JP2014533199A - トリハロシランの精製装置 - Google Patents

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Abstract

本発明は、トリハロシランの精製装置及び精製方法に関する。本発明によれば、少ないエネルギーを消費しながらも、トリハロシランを含むフィードからトリハロシランを高純度に収得することができる。【選択図】図2

Description

本発明は、トリハロシランの精製装置及び精製方法に関する。
単結晶シリコンの原料である多結晶シリコンを製造する工程は、大きく、ジーメンス(siemens)工法とFBR(fluidized−bed reactor)工法とに分類され、ジーメンス工法を用いて生産される多結晶シリコンが世界的に生産量の90%を占有している。
ジーメンス工法は、原料としてトリクロロシランを使用する工程とモノシランを使用する工程があり、モノシランの場合、爆発性が強くて、製造過程で副産物が多量生成されるなどの問題に起因して、通常、トリクロロシランを使用した工法が適用されている。
特許文献1は、前記のようなトリクロロシランを精製する方法を開示している。しかしながら、特許文献1を含む先行技術によれば、製品生産過程で過度なエネルギーが消耗し、生産された製品の純度が満足ではない。
日本国特開2002−234721号公報
本発明は、トリハロシランの精製装置及び精製方法を提供する。
例示的な精製装置は、トリハロシランを含むフィード(feed)が流入され得るように設置された分離壁型蒸留塔(DWC;Divided Wall Column)と、前記分離壁型蒸留塔に連結された第1蒸留塔とを含むことができる。前記分離壁型蒸留塔には、少なくとも1つの流入口と少なくとも3個の流出口が形成されていてもよい。前記精製装置の分離壁型蒸留塔は、前記フィードが前記流入口に導入されることができ、精製されたトリハロシランを含む流出物が前記3個の流出口のうちいずれか1つに流出され得るように設置されていてもよい。
前記トリハロシランは、例えば、トリクロロシランであることができる。前記分離壁型蒸留塔に導入されるトリハロシラン、例えば、トリクロロシランなどは、この分野で公知された通常の方式で製造されたものであることができる。例えば、トリクロロシランは、金属シリコン及び通常気体状態である塩酸を高温、例えば、約300℃〜約400℃程度で反応させて製造することができる。前述したような方式で製造されたトリクロロシランを含む反応物は、トリクロロシラン以外にも、水素、未反応の塩酸や、テトラクロロシランまたはジクロロシランのようなクロロシランなどを含んでいる。
精製装置に含まれる分離壁型蒸留塔は、いわゆる低沸点、中沸点及び高沸点の3成分を含むフィードの処理のために考案された装置である。分離壁型蒸留塔は、いわゆる熱複合蒸留カラム(Petlyuk column)と熱力学的な観点で類似な装置である。熱複合蒸留カラムは、予備分離器と主分離器を熱的にに統合された構造で配列し、低沸点及び高沸点物質を1次的に予備分離器で分離し、予備分離器の塔頂及び塔底部分の成分が主分離器の供給端に流入され、主分離器で低沸点、中沸点及び高沸点物質を分離するように考案されている。これに対し、分離壁型蒸留塔の場合は、塔内に分離壁を設置し、予備分離器を主分離器の内部に統合させた形態である。
図1は、例示的な分離壁型蒸留塔100を示す。図1のように、例示的な蒸留塔100は、内部が分離壁101によって分割されていて、上部の凝縮器102及び下部の再沸器(reboiler)103などを含む構造を有することができる。分離壁型蒸留塔100の内部は、図面で点線で仮想的に分割されているように、例えば、塔頂領域104、塔底領域105、予備分離領域106及び主分離領域107に区分されることができる。用語「塔頂領域」は、図1に例示的に示されたように、蒸留塔100の上部領域であって、分離壁が形成されていない領域104を意味し、用語「塔底領域」は、図1に例示的に示されたように、蒸留塔100の下部領域であって、分離壁が形成されていない領域105を意味することができる。また、用語「予備分離領域」は、図1に例示的に示されたように、分離壁101によって分割される空間のうちフィードFが供給される流入口が存在する領域106を意味することができ、用語「主分離領域」は、図1に例示的に示されたように、分離壁101によって分割される空間のうち流出物EMが流出される流出口が存在する領域107を意味することができる。通常、分離壁型蒸留塔100の予備分離領域106では、フィードFの低沸点成分と高沸点成分が主に分離し、主分離領域107では、中沸点成分が主に分離することができる。
用語「低沸点成分」、「中沸点成分」及び「高沸点成分」は、特に別途規定しない限り、相対的な概念として使用され、例えば、フィード内に存在する各成分を沸点を基準として略3等分して定められる成分であるか、または前記分離壁型蒸留塔の運転時に後述する第1〜第3流出口それぞれで流出される成分を意味することができる。後者の場合、第1流出口から流出される成分(例えば、図1のEU)を低沸点成分として規定し、第2流出口から流出される成分(例えば、図1のEM)を中沸点成分として規定し、第3流出口から流出される成分(例えば、図3のED)を高沸点成分として規定することができる。
精製装置の分離壁型蒸留塔は、図1に示されたように、塔頂及び塔底領域104、105がオープン(open)された状態で形成されていてもよい。分離壁型蒸留塔は、設計によって図1に示された構造以外に、例えば、図1で分離壁101が蒸留塔の上部まで延長し、オープンされた塔頂領域104が存在しないか、あるいは分離壁101が下部まで延長し、オープンされた塔底領域105が存在しない場合もあるが、前記精製装置に適用される分離壁型蒸留塔は、塔頂及び塔底領域がオープンされているもの、すなわち蒸留塔の塔頂領域に分離壁が存在せず、塔底領域にも分離壁が存在しないことが有利である。このような構造によれば、塔頂及び塔底領域を通じて予備分離領域と主分離領域との間に物質(液体または気体など)の流れを確保することができ、これにより、優れた分離効率を達成することができる。
前記分離壁型蒸留塔でオープンされた塔頂及び/または塔底領域のオープン長さ(すなわち、塔頂領域で分離壁が存在しない領域の長さであって、前記塔頂領域の下部と分離壁上部との間の距離及び/または塔底領域で分離壁が存在しない領域の長さであり、塔底領域の上部と分離壁下部との間の距離)は、例えば、800mm〜3,500mmまたは1,200mm〜2,500mm程度であることができる。このような範囲で予備分離領域と主分離領域との間で物質の円滑な流れを確保することができ、予備分離領域と主分離領域内部の圧力を一定に維持することができ、分離効率などを高めることができる。
分離壁型蒸留塔の段数は、例えば、前記蒸留塔の類型及び目的する分離効率などを考慮して適宜選択されることができる。例えば、分離壁型蒸留塔として構造化パッキング(structured packing)タイプなどのようなパッキング(packing)タイプを使用すれば、前記蒸留塔の段数は、理論段数と同一に形成することができる。また、このようなパッキング(packing)タイプの蒸留塔としては、比表面積が220sqm/cum〜500sqm/cum程度であるものを使用することができる。比表面積が220sqm/cumより小さければ、蒸留塔の全体高さが非常に高くならなければならないおそれがあり,500sqm/cumを超過すれば、蒸留塔内部の圧力降下によって液相と気相の流れが円滑に行われないおそれがある。
また、分離壁型蒸留塔として、トレイ(tray)タイプの蒸留塔を使用すれば、段数は、理論段数基準で分離効率が約50%〜80%程度になる水準で設計することができる。分離効率が約50%未満になるように設計されれば、予備分離領域で低沸点物質と高沸点物質が効果的に分離せず、製品の純度が劣化することがあり、分離効率が80%を超過するように設計されれば、低沸点及び中沸点物質の液相及び気相と中沸点及び高沸点物質の液相及び気相の円滑な平衡流れ維持が困難になるか、または分離効率が低下することがある。
トレイ(tray)タイプで、蒸留塔の分離壁区間、例えば、図1で符号DWで表示される区間でトレイ間の間隔は、約200mm〜1,500mm程度の範囲内で選択されることができる。トレイ間の間隔が200mm未満なら、蒸留塔の設置及び維持補修作業が困難になることがあり、1,500mmを超過すれば、製造費用が上昇することがある。
また、分離壁型蒸留塔で分離壁の長さ(例えば、図1でDWで表示される長さ)は、フィードの組成によって調節されることができる。例えば、前記分離壁型蒸留塔の分離壁の長さは、全体理論段数の約30%以上または40%以上の水準で決定されることができる。用語「全体理論段数」は、分離壁型蒸留塔の塔頂領域、主分離領域及び塔底領域の各理論段数の総計及び塔頂領域、予備分離領域及び塔底領域の各理論段数の総計のうちさらに大きい数値を意味する。前記理論段数は、当業界で公知されているように、予備または主分離領域に存在する成分の組成に対する平衡蒸留曲線によって算出されることができる。
分離壁の長さが全体理論段数の30%未満なら、予備分離領域で適切な分離が進行されず、生産効率が低下するか、または最終製品の純度などが劣化することがある。分離壁長さの上限は、特に制限されないが、塔頂及び塔底領域で物質の円滑な移動が確保されることができる程度に決定されれば、特に制限されない。例えば、前記分離壁の長さの上限は、前記全体理論段数の約100%程度、90%以下、80%以下または70%以下であることができる。
図2は、分離壁区間の主分離領域でのトリクロロシランの濃度プロファイル(profile)グラフである。図2のグラフは、後述する実施例で記載される条件によってトリクロロシランを精製しながら図示したものである。また、図2には、分離壁の長さが全体理論段数の20%、40%または50%である場合の前記濃度プロファイルが示されている。図2で、X軸は、分離壁区間の長さ方向での各位置を示し、Y軸は、前記各位置でのトリクロロシランの質量分率(Mass Fraction)を示す。図2から分離壁の長さが全体理論段数の30%未満なら、予備分離領域での分離効率が急激に低下し、最終製品の純度が低くなるなどの問題が発生するものと確認することができる。
分離壁型蒸留塔は、流入口及び流出口を含むことができる。例えば、前記蒸留塔は、予備分離領域にフィードを導入することができるように設置されている1つ以上の流入口を含むことができる。また、前記蒸留塔は、塔頂領域に存在する成分が流出されることができる第1流出口、主分離領域に存在する成分が流出されることができる第2流出口及び塔底領域に存在する成分が流出されることができる第3流出口を少なくとも含むことができる。前記構造で、流入口へは、トリハロシランを含むフィードが導入され、第1流出口では、前記フィードのうち低沸点成分が流出されることができ、第3流出口では、前記フィードのうち高沸点成分が流出されることができる。目的物であるトリハロシラン、例えば、トリクロロシランは、通常、中沸点成分に含まれている。したがって、前記構造で、精製されたトリクロロシランを含む流出物は、第2流出口に流出されることができる。
1つの例示で、分離壁型蒸留塔の流入口は、フィードを予備分離領域に導入することができるように設置されており、また、予備分離領域の1/10〜9/10区間に設置されていてもよい。前記流入口は、例えば、予備分離領域の1/10〜8/10、1/10〜7/10、1/10〜6/10または1/10〜5/10区間に設置されていてもよい。用語「予備分離領域のn/m区間」は、予備分離領域の長さをm等分したとき、前記予備分離領域の最も上部(塔頂領域側)から前記予備分離領域の長さのn/m倍だけ離れた地点を意味することができる。したがって、用語「予備分離領域の1/10〜9/10区間」は、前記予備分離領域の長さ(例えば、図1でDWで表示される長さ)を10等分したとき、前記予備分離領域の最も上部(塔頂領域側)から前記予備分離領域の長さの1/10倍だけ離れた地点から前記長さの9/10倍だけ離れた地点までの区間を意味することができる。このような領域にフィードを導入することによって、予備分離領域で高沸点及び低沸点物質を適切に分離することができ、これにより、最終製品の純度及び生産効率などを優秀に維持することができる。
また、第2流出口は、例えば、主分離領域の分離壁区間の1/9〜8/9区間に形成されていてもよい。前記第2流出口は、また、分離壁区間の2/9〜8/9区間、3/9〜8/9区間、4/9〜8/9区間、5/9〜8/9区間または6/9〜8/9区間に形成されていてもよい。用語「分離壁区間のn/m区間」は、主分離領域または分離壁区間の長さをm等分したとき、前記主分離領域または分離壁区間の最も上部(塔頂領域側)から前記主分離領域または分離壁区間の長さのn/m倍だけ離れた地点を意味することができる。したがって、用語「分離壁区間の1/9〜8/9区間」は、前記主分離領域または分離壁区間の長さ(例えば、図1でDWで表示される長さ)を9等分したとき、前記主分離領域または分離壁区間の最も上部(塔頂領域側)から前記主分離領域または分離壁区間の長さの1/9倍だけ離れた地点から前記長さの8/9倍だけ離れた地点までの区間を意味することができる。これにより、主分離領域で高沸点物質または低沸点物質とトリクロロシランのような目的物質が再混合される現象を防止し、最終製品の純度及び生産効率を優秀に維持することができる。
図3は、前記分離壁型蒸留塔の分離壁区間の主分離領域内でのトリクロロシランの濃度プロファイル(profile)を示すグラフである。図3は、後述する実施例で記載された方式でトリクロロシランを精製しながら図示したものである。図3のグラフで、X軸は、分離壁区間の長さ方向への各地点であり(X軸に表示されたTopは、分離壁区間で塔頂領域側の末端を意味し、Btmは、分離壁区間で塔底領域側の末端を意味する)、Y軸は、トリクロロシランの質量分率(Mass Fraction)である。図3のように、分離壁区間が1/9〜8/9区間から外れる場合、トリクロロシランの質量分率が低くなるので、前記1/9区間より小さい区間に流出口が存在すれば、低沸点物質との混合によって目的物の純度が劣化し、8/9区間より大きい区間に流出口が存在すれば、高沸点物質との混合によってやはり目的物の純度が劣化することがある。
このような分離壁型蒸留塔に未精製トリハロシランを含むフィードが導入されれば、予備分離領域では、フィードが低沸点成分と高沸点成分とに分離することができる。前記予備分離領域で分離する低沸点成分と高沸点成分は、フィードの各成分を沸点によって略2等分したときの沸点が高い成分と沸点が低い成分を意味することができる。分離した低沸点成分と高沸点成分の一部は、塔頂領域の第1流出口及び塔底領域の第3流出口に流入され、残りの一部は、主分離領域に流入され、さらに蒸留される。主分離領域の上部領域では、主に低沸点及び中沸点成分が分離し、下部領域では、主に中沸点及び高沸点成分が分離することができる。このように分離した低沸点成分は、塔頂領域、第1流出口及び凝縮器を経由した後、例えば、一部は、流出されるか、または追加的な蒸留塔に流入され、残りの一部は、さらに塔頂領域に還流されることができる。また、分離した高沸点成分は、塔底領域、第3流出口及び再沸器(reboiler)を経由した後、一部は、流出されるか、または追加的な蒸留塔に流入され、残りの一部は、さらに塔底領域に還流されることができる。
前記で第2流出口は、例えば、前記第2流出口またはそれから流出される成分、すなわち目的物であるトリハロシランを含む成分の温度が下記数式1を満足するように設置されていてもよい。
[数式1]
0.0132P−0.624P+12.673P+41.371≦Tm≦0.0132P−0.624P+12.673P+51.371
前記数式1で、Tmは、第2流出口またはその流出口から流出される成分の温度であり、Pは、分離壁型蒸留塔の塔頂領域の運転圧力である 。
前記数式1を満足するように第2流出口を設置することによって、フィード内の各成分の分離が効率的に行われることができる。
一方、前記分離壁型蒸留塔で第1流出口は、例えば、前記第1流出口またはそれから流出される成分の温度が下記数式2を満足するように設置されていてもよい。
[数式2]
0.0139P−0.6467P+12.692P+27.716≦Tt≦0.0139P−0.6467P+12.692P+37.716
前記数式2で、Ttは、第1流出口またはその流出口から流出される成分の温度であり、Pは、分離壁型蒸留塔の塔頂領域の運転圧力である。
前記数式1を満足するように第1流出口を設置することによって、フィード内の各成分の分離が効率的に行われることができる。
また、分離壁型蒸留塔で第3流出口は、例えば、前記第3流出口またはそれから流出される成分の温度が下記数式3を満足するように設置されていてもよい。
[数式3]
0.016P−0.7386P+14.3P+78.759≦Tb≦0.016P−0.7386P+14.3P+88.759
前記数式3で、Tbは、第3流出口またはその流出口から流出される成分の温度であり、Pは、分離壁型蒸留塔の塔頂領域の運転圧力である。
前記数式3を満足するように第3流出口を設置することによって、フィード内の各成分の分離が効率的に行われることができる。
前記数式1〜数式3で、P、Tt、Tb及び/またはTmの具体的な範囲は、工程効率などを考慮して選択することができる。例えば、工程効率などを考慮して前記塔頂領域の運転圧力Pは、運転温度で1.3Kg/sqcmG〜23Kg/sqcmG程度であることができる。また、前記で第1流出口またはそれから流出される成分の温度Ttは、例えば、5.8Kg/sqcmG程度の圧力で72.2℃〜102.2℃または82.2℃〜92.2℃程度であることができ、第2流出口またはそれから流出される成分の温度Tmは、やはり5.8Kg/sqcmG程度の圧力で86.4℃〜116.4℃または96.4℃〜106.4℃程度であることができ、第3流出口またはそれから流出される成分の温度(Tb)は、5.8Kg/sqcmG程度の圧力で129.9℃〜159.9℃または139.9℃〜149.9℃程度であることができる。特に各流出口での温度を前記のように調節すれば、後続工程、例えば、前記分離壁型蒸留塔に連結された第1蒸留塔での蒸留工程の凝縮器や再沸器などで要求されるエネルギーを節減することができる利点がある。前記Tb、Tm及びTtは、それぞれTb>Tm>Tbの関係を満足することができる。また、前記数式1〜3にそれぞれ適用される温度Tb、Tm、Ttは、各流出口またはそれから流出される成分の分離壁型蒸留塔の運転過程での流出圧力下での温度である。前記で流出口から流出される成分の温度は、各流出口で流出される時点での前記成分の温度であるか、または前記成分が流出口で流出された後に凝縮器または再沸器を経由した後の温度を意味することができる。通常、流出口から流出された成分が凝縮器または再沸器を経由した後の温度を意味することができる。
前記精製装置は、前記分離壁型蒸留塔に連結されている第1蒸留塔をさらに含むことができる。例えば、前記第1蒸留塔は、分離壁型蒸留塔の第2流出口から流出された成分が導入され得るように前記分離壁型蒸留塔に連結されていてもよい。これにより、分離壁型蒸留塔で流出されたトリハロシランは、さらに精製され、一層高純度の目的製品を得ることができる。前記第1蒸留塔としては、特別な制限なしに分離効率などを考慮してこの分野で公知されている一般的な蒸留塔を使用することができる。また、前記第1蒸留塔の理論段数、運転温度及び運転圧力などは、特に制限されず、導入されるフィードを考慮して適宜選択することができる。例えば、前記第1蒸留塔としては、通常の蒸留塔であって、理論段数が20段〜100段または30段〜60段程度である蒸留塔を使用することができる。また、蒸留塔の運転圧力及び運転温度は、それぞれ−0.6Kg/sqcmG〜9.0Kg/sqcmG及び37℃〜145℃程度であることができる。特に、分離壁型蒸留塔で流出され、前記第1蒸留塔に導入されるフィード、例えば、前記第2流出口での流出温度を前記記述した範囲に維持すれば、前記第1蒸留塔での蒸留工程で消費するエネルギーを大きく節減することができる。
前記精製装置は、また、前記分離壁型蒸留塔で流出される成分、例えば、高沸点成分を精製するための第2蒸留塔をさらに含むことができる。このような場合に、前記第2蒸留塔は、前記分離壁型蒸留塔の第3流出口から流出される成分が導入され得るように前記分離壁型蒸留塔に連結されていてもよい。場合によっては前記第2蒸留塔で精製された成分のうち高沸点成分、すなわち前記第2蒸留塔の下部で流出された成分は再生され、トリハロシランの製造のための原料として再使用されることができる。前記第2蒸留塔としては、特別な制限なしに分離効率などを考慮してこの分野で公知されている一般的な蒸留塔を使用することができる。また、前記第2蒸留塔の理論段数、運転温度及び運転圧力などは、特に制限されず、導入されるフィードを考慮して適宜選択することができる。例えば、前記第2蒸留塔としては、通常の蒸留塔であって、理論段数が20段〜100段または30段〜60段程度である蒸留塔を使用することができる。また、蒸留塔の運転圧力及び運転温度は、それぞれ0.1Kg/sqcmG〜52.5Kg/sqcmG及び37℃〜223.5℃程度であることができる。特に、分離壁型蒸留塔で流出され、前記第2蒸留塔に導入されるフィード、例えば前記第3流出口での流出温度を前記記述した範囲に維持すれば、前記第2蒸留塔での蒸留工程で消費するエネルギーを大きく節減することができる。
また、前記精製装置は、前記第1蒸留塔の流出物、例えば、前記第1蒸留塔の下部流出物が流入され得るように前記第1蒸留塔に連結された第3蒸留塔をさらに含むことができる。第3蒸留塔によってトリハロシランは、さらに精製され、一層高純度の目的物を得ることができる。
第3蒸留塔としては、特に制限されず、分離効率などを考慮してこの分野で公知されている一般的な蒸留塔を使用することができる。また、第3蒸留塔の理論段数、運転温度及び運転圧力などは、特に制限されず、導入されるフィードを考慮して適宜選択することができる。例えば、前記第3蒸留塔としては、通常の蒸留塔であって、理論段数が5段〜60段または10段〜40段程度である蒸留塔を使用することができる。また、蒸留塔の運転圧力及び運転温度は、それぞれ0.1Kg/sqcmG〜50.5Kg/sqcmG及び37℃〜219.5℃程度であることができる。
第1〜第3蒸留塔としては、通常の蒸留塔が使用されることができる。前記蒸留塔には、通常の凝縮器及び再沸器が含まれることができる。例えば、蒸留塔内でのファウリング(fouling)などの発生を抑制するために自然循環方式の垂直型サーモサイホン(thermosyphon)または強制循環(forced circulation)形態の蒸留塔を適用することができる。
本発明は、また、トリハロシランの精製方法に関する。本発明の例示的な精製方法は、前記記述した精製装置を使用して行うことができる。例えば、前記方法は、トリハロシランを含むフィード(feed)を分離壁型蒸留塔(DWC;Divided Wall Column)に導入し、前記分離壁型蒸留塔で流出されるトリハロシランを含む流出物を前記分離壁型蒸留塔に連結された第1蒸留塔に導入することを含むことができる。
前記過程で分離壁型蒸留塔としては、前記記述したような蒸留塔を使用することができる。また、前記蒸留塔の運転条件は、特に制限されず、例えば、前記記述した数式1〜 数式3のうちいずれか1つ、2個以上またはすべてを満足することができる範囲、またはそれによる具体的な温度ないし圧力を満足することができる範囲に調節されることができる。前記過程で分離壁型蒸留塔に導入されるフィードの流量や温度は、特に制限されず、例えば、前記記述した数式1〜数式3のうちいずれか1つ、2個以上またはすべてを満足することができる範囲、またはそれによる具体的な温度ないし圧力を満足することができる範囲に前記流量や温度を調節することができる。
前記精製方法は、前記分離壁型蒸留塔での流出物、例えば、トリハロシランを含む第2流出口の流出物を前記第1蒸留塔に導入することを含むことができる。前記第1蒸留塔としては、前述したような蒸留塔が使用されることができる。第1蒸留塔では、前述したように、分離壁型蒸留塔で流出されたトリハロシランは、さらに精製され、一層高純度の目的製品を得ることができる。前記第1蒸留塔の運転条件は、特に制限されず、例えば、記述したように、理論段数が20段〜100段または30段〜60段程度である蒸留塔を使用して運転圧力及び運転温度は、それぞれ−0.6Kg/sqcmG〜9.0Kg/sqcmG及び37℃〜145℃程度になるように行うことができる。この過程で前記第1蒸留塔に導入されるフィード、例えば前記第2流出口での流出温度を前記記述した範囲に維持すれば、蒸留工程で消費するエネルギーを大きく節減することができる。
前記精製方法は、また、前記分離壁型蒸留塔で流出される成分、例えば、塔底領域に存在する第3流出口から流出される成分を前記第2蒸留塔に導入する工程をさらに行うことができる。第2蒸留塔としては、前記記述したものような種類の蒸留塔が使用されることができる。
第2蒸留塔の運転条件は、特に制限されず、例えば、理論段数が20段〜100段または30段〜60段程度である通常の蒸留塔を使用して運転圧力及び運転温度は、それぞれ0.1Kg/sqcmG〜52.5Kg/sqcmG及び37℃〜223.5℃程度になるように行うことができる。分離壁型蒸留塔で流出され、前記第2蒸留塔に導入されるフィード、例えば前記第3流出口での流出温度を前記記述した範囲に維持すれば、前記蒸留塔での蒸留工程で消費するエネルギーを大きく節減することができる。
また、前記精製方法は、前記第1蒸留塔の流出物、例えば、前記第1蒸留塔の下部流出物を追加の前記第3蒸留塔に導入する工程をさらに含むことができる。第3蒸留塔によってトリハロシランは、さらに精製され、一層高純度の目的物を得ることができる。
第3蒸留塔としては、前記記述したようなものを使用することができる。第3蒸留塔の運転条件は、特に制限されず、例えば、理論段数が5段〜60段または10段〜40段程度である蒸留塔を使用して、運転圧力及び運転温度がそれぞれ0.1Kg/sqcmG〜50.5Kg/sqcmG及び37℃〜219.5℃程度になるように運転を行うことができる。
本発明によれば、エネルギーの消費を最小化しながらもトリハロシランを含むフィードから目的物を高純度に収得することができる。
例示的な分離壁型蒸留塔を示す図である。 分離壁型蒸留塔の主分離領域の分離壁区間内でのトリクロロシランの濃度プロファイルを示すグラフである。 分離壁型蒸留塔の主分離領域の分離壁区間内でのトリクロロシランの濃度プロファイルを示すグラフである。 実施例1で使用した精製装置を示す図である。 比較例1で使用した精製装置を示す図である。
以下、実施例及び比較例を通じて前記方法を説明するが、前記方法の範囲が下記実施例によって制限されるものではない。
実施例1
図4に示された構造のように、分離壁型蒸留塔31、第1蒸留塔32、第2蒸留塔33及び第3蒸留塔34が連結された精製装置を使用して通常の方式で製造されたものであって、トリクロロシランを含むフィードを精製する工程をシミュレートした。前記シミュレートは、Aspen Plusを使用して行い、そのシミュレートの条件は、下記表1及び表2に記載した。前記工程で分離壁型蒸留塔31としては、内部に全体理論段数の50%の長さを有する分離壁が設置されている蒸留塔31を使用し、前記蒸留塔31に導入されるフィードは、前記蒸留塔31の予備分離領域の上部(塔頂領域側)からその長さの3/10地点に設置された流出口に導入し、トリクロロシランを含む流出物は、前記蒸留塔31の分離壁区間の上部(塔頂領域側)からその長さの7/9地点に設置された第2流出口から流出させた。シミュレート時に、前記蒸留塔31の塔頂圧力は、5.8Kg/sqcmG程度に維持されるようにした。
Figure 2014533199
Figure 2014533199
前記シミュレート結果、各流れ(Stream)(図4でそれぞれA〜Jで表示される)に対して得られた結果を下記表3及び表4に示す。
Figure 2014533199
Figure 2014533199
比較例1
図5に示されたように、通常的な蒸留塔5機が連結された精製装置を使用して実施例1と同一のフィード内でトリクロロシランを精製する過程をシミュレートした。前記シミュレートは、実施例1と同一のAspen Plusを使用して行い、そのシミュレートの条件は、下記表5に記載した。
Figure 2014533199
前記シミュレート結果、各流れ(Stream)(図5でそれぞれA〜Kで表示される)に対して得られた結果を下記表6及び7に示す。
Figure 2014533199
Figure 2014533199
前記結果から明らかなように、比較例1で実施例1の分離壁型蒸留塔の役目をする第1及び第2蒸留塔41、42で所要されたエネルギー(9.458Gcal/hr+0.172Gcal/hr)に比べて実施例1の分離壁型蒸留塔で所要されたエネルギー(2.300Gcal/hr)は、大きく節減され、具体的には、7.330Gcal/hrのエネルギーが節減され、約76%のエネルギー節減効率を確認した。また、全体的な工程(実施例1の分離壁型蒸留塔及び第1〜第3蒸留塔で行われる工程に比べて比較例1の第1〜第5蒸留塔で所要される工程)を比較しても、実施例1の場合が比較例1に比べて約7.36Gcal/hrのエネルギーが節減され、約59%のエネルギー節減率を示すことを確認することができる。
100、31 分離壁型蒸留塔
101 分離壁
102 凝縮器
103 再沸器
104 塔頂領域
105 塔底領域
106 予備分離領域
107 主分離領域
F フィード
EU、EM、ED 流出物
DW 分離壁区間、予備または主分離領域またはその長さ
32〜34 実施例1の第1〜第3蒸留塔
41〜45 比較例1の第1〜第5蒸留塔
A〜K 実施例1または比較例1での各ストリーム(stream)

Claims (18)

  1. 内部に全体理論段数の30%以上の長さの分離壁が設置されており、塔頂領域、予備分離領域、主分離領域及び塔底領域を含み、前記予備分離領域にトリハロシランを含むフィードを導入することができるように設置された流入口、第1流出口、第2流出口及び第3流出口を含む分離壁型蒸留塔と、前記分離壁型蒸留塔に連結されている第1蒸留塔とを含むトリハロシランの精製装置。
  2. 前記分離壁の長さは、前記分離壁型蒸留塔の全体理論段数の40%以上である、請求項1に記載のトリハロシランの精製装置。
  3. 前記塔頂領域または前記塔底領域のオープン長さは、800mm〜3,500mmである、請求項1または2に記載のトリハロシランの精製装置。
  4. 前記流入口は、前記予備分離領域の1/10〜9/10区間に設置されている、請求項1から3の何れか1項に記載のトリハロシランの精製装置。
  5. 前記第2流出口は、前記分離壁型蒸留塔の主分離領域の分離壁区間の1/9〜8/9区間に形成されている、請求項1から4の何れか1項に記載のトリハロシランの精製装置。
  6. 前記第1蒸留塔は、前記第2流出口から流出される成分が導入され得るように前記分離壁型蒸留塔に連結されている、請求項5に記載のトリハロシランの精製装置。
  7. 前記第3流出口は、前記塔底領域の成分が流出され得るように前記分離壁型蒸留塔に設置されており、前記第3流出口から流出される成分が導入され得るように前記分離壁型蒸留塔に連結されている第2蒸留塔をさらに含む、請求項1から6の何れか1項に記載のトリハロシランの精製装置。
  8. 前記第1蒸留塔の下部で流出される成分が導入され得るように設置された第3蒸留塔をさらに含む、請求項1から7の何れか1項に記載のトリハロシランの精製装置。
  9. 内部に全体理論段数の30%以上の長さの分離壁が設置されており、塔頂領域、予備分離領域、主分離領域及び塔底領域を含み、前記予備分離領域にトリハロシランを含むフィードを導入することができるように設置された流入口、第1流出口、第2流出口及び第3流出口を含む分離壁型蒸留塔にトリハロシランを含むフィードを導入し、前記分離壁型蒸留塔の流出物を第1蒸留塔に導入することを含むトリハロシランの精製方法。
  10. 前記フィードを前記予備分離領域の1/10〜9/10区間に設置されている前記流入口に導入する、請求項9に記載のトリハロシランの精製方法。
  11. 前記第2流出口は、前記分離壁型蒸留塔の前記主分離領域の分離壁区間の1/9〜8/9区間に形成されており、前記第2流出口から流出される成分を前記第1蒸留塔に導入する、請求項9または10に記載のトリハロシランの精製方法。
  12. 前記第2流出口またはそれから流出される流出物の温度を5.8Kg/sqcmGの圧力で86.4℃〜116.4℃に維持する、請求項11に記載のトリハロシランの精製方法。
  13. 前記第1蒸留塔の運転圧力及び運転温度をそれぞれ−0.6Kg/sqcmG〜9.0Kg/sqcmG及び37℃〜145℃に維持する、請求項9から12の何れか1項に記載のトリハロシランの精製方法。
  14. 前記第3流出口は、前記塔底領域の成分が流出され得るように前記分離壁型蒸留塔に設置されており、前記第3流出口から流出される成分を第2蒸留塔に導入することをさらに含む、請求項9から13の何れか1項に記載のトリハロシランの精製方法。
  15. 前記第3流出口またはそれから流出される流出物の温度を5.8Kg/sqcmGの圧力で129.9℃〜159.9℃に維持する、請求項14に記載のトリハロシランの精製方法。
  16. 前記第2蒸留塔の運転圧力及び運転温度をそれぞれ0.1Kg/sqcmG〜52.5Kg/sqcmG及び37℃〜223.5℃に維持する、請求項14または15に記載のトリハロシランの精製方法。
  17. 前記第1蒸留塔の下部流出物を第3蒸留塔に導入することをさらに含む、請求項9から16の何れか1項に記載のトリハロシランの精製方法。
  18. 前記第3蒸留塔の運転圧力及び運転温度をそれぞれ0.1Kg/sqcmG〜50.5Kg/sqcmG及び37℃〜219.5℃に維持する、請求項17に記載のトリハロシランの精製方法。
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