JP2014531193A - 制御された内部環境を有するタバコ包装 - Google Patents

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Abstract

本発明は、タバコ製品を含有する密封包装または再密封可能包装を含む包装システムであって、密封包装内または再密封可能包装内の内部環境を既定のガス組成を維持するために能動的に制御する包装システムに関する。酸素レベルを大気レベルよりも低く維持することが、酸化過程によりタバコ製品に生じる望ましくない変化を減速する。密封包装または再密封可能包装により、タバコ製品の水分含量と風味との望ましくない低下を防ぎ、且つ、密封包装または再密封可能包装の酸素濃度をゼロよりも大きく維持することで、無酸素環境で生じるタバコ製品の官能品質の急速な劣化を防止して、タバコ製品の貯蔵寿命を延ばす。

Description

本発明は、タバコ製品またはタバコ材料を含む包装であって、タバコ製品の劣化を防ぐ制御された内部環境を有する包装に関する。
スヌース(snus)は、熱処理された湿潤粉末状のタバコ製品であり、通常は、上唇の下に長時間置いて消費される。
さまざまな種類のスヌースが、市販されている。
ルーススヌース(loose snus)は、口に入れる前に分配および成形できる湿潤粉末である。
ポーションスヌース(portion snus)は、多孔質な不織布材料の小袋に予め包装されている。
スヌース製品の鮮度は、「新たに製造された製品の特性を有する」ことであると考えることができ、7つの主要な要因で決まる。すなわち、風味の特徴(味と香気)、風味の強さ、または濃度、風味のバランス(微細な特徴)、pHレベル、水分レベル、ニコチンレベル、および外観の7つである。
スヌース等のタバコ製品やタバコ材料は、酸素を吸収し、二酸化炭素を放出する。
このようなガス交換のメカニズムは、完全には解明されていないが、タバコで自然に発生する不飽和脂肪酸の酸化等の化学反応が含まれると考えられる。
世界中で採用されているスヌースの包装形式は、薄いドラム型に成型された蓋付き容器であり、ポリプロピレン等の合成樹脂でできていることが多い。
その他の包装形式としては、金属または蝋引き厚紙を使用したものや、金属製の蓋と厚紙製の缶とを組み合わせたものなどがある。
これらの容器の大部分は、ガスを容易に通し、包装の内部環境と外部環境との間でガス交換を無制約に許容する。
外部環境との無制約なガス交換を許容する低障壁な包装により、水分含量、風味、およびpHが損失および劣化し、製品の知覚品質が低下して、包装されたスヌース製品の貯蔵寿命が制限される。
図1に、現在の包装システムに基づいて包装されたスヌース製品で生じる理論的変化を示す。
スヌース製品の貯蔵寿命にわたる品質要因および風味成分の変化がさまざまな研究で調べられており、水分、水分活性、pH、ニコチン、および風味揮発物が貯蔵寿命を通じて大幅に減少することがわかっている。
スヌース製品の官能評価では、好ましくない「逸脱香気(off aroma)」が徐々に生成されることが示されている。その原因となる成分は、酸化過程により生じ得る。
ガスの移動は、気密包装を使用して、スヌース製品を密封環境に閉じ込めることで防ぐことができる。
この方法では、揮発減量を防ぐため、スヌース製品の所望の水分および風味を維持できるが、問題もある。密封された製品がすべての酸素を消費して内部梱包環境が無酸素になると、スヌース製品の官能品質が急速に低下するからである。
詳細には、酸素が存在しない場合、スヌース製品は、悪臭を生成する(「無酸素逸脱(zero−oxygen off)」と呼ぶ)。
さらに、スヌース製品によって生成されて密封包装内に閉じ込められた二酸化炭素のレベルが、通常の大気濃度を超えて大幅に上昇すると、梱包内のガスのバランスが崩れる。
体積が固定された密封梱包内で、ガスがそのように放出されると、包装の材料および封印に物理的な応力がかかり、梱包の完全性が損なわれたり、場合によっては、破裂したりする可能性がある。
図2は、絶対障壁型の調整雰囲気包装(Modified Atmosphere Packaging:MAP)内の(酸素が制限された)スヌースに起こる理論的な変化を示している。
これらの問題を克服するために、スヌースは、酸素含有量を高めた密封包装に包装されてきた。
特許文献1および特許文献2に記載されているように、スヌース等の無煙タバコは、酸素および/または水分を事実上通さない外装材料で密封できる。これらの外装材料は、真空で密封するか、または内部の雰囲気を包装時に固定し、それ以降は能動的に制御しないように密封することができる。
代替として、包装内の制御されたガス環境が、約25%〜80%の量の酸素を含んでいてもよい。
ただし、酸素の量を「高める」のは、最適な解決策ではない。酸素レベルが高くなると、望ましくない酸化過程が加速し、また、利用可能な酸素の量が増えることで、スヌース等のタバコ製品が酸素を消費し、二酸化炭素を放出する速度が増加するからである。
このような酸素の消費と二酸化炭素の放出とにより、包装内の酸素が枯渇し、酸化的劣化と、酸素の使用に関連する必然的な官能変化とが、より速く発生する。
さらに、高い酸素レベルは、タバコ製品のpHを下げる可能性がある。
図3は、酸素含有量を高めた絶対障壁包装内のスヌースの理論的変化を示している。
そのため、包装されたスヌース製品の劣化を防ぎ、貯蔵寿命を延ばすために、内部ガス環境を制御できる改善されたスヌース用包装が求められている。
図4は、スヌース製品の風味、水分含有量、およびpHが長期にわたり一定に維持され、それによってスヌース製品の知覚品質および鮮度が向上し、貯蔵寿命が延びる理想的な状態を示している。
欧州特許第2048976号 米国特許出願公開第20080029116号 英国特許第2450860号
本発明の第1態様は、タバコ製品を包含する密封包装または再密封可能包装を含む包装システムであって、前記密封包装内または再密封可能包装内の内部環境を既定のガス組成を維持するために能動的に制御する包装システムを提供する。
その密封包装内または再密封可能包装内の酸素レベルは、酸化過程による製品の望ましくない変化を遅らせるために、ゼロパーセントよりも高く、且つ、大気中の酸素レベルよりも低いことが好ましい。
密封包装または再密封可能包装により、タバコ製品の水分含量および風味の望ましくない損失を防ぐ。同時に、密封包装内または再密封可能包装内の酸素濃度をゼロよりも高く維持することで、無酸素環境におけるタバコ製品の官能品質の急速な劣化を防ぎ、それによってタバコ製品の貯蔵寿命を延ばす。
本発明の第2態様は、酸素および水蒸気を通す材料または材料の組み合わせから制作された密封包装材に包含された、過炭酸ナトリウムを含み乾燥剤を含まない酸素放出挿入物を、本発明の第1態様の包装システムで使用することに関する。
現在の包装システムに基づいて包装されたスヌースで発生する理論的変化を示す。 絶対障壁包装で包装されたスヌースで発生する理論的変化を表す。 内部の酸素含有量を高めた絶対障壁包装のスヌースで発生する理論的変化を表す。 スヌース製品の風味、水分含量、およびpHが長期にわたって一定レベルに保たれる理想的な状態を表す。 検査サンプルおよび対照サンプルの水分含量の長期的な変化の結果を示す。 検査サンプルおよび対照サンプルのpHの長期的な変化の結果を示す。 検査サンプルおよび対照サンプルの風味の長期的な変化の結果を示す。これらの結果は、(A)リモネン、(B)リナロール、(C)酢酸リナリル、および(D)シトロネロールのレベルの測定値により判断した。 検査サンプルおよび対照サンプルの風味の長期的な変化の結果を示す。これらの結果は、(A)リモネン、(B)リナロール、(C)酢酸リナリル、および(D)シトロネロールのレベルの測定値により判断した。 検査サンプルおよび対照サンプルの風味の長期的な変化の結果を示す。これらの結果は、(A)リモネン、(B)リナロール、(C)酢酸リナリル、および(D)シトロネロールのレベルの測定値により判断した。 検査サンプルおよび対照サンプルの風味の長期的な変化の結果を示す。これらの結果は、(A)リモネン、(B)リナロール、(C)酢酸リナリル、および(D)シトロネロールのレベルの測定値により判断した。 検査サンプルおよび対照サンプルの包装内の酸素組成の長期的な変化の結果を示す。 検査サンプルおよび対照サンプルの包装内の二酸化炭素組成の長期的な変化の結果を示す。 酸素放出挿入物の各検査サンプルの酸素分析を示す。
本発明は、安定した既定のガス組成が既定の範囲内に保たれる能動制御型の内部環境を作成および維持するように設計された、タバコ製品またはタバコ材料を包含する密封包装または再密封可能包装を含む包装システムを提供する。
密封包装と無酸素包装雰囲気の防止とを組み合わせることで、タバコ製品の水分、風味、およびその他の官能特性が劣化するのを防ぐ。
この包装システムにより、より新鮮な状態を、より長く保つタバコ製品が得られ、それによってタバコ製品の品質を維持し、貯蔵寿命を延ばすことができる。
タバコ製品またはタバコ材料は、未加工のタバコ、加工済みのタバコ、シガレット、シガー、スヌース、アメリカ嗅ぎタバコ、タバコベースの成形済み経口製品、嗅ぎタバコ、パイプタバコ、「手巻き」(Roll Your Own:RYO)タバコ、「手製」(Make Your Own:MYO)タバコのいずれであってもよい。
好ましい実施態様では、タバコ製品は、スヌースである。
ここで使用する用語「スヌース」は、上唇の下に置いて消費する湿潤粉末状のタバコ製品を意味する。
用語「密封包装」は、密閉式の閉鎖部を含むガス不透過性容器を意味する。
用語「再密封可能包装」は、開封または封印の後に再び密封することができるガス不透過性容器を意味する。
密封包装と再密封可能包装は、タバコ製品の水分含量と風味とを長期にわたって維持できる絶対障壁を提供する。
密封包装または再密封可能包装は、最終消費者に販売されるタバコの小売包装や、未加工または加工済みのタバコ製品および/またはタバコ材料をまとめて搬送する輸送用容器などである。
本発明の包装システムによると、包装内の酸素レベルがゼロよりも大きく、且つ21%(大気中酸素)未満に能動的に維持される。
上述したように、密封包装または再密封可能包装内の酸素レベルがゼロになるのはきわめて望ましくない。一方で、酸素レベルがゼロより大幅に上昇しても、タバコ製品が損傷する。酸素の含有率と共に、酸化の速度と、それに伴うタバコ製品への酸化的損傷とが、増加するからである。
大気中酸素よりも低い酸素レベルを維持することで、望ましくない酸化過程を遅らせることができ、また酸素レベルを0%よりも高く維持することで、悪臭の放出等の望ましくない官能効果を防ぐことができる。
したがって、密封包装内または再密封可能包装内の酸素レベルをできるだけゼロに近い値に能動的に維持するのが好ましい。
酸素レベルは、0%から5%までの範囲内に維持するのが好ましく、0%から2%までの範囲内に維持するのがより好ましく、0.1%に維持するのが最も好ましい。
本発明によると、包装システムは、酸素レベルを上述した範囲内に能動的に維持するために、密封包装内または再密封可能包装内の内部環境に酸素を制御された速度で放出する手段をさらに含む。
ここでは、この手段を「能動制御要素(active controlling elements)」と呼ぶ。
この能動制御要素は、密封包装または再密封可能包装の酸素レベルを0%よりも高く、且つ好ましくは0%に近い値に維持するために、タバコ製品が酸素を消費する速度と同等またはわずかに速い速度で、酸素を放出する。
この能動制御要素が酸素を放出する速度により、タバコ製品が酸素を消費する速度が相殺される。
タバコ製品による消費速度および能動制御要素による放出速度は、密封包装または再密封可能包装内のタバコ製品の質量および水分含量と、保存温度とに主に依存する。
また、依存度は低いが、酸素の消費は、タバコの種類、存在する添加物、およびタバコ製品またはタバコ材料の加工にも依存する。
能動制御要素が梱包内の内部環境に酸素を供給する速度は、0.1〜500μl/g/day(1日1グラム当たりマイクロリットル)であると好ましく、1〜250μl/g/dayであるとより好ましく、2〜105μl/g/dayであると最も好ましい。
梱包内の内部環境への酸素の提供は、酸素欠乏を防ぐために継続的に行われ、且つ酸化的劣化とそれによる製品のpHおよび官能属性への悪影響とを遅らせるために低速で行われる。
さらに、能動制御要素は、密封包装または再密封可能包装の内部容積を能動的に維持するために、タバコ製品またはタバコ材料によって生成された二酸化炭素を密封包装または再密封可能包装内の内部環境から吸収してもよい。
放出された二酸化炭素を能動制御要素が吸収する速度は、0.1〜50μl/g/dayであると好ましく、2〜15μl/g/dayであると更に好ましい。
さまざまな温度および水分含量(%)における能動制御要素の酸素放出速度と二酸化炭素吸収速度とを、スヌースを例にして表1および表2に示す。ただし、ガス交換の速度は、他のさまざまなタバコ単一等級、成分、および完成品でも測定されている。
スヌース製品の水分含量が約50%w/wの場合の、さまざまな保存温度(5℃、25℃、35℃)における能動制御要素の酸素放出および二酸化炭素吸収の好ましい速度を表1に示す。
スヌース製品の水分含量が約25%w/wの場合の、さまざまな保存温度(5℃、25℃、35℃)における能動制御要素の酸素放出および二酸化炭素吸収の好ましい速度を表2に示す。
RYOタバコの場合の25℃および水分20〜25%における能動制御要素の酸素放出および二酸化炭素吸収の速度を表3に示す。
スヌースについての上記データに加えて、25℃までの環境温度で、単一等級のタバコ(葉と茎)は0.18〜2.28μl/O/g/day(1日1グラム当たり酸素マイクロリットル)を必要とし、0.00〜1.06μl/CO/g/day(1日1グラム当たり二酸化炭素マイクロリットル)を生成することがわかった。
有煙タバコ製品のブレンド成分(切断ロール膨張茎(Cut Rolled Extended Stem:CRES)、タバコシート、ドライアイス膨張タバコ(Dry Ice Expanded Tobacco:DIET)等)は、0.19〜1.16μl/O/g/dayを必要とし、0.01〜0.77μl/CO/g/dayを生成する。
製造されたタバコ製品は、0.84〜9.78μl/O/g/dayを必要とし、0.29〜6.55μl/CO/g/dayを生成する。
能動制御要素は、酸素を放出できるすべての手段を含み得る。
この酸素を放出できる適切な手段は、半透過性の膜を有する小袋に包含され密封包装内または再密封可能包装内に配置される化学成分(「活性挿入物」または「酸素放出挿入物」と呼ぶ)、多層のマルチラミネートホイルパック内に包含され微細穿孔により密封包装または再密封可能包装の内部につながる化学成分、密封包装または再密封可能包装の独立部分に保持され導管を通じて密封包装または再密封可能包装の内部につながる化学成分、2つの構成要素からなる密封包装または再密封可能包装の内側部分と外側部分との間に保持される化学成分、密封包装または再密封可能包装の内面に付着したラベル内に保持される化学成分、または合成樹脂製包装の構造内に含まれて密封包装または再密封可能包装の固体壁の内部にある導管によって密封包装または再密封可能包装の内部につながる化学成分の形態をとり得る。
能動制御手段は、活性挿入物の形態であるのが好ましい。
食品包装およびタバコ包装に含めるのに適した、酸素を生成し且つ任意で二酸化炭素を吸収する挿入物は、特許文献3に記載されており、EMCO Packaging SystemsからOxyFreshTM(登録商標)のブランド名で市販されている
本発明で求められる密封タバコ包装内または再密封可能タバコ包装内の内部ガス環境を実現するのに適した挿入物は、ガスおよび水蒸気を通す材料または材料の組み合わせ(複合材料)でできた包装材を含むことが好ましい。
この包装材は、透過性の膜、または不透過性の膜と透過性の膜との組み合わせを含み得る。
挿入物の包装材の設計により、適切な量の水分を取り込み(挿入物内の酸素放出化合物の分解を促進するために必要)、密封タバコ包装または再密封可能タバコ包装の内部環境に酸素を放出し、任意で密封タバコ包装または再密封可能タバコ包装の内部環境から二酸化酸素を吸収することが可能になる。
包装材は、水分の利用可能性を制限し、それによって酸素放出速度を下げることで、酸化体の安定性を制御する。
包装材の具体的特性は、包装された製品の性質にある程度左右される。
ただし、包装材は、水分を適切に遮断して酸化体を水から保護し、且つ酸素を比較的緩めに遮断して密封タバコ包装または再密封可能タバコ包装の上部空間への酸素の移転を許容する必要がある。
包装材は、全体として酸素透過率が高く、且つ水蒸気透過率が低い材料でできているのが好ましい。
これは、単一の材料、または2つ以上の異なる材料の複合材を使用して実現することができる。
ここで、高い酸素透過率(OTR)とは、1atmの大気圧でASTM D3985標準に従って測定した場合に、100cm/m/24hr(24時間1平方メートル当たり立方メートル)以上と定義される。
低い水蒸気透過率(WVTR)とは、ここでは、1atmの大気圧でASTM F1249標準に従って測定した場合に、5.0g/m/24hr(24時間1平方メートル当たりグラム)以下と定義される。
酸素および水蒸気の完全な障壁として機能する材料の例として、ポリエチレンテフタレート/アルミニウム/ポリエチレン(PET/alu/PE)トリラミネートホイル等のホイルがある。
全体的に高い酸素透過率と低い水蒸気透過率とを許容する材料の例として、通気性フィルム、配向ポリプロピレン/ポリエチレン(OPP/PE)バイラミネートプラスチック、ナイロン11、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリスチレン(PS)、ポリプロピレン(PP)、ポリカーボネート(PC)、低密度ポリエチレン(LDPE)、およびエチレン酢酸ビニール(EVA)がある。
ホイルと、より透過性の高い材料とを組み合わせて使用することで、本用途に適した特性バランスを実現できる。
好ましい包装材は、ホイルとOPP/PEバイラミネートプラスチックとの複合材料である。
本発明で求められる密封タバコ包装内または再密封可能タバコ包装内の内部ガス環境を実現するのに適した好ましい酸素放出挿入物は、酸素放出剤として炭酸ナトリウム過酸化水素水(過炭酸ナトリウムとも呼ばれる)を含む。
さらに、活性挿入物は、ベントナイト粘土やゼオライト等の乾燥剤を含み得る。これらの乾燥剤は、空気中から水蒸気の形態の水を大量に吸収する能力を持つ。
ただし、本発明の発明者は、乾燥剤の働きが酸素放出挿入物にとって逆効果であり、最良に機能する挿入物は乾燥剤を含まない、という驚くべき発見をした。
これは、先行技術の教示に反するものであり、実験によって示すことが可能である。
乾燥剤は、水だけを閉じ込めるわけではないと考えられる。乾燥剤は、炭酸ナトリウム過酸化水素付加物(過炭酸ナトリウム)からの過酸化水素の分離を促進し得る。
解放された過酸化水素は、すぐに水と酸素に分解する。
したがって、乾燥剤が存在すると、包装内の酸素レベルが所望のレベルを超えて上昇する。
そのため、本発明の包装システムに含まれる挿入物は、いかなる乾燥剤も含まないのが好ましい。
過炭酸ナトリウムが酸素放出剤の唯一の成分であるのが好ましい。
したがって、本発明のさらなる実施形態は、過炭酸ナトリウムを含み乾燥剤を含まない酸素放出挿入物を本発明の包装システムで使用することに関する。
過炭酸ナトリウムの酸素放出剤は、上述した酸素透過性および水蒸気透過性を有する密封包装材内に包含されているのが好ましい。
以下の実施例により、本発明をさらに詳しく説明する。
サンプルのLD RedTM(登録商標)スヌースは、在庫品から入手し、標準的な包装量を、酸素生成挿入物を含む絶対障壁包装に入れた。
「比較例(control)」として使用した第2サンプルは、側面ラベルが付いた製造業者の標準的なツーピースポリプロピレン缶に入れた。
ガス組成を分析するための「ガス比較例(gas control)」として使用した第3サンプルは、酸素生成挿入物を含まない絶対障壁包装に入れた。
すべてのサンプルは、大気条件で保存し、水分、pH、風味、ガス含有量、官能分析など、鮮度に関する主要値を計32週間にわたって不定期間隔で測定した。
「ガス比較例」は、官能分析で追加的に使用した。
水分含量およびpHの結果を、図5および図6にそれぞれ示す。
リモネン、リナロール、酢酸リナリル、およびシトロネロールのレベルを測定することにより判断される風味の結果を、図7A乃至7Dにそれぞれ示す。
ガス組成の結果を、図8(包装の酸素組成)および図9(包装の二酸化炭素組成)に示す。
第0週および第32週の官能比較実験の結果を、表4aおよび表4bにそれぞれまとめる。
それぞれの表で、下線が付いた数字または単語は、比較研究で各要素により実現された結果を示す。
研究の全体的な結果を、以下の表5にまとめる。
表5に示すように、能動的に支援された酸素包装サンプルは、対照サンプルよりも多くの水分と風味とを維持し、また、ガス比較例サンプルと異なり、包装内に酸素を継続的に保持した。これにより、酸素の欠乏によってきわめて不利な(無酸素「逸脱」)官能プロファイルが形成されるのを防ぐことができた。
さらに、能動的に支援された酸素包装サンプルのほうが、比較例サンプルよりもpHおよび官能分析の安定性が優れていた。これは、比較例サンプルに比べて、包装内部で酸素を利用できるようになるのが遅いか、または、利用できる酸素の量が少ないため、酸化による変化の速度が抑えられたからである。
したがって、能動的に支援された酸素包装システムは、スヌースの貯蔵寿命を大幅に延ばすと結論付けることができる。
検査用の挿入物を、以下の表6に示すように用意した。
挿入物は、3つの異なる包装材材料の2つの組み合わせに基づいている。
ホイル材料は、絶対障壁として機能するPET/alu/PEトリラミネートである。
OPP/PEバイラミネートは、OTRが834cm/m/24h(ASTM D3985標準に基づいて測定)であり、WVTRが3.5g/m/24h(ASTM F1249標準に基づいて測定)である。
OTRとWVTRは、大気圧で測定される。
また、通気性フィルムも、ガス障壁性が低く水分障壁性が高い材料である。
ホイルと、より透過性の高い材料とを組み合わせて使用することで、本用途に適した特性バランスを実現することができる。
乾燥剤としてシリカゲルを選び、カラーインジケータ(赤は材料が活性であることを示し、黄色は材料が非活性であることを示す)付き粒径1〜3mmの形式で購入した。
これらの構成要素を混合して包装材材料に入れ、溶封した。
サンプルの準備および分析
金属化トリラミネート材料を使用して、約15cmラ20cmのバッグを作成した。
工場で製造されたLD Red(登録商標)スヌースを各ホイルバッグに24袋入れ、さらにいずれかの種類の酸素放出挿入物を1つ入れた。
バリエーションごとに複数のサンプルを作成し、バッグを溶封して気密の閉包を作成した。
対照として使用するために、一群のサンプル(サンプル4)には挿入物を含めなかった。
すべてのサンプルは、22℃で保存した。
PBI Dansensor(登録商標)ガス分析器を使用して、サンプルのガス組成を定期的に検査した。
結果と説明
酸素の分析を、図10に示す。
符号については、表6を参照されたい。
検査サンプル3および4は、約7週間後に酸素が0%になった。
しかし、過炭酸ナトリウムを酸素放出剤として含み、乾燥剤を含まない検査サンプル1および2は、検査期間(約90日間)を通じて、酸素レベルを目標範囲の0〜20%に維持した。
乾燥剤が存在する場合と、乾燥剤が存在しない場合とで、酸素放出の速度に明らかな違いがある。
最良の結果が出た挿入物は、乾燥剤を含んでいなかった。

Claims (17)

  1. タバコ製品を含有する密封包装または再密封可能包装を含む包装システムであって、前記密封包装内または再密封可能包装内の内部環境が、既定のガス組成を維持するために能動的に制御されていることを特徴とする包装システム。
  2. 前記密封包装内または再密封可能包装内における内部環境の酸素レベルが、0%超から21%までの範囲中に維持されていることを特徴とする請求項1記載の包装システム。
  3. 前記酸素レベルが、0%から5%までの範囲中に維持されていることを特徴とする請求項2記載の包装システム。
  4. 前記酸素レベルが、0%から2%までの範囲中に維持されていることを特徴とする請求項3記載の包装システム。
  5. 前記酸素レベルが、0.1%に維持されていることを特徴とする請求項3記載の包装システム。
  6. 前記密封包装内または再密封可能包装内の内部環境に酸素を制御速度で放出する手段を、さらに含んでいることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の包装システム。
  7. 前記酸素を放出する手段が、活性挿入物であることを特徴とする請求項6記載の包装システム。
  8. 前記活性挿入物が、ガス透過性と水蒸気透過性とを有する複合材料でできた密封包装材に包含された過炭酸ナトリウムを含んでいることを特徴とする請求項7記載の包装システム。
  9. 前記活性挿入物が、乾燥剤を含まないことを特徴とする請求項8記載の包装システム。
  10. 前記活性挿入物が、前記密封包装材内に包含された過炭酸ナトリウムからなることを特徴とする請求項8または請求項9記載の包装システム。
  11. 前記酸素を放出する手段の酸素放出速度が、前記タバコ製品の保存温度および/または必要水分含量に応じて異なっていることを特徴とする請求項6乃至請求項10のいずれかに記載の包装システム。
  12. 前記酸素を放出する手段が、酸素を0.1〜500μl/g/dayの速度で放出することを特徴とする請求項6乃至請求項11のいずれかに記載の包装システム。
  13. 前記酸素を放出する手段が、さらに、放出された二酸化炭素を制御速度で吸収することを特徴とする請求項6乃至請求項12のいずれかに記載の包装システム。
  14. 前記酸素を放出する手段の二酸化炭素吸収速度が、前記タバコ製品の保存温度および/または必要水分含量に応じて異なっていることを特徴とする請求項13記載の包装システム。
  15. 前記酸素を放出する手段が、二酸化炭素を0.1〜50μl/g/dayの速度で吸収することを特徴とする請求項13または請求項14記載の包装システム。
  16. 前記タバコ製品が、スヌースであることを特徴とする請求項1乃至請求項15のいずれかに記載の包装システム。
  17. 過炭酸ナトリウムを含み乾燥剤を含まない酸素放出挿入物を、請求項1乃至請求項16のいずれかに記載の包装システムで使用することを特徴とする方法。
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