JP2014530708A - 患者の呼吸器系に接続されるための患者インターフェース装置及び関連する方法 - Google Patents

患者の呼吸器系に接続されるための患者インターフェース装置及び関連する方法 Download PDF

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Abstract

患者にガスを供給するための患者インターフェース装置であって、患者インターフェースをユーザに固定するための固定手段を有し、固定手段が使用中にユーザの鼻と係合するのに適した要素から成り、固定手段がほぼ鼻の幅方向に鼻に圧力を加えることによって鼻に固定されるのに適している、患者インターフェース装置、及び関連する方法が記載される。

Description

本発明は患者の気道にガスのフローを供給するために患者の呼吸器系に接続されるための患者インターフェース装置及び関連する方法に関する。
患者の気道に非侵襲的に、すなわち患者に挿管する若しくは食道に気管チューブを外科的に挿入することなく、呼吸ガスのフローを供給することが必要である若しくは望ましい、多くの状況がある。例えば、非侵襲的換気として知られる技術を用いて患者に酸素を供給することが知られている。持続的気道陽圧(CPAP)又は、患者の呼吸サイクルによって変化する二相性圧若しくは観察される患者の容体によって変化する自動調節圧などの可変気道圧を患者/ユーザの気道に供給することも知られている。典型的な圧補助治療は、睡眠時無呼吸症候群、特に閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)若しくは鬱血性心不全などの医学的障害及び/又は、チェーンストークス呼吸、鬱血性心不全、及び脳卒中などの他の医学的及び呼吸器疾患を治療するために提供される。
非侵襲的換気及び圧補助治療は、呼吸ガスのフローが圧力/フロー発生患者インターフェース装置から患者の気道に供給され得るように人工呼吸器若しくは圧補助システムを患者の気道とインターフェースするために、典型的には鼻若しくは鼻/口マスクである患者インターフェース装置の、患者の顔への留置を伴う。各々反対端がマスクの両側と上端に設けられる接続素子に通される、上下ストラップを持つヘッドギアによってこうしたマスクを患者の顔に維持することが知られている。
こうしたマスクは典型的には長期間装着されるので、様々な懸念が考慮されなければならない。例えば、OSAを治療する圧補助治療を提供する際、患者は通常寝ている間一晩中患者インターフェース装置を装着する。患者インターフェース開発は一般に二つの相反する目的の両立を伴っている:a)所要気道陽圧を促進するために気密シールを作り出すためのユーザの顔への確実な取り付けと密封、及びb)患者コンプライアンス、すなわち医学的治療の使用を最大化するためのユーザへの快適性。気密シールは患者の顔に対してマスクをしっかりと下にきつく締めることによって得られる。しかしながら、この解決法はしばしば、患者に対してしっかりとした密封を確実にするために必要な比較的高いストラップ力のためにユーザに不快感をもたらし、不十分な患者コンプライアンスをもたらす。代替的に、マスクは快適性を増すために患者の顔に緩く取り付けられ得る。しかしながらこれが緩過ぎる場合マスクの有効性は損なわれ得る。
EP0658356において、患者の鼻孔に挿入されるカニューレチップを各々が持つ一対の鼻部材を持つ鼻気道陽圧患者インターフェース装置が提供される。鼻部材は、ユーザの鼻付近に鼻部材を保持するのに役立つ例えばヘッドバンド、フォームパッド及びヘッドバンドからのびる調節可能支持ストラップを用いて適所に保たれる。この解決法は患者にほとんど快適性を与えず、非常につまらない、使用にあたり労働集約的なものである。
従来技術の欠点を克服する、患者の気道にガスのフローを供給するために患者の呼吸器系に接続されるための患者インターフェース装置を提供することが本発明の目的である。
上記目的は本発明にかかる方法及び患者インターフェースによって達成される。
本発明の特定の及び好適な態様は添付の独立及び従属請求項に記載される。従属請求項からの特徴は独立請求項の特徴と、及び他の従属請求項の特徴と必要に応じて及び単に請求項に明記される通りだけでなく組み合わされ得る。
本発明の第1の態様によれば、患者にガスを供給するための患者インターフェース装置が開示され、患者インターフェースは患者インターフェースをユーザに取り付けるための固定手段若しくは装置を有し、固定手段若しくは装置は使用中にユーザの鼻と係合するのに適した要素から成る。
患者インターフェース装置は患者にガスを供給するための任意の装置であり得る。これは例えば呼吸マスクを有し得る。これは以下にさらに説明する通りアダプタ手段若しくは装置を有し得る。典型的に患者インターフェースは例えば各ガスを輸送するのに適したチューブとして一つ以上のガス供給手段若しくは装置を有する。ガスは例えば空気であり得るか、又は例えば薬剤若しくは麻酔薬と混合した空気であり得る。ガスは例えば室温で供給され得るが、患者にとって適切であり得る他の温度も可能である。一つ以上のチューブは好適には周囲圧(例えば大気圧)よりも高い若しくは低い圧力が当該チューブの内部に供給されるときにこれらが実質的に変形しないように硬質である。チューブは例えばCPAP治療を実行するのに適し得る。
固定手段が、多くの従来技術の患者インターフェースがし得るほど、若しくは全く患者を妨げないことが本発明の実施形態の利点である。患者が睡眠時にインターフェースを装着することができることはさらなる利点である。
患者インターフェース装置を患者に取り付けるために必ずしも目障りなヘッドストラップが必要ないことがさらなる利点である。
有利な実施形態によれば、固定手段は患者の鼻のみと係合するのに適している。
これは例えば鼻の側壁の外面と、鼻の内面(例えば鼻の側壁の内面、若しくは例えば鼻の二つの鼻孔間の"分離帯"、鼻中隔によって規定される内面)と、鼻柱と、又は他の鼻部材、又はこれらの任意の組み合わせと係合し得る。
これは例えば鼻の側壁の外面のみと、鼻の内面(例えば鼻の側壁の内面、若しくは例えば鼻の二つの鼻孔間の"分離帯"、鼻中隔によって規定される内面)のみと、鼻柱のみと、又はこれらの任意の組み合わせのみと係合し得る。
好適な実施形態によれば、固定手段はほぼ鼻の幅方向に鼻に対して圧力をかけることによって鼻に固定されるのに適している。圧力は鼻の側壁の外面にかけられ得るが、鼻の内面(例えば鼻の側壁の内面、若しくは例えば鼻中隔によって規定される内面)、又は鼻の側壁の内面(上述の例のいずれか)と外面の両方にもかけられ得る。
好適な実施形態によれば、固定手段は鼻クランプを有する。
好適な実施形態によれば、固定手段は鼻の横外側壁と接触させるための鼻パッドを有する。
好適な実施形態によれば、鼻パッドは、これらが膨張されるときに鼻にかかる圧力が膨張されないときよりも十分に大きくなるように膨張可能である。これらの実施形態は最初の予備の固定後、鼻パッドを膨張させることによって改良された固定が得られるという利点をもたらす。膨張可能な鼻パッドは膨張されるときに膨張されないときよりも大きな幅及び/又は厚さも持つように構成され得る。そして患者の鼻への患者インターフェース装置の適応がより容易に達成され得るように、鼻パッド間に規定される間隙(例えば以下に記載されるアーチとして、他の患者インターフェース装置要素によっても規定され得る)は鼻パッドが膨張されないときよりも大きい。膨張可能な鼻パッドが、硬質な鼻パッドとは違って、鼻にかかる圧力の最適分布ももたらすことが利点である。これはさらなる快適性ももたらし得る。
好適な実施形態によれば、外側の鼻の皮膚と接触させるための鼻パッドの接触面は改良された摩擦をもたらすのに適している。これは鼻に対するグリップを緩めるための閾値を増し、改良された固定をもたらし得る。代替的に若しくは付加的に、外側の鼻の皮膚と接触させるための鼻パッドの接触面は接着剤を有し得る。しかし接着剤の存在は必須ではない。
好適な実施形態によれば、患者インターフェース装置はガス供給手段と呼吸器系の鼻孔との間に結合をもたらすためのアダプタ手段若しくは装置(例えばアダプタ)をさらに有し、固定手段はアダプタ手段の位置を固定するのに適している。厳密には必要でないが、ガス供給手段と呼吸器系の鼻孔との間の結合は十分に気密であり得る。これは患者に供給される空気の流れの圧力が制御されなければならないとき(CPAP応用)、又は薬剤若しくは麻酔薬の投与量が制御される必要があるとき、確実に当てはまる。
好適な実施形態によれば、患者インターフェース装置はその外端で鼻パッドに接続されるアーチ部をさらに有することができ、アーチ部はアダプタ手段を支持するのに適した支持部をさらに有する。
アーチ部は鼻パッドの典型的なコネクタであり得る。これは同時にアダプタ手段用の支えとしても機能し得る。
好適な実施形態によれば、アーチ部は鼻パッドを接続する直線によって規定される軸に沿って回転可能に取り付けられ、鼻の先端の上で自由に回転できるような、及びアダプタ手段を支持し得る鼻の下の固定位置に入れられ得るような形状である。
好適な実施形態によれば、アーチ部は実質的に硬質であり、二つの鼻パッドの各々は各回転軸に沿って回転し得るか若しくは少なくとも旋回運動をし得るようにアーチ部に回転可能に取り付けられる。好適な実施形態によれば第1及び第2の鼻パッドの回転軸はほぼ同じ若しくは同じである。
好適な実施形態によれば、アーチ部は好適にはその支持部付近でアダプタ手段に固定され回転可能に取り付けられる。
好適な実施形態によれば、アーチ部は鼻パッドに接している若しくは鼻パッドを形成しているその外端を除き、主に硬質であるか若しくは半硬質であり、外端は柔軟で弾性である。柔軟で弾性の外端は鼻への加圧に寄与し、患者インターフェース装置の鼻への容易な適合を可能にし得る。
好適な実施形態によれば、アダプタ手段は患者の鼻孔へ挿入される一対のカニューレを有し、カニューレは少なくとも部分的に硬質であり、鼻クランプ(固定手段)とカニューレはアダプタ手段の位置決め及び固定において協働するのに適している。
カニューレは患者の鼻孔に挿入され得るので、カニューレがこれら鼻孔との効率的な結合をもたらし得ることが、これらの実施形態の利点である。カニューレが好適には部分的に硬質であるという事実は、例えば実質的に鼻の幅方向において、鼻の側壁の外面にかかる圧力が、この圧力が硬質なカニューレ(の部分)で相殺されるので、患者の鼻孔を実質的に変形することなく高められ得るという利点をもたらす。その結果鼻の側壁は鼻パッドとカニューレの間で圧迫され得る。これは患者インターフェース装置の固定を生じ得る。
好適な実施形態によれば、カニューレは相互接続部によって接続される。相互接続部は好適には鼻柱に寄りかかるのに適した上面を有する。
これらの実施形態はカニューレのセットのより容易な操作(共通操作)だけでなく、どの程度カニューレが鼻孔に入ることができるか若しくは入るべきかについての自動調整というさらなる利点をもたらす。相互接続部は好適には硬質であり得るが柔軟であってもよい。硬質な相互接続部の利点はカニューレ間の所定距離を規定し得ることである。
相互接続部、またカニューレは従って、例えば患者の鼻と鼻孔の寸法を考慮することによって、特定患者での使用に適することができる。
好適な実施形態によれば、アダプタ手段は固定手段から取り外し可能である。これは患者用の特定アダプタ手段を持つ(より)一般的な固定手段の使用と固定手段(例えば鼻クランプ)の再利用を可能にする。これはまた固定手段で固定する前のアダプタ手段の挿入も可能にする。
好適な実施形態によれば、カニューレは少なくとも部分的に膨張可能である。カニューレは例えば膨張カフを有し得る。これはカニューレが膨張される前に患者の鼻孔へより容易に挿入され得るという利点を持つ。膨張後、カフはカニューレ(及び従ってアダプタ手段)とクライアントの鼻孔との間の結合が気密になるようにすることができ、さらに固定が改良され得る。部分的に膨張可能な部分は、硬質バージョンと比較して患者にとって改良された快適性ももたらし得る。
好適な実施形態によれば、膨張カフは吸気及び呼気中に生成される気道陽圧によってカフが膨張され得るようにカニューレ内にカフ開口部を有する。この実施形態は他の目的(例えばCPAP応用)のために既に設けられている圧力若しくは圧力提供手段もカフを膨張するために再利用されることができるという利点をもたらす。
好適な実施形態によれば、膨張カフは任意の生成された気道陽圧から独立して膨張され得る。
好適な実施形態によれば、患者インターフェース装置は固定手段をカバーする取り外し可能なキャップをさらに有する。これらの実施形態は装置の快適性と可操作性が改良されるという利点をもたらす。こうしたキャップ面の存在は、装置外部の物体とともにその構成要素のいずれかを貫通する若しくは引っ張ることがより難しくなるので、インターフェース装置の安定性を改良し得る。これは患者が睡眠時にマスク若しくはホースの(部分)を無意識に取り外してしまう可能性も削減する。
好適な実施形態によれば、固定手段は鼻の内部に取り付けられるための構造を有する。これはフック又は他の内部鼻取り付け手段若しくは装置を用いた鼻への取り付けに適し得る。代替的にこれは鼻中隔への取り付けに適し得る。これは鼻中隔の後ろでさらに鼻の中での取り付けに適し得る。
本発明の第2の態様によれば、患者インターフェースを用いて患者にガスを供給するための方法が開示され、ユーザの鼻を係合することによって患者インターフェースを固定するステップを有する。
好適な実施形態によれば、方法はほぼ鼻の幅方向に鼻に圧力をかけることによって患者インターフェースを固定するステップを有する。
好適な実施形態によれば、方法はガス供給手段と上記呼吸器系の鼻孔との間の結合をもたらすためにアダプタ手段を位置決めするステップと、上記アダプタ手段の位置を固定するステップをさらに有する。
上記において、本発明の第1の態様の実施形態に対応する特徴及び利点は、変更すべきところは変更して、本発明の第2の態様についても開示されると考えられ、逆もまた同様である。
本発明の教示は患者の気道にガスのフローを供給するために患者(10)の呼吸器系に接続されるための改良された患者インターフェース装置の設計を可能にし、これは患者にとってはるかに快適であり使いやすい。鼻のみが患者インターフェース装置のための唯一のアンカーとして機能するという事実は、患者の頭部の他の部位に沿った取り付け若しくはガイドを伴うためにはるかに複雑な従来技術のシステムの問題点の多くを解決する。
本発明の上記及び他の特性、特徴及び利点は、本発明の原理を例として説明する添付の図面と併用される、以下の詳細な説明から明らかとなる。この記載は本発明の範囲を限定することなく、例示のためだけに与えられる。以下に引用される参照図は添付の図面を参照する。
本発明の一実施形態の斜視図の略図である。 図1の患者インターフェース装置のより詳細を示す拡大部分図である。 本発明の実施形態にかかるアダプタ手段若しくはアダプタ手段の一部の斜視図の略図である。 本発明の他の実施形態にかかる別のアダプタ手段若しくはアダプタ手段の一部の斜視図の略図である。 本発明の別の実施形態の斜視図の略図である。 示力図を有する、本発明の実施形態にかかる患者インターフェース装置の正面平面図の略図である。 本発明の別の実施形態の斜視図の略図である。 本発明の別の実施形態の斜視図の略図である。
異なる図面において、同じ参照符号は同一若しくは類似の要素をあらわす。
本発明は特定の実施形態に関して、特定図面を参照して記載されるが、本発明はそれに限定されず請求項のみによって限定される。請求項における任意の参照符号は範囲を限定するものと解釈されてはならない。記載の図面は略図に過ぎず限定するものではない。図面において、要素の一部のサイズは例示の目的で拡大され、原寸通りに描かれない可能性がある。
本記載及び請求項において"有する"という語が使用される場合、これは他の要素若しくはステップを除外しない。例えば"a"若しくは"an"、"the"など、単数名詞をあらわすときに不定冠詞若しくは定冠詞が使用される場合、これは何か他に明記されない限りその名詞の複数を含む。
さらに、記載及び請求項における第1、第2、第3などの語は類似する要素間を区別するために使用され、必ずしも、時間的にも空間的にも順位付け若しくはいかなる他の方法でも順序をあらわすために使用されない。そのように使用される語は適当な状況下で置き換え可能であり、本明細書に記載の本発明の実施形態は本明細書に記載若しくは図示以外の順序での動作が可能であることが理解されるものとする。
さらに、記載及び請求項における頂上、底、上、下などの語は便宜的に使用され、必ずしも相対位置をあらわすために使用されない。そのように使用される語は適当な状況下で置き換え可能であり、本明細書に記載の本発明の実施形態は本明細書に記載若しくは図示以外の幾何学的配置での動作が可能であることが理解されるものとする。
本明細書全体にわたって"ある実施形態"若しくは"一実施形態"への参照は、その実施形態に関連して記載される特定の特徴、構造若しくは特性が本発明の少なくとも一つの実施形態に含まれることを意味する。従って、本明細書全体にわたって様々な場所での"ある実施形態において"若しくは"一実施形態において"という語句の登場は必ずしも全て同じ実施形態をあらわさないが、その可能性もある。さらに、特定の特徴、構造、若しくは特性は、一つ以上の実施形態において、本開示から当業者に明らかである通り、任意の適切な方法で組み合され得る。
同様に当然のことながら本発明の実施形態例の記載において、本発明の様々な特徴は時に、開示を簡素化し様々な発明の態様の一つ以上の理解を助ける目的で、その単一の実施形態、図面若しくは記載において一緒にまとめられることがある。しかしながらこの開示の方法は請求される発明が各請求項に明示されるよりも多くの特徴を要するという意図を反映するものと解釈されないものとする。むしろ、以下の請求項が反映する通り、発明の態様は単一の上記開示の実施形態の全特徴未満にある。従って、詳細な説明の後の請求項はこれによってこの詳細な説明に明確に組み込まれ、各請求項は本発明の個別実施形態として自立する。
さらに、本明細書に記載の一部の実施形態は他の実施形態に含まれる他の特徴を除く一部を含むが、当業者に理解され得る通り、異なる実施形態の特徴の組み合わせは本発明の範囲内にあり、異なる実施形態を成すことが意図される。例えば、以下の請求項において、請求される実施形態のいずれかは任意の組み合わせで使用され得る。
さらに、実施形態の一部はコンピュータシステムのプロセッサによって若しくは機能を実行する他の手段によって実施され得る方法若しくは方法の要素の組み合わせとして本明細書に記載される。従って、かかる方法若しくは方法の要素を実行するために必要な命令を持つプロセッサは方法若しくは方法の要素を実行するための手段を成す。さらに、装置の実施形態の本明細書に記載の要素は本発明を実行する目的で要素によって実行される機能を実行するための手段の一実施例である。
本明細書に提供される記載において、多数の具体的詳細が明記される。しかしながら、本発明の実施形態はこれら具体的詳細なしに実施され得ることが理解される。他の例において、周知の方法、構造及び技術はこの記載の理解を曖昧にしないために詳細に示されていない。
図1において、患者の気道へガスのフローを供給するために患者10の呼吸器系に接続されるための患者インターフェース装置1が描かれる。患者インターフェース装置1は、ガス供給手段2、例えば患者の方へガスをガイドするホースと、呼吸器系の鼻孔との間にほぼ気密な結合をもたらすための、例えば硬質鼻インサート41として、アダプタ手段4(見えない)を、及びアダプタ手段2の位置を固定するのに適した固定手段3を有し、固定手段3はさらに患者10の鼻のみに取り付けられるように構成される。この実施形態例において固定手段は鼻クランプとして具体化される。鼻クランプは片側で鼻に固定され、反対側でアダプタ手段を支えるように構成される。
図2は鼻クランプ3のより詳細を示す、図1の拡大部分図である。ホース2は患者の鼻の方へガスをガイドしており、その中にガスがアダプタ手段(描かれない)を用いて導かれる。鼻クランプ3は鼻の外側壁に寄りかかるのに適した鼻パッド32を有し、これは固定手段3の、従って患者インターフェース装置1の"アンカー"とみなされ得る。アーチ部30の外端に接続され、従って互いに接続される鼻パッド32は、ほぼ鼻の幅方向である方向に鼻の横外側壁に圧力若しくは力を加えることによって固定手段を鼻に固定する。アーチ部30は、アダプタ手段が患者の呼吸器系とインターフェースしているときにアダプタ手段4を支えるのに適した支持部31を有する。アーチ部30は鼻パッド32上に旋回軸33まわりに回転可能に取り付けられる。言い換えればアーチ部30は鼻パッドを接続する直線によって規定される軸に沿って回転可能に取り付けられる。アーチ部30は鼻先の上を自由に回転することができ、アダプタ手段を支え適所に維持する固定位置へ移動させたりそこから離したりすることができる。アーチ部30はアダプタ手段が患者の呼吸器系に接続された後アダプタ手段に固定され得るか、若しくはアダプタ手段に永久に固定され得る。後者の場合、これは例えばアダプタ手段に回転可能に取り付けられ得る。これは支持部31付近に及び/又はそれと一緒にアダプタ手段に取り付けられ得る。後者の場合アーチ部は必ずしも鼻パッドに対して回転可能である必要はない。鼻の横外側壁にかかる圧力若しくは力は固定手段の重さ(鼻パッド32の重さとアーチ部30の重さを有する)によって少なくとも部分的に生じ得る。この力は、それ自体がほぼ鼻の幅方向である方向の力である、若しくはそれを供給し得るアーチ30を設けることによって増強され得る。アーチ部30は従って例えばばねタイプの部品を有し得る。
図6において外側からの鼻クランプのための力平衡を図示する示力図が描かれる。外側からの鼻クランプはスライドオフに対する鼻にかかる摩擦(F)及びクランプ若しくは垂直抗力(F)により利益を享受し得る。これらの力の結果はアダプタ手段に対する引き抜き力を規定する合力(F)であり、すなわち力がFよりも大きいとき、クランプは緩みアダプタ手段はその位置からはずされ得る。例えば睡眠時無呼吸症の患者で使用される例えば持続的気道陽圧(CPAP)患者インターフェース装置の場合、圧力が解放され患者が目を覚ます。従ってアダプタ手段の安定した位置決めが極めて重要である。図6は二つのカニューレを有するアダプタ手段の鼻への留置も図示し、二つのカニューレ41は各鼻孔に対応する。カニューレ41は例えば円形若しくは楕円形断面を持つことができ、好適には少なくとも部分的に、より好適には完全に硬質である。好適にはこれらは患者の呼吸器系/鼻/鼻孔とインターフェースするときに鼻パッドのレベルまで、若しくは鼻パッドのレベルくらいまで伸びる。従って好適なレベルは図6に描かれるレベルよりも高いことに留意されたい。このようにこれらは、カニューレが空洞である、すなわちこれらが、ガスが流れることができる長手方向の穴を有するので、鼻孔が実質的に縮小若しくは遮断されないように鼻クランプによってかけられる圧力に反作用し得る。
図3において本発明の実施形態にかかるアダプタ手段4(硬質な鼻インサート)の第1の実施例が描かれる。アダプタ手段4は円筒型形状を持つ二つのカニューレ41を有する。これらはガスのフローをガイドするのに適した内壁43を規定する穴44を有し、患者の鼻孔の内壁と接触するのに適した外壁41を持つ。そのために外壁は好適には滑らかであり、すなわち表面の突起若しくはむらがなく、凸凹していない。また内壁は容易に洗浄可能であるように限定すべきであり、空気の流れを過剰に妨げるべきでないので、好適には滑らかである。カニューレ41は例えば円形若しくは楕円形断面を持ち得るか、又は鼻腔によりよくフィットするために人間工学的に適合した形状を持ち得る。これらは鼻クランプ3によってかけられる圧力に反作用するために好適には少なくとも部分的に硬質である。アダプタ手段(若しくはアダプタ装置)はアダプタ手段の容易な操作のために二つのカニューレ41を接続する相互接続部45をさらに有し得る。相互接続部は好適にはカニューレ41の外端(アダプタ手段が患者とインターフェースしているときに外側を向いている端部)付近に位置する。好適には相互接続部45は平面ストリップ、すなわち長く細い物質片を持つことができ、その主要表面は鼻柱にほぼ平行に位置する。好適には相互接続部は、アダプタ手段が患者とインターフェースしているときに患者の鼻柱に寄りかかるのに適した表面、例えばストリップの主要表面の一つを有する。平面ストリップは硬質であり得るが、適用中のさらなる快適性のために柔軟であることもできる。
代替的に、カニューレ41は、硬質である代わりに、ある程度まで膨張可能であり得る。これは鼻孔の内壁とのよりよい気密なフィッティングを生じ得る。膨張されるとき、鼻クランプによって加えられる圧力若しくは力が十分に反作用されるように圧力は十分に高くなるべきである。さらに、カニューレはそれらを通るガスのフローを可能にするために、膨張されるときに十分に大きな若しくは大きいままである穴を持つべきである。そのため、カニューレは例えば硬質内壁を有し得るが、カニューレの他の物質は柔軟であるか若しくはさらに伸縮性の物質であり得る。
アダプタ手段4のカニューレ41、若しくは鼻インサートは膨張カフ46も有し得る。これは図4に図示される。カフ46は患者の鼻孔内のフィッティングを改良し得る。この改良は非患者特有の若しくは非鼻型特有のインサートが使用されているか又は患者に提供されているときにより実質的であり得る。
部分的に若しくは完全に膨張可能なカニューレ41を持つ上記実施形態において、又は膨張カフ46を伴う膨張不可能なカニューレ41の場合、膨張可能部は膨張チャネル若しくはチューブ47によって与えられ得る。患者インターフェース装置とともに使用される、もしくは患者インターフェース装置がその一部である、気道陽圧インターフェース装置によって使用される圧力は、各部を膨張させるために部分的に役立ち得る。代替的に独立膨張手段が設けられ得る。
図5において、本発明のさらなる実施形態が図示される。ホース2は患者の呼吸器系へ及び/又はそこからガスのフローをガイドしており、アダプタ手段4に結合している。ガスのフローは患者の鼻孔へ向かってアダプタ手段4を用いてガイドされる。アダプタ手段4は例えば図6に描かれたものに対応し得る。鼻パッド32は図1及び2について記載したアーチ部30と結合され、アーチ部30は回転軸33まわりに旋回可能若しくは回転可能に鼻パッドに取り付けられる。ここで鼻パッド自体は膨張可能であるように具体化される。鼻パッドの膨張は鼻への固定手段3の固定をもたらし得る。追加の圧力若しくは力が上記の通り適切なアーチ部30によって加えられ得るが、鼻パッドの膨張が鼻に対する圧力の増大を生じ得るので、これは必須ではない。チャネル若しくはチューブ35によって空気圧が鼻パッドに供給され得る。膨張可能な鼻インサート41若しくはカフを伴う部分的に膨張可能な鼻インサート41について、鼻パッドを膨張させるための所要圧力は患者インターフェース装置とともに使用される、若しくは患者インターフェース装置がその一部である、気道陽圧インターフェース装置によって使用される圧力から導出され得る。代替的に、独立膨張手段が設けられ得る。
本発明の特定の実施形態によれば、膨張可能な若しくは部分的に膨張可能な鼻インサート及び膨張可能な鼻パッドの一部若しくは全部は共通圧力供給手段によって圧力を供給され得る。従ってホース35及び47は例えば接続され得る。これらは直列であることによって接続され得る、すなわち単一ホース35、47が鼻パッドへ及び鼻インサート41へつながり得る。二つの異なるかかるホースが患者の左側及び右側に対して使用され得る。これらのホースは主ホースから分岐することもできる。代替的に、単一ホースが直列に若しくは並列に両方の鼻パッド32及び両方の膨張可能鼻インサート41に圧力を供給することができる。
上記実施形態に記載の通り、鼻クランプ若しくは他の固定手段3は鼻の外面に接続される若しくは取り付けられ得るか、又はそれと相互作用し得る。図8において、本発明のさらなる実施形態が描かれる。鼻クランプ3若しくは他の固定手段は取り外し可能キャップ5と結合するための結合手段を有する。取り外し可能キャップはより閉じられた滑らかな外面を提供するために、患者インターフェース装置が位置決めされると加えられ得る。取り外し可能キャップはホース2及び/又は35及び/又は47若しくは他のホースの組み合わせを場合により所定の経路に沿ってガイドするのにも適し得る。キャップ5はこの目的で開口部若しくは内部ガイド手段を有し得る。ホース用の外部ガイド手段もキャップに設けられ得るが、これは外面上により凸凹を導入し得る。これは先と同様に装置の快適性と可操作性を増加し得る。かかるキャップ表面の存在は、例えばシート組織若しくは患者の指があるので、装置外部の物体とともにその部品のいずれかを貫通する若しくは引っ張ることがより困難になるので、インターフェース装置の安定性を改良する。これは睡眠時に患者が無意識にマスク若しくはホース(の一部)を取り外してしまう可能性も削減する。有利なキャップ5及び患者インターフェース装置は、患者が起きているときには容易に分離され得るが患者が寝ている若しくは無意識の間は分離することが難しい結合機構によって結合され得る。
固定手段3は鼻の内部に取り付けることもできる。かかる実施形態の一実施例が図7に示される。ここで固定手段3は鼻の中に取り付けられるのに適したフックを有するか若しくはフックから成る。フックは例えば鼻の内部特徴の後ろに引っ掛けるのに適し得る。フックの反対端において、これはアダプタ手段4に固定され、それを適所に保つことができる。固定手段はインターフェース装置が患者に適用された後毎回取り外されるのに適し得る。これは長期間患者の中にとどまってもよい。固定手段は患者とガスのフローをガイドするホースをガイドするための開口部34をさらに有し得る。開口部はホース2とアダプタ手段4の間の単純な結合が実現され得るように位置決めされ構成され得る。これは例えばアダプタ手段4の入口開口部に向かってアライメント機能を有することができ、その後者は典型的にはカニューレ41の外端において二つの出口開口へ向かってガイドを提供し得る。
本発明の実施形態の目的を達成するための他の配置が当業者に明らかになるだろう。
本発明の実施形態にかかる患者インターフェース装置は、持続的気道陽圧(CPAP)若しくは同様の治療の背景でこれを用いることによって、睡眠時無呼吸症の患者を治療するために有利に使用され得る。
好適な実施形態、特定の構造及び構成、並びに物質が、本発明にかかる患者インターフェース装置のために本明細書で論じられているが、形式及び詳細において様々な変更若しくは修正が本発明の範囲と精神から逸脱することなくなされ得ることが理解される。例えば、鼻への"アンカー"の代替的な型、並びにこれらアンカーを用いて鼻に固定される代替的な固定手段が適用され得る。アンカーは例えばカニューレと磁気的に相互作用し得る鼻パッドも有し得る。固定手段の鼻への固定は鼻の内部だけでなく外部であることができる。鼻へのアンカー若しくは付着点としての皮膚ピアスの使用は除外されない。鼻パッドは例えば特定の型の鼻によりよくフィットするために人間工学的に形作られることもできる。これらは例えば特定の鼻に完璧にフィットするように作られ得る。鼻の皮膚と接触させるための鼻パッドの接触面は改良された摩擦をもたらすのにも適することができる。これらは例えば粗面化されるか若しくは適切なコーティングで被覆され得る。鼻のクランプは従来技術の代替的な機構に基づいても生じ得る。

Claims (15)

  1. 患者にガスを供給するための患者インターフェース装置であって、ユーザに患者インターフェースを固定するための固定手段を有し、前記固定手段が使用中に前記ユーザの鼻と係合するのに適した要素から成り、前記固定手段がほぼ前記鼻の幅方向に前記鼻に圧力を加えることによって前記鼻に固定される、患者インターフェース装置。
  2. 前記固定手段が鼻クランプを有する、請求項1に記載の患者インターフェース装置。
  3. 前記固定手段が前記鼻の横外側壁と接触させるための鼻パッドを有する、請求項1又は2に記載の患者インターフェース装置。
  4. 前記鼻パッドが膨張されるときに前記鼻に加えられる圧力が前記鼻パッドが膨張されないときよりも十分に大きくなるように、前記鼻パッドが膨張可能である、請求項3に記載の患者インターフェース装置。
  5. ガス供給手段と呼吸器系の鼻孔との間の結合をもたらすためのアダプタ手段をさらに有し、前記固定手段が前記アダプタ手段の位置を固定する、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の患者インターフェース装置。
  6. 前記鼻パッドにその外端で接続されるアーチ部をさらに有し、前記アーチ部が前記アダプタ手段を支えるのに適した支持部をさらに有する、請求項5に記載の患者インターフェース装置。
  7. 前記アーチ部が、前記鼻の先の上で自由に回転することができるように、及び前記アダプタ手段を支えることができる前記鼻の下の固定位置に入れられることができるように、前記鼻パッドを接続する直線によって規定される軸に沿って回転可能に取り付けられる、請求項6に記載の患者インターフェース装置。
  8. 前記アーチ部が前記アダプタ手段にその支持部付近で固定され、回転可能に取り付けられる、請求項6又は7に記載の患者インターフェース装置。
  9. 前記アーチ部が、前記鼻パッドに接している若しくは前記鼻パッドを形成しているその外端を除き、主に硬質であるか若しくは半硬質であり、前記外端が柔軟及び弾性である、請求項6乃至8のいずれか一項に記載の患者インターフェース装置。
  10. 前記アダプタ手段が前記患者の鼻孔内に挿入される一対のカニューレを有し、前記カニューレが少なくとも部分的に硬質であり、前記鼻クランプと前記カニューレが前記アダプタ手段の位置決め及び固定において協働する、請求項6乃至9のいずれか一項に記載の患者インターフェース装置。
  11. 前記カニューレが、その上面が鼻柱に寄りかかるように構成される相互接続部によって接続される、請求項10に記載の患者インターフェース装置。
  12. 前記カニューレが少なくとも部分的に膨張可能である、請求項10又は11に記載の患者インターフェース装置。
  13. 前記固定手段をカバーする取り外し可能キャップをさらに有する、請求項1乃至12のいずれか一項に記載の患者インターフェース装置。
  14. 前記固定手段が前記鼻の内部に取り付けられるための構造を有する、請求項1に記載の患者インターフェース装置。
  15. 患者インターフェースを用いて患者にガスを供給するための方法であって、ほぼ鼻の幅方向に鼻に圧力を加えることによってユーザの鼻と係合することから成る、前記患者インターフェースを固定するステップを有する方法。
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