起付与線量を決定するサブステップと、
    を有する方法。
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