JP2014534326A - 低分子量リグニン(lml)を得る方法 - Google Patents

低分子量リグニン(lml)を得る方法 Download PDF

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Abstract

70%v/v〜95%v/v、特に75%v/v〜85%v/vのC1〜4アルコール、特にエタノールまたはイソプロパノールを含み、かつpH値が12〜14である水溶性抽出液によってリグノセルロース材料を処理することによって、低分子量リグニン(LML)の第1の水溶液を得て、低分子量リグニンを樹脂またはプラスチックに変換する、リグノセルロース材料を用いて樹脂またはプラスチックを得るための方法;および第1の水溶液に比べてLMLが濃縮された水溶液を得るために、LMLの第1の水溶液を追加のリグノセルロース材料を処理するために用いるLMLを得る方法およびLMLを濃縮する方法。

Description

発明の詳細な説明
本発明は、アルカリ抽出によってリグノセルロース材料からLMLを得て、それを樹脂またはプラスチックに変換する方法に関する。
原油の減少によって、再生可能な原材料リグノセルロース(藁、木、紙廃棄物など)が、化学製品および燃料用の開始材料としてより重要になっている。リグノセルロースは、超構造的架橋ポリマー主成分セルロース、ヘミセルロース、およびリグニンによってできており、多くの場合、原材料の約85〜90%を占めている。
ポリマーとして存在する成分を開裂させ、個々の製品ストリームに分溜し、高価値製品へさらに処理することは、生物化学業界のバイオリファイナリーの課題である。そのようなバイオリファイナリーの採算性は、製品ストリームからどの追加価値が得られるかに大きく依存する。下流の分溜工程は困難かつ高コストになりうるので、これは一転して個々の製品ストリームの純度および特性によって大きく影響を受ける。それゆえ、個々の主成分の開裂ができるだけ選択的に起こる工程が理想的であると考えられうる。この目的のため、LML抽出工程をバイオファイナリー法の開始時に据えれば有利である。
リグニンは石油化学的に製造される芳香族用の基質として経済的な重要性を大いに得ている。ひいては、得られたリグニンの可能な使用は、その化学構成物によって大いに決まり、しかしながら得られたリグニン画分の分子量によって非常に顕著に決まる。リグニンは製造工程に応じて異なる特性を発揮する。
最近開発されたリグノブースト法(P. Tomani, 2009, The Lignoboost Process, NWBC-2009 The 2ndNordic Wood Biorefinery Conference, Helsinki, Finland, September 2-4, 2009, 181-188.)によって、リグニンを液体状の厚いクラフト紙パルプから単離できる。加えて回復ボイラーに余裕が生じ、これによってパルプ粉砕機の容量を増加させられる。こうして得られる硫酸塩リグニンは、煮沸中に生じる再ポリマー化反応によって部分的に高度に濃縮され、さらには約2%の硫黄をチオール基の形態で含んでおり、熱利用に非常によく適している。しかし、チオール基によって生ずる臭いのため、化学的原材料としてのその適用範囲は限られている。伝統的な硫化プロセスでは、水溶性のために特定の用途に用いられる硫化リグニンを得ることができる。硫黄を含んでいることはいずれのリグニンでも不利である。
しかし、特に、硫黄を含まず、好ましくは高純度の低分子のリグニン画分は、プラスチックおよび樹脂の製造における適用に要求されている。
脱硫黄リグニンは、オルガノソルブ法、炭酸パルピング、またはバイオリファイナリー法によって主に得られる。
リグノセルロースの開裂のためのバイオリファイナリーにおいて用いられる方法のうち、アルカリ法は、特に強調されるべきであり、その開裂原理は主にリグニンの除去である。基礎となる化学的原理はアルカリ加水分解であり、これによってリグニン、ヘミセルロース、および酢酸ヘミセルロースエステルの間の結合を開裂する。
そのような方法は、Avgerinos & Wang (1983), Biotechnology and Bioengineering, Vol XXV, 67-83に記述されていた。米国特許第4,395,543号にはリグノセルロースの開裂方法が非常に詳細に請求されており、水および40〜75%のアルコールからなりかつpH11〜14の抽出液が用いられる。加えてこの特許から明らかなように、エタノール濃度が100%にまで上昇すると遊離リグニン量はゼロに近づく。さらには、アルコール濃度が100%に上昇すると遊離糖量もまたゼロに達する。この方法において遊離するリグニンの分子量は記述されていない。
驚くべきことに、アルコールを用いたアルカリ開裂に関するいくつかの研究において、開裂パラメータが、抽出されるリグニンの量のみならず、その分子量にまで決定的な影響を与えることが示されている。特に、水溶性アルカリ溶液中のアルコール濃度を選択することによって、リグノセルロース材料たとえばリグノセルロースからLMLが選択的に得られるか、または、それぞれ、抽出リグニンの分子サイズが影響されえ、これにより、驚くべきことにこの手法によって生産される脱硫黄LMLは樹脂またはプラスチックに変換されることに特に適していることが明らかである。
一局面では、本発明は、リグノセルロース材料を用いて樹脂またはプラスチックを得るための方法であって、
70%v/v〜95%v/v、特に75%v/v〜85%v/vのC1〜4アルコール、特にエタノールまたはイソプロパノールを含み、かつpH値が12〜14である水溶性抽出液によってリグノセルロース材料を処理することによって、低分子量リグニン(LML)の水溶液を得る工程a)と、
上記工程a)に基づき得られる低分子量リグニンを樹脂またはプラスチックに変換する工程b)とを含むことを特徴とする方法を提供する。
本発明によって提供される方法を、以下では「本発明に係る方法」とも表記する。
たとえば、驚くべきことに、約16%のLML(総リグニンに基づく)が、水溶性溶液中のアルコール量が80%v/vであれば、すでに30分後であっても、70℃かつpH約13の水溶性アルコール溶液において小麦藁から抽出されることが明らかにされている。上記の条件下においてアルコール量が85%を超えると、LMLの抽出量は減少する。驚くべきことに、これにより得られるリグニンの分子量は低く(Mw 1340、Mn 850)、かつ、分子量の分布は非常に狭い(Pd 1.58)
さらには、抽出された成分LMLは、それぞれの場合に廃水酸化ナトリウム溶液が事前に添加された新鮮なリグノセルロース基質に抽出液を繰り返しリサイクルすることによって、濃縮することができる。実施例2に示すように、低分子量リグニンの量は、示された6回のリサイクル工程を適用したリサイクル溶液中で直線的に驚くほど上昇し、かつ予期されていたように飽和曲線にまではならなかった。6回のサイクルの後、リグニンの含有量は1.88mg/mlから12.25mg/mlにまで上昇し得る。抽出サイクルの回数は所望の最終濃度に基づき自由に決定でき、かつ、たとえば、溶媒がLMLで飽和するまで行うことができる。
連続濃縮の結果、低分子量リグニンの分離を経済的に持続可能にさせるLMLの最終濃度が達成される。さらに、処理されるバイオマスの総量に基づく使用アルコール量がリサイクルによって劇的に低減する。
さらなる局面では、本発明は、リグノセルロース材料から低分子量リグニン(LML)を得る方法であって、70%v/v〜95%v/v、特に75%v/v〜85%v/vのC1〜4アルコール、特にエタノールまたはイソプロパノールを含み、かつpH値が12〜14である水溶性抽出液によってリグノセルロース材料を処理することによって、LMLの第1の水溶液を得る工程を含み、上記第1の水溶液に比べて上記LMLが濃縮された第2の水溶液を得るために、上記LMLの第1の水溶液を追加のリグノセルロース材料、特にリグノセルロースを処理するために用い、上記第2の水溶液に比べて上記LMLが濃縮されたさらなる水溶液を得るために、上記LMLが濃縮された上記第2の水溶液を、追加のリグノセルロース材料、特にリグノセルロースを処理するために任意に用いることを特徴とする方法を提供する。
そしてさらなる局面では
70%v/v〜95%v/v、特に75%v/v〜85%v/vのC1〜4アルコール、特にエタノールまたはイソプロパノールを含み、かつpH値が12〜14である水溶性抽出液によってリグノセルロース材料を処理することによって得た第1の水溶液内の低分子量リグニン(LML)を濃縮する方法であって、上記第1の水溶液に比べてNLMLが濃縮されたさらなる水溶液を得るために、上記第1の水溶液を、追加のリグノセルロース材料の処理のために用いることを特徴とする方法。
リグノセルロース材料、特にリグノセルロース堅木、軟木(球果植物木)、藁、バガス、または、一年生草および多年生草が、有利であると証明されている。
さらなる局面では、本発明は、堅木、軟木、藁、バガス、または一年生草および多年生草、特にリグノセルロース堅木、藁、バガス、または一年生草および多年生草を、リグノセルロース材料として用いることを特徴とする本発明に係る方法を提供する。
本発明に係る方法は、既知の方法に比べて多数の利点を有する。
既知の方法に比べた本発明に係る方法の利点は、たとえば、
・LMLの分離を容易にする水溶性アルコール溶液においてLML濃度を高くする;
・高LML濃度に関して、既知の方法に比べて抽出液の必要性がより少ない;
・従来技術に係る抽出液では一般に一緒になって蓄積されるLMLおよび高分子量リグニン(HML)の分離;
・けん化時に消費される塩基がより少ないので、リグニン(HML)の選択的産生のためのさらなる工程およびリグニン溶液のリサイクルのために加える必要がある塩基(たとえばNaOH)が、従来技術に係る方法に比べてより少ないという事実;
・必要なNaOHが少なくて済むので、さらなる分画工程においてより少ない量の塩が蓄積するという事実;
・それゆえリグニン溶液を新たな量の藁に用いることができ、その結果、溶液中のリグニン濃度もまた増加させることができ、かつ、藁に対して必要な溶媒の量を減らすことができるという事実;
・酢酸塩(および他の陰イオン)の存在によって、さらなるリグニン抽出工程が阻害されないという事実;
・HMLが生じるさらなるリグニン抽出工程の後に、LMLを別途分離する必要がないという事実;
・プラスチックおよび樹脂の産生のための高純度脱硫黄LMLの供給;
を含む。
本発明に係る方法では、2000Mw(平均分子量)以下の低分子量リグニン、たとえば1300〜1700Mwなどの低分子量リグニンを得ることができることが明らかになっている。
さらなる局面では、本発明は、工程aにおいて得られるリグニンが2000以下のMwを有することを特徴とする本発明に係る方法を提供する。
本発明に係る方法では、1100Mw(平均分子量)以下の低分子量リグニン、たとえば800〜1050Mwなどの低分子量リグニンを得ることができることが明らかになっている。
さらなる局面では、本発明は、工程aにおいて得られるリグニンが1100以下のMnを有することを特徴とする本発明に係る方法を提供する。
本発明に係る方法では、2以下の多分散性、たとえば1.3〜1.8の多分散性を有する低分子量リグニンを得ることができることが明らかになっている。
さらなる局面では、本発明は、工程aにおいて得られるリグニンが2以下の多分散性を有することを特徴とする本発明に係る方法を提供する。
本発明に係る方法では、2%以下、たとえば以下の糖を含む低分子量リグニンを得ることができることが明らかになっている。
さらなる局面では、本発明は、工程aにおいて得られるリグニンが2%以下の糖を含むことを特徴とする本発明に係る方法を提供する。
(図面の説明)
図1は、異なるエタノール含有量70℃の抽出液におけるリグニン濃度の時間経過を示す。分をx軸に対してプロットしている。バーは、左側から右側に向かってエタノール濃度がそれぞれ(1)40%v/v、(2)60%v/v、(3)80%v/v、(4)90%v/v、(5)95%v/v、(6)100%v/vである場合のリグニン濃度(mg/mL)を示す。
図2は、リサイクルした抽出液におけるリグニン含有量(mg/ml)の増加を示す。サイクルの回数はX軸にプロットしている。図2に示すように、抽出液におけるリグニン含有量は、サイクルの回数に対して実質的に直線的になるように驚くほど増加する。
以下の実施例では、本発明の好ましい実施形態についてより詳細に記述する。全ての温度をセルシウス温度で示す。
以下の略語を用いる:
平均分子量(分子量平均)
平均分子数(分子数平均)
HPSEC 高速サイズ排除クロマトグラフィー
多分散性
多分散性は、分子量分布(MMV)の幅の単位である。Qが大きいほど、MMVの幅もより大きくなる。ここでQはMwをMnで割った分数であり、1よりも大きい。分子量分布は、特定の基質の分布、すなわち含有分子の分子量の均一な分布を示す。
(実施例1)
70℃かつ異なるエタノール含有量の抽出液におけるリグニン濃度の時間経過
せん断した10gの小麦藁を、500mLの反応容器内で、異なる比率の水/エタノール(40%、60%、80%、90%、100%のエタノール)および0.8gのNaOHを含みかつ70℃に予め熱した200mL(5%固体含有量)の溶液に懸濁した。懸濁液を、200rpmかつ70℃で、10分、20分、および30分、磁石を用いて連続的に撹拌した。それから固体含有物をフィルタで分離した。溶液中のリグニン含有量を280nm(ε=19.4Lg−cm−1)で光学測定し、溶解リグニンの分子量をアルカリHPSECシステム(TSK−G500PK、TSK−G400PW、TSK−G300PW、Tosoh)を用いてUV検出によって決定した。図1に示すように、リグニンのほとんどは30分間の調査期間中に、40%〜60%の間の濃度のエタノールに溶解する。エタノール濃度をより高くすると産生量は劇的に低下する。
上記分画の分子量を研究することによって、エタノール濃度が40%〜60%の抽出液では、抽出されたリグニンの分子量および多分散性が非常に似ているが、しかし驚くべきことに80%以上のエタノールを含む抽出液に低多分散性のLMLが溶解されていることが明らかになる。これは図2から明らかになる。
次の表1に、異なる濃度のエタノール(T=70℃、t=30分)から抽出されたリグニンの分子量分布を示す。
Figure 2014534326
(実施例2)
LML溶液のリサイクル
この試みでは、LML抽出液がさらなる抽出にリサイクルできることを示す。
せん断した10gの小麦藁を、500mLの反応容器内で、20%の水、80%のエタノール、および0.8gのNaOHを含む200mL(5%固体含有量)の溶液に懸濁した。懸濁液を、200rpmかつ70℃で、30分間、磁石を用いて連続的に撹拌した。抽出後、溶液を固体からフィルタで分離し、新たなNaOHで初期pH値に調整し、それから新鮮な藁(5%w/v)を加えた。
懸濁物を上述した条件下で再度処理し、固体物を分離した後さらなるリサイクル工程に掛けた。
各リサイクル工程の前に、サンプルを得て、溶液のリグニン含有量を光学測定した。
図2に示すように、溶液においてリグニン濃度はリサイクル工程ごとに相対的に直線的に上昇した。抽出工程ごとに、個々の場合に新鮮な固体物から平均1.97mg/mLのリグニンを除去した。これらの値の偏差は抽出材料の変動によって説明できる。
各サイクルの後にHPSECによってリグニンの分子量を決定した。リサイクルの個々の段階におけるリグニンの分子量を示す下の表2から、分子量は抽出1から抽出6にかけて約10%のみ変わること、すなわちリサイクルにかかわらずLMLのみが常にマトリックスから抽出されることが分かる。
Figure 2014534326
(実施例3)
基質としてのポプラの利用
チップにした10gのポプラを、500mLの反応容器内で、20%の水、80%のエタノール、および0.8gのNaOHを含む200mL(5%固体含有量)の溶液に懸濁した。比較のため、エタノール無しの試みを、1g/Lの濃度のNaOHで行った。それぞれの懸濁液を、200rpmかつ70℃で、30分間、磁石を用いて連続的に撹拌した。抽出後、溶液を固体からフィルタで分離し、抽出されたリグニンの分子量をHPSECによって決定した。
ポプラから抽出したリグニンの分子量を示す下の表3から明らかなように、使用したシステムによって軟木から低分子量分画も抽出でき、この場合もまた開裂溶液内のエタノールの影響が明らかである。
Figure 2014534326
異なるエタノール含有量70℃の抽出液におけるリグニン濃度の時間経過を示す。分をx軸に対してプロットしている。バーは、左側から右側に向かってエタノール濃度がそれぞれ(1)40%v/v、(2)60%v/v、(3)80%v/v、(4)90%v/v、(5)95%v/v、(6)100%v/vである場合のリグニン濃度(mg/mL)を示す。 リサイクルした抽出液におけるリグニン含有量(mg/ml)の増加を示す。サイクルの回数はX軸にプロットしている。図2に示すように、抽出液におけるリグニン含有量は、サイクルの回数に対して実質的に直線的になるように驚くほど増加する。

Claims (10)

  1. リグノセルロース材料を用いて樹脂またはプラスチックを得るための方法であって、
    70%v/v〜95%v/v、特に75%v/v〜85%v/vのC1〜4アルコール、特にエタノールまたはイソプロパノールを含み、かつpH値が12〜14である水溶性抽出液によってリグノセルロース材料を処理することによって、低分子量リグニン(LML)の水溶液を得る工程a)と、
    工程a)に基づき得られる低分子量リグニンを樹脂またはプラスチックに変換する工程b)とを含むことを特徴とする方法。
  2. 上記工程a)において、追加の低分子量リグニンを第1の水溶液において濃縮するために、追加のリグノセルロース材料、特にリグノセルロースを処理するために用いられる低分子量リグニンの第1の水溶液を得ることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 堅木、軟木、藁、バガス、または、一年生草および多年生草を、リグノセルロース材料として用いることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
  4. 上記工程a)において得られる上記低分子量リグニンは、2000以下のMwを有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 上記工程a)において得られる上記低分子量リグニンは、1100以下のMnを有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 上記工程a)において得られる上記低分子量リグニンは、2以下の多分散性を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 上記工程a)において得られる上記低分子量リグニンは、2%以下の糖を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. リグノセルロース材料、特にリグノセルロースから低分子量リグニンを得る方法であって、70%v/v〜95%v/v、特に75%v/v〜85%v/vのC1〜4アルコール、特にエタノールまたはイソプロパノールを含み、かつpH値が12〜14である水溶性抽出液によってリグノセルロース材料を処理することによって、低分子量リグニンの第1の水溶液を得る工程を含み、上記第1の水溶液に比べて上記低分子量リグニンが濃縮された第2の水溶液を得るために、上記低分子量リグニンの第1の水溶液を追加のリグノセルロース材料、特にリグノセルロースを処理するために用いることを特徴とする方法。
  9. 上記第2の水溶液に比べて上記低分子量リグニンが濃縮されたさらなる水溶液を得るために、上記低分子量リグニンが濃縮された上記第2の水溶液を、追加のリグノセルロース材料、特にリグノセルロースを処理するために用いることを特徴とする請求項8に記載の方法。
  10. 70%v/v〜95%v/v、特に75%v/v〜85%v/vのC1〜4アルコール、特にエタノールまたはイソプロパノールを含み、かつpH値が12〜14である水溶性抽出液によってリグノセルロース材料を処理することによって得た第1の水溶液内の低分子量リグニンを濃縮する方法であって、上記第1の水溶液に比べて上記低分子量リグニンが濃縮されたさらなる水溶液を得るために、上記第1の水溶液を追加のリグノセルロース材料の処理のために用いることを特徴とする方法。
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