JP2019525822A - 動物の経鼻投与装置、システム及び関連方法 - Google Patents

動物の経鼻投与装置、システム及び関連方法 Download PDF

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Abstract

獣被験体の経鼻的投与装置、関連するシステム及び方法が開示される。この獣被験体の経鼻的投与装置は、第1支持部材部分と、アクチュエーション機構と、流体導管とを含み得る。第1支持部材部分は、獣被験体の鼻道内へ挿入するように寸法決めされた中隔インターフェース部を含み、アクチュエーション機構は、第1支持部材部分に接続されており、流体導管は、被支持端部の反対側に、獣被験体の鼻道内への挿入に適して寸法構成された遠位端部を含む。流体導管は、柔軟で、流体源からの流体を受け入ってその流体を遠位端部を通して鼻道内に放出するように配置される。流体導管の遠位端部は、支持されておらず、中隔インターフェース部に対して移動できる。

Description

この出願は、2016年7月20日に提出された米国特許出願第62/364,808号の利益を主張するものであり、その全体が参照により組み込まれている。
一酸化窒素ガス(Nitric oxide gas)は、抗菌効果を有しており、安全に投与される時には、被験体(subject)における微生物感染の治療法として用いられ得る。臨床の場における一酸化窒素の使用に関して、多くのシステムが記述されてきているが、一方で、これらのシステムは、被験体が長時間(長期間)静止状態に留まることを要するやり方で、一酸化窒素ガスを被験体に供給(搬送、delivery)することを目的に設計されている。残念ながら、一酸化窒素の治療が特に有益であろう多くの例は、その被験体が、一酸化窒素ガスの効果的な投与量(1回分の投与量)を受けるのに必要とされる時間、静止しているか、又は固定されることを、考慮していない。
例えば、1つのそのような例は、家畜産業において存在している。その家畜産業では、牛呼吸器複合感染症(Bovine Respiratory Disease Complex, BRDc)が、北米の肥育用肉牛において最も一般的な病気であり続けており、毎年、受け手の子牛の20〜40%を冒している。BRDcからの生産損失は、増大する治療及び処置費用に加えて、呼吸器関連の死亡率と死亡数とを含む。その病原性は、二次バクテリア感染(二次細菌感染)が後に続く、一次ウイルス感染に関連している。
BRDcの発生率(発病率、罹患率)は、一酸化窒素ガスの適切な投与量で処置される動物で減少することが示されている一方、そのような治療の有効な商業化は、投与時間強制の為に、実行性を欠いている状況にある。従って、一酸化窒素ガスの効果的な1回分の投与量を速やかに且つ効率的に送る装置、システム及び方法の必要性が存在している。
本開示の背景は、本発明の状況を説明する為に、ここに記載されている。これは、言及されている資料の何れもが、いずれの請求項の優先日の時点において、米国や他国において、刊行され、知られ、又は、本発明が関係する技術に関して一般常識の一部であったと承認若しくは示唆するものと、解されるべきではない。
1つのアスペクトにおいて、流体の経鼻投与装置が提供される。幾つかの実施形態において、獣医学上の被験体(以下、獣被験体と言う)用の経鼻投与装置は、獣被験体の鼻道(鼻通路 nasal passage)内へ挿入できる寸法を有する中隔インターフェース部を含む第1支持部材部分と、上記第1支持部材部分に接続されたアクチュエーション機構と、獣被験体の鼻道内への挿入に適して寸法構成された中隔インターフェース部を含む第1支持部材部分と、上記第1支持部材部分に接続されたアクチュエーション機構と、被支持端部の反対側に遠位端部を有する流体導管とを備え、上記遠位端部は、上記獣被験体の鼻道内へ挿入できる寸法を有し、上記流体導管は、柔軟であり、流体源からの流体を受け入れ、且つ、上記遠位端部を通って上記鼻道内に流体を放出できる寸法と構成(形状)を有し、上記流体導管の上記遠位端部は、支持されておらず、且つ、上記中隔インターフェース部に対して移動可能である。
幾つかの実施形態において、獣被験体のための経鼻投与装置は、第1部材と、流体導管と、第2流体導管とを備え、上記第1部材は第2部材に枢動可能に連結されており、上記第1部材及び上記第2部材はそれぞれ、アームと、上記アームに連結され且つ上記アームから近位方向に延在するハンドル部分と、顎部とを含み、上記第1部材のアームは、上記第2部材のアームに枢動可能に連結されており、上記顎部は、上記アームに接続され且つ上記アームから遠位方向に延在し、且つ遠位端部を有し、上記第1部材の顎部の遠位端部と、上記第2部材の顎部の遠位端部とは、獣被験体の鼻中隔をクランプするように構成されており、上記流体導管は上記第1部材によって支持されており、上記流体導管は上記第1部材の顎部の遠位端部から分離されている遠位端部を有し、上記第2流体導管は上記第2部材によって支持されており、上記第2流体導管は上記第2部材の顎部の遠位端部から分離されている遠位端部を有し、上記第1流体導管と上記第2流体導管とは、獣被験体内に流体を供給するため、経鼻投与装置が鼻中隔に対してクランプされているときに、上記獣被験体の翼状ひだと基底ひだとによって形成された流動くびれ(流れ狭窄部 flow constriction)を越えて延在するように寸法決めされている。
別のアスペクトにおいては、流体を獣被験体(104)に経鼻的に供給する為の方法が提供される。幾つかの実施形態において、この方法は、複数の流体導管(918,919)を備えた経鼻投与装置(900,1000)の顎部(980,981)を開くことと、上記顎部(980,981)と上記流体導管(918,919)とを上記獣被験体(104)の鼻孔内に挿入することと、上記獣被験体(104)の鼻の中に上記流体導管(918,919)を保持する為に、該獣被験体(104)の鼻中隔を上記顎部(980,981)でクランプすることと、上記流体導管(918,919)を通して流体を放出することとを備えている。動物用の上記経鼻投与装置は、第2支持部材に枢動可能に連結された第1支持部材と、流体導管と、第2流体導管とを備え、上記第1支持部材及び上記第2支持部材はそれぞれ、アームと、上記アームに連結され且つ上記アームから近位方向に延在するハンドル部分と、顎部とを含み、上記第1支持部材のアームは、上記第2支持部材のアームに枢動可能に連結されており、上記顎部は、上記アームに接続され且つ上記アームから遠位方向に延在し、上記第1部材の顎部と上記第2部材の顎部とは、獣被験体の鼻中隔をクランプするように構成されており、上記流体導管は上記第1支持部材によって支持されていて、遠位端部を有し、上記第2流体導管は上記第2支持部材によって支持されていて、遠位端部を有している。上記第1流体導管と上記第2流体導管とは、動物の上咽頭内に流体を供給するため、この経鼻投与装置が鼻中隔に対してクランプされているときに、上記獣被験体の翼状ひだと基底ひだとによって形成された流動くびれ(流れ狭窄部 flow constriction)を越えて延びている。
以上、後に続く詳細な説明がより理解されるように、そして、当該技術へのこの貢献がよりよく評価されるように、本発明の種々の特徴の概要をかなり広く述べた。本発明の他の特徴は、添付の特許請求の範囲と共に取り入れられる続く詳細な説明からもっと明らかになるであろう。
本発明の実施形態に関する次の詳細な説明は、添付図面と共に読めば、より良く理解されるであろう。しかしながら、本発明が、図に示されている実施形態の正確なアレンジメント(装置、配置、段取り、準備、arrangements)や方法(手段、instrumentalities)に限定されないことは、理解されるべきである。
本開示の一例に従う、動物の経鼻投与システムの概略図である。
本開示の他の例に従う、動物の経鼻投与システムの概略図である。
本開示の更なる他の例に従う、動物の経鼻投与システムの概略図である。
本開示の更なる他の例に従う、動物の経鼻投与システムの概略図である。
本開示の一例に従う、動物の経鼻投与装置の斜視図である。
動物の中隔に係合する図3Aの上記動物の経鼻投与装置の底面図である。
動物の中隔に係合する図3Aの上記動物の経鼻投与装置の側面図である。
本開示の一例に従う、動物の経鼻投与装置のスプレーヘッドの隔離図である。
本開示の他の例に従う、動物の経鼻投与装置の斜視図である。
本開示の更なる例に従う、動物の経鼻投与システムのアスペクト(外観、様相、特徴)を示す図である。 本開示の上記更なる例に従う、上記動物の経鼻投与システムのアスペクトを示す図である。 本開示の上記更なる例に従う、上記動物の経鼻投与システムのアスペクトを示す図である。
本開示の他の例に従う、動物の鼻に連結された経鼻投与装置を示す、動物の頭の斜視図である。
図7に示された上記経鼻投与装置の斜視図である。 図7に示された上記経鼻投与装置の上面図である。
本開示の更なる例に従う、経鼻投与装置内に含まれる鼻道ノズルの斜視図である。 本開示の上記更なる例に従う、上記経鼻投与装置内に含まれる上記鼻道ノズルの側面図である。
図7に示された上記経鼻投与装置の背面図である。
本開示の更なる他の例に従う、動物の鼻に連結された経鼻投与装置を示す、動物の頭の斜視図である。
図13に示された上記経鼻投与装置の斜視図である。 図13に示された上記経鼻投与装置の上面図である。 図13に示された上記経鼻投与装置の背面図である。
ウシ科動物の切開された頭の概略図である。
対応する参照符号は、幾つかの図を通して、対応するパーツを示している。それらの図面(図)は、本開示による種々の特徴やコンポーネントの実施形態を表しているが、本開示をより良く示し説明する為に、それらの図面は、必ずしも、縮尺通りのものではなく、幾つかの特徴が誇張されていることもあり得る。ここに説明される例示は、いかなる方法(やり方)によっても、本発明のスコープ(範囲)を限定するものとして解釈されるべきでない。
次の各用語は、このセクションにおける用語と関連した意味を有する。
或る量や、或る持続時間等の測定可能な値等に言及する時にここで用いられる「約」(about)は、特定の値から、±20%、±10%、±5%、±1%及び±0.1%の変動幅(そのような変動幅が妥当である場合)を含むことを意味している。本明細書において、数値に関連する「約」という用語の使用は、あたかも、該「約」という用語なしに表現されたかのような正確な数値をも支持していることが、理解されるべきである。
「有する、含む」(comprises)、「備えている、有している、含んでいる」(comprising)、「含んでいる」(containing)、「有している」(having)等の用語は、米国特許法でそれらの用語に帰属するとされる意味を有することができ、それらの用語は、「含む」(includes)、「含んでいる」(including)等を意味し得る。そして、それらの用語は、一般に、開放(制限のない)用語(open ended terms)であるものと解される。「から構成されている」(consisting of)又は「から構成される」(consists of)という用語は、閉じた用語(closed terms)であり、それらの用語は、そのような用語及び米国特許法に従う用語と一緒に明確に列挙されたコンポーネント、構造、ステップ等のみを含む。
明細書やクレームにおける、「第1の」、「第2の」、「第3の」、「第4の」等の用語は、もしあるなら、同様(類似)の要素(エレメント)を区別する為に用いられており、必ずしも、特定の順番又は時系列的な順序を記載する為には用いられていない。そのように用いられているあらゆる用語は、ここに記載されている実施形態が例えばここに説明されているか又は他の方法で記載されている順序以外の順序で動作可能であるような適切な状況下において、相互に置換可能であることが、理解されるべきである。同様に、1つの方法が、一連のステップを有するものとして、ここに記載されている場合、この中で示されているような、そのようなステップの順序は、必ずしも、そのようなステップが実行され得る唯一の順序ではない。しかも、述べられているステップの幾つかは、場合によっては、省略されることがあり、及び/又は、ここに記載されていない幾つかの他のステップが、場合によっては、その方法に追加されることがある。
反対の意思が明確に述べられている箇所以外において、用語は、明確化の為、それらの単数形で用いられており、該用語は、それらの複数形を含むことが意図されている。
ここで用いられている「NORS」は、一酸化窒素放出溶液又は物質(nitric oxide releasing solution or substance)のことを言っている。1つのアスペクトにおいて、NORSから放出(解放)されたNOは、ガスであり得る。
ここで用いられているように、「ガス状一酸化窒素」又は「gNO」は、外因性の一酸化窒素のことを言っている。gNOは、それ自体が獣被験体(veterinary subject)に供給される(搬送される、delivered)ことができ、或いは、NORSを介して、供給されることができる。
上記「獣被験体」は、人間ではない動物又は個体のことを言っている。獣被験体の幾つかの非限定的な例は、ウシ科動物、山羊、豚、ファウル(foul)、イヌ科動物、ネコ科動物、馬、アメリカ野牛、アルパカ、ラマ、羊等を含み得る。一実施形態において、上記獣被験体は、ウシ科動物であり得る。他の実施形態において、上記獣被験体は、鶏、雄鶏、アヒル、ガチョウ、キジ、又は他の家禽(fowl)であり得る。他の実施形態において、上記獣被験体は、豚(pig)その他の豚類(swine)であり得る。他の実施形態において、上記獣被験体は、犬又は猫であり得る。他の実施形態において、上記獣被験体は、白イタチ又はミンクであり得る。更に他の実施形態において、上記獣被験体は、商業上、商品価値がある動物であり得る。
「一実施形態において」又は「1つのアスペクトにおいて」という語句は、ここでは、必ずしも、全く同じ実施形態又はアスペクトに言及しているとは限らない。
ここで用いられているように、「治療剤」(治療薬、therapeutic agent)は、適切な量又は効果的な量が獣被験体に投与された時に、獣被験体に有益な効果又はプラスの効果を有し得る薬剤(agent)のことを言っている。1つのアスペクトにおいて、NOは、治療薬であり得る。
ここで用いられているように、薬剤の「効果的な量」とは、その薬剤に関する特定のタスク(仕事)又は所望の機能を遂行するに十分な量である。ここで用いられているように、「治療に効果的な量」という語句は、被験体における病気又は障害を防止又は治療(処置)するのに(該病気又は障害の発生を遅延又は防止するのに、或いは該病気又は障害の進行を防止するのに、或いは該病気又は障害を抑制、減少又は回復させるのに)十分な、又は効果的な、量のことを言っている。種々の生物学的ファクター(要因)は、その意図されたタスクを実行する物質の能力に影響し得ることが、理解される。従って、幾つかの例において、「治療に効果的な量」は、そのような生物学的ファクターに依存し得る。更に、その治療効果の達成は、その技術において知られている評価を用いる獣医、又は他の資格を有する獣医職員、によって測定され得る一方、治療に対する個々の相違(変動、variation)と反応は、その治療効果の達成を、多少主観的な判断にするかも知れないことが認識される。効果的な量又は治療に効果的な量の決定は、薬学及び医学の技術における通常の技量(技能)の範囲内のことである。
ここで用いられているように、複数の品目、構造的要素、構成的要素、及び/又は、物質(材料)は、便宜上、一般的なリストで示され得る。しかしながら、これらのリストは、そのリストの各部材が、あたかも、独立した唯一の部材として個々に識別されるかのように、解釈されるべきである。従って、そのようなリストの個々の部材は、それと反対の表示がなければ、共通のグループにおける、それらの表示に単に基づく同一リストのあらゆる他の部材の事実上の均等物として、解釈されるべきでない。
この開示を通して、本発明の種々のアスペクトは、或る範囲の書式(a range format)で示され得る。その範囲の書式における記載は、単に、便宜上及び簡略化の為のものであり、その記載は、本発明のスコープを硬直的に限定するものとして解釈されるべきでないことが、理解されるべきである。従って、ある範囲の記載は、その範囲内にある個々の数値と同様に、全ての可能な部分範囲(サブレンジ)を明確に開示していると見做される(考慮される)べきである。例えば、1から6迄のような一定の範囲(或る範囲)の記載は、その範囲内にある個々の数、例えば、1,2,2.7,3,4,5,5.3,6、及びそれらの間にあるあらゆる全体的及び部分的な増分(any whole and partial increments)、と同様に、1から3迄、1から4迄、1から5迄、2から4迄、2から6迄、3から6迄等のような部分範囲を明確に開示しているものと見做されるべきである。これは、その範囲の幅にかかわらず、当てはまる。
1つのアスペクトにおいて、本開示は、獣被験体におけるバクテリア、ウイルス、又は他の病原菌の存在を減じることができる一酸化窒素放出溶液(NORS)に関する、動物用経鼻投与装置と、関連するシステムと、方法とを提供する。1つのアスペクトにおいて、本開示は、一酸化窒素放出溶液を獣被験体の処置部位(治療部位)、例えば動物の上気道の少なくとも一部分、に供給することで被験体動物を処置(治療)する為の方法と装置とを提供する。
本開示は、一酸化窒素放出溶液を供給する為の投与プロトコルが短時間(短期間)で実行される、歩行可能な獣被験体又は獣被験体のアセンブリライン(assembly line)への一酸化窒素の供給を可能とするものである。例えば、投与される一酸化窒素放出溶液による処置部位への一酸化窒素の持続放出(徐放、extended release)と供給は、処置中に、処置されている被験体が歩行可能な状態に留まるか、或いは、大変短い時間しか静止状態に留まらないことを許容する。このように、獣被験体は、一酸化窒素が供給される全体的な継続時間中、一酸化窒素供給(一酸化窒素搬送)装置に拘束されない。むしろ、その一酸化窒素放出溶液は、その被験体に、短い処置時間にわたり、投与されることができ、投与に続いて、その一酸化窒素放出溶液は、その被験体に、持続放出される治療上有効な量の一酸化窒素を継続して供給するであろう。被験体が処置中に歩行可能な状態に留まることができることは、牛において、とりわけ重要である。何故なら、牛若しくは獣医学に関する他の被験体は、例えば、スクイーズ・シュート(squeeze chute)内等に拘束された時に、ストレスを受け得るからであり、又、ストレスは、BRDcの発生率を増加させ悪化させ得るからである。例えば、コンパニオン・アニマル(人間の伴侶としてのペット)に関連する幾つかの実施形態において、その動物が、経鼻投与装置を十分に(完全に)支持することなしに、流体導管を案内するのが望ましいかも知れない。代わって、流体導管が挿入されている間、動物の頭を拘束(保持)し、流体導管の深さ停止面(depth stop surface)が動物の鼻に当接すると、流体が放出されてもよい。その時点で、その装置を取り外すことができる。
幾つかの実施形態において、上記一酸化窒素放出溶液は、酸性化剤又は活性剤(例えば、クエン酸)を不活性な(dormant)NORS溶液に加えることで、被験体への投与直前に準備される。あるいは、亜硝酸ナトリウムが、不活性な酸性化された溶液に加えられ得る。最も安定した貯蔵寿命等の多数の成績係数(performance factors)に基づき、いずれかの手法が、選択され、用いられ得る。例えば、上記酸性化剤を上記不活性な溶液に加えることで、その不活性な溶液のpHは低下し、これにより、その処置部位に投与されるべく、その一酸化窒素放出溶液は活性化される。重要なことは、その一酸化窒素放出溶液が、例えば、該一酸化窒素放出溶液を投与するのに要する時間を超えて、一酸化窒素の生成を引き延ばして該一酸化窒素を提供し得ることである。一実施形態において、その一酸化窒素放出溶液は、1分と24時間の間の期間、一酸化窒素を生成する。一実施形態において、その一酸化窒素放出溶液は、10分と45分の間の期間中、一酸化窒素を生成する。一実施形態において、その一酸化窒素放出溶液は、少なくとも15分間、一酸化窒素を生成する。一実施形態において、その一酸化窒素放出溶液は、少なくとも30分間、一酸化窒素を生成する。他の実施形態において、その一酸化窒素放出溶液は、少なくとも1時間、一酸化窒素を生成する。他の実施形態において、その一酸化窒素放出溶液は、少なくとも4時間、一酸化窒素を生成する。他の実施形態において、一酸化窒素放出溶液は、少なくとも8時間、一酸化窒素を生成する。他の実施形態において、その一酸化窒素放出溶液は、少なくとも12時間、一酸化窒素を生成する。他の実施形態において、その一酸化窒素放出溶液は、少なくとも24時間、一酸化窒素を生成する。このように、投与された一酸化窒素放出溶液は、被験体の処置部位に、一酸化窒素を連続的に供給する。幾つかの実施形態において、上記処置部位は、NORSの投与の箇所、例えば上気道、にあるか、若しくは該箇所の近傍にあり得ることに留意されるべきである。しかしながら、幾つかの実施形態において、処置部位(つまり、一酸化窒素の治療(療法)が望まれる部位)は、NORSの投与の箇所から遠位側(distal)(例えば、下気道)にあることができる。
上記一酸化窒素放出溶液は、種々の形態で、上記被験体に投与し得る。その一酸化窒素放出溶液は、本技術に熟練した者によって理解されるであろうように、その溶液から一酸化窒素を放出(解放)する、流体として、スプレー(噴霧液、霧状の飛沫)として、蒸気として、ミクロ液滴として、ミスト(霧)として、或いは、あらゆる形態で、投与され得る。一実施形態において、上記一酸化窒素放出溶液は、スプレーとして、投与される。他の実施形態において、上記一酸化窒素放出溶液は、蒸気として、投与される。他の実施形態において、上記一酸化窒素は、ガスとして、投与される。投与される一酸化窒素放出溶液の量、つまり、その(1回分の)投与量は、一酸化窒素の生成と供給の存続時間を最適化する為に、変動し得る。一実施形態において、被験体に投与される、その一酸化窒素放出溶液の量は、約0.1mLと5,000mLの間にある。他の実施形態において、被験体に投与される、その一酸化窒素放出溶液の量は、約10mLと1,000mLの間にある。一実施形態において、被験体に投与される、その一酸化窒素放出溶液の量は、約2mLである。一実施形態において、被験体に投与される、その一酸化窒素放出溶液の量は、約10mLである。一実施形態において、被験体に投与される、その一酸化窒素放出溶液の量は、約32mLである。他の実施形態において、被験体に投与される、その一酸化窒素放出溶液の量は、約160mLである。これらの量等は、与えられた投与時間内に、例えば、1分以内に、30秒以内に、10秒以内に、5秒以内に、2秒以内に、又は1回のスプレー又は複数回のスプレーを投与するのに適切又は有利だと思われる他のあらゆる最適な時間(期間、window)内に、1回のスプレー(噴霧)で、又は複数回のスプレー(例えば、2,3,4,5,6又は8〜10回のスプレー)で、投与され得る。上記一酸化窒素放出溶液は、その被験体を効果的に処置するべく必要に応じて、1回以上、再投与され得る。一実施形態において、上記一酸化窒素放出溶液は、被験体に、1回、投与される。他の実施形態において、上記一酸化窒素放出溶液は、被験体に、複数回、投与される。この場合、上記一酸化窒素放出溶液は、実質的に、投与された前回の(1回分の)投与量から、時間延長された一酸化窒素ガスの放出が完結した後に、再投与される。
幾つかの実施形態において、一酸化窒素放出溶液は、被験体の上気道内に直接投与される。例えば、一実施形態において、上記一酸化窒素放出溶液は、被験体の上気道内に噴霧される。上記溶液は、1時間に一度、1日に一度、1週間に一度、2週間に一度、ひと月に一度、ふた月に一度、1年に一度、そして、その被験体を処置する必要に応じて、それらの間にある、全てのあらゆる範囲で、その被験体の上気道内に投与され得る。一実施形態において、上記溶液は、1週間に一度、噴霧される。他の実施形態において、上記溶液は、連続する4週間の間、1週間に一度、噴霧される。上記一酸化窒素放出溶液は、一酸化窒素の生成(期間)を延ばし、これにより、上記被験体の呼吸系に対して、治療用一酸化窒素の連続的な供給が実現される。
被験体に対する上記一酸化窒素放出溶液の投与継続時間(投与継続期間)は、所望の供給(搬送)を得る為に、変動し得る。一実施形態において、その一酸化窒素放出溶液は、5秒未満の時間(期間、time period)にわたり、被験体に投与される。他の実施形態において、その一酸化窒素放出溶液は、約5秒の時間にわたり、被験体に投与される。他の実施形態において、その一酸化窒素放出溶液は、約30秒の時間にわたり、被験体に投与される。他の実施形態において、その一酸化窒素放出溶液は、約1分の時間にわたり、被験体に投与される。他の実施形態において、その一酸化窒素放出溶液は、約2分の時間にわたり、被験体に投与される。他の実施形態において、その一酸化窒素放出溶液は、約10分の時間にわたり、被験体に投与される。他の実施形態において、その一酸化窒素放出溶液は、約30分の時間にわたり、被験体に投与される。
1つのアスペクトにおいて、ここに開示される原理は、被験体における呼吸器の病気又は障害の処置(治療)、防止、又は、該病気又は障害の発生率の減少を図るものである。処置され得る例示的な呼吸器の病気又は障害は、BRDc、豚呼吸器複合感染症(porcine respiratory disease complex, PRDc)等を含むが、これらには限定されない。幾つかのケースにおいて、その呼吸器の病気又は障害は、細菌(例えば、マンヘミア・ヘモリチカ、ホラ・ソムニ、マイコバクテリア)、菌類、ウイルス(例えば、牛伝染性鼻気管炎(IBR)、ウシパラインフルエンザ-3(PI-3)、及びウシRSウイルス(BRSV))、原生動物、寄生動物(寄生虫)、及び/又は、節足動物、1つ以上の抗生物質に対して耐性を獲得した細菌によって、生じせしめられ得る。本開示による呼吸器病の処置は、処置されるべき被験体の上気道内への一酸化窒素放出溶液の供給を含む。例えば、幾つかの実施形態において、一酸化窒素放出溶液は、被験体の気道内に、噴霧されるか、吸入されるか、又は滴下される。一酸化窒素放出溶液は、被験体の鼻腔又は口腔を通して、被験体の気道内に投与される。一実施形態において、その一酸化窒素放出溶液は、被験体の上気道内に噴霧される。一実施形態において、その溶液は、経鼻的に被験体に投与される。一実施形態において、その溶液は、洞(sinuses)に投与される。上記一酸化窒素放出溶液は、一酸化窒素の生成(期間)を延ばし、これにより、上記被験体の気道に対して、治療用一酸化窒素の連続的な供給が実現される。
図1に関して、本開示の一例に従う、動物用経鼻投与システム100が示されている。このシステム100は、流体(例えば、一酸化窒素放出溶液)を動物104の鼻孔103に投与するのに用いることのできる動物用経鼻投与装置101を含みことができる。このシステム100は、又、流体をその経鼻投与装置101に供給する為の流体源102を含み得る。1つのアスペクトにおいて、該流体源102により供給される、及び/又は、上記装置101により投与される流体は、液状又はガス状であり得る。幾つかの実施形態において、その液体は、所望の粘性を有するように調製され得る。
上記経鼻投与装置101は、上記流体源102からの流体を受けるように構成された各鼻孔用の鼻道(nasal passage)ノズル110を含み得る。上記流体源102は、流体導管120を介する等して、上記鼻道ノズルに流体的に接続されている。上記経鼻投与装置101は、又、上記鼻道ノズルを動物104の鼻中隔105に向けて付勢する為の付勢機構を含み得る。これにより、動物の鼻道(鼻通路、鼻腔 nasal passage)内に上記流体を投与している間、この装置は、上記中隔の周りの所定位置に固定される。各ノズルの上記中隔に向けての付勢動作(付勢作用)は、それらがその反対側にある時に、上記鼻道ノズルや上記装置の他のパーツが、上記中隔を効果的に挟んで締め付けることを可能とする。上記装置は、次いで、それが上記中隔を挟んで締め付けた時に、所定位置に保持され得る。上記動物用経鼻投与システム100は、又、上記流体源102から上記鼻道ノズル110に流体を供給するように機能することができるポンプ121を含み得る。このポンプ121は、電気により動力が供給されるモーター付きポンプ、及び/又は、手動式ポンプ、であり得る。NOによる効果的な処置を提供する一定の分量と一定の速度でNORSを供給するに十分な、あらゆるポンプが用いられ得る。一例において、NORSは、上気道内の咽頭扁桃物質(pharyngeal tonsillar material)にNORSの液体を確実に供給するに十分な速度で供給され得る。被験体内の特定の物理的位置に特定の分量のNORSを配する等の特定の結果を達成する為に、分量(体積、volume)、供給時間(搬送時間)及び変化量(変化割合、変化程度、variation)等の他の供給パラメーターと特性とが、選択され、コントロールされ、用いられ得る。例えば、或る設定された分量は、変動する圧力をもって供給されることができ、又は、或る所望の分量を実現する為に、或る固定された圧力と共に、或る設定された時間が用いられ得る。
一例において、手動式ポンプ(例えば、トリガー作動式真空ハンドポンプ)は、電気を用いることなく上記流体を上記装置101に供給する為、上記流体導管120に「インラインで」接続され得る。1つのアスペクトにおいて、上記流体源は、使用中、使用者(ユーザー)により、携帯可能であり得る。幾つかの実施形態において、使用者による可搬性を促進する為に、上記システム100は、上記流体源102に接続可能な(例えば、直接接続されるか、又は、バックパック若しくは他のキャリングケースを介して接続される)1つ以上の運搬ストラップ126を含むことができる。従って、幾つかの実施形態においては、上記システム100は、持ち運び可能であり、そして、もっぱら、使用者によって動力供給されることが可能である。代替実施形態において、上記流体源は、実質的に不動(非可搬)のものであることができ、幾つかのケースにおいて、その流体源は、ポスト(柱、支柱)、又は他の固定物、に取り付けられることができる。この実施形態は、多数の被験体を処置するに際して、有利であり得る。何故なら、それは、(つまり、大きなコンテナから)大量の一酸化窒素放出溶液を使用することを可能とするからである。
例えば、動物104に投与する1回分の流体量を制御する為等、上記鼻道ノズル110への流体の流れを制御する為に、上記システム100は、上記流体源102、流体導管120、及び/又は、上記装置101と連携する1つ以上のバルブを含み得る。バルブは、適切などのような位置にも配置され得るが、例えば、バルブ106は、上記流体源102に、又は該流体源102の近傍に、配置されることができ、バルブ107は、上記装置101に、又は該装置101の近傍に、配置されることができる。1つのアスペクトにおいて、特定のノズルに対する流体の流れを制御する為に、バルブは、上記鼻道ノズル110の一方又は両方と連携することができる。被験体に投与するために一酸化窒素放出溶液の特定量又は1回分の投与量を計量する為の他のあらゆる機構も用いられ得る。これには単純に、流量と組み合わせた、上記溶液が投与される時間量(つまり、投与時間(投与期間、administration period))等が含まれる。
幾つかの実施形態において、上記流体源102は、不活性化された一酸化窒素放出溶液123、活性剤124、活性化された一酸化窒素放出溶液、及び/又は、一酸化窒素ガス、を含み得る。上記活性剤124は、混合時に、上記不活性化された一酸化窒素放出溶液123を活性化するように構成され得る。1つのアスペクトにおいて、上記活性剤124は、上記不活性化された一酸化窒素放出溶液123から分離されたままにされ得る。上記活性剤124は、例えば、固体(例えば、パウダー、タブレット、及びカプセル)や、液体(例えば、溶液)や、ガス等の、あらゆる適切な形態であることができる。上記流体源102は、上記不活性化された一酸化窒素放出溶液123、上記活性剤124、活性化された一酸化窒素放出溶液、及び/又は、一酸化窒素ガスの為の、1つ以上のコンテナ(容器)122又は貯蔵器(リザーバー)を含み得る。一般に、上記活性剤124と、上記不活性化された一酸化窒素放出溶液123とは、上記コンテナ122内にあり得る混合チャンバ125内で、少なくとも部分的に混合され得る。このように、1つのアスペクトにおいて、上記不活性化された一酸化窒素放出溶液123は、コンテナ122内で活性化されることができ、動物104に投与する為の上記装置101に、分注又は供給されることができる。上記ポンプ121は、活性化された一酸化窒素放出溶液を、上記流体源102から上記装置101に運ぶ(供給する、搬送する)ことができる。あるいは、活性化された一酸化窒素放出溶液は、一酸化窒素放出溶液の活性化から生じる一酸化窒素ガスの生成に起因する、コンテナ122内の圧力によって、上記流体源102から上記装置101に運ばれ得る。言い換えれば、一酸化窒素の形成に起因する、コンテナ122内のガス圧力の増加により、上記コンテナ122から上記装置101に向けて、上記動物への供給用の上記流体導管120を介し、活性化された一酸化窒素放出溶液の移動が、生じせしめられ得る。そのような実施形態において、ポンプ121は必要とされなくとも良いし、或いは、該ポンプ121は、コンテナ122内の圧力が不十分になって一酸化窒素放出溶液の分注が所望の割合(程度、rate)/分量(volume)で継続することが困難になった場合に、用いられてもよい。以下により詳細に記載する代替実施形態においては、上記コンテナ内で圧力を発生させて上記一酸化窒素放出溶液の投与を容易化する為に、電動又は手動で操作されるポンプを用いることができる。
図2A〜図2Cに示される他のアスペクトにおいて、活性剤と、不活性化された一酸化窒素放出溶液とは、コンテナ、例えば図1のコンテナ122、の外側にある混合チャンバ内において、少なくとも部分的に混合され得る。例えば、図2Aに示されるように、経鼻投与システム200は、経鼻投与装置201に(例えば、鼻道ノズル210に)、導管220を介して流体的に接続された流体源202を含み得る。この導管220は、不活性化された一酸化窒素放出溶液223と結合した(associated with)導管220aと、活性剤224と結合した導管220bとを含み、各々、分離されたコンテナに配置することができる。上記導管220a,220bは、上記鼻道ノズル210に先立って、例えば、経鼻投与装置201内にある混合チャンバ225で結合されることができ、これにより、上記不活性化された一酸化窒素放出溶液223と上記活性剤224との混合が上記流体源202と上記鼻道ノズル210との間で生じる。このようにして、上記一酸化窒素放出溶液は活性化されることができる。換言すれば、活性化された溶液は、被験体に対してその一酸化窒素放出溶液が供給されている間又は投与されている間に形成されることができる。
図2Bに示される他の例において、経鼻投与システム300は、経鼻投与装置301に(例えば、鼻道ノズル310に)、導管320を介して流体的に接続された流体源302を含み得る。この導管320は、不活性化された一酸化窒素放出溶液323と結合した(associated with)導管320aと活性剤324と結合した導管320bとを含み、それらの各々は、分離されたコンテナに配置することができる。上記導管320a,320bは、上記鼻道ノズル310に先立って、例えば、上記流体源302と上記経鼻投与装置301との外側にある混合チャンバ325において結合されることができ、これにより、上記不活性化された一酸化窒素放出溶液323と、上記活性剤324との混合が、上記流体源302と、上記鼻道ノズル310との間で生じる。1つのアスペクトにおいて、上記混合チャンバ325は、上記不活性化された一酸化窒素放出溶液323と上記活性剤324との混合が、上記経鼻投与装置301に対して「インラインで」生じるように、上記導管320の少なくとも一部分を成し得る。従って、上記混合チャンバ325は、あらゆる適切な構造、例えば、上記流体源302と上記経鼻投与装置301との間に設けられ得る配管、を有することができ、上記不活性化された一酸化窒素放出溶液323と上記活性剤324とを混合する役目を果たし得る。上記混合チャンバ325は、上記導管320を形成する配管の一体部分を成すことができる。或いは、その混合チャンバ325は、上記導管320の一部分をなす配管に結合された別体のコンポーネントであることができる。活性化された一酸化窒素放出溶液は、上記混合チャンバ325から、導管320cを通って、上記経鼻投与装置301に運ばれ得る。
図2Cに示される更なる他の例において、経鼻投与システム400は、導管420を介して経鼻投与装置401に(例えば、鼻道ノズル410に)流体的に接続された流体源402を含み得る。この導管320は、不活性化された一酸化窒素放出溶液423と結合した(associated with)導管420aと、活性剤424と結合した導管420bとを含み、それらの各々は、分離されたコンテナに配置されることができる。上記導管420a,420bは、上記不活性化された一酸化窒素放出溶液423と上記活性剤424との混合が上記鼻道ノズル410で生じるよう、混合チャンバを形成し得る上記鼻道ノズル410で結合することができる。従って、上記鼻道ノズル410は、複数の導管から導入された溶液を収容して、上記不活性化された一酸化窒素放出溶液423と上記活性剤424とを混合する役目を果たし得る適切な構造を有することができる。従って、上記不活性化された一酸化窒素放出溶液と上記活性剤との混合が、上記経鼻投与装置401が係合した動物において生じるように、上記導管420a,420bは、上記流体源402から上記鼻道ノズル410まで、分離されたままでいることができる。換言すれば、上記一酸化窒素放出溶液は、投与部位において生体内で(in vivo)、或いは、上記ノズルから分注された後に、活性化又は形成される。
1つのアスペクトにおいて、活性化溶液と不活性化された一酸化窒素放出溶液が別々に動物に投与されるように、各鼻道ノズルは、活性化溶液か、不活性化された一酸化窒素放出溶液かのいずれかを受け取ことができる。つまり、上記一酸化窒素放出溶液を活性化させる為に、上記活性化溶液と、不活性化された一酸化窒素放出溶液とは、上記経鼻投与装置から分注された後に、その動物におけるか、又はその動物の内側、例えば鼻道内、において、混合され得る。幾つかの実施形態において、各ノズルは、分離した別々の開口(孔、穴)と、活性剤及び亜硝酸塩溶液(つまり、不活性化されたNORS)の各ソース(各源泉)との支持流体接続部(supporting fluidic connections)とを有し得る。このようにして、各ソースからの溶液は、被験体への同時的な供給を目的として、ノズルに、別々に、しかも同時に、供給されることができる。ノズルは、単一の開口を有することができ、溶液は、例えば不活性化されたNORS(つまり、亜硝酸塩溶液、クエン酸)のスプレーの後に活性剤溶液(例えば、クエン酸、アスコルビン酸、亜硝酸塩溶液等)のスプレーが行われるように、交互に、投与されることができる。
図3A〜図3Cは、本開示の例に従う、動物用経鼻投与装置501を示している。この経鼻投与装置501は、上記したような流体源からの流体を受け入れるように構成された、各鼻孔503(図3C)用の鼻道ノズル510a,510bを含み得る。この経鼻投与装置501は、又、上記鼻道ノズル510a,510bを、動物の中隔505(図3B及び図3C)の方向に付勢する為の付勢機構530を含み得る。これにより、上記流体が動物の鼻道内に投与されている間、上記装置501は、その中隔505の周囲の所定位置に固定される。
1つのアスペクトにおいて、その経鼻投与装置501は、上記鼻道ノズル510a, 510bに夫々接続されると共に、上記鼻道ノズル510a,510bを夫々支持する、支持部材部分541a,541bを有する、支持部材540を含み得る。上記鼻道ノズル510a, 510bを、動物の上記鼻孔503内における上記中隔505の周囲で、少なくとも部分的に固定する為に、そして流体が動物の鼻道内に向けられるように、これらの支持部材部分541a,541bは、互いに、移動自在であり得る(つまり、ピボットカップリング543において、互いに、枢動可能(枢動自在)に連結(pivotally coupled)され得る)。つまり、流体の鼻道深くへの供給準備の為に、上記装置501が動物の上記中隔505に係合せしめられる時、上記鼻道ノズル510a,510bは、ノズル開口511a,511bを鼻道と整列させる為に、正しい方向に向けられることができる。
1つのアスペクトにおいて、上記鼻道ノズル510a,510bは、図3Bに示される如く動物に存在し得る鼻ひだ(nasal folds)508a,508bを通り越して、流体を鼻道内に向けるように、構成され得る。例えば、ウシ科動物は、翼状ひだ(翼状靱帯、alar fold)、基底ひだ(basal fold)及び直線ひだ(straight fold)を有し得る。つまり、上記鼻道ノズル510a,510bは、1つ以上のそのようなひだを通り越して、流体を鼻道内に方向付けるように構成されることができ、これにより、その流体は、鼻道深くに供給される。一例において、図3Bに示されるように、上記鼻道ノズル510a,510bは、1つ以上の鼻ひだ508a,508bを通り越し、鼻咽頭(nasopharynx)の鼻咽頭扁桃物質(nasopharyngeal tonsillar material)に達する迄、鼻孔内に伸びるように、又は該鼻孔内を貫通するように、構成され得る。他の例において、上記鼻道ノズル510a,510bは、1つ以上の鼻ひだを越えて鼻孔内に伸びることなしに、又は1つ以上の鼻ひだを越えて該鼻孔内を貫通することなしに、上記流体を1つ以上の鼻ひだを通り越すように方向付けるべく、位置決めされ、正しい方向に向けられることができる。要するに、その被験体の特定の生体構造を考慮して、その被験体が効果的な一酸化窒素治療(一酸化窒素療法)を受けることを許容するに十分な方法(やり方)で、一酸化窒素放出溶液を、上記鼻道内に、或いは、あらゆる被験体の気道におけるあらゆる他の所望位置又は特定位置に、効果的に投与するのに要するあらゆる構成が、用いられ得る。
1つのアスペクトにおいて、上記鼻道ノズル510a,510bを、上記中隔505の周辺の固定位置(留め位置)に向けて、531a,531bの方向に付勢するべく、上記支持部材部分541a,541bは、上記付勢機構530により、互いに、移動自在であることができる。例えば、その付勢機構530は、上記支持部材部分541a, 541bに作用して、該支持部材部分541a,541bを上記中隔505の周辺の上記固定位置方向に付勢する為のスプリングを有し得る。その付勢機構530により、従って、上記中隔505は、上記鼻道ノズル510a,510bによって把持されて締め付けられることが可能となり、その結果、それらのノズル510a,510bは、鼻孔503内の所定位置に保持される。スプリングとして示されているものの、上記付勢機構530は、その所望の付勢作用を提供するに十分である、あらゆる装置、パーツ又は機構であり得ることが、理解されるべきである。更に、上記付勢機構530は、その所望の付勢作用を提供するに適切な、上記装置501上のあらゆる場所に位置決めされ得る。1つのアスペクトにおいて、付勢力又はスプリング力は、不必要な痛みを動物に生じさせることなく上記装置501をその動物に固定するという要望に従って、調整自在であることができる。1つのアスペクトにおいて、上記支持部材540は、上記中隔505の先端(チップ、tip)506の周囲に遊び(クリアランス、余裕)を提供するように構成され得る。例えば、図3Bに示されるように、上記中隔505の先端506の周辺に遊びを提供するように、上記支持部材部分541a, 541bは、弓形の形態(形状)を有し得る。
上記経鼻投与装置501は、上記中隔505に夫々接して動物の鼻道内深くへの流体の案内を容易化するように上記鼻道ノズルを夫々位置決めする、上記鼻道ノズル510a,510bと連携する中隔インターフェース部(中隔接触部分)512a,512bを含み得る。例えば、この中隔インターフェース部512a,512bは、上記鼻道ノズル510a,510bとノズル開口511a,511bとを、上記中隔505から十分な距離をもって隔てるか、又は位置決めする、役目を果たし得る。これにより、上記中隔505からの干渉なしに、鼻道内への散布(散乱)又は噴霧パターンの適用範囲が容易化されて維持される。
上記鼻道ノズル510a,510bにより、流体が、動物の鼻道開口と実質的に整列する方向に向けられるようにする為に、上記経鼻投与装置501は、又、上記被験体の鼻孔503内での上記鼻道ノズル510a,510bの適切な位置決め及び/又は正しい方向付けを容易化して維持するべく、上記中隔505の先端506に当接するように構成された位置決め部材550を含み得る。このようにして、位置決め部材550は、被験体の鼻孔503内における上記鼻道ノズル510a,510bの適切な位置決め及び/又は正しい方向付けを維持する為の深さストッパとして、機能し得る。例えば、上記位置決め部材550は、上記鼻道ノズル510a,510bを上記鼻道開口に対して適切な距離をもって適切に位置決めする為、上記ノズル開口511a, 511bが上記中隔505の先端506から一定の深さ554にあるように上記鼻道ノズル510a,510bを位置決めするべく、構成され得る。1つのアスペクトにおいて、上記位置決め部材550は、長手軸(長手方向軸)552を有する細長部分551を有し得る。この長手軸552は、実質的に、上記支持部材部分541a,541bの相互移動の為の回転軸542と平行である。例えば、上記位置決め部材550は、基部553が上記細長部分551を支持するところで、“T”形状を有し得る。該基部553は、上記支持部材540に、例えば、上記支持部材部分541a,541bの一方又は両方に、該支持部材部分541a,541bの上記ピボットカップリン543において、接続(連結)され得る。上記装置501の、使用中における、たるみ又は下方向への回転を防止又は最小化する為に、上記細長部分551は、動物のマズル(鼻口部、muzzle)507に当接するように、構成され得る。これにより、上記鼻道ノズル510a,510bの適切な整列が容易化される。
使用者による上記支持部材部分541a,541bの相対的移動を容易化する為に、
上記経鼻投与装置501は、上記支持部材540に接続された使用者インターフェース560を含み得る。例えば、該使用者インターフェース560は、使用者インターフェース部561a,561b、例えば、上記支持部材部分541a,541bに夫々接続されたハンドル、を含み得る。これにより、例えば、上記使用者インターフェース部561a,561bを互いの方向に向けて強く握る等することにより、使用者による、上記鼻道ノズル510a,510bの、上記付勢方向531a,531bとは反対方向への、移動が容易化される。
1つのアスペクトにおいて、上記経鼻投与装置501は、流体を被験体の鼻孔503に方向付けるように構成された、1つ以上の鼻孔ノズル513a,513bを含み得る。特定のアスペクトにおいて、その鼻孔ノズル513a,513bは、流体を前鼻孔(anterior nostrils)に方向付けるように構成され得る。上記鼻孔ノズル513a,513bは、上記支持部材540に接続(連結)され得る。例えば、上記支持部材540は、上記鼻孔ノズル513a,513bを夫々位置決めする為の横方向延在部分544a,544bを有し得る。1つのアスペクトにおいて、該横方向延在部分544a,544bは、夫々、上記支持部材部分541a,541bに接続され、且つ、該支持部材部分541a,541bから延在し得る。他のアスペクトにおいて、上記経鼻投与装置501は、流体を動物のマズル507に方向付けるように構成された(これらの図面には示されていない)1つ以上のマズルノズルを含み得る。マズルノズルは、上記支持部材部分541a,541b、及び/又は、上記横方向延在部分544a,544b、の1つ以上のものによって、支持され得る。そのようなものとして、少なくとも単一の装置を用いて、上記一酸化窒素放出溶液は、上記鼻道と鼻孔との両方に、同時に、供給されることができる。
上記経鼻投与装置501は、合計で4つのノズルを有するものとして示されているが、本開示に従う経鼻投与装置は、動物のマズル、鼻孔(nares)、鼻孔(nostrils)、鼻道(nasal passages)等のあらゆる適切な領域に対して、適切な角度で方向付けられる適切な散布パターン又はスプレーパターンを有し得る、あらゆる適切な数のノズルを含み得ることが認識されるべきである。換言すれば、ノズルの散布パターン又はスプレーパターンは、特に、特定の領域(つまり、鼻道、鼻孔、マズル等)に適合せしめられることができ、該パターンは、流体を、その領域上に、又はその領域内に、向ける為に、あらゆる適切な角度で正しく方向付けられ得る。1つのアスペクトにおいて、1つのノズルは、流体を複数の領域上に向けるように、構成され得る。例えば、上記鼻孔ノズル513a,513bは、流体を上記鼻孔と上記マズルとに散布又はスプレーするように構成され得る。このように、本開示に従う経鼻投与装置の上記ノズルは、鼻道と、該鼻道内への入口表面とを対象とする、種々の散布パターン若しくはスプレーパターンを有するように、構成されることができる。上記装置501と共に用いられるノズルは、従って、与えられた目的に適した、又は目標とする散布領域に適した、技術において知られている、あらゆるスプレーパターンをイニシエートし得る。
1つのアスペクトにおいて、上記経鼻投与装置501は、該装置501のノズルに流体的に接続された流体分配マニフォルド(流体分配多岐管)532を含み得る。明確化の為に、外部の流体カップリング又は導管、例えば、配管又はホース等、は、図3A〜図3Cにおいて、省略されている。この流体分配マニフォルド532は、流体源から流体を受ける1つのインレットポート533と、その装置501の種々のノズルに流体を分配する為の複数のアウトレットポート534a,534b,535a,535bと、を有し得る。例えば、アウトレットポート534a,534bは、夫々、上記鼻道ノズル510a,510bに流体的に接続されることができ、又、アウトレットポート535a,535bは、夫々、上記鼻孔ノズル513a,513bに流体的に接続されることができる。このように、上記鼻道ノズル510a,510bと上記鼻孔ノズル513a,513bの各々は、流体源からの流体を受ける導管と接続されるように、構成されることができる。上記流体分配マニフォルド532は、上記装置501の他の構造的コンポーネント、例えば、支持部材540又は位置決め部材550、から分離して示されているが、流体分配マニフォルドは、上記装置501のあらゆる構造的部分、例えば、上記支持部材540及び/又は上記位置決め部材550の1つ以上の部分、に接続され得るか、又は、該部分と一体的に形成され得ることが、認識されるべきである。1つのアスペクトにおいて、上記流体マニフォルド532は、上記したような、少なくとも2つのインレットポートと、1つの混合チャンバと、を含み得る。これにより、不活性化された一酸化窒素放出溶液と、活性剤との混合が、流体源と、上記鼻道ノズル510a,510bとの間で生じる。他のアスペクトにおいて、上記流体分配マニフォルド532は、上記装置501の1つ以上のノズルを流れる流体を制御する為の、1つ以上のバルブを含み得る。
1つのアスペクトにおいて、上記支持部材540は、該支持部材540を通して1つ以上の開口又は通路により形成された、内部流体導管を有し得る。例えば、上記支持部材部分541a,541bの1つ以上のものは、上記流体源から上記各鼻道ノズル510a,510bに流体を導く為の流体導管の少なくとも一部分を含み得る。同様に、上記横方向延在部分544a,544bの1つ以上のものは、上記流体源から上記各鼻孔ノズル513a,513bに流体を導く為の流体導管の少なくとも一部分を含み得る。つまり、そのような内部流体導管は、上記流体源から直接的に、或いは上記流体分配マニフォルド532からの分配後に、流体を受け入れることができる。
1つのアスペクトにおいて、上記経鼻投与装置501は、パーツの交換可能性を容易化するように、構成され得る。例えば、上記支持部材部分541a,541bは、例えばファスナー515等でノズル又はスプレーヘッド514a,514bと取り外し可能に接続されるように、構成され得る。同様に、上記横方向延在部分544a,544bは、例えばファスナー515等でノズル又はスプレーヘッド516a,516bと取り外し可能に接続されるように、構成され得る。更に、上記支持部材部分541a,541bは、上記使用者インターフェース部561a,561bと取り外し可能に接続されるように、構成され得る。更に、上記付勢部材又はスプリング530は、上記支持部材540に取り外し可能に接続され得る。このように、ノズル、スプリング、ハンドル、位置決め部材等は、交換可能であり、又、当該部材等は、異なる動物種、及び/又は、異なるサイズの動物、の世話をする要望に応じて、取り換えることが可能である。このように、上記装置501は、与えられた年齢の牛の生体構造に適するように、構成され且つカスタマイズ(変更)されることができる。1つのアスペクトにおいて、上記経鼻投与装置501は、この装置の種々のパーツやコンポーネントの洗浄、及び/又は、アフターサービス(修理、servicing)を容易化する為に、分解されることができる。
1つのアスペクトにおいて、上記ノズル又はスプレーヘッド514a,514bは、上記鼻道ノズル510a,510bと、上記中隔インターフェース部512a,512bとを、夫々、含むか、又は、同様に、該鼻道ノズル510a,510bと上記中隔インターフェース部512a,512bとを、夫々、一体となるように組み込むことができる。図3A〜図3Cに示されるように、上記スプレーヘッド514a,514bは、上記中隔505との当接用の上記中隔インターフェース部512a,512bに適する湾曲した接触面を提供する、球体又はボール形状を有し得る。そのような球状湾曲面は、種々の中隔厚さを受け入れることができ、中隔505と一貫した接触(インターフェース)を維持し得る。上記球状面は、上記装置501が動物に苦痛を与えるように上記中隔の接触面積(当接面積)に過度の圧力を与える、ことなく、上記中隔を効果的に「クランプして(締め付けて、clamping)」(つまり、挟むように締め付けて(pinching))当接するに適した、十分な表面積を提供するように構成された、直径を有し得る。その球状面の直径は、又、適切な散布又はスプレーパターンを提供して維持するべく、上記中隔から十分なスペースを上記鼻道ノズル510a,510bに提供するのに貢献し得る。
図4は、本開示の他の例に従う、ノズル又はスプレーヘッド614a,614bを示している。上記した図3A〜図3Cの上記スプレーヘッド514a,514bと同様に、これらのスプレーヘッド614a,614bは、夫々、中隔インターフェース部(中隔接触部分)612a,612bに加えて、鼻道ノズル610a,610bを含むか、又は、該鼻道ノズル610a,610bを一体となるように組み込むことができる。このケースにおいては、そのスプレーヘッド614a,614bは、中隔接触用の中隔インターフェース部612a,612bに適した弓形面を備えた扇形の形態(形状)を有している。そのような弓形の湾曲面は、種々の中隔厚さを受け入れることができる。又、該弓形の湾曲面は、この形態によって提供され得る比較的小さい当接面の為に、より高い当接圧力が望まれる時に、有用であり得る。その弓形の湾曲面のサイズ(寸法)は、又、適切な散布又はスプレーパターンを提供して維持するべく、中隔から十分なスペースを上記鼻道ノズル610a,610bに提供するのに貢献し得る。
図5は、本開示の他の例に従う、動物用経鼻投与装置701を示している。該経鼻投与装置701は、上記の如く、流体源から流体を受けるように構成された、各鼻孔用の鼻道ノズル710a,710bを含み得る。1つのアスペクトにおいて、この経鼻投与装置701は、支持部材部分741a,741bを有する支持部材740を含み得る。該支持部材部分741a,741bは、夫々、上記鼻道ノズル710a,710bに接続されており、且つ、該鼻道ノズル710a,710bを支持している。1つのアスペクトにおいて、上記支持部材740は、弾力的に柔軟であることができ、或いは、弾力的に柔軟であるコンポーネントを含むことができる。要するに、特定のアスペクトにおいて、上記支持部材部分741a,741bの一方又は両方は、弾力的に柔軟であることができ、従って、該一方又は両方は、相互に移動可能である。これにより、上記鼻道ノズル710a,710bは、少なくとも部分的に、動物の鼻孔内における中隔の周りで固定され、そして、流体は、その動物の鼻道内に向けられる。上記支持部材部分741a,741bの弾力性を有する柔軟性は、上記ノズル710a,710bを動物の中隔に向けて付勢する為の付勢機構を提供し得る。これにより、その流体が、その動物の鼻道内へ投与されている間、上記装置701は、上記中隔の周りの所定位置に固定される。このように、上記支持部材部分741a,741bの上記弾力性を有する柔軟性は、上記鼻道ノズル710a,710bを、その中隔70の周りの固定位置に向けて、731a,731bの方向に、付勢することができる。鼻道深くへの流体供給準備の為、上記装置701が、動物の中隔に係合せしめられる時、上記鼻道ノズル710a,710bは、ノズル開口711a,711bを鼻道に整列させる為に、正しく方向付けられることができる。
上記経鼻投与装置701は、又、上記鼻道ノズル710a,710bと夫々連携する中隔インターフェース部712a,712bであって、その動物の鼻道内深くに流体を案内することを容易化するべく、上記中隔に接して上記鼻道ノズルを位置決めする為の中隔インターフェース部712a,712bを有し得る。例えば、該中隔インターフェース部712a,712bは、上記鼻道ノズル710a,710bと開口711a,711bとを上記中隔505から隔てるか又は位置決めする、役目を果たし得る。これにより、上記中隔からの干渉なしに、鼻道内への散布又は噴霧パターンの適用範囲が容易化されて維持される。中隔インターフェース部712a,712bは、あらゆる適切な形態が使用され得るが、球形(球状、球面)の形態をもって示されている。
上記経鼻投与装置701は、更に、その動物の鼻孔内において、上記鼻道ノズル710a,710bの適切な位置決め及び/又は正しい方向付けを容易化して維持する為に、 上記中隔の先端に接するように構成された位置決め部材750を含み得る。これにより、流体は、上記鼻道ノズル710a,710bによって、その動物の鼻道開口と実質的に整列する方向に向けられる。例えば、その位置決め部材750は、上記開口711a,711bが上記中隔の上記先端から一定の距離を置いて隔てられるように、上記鼻道ノズル710a,710bを位置決めするべく、構成されることができる。これにより、上記鼻道ノズル710a,710bは、上記鼻道開口に対する適切な距離をもって、適切に配置(位置決め)される。1つのアスペクトにおいて、上記位置決め部材750は、例えば、上記支持部材部分741a,741bの間で、上記支持部材740に接続され得る。上記装置701の、使用中における、たるみ又は下方向への回転を防止又は最小化する為に、上記装置701がその動物に係合せしめられる時、上記位置決め部材750は、動物のマズルと接するように、構成され得る。これにより、上記鼻道ノズル710a,710bの適切な整列が容易化される。
1つのアスペクトにおいて、上記経鼻投与装置701は、その動物の鼻孔に流体を案内するように構成された、1つ以上の鼻孔ノズル713a,713bを含み得る。特に、該鼻孔ノズル713a,713bは、上記前鼻孔に流体を案内するように、構成され得る。1つのアスペクトにおいて、該鼻孔ノズル713a,713bは、上記支持部材740に接続され得る。例えば、上記支持部材740は、上記鼻孔ノズル713a,713bを夫々位置決めする為の横方向延在部分744a,744bを有し得る。他のアスペクトにおいて、上記経鼻投与装置701は、動物のマズルに流体を向けるように構成された、1つ以上のマズルノズル717を含み得る。このマズルノズル717は、あらゆる適切な位置で、上記支持部材740に接続され得る。
図6A〜図6Cは、本開示の他の例に従う、動物用経鼻投与システム800の複数のアスペクトを示している。このシステム800は、動物の鼻孔に流体を投与する為の上記したあらゆる適切な形態の動物用経鼻投与装置801を含み得る。このシステム800は、又、流体を、上記経鼻投与装置801に、例えば流体導管820を通して、供給する為の流体源802を含み得る。該流体源802は、不活性化された一酸化窒素放出溶液、活性剤124、活性化された一酸化窒素放出溶液、及び/又は、一酸化窒素ガス、を含み得る。
1つのアスペクトにおいて、上記流体源802は、その中に不活性化された一酸化窒素放出溶液を有する、コンテナ822又は貯蔵器を有し得る。このコンテナ822は、所望のあらゆる寸法と形状であって良い。1つのアスペクトにおいて、上記コンテナ822は、再充填を要することなく、複数回分の投与量又は投与分量(適用分量)の一酸化窒素放出溶液を保持するのに相応しいものであり得る。上記流体源802は、又、流体を上記装置801に供給する為の流体導管820と接続するように構成され得る流体アウトレットポート870を有し得る。この流体アウトレットポート870は、(図示されているような)キャップ871、又は上記コンテナ822と連携し得る。上記流体アウトレットポート870に流体を供給する為に、上記流体アウトレットポート870には、流体的に、サンプ導管872が接続されている。上記コンテナ822から、実質的に、全ての流体を排出することを容易化する為に、上記サンプ導管872は、典型的に、上記コンテナ822の底部に向けて延在するであろう。上記サンプ導管872は、(示されているような)上記キャップ871、及び/又は、上記コンテナ822、と連携し得る(例えば、上記コンテナ822の側面内に形成(molded)され得る)。上記流体源802は、又、上記システム800が使用されている間、上記コンテナ822内にガスを許容する為のガスポート873を含み得る。例えば、ポンプ821は、ガスポンプであることができ、該ポンプ821は、加圧されたガス(例えば、空気、又は他の適切なガス)を上記コンテナ822に供給する為の導管によって、上記ガスポート873に流体的に接続されることができる。これにより、コンテナ822内の「ヘッドスペース圧力」(上部空間圧力)によって、流体は、上記サンプ導管872と、上記流体導管820を通って上記装置801に流体を供給する為の上記流体アウトレットポート870と、を通って、上記コンテナ822の外側に排出される。上記ガスポート873は、(示されているような)上記キャップ871、又は上記コンテナ822と連携し得る。上記ガスポート873は、典型的に、上記コンテナ822内において、上記不活性化された一酸化窒素放出溶液の液面上に設けられるであろう。上記システムは、あらゆる適切な圧力で作動するように構成され得るが、1つのアスペクトにおいて、上記コンテナ822は、作業中、約50psigに迄(典型的には、約30psigをもって)加圧されることができる。1つのアスペクトにおいて、上記ポンプ821は、特定の噴霧分量を、動物のマズルに、そして該動物の鼻孔と鼻道内に、供給する為の圧力を提供できる。1つのアスペクトにおいて、ノズルに詰まりが生じていないかどうかを決定するべく、圧力ゲージ又は圧力センサー(つまり、上記ポンプ821の一部として)が、上記コンテナ822内における、及び/又は、上記流体導管820内における、圧力を監視し得る。
1つのアスペクトにおいて、上記ポンプ821は、液体ポンプであることができる。該ポンプ821は、上記コンテナ822内にヘッドスペース圧力を形成することなく、液状流体を上記コンテナ822から汲み出すように、作動することができる。そのポンプ821は、あらゆる適切な形態の、ガスポンプ、及び/又は、液体ポンプであることができる。1つのアスペクトにおいて、上記ポンプ821は、電気により動力が供給されるモーター付きポンプ、及び/又は、手動式ポンプ、であることができる。不使用時に、上記流体アウトレットポート870と、ガスポート873と、を保護する為のキャップ871用のカバー874が、備えられ得る。上記システムのコンポーネントは、金属、プラスチック、及び他のポリマーであって、上記活性剤(例えば、クエン酸、亜硝酸ナトリウム)、一酸化窒素放出溶液、及び一酸化窒素と調和(適合)する他のポリマー、で構成され得る。
1つのアスペクトにおいて、上記流体源802は、上記不活性化された一酸化窒素放出溶液から分離されて保存(維持)される活性剤を有することができる。この活性剤は、混合時に、上記不活性化された一酸化窒素放出溶液を活性化するように構成され得る。一旦混合されると、その溶液内での一酸化窒素の生成により、上記コンテナ822から上記装置801に流体を供給するのに十分なヘッドスペース圧力が生じ得る。これにより、上記活性剤と上記不活性化された一酸化窒素放出溶液との混合時に、流体は、その一酸化窒素放出溶液の活性化から生じるガス圧力を用いて、上記装置801から、自動的に分注され得る。
上記活性剤は、例えば、固体(例えば、パウダー、タブレット、カプセル等)、液体(例えば、溶液)、ガス等のあらゆる適切な形態にあることができる。1つのアスペクトにおいて、固形の形態の活性剤は、可溶性パウチ内に存在することができ、及び/又は、ケージ(籠)875によって支持されることができる。該ケージ875は、上記不活性化された一酸化窒素放出溶液との接触又は混合を確実なものとする為に、上記コンテナ822内において、上記不活性化された一酸化窒素放出溶液の液面下に設けられるように、構成され得る。上記ケージ875は、上記活性剤と、上記不活性化された一酸化窒素放出溶液との混合を容易化する為に、1つ以上の開口を含み得る。このように、上記活性剤が、上記不活性化された一酸化窒素放出溶液に浸漬された時、その活性剤は、溶解して、その溶液内で一酸化窒素を生成するであろう。上記ケージ875は、(示されているような)上記サンプ導管872に接続されて、そのコンテナ822内における底壁上に支持されることができ、或いは、単に、そのコンテナ822内に投下されることができる。1つのアスペクトにおいて、上記ケージ875は、上記コンテナ822の開口に隣接して位置する一端部を有するロッド又はチューブに接続され得る。上記ケージ875を、上記サンプ導管872、ロッド又はチューブに接続することで、そのケージ875の回収が単純化され得る。
1つのアスペクトにおいて、上記動物用経鼻投与システム800は、キットとして、提供され得る。例えば、上記コンテナ822は、上記装置801に接続して該装置801を支持する、装置接続機構(device coupling feature)880を有し得る。上記コンテナ822は、又、ハンドル881を有し得る。該ハンドル881は、接続機構882,883を介して、上記コンテナ822の本体に接続され得る自由端826を有し得る。その接続機構882,883は、更に、その装置801を捕えて、該装置801を上記コンテナ822に固定するように、構成され得る。上記流体導管820を捕えて、該流体導管820を上記コンテナ822に固定する為に、流体導管接続機構884が、上記ハンドル881の上記自由端826から延在し得る。更に、上記ポンプ821は、上記コンテナ822の底部に取り外し可能に接続されるように構成され得る。上記ポンプ821が、電気コンポーネントを含む場合には、バッテリーパックが含まれていても良い。不使用時には、上記カバー874は、上記キャップ871、及び/又は、上記コンテナ822の開口を覆うことができる。
上記システム800の使用に関して、動物は、ホールディング・シュート(holding chute)に到着することができ、上に記載した通り、或いは、更に、以下に記載する通り、使用者は、上記経鼻投与装置801を、動物の鼻孔に係合させることができる。上記装置801は、その動物に固定されるので、その使用者は、「ハンドフリー」(手が自由な状態)で、その動物に流体を投与できる。上記流体源802は、そのホールディング・シュートのポストにより支持されることができ、その流体源802は、その休眠状態にある、一定の分量(例えば、5ガロン)の予め混合された一酸化窒素放出溶液を保持することができる。一旦、その活性剤と、その不活性化された一酸化窒素放出溶液とが混合されると、上記コンテナ822内の溶液中で、一酸化窒素ガスが発生する。その活性化された一酸化窒素放出溶液は、次いで、上記流体源から上記装置801に送られて(搬送されて、conveyed)、その処置部位又は領域に、例えば動物の鼻道内に、分注又は噴霧される。例えば、その活性化された溶液は、蓄牛の鼻道内に、測量(測定)された短時間の連射で、噴霧され得る。1つのアスペクトにおいて、その動物は、各鼻道内に、1回当たり約8mlの噴霧量を2回、受けることができ、(その動物が)解放される前に、合計で約32ml、受けることができる。その処置投与時間(治療投与期間)は、約3秒〜5秒の間であり得る。使用者の都合に合わせて、上記装置801は、その動物から、解放されるか、又は係合が解かれ得る。上記動物の鼻道をその時に覆う、その活性化された溶液は、30分迄の間、又はそれ以上の長さに渡って、一酸化窒素ガスを放出し続けることができる。
更に、動物用経鼻投与システム100,800は、本発明に従う、あらゆる経鼻投与装置に関連して、用いられ得る。経鼻投与装置の付加的な例は、図7〜図16を参照して、以下に記載される。一般に、以下に記載する経鼻投与装置の実施形態は、その遠位端部で鼻道ノズルを含む流体導管を備える。その流体導管の遠位端部は、上記第1及び第2の支持部材部分、つまり顎部、が閉じる時に、上記鼻道ノズルが該顎部に対して移動できるように、上記中隔インターフェース部から分離(detached)されている。動き(移動)は、横方向、及び/又は、前/後ろ方向、であり得る。上記鼻道ノズルは、腹側鼻道(ventral meatus)と整列して移動可能であるか、又は、該腹側鼻道内に入り込むことが可能である。ここに用いられているように、その「開く」及び「閉じる」という用語は、夫々、上記顎部を分離すること、又は、上記顎部を互いにより接近させること、を意味している。従って、上記顎部は、開かれることで、上記鼻孔内へのその挿入が可能になり、又、上記顎部は、閉じられることで、その動物の鼻中隔(nasal septum)がクランプされる。上記顎部が開く時に、上記流体導管の、それらの遠位端部におけるセンターラインにより形成される角度がより小さくなり、又、上記顎部が閉じる時に、該角度が大きくなるように、上記流体導管は、上記経鼻投与装置に固定される。
幾つかの実施形態において、上記流体導管は、柔軟な材料から形成される。上記流体導管は、それらの遠位端部と、その流体導管が上記経鼻投与装置によって支持される領域と、の間の長さであって、上記顎部が閉じる時に、上記獣被験体の組織との当接により、その柔軟な流体導管が湾曲することを許容するに十分な長さを有する。例示的な柔軟材料は、PVCとビニルを含む。上記鼻中隔及び/又は上記腹側鼻道に対する上記流体導管の自己整列(自己整列性、自己整合、自己整合性、self-alignment)と、上記鼻孔内への上記鼻道ノズルの挿入深さと、の組み合わせにより、上記鼻咽頭内への流体の供給が高められる。幾つかの例において、動物の鼻甲介(nasal turbinates)と、上記咽頭扁桃物質と、上記鼻咽頭と、を実質的に覆う(被覆する、coat)ことが望ましい。ここで用いられているように、上記鼻咽頭は、その表面の少なくとも50%が上記流体によって覆われた時に、実質的に覆われる。勿論、可能な範囲で、上記鼻咽頭は、その動物を不安にさせることなく、又はその動物にトラウマを生じさせることなく、実質的に覆われるべきである。幾つかの実施形態において、上記顎部は、介入(介在、intervention)中に、動物の呼吸への妨害が最低限度になるように、寸法構成され且つ配置される。又、上記顎部は、組織損傷の可能性を減じる為に、丸味を帯びて形成される。上記顎部の遠位端部は、その動物による呼吸が実質的に邪魔されないことを許容する一方で、クランピングすることを可能にする為に、厚さの2倍の幅の中隔インターフェアランス部材を有していても良い。
さて、図7〜図17に関して、図7は、経鼻投与装置900が取り付けられた動物104の頭の斜視図である。この経鼻投与装置900は、その鼻902の鼻孔内に延在する2つの流体導管918,919を有している。流体を、流体導管918,919の少なくとも1つを通して、その動物104の鼻咽頭1164内に投与することによる介入が行われる。1つの例示的介入は、上記の種々の実施形態及びその変形形態においては、ウシ科動物における牛の呼吸器病(呼吸器疾患)を防止、制御及び/又は処置(治療)するべく、液体、ガス、ガス放出溶液、及びこれらの組み合わせを含む一酸化窒素の上記鼻咽頭への供給を含む。本発明は、特定の動物種と病気について記載されているかも知れないが、本発明は、他のあらゆる動物種の被験体に対して、他のあらゆる処置(治療)を、経鼻的に(鼻道内で、intranasally)行うのに適切である。
ウシ科動物の切開された頭の概略図が、図17に示されている。図17は、動物104の鼻における、上記翼状ひだ1150と、上記基底ひだ1152とを示している。これらのひだは、鼻道(鼻通路、鼻腔 nasal passage)の腹側鼻道1166内への通過を妨げる、鼻前庭(nasal vestibule)1154における、鼻のくびれ(nasal constriction)を形成している。図17は、更に、ウシ科動物の、背側鼻甲介(dorsal nasal concha)1156、中央鼻甲介(middle nasal concha)1158、鼻中隔(nasal septum)1160、及び軟口蓋(soft palate)1162の部位を示している。本開示に従う経鼻投与装置は、流体導管、例えばチューブを含んでいる。これらのチューブは、上記鼻のくびれを通って鼻道の腹側鼻道1166内へと延びており、上記鼻中隔1160に平行な方向に沿う流体の放出が容易になり、これにより、流体が鼻咽頭1164に到達することが可能となる。経鼻投与装置900,1000は、流体導管918,919と鼻道ノズル920,921とが内側(腹側)かつ後側(medially and posteriorly)へ挿入されて腹側鼻道1166内へ到達するように構成される。
さて、図8〜図12を参照して、経鼻投与装置900は、流体導管918,919と、流体導管918,919の遠位端部に挿入される(図10及び図11に最も良く示される)鼻道ノズル920,921と、アクチュエーション機構(作動機構)928と、第1及び第2の支持部材部分、つまり顎部980,981とを有する。アクチュエーション機構928は、ジョイント機構964により、第2部材931に枢動可能に連結(接続)された第1部材930を有する。顎部980,981は、夫々、第1及び第2部材930,931から遠位方向に延びている。第1部材930は、(不図示の)その一端部に開口を有する第1アーム932と、その反対側の端部における突起部934とを有する。突起部934は、流体導管918が通る、細長の流体導管支持開口938を含む。細長の流体導管支持開口938に接触する、流体導管918の部分は、流体導管918の「被支持部分」と称され得る。該「被支持部分」は、その遠位端部の反対側にあり、該遠位端部に、鼻道ノズル920が配置される。この遠位端部は、このように、支持されておらず、上記中隔インターフェース部に対して、移動自在(移動可能)である。上記流体導管の上記被支持部分間の距離と、該流体導管の柔軟性とは、上記中隔インターフェース部の遠位端部に対する、流体導管の遠位端部の潜在的な移動量に影響を及ぼす。幾つかの実施形態のおいて、約2インチ以上の距離により、十分な柔軟性が提供される。幾つかの実施形態のおいては、約3インチ以上の距離により、十分な柔軟性が提供される。上記遠位端部のそのような移動を生じさせる力は、鼻道内への挿入とその挿入時における上記鼻中隔との接触との結果であり、従って、その力の量は、その動物に苦痛を与えないように、十分小さくあるべきである。
第1ハンドル部材942は、第1アーム932から延びており、該第1ハンドル部材942は、第1ハンドル部分944と、第2ハンドル部分946とを含む。第2部材931は、(不図示の)その一端部に開口を有する第2アーム933と、その反対側の端部における突起部935とを有する。突起部935は、流体導管919が通る、細長の流体導管支持開口939を含む。第2ハンドル部材943は、第2アーム933から延びておりし、第1ハンドル部分945と、第2ハンドル部分947とを含む。第1及び第2ハンドル部材942,943は、ユーザーインターフェースとも称されるハンドル948を形成する。使用に際し、使用者(ユーザー)は、付勢機構954により提供されるテンションに抗して、ハンドル948を締め付けると、これにより、顎部980,981が開いて、動物の鼻孔内へのそれらの挿入が許容される。又、使用者によるその締め付け力を解放した時には、付勢機構954により、顎部980,981が閉じて、鼻中隔をクランプする。第1ハンドル部分944,945は、第2ハンドル部分946,947をジョイント機構964の枢軸点(pivot point)から近位方向に延在させる(伸張させる)ように、設けられており、これにより、作動時のてこの作用(てこの力)が高められるようになっている。第2ハンドル部分946,947は、第1ハンドル部分944,945よりも大きい接触面(当接面)を有しており、これにより、それらを締め付けて顎部980,981を開く時に、使用者の快適性が増大するようになっている。第2ハンドル部分946,947は、球状接触面、球体形状を有し得る。第2ハンドル部分946,947は、更に、使用者によって加えられる力を分散するべく、使用者の指に対応する径方向湾曲部を備えたあらゆる形状を有し得る。これに替えて、又は付加的に、第2ハンドル部分946,947は、その力を、それらの長さ方向に分配する為に、細長形状を有していても良い。
細長の流体導管支持開口938,939のセンターライン940,941によって形成されている、(図9に示されている)角度929は、顎部980,981が開いている時よりも、閉じている時に、より大きくなる。第1及び第2の固定部材950,951は、付勢機構954を固定する為に、第1ハンドル部分944,945に設けられている。例示的な付勢機構954は、示されているようなスプリングからなる。アーム932,933は、それらの端部に低減厚さ部分936,937を有すると共に、これらの低減厚さ部分936,937にボルト978が通る開口(不図示)を有している。ボルト978は、ナット974によって固定されている。ジョイント機構964が、低減厚さ部分936,937と、ナット974と、ボルト978とにより形成されている。
本実施形態において、複数位置のいずれかの位置において、ボルト978により第1及び第2部材930,931に固定され得る深さアジャスター(深さ調整装置)958、つまり位置決め部材、が設けられている。深さアジャスター958は、ボルト978が通過する2つのスロット962と、1つの深さ停止面960とを含んでいる。深さアジャスター958は、動物の鼻孔内への顎部980,981の所望の挿入深さを設定するべく、そして、これにより、動物の鼻孔内への流体導管918,919の所望の挿入深さを設定するべく、近位方向に、又は遠位方向に、移動せしめられることが可能である。深さ停止面960は、その所望の挿入深さでその動物の鼻に当接し、経鼻投与装置900の前方移動つまり遠位方向の移動を停止させる。
第1及び第2の顎部980,981は、アクチュエーション機構928から遠位方向に延在し、該顎部980,981は、その遠位端部において、第1及び第2の顎部980,981が閉じた時にピンチポイント(締め付け点)996を形成するように構成された中隔インターフェアランス部材990,991を含む。本実施形態における顎部980,981は、第1及び第2アーム932,933に接続された直線顎部分988,989と、湾曲顎部分984,985と、中隔インターフェアランス(中隔干渉 septum interference)部材990,991とを含む。本実施形態において、湾曲顎部分984,985は、外側に向けて湾曲し、次いで、内側に向けて湾曲しており、このように、湾曲顎部分984,985は、直線部分988,989のセンターラインの両側に延在している。中隔インターフェアランス部材990,991は、組織損傷を防止する為に、丸味を帯びたエッジを有しており、湾曲しており、そして、その湾曲(湾曲部、curvature)に対して垂直方向(直角方向)に、実質的にフラット(平坦)になっている。示されているように、中隔インターフェアランス部材990,991は、その厚さの約2倍の幅があり、これによって、その動物による呼吸が実質的に邪魔されないようにする一方で、クランプを許容する。そのフラットな外形(プロフィール)により、その動物の呼吸能力は増加する。(その平坦な外形にわたる)中隔インターフェアランス部材990,991の厚さは、ピンチポイント996における組織損傷を防止するのに十分である。これらの特徴は、動物の年齢と重量及び経鼻投与装置900の重量に依存し得るが、これらのものは、総体的に、経鼻投与装置900を上記鼻中隔上にクランプするのに必要な最小限度の付勢力を決定する。
図9に示されるように、流体導管918,919は、細長の流体導管支持開口938,939を介して、第1及び第2部材930,931によって、支持されている。その流体導管918,919の遠位端部は、ピンチポイント996を越えて延在しており、これにより、鼻道ノズル920,921も、中隔インターフェアランス部材990,991の遠位側で位置決めされる。上記流体導管の挿入深さは、流体導管918,919を細長の流体導管支持開口938,939内でスライドさせることにより、或いは、適切な挿入深さを実現するべく流体導管918,919を切断することにより、調整され得る。距離Aは、深さ停止面960とピンチポイント996との間の長手方向の距離として定義される。距離Aをより良く示す為に、ピンチポイント996を通過するトラバースライン994が示されている。長手方向の距離Bは、深さ停止面960と流体導管918,919の遠位端とで画定される。距離Bをより良く示す為に、鼻道ノズル920,921を通過するトラバースライン998が示されている。幾つかの実施形態において、距離Aは、重量が400ポンドと700ポンドの間にあるウシ科動物に関して、1インチと3インチの間、より好ましくは、1.5インチと2.5インチの間にある。又、距離Bは、2インチと6インチの間、より好ましくは、3インチと5インチの間、更に好ましくは、3.5インチと4.5インチの間にある。細長の流体導管支持開口938,939は、少なくとも部分的に、顎部980,981の下に設けられており、これにより、腹側鼻道と上記流体導管との整列(アラインメント)が容易化される。細長の流体導管支持開口938,939は、支持の提供に加えて、この装置が開閉する時に変化する、上記流体導管の間の角度を確立する。幾つかの実施形態において、図9に示されるように、上記顎部が互いに接している時、その角度は、35度と60度の間の角度を含む。幾つかの実施形態において、上記顎部が互いに接している時、その角度は、約40度と50度の間の角度を含む。流体導管918,919と鼻道ノズル920,921とは、上記腹側鼻道の長手方向と実質的に整列する角度/向きで上記鼻道(鼻通路、鼻腔)の左右の腹側鼻道内へ挿入されるように設計(構成)されている。この向き(方向付け、orientation)は、組織損傷を低減すると共に、挿入深さ及び動物の受け入れの助けになる。
図10と図11は、鼻道ノズル921と全く同じ鼻道ノズル920の一実施形態の斜視図と側面図である。鼻道ノズル920は、複数のリブ925を備えた本体924に結合されたヘッド922を有する。該複数のリブ925は、流体導管918の上記遠位端部内に上記本体924を固定するように構成されている。ヘッド922は、その長手軸と直角を成す外径であって、流体導管918の直径に実質的に等しい外径を有している。ヘッド922は、半球形に形成されていても良い。種々の実施形態において、ヘッド922の直径は、約0.300インチと約0.450インチの間、より好ましくは、約0.350インチと約0.400インチの間、更に、より好ましくは、約0.370インチと約0.380インチの間にある。幾つかの実施形態において、本体924は、約0.220インチと約0.280インチの間、より好ましくは、約0.240インチと約0.260インチの間の直径を有する。図11に示されるように、鼻道ノズル920は、更に、その遠位端部にオリフィス(穴)923を備えた遠位キャビティ926と、遠位キャビティ926の直径よりも大きい直径を有している内側キャビティ927とを有し、これらのキャビティ間に円錐形移行部分を備えている。該円錐形移行部分は、流体の放出前に該流体を絞って(狭めて)安定化させるように、構成されている。図示されているように、遠位キャビティ926は、円筒形である。遠位キャビティ926を通って放出される流体は、円形の衝突領域(着液領域 impact area)と均一な分布(distribution)とを有する完全な円錐形噴霧パターンを呈するものであって、その噴霧角度は1平方インチ当たり29ポンド(PSI)の圧力において55度であり、該圧力で1分当たり0.13ガロン(GPM)の流体を放出し、平均液滴直径が270ミクロンであると推定される。図示されているように、遠位キャビティ926は、円筒形状を有している。他の実施形態において、異なる衝突領域を有する噴霧パターンを形成する為に、他の形状が用いられ得る。例えば、楕円形パターンが所望されるかも知れない。遠位キャビティ926の直径は、その放出能力を0.13GPMに対して増減させる為に、変更され得る。幾つかの実施形態において、その放出能力は、約0.12GPMと0.26 GPMの間にある。他の実施形態において、その放出圧力は、その鼻道ノズルのノズル開口において、約20PSIと25PSIの間にある。幾つかの実施形態において、上記平均液滴直径は、約260ミクロンと300ミクロンの間にある。上記鼻道ノズルには、ホワーラー(回転機構 whirler)が取り付けられていてもよい。例示的なホワーラーは、上記完全な円錐形噴霧の形状を形成するべく、上記流体を均一に分布させる(配分する)ように構成された、X形、円盤形、螺旋形のホワーラーを含む。
ポンプが、流体用貯蔵器と上記経鼻投与装置との間に流体的に接続される。そのポンプは圧力と放出時間とを変更するように制御されることができ、それは、流体が水の密度と同様の密度を有している流体について、約20PSIと25PSIの間にあるノズル圧力で、1回分の投与量が約30ミリリットルと35ミリリットルの間にある流体を発生させるべく設定され得る。異なる大きさの動物に対して、1回分の投与量を増減させることは、適切であろう。水の密度と同様の密度は、0.8g/cm3と1.2g/cm3との間の範囲内にある。
図13は動物104の頭の斜視図であり、図14〜図16に示されており数字1000で表示されている経鼻投与装置の他の実施形態を示す。経鼻投与装置1000は、その顎部とハンドルとが異なる特徴を有している点で、経鼻投与装置101,201,301,401,501,701,801及び900とは、異なっている。経鼻投与装置1000は、アクチュエーション機構1002を有している。該アクチュエーション機構1002は、ハンドル1004と、顎部1020,1021とを有している。ハンドル1004は、第1及び第2のハンドル部材1012,1013を有している。第1ハンドル部材1012は、第1アーム932から延びており、第1ハンドル部分944と第2ハンドル部分1016とを有している。第2ハンドル部材1013は、第2アーム933から延びており、第1ハンドル部分945と第2ハンドル部分1017とを有している。第2ハンドル部分1016,1017は、第1ハンドル部分944,945から延びる横断バー(トランスバースバー、transverse bars)であり、流体導管918,919からの干渉なしに、使用者が第2部分1016,1017を把持することを許容することにより、ハンドル1004の操作を可能ならしめるに十分な如何なる所望長さも有し得る。第2ハンドル部分1016,1017は、上記流体導管との干渉を制限するように、ポンプシステムの相対位置に応じて、上向き、又は下向きであることができる。ハンドル1004は、ユーザーインターフェースとも称される。顎部1020,1021は、直線顎部分1022,1023と、湾曲顎部分1024,1025とを有している。経鼻投与装置900と比較して、顎部1020,1021は内側に湾曲しており、顎部1020,1021のどの部分も直線顎部分1022,1023の長手軸の外側に延在していない。上記顎部の湾曲部は、動物の鼻孔と干渉し得、又、該湾曲部は、その動物の呼吸を妨げ得る、又は干渉し得る。
一実施形態において、約30ミリリットルと35ミリリットルの間の流体の投与量が、約20PSIと25PSIの間のノズル先端放出圧力で、経鼻投与装置900をもって、400ポンドと700ポンドの間の重量のウシ科動物に供給された。その流体は、有色色素を含んでいて、水の密度と同様の密度を有していた。その動物の頭の切開(解剖)時に、その動物の鼻咽頭は実質的に塗布されていたことが、観察された。
幾つかの実施形態において、獣被験体に流体を経鼻的に供給(搬送)する為の方法は、経鼻投与装置900,1000の顎部を開くステップと、流体導管の遠位端部を腹側鼻道内へと内側かつ後側に(medially and posteriorly)挿入する一方で、その獣被験体の鼻孔内に上記顎部を挿入するステップと、その獣被験体の鼻中隔を上記顎部でクランプするステップと、その流体導管を通って流体を放出するステップとを含む。
上記顎部と上記流体導管とを上記獣被験体の鼻孔内に挿入するステップは、上記流体導管を、上記獣被験体の翼状ひだと基底ひだとによって形成されている流動くびれ(flow constriction)を挿通させるステップを含む。上記顎部と上記流体導管とを、上記獣被験体の鼻孔内に挿入するステップは、上記経鼻投与装置の深さ停止面が上記獣被験体の鼻に接する迄、その経鼻投与装置を上記獣被験体に向けて移動させるステップを含み得る。
上記流体は、一酸化窒素放出溶液、又は一酸化窒素ガス、又は該一酸化窒素放出溶液と一酸化窒素ガスの組み合わせを含み得る。その流体の供給後、上記顎部が緩められ、経鼻投与装置は取り外される。
本発明の実施形態は、アクチュエーション機構、2つの顎部、及び2つの流体導管を含んで記載された。種々の実施形態において、アクチュエーション機構は、ギアと、ベース上に設けられたツメとを含むラチェット機構と、該ギアから該ツメを解放する為の解放レバーとを含み得る。これにより、上記第1及び第2部材は使用者によって結びつけられて当該装置をクランプし、上記解放レバーの移動により、上記第1及び第2部材が分離せしめられて、その装置は解放される。本技術において知られている他のアクチュエーション機構も用いることができる。
次の例は、更なる実施形態に関係する。
一例において、動物用経鼻投与装置は、流体源から流体を受けるように構成された鼻孔用鼻道ノズルと、該鼻道ノズルに対向する支持構造と、鼻道内への上記流体の投与中に、その装置が中隔の周りの所定位置に固定されるように、上記鼻道ノズルと上記支持構造とを上記中隔に向けて付勢する為の付勢機構と、を備え得る
一例において、上記支持構造は、第2の鼻道ノズルを有する。
一例において、上記付勢機構は、上記鼻道ノズルを上記中隔に向けて付勢する為のスプリングを備える。
一例において、上記動物用経鼻投与装置は、それぞれがノズルを支持する第1支持部材部分と第2支持部材部分とを有する支持部材を備えることができる。これらの第1支持部材部分と第2支持部材部分とは、上記付勢機構により、相互に移動可能である。
一例において、上記付勢機構は、上記第1支持部材部分と上記第2支持部材部分とのうちの少なくとも一方に、弾力性を有する柔軟性(resilient flexibility)を備えている。
一例において、上記第1及び第2支持部材部分は、互いに、枢動可能に接続(連結)されている。
一例において、上記動物用経鼻投与装置は、更に、鼻道ノズルの適切な位置決めを容易化して維持するべく、上記中隔の先端に接するように構成された位置決め部材を有し得る。
一例において、上記装置が上記中隔に係合せしめられる時、上記鼻道ノズルは、ノズル開口を鼻道に整列させる方向に向けられている。
一例において、上記鼻道ノズルは、鼻ひだを越えて鼻道内へと流体を向かわせるように、構成されている。
一例において、上記鼻道ノズルは、鼻ひだを越えて鼻孔内に入り込むように、構成されている。
一例において、上記鼻ひだは、翼状ひだ、基底ひだ、及び直線ひだの中の少なくとも1つを含む。
一例において、上記動物用経鼻投与装置は、更に、上記鼻道ノズルに流体的に接続された流体分配マニフォルドを有し得る。該流体分配マニフォルドは、流体源から流体を受け入れる為のインレットポートと、上記鼻道ノズルに流体を分配する為のアウトレットポートとを有する。
一例において、上記動物用経鼻投与装置は、更に、上記中隔と相互作用して上記鼻道ノズルを位置決めするための、上記鼻道ノズルの各々と連携する(associated with)中隔インターフェース部を有し得る。これにより、上記鼻道内への流体の方向付けは、容易化される。
一例において、上記動物用経鼻投与装置は、更に、付勢方向とは反対方向への使用者による上記鼻道ノズルの移動を容易化する為のユーザーインターフェースを有し得る。
一例において、上記流体は、液体、ガス、ゲル、又はその組み合わせからなる群から選択される。
一例において、動物用経鼻投与装置は、第1支持部材部分と第2支持部材部分とを有する支持部材と、第1鼻道ノズルと、第2鼻道ノズルとを備え得る。ここで、上記第1支持部材部分と第2支持部材部分とは、上記第1及び第2鼻道ノズルを少なくとも部分的に動物の鼻孔内における中隔の周りに位置決めするように、且つ、流体がその動物の鼻道内へと向けられるように、相互に移動可能である。
一例において、上記第1及び第2支持部材部分は、上記隔膜の周りの1つの固定位置に向けて、付勢される。
一例において、上記動物の経鼻投与装置は、更に、上記第1及び第2支持部材部分を上記固定に向けて付勢する為のスプリングを有し得る。
一例において、上記第1及び第2支持部材部分の少なくとも一方は、該第1及び第2支持部材部分の該少なくとも一方を上記固定位置に向けて付勢する為に、弾力的に柔軟である。
一例において、上記支持部材は、上記中隔の先端の周りに隙間(遊び)を提供するように構成される。
一例において、上記第1及び第2支持部材部分は、上記中隔の先端の周辺に隙間(遊び)を提供するように、弓形の形態を有する。
一例において、上記第1及び第2鼻道ノズルは、上記装置が動物と係合せしめられる時にノズル開口をその動物の鼻道と整列させる方向に向けられる。
一例において、上記流体導管は、上記支持部材の外側にある。
一例において、上記第1及び第2支持部材部分の少なくとも一方は、上記導管の少なくとも一部分を備える。該導管のその遠位端部は、従って、上記第1及び第2支持部材部分から突出し、これらの部分によって支持されない。
一例において、上記ユーザーインターフェースは、上記第1支持部材部分に接続された第1ユーザーインターフェース部と、上記第2支持部材部分に接続された第2ユーザーインターフェース部とを有する。ここで、上記第1及び第2支持部材部分の相互への相対移動を容易化する為に、上記第1及び第2ユーザーインターフェース部は、相互に対して相対移動可能である。
一例において、動物の経鼻投与システムは、ここに記載した動物用経鼻投与装置のいずれかを有し得る。その動物用経鼻投与システムは、更に、上記流体源から上記第1及び第2鼻道ノズルに流体を供給するように作動(機能)するポンプを有し得る。そのポンプは、液体とガスの少なくとも一方を圧送する(to pump)ように構成される。
一例において、動物の経鼻投与システムのポンプは、モーター付きポンプ、手動式ポンプ、又は、その組み合わせを含む。
一例において、上記流体源は、活性化された一酸化窒素放出溶液を有する。
一例において、上記流体源は、不活性化された一酸化窒素放出溶液を含む。
一例において、上記流体源は、上記不活性化された一酸化窒素放出溶液が収容されたコンテナを備えており、該不活性化された一酸化窒素放出溶液は、そのコンテナ内で、活性化され得る。
一例において、上記一酸化窒素放出溶液の活性化に続いて、上記一酸化窒素放出溶液の活性化から生じる上記コンテナ内の圧力により、上記流体源から上記第1及び第2鼻道ノズルに流体が分注されるようになっている。
一例において、上記動物の経鼻投与システムは、上記活性剤を上記不活性化された一酸化窒素放出溶液と混合する前に上記活性剤を収容する為のケージをさらに有し得る。ここで、該ケージは、上記活性剤と上記不活性化された一酸化窒素放出溶液との混合を容易化するように構成されている。
一例において、上記ケージは、上記コンテナ内において、該コンテナの底面より上で支持される。
一例において、上記流体源は、更に、上記不活性化された一酸化窒素放出溶液から分離して維持される活性剤を有し、その流体源は、上記不活性化された一酸化窒素放出溶液を、混合時に、活性化するように、構成される。
一例において、上記流体源は、上記不活性化された一酸化窒素放出溶液と連携する第1導管と、上記活性剤と連携する第2導管とを通して、上記第1及び第2鼻道ノズルに流体的に接続される。
一例において、上記不活性化された一酸化窒素放出溶液と上記活性剤との混合が、上記流体源と上記第1及び第2鼻道ノズルとの間で生じるように、上記第1及び第2導管は、上記第1及び第2鼻道ノズルに先立って、結合される(組み合わされる、combine)。
一例において、上記不活性化された一酸化窒素放出溶液と上記活性剤との混合が上記第1及び第2鼻道ノズルにおいて生じるように、上記第1及び第2導管は、上記第1及び第2鼻道ノズルに結合される。
一例において、上記不活性化された一酸化窒素放出溶液と上記活性剤との混合がその動物で生じるように、上記第1及び第2導管は、上記流体源から上記第1及び第2鼻道ノズルまで分離した状態に留まる。
一例において、上記流体源は、一酸化窒素ガスを有する。
一例において、上記動物は、家畜を含む。
一例において、上記家畜は、ウシ科動物、豚、馬、羊、又は山羊を含む。
一例において、流体を動物の鼻孔に投与する方法は、動物の経鼻投与装置を提供するステップであって、第1支持部材部分及び第2支持部材部分を備えた支持部材と、上記第1支持部材部分に接続された第1鼻道ノズルと、上記第2支持部材部分に接続された第2鼻道ノズルと、を含む動物の経鼻投与装置を提供するステップ、を有し得る。ここで、上記第1及び第2鼻道ノズルを少なくとも部分的に動物の鼻道内における中隔の周囲で固定するように、又、動物の鼻道内に流体が向けられ、その動物の鼻孔にその装置を係合させ、そして上記流体をその装置からその動物の鼻孔内に分注するように、上記第1支持部材部分と、第2支持部材部分とは、互いに対して、移動可能である。
一例において、上記動物に分注される一酸化窒素放出溶液の量は、約0.1mLと約5000mLの間である。
一例において、上記動物に分注される一酸化窒素放出溶液の量は、約10mLと1000mLの間である。
一例において、上記動物に分注される一酸化窒素放出溶液の量は、約2mLである。
一例において、上記動物に分注される一酸化窒素放出溶液の量は、約10mLである。
一例において、上記動物に分注される一酸化窒素放出溶液の量は、約32mLである。
一例において、上記動物に分注される一酸化窒素放出溶液の量は、160mLである。
一例において、上記流体源は、不活性化された一酸化窒素放出溶液を含む。
一例において、上記方法は、更に、上記不活性化された一酸化窒素放出溶液を活性化させるステップを有し得る。
一例において、上記流体は、上記一酸化窒素放出溶液の活性化から生じるガス圧力を用いて、分注される。
一例において、上記不活性化された一酸化窒素放出溶液の活性化は、上記装置からその動物の鼻孔内への上記流体の分注前に生じる。
一例において、上記不活性化された一酸化窒素放出溶液の活性化は、上記装置からその動物の鼻孔内への上記流体の分注時に生じる。
一例において、上記不活性化された一酸化窒素放出溶液の活性化は、上記装置からその動物の鼻孔内への上記流体の分注後に生じる。
幾つかの実施形態において、一般に、その方法のステップは順次行われ得るが、ここに開示されている方法においては、特定の順序が要求されていないことは、注目される。
勿論、上記アレンジメントは、本発明の原理の適用を単に例証しているに過ぎないことが、理解されるべきである。多数の変形形態や代替アレンジメントは、本発明の精神及びスコープから逸脱することなく、本技術に熟練した人達によって案出される可能性があり、そして、添付のクレームは、そのような変形形態やアレンジメントを含むことを意図している。従って、本発明は、現在、発明の最も実際的(実用的)で好ましい実施形態であると考えられるものに関連する特徴と詳細をもって説明されてきたが、一方で、本技術における通常のスキル(技能、熟練)を有する人達にとっては、ここで説明されてきた原理と概念から離れることなく、以下に限定されることなく、サイズ(寸法)、材料、形状、形態、動作(作動)の機能と方法、組み立て部品(assembly)、及び使用法(利用法、use)におけるバリエーションを含む、多数の変形(修正)がなされ得ることは、明白であろう。
関連出願の相互参照
この出願は、2016年7月20日に提出された米国特許出願第62/364,808号の利益を主張するものであり、その全体が参照により組み込まれている。
一酸化窒素ガス(Nitric oxide gas)は、抗菌効果を有しており、安全に投与される時には、被験体(subject)における微生物感染の治療法として用いられ得る。臨床の場における一酸化窒素の使用に関して、多くのシステムが記述されてきているが、一方で、これらのシステムは、被験体が長時間(長期間)静止状態に留まることを要するやり方で、一酸化窒素ガスを被験体に供給(搬送、delivery)することを目的に設計されている。残念ながら、一酸化窒素の治療が特に有益であろう多くの例は、その被験体が、一酸化窒素ガスの効果的な投与量(1回分の投与量)を受けるのに必要とされる時間、静止しているか、又は固定されることを、考慮していない。
例えば、1つのそのような例は、家畜産業において存在している。その家畜産業では、牛呼吸器複合感染症(Bovine Respiratory Disease Complex, BRDc)が、北米の肥育用肉牛において最も一般的な病気であり続けており、毎年、受け手の子牛の20〜40%を冒している。BRDcからの生産損失は、増大する治療及び処置費用に加えて、呼吸器関連の死亡率と死亡数とを含む。その病原性は、二次バクテリア感染(二次細菌感染)が後に続く、一次ウイルス感染に関連している。
BRDcの発生率(発病率、罹患率)は、一酸化窒素ガスの適切な投与量で処置される動物で減少することが示されている一方、そのような治療の有効な商業化は、投与時間強制の為に、実行性を欠いている状況にある。従って、一酸化窒素ガスの効果的な1回分の投与量を速やかに且つ効率的に送る装置、システム及び方法の必要性が存在している。
本開示の背景は、本発明の状況を説明する為に、ここに記載されている。これは、言及されている資料の何れもが、いずれの請求項の優先日の時点において、米国や他国において、刊行され、知られ、又は、本発明が関係する技術に関して一般常識の一部であったと承認若しくは示唆するものと、解されるべきではない。
1つのアスペクトにおいて、流体の経鼻投与装置が提供される。幾つかの実施形態において、獣医学上の被験体(以下、獣被験体と言う)用の経鼻投与装置は、獣被験体の鼻道(鼻通路 nasal passage)内へ挿入できる寸法を有する中隔インターフェース部を含む第1支持部材部分と、上記第1支持部材部分に接続されたアクチュエーション機構と、獣被験体の鼻道内への挿入に適して寸法構成された中隔インターフェース部を含む第1支持部材部分と、上記第1支持部材部分に接続されたアクチュエーション機構と、被支持端部の反対側に遠位端部を有する流体導管とを備え、上記遠位端部は、上記獣被験体の鼻道内へ挿入できる寸法を有し、上記流体導管は、柔軟であり、流体源からの流体を受け入れ、且つ、上記遠位端部を通って上記鼻道内に流体を放出できる寸法と構成(形状)を有し、上記流体導管の上記遠位端部は、支持されておらず、且つ、上記中隔インターフェース部に対して移動可能である。
幾つかの実施形態において、獣被験体のための経鼻投与装置は、第1部材と、流体導管と、第2流体導管とを備え、上記第1部材は第2部材に枢動可能に連結されており、上記第1部材及び上記第2部材はそれぞれ、アームと、上記アームに連結され且つ上記アームから近位方向に延在するハンドル部分と、顎部とを含み、上記第1部材のアームは、上記第2部材のアームに枢動可能に連結されており、上記顎部は、上記アームに接続され且つ上記アームから遠位方向に延在し、且つ遠位端部を有し、上記第1部材の顎部の遠位端部と、上記第2部材の顎部の遠位端部とは、獣被験体の鼻中隔をクランプするように構成されており、上記流体導管は上記第1部材によって支持されており、上記流体導管は上記第1部材の顎部の遠位端部から分離されている遠位端部を有し、上記第2流体導管は上記第2部材によって支持されており、上記第2流体導管は上記第2部材の顎部の遠位端部から分離されている遠位端部を有し、上記第1流体導管と上記第2流体導管とは、獣被験体内に流体を供給するため、経鼻投与装置が鼻中隔に対してクランプされているときに、上記獣被験体の翼状ひだと基底ひだとによって形成された流動くびれ(流れ狭窄部 flow constriction)を越えて延在するように寸法決めされている。
別のアスペクトにおいては、流体を獣被験体(104)に経鼻的に供給する為の方法が提供される。幾つかの実施形態において、この方法は、複数の流体導管(918,919)を備えた経鼻投与装置(900,1000)の顎部(980,981)を開くことと、上記顎部(980,981)と上記流体導管(918,919)とを上記獣被験体(104)の鼻孔内に挿入することと、上記獣被験体(104)の鼻の中に上記流体導管(918,919)を保持する為に、該獣被験体(104)の鼻中隔を上記顎部(980,981)でクランプすることと、上記流体導管(918,919)を通して流体を放出することとを備えている。動物用の上記経鼻投与装置は、第2支持部材に枢動可能に連結された第1支持部材と、流体導管と、第2流体導管とを備え、上記第1支持部材及び上記第2支持部材はそれぞれ、アームと、上記アームに連結され且つ上記アームから近位方向に延在するハンドル部分と、顎部とを含み、上記第1支持部材のアームは、上記第2支持部材のアームに枢動可能に連結されており、上記顎部は、上記アームに接続され且つ上記アームから遠位方向に延在し、上記第1部材の顎部と上記第2部材の顎部とは、獣被験体の鼻中隔をクランプするように構成されており、上記流体導管は上記第1支持部材によって支持されていて、遠位端部を有し、上記第2流体導管は上記第2支持部材によって支持されていて、遠位端部を有している。上記第1流体導管と上記第2流体導管とは、動物の上咽頭内に流体を供給するため、この経鼻投与装置が鼻中隔に対してクランプされているときに、上記獣被験体の翼状ひだと基底ひだとによって形成された流動くびれ(流れ狭窄部 flow constriction)を越えて延びている。
以上、後に続く詳細な説明がより理解されるように、そして、当該技術へのこの貢献がよりよく評価されるように、本発明の種々の特徴の概要をかなり広く述べた。本発明の他の特徴は、添付の特許請求の範囲と共に取り入れられる続く詳細な説明からもっと明らかになるであろう。
本発明の実施形態に関する次の詳細な説明は、添付図面と共に読めば、より良く理解されるであろう。しかしながら、本発明が、図に示されている実施形態の正確なアレンジメント(装置、配置、段取り、準備、arrangements)や方法(手段、instrumentalities)に限定されないことは、理解されるべきである。
本開示の一例に従う、動物の経鼻投与システムの概略図である。
本開示の他の例に従う、動物の経鼻投与システムの概略図である。
本開示の更なる他の例に従う、動物の経鼻投与システムの概略図である。
本開示の更なる他の例に従う、動物の経鼻投与システムの概略図である。
本開示の一例に従う、動物の経鼻投与装置の斜視図である。
動物の中隔に係合する図3Aの上記動物の経鼻投与装置の底面図である。
動物の中隔に係合する図3Aの上記動物の経鼻投与装置の側面図である。
本開示の一例に従う、動物の経鼻投与装置のスプレーヘッドの隔離図である。
本開示の他の例に従う、動物の経鼻投与装置の斜視図である。
本開示の更なる例に従う、動物の経鼻投与システムのアスペクト(外観、様相、特徴)を示す図である。 本開示の上記更なる例に従う、上記動物の経鼻投与システムのアスペクトを示す図である。 本開示の上記更なる例に従う、上記動物の経鼻投与システムのアスペクトを示す図である。
本開示の他の例に従う、動物の鼻に連結された経鼻投与装置を示す、動物の頭の斜視図である。
図7に示された上記経鼻投与装置の斜視図である。 図7に示された上記経鼻投与装置の上面図である。
本開示の更なる例に従う、経鼻投与装置内に含まれる鼻道ノズルの斜視図である。 本開示の上記更なる例に従う、上記経鼻投与装置内に含まれる上記鼻道ノズルの側面図である。
図7に示された上記経鼻投与装置の背面図である。
本開示の更なる他の例に従う、動物の鼻に連結された経鼻投与装置を示す、動物の頭の斜視図である。
図13に示された上記経鼻投与装置の斜視図である。 図13に示された上記経鼻投与装置の上面図である。 図13に示された上記経鼻投与装置の背面図である。
ウシ科動物の切開された頭の概略図である。
対応する参照符号は、幾つかの図を通して、対応するパーツを示している。それらの図面(図)は、本開示による種々の特徴やコンポーネントの実施形態を表しているが、本開示をより良く示し説明する為に、それらの図面は、必ずしも、縮尺通りのものではなく、幾つかの特徴が誇張されていることもあり得る。ここに説明される例示は、いかなる方法(やり方)によっても、本発明のスコープ(範囲)を限定するものとして解釈されるべきでない。
次の各用語は、このセクションにおける用語と関連した意味を有する。
或る量や、或る持続時間等の測定可能な値等に言及する時にここで用いられる「約」(about)は、特定の値から、±20%、±10%、±5%、±1%及び±0.1%の変動幅(そのような変動幅が妥当である場合)を含むことを意味している。本明細書において、数値に関連する「約」という用語の使用は、あたかも、該「約」という用語なしに表現されたかのような正確な数値をも支持していることが、理解されるべきである。
「有する、含む」(comprises)、「備えている、有している、含んでいる」(comprising)、「含んでいる」(containing)、「有している」(having)等の用語は、米国特許法でそれらの用語に帰属するとされる意味を有することができ、それらの用語は、「含む」(includes)、「含んでいる」(including)等を意味し得る。そして、それらの用語は、一般に、開放(制限のない)用語(open ended terms)であるものと解される。「から構成されている」(consisting of)又は「から構成される」(consists of)という用語は、閉じた用語(closed terms)であり、それらの用語は、そのような用語及び米国特許法に従う用語と一緒に明確に列挙されたコンポーネント、構造、ステップ等のみを含む。
明細書やクレームにおける、「第1の」、「第2の」、「第3の」、「第4の」等の用語は、もしあるなら、同様(類似)の要素(エレメント)を区別する為に用いられており、必ずしも、特定の順番又は時系列的な順序を記載する為には用いられていない。そのように用いられているあらゆる用語は、ここに記載されている実施形態が例えばここに説明されているか又は他の方法で記載されている順序以外の順序で動作可能であるような適切な状況下において、相互に置換可能であることが、理解されるべきである。同様に、1つの方法が、一連のステップを有するものとして、ここに記載されている場合、この中で示されているような、そのようなステップの順序は、必ずしも、そのようなステップが実行され得る唯一の順序ではない。しかも、述べられているステップの幾つかは、場合によっては、省略されることがあり、及び/又は、ここに記載されていない幾つかの他のステップが、場合によっては、その方法に追加されることがある。
反対の意思が明確に述べられている箇所以外において、用語は、明確化の為、それらの単数形で用いられており、該用語は、それらの複数形を含むことが意図されている。
ここで用いられている「NORS」は、一酸化窒素放出溶液又は物質(nitric oxide releasing solution or substance)のことを言っている。1つのアスペクトにおいて、NORSから放出(解放)されたNOは、ガスであり得る。
ここで用いられているように、「ガス状一酸化窒素」又は「gNO」は、外因性の一酸化窒素のことを言っている。gNOは、それ自体が獣被験体(veterinary subject)に供給される(搬送される、delivered)ことができ、或いは、NORSを介して、供給されることができる。
上記「獣被験体」は、人間ではない動物又は個体のことを言っている。獣被験体の幾つかの非限定的な例は、ウシ科動物、山羊、豚、ファウル(foul)、イヌ科動物、ネコ科動物、馬、アメリカ野牛、アルパカ、ラマ、羊等を含み得る。一実施形態において、上記獣被験体は、ウシ科動物であり得る。他の実施形態において、上記獣被験体は、鶏、雄鶏、アヒル、ガチョウ、キジ、又は他の家禽(fowl)であり得る。他の実施形態において、上記獣被験体は、豚(pig)その他の豚類(swine)であり得る。他の実施形態において、上記獣被験体は、犬又は猫であり得る。他の実施形態において、上記獣被験体は、白イタチ又はミンクであり得る。更に他の実施形態において、上記獣被験体は、商業上、商品価値がある動物であり得る。
「一実施形態において」又は「1つのアスペクトにおいて」という語句は、ここでは、必ずしも、全く同じ実施形態又はアスペクトに言及しているとは限らない。
ここで用いられているように、「治療剤」(治療薬、therapeutic agent)は、適切な量又は効果的な量が獣被験体に投与された時に、獣被験体に有益な効果又はプラスの効果を有し得る薬剤(agent)のことを言っている。1つのアスペクトにおいて、NOは、治療薬であり得る。
ここで用いられているように、薬剤の「効果的な量」とは、その薬剤に関する特定のタスク(仕事)又は所望の機能を遂行するに十分な量である。ここで用いられているように、「治療に効果的な量」という語句は、被験体における病気又は障害を防止又は治療(処置)するのに(該病気又は障害の発生を遅延又は防止するのに、或いは該病気又は障害の進行を防止するのに、或いは該病気又は障害を抑制、減少又は回復させるのに)十分な、又は効果的な、量のことを言っている。種々の生物学的ファクター(要因)は、その意図されたタスクを実行する物質の能力に影響し得ることが、理解される。従って、幾つかの例において、「治療に効果的な量」は、そのような生物学的ファクターに依存し得る。更に、その治療効果の達成は、その技術において知られている評価を用いる獣医、又は他の資格を有する獣医職員、によって測定され得る一方、治療に対する個々の相違(変動、variation)と反応は、その治療効果の達成を、多少主観的な判断にするかも知れないことが認識される。効果的な量又は治療に効果的な量の決定は、薬学及び医学の技術における通常の技量(技能)の範囲内のことである。
ここで用いられているように、複数の品目、構造的要素、構成的要素、及び/又は、物質(材料)は、便宜上、一般的なリストで示され得る。しかしながら、これらのリストは、そのリストの各部材が、あたかも、独立した唯一の部材として個々に識別されるかのように、解釈されるべきである。従って、そのようなリストの個々の部材は、それと反対の表示がなければ、共通のグループにおける、それらの表示に単に基づく同一リストのあらゆる他の部材の事実上の均等物として、解釈されるべきでない。
この開示を通して、本発明の種々のアスペクトは、或る範囲の書式(a range format)で示され得る。その範囲の書式における記載は、単に、便宜上及び簡略化の為のものであり、その記載は、本発明のスコープを硬直的に限定するものとして解釈されるべきでないことが、理解されるべきである。従って、ある範囲の記載は、その範囲内にある個々の数値と同様に、全ての可能な部分範囲(サブレンジ)を明確に開示していると見做される(考慮される)べきである。例えば、1から6迄のような一定の範囲(或る範囲)の記載は、その範囲内にある個々の数、例えば、1,2,2.7,3,4,5,5.3,6、及びそれらの間にあるあらゆる全体的及び部分的な増分(any whole and partial increments)、と同様に、1から3迄、1から4迄、1から5迄、2から4迄、2から6迄、3から6迄等のような部分範囲を明確に開示しているものと見做されるべきである。これは、その範囲の幅にかかわらず、当てはまる。
1つのアスペクトにおいて、本開示は、獣被験体におけるバクテリア、ウイルス、又は他の病原菌の存在を減じることができる一酸化窒素放出溶液(NORS)に関する、動物用経鼻投与装置と、関連するシステムと、方法とを提供する。1つのアスペクトにおいて、本開示は、一酸化窒素放出溶液を獣被験体の処置部位(治療部位)、例えば動物の上気道の少なくとも一部分、に供給することで被験体動物を処置(治療)する為の方法と装置とを提供する。
本開示は、一酸化窒素放出溶液を供給する為の投与プロトコルが短時間(短期間)で実行される、歩行可能な獣被験体又は獣被験体のアセンブリライン(assembly line)への一酸化窒素の供給を可能とするものである。例えば、投与される一酸化窒素放出溶液による処置部位への一酸化窒素の持続放出(徐放、extended release)と供給は、処置中に、処置されている被験体が歩行可能な状態に留まるか、或いは、大変短い時間しか静止状態に留まらないことを許容する。このように、獣被験体は、一酸化窒素が供給される全体的な継続時間中、一酸化窒素供給(一酸化窒素搬送)装置に拘束されない。むしろ、その一酸化窒素放出溶液は、その被験体に、短い処置時間にわたり、投与されることができ、投与に続いて、その一酸化窒素放出溶液は、その被験体に、持続放出される治療上有効な量の一酸化窒素を継続して供給するであろう。被験体が処置中に歩行可能な状態に留まることができることは、牛において、とりわけ重要である。何故なら、牛若しくは獣医学に関する他の被験体は、例えば、スクイーズ・シュート(squeeze chute)内等に拘束された時に、ストレスを受け得るからであり、又、ストレスは、BRDcの発生率を増加させ悪化させ得るからである。例えば、コンパニオン・アニマル(人間の伴侶としてのペット)に関連する幾つかの実施形態において、その動物が、経鼻投与装置を十分に(完全に)支持することなしに、流体導管を案内するのが望ましいかも知れない。代わって、流体導管が挿入されている間、動物の頭を拘束(保持)し、流体導管の深さ停止面(depth stop surface)が動物の鼻に当接すると、流体が放出されてもよい。その時点で、その装置を取り外すことができる。
幾つかの実施形態において、上記一酸化窒素放出溶液は、酸性化剤又は活性剤(例えば、クエン酸)を不活性な(dormant)NORS溶液に加えることで、被験体への投与直前に準備される。あるいは、亜硝酸ナトリウムが、不活性な酸性化された溶液に加えられ得る。最も安定した貯蔵寿命等の多数の成績係数(performance factors)に基づき、いずれかの手法が、選択され、用いられ得る。例えば、上記酸性化剤を上記不活性な溶液に加えることで、その不活性な溶液のpHは低下し、これにより、その処置部位に投与されるべく、その一酸化窒素放出溶液は活性化される。重要なことは、その一酸化窒素放出溶液が、例えば、該一酸化窒素放出溶液を投与するのに要する時間を超えて、一酸化窒素の生成を引き延ばして該一酸化窒素を提供し得ることである。一実施形態において、その一酸化窒素放出溶液は、1分と24時間の間の期間、一酸化窒素を生成する。一実施形態において、その一酸化窒素放出溶液は、10分と45分の間の期間中、一酸化窒素を生成する。一実施形態において、その一酸化窒素放出溶液は、少なくとも15分間、一酸化窒素を生成する。一実施形態において、その一酸化窒素放出溶液は、少なくとも30分間、一酸化窒素を生成する。他の実施形態において、その一酸化窒素放出溶液は、少なくとも1時間、一酸化窒素を生成する。他の実施形態において、その一酸化窒素放出溶液は、少なくとも4時間、一酸化窒素を生成する。他の実施形態において、一酸化窒素放出溶液は、少なくとも8時間、一酸化窒素を生成する。他の実施形態において、その一酸化窒素放出溶液は、少なくとも12時間、一酸化窒素を生成する。他の実施形態において、その一酸化窒素放出溶液は、少なくとも24時間、一酸化窒素を生成する。このように、投与された一酸化窒素放出溶液は、被験体の処置部位に、一酸化窒素を連続的に供給する。幾つかの実施形態において、上記処置部位は、NORSの投与の箇所、例えば上気道、にあるか、若しくは該箇所の近傍にあり得ることに留意されるべきである。しかしながら、幾つかの実施形態において、処置部位(つまり、一酸化窒素の治療(療法)が望まれる部位)は、NORSの投与の箇所から遠位側(distal)(例えば、下気道)にあることができる。
上記一酸化窒素放出溶液は、種々の形態で、上記被験体に投与し得る。その一酸化窒素放出溶液は、本技術に熟練した者によって理解されるであろうように、その溶液から一酸化窒素を放出(解放)する、流体として、スプレー(噴霧液、霧状の飛沫)として、蒸気として、ミクロ液滴として、ミスト(霧)として、或いは、あらゆる形態で、投与され得る。一実施形態において、上記一酸化窒素放出溶液は、スプレーとして、投与される。他の実施形態において、上記一酸化窒素放出溶液は、蒸気として、投与される。他の実施形態において、上記一酸化窒素は、ガスとして、投与される。投与される一酸化窒素放出溶液の量、つまり、その(1回分の)投与量は、一酸化窒素の生成と供給の存続時間を最適化する為に、変動し得る。一実施形態において、被験体に投与される、その一酸化窒素放出溶液の量は、約0.1mLと5,000mLの間にある。他の実施形態において、被験体に投与される、その一酸化窒素放出溶液の量は、約10mLと1,000mLの間にある。一実施形態において、被験体に投与される、その一酸化窒素放出溶液の量は、約2mLである。一実施形態において、被験体に投与される、その一酸化窒素放出溶液の量は、約10mLである。一実施形態において、被験体に投与される、その一酸化窒素放出溶液の量は、約32mLである。他の実施形態において、被験体に投与される、その一酸化窒素放出溶液の量は、約160mLである。これらの量等は、与えられた投与時間内に、例えば、1分以内に、30秒以内に、10秒以内に、5秒以内に、2秒以内に、又は1回のスプレー又は複数回のスプレーを投与するのに適切又は有利だと思われる他のあらゆる最適な時間(期間、window)内に、1回のスプレー(噴霧)で、又は複数回のスプレー(例えば、2,3,4,5,6又は8〜10回のスプレー)で、投与され得る。上記一酸化窒素放出溶液は、その被験体を効果的に処置するべく必要に応じて、1回以上、再投与され得る。一実施形態において、上記一酸化窒素放出溶液は、被験体に、1回、投与される。他の実施形態において、上記一酸化窒素放出溶液は、被験体に、複数回、投与される。この場合、上記一酸化窒素放出溶液は、実質的に、投与された前回の(1回分の)投与量から、時間延長された一酸化窒素ガスの放出が完結した後に、再投与される。
幾つかの実施形態において、一酸化窒素放出溶液は、被験体の上気道内に直接投与される。例えば、一実施形態において、上記一酸化窒素放出溶液は、被験体の上気道内に噴霧される。上記溶液は、1時間に一度、1日に一度、1週間に一度、2週間に一度、ひと月に一度、ふた月に一度、1年に一度、そして、その被験体を処置する必要に応じて、それらの間にある、全てのあらゆる範囲で、その被験体の上気道内に投与され得る。一実施形態において、上記溶液は、1週間に一度、噴霧される。他の実施形態において、上記溶液は、連続する4週間の間、1週間に一度、噴霧される。上記一酸化窒素放出溶液は、一酸化窒素の生成(期間)を延ばし、これにより、上記被験体の呼吸系に対して、治療用一酸化窒素の連続的な供給が実現される。
被験体に対する上記一酸化窒素放出溶液の投与継続時間(投与継続期間)は、所望の供給(搬送)を得る為に、変動し得る。一実施形態において、その一酸化窒素放出溶液は、5秒未満の時間(期間、time period)にわたり、被験体に投与される。他の実施形態において、その一酸化窒素放出溶液は、約5秒の時間にわたり、被験体に投与される。他の実施形態において、その一酸化窒素放出溶液は、約30秒の時間にわたり、被験体に投与される。他の実施形態において、その一酸化窒素放出溶液は、約1分の時間にわたり、被験体に投与される。他の実施形態において、その一酸化窒素放出溶液は、約2分の時間にわたり、被験体に投与される。他の実施形態において、その一酸化窒素放出溶液は、約10分の時間にわたり、被験体に投与される。他の実施形態において、その一酸化窒素放出溶液は、約30分の時間にわたり、被験体に投与される。
1つのアスペクトにおいて、ここに開示される原理は、被験体における呼吸器の病気又は障害の処置(治療)、防止、又は、該病気又は障害の発生率の減少を図るものである。処置され得る例示的な呼吸器の病気又は障害は、BRDc、豚呼吸器複合感染症(porcine respiratory disease complex, PRDc)等を含むが、これらには限定されない。幾つかのケースにおいて、その呼吸器の病気又は障害は、細菌(例えば、マンヘミア・ヘモリチカ、ホラ・ソムニ、マイコバクテリア)、菌類、ウイルス(例えば、牛伝染性鼻気管炎(IBR)、ウシパラインフルエンザ-3(PI-3)、及びウシRSウイルス(BRSV))、原生動物、寄生動物(寄生虫)、及び/又は、節足動物、1つ以上の抗生物質に対して耐性を獲得した細菌によって、生じせしめられ得る。本開示による呼吸器病の処置は、処置されるべき被験体の上気道内への一酸化窒素放出溶液の供給を含む。例えば、幾つかの実施形態において、一酸化窒素放出溶液は、被験体の気道内に、噴霧されるか、吸入されるか、又は滴下される。一酸化窒素放出溶液は、被験体の鼻腔又は口腔を通して、被験体の気道内に投与される。一実施形態において、その一酸化窒素放出溶液は、被験体の上気道内に噴霧される。一実施形態において、その溶液は、経鼻的に被験体に投与される。一実施形態において、その溶液は、洞(sinuses)に投与される。上記一酸化窒素放出溶液は、一酸化窒素の生成(期間)を延ばし、これにより、上記被験体の気道に対して、治療用一酸化窒素の連続的な供給が実現される。
図1に関して、本開示の一例に従う、動物用経鼻投与システム100が示されている。このシステム100は、流体(例えば、一酸化窒素放出溶液)を動物104の鼻孔103に投与するのに用いることのできる動物用経鼻投与装置101を含みことができる。このシステム100は、又、流体をその経鼻投与装置101に供給する為の流体源102を含み得る。1つのアスペクトにおいて、該流体源102により供給される、及び/又は、上記装置101により投与される流体は、液状又はガス状であり得る。幾つかの実施形態において、その液体は、所望の粘性を有するように調製され得る。
上記経鼻投与装置101は、上記流体源102からの流体を受けるように構成された各鼻孔用の鼻道(nasal passage)ノズル110を含み得る。上記流体源102は、流体導管120を介する等して、上記鼻道ノズルに流体的に接続されている。上記経鼻投与装置101は、又、上記鼻道ノズルを動物104の鼻中隔105に向けて付勢する為の付勢機構を含み得る。これにより、動物の鼻道(鼻通路、鼻腔 nasal passage)内に上記流体を投与している間、この装置は、上記中隔の周りの所定位置に固定される。各ノズルの上記中隔に向けての付勢動作(付勢作用)は、それらがその反対側にある時に、上記鼻道ノズルや上記装置の他のパーツが、上記中隔を効果的に挟んで締め付けることを可能とする。上記装置は、次いで、それが上記中隔を挟んで締め付けた時に、所定位置に保持され得る。上記動物用経鼻投与システム100は、又、上記流体源102から上記鼻道ノズル110に流体を供給するように機能することができるポンプ121を含み得る。このポンプ121は、電気により動力が供給されるモーター付きポンプ、及び/又は、手動式ポンプ、であり得る。NOによる効果的な処置を提供する一定の分量と一定の速度でNORSを供給するに十分な、あらゆるポンプが用いられ得る。一例において、NORSは、上気道内の咽頭扁桃物質(pharyngeal tonsillar material)にNORSの液体を確実に供給するに十分な速度で供給され得る。被験体内の特定の物理的位置に特定の分量のNORSを配する等の特定の結果を達成する為に、分量(体積、volume)、供給時間(搬送時間)及び変化量(変化割合、変化程度、variation)等の他の供給パラメーターと特性とが、選択され、コントロールされ、用いられ得る。例えば、或る設定された分量は、変動する圧力をもって供給されることができ、又は、或る所望の分量を実現する為に、或る固定された圧力と共に、或る設定された時間が用いられ得る。
一例において、手動式ポンプ(例えば、トリガー作動式真空ハンドポンプ)は、電気を用いることなく上記流体を上記装置101に供給する為、上記流体導管120に「インラインで」接続され得る。1つのアスペクトにおいて、上記流体源は、使用中、使用者(ユーザー)により、携帯可能であり得る。幾つかの実施形態において、使用者による可搬性を促進する為に、上記システム100は、上記流体源102に接続可能な(例えば、直接接続されるか、又は、バックパック若しくは他のキャリングケースを介して接続される)1つ以上の運搬ストラップ126を含むことができる。従って、幾つかの実施形態においては、上記システム100は、持ち運び可能であり、そして、もっぱら、使用者によって動力供給されることが可能である。代替実施形態において、上記流体源は、実質的に不動(非可搬)のものであることができ、幾つかのケースにおいて、その流体源は、ポスト(柱、支柱)、又は他の固定物、に取り付けられることができる。この実施形態は、多数の被験体を処置するに際して、有利であり得る。何故なら、それは、(つまり、大きなコンテナから)大量の一酸化窒素放出溶液を使用することを可能とするからである。
例えば、動物104に投与する1回分の流体量を制御する為等、上記鼻道ノズル110への流体の流れを制御する為に、上記システム100は、上記流体源102、流体導管120、及び/又は、上記装置101と連携する1つ以上のバルブを含み得る。バルブは、適切などのような位置にも配置され得るが、例えば、バルブ106は、上記流体源102に、又は該流体源102の近傍に、配置されることができ、バルブ107は、上記装置101に、又は該装置101の近傍に、配置されることができる。1つのアスペクトにおいて、特定のノズルに対する流体の流れを制御する為に、バルブは、上記鼻道ノズル110の一方又は両方と連携することができる。被験体に投与するために一酸化窒素放出溶液の特定量又は1回分の投与量を計量する為の他のあらゆる機構も用いられ得る。これには単純に、流量と組み合わせた、上記溶液が投与される時間量(つまり、投与時間(投与期間、administration period))等が含まれる。
幾つかの実施形態において、上記流体源102は、不活性化された一酸化窒素放出溶液123、活性剤124、活性化された一酸化窒素放出溶液、及び/又は、一酸化窒素ガス、を含み得る。上記活性剤124は、混合時に、上記不活性化された一酸化窒素放出溶液123を活性化するように構成され得る。1つのアスペクトにおいて、上記活性剤124は、上記不活性化された一酸化窒素放出溶液123から分離されたままにされ得る。上記活性剤124は、例えば、固体(例えば、パウダー、タブレット、及びカプセル)や、液体(例えば、溶液)や、ガス等の、あらゆる適切な形態であることができる。上記流体源102は、上記不活性化された一酸化窒素放出溶液123、上記活性剤124、活性化された一酸化窒素放出溶液、及び/又は、一酸化窒素ガスの為の、1つ以上のコンテナ(容器)122又は貯蔵器(リザーバー)を含み得る。一般に、上記活性剤124と、上記不活性化された一酸化窒素放出溶液123とは、上記コンテナ122内にあり得る混合チャンバ125内で、少なくとも部分的に混合され得る。このように、1つのアスペクトにおいて、上記不活性化された一酸化窒素放出溶液123は、コンテナ122内で活性化されることができ、動物104に投与する為の上記装置101に、分注又は供給されることができる。上記ポンプ121は、活性化された一酸化窒素放出溶液を、上記流体源102から上記装置101に運ぶ(供給する、搬送する)ことができる。あるいは、活性化された一酸化窒素放出溶液は、一酸化窒素放出溶液の活性化から生じる一酸化窒素ガスの生成に起因する、コンテナ122内の圧力によって、上記流体源102から上記装置101に運ばれ得る。言い換えれば、一酸化窒素の形成に起因する、コンテナ122内のガス圧力の増加により、上記コンテナ122から上記装置101に向けて、上記動物への供給用の上記流体導管120を介し、活性化された一酸化窒素放出溶液の移動が、生じせしめられ得る。そのような実施形態において、ポンプ121は必要とされなくとも良いし、或いは、該ポンプ121は、コンテナ122内の圧力が不十分になって一酸化窒素放出溶液の分注が所望の割合(程度、rate)/分量(volume)で継続することが困難になった場合に、用いられてもよい。以下により詳細に記載する代替実施形態においては、上記コンテナ内で圧力を発生させて上記一酸化窒素放出溶液の投与を容易化する為に、電動又は手動で操作されるポンプを用いることができる。
図2A〜図2Cに示される他のアスペクトにおいて、活性剤と、不活性化された一酸化窒素放出溶液とは、コンテナ、例えば図1のコンテナ122、の外側にある混合チャンバ内において、少なくとも部分的に混合され得る。例えば、図2Aに示されるように、経鼻投与システム200は、経鼻投与装置201に(例えば、鼻道ノズル210に)、導管220を介して流体的に接続された流体源202を含み得る。この導管220は、不活性化された一酸化窒素放出溶液223と結合した(associated with)導管220aと、活性剤224と結合した導管220bとを含み、各々、分離されたコンテナに配置することができる。上記導管220a,220bは、上記鼻道ノズル210に先立って、例えば、経鼻投与装置201内にある混合チャンバ225で結合されることができ、これにより、上記不活性化された一酸化窒素放出溶液223と上記活性剤224との混合が上記流体源202と上記鼻道ノズル210との間で生じる。このようにして、上記一酸化窒素放出溶液は活性化されることができる。換言すれば、活性化された溶液は、被験体に対してその一酸化窒素放出溶液が供給されている間又は投与されている間に形成されることができる。
図2Bに示される他の例において、経鼻投与システム300は、経鼻投与装置301に(例えば、鼻道ノズル310に)、導管320を介して流体的に接続された流体源302を含み得る。この導管320は、不活性化された一酸化窒素放出溶液323と結合した(associated with)導管320aと活性剤324と結合した導管320bとを含み、それらの各々は、分離されたコンテナに配置することができる。上記導管320a,320bは、上記鼻道ノズル310に先立って、例えば、上記流体源302と上記経鼻投与装置301との外側にある混合チャンバ325において結合されることができ、これにより、上記不活性化された一酸化窒素放出溶液323と、上記活性剤324との混合が、上記流体源302と、上記鼻道ノズル310との間で生じる。1つのアスペクトにおいて、上記混合チャンバ325は、上記不活性化された一酸化窒素放出溶液323と上記活性剤324との混合が、上記経鼻投与装置301に対して「インラインで」生じるように、上記導管320の少なくとも一部分を成し得る。従って、上記混合チャンバ325は、あらゆる適切な構造、例えば、上記流体源302と上記経鼻投与装置301との間に設けられ得る配管、を有することができ、上記不活性化された一酸化窒素放出溶液323と上記活性剤324とを混合する役目を果たし得る。上記混合チャンバ325は、上記導管320を形成する配管の一体部分を成すことができる。或いは、その混合チャンバ325は、上記導管320の一部分をなす配管に結合された別体のコンポーネントであることができる。活性化された一酸化窒素放出溶液は、上記混合チャンバ325から、導管320cを通って、上記経鼻投与装置301に運ばれ得る。
図2Cに示される更なる他の例において、経鼻投与システム400は、導管420を介して経鼻投与装置401に(例えば、鼻道ノズル410に)流体的に接続された流体源402を含み得る。この導管320は、不活性化された一酸化窒素放出溶液423と結合した(associated with)導管420aと、活性剤424と結合した導管420bとを含み、それらの各々は、分離されたコンテナに配置されることができる。上記導管420a,420bは、上記不活性化された一酸化窒素放出溶液423と上記活性剤424との混合が上記鼻道ノズル410で生じるよう、混合チャンバを形成し得る上記鼻道ノズル410で結合することができる。従って、上記鼻道ノズル410は、複数の導管から導入された溶液を収容して、上記不活性化された一酸化窒素放出溶液423と上記活性剤424とを混合する役目を果たし得る適切な構造を有することができる。従って、上記不活性化された一酸化窒素放出溶液と上記活性剤との混合が、上記経鼻投与装置401が係合した動物において生じるように、上記導管420a,420bは、上記流体源402から上記鼻道ノズル410まで、分離されたままでいることができる。換言すれば、上記一酸化窒素放出溶液は、投与部位において生体内で(in vivo)、或いは、上記ノズルから分注された後に、活性化又は形成される。
1つのアスペクトにおいて、活性化溶液と不活性化された一酸化窒素放出溶液が別々に動物に投与されるように、各鼻道ノズルは、活性化溶液か、不活性化された一酸化窒素放出溶液かのいずれかを受け取ことができる。つまり、上記一酸化窒素放出溶液を活性化させる為に、上記活性化溶液と、不活性化された一酸化窒素放出溶液とは、上記経鼻投与装置から分注された後に、その動物におけるか、又はその動物の内側、例えば鼻道内、において、混合され得る。幾つかの実施形態において、各ノズルは、分離した別々の開口(孔、穴)と、活性剤及び亜硝酸塩溶液(つまり、不活性化されたNORS)の各ソース(各源泉)との支持流体接続部(supporting fluidic connections)とを有し得る。このようにして、各ソースからの溶液は、被験体への同時的な供給を目的として、ノズルに、別々に、しかも同時に、供給されることができる。ノズルは、単一の開口を有することができ、溶液は、例えば不活性化されたNORS(つまり、亜硝酸塩溶液、クエン酸)のスプレーの後に活性剤溶液(例えば、クエン酸、アスコルビン酸、亜硝酸塩溶液等)のスプレーが行われるように、交互に、投与されることができる。
図3A〜図3Cは、本開示の例に従う、動物用経鼻投与装置501を示している。この経鼻投与装置501は、上記したような流体源からの流体を受け入れるように構成された、各鼻孔503(図3C)用の鼻道ノズル510a,510bを含み得る。この経鼻投与装置501は、又、上記鼻道ノズル510a,510bを、動物の中隔505(図3B及び図3C)の方向に付勢する為の付勢機構530を含み得る。これにより、上記流体が動物の鼻道内に投与されている間、上記装置501は、その中隔505の周囲の所定位置に固定される。
1つのアスペクトにおいて、その経鼻投与装置501は、上記鼻道ノズル510a, 510bに夫々接続されると共に、上記鼻道ノズル510a,510bを夫々支持する、支持部材部分541a,541bを有する、支持部材540を含み得る。上記鼻道ノズル510a, 510bを、動物の上記鼻孔503内における上記中隔505の周囲で、少なくとも部分的に固定する為に、そして流体が動物の鼻道内に向けられるように、これらの支持部材部分541a,541bは、互いに、移動自在であり得る(つまり、ピボットカップリング543において、互いに、枢動可能(枢動自在)に連結(pivotally coupled)され得る)。つまり、流体の鼻道深くへの供給準備の為に、上記装置501が動物の上記中隔505に係合せしめられる時、上記鼻道ノズル510a,510bは、ノズル開口511a,511bを鼻道と整列させる為に、正しい方向に向けられることができる。
1つのアスペクトにおいて、上記鼻道ノズル510a,510bは、図3Bに示される如く動物に存在し得る鼻ひだ(nasal folds)508a,508bを通り越して、流体を鼻道内に向けるように、構成され得る。例えば、ウシ科動物は、翼状ひだ(翼状靱帯、alar fold)、基底ひだ(basal fold)及び直線ひだ(straight fold)を有し得る。つまり、上記鼻道ノズル510a,510bは、1つ以上のそのようなひだを通り越して、流体を鼻道内に方向付けるように構成されることができ、これにより、その流体は、鼻道深くに供給される。一例において、図3Bに示されるように、上記鼻道ノズル510a,510bは、1つ以上の鼻ひだ508a,508bを通り越し、鼻咽頭(nasopharynx)の鼻咽頭扁桃物質(nasopharyngeal tonsillar material)に達する迄、鼻孔内に伸びるように、又は該鼻孔内を貫通するように、構成され得る。他の例において、上記鼻道ノズル510a,510bは、1つ以上の鼻ひだを越えて鼻孔内に伸びることなしに、又は1つ以上の鼻ひだを越えて該鼻孔内を貫通することなしに、上記流体を1つ以上の鼻ひだを通り越すように方向付けるべく、位置決めされ、正しい方向に向けられることができる。要するに、その被験体の特定の生体構造を考慮して、その被験体が効果的な一酸化窒素治療(一酸化窒素療法)を受けることを許容するに十分な方法(やり方)で、一酸化窒素放出溶液を、上記鼻道内に、或いは、あらゆる被験体の気道におけるあらゆる他の所望位置又は特定位置に、効果的に投与するのに要するあらゆる構成が、用いられ得る。
1つのアスペクトにおいて、上記鼻道ノズル510a,510bを、上記中隔505の周辺の固定位置(留め位置)に向けて、531a,531bの方向に付勢するべく、上記支持部材部分541a,541bは、上記付勢機構530により、互いに、移動自在であることができる。例えば、その付勢機構530は、上記支持部材部分541a, 541bに作用して、該支持部材部分541a,541bを上記中隔505の周辺の上記固定位置方向に付勢する為のスプリングを有し得る。その付勢機構530により、従って、上記中隔505は、上記鼻道ノズル510a,510bによって把持されて締め付けられることが可能となり、その結果、それらのノズル510a,510bは、鼻孔503内の所定位置に保持される。スプリングとして示されているものの、上記付勢機構530は、その所望の付勢作用を提供するに十分である、あらゆる装置、パーツ又は機構であり得ることが、理解されるべきである。更に、上記付勢機構530は、その所望の付勢作用を提供するに適切な、上記装置501上のあらゆる場所に位置決めされ得る。1つのアスペクトにおいて、付勢力又はスプリング力は、不必要な痛みを動物に生じさせることなく上記装置501をその動物に固定するという要望に従って、調整自在であることができる。1つのアスペクトにおいて、上記支持部材540は、上記中隔505の先端(チップ、tip)506の周囲に遊び(クリアランス、余裕)を提供するように構成され得る。例えば、図3Bに示されるように、上記中隔505の先端506の周辺に遊びを提供するように、上記支持部材部分541a, 541bは、弓形の形態(形状)を有し得る。
上記経鼻投与装置501は、上記中隔505に夫々接して動物の鼻道内深くへの流体の案内を容易化するように上記鼻道ノズルを夫々位置決めする、上記鼻道ノズル510a,510bと連携する中隔インターフェース部(中隔接触部分)512a,512bを含み得る。例えば、この中隔インターフェース部512a,512bは、上記鼻道ノズル510a,510bとノズル開口511a,511bとを、上記中隔505から十分な距離をもって隔てるか、又は位置決めする、役目を果たし得る。これにより、上記中隔505からの干渉なしに、鼻道内への散布(散乱)又は噴霧パターンの適用範囲が容易化されて維持される。
上記鼻道ノズル510a,510bにより、流体が、動物の鼻道開口と実質的に整列する方向に向けられるようにする為に、上記経鼻投与装置501は、又、上記被験体の鼻孔503内での上記鼻道ノズル510a,510bの適切な位置決め及び/又は正しい方向付けを容易化して維持するべく、上記中隔505の先端506に当接するように構成された位置決め部材550を含み得る。このようにして、位置決め部材550は、被験体の鼻孔503内における上記鼻道ノズル510a,510bの適切な位置決め及び/又は正しい方向付けを維持する為の深さストッパとして、機能し得る。例えば、上記位置決め部材550は、上記鼻道ノズル510a,510bを上記鼻道開口に対して適切な距離をもって適切に位置決めする為、上記ノズル開口511a, 511bが上記中隔505の先端506から一定の深さ554にあるように上記鼻道ノズル510a,510bを位置決めするべく、構成され得る。1つのアスペクトにおいて、上記位置決め部材550は、長手軸(長手方向軸)552を有する細長部分551を有し得る。この長手軸552は、実質的に、上記支持部材部分541a,541bの相互移動の為の回転軸542と平行である。例えば、上記位置決め部材550は、基部553が上記細長部分551を支持するところで、“T”形状を有し得る。該基部553は、上記支持部材540に、例えば、上記支持部材部分541a,541bの一方又は両方に、該支持部材部分541a,541bの上記ピボットカップリン543において、接続(連結)され得る。上記装置501の、使用中における、たるみ又は下方向への回転を防止又は最小化する為に、上記細長部分551は、動物のマズル(鼻口部、muzzle)507に当接するように、構成され得る。これにより、上記鼻道ノズル510a,510bの適切な整列が容易化される。
使用者による上記支持部材部分541a,541bの相対的移動を容易化する為に、
上記経鼻投与装置501は、上記支持部材540に接続された使用者インターフェース560を含み得る。例えば、該使用者インターフェース560は、使用者インターフェース部561a,561b、例えば、上記支持部材部分541a,541bに夫々接続されたハンドル、を含み得る。これにより、例えば、上記使用者インターフェース部561a,561bを互いの方向に向けて強く握る等することにより、使用者による、上記鼻道ノズル510a,510bの、上記付勢方向531a,531bとは反対方向への、移動が容易化される。
1つのアスペクトにおいて、上記経鼻投与装置501は、流体を被験体の鼻孔503に方向付けるように構成された、1つ以上の鼻孔ノズル513a,513bを含み得る。特定のアスペクトにおいて、その鼻孔ノズル513a,513bは、流体を前鼻孔(anterior nostrils)に方向付けるように構成され得る。上記鼻孔ノズル513a,513bは、上記支持部材540に接続(連結)され得る。例えば、上記支持部材540は、上記鼻孔ノズル513a,513bを夫々位置決めする為の横方向延在部分544a,544bを有し得る。1つのアスペクトにおいて、該横方向延在部分544a,544bは、夫々、上記支持部材部分541a,541bに接続され、且つ、該支持部材部分541a,541bから延在し得る。他のアスペクトにおいて、上記経鼻投与装置501は、流体を動物のマズル507に方向付けるように構成された(これらの図面には示されていない)1つ以上のマズルノズルを含み得る。マズルノズルは、上記支持部材部分541a,541b、及び/又は、上記横方向延在部分544a,544b、の1つ以上のものによって、支持され得る。そのようなものとして、少なくとも単一の装置を用いて、上記一酸化窒素放出溶液は、上記鼻道と鼻孔との両方に、同時に、供給されることができる。
上記経鼻投与装置501は、合計で4つのノズルを有するものとして示されているが、本開示に従う経鼻投与装置は、動物のマズル、鼻孔(nares)、鼻孔(nostrils)、鼻道(nasal passages)等のあらゆる適切な領域に対して、適切な角度で方向付けられる適切な散布パターン又はスプレーパターンを有し得る、あらゆる適切な数のノズルを含み得ることが認識されるべきである。換言すれば、ノズルの散布パターン又はスプレーパターンは、特に、特定の領域(つまり、鼻道、鼻孔、マズル等)に適合せしめられることができ、該パターンは、流体を、その領域上に、又はその領域内に、向ける為に、あらゆる適切な角度で正しく方向付けられ得る。1つのアスペクトにおいて、1つのノズルは、流体を複数の領域上に向けるように、構成され得る。例えば、上記鼻孔ノズル513a,513bは、流体を上記鼻孔と上記マズルとに散布又はスプレーするように構成され得る。このように、本開示に従う経鼻投与装置の上記ノズルは、鼻道と、該鼻道内への入口表面とを対象とする、種々の散布パターン若しくはスプレーパターンを有するように、構成されることができる。上記装置501と共に用いられるノズルは、従って、与えられた目的に適した、又は目標とする散布領域に適した、技術において知られている、あらゆるスプレーパターンをイニシエートし得る。
1つのアスペクトにおいて、上記経鼻投与装置501は、該装置501のノズルに流体的に接続された流体分配マニフォルド(流体分配多岐管)532を含み得る。明確化の為に、外部の流体カップリング又は導管、例えば、配管又はホース等、は、図3A〜図3Cにおいて、省略されている。この流体分配マニフォルド532は、流体源から流体を受ける1つのインレットポート533と、その装置501の種々のノズルに流体を分配する為の複数のアウトレットポート534a,534b,535a,535bと、を有し得る。例えば、アウトレットポート534a,534bは、夫々、上記鼻道ノズル510a,510bに流体的に接続されることができ、又、アウトレットポート535a,535bは、夫々、上記鼻孔ノズル513a,513bに流体的に接続されることができる。このように、上記鼻道ノズル510a,510bと上記鼻孔ノズル513a,513bの各々は、流体源からの流体を受ける導管と接続されるように、構成されることができる。上記流体分配マニフォルド532は、上記装置501の他の構造的コンポーネント、例えば、支持部材540又は位置決め部材550、から分離して示されているが、流体分配マニフォルドは、上記装置501のあらゆる構造的部分、例えば、上記支持部材540及び/又は上記位置決め部材550の1つ以上の部分、に接続され得るか、又は、該部分と一体的に形成され得ることが、認識されるべきである。1つのアスペクトにおいて、上記流体マニフォルド532は、上記したような、少なくとも2つのインレットポートと、1つの混合チャンバと、を含み得る。これにより、不活性化された一酸化窒素放出溶液と、活性剤との混合が、流体源と、上記鼻道ノズル510a,510bとの間で生じる。他のアスペクトにおいて、上記流体分配マニフォルド532は、上記装置501の1つ以上のノズルを流れる流体を制御する為の、1つ以上のバルブを含み得る。
1つのアスペクトにおいて、上記支持部材540は、該支持部材540を通して1つ以上の開口又は通路により形成された、内部流体導管を有し得る。例えば、上記支持部材部分541a,541bの1つ以上のものは、上記流体源から上記各鼻道ノズル510a,510bに流体を導く為の流体導管の少なくとも一部分を含み得る。同様に、上記横方向延在部分544a,544bの1つ以上のものは、上記流体源から上記各鼻孔ノズル513a,513bに流体を導く為の流体導管の少なくとも一部分を含み得る。つまり、そのような内部流体導管は、上記流体源から直接的に、或いは上記流体分配マニフォルド532からの分配後に、流体を受け入れることができる。
1つのアスペクトにおいて、上記経鼻投与装置501は、パーツの交換可能性を容易化するように、構成され得る。例えば、上記支持部材部分541a,541bは、例えばファスナー515等でノズル又はスプレーヘッド514a,514bと取り外し可能に接続されるように、構成され得る。同様に、上記横方向延在部分544a,544bは、例えばファスナー515等でノズル又はスプレーヘッド516a,516bと取り外し可能に接続されるように、構成され得る。更に、上記支持部材部分541a,541bは、上記使用者インターフェース部561a,561bと取り外し可能に接続されるように、構成され得る。更に、上記付勢部材又はスプリング530は、上記支持部材540に取り外し可能に接続され得る。このように、ノズル、スプリング、ハンドル、位置決め部材等は、交換可能であり、又、当該部材等は、異なる動物種、及び/又は、異なるサイズの動物、の世話をする要望に応じて、取り換えることが可能である。このように、上記装置501は、与えられた年齢の牛の生体構造に適するように、構成され且つカスタマイズ(変更)されることができる。1つのアスペクトにおいて、上記経鼻投与装置501は、この装置の種々のパーツやコンポーネントの洗浄、及び/又は、アフターサービス(修理、servicing)を容易化する為に、分解されることができる。
1つのアスペクトにおいて、上記ノズル又はスプレーヘッド514a,514bは、上記鼻道ノズル510a,510bと、上記中隔インターフェース部512a,512bとを、夫々、含むか、又は、同様に、該鼻道ノズル510a,510bと上記中隔インターフェース部512a,512bとを、夫々、一体となるように組み込むことができる。図3A〜図3Cに示されるように、上記スプレーヘッド514a,514bは、上記中隔505との当接用の上記中隔インターフェース部512a,512bに適する湾曲した接触面を提供する、球体又はボール形状を有し得る。そのような球状湾曲面は、種々の中隔厚さを受け入れることができ、中隔505と一貫した接触(インターフェース)を維持し得る。上記球状面は、上記装置501が動物に苦痛を与えるように上記中隔の接触面積(当接面積)に過度の圧力を与える、ことなく、上記中隔を効果的に「クランプして(締め付けて、clamping)」(つまり、挟むように締め付けて(pinching))当接するに適した、十分な表面積を提供するように構成された、直径を有し得る。その球状面の直径は、又、適切な散布又はスプレーパターンを提供して維持するべく、上記中隔から十分なスペースを上記鼻道ノズル510a,510bに提供するのに貢献し得る。
図4は、本開示の他の例に従う、ノズル又はスプレーヘッド614a,614bを示している。上記した図3A〜図3Cの上記スプレーヘッド514a,514bと同様に、これらのスプレーヘッド614a,614bは、夫々、中隔インターフェース部(中隔接触部分)612a,612bに加えて、鼻道ノズル610a,610bを含むか、又は、該鼻道ノズル610a,610bを一体となるように組み込むことができる。このケースにおいては、そのスプレーヘッド614a,614bは、中隔接触用の中隔インターフェース部612a,612bに適した弓形面を備えた扇形の形態(形状)を有している。そのような弓形の湾曲面は、種々の中隔厚さを受け入れることができる。又、該弓形の湾曲面は、この形態によって提供され得る比較的小さい当接面の為に、より高い当接圧力が望まれる時に、有用であり得る。その弓形の湾曲面のサイズ(寸法)は、又、適切な散布又はスプレーパターンを提供して維持するべく、中隔から十分なスペースを上記鼻道ノズル610a,610bに提供するのに貢献し得る。
図5は、本開示の他の例に従う、動物用経鼻投与装置701を示している。該経鼻投与装置701は、上記の如く、流体源から流体を受けるように構成された、各鼻孔用の鼻道ノズル710a,710bを含み得る。1つのアスペクトにおいて、この経鼻投与装置701は、支持部材部分741a,741bを有する支持部材740を含み得る。該支持部材部分741a,741bは、夫々、上記鼻道ノズル710a,710bに接続されており、且つ、該鼻道ノズル710a,710bを支持している。1つのアスペクトにおいて、上記支持部材740は、弾力的に柔軟であることができ、或いは、弾力的に柔軟であるコンポーネントを含むことができる。要するに、特定のアスペクトにおいて、上記支持部材部分741a,741bの一方又は両方は、弾力的に柔軟であることができ、従って、該一方又は両方は、相互に移動可能である。これにより、上記鼻道ノズル710a,710bは、少なくとも部分的に、動物の鼻孔内における中隔の周りで固定され、そして、流体は、その動物の鼻道内に向けられる。上記支持部材部分741a,741bの弾力性を有する柔軟性は、上記ノズル710a,710bを動物の中隔に向けて付勢する為の付勢機構を提供し得る。これにより、その流体が、その動物の鼻道内へ投与されている間、上記装置701は、上記中隔の周りの所定位置に固定される。このように、上記支持部材部分741a,741bの上記弾力性を有する柔軟性は、上記鼻道ノズル710a,710bを、その中隔70の周りの固定位置に向けて、731a,731bの方向に、付勢することができる。鼻道深くへの流体供給準備の為、上記装置701が、動物の中隔に係合せしめられる時、上記鼻道ノズル710a,710bは、ノズル開口711a,711bを鼻道に整列させる為に、正しく方向付けられることができる。
上記経鼻投与装置701は、又、上記鼻道ノズル710a,710bと夫々連携する中隔インターフェース部712a,712bであって、その動物の鼻道内深くに流体を案内することを容易化するべく、上記中隔に接して上記鼻道ノズルを位置決めする為の中隔インターフェース部712a,712bを有し得る。例えば、該中隔インターフェース部712a,712bは、上記鼻道ノズル710a,710bと開口711a,711bとを上記中隔505から隔てるか又は位置決めする、役目を果たし得る。これにより、上記中隔からの干渉なしに、鼻道内への散布又は噴霧パターンの適用範囲が容易化されて維持される。中隔インターフェース部712a,712bは、あらゆる適切な形態が使用され得るが、球形(球状、球面)の形態をもって示されている。
上記経鼻投与装置701は、更に、その動物の鼻孔内において、上記鼻道ノズル710a,710bの適切な位置決め及び/又は正しい方向付けを容易化して維持する為に、 上記中隔の先端に接するように構成された位置決め部材750を含み得る。これにより、流体は、上記鼻道ノズル710a,710bによって、その動物の鼻道開口と実質的に整列する方向に向けられる。例えば、その位置決め部材750は、上記開口711a,711bが上記中隔の上記先端から一定の距離を置いて隔てられるように、上記鼻道ノズル710a,710bを位置決めするべく、構成されることができる。これにより、上記鼻道ノズル710a,710bは、上記鼻道開口に対する適切な距離をもって、適切に配置(位置決め)される。1つのアスペクトにおいて、上記位置決め部材750は、例えば、上記支持部材部分741a,741bの間で、上記支持部材740に接続され得る。上記装置701の、使用中における、たるみ又は下方向への回転を防止又は最小化する為に、上記装置701がその動物に係合せしめられる時、上記位置決め部材750は、動物のマズルと接するように、構成され得る。これにより、上記鼻道ノズル710a,710bの適切な整列が容易化される。
1つのアスペクトにおいて、上記経鼻投与装置701は、その動物の鼻孔に流体を案内するように構成された、1つ以上の鼻孔ノズル713a,713bを含み得る。特に、該鼻孔ノズル713a,713bは、上記前鼻孔に流体を案内するように、構成され得る。1つのアスペクトにおいて、該鼻孔ノズル713a,713bは、上記支持部材740に接続され得る。例えば、上記支持部材740は、上記鼻孔ノズル713a,713bを夫々位置決めする為の横方向延在部分744a,744bを有し得る。他のアスペクトにおいて、上記経鼻投与装置701は、動物のマズルに流体を向けるように構成された、1つ以上のマズルノズル717を含み得る。このマズルノズル717は、あらゆる適切な位置で、上記支持部材740に接続され得る。
図6A〜図6Cは、本開示の他の例に従う、動物用経鼻投与システム800の複数のアスペクトを示している。このシステム800は、動物の鼻孔に流体を投与する為の上記したあらゆる適切な形態の動物用経鼻投与装置801を含み得る。このシステム800は、又、流体を、上記経鼻投与装置801に、例えば流体導管820を通して、供給する為の流体源802を含み得る。該流体源802は、不活性化された一酸化窒素放出溶液、活性剤124、活性化された一酸化窒素放出溶液、及び/又は、一酸化窒素ガス、を含み得る。
1つのアスペクトにおいて、上記流体源802は、その中に不活性化された一酸化窒素放出溶液を有する、コンテナ822又は貯蔵器を有し得る。このコンテナ822は、所望のあらゆる寸法と形状であって良い。1つのアスペクトにおいて、上記コンテナ822は、再充填を要することなく、複数回分の投与量又は投与分量(適用分量)の一酸化窒素放出溶液を保持するのに相応しいものであり得る。上記流体源802は、又、流体を上記装置801に供給する為の流体導管820と接続するように構成され得る流体アウトレットポート870を有し得る。この流体アウトレットポート870は、(図示されているような)キャップ871、又は上記コンテナ822と連携し得る。上記流体アウトレットポート870に流体を供給する為に、上記流体アウトレットポート870には、流体的に、サンプ導管872が接続されている。上記コンテナ822から、実質的に、全ての流体を排出することを容易化する為に、上記サンプ導管872は、典型的に、上記コンテナ822の底部に向けて延在するであろう。上記サンプ導管872は、(示されているような)上記キャップ871、及び/又は、上記コンテナ822、と連携し得る(例えば、上記コンテナ822の側面内に形成(molded)され得る)。上記流体源802は、又、上記システム800が使用されている間、上記コンテナ822内にガスを許容する為のガスポート873を含み得る。例えば、ポンプ821は、ガスポンプであることができ、該ポンプ821は、加圧されたガス(例えば、空気、又は他の適切なガス)を上記コンテナ822に供給する為の導管によって、上記ガスポート873に流体的に接続されることができる。これにより、コンテナ822内の「ヘッドスペース圧力」(上部空間圧力)によって、流体は、上記サンプ導管872と、上記流体導管820を通って上記装置801に流体を供給する為の上記流体アウトレットポート870と、を通って、上記コンテナ822の外側に排出される。上記ガスポート873は、(示されているような)上記キャップ871、又は上記コンテナ822と連携し得る。上記ガスポート873は、典型的に、上記コンテナ822内において、上記不活性化された一酸化窒素放出溶液の液面上に設けられるであろう。上記システムは、あらゆる適切な圧力で作動するように構成され得るが、1つのアスペクトにおいて、上記コンテナ822は、作業中、約50psigに迄(典型的には、約30psigをもって)加圧されることができる。1つのアスペクトにおいて、上記ポンプ821は、特定の噴霧分量を、動物のマズルに、そして該動物の鼻孔と鼻道内に、供給する為の圧力を提供できる。1つのアスペクトにおいて、ノズルに詰まりが生じていないかどうかを決定するべく、圧力ゲージ又は圧力センサー(つまり、上記ポンプ821の一部として)が、上記コンテナ822内における、及び/又は、上記流体導管820内における、圧力を監視し得る。
1つのアスペクトにおいて、上記ポンプ821は、液体ポンプであることができる。該ポンプ821は、上記コンテナ822内にヘッドスペース圧力を形成することなく、液状流体を上記コンテナ822から汲み出すように、作動することができる。そのポンプ821は、あらゆる適切な形態の、ガスポンプ、及び/又は、液体ポンプであることができる。1つのアスペクトにおいて、上記ポンプ821は、電気により動力が供給されるモーター付きポンプ、及び/又は、手動式ポンプ、であることができる。不使用時に、上記流体アウトレットポート870と、ガスポート873と、を保護する為のキャップ871用のカバー874が、備えられ得る。上記システムのコンポーネントは、金属、プラスチック、及び他のポリマーであって、上記活性剤(例えば、クエン酸、亜硝酸ナトリウム)、一酸化窒素放出溶液、及び一酸化窒素と調和(適合)する他のポリマー、で構成され得る。
1つのアスペクトにおいて、上記流体源802は、上記不活性化された一酸化窒素放出溶液から分離されて保存(維持)される活性剤を有することができる。この活性剤は、混合時に、上記不活性化された一酸化窒素放出溶液を活性化するように構成され得る。一旦混合されると、その溶液内での一酸化窒素の生成により、上記コンテナ822から上記装置801に流体を供給するのに十分なヘッドスペース圧力が生じ得る。これにより、上記活性剤と上記不活性化された一酸化窒素放出溶液との混合時に、流体は、その一酸化窒素放出溶液の活性化から生じるガス圧力を用いて、上記装置801から、自動的に分注され得る。
上記活性剤は、例えば、固体(例えば、パウダー、タブレット、カプセル等)、液体(例えば、溶液)、ガス等のあらゆる適切な形態にあることができる。1つのアスペクトにおいて、固形の形態の活性剤は、可溶性パウチ内に存在することができ、及び/又は、ケージ(籠)875によって支持されることができる。該ケージ875は、上記不活性化された一酸化窒素放出溶液との接触又は混合を確実なものとする為に、上記コンテナ822内において、上記不活性化された一酸化窒素放出溶液の液面下に設けられるように、構成され得る。上記ケージ875は、上記活性剤と、上記不活性化された一酸化窒素放出溶液との混合を容易化する為に、1つ以上の開口を含み得る。このように、上記活性剤が、上記不活性化された一酸化窒素放出溶液に浸漬された時、その活性剤は、溶解して、その溶液内で一酸化窒素を生成するであろう。上記ケージ875は、(示されているような)上記サンプ導管872に接続されて、そのコンテナ822内における底壁上に支持されることができ、或いは、単に、そのコンテナ822内に投下されることができる。1つのアスペクトにおいて、上記ケージ875は、上記コンテナ822の開口に隣接して位置する一端部を有するロッド又はチューブに接続され得る。上記ケージ875を、上記サンプ導管872、ロッド又はチューブに接続することで、そのケージ875の回収が単純化され得る。
1つのアスペクトにおいて、上記動物用経鼻投与システム800は、キットとして、提供され得る。例えば、上記コンテナ822は、上記装置801に接続して該装置801を支持する、装置接続機構(device coupling feature)880を有し得る。上記コンテナ822は、又、ハンドル881を有し得る。該ハンドル881は、接続機構882,883を介して、上記コンテナ822の本体に接続され得る自由端826を有し得る。その接続機構882,883は、更に、その装置801を捕えて、該装置801を上記コンテナ822に固定するように、構成され得る。上記流体導管820を捕えて、該流体導管820を上記コンテナ822に固定する為に、流体導管接続機構884が、上記ハンドル881の上記自由端826から延在し得る。更に、上記ポンプ821は、上記コンテナ822の底部に取り外し可能に接続されるように構成され得る。上記ポンプ821が、電気コンポーネントを含む場合には、バッテリーパックが含まれていても良い。不使用時には、上記カバー874は、上記キャップ871、及び/又は、上記コンテナ822の開口を覆うことができる。
上記システム800の使用に関して、動物は、ホールディング・シュート(holding chute)に到着することができ、上に記載した通り、或いは、更に、以下に記載する通り、使用者は、上記経鼻投与装置801を、動物の鼻孔に係合させることができる。上記装置801は、その動物に固定されるので、その使用者は、「ハンドフリー」(手が自由な状態)で、その動物に流体を投与できる。上記流体源802は、そのホールディング・シュートのポストにより支持されることができ、その流体源802は、その休眠状態にある、一定の分量(例えば、5ガロン)の予め混合された一酸化窒素放出溶液を保持することができる。一旦、その活性剤と、その不活性化された一酸化窒素放出溶液とが混合されると、上記コンテナ822内の溶液中で、一酸化窒素ガスが発生する。その活性化された一酸化窒素放出溶液は、次いで、上記流体源から上記装置801に送られて(搬送されて、conveyed)、その処置部位又は領域に、例えば動物の鼻道内に、分注又は噴霧される。例えば、その活性化された溶液は、蓄牛の鼻道内に、測量(測定)された短時間の連射で、噴霧され得る。1つのアスペクトにおいて、その動物は、各鼻道内に、1回当たり約8mlの噴霧量を2回、受けることができ、(その動物が)解放される前に、合計で約32ml、受けることができる。その処置投与時間(治療投与期間)は、約3秒〜5秒の間であり得る。使用者の都合に合わせて、上記装置801は、その動物から、解放されるか、又は係合が解かれ得る。上記動物の鼻道をその時に覆う、その活性化された溶液は、30分迄の間、又はそれ以上の長さに渡って、一酸化窒素ガスを放出し続けることができる。
更に、動物用経鼻投与システム100,800は、本発明に従う、あらゆる経鼻投与装置に関連して、用いられ得る。経鼻投与装置の付加的な例は、図7〜図16を参照して、以下に記載される。一般に、以下に記載する経鼻投与装置の実施形態は、その遠位端部で鼻道ノズルを含む流体導管を備える。その流体導管の遠位端部は、上記第1及び第2の支持部材部分、つまり顎部、が閉じる時に、上記鼻道ノズルが該顎部に対して移動できるように、上記中隔インターフェース部から分離(detached)されている。動き(移動)は、横方向、及び/又は、前/後ろ方向、であり得る。上記鼻道ノズルは、腹側鼻道(ventral meatus)と整列して移動可能であるか、又は、該腹側鼻道内に入り込むことが可能である。ここに用いられているように、その「開く」及び「閉じる」という用語は、夫々、上記顎部を分離すること、又は、上記顎部を互いにより接近させること、を意味している。従って、上記顎部は、開かれることで、上記鼻孔内へのその挿入が可能になり、又、上記顎部は、閉じられることで、その動物の鼻中隔(nasal septum)がクランプされる。上記顎部が開く時に、上記流体導管の、それらの遠位端部におけるセンターラインにより形成される角度がより小さくなり、又、上記顎部が閉じる時に、該角度が大きくなるように、上記流体導管は、上記経鼻投与装置に固定される。
幾つかの実施形態において、上記流体導管は、柔軟な材料から形成される。上記流体導管は、それらの遠位端部と、その流体導管が上記経鼻投与装置によって支持される領域と、の間の長さであって、上記顎部が閉じる時に、上記獣被験体の組織との当接により、その柔軟な流体導管が湾曲することを許容するに十分な長さを有する。例示的な柔軟材料は、PVCとビニルを含む。上記鼻中隔及び/又は上記腹側鼻道に対する上記流体導管の自己整列(自己整列性、自己整合、自己整合性、self-alignment)と、上記鼻孔内への上記鼻道ノズルの挿入深さと、の組み合わせにより、上記鼻咽頭内への流体の供給が高められる。幾つかの例において、動物の鼻甲介(nasal turbinates)と、上記咽頭扁桃物質と、上記鼻咽頭と、を実質的に覆う(被覆する、coat)ことが望ましい。ここで用いられているように、上記鼻咽頭は、その表面の少なくとも50%が上記流体によって覆われた時に、実質的に覆われる。勿論、可能な範囲で、上記鼻咽頭は、その動物を不安にさせることなく、又はその動物にトラウマを生じさせることなく、実質的に覆われるべきである。幾つかの実施形態において、上記顎部は、介入(介在、intervention)中に、動物の呼吸への妨害が最低限度になるように、寸法構成され且つ配置される。又、上記顎部は、組織損傷の可能性を減じる為に、丸味を帯びて形成される。上記顎部の遠位端部は、その動物による呼吸が実質的に邪魔されないことを許容する一方で、クランピングすることを可能にする為に、厚さの2倍の幅の中隔インターフェアランス部材を有していても良い。
さて、図7〜図17に関して、図7は、経鼻投与装置900が取り付けられた動物104の頭の斜視図である。この経鼻投与装置900は、その鼻902の鼻孔内に延在する2つの流体導管918,919を有している。流体を、流体導管918,919の少なくとも1つを通して、その動物104の鼻咽頭1164内に投与することによる介入が行われる。1つの例示的介入は、上記の種々の実施形態及びその変形形態においては、ウシ科動物における牛の呼吸器病(呼吸器疾患)を防止、制御及び/又は処置(治療)するべく、液体、ガス、ガス放出溶液、及びこれらの組み合わせを含む一酸化窒素の上記鼻咽頭への供給を含む。本発明は、特定の動物種と病気について記載されているかも知れないが、本発明は、他のあらゆる動物種の被験体に対して、他のあらゆる処置(治療)を、経鼻的に(鼻道内で、intranasally)行うのに適切である。
ウシ科動物の切開された頭の概略図が、図17に示されている。図17は、動物104の鼻における、上記翼状ひだ1150と、上記基底ひだ1152とを示している。これらのひだは、鼻道(鼻通路、鼻腔 nasal passage)の腹側鼻道1166内への通過を妨げる、鼻前庭(nasal vestibule)1154における、鼻のくびれ(nasal constriction)を形成している。図17は、更に、ウシ科動物の、背側鼻甲介(dorsal nasal concha)1156、中央鼻甲介(middle nasal concha)1158、鼻中隔(nasal septum)1160、及び軟口蓋(soft palate)1162の部位を示している。本開示に従う経鼻投与装置は、流体導管、例えばチューブを含んでいる。これらのチューブは、上記鼻のくびれを通って鼻道の腹側鼻道1166内へと延びており、上記鼻中隔1160に平行な方向に沿う流体の放出が容易になり、これにより、流体が鼻咽頭1164に到達することが可能となる。経鼻投与装置900,1000は、流体導管918,919と鼻道ノズル920,921とが内側(腹側)かつ後側(medially and posteriorly)へ挿入されて腹側鼻道1166内へ到達するように構成される。
さて、図8〜図12を参照して、経鼻投与装置900は、流体導管918,919と、流体導管918,919の遠位端部に挿入される(図10及び図11に最も良く示される)鼻道ノズル920,921と、アクチュエーション機構(作動機構)928と、第1及び第2の支持部材部分、つまり顎部980,981とを有する。アクチュエーション機構928は、ジョイント機構964により、第2部材931に枢動可能に連結(接続)された第1部材930を有する。顎部980,981は、夫々、第1及び第2部材930,931から遠位方向に延びている。第1部材930は、(不図示の)その一端部に開口を有する第1アーム932と、その反対側の端部における突起部934とを有する。突起部934は、流体導管918が通る、細長の流体導管支持開口938を含む。細長の流体導管支持開口938に接触する、流体導管918の部分は、流体導管918の「被支持部分」と称され得る。該「被支持部分」は、その遠位端部の反対側にあり、該遠位端部に、鼻道ノズル920が配置される。この遠位端部は、このように、支持されておらず、上記中隔インターフェース部に対して、移動自在(移動可能)である。上記流体導管の上記被支持部分間の距離と、該流体導管の柔軟性とは、上記中隔インターフェース部の遠位端部に対する、流体導管の遠位端部の潜在的な移動量に影響を及ぼす。幾つかの実施形態のおいて、約2インチ以上の距離により、十分な柔軟性が提供される。幾つかの実施形態のおいては、約3インチ以上の距離により、十分な柔軟性が提供される。上記遠位端部のそのような移動を生じさせる力は、鼻道内への挿入とその挿入時における上記鼻中隔との接触との結果であり、従って、その力の量は、その動物に苦痛を与えないように、十分小さくあるべきである。
第1ハンドル部材942は、第1アーム932から延びており、該第1ハンドル部材942は、第1ハンドル部分944と、第2ハンドル部分946とを含む。第2部材931は、(不図示の)その一端部に開口を有する第2アーム933と、その反対側の端部における突起部935とを有する。突起部935は、流体導管919が通る、細長の流体導管支持開口939を含む。第2ハンドル部材943は、第2アーム933から延びておりし、第1ハンドル部分945と、第2ハンドル部分947とを含む。第1及び第2ハンドル部材942,943は、ユーザーインターフェースとも称されるハンドル948を形成する。使用に際し、使用者(ユーザー)は、付勢機構954により提供されるテンションに抗して、ハンドル948を締め付けると、これにより、顎部980,981が開いて、動物の鼻孔内へのそれらの挿入が許容される。又、使用者によるその締め付け力を解放した時には、付勢機構954により、顎部980,981が閉じて、鼻中隔をクランプする。第1ハンドル部分944,945は、第2ハンドル部分946,947をジョイント機構964の枢軸点(pivot point)から近位方向に延在させる(伸張させる)ように、設けられており、これにより、作動時のてこの作用(てこの力)が高められるようになっている。第2ハンドル部分946,947は、第1ハンドル部分944,945よりも大きい接触面(当接面)を有しており、これにより、それらを締め付けて顎部980,981を開く時に、使用者の快適性が増大するようになっている。第2ハンドル部分946,947は、球状接触面、球体形状を有し得る。第2ハンドル部分946,947は、更に、使用者によって加えられる力を分散するべく、使用者の指に対応する径方向湾曲部を備えたあらゆる形状を有し得る。これに替えて、又は付加的に、第2ハンドル部分946,947は、その力を、それらの長さ方向に分配する為に、細長形状を有していても良い。
細長の流体導管支持開口938,939のセンターライン940,941によって形成されている、(図9に示されている)角度929は、顎部980,981が開いている時よりも、閉じている時に、より大きくなる。第1及び第2の固定部材950,951は、付勢機構954を固定する為に、第1ハンドル部分944,945に設けられている。例示的な付勢機構954は、示されているようなスプリングからなる。アーム932,933は、それらの端部に低減厚さ部分936,937を有すると共に、これらの低減厚さ部分936,937にボルト978が通る開口(不図示)を有している。ボルト978は、ナット974によって固定されている。ジョイント機構964が、低減厚さ部分936,937と、ナット974と、ボルト978とにより形成されている。
本実施形態において、複数位置のいずれかの位置において、ボルト978により第1及び第2部材930,931に固定され得る深さアジャスター(深さ調整装置)958、つまり位置決め部材、が設けられている。深さアジャスター958は、ボルト978が通過する2つのスロット962と、1つの深さ停止面960とを含んでいる。深さアジャスター958は、動物の鼻孔内への顎部980,981の所望の挿入深さを設定するべく、そして、これにより、動物の鼻孔内への流体導管918,919の所望の挿入深さを設定するべく、近位方向に、又は遠位方向に、移動せしめられることが可能である。深さ停止面960は、その所望の挿入深さでその動物の鼻に当接し、経鼻投与装置900の前方移動つまり遠位方向の移動を停止させる。
第1及び第2の顎部980,981は、アクチュエーション機構928から遠位方向に延在し、該顎部980,981は、その遠位端部において、第1及び第2の顎部980,981が閉じた時にピンチポイント(締め付け点)996を形成するように構成された中隔インターフェアランス部材990,991を含む。本実施形態における顎部980,981は、第1及び第2アーム932,933に接続された直線顎部分988,989と、湾曲顎部分984,985と、中隔インターフェアランス(中隔干渉 septum interference)部材990,991とを含む。本実施形態において、湾曲顎部分984,985は、外側に向けて湾曲し、次いで、内側に向けて湾曲しており、このように、湾曲顎部分984,985は、直線部分988,989のセンターラインの両側に延在している。中隔インターフェアランス部材990,991は、組織損傷を防止する為に、丸味を帯びたエッジを有しており、湾曲しており、そして、その湾曲(湾曲部、curvature)に対して垂直方向(直角方向)に、実質的にフラット(平坦)になっている。示されているように、中隔インターフェアランス部材990,991は、その厚さの約2倍の幅があり、これによって、その動物による呼吸が実質的に邪魔されないようにする一方で、クランプを許容する。そのフラットな外形(プロフィール)により、その動物の呼吸能力は増加する。(その平坦な外形にわたる)中隔インターフェアランス部材990,991の厚さは、ピンチポイント996における組織損傷を防止するのに十分である。これらの特徴は、動物の年齢と重量及び経鼻投与装置900の重量に依存し得るが、これらのものは、総体的に、経鼻投与装置900を上記鼻中隔上にクランプするのに必要な最小限度の付勢力を決定する。
図9に示されるように、流体導管918,919は、細長の流体導管支持開口938,939を介して、第1及び第2部材930,931によって、支持されている。その流体導管918,919の遠位端部は、ピンチポイント996を越えて延在しており、これにより、鼻道ノズル920,921も、中隔インターフェアランス部材990,991の遠位側で位置決めされる。上記流体導管の挿入深さは、流体導管918,919を細長の流体導管支持開口938,939内でスライドさせることにより、或いは、適切な挿入深さを実現するべく流体導管918,919を切断することにより、調整され得る。距離Aは、深さ停止面960とピンチポイント996との間の長手方向の距離として定義される。距離Aをより良く示す為に、ピンチポイント996を通過するトラバースライン994が示されている。長手方向の距離Bは、深さ停止面960と流体導管918,919の遠位端とで画定される。距離Bをより良く示す為に、鼻道ノズル920,921を通過するトラバースライン998が示されている。幾つかの実施形態において、距離Aは、重量が400ポンドと700ポンドの間にあるウシ科動物に関して、1インチと3インチの間、より好ましくは、1.5インチと2.5インチの間にある。又、距離Bは、2インチと6インチの間、より好ましくは、3インチと5インチの間、更に好ましくは、3.5インチと4.5インチの間にある。細長の流体導管支持開口938,939は、少なくとも部分的に、顎部980,981の下に設けられており、これにより、腹側鼻道と上記流体導管との整列(アラインメント)が容易化される。細長の流体導管支持開口938,939は、支持の提供に加えて、この装置が開閉する時に変化する、上記流体導管の間の角度を確立する。幾つかの実施形態において、図9に示されるように、上記顎部が互いに接している時、その角度は、35度と60度の間の角度を含む。幾つかの実施形態において、上記顎部が互いに接している時、その角度は、約40度と50度の間の角度を含む。流体導管918,919と鼻道ノズル920,921とは、上記腹側鼻道の長手方向と実質的に整列する角度/向きで上記鼻道(鼻通路、鼻腔)の左右の腹側鼻道内へ挿入されるように設計(構成)されている。この向き(方向付け、orientation)は、組織損傷を低減すると共に、挿入深さ及び動物の受け入れの助けになる。
図10と図11は、鼻道ノズル921と全く同じ鼻道ノズル920の一実施形態の斜視図と側面図である。鼻道ノズル920は、複数のリブ925を備えた本体924に結合されたヘッド922を有する。該複数のリブ925は、流体導管918の上記遠位端部内に上記本体924を固定するように構成されている。ヘッド922は、その長手軸と直角を成す外径であって、流体導管918の直径に実質的に等しい外径を有している。ヘッド922は、半球形に形成されていても良い。種々の実施形態において、ヘッド922の直径は、約0.300インチと約0.450インチの間、より好ましくは、約0.350インチと約0.400インチの間、更に、より好ましくは、約0.370インチと約0.380インチの間にある。幾つかの実施形態において、本体924は、約0.220インチと約0.280インチの間、より好ましくは、約0.240インチと約0.260インチの間の直径を有する。図11に示されるように、鼻道ノズル920は、更に、その遠位端部にオリフィス(穴)923を備えた遠位キャビティ926と、遠位キャビティ926の直径よりも大きい直径を有している内側キャビティ927とを有し、これらのキャビティ間に円錐形移行部分を備えている。該円錐形移行部分は、流体の放出前に該流体を絞って(狭めて)安定化させるように、構成されている。図示されているように、遠位キャビティ926は、円筒形である。遠位キャビティ926を通って放出される流体は、円形の衝突領域(着液領域 impact area)と均一な分布(distribution)とを有する完全な円錐形噴霧パターンを呈するものであって、その噴霧角度は1平方インチ当たり29ポンド(PSI)の圧力において55度であり、該圧力で1分当たり0.13ガロン(GPM)の流体を放出し、平均液滴直径が270ミクロンであると推定される。図示されているように、遠位キャビティ926は、円筒形状を有している。他の実施形態において、異なる衝突領域を有する噴霧パターンを形成する為に、他の形状が用いられ得る。例えば、楕円形パターンが所望されるかも知れない。遠位キャビティ926の直径は、その放出能力を0.13GPMに対して増減させる為に、変更され得る。幾つかの実施形態において、その放出能力は、約0.12GPMと0.26 GPMの間にある。他の実施形態において、その放出圧力は、その鼻道ノズルのノズル開口において、約20PSIと25PSIの間にある。幾つかの実施形態において、上記平均液滴直径は、約260ミクロンと300ミクロンの間にある。上記鼻道ノズルには、ホワーラー(回転機構 whirler)が取り付けられていてもよい。例示的なホワーラーは、上記完全な円錐形噴霧の形状を形成するべく、上記流体を均一に分布させる(配分する)ように構成された、X形、円盤形、螺旋形のホワーラーを含む。
ポンプが、流体用貯蔵器と上記経鼻投与装置との間に流体的に接続される。そのポンプは圧力と放出時間とを変更するように制御されることができ、それは、流体が水の密度と同様の密度を有している流体について、約20PSIと25PSIの間にあるノズル圧力で、1回分の投与量が約30ミリリットルと35ミリリットルの間にある流体を発生させるべく設定され得る。異なる大きさの動物に対して、1回分の投与量を増減させることは、適切であろう。水の密度と同様の密度は、0.8g/cm3と1.2g/cm3との間の範囲内にある。
図13は動物104の頭の斜視図であり、図14〜図16に示されており数字1000で表示されている経鼻投与装置の他の実施形態を示す。経鼻投与装置1000は、その顎部とハンドルとが異なる特徴を有している点で、経鼻投与装置101,201,301,401,501,701,801及び900とは、異なっている。経鼻投与装置1000は、アクチュエーション機構1002を有している。該アクチュエーション機構1002は、ハンドル1004と、顎部1020,1021とを有している。ハンドル1004は、第1及び第2のハンドル部材1012,1013を有している。第1ハンドル部材1012は、第1アーム932から延びており、第1ハンドル部分944と第2ハンドル部分1016とを有している。第2ハンドル部材1013は、第2アーム933から延びており、第1ハンドル部分945と第2ハンドル部分1017とを有している。第2ハンドル部分1016,1017は、第1ハンドル部分944,945から延びる横断バー(トランスバースバー、transverse bars)であり、流体導管918,919からの干渉なしに、使用者が第2部分1016,1017を把持することを許容することにより、ハンドル1004の操作を可能ならしめるに十分な如何なる所望長さも有し得る。第2ハンドル部分1016,1017は、上記流体導管との干渉を制限するように、ポンプシステムの相対位置に応じて、上向き、又は下向きであることができる。ハンドル1004は、ユーザーインターフェースとも称される。顎部1020,1021は、直線顎部分1022,1023と、湾曲顎部分1024,1025とを有している。経鼻投与装置900と比較して、顎部1020,1021は内側に湾曲しており、顎部1020,1021のどの部分も直線顎部分1022,1023の長手軸の外側に延在していない。上記顎部の湾曲部は、動物の鼻孔と干渉し得、又、該湾曲部は、その動物の呼吸を妨げ得る、又は干渉し得る。
一実施形態において、約30ミリリットルと35ミリリットルの間の流体の投与量が、約20PSIと25PSIの間のノズル先端放出圧力で、経鼻投与装置900をもって、400ポンドと700ポンドの間の重量のウシ科動物に供給された。その流体は、有色色素を含んでいて、水の密度と同様の密度を有していた。その動物の頭の切開(解剖)時に、その動物の鼻咽頭は実質的に塗布されていたことが、観察された。
幾つかの実施形態において、獣被験体に流体を経鼻的に供給(搬送)する為の方法は、経鼻投与装置900,1000の顎部を開くステップと、流体導管の遠位端部を腹側鼻道内へと内側かつ後側に(medially and posteriorly)挿入する一方で、その獣被験体の鼻孔内に上記顎部を挿入するステップと、その獣被験体の鼻中隔を上記顎部でクランプするステップと、その流体導管を通って流体を放出するステップとを含む。
上記顎部と上記流体導管とを上記獣被験体の鼻孔内に挿入するステップは、上記流体導管を、上記獣被験体の翼状ひだと基底ひだとによって形成されている流動くびれ(flow constriction)を挿通させるステップを含む。上記顎部と上記流体導管とを、上記獣被験体の鼻孔内に挿入するステップは、上記経鼻投与装置の深さ停止面が上記獣被験体の鼻に接する迄、その経鼻投与装置を上記獣被験体に向けて移動させるステップを含み得る。
上記流体は、一酸化窒素放出溶液、又は一酸化窒素ガス、又は該一酸化窒素放出溶液と一酸化窒素ガスの組み合わせを含み得る。その流体の供給後、上記顎部が緩められ、経鼻投与装置は取り外される。
本発明の実施形態は、アクチュエーション機構、2つの顎部、及び2つの流体導管を含んで記載された。種々の実施形態において、アクチュエーション機構は、ギアと、ベース上に設けられたツメとを含むラチェット機構と、該ギアから該ツメを解放する為の解放レバーとを含み得る。これにより、上記第1及び第2部材は使用者によって結びつけられて当該装置をクランプし、上記解放レバーの移動により、上記第1及び第2部材が分離せしめられて、その装置は解放される。本技術において知られている他のアクチュエーション機構も用いることができる。
次の例は、更なる実施形態に関係する。
一例において、動物用経鼻投与装置は、流体源から流体を受けるように構成された鼻孔用鼻道ノズルと、該鼻道ノズルに対向する支持構造と、鼻道内への上記流体の投与中に、その装置が中隔の周りの所定位置に固定されるように、上記鼻道ノズルと上記支持構造とを上記中隔に向けて付勢する為の付勢機構と、を備え得る
一例において、上記支持構造は、第2の鼻道ノズルを有する。
一例において、上記付勢機構は、上記鼻道ノズルを上記中隔に向けて付勢する為のスプリングを備える。
一例において、上記動物用経鼻投与装置は、それぞれがノズルを支持する第1支持部材部分と第2支持部材部分とを有する支持部材を備えることができる。これらの第1支持部材部分と第2支持部材部分とは、上記付勢機構により、相互に移動可能である。
一例において、上記付勢機構は、上記第1支持部材部分と上記第2支持部材部分とのうちの少なくとも一方に、弾力性を有する柔軟性(resilient flexibility)を備えている。
一例において、上記第1及び第2支持部材部分は、互いに、枢動可能に接続(連結)されている。
一例において、上記動物用経鼻投与装置は、更に、鼻道ノズルの適切な位置決めを容易化して維持するべく、上記中隔の先端に接するように構成された位置決め部材を有し得る。
一例において、上記装置が上記中隔に係合せしめられる時、上記鼻道ノズルは、ノズル開口を鼻道に整列させる方向に向けられている。
一例において、上記鼻道ノズルは、鼻ひだを越えて鼻道内へと流体を向かわせるように、構成されている。
一例において、上記鼻道ノズルは、鼻ひだを越えて鼻孔内に入り込むように、構成されている。
一例において、上記鼻ひだは、翼状ひだ、基底ひだ、及び直線ひだの中の少なくとも1つを含む。
一例において、上記動物用経鼻投与装置は、更に、上記鼻道ノズルに流体的に接続された流体分配マニフォルドを有し得る。該流体分配マニフォルドは、流体源から流体を受け入れる為のインレットポートと、上記鼻道ノズルに流体を分配する為のアウトレットポートとを有する。
一例において、上記動物用経鼻投与装置は、更に、上記中隔と相互作用して上記鼻道ノズルを位置決めするための、上記鼻道ノズルの各々と連携する(associated with)中隔インターフェース部を有し得る。これにより、上記鼻道内への流体の方向付けは、容易化される。
一例において、上記動物用経鼻投与装置は、更に、付勢方向とは反対方向への使用者による上記鼻道ノズルの移動を容易化する為のユーザーインターフェースを有し得る。
一例において、上記流体は、液体、ガス、ゲル、又はその組み合わせからなる群から選択される。
一例において、動物用経鼻投与装置は、第1支持部材部分と第2支持部材部分とを有する支持部材と、第1鼻道ノズルと、第2鼻道ノズルとを備え得る。ここで、上記第1支持部材部分と第2支持部材部分とは、上記第1及び第2鼻道ノズルを少なくとも部分的に動物の鼻孔内における中隔の周りに位置決めするように、且つ、流体がその動物の鼻道内へと向けられるように、相互に移動可能である。
一例において、上記第1及び第2支持部材部分は、上記隔膜の周りの1つの固定位置に向けて、付勢される。
一例において、上記動物の経鼻投与装置は、更に、上記第1及び第2支持部材部分を上記固定に向けて付勢する為のスプリングを有し得る。
一例において、上記第1及び第2支持部材部分の少なくとも一方は、該第1及び第2支持部材部分の該少なくとも一方を上記固定位置に向けて付勢する為に、弾力的に柔軟である。
一例において、上記支持部材は、上記中隔の先端の周りに隙間(遊び)を提供するように構成される。
一例において、上記第1及び第2支持部材部分は、上記中隔の先端の周辺に隙間(遊び)を提供するように、弓形の形態を有する。
一例において、上記第1及び第2鼻道ノズルは、上記装置が動物と係合せしめられる時にノズル開口をその動物の鼻道と整列させる方向に向けられる。
一例において、上記流体導管は、上記支持部材の外側にある。
一例において、上記第1及び第2支持部材部分の少なくとも一方は、上記導管の少なくとも一部分を備える。該導管のその遠位端部は、従って、上記第1及び第2支持部材部分から突出し、これらの部分によって支持されない。
一例において、上記ユーザーインターフェースは、上記第1支持部材部分に接続された第1ユーザーインターフェース部と、上記第2支持部材部分に接続された第2ユーザーインターフェース部とを有する。ここで、上記第1及び第2支持部材部分の相互への相対移動を容易化する為に、上記第1及び第2ユーザーインターフェース部は、相互に対して相対移動可能である。
一例において、動物の経鼻投与システムは、ここに記載した動物用経鼻投与装置のいずれかを有し得る。その動物用経鼻投与システムは、更に、上記流体源から上記第1及び第2鼻道ノズルに流体を供給するように作動(機能)するポンプを有し得る。そのポンプは、液体とガスの少なくとも一方を圧送する(to pump)ように構成される。
一例において、動物の経鼻投与システムのポンプは、モーター付きポンプ、手動式ポンプ、又は、その組み合わせを含む。
一例において、上記流体源は、活性化された一酸化窒素放出溶液を有する。
一例において、上記流体源は、不活性化された一酸化窒素放出溶液を含む。
一例において、上記流体源は、上記不活性化された一酸化窒素放出溶液が収容されたコンテナを備えており、該不活性化された一酸化窒素放出溶液は、そのコンテナ内で、活性化され得る。
一例において、上記一酸化窒素放出溶液の活性化に続いて、上記一酸化窒素放出溶液の活性化から生じる上記コンテナ内の圧力により、上記流体源から上記第1及び第2鼻道ノズルに流体が分注されるようになっている。
一例において、上記動物の経鼻投与システムは、上記活性剤を上記不活性化された一酸化窒素放出溶液と混合する前に上記活性剤を収容する為のケージをさらに有し得る。ここで、該ケージは、上記活性剤と上記不活性化された一酸化窒素放出溶液との混合を容易化するように構成されている。
一例において、上記ケージは、上記コンテナ内において、該コンテナの底面より上で支持される。
一例において、上記流体源は、更に、上記不活性化された一酸化窒素放出溶液から分離して維持される活性剤を有し、その流体源は、上記不活性化された一酸化窒素放出溶液を、混合時に、活性化するように、構成される。
一例において、上記流体源は、上記不活性化された一酸化窒素放出溶液と連携する第1導管と、上記活性剤と連携する第2導管とを通して、上記第1及び第2鼻道ノズルに流体的に接続される。
一例において、上記不活性化された一酸化窒素放出溶液と上記活性剤との混合が、上記流体源と上記第1及び第2鼻道ノズルとの間で生じるように、上記第1及び第2導管は、上記第1及び第2鼻道ノズルに先立って、結合される(組み合わされる、combine)。
一例において、上記不活性化された一酸化窒素放出溶液と上記活性剤との混合が上記第1及び第2鼻道ノズルにおいて生じるように、上記第1及び第2導管は、上記第1及び第2鼻道ノズルに結合される。
一例において、上記不活性化された一酸化窒素放出溶液と上記活性剤との混合がその動物で生じるように、上記第1及び第2導管は、上記流体源から上記第1及び第2鼻道ノズルまで分離した状態に留まる。
一例において、上記流体源は、一酸化窒素ガスを有する。
一例において、上記動物は、家畜を含む。
一例において、上記家畜は、ウシ科動物、豚、馬、羊、又は山羊を含む。
一例において、流体を動物の鼻孔に投与する方法は、動物の経鼻投与装置を提供するステップであって、第1支持部材部分及び第2支持部材部分を備えた支持部材と、上記第1支持部材部分に接続された第1鼻道ノズルと、上記第2支持部材部分に接続された第2鼻道ノズルと、を含む動物の経鼻投与装置を提供するステップ、を有し得る。ここで、上記第1及び第2鼻道ノズルを少なくとも部分的に動物の鼻道内における中隔の周囲で固定するように、又、動物の鼻道内に流体が向けられ、その動物の鼻孔にその装置を係合させ、そして上記流体をその装置からその動物の鼻孔内に分注するように、上記第1支持部材部分と、第2支持部材部分とは、互いに対して、移動可能である。
一例において、上記動物に分注される一酸化窒素放出溶液の量は、約0.1mLと約5000mLの間である。
一例において、上記動物に分注される一酸化窒素放出溶液の量は、約10mLと1000mLの間である。
一例において、上記動物に分注される一酸化窒素放出溶液の量は、約2mLである。
一例において、上記動物に分注される一酸化窒素放出溶液の量は、約10mLである。
一例において、上記動物に分注される一酸化窒素放出溶液の量は、約32mLである。
一例において、上記動物に分注される一酸化窒素放出溶液の量は、160mLである。
一例において、上記流体源は、不活性化された一酸化窒素放出溶液を含む。
一例において、上記方法は、更に、上記不活性化された一酸化窒素放出溶液を活性化させるステップを有し得る。
一例において、上記流体は、上記一酸化窒素放出溶液の活性化から生じるガス圧力を用いて、分注される。
一例において、上記不活性化された一酸化窒素放出溶液の活性化は、上記装置からその動物の鼻孔内への上記流体の分注前に生じる。
一例において、上記不活性化された一酸化窒素放出溶液の活性化は、上記装置からその動物の鼻孔内への上記流体の分注時に生じる。
一例において、上記不活性化された一酸化窒素放出溶液の活性化は、上記装置からその動物の鼻孔内への上記流体の分注後に生じる。
幾つかの実施形態において、一般に、その方法のステップは順次行われ得るが、ここに開示されている方法においては、特定の順序が要求されていないことは、注目される。
勿論、上記アレンジメントは、本発明の原理の適用を単に例証しているに過ぎないことが、理解されるべきである。多数の変形形態や代替アレンジメントは、本発明の精神及びスコープから逸脱することなく、本技術に熟練した人達によって案出される可能性があり、そして、添付のクレームは、そのような変形形態やアレンジメントを含むことを意図している。従って、本発明は、現在、発明の最も実際的(実用的)で好ましい実施形態であると考えられるものに関連する特徴と詳細をもって説明されてきたが、一方で、本技術における通常のスキル(技能、熟練)を有する人達にとっては、ここで説明されてきた原理と概念から離れることなく、以下に限定されることなく、サイズ(寸法)、材料、形状、形態、動作(作動)の機能と方法、組み立て部品(assembly)、及び使用法(利用法、use)におけるバリエーションを含む、多数の変形(修正)がなされ得ることは、明白であろう。

Claims (38)

  1. 獣被験体(104)の鼻道内へ挿入するように寸法決めされた中隔インターフェース部(990,991)を含む第1支持部材部分(980,981)と、
    上記第1支持部材部分(980,981)に接続されたアクチュエーション機構(928)と、
    被支持端部の反対側に遠位端部を有する流体導管(918,919)と
    を備え、
    上記遠位端部は、上記獣被験体(104)の鼻道内へ挿入するように寸法決めされており、上記流体導管(918,919)は、柔軟であり、流体源(102)から流体を受け取って、上記遠位端部を通って上記鼻道内に流体を放出するように寸法決めされ且つ構成されており、上記流体導管(918,919)の上記遠位端部は、支持されておらず、上記中隔インターフェース部(990,991)に対して移動可能であることを特徴とする獣被験体(104)用の経鼻投与装置(900,1000)。
  2. 上記鼻道は腹側鼻道を含む、請求項1記載の経鼻投与装置。
  3. 上記流体導管(918,919)の上記遠位端部により支持される鼻道ノズル(920,921)をさらに備えた、請求項1記載の経鼻投与装置。
  4. 上記アクチュエーション機構(928)は、上記第1支持部材部分(980,981)を上記獣被験体(104)の鼻中隔に向けて付勢して上記経鼻投与装置(900,1000)を上記鼻中隔の周りにクランプする為の付勢力を提供する付勢機構(954)を有する、請求項1記載の経鼻投与装置。
  5. 上記アクチュエーション機構(928)は、上記付勢力に打ち勝ち、これによって、上記鼻中隔から経鼻投与装置(900,1000)のクランプを解放する為の、使用者によって操作されることができるユーザーインターフェース(948)を備えている、請求項4記載の経鼻投与装置。
  6. 上記流体導管(918,919)の上記被支持端部は、上記アクチュエーション機構(928)に取り付けられており、且つ、上記第1支持部材部分(980,981)から分離されている、請求項1記載の経鼻投与装置。
  7. 上記流体導管(918,919)の上記被支持端部は、上記第1支持部材部分(980,981)に取り付けられており、且つ、上記中隔インターフェース部(990,991)から分離されている、請求項1記載の経鼻投与装置。
  8. 上記中隔インターフェース部(990,991)は、幅と、該幅に対して垂直方向に測定される厚さとを有しており、該幅は、該厚さの少なくとも2倍である、請求項1〜7のいずれか1つに記載の経鼻投与装置。
  9. 上記アクチュエーション機構(928)は、上記獣被験体(104)の鼻に接するように、且つ、それによって、上記流体導管(918,919)の上記遠位端部の挿入深さを決定するように構成された深さ停止面(960)を有する、請求項1〜7のいずれか1つに記載の経鼻投与装置。
  10. 重量が400ポンドと700ポンドの間にあるウシ科動物に対する上記挿入深さは、少なくとも3.0インチである、請求項9記載の経鼻投与装置。
  11. 上記挿入深さは、少なくとも3.5インチである、請求項10記載の経鼻投与装置。
  12. 上記アクチュエーション機構(928)は、複数の細長の流体導管支持開口(938,939)を備え、
    該細長の流体導管支持開口(938,939)同士の間の距離は、約3インチと約4インチの間である、請求項1〜7のいずれか1つに記載の経鼻投与装置。
  13. 上記アクチュエーション機構(928)は、枢動可能に連結された複数の部材(930,931)を有し、該部材(930,931)は、各々、細長の流体導管支持開口(938,939)を有するアーム(932,933)を備え、
    該細長の流体導管支持開口(938,939)は、該アーム(932,933)に対して、90度未満の角度で傾斜していて、上記流体導管(918,919)が上記獣被験体(104)の上記腹側鼻道に入る迄、内側かつ後側へ(medially and posteriorly)の上記流体導管(918,919)の挿入が容易化されるようにした、請求項1〜7のいずれか1つに記載の経鼻投与装置。
  14. 第2中隔インターフェース部(990,991)を含む第2支持部材部分(980,981)と、第2遠位端部を有する第2流体導管(918,919)と、上記第2流体導管(918,919)の上記第2遠位端部により支持された第2鼻道ノズル(920,921)とをさらに備えた、請求項1〜7のいずれか1つに記載の経鼻投与装置。
  15. 上記アクチュエーション機構(928)は、上記流体導管と上記第2流体導管(918,919)とが夫々通る複数の細長の流体導管支持開口(938,939)を有し、上記中隔インターフェース部と上記第2中隔インターフェース部(990,991)とが互いに接触した時に、それらの細長の流体導管支持開口(938,939)のセンターラインは約40度と60度の間の角度を成す、請求項14記載の経鼻投与装置。
  16. 上記細長の流体導管支持開口(938,939)同士の間の距離は、約2インチと約5インチの間である、請求項15記載の経鼻投与装置。
  17. 上記細長の流体導管支持開口(938,939)同士の間の距離は、約3インチと約4インチの間である、請求項16記載の経鼻投与装置。
  18. 上記流体導管(918,919)は、柔軟な材料から形成されており、且つ、該流体導管(918,919)は、該鼻道内への挿入時に、上記獣被験体(104)の上記鼻道に対して自己整列するように構成されている、請求項14記載の経鼻投与装置。
  19. 上記鼻道は腹側鼻道を含む、請求項18記載の経鼻投与装置。
  20. 上記流体導管(918,919)の上記遠位端部は、上記獣被験体(104)の鼻孔内に、上記中隔インターフェース部(990,991)を少なくとも1インチ越えて延在するように、寸法決めされている、請求項1記載の経鼻投与装置。
  21. 上記鼻道は上記腹側鼻道内へと延びている、請求項20記載の経鼻投与装置。
  22. 流体を獣被験体(104)に経鼻的に供給する為の方法であって、
    顎部(980,981)の中隔インターフェース部(990,991)に対して移動自在である支持されていない遠位端部をそれぞれ有する複数の流体導管(918,919)を備えた経鼻投与装置(900,1000)の、上記顎部(980,981)を開くことと、
    上記顎部(980,981)と上記流体導管(918,919)とを上記獣被験体(104)の鼻孔内に挿入することと、
    上記獣被験体(104)の鼻の中に上記流体導管(918,919)を保持する為に、該獣被験体(104)の鼻中隔を上記顎部(980,981)でクランプすることと、
    上記流体導管(918,919)を通して流体を放出することとを備えたことを特徴とする方法。
  23. 上記顎部(980,981)と上記流体導管(918,919)とを上記獣被験体(104)の鼻孔内に挿入することは、上記流体導管(918,919)を、上記獣被験体(104)の翼状ひだと基底ひだとによって形成される流動くびれを挿通させることを含む、請求項22記載の方法。
  24. 上記顎部(980,981)と上記流体導管(918,919)とを上記獣被験体(104)の鼻孔内に挿入することは、上記獣被験体(104)の腹側鼻道内に上記流体導管(918,919)を挿入することを含む、請求項22記載の方法。
  25. 上記顎部(980,981)と上記流体導管(918,919)とを上記獣被験体(104)の鼻孔内に挿入するステップは、上記経鼻投与装置(900,1000)の深さ停止面(960)が上記獣被験体(104)の鼻に当接する迄、上記経鼻投与装置(900,1000)を上記獣被験体(104)に向けて移動させることを含む、請求項22記載の方法。
  26. 上記流体導管(918,919)は、柔軟な材料から形成されており、且つ、該流体導管(918,919)は、上記顎部(980,981)の遠位端部が互いに接近する時に、上記鼻中隔に沿って湾曲するように構成されている、請求項22記載の方法。
  27. 上記鼻中隔をクランプすることは、上記顎部(980,981)を閉じることを含む、請求項26記載の方法。
  28. 上記流体は、一酸化窒素放出溶液、一酸化窒素ガス、又は、該一酸化窒素放出溶液と該一酸化窒素ガスの組み合わせを含む、請求項22記載の方法。
  29. 経鼻投与装置(900,1000)であって、
    第2部材(931)に枢動可能に連結された第1部材(930)と、流体導管(918)と、第2流体導管(919)とを備え、
    上記第1部材(930)及び上記第2部材(931)はそれぞれ、
    アーム(932,933)と、
    上記アームに連結され且つ上記アームから近位方向に延在するハンドル部分(944,945)と、
    顎部(980,981)とを含み、
    上記第1部材(930)のアームは、上記第2部材(931)のアームに枢動可能に連結されており、
    上記顎部(980,981)は、上記アーム(932,933)に接続され且つ上記アーム(932,933)から遠位方向に延在し、且つ遠位端部を有し、上記第1部材の顎部の遠位端部と、上記第2部材の顎部の遠位端部とは、獣被験体(104)の鼻中隔をクランプするように構成されており、
    上記流体導管(918)は上記第1部材(930)によって支持されており、上記流体導管(918)は上記第1部材の顎部の遠位端部から分離されている遠位端部を有し、
    上記第2流体導管(919)は上記第2部材(931)によって支持されており、上記第2流体導管(919)は上記第2部材の顎部の遠位端部から分離されている遠位端部を有し、
    上記第1流体導管(918)と上記第2流体導管(919)とは、獣被験体(104)内に流体を供給するため、経鼻投与装置(900,1000)が鼻中隔に対してクランプされているときに、上記獣被験体(104)の翼状ひだと基底ひだとによって形成された流動くびれを越えて延在するように寸法決めされていることを特徴とする経鼻投与装置(900,1000)。
  30. 上記第1流体導管(918)と上記第2流体導管(919)とは、経鼻投与装置(900,1000)が上記鼻中隔に対してクランプされている時に、腹側鼻道内に延在するように寸法構成されている、請求項29記載の経鼻投与装置(900,1000)。
  31. 各顎部(980,981)は、上記アーム(932,933)から延在する直線部分(988,989)と、該直線部分から延在する湾曲部分(984,985)と、該湾曲部分から延在する中隔インターフェース部(990,991)とを有する、請求項29記載の経鼻投与装置(900,1000)。
  32. 上記顎部(980,981)の上記中隔インターフェース部(990,991)は、上記鼻中隔に対して垂直方向に測定される幅と、該幅に対して垂直方向に測定される厚さとを有し、上記幅は、上記厚さの少なくとも2倍である、請求項31記載の経鼻投与装置(900,1000)。
  33. 上記中隔インターフェース部(990,991)は、湾曲しており、且つ、該湾曲に対して垂直方向に実質的に平坦になっている、請求項31記載の経鼻投与装置(900,1000)。
  34. 上記第1流体導管(918)及び上記第2流体導管(919)の上記遠位端部に設けられ、上記流体を円錐形パターンで放出するように構成された鼻道ノズル(920,921)をさらに備えた、請求項31〜33のいずれか1つに記載の経鼻投与装置(900,1000)。
  35. 上記第1及び第2流体導管(918,919)の上記遠位端部は、上記獣被験体(104)の組織に接することで湾曲するように構成されている、請求項34記載の経鼻投与装置(900,1000)。
  36. 上記第1及び第2流体導管(918,919)の上記遠位端部の湾曲は、上記鼻道ノズル(920,921)を上記中隔インターフェース部(990,991)から離す方向に移動させる、請求項35記載の経鼻投与装置(900,1000)。
  37. 1平方インチ当たり約20ポンドと25ポンドの間のノズル先端放出圧力において、約30ミリリットルと約35ミリリットルの間の1回分の流体の投与量を放出するように構成されたポンプ(121)をさらに備えた、請求項29記載の経鼻投与装置(900,1000)。
  38. 上記流体導管(918,919)は、上記第1部材(930)及び上記第2部材(931)によって支持されており、且つ、上記第1部材(930)及び上記第2部材(931)の遠位側においては支持されていない、請求項29記載の経鼻投与装置(900,1000)。
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